説明

アキュームレーションコンベヤ装置

【課題】容器を先入れ、先出しすることができる小型のアキュームレーションコンベヤ装置を提供する。
【解決手段】容器Aを搬送する入口コンベヤ1に、一対のサイドガイド4を設けた幅広のアキュームレーションコンベヤCを接続し、その搬出端部に出口コンベヤ3を接続する。アキュームレーションコンベヤCを容器搬送方向に複数に分割し、その格分割コンベヤに容器の滞留を検出する入口センサおよび出口センサを設ける。処理装置の故障により、出口コンベヤ3上に容器Aが滞留し、出口コンベヤ3の供給端部上において停止する容器Aに後続の容器Aを当接させて容器Aを順次停止させ、最下流の分割コンベヤの搬出端部から順に容器Aを貯留させると共に、出口センサが貯留容器Aを検出した際に、その分割コンベヤを低速運転に切換え、入口センサが貯留容器Aを検出した際にその分割コンベヤを停止させて、最下流の分割コンベヤから順に容器Aを貯留させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一方向に連続して搬送される容器を、その搬送ラインの一部において一次的に貯留させるアキュームレーションコンベヤ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
缶や瓶、ペットボトル等の容器にジュースやお茶等の飲料水を充填する飲料製造ラインにおいては、充填機から送り出される飲料水充填容器を殺菌(滅菌)処理装置やラベラ等の各種処理装置に送り込んで各種の処理を施したのち、ケーサに送り込んで箱詰めすることが行なわれている。
【0003】
上記のような飲料製造ラインでは、充填機の下流側に設けられたラベラ等の処理装置が故障して停止し、あるいは、低速運転に切換えられると、充填機から連続的に送り出される容器が搬送ライン上で滞留し、容器に過大なラインプレッシャが負荷されて容器が変形し、ジャムや転倒等のトラブルが発生することになる。また、ラベラ等の処理装置が故障した際、あるいは低速運転に切換えされた際に、その都度、充填機を停止させるようにすると、充填ラインの安定的な稼動ができなくなる。
【0004】
そのようなトラブルの発生を防止し、容器搬送ラインに設けられた複数の処理装置の相互間における稼動速度をシンクロさせる目的等から、飲料製造ラインにおいては、ラベラとその上流側において容器を多列状態から単列状態に変換するシングライザとの間や容器を箱詰めするケーサの上流側等の容器搬送ラインの一部にアキュームレーションコンベヤ装置を設け、そのアキュームレーションコンベヤ装置上に置いて容器を自動的に貯留し、処理装置の定速運転への切換え後、あるいは、故障修理後の運転再開後に、そのアキュームレーションコンベヤ装置上の容器を順次払い出すようにしている。
【0005】
上記アキュームレーションコンベヤ装置として、図5に示したものが従来から知られている。このアキュームレーションコンベヤ装置においては、容器Aを単列または複列の状態で一方向に搬送する入口コンベヤ20の搬出端部の一側にアキュームレーションコンベヤ21の供給端部を接続し、そのアキュームレーションコンベヤ21の搬出端部の一側に出口コンベヤ22の供給端部を接続し、上記アキュームレーションコンベヤ21を、容器Aを単列状態で搬送するメインコンベヤ21aと、複列に配置された複数のサブコンベヤ21bとで形成し、上記メインコンベヤ21aの搬送面上の一側に、入口コンベヤ20によって搬送される容器Aをメインコンベヤ21a上に案内すると共に、メインコンベヤ21aによって搬送される容器を出口コンベヤ22上に案内するガイド23を設けている。
【0006】
上記従来のアキュームレーションコンベヤ装置においては、通常の運転では、図5(I)に示すように、入口コンベヤ20からメインコンベヤ21a上に容器Aを単列または複列の状態で送り込み、そのメインコンベヤ21aから出口コンベヤ22上に容器を単列状態で搬送させるようにしている。
【0007】
そして、出口コンベヤ22の下流側に配置された処理装置が故障した場合に、出口コンベヤ22上において容器Aを滞留させ、出口コンベヤ22の供給端部上において停止する容器Aに後続の容器Aを当接させてメインコンベヤ21aの排出端部上の容器Aを貯留させ、その貯留容器Aに後続の容器Aが当接し、容器同士が互いに押圧する作用によって、複列のサブコンベヤ21b上に容器を移動させ、図5(II)に示すように、サブコンベヤ21bの搬出端部上から順に容器Aを貯留させるようにしている。
【0008】
ところで、上記従来のアキュームレーションコンベヤ装置においては、処理装置の故障修理後、複列のサブコンベヤ21bを移動させて貯留されている容器Aを払い出す際に、後続の容器Aが先行側の容器Aを押すことになるため、先頭の容器Aが出口コンベヤ22の供給端部上において詰まりが生じやすく、貯留容器Aをスムーズに払い出すことができないという不都合がある。
【0009】
また、メインコンベヤ21aの搬送速度をサブコンベヤ21bの搬送速度より速くしているために、メインコンベヤ21a上の容器Aがサブコンベヤ21b上の容器Aより先に送り出され、先に貯留されていた容器Aが後で払い出されて、先入れ、先出しできないという不都合がある。
【0010】
さらに、胴部の断面形状が丸形の容器Aの場合は、メインコンベヤ21a上の容器Aを、容器A同士の押し合いによって横方向に多列分散化させることができるが、胴部の断面形状が角形の容器Aの場合は、縦一列に並んだ場合に面同士の衝合によって方向規制がかかり、横方向にずれなくてブロッキングを起こし、多列分散化させることができないという不都合もある。
【0011】
特許文献1には、そのような不都合を解消できるようにしたアキュームレーションコンベヤ装置が提案されている。
【特許文献1】特開2004−26460号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、特許文献1に記載されたアキュームレーションコンベヤ装置においては、往路コンベヤと復路コンベヤとの間に設けられた転送装置をコンベヤの進行方向に移動させて往路コンベヤと復路コンベヤの搬送長さを可変させて容器を単列状態で貯留させる構成であるため、多数の容器を貯留させるには、往路コンベヤ、復路コンベヤ、および転送装置から成るバッファコンベヤ装置の複数を複列に設ける必要が生じ、アキュームレーションコンベヤ装置が大型化し、設置のためにかなり広い設置スペースを確保しなければならないという問題がある。
【0013】
この発明の課題は、容器を先入れ、先出しすることができると共に、貯留容器をスムーズに払い出すことができるようにした小型のアキュームレーションコンベヤ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するため、第1の発明においては、容器を単列または複列の状態で搬送する入口コンベヤと、その入口コンベヤの搬出端部から送り出される容器を受け取って下流側に搬送する幅広のアキュームレーションコンベヤと、そのアキュームレーションコンベヤの搬出端部から送り出される容器を供給端部の一側で受け取って単列または複列の状態で下流側に搬送する出口コンベヤと、前記入口コンベヤから送り出される容器をアキュームレーションコンベヤの幅方向の中央部に誘導するガイドと、前記アキュームレーションコンベヤの搬送面の両側および出口コンベヤの搬送面両側に設けられた容器搬送方向に長く延びる一対のサイドガイドとからなり、前記アキュームレーションコンベヤを容器搬送方向に複数に分割し、その分割コンベヤの接続部間に容器の受け渡しを行うデッドプレートを設け、前記各分割コンベヤの供給端部および搬出端部のそれぞれに容器の滞留を検出する入口センサおよび出口センサを設け、出口センサが滞留容器を検出したとき、その分割コンベヤを減速し、入口センサが滞留容器を検出したとき、その分割コンベヤを停止させるようにした構成を採用したのである。
【0015】
また、第2の発明においては、容器を多列の状態で搬送する幅広の入口コンベヤと、その入口コンベヤの搬出端に供給端が接続され、その供給端に送り込まれてくる容器を入口コンベヤより速い速度で下流側に搬送する入口コンベヤと略同等の幅寸法のアキュームレーションコンベヤと、そのアキュームレーションコンベヤの搬出端部から送り出される容器を供給端部の一側で受け取って単列または複列の状態で下流側に搬送する出口コンベヤと、前記入口コンベヤ、アキュームレーションコンベヤおよび出口コンベヤの搬送面両側に設けられた容器搬送方向に長く延びる一対のサイドガイドとからなり、前記アキュームレーションコンベヤを容器搬送方向に複数に分割し、その分割コンベヤの接続部間に容器の受け渡しを行うデッドプレートを設け、前記各分割コンベヤの供給端部および搬出端部のそれぞれに容器の滞留を検出する入口センサおよび出口センサを設け、出口センサが滞留容器を検出したとき、その分割コンベヤを減速し、入口センサが滞留容器を検出したとき、その分割コンベヤを停止させるようにした構成を採用したのである。
【0016】
第1および第2の発明に係るアキュームレーションコンベヤ装置においては、通常運転の場合、入口コンベヤ、アキュームレーションコンベヤおよび出口コンベヤのそれぞれを同じ速度でもって移動させ、上記入口コンベヤによって搬送される単列または複列あるいは多列の容器をアキュームレーションコンベヤ上に送り込み、そのアキュームレーションコンベヤから出口コンベヤ上に送り込んで、単列または複列の状態で下流側に搬送する。
【0017】
出口コンベヤの下流側に配置された処理装置が故障すると、出口コンベヤ上に容器が貯留し、その出口コンベヤの供給端部上に容器が貯留されると、その容器に後続の容器が当接して、後続の容器はアキュームレーションコンベヤの最下流の分割コンベヤの搬出端部において停止する。その停止状態の容器に後続の容器が当接して押込むため、後続の容器は分割コンベヤの幅方向に拡がり、搬出端部から順に容器が貯留される。
【0018】
分割コンベヤの搬出端部に設けられた出口センサが貯留容器を検出すると、分割コンベヤは低速運転に切り換わり、その後も後続の容器は順に貯留される。入口センサがその貯留容器を検出すると、分割コンベヤは停止する。このとき、その分割コンベヤに接続された後続の分割コンベヤは運転状態にあるため、その後続の分割コンベヤから容器がさらに送り込まれることになり、最下流の分割コンベヤの搬送面全体において容器が多列状態で貯留される。
【0019】
上記のようにして、容器は最下流の分割コンベヤから後側の分割コンベヤに向けて順に自動的に貯留される。
【0020】
処理装置の故障の修理によってその処理装置が運転を再開されると、出口コンベヤ上において貯留されている容器が下流側に搬送され、出口コンベヤの供給端部上の容器が下流側に搬送されると、停止状態にある下流側の分割コンベヤから順に運転を再開する。その分割コンベヤの運転再開によって、貯留容器は下流側の分割コンベヤ上の貯留容器から順に出口コンベヤ上に払い出されることになる。
【0021】
ここで、分割コンベヤのそれぞれとして、容器の搬送方向に対して直交する方向に細長い合成樹脂から成る幅寸法の小さなスラットをピンで屈曲自在に連結したスラットコンベヤを採用することにより、分割コンベヤの搬送面上において容器が滑り移動し易く、出口コンベヤの減速、あるいは停止時に、容器は後続の容器の押圧により分割コンベヤの幅方向にスムーズに拡がることになる。このため、分割コンベヤの搬出端部から供給端部に向けて、先入れされた容器から順に確実に貯留させることができると共に、容器を転倒させることなく貯留することができる。
【0022】
また、搬送面の滑り性が良いため、容器の底面と搬送面の摩擦抵抗が小さく、容器が合成樹脂の場合において、搬送面や容器底面に擦り傷を発生させることなく容器を貯留させることができると共に、容器の転倒を確実に防止する状態で容器を貯留させることができる。
【発明の効果】
【0023】
上記のように、第1および第2の発明にかかるアキュームレーションコンベヤ装置においては、複数に分割された下流側の分割コンベヤから容器を自動的に順次貯留させることができると共に、停止状態にある分割コンベヤを下流の分割コンベヤから順に運転再開することによって、先入れされた容器から順に出口コンベヤ上に払い出しすることができ、容器を先入れ、先出しすることができる。
【0024】
また、容器は分割コンベヤの搬送面上において多列の状態で貯留されるため、小型で有りながらも多数の容器を貯留することができ、設置に大きなスペースを確保する必要のない小型のアキュームレーションコンベヤ装置を得ることができる。
【0025】
さらに、分割コンベヤの供給端部および搬出端部に入口センサおよび出口センサを設け、出口センサが貯留容器を検出した際に分割コンベヤを低速状態に切り換え、入口センサが貯留容器を検出した際に分割コンベヤを停止させるようにしたので、ラインプレッシャは極めて小さく、容器を変形や損傷を与えることなく貯留することができると共に、分割コンベヤの駆動用モータの負荷も小さいため、小型のモータを採用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、この発明の実施の形態を図1乃至図4に基いて説明する。図1はこの発明に係るアキュームレーションコンベヤ装置の第1の実施形態を示す。図示のように、入口コンベヤ1は、容器Aを単列または複列の状態で図1(I)の矢印方向に搬送するようになっている。その入口コンベヤ1の搬出端部の一側にはアキュームレーションコンベヤCの供給端部が接続され、その両コンベヤ1、Cの接続部に、入口コンベヤ1によって搬送される単列または複列状態の容器Aの搬送方向を略90°方向変換してアキュームレーションコンベヤCの幅方向の略中央部に案内する反転ガイド2が設けられている。
【0027】
アキュームレーションコンベヤCは、入口コンベヤ1から送り込まれる容器Aを下流側に搬送し、そのアキュームレーションコンベヤCの搬出端部に出口コンベヤ3の供給端部の一側部が接続されている。
【0028】
第1の実施形態では、出口コンベヤ3による容器Aの搬送方向を、入口コンベヤ1による容器Aの搬送方向に対して逆向きとしているが、入口コンベヤ1による容器Aの搬送方向と同方向であってもよい。
【0029】
アキュームレーションコンベヤCの搬送面の両側および出口コンベヤ3の搬送面のそれぞれ両側には、容器Aの搬送方向に長く延びて、容器Aが搬送面の両側から落下するのを防止する一対のサイドガイド4が設けられている。
【0030】
アキュームレーションコンベヤCは、容器Aの搬送方向に複数に分割され、その分割コンベヤC1乃至Cnの各接続部間に容器Aの受け渡しを行うデッドプレート5が設けられている。このデッドプレート5の容器搬送方向の幅寸法は、分割コンベヤC1乃至Cnの各接続部間における容器Aの受け渡しをスムーズに行うため、3cm以下のものが用いられている。
【0031】
ここで、分割コンベヤC1乃至Cnのそれぞれは、図2及び図3に示すように、容器Aの搬送方向に対して交差方向に長く延び、その両側に複数の連結片7が櫛歯状に形成された合成樹脂から成る幅寸法の小さなスラット6を連結片7が噛合うよう組合わせ、直線状に並ぶ連結片7にピン8を刺通して、各スラット6を屈曲自在に連結したスラットコンベヤからなっている。
【0032】
図1に示すように、各分割コンベヤC1乃至Cnの供給端部及び搬出端部には、容器Aの滞留を検出する入口センサS1及び出口センサS2が設けられている。入口センサS1及び出口センサS2として、ここでは、リミットスイッチが採用されている。その入口センサS1及び出口センサS2は容器Aの当接、離反によってオン、オフし、その検出信号は図示省略した制御装置に入力される。
【0033】
制御装置は、出口センサS2から入力されるオンの信号に基いて、その分割コンベヤを減速し、低速で走行させるようになっており、また、入口センサS1から入力されるオンの信号に基いてその分割コンベヤを停止させるようになっている。
【0034】
また、出口コンベヤ3の供給端部には、容器Aの通過を検出する2つの容器検出センサS3、S4が容器Aの搬送方向に間隔をおいて設けられている。この容器検出センサS3、S4は上記入口センサS1及び出口センサS2と同様にリミットスイッチからなり、その容器検出センサS3、S4の検出信号は制御装置に入力される。
【0035】
制御装置は、下流側の容器検出センサS3から入力されるオフの入力信号に基いて最下流の分割コンベヤC1を運転再開させるようになっている。また、制御装置は容器検出センサS3、S4のそれぞれから入力されるオンの入力信号に基いて分割コンベヤC1乃至Cnのそれぞれを停止させるようになっている。
【0036】
実施の形態で示すアキュームレーションコンベヤ装置は上記の構造からなり、出口コンベヤ3の下流側に設けられたラベラ等の図示省略した処理装置が正常に運転されている場合、入口コンベヤ1、アキュームレーションコンベヤCを形成する複数の分割コンベヤC1乃至Cnは同じ速度でもって移動しており、一方、出口コンベヤ3は、入口コンベヤ1よりも高速で移動している。
【0037】
上記のような正常な運転状態においては、入口コンベヤ1によって搬送される単列または複列の容器Aは反転ガイド2に案内されて、アキュームレーションコンベヤC上に送り込まれ、そのアキュームレーションコンベヤCから出口コンベヤ3上に送り込まれて単列または複列の状態で下流側に搬送される。
【0038】
出口コンベヤ3の下流側に配置された処理装置が故障して停止すると、出口コンベヤ3上に容器Aが貯留し、その出口コンベヤ3の供給端部上に容器Aが貯留されると、その容器Aに後続の容器Aが当接して、後続の容器AはアキュームレーションコンベヤCの最下流の分割コンベヤC1の搬出端部上において停止する。その停止状態の容器Aに後続の容器Aが当接して押込むため、後続の容器Aは、図1(II)に示すように、分割コンベヤC1の幅方向に拡がり、搬出端部から順に容器Aが貯留される。
【0039】
なお、最下流の分割コンベヤC1の搬出端部上に容器Aが貯留されるとき、出口コンベヤ3の供給端部に設けられた2つの容器検出センサS3、S4のうち、下流側の容器検出センサS3はオンとなるが、上流側の容器検出センサS4は、容器Aが正常に貯留される場合は、オンにならないようにされている。
【0040】
分割コンベヤC1の搬出端部に設けられた出口センサS2が貯留容器Aで押されてオンになると、分割コンベヤC1は低速運転に切り換わり、その後も後続の容器Aは順に貯留される。入口センサS1がその貯留容器Aで押されてオンになると、分割コンベヤC1は停止する。このとき、その分割コンベヤC1に接続された後続の分割コンベヤC2乃至Cnは運転状態にあるため、その後続の分割コンベヤC2乃至Cnから容器Aがさらに送り込まれることになり、最下流の分割コンベヤC1の搬送面全体において容器Aが多列状態で貯留される。
【0041】
上記のようにして、容器Aは最下流の分割コンベヤC1から後側の分割コンベヤC2乃至Cnに向けて順に自動的に貯留される。
【0042】
処理装置の故障の修理によってその処理装置が運転を再開されると、出口コンベヤ3上において貯留されている容器Aが下流側に搬送される。出口コンベヤ3の供給端部上の容器Aが下流側に搬送され、容器検出センサS3がオフになると、停止状態にある下流側の分割コンベヤC1から順に運転を再開する。その分割コンベヤC1乃至Cnの運転再開によって、貯留容器Aは下流側の分割コンベヤC1上の貯留容器Aから順に出口コンベヤ3上に払い出されることになる。
【0043】
実施の形態で示すアキュームレーションコンベヤ装置においては、上記のように、複数に分割された下流側の分割コンベヤC1から容器Aを自動的に順次貯留させることができると共に、停止状態にある分割コンベヤを下流の分割コンベヤC1から順に運転再開することによって、先入れされた容器Aから順に出口コンベヤ3上に先出し払い出しすることができ、容器Aを先入れ、先出しすることができる。
【0044】
また、容器Aは分割コンベヤC1乃至Cnの搬送面上において多列の状態で貯留されるため、小型で有りながらも多数の容器Aを貯留することができ、設置に大きなスペースを確保する必要のない小型のアキュームレーションコンベヤ装置を得ることができる。
【0045】
さらに、分割コンベヤC1乃至Cnの供給端部および搬出端部に入口センサS1および出口センサS2を設け、出口センサS2が貯留容器で押されてオンになると、分割コンベヤC1乃至Cnを低速状態に切り換え、入口センサS1が貯留容器Aで押されてオンになると、分割コンベヤC1乃至Cnを停止させるようにしたので、貯留される容器Aに対する押込み力の負荷の低減化を図ることができ、容器Aに変形や損傷を与えることなく貯留することができる。
【0046】
ここで、容器Aを貯留する分割コンベヤC1乃至Cnのそれぞれは、容器Aの搬送方向に対して直交する方向に細長い合成樹脂から成るスラット6をピン8で屈曲自在に連結した合成樹脂からなるスラットコンベヤからなるため、分割コンベヤC1乃至Cnの搬送面上において容器Aが滑り移動し易く、出口コンベヤ3の減速、あるいは停止時に、容器Aは後続の容器Aの押圧により分割コンベヤC1乃至Cnの幅方向にスムーズに拡がることになる。このため、分割コンベヤC1乃至Cnの搬出端部から供給端部に向けて、先入れされた容器Aから順に確実に貯留させることができる。
【0047】
また、搬送面の滑り性が良いため、容器Aの底面と搬送面の摩擦抵抗が小さく、容器Aが合成樹脂の場合において、搬送面や容器A底面に擦り傷を発生させることなく容器Aを貯留させることができると共に、容器Aの転倒を確実に防止する状態で容器Aを貯留させることができる。
【0048】
なお、合成樹脂から成るトップマットコンベヤに変えて、搬送面が網目構造の金網チェーンコンベヤを用いるようにしてもよい。
【0049】
第1の実施形態においては、入口コンベヤ1が容器Aを単列状態または複列状態で搬送可能な大きさとし、その入口コンベヤ1の排出端部の一側にアキュームレーションコンベヤCの供給端が位置するよう入口コンベヤ1とアキュームレーションコンベヤCをL形の配置としたが、図4に示す第2の実施形態のように、入口コンベヤ1の幅寸法をアキュームレーションコンベヤCの幅寸法に略等しくして容器Aを多列状態で搬送し、入口コンベヤ1の搬出端にアキュームレーションコンベヤCの供給端が位置するよう入口コンベヤ1とアキュームレーションコンベヤCを直列に接続し、上記アキュームレーションコンベヤCの搬送面両側に設けたサイドガイド4を入口コンベヤ1の搬送面両側まで延長させるようにしてもよい。
【0050】
この場合、上記入口コンベヤ1の容器搬送速度をアキュームレーションコンベヤCの通常運転時の容器搬送速度より低速とし、その速度差によって入口コンベヤ1から送り込まれてくる容器Aが上記アキュームレーションコンベヤCにより間隔をあけて搬送されるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】(I)は、この発明に係るアキュームレーションコンベヤ装置の第1の実施形態を示す概略平面図、(II)は、容器の貯留状態を示す平面図
【図2】分割コンベヤの接続部を示す正面図
【図3】図2に示すコンベヤのスラットを示す斜視図
【図4】この発明に係るアキュームレーションコンベヤ装置の第2の実施形態を示す概略平面図
【図5】(I)は、従来のアキュームレーションコンベヤ装置を示す概略平面図、(II)は、容器の貯留状態を示す平面図
【符号の説明】
【0052】
1 入口コンベヤ
2 反転ガイド(ガイド)
3 出口コンベヤ
4 サイドガイド
C アキュームレーションコンベヤ
1 分割コンベヤ
n 分割コンベヤ
1 入口センサ
2 出口センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を単列または複列の状態で搬送する入口コンベヤと、その入口コンベヤの搬出端部から送り出される容器を受け取って下流側に搬送する幅広のアキュームレーションコンベヤと、そのアキュームレーションコンベヤの搬出端部から送り出される容器を供給端部の一側で受け取って単列または複列の状態で下流側に搬送する出口コンベヤと、前記入口コンベヤから送り出される容器をアキュームレーションコンベヤの幅方向の中央部に誘導するガイドと、前記アキュームレーションコンベヤの搬送面の両側および出口コンベヤの搬送面両側に設けられた容器搬送方向に長く延びる一対のサイドガイドとからなり、前記アキュームレーションコンベヤを容器搬送方向に複数に分割し、その分割コンベヤの接続部間に容器の受け渡しを行うデッドプレートを設け、前記各分割コンベヤの供給端部および搬出端部のそれぞれに容器の滞留を検出する入口センサおよび出口センサを設け、出口センサが滞留容器を検出したとき、その分割コンベヤを減速し、入口センサが滞留容器を検出したとき、その分割コンベヤを停止させるようにしたアキュームレーションコンベヤ装置。
【請求項2】
容器を多列の状態で搬送する幅広の入口コンベヤと、その入口コンベヤの搬出端に供給端が接続され、その供給端に送り込まれてくる容器を入口コンベヤより速い速度で下流側に搬送する入口コンベヤと略同等の幅寸法のアキュームレーションコンベヤと、そのアキュームレーションコンベヤの搬出端部から送り出される容器を供給端部の一側で受け取って単列または複列の状態で下流側に搬送する出口コンベヤと、前記入口コンベヤ、アキュームレーションコンベヤおよび出口コンベヤの搬送面両側に設けられた容器搬送方向に長く延びる一対のサイドガイドとからなり、前記アキュームレーションコンベヤを容器搬送方向に複数に分割し、その分割コンベヤの接続部間に容器の受け渡しを行うデッドプレートを設け、前記各分割コンベヤの供給端部および搬出端部のそれぞれに容器の滞留を検出する入口センサおよび出口センサを設け、出口センサが滞留容器を検出したとき、その分割コンベヤを減速し、入口センサが滞留容器を検出したとき、その分割コンベヤを停止させるようにしたアキュームレーションコンベヤ装置。
【請求項3】
前記分割コンベヤのそれぞれが、容器の搬送方向に対して直交する方向に細長い合成樹脂から成る幅寸法の小さなスラットをピンで屈曲自在に連結したスラットコンベヤからなる請求項1又は2に記載のアキュームレーションコンベヤ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−326665(P2007−326665A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−158139(P2006−158139)
【出願日】平成18年6月7日(2006.6.7)
【出願人】(393000375)株式会社日本サンガリアベバレッジカンパニー (8)
【Fターム(参考)】