説明

ろ過装置及びろ過方法

【課題】装置の運転終了時におけるケーキの機内残留を防止する。
【解決手段】ろ過の運転を終了するとき、内側及び外側ろ材1,2を高速回転させた状態でろ過空間4内に未凝集の被処理スラリーからなる終了処理流体を供給し、ろ過空間4内に残留するケーキをろ過空間4から排出させ、ろ過空間4内を終了処理流体で置換した後、このろ過空間4内のスラリーを機外へ排出させる終了処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ろ過装置及びろ過方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
金属製のスクリーン、網、多孔板等のろ材は、布(繊維)製のものに比べて、運転性、保守性、耐久性等の面で優れており、これを利用したものとしてスクリュープレスや回転加圧式脱水機等の加圧式ろ過装置がある。この装置は、歴史が古く、非常にシンプルな構造のものであり、低動力・低騒音・低コストなどを特徴とし、固形分濃度の低い難脱水性の固液混合物に適用した場合にも優れた脱水性能が得られることから、下水汚泥脱水分野でも多く用いられている。(例えば、特許文献1,2参照)
しかしながら、円筒状の外側ろ材とその内部に挿入されたスクリューからなるスクリュープレスでは、被処理スラリーが入口側から出口側に向かって低速で移送されて行くと同時に、スクリューの締付力によって発生する圧搾圧力で、連続的に脱水されるが、ろ液は外側ろ材のみより搾り出されるものであるため、外側ろ材の長さの短縮化を図るのが困難であり、設備の小型化し難かった。
一方、回転加圧式脱水機においては、脱水ろ過の処理量を向上させるにはディスクの径を大きくする、又は脱水機を複数配置する必要性があり、設備の大型化やコスト増の問題を抱えていた。
そこで、本発明者らは、このような問題点を鑑み、同心状に配置された、円筒状又は円錐状の内側ろ材及び外側ろ材と、これら内側ろ材と外側ろ材との間のろ過空間に設けられた螺旋状の仕切りと、を備え、ろ過空間の一端側から被処理スラリーを送入して、ろ過空間内の他端側からケーキを排出し、内側ろ材及び外側ろ材内を通したろ液を外部に排出する構成のろ過装置であって、内側ろ材及び/又は外側ろ材は軸心周りに回転し、螺旋状の仕切りは回転しない構成とされたろ過装置を提案した(例えば、特許文献3、4参照)。
【特許文献1】特開2001−212697号公報
【特許文献2】特開2001−113109号公報
【特許文献3】特開2006−346600号公報
【特許文献4】特開2007−160246号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記発明のろ過装置では、螺旋状の仕切りが回転しないため、ろ過運転の終了時に被処理スラリーの供給を停止すると、機内にケーキが残留してしまうという問題点が判明した。機内にケーキを残留させたまま放置すると、次の運転までに固化した場合に分解清掃が必要になるといった問題や、被処理スラリーが汚泥である場合には機内に残留した汚泥が腐敗し、臭気を発生するといった問題も生ずる。
そこで、本発明の主たる課題は、装置の運転終了時におけるケーキの機内残留を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決した本発明は、次のとおりである。
<請求項1記載の発明>
同心状に配置された、円筒状又は円錐状の内側ろ材及び外側ろ材と、
前記内側ろ材と前記外側ろ材との間のろ過空間に設けられた、前記内側ろ材の周りを旋回しながら前記内側ろ材の中心に沿う方向に延在された螺旋状の仕切りと、を備え、
前記内側ろ材及び/又は前記外側ろ材をその中心周りに回転する回転駆動源と、を備え、
前記螺旋状の仕切りは回転しないように構成するとともに、
前記ろ過空間の一端側から被処理スラリーを送入して、前記内側ろ材及び前記外側ろ材内を通したろ液を外部に排出するとともに、このろ過により形成されるケーキを前記仕切りに沿って移送させて前記ろ過空間の他端側に排出させるように構成した、ろ過装置であって、
前記ろ過の運転を終了するとき、前記回転駆動減を作動させた状態で前記ろ過空間内に終了処理流体を供給して、前記ろ過空間内に残留するケーキを前記ろ過空間の他端側に排出させることにより、ろ過空間内を終了処理流体で置換した後、このろ過空間内の終了処理流体を機外へ排出させる終了処理を行う、終了処理手段と、
を備えたことを特徴とする、ろ過装置。
【0005】
(作用効果)
本発明では、終了処理手段により、ろ過運転の終了の際、回転駆動減を作動させた状態でろ過空間内に終了処理流体を供給する。ろ過空間内に終了処理流体の供給圧が作用した状態で内側ろ材及び/又は外側ろ材が回転駆動するため、ろ過空間内に残留するケーキが螺旋状仕切りに沿って移送させてろ過空間の他端側から排出させ、ろ過空間内を終了処理流体で置換することができる。置換後にろ過空間内に残留する終了処理流体は流動性を有するため、その全てを容易に機外に排出させることができる。かくして、装置の運転終了時におけるケーキの機内残留を防止できるようになる。
なお、本発明の「終了処理流体」は液体又はスラリーのことを意味するものであり、気体を意味しない。
【0006】
<請求項2記載の発明>
前記ろ過空間の背圧調節手段を備えており、
前記終了処理手段は、前記終了処理に際して、前記背圧調節手段により前記ろ過空間の背圧を低下させるものである、
請求項1記載のろ過装置。
【0007】
(作用効果)
ろ過空間の背圧が高い状態では、ケーキ排出抵抗が高くなり、排出に時間がかかるようになる。また、供給圧を残留ケーキに効果的に作用させるためには、終了処理流体として水のような液体よりもスラリーの方を用いる方が好ましいが、背圧が高い状態ではケーキが成長してしまい、ケーキ排出効率が低下するおそれがある。
【0008】
<請求項3記載の発明>
前記被処理スラリーに凝集剤を添加混合する凝集混和槽を備えており、前記ろ過の際、この凝集混和槽で凝集処理した被処理スラリーが前記送入口から供給されるように構成されており、
前記終了処理手段は、前記終了処理に際して、前記凝集混和槽における凝集処理を停止し未凝集処理の被処理スラリーを前記終了処理流体として前記ろ過空間内に供給するものである、
請求項1又は2記載のろ過装置。
【0009】
(作用効果)
本発明の終了処理流体としてはスラリーが好ましく、特に被処理スラリーを使用すると、終了処理流体を別途用意する必要がないため好ましい。しかし、被処理スラリーが汚泥である場合、ろ過性能向上の観点からは被処理スラリーに凝集剤を添加混合するのが好ましいが、これをそのまま終了処理流体として供給するとケーキが成長してしまい、ケーキ排出効率が低下するおそれがある。よって、被処理スラリーを終了処理流体として用いる場合、本項記載のように未凝集処理の被処理スラリーを供給し、ケーキの成長を抑制するのが好ましい。
【0010】
<請求項4記載の発明>
前記終了処理手段は、前記終了処理に際して、前記終了処理流体の供給圧を前記ろ過における被処理スラリーの供給圧よりも増加させるものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のろ過装置。
【0011】
(作用効果)
このように終了処理流体の供給圧を高めることにより、ケーキの排出が促進され、終了処理流体による置換が促進されるようになる。
【0012】
<請求項5記載の発明>
前記終了処理手段は、前記終了処理に際して、前記終了処理流体の供給を開始した後、前記回転駆動減を前記ろ過のときよりも高速で作動させるものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のろ過装置。
【0013】
(作用効果)
このように内側ろ材及び/又は前記外側ろ材の回転速度を増加することにより、ケーキの排出が促進され、終了処理流体による置換が促進されるようになる。
【0014】
<請求項6記載の発明>
前記内側ろ材及び/又は前記外側ろ材の表面に洗浄液を供給する洗浄手段を備えており、
前記終了処理手段は、前記終了処理に際して、前記ろ過空間内の終了処理流体を機外へ排出させる過程で又はその後に前記洗浄手段により前記内側ろ材及び/又は前記外側ろ材の表面に洗浄液を供給するものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のろ過装置。
【0015】
(作用効果)
このように、ろ過空間内の終了処理流体を機外へ排出させる過程で又はその後に内側ろ材及び/又は前記外側ろ材の表面に洗浄液を供給することによって、終了処理流体も機内から排出させることができ、機内洗浄がより効果的なものとなる。
【0016】
<請求項7記載の発明>
同心状に配置された、円筒状又は円錐状の内側ろ材及び外側ろ材と、
前記内側ろ材と前記外側ろ材との間のろ過空間に設けられた、前記内側ろ材の周りを旋回しながら前記内側ろ材の中心に沿う方向に延在された螺旋状の仕切りと、を備え、
前記内側ろ材及び/又は前記外側ろ材をその中心周りに回転する回転駆動源と、を備え、
前記螺旋状の仕切りは回転しないように構成した、ろ過装置を用い、
前記ろ過空間の一端側から被処理スラリーを送入して、前記内側ろ材及び前記外側ろ材内を通したろ液を外部に排出するとともに、このろ過により形成されるケーキを前記仕切りに沿って移送させて前記ろ過空間の他端側に排出させる、ろ過方法であって
前記ろ過の運転を終了するとき、前記回転駆動減を作動させた状態で前記ろ過空間内に終了処理流体を供給して、前記ろ過空間内に残留するケーキを前記ろ過空間の他端側に排出させることにより、ろ過空間内を終了処理流体で置換した後、このろ過空間内の終了処理流体を機外へ排出させる終了処理を行う、
ことを特徴とする、ろ過方法。
【0017】
(作用効果)
請求項1記載の発明と同様の作用効果が奏せられる。
【発明の効果】
【0018】
以上の通り、本発明によれば、装置の運転終了時におけるケーキの機内残留を防止できるようになる、等の利点がもたらされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1〜図5は、ろ過装置例を示しており、このろ過装置は、同心状に且つ中心が上下方向に沿うように配置された、それぞれ円筒状をなす内側ろ材1及び外側ろ材2と、これら内側ろ材1と外側ろ材2との間のろ過空間に設けられた、内側ろ材1の周りを旋回しながら上昇するように延在された螺旋状の仕切り3と、を備えている。
【0020】
内側及び外側ろ材1,2に用いられるろ材としては、パンチングメタル、ウェッジワイヤー、金網等のスクリーンの他、ろ布を用いることもできる。また、固液分離がメインとなるろ過空間4の下部にろ過面の開口率が高いウェッジワイヤー、圧搾脱水がメインとなるろ過空間4の上部にケーキとの接触面積の高い(開口率の低い)パンチングメタルを配置してもよい。
【0021】
仕切り3は、図1及び図5に示されるように、内側ろ材1の周りを旋回しながら上昇するように延在する螺旋状(つる巻状又はリボンスクリュー状)をなすものであり、内側ろ材1と外側ろ材2との間に形成される円筒体状のろ過空間4内に、周方向に均等の回転角度差をもって多条(図示例では2条)設けられている。仕切り3の内周縁と外周縁は、それぞれ内側ろ材1及び外側ろ材2のろ過面に近接または接触するようになっている。仕切り3が多条螺旋状に設けられていると、排出ケーキの高さが抑えられ、排出経路の必要高さが低減し、機器全高を低く抑えることができる、排出ケーキのコンベアでの搬送性が向上する、といった利点がもたらされる。なお、仕切り3のピッチと、内側ろ材1と外側ろ材2との径方向間隔との比が1〜5となるように設計するのが好ましい。
【0022】
以下、更に詳細に説明すると、本装置例は、水平な主支持台40と、主支持台の上方に離間して設けられた、主支持台40により支持される水平な副支持台41とを有している。外側ろ材2は、この主支持台40により回転自在に支持される。具体的には、外側ろ材2の上端には円筒状の支持部2Xが継ぎ足されており、この支持部2X上面に、外側ろ材2と同心をなす環状回転板20(上面が環状回転面を構成する)の内周縁部が連結され、これよりも径方向外側において環状回転板20の下面に、外側ろ材2と同心状に第1の環状ピニオンギヤ21が連結され、この第1の環状ピニオンギヤ21が、主支持台40上に設けられた外側ろ材2と同心状の環状レール22により支持されている。第1の環状ピニオンギヤ21の外周面の歯は、主支持台40に搭載された第1の減速機付モータ(ギアモータ)M1の駆動軸のピニオンギヤG1に噛み合わされている。
【0023】
内側ろ材1の下端部は、仕切り3の下端より下側において、内側及び外側ろ材1,2間(ろ過空間)の下方開口を塞ぐ環状板6を介して外側ろ材2の下端部に連結一体化されている。よって、第1の減速機付モータM1を駆動させることによって、外側ろ材2のみならず、これに連結された内側ろ材1も一体的に回転駆動されるようになっている。また、内側及び外側ろ材1,2の下部連結位置(環状板6)よりも上側では、両ろ材1,2は連結されておらず、両ろ材1,2間(ろ過空間4)の上方が環状に開口されており、この環状開口を通じて、仕切り3が外側ろ材2の上端より上側に突出している。仕切り3の上端には環状の支持部3Xが継ぎ足されており、この支持部3Xの上端が副支持台41に連結固定されることにより装置上部に吊支持されており、仕切り3の下端はろ過空間4の下端近傍に位置している。内側ろ材1も外側ろ材2の上端より上側に突出しており、その上端は副支持台41により回転可能に軸支されている。このように構造の一体化、片持ち支持化、及び駆動の共通化を図ることにより、メンテナンス性に優れ、部品点数が少なく、組立が容易となる。
【0024】
主支持台40の下側には、外側ろ材2の周囲及び下側を、ろ液排出空間16分の隙間を空けて取り囲むように下部ケーシング42が吊り下げ支持されている。下部ケーシング42は、ろ液排出空間16を形成するだけのものとなっており、大きな荷重が加わることはない。
【0025】
下部ケーシング42の底部にはろ液排出口13が設けられており、このろ液排出口13は、図7に示すようにろ液貯留槽70に連通している。また、被処理スラリーの送入管路10が、下部ケーシング42の外部から下部ケーシング42の底部を貫通して内側及び外側ろ材1,2の下端部まで、内側及び外側ろ材1,2の中心に沿って延在した後、放射方向に沿って延在し、その先端が内側ろ材1を貫通して環状板6より上側においてろ過空間4に開口している。この送入管路10には、下部ケーシング42の外部においてスイベル継手45が介在されており、管路内部の連通状態を維持したまま内側及び外側ろ材1,2の回転に伴って回転可能となっている。また、内側ろ材1内には送入管路10が通っているものの、下方に開口しているため、内側ろ材1内及び外側ろ材2外が共通のろ液排出空間16に連通する構造となっている。よって、ろ液排出経路がコンパクト且つ簡素である。
【0026】
被処理スラリーの送入管路10は、図7に示すように、スラリー供給管路61を介して凝集混和槽60に連通されており、スラリー供給管路61にはスラリー供給ポンプ62及びスラリー供給弁63が凝集混和槽60側からこの順に設けられている。また、スラリー供給管路61からはスラリー排出管路64が分岐されており、このスラリー排出管路64はスラリー排出弁65を介して凝集混和槽60に連通されている。凝集混和槽60は、槽内を攪拌するための攪拌機66を備えている。凝集混和槽60には、凝集剤供給管路67が連通されており、この凝集剤供給管路67は凝集剤供給ポンプ68を介して凝集剤貯留槽69に連通されている。
【0027】
ろ過空間4の上側(外側ろ材2の上側に等しい)には、ろ過空間4をそのまま上方に延長して連続形成した円筒体状の排出空間4Xが設けられている。排出空間4Xの上方は仕切り3の支持部3Xの底面により、また内周は内側ろ材1の外周面により取り囲まれている。各仕切り3は、排出空間4Xの上端までそれぞれ延在しており、各延在部分の下端から上端までの部分のうち下端部上面に終端壁3Eがそれぞれ立設されるとともに、終端壁3Eから上端までの外周面が終端壁3Eと同じ高さ範囲にわたる周壁3Rによりそれぞれ覆われており、この周壁3R間の開口部分が、排出空間4Xの外周面(側面)に開口する放出口24として、仕切り3の条数分形成される。終端壁3Eは、仕切り3に沿って上昇するケーキを受け止めて放出口24に押し出す機能を有する。
【0028】
排出空間4Xの外周は、円筒状の開口調節体26により同心状に取り囲まれている。開口調節体26には、放出口24と重なる位置に、開口部26Xが形成されており、また環状回転板20の上方を覆うように環状天板26Pが張り出されている。開口調節体26は、排出空間4Xの周方向に回転可能とされており、その上端面には同心状に第2の環状ピニオンギヤ27連結されており、第2の環状ピニオンギヤ27の外周面の歯は、副支持台41に搭載された第2の減速機付モータM2の駆動軸のピニオンギヤG2に噛み合わされている。第2の減速機付モータM2の駆動制御により、開口調節体26を移動させることによって、その開口部26X以外の非開口部と放出口24と重なる部分の面積が変化し、放出口24の開口面積(開口部26Xと重なる部分)が調節される。
【0029】
開口調節体26の位置検出を行うために、近接スイッチ等の非接触センサ30が設けられている。図示形態では、開口調節体26の環状天板26Pの上側における適所に、検出部(検出板)31を位置調整可能に設けるとともに、開口調節体26の移動に伴う検出部31の移動軌跡上に非接触センサ30を設けており、検出部31を非接触センサ30で検出した位置と、開口調節体26の位置との対応に基づいて、開口調節体26の位置、つまり放出口24の開口面積を検出することができる。そして、開口調節体26の位置検出結果に基づいて第2の減速機付モータM2の駆動制御を行うことにより、放出口24の開口面積に基づいて背圧を調節することが可能である。この背圧を調節するための機構が本発明の背圧調節手段を構成する。
【0030】
検出部31は、一つでも良いが、開口調節体26の移動方向に間隔を空けて複数設けられているのが好ましく、少なくとも、放出口24が全開となる状態で非接触センサ30により検出される位置及び放出口24の開口面積が通常のろ過運転の範囲内となる状態で非接触センサ30により検出される位置にそれぞれ設けられているとより好ましい。なお、上記非接触センサに代えて、公知のロータリーエンコーダや回転角センサを用いて開口調節体26の位置検出を行うこともできる。
【0031】
他方、前述した環状回転板20は、上面が放出口24の下端と外側ろ材2の上端との間に位置し、平面視で排出空間4Xの周囲を取り囲むように設けられている。環状回転板20の上側に、環状回転板20の内周縁から外周縁まで横切るように排出案内板25が立設されている。排出案内板25の下端は環状回転板20の上面から僅かに離間している。排出案内板25の内方端(環状回転板20の内周側に位置する端部)は、いずれか一つの放出口24における終端壁3Eの外側の側縁に接触されており、外方端は、環状回転板20の外周縁よりも外側に突出して主支持台40に連結されている。排出案内板25は、外方端に向かうにつれて環状回転板20の回転方向後側に位置するように、環状回転板20上をその径方向に対して斜めに横切っている。
【0032】
また、環状回転板20の上側における、回転方向において放出口24間に位置する部位に、環状回転板20の内周縁から内周縁と外周縁との間の中間位置(例えば中央)まで横切るように外寄せ案内板29が立設されている。外寄せ案内板29の下端は環状回転板20の上面から僅かに離間しており、内方端は(環状回転板20の内周側に位置する端部)は、開口調節体26の外周面に連結されている。また、外寄せ案内板29は、外方端に向かうにつれて環状回転板20の回転方向後側に位置するように、環状回転板20上をその径方向に対して斜めに横切っている。
【0033】
環状回転板20及び環状天板26Pの外周は、円筒状の上部ケーシング43によって取り囲まれている。上部ケーシング43のうち、排出案内体25の内方端と対応する周方向位置から外方端と対応する周方向位置までの範囲が、排出シュート44として開口されている。排出シュート44から機外へ排出されるケーキは、各種コンベア等のケーキ搬出設備50(図7参照)によって次の処理工程へ搬出される。なお、図示形態では、上部ケーシング43の上端は副支持台41に、下端は主支持台40に連結されており、副支持台41は上部ケーシング43を介して副支持台41により支持される構造となっている。
【0034】
他方、ろ過装置には、必要に応じて内側及び外側ろ材1,2を洗浄するために、内側洗浄管8及び外側洗浄管9がそれぞれ設けられている。内側洗浄管8は、図1及び図2に示されるように、内側ろ材1の内周面に沿って設けられており、また、複数の洗浄ノズル8A,8A,…が、内側ろ材1の内周面に対向するように内側洗浄管8に取付けられている。同様に、外側洗浄管9は、外側ろ材2の外周面に沿って設けられており、また、複数の洗浄ノズル9A,9A,…が、外側ろ材2の内周面に対向するように外側洗浄管9に取付けられている。内側洗浄管8及び外側洗浄管9は、図7に示すように、洗浄液供給弁81及び洗浄液供給ポンプ82を有する洗浄液供給管路83を介して洗浄液貯留槽80に連通されている。洗浄液としては、水やアルカリ性の薬品を用いることができる。洗浄に際しては、内側ろ材1と外側ろ材2を軸回りに回転させながら、複数の洗浄ノズル8A,8A,…、9A,9A,…から洗浄水を高圧噴射する。これによって、内側ろ材1と外側ろ材2のろ過面が洗浄され、目詰まり防止又は目詰まりの解消が図られる。洗浄の際に噴射された洗浄水は洗浄排水として、ろ液と共に下部ケーシング42の下部に溜められ、ろ液排出口13から排出される。この洗浄のための機構が本発明の洗浄手段を構成する。
【0035】
さらに、図示しないが、ろ過装置の運転制御を行うための制御手段が設けられており、この制御手段により、第1の減速機付モータM1の駆動制御、第2の減速機付モータM2の駆動制御、洗浄液の供給制御、各種弁63,65,81の開閉制御、各種ポンプ61,68,82の駆動制御、ケーキ搬出設備の駆動制御等の運転制御が所定のプログラムに従って実行される。このような制御手段は、所定のプログラムを記憶・実行するコンピュータ等、公知の制御装置により構成することができる。
【0036】
かくして構成されたろ過装置においては、次のようにろ過操作を行うことができる。すなわち、第1の減速機付モータM1を作動させ、内側ろ材1、外側ろ材2及び環状回転板20を、仕切り3の上昇旋回方向と同方向に一体的に回転させるとともに、被処理スラリー送入管路10を介して被処理スラリーをろ過空間4内に圧送する。
【0037】
ろ過空間4内に送入された被処理スラリーは、内側ろ材1と外側ろ材2とにより二面ろ過が行なわれる。より詳細には、被処理スラリー送入管路10から送入された被処理スラリーは、固形分濃度も低く流動性を持った状態であり、ろ過空間4の下部では、内側ろ材1と外側ろ材2における目開きを介してろ過濃縮が生じる。濃縮の進行により流動性が失われていきケーキが形成される。ケーキは、回転する内側及び外側ろ材1,2との摩擦によりろ過空間4の周方向へ移動する。この際、ろ過空間4内に螺旋状の仕切り3が配置されているため、内側及び外側ろ材1,2に沿って回転するするケーキがこの仕切り3と干渉することで、また、被処理スラリーの送入圧が下方から加わることで、軸を中心に旋回上昇するようになる。この運動によりろ過空間4の下部で固液分離がなされてケーキが形成され、そのケーキがろ過空間4の上部で圧搾脱水された後、ろ過空間4上部から排出空間4Xへ押し上げられる。ろ過により内側ろ材1内及び外側ろ材2外に排出されたろ液は、下部ケーシング42の底部に溜められ、ろ液排出口13からろ液貯留槽70へ排出される。
【0038】
各条の仕切り3に沿って排出空間4Xに押し上げられたケーキは、各放出口24を介して環状回転板20上にそれぞれ排出される。この際、各放出口24の回転方向後側において、環状回転板20上の内周縁から中間位置までに位置するケーキは、外寄せ案内板29により外周縁側に予め押し出され、各放出口24の排出位置にはケーキ排出スペースが確保される。環状回転板20上に載せられたケーキは、環状回転板20の回転伴い回転移送される過程で、共通の排出案内体25により環状回転板20上から外側の排出シュート44に押し出されて機外へ排出され、ケーキ搬出設備50により次の処理工程へ送り出される。
【0039】
他方、ろ過運転を終了する際には、本発明に係る終了処理が実行される。この終了処理の一例が図8に示されている。すなわち、制御手段は、ろ過運転の終了入力がなされると、凝集剤供給ポンプ68及び攪拌機66を停止し、被処理スラリーを未凝集の終了処理流体としてろ過空間4に供給する。また、第2の減速機付モータM2の駆動制御により開口調節体26を移動させて、放出口24の開口面積を増加させ、好ましくは全開とし、ろ過空間4の背圧を低下させる。
【0040】
図示形態と異なり、被処理スラリーとは異なる終了処理用スラリーを別途供給することも可能である。また、終了処理流体として水等の液体を供給することも可能であるが、供給圧をケーキに効果的に作用させるためにはスラリーを用いるのが好ましい。また、スラリーを用いる場合、ろ過によるケーキ生成が少なからず発生するため、ケーキ生成速度がケーキ排出速度を超えないよう、スラリーの濃度や性状、運転条件を設定する必要がある。
【0041】
続いて、制御手段は、スラリー供給ポンプ62の回転数を増加させて、終了処理流体の供給圧をろ過運転時における被処理スラリーの供給圧よりも増加させる。この供給圧は適宜定めることができるが、通常運転時は10〜50kPa程度とし、高速回転時は50〜200kPa程度とすることができる。また、第1の減速機付モータM1の回転数を上げ、内側及び外側ろ材1,2をろ過運転時より高速で回転させる。内側及び外側ろ材1,2の回転速度は適宜定めることができるが、例えば通常運転時は0.1〜1.0r.p.m.程度とし、高速回転時は1.5〜2.0r.p.m.程度とすることができる。
【0042】
このろ材高速回転及びスラリー供給圧増加状態は所定時間T1維持される。この維持時間T1は、機内のケーキが実質的に完全に排出され、ろ過空間4内が終了処理流体により実質的に完全に置換されるまでの時間とするのが好ましく、予め実機試験を行うことにより決定するのが好ましい。この状態では、ろ過空間4内に終了処理流体の供給圧が作用した状態で内側及び外側ろ材1,2が回転駆動するため、ろ過空間4内に残留するケーキが螺旋状仕切り3に沿って移送されて機外へ排出される一方、ろ過空間4内は終了処理流体で置換されていく。この際、ろ過空間4の背圧がろ過運転時と比べて低いためケーキ排出抵抗が低く、かつろ材1,2がろ過運転時と比べて高速で回転し、スラリー供給圧もろ過運転時と比べて増加しているため、ケーキの排出が促進され、終了処理流体による置換が促進されるようになる。
【0043】
制御手段は、上記維持時間T1が経過すると、スラリー供給ポンプ62を停止し、スラリー供給弁63を閉じる。しかる後、タイマーをスタートさせ、所定時間T2経過後にケーキ搬出設備50を停止する。この停止までの時間T2は、少なくとも上記置換処理中に機外へ排出されるケーキの搬出が終了するまでの時間とするのが好ましく、予め実機試験を行うことにより決定するのが好ましい。この一方で、制御手段は、洗浄液供給弁81を開けて洗浄液供給ポンプ82を作動させるとともに、スラリー排出弁65を開ける。上記置換処理後にろ過空間4内に残留する終了処理流体は流動性を有するため、その全てがスラリー排出管路64を介して流れ出て、また、ろ材1,2に付着する終了処理流体も洗浄液により洗い流されて、凝集混和槽60(凝集混和槽60を備えない場合には、被処理スラリーの貯留槽)に返送される。洗浄液の供給開始は、スラリー排出弁65の開放前、中、後のいずれでも良いが、終了処理流体の機外排出中は洗浄液の供給を継続するのが好ましく、更に終了処理流体の機外排出完了後一定時間までは洗浄液の供給を継続するとより好ましい。被処理スラリーや終了処理スラリーの種類によっては、洗浄は省略することも可能である。
【0044】
所定時間T3が経過したならば、洗浄液供給ポンプ82を停止して洗浄液供給弁81を閉じた後、スラリー排出弁65を閉じ、第1の減速機付モータM1を停止し、内側及び外側ろ材1,2の回転を停止することにより運転終了処理を完了する。この所定時間T3は、少なくとも終了処理流体の機外排出が完了するまでの時間とするのが好ましく、予め実機試験を行うことにより決定するのが好ましい。かくして、装置の運転終了時に、ケーキの機内残留を防止でき、機内が清潔に保たれるようになる。
【0045】
<その他>
(a) 上記例では、仕切り3の内周縁と外周縁は、それぞれ内側ろ材1及び外側ろ材2のろ過面に近接または接触するようになっているが、固液分離作用は、主にろ過空間4の下部、すなわち被処理スラリー送入口10,11側付近で強く発揮されるため、仕切り3の内周縁と外周縁は少なくとも被処理スラリーの送入口10,11側付近が内側及び外側ろ材1,2とそれぞれ近接又は接触する構成であればよい。
【0046】
(b) 仕切り3は、螺旋ピッチをろ過空間4内すべてにおいて均一にしてもよいが、必要に応じて、図6(a)に示すように、上側にいくにしたがって狭くなるように構成することもできる。また、反対に、螺旋状の仕切り3をケーシング7の底板7B側から上板7A側にいくにしたがって、ピッチ間隔が長くなるように構成してもよい。
【0047】
(c) 実施の形態に係るろ過空間4は、上から下まで同一の横断面積を有する環状のものを示しているが、ろ過空間4の下部は、処理量を確保するために大容量のろ室容積を持たせ、他方、ろ過空間4の上部において脱水効率を向上させるために内側及び外側ろ材1,2の半径差を狭めるのも好ましい形態である。
具体的には、図6(a)に示すように、外側ろ材2の形状は同一のままで、被処理スラリー送入側からケーキ排出側に向って、内側ろ材1の半径方向を連続的に拡大していく形状(略円錐形状)、又は図6(b)に示すように階段状に拡大していく形状(多段円筒形状)を提案できる。また、図6(c)に示すように、内側ろ材1の形状は同一のままで、被処理スラリー送入側からケーキ排出側に向って、外側ろ材2の半径方向を連続的に縮小していく形状、又は図6(d)に示すように階段状に縮小していく形状も提案することができる。
【0048】
(d) 内側ろ材1と外側ろ材2とは、同角速度(°/sec)で回転させた場合においても、それぞれの半径差分の周速度(mm/sec)が生じるため、ケーキにせん断力が生じて脱水効率が向上される。例えば、繊維分の多い生汚泥や混合生汚泥が含まれる被処理スラリーに対しては、このせん断力がより効果的である。ケーキ性状によっては、せん断力を加えた場合、ケーキが流動化してしまい、逆に脱水性を損なう場合もあるので、このような場合には周速度差一定で回転させることが好ましい。また、せん断力による脱水効果があり、かつケーキ性状が年間を通してほとんど変化しないケーキについても、周速度差一定で回転させることができる。
従来のように、内側ろ材と外側ろ材とを独立駆動する場合には、内側ろ材1と外側ろ材2とに速度差を付けて、回転させることで更に脱水効率を向上させることも可能である。この効果は対象ケーキの性状に依存するため、最適状態で運転する場合はケーキ性状に合わせて内外の速度差を設定することが望ましい。特に、内側ろ材1と外側ろ材2との相対速度が大きい場合、速く回転するろ過面(例えば、内側ろ材1のろ過面)近傍のケーキは、もう一方のろ過面(例えば、外側ろ材2のろ過面)側へ移動する効果が現れ、ケーキ内での混合作用が生じることで、ろ過装置内での含水率分布を均一化することもできる。なお、内側ろ材1と外側ろ材2は、必ずしも両者を回転させる必要はなく、一方のみを回転させるようにしてもよい。
【0049】
(f) 上記例では、ろ材1、2の軸心が縦向き(上下方向に沿う)であり装置全体が縦向きに配置され、被処理スラリーが下方から上方に向かって加圧状態で送入するように構成されているが、ろ材1、2の軸心が横向き(水平方向に沿う)であり装置全体が横向きに配置されていても良い。横向きの場合、被処理スラリーをポンプ圧送することなく、内側ろ材1と外側ろ材2の回転による摩擦力のみで、装置内を移動させてもよい。ただし、ケーキの性状によっては、脱水の進行度とろ室体積のデザインとの釣り合いが取れず、ケーキの充填率が低下する場合がある。この場合、ろ過装置が横向きに配置されている構成(横型)のものでは、ろ液が重力の影響を受けて、充填率の低いケーキに浸出し、排出されるケーキの含水率が上がることがある。これに対して、軸心が縦向きであり装置全体が縦向きに配置され、被処理スラリーが下方から上方に向かって加圧状態で送入するように構成すると、重力を利用してろ液を上方のケーキ排出側に浸出させないようにすることができ、そのため、排出されるケーキの含水率のムラ(分布)をなくし、より均一にすることができる。
【0050】
(g) 上記例は、特許文献3及び4に記載のものと異なる形態への適用例であるが、本発明は、特許文献3及び4に記載のものにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】ろ過装置の縦断面図である。
【図2】図1のA部拡大図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】図1のC−C断面図である。
【図5】仕切りの斜視図である。
【図6】他のろ過装置の概略を示す縦断面図である。
【図7】給排系統を含むろ過装置のフロー図である。
【図8】終了処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0052】
1…内側ろ材、1A…上板、2…外側ろ材、3…仕切り、4…ろ過空間、5…内筒回転軸、7…ケーシング、7A…上板、7B…底板、7C…傾斜面、8…内側洗浄管、9…外側洗浄管、10…被処理スラリー送入管路、13…ろ液排出口、14…ろ過空間出口、16…ろ液排出空間、20…環状回転板、24…放出口、25…排出案内体、26…開口調節体、29…外寄せ案内体、40…主支持台、41…副支持台、42…下部ケーシング、43…上部ケーシング、44…排出シュート、45…スイベル継手。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同心状に配置された、円筒状又は円錐状の内側ろ材及び外側ろ材と、
前記内側ろ材と前記外側ろ材との間のろ過空間に設けられた、前記内側ろ材の周りを旋回しながら前記内側ろ材の中心に沿う方向に延在された螺旋状の仕切りと、を備え、
前記内側ろ材及び/又は前記外側ろ材をその中心周りに回転する回転駆動源と、を備え、
前記螺旋状の仕切りは回転しないように構成するとともに、
前記ろ過空間の一端側から被処理スラリーを送入して、前記内側ろ材及び前記外側ろ材内を通したろ液を外部に排出するとともに、このろ過により形成されるケーキを前記仕切りに沿って移送させて前記ろ過空間の他端側に排出させるように構成した、ろ過装置であって、
前記ろ過の運転を終了するとき、前記回転駆動減を作動させた状態で前記ろ過空間内に終了処理流体を供給して、前記ろ過空間内に残留するケーキを前記ろ過空間の他端側に排出させることにより、ろ過空間内を終了処理流体で置換した後、このろ過空間内の終了処理流体を機外へ排出させる終了処理を行う、終了処理手段と、
を備えたことを特徴とする、ろ過装置。
【請求項2】
前記ろ過空間の背圧調節手段を備えており、
前記終了処理手段は、前記終了処理に際して、前記背圧調節手段により前記ろ過空間の背圧を低下させるものである、
請求項1記載のろ過装置。
【請求項3】
前記被処理スラリーに凝集剤を添加混合する凝集混和槽を備えており、前記ろ過の際、この凝集混和槽で凝集処理した被処理スラリーが前記送入口から供給されるように構成されており、
前記終了処理手段は、前記終了処理に際して、前記凝集混和槽における凝集処理を停止し未凝集処理の被処理スラリーを前記終了処理流体として前記ろ過空間内に供給するものである、
請求項1又は2記載のろ過装置。
【請求項4】
前記終了処理手段は、前記終了処理に際して、前記終了処理流体の供給圧を前記ろ過における被処理スラリーの供給圧よりも増加させるものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のろ過装置。
【請求項5】
前記終了処理手段は、前記終了処理に際して、前記終了処理流体の供給を開始した後、前記回転駆動減を前記ろ過のときよりも高速で作動させるものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のろ過装置。
【請求項6】
前記内側ろ材及び/又は前記外側ろ材の表面に洗浄液を供給する洗浄手段を備えており、
前記終了処理手段は、前記終了処理に際して、前記ろ過空間内の終了処理流体を機外へ排出させる過程で又はその後に前記洗浄手段により前記内側ろ材及び/又は前記外側ろ材の表面に洗浄液を供給するものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のろ過装置。
【請求項7】
同心状に配置された、円筒状又は円錐状の内側ろ材及び外側ろ材と、
前記内側ろ材と前記外側ろ材との間のろ過空間に設けられた、前記内側ろ材の周りを旋回しながら前記内側ろ材の中心に沿う方向に延在された螺旋状の仕切りと、を備え、
前記内側ろ材及び/又は前記外側ろ材をその中心周りに回転する回転駆動源と、を備え、
前記螺旋状の仕切りは回転しないように構成した、ろ過装置を用い、
前記ろ過空間の一端側から被処理スラリーを送入して、前記内側ろ材及び前記外側ろ材内を通したろ液を外部に排出するとともに、このろ過により形成されるケーキを前記仕切りに沿って移送させて前記ろ過空間の他端側に排出させる、ろ過方法であって
前記ろ過の運転を終了するとき、前記回転駆動減を作動させた状態で前記ろ過空間内に終了処理流体を供給して、前記ろ過空間内に残留するケーキを前記ろ過空間の他端側に排出させることにより、ろ過空間内を終了処理流体で置換した後、このろ過空間内の終了処理流体を機外へ排出させる終了処理を行う、
ことを特徴とする、ろ過方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−78233(P2009−78233A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−250273(P2007−250273)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(000165273)月島機械株式会社 (253)
【Fターム(参考)】