アクセサリー装着装置およびこのアクセサリー装着装置を備えたアクセサリー
【課題】 アクセサリーの固定状況を確実に認識することが可能なアクセサリー装着装置およびこのアクセサリー装着装置を備えたアクセサリーを提供する。
【解決手段】 踏み台を天板に装着するときには、固定部材52を揺動させて係合位置に移動させる。これにより、固定部材52の先端に配設されたピン51が天板に形成された固定用凹部に係合する。そして、移動規制部材43を揺動させて規制位置に移動させる。さらに、ロック用ピン42を下方に移動させ、移動規制部材43の揺動動作を規制する。
【解決手段】 踏み台を天板に装着するときには、固定部材52を揺動させて係合位置に移動させる。これにより、固定部材52の先端に配設されたピン51が天板に形成された固定用凹部に係合する。そして、移動規制部材43を揺動させて規制位置に移動させる。さらに、ロック用ピン42を下方に移動させ、移動規制部材43の揺動動作を規制する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、X線撮影装置における天板にX線撮影に使用するアクセサリーを装着するためのアクセサリー装着装置およびこのアクセサリー装着装置を備えたアクセサリーに関する。
【背景技術】
【0002】
X線透視撮影台等のX線撮影装置においては、被検者が起立する踏み台または被検者が座着する撮影架台等のアクセサリーが使用される。このX線撮影に使用するアクセサリーは、X線撮影装置の天板の側面に形成された凹部に、ピンを利用して固定されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭59−156607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
X線透視撮影台等のX線撮影装置においては、天板を水平方向から立位あるいは逆傾と角度を変化させる必要がある。このため、踏み台や撮影架台等のアクセサリーの天板に対する固定が不十分であると、検査中に患者が踏み台や撮影架台から落下する可能性があることから、それらの固定状況を確実に確認する必要がある。このため、従来においては、オペレータがこれらのアクセサリーを左右に揺するなどして、アクセサリーの固定状況を確認するようにしているが、アクセサリーの固定状況はそのような操作では解りにくいというのが実情であった。
【0005】
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、アクセサリーの固定状況を確実に認識することが可能なアクセサリー装着装置およびこのアクセサリー装着装置を備えたアクセサリーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、X線撮影装置における天板に、X線撮影に使用するアクセサリーを装着するためのアクセサリー装着装置であって、前記天板に形成された固定用凹部と係合可能なピンを備え、前記ピンが前記固定用凹部と係合する係合位置と、前記ピンが前記固定用凹部から離隔する離隔位置との間を移動可能な固定部材と、前記係合位置に配置された前記固定部材が当該係合位置から前記離隔位置へ移動することを規制する規制位置と、前記固定部材が前記係合位置と前記離隔位置との間で移動することを許容する退避位置との間を移動可能な移動規制部材と、前記移動規制部材が前記規制位置に配置された状態において、前記移動規制部材の移動を防止するロック機構とを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記固定部材は前記係合位置と前記離隔位置との間を揺動可能な構成を有し、第1のバネにより前記係合位置方向に向けて付勢されるとともに、前記移動規制部材は前記固定部材が離隔位置に移動したときに前記固定部材が配置される領域と重複する規制位置と、前記固定部材が離隔位置に移動したときに前記固定部材が配置される領域から離隔した領域である退避位置との間を揺動可能な構成を有し、第2のバネにより前記規制位置に向けて付勢されている。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記ロック機構は、前記移動規制部材の揺動動作に対応する曲率を有する曲線部と、前記曲線部に連結する直線部とを有する孔部が形成された取付台と、前記移動規制部材に対して移動可能に配設され、前記孔部に係合した状態で前記孔部における曲線部と直線部の連結部内の位置と前記直線部内の位置との間を移動可能なロック用ピンとを備える。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記固定部材は、前記係合位置と前記離隔位置との間を揺動可能な構成を有し、第1のバネにより前記係合位置方向に向けて付勢されるとともに、前記移動規制部材は、前記固定部材が離隔位置に移動したときに前記固定部材が配置される領域と重複する規制位置と、前記固定部材が離隔位置に移動したときに前記固定部材が配置される領域から離隔した領域である退避位置との間を平行移動可能な構成を有し、第2のバネにより前記規制位置に向けて付勢されている。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記ロック機構は、前記移動規制部材の平行移動方向を向く第1の直線部と、前記第1の直線部に連結する前記第1の直線部とは異なる方向を向く第2の直線部とを有する孔部が形成された取付台と、前記移動規制部材に対して移動可能に配設され、前記孔部に係合した状態で前記孔部における第1の直線部と第2の直線部の連結部内の位置と前記第2の直線部内の位置との間を移動可能なロック用ピンとを備える。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の発明において、前記アクセサリーは、被検者が起立する踏み台または被検者が座着する撮影架台である。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載のアクセサリー装着装置が、前記天板の左右両端に対応する位置に一対配設されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1乃至請求項6に記載の発明によれば、固定部材が係合位置に配置され、移動規制部材が規制位置に配置された状態において、ロック機構が移動規制部材の移動、すなわち固定部材の移動を防止することから、ロック機構によるロック状態を確認することで、アクセサリーの固定状況を確実に認識することが可能となる。
【0014】
請求項7に記載の発明によれば、天板の左右両端に対応する位置に配置されたアクセサリー装着装置により、アクセサリーを確実に天板に固定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明を適用するX線検査装置の概要図であり、テーブル13が臥位位置に配置されたときの正面図である。
【図2】この発明を適用するX線検査装置の概要図であり、テーブル13が立位位置に配置されたときの正面図である。
【図3】この発明を適用するX線検査装置の概要図であり、テーブル13が立位位置に配置されたときの側面図である。
【図4】踏み台30の正面図である。
【図5】踏み台30を天板13とともに示す平面図である。
【図6】踏み台30を天板13とともに示す側面図である。
【図7】装着部40の概要図である。
【図8】装着部40の概要図である。
【図9】取付台45に形成された孔部49と移動規制部材43に配設されたロック用ピン42との関係を示す説明図である。
【図10】移動規制部材43の正面図である。
【図11】他の実施形態に係る取付台145に形成された孔部149と移動規制部材143に配設されたロック用ピン142との関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1乃至図3は、この発明を適用するX線検査装置の概要図である。なお、図1は、テーブル13が臥位位置に配置されたときのX線検査装置の正面図である。また、図2は、テーブル13が立位位置に配置されたときのX線検査装置の正面図である。さらに、図3は、テーブル13が立位位置に配置されたときのX線検査装置の側面図である。
【0017】
このX線検査装置は、X線透視撮影台と呼称されるものであり、天板13と、この天板13に連結されたスライドアーム15と、このスライドアーム15の先端に配設されたX線管11と、天板13に対してX線管11の逆側に配設されたX線検出器としてのフラットパネルディテクタ12とを備える。スライドアーム15には、必要に応じ被検者の診断部位を圧迫するための圧迫筒機構20が配設されている。また、天板13には、この発明に係るアクセサリーとしての踏み台30が固定されている。
【0018】
これらの天板13、スライドアーム15およびX線管11は、図示しないモータを内蔵した回転機構16の作用により、図1に示す、天板13の表面が水平方向を向く臥位位置と、図2および図3に示す、天板13の表面が鉛直方向を向く立位位置との間を回動可能となっている。また、回動機構16自体は、ベースプレート18上に立設された主支柱17に対して昇降可能となっている。
【0019】
天板13が臥位位置にあるときには、臥位状態の被検者に対して透視あるいは撮影が行われる。このときには、被検者は天板13上に載置される。また、天板13が立位位置にあるときには、立位状態の被検者に対して透視あるいは撮影が行われる。また、天板13の角度を変更しながら撮影を行うときには、被検者は天板13に固定された踏み台30上に起立する。そして、被検者を天板13に乗せたままの状態で、天板13の角度が変更される。踏み台30は、図1に示すように、天板13が臥位位置にある状態で天板13に対して着脱が行われる。なお、臥位状態の被検者に対して透視あるいは撮影を実行するときには、踏み台30は天板13から取り外される。
【0020】
次に、この発明に係るアクセサリーとしての踏み台30の構成について説明する。図4は、踏み台30の正面図である。また、図5は、踏み台30を天板13とともに示す平面図である。さらに、図6は、踏み台30を天板13とともに示す側面図である。なお、図6においては、固定部材52の向こう側にあるピン51を実線で図示している。
【0021】
この踏み台30は、踏み板31と、この踏み板31の左右両側に配設された一対の装着部40とを備える。各装着部40は、ケーシング41と、その先端にピン51を備えた固定部材52と、ケーシング41に穿設された孔部47内に配置されたロック用ピン42とを備える。これらの一対の装着部40は、天板13に形成された複数の固定用凹部14(図6参照)に対して固定部材52の先端に配設されたピン51を係合させることにより、踏み台30全体を天板13に装着する構成を有する。なお、この装着部40は、この発明に係るアクセサリー装着装置を構成する。
【0022】
次に、装着部40の構成について説明する。図7および図8は、装着部40の概要図である。これらの図においては、(a)は平面から見た概要を示しており、(b)は正面から見た概要を示している。また、図9は、取付台45に形成された孔部49と移動規制部材43に配設されたロック用ピン42との関係を示す説明図であり、図10は、移動規制部材43の正面図である。なお、図7(b)および図8(b)においては、説明の便宜上、取付台45は移動規制部材43の裏側に配置された状態で図示し、その孔部49のみを移動規制部材43の手前側に図示している。
【0023】
この装着部40は、上述したように、その先端にピン51を備えた固定部材52を有する。この固定部材52は、軸53を中心に揺動可能となっており、バネ54の作用により図7(a)および図8(a)における時計回り方向に付勢されている。後述するように、この固定部材52は、図7に示す離隔位置と図8に示す係合位置との間を揺動可能となっている。また、この装着部40は、軸44を中心に揺動可能な移動規制部材43を備える。この移動規制部材43は、バネ46の作用により図7(b)および図8(b)における時計回り方向に付勢されている。後述するように、この移動規制部材43は、図7に示す退避位置と図8に示す規制位置との間を揺動可能となっている。
【0024】
また、この装着部40は、ケーシング41に連結されて固定された取付台45を備える。この取付台45には、移動規制部材43の揺動中心となる軸44が配設されている。また、この取付台45には、孔部49が形成されている。この孔部49は、図9に示すように、移動規制部材43の揺動動作に対応する曲率を有する曲線部49aと、曲線部に連結する直線部49bとを有している。図10に示すように、移動規制部材43は、ロック用ピン42を備える。このロック用ピン42は、小径部と大径部から成る二段構造となっている。そして、ロック用ピン42の小径部である先端部は、図7乃至図9に示すように、孔部49と係合している。また、このロック用ピン42は、移動規制部材43に形成されたスライド孔48内を上下方向に移動可能となっている。
【0025】
以上の構成を有する装着部40においては、図7に示すように、ロック用ピン42を操作することにより、移動規制部材43をバネ46による付勢力に抗して軸44を中心として図7(b)に示す反時計回り方向に揺動させて退避位置に移動させるとともに、固定部材52をバネ54による付勢力に抗して軸53を中心として図7(a)に示す反時計回り方向に揺動させて離隔位置に移動させた状態とすることにより、踏み台30を天板13に装着し、あるいは、天板13から取り外すことが可能となる。
【0026】
踏み台30を天板13に装着するときには、図8に示すように、固定部材52を軸53を中心として図7(a)に示す時計回り方向に揺動させて係合位置に移動させる。これにより、図5および図6に示すように、固定部材52の先端に配設されたピン51が天板13に形成された固定用凹部14に係合することにより、踏み台30を天板13に固定することが可能となる。
【0027】
この状態において、ロック用ピン42を操作することにより、移動規制部材43を軸44を中心として図7(b)に示す時計回り方向に揺動させて規制位置に移動させる。これにより、図8に示すように、固定部材52が離隔位置に移動したときに配置されるべき領域に、移動規制部材43が配置されることになる。このため、規制位置に配置された移動規制部材43の作用により、係合位置に配置された固定部材52が、この係合位置から図7に示す離隔位置へ移動することを規制することが可能となる。
【0028】
さらにこの状態において、ロック用ピン42を図8乃至図10に示す状態から、図10において仮想線で示すように、下方に移動させる。すなわち、図8乃至図10に示すように、孔部49と係合するロック用ピン42を、移動規制部材43の揺動動作に対応する曲率を有する曲線部49aと曲線部49aに連結する直線部49bとの交点部分から直線部49bの下端部に移動させる。これにより、移動規制部材43の揺動動作が規制され、移動規制部材43は図8乃至図10に示す規制位置で固定される。これに伴って、係合位置に配置された固定部材52が離隔位置へ移動することを規制することが可能となる。
【0029】
一方、踏み台30を天板13から取り外すときには、ロック用ピン42を上方に移動させる。これにより、ロック用ピン42は、図8乃至図10に示すように、直線部49bの下端部から、曲線部49aと直線部49bとの交点部分に移動する。これにより、移動規制部材43を軸44を中心として図7(b)に示す反時計回り方向に揺動させて退避位置に移動させることが可能となる。そして、固定部材52を軸53を中心として図7(a)に示す反時計回り方向に揺動させて離隔位置に移動させた状態とすることにより、ピン51と天板13に形成された固定用凹部14との係合関係が解除され、踏み台30を天板13から取り外すことが可能となる。
【0030】
なお、図7に示す状態においては、ロック用ピン42を下方に移動させようとしても、このロック用ピン42は、孔部49における曲線部49aと係合していることから、これを下方に移動させることは不可能となっている。すなわち、固定部材52が係合位置に移動してピン51と天板13に形成された固定用凹部14とが係合し、かつ、移動規制部材43が規制位置に移動して固定部材52の揺動が規制されている状態とならないと、ロック用ピン42がロックのための位置に移動することができない構成となっている。このため、ロック用ピン42が下降した状態にあるときには、踏み台30が確実に天板13に固定されているということになり、踏み台30の固定状況を確実に認識することが可能となる。
【0031】
次に、装着部40の他の実施形態について説明する。図11は、他の実施形態に係る取付台145に形成された孔部149と移動規制部材143に配設されたロック用ピン142との関係を示す説明図である。
【0032】
上述した実施形態においては移動規制部材43が揺動する構成となっているのに対し、この実施形態においては移動規制部材143が平行移動する構成となっている点と、上述した実施形態においてはロック用ピン42が係合する孔部49が曲線部49aと直線部49bから構成されているのに対し、この実施形態においてはロック用ピン142に係合する孔部149が、第1の直線部149aと第2の直線部149bから構成されている点が、両実施形態においては互いに異なっている。この実施形態におけるその他の構成については、上述した実施形態と同様であることから、詳細な説明は省略する。
【0033】
この実施形態に係る移動規制部材143は、一対のバネ146の作用により図11におけ左方向に付勢されている。また、この実施形態における取付台145には、移動規制部材143に立設された一対のピン144が係合する一対の案内孔150が形成されている。さらに、この実施形態における取付台145には、上述した実施形態と同様のロック用ピン142と係合する孔部149が形成されている。この孔部149は、移動規制部材143の平行移動方向を向く第1の直線部149aと、この第1の直線部149aに連結する、第1の直線部149と直交する方向を向く第2の直線部149bとが形成されている。
【0034】
この実施形態においては、ロック用ピン142を操作することにより、移動規制部材143を一対のバネ146による付勢力に抗して図11に示す右方向に平行移動させるとともに、上述した実施形態同様、固定部材52をバネ54による付勢力に抗して軸53を中心として反時計回り方向に揺動させて離隔位置に移動させた状態とすることにより、踏み台30を天板13に装着し、あるいは、天板13から取り外すことが可能となる。
【0035】
踏み台30を天板13に装着するときには、上述した実施形態同様、固定部材52を軸53を中心として時計回り方向に揺動させて係合位置に移動させる。これにより、図5および図6に示すように、固定部材52の先端に配設されたピン51が天板13に形成された固定用凹部14に係合することにより、踏み台30を天板13に固定することが可能となる。
【0036】
この状態において、ロック用ピン142を操作することにより、移動規制部材143を図11に示す左方向に揺動させて規制位置に移動させる。これにより、固定部材52が離隔位置に移動したときに配置されるべき領域に、移動規制部材143が配置されることになる。このため、規制位置に配置された移動規制部材143の作用により、係合位置に配置された固定部材52が、この係合位置から離隔位置へ移動することを規制することが可能となる。
【0037】
さらにこの状態において、ロック用ピン142を図11に示す状態から下方に移動させる。すなわち、孔部149と係合するロック用ピン142を、移動規制部材143の平行移動方向を向く第1の直線部149aと第1の直線部149aと直交する方向を向く第2の直線部149bとの交点部分から第2の直線部149bの下端部に移動させる。これにより、移動規制部材143の平行移動動作が規制され、移動規制部材143は規制位置で固定される。これに伴って、係合位置に配置された固定部材52が離隔位置へ移動することを規制することが可能となる。
【0038】
一方、踏み台30を天板13から取り外すときには、ロック用ピン142を上方に移動させる。これにより、ロック用ピン42は、第2の直線部49bの下端部から、第1の直線部149aと第2の直線部149bとの交点部分に移動する。これにより、移動規制部材143を右方向に平行移動させて退避位置に移動させることが可能となる。そして、固定部材52を軸53を中心として反時計回り方向に揺動させて離隔位置に移動させた状態とすることにより、ピン51と天板13に形成された固定用凹部14との係合関係が解除され、踏み台30を天板13から取り外すことが可能となる。
【0039】
なお、ロック用ピン142が第1の直線部149と係合した状態においては、ロック用ピン142を下方に移動させようとしても、これを下方に移動させることは不可能となっている。すなわち、固定部材52が係合位置に移動してピン51と天板13に形成された固定用凹部14とが係合し、かつ、移動規制部材143が規制位置に移動して固定部材52の揺動が規制されている状態とならないと、ロック用ピン142がロックのための位置に移動することができない構成となっている。このため、ロック用ピン142が下降した状態にあるときには、踏み台30が確実に天板13に固定されているということになり、踏み台30の固定状況を確実に認識することが可能となる。
【0040】
なお、上述した実施形態においては、X線撮影に使用するアクセサリーとして、被検者が起立する踏み台にこの発明を適用しているが、被検者が座着する撮影架台にこの発明を適用してもよい。また、天板13に着脱自在に固定されるその他のアクセサリーにこの発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0041】
11 X線管
12 フラットパネルディテクタ
13 天板
14 固定用凹部
15 スライドアーム
16 回転機構
17 主支柱
18 ベースプレート
30 踏み台
31 踏み板
40 装着部
41 ケーシング
42 ロック用ピン
43 移動規制部材
44 軸
45 取付台
46 バネ
48 スライド孔
49 孔部
49a 曲線部
49b 直線部
51 ピン
52 固定部材
53 軸
54 バネ
142 ロック用ピン
143 移動規制部材
144 ピン
145 取付台
146 バネ
149 孔部
149a 第1の曲線部
149b 第2の直線部
【技術分野】
【0001】
この発明は、X線撮影装置における天板にX線撮影に使用するアクセサリーを装着するためのアクセサリー装着装置およびこのアクセサリー装着装置を備えたアクセサリーに関する。
【背景技術】
【0002】
X線透視撮影台等のX線撮影装置においては、被検者が起立する踏み台または被検者が座着する撮影架台等のアクセサリーが使用される。このX線撮影に使用するアクセサリーは、X線撮影装置の天板の側面に形成された凹部に、ピンを利用して固定されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭59−156607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
X線透視撮影台等のX線撮影装置においては、天板を水平方向から立位あるいは逆傾と角度を変化させる必要がある。このため、踏み台や撮影架台等のアクセサリーの天板に対する固定が不十分であると、検査中に患者が踏み台や撮影架台から落下する可能性があることから、それらの固定状況を確実に確認する必要がある。このため、従来においては、オペレータがこれらのアクセサリーを左右に揺するなどして、アクセサリーの固定状況を確認するようにしているが、アクセサリーの固定状況はそのような操作では解りにくいというのが実情であった。
【0005】
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、アクセサリーの固定状況を確実に認識することが可能なアクセサリー装着装置およびこのアクセサリー装着装置を備えたアクセサリーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、X線撮影装置における天板に、X線撮影に使用するアクセサリーを装着するためのアクセサリー装着装置であって、前記天板に形成された固定用凹部と係合可能なピンを備え、前記ピンが前記固定用凹部と係合する係合位置と、前記ピンが前記固定用凹部から離隔する離隔位置との間を移動可能な固定部材と、前記係合位置に配置された前記固定部材が当該係合位置から前記離隔位置へ移動することを規制する規制位置と、前記固定部材が前記係合位置と前記離隔位置との間で移動することを許容する退避位置との間を移動可能な移動規制部材と、前記移動規制部材が前記規制位置に配置された状態において、前記移動規制部材の移動を防止するロック機構とを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記固定部材は前記係合位置と前記離隔位置との間を揺動可能な構成を有し、第1のバネにより前記係合位置方向に向けて付勢されるとともに、前記移動規制部材は前記固定部材が離隔位置に移動したときに前記固定部材が配置される領域と重複する規制位置と、前記固定部材が離隔位置に移動したときに前記固定部材が配置される領域から離隔した領域である退避位置との間を揺動可能な構成を有し、第2のバネにより前記規制位置に向けて付勢されている。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記ロック機構は、前記移動規制部材の揺動動作に対応する曲率を有する曲線部と、前記曲線部に連結する直線部とを有する孔部が形成された取付台と、前記移動規制部材に対して移動可能に配設され、前記孔部に係合した状態で前記孔部における曲線部と直線部の連結部内の位置と前記直線部内の位置との間を移動可能なロック用ピンとを備える。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記固定部材は、前記係合位置と前記離隔位置との間を揺動可能な構成を有し、第1のバネにより前記係合位置方向に向けて付勢されるとともに、前記移動規制部材は、前記固定部材が離隔位置に移動したときに前記固定部材が配置される領域と重複する規制位置と、前記固定部材が離隔位置に移動したときに前記固定部材が配置される領域から離隔した領域である退避位置との間を平行移動可能な構成を有し、第2のバネにより前記規制位置に向けて付勢されている。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記ロック機構は、前記移動規制部材の平行移動方向を向く第1の直線部と、前記第1の直線部に連結する前記第1の直線部とは異なる方向を向く第2の直線部とを有する孔部が形成された取付台と、前記移動規制部材に対して移動可能に配設され、前記孔部に係合した状態で前記孔部における第1の直線部と第2の直線部の連結部内の位置と前記第2の直線部内の位置との間を移動可能なロック用ピンとを備える。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の発明において、前記アクセサリーは、被検者が起立する踏み台または被検者が座着する撮影架台である。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載のアクセサリー装着装置が、前記天板の左右両端に対応する位置に一対配設されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1乃至請求項6に記載の発明によれば、固定部材が係合位置に配置され、移動規制部材が規制位置に配置された状態において、ロック機構が移動規制部材の移動、すなわち固定部材の移動を防止することから、ロック機構によるロック状態を確認することで、アクセサリーの固定状況を確実に認識することが可能となる。
【0014】
請求項7に記載の発明によれば、天板の左右両端に対応する位置に配置されたアクセサリー装着装置により、アクセサリーを確実に天板に固定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明を適用するX線検査装置の概要図であり、テーブル13が臥位位置に配置されたときの正面図である。
【図2】この発明を適用するX線検査装置の概要図であり、テーブル13が立位位置に配置されたときの正面図である。
【図3】この発明を適用するX線検査装置の概要図であり、テーブル13が立位位置に配置されたときの側面図である。
【図4】踏み台30の正面図である。
【図5】踏み台30を天板13とともに示す平面図である。
【図6】踏み台30を天板13とともに示す側面図である。
【図7】装着部40の概要図である。
【図8】装着部40の概要図である。
【図9】取付台45に形成された孔部49と移動規制部材43に配設されたロック用ピン42との関係を示す説明図である。
【図10】移動規制部材43の正面図である。
【図11】他の実施形態に係る取付台145に形成された孔部149と移動規制部材143に配設されたロック用ピン142との関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1乃至図3は、この発明を適用するX線検査装置の概要図である。なお、図1は、テーブル13が臥位位置に配置されたときのX線検査装置の正面図である。また、図2は、テーブル13が立位位置に配置されたときのX線検査装置の正面図である。さらに、図3は、テーブル13が立位位置に配置されたときのX線検査装置の側面図である。
【0017】
このX線検査装置は、X線透視撮影台と呼称されるものであり、天板13と、この天板13に連結されたスライドアーム15と、このスライドアーム15の先端に配設されたX線管11と、天板13に対してX線管11の逆側に配設されたX線検出器としてのフラットパネルディテクタ12とを備える。スライドアーム15には、必要に応じ被検者の診断部位を圧迫するための圧迫筒機構20が配設されている。また、天板13には、この発明に係るアクセサリーとしての踏み台30が固定されている。
【0018】
これらの天板13、スライドアーム15およびX線管11は、図示しないモータを内蔵した回転機構16の作用により、図1に示す、天板13の表面が水平方向を向く臥位位置と、図2および図3に示す、天板13の表面が鉛直方向を向く立位位置との間を回動可能となっている。また、回動機構16自体は、ベースプレート18上に立設された主支柱17に対して昇降可能となっている。
【0019】
天板13が臥位位置にあるときには、臥位状態の被検者に対して透視あるいは撮影が行われる。このときには、被検者は天板13上に載置される。また、天板13が立位位置にあるときには、立位状態の被検者に対して透視あるいは撮影が行われる。また、天板13の角度を変更しながら撮影を行うときには、被検者は天板13に固定された踏み台30上に起立する。そして、被検者を天板13に乗せたままの状態で、天板13の角度が変更される。踏み台30は、図1に示すように、天板13が臥位位置にある状態で天板13に対して着脱が行われる。なお、臥位状態の被検者に対して透視あるいは撮影を実行するときには、踏み台30は天板13から取り外される。
【0020】
次に、この発明に係るアクセサリーとしての踏み台30の構成について説明する。図4は、踏み台30の正面図である。また、図5は、踏み台30を天板13とともに示す平面図である。さらに、図6は、踏み台30を天板13とともに示す側面図である。なお、図6においては、固定部材52の向こう側にあるピン51を実線で図示している。
【0021】
この踏み台30は、踏み板31と、この踏み板31の左右両側に配設された一対の装着部40とを備える。各装着部40は、ケーシング41と、その先端にピン51を備えた固定部材52と、ケーシング41に穿設された孔部47内に配置されたロック用ピン42とを備える。これらの一対の装着部40は、天板13に形成された複数の固定用凹部14(図6参照)に対して固定部材52の先端に配設されたピン51を係合させることにより、踏み台30全体を天板13に装着する構成を有する。なお、この装着部40は、この発明に係るアクセサリー装着装置を構成する。
【0022】
次に、装着部40の構成について説明する。図7および図8は、装着部40の概要図である。これらの図においては、(a)は平面から見た概要を示しており、(b)は正面から見た概要を示している。また、図9は、取付台45に形成された孔部49と移動規制部材43に配設されたロック用ピン42との関係を示す説明図であり、図10は、移動規制部材43の正面図である。なお、図7(b)および図8(b)においては、説明の便宜上、取付台45は移動規制部材43の裏側に配置された状態で図示し、その孔部49のみを移動規制部材43の手前側に図示している。
【0023】
この装着部40は、上述したように、その先端にピン51を備えた固定部材52を有する。この固定部材52は、軸53を中心に揺動可能となっており、バネ54の作用により図7(a)および図8(a)における時計回り方向に付勢されている。後述するように、この固定部材52は、図7に示す離隔位置と図8に示す係合位置との間を揺動可能となっている。また、この装着部40は、軸44を中心に揺動可能な移動規制部材43を備える。この移動規制部材43は、バネ46の作用により図7(b)および図8(b)における時計回り方向に付勢されている。後述するように、この移動規制部材43は、図7に示す退避位置と図8に示す規制位置との間を揺動可能となっている。
【0024】
また、この装着部40は、ケーシング41に連結されて固定された取付台45を備える。この取付台45には、移動規制部材43の揺動中心となる軸44が配設されている。また、この取付台45には、孔部49が形成されている。この孔部49は、図9に示すように、移動規制部材43の揺動動作に対応する曲率を有する曲線部49aと、曲線部に連結する直線部49bとを有している。図10に示すように、移動規制部材43は、ロック用ピン42を備える。このロック用ピン42は、小径部と大径部から成る二段構造となっている。そして、ロック用ピン42の小径部である先端部は、図7乃至図9に示すように、孔部49と係合している。また、このロック用ピン42は、移動規制部材43に形成されたスライド孔48内を上下方向に移動可能となっている。
【0025】
以上の構成を有する装着部40においては、図7に示すように、ロック用ピン42を操作することにより、移動規制部材43をバネ46による付勢力に抗して軸44を中心として図7(b)に示す反時計回り方向に揺動させて退避位置に移動させるとともに、固定部材52をバネ54による付勢力に抗して軸53を中心として図7(a)に示す反時計回り方向に揺動させて離隔位置に移動させた状態とすることにより、踏み台30を天板13に装着し、あるいは、天板13から取り外すことが可能となる。
【0026】
踏み台30を天板13に装着するときには、図8に示すように、固定部材52を軸53を中心として図7(a)に示す時計回り方向に揺動させて係合位置に移動させる。これにより、図5および図6に示すように、固定部材52の先端に配設されたピン51が天板13に形成された固定用凹部14に係合することにより、踏み台30を天板13に固定することが可能となる。
【0027】
この状態において、ロック用ピン42を操作することにより、移動規制部材43を軸44を中心として図7(b)に示す時計回り方向に揺動させて規制位置に移動させる。これにより、図8に示すように、固定部材52が離隔位置に移動したときに配置されるべき領域に、移動規制部材43が配置されることになる。このため、規制位置に配置された移動規制部材43の作用により、係合位置に配置された固定部材52が、この係合位置から図7に示す離隔位置へ移動することを規制することが可能となる。
【0028】
さらにこの状態において、ロック用ピン42を図8乃至図10に示す状態から、図10において仮想線で示すように、下方に移動させる。すなわち、図8乃至図10に示すように、孔部49と係合するロック用ピン42を、移動規制部材43の揺動動作に対応する曲率を有する曲線部49aと曲線部49aに連結する直線部49bとの交点部分から直線部49bの下端部に移動させる。これにより、移動規制部材43の揺動動作が規制され、移動規制部材43は図8乃至図10に示す規制位置で固定される。これに伴って、係合位置に配置された固定部材52が離隔位置へ移動することを規制することが可能となる。
【0029】
一方、踏み台30を天板13から取り外すときには、ロック用ピン42を上方に移動させる。これにより、ロック用ピン42は、図8乃至図10に示すように、直線部49bの下端部から、曲線部49aと直線部49bとの交点部分に移動する。これにより、移動規制部材43を軸44を中心として図7(b)に示す反時計回り方向に揺動させて退避位置に移動させることが可能となる。そして、固定部材52を軸53を中心として図7(a)に示す反時計回り方向に揺動させて離隔位置に移動させた状態とすることにより、ピン51と天板13に形成された固定用凹部14との係合関係が解除され、踏み台30を天板13から取り外すことが可能となる。
【0030】
なお、図7に示す状態においては、ロック用ピン42を下方に移動させようとしても、このロック用ピン42は、孔部49における曲線部49aと係合していることから、これを下方に移動させることは不可能となっている。すなわち、固定部材52が係合位置に移動してピン51と天板13に形成された固定用凹部14とが係合し、かつ、移動規制部材43が規制位置に移動して固定部材52の揺動が規制されている状態とならないと、ロック用ピン42がロックのための位置に移動することができない構成となっている。このため、ロック用ピン42が下降した状態にあるときには、踏み台30が確実に天板13に固定されているということになり、踏み台30の固定状況を確実に認識することが可能となる。
【0031】
次に、装着部40の他の実施形態について説明する。図11は、他の実施形態に係る取付台145に形成された孔部149と移動規制部材143に配設されたロック用ピン142との関係を示す説明図である。
【0032】
上述した実施形態においては移動規制部材43が揺動する構成となっているのに対し、この実施形態においては移動規制部材143が平行移動する構成となっている点と、上述した実施形態においてはロック用ピン42が係合する孔部49が曲線部49aと直線部49bから構成されているのに対し、この実施形態においてはロック用ピン142に係合する孔部149が、第1の直線部149aと第2の直線部149bから構成されている点が、両実施形態においては互いに異なっている。この実施形態におけるその他の構成については、上述した実施形態と同様であることから、詳細な説明は省略する。
【0033】
この実施形態に係る移動規制部材143は、一対のバネ146の作用により図11におけ左方向に付勢されている。また、この実施形態における取付台145には、移動規制部材143に立設された一対のピン144が係合する一対の案内孔150が形成されている。さらに、この実施形態における取付台145には、上述した実施形態と同様のロック用ピン142と係合する孔部149が形成されている。この孔部149は、移動規制部材143の平行移動方向を向く第1の直線部149aと、この第1の直線部149aに連結する、第1の直線部149と直交する方向を向く第2の直線部149bとが形成されている。
【0034】
この実施形態においては、ロック用ピン142を操作することにより、移動規制部材143を一対のバネ146による付勢力に抗して図11に示す右方向に平行移動させるとともに、上述した実施形態同様、固定部材52をバネ54による付勢力に抗して軸53を中心として反時計回り方向に揺動させて離隔位置に移動させた状態とすることにより、踏み台30を天板13に装着し、あるいは、天板13から取り外すことが可能となる。
【0035】
踏み台30を天板13に装着するときには、上述した実施形態同様、固定部材52を軸53を中心として時計回り方向に揺動させて係合位置に移動させる。これにより、図5および図6に示すように、固定部材52の先端に配設されたピン51が天板13に形成された固定用凹部14に係合することにより、踏み台30を天板13に固定することが可能となる。
【0036】
この状態において、ロック用ピン142を操作することにより、移動規制部材143を図11に示す左方向に揺動させて規制位置に移動させる。これにより、固定部材52が離隔位置に移動したときに配置されるべき領域に、移動規制部材143が配置されることになる。このため、規制位置に配置された移動規制部材143の作用により、係合位置に配置された固定部材52が、この係合位置から離隔位置へ移動することを規制することが可能となる。
【0037】
さらにこの状態において、ロック用ピン142を図11に示す状態から下方に移動させる。すなわち、孔部149と係合するロック用ピン142を、移動規制部材143の平行移動方向を向く第1の直線部149aと第1の直線部149aと直交する方向を向く第2の直線部149bとの交点部分から第2の直線部149bの下端部に移動させる。これにより、移動規制部材143の平行移動動作が規制され、移動規制部材143は規制位置で固定される。これに伴って、係合位置に配置された固定部材52が離隔位置へ移動することを規制することが可能となる。
【0038】
一方、踏み台30を天板13から取り外すときには、ロック用ピン142を上方に移動させる。これにより、ロック用ピン42は、第2の直線部49bの下端部から、第1の直線部149aと第2の直線部149bとの交点部分に移動する。これにより、移動規制部材143を右方向に平行移動させて退避位置に移動させることが可能となる。そして、固定部材52を軸53を中心として反時計回り方向に揺動させて離隔位置に移動させた状態とすることにより、ピン51と天板13に形成された固定用凹部14との係合関係が解除され、踏み台30を天板13から取り外すことが可能となる。
【0039】
なお、ロック用ピン142が第1の直線部149と係合した状態においては、ロック用ピン142を下方に移動させようとしても、これを下方に移動させることは不可能となっている。すなわち、固定部材52が係合位置に移動してピン51と天板13に形成された固定用凹部14とが係合し、かつ、移動規制部材143が規制位置に移動して固定部材52の揺動が規制されている状態とならないと、ロック用ピン142がロックのための位置に移動することができない構成となっている。このため、ロック用ピン142が下降した状態にあるときには、踏み台30が確実に天板13に固定されているということになり、踏み台30の固定状況を確実に認識することが可能となる。
【0040】
なお、上述した実施形態においては、X線撮影に使用するアクセサリーとして、被検者が起立する踏み台にこの発明を適用しているが、被検者が座着する撮影架台にこの発明を適用してもよい。また、天板13に着脱自在に固定されるその他のアクセサリーにこの発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0041】
11 X線管
12 フラットパネルディテクタ
13 天板
14 固定用凹部
15 スライドアーム
16 回転機構
17 主支柱
18 ベースプレート
30 踏み台
31 踏み板
40 装着部
41 ケーシング
42 ロック用ピン
43 移動規制部材
44 軸
45 取付台
46 バネ
48 スライド孔
49 孔部
49a 曲線部
49b 直線部
51 ピン
52 固定部材
53 軸
54 バネ
142 ロック用ピン
143 移動規制部材
144 ピン
145 取付台
146 バネ
149 孔部
149a 第1の曲線部
149b 第2の直線部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線撮影装置における天板に、X線撮影に使用するアクセサリーを装着するためのアクセサリー装着装置であって、
前記天板に形成された固定用凹部と係合可能なピンを備え、前記ピンが前記固定用凹部と係合する係合位置と、前記ピンが前記固定用凹部から離隔する離隔位置との間を移動可能な固定部材と、
前記係合位置に配置された前記固定部材が当該係合位置から前記離隔位置へ移動することを規制する規制位置と、前記固定部材が前記係合位置と前記離隔位置との間で移動することを許容する退避位置との間を移動可能な移動規制部材と、
前記移動規制部材が前記規制位置に配置された状態において、前記移動規制部材の移動を防止するロック機構と、
を備えたことを特徴とするアクセサリー装着装置。
【請求項2】
請求項1に記載のアクサセリー装着装置において、
前記固定部材は、前記係合位置と前記離隔位置との間を揺動可能な構成を有し、第1のバネにより前記係合位置方向に向けて付勢されるとともに、
前記移動規制部材は、前記固定部材が離隔位置に移動したときに前記固定部材が配置される領域と重複する規制位置と、前記固定部材が離隔位置に移動したときに前記固定部材が配置される領域から離隔した領域である退避位置との間を揺動可能な構成を有し、第2のバネにより前記規制位置に向けて付勢されているアクセサリー装着装置。
【請求項3】
請求項2に記載のアクサセリー装着装置において、
前記ロック機構は、
前記移動規制部材の揺動動作に対応する曲率を有する曲線部と、前記曲線部に連結する直線部とを有する孔部が形成された取付台と、
前記移動規制部材に対して移動可能に配設され、前記孔部に係合した状態で前記孔部における曲線部と直線部の連結部内の位置と前記直線部内の位置との間を移動可能なロック用ピンと、
を備えるアクセサリー装着装置。
【請求項4】
請求項1に記載のアクサセリー装着装置において、
前記固定部材は、前記係合位置と前記離隔位置との間を揺動可能な構成を有し、第1のバネにより前記係合位置方向に向けて付勢されるとともに、
前記移動規制部材は、前記固定部材が離隔位置に移動したときに前記固定部材が配置される領域と重複する規制位置と、前記固定部材が離隔位置に移動したときに前記固定部材が配置される領域から離隔した領域である退避位置との間を平行移動可能な構成を有し、第2のバネにより前記規制位置に向けて付勢されているアクセサリー装着装置。
【請求項5】
請求項4に記載のアクサセリー装着装置において、
前記ロック機構は、
前記移動規制部材の平行移動方向を向く第1の直線部と、前記第1の直線部に連結する前記第1の直線部とは異なる方向を向く第2の直線部とを有する孔部が形成された取付台と、
前記移動規制部材に対して移動可能に配設され、前記孔部に係合した状態で前記孔部における第1の直線部と第2の直線部の連結部内の位置と前記第2の直線部内の位置との間を移動可能なロック用ピンと、
を備えるアクセサリー装着装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載のアクサセリー装着装置において、
前記アクセサリーは、被検者が起立する踏み台または被検者が座着する撮影架台であるアクセサリー装着装置。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれかに記載のアクセサリー装着装置が、前記天板の左右両端に対応する位置に一対配設されたアクセサリー。
【請求項1】
X線撮影装置における天板に、X線撮影に使用するアクセサリーを装着するためのアクセサリー装着装置であって、
前記天板に形成された固定用凹部と係合可能なピンを備え、前記ピンが前記固定用凹部と係合する係合位置と、前記ピンが前記固定用凹部から離隔する離隔位置との間を移動可能な固定部材と、
前記係合位置に配置された前記固定部材が当該係合位置から前記離隔位置へ移動することを規制する規制位置と、前記固定部材が前記係合位置と前記離隔位置との間で移動することを許容する退避位置との間を移動可能な移動規制部材と、
前記移動規制部材が前記規制位置に配置された状態において、前記移動規制部材の移動を防止するロック機構と、
を備えたことを特徴とするアクセサリー装着装置。
【請求項2】
請求項1に記載のアクサセリー装着装置において、
前記固定部材は、前記係合位置と前記離隔位置との間を揺動可能な構成を有し、第1のバネにより前記係合位置方向に向けて付勢されるとともに、
前記移動規制部材は、前記固定部材が離隔位置に移動したときに前記固定部材が配置される領域と重複する規制位置と、前記固定部材が離隔位置に移動したときに前記固定部材が配置される領域から離隔した領域である退避位置との間を揺動可能な構成を有し、第2のバネにより前記規制位置に向けて付勢されているアクセサリー装着装置。
【請求項3】
請求項2に記載のアクサセリー装着装置において、
前記ロック機構は、
前記移動規制部材の揺動動作に対応する曲率を有する曲線部と、前記曲線部に連結する直線部とを有する孔部が形成された取付台と、
前記移動規制部材に対して移動可能に配設され、前記孔部に係合した状態で前記孔部における曲線部と直線部の連結部内の位置と前記直線部内の位置との間を移動可能なロック用ピンと、
を備えるアクセサリー装着装置。
【請求項4】
請求項1に記載のアクサセリー装着装置において、
前記固定部材は、前記係合位置と前記離隔位置との間を揺動可能な構成を有し、第1のバネにより前記係合位置方向に向けて付勢されるとともに、
前記移動規制部材は、前記固定部材が離隔位置に移動したときに前記固定部材が配置される領域と重複する規制位置と、前記固定部材が離隔位置に移動したときに前記固定部材が配置される領域から離隔した領域である退避位置との間を平行移動可能な構成を有し、第2のバネにより前記規制位置に向けて付勢されているアクセサリー装着装置。
【請求項5】
請求項4に記載のアクサセリー装着装置において、
前記ロック機構は、
前記移動規制部材の平行移動方向を向く第1の直線部と、前記第1の直線部に連結する前記第1の直線部とは異なる方向を向く第2の直線部とを有する孔部が形成された取付台と、
前記移動規制部材に対して移動可能に配設され、前記孔部に係合した状態で前記孔部における第1の直線部と第2の直線部の連結部内の位置と前記第2の直線部内の位置との間を移動可能なロック用ピンと、
を備えるアクセサリー装着装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載のアクサセリー装着装置において、
前記アクセサリーは、被検者が起立する踏み台または被検者が座着する撮影架台であるアクセサリー装着装置。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれかに記載のアクセサリー装着装置が、前記天板の左右両端に対応する位置に一対配設されたアクセサリー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−27543(P2013−27543A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165438(P2011−165438)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】
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