説明

アイソレーターを介するデジタル信号及びアナログ信号の送受信

【課題】アナログ信号とデジタル信号を単一のアイソレーションチャンネルによって送受信することができる分離型通信システムを提供する。
【解決手段】送受信するためのシステムで、変調器はアナログ信号及び第1の周波数を有する第1のデジタル信号を入力として受け入れるように構成され、さらに前記第1のデジタル信号の前記第1の周波数及び対応する論理状態にしたがって前記アナログ信号を変調して、周波数変調されたFM信号を送信器に対する出力として形成するように構成され、送信器は前記FM信号を符号化して受信器への入力として送るために、符号化されたFM信号をアイソレーターに送信するように構成され、前記受信器は、受信したFM信号を周波数弁別器及びフィルタリング回路に提供し、前記周波数弁別器は、該FM信号を復号化して復元された第1のデジタル信号を出力として提供するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載されている本発明の種々の実施形態は、ガルバニックアイソレーター(galvanic isolator)、該アイソレーターに関連するコンポーネント、デバイス(または装置)、システム及び方法などのアイソレーターの分野に関連する。
【背景技術】
【0002】
分離障壁(アイソレーションバリアまたはアイソレーターともいう)を介してアナログ信号とデジタル信号の両方が送信される分離型通信システムでは、2つの分離チャンネル(アイソレーションチャンネル)は、典型的には、該障壁を通過する(または超える)2つの異なるタイプの信号を伝送することが必要である。そのような分離型通信システムを図1に示す。図1では、分離型通信システム5中の入力アナログ信号10は、アナログアイソレーター14を横断して受信器16によって受信されるように送信器12によって送信され、受信器16はこれに応答して出力アナログ信号18を生成し、一方、入力デジタル信号20は、デジタルアイソレーター24を横断して受信器26によって受信されるように送信器22によって送信され、受信器26はこれに応答して出力デジタル信号28を生成する。かかるシステム5に2つの異なるタイプのアイソレーターを要求することによって追加のコストがかかる。さらに、スペースの制約のために、集積回路パッケージ内で2つのアイソレーターを利用することができない場合もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
アナログ信号とデジタル信号を単一のアイソレーションチャンネルによって送受信することができる分離型通信システムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの実施形態では、アイソレーターを横断してデジタル信号及びアナログ信号を送受信するためのシステムが提供されるが、該システムは、変調器、該変調器に動作可能に接続された送信器、該変調器に動作可能に接続された信号アイソレーター、該アイソレーターに動作可能に接続された受信器、該受信器に動作可能に接続された周波数弁別器、及び、該受信器に動作可能に接続されたフィルター回路を備える。該変調器は、アナログ信号、及び第1の周波数を有する第1のデジタル信号を入力として受け入れるように構成されており、該変調器はさらに、該第1のデジタル信号の該第1の周波数及び対応する論理状態にしたがって該アナログ信号を変調して、該送信器に対する出力として周波数変調された信号(FM信号)を形成するように構成される。該送信器は、該アイソレーターを横断して受信器の入力へと伝送するために、該FM信号を符号化(エンコード)して該アイソレーターに送るように構成されている。該受信器は、受信したFM信号を該周波数弁別器及び該フィルター回路に提供する。該周波数弁別器は、該FM信号を復号化(デコード)して、再構成された第1のデジタル信号をその出力として提供するように構成されており、該フィルター回路は、該FM信号をフィルタリングして、アナログ信号をその出力として提供するように構成されている。
【0005】
他の実施形態では、ソリッドステート照明システムが提供される。
該システムは、
AC電圧源に動作可能に接続されて該AC電圧が入力されるAC/DC整流回路であって、整流されたDC出力電圧を提供するように構成されたAC/DC整流回路と、
スイッチモード電源(switched mode power supply:SMPS)コントローラを有する絶縁変圧器であって、該整流されたDC出力電圧を入力として受け取って分離(または電気的に絶縁)されたDC出力電圧を提供するように構成された絶縁変圧器と、
直列に接続されて、該分離されたDC出力電圧によって駆動される少なくとも第1及び第2の複数のLEDを有する照明回路と、
該照明回路内の電流検出ノードに動作可能に接続されて、検出した電流信号を出力として提供するように構成された電流検出回路と、
該照明回路に対して並列に配置されて、分圧回路(分圧ネットワーク)の第1の抵抗器と第2の抵抗器の間に配置された電圧検出ノードを有する電圧検出回路(または電圧監視回路)であって、電圧監視信号を該電圧検出ノードを介して出力として提供するように構成された電圧検出回路と、
該電圧監視信号及び第1の基準信号を入力として受信するように構成された第1のコンパレータ(比較器)であって、該電圧監視信号が所定の閾値を超えるかまたは該閾値を下回ると障害状態出力信号を生成するように構成された第1のコンパレータと、
該第1のコンパレータの出力信号が入力される三角波発生回路であって、該障害状態に対応する出力信号を受信したときには第1の周波数を有する三角波出力信号を生成し、該障害状態出力信号を受信しないときには第2の周波数を有する三角波出力信号を生成するように構成された三角波発生回路と、
該三角波出力信号及び検出された電流信号を入力として受信するように構成された第2のコンパレータであって、検出された電流信号及び該三角波出力信号を含む変調された出力信号を生成するように構成された第2のコンパレータと、
該変調された出力信号を入力として受信するように構成された光アイソレーター回路であって、第2のコンパレータの出力に動作可能に接続されて光出力信号を提供するLEDドライバと、該LEDドライバによって提供される該光出力信号に応答して電流を生成するように構成された光検出器とを備える光アイソレーター回路
を備える。
【0006】
他の実施形態では、DC/DCコンバータフィードバック調整制御システムが提供される。該システムは、
第1のDC入力電圧を受け取って、調整された第2のDC出力電圧を提供するように構成されたDC/DCコンバータと、
スイッチモード電源(SMPS)コントローラを備える絶縁変圧器であって、該第2のDC電圧を入力として受け取って、分離(または電気的に絶縁)されたCD出力電圧を提供するように構成された絶縁変圧器と、
該分離されたDC出力電圧によって駆動される負荷回路と、
該負荷回路中の電流検出ノードに動作可能に接続されて、検出された電流が第1の所定の閾値を下回るかまたは超えると電流障害信号を該電流検出ノードを介して出力として提供するように構成された電流障害発生回路と、
該負荷回路に対して並列に配置されて、分圧回路(分圧ネットワーク)の第1の抵抗器と第2の抵抗器の間に配置された電圧検出ノード及び電圧フィードバックノードを備える電圧検出回路(電圧監視回路)であって、電圧監視信号及びフィードバック信号をそれぞれ該電圧検出ノード及び電圧フィードバックノードを介して出力として提供するように構成された電圧検出回路と、
該電圧監視信号及び第1の基準電圧を入力として受け取るように構成された第1のコンパレータであって、該電圧監視信号が所定の閾値を超えると電圧障害状態出力信号を生成するように構成された第1のコンパレータと、
該第1のコンパレータ及び該電流検出ノードの出力信号が入力される三角波発生回路であって、電圧がない状態もしくは電流障害状態に対応する出力信号を受信したときには第1の周波数を有する三角波出力信号を生成し、該電圧障害状態出力信号を受信したときには第2の周波数を有する三角波信号を生成し、該電流障害状態出力信号を受信したときには第3の周波数を有する三角波信号を生成するように構成された三角波発生回路と、
該三角波出力信号及び該電圧フィードバック信号を入力として受信するように構成された第2のコンパレータであって、該三角波出力信号及び該電圧フィードバック信号を含む変調された出力信号を生成するように構成された第2のコンパレータと、
該変調された出力信号を入力として受信するように構成された光アイソレーター回路であって、該第2のコンパレータの出力に動作可能に接続されて光出力信号を提供するLEDドライバと、該LEDドライバによって提供される該光出力信号に応答して電流を生成するように構成された光検出器とを備える光アイソレーター回路
を備える。
【0007】
他の実施形態が本明細書には開示されているが、本明細書及び図面を読んで理解した当業者にはさらに他の実施形態も明らかになるであろう。
【0008】
本発明の種々の実施形態の異なる側面は、以下の詳細な説明、図面及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。図面は必ずしも適正なスケールで描画されているわけではない。特に明示しない限り、図面を通じて、同じ参照番号は同様の構成要素またはステップを示している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】従来技術の分離型通信システムを示す。
【図2】分離型通信システムの1実施形態のブロック図である。
【図3】分離型通信システムの他の実施形態のブロック図である。
【図4】図3の三角波発生回路(TRIWAVE GEN)50に対応する回路の1実施形態を示す。
【図5】図4の回路の種々のノードで生成された波形を示す。
【図6】ソリッドステート照明システムの従来技術の1実施例を示す。
【図7】ソリッドステート照明システム7の1実施形態を示す。
【図8】分離型ソリッドステート照明システム内の単一の光カプラ(光結合器)を介して、線形信号フィードバックを障害検出と共に多重伝送するように構成された回路の1実施形態を示す。
【図9】DC−DCコンバータと一体化した光学的に分離されたゲートドライバの1実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図2は、分離型通信システム5の1実施形態のブロック図を示す。該システム5は、アナログ信号及びデジタル信号を送受信するために単一のデジタルアイソレーターを使用する。アナログ信号10は変調器30によってデジタル信号に変換されるが、該変調器は第1の周波数(fmod1)でアナログ信号10を変調する。デジタル入力信号1、2、…、Nのうちの1つ以上の信号の状態にしたがって変調周波数を変更することができる。
【0011】
1つのデジタル信号だけが分離障壁34を横断して送られる状況において、デジタル入力信号入力1(または20)が論理ロー(低)レベルのときは、変調周波数はfmod1のままである。この場合、アナログ入力信号10は、変調器30によってfmod1の周波数を有するデジタル信号にしたがって変調される。デジタル入力信号入力1(または20)が論理ハイ(高)レベルに変化すると、変調周波数は変調器30によって第2の周波数fmod2に変更される。この場合、アナログ入力信号10は、該第2の周波数fmod2にしたがって変調される。このようにして、デジタル入力信号1はアナログ入力信号10に埋め込まれ、該アナログ入力信号は周波数変調された信号(FM信号)に変換される。このFM信号は送信器32によって経路指定されて、デジタルアイソレーターすなわち障壁(バリア)34を通って送られる。アイソレーター34の他方の側では、受信器36が送信された信号を受信し、該受信された信号はフィルタリングされて該アナログ信号が回復されてアナログ出力信号18が生成される。同時に、該受信された信号は、周波数弁別器38へも送られて、該埋め込まれたデジタル信号が検出されて回復される。
【0012】
一般に、2つ以上のデジタル信号入力をデジタルアイソレーターすなわち障壁34を通して送信することができ、その場合、変調周波数は、送信されたデジタル信号の各々の状態にしたがって変調器30によって変更される。アナログ信号及びデジタル信号のデコード(復号化)を成功裏に行うために、周波数fmod1、fmod2、…、fmodNの全てを、フィルター40の通過帯域の外側になるように選択しなければならない。さらに、周波数弁別器38が種々の周波数の各々を識別できるように、周波数fmod1、fmod2、…、fmodNは、互いから十分に分離していなければならない。
【0013】
図3は、分離型通信システム5の別の実施形態のブロック図である。図3は、単一のデジタルアイソレーターすなわち障壁34を介して、アナログ入力信号及びデジタル入力信号を多重伝送するように構成された回路の1実施形態を示す。アナログ入力信号Vanalog_inは、コンパレータCOMP1(または52)の正入力(正極性入力ともいう)に接続される。COMP1の負入力(負極性入力ともいう)は、三角波発生器TRIWAVE GEN50の出力に接続される。デジタル入力信号DIGITAL_inは、TRIWAVE GEN50のFREQ_SEL入力を制御し、これによって、TRIWAVE GEN50によって提供される三角波出力の周波数が決定される。DIGITAL_inが論理ローのときには、三角波は第1の周波数f1で振動する。デジタル入力信号DIGITAL_inが論理ハイ状態のときには、三角波は第2の周波数f2で振動する。図3の右下部分に示されている種々のノードにおける波形は、COMP1によって送信された出力信号Vtxmに対する変調の効果を示している。受信側では、受信器は、その出力において送信された信号を再現し、次に、その出力は、チャージポンプ回路54のスイッチSW1及びSW2を制御するために使用される。たとえば、受信器36によって提供された信号OUTがロー(低)状態で信号OUTBがハイ(高)状態のときには、SW1がオンになって、抵抗器Rf及びコンデンサーCfから構成されるRCループフィルターを充電する。信号OUTがハイ(高)状態で、信号OUTBがロー(低)状態のときは、SW2がオンになってRCループフィルターを放電する。したがって、スイッチSW1及びSW2をオン/オフする速さ(または周波数)は受信した信号Vrcvの周波数に依存する。チャージポンプ回路54によって提供されるチャージポンプ電流は、Vrcvの周波数にも依存する。Vrcvが周波数f1で切り替わるときは、チャージポンプ回路54はf1の速さで切り替わって電流l1を流す。Vrcvが周波数f2で切り替わるときは、チャージポンプ回路54はf2の速さで切り替わって電流l2を流す。チャージポンプ電流lpと切り替え周波数の間には、f2=A×f1のとき、l2=A×l1という関係がある。これによって、チャージポンプ電流lpに関連する充電及び放電の時定数が切り替え周波数の変化に影響されないように、チャージポンプ電流lpがスケーリング(増減)され、したがって、出力アナログ信号Vanalog_outの特性が維持されることが確保される。これによって、ループの動特性(ダイナミクス)及びシステムの挙動が変更されないことが確保される。したがって、フィルタリングされたアナログ信号Vanalog_outは元のアナログ入力信号Vanalog_inを忠実に表し、該Vanalog_inは、埋め込まれたデジタル信号によってもたらされる追加の変調にかかわらず保持されて再現される。埋め込まれたデジタル信号を回復するために、受信器の出力が周波数検出器FREQ DETECT 38に提供され、該検出器は、周波数f1とf2を弁別(区別)して、入力デジタル信号DIGITAL_inを出力デジタル信号DIGITAL_outとして再現する。
【0014】
図4は、図3の回路TRIWAVE GEN(三角波発生回路)50に対応する回路の1実施形態を示す。図4に示す実施形態に加えて、TRIWAVE GEN50の他の実施形態が考慮されることに留意されたい。図5は、図4の回路の種々のノードにおいて生成された波形を示す。図4の三角波発生回路は、2つのコンパレータ、チャージポンプ回路、及びRSラッチを備える。図4の回路50は、VrefLとVrefHの間にわたるピークツーピーク電圧レベルを有する三角波である出力信号TRI_WAVEを生成する。これら2つの基準レベルVrefL及びVrefHは、2つのコンパレータに対応する閾値電圧である。時刻t=0において、コンデンサーCpmpが電荷ゼロで開始する場合を想定すると、RESETがハイ(高)に上昇し、これによって、OUTがロー(低)になり、及びOUTBがハイ(高)になる。次に、スイッチSW1がオンになりSW2がオフになる。チャージポンプは電流をCpmpに供給し、これによって、回路TRI_WAVE50は、供給される電流(ソース電流)及びCpmpによって決まる速さ(または周波数)で充電される。回路TRI_WAVE50が充電されてVrefHに達すると、SETがハイ(高)に上昇し、これによって、OUTがハイ(高)になり、及びOUTBがロー(低)になる。そして、スイッチSW1がオフになり、SW2がオンになる。チャージポンプはCpmpから電流を吸い込み、このため、回路TRI_WAVE50は、吸い込まれる電流(シンク電流)とCpmpによって決まる速さ(または周波数)で放電する。図5に示すように、ソース電流及びシンク電流が同じ値l1を有する場合には、充電時間と放電時間は同じであり、次の式(1)によって与えられる。
T1=T2=(VrefH−VrefL)×Cpmp/l1 (式1)
三角波の周波数を、たとえばより高い周波数に変えるために、スイッチSW3及びSW4を制御する制御信号HFをハイ(高)に設定することができる。これによって、SW3及びSW4の両方がオンになって、チャージポンプのソース電流とシンク電流の両方が増える。その結果、コンデンサーCpmpはより早く充放電し、回路TRI_WAVE50は、VrefL とVrefHの2つのレベルの間でより高速に振動する。
【0015】
ソリッドステート照明用途のためのいくつかの実施形態では、発光ダイオード(LED)が光源として使用され、線形光結合器(リニアオプトカプラ)が光学的分離(光アイソレーション)のために使用され、LED電流の線形フィードバック制御がLED電流を正確に制御するために使用される。しかしながら、LEDが故障した場合には、電力を節約するためにシステムをシャットダウン(停止)して、故障しているLEDを交換することを可能にする、障害状態を報告するための情報は、一般的には、コントローラにはフィードバックされない。LEDが直列スタックをなして接続されている(すなわち、多数のLEDが直列に接続されている)場合には、かかる結果は、LEDアレイの発光強度の劣化またはLEDアレイの不均一な発光を招く可能性がある。この問題は、単一の光結合器(オプトカプラ)を介して、分離された信号検出を障害フィードバックと組み合わせて多重伝送することによって対処できる。それゆえそのようなシステムは、障害状態に対して適切に反応して対応することができる。たとえば、故障したLED電球が交換されるまで、電力を節約するためにシステムをシャットダウンするようにコントローラを構成することができる。
【0016】
図6は、従来技術によるソリッドステート照明システム7の1実施例を示す。このシステムは、アナログ線形信号フィードバックを利用するが、線形フィードバック光結合器66を介して障害検出及びフィードバックを提供することができない。図6のシステム7は、電力発生回路、直列スタックをなすLED68及び70、及び、LED電流のループ調整のための線形フィードバック光結合器66を備える。電力発生回路は、AC−DC整流ブロック60及び絶縁型フライバックコンバータを備え、絶縁型フライバックコンバータは、スイッチモード電源(SMPS)コントローラ64、変圧器62、ダイオード72、及び出力コンデンサー78を備える。LED68及び70は、通常は、直列スタックをなすように接続され、これによって、一定の電流が全てのLEDを流れて、一定の明るさが得られるようにしている。LED電流は、電流検知抵抗器Rcsの両端に電圧降下を生じさせる。その結果生じたアナログ電圧レベルは、線形フィードバック光結合器66によって検出されて、システムの応答を調整するためにSMPSコントローラ64に提供される。LED68及び70のうちの任意のLEDの故障モードは、開路または短絡として生じる場合があり、障害状態は、スタックをなすLED68及び70のうちの1つ以上のLEDが故障したときに起こる。LEDが短絡によって故障している望ましくない状況では、故障したLED電球は電力を吸い込み続け、該電球の輝度損失はシステム7によって検出されないままである。
【0017】
図7は、図6のソリッドステート照明システム7の問題のいくつかを克服するソリッドステート照明システム7の1実施形態を示す。図7において、システム7は、分離型(または絶縁型)ソリッドステート照明システムにおけるLED故障を管理するためのループ制御及び電圧検出用の線形フィードバックを組み込んでいる。図6のシステム7と比べると、抵抗器Rcsを流れるLED電流レベルの線形フィードバックに加えて、抵抗器R1及びR2から構成される追加の抵抗分圧回路(抵抗分圧ネットワーク)が、LED68及び70を含むLEDスタックの電圧全体を監視する。かかる電圧監視は、抵抗分圧回路によって得られる電圧検出レベルを、多機能フィードバックアイソレーター88を介してフィードバックすることによって達成される。LEDの順方向の電圧降下は一般にほとんど一定なので、直列スタックをなすLEDの順方向の全電圧降下を、フィードバックループによって決定し、及び調整することができる。たとえば、LED68及び70の1つ以上のLEDが短絡によって故障するといった障害状態が発生した場合には、電圧検出レベルの低下が検出されて、スイッチモード電源(SMPS)コントローラ64にフィードバックされる。このように、図7に示すシステム7は、LED故障情報をコントローラ64に提供するように構成されており、これによって、障害状態を修復できるまで、電力を節約するためにシステム7をシャットダウン(停止)できるようにしている。
【0018】
図8は、分離型(または絶縁型)ソリッドステート照明システムにおいて単一の光結合器を介して、障害検出と共に線形信号フィードバックを多重伝送するように構成された回路の1実施形態を示す。LED電流及び電圧レベルを監視するための機能ブロックは、電圧検出レベルを監視するための第1のコンパレータCOMP1(96)、電流検出レベルを検出するための第2のコンパレータCOMP2(98)、及び、FAULT入力(障害入力)によって決まる周波数の三角波を出力する三角波発生回路TRIWAVE GEN50を備える。コンパレータCOMP1(96)は、基準電圧Vdetに接続された正入力、及び、LED電圧検出レベルに接続された負入力を有する。電圧検出レベルは、抵抗器R1とR2から構成される抵抗分圧回路によって設定される比によって決まる。LED68を含むLEDスタックが正常に動作しているときは、電圧検出レベルは、LED不足電圧基準レベルVdetよりもLEDの順方向電圧降下未満だけ高くなるように設計されている。それゆえ、COMP1(96)の出力によって提供されるFAULT信号の状態は、正常の動作状態ではロー(低)状態である。FAULT信号は、回路TRIWAVE GEN50の周波数選択ピンFREQ_SELを制御する。FAULTがロー状態ときは、生成された三角波は第1の周波数f1で振動する。この三角波は、正入力がLED電流検出レベルに接続されている第2のコンパレータCOMP2(98)の負入力に接続される。この結果、電流検出レベルは、三角波によって変調されて、COMP2(98)の出力においてデジタル形態に変換される。COMP2(98)の出力は、アナログ電流検出レベルを表すデューティサイクルを有するパルス幅変調されたデジタル信号を生成する。このパルス幅変調された信号の周波数は三角波の周波数と同じである。たとえば、スタック68中の1つ以上のLEDが短絡によって故障しているといったLEDの故障が発生している場合には、電圧検出レベルは正常レベルより下がり、これによって、コンパレータCOMP1(96)がVdet閾値と交差して、FAULT状態に関するハイ状態を示すように、該COMP1が作動する。次に、FREQ_SELはハイ(高)に駆動されて、三角波の周波数を第2の周波数f2に切り替える。この結果、COMP2(98)の出力に提供されるパルス幅変調された信号の周波数はf2に切り替わる。しかしながら、LEDスタック68を流れるLED電流と抵抗器R3の抵抗値の積である電流検出レベルはLEDスタック電圧の低下による影響を受けないので、COMP2(98)によって提供される出力信号のデューティサイクルは、正常動作時と同じままである。次に、COMP2(98)の出力がLEDドライバLED DRV99に提供される。LED DRV99は、その出力に接続されたLED101を、COMP2(98)の出力がハイ(高)かロー(低)かに応じてオンまたはオフにする。
【0019】
受信側では、オン状態のLED101によって生成された光がフォトダイオード103に当たると、該フォトダイオード103がオンになる。フォトダイオード103によって提供されるフォトダイオード電流は、フォトダイオード103に接続された負入力を有するトランスインピーダンスアンプTIA112によって検出される。フォトダイオード電流は、TIAフィードバック抵抗器Rfbを通り、TIA112の出力において電圧信号に変換される。したがって、TIA112は、送信側から受信したデータパターンそのものの遅延バージョンを出力する。TIA112の出力電圧レベルが、コンパレータCOMP3(116)の負入力に接続されている該COMP3の基準レベルVrefより高いときには、COMP3(116)の出力が論理ハイ(高)レベルに切り替わる。COMP3(116)の出力は、チャージポンプ回路118のスイッチSW1及びSW2を制御するために使用される。たとえば、COMP3(116)のOUTがロー状態で、COMP3(116)のOUTBがハイ状態のときは、SW1はオンになって、抵抗器RfとコンデンサーCfから構成されるRCループフィルターを充電する。OUTがハイでOUTBがローのときは、SW2がオンになって、RCループフィルターを放電させる。したがって、スイッチSW1及びSW2をオン及びオフする速さ(または周波数)は、受信した信号Vrcvの周波数に依存する。チャージポンプ電流lpもVrcvの周波数に依存する。Vrcvが周波数f1で切り替わるときは、チャージポンプ回路118は、速さf1で切り替わって電流l1を流す。Vrcvが周波数f2で切り替わるときは、チャージポンプ回路118は、速さf2で切り替わって電流l2を流す。チャージポンプ電流l1と切り替え周波数との間には、f2=A×f1のとき、l2=A×l1という関係がある。これによって、チャージポンプ電流l1に関連する充電または放電の時定数が切り替え周波数の変化によって影響されないように、チャージポンプ電流l1が増減されることが確保される。したがって、出力アナログ信号Vfの特性が保持され、ループの動特性(ダイナミクス)及びシステムの挙動が変更されないことが確保される。したがって、フィルタリングされたアナログ信号Vfは、入力アナログ電流検出信号レベルを表し、該レベルは、埋め込まれたデジタル信号に関連する追加の変調に関係なく保持される。次に、Vf電圧レベルは、コンバータを調整するためにSMPSコントローラにフィードバックされる。埋め込まれたFAULTデジタル信号を回復するために、COMP3(116)の出力が周波数検出器FREQ DETECT38に提供される。FREQ DETECT38は、周波数f1とf2を弁別(区別)してFAULT_outにおいて該デジタル信号を復元する。このようにして、調整及びフィードバックループは、フィードバックFAULT信号によって乱されることなく通常通り動作する。しかしながら、FAULTフィードバック情報を使用して、障害イベントが発生したときにシステム7をシャットダウンするようにSMPSコントローラを構成することができる。
【0020】
図9は、DC−DCコンバータと一体化された光学的に分離されたゲートドライバの1実施形態を示す。この実施形態では、2つ以上のデジタルフィードバック信号がアナログ信号と共に提供される。かかる実施において、DC−DCコンバータの出力Voutは、トランジスタM1及びM2(126)から構成されるゲートドライバに対する電圧源として作用する。ゲートドライバの出力は、外部の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT124)を駆動する。DC−DCコンバータループの調整は、抵抗器R1及びR2から構成される抵抗分圧回路によって提供されるVfbのレベルにある電圧検出フィードバックノードを通じてなされる。正常動作時には、回路TRIWAVE GEN50は、周波数f1を有する三角波を出力し、該三角波は、フィードバック電圧Vfbを、コンパレータCOMP2(98)の出力に現れるパルス幅変調されたデジタル信号に変調する。アナログフィードバック信号Vfbのデジタル化されたバージョンは、LEDドライバ99を通り、光学的分離(光アイソレーション)を横断して、受信側へと送られる。デジタル化された信号は、TIAアンプ112及びコンパレータCOMP3(116)を通り、かつ、チャージポンプ回路118及びこれに対応するループフィルターの作用によってフィルタリングされた後で、アナログ信号Vfとしてアナログ信号に戻される。次に、アナログ信号Vfは、コンバータループの出力Voutを調整するためにSMPSコントローラにフィードバックされる。かかる実施形態では、アイソレーターすなわち障壁120を横断してアナログ入力信号と共に多重伝送されるデジタル入力信号を、2つの障害イベントを含むように構成することができる。かかる障害イベントの1つを、Vout電圧レベルにおける過電圧状態の検出に対応付けることができ、該過電圧状態を、該過電圧レベルに閾値が設定されたコンパレータCOMP1(96)によって提供することができ、及び、出力FAULT_0Vによって示される状態とすることができる。もう1つの障害イベントを、IGBT124の過電流状態の検出に対応付けることができ、該過電流状態を、過電流検出回路OC DET(122)によって提供することができ、及び、出力FAULT_OCによって示される状態とすることができる。これら2つの障害出力FAULT_0V及びFAULT_OCは、回路TRIWAVE GEN50の出力を変調する周波数を変更するために利用される。たとえば、FAULT_0Vがハイ状態にあって出力過電圧状態を示している場合には、変調周波数は、通常の速さ(周波数)f1から速さ(周波数)f2に切り替えられる。FAULT_OCがハイ状態にあってIGBT124が過電流状態にあることを示している場合には、変調周波数は速さ(周波数)f3に切り替えられる。受信側において、周波数弁別器ブロックFREQ DETECT38が、周波数f2とf3のうちのいずれが存在するかまたは両方が存在するかを判定して、判定結果に応じて、回復された出力FAULT_0V_out及びFAULT_OC_outの状態を更新する。このようにして、SMPSコントローラは、そのような障害状態フィードバック信号に基づいてシステム5がとるべき最善策を決定するように構成される。デジタル障害信号は、フィードバックのためにデジタル化された形態で単に埋め込まれているだけであるので、障害イベントの発生は、DC−DCコンバータの正常な動作を妨害しないこと、及び、フィルタリングされた出力Vfは、正常な動作モードの場合と同じアナログ入力信号を表すことに留意されたい。
【0021】
システム5の信号及び障害フィードバック経路全体は、アイソレーターすなわち障壁120を介する信号伝送のために、単一のデジタル光結合器を利用する。これによって、線形光結合器を使用する場合に比べて大きな利点がもたらされる。なぜなら、デジタル信号伝送は、線形信号伝送における主要な問題であるLED劣化に起因する問題を被らないからである。光アイソレーター101/103を使用することに加えて、図9に示す実施形態は、磁気アイソレーター(磁気障壁)または容量性アイソレーター(容量性障壁)などの他のアイソレーション手段(すなわち分離媒体)ともうまく動作する。
【0022】
本発明の範囲に含まれるのは、本明細書に記載された種々のコンポーネント、装置(またはデバイス)、及びシステムを作成し実装する方法である。本明細書で開示された回路、システム、及び方法の少なくともいくつかを、従来のCMOS設計・製造技術及びプロセスを用いて実施して、たとえば、単一の集積回路またはASICを提供することができる。
【0023】
以下に、本発明の種々の構成要件の組み合わせからなる例示的な実施態様を示す。
1.アイソレーターを横断してデジタル信号及びアナログ信号を送受信するためのシステムであって、
変調器と、
前記変調器に動作可能に接続された送信器と、
前記変調器に動作可能に接続された信号アイソレーターと、
前記アイソレーターに動作可能に接続された受信器と、
前記受信器に動作可能に接続された周波数弁別器と、
前記受信器に動作可能に接続されたフィルタリング回路
を備え、
前記変調器は、アナログ信号及び第1の周波数を有する第1のデジタル信号を入力として受け入れるように構成され、前記変調器はさらに、前記第1のデジタル信号の前記第1の周波数及び対応する論理状態にしたがって前記アナログ信号を変調して、周波数変調された信号(FM信号)を前記送信器に対する出力として形成するように構成され、前記送信器は、前記FM信号を符号化して、前記アイソレーターを横断して前記受信器への入力として該受信器に送るために、符号化されたFM信号を前記アイソレーターに送信するように構成され、前記受信器は、受信したFM信号を前記周波数弁別器及び前記フィルタリング回路に提供し、前記周波数弁別器は、該FM信号を復号化して復元された第1のデジタル信号を出力として提供するように構成され、前記フィルタリング回路は、該FM信号をフィルタリングして、アナログ信号を出力として提供するように構成される、システム。
2.前記第1のデジタル入力信号が第1の障害信号である、上項1のシステム。
3.第2のデジタル信号が第2の周波数を有し、前記変調器がさらに、
(a)前記第1のデジタル信号の前記第1の周波数及び対応する論理状態、及び、
(b)前記第2のデジタル信号の前記第2の周波数及び対応する論理状態
にしたがって前記アナログ信号を変調して、前記周波数変調された信号(FM信号)を形成するように構成される、上項1のシステム。
4.前記周波数弁別器がさらに、前記FM信号を復号化して復元された第2のデジタル信号を提供するように構成される、上項3のシステム。
5.前記第2のデジタル入力信号が第2の障害信号である、上項3のシステム。
6.前記フィルタリング回路がバンドパスフィルタリング回路から構成される、上項1または3のシステム。
7.前記バンドパスフィルタリング回路の通過帯域が、前記第1の周波数または第2の周波数を含まない、上項6のシステム。
8.前記アイソレーターが、容量性アイソレーター、光アイソレーター、磁気アイソレーターのうちの1つである、上項1のシステム。
9.前記変調器がさらに、少なくとも、前記第1の周波数を有する第1の三角波信号及び前記第2の周波数を有する第2の三角波信号を生成して出力として提供するように構成された三角波発生回路を備える、上項1のシステム。
10.前記変調器がさらに、前記三角波信号及び前記アナログ信号が入力されるコンパレータを備える、上項9のシステム。
11.前記三角波発生回路がさらに、前記第1のデジタル信号を入力として受け入れるように構成され、前記第1のデジタル信号が、前記三角波発生回路の出力が、前記第1の周波数を有する三角波信号であるか、前記第2の周波数を有する三角波信号であるかを判定するように構成された制御信号である、上項9のシステム。
12.前記フィルタリング回路がさらに、前記受信したFM信号の周波数にしたがって開閉するスイッチを有するチャージポンプ回路を備える、上項1のシステム。
13.前記フィルタリング回路がさらに、受信したFM信号の周波数にしたがって変化する電流を提供するように構成されたチャージポンプ回路を備える、上項1のシステム。
14.ソリッドステート照明システムであって、
入力部においてAC電圧源に動作可能に接続可能であって、整流されたDC出力電圧を提供するように構成されたAC/DC整流回路と、
スイッチモード電源(SMPS)コントローラを備える絶縁変圧器であって、前記整流されたDC出力電圧を入力として受け取って、分離されたDC出力電圧を提供するように構成された絶縁変圧器と、
直列に接続されて前記分離されたDC出力電圧によって駆動される少なくとも第1及び第2の複数のLEDを備える照明回路と、
前記照明回路内の電流検出ノードに動作可能に接続されて、検出した電流信号を出力として提供するように構成された電流検出回路と、
前記照明回路に対して並列に配置されて、分圧回路の第1の抵抗器と第2の抵抗器の間に配置された電圧検出ノードを備える電圧検出回路(電圧監視回路)であって、前記電圧検出ノードを介して出力として電圧監視信号を提供するように構成された電圧検出回路と、
前記電圧監視信号及び第1の基準電圧を入力として受け取るように構成された第1のコンパレータであって、前記電圧監視信号が、所定の閾値を超えるかまたは下回ると障害状態出力信号を生成するように構成された第1のコンパレータと、
前記第1のコンパレータの出力信号が入力される三角波発生回路であって、前記障害状態に対応する出力信号を受信しないときには第1の周波数を有する三角波出力信号を生成し、前記障害状態出力信号を受信したときには第2の周波数を有する三角波出力信号を生成するように構成された三角波発生回路と、
前記三角波出力信号及び前記検出された電流信号を入力として受け取るように構成された第2のコンパレータであって、前記検出された電流信号及び前記三角波出力信号を含む変調された出力信号を生成するように構成された第2のコンパレータと、
前記変調された出力信号を入力として受信するように構成された光アイソレーター回路であって、前記第2のコンパレータの出力に動作可能に接続されて光出力信号を提供するLEDドライバと、該LEDドライバによって提供される前記光出力信号に応答して電流を生成するように構成された光検出器とを備える光アイソレーター回路
を備えるソリッドステート照明システム。
15.前記光検出器からの電流を受けて、電圧信号を出力において生成するように構成されたトランスインピーダンスアンプをさらに備える、上項14のシステム。
16.前記第2のコンパレータがさらに、前記検出された電流を表す第1の周波数を有する第1のパルス幅変調された出力信号(PWM出力信号)、及び、前記障害状態を表す第2の周波数を有する第2のPWM出力信号を出力において生成するように構成される、上項14のシステム。
17.前記トランスインピーダンスアンプによって生成された出力電圧信号、及び、第2の基準電圧が入力される第3のコンパレータであって、チャージポンプ回路制御信号を生成するように構成された第3のコンパレータをさらに備える、上項14のシステム。
18.前記第3のコンパレータがさらに、相補的なチャージポンプ回路制御信号を出力として提供する、上項17のシステム。
19.前記チャージポンプ回路制御信号が、復元された電流検出信号を出力として提供するように構成されたチャージポンプ回路への入力として提供される、上項17のシステム。
20.前記復元された電流検出信号が、前記チャージポンプ回路によって線形フィードバックラインを介して前記SMPSコントローラに提供される、上項19のシステム。
21.前記SMPSコントローラは、前記復元された電流検出信号の変化にしたがって、前記分離されたDC出力電圧を変化させるように構成される、上項19のシステム。
22.前記第3のコンパレータがさらに、周波数検出信号を生成するように構成される、上項17のシステム。
23.前記周波数検出信号が、周波数検出回路への入力として提供される、上項22のシステム。
24.前記復元された障害状態出力信号が、前記周波数検出回路によってデジタル障害信号線を介して前記SMPSコントローラに提供される、上項23のシステム。
25.前記SMPSコントローラが、前記障害状態出力信号の受信に応答して前記絶縁変圧器をシャットダウンするように構成される、上項24のシステム。
26.DC/DCコンバータフィードバック調整制御システムであって、
第1のDC入力電圧を受け取って、調整された第2のDC出力電圧を提供するように構成されたDC/DCコンバータと、
スイッチモード電源(SMPS)コントローラを備える絶縁変圧器であって、前記第2のDC電圧を入力として受け取って、分離されたDC出力電圧を提供するように構成された絶縁変圧器と、
前記分離されたDC出力電圧によって駆動される負荷回路と、
前記負荷回路中の電流検出ノードに動作可能に接続されて、検出された電流が第1の所定の閾値を下回るかまたは超えると電流障害信号を該電流検出ノードを介して出力として提供するように構成された電流障害発生回路と、
前記負荷回路に対して並列に配置されて、分圧回路の第1の抵抗器と第2の抵抗器の間に配置された電圧検出ノード及び電圧フィードバックノードを備える電圧検出回路(電圧監視回路)であって、電圧監視信号及びフィードバック信号をそれぞれ前記電圧検出ノード及び電圧フィードバックノードを介して出力として提供するように構成された電圧検出回路と、
前記電圧監視信号及び第1の基準電圧を入力として受け取るように構成された第1のコンパレータであって、前記電圧監視信号が所定の閾値を超えると電圧障害状態出力信号を生成するように構成された第1のコンパレータと、
前記第1のコンパレータ及び前記電流検出ノードの出力信号が入力される三角波発生回路であって、電圧がない状態もしくは電流障害状態に対応する出力信号を受信したときには第1の周波数を有する三角波出力信号を生成し、前記電圧障害状態出力信号を受信したときには第2の周波数を有する三角波出力信号を生成し、前記電流障害状態出力信号を受信したときには第3の周波数を有する三角波出力信号を生成するように構成された三角波発生回路と、
前記三角波出力信号及び前記電圧フィードバック信号を入力として受信するように構成された第2のコンパレータであって、前記三角波出力信号及び前記電圧フィードバック信号を含む変調された出力信号を生成するように構成された第2のコンパレータと、
前記変調された出力信号を入力として受信するように構成された光アイソレーター回路であって、前記第2のコンパレータの出力に動作可能に接続されて光出力信号を提供するLEDドライバと、前記LEDドライバによって提供される前記光出力信号に応答して電流を生成するように構成された光検出器とを備える光アイソレーター回路
を備えるシステム。
27.前記電流障害発生回路は、ゲート駆動回路における過電流負荷状態を検出するように構成される、上項26のシステム。
28.前記光検出器からの電流を受け取って、出力において電圧信号を生成するように構成されたトランスインピーダンスアンプをさらに備える、上項26のシステム。
29.前記トランスインピーダンスアンプによって生成された出力電圧信号、及び第2の基準電圧が入力される第3のコンパレータであって、チャージポンプ回路制御信号を生成するように構成された第3のコンパレータをさらに備える、上項26のシステム。
30.前記第3のコンパレータがさらに、相補的なチャージポンプ回路制御信号を出力として提供する、上項29のシステム。
31.前記チャージポンプ回路制御信号を受信して、復元された電圧フィードバック信号を出力として提供するように構成されたチャージポンプ回路をさらに備える、上項29のシステム。
32.前記復元された電圧フィードバック信号が、前記チャージポンプ回路によって、線形フィードバックラインを介して前記SMPSコントローラに提供される、上項31のシステム。
33.前記第3のコンパレータがさらに、周波数検出信号を生成するように構成される、上項32のシステム。
34.前記周波数検出信号が周波数検出回路への入力として提供される、上項32のシステム。
35.前記復元された電圧障害状態出力信号が、前記周波数検出回路によって、第1のデジタル障害信号線を介して前記SMPSコントローラに提供される、上項34のシステム。
36.前記復元された電流障害状態出力信号が、前記周波数検出回路によって、第の2デジタル障害信号線を介して前記SMPSコントローラに提供される、上項34のシステム。
37.前記SMPSコントローラが、前記電流障害状態出力信号または前記電圧障害状態出力信号の受信に応答して前記絶縁変圧器をシャットダウンするように構成される、上項33のシステム。
38.前記SMPSコントローラが、前記復元された電圧フィードバック信号の変化にしたがって、前記分離されたDC出力電圧を変化させるように構成される、上項33のシステム。
【0024】
本発明の種々の実施形態としては、本明細書で開示したもの以外のものも考慮されている。上記の実施形態は、本発明の範囲を限定するものではなく本発明の例示とみなされるべきである。本発明の上記の実施形態に加えて、詳細な説明及び添付の図面を検討することによって、本発明の他の実施形態が存在することが明らかになるであろう。したがって、本発明の上記実施形態の多くの組み合わせ、置換、変形、及び改良は、本明細書において明示的に説明されていないが、本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0025】
5 通信システム
7 ソリッドステート照明システム
10 アナログ入力信号
18 アナログ出力信号
30 変調器
32 送信器
34 分離障壁(アイソレーター)
36 受信器
38 周波数弁別器
40 フィルター
54 チャージポンプ回路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アイソレーターを横断してデジタル信号及びアナログ信号を送受信するためのシステムであって、
変調器と、
前記変調器に動作可能に接続された送信器と、
前記変調器に動作可能に接続された信号アイソレーターと、
前記アイソレーターに動作可能に接続された受信器と、
前記受信器に動作可能に接続された周波数弁別器と、
前記受信器に動作可能に接続されたフィルタリング回路
を備え、
前記変調器は、アナログ信号及び第1の周波数を有する第1のデジタル信号を入力として受け入れるように構成され、前記変調器はさらに、前記第1のデジタル信号の前記第1の周波数及び対応する論理状態にしたがって前記アナログ信号を変調して、周波数変調された信号(FM信号)を前記送信器に対する出力として形成するように構成され、前記送信器は、前記FM信号を符号化して、前記アイソレーターを横断して前記受信器への入力として該受信器に送るために、符号化されたFM信号を前記アイソレーターに送信するように構成され、前記受信器は、受信したFM信号を前記周波数弁別器及び前記フィルタリング回路に提供し、前記周波数弁別器は、該FM信号を復号化して復元された第1のデジタル信号を出力として提供するように構成され、前記フィルタリング回路は、該FM信号をフィルタリングして、アナログ信号を出力として提供するように構成される、システム。
【請求項2】
前記第1のデジタル入力信号が第1の障害信号である、請求項1のシステム。
【請求項3】
第2のデジタル信号が第2の周波数を有し、前記変調器がさらに、
(a)前記第1のデジタル信号の前記第1の周波数及び対応する論理状態、及び、
(b)前記第2のデジタル信号の前記第2の周波数及び対応する論理状態
にしたがって前記アナログ信号を変調して、前記周波数変調された信号(FM信号)を形成するように構成される、請求項1のシステム。
【請求項4】
前記周波数弁別器がさらに、前記FM信号を復号化して復元された第2のデジタル信号を提供するように構成される、請求項3のシステム。
【請求項5】
前記第2のデジタル入力信号が第2の障害信号である、請求項3のシステム。
【請求項6】
前記フィルタリング回路がバンドパスフィルタリング回路から構成される、請求項1または3のシステム。
【請求項7】
前記バンドパスフィルタリング回路の通過帯域が、前記第1の周波数または第2の周波数を含まない、請求項6のシステム。
【請求項8】
前記アイソレーターが、容量性アイソレーター、光アイソレーター、磁気アイソレーターのうちの1つである、請求項1のシステム。
【請求項9】
前記変調器がさらに、少なくとも、前記第1の周波数を有する第1の三角波信号及び前記第2の周波数を有する第2の三角波信号を生成して出力として提供するように構成された三角波発生回路を備える、請求項1のシステム。
【請求項10】
前記変調器がさらに、前記三角波信号及び前記アナログ信号が入力されるコンパレータを備える、請求項9のシステム。
【請求項11】
前記三角波発生回路がさらに、前記第1のデジタル信号を入力として受け入れるように構成され、前記第1のデジタル信号が、前記三角波発生回路の出力が、前記第1の周波数を有する三角波信号であるか、前記第2の周波数を有する三角波信号であるかを判定するように構成された制御信号である、請求項9のシステム。
【請求項12】
前記フィルタリング回路がさらに、前記受信したFM信号の周波数にしたがって開閉するスイッチを有するチャージポンプ回路を備える、請求項1のシステム。
【請求項13】
前記フィルタリング回路がさらに、受信したFM信号の周波数にしたがって変化する電流を提供するように構成されたチャージポンプ回路を備える、請求項1のシステム。
【請求項14】
ソリッドステート照明システムであって、
入力部においてAC電圧源に動作可能に接続可能であって、整流されたDC出力電圧を提供するように構成されたAC/DC整流回路と、
スイッチモード電源(SMPS)コントローラを備える絶縁変圧器であって、前記整流されたDC出力電圧を入力として受け取って、分離されたDC出力電圧を提供するように構成された絶縁変圧器と、
直列に接続されて前記分離されたDC出力電圧によって駆動される少なくとも第1及び第2の複数のLEDを備える照明回路と、
前記照明回路内の電流検出ノードに動作可能に接続されて、検出した電流信号を出力として提供するように構成された電流検出回路と、
前記照明回路に対して並列に配置されて、分圧回路の第1の抵抗器と第2の抵抗器の間に配置された電圧検出ノードを備える電圧検出回路(電圧監視回路)であって、前記電圧検出ノードを介して出力として電圧監視信号を提供するように構成された電圧検出回路と、
前記電圧監視信号及び第1の基準電圧を入力として受け取るように構成された第1のコンパレータであって、前記電圧監視信号が、所定の閾値を超えるかまたは下回ると障害状態出力信号を生成するように構成された第1のコンパレータと、
前記第1のコンパレータの出力信号が入力される三角波発生回路であって、前記障害状態に対応する出力信号を受信しないときには第1の周波数を有する三角波出力信号を生成し、前記障害状態出力信号を受信したときには第2の周波数を有する三角波出力信号を生成するように構成された三角波発生回路と、
前記三角波出力信号及び前記検出された電流信号を入力として受け取るように構成された第2のコンパレータであって、前記検出された電流信号及び前記三角波出力信号を含む変調された出力信号を生成するように構成された第2のコンパレータと、
前記変調された出力信号を入力として受信するように構成された光アイソレーター回路であって、前記第2のコンパレータの出力に動作可能に接続されて光出力信号を提供するLEDドライバと、該LEDドライバによって提供される前記光出力信号に応答して電流を生成するように構成された光検出器とを備える光アイソレーター回路
を備えるソリッドステート照明システム。
【請求項15】
前記光検出器からの電流を受けて、電圧信号を出力において生成するように構成されたトランスインピーダンスアンプをさらに備える、請求項14のシステム。
【請求項16】
前記第2のコンパレータがさらに、前記検出された電流を表す第1の周波数を有する第1のパルス幅変調された出力信号(PWM出力信号)、及び、前記障害状態を表す第2の周波数を有する第2のPWM出力信号を出力において生成するように構成される、請求項14のシステム。
【請求項17】
前記トランスインピーダンスアンプによって生成された出力電圧信号、及び、第2の基準電圧が入力される第3のコンパレータであって、チャージポンプ回路制御信号を生成するように構成された第3のコンパレータをさらに備える、請求項14のシステム。
【請求項18】
前記第3のコンパレータがさらに、相補的なチャージポンプ回路制御信号を出力として提供する、請求項17のシステム。
【請求項19】
前記チャージポンプ回路制御信号が、復元された電流検出信号を出力として提供するように構成されたチャージポンプ回路への入力として提供される、請求項17のシステム。
【請求項20】
前記復元された電流検出信号が、前記チャージポンプ回路によって線形フィードバックラインを介して前記SMPSコントローラに提供される、請求項19のシステム。
【請求項21】
前記SMPSコントローラは、前記復元された電流検出信号の変化にしたがって、前記分離されたDC出力電圧を変化させるように構成される、請求項19のシステム。
【請求項22】
前記第3のコンパレータがさらに、周波数検出信号を生成するように構成される、請求項17のシステム。
【請求項23】
前記周波数検出信号が、周波数検出回路への入力として提供される、請求項22のシステム。
【請求項24】
前記復元された障害状態出力信号が、前記周波数検出回路によってデジタル障害信号線を介して前記SMPSコントローラに提供される、請求項23のシステム。
【請求項25】
前記SMPSコントローラが、前記障害状態出力信号の受信に応答して前記絶縁変圧器をシャットダウンするように構成される、請求項24のシステム。
【請求項26】
DC/DCコンバータフィードバック調整制御システムであって、
第1のDC入力電圧を受け取って、調整された第2のDC出力電圧を提供するように構成されたDC/DCコンバータと、
スイッチモード電源(SMPS)コントローラを備える絶縁変圧器であって、前記第2のDC電圧を入力として受け取って、分離されたDC出力電圧を提供するように構成された絶縁変圧器と、
前記分離されたDC出力電圧によって駆動される負荷回路と、
前記負荷回路中の電流検出ノードに動作可能に接続されて、検出された電流が第1の所定の閾値を下回るかまたは超えると電流障害信号を該電流検出ノードを介して出力として提供するように構成された電流障害発生回路と、
前記負荷回路に対して並列に配置されて、分圧回路の第1の抵抗器と第2の抵抗器の間に配置された電圧検出ノード及び電圧フィードバックノードを備える電圧検出回路(電圧監視回路)であって、電圧監視信号及びフィードバック信号をそれぞれ前記電圧検出ノード及び電圧フィードバックノードを介して出力として提供するように構成された電圧検出回路と、
前記電圧監視信号及び第1の基準電圧を入力として受け取るように構成された第1のコンパレータであって、前記電圧監視信号が所定の閾値を超えると電圧障害状態出力信号を生成するように構成された第1のコンパレータと、
前記第1のコンパレータ及び前記電流検出ノードの出力信号が入力される三角波発生回路であって、電圧がない状態もしくは電流障害状態に対応する出力信号を受信したときには第1の周波数を有する三角波出力信号を生成し、前記電圧障害状態出力信号を受信したときには第2の周波数を有する三角波出力信号を生成し、前記電流障害状態出力信号を受信したときには第3の周波数を有する三角波出力信号を生成するように構成された三角波発生回路と、
前記三角波出力信号及び前記電圧フィードバック信号を入力として受信するように構成された第2のコンパレータであって、前記三角波出力信号及び前記電圧フィードバック信号を含む変調された出力信号を生成するように構成された第2のコンパレータと、
前記変調された出力信号を入力として受信するように構成された光アイソレーター回路であって、前記第2のコンパレータの出力に動作可能に接続されて光出力信号を提供するLEDドライバと、前記LEDドライバによって提供される前記光出力信号に応答して電流を生成するように構成された光検出器とを備える光アイソレーター回路
を備えるシステム。
【請求項27】
前記電流障害発生回路は、ゲート駆動回路における過電流負荷状態を検出するように構成される、請求項26のシステム。
【請求項28】
前記光検出器からの電流を受け取って、出力において電圧信号を生成するように構成されたトランスインピーダンスアンプをさらに備える、請求項26のシステム。
【請求項29】
前記トランスインピーダンスアンプによって生成された出力電圧信号、及び第2の基準電圧が入力される第3のコンパレータであって、チャージポンプ回路制御信号を生成するように構成された第3のコンパレータをさらに備える、請求項26のシステム。
【請求項30】
前記第3のコンパレータがさらに、相補的なチャージポンプ回路制御信号を出力として提供する、請求項29のシステム。
【請求項31】
前記チャージポンプ回路制御信号を受信して、復元された電圧フィードバック信号を出力として提供するように構成されたチャージポンプ回路をさらに備える、請求項29のシステム。
【請求項32】
前記復元された電圧フィードバック信号が、前記チャージポンプ回路によって、線形フィードバックラインを介して前記SMPSコントローラに提供される、請求項31のシステム。
【請求項33】
前記第3のコンパレータがさらに、周波数検出信号を生成するように構成される、請求項32のシステム。
【請求項34】
前記周波数検出信号が周波数検出回路への入力として提供される、請求項32のシステム。
【請求項35】
前記復元された電圧障害状態出力信号が、前記周波数検出回路によって、第1のデジタル障害信号線を介して前記SMPSコントローラに提供される、請求項34のシステム。
【請求項36】
前記復元された電流障害状態出力信号が、前記周波数検出回路によって、第の2デジタル障害信号線を介して前記SMPSコントローラに提供される、請求項34のシステム。
【請求項37】
前記SMPSコントローラが、前記電流障害状態出力信号または前記電圧障害状態出力信号の受信に応答して前記絶縁変圧器をシャットダウンするように構成される、請求項33のシステム。
【請求項38】
前記SMPSコントローラが、前記復元された電圧フィードバック信号の変化にしたがって、前記分離されたDC出力電圧を変化させるように構成される、請求項33のシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−70365(P2012−70365A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181334(P2011−181334)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(506200186)アバゴ・テクノロジーズ・イーシービーユー・アイピー(シンガポール)プライベート・リミテッド (154)
【Fターム(参考)】