説明

ろ過装置及びろ過方法

【課題】小型かつ低コストで、縣濁物質が多いサンプル液を連続的にろ過することが可能なろ過装置及びろ過方法を提供する。
【解決手段】サンプリング時には、操作・制御部11は電磁弁31,32を開状態、電磁弁35,36,37を閉状態、流量調整弁33,34を所定の開度状態にする。そして、流路21からろ過器4のサンプル入口42にサンプル液を供給すると、ろ過器4にてサイクロン方式でサンプル液がろ過され、中間ろ液としてろ液出口43から排出された後に流路22を流れてろ過器5のサンプル入口521に供給される。ろ過器5に供給された中間ろ液は、ディスクフィルタ方式で更にろ過され、ろ液としてろ液出口541から排出される。ろ液は、流路24を流れて計測器13に供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被ろ過水をろ過するろ過装置及びろ過方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
排水や環境水の成分のオンライン分析を行う場合に、サンプル液中のゴミ等の縣濁物質が分析装置に混入して測定値の精度が落ちたり、分析装置の配管が目詰まりして測定が困難になったりする問題が発生する。そのため、サンプル液をフィルタ等によりろ過して縣濁物質を取り除いたろ液を分析装置に導入する構成が採用されている。サンプル液が極めて多くの縣濁物質を含有している場合には、ろ過に伴ってフィルタ等に目詰まりが発生してしまう。
【0003】
ところで、サンプル液のろ過の場合に限らず、異物を含む液体から異物を除去する技術としては、液体をろ過する際にフィルタ等の目詰まりが発生しないようにする構成が従来から提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、各種の工作機械から排出される切り屑、切粉、砥粒などの加工チップ等が混入した使用済みのクーラントから、上記加工チップ等を独立した撹拌装置を使用することなく、従って装置のコストを低減し、且つ動力のランニングコストを必要とせず、連続的に、時間をかけず、しかも完全に分離、除去し、クーラントを循環使用するための構成が開示されている。具体的に説明すると、この特許文献1には、加工チップを含んで工作機械から排出される使用済みのクーラントを貯溜するダーティタンクを円形槽にし、その中心底部にポンプの吸上口を開口すると共に該ポンプの吐出管をサイクロンに接続し、この吐出管の途中に分岐管の一端を接続し、分岐管の先端を前記ダーティタンクの円形槽内に接線方向に開口させる構造が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−137743号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、サンプル液をろ過してろ液を分析装置に供給するろ過装置には、設置場所等の制約によって、小型化が求められ、また、低コスト化が求められる。また、ろ過装置には、分析装置へろ液を連続して供給することも求められる。しかしながら、従来の技術では、ろ過すべき縣濁物質が多いサンプル液をろ過して連続的にろ液を分析装置に供給するろ過装置について小型化及び低コスト化を実現することが困難である。
【0006】
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、小型かつ低コストで、縣濁物質が多いサンプル液を連続的にろ過することが可能なろ過装置及びろ過方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的のもと、本発明が適用されるろ過装置は、縣濁物質を含む液体が供給され、旋回流により当該液体から当該縣濁物質を遠心分離するサイクロン方式によりろ過して排出する第1ろ過器を備えるろ過装置であって、前記第1ろ過器の下流に配設され、供給される液体を前記サイクロン方式以外の方式によりろ過して排出する第2ろ過器を備えることを特徴とするものである。
【0008】
ここで、前記第2ろ過器は、薄板円盤の中心に貫通穴を有する溝付きのフィルタ部材を整列して積み重ねて構成されたディスクフィルタを使用してろ過することを特徴とすることができる。この場合には、前記第2ろ過器は、液体が供給される液体入口と、前記ディスクフィルタを使用して当該液体をろ過して排出するろ液出口と、当該液体の一部を当該ディスクフィルタを使用したろ過を行わずに排出する液体出口と、を有することを特徴とすることができる。
また、前記第1ろ過器と前記第2ろ過器とで構成される第1ろ過器群と、前記第1ろ過器と前記第2ろ過器とで構成される第2ろ過器群と、前記第1ろ過器群でろ過されたろ液又は前記第2ろ過器群でろ過されたろ液のいずれか一方を選択的に装置外に排出する排出手段と、を含むことを特徴とすることができる。また、前記第1ろ過器にて前記サイクロン方式でろ過された液体が供給され、当該液体を当該サイクロン方式によりろ過して前記第2ろ過器に排出する第3ろ過器を更に備え、前記第1ろ過器と前記第3ろ過器のいずれか一方は、水よりも比重の大きな縣濁物質を除去するものであり、かつ、他方は、水よりも比重の小さな縣濁物質を除去するものであることを特徴とすることができる。
【0009】
他の観点から捉えると、本発明が適用されるろ過方法は、供給される縣濁物質含有の液体を旋回流して当該液体から当該縣濁物質を遠心分離するサイクロン方式により当該液体を一次ろ過し、前記サイクロン方式によりろ過された前記液体を当該サイクロン方式以外の方式により最終ろ過することを特徴とするものである。
【0010】
ここで、前記最終ろ過は、溝付きのフィルタ部材を整列して積み重ねると共に隣り合う当該フィルタ部材同士が互いに密着するディスクフィルタを使用して前記液体の一部について行われ、前記液体の残部を前記ディスクフィルタでろ過せずに排出することを特徴とすることができる。また、前記最終ろ過の前に、前記一次ろ過した前記液体を前記サイクロン方式により二次ろ過し、前記一次ろ過と前記二次ろ過のいずれか一方は、水よりも比重の大きな縣濁物質を除去し、かつ、他方は、水よりも比重の小さな縣濁物質を除去することを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、従来の場合よりも、小型かつ低コストで、縣濁物質が多いサンプル液を連続的にろ過することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係るろ過装置1の構成を示す概略構成図である。
図1に示すろ過装置1は、ユーザの操作に従って制御する操作・制御部11と、サンプル液(サンプル、被ろ過液、試料水)をサイクロン方式でろ過するろ過器(サイクロンフィルタ、第1ろ過器)4と、ろ過器4にろ過された中間ろ液をディスクフィルタ方式で更にろ過するろ過器(第2ろ過器)5と、ろ過器5から排出されたろ液(ろ過水)が収容される受水槽12と、を備え、ろ過器5から排出されたろ液が外部の計測器13に供給されている。
このように、ろ過装置1では、2つのろ過器4,5を直列的に配置している。言い換えると、ろ過装置1は、サイクロン方式のろ過器4をプレフィルタとし、ディスクフィルタ方式のろ過器5で最終ろ過を行うように構成されている。
なお、ろ過器4による中間ろ液は更にろ過器5でろ過されることから、中間ろ過をサンプル液と言うことがある。図1では、操作・制御部11が制御するために用いられる信号線を破線で示している。また、図1でのろ過器4,5の各々の上下関係は、同図での上下関係と同じである。すなわち、ろ過器4は、ろ液出口43が上に位置するように配設され、また、ろ過器5は、ろ液出口541が上に位置するように配設される。
【0013】
ろ過装置1は、縣濁物質(縣濁物、水中に浮遊する粒子状物質、浮遊物質(Suspended Solids))が含まれるサンプル液をろ過器4に供給するための流路21と、ろ過器4にてサンプル液から縣濁物質が分離された中間ろ液をろ過器5に供給するための流路22と、ろ過器4で分離された縣濁物質を排出するための流路23と、を備えている。また、ろ過装置1は、ろ過器5にて中間ろ液から更に縣濁物質がろ過されたろ液を排水するための流路24と、ろ過器5でろ過されずにろ過器5から排出された中間ろ液を排水するための流路25と、を備えている。また、ろ過装置1は、逆洗を行う際に高圧空気をろ過器5に供給する流路26と、逆洗を行う際に水道水をろ過器5に供給する流路27を備えている。これらの流路21,22,23,24,25,26,27の各々は、配管で構成されている。
【0014】
流路24の途中には、外部の計測器(分析計)13への流路部分と受水槽12への流路部分とに分岐する分岐点C1が設けられている。すなわち、分岐点C1では、ろ過器5からのろ液が外部の計測器13へ流れ、また、ろ過器5からのろ液が受水槽12へ流れるように構成されている。このように、流路24は、ろ過器5から外部の計測器13にろ液を搬送するように構成されている。
【0015】
ろ過装置1には、流路24と流路26,27とが互いに接続する接続点C2が配設されている。また、ろ過装置1には、流路22と流路26とが互いに接続する接続点C3が配設されている。このように、流路26及び流路27は、流路24と接続点C2で接続するように構成され、かつ、流路26は、流路22と接続点C3で接続するように構成されている。すなわち、接続点C2では、流路26からの高圧空気及び流路27からの水道水を流路24に供給することが可能であり、また、接続点C3では、流路26からの高圧空気を流路22に供給することが可能である。付言すると、接続点C2は、分岐点C1のろ液流れ方向上流側に位置している。
【0016】
流路24には、接続点C2と分岐点C1との間に電磁弁31が設置されている。流路24には、分岐点C1と受水槽12との間に電磁弁32が設置されている。また、流路25には、流量調整弁(ボールバルブ)33が設置されている。また、流路23には、流量調整弁(ボールバルブ)34が設置されている。
電磁弁31,32は、開状態と閉状態とを切り替え可能に構成されている。流量調整弁33は、ろ過器5から排出されるサンプル液の流量を変えることができるように流量可変に構成されている。流量調整弁34は、ろ過器4から排出される縣濁物質の流量を変えることができるように流量可変に構成されている。
【0017】
また、流路26には、高圧空気を減圧する減圧弁14が設置されている。また、減圧弁14と接続点C2との間の流路26には、高圧空気を接続点C2に供給したり供給を中止したりするための電磁弁35が設置されている。また、流路27には、水道水を接続点C2へ供給したり供給を中止したりするための電磁弁36が設置されている。電磁弁35,36は、開状態と閉状態とを切り替え可能に構成されている。
【0018】
また、流路26には、減圧弁14と電磁弁35との間に分岐点C4が設けられている。この分岐点C4は、接続点C2への高圧空気の流路部分の途中で接続点C3への流路部分に分岐するためのものである。すなわち、分岐点C4は、流路26からの高圧空気を、接続点C3及び流路22を介してろ過器5に供給するためのものである。
そして、分岐点C4と接続点C3との間の流路26には、高圧空気を接続点C3に供給したり供給を中止したりするための電磁弁37が設置され、かつ、電磁弁37と接続点C3との間の流路26には、流量調整弁(ボールバルブ)38が設置されている。電磁弁37は、開状態と閉状態とを切り替え可能に構成され、流量調整弁38は、ろ過器5へ供給する高圧空気の流量を変えることができるように流量可変に構成されている。
【0019】
上述した電磁弁31,32,35,36,37及び流量調整弁33,34,38の各々は、操作・制御部11によりその作動が制御されている。すなわち、操作・制御部11は、サンプル液をろ過器4,5によりろ過する時(サンプリング時)とろ過器5の逆洗時とで、予め定められた処理手順に基づいて、これらの電磁弁31,32,35,36,37の開閉の切り替え動作や流量調整弁33,34,38の開度調整動作を行う。詳細は後述する。
【0020】
図2は、図1のろ過器4を示す概略構成図である。
図2に示すろ過器4は、縣濁物質(例えば、砂、ゴミ、泥等)が含まれるサンプル液をサイクロン方式でろ過してろ液を生成するためのものである。このサイクロン方式とは、遠心分離の原理を応用した方式であり、より具体的には、縣濁物質を含むサンプル液をポンプ等でろ過器4に送液し、ろ過器4内での渦の回転による遠心力を利用して縣濁物質を分離するものである。
【0021】
ろ過器4は、ろ過器本体である分離器41と、流路21(図1参照)に接続されてサンプル液が供給されるサンプル入口42と、流路22(図1参照)に接続され、サンプル液から縣濁物質を分離したろ液を排出するろ液出口43と、流路23に接続され、サンプル液から分離された縣濁物質を排出するドレイン出口44と、を有する。
【0022】
分離器41は、縦断面が逆三角形状であり、上側の横断面よりも下側の横断面が狭くなるように内壁41aが形成されている。付言すると、内壁41aは、一定の傾斜角度をもって形成されている。
【0023】
サンプル入口42及びろ液出口43は、分離器41の上側に位置し、また、ドレイン出口44は、分離器41の下側に位置している。すなわち、分離器41にサンプル入口42からサンプル液が供給され、ろ過された中間ろ液がろ液出口43から排出され、下方に沈んでいった縣濁物質がドレイン出口44から排出される。
【0024】
このように構成されたろ過器4の作用を説明する。ろ過器4のサンプル入口42からサンプル液が供給されると、分離器41の内部をサンプル液が流れる。その際に、サンプル液は、渦を巻くように流れるため、サンプル液に含まれる縣濁物質は、その過程で渦の回転による遠心力により、分離器41の内壁41aにぶつかり、拡散して下降する。一方、縣濁物質が除去されたサンプル液は、分離器41内の上部のろ液出口43から流出する。したがって、ろ過器4では、縣濁物質を取り除いたろ液をろ液出口43で採取することが可能になる。
【0025】
このようにして、サイクロン方式によるろ過器4は、縣濁物質のうち水よりも比重の大きなものを取り除くことが可能である。また、サイクロン方式は、フィルタを用いた方式ではないため、ろ過器4での目詰まりが発生せず、その保守も容易である。なお、ろ過器4で一次ろ過が行われることでサンプル液に含まれる縣濁物質のうち比重の大きいものが除去されるが、比重の小さな縣濁物質は、ディスクフィルタ方式のろ過器5で二次ろ過が行われることにより、取り除くことが可能である。
【0026】
図3は、図1のろ過器5を示す概略構成図であり、図4は、図1のろ過器5の分解斜視図である。
図3に示すろ過器5は、縣濁物質が含まれるサンプル液をろ過してろ液を生成するためのものであり、後述するように、サンプル液が供給されるサンプル入口(液体入口)521と、ろ液を排出するろ液出口541と、供給されたサンプル液のうちろ過されなかったサンプル液を排出するドレイン出口(液体出口)542と、を有する。更に説明すると、ろ過器5は、供給されたサンプル液の全量をろ過する構造(全量ろ過の構造)を採用しておらず、供給されたサンプル液の一部をろ過する一方で、残りのサンプル液をろ過せずに排出する構造(部分ろ過の構造)を採用している。
【0027】
ろ過器5は、図3又は図4に示すように、主要な構成部品として、内部空間Xを有するケース52と、ケース52の内部空間Xに設置されるディスクフィルタ53と、ケース52に取り付けられるカバー54と、を備えている。
【0028】
ケース52は、ろ過器本体としての部品である。このケース52は、サンプル液を内部空間Xに導き入れるためのサンプル入口521を備えている。このサンプル入口521は、ケース52の下側に形成されている。
また、ケース52は、ディスクフィルタ53をケース52の内部空間X内に取り付ける際に用いられると共にディスクフィルタ53に付勢力を与えるバネ55を取り付けるための取付部(図3参照)522を備えている。この取付部522は、サンプル入口521に連通する両端開放の管形状であり、その外周には、バネ55が取り付けられる。
【0029】
ディスクフィルタ53は、サンプル液をろ過する機能を有する部品である。このディスクフィルタ53は、図4に示すように、中心に1つの貫通穴が形成された薄板円盤状のディスク(溝付き部材、フィルタ部材)531と、複数のディスク531が整列して積み重ねて取り付けられるホルダ532と、ホルダ532に取り付けられたディスク531を押さえる押さえ部材533と、を備えている。更に説明すると、ディスクフィルタ53は、後述するホルダ532の保持部534に複数枚のディスク531を挿入して後述するホルダ532のフランジ部535上に複数枚のディスク531を積み重ねた後に押さえ部材533を載せて構成されている。後述するように、ディスクフィルタ53は、ディスク531の積み重ね方向が上下方向となるように、ケース52に配設される。
【0030】
ディスク531の少なくとも片方の面には、半径方向に延びる図示しない溝が複数形成されている。この溝の大きさにより、ろ過するサンプル液の縣濁物質の大きさが決定される。すなわち、隣り合う溝付きのディスク531同士を密着させると、ディスク531の外周面から中心に向けて延びる所定の大きさの流路が形成される。この流路を通過できないサンプル液の縣濁物質がディスク531の外周面に残り、サンプル液がろ過される。
【0031】
ホルダ532は、ディスク531の貫通穴に対応する形状の保持部534と、保持部534の一端に形成されたフランジ部535と、保持部534とは反対側のフランジ部535の面に位置してケース52の取付部522と係合する管形状の係合部536と、係合部536に半径方向に延在するように形成され、係合部536の円周方向に関して略均等間隔で位置する複数の貫通穴(通水穴)537と、を備えている。
【0032】
更に説明すると、ディスクフィルタ53がケース52の取付部522に取り付けられると、サンプル入口521がディスクフィルタ53の下方に位置する。言い換えると、サンプル入口521は、ディスクフィルタ53のディスク531の厚さ方向の延長線上に位置する。
また、ディスクフィルタ53がケース52の取付部522に取り付けられると、取付部522はフランジ部535により閉塞される一方で、取付部522により画定された入口領域Yは、貫通穴537を介してケース52の内部空間Xと連通する。したがって、サンプル入口521は、取付部522及び係合部536から貫通穴537を通じてケース52の内部空間Xと接続される。
また、ディスクフィルタ53がケース52の取付部522に取り付けられると、係合部536は、取付部522に取り付けられているバネ55と当接する。したがって、ディスクフィルタ53は、係合部536を介してバネ55による付勢力を受ける。ディスクフィルタ53がそのような付勢力を受けると、隣り合うディスク531同士が互いに密着し、これにより、ディスクフィルタ53はろ過機能を発揮する。
【0033】
押さえ部材533は、ディスク531とほぼ同じ形状であり、中心に1つの貫通穴が形成された円盤状の部材である。押さえ部材533は、ホルダ532のフランジ部535と共に複数枚のディスク531を束ねる部材である。すなわち、押さえ部材533がホルダ532に取り付けられると、押さえ部材533は、保持部534に対して軸方向に相対移動可能である。そして、押さえ部材533とフランジ部535とが互いに近づく方向の付勢力を係合部536を介してバネ55から受けることで、押さえ部材533とフランジ部535との間に挟まれた複数枚のディスク531は互いに密着し、これにより、ディスクフィルタ53のろ過機能が確保される。
【0034】
カバー54は、サンプル入口521から供給されたサンプル液の一部がディスクフィルタ53によりろ過されたろ液を排出するろ液出口541と、ろ過されないサンプル液の残りをそのまま排出するドレイン出口542と、ディスクフィルタ53の押さえ部材533が当接する当接部543と、を備えている。
【0035】
このように構成されたろ過器5において、ケース52のサンプル入口521から所定の圧力をもって供給されたサンプル液は、ケース52の取付部522そしてディスクフィルタ53の係合部536からディスクフィルタ53の貫通穴537を通ってケース52の内部空間Xに導かれる。その後、サンプル液は、その一部がディスクフィルタ53によりろ過されてろ液としてカバー54のろ液出口541から排出される。サンプル液がろ過されると、ディスクフィルタ53の外周面にサンプル液の縣濁物質が付着する。
【0036】
ろ過に伴って付着した縣濁物質の処理について更に説明すると、ケース52の内部空間Xに供給されたサンプル液の一部は、貫通穴537からドレイン出口542の方向へ所定の流速で流れる。すなわち、貫通穴537からディスクフィルタ53の外側を通ってドレイン出口542へのサンプル液の流れが形成される。そして、上述したように、貫通穴537が円周方向に略均等間隔で位置しているため、サンプル液は、ディスクフィルタ53の外周面に関して略均等に分散されて流れる。かかるサンプル液の水流により、ディスクフィルタ53の外周面に付着した縣濁物質が速やかに剥離される。すなわち、サンプル液に含まれる縣濁物質がディスクフィルタ53の外周面に蓄積しにくくなる。剥離された縣濁物質は、サンプル液と共にドレイン出口542から排出される。
【0037】
このように、ろ過器5は、ろ過されたろ液が排出される流路とろ過されずに排出される流路とを有する構造であることから、逆洗を行わなくてもディスクフィルタ53の外周面に付着した縣濁物質を洗い流す自浄作用を有する。したがって、例えば、製紙工場での排水処理前の廃水(縣濁物質が多いサンプル液)をろ過してろ液を分析装置に供給する設備においても、連続的なろ過を行うことが可能になる。また、自浄作用のために、逆洗を行う時間間隔を長くすることができ、ろ過器5を並列配置しなくてもろ液の安定的な供給という要求に対応することが可能になる。
また、ドレイン出口542から排出されるサンプル液の量を調整することにより、必要な量のろ液をろ液出口541から排出することができ、必要以上にろ液を採取しないため、ディスクフィルタ53の詰まりを防止することが可能になる。
【0038】
なお、本実施の形態では、サンプル入口521からサンプル液を供給し、その一部をドレイン出口542から排出する場合を説明したが、ドレイン出口542からサンプル液を供給し、その一部をサンプル入口521から排出する場合であっても良い。すなわち、2つの出口を備え、そのうちの一方の出口は、供給されたサンプル液がろ過されてろ液として排出される排出口であり、他方の出口は、供給されたサンプル液がろ過されずに排出される排出口である構成を備えるように構成することが考えられ、その中の一態様としてろ過器5を図示して説明したものである。
【0039】
また、本実施の形態のろ過器5では、ディスクフィルタ53を使用しているが、他の種類のフィルタを用いることが考えられる。例えば、金網フィルタ、樹脂製網で構成されたフィルタ、セルロース系の材料で形成されたフィルタ、焼結金属フィルタ等を挙げることができる。列挙した各種のフィルタとしては、従来から公知のものを使用することが可能である。
【0040】
ここで、ろ過器5での逆洗について付言する。ろ過器5では、上述したようにディスクフィルタ53の外周面への縣濁物質の付着・蓄積を防止することが可能であるが、サンプル液に極めて多量の縣濁物質が含まれているときには、定期的に逆洗を行う必要がある。
【0041】
ろ過器5で逆洗を行うときには、ろ液出口541からろ過器5に高圧空気及び水道水を供給する。すると、ディスクフィルタ53のフランジ部535がバネ55の付勢力に抗してケース52のサンプル入口521の方向に移動し、それまで互いに密着していたディスクフィルタ53のディスク531の隙間が拡がる。このため、ディスクフィルタ53の外周面に蓄積した縣濁物質が除去される。そして、除去された縣濁物質は、サンプル入口521ないしドレイン出口542から排出される。
【0042】
また、逆洗の他の態様としては、高圧空気及び水道水をろ液出口541から供給すると共にサンプル入口521からも、高圧空気及び/又は水道水を供給する。すなわち、サンプル入口521から、高圧空気と水道水を供給する方式、高圧空気を供給する方式又は水道水を供給する方式を採用することが考えられる。このようにすることにより、ディスクフィルタ53の外周面に蓄積した縣濁物質がより確実に除去され、かつ、ケース52内の洗浄も行うことが可能になる。
【0043】
次に、図1を用いて、ろ過器4,5によるサンプリング時の電磁弁31,32,35,36,37及び流量調整弁33,34,38の各々の作動と、ろ過器5での逆洗時の電磁弁31,32,35,36,37及び流量調整弁33,34,38の各々の作動について、以下具体的に説明する。
【0044】
サンプリング時には、操作・制御部11は、電磁弁31,32を開状態にし、かつ、電磁弁35,36,37を閉状態にする。また、操作・制御部11は、流量調整弁33,34を所定の開度にする。
操作・制御部11がこのような制御を行った後に、流路21からろ過器4のサンプル入口42にサンプル液が供給される。上述したように、ろ過器4にてサイクロン方式でサンプル液がろ過され、中間ろ液としてろ液出口43から排出され、その後は、流路22を流れてろ過器5のサンプル入口521に供給される。
中間ろ液が、流路22からサンプル入口521を介してろ過器5に供給されると、ろ過器5ではディスクフィルタ方式で更にろ過され、ろ液としてろ液出口541から排出される。そして、ろ液は、流路24を流れて外部の計測器13に供給される。また、ろ液の一部は、受水槽12に流れ、オーバーフロー分として排出される。
【0045】
そして、サンプル入口521からろ過器5に供給された中間ろ液の一部は、ディスクフィルタ53(図3又は図4参照)によりろ過されず、かつ、ディスクフィルタ53の外周面に付着した縣濁物質が速やかに外周面から離れるような流れを形成して、そのままドレイン出口542から排出され、流路25を流れて排出される。流路25を流れる中間ろ液の流量は、流量調整弁33により調整可能である。更に説明すると、サンプル入口521から供給される中間ろ液流量に対してドレイン出口542から排出される中間ろ液流量の割合が大きくなると、ろ過する量が減り、ディスクフィルタ53のろ過に伴う汚れの程度が少なくなる一方で、ろ液出口541から排出されるろ液の量が減少する。また、ドレイン出口542から排出される中間ろ液流量の割合が小さくなると、ろ液出口541から排出されるろ液の量が増大する一方で、ディスクフィルタ53のろ過に伴う汚れの程度が多くなる。ユーザは、このような事情と外部の計測器13に供給すべき必要量を考慮して、流量調整弁33を制御することになる。
【0046】
逆洗時には、操作・制御部11は、電磁弁31を閉状態にした後に電磁弁35,36を開状態にする。また、操作・制御部11は、流量調整弁33を所定の開度にする。この状態で、流路26,27から接続点C2を介して流路24のろ液流れ方向とは逆の方向に高圧空気及び水道水を流してろ過器5のろ液出口541に供給する。すると、ディスクフィルタ53(図3又は図4参照)に付着・蓄積した縣濁物質がディスクフィルタ53から剥離してサンプル入口521ないしドレイン出口542から排出される。
【0047】
なお、逆洗時に、操作・制御部11は、電磁弁37を開状態にし、かつ、流量調整弁38を所定の開度にする制御も考えられる。この場合には、高圧空気が、分岐点C4から接続点C3へ流れた後に流路22を介してろ過器5のサンプル入口521から供給される。供給された高圧空気により、ディスクフィルタ53の外周面が洗浄される。したがって、より確実にディスクフィルタ53の外側に付着した汚れを洗浄することが可能になる。
【0048】
上述した逆洗は、定期的に行われるものであり、その時間間隔は、外部の計測器13の要求するサンプリングのタイミングによるが、サンプル液の汚れ度合いやディスクフィルタ53の目詰まり度合いにより、適切に設定することになる。すなわち、操作・制御部11は、外部の計測器13との測定タイミングにより、連動して電磁弁31等を自動的に制御する。
【0049】
ろ過器4,5によるろ液が流路24を介して供給される外部の計測器13について説明する。この外部の計測器13は、ろ液について所定の事項を計測するためのものであり、外部の計測器13としては、その図示を省略するが、例えば、COD(Chemical Oxygen Demand)計測器やTOC(Total Organic Carbon)計測器、UV(UltraViolet)計測器(紫外線吸光度計測器)を挙げることができる。
【0050】
更に説明すると、事業所や工場からの排水に含まれる汚濁物質の監視は、水質汚濁防止法および水質総量規制などの観点から重要になってきている。特に、排水量の多い製紙・石油化学・鉄鋼などの大規模工場においては、最終放流よりも上流の複数箇所でのモニタリングを行い、総合排水処理管理システムを構築している。排水処理工程ごとに水質監視を行うことで最終放流の水質汚濁事故を未然に防止している。その際、有機汚濁物質の監視用計測器としては、上述したCOD計測器、TOC計測器又はUV計測器等の連続測定機器が使用されている。なお、ここにいう総量規制とは、東京湾・伊勢湾・瀬戸内海などの閉鎖性水質保全対策として、CODを指定項目とする汚濁負荷量の総量を削減するために定められた規制をいう。
【0051】
〔第2の実施の形態〕
図5は、第2の実施の形態に係るろ過装置6の構成を示す概略構成図である。
図5に示すろ過装置6は、第1の実施の形態に係るろ過装置1が備えるろ過器4,5(図1参照)の組み合わせを2組備えている。すなわち、ろ過装置6は、ろ過装置1が備える構成を1つ又は複数備えている。このため、ろ過装置1と同じ構成については、同じ符号ないし末尾にa又はbを追加した符号を用いることとし、その説明を省略することがある。また、図5では、操作・制御部11が制御の際に用いる信号線の図示を省略している。
【0052】
具体的に説明すると、ろ過装置6は、ユーザの操作に従って制御する操作・制御部11と、サンプル液をサイクロン方式でろ過するろ過器4a,4bと、ろ過器4a,4bにろ過された中間ろ液をディスクフィルタ方式で更にろ過するろ過器5a,5bと、ろ過器5a,5bから排出されたろ液が収容される受水槽12と、を備え、ろ過器5a,5bから排出されたろ液が外部の計測器13に供給されている。
【0053】
言い換えると、ろ過装置6では、ろ過器4a及びろ過器5aを直列的に配置したろ過器群(第1ろ過器群)Aと、ろ過器4b及びろ過器5bを直列的に配置したろ過器群(第2ろ過器群)Bと、を備えている。そして、ろ過装置6は、ろ過器群Aとろ過器群Bの各々が受水槽12及び外部の計測器13にろ液を供給可能に構成されている。すなわち、ろ過器群A及びろ過器群Bは、受水槽12及び外部の計測器13に対して並列的に配置されている。
【0054】
操作・制御部11が電磁弁31aを開状態にし、かつ、電磁弁31bを閉状態にすると、ろ過器群Aからのろ液が受水槽12及び外部の計測器13に供給される。その一方で、操作・制御部11が電磁弁31aを閉状態にし、かつ、電磁弁31bを開状態にすると、ろ過器群Bからのろ液が受水槽12及び外部の計測器13に供給される。
【0055】
このように、ろ過装置6は、外部の計測器13へのろ液の供給を、ろ過器群A,Bのいずれかを選択することができるように構成されている。このため、ろ過器群A,Bのいずれか一方でサンプル液をろ過してろ液を外部の計測器13に供給している間に、他方で逆洗することが可能になる。例えば、ろ過器群Aからろ液を外部の計測器13に供給している際に、ろ過器群Bではサンプル液をろ過する必要がなく、ろ過器5bの逆洗を実行することが可能である。したがって、外部の計測器13へのろ液の供給を、逆洗等によって中断することがなく、連続的に行うことが可能になる。
【0056】
操作・制御部11による制御を具体的に説明すると、ろ過器群Aでのサンプリング時には、操作・制御部11は、電磁弁35a,35b,36a,36b,37a,37bを閉状態にするほか、電磁弁31aを開状態にし、電磁弁31bを閉状態にする。また、ろ過器群Bでのサンプリング時には、操作・制御部11は、電磁弁35a,35b,36a,36b,37a,37bを閉状態にするほか、電磁弁31aを閉状態にし、電磁弁31bを開状態にする。
【0057】
そして、ろ過器群Aでの逆洗時には、操作・制御部11は、電磁弁31aを閉状態にし、かつ、電磁弁35a,36aを開状態にする。操作・制御部11は、必要に応じて、電磁弁37aを開状態にすると共に流量調整弁38aを所定の開度にする。
また、ろ過器群Bでの逆洗時には、操作・制御部11は、電磁弁31bを閉状態にし、かつ、電磁弁35b,36bを開状態にする。操作・制御部11は、必要に応じて、電磁弁37bを開状態にすると共に流量調整弁38bを所定の開度にする。
【0058】
〔第3の実施の形態〕
図6は、第3の実施の形態に係るろ過装置7の構成を示す概略構成図である。
図6に示すろ過装置7は、第1の実施の形態に係るろ過装置1が備えるろ過器4(図1参照)を2つ備え、かつ、ろ過装置1が備えるろ過器5を1つ備えている。このため、ろ過装置1と同じ構成については、同じ符号を用いることとし、その説明を省略することがある。また、図6では、操作・制御部11が制御の際に用いる信号線の図示を省略している。
【0059】
具体的に説明すると、ろ過装置7は、ユーザの操作に従って制御する操作・制御部11と、サンプル液をサイクロン方式でろ過して中間ろ液を排出するろ過器4と、ろ過器4から排出された中間ろ液をサイクロン方式で更にろ過して中間ろ過を排出するろ過器(第3ろ過器)8と、ろ過器8から排出された中間ろ液をディスクフィルタ方式で更にろ過するろ過器5と、ろ過器5から排出されたろ液が収容される受水槽12と、を備え、ろ過器5から排出されたろ液が外部の計測器13に供給されている。
【0060】
言い換えると、ろ過装置7では、サイクロン方式のろ過器4の下流側にサイクロン方式のろ過器8を配置し、ろ過器8の下流側にディスクフィルタ方式のろ過器5を配置している。すなわち、ろ過装置7は、サイクロン方式のろ過器4とディスクフィルタ方式のろ過器5との間に、サイクロン方式のろ過器8を配置して構成されている。すなわち、ろ過装置7において、ろ過器4、ろ過器8及びろ過器5を直列的に配置されている。付言すると、本実施の形態に係るろ過装置7は、第1の実施の形態に係るろ過装置1にろ過器8及び流量調整弁39を追加して構成されているということができる。
【0061】
ろ過器4は、第1の実施の形態の場合と同一の構成であり、分離器41、サンプル入口42、ろ液出口43及びドレイン出口44と、を有する。サンプル入口42は流路21に接続され、ろ液出口43は流路221に接続され、ドレイン出口44は流路23に接続されている。
【0062】
ろ過器8は、ろ過器4と同じ構成であり、ろ過器4の分離器41に相当する分離器81と、ろ過器4のサンプル入口42に相当するサンプル入口82と、ろ過器4のろ液出口43に相当するろ液出口83と、ろ過器4のドレイン出口44に相当するドレイン出口84と、を有する。サンプル入口82は流路221に接続され、ろ液出口83は流路222に接続され、ドレイン出口44は流路223に接続されている。
【0063】
このように、流路221は、ろ過器4のろ液出口43とろ過器8のサンプル入口82とを互いに接続している。また、流路222は、ろ過器8のろ液出口83とろ過器5のサンプル入口521とを互いに接続している。
流路223には、操作・制御部11により制御される流量調整弁(ボールバルブ)39が設置されている。この流量調整弁39は、ろ過器8のドレイン出口84から排出される縣濁物質の流量を調整するものである。したがって、流量調整弁39は、ろ過器4のドレイン出口44から排出される縣濁物質の流量を調整する流量調整弁34に相当するものであると言える。
【0064】
更に説明すると、ろ過器8の分離器81に対するろ液出口83とドレイン出口84との相対的な位置関係は、ろ過器4の分離器41に対するろ液出口43とドレイン出口44との相対的な位置関係とは逆である。すなわち、ろ過器4のろ液出口43は分離器41の上側に位置し、ドレイン出口44は分離器41の下側に位置している。その一方で、ろ過器8のろ液出口83は分離器81の下側に位置し、ドレイン出口84は分離器81の上側に位置している。
すなわち、ろ過器8の分離器81にサンプル入口82から中間ろ液が供給され、更にろ過された中間ろ液がろ液出口83から排出され、上方に浮いている縣濁物質がドレイン出口84から排出される。
【0065】
このように、ろ過器4では、サンプル液に含まれる縣濁物質のうち水よりも比重の大きなものを取り除き、そして、ろ過器8では、サンプル液に含まれる縣濁物質のうち水よりも比重の小さなものを取り除く。したがって、ろ過装置7では、ろ過器4,8を組み合わせることで、水よりも比重の大きな縣濁物質と水よりも比重が小さな縣濁物質とを有効に除去することが可能である。しかも、ろ過器4,8は、同じ構成のものであるので、コストの上昇を抑制することが可能になる。
【0066】
なお、ろ過装置7でのサンプリング時及び逆洗時での電磁弁31,32,35,36,37及び流量調整弁33,34,38,39の各々の作動については、既に説明した第1の実施の形態に係るろ過装置1の場合と基本的に同じものゆえ、その説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】第1の実施の形態に係るろ過装置の構成を示す概略構成図である。
【図2】図1のろ過器を示す概略構成図である。
【図3】図1の別のろ過器を示す概略構成図である。
【図4】図1のろ過器の分解斜視図である。
【図5】第2の実施の形態に係るろ過装置の構成を示す概略構成図である。
【図6】第3の実施の形態に係るろ過装置の構成を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0068】
1,6,7…ろ過装置、11…操作・制御部、12…受水槽、13…計測器、14…減圧弁、21,22,221,222,223,23,24,25,26,27…流路、31,32,35,36,37…電磁弁、33,34,38,39…流量調整弁、4,5,8…ろ過器、41,81…分離器、41a…内壁、42,521,82…サンプル入口、43,541,83…ろ液出口、44,542,84…ドレイン出口、52…ケース、522…取付部、53…ディスクフィルタ、531…ディスク、532…ホルダ、533…押さえ部材、534…保持部、535…フランジ部、536…係合部、537…貫通穴、54…カバー、543…当接部、55…バネ、A,B…ろ過器群、C1,C4…分岐点、C2,C3…接続点、X…内部空間、Y…入口領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縣濁物質を含む液体が供給され、旋回流により当該液体から当該縣濁物質を遠心分離するサイクロン方式によりろ過して排出する第1ろ過器を備えるろ過装置であって、
前記第1ろ過器の下流に配設され、供給される液体を前記サイクロン方式以外の方式によりろ過して排出する第2ろ過器を備えることを特徴とするろ過装置。
【請求項2】
前記第2ろ過器は、薄板円盤の中心に貫通穴を有する溝付きのフィルタ部材を整列して積み重ねて構成されたディスクフィルタを使用してろ過することを特徴とする請求項1に記載のろ過装置。
【請求項3】
前記第2ろ過器は、液体が供給される液体入口と、前記ディスクフィルタを使用して当該液体をろ過して排出するろ液出口と、当該液体の一部を当該ディスクフィルタを使用したろ過を行わずに排出する液体出口と、を有することを特徴とする請求項2に記載のろ過装置。
【請求項4】
前記第1ろ過器と前記第2ろ過器とで構成される第1ろ過器群と、
前記第1ろ過器と前記第2ろ過器とで構成される第2ろ過器群と、
前記第1ろ過器群でろ過されたろ液又は前記第2ろ過器群でろ過されたろ液のいずれか一方を選択的に装置外に排出する排出手段と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のろ過装置。
【請求項5】
前記第1ろ過器にて前記サイクロン方式でろ過された液体が供給され、当該液体を当該サイクロン方式によりろ過して前記第2ろ過器に排出する第3ろ過器を更に備え、
前記第1ろ過器と前記第3ろ過器のいずれか一方は、水よりも比重の大きな縣濁物質を除去するものであり、かつ、他方は、水よりも比重の小さな縣濁物質を除去するものであることを特徴とする請求項1に記載のろ過装置。
【請求項6】
供給される縣濁物質含有の液体を旋回流して当該液体から当該縣濁物質を遠心分離するサイクロン方式により当該液体を一次ろ過し、
前記サイクロン方式によりろ過された前記液体を当該サイクロン方式以外の方式により最終ろ過することを特徴とするろ過方法。
【請求項7】
前記最終ろ過は、溝付きのフィルタ部材を整列して積み重ねると共に隣り合う当該フィルタ部材同士が互いに密着するディスクフィルタを使用して前記液体の一部について行われ、
前記液体の残部を前記ディスクフィルタでろ過せずに排出することを特徴とする請求項6に記載のろ過方法。
【請求項8】
前記最終ろ過の前に、前記一次ろ過した前記液体を前記サイクロン方式により二次ろ過し、
前記一次ろ過と前記二次ろ過のいずれか一方は、水よりも比重の大きな縣濁物質を除去し、かつ、他方は、水よりも比重の小さな縣濁物質を除去することを特徴とする請求項6に記載のろ過方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−142748(P2009−142748A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−322486(P2007−322486)
【出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(000219451)東亜ディーケーケー株式会社 (204)
【Fターム(参考)】