説明

アクセス元把握装置及びアクセス元把握方法

【課題】ウェブサイトのマーケティング、とりわけアクセス元の解析を自動化して実行するプログラムを提供する。
【解決手段】アクセスログ情報を取得し、それに基づいてアクセス元のホスト名を抽出し、URLに変換し、自動的にアクセスしてトップページの情報を取得して、タイトル文字列を取得し、それを前記ドメイン名と対応させて保存する。アクセスログ情報に基づいてアクセス元のホスト名を抽出し、ドメイン名を抽出し、対応する組織名をあらかじめ用意されたドメイン名組織名対応表を参照して取得し、アクセスログ情報からリクエストページのURLを取得し、リンク元が検索エンジンか否かを判断して、リンク元を検索エンジンであると判断した場合に、データのリファラから検索キーワードを取得し、組織名と検索キーワード及び閲覧ページのクロス集計を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェブサイトにアクセスしてくるユーザのアクセス元を把握する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェブサイトの解析をサービスとして提供し、コンサルタント業務を行う業者は従来からある。
【0003】
しかし、自動的にそれを実行するプログラムで有益なものが少ない。
【特許文献1】特開2004−070677号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ウェブサイトのマーケティング、とりわけアクセス元の解析を自動化して実行するプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のアクセス元把握装置は、インターネット上に存在し、ウェブサイトを解析してアクセス元に関する情報を把握するアクセス元把握装置であって、アクセスログ情報を取得するアクセスログ情報取得手段と、該アクセスログ情報取得手段が取得した情報に基づいてアクセス元のホスト名を抽出するアクセス元ホスト名抽出手段と、該アクセス元ホスト名抽出手段が抽出したホスト名からドメイン名を抽出し,URLに変換するホスト名URL変換手段と、該ホスト名URL変換手段が変換したURLに自動的にアクセスしてトップページの情報を取得するトップページ情報取得手段と、該トップページ情報取得手段が取得した情報からタイトル文字列を取得するタイトル文字列取得手段と、該タイトル文字列取得手段が取得した文字列を前記ドメイン名と対応させて保存するドメイン名組織名対応表保存手段とを有するものである。
【0006】
請求項2に記載した発明は、インターネット上に存在し、ウェブサイトを解析してアクセス元に関する情報を把握するアクセス元把握装置であって、アクセスログ情報を取得するアクセスログ情報取得手段と、該アクセスログ情報取得手段が取得した情報に基づいてアクセス元のホスト名を抽出するアクセス元ホスト名抽出手段と、該アクセス元ホスト名抽出手段が抽出したホスト名からドメイン名を抽出するドメイン名抽出手段と、該ドメイン名抽出手段が抽出したドメイン名に対応する組織名をあらかじめ用意されたドメイン名組織名対応表を参照して取得する組織名取得手段と、前記アクセスログ情報からリクエストページのURLを取得し、リンク元が検索エンジンか否かを判断するリンク元判断手段と、該リンク元判断手段がリンク元を検索エンジンであると判断した場合に、データのリファラから検索キーワードを取得する検索キーワード取得手段と、組織名と検索キーワード及び閲覧ページのクロス集計を実行するクロス集計実行手段とを有する。
【0007】
本発明のアクセス元把握方法は、インターネット上に存在し、ウェブサイトを解析してアクセス元に関する情報を把握するアクセス元把握装置のアクセス元把握方法であって、アクセスログ情報を取得するアクセスログ情報取得ステップと、該アクセスログ情報取得ステップで取得した情報に基づいてアクセス元のホスト名を抽出するアクセス元ホスト名抽出ステップと、該アクセス元ホスト名抽出ステップで抽出したホスト名からドメイン名を抽出し,URLに変換するホスト名URL変換ステップと、該ホスト名URL変換ステップで変換したURLに自動的にアクセスしてトップページの情報を取得するトップページ情報取得ステップと、該トップページ情報取得ステップで取得した情報からタイトル文字列を取得するタイトル文字列取得ステップと、該タイトル文字列取得ステップで取得した文字列を前記ドメイン名と対応させて保存するドメイン名組織名対応表保存ステップとを有する。
【0008】
請求項4に記載した発明は、インターネット上に存在し、ウェブサイトを解析してアクセス元に関する情報を把握するアクセス元把握装置のアクセス元把握方法であって、アクセスログ情報を取得するアクセスログ情報取得ステップと、該アクセスログ情報取得ステップで取得した情報に基づいてアクセス元のホスト名を抽出するアクセス元ホスト名抽出ステップと、該アクセス元ホスト名抽出ステップで抽出したホスト名からドメイン名を抽出するドメイン名抽出ステップと、該ドメイン名抽出ステップで抽出したドメイン名に対応する組織名をあらかじめ用意されたドメイン名組織名対応表を参照して取得する組織名取得ステップと、前記アクセスログ情報からリクエストページのURLを取得し、リンク元が検索エンジンか否かを判断するリンク元判断ステップと、該リンク元判断ステップでリンク元を検索エンジンであると判断した場合に、データのリファラから検索キーワードを取得する検索キーワード取得ステップと、組織名と検索キーワード及び閲覧ページのクロス集計を実行するクロス集計実行ステップとを有する。
【発明の効果】
【0009】
ウェブサイトのマーケティングを自動化して実行できる点に本発明の利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図10は、本発明のハードウェア構成を示す図である。今、サーバ10に診断対象となるウェブサイトが置かれているものとする。本発明に係るアクセス元把握装置は、サーバ20が、必要なコンピュータプログラムを読み込んでその機能を実現するものである。サーバ10に置かれているウェブサイトには、多数のユーザが端末コンピュータ101,102,103,104などからアクセスするが、そのアクセスは一般には、図示を省略したホストコンピュータを介してなされる。本発明におけるアクセス元把握装置は、サーバ20が、サーバ10にあるアクセスログ情報を入手して、それを解析することにより、アクセス元を把握するものである。
【0011】
図1は、アクセス元の組織名を把握するプログラムのフローチャートである。スタートすると(ステップ500)、まず当該診断すべきサイトのアクセスログ情報を取得し、入力する(ステップ510)。そして、そのアクセスログ情報からアクセス元のコンピュータのホストコンピュータ名を抽出する(ステップ520)。一般にホストコンピュータを有する企業がそのホスト名から類推されるURLでウェブサイトを有する場合が多くある。そのことに基づいて、ホスト名からドメイン名を抽出し、URLに変換する(ステップ530)。そして、その各々のURLに自動的にアクセスして、トップページの情報を自動的に収集し、取得する(ステップ540)。トップページがあれば(ステップ550でYESなら)、そのページのタイトルの文字列を取得し(ステップ560)、取得できれば(ステップ570でOK)ドメイン名と文字列とを保存する(ステップ580)。ステップ550でトップページがなかった場合、又はステップ570で文字列が取得できなかった場合はエラーを記録する(ステップ610)。これらの処理をアクセスログ情報のすべてについて繰り返して行う(ステップ590、ステップ600を経て、ステップ520へ)。すべてのアクセスログ情報についての処理が終わったら終わる(ステップ620)。取得した組織名はドメイン名と対応させた表として蓄積され、検索される形で保存される。
【0012】
図2は、アクセス元の組織名を有効活用するプログラムのフローチャートである。スタートすると(ステップ700)、まずログからデータを入力する(ステップ710)。当該データからアクセス元のホスト名を抽出する(ステップ720)。ホスト名からドメイン名を抽出し(ステップ730)、ドメイン名と組織名の対応表に抽出したドメイン名があれば(ステップ740でYES)、組織名を取得し(ステップ750)、 データからリクエスト(閲覧)ページのURLを取得し(ステップ760)、リンク元が検索エンジンなら(ステップ770でYES)、データのリファラから検索キーワードを取得する(ステップ780)。アクセスログ情報のすべてについてこれらの処理を繰り返す(ステップ790からステップ800を経てステップ720へ)。すべての情報についての処理が終わったら、組織名と検索キーワード・閲覧ページのクロス集計を実行して(ステップ810)、終わる(ステップ820)。このプログラムにより、どのような組織から、どのようなキーワードで当該ウェブサイト(診断対象となるウェブサイト)に訪問し、どのようなページを閲覧しているかを把握できる。
【0013】
図3は、ドメイン名・組織名の対応表の整備を実行するプログラムのフローチャートである。図1のプログラムにより自動的に作成されたドメイン名と組織名の対応表は、当該診断対象のウェブサイトの運営者が診断結果を得る際に、修正を加えて利用したいと欲する場合があることに鑑みて、カスタマイズできるようにしたプログラムである。スタートすると(ステップ900)、取得したドメイン名と文字列を対応させて表示する(ステップ910)、データの文字列がドメイン名に対応した組織名となっているかどうかをウェブサイト管理者が判断して、対応してないと判断すると(ステップ920でNO)、文字列を該当する組織名に変更して(ステップ930)、対応表に保存する(ステップ940)。変更したいデータがなくなるまでこの処理を繰り返す(ステップ950でYESならば、ステップ960を経てステップ920へ)。すべての変更が終わればプログラムを終了する(ステップ970)。
【0014】
図4は、このプログラムの画面遷移を示す図である。本プログラムをインターネットを介してユーザに利用させるプログラムとして提供する場合には、わかりやすいデザインと画面構成をする必要がある。このプログラムの画面は主に、メイン画面と詳細画面からなる。そして、さらに、このプログラムのユーザがドメイン名を自ら登録又は修正することを可能とするための画面、及びカテゴリー登録や修正を行う画面をもっている。ここで、カテゴリーとは、アクセス元の組織を分類するためのものであり、競合、パートナー、見込み客、顧客、その他、などの分類が考えられる。アクセス元である各企業がどのカテゴリーに属するものであるかは、定期的に見直され、登録、修正がなされるべきである。
【0015】
図5は、メイン画面のハードコピーである。図1又は図2のプログラムを実行した結果得た集計結果が表及びグラフの形で視覚的に表示される。一ヶ月又は一週間という単位で定期的なレポートを継続的なこのプログラムの利用者に対して送付することもできるし、一時的なユーザに対してその要求に応じて集計して結果を表示することも可能である。
【0016】
図6は、カテゴリー別にサイト解析したグラフの例である。この例では、半年にわたるアクセス元解析結果をカテゴリー別に示してある。
【0017】
図7は、ドメインランク表のハードコピーである。所定期間内の組織ごとのアクセス数をその多い順にランキングして表示することが可能である。
【0018】
図8は、ドメイン設定画面のハードコピーである。図1に示したプログラムを実行すれば、自動的にホストコンピュータ名から対応する組織のウェブサイトのURLを取得し、そのサイトのトップページのタイトルから組織名を取得できる。たとえば、ホストコンピュータ名のなかの「cs」を「www」に置き換えれば、そのままウェブサイトのURLになるといったように、ホストコンピュータ名の前半部分を「www」に置き換えたり、ドメイン名に「www」を付加すれば、ウェブサイトのURLになる場合が多いからである。そのようにして得たドメイン名と組織名との対応表が、このプログラムのユーザ、すなわち解析、診断を欲するサイトの運営者の目から見て適切でない場合には、図8に示すドメイン設定画面から修正が可能となっている。
【0019】
図9は、詳細画面のハードコピーである。図1及び図2に示したプログラムにより得られた集計結果をそれぞれのアクセス元について表示している。すなわち、当該アクセス元のアクセスランク、カテゴリー、アクセス数、ユニークアクセス数、検索エンジンを介してきた場合の検索キーワードランク表、リンク元順、などが表示されている。
【産業上の利用可能性】
【0020】
サーバ自身の機能として働くのみならず、端末コンピュータからの要求に答えて働いて機能を提供する用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】アクセス元の組織名を把握するプログラムのフローチャートである。
【図2】アクセス元の組織名を有効活用するプログラムのフローチャートである。
【図3】ドメイン名・組織名の対応表の整備を実行するプログラムのフローチャートである。
【図4】画面遷移を表した図である。
【図5】メイン画面のハードコピーである。
【図6】カテゴリー別にサイト解析したグラフの例である。
【図7】ドメインランク表のハードコピーである。
【図8】ドメイン設定画面のハードコピーである。
【図9】詳細画面のハードコピーである。
【図10】本発明のハードウェア構成を示す図である。
【符号の説明】
【0022】
10,20 サーバ
101,102,103,104 端末コンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネット上に存在し、ウェブサイトを解析してアクセス元に関する情報を把握するアクセス元把握装置であって、
アクセスログ情報を取得するアクセスログ情報取得手段と、
該アクセスログ情報取得手段が取得した情報に基づいてアクセス元のホスト名を抽出するアクセス元ホスト名抽出手段と、
該アクセス元ホスト名抽出手段が抽出したホスト名からドメイン名を抽出し,URLに変換するホスト名URL変換手段と、
該ホスト名URL変換手段が変換したURLに自動的にアクセスしてトップページの情報を取得するトップページ情報取得手段と、
該トップページ情報取得手段が取得した情報からタイトル文字列を取得するタイトル文字列取得手段と、
該タイトル文字列取得手段が取得した文字列を前記ドメイン名と対応させて保存するドメイン名組織名対応表保存手段と
を有するアクセス元把握装置。
【請求項2】
インターネット上に存在し、ウェブサイトを解析してアクセス元に関する情報を把握するアクセス元把握装置であって、
アクセスログ情報を取得するアクセスログ情報取得手段と、
該アクセスログ情報取得手段が取得した情報に基づいてアクセス元のホスト名を抽出するアクセス元ホスト名抽出手段と、
該アクセス元ホスト名抽出手段が抽出したホスト名からドメイン名を抽出するドメイン名抽出手段と
該ドメイン名抽出手段が抽出したドメイン名に対応する組織名をあらかじめ用意されたドメイン名組織名対応表を参照して取得する組織名取得手段と、
前記アクセスログ情報からリクエストページのURLを取得し、リンク元が検索エンジンか否かを判断するリンク元判断手段と、
該リンク元判断手段がリンク元を検索エンジンであると判断した場合に、データのリファラから検索キーワードを取得する検索キーワード取得手段と、
組織名と検索キーワード及び閲覧ページのクロス集計を実行するクロス集計実行手段と
を有するアクセス元把握装置。
【請求項3】
インターネット上に存在し、ウェブサイトを解析してアクセス元に関する情報を把握するアクセス元把握装置のアクセス元把握方法であって、
アクセスログ情報を取得するアクセスログ情報取得ステップと、
該アクセスログ情報取得ステップで取得した情報に基づいてアクセス元のホスト名を抽出するアクセス元ホスト名抽出ステップと、
該アクセス元ホスト名抽出ステップで抽出したホスト名からドメイン名を抽出し,URLに変換するホスト名URL変換ステップと
該ホスト名URL変換ステップで変換したURLに自動的にアクセスしてトップページの情報を取得するトップページ情報取得ステップと、
該トップページ情報取得ステップで取得した情報からタイトル文字列を取得するタイトル文字列取得ステップと、
該タイトル文字列取得ステップで取得した文字列を前記ドメイン名と対応させて保存するドメイン名組織名対応表保存ステップと
を有するアクセス元把握方法。
【請求項4】
インターネット上に存在し、ウェブサイトを解析してアクセス元に関する情報を把握するアクセス元把握装置のアクセス元把握方法であって、
アクセスログ情報を取得するアクセスログ情報取得ステップと、
該アクセスログ情報取得ステップで取得した情報に基づいてアクセス元のホスト名を抽出するアクセス元ホスト名抽出ステップと、
該アクセス元ホスト名抽出ステップで抽出したホスト名からドメイン名を抽出するドメイン名抽出ステップと
該ドメイン名抽出ステップで抽出したドメイン名に対応する組織名をあらかじめ用意されたドメイン名組織名対応表を参照して取得する組織名取得ステップと、
前記アクセスログ情報からリクエストページのURLを取得し、リンク元が検索エンジンか否かを判断するリンク元判断ステップと、
該リンク元判断ステップでリンク元を検索エンジンであると判断した場合に、データのリファラから検索キーワードを取得する検索キーワード取得ステップと、
組織名と検索キーワード及び閲覧ページのクロス集計を実行するクロス集計実行ステップと
を有するアクセス元把握方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−185279(P2006−185279A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−379553(P2004−379553)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(300064102)株式会社環 (7)