説明

アイスクリーム類用ソースの製造方法及びこれを用いたフローズンデザート

【課題】特定量の粉乳を含有する、低水分活性のアイスクリーム類用ソースでありながら、アイスクリーム類と混合したときに美しいマーブル状の帯を生じるアイスクリーム類用ソースの製造方法及びこれを用いたフローズンデザート。
【解決手段】粉乳を5〜20%含有し、水分活性が0.7〜0.9であるアイスクリーム類用ソースの製造方法であって、ホスホリパーゼA処理卵黄を含有する水中油型乳化物を製し、該水中油型乳化物に上記粉乳を混合する工程を含み、アイスクリーム類用ソースの粘度を8〜25Pa・sに調整することを特徴とするアイスクリーム類用ソースの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定量の粉乳を含有する、低水分活性のアイスクリーム類用ソースであって、アイスクリーム類と混合したときに美しいマーブル状の帯を生じるアイスクリーム類用ソースの製造方法及びこれを用いるフローズンデザートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、フルーツソースやチョコレートソース等をマーブル模様になるよう混合した、味や外観に変化のあるアイスクリーム類が提供されてきた。このようなソースは、ソースを常温保存する際に菌類が繁殖するのを防ぐため、水分活性が抑えられている(例えば水分活性0.9以下)。しかし、プリン味等、乳風味が必要となるソースを得るため、低水分活性のソースに特定量の粉乳を含有させると、ソースとアイスクリーム類との混合時に滲みや途切れを生じて、アイスクリーム類との色のコントラストがはっきりした美しいマーブル状の帯を生じないという問題があった。
【0003】
アイスクリームへの滲みが発生しないソースを得る方法として特許文献1には、安定剤として膨潤したサツマイモファイバー、LMペクチン、寒天、ローカストビーンガムを組み合わせてソースを製造する方法が記載されているが、特定量の粉乳を含有するソースにおいては十分な効果が得られなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−266788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の目的は、特定量の粉乳を含有する、低水分活性のアイスクリーム類用ソースでありながら、アイスクリーム類と混合したときに美しいマーブル状の帯を生じるアイスクリーム類用ソースの製造方法及びこれを用いたフローズンデザートに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた。粉乳を特定量含有し、特定の水分活性であるアイスクリーム類用ソースを製造するにあたり、ホスホリパーゼA処理卵黄を含有する水中油型乳化物を製し、該水中油型乳化物に上記粉乳を混合する工程を含み、特定粘度に調整したところ、アイスクリーム類と混合したときに滲みも途切れもない美しいマーブル状の帯を生じることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、
(1)粉乳を5〜20%含有し、水分活性が0.7〜0.9であるアイスクリーム類用ソースの製造方法であって、ホスホリパーゼA処理卵黄を含有する水中油型乳化物を製し、該水中油型乳化物に上記粉乳を混合する工程を含み、アイスクリーム類用ソースの粘度を8〜25Pa・sに調整するアイスクリーム類用ソースの製造方法、
(2)上記水中油型乳化物の油脂含有量が25〜70%である(1)のアイスクリーム類用ソースの製造方法、
(3)(1)又は(2)の製造方法で得られるアイスクリーム類用ソースを、アイスクリーム類と共に一方向に回転攪拌して製するフローズンデザート、である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、特定量の粉乳を含有する、低水分活性なアイスクリーム類用ソースを用いながら、美しいマーブル模様のアイスクリーム類を提供することができる。したがって、冷菓市場の更なる需要拡大が期待できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を意味する。
【0010】
本発明は、アイスクリーム類用ソースの製造方法及びこれを用いたフローズンデザートに係る発明である。本発明におけるアイスクリーム類用ソースとは、アイスクリーム類に混合または練り込み、塗布して用いるものであり、アイスクリーム類の喫食に適する−20〜0℃でも可塑性を有する。
【0011】
本発明におけるアイスクリーム類とは、食品衛生法に基づく「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和26年厚生省令第52号)」で定めるアイスクリーム類(乳又はこれらを原料として製造した食品を加工し、又は主要原料としたものを凍結させたものであって、乳固形分を3%以上含むもので、アイスクリーム、アイスミルク又はラクトアイスに分類される)、公正競争規約(平成13年3月30日公正取引委員会告示第14号)で定める氷菓(糖液若しくはこれに他食品を混和した液体を凍結したもの又は食用氷を粉砕し、これに糖液若しくは他食品を混和し再凍結したもので、凍結状のまま食用に供するもの)又はフローズンヨーグルトを意味する。
【0012】
本発明のフローズンデザートとは、本発明におけるアイスクリーム類を含有し、アイスクリーム類部分が凍結状態で提供される菓子を意味し、アイスクリーム類そのものの他、パフェ、アイスケーキ、カッサータ、フロート等が挙げられる。
【0013】
本発明に用いるソースの水分活性は、0.7〜0.9であり、より好ましくは0.8〜0.85である。水分活性が上記範囲よりも低い場合、ソースとアイスクリーム類と混合したときにソースの帯に途切れが生じ、上記範囲よりも高い場合、菌類に対するソースの保存性が低下する。
【0014】
本発明に用いる粉乳は、牛乳特有の性状をできるだけ変えないように乾燥させ、粉末状にしたものであれば良く、例えば、全脂粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、たんぱく質濃縮ホエイパウダー、バターミルクパウダー、加糖粉乳、調製粉乳等が挙げられる。
【0015】
本発明に用いる粉乳の含有量は、ソースに対して固形分換算で5〜20%であり、好ましくは8〜15%である。粉乳の含有量が上記範囲よりも少ない場合、十分な乳風味が得られず、上記範囲よりも多い場合は、ソースとアイスクリーム類と混合したときにソースの帯に途切れが生じる。
【0016】
本発明のアイスクリーム類用ソースの製造方法は、ホスホリパーゼA処理卵黄を含有する水中油型乳化物を製し、該水中油型乳化物に粉乳を混合する工程を含むことを特徴とする。粉乳を水相原料として混合した後に油脂を投入して水中油型乳化物を製することによって得られたアイスクリーム類用ソースは、ソースとアイスクリーム類と混合したときにソースの帯に途切れが生じるためである。
【0017】
本発明における水中油型乳化物は、水相中に油脂が油滴として略均一に分散されたものであれば特に限定されないが、ソースをアイスクリーム類と混合したときにソースとアイスクリームの境界に滲みが生じにくいことから、水中油型乳化物の油脂含有量が25〜70%であることが好ましく、30〜50%であることがより好ましい。また、水中油型乳化物として、又は水中油型乳化物の原料として、市販されている水中油型乳化物(例えば、ヨークランH−1、ヨークランNo.7、共にキユーピー社製)を用いてもよい。
【0018】
本発明で用いるホスホリパーゼA処理卵黄は、卵黄の主成分である卵黄リポ蛋白質(卵黄リン脂質、卵黄油およびコレステロール等の卵黄脂質と卵黄蛋白の複合体)の構成リン脂質にリン脂質分解酵素であるホスホリパーゼA1あるいはホスホリパーゼA2を作用させてリン脂質の1位あるいは2位の脂肪酸残基を加水分解してリゾリン脂質とした卵黄をいう。
【0019】
ホスホリパーゼA処理卵黄の前記酵素処理による加水分解の程度としては、リゾホスファチジルコリンとホスファチジルコリンの合計量に対するリゾホスファチジルコリンの割合がイアトロスキャン法(TLC−FID法)で分析した場合、その値(本発明の「リゾ化率」)が、10〜80%が好ましく、30〜70%がより好ましい。リゾ化率が前記値より低いと、ソースとアイスクリーム類と混合したときにソースの帯に途切れが生じるためである。一方、リゾ化率を前記値より高くしたとしても、それ以上の効果が得られ難く、またホスホリパーゼA処理卵黄の製造コストもかかり高価となり好ましくない。
【0020】
ホスホリパーゼA処理卵黄の配合量は、食用油脂の配合量や他の原料、例えば、乳化剤との組み合わせ等にもよるが、製品に対し生卵黄換算で0.5〜15%が好ましく、1〜10%がさらに好ましい。配合量が前記値より少ないと、ソースとアイスクリーム類と混合したときにソースの帯に途切れが生じやすいためである。一方、配合量を前記値より多くしたとしても、それ以上の効果が得られ難く、またホスホリパーゼA処理卵黄の製造コストもかかり高価となり好ましくない。なお、卵白を含有した全卵等をホスホリパーゼAで処理したホスホリパーゼA処理全卵等を用いた場合は、当該酵素処理された卵黄部分がホスホリパーゼA処理卵黄に相当する。
【0021】
本発明のアイスクリーム類用ソースの粘度は、8〜25Pa・sであり、好ましくは10〜20Pa・sである。粘度が上記範囲よりも低い場合、ソースをアイスクリーム類と混合したときにソースとアイスクリームの境界に滲みが生じ、上記範囲よりも高い場合、ソースの帯に途切れが生じる。ソースの粘度は、当該ソース300mlを300ml容量のビーカーに入れて、東機産業(株)製のBL型粘度計で、品温25℃、回転数6rpmの条件で、粘度が20Pa・s未満の場合はローターNo.3、20Pa・s以上の場合はローターNo.4を用い、回転開始から3回転した時の示度により求めた値である。なお、ソースの粘度調整は、キサンタンガム、グアーガム等の増粘剤を用いて行えばよいが、ソースとアイスクリーム類と混合した時の滲みや途切れを防止する観点から、キサンタンガムを用いることが好ましい。
【0022】
本発明のアイスクリーム類用ソースは、上記した水中油型乳化物、ホスホリパーゼA処理卵黄、粉乳以外の原料を本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて含有させても良い。具体的には、例えば、グラニュ糖、上白糖、三温糖、ぶどう糖果糖液糖、果糖ぶどう糖液糖、デキストリン、フルクトース、トレハロース、グルコース、乳糖、オリゴ糖及び糖アルコール等の糖類、卵黄油、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、米油、オリーブ油、紅花油、大豆油、パーム油、魚油等の油脂類、卵黄、卵白、全卵、豆乳、ゼラチン等の蛋白質類、牛乳、ヨーグルト、クリーム、バター、チーズ等の乳原料、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン、オクテニルコハク酸化澱粉等の乳化材、ペクチン、キサンタンガム、タマリンドシードガム、ローカストビーンガム、グアーガム、アラビアガム、サイリュームシードガム、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、うるち米澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、ワキシコーンスターチ、もち米澱粉等の澱粉、湿熱処理澱粉、加工澱粉等の増粘剤、難消化性デキストリン、結晶セルロース、アップルファイバー等の食物繊維、食塩、醤油、動植物由来のエキス類、アミノ酸、グルタミン酸ナトリウム等の調味料、クエン酸、酢酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸等の有機酸又はその塩、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ナイアシン等のビタミン類、アスコルビン酸、ビタミンE等の酸化防止材、果汁、チョコレート、ココア、コーヒー、抹茶等の風味原料、リキュール類、色素、香料等を挙げることができる。
【0023】
本発明のアイスクリーム類用ソースの製造方法は、ホスホリパーゼA処理卵黄を含有する水中油型乳化物を製し、該水中油型乳化物に上記粉乳を混合する工程を含み、アイスクリーム類用ソースの粘度を8〜25Pa・sに調整するものであれば、特に限定されない。例えば、粉乳以外の水相原料をミキサー等で攪拌させながら油相原料を注加して水中油型乳化物を製し、これに粉乳を混合する方法等が挙げられる。また、砂糖、水飴等は水相原料に混合せずに、粉乳と同様に水中油型乳化物を製した後に混合してもよい。
【0024】
本発明のアイスクリーム類用ソースは、必要に応じて加熱殺菌しても良い。加熱温度は、殺菌効果が得られやすいことから70℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましく、良好な風味が得られやすいことから120℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましい。
【0025】
本発明のフローズンデザートは、本発明の製造方法で得られるアイスクリーム類用ソースとアイスクリーム類とを一方向に回転攪拌して製造する。逆方向の回転を併用した場合、ソースの帯が途切れる場合があり好ましくない。混合速度は、特に限定されないが、400rpm以上で行うと、ソースの帯に途切れが生じる場合があり好ましくない。
【0026】
本発明のフローズンデザートは、本発明の製造方法で得られるアイスクリーム類用ソース、アイスクリーム類以外の原料を本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて含有させても良い。具体的には、例えば、段落0021に記した原料の他、果肉、フルーツピュレ、ドライフルーツ、粉末果実等の果実類、野菜、野菜汁、野菜ペースト、乾燥野菜、粉末野菜等の野菜類、ナッツ類、ケーキやビスケット等の焼菓子、キャンディー類、ゼリー類等を挙げることができる。
【0027】
以下、本発明について、実施例、比較例にもとづき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
【実施例】
【0028】
〔実施例1〕
ホスホリパーゼA処理卵黄(リゾ化率30%)55g、ヨークランH−1(油脂含有量68%の水中油型乳化物、キユーピー社製)150g、砂糖100g、キサンタンガム0.2g及び清水44.8gをミキサーで攪拌混合し、水中油型乳化物(油脂含有量34%)を製した。次いで、得られた水中油型乳化物をさらにミキサーで攪拌させながら、全粉乳100gを加えて混合し、水飴(固形分量70%)550gを加えて混合した後、80℃で40分間加熱して実施例1のアイスクリーム類用ソースを調製した。得られたソースの水分活性は0.83、粘度は16Pa・sだった。
【0029】
〔実施例2〕
ホスホリパーゼA処理卵黄(リゾ化率30%)55g、砂糖100g、キサンタンガム0.2g及び清水129.8gをミキサーで攪拌混合し、これを攪拌させながら植物油100gを注加して水中油型乳化物(油脂含有量31%)を製した。次いで、得られた水中油型乳化物をさらにミキサーで攪拌させながら、全粉乳180gを加えて混合し、水飴(固形分量70%)435gを加えて混合した後、80℃で40分間加熱して実施例1のアイスクリーム類用ソースを調製した。得られたソースの水分活性は0.83、粘度は20Pa・sだった。
【0030】
〔比較例1〕
ホスホリパーゼA処理卵黄(リゾ化率30%)55g、砂糖100g、全粉乳100g、キサンタンガム0.2g及び清水94.8gをミキサーで攪拌混合し、これを攪拌させながら植物油100gを注加して水中油型乳化物を製した。次いで、得られた水中油型乳化物をさらにミキサーで攪拌させながら、水飴550gを加えて混合した後、80℃で40分間加熱して比較例1のアイスクリーム類用ソースを調製した。得られたソースの水分活性は0.83、粘度は17Pa・sだった。
【0031】
〔比較例2〕
実施例1のアイスクリーム類用ソースの製造方法において、ホスホリパーゼA処理卵黄(リゾ化率30%)をホスホリパーゼA処理をしていない液卵黄に置き換えた以外は、実施例1と同様の方法でアイスクリーム類用ソースを製した。得られたソースの水分活性は0.84、粘度は34Pa・sだった。
【0032】
〔試験例1〕
300mL容量のポリビーカーに、実施例1、2および比較例1、2のアイスクリーム類用ソース(品温25℃)各7gを、バニラアイスクリーム(品温−10℃)各150gと共に入れ、幅2cm、厚さ2mmのヘラで120rpm、20秒間右回りに回転攪拌してフローズンデザートを得た。得られたフローズンデザートにおける表面のソースの状態を下記の基準で評価した。
【0033】
<評価基準>
A:ソースとアイスクリームの境界に滲みはなく、長さ2cm以上のソースの帯が確認できる。
B1:ソースとアイスクリームの境界に滲みはなく、長さ1〜2cmのソースの帯が確認できる。
B2: 2cm以上のソースの帯が確認できるが、ソースとアイスクリームの境界がやや滲んでいる。
C1:ソースとアイスクリームの境界に滲みはないが、長さ1cm以上のソースの帯が確認できない。
C2:ソースが滲んで、ソースとアイスクリームの境界が不明確である。
【0034】
【表1】

【0035】
表1の結果から、ホスホリパーゼA処理卵黄を含有する水中油型乳化物を製し、該水中油型乳化物に上記粉乳を混合する工程を含んで製造したソースは、アイスクリームと共に混合したとき、ソースの帯に滲みや途切れがなく好ましいことがわかる(実施例1、2)。一方、水中油型乳化物に上記粉乳を混合する工程を含まずに製造したソース、およびホスホリパーゼA処理卵黄を含有しないソースは、ソースが滲んで、ソースとアイスクリームの境界が不明確であった(比較例1、2)。
【0036】
〔試験例2〕
水中油型乳化物の油脂含有量、およびソースの粘度がソースの帯に与える影響を確認した。具体的には、実施例1のアイスクリーム類用ソースの製造方法において、ヨークランH−1、水飴、植物油、清水を表2に記載の原料および配合量に置き換えた以外は、実施例1と同様の方法でアイスクリーム類用ソースを製した。得られたアイスクリーム類用ソースを用いて試験例1の製法に準じてフローズンデザートを製し、フローズンデザートにおける表面のソースの状態を試験例1と同様の基準で評価した。なお、得られたアイスクリーム類用ソースの水分活性は全て0.8〜0.85であった。
【0037】
【表2】

【0038】
表2の結果から、水中油型乳化物の油脂含有量が30〜50%であり、粘度が8〜20Pa・sの範囲であるソースは、アイスクリームと共に混合したとき、ソースとアイスクリームの境界に滲みはなく、2cm以上のソースの帯が確認でき、好ましいことがわかる(実施例1、3)。一方、粘度が8Pa・sよりも低い範囲のソースは、ソースが滲んで、ソースとアイスクリームの境界が不明確であり好ましくなかった(比較例3)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉乳を5〜20%含有し、水分活性が0.7〜0.9であるアイスクリーム類用ソースの製造方法であって、ホスホリパーゼA処理卵黄を含有する水中油型乳化物を製し、該水中油型乳化物に上記粉乳を混合する工程を含み、アイスクリーム類用ソースの粘度を8〜25Pa・sに調整することを特徴とするアイスクリーム類用ソースの製造方法。
【請求項2】
上記水中油型乳化物の油脂含有量が25〜70%である請求項1記載のアイスクリーム類用ソースの製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の製造方法で得られるアイスクリーム類用ソースを、アイスクリーム類と共に一方向に回転攪拌して製するフローズンデザート。