説明

アイソレータ

【課題】アイソレータにおける作業効率の向上を図る。
【解決手段】アイソレータ100は、生体由来材料を対象とする作業を行うための作業室10と、作業室10内に設けられ、作業における操作対象物に付随する情報が記憶された無線タグから情報を読み取るリーダ22と、リーダ22によって読み取られた情報を取得して作業を管理する作業管理部30と、を備える。作業管理部30は、リーダ22が読み取った操作対象物に付随する情報を取得し、これに基づいて、たとえばアイソレータ100に接続される機器の動作制御、作業室10で行われた作業の履歴作成、作業工程の最後判断などの作業の管理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイソレータに関する。
【背景技術】
【0002】
細胞培養や細胞処理などの生体由来材料を対象とする作業にはピペット、培養液、洗浄液、試薬、作業対象となる細胞など多くの器材が用いられ、また作業工程数も多く複雑であることが多い。そのため、作業者による細胞の取り違えや誤操作などのいわゆるヒューマンエラーが起こる可能性がある。
【0003】
たとえば、生体から採取した細胞を培養して、失われた生体の組織を再生する再生医療の研究が近年盛んであるが、再生医療では、細胞提供者の異なる複数の細胞を扱う場合があり、細胞提供者と培養した細胞との関連付けは厳格に管理する必要がある。また、医療に用いられる細胞などの生体組織には高品質であることの保証が求められる。ここで、高品質とは、コンタミネーションがなく、所望の機能を有しているレベルが高いことなどであって、それを保証するためのものとして厳密な作業履歴の作成、管理などが求められる。
【0004】
これに対し、たとえば、細胞培養、細胞処理などの作業を行う際に、細胞を収容する各収容容器に、該収容容器に収容される細胞に対する識別番号を記憶したICタグを取り付けて、細胞を管理する細胞管理システムが提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
また、細胞培養操作に用いられる器材に識別情報を設け、器材挿入口において各器材に設けた識別情報をリーダで読み取って、作業に必要な器材であるか否かを照合する細胞培養調整用の安全キャビネットが提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−332046号公報
【特許文献2】特開2007−74919号公報
【特許文献3】特開2002−347937号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1および2に開示された従来の構成によれば、細胞の取り違え防止、必要器材が用意されているかを管理できる。しかしながら、作業室内に挿入した器材のうち、各作業工程においてどの器材を使用すべきかについては管理することができない。前述の通り、細胞培養などの作業は使用する器材や工程数が多く複雑である。そのため、作業者は、作業工程毎に作業工程表を確認してから作業を進めていることが多い。
【0007】
ところで、無菌環境であることが要求される細胞培養などの生体由来材料を対象とする作業を行うための装置として、アイソレータがある。アイソレータは、無菌環境にある作業室をその内部に有し、作業室の前面に設けられた作業用グローブに作業者が手を挿入した状態で作業するものである。そのため、アイソレータで作業する場合には、作業工程表を確認するために作業者が作業用グローブから手を外さなければならない場合があり、これを各作業工程毎に繰り返していたのでは作業効率が低下してしまう。また、ヒューマンエラー防止の観点から作業履歴を作成することは重要であるが、アイソレータでの作業では、作業履歴を作成するために度々作業者が作業用グローブから手を外さなければならなず、作業効率が低下してしまう。
【0008】
また、アイソレータには、作業室内での作業に用いられる機器、たとえば遠心分離器、細胞培養用インキュベータなどが作業室に取り付けられているものがある。これらの機器の操作は、作業用グローブから手を外して行わなければならない場合があり、これにより作業効率が低下してしまう。また作業用グローブに手を挿入した状態で機器を操作する場合には、作業者がスムーズに操作を遂行できず、作業効率が低下してしまう。
【0009】
アイソレータでの作業において作業効率が低下した場合には、作業時間が長くなり、細胞にダメージを与えるおそれがあるばかりかヒューマンエラー発生の原因にもなりうる。
【0010】
本発明は発明者によるこうした認識に鑑みてなされたものであり、その目的は、アイソレータにおける作業効率の向上を図ることができる技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のある態様は、アイソレータである。このアイソレータは、生体由来材料を対象とする作業を行うための作業室と、作業室内に設けられ、作業における操作対象物に付随する情報が記憶された無線タグから情報を読み取るリーダと、リーダによって読み取られた情報を取得して作業を管理する作業管理部と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
この態様によれば、アイソレータにおける作業効率の向上を図ることができる。
【0013】
上記態様において、作業室の前面側に作業室内に向けて設けられ、作業室内での作業を行うための作業用グローブをさらに備え、リーダは、作業用グローブに設けられていてもよい。
【0014】
また、上記態様において、操作対象物は、作業室に取り付けられ、作業に用いられる機器を含み、無線タグは作業室内、機器あるいは作業用グローブの少なくとも1箇所に設けられ、情報は、機器の動作を指示するための識別情報を含み、作業管理部は、リーダによって読み取られた情報を取得し、取得した情報に基づいて機器の動作を制御する動作制御部を有してもよい。
【0015】
また、上記態様において、機器の動作を制御する制御スイッチをさらに備え、動作制御部は、リーダによって読み取られた情報と、情報によって特定される機器の動作を許可する制御スイッチから送信された信号とを取得したときに、機器の動作を制御してもよい。また、作業者に機器の動作メニューを表示するモニタをさらに備え、動作制御部は、機器の動作メニューをモニタに表示し、リーダによって読み取られた情報に基づいて動作メニューを選択可能とするとともに、選択された動作を実行してもよい。
【0016】
また、上記態様において、操作対象物は、作業室内で使用される器材を含み、無線タグは、器材毎に設けられ、情報は、器材の識別情報を含み、作業管理部は、リーダによって読み取られた情報を取得し、取得した情報に基づいて作業室で行われた作業の履歴を順次作成して保存する履歴作成部を有してもよい。
【0017】
また、上記態様において、作業室内を撮像する撮像手段をさらに備え、履歴作成部は、リーダによって読み取られた情報を取得したタイミングを基準とした所定のタイミングで撮像手段により撮像された画像を取得し、作成された履歴に関連付けて保存してもよい。また、作業者が作業用グローブを介して器材を把持した際に、リーダによって情報が読み取られてもよい。
【0018】
また、上記態様において、作業の作業工程情報を格納する情報格納部をさらに備え、作業管理部は、リーダによって読み取られた情報と、情報格納部に予め記憶された作業工程情報のうち次に行われるべき作業工程の情報とを比較して、作業者によって行われた作業の正誤を判断する工程監視部を有してもよい。また、作業者に作業工程情報を表示するモニタをさらに備え、工程監視部は、情報格納部に格納されている作業工程情報をモニタに表示してもよい。
【0019】
なお、上述した各要素を適宜組み合わせたものも、本件特許出願によって特許による保護を求める発明の範囲に含まれうる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、アイソレータにおける作業効率の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0022】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るアイソレータ100の構成を示す概略図である。
図1に示すように、実施形態1に係るアイソレータ100は、細胞の単離、分化誘導などの細胞処理あるいは細胞培養など、生体由来材料を対象とする作業を行うための作業室10を有する。作業室10の前面側には、前面扉12が開閉可能に設けられ、また前面扉12の所定の位置には、作業室10内で作業するための作業用グローブ20が作業室10内に向けて設けられている。作業者は前面扉12に設けられた開口部14から作業用グローブ20に手を挿入して、作業用グローブ20を通じて作業室10内で作業することができる。作業室10内は無菌環境にあり、作業中は前面扉12を閉じた状態で、作業者は作業用グローブ20に手を挿入して作業用グローブ20を介して作業する。そのため、作業中においても作業室10内の無菌環境は保たれている。ここで、無菌環境とは、作業室での作業に必要な物質以外の混入を回避するために限りなく無塵無菌に近い環境をいう。なお、作業用グローブ20の数は特に限定されず、たとえば3つ以上であってもよい。
【0023】
作業室10内には、作業における操作対象物に付随する情報が記憶された無線タグから情報を読み取るリーダ22が設けられている。本実施形態では、作業室10内のうち、作業用グローブ20にリーダ22が設けられている。リーダ22は、作業用グローブ20の先端領域、たとえば手の平、手の甲、指先などに設けることが好ましい。リーダ22はたとえばRFIDリーダであり、無線タグはRFIDタグである。また、アイソレータ100は、リーダ22によって読み取られた情報を取得して作業を管理する作業管理部30を備えている。作業管理部30は、制御プログラムや各種データを記憶する図示しないROM(Read Only Memory)を有する。また作業管理部30は、ROMに記憶されている制御プログラムにしたがって、アイソレータ100の動作や、後述する機器の動作を制御する図示しないCPU(Central Processing Unit)を有する。さらに作業管理部30は、CPUによる制御処理時に各種データを一時的に記憶するワークエリアを提供する図示しないRAM(Random Access Memory)を有する。作業管理部30は、ROM内に格納されている制御プログラムをRAMに読み出し、CPUが制御プログラムに基づいて処理することで、各種制御を行っている。ROM内には、後述のモニタ40に表示する画像情報およびカーソル画像42の位置情報などが記憶されている。また、作業管理部30とリーダ22とは、有線あるいは無線で接続されている。
【0024】
作業室10には、作業室10内での作業に用いられる機器として、細胞を回収する際などに用いられる遠心分離器200が取り付けられている。また、作業室10には、培養物の培養に適したガス、温度及び湿度環境下で細胞を培養するためのインキュベータ300が取り付けられている。遠心分離器200およびインキュベータ300は、それぞれ作業室10内に向けて設けられた蓋202、302を有する。遠心分離器200およびインキュベータ300は、それぞれ蓋202、蓋302を開口することで、その室内と作業室10内とが連通する構成となっている。そのため、作業室10内と同等の無菌状態のまま、作業対象の細胞を遠心分離器200やインキュベータ300内に搬入することが可能である。また、遠心分離器200およびインキュベータ300は、アイソレータ100に接続されると、作業管理部30と電気的に接続され、作業管理部30によって制御することができる。たとえば、作業管理部30は、遠心分離器200の扉202の開閉、遠心分離スタート、ストップ、回転数などの条件の変更や、インキュベータ300の扉302の開閉、温度などの条件の変更などができる。なお、それ以外の機器が作業室10に取り付けられていてもよい。また、アイソレータ100にはモニタ40が設けられている。モニタ40は、たとえばCRTディスプレイ、液晶モニタなどである。さらに、アイソレータ100は、遠心分離器200やインキュベータ300などの機器の動作を制御するための制御スイッチとしてのフットスイッチ50を備えている。
【0025】
以下にアイソレータ100における作業管理部30による作業管理の一例を説明する。本実施形態では、作業管理として作業における機器の動作制御を行っている。
図2は、実施形態1に係るアイソレータ100の制御ブロック図である。図3(A)、(B)は、作業用グローブ20の概略図であり、図3(A)は作業用グローブ20の手の甲側を、図3(B)は作業用グローブ20の手の平側を示している。図4は、モニタ40に表示される画像の一例を示す図であり、図5は、カーソル画像移動変換テーブルの一例を示す概略図である。図6は、機器の動作指示方法の一例を説明するための模式図である。
【0026】
図2および図3(A)、(B)に示すように、作業用グローブ20は、左手用グローブ20Lと右手用グローブ20Rからなる。左手用グローブ20Lには、手の甲側にリーダ22aおよび無線タグ24aが、手の平側にリーダ22cおよび無線タグ24cがそれぞれ取り付けられている。また、右手用グローブ20Rには、手の甲側にリーダ22bおよび無線タグ24bが、手の平側にリーダ22dおよび無線タグ24dがそれぞれ取り付けられている。無線タグ24a〜24d(以下適宜、無線タグ24という)には、それぞれ機器の動作を指示するための異なる識別情報が記憶されている。この場合、機器が前述の操作対象物に該当し、機器の動作を指示するための識別情報が操作対象物に付随する情報に該当する。
【0027】
図2に示すように、作業管理部30は、リーダ22によって読み取られた情報を取得し、取得した情報に基づいて後述のように機器の動作を制御する動作制御部32を有する。また、作業管理部30は、後述するカーソル画像移動変換テーブルが格納された情報格納部としてのデータベース38を有する。動作制御部32は、作業中は映像信号を出力して図4に示す画像をモニタ40に表示させている。この画像には、動作制御部32が実行する機器の動作メニューが含まれている。モニタ40に表示される、動作制御部32が実行する機器の動作メニューとしては、たとえば遠心分離器200の遠心スタート、ストップ、回転数や運転時間などの各種条件の調整、あるいはインキュベータ300の扉開閉、温度や湿度、CO濃度などの各種条件の調整がある。作業室10にその他の機器(機器A、機器B)が接続された場合には、動作制御部がそれらの機器から信号を受信することで接続を認識し、それらの機器に関する動作メニューをモニタ40に表示させる。また、モニタ40には、各動作メニュー間を移動可能なカーソル画像42が表示されている。なお、図4に示す画像は階層構造を有し、図中左側ほど上階層、右側ほど下階層となっている。動作制御部32は、リーダ22から送信された識別情報を取得し、図5に示すカーソル画像移動変換テーブル90を参照してカーソル画像42を移動させることで動作メニューを選択可能とするとともに、カーソル画像42の位置する動作メニューを実行する。動作制御部32は、カーソル画像42を移動させた場合は、カーソル画像42の移動させた先の位置を記憶しておく。
【0028】
図5に示すように、カーソル画像移動変換テーブル90は、無線タグ24に記憶された識別情報とリーダ22の所有する識別情報との組み合わせと、カーソル画像42の移動に関する情報とを関連付けた変換テーブルである。ここで、リーダ22が無線タグ24に記憶されている識別情報を動作制御部に送信する際には、リーダ22は、無線タグ24の識別情報にリーダ22の識別情報を加えて作成した識別情報を動作制御部に送信する。これにより、動作制御部は、どのリーダ22でどの無線タグ24を読み取ったのかを識別することが可能となっている。あるいは、動作制御部においてリーダ22a〜22dのそれぞれについて信号を入力する端子を異ならせるか、またはリーダ22a〜22dから出力される信号の周波数を異ならせることで、どのリーダ22からの信号であるか識別してもよい。本実施形態では識別情報とカーソル画像42の移動に関する情報との関連付けは以下のようになっている。すなわち、無線タグ24aとリーダ22bとの組み合わせでカーソル画像42の表示位置にある動作メニューが選択される。動作メニューが選択された場合、選択された動作メニューにさらに下階層の動作メニューが存在する場合にはカーソル画像42が下階層に移動し、下階層の動作メニューが存在しない場合にはカーソル画像42の位置にある動作メニューに沿った動作が実行される。また、無線タグ24aとリーダ22dとの組み合わせでカーソル画像42の位置にある動作メニューがキャンセルされる。動作メニューがキャンセルされた場合には、カーソル画像42が上階層に移動する。また、リーダ22cと無線タグ24bとではカーソル画像42が同階層の1つ上に表示された動作メニューの位置にカーソル画像42が移動する。そして、リーダ22cと無線タグ24dとではカーソル画像42が同階層の1つ下に表示された動作メニューの位置にカーソル画像42が移動する。
【0029】
作業者は、図6に示すように、リーダ22a〜22dと無線タグ24a〜24dとの組み合わせによって、カーソル画像42の位置を移動させて機器の動作メニューを選択可能となっている。たとえば、図4に示すようにカーソル画像42が動作メニュー「設定」の位置にある状態で、左手用グローブ20Lの手の甲側に設けられた無線タグ24aを右手用グローブ20Rの手の平側に設けられたリーダ22dで読み取ったとする。この場合、動作メニューがキャンセルされ、「設定」の表示位置にあるカーソル画像42は上階層にあたる「遠心分離器」の表示位置まで移動する。そして、動作制御部32はカーソル画像42の位置を記憶する。また、たとえば右手用グローブ20Rの手の甲側に設けられた無線タグ24bを左手用グローブ20Lの手の平側のリーダ22cで読み取ったとする。この場合は、カーソル画像42が同階層の1つ上の動作メニューである、「遠心ストップ」の表示位置まで移動する。そして、動作制御部32はカーソル画像42の位置を記憶する。
【0030】
作業者は、カーソル画像42が所望の動作メニューの表示位置に移動したら、左手用グローブ20Lの手の甲側の無線タグ24aを右手用グローブ20Rの手の甲側のリーダ22bで読み取らせることで、当該動作メニューを選択することができる。カーソル画像42が動作メニュー「設定」の位置で選択した場合には、下階層の動作メニューである、「回転数」の表示位置に移動する。また、たとえば「遠心ストップ」が選択された場合には、動作制御部32は遠心分離器200による遠心分離動作を停止させるように制御する。このように、動作制御部32は、リーダ22から送信された情報を取得し、データベース38に格納されたカーソル画像移動変換テーブル90を参照して機器の動作を制御している。なお、カーソル画像42の移動に関する情報と、リーダ22および無線タグ24との組み合わせは、任意に設定することができる。
【0031】
図7は、動作制御部32による機器の動作制御フローチャートである。
【0032】
図7のフローチャートにおいて、まず、動作制御部32は、リーダ22からの情報の送信があったか判断する(ステップS701:以下S701と略記する。他のステップも同様)。リーダ22からの情報の送信がない場合は(S701_No)、リーダ22からの情報送信の有無判断を繰り返す。リーダ22からの情報の送信があった場合(S701のYes)、データベース38に格納されたカーソル画像移動変換テーブル90を参照して、作業者によって指定された制御動作を確認する(S702)。そして、作業者の指示が動作メニューの選択であるか判断する(S703)。動作メニューの選択であった場合(S703のYes)、カーソル画像42が現在位置する動作メニューに下階層があるか判断する(S704)。選択された動作メニューに下階層がない場合(S704のNo)、選択された動作メニューの実行が可能であるか判断する(S705)。ここでは、たとえば動作メニューの対象となる機器がアイソレータ100に接続されているか、あるいは、たとえば選択された動作メニューが「遠心スタート」であって場合に、遠心分離器200の扉202が閉じた状態であるかなどを判断する。選択された動作メニューの実行が可能な場合(S705のYes)、動作メニューに対応する動作を実行する(S706)。一方、選択された動作メニューの実行が不可能な場合(S705のNo)、動作制御部32は、モニタ40に警告メッセージを表示するなどして、作業者に警告する(S707)。作業者の指示が動作メニューの選択ではなかった場合(S703のNo)、あるいは選択された動作メニューに下階層があった場合は(S704のYes)、カーソル画像移動変換テーブル90を参照したカーソル画像42の移動制御を実行する(S708)。
以上のようにして、動作制御部32は、機器の動作制御を行う。
【0033】
また、図4には、星印(★)が表示されている。この星印の付された制御内容を選択して実行する場合には、リーダ22からの信号に加え、フットスイッチ50から送信されたこの動作を許可する信号とを取得することが必要となっている。このように、たとえば遠心分離器200の遠心動作の開始など、安全を確認する必要性の高い動作については、リーダ22と無線タグ24の組み合わせによる動作指示と、フットスイッチ50による動作指示との二つの指示を必要とさせている。これにより、アイソレータ100の安全性を高めることができる。
【0034】
図8および図9は、機器の動作指示方法の他の例を説明するための模式図であり、図10は、カーソル画像移動変換テーブルの他の例を示す概略図である。図11は、機器動作変換テーブルの一例を示す概略図である。
【0035】
図8に示すように、無線タグ24は作業室10内に設けてもよい。あるいは無線タグ24は機器、たとえば機器の作業室10内と接する蓋や内容室内に設けられてもよい。さらには、図9に示すように、無線タグ24を、たとえば左手用グローブ20Lの腕部などに配列するようにしてもよい。また、無線タグ24に記憶された識別情報を読み取ったリーダ22a〜22dを識別しなくてもよい。この場合には、図10に示すように、無線タグ24a〜24dのそれぞれに記憶された識別情報に、それぞれ異なるカーソル画像の移動に関する情報を関連付けたカーソル画像移動変換テーブル91がデータベースに格納される。カーソル画像移動変換テーブル91では、無線タグ24aには動作メニューの選択が、無線タグ24bには動作メニューのキャンセルが、無線タグ24cには同階層の1つ上への移動が、無線タグ24dには同階層の1つ下への移動が、それぞれ関連付けられている。
【0036】
さらに、無線タグ24に記憶した識別情報と機器の動作に関する情報とを関連付けた、図11に示すような機器動作変換テーブル92をデータベースに格納してもよい。機器動作変換テーブル92では、無線タグ24aには遠心分離器200の扉202の開/閉が、無線タグ24bには遠心分離器200の遠心スタートがそれぞれ関連付けられている。また、無線タグ24cには遠心分離器200の遠心ストップが、無線タグ24dにはインキュベータ300の扉302の開/閉が、それぞれ関連付けられている。この場合には、モニタ40に表示した動作メニュー画像上でカーソル画像42を移動させて動作メニューを選択することなく、機器の動作制御が可能となる。また、無線タグ24に、識別情報と機器の動作に関する情報とを関連付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、動作制御部32は、データベースに格納された変換テーブルを参照することなく、機器の動作制御が可能となる。なお、識別情報と機器の動作に関する情報とを関連付ける場合には、無線タグ24に、それぞれの識別情報と関連付けた機器の動作に関する情報について何らかの表示をしておくことで、作業者が視覚的に確認することができる。
【0037】
以上説明した構成による動作を総括すると、実施形態1のアイソレータ100では、作業室10内に設けたリーダ22によって、機器の動作を指示するための識別情報が記憶された無線タグ24から当該情報を読み取っている。そして、動作制御部がリーダ22によって読み取られた情報を取得して、機器の動作を制御している。したがって、遠心分離器200やインキュベータ300などの機器を操作する際に、作業用グローブ20から手を外す必要がなく、作業用グローブ20に手を挿入した状態で作業者がスムーズに機器の操作を遂行でき、作業者の負担を軽減することができる。そのためアイソレータ100での作業における作業効率が向上するとともに、ヒューマンエラーの発生を抑えることができる。
【0038】
また、動作制御部32がモニタ40に機器の動作メニューを表示しており、作業者はモニタ40に表示された画像を確認しながら機器の動作を指示することができるため、アイソレータ100の作業性が向上する。さらに、たとえば安全確認の必要性が高い動作や、作業上重要な処理に関わる動作など、特定の動作の指示についてはフットスイッチ50からの制御信号も必要とするようにしたことで、アイソレータ100の安全性および作業信頼性が高まる。
【0039】
(実施形態2)
実施形態2では、作業室10内で使用される器材に設けられた無線タグ24に記憶された情報を取得して、作業室10で行われた作業の履歴を作成する点、あるいは作業者によって行われた作業の正誤を判断する点が実施形態1と異なる。それ以外の実施形態1と同様の構成、および動作については、同一の図面を用いるとともに説明は適宜省略する。
【0040】
図12は、実施形態2に係るアイソレータ100の構成を示す概略図である。図13は、実施形態2に係るアイソレータ100の制御ブロック図である。
図12および図13に示すように、実施形態2に係るアイソレータ100において、作業管理部30は、リーダ22によって読み取られた情報を取得し、取得した情報に基づいて作業室10で行われた作業の履歴を順次作成して保存する履歴作成部34を有する。また、作業管理部30は、リーダ22によって読み取られた情報と、データベース38に予め記憶された作業工程情報のうち次に行われるべき作業工程の情報とを比較して、作業者によって行われた作業の正誤を判断する工程監視部36を有する。また、アイソレータ100には、作業室10内を撮像する撮像手段としてのカメラ60が設けられている。カメラ60による作業室10内の撮像は、履歴作成部34によって制御されている。リーダ22については、左手用グローブ20Lの手の平側にリーダ22cが、右手用グローブ20Rの手の平側に22dがそれぞれ設けられている。
【0041】
図14(A)、(B)は、無線タグ24を取り付ける対象と、無線タグ24に記憶された情報がリーダ22に読み取られる状態を示す図である。図15は、操作対象情報変換テーブルの一例を示す概略図であり、図16は作業履歴の一例を示す図である。
図14(A)に示すように、無線タグ24は作業室10内で使用される器材70毎に取り付けられる。器材70としては、たとえば細胞培養用フラスコ70a、培養液ボトル70b、試薬チューブ70c、ピペッター70dなどが挙げられる。無線タグ24には、取り付けられた器材70の識別情報が記憶されている。履歴作成部34は、リーダ22によって読み取られた無線タグ24に記憶された情報を取得して、取得した情報に基づいて作業室10で行われた作業の履歴を順次作成し保存している。この場合、器材70が操作対象物に該当し、器材の識別情報が操作対象物に付随する情報に該当する。また、無線タグ24は、器材70の把持部などに取り付けられており、そのため図14(B)に示すように、作業者が作業用グローブ20を介して器材70を把持した際に、作業用グローブ20に設けられたリーダ22によって無線タグ24に記憶された情報が読み取られる。
【0042】
無線タグ24には、取り付けられた器材70毎に固有の識別情報が記憶されており、またデータベース38には、図15に示すように、無線タグ24に記憶された識別情報と器材70に関する情報とを関連付けた操作対象情報変換テーブル93が格納されている。履歴作成部34は、リーダ22によって読み取った無線タグ24の識別情報を取得し、操作対象情報変換テーブル93を参照して取得した識別情報を器材70に関する情報に変換して、作業履歴を作成している。器材70に関する情報としては、読取対象情報、たとえば細胞培養用フラスコ70a、培養液ボトル70b、試薬チューブ70c、ピペッター70dであるという情報が含まれる。また、器材70に関する情報としては、器材70の内容物に関する詳細情報、たとえば細胞培養用フラスコ70a内の細胞の種類、培養液ボトル70b内の培養液の成分、試薬チューブ70c内の試薬の種類などの情報が含まれる。なお、無線タグ24に、器材70の識別情報と器材70に関する情報とを関連付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、履歴作成部34は、データベースに格納された変換テーブルを参照することなく、作業履歴を作成することができる。
【0043】
また、作業室10内には、遠心分離器200やインキュベータ300などの機器毎に固有の識別情報を記憶した図示しない無線タグが取り付けられており、操作対象情報変換テーブル93では、識別情報と機器に関する情報とが関連付けられている。無線タグ24は、たとえば機器の蓋などに取り付けられていてもよい。作業室10内での作業が機器の操作を伴うものであった場合には、リーダ22が無線タグ24に記憶された識別情報を読み取って履歴作成部34に送信し、履歴作成部34は操作対象情報変換テーブル93を参照して取得した識別情報を機器に関する情報に変換して、作業履歴を作成する。なお、実施形態1のように動作制御部32がリーダ22の読み取った情報を取得して機器の動作を制御する構成の場合には、操作対象情報変換テーブル93に機器の動作を指示するための識別情報と機器に関する情報とを関連付けておく。これにより、機器の動作制御と併せて作業履歴を作成することが可能となる。機器に関する情報としては、機器の種類に関する情報、たとえば遠心分離器200、インキュベータ300であるという情報、および機器の設定状態に関する情報、たとえば遠心分離器200の遠心速度、インキュベータ300のCO濃度などの情報が含まれる。
【0044】
また、履歴作成部34は、リーダ22が読み取った情報を取得したタイミングを基準とした所定のタイミング、たとえばリーダ22からの信号を受信したタイミングでカメラ60により作業室10内を撮像する。そして、履歴作成部34は、カメラ60により撮像された画像を取得して、作成した履歴に関連付けて保存しておく。カメラ60による撮像は、所定間隔で連続して行ってもよい。またカメラ60によって撮像された画像は静止画像でも動画像でもよい。カメラ60によって所定間隔で連続して撮像する場合、履歴作成部34は、リーダ22からの信号を受信したタイミングを基準として所定時間範囲内の画像を履歴に関連付けて保存することができる。
【0045】
図16に示すように、作業履歴には、たとえば作業を行った日付、時間、作業内容、リーダ22で情報を読み取った操作対象物、該操作対象物に関する詳細情報、履歴作成部34がリーダ22からの信号を受信したタイミングにおける画像などが含まれている。なお、これ以外に、作業者に自身の識別情報を登録させるなどの制御を行うことで、作業者の識別情報などを作業履歴に組み込むことも可能である。
【0046】
続いて、作業者によって行われた作業の正誤を判断する作業工程管理制御について説明する。図17は、工程監視部36による作業工程管理制御フローチャートである。
データベース38には、作業室10で行う作業の作業工程情報を予め記憶させておくことができる。作業工程情報は、たとえば各工程で使用する器材70あるいは機器の識別情報と器材70あるいは機器に関する情報とが関連付けられ、工程順に列挙された変換テーブルの形式となっている。作業者は、作業を開始する前に、これから行う作業の作業工程情報をデータベースに予め記憶しておく。工程監視部36は、リーダ22によって読み取られた情報とデータベース38に予め格納された作業工程情報のうち次に行われるべき作業工程の情報とを比較して、作業者によって行われた作業の正誤を判断する。
【0047】
図17のフローチャートにおいて、工程監視部36は、作業者からの作業指定を受けると(S1701)、データベース38から指定された作業についての作業工程情報を読み込む(S1702)。続いて、指定された作業の最初の工程に係る作業工程情報を特定する(S1703)。そして、リーダ22からの情報の送信があったか判断する(ステップS1704)。リーダ22からの情報の送信がない場合は(S1704のNo)、リーダ22からの情報送信の有無判断を繰り返す。リーダ22からの情報の送信があった場合(S1704のYes)、リーダ22から送信された情報と、特定された作業工程に係る作業工程情報とが一致するか判断する(S1705)。情報が一致する場合は(S1705のYes)、特定された作業工程が最後の工程であるか判断する(S1706)。特定された作業工程が最後の工程でない場合は(S1706のNo)、次の工程に係る作業工程情報を特定し(S1707)、リーダ22からの情報送信の有無を判断する(S1704)。特定された作業工程が最後の工程の場合は(S1706のYes)、工程監視部36は作業工程管理制御を終了する。リーダ22から送信された情報と、特定された作業工程に係る作業工程情報とが一致しない場合は(S1705のNo)、報知器80によって警報音を発して、作業者に作業が誤っていることを報知する(S1708)。作業者への警告は、たとえばモニタ40に警告メッセージを表示するなどして行ってもよい。
【0048】
また、工程監視部36は、作業工程管理制御を行っている際に、モニタ40に、データベース38に格納されている作業工程情報を表示するようにしてもよい。これによれば、作業者は作業用グローブ20に手を挿入したままの状態で作業工程を確認することができる。
【0049】
以上説明した構成による動作を総括すると、実施形態2に係るアイソレータ100では、作業室10内に設けたリーダ22によって、器材70に取り付けた無線タグ24に記憶された、器材70の識別情報を読み取っている。そして、履歴作成部34がリーダ22によって読み取られた情報を取得し、これに基づいて作業履歴を作成している。したがって、作業者が作業用グローブ20に手を挿入した状態で作業履歴を作成することができる。そのため、アイソレータ100での作業における作業効率が向上する。
【0050】
また、リーダ22は作業室10内の作業用グローブ20に設けられており、作業者が作業用グローブ20を介して器材70を把持した際に、リーダ22によって無線タグ24に記憶させた情報が読み取られる。そのため、無線タグ24を読み取るための余計な動作が必要なく、無線タグ24の読み取り忘れが生じることもない。また、履歴作成部34が無線タグ24に記憶した情報を取得して作業履歴を作成しているため、正確な作業履歴を作成することができる。さらに、作業履歴には履歴作成部34が取得した情報と対応させて画像が組み込まれているため、より正確で信頼性の高い作業履歴を作成することができ、ヒューマンエラーの発生を抑えることができる。また、アイソレータ100での作業で処理された細胞を用いて実験、研究、治療の信頼性も向上する。
【0051】
さらに、リーダ22によって読み取られた情報と予め記憶された作業工程情報とが比較されて、作業者によって行われた作業の正誤が判断される。また、モニタ40に作業工程情報が表示されている。そのため、作業工程を確認するために作業者が作業用グローブ20から手を外す必要がなく、アイソレータ100での作業における作業効率が向上する。また、作業工程に誤りがあった場合には、作業者にその旨がリアルタイムに報知されるため、ヒューマンエラーの発生を抑えることができ、アイソレータ100での作業の信頼性も向上する。
【0052】
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうるものである。
【0053】
たとえば、実施形態1では無線タグ24を用いて機器の動作を制御し、実施形態2では無線タグ24を用いて作業履歴を作成し、作業工程の正誤を判断しているが、これらを並行して実施するようにしてもよい。
【0054】
図18は、機器の動作制御、作業履歴の作成、および作業工程の正誤判断を併せて実施する場合におけるモニタ40に表示される画像の一例を示す図である。
図18に示すように、モニタ40に、機器操作モードとして動作制御部32が実行する機器の動作メニューが表示されるとともに、作業工程選択モードとして予め記憶された作業工程情報が表示される。そして、実施形態1と同様にカーソル画像42が操作されて、機器の動作の選択、作業工程情報を表示したい作業工程の選択が可能となる。また、機器の動作制御、あるいは作業工程の正誤判断のために取得した無線タグの識別情報を用いて、履歴作成部34は、作業履歴の作成を行うことができる。なお、工程監視部36が、作業者の作業が誤っていると判断した際に動作制御部32に制御信号を送信し、動作制御部32が工程監視部36からこの信号を受信したら機器の動作を禁止するように制御してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】実施形態1に係るアイソレータの構成を示す概略図である。
【図2】アイソレータの制御ブロック図である。
【図3】図3(A)、(B)は、作業用グローブの概略図である。
【図4】モニタに表示される画像の一例を示す図である。
【図5】カーソル画像移動変換テーブルの一例を示す概略図である。
【図6】機器の動作指示方法の一例を説明するための模式図である。
【図7】動作制御部による機器の動作制御フローチャートである。
【図8】機器の動作指示方法の他の例を説明するための模式図である。
【図9】機器の動作指示方法の他の例を説明するための模式図である。
【図10】カーソル画像移動変換テーブルの他の例を示す概略図である。
【図11】機器動作変換テーブルの一例を示す概略図である。
【図12】実施形態2に係るアイソレータの構成を示す概略図である。
【図13】アイソレータの制御ブロック図である。
【図14】図14(A)、(B)は、無線タグを取り付ける対象と、無線タグに記憶された情報がリーダに読み取られる状態を示す図である。
【図15】操作対象情報変換テーブルの一例を示す概略図である。
【図16】作業履歴の一例を示す図である。
【図17】工程監視部による作業工程管理制御フローチャートである。
【図18】機器の動作制御、作業履歴の作成、および作業工程の正誤判断を併せて実施する場合におけるモニタに表示される画像の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
10 作業室、 12 前面扉、 20 作業用グローブ、 20L 左手用グローブ、 20R 右手用グローブ、 22、22a、22b、22c、22d リーダ、 24、24a、24b、24c、24d 無線タグ、 30 作業管理部、 32 動作制御部、 34 履歴作成部、 36 工程監視部、 38 データベース、 40 モニタ、 42 カーソル画像、 50 フットスイッチ、 60 カメラ、 100 アイソレータ、 200 遠心分離器、 300 インキュベータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体由来材料を対象とする作業を行うための作業室と、
前記作業室内に設けられ、前記作業における操作対象物に付随する情報が記憶された無線タグから前記情報を読み取るリーダと、
前記リーダによって読み取られた情報を取得して前記作業を管理する作業管理部と、
を備えたことを特徴とするアイソレータ。
【請求項2】
前記作業室の前面側に前記作業室内に向けて設けられ、前記作業室内での作業を行うための作業用グローブをさらに備え、
前記リーダは、前記作業用グローブに設けられていることを特徴とする請求項1に記載のアイソレータ。
【請求項3】
前記操作対象物は、前記作業室に取り付けられ、前記作業に用いられる機器を含み、
前記無線タグは前記作業室内、前記機器あるいは前記作業用グローブの少なくとも1箇所に設けられ、
前記情報は、前記機器の動作を指示するための識別情報を含み、
前記作業管理部は、前記リーダによって読み取られた情報を取得し、取得した情報に基づいて前記機器の動作を制御する動作制御部を有することを特徴とする請求項2に記載のアイソレータ。
【請求項4】
前記機器の動作を制御する制御スイッチをさらに備え、
前記動作制御部は、前記リーダによって読み取られた情報と、前記情報によって特定される前記機器の動作を許可する前記制御スイッチから送信された信号とを取得したときに、前記機器の動作を制御することを特徴とする請求項3に記載のアイソレータ。
【請求項5】
作業者に前記機器の動作メニューを表示するモニタをさらに備え、
前記動作制御部は、前記機器の動作メニューを前記モニタに表示し、前記リーダによって読み取られた情報に基づいて前記動作メニューを選択可能とするとともに、選択された動作を実行することを特徴とする請求項3または4に記載のアイソレータ。
【請求項6】
前記操作対象物は、前記作業室内で使用される器材を含み、
前記無線タグは、前記器材毎に設けられ、
前記情報は、前記器材の識別情報を含み、
前記作業管理部は、前記リーダによって読み取られた情報を取得し、取得した情報に基づいて前記作業室で行われた作業の履歴を順次作成して保存する履歴作成部を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のアイソレータ。
【請求項7】
前記作業室内を撮像する撮像手段をさらに備え、
前記履歴作成部は、前記リーダによって読み取られた情報を取得したタイミングを基準とした所定のタイミングで前記撮像手段により撮像された画像を取得し、作成された前記履歴に関連付けて保存することを特徴とする請求項6に記載のアイソレータ。
【請求項8】
作業者が前記作業用グローブを介して前記器材を把持した際に、前記リーダによって前記情報が読み取られることを特徴とする請求項6または7に記載のアイソレータ。
【請求項9】
前記作業の作業工程情報を格納する情報格納部をさらに備え、
前記作業管理部は、前記リーダによって読み取られた情報と、前記情報格納部に予め記憶された作業工程情報のうち次に行われるべき作業工程の情報とを比較して、作業者によって行われた作業の正誤を判断する工程監視部を有することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のアイソレータ。
【請求項10】
作業者に前記作業工程情報を表示するモニタをさらに備え、
前記工程監視部は、前記情報格納部に格納されている前記作業工程情報を前記モニタに表示することを特徴とする請求項9に記載のアイソレータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−225742(P2009−225742A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−76824(P2008−76824)
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】