説明

アイドルストップ制御装置

【課題】車両を駐車させる前に十分にバッテリに充電できるようにして、バッテリの品質が劣化することを抑制して長期の寿命を確保するとともに、操作性の低下や燃費の悪化を回避することのできるアイドルストップ制御装置を提供すること。
【解決手段】車両が走行するための駆動力を発生するエンジンを所定の停止条件成立時に自動停止させ、また、所定の再始動条件成立時に当該エンジンを再始動させるアイドルストップを実行するアイドルストップコントローラ10であって、車両の現在位置(走行距離)が予め設定されている到達残距離の範囲内である駐車目的地付近であるか否かを判定する目的地到達判定部12を備えて、該判定部が駐車目的地付近と判定したときにアイドルストップの実行を禁止してエンジンの一時的な自動停止を制限するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイドルストップ制御装置に関し、詳しくは、エンジンのアイドルストップを効果的に実行するものに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両では、エンジン(内燃機関)を停止しての駐車時にも駆動状態を維持する必要がある電気部品には搭載バッテリから電力供給するとともに、そのエンジンの始動時にもバッテリから電力供給してスタータ駆動させている。
【0003】
このような車両においては、駐車時にもバッテリの充電量が減少することから、スタータ駆動時にバッテリの充電残量が足りなくなることが想定されるので、駐車前に発電機をエンジンで駆動させてそのバッテリに最低限の充電をしておくことが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
ところで、この種の車両には、省エネルギの達成や環境汚染の低減の観点から、走行を停止している所定のタイミングにエンジンの稼働を停止するアイドルストップ機能を備えさせることが知られている(なお、アイドルストップは、アイドリングストップと称されている場合もある)。
【0005】
この種の車両においては、一般的には所定条件成立時にエンジンを再始動可能に一律に一時停止させるため、交通事情等によってはエンジンを一時停止させるのに適さない交差点などでもアイドルストップ機能が働いてしまうのは、アイドルストップ機能のデメリットとなる。このことから、エンジンを一時停止させるのには適さない交差点などをナビゲーションシステム内に都度登録設定して、その該当箇所ではアイドルストップを禁止することが提案されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−260384号公報
【特許文献2】特開2004−225584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この種のアイドルストップ機能を搭載する車両でも、アイドルストップ時の空調等はバッテリからの供給電力により継続して稼働しており、また、走行再開時にもそのバッテリからの供給電力でスタータ駆動させてエンジンを再始動させている。
【0008】
そして、このバッテリの劣化は、放電状態のまま放置することにより促進されることから、車両のイグニッションをオフする前にはできるだけエンジンの稼働によりバッテリに十分に充電して(特許文献1で解決課題にしている充電残量よりも大きく充電して)、できるだけ満杯にしておく必要がある。
【0009】
しかしながら、アイドルストップ時にはエンジンの稼働による充電も停止しており、バッテリの充電残量の減少速度も上昇する。また、このアイドルストップは、例えば、目的地に到着した後の行動を考える際に車両を一旦停止させたり、自宅などの車庫内にバックで駐車させる操作をする際や、行楽地などの駐車場に駐車させるために並んでいる際などにも機能してしまい、都度、エンジンを再始動させることになる。このため、運転操作が煩わしく感じる場合があるのと同時に、このような一時停止によるアイドルストップ時にもバッテリが減少することから、駐車してイグニッションオフする際にバッテリをほぼ満杯状態にしておくことが難しくなってしまう。
【0010】
また、このときには、エンジンを再始動させる度に、スタータ駆動と同時に多めの燃料噴射を行うことから消費される燃料も、そのアイドルストップが繰り返されると、再始動時の燃料アップ分が加算される。このため、本来燃費向上のためにアイドルストップ機能を備えているのにもの拘わらずに、却って、そのアイドルストップ機能による燃料削減効果が少なくなって、実際の燃費が悪化してしまう場合も想定される。
【0011】
このような不都合は、上記特許文献1に記載のものでも、所定条件が成立した場合にはアイドルストップを実施してエンジンを停止させてしまうことから解消することはできない。上記特許文献2に記載のものでも、ナビゲーションシステム内の経路情報の存在を前提にしてアイドルストップの禁止場所が登録されていることが条件であり、そのピンポイントの禁止場所でアイドルストップが禁止されるだけであることから、ずれた位置ではエンジンを一時停止させることを制限してバッテリに十分に充電することができずに、上記の不都合を解消することができない。
【0012】
そこで、本発明は、車両を駐車させる前に十分にバッテリに充電できるようにして、バッテリの品質が劣化することを抑制して長期の寿命を確保するとともに、操作性の低下や燃費の悪化を回避することのできるアイドルストップ制御装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するアイドルストップ制御装置に係る発明の第1の態様は、車両が走行するための駆動力を発生するエンジンを所定の停止条件成立時に自動停止させ、また、所定の再始動条件成立時に当該エンジンを再始動させるアイドルストップを実行するアイドルストップ制御装置であって、車両の現在位置が予め設定されている走行距離または走行時間だけ掛かる位置の駐車目的地から所定の距離または時間だけずれた範囲内である駐車目的地付近であるか否かを判定する位置判定部と、該位置判定部が前記駐車目的地付近と判定したときに前記アイドルストップの実行を禁止して前記エンジンの一時的な自動停止を制限するアイドルストップ制限部と、を備えることを特徴とするものである。
【0014】
上記課題を解決するアイドルストップ制御装置に係る発明の第2の態様は、上記第1の態様の特定事項に加え、前記位置判定部は、前記車両が繰り返し走行して駐車されるまでに掛かる走行距離または走行時間の位置を前記駐車目的地として自動設定するように構成されていることを特徴とするものである。
【0015】
上記課題を解決するアイドルストップ制御装置に係る発明の第3の態様は、上記第1または第2の態様の特定事項に加え、前記位置判定部は、前記車両の走行開始からの走行距離または走行時間を記憶する記憶部を備えて、該記憶部内に記憶する前記走行距離または前記走行時間に基づいて当該走行距離または当該走行時間だけ離隔する位置を前記駐車目的地として設定するように構成されていることを特徴とするものである。
【0016】
上記課題を解決するアイドルストップ制御装置に係る発明の第4の態様は、上記第1から第3のいずれか1つの態様の特定事項に加え、前記アイドルストップ制限部は、利用者のスケジュールに合わせて前記アイドルストップの実行禁止を解除するように構成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
このように、本発明の上記の第1の態様によれば、車両が駐車目的地から所定距離・時間だけずれた範囲内(駐車目的地付近)に位置すると判定された場合には、アイドルストップの実行が禁止される。したがって、イグニッションをオフさせて駐車するまでエンジンが一時停止させることが制限されて、駐車目的地に駐車する前にはエンジンの稼働を継続させてバッテリを十分に満杯になるまで充電することができる。この結果、バッテリの品質劣化を制限して長寿命化を図ることができる。また、駐車直前にエンジンの一時停止が繰り返されることを制限することができ、車両の操作性の低下や燃費の悪化を抑制することができる。
【0018】
本発明の上記の第2の態様によれば、車両を繰り返し走行させて駐車させるまでに掛かる走行距離または走行時間の位置を駐車目的地として、その付近(範囲内)でアイドルストップによりエンジンが一時停止されることを制限することができる。したがって、例えば、通勤などで車両を利用する場合のように駐車位置が決まっている場合には、自宅から勤務先などの駐車場までに掛かる走行距離や走行時間の位置を駐車目的地として設定することができ、駐車位置が自明の場所付近でエンジンを一時停止させてしまうことを回避することができる。
【0019】
本発明の上記の第3の態様によれば、記憶する走行開始からの距離や時間に基づいて、例えば、同様な走行距離や走行時間が繰り返される場合には、代表的なその距離や時間だけ掛かる位置を、あるいは、その走行距離や走行時間の平均などの演算結果だけ掛かる位置を駐車目的地として設定することができ、その走行距離や走行時間の範囲内でのアイドルストップによるエンジンの一時停止を制限することができる。したがって、例えば、通勤などで車両を利用する場合のように走行距離や走行時間が一定の場合に、その走行距離や走行時間の掛かる位置を駐車目的地に設定することができ、駐車が繰り返される場所でエンジンを一時停止させてしまうことを回避することができる。
【0020】
本発明の上記の第4の態様によれば、アイドルストップの実行禁止を利用者のスケジュールに合わせて解除することができる。したがって、例えば、通勤に使用する平日の場合には駐車目的地付近でのアイドルストップの実行を禁止して、休日の場合にはアイドルストップの実行を禁止することなく、たまたま走行距離などが一致する場所でもアイドルストップを有効に機能させることができる。
【0021】
また、上記の発明の各態様に加えて、前記位置判定部は、前記車両の利用者に前記駐車目的地の設定を操作指示されたときに、該車両を駐車させるまでに掛かる走行距離または走行時間の位置を当該駐車目的地として設定するように構成してもよい。この場合には、駐車目的地を1回の任意の操作で設定することができる。したがって、例えば、初回の通勤時から駐車場付近でのアイドルストップによるエンジンの一時停止を制限することができる。
【0022】
さらに、上記の発明の各態様に加えて、前記位置判定部は、ナビゲーションシステムにおける目的地付近を前記駐車目的地付近として処理してアイドルストップの実行を禁止するように構成してもよい。この場合には、例えば、行楽地などが目的地に設定されている場合に、車両がその行楽地自体に到着する前の行楽地付近に位置すると判定された場合に、アイドルストップの実行を禁止することができる。したがって、ナビゲーションシステムと連携して設定した目的地に到達する前にアイドルストップによるエンジンの一時停止を制限することができ、駐車時の車両の操作性の低下や燃費の悪化を抑制しつつバッテリを満杯にして長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係るアイドルストップ制御装置の第1実施形態を示す図であり、その全体構成を示すブロック図である。
【図2】その準備処理を説明するフローチャートである。
【図3】その制御処理を説明するフローチャートである。
【図4】本発明に係るアイドルストップ制御装置の第2実施形態を示す図であり、その全体構成を示すブロック図である。
【図5】その準備処理を説明するフローチャートである。
【図6】その図5と異なる準備処理を説明するフローチャートである。
【図7】本発明に係るアイドルストップ制御装置の第3実施形態を示す図であり、その全体構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1〜図3は本発明に係るアイドルストップ制御装置の第1実施形態を示す図である。
【0025】
図1において、アイドルストップコントローラ(アイドルストップ制御装置)10は、エンジン(内燃機関)から駆動力を受け取って走行する車両に、エンジンコントローラ21と共に搭載されており、これらコントローラ10、21は、記憶部11(コントローラ10側のみ図示)内に予め格納されている制御プログラムに従って後述する各種のセンサ信号やスイッチ(SW)信号に基づいてエンジンなどを統括制御することにより、所定条件成立時にそのエンジンを再始動可能に一時的に停止する、所謂、アイドルストップを実行するようになっている。
【0026】
ここで、本実施形態では、アイドルストップ制御装置の一例を説明することから、以下には、アイドルストップの実行時について説明する。このため、本実施形態では、アイドルストップコントローラ10を中心にして各種信号等の受け渡しを図示している。また、本実施形態では、特にアイドルストップコントローラ10とエンジンコントローラ21とを別にして説明するが、それぞれ車両の制御部の一部を構成するものとして、1つのコントローラとして構成してもよいことは言うまでもない。
【0027】
エンジンコントローラ21は、後述する操作指示等に基づいて必要な燃料噴射をインジェクタ22にさせてエンジンの稼働制御を実行するとともに、所定条件が揃ったアイドルストップ実行時にはアイドルストップコントローラ10からの指示に従ってその燃料噴射を停止させてエンジンを一時停止させる。このとき、エンジンコントローラ21は、エンジンの停止制御時には簡易かつ確実に再始動可能にピストン等の位置制御をする。
【0028】
ヒルホールドバルブ23は、アイドルストップにより停止したエンジンを再始動する際のエンジン再始動指示操作となる、ブレーキペダルからアクセルペダルへの踏替時におけるブレーキ油圧を保持するバルブであり、そのブレーキ油圧の低下により坂道に停車する車両が下がってしまうことを防止する。
【0029】
オイルポンプ24は、アイドルストップ実行時などに電力供給を受けて駆動することにより各種動作に必要な油圧を確保するポンプであり、エンジン停止におけるブレーキ油圧などを確保する。
【0030】
メータ25は、車両のインストルメントパネル内に埋め込まれて各種情報を報知する液晶パネルやブザー等で構成されており、アイドルストップの実行前後の状態を表示パネル中に表示出力して報知する状態ランプ25a、アイドルストップの実行制限の要因となる各部の異常等を表示パネル中に表示出力して報知する警告ランプ25b、および、アイドルストップの実行中における各部の異常等を音声出力して報知するブザー25cなどを備えている。
【0031】
スタータ26は、エンジンのピストンをバッテリ27内の蓄電力により駆動させるセルモータであり、インジェクタ22が燃料噴射する空間を形成するようにピストンを往復動作させてエンジンを始動させ、アイドルストップの実行により一時停止させているエンジンの再始動時にもバッテリ27からの電力供給により機能する。このバッテリ27は、エンジンの始動だけでなく、装置各部、例えば、メータ25や空調や後述する各種センサなどにも電力供給しており、アイドルストップの実行中にも稼働を維持する必要がある電装部品に電力供給する。
【0032】
具体的には、アイドルストップコントローラ10は、各種センサ・SWが取得する各種情報に応じた信号を受け取り可能に接続されており、これら信号の情報内容に応じてアイドルストップ実行・禁止条件やエンジンの再始動条件を満たすか否かを確認して、アイドルストップを実行するアイドルストップ実行部や、その実行を制限するアイドルストップ制限部として機能するようになっている。
【0033】
これら各種センサ・SWとしては、車両の走行速度をエンジンの駆動軸などの回転速度などから検出する車速センサ31と、アイドルストップの実行を回避するインヒビタSW32と、ブレーキペダルが踏まれているか否かを検知するブレーキSW33と、ブレーキペダルが踏まれることにより発生するマスタシリンダ内のブレーキ液圧を検出するブレーキ圧センサ34と、エンジンの冷却水の水温を検出するエンジン水温センサ35と、エンジンの収容空間のフード(ボンネットともいう)による開閉を検知するエンジンフードSW36と、運転席におけるシートベルトの装着の有無を検知するシートベルトSW37と、運転席側のドアの開閉を検知する運転席ドアSW38と、自動変速装置(Automatic Transmission)におけるシフトがP(パーキング)レンジ、R(リバース)レンジ、あるいは、D(ドライブ)レンジなどのいずれに位置するかを検知するシフト位置センサ39と、アクセルペダルを踏まれることにより調整される車速の加減速操作を検出するアクセル開度センサ41と、バッテリ27の液温を検出するバッテリ温度センサ42と、そのバッテリ27の供給する電流値を検出するバッテリ電流センサ43と、そのバッテリ27の蓄電電圧を検出するバッテリ電圧センサ44と、がアイドルストップコントローラ10に接続されている。
【0034】
このアイドルストップコントローラ10は、次の条件を満たす(成立する)ときに、アイドルストップ実行部として、エンジンを再始動可能に停止させるアイドルストップを実行する。反対に、このアイドルストップコントローラ10は、下記の各項目のいずれかを満たさない場合には、アイドルストップ制限部として、アイドルストップの実行を禁止する。なお、この各種条件は、一例に過ぎず、適宜、設定すればよいことは言うまでもない(他の各種条件も同様)。
【0035】
<アイドルストップ実行条件>
1.車速センサ31が検出する車速として、エンジン始動後に5km/h以上で走行した履歴が存在すること。
2.車速センサ31が検出する現在の車速が0km/hで停止していること。
3.シフト位置センサ39が検出するシフトレンジがDレンジであること。
4.ブレーキSW33がブレーキペダルを踏まれていることを検知していること。
5.ブレーキ圧センサ34が検出するマスタシリンダ内のブレーキ液圧がエンジン停止時にも十分に機能する規定値以上であること。
6.エンジンフードSW36がエンジンの収容空間をフードにより閉じられていることを検知していること。
7.シートベルトSW37がシートベルトを運転席のドライバが装着していることを検知していること。
8.運転席ドアSW38が運転席側のドアが閉じられていることを検知していること。
9.エンジン水温センサ35やバッテリ温度センサ42が検出する温度が規定値の範囲内であること。
10.アクセル開度センサ41がアクセルペダルを踏まれずに解放されている加減速操作を検出していること。
11.バッテリ電流センサ43やバッテリ電圧センサ44が検出するバッテリ27の充電状態が良好であること。
12.その他、アイドルストップの実行を回避するインヒビタSW32が選択されていないことや各種コントロールシステムが正常であることなど、アイドルストップの実行に必要な項目を適宜設定すればよい。
【0036】
また、アイドルストップコントローラ10は、次の条件のいずれか1つでも成立するときに、停止状態を維持するより始動させる方が適切であるためエンジンを再始動させる。
【0037】
<エンジン再始動条件>
1.車速センサ31が検出する現在の車速が2km/hとなっていること。
2.シフト位置センサ39が検出するシフトレンジがDレンジ以外にシフトされていること。
3.ブレーキSW33がブレーキペダルの解放(踏まれていない状態)を検知していること。
4.ブレーキ圧センサ34が検出するマスタシリンダ内のブレーキ液圧がエンジン停止時に十分に機能しえない規定値未満であること。
5.アクセル開度センサ41がアクセルペダルを踏み込まれる加減速操作を検出したこと。
6.タイマ13がカウントするアイドルストップ時間が規定時間を経過したこと。
7.バッテリ電圧センサ44が検出するバッテリ27の充電電圧が規定値以下になったこと。
8.その他、エンジンの再始動要求を他のコントローラから受け取るなど、エンジンの再始動が必要な項目を適宜設定すればよい。
【0038】
反対に、アイドルストップコントローラ10は、次の条件のいずれか1つでも成立するときには、エンジンの再始動を禁止して、エンジンの始動前のイグニッション状態に変移させる。
【0039】
<エンジン再始動禁止条件>
1.エンジンフードSW36がエンジンの収容空間をフードにより閉じられていないことを検知していること。
2.シートベルトSW37がシートベルトを運転席のドライバが装着していないことを検知していること。
3.運転席ドアSW38が運転席側のドアが開いていることを検知していること。
4.その他、アイドルストップシステムに何らかの異常が検出されて故障状態にあることなど、エンジンを再始動すると不都合があることを適宜設定すればよい。
【0040】
そして、アイドルストップコントローラ10は、エンジンを停止して駐車することが想定される目的地(位置)付近を走行するときに、上記のアイドルストップを実行する条件を満たす場合にも、そのアイドルストップの実行を禁止してエンジンの一時的な自動停止を制限する制限制御プログラムが上記の制御プログラム内に組み込まれている。このアイドルストップコントローラ10は、これら制御プログラムを格納する記憶部11や所定のタイミングからの経過時間をカウントするタイマ13に加えて、車両の現在位置が予め設定されている駐車目的地付近であるか否かを判定する目的地到達判定部(位置判定部)12、所定位置からの走行距離を計測する走行距離計測部14、および、その計測開始位置から走行終了までの走行距離を算出して設定する距離を算出する距離算出部15として機能することにより、アイドルストップ制限部として機能し、アイドルストップの実行を禁止(制限)するようになっている。
【0041】
目的地到達判定部12としては、走行距離計測部14による計測結果および距離算出部15による算出結果に基づいて、繰り返し駐車する場所(位置)を特定して駐車目的地として設定するようになっており、その駐車位置から予め設定されている所定距離だけ加減した所定の範囲内、言い換えると、その駐車位置に到達するまでに所定距離だけ残っている到達残距離やその所定距離を加えた到達後距離としての設定範囲内に位置する場合に、設定されている駐車目的地付近に車両が走行していると判定するようになっている。
【0042】
走行距離計測部14としては、車両が走行を開始してからの走行距離を計測して記憶部11内に予め設定されている回数分だけ記憶保持させるようになっており、距離算出部15としては、その記憶部11内に記憶保持されている走行距離履歴が予め設定されている誤差範囲内で所定回数、例えば、5回連続で繰り返された場合に、その走行距離の平均値を算出して駐車目的地として設定するようになっている。
【0043】
詳細には、アイドルストップコントローラ10は、イグニッションSWをオンする電源投入後には記憶部11内に格納されている制御処理プログラムに従って、図2および図3のフローチャートに示すように、アイドルストップ制限部として、アイドルストップの実行を制限する制御処理手順(方法)を実行するようになっている。
【0044】
まずは、図2に示すように、イグニッションSWの操作により電源投入後にエンジンが始動(EG-ON)されたことを確認すると(ステップS11)、走行距離計測部14による走行距離の計測を開始して(ステップS12)、イグニッションSWがオフされて(IG−OFF)エンジン停止と共に駐車される状況になったときに(ステップS13)、その走行距離計測部14による走行距離の計測を停止するとともに(ステップS14)、その計測結果を記憶部11内に走行距離履歴として記憶保持させる(ステップS15)。
【0045】
この後には、この制御処理手順を終了する前に、その記憶部11内に記憶保持されている走行距離履歴から、その記憶済みの走行距離が5回連続で設定誤差範囲内の同じ走行距離となっているか否かを確認して(ステップS16)、計測した走行距離が設定誤差範囲内でない場合や5回連続ではない場合にはそのままこの制御処理手順を終了する一方、その計測走行距離が設定誤差範囲内で5回連続であった場合には最頻制限距離として記憶部11内に記憶設定する。
【0046】
また、並行して、図3に示すように、同様に、イグニッションSWの操作により電源投入後にエンジンが始動(EG-ON)されたことが確認されると(ステップS21)、走行距離計測部14による走行距離の計測を開始するとともに(ステップS22)、記憶部11内に制限距離が設定されているか否かを確認して(ステップS23)、制限距離が未設定の場合にはそのままこの制御処理を終了する一方、制限距離が設定済みの場合には、続けて、その計測走行距離が記憶部11内に設定されている制限距離の±100mの範囲内になって駐車目的地付近に到達しているか否かを繰り返し確認する(ステップS24)。
【0047】
このステップS24において、計測走行距離が駐車目的地付近に該当しない(到達していない、超えてしまっている)ことを確認した場合には、アイドルストップの実行を許可(禁止解除)した後にステップS27にスキップする(ステップS25)。
【0048】
また、ステップS24において、計測走行距離が記憶部11内の設定制限距離の±100mの範囲内で駐車目的地付近に到達していることを確認した場合には、アイドルストップの実行を禁止(制限)した後にステップS27に進む(ステップS26)。
【0049】
次いで、そのステップS27では、イグニッションSWがオフ(IG−OFF)されたか否かを確認して、そのイグニッションSWオフが確認されない(駐車していない)場合には、ステップS24に戻って同様の処理を繰り返すことにより、この計測走行距離が制限距離の±100mの範囲内にある限り、アイドルストップの実行を禁止したまま車両を走行させて駐車操作を継続可能にする。また、その計測走行距離が制限距離の±100mの範囲外になったときには、駐車目的地付近で駐車操作をしないものと判断して、アイドルストップの実行禁止を解除してアイドルストップ機能を有効利用可能にする。
【0050】
また、このステップS27では、イグニッションSWオフを確認した場合には、エンジン停止と共に駐車される状況になったとして、この制御処理手順を終了する。
【0051】
これにより、アイドルストップコントローラ10は、自宅から車両を繰り返し走行させて駐車させる、例えば、勤務先の駐車場までの走行距離の平均値(ヒストグラムを参照しての代表値としてもよい)を駐車目的地として設定することができ、その駐車場付近(設定所定距離の範囲内)に到達したときには、アイドルストップの実行を禁止してエンジンの稼働状態を維持することができる。
【0052】
このように本実施形態においては、車両を繰り返し駐車させることが想定される駐車目的地を自動的に設定して、例えば、勤務先の駐車場に車両を後退させて慎重に駐車操作するために一時停止する度にエンジンが止まってしまうことを回避することができる。したがって、駐車前にはアイドルストップの実行を禁止してバッテリ27の充電を優先することができ、そのバッテリ27を満杯まで充電できていないために品質劣化させてしまうことを回避して長寿命化させることを実現することができる。また、駐車直前にエンジンの一時停止・再始動が繰り返されて、車両の操作性を低下させてしまうことを回避(抑制)することができるとともに、始動時の燃料噴射を繰り返して燃費を悪化させてしまうことを回避することができる。
【0053】
ここで、本実施形態の他の態様としては、上述実施形態では直前の走行距離が5回連続で繰り返されていた場合を制限距離として設定する場合を一例にして説明するが、これに限るものではなく、例えば、連続5回繰り返された複数種の走行距離をいずれも最頻制限距離として設定保持して、いずれかに該当する場合にアイドルストップの実行を制限するようにしてもよい。また、連続5回ではなく、一定期間内に5回繰り返される場合にも最頻制限距離として設定するようにしてもよい。また、この記憶部11内に設定した最頻制限距離は、例えば、車両の操作パネルを操作して呼び出して一時的に設定から外したり、削除できるようにしてもよい。
【0054】
また、上述実施形態では、走行距離で駐車目的地を設定する場合を一例にして説明するが、走行開始からの経過時間をタイマ13で計時カウントして、自宅からの通勤時間(走行時間)を駐車目的地として設定して、その駐車目的地付近(設定所定時間範囲内)に位置するか否かを判定するようにしてもよい。
【0055】
次に、図4〜図6は本発明に係るアイドルストップ制御装置の第2実施形態を示す図である。ここで、本実施形態は、上述実施形態と略同様に構成されていることから、同様の構成には同一の符号を付して特徴部分を説明する(以下で説明する他の実施形態においても同様)。
【0056】
図4において、アイドルストップコントローラ10は、上述実施形態と同様に、エンジンコントローラ21、インジェクタ22、ヒルホールドバルブ23、オイルポンプ24、メータ25、スタータ26、および、バッテリ27などと共に、エンジンの駆動力で走行する車両に搭載されており、記憶部11やタイマ13だけでなく、目的地到達判定部12、走行距離計測部14、および、距離算出部15としても機能することにより、記憶部11内の制御プログラムに従って各種センサ・SW31〜44からの信号に基づいて所定条件成立時にはそのエンジンを再始動可能に一時的に停止するアイドルストップを実行し、また、その実行を禁止(制限)する。
【0057】
このアイドルストップコントローラ10は、本実施形態では、車両の操作パネル内にオン・オフを選択可能に設定制限SW51が準備されて、その設定制限SW51で選択されたオン信号またはオフ信号を受け取って、設定制限距離の設定の制御処理を行うようになっている。
【0058】
詳細には、アイドルストップコントローラ10は、電源投入後には記憶部11内に格納されている制御処理プログラムに従って、図5のフローチャートに示すように、アイドルストップの実行を制限する制御処理手順(方法)を実行するようになっている。
【0059】
まずは、図5に示すように、イグニッションSWの操作により電源投入されると、設定制限SW51がオン・オフを繰り返されずにオンされたままか確認して(ステップS31)、オン状態ではなく、オフされたままであることを確認した場合には、後述する設定制限距離に従う制御処理の実行を解除して、この制御処理を終了する(ステップS32)。または、このステップS31で、オンされたままであることを確認した場合には、続けて、設定制限距離が記憶部11に記憶設定されているか否かを確認して(ステップS33)、設定制限距離が記憶部11に既に記憶されて設定されていることを確認した場合には、上述実施形態で説明した図3のステップS21に進んでアイドルストップを禁止する制御処理を実行する(ステップS34)。
【0060】
また、ステップS33において、設定制限距離が記憶部11に記憶されておらず、未だ設定されていないことを確認した場合には、エンジンが始動(EG-ON)されたことを確認すると(ステップS35)、走行距離計測部14による走行距離の計測を開始して(ステップS36)、駐車目的地まで走行した後に、イグニッションSWがオフされて(IG−OFF)エンジン停止と共に駐車される状況になったときに(ステップS37)、その走行距離計測部14による走行距離の計測を停止するとともに(ステップS38)、その計測結果を記憶部11内に設定制限距離として記憶設定する(ステップS39)。
【0061】
これにより、アイドルストップコントローラ10は、設定制限SW51をオンしておくだけで、1回の駐車目的地までの走行のみで記憶部11内に設定制限距離を記憶設定することができる。この後には、設定制限SW51がオフされてもリセットされることなく、次回の走行時には、ステップS33において、設定制限SW51をオンしておくだけで、記憶部11内の設定制限距離の記憶設定を確認して、上述実施形態で説明した図3のステップS21に進んでアイドルストップを禁止する制御処理を実行することができる。このため、例えば、今後、繰り返し車両を駐車させる、例えば、勤務先の駐車場まで自宅から1度走行するだけで、その駐車場を駐車目的地として設定することができ、その駐車場付近(設定所定距離範囲内)に到達したときには、アイドルストップの実行を禁止してエンジンの稼働状態を維持することができる。
【0062】
また、図6に示すように、並行して、イグニッションSWの操作による電源投入後の設定制限SW51のオン・オフの確認時に、例えば、3回連続して設定制限SW51のオン・オフが繰り返されたか否かを確認して(ステップS41)、所定時間内に設定制限SW51が3回連続してオン・オフされたことを確認した場合には、先の制御処理により記憶部11内に記憶させた設定制限距離をリセットする(ステップS42)。また、ステップS41で3回連続の設定制限SW51のオン・オフを確認できない場合には、5回連続して設定制限SW51のオン・オフが繰り返されたか否かを確認して(ステップS43)、所定時間内に設定制限SW51が5回連続してオン・オフされたことを確認した場合には、上述実施形態で説明した記憶部11内に記憶させた最頻制限距離をリセットする(ステップS44)。
【0063】
これにより、アイドルストップコントローラ10は、ステップS41、43で3回連続または5回連続の設定制限SW51のオン・オフを確認できない場合には、記憶部11内に記憶設定されている最頻制限距離または設定制限距離を利用して駐車目的地付近でのアイドルストップの実行を禁止することができる。また、設定制限SW51を3回または5回連続オン・オフするだけで、1度の走行で任意に設定した設定制限距離や、同じ距離の走行が5回繰り返されることにより自動設定された最頻制限距離をリセットすることができ、アイドルストップの実行を制限する必要がなくなった後にも、同じ走行距離と言うだけでその実行が禁止されてしまうことを回避することができ、また、任意にリセットすることができるので、記憶部11内に設定したままにすることもできる。
【0064】
このように本実施形態においては、上述実施形態による作用効果に加えて、車両を繰り返し駐車させることが想定される駐車場まで1度走行するだけで、駐車目的地として設定することができ、例えば、頻繁に利用する駐車場を繰り返し走行するまでもなく、1度の走行で駐車目的地に設定することができる。したがって、アイドルストップの実行禁止を容易かつ簡易に利用することができ、早期に駐車目的地を設定して、バッテリ27の品質劣化を回避して長寿命化させるとともに、車両の操作性低下や燃費悪化を回避することができる。
【0065】
次に、図7は本発明に係るアイドルストップ制御装置の第3実施形態を車両に搭載する場合を一例を示す図である。
【0066】
図7において、アイドルストップコントローラ10は、上述実施形態と同様に、エンジンコントローラ21、インジェクタ22、ヒルホールドバルブ23、オイルポンプ24、メータ25、スタータ26、および、バッテリ27などと共に、エンジンの駆動力で走行する車両に搭載されており、記憶部11やタイマ13だけでなく、目的地到達判定部12、走行距離計測部14、および、距離算出部15としても機能することにより、記憶部11内の制御プログラムに従って各種センサ・SW31〜44からの信号に基づいて所定条件成立時にはそのエンジンを再始動可能に一時的に停止するアイドルストップを実行し、また、その実行を禁止(制限)する。
【0067】
このアイドルストップコントローラ10は、本実施形態では、車両に準備されているナビゲーションシステム60から日時情報(スケジュール情報)を受け取って、アイドルストップの実行禁止などの制御処理を行うようになっている。
【0068】
ここで、ナビゲーションシステム60は、クロック部61およびナビゲーション部(図中にはナビ部と省略)63を備えている。そのクロック部61では、日付管理部61aが日付(曜日や休日など)を管理して表示出力するとともに、時間管理部61bが午前や午後を区別可能に24時間で時刻管理して表示出力している。また、ナビゲーション部63は、目的地管理部63aが行き先の目的地を設定管理してルート検索しつつ表示出力や音声出力で走行経路を案内するようになっている。
【0069】
そして、アイドルストップコントローラ10は、電源投入後に記憶部11内に格納されている制御処理プログラムに従ってアイドルストップの実行を制限する制御処理手順(方法)を実行する際には、ナビゲーションシステム60から日時情報を受け取って、平日の通勤時間帯にのみアイドルストップを禁止する制御処理を実行するようになっている。
【0070】
これにより、アイドルストップコントローラ10は、平日の通勤時間帯以外にはアイドルストップの実行を禁止する制御処理を制限することができ、休日や通勤時間帯以外のときにはアイドルストップを機能させることができる。
【0071】
このように本実施形態においては、上述実施形態による作用効果に加えて、例えば、休日などであるために、ドライバ(利用者)が勤務先の駐車場に向かってないにも拘わらずに、走行距離が駐車目的地として設定されている制限距離程度に到達したときに、アイドルストップの実行が不必要に制限されてしまうことをなくすことができる。したがって、アイドルストップ機能を有効利用することができる。
【0072】
また、本実施形態の他の態様としては、ナビゲーションシステム60から日時情報を受け取るだけでなく、ナビゲーション部63が目的地管理部63aに設定されている目的地近傍に到達したことをドライバに報知する情報を受け取って、その報知情報の受取時に駐車目的地付近に到達と判定してアイドルストップの実行を禁止するようにしてもよく、その目的地近傍とする目的地からの離隔距離を任意に設定できるようにしてもよい。
【0073】
本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、各請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0075】
10 アイドルストップコントローラ
11 記憶部
12 目的地到達判定部
13 タイマ
14 走行距離計測部
15 距離算出部
21 エンジンコントローラ
22 インジェクタ
26 スタータ
27 バッテリ
60 ナビゲーションシステム
61 クロック部
61a 日付管理部
61b 時間管理部
63 ナビゲーション部
63a 目的地管理部
51 設定制限SW

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が走行するための駆動力を発生するエンジンを所定の停止条件成立時に自動停止させ、また、所定の再始動条件成立時に当該エンジンを再始動させるアイドルストップを実行するアイドルストップ制御装置であって、
車両の現在位置が予め設定されている走行距離または走行時間だけ掛かる位置の駐車目的地から所定の距離または時間だけずれた範囲内である駐車目的地付近であるか否かを判定する位置判定部と、該位置判定部が前記駐車目的地付近と判定したときに前記アイドルストップの実行を禁止して前記エンジンの一時的な自動停止を制限するアイドルストップ制限部と、を備えることを特徴とするアイドルストップ制御装置。
【請求項2】
前記位置判定部は、前記車両が繰り返し走行して駐車されるまでに掛かる走行距離または走行時間の位置を前記駐車目的地として自動設定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のアイドルストップ制御装置。
【請求項3】
前記位置判定部は、前記車両の走行開始からの走行距離または走行時間を記憶する記憶部を備えて、該記憶部内に記憶する前記走行距離または前記走行時間に基づいて当該走行距離または当該走行時間だけ離隔する位置を前記駐車目的地として設定するように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のアイドルストップ制御装置。
【請求項4】
前記アイドルストップ制限部は、利用者のスケジュールに合わせて前記アイドルストップの実行禁止を解除するように構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアイドルストップ制御装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−44284(P2013−44284A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182653(P2011−182653)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】