説明

アクセス制御システム

【課題】時間とその時間におけるユーザの状況に応じて、ユーザに負担をかけることなく、ユーザのコンテンツへのアクセス制限を動的に設定変更することができるコンテンツアクセス制御システムを提供することにある。
【解決手段】時間と前記時間におけるユーザの属性情報を記憶する属性情報記憶手段と、コンテンツにアクセスできるアクセス制御を行うための、コンテンツに対応付けられた時間とその時間におけるコンテンツの属性情報と、属性情報記憶手段に記憶された時間とユーザの属性情報とを比較した結果に基づいて、コンテンツにアクセスできるユーザのアクセス権の設定を動的に変更するアクセス権制御手段とを備えるコンテンツアクセス制御システムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツに対するユーザのアクセスを制御するアクセス制御システムに関する。特に、コンテンツの内容をユーザに視認可能にするか否かを、時間とその時間におけるユーザの感情情報などの属性情報に基づいて決定する、アクセス制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、各企業が新製品などを紹介・展示する展示会の参加者に対して、次回の展示会の案内に関する情報を送信し、あるいは、展示会の自社の展示ブースに来場した参加者に対して、今後予定されている展示会の案内に関する情報などを送信することが行われている。近年では、ネットワークを介して、参加者が保有するコンピュータと企業のコンテンツサーバとの間で、これらに関するコンテンツを配信することも可能となった。
【0003】
しかしながら、実際に展示会に参加したのか、あるいは、参加登録のみをおこなったのかを判断することは困難であることから、展示会に実際に参加した参加者のみにコンテンツに対するアクセスを可能とするために、位置または地域情報に基づいて、コンテンツに対するアクセス制御を実現するアクセス制御システムが提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2006−85718
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述のシステムでは、ユーザの現時点における位置または地域情報に基づいて
、ユーザのコンテンツに対するアクセス制御を実現することから、ユーザが移動することによりコンテンツにアクセス出来なくなる。また、実際に展示会に参加した参加者の中で、自社に関して好意的な印象を抱いたユーザにのみに、コンテンツに対するアクセスを可能とすることも出来ないため、コンテンツなどの情報提供者側の肌理細やかな要求に対応できるシステムではなかった。
【0006】
また、ユーザの位置または地域情報は時々刻々変化するため、情報提供者がユーザを特定して、コンテンツにアクセス可能な位置情報などを設定変更することは、非常に煩雑な操作と手間とを必要とし、一方、コンテンツにアクセスするために、ユーザがコンテンツにアクセス可能な地域に移動することは、現実的ではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、時間とその時間のユーザの属性情報に応じて、ユーザのコンテンツへのアクセス制限を動的に設定変更することができるアクセス制御システムを提供することにある。また、ユーザに負担をかけることなく、展示会などに実際に参加した人のみがコンテンツにアクセスできるアクセス制御システムを提供することにある。さらに、実際に参加した参加者の中で、自社に関して好意的な印象を抱いたユーザにのみが、コンテンツにアクセスできるアクセス制御システムを提供することにある。
【0008】
以上の目的を達成するために、本発明に係るアクセス制御システムにおいては、
時間と前記時間におけるユーザの属性情報とを記憶する属性情報記憶手段と、
コンテンツにアクセスできるアクセス制御を行うための、前記コンテンツに対応付けられた時間と前記時間におけるコンテンツの属性情報と、前記属性情報記憶手段に記憶された時間とユーザの属性情報とを比較した結果に基づいて、前記コンテンツにアクセスできるユーザのアクセス権の設定を動的に変更するアクセス権制御手段とを備える、
ことを特徴とする。
【0009】
上述した発明によれば、アクセス権制御手段により、時間とその時間におけるユーザの属性情報とを比較した結果に基づいて、コンテンツにアクセスできるユーザのアクセス権の設定を動的に変更することができる。
【0010】
従って、所定の「時間とその時間におけるユーザの属性情報」に合致するユーザのみに、コンテンツをアクセスさせることができる。この結果、ユーザにアクセス権の設定を変更させる負担を課すことなく、所定の「時間とその時間におけるユーザの属性情報」に合致するユーザのみに、コンテンツへのアクセスを可能にさせ、コンテンツの配信を行うことができる。
【0011】
さらに、「時間とその時間におけるユーザの属性情報」に合致するユーザのみに、コンテンツへのアクセスを可能にさせ、コンテンツの配信を可能とすることから、アクセス制御システムを有するコンテンツ提供者の肌理細やかな対応を実行することができる。
【0012】
ここで、「コンテンツ」とは、コンテンツを表示・閲覧するための手段、例えば、Webブラウザ上に表示される展示会情報等の文字列情報、画像情報あるいは動画情報などをいう。
【0013】
「アクセス権」とは、ユーザに関連付けられた権利であって、時間とその時間におけるユーザの属性情報に基づいて、コンテンツの内容(例えば、展示会情報等の文字列情報)を視認可能にするか否かを決定した、コンテンツの内容にユーザがアクセスできる権利をいう。
【0014】
なお、本願明細書において、アクセス権の設定を「動的に変更する」とは、コンテンツに対応付けられた時間と属性情報と、前記属性情報記憶手段に記憶された時間とユーザの属性情報とを比較した結果に基づいて、アクセス権の設定を自動的に変更することをいう。
【0015】
本発明に係るアクセス制御システムとして、
前記属性情報は、位置情報と、感情情報と、滞在時間情報とから、少なくとも1つの情報を含み、
前記ユーザの属性情報を構成する状況データを前記属性情報記憶手段に送信する端末をさらに備え、
前記端末は、
時刻を計測する時刻計測手段と、
自身を保有する使用者の生体情報と、前記生体情報から推定される感情情報と、自身の位置情報と、所定の位置での滞在時間情報とから、少なくとも1つの情報を含む状況データを取得する状況データ取得手段と、
使用者を識別するための使用者識別情報と、前記状況データ取得手段により取得された前記状況データと、前記時刻計測手段により計測された前記時刻とを、前記属性情報記憶手段に送信する端末側送信手段とを備える、
ことが好ましい。
【0016】
上述した発明によれば、端末使用者の生体情報等の状況データを反映させたユーザの属性情報に基づくアクセス権の設定を変更することができる。従って、端末使用者の状況データと連動したアクセス権の設定変更ができる。
【0017】
ここで、「端末」とは、属性情報記憶手段に記憶される「ユーザの属性情報」を構成する状況データを属性情報記憶手段に送信する手段をいう。なお、状況データを送信する端末と、表示手段を備えたもの、例えばPC端末とは、別体のものに限られず、一体化されたものも好ましい。
【0018】
また、本発明に係るコンテンツアクセス制御システムとして、アクセス権制御手段は、ユーザがコンテンツの内容にアクセスしようとするときに、アクセス権の設定を変更することが好ましい。
【0019】
上述した発明によれば、アクセス権の設定の変更の有無に関わらず、常時、アクセス権の設定の変更のための処理を行うことなく、ユーザが認識したコンテンツに対して、そのコンテンツの内容にアクセスしようするタイミングを検知することのみで、アクセス権の設定を変更することができる。従って、処理の負荷が低減でき、メモリ容量の低減、処理の高速化を実現することができる。
【0020】
なお、アクセス権制御手段は、属性情報が変更されたときに、アクセス権の設定を変更する、あるいは、コンテンツの内容が更新されたときに、アクセス権の設定を変更することも好ましい。
【0021】
さらに、本発明に係るコンテンツアクセス制御システムとして、アクセス権制御手段により変更されたアクセス権の設定に基づいて、表示手段に表示されるコンテンツを更新するコンテンツ更新手段をさらに備えることも好ましい。
【0022】
「更新」とは、アクセス権の設定がされていないコンテンツを、アクセス制御システムの表示手段に表示させないように、表示内容を更新することをいう。従って、上述した発明によれば、端末以外のシステム内の構成要素、例えば、コンテンツサーバがコンテンツ更新手段を備える場合、CGI(Common Gateway Interface)により、アクセス権の設定がされていないコンテンツを表示手段に表示させない情報(HTMLファイル)、又は、アクセス権の設定がされていないコンテンツの内容を表示手段に表示させない情報(HTMLファイル)を生成することができるため、表示手段は生成された情報に基づいたコンテンツを表示することができる。
【0023】
一方、表示手段を備える端末がコンテンツ更新手段を備える場合でも、端末側の動的な機能を持たせる仕組みにより、アクセス権の設定がされていないコンテンツを表示手段に表示させない情報、又は、アクセス権の設定がされていないコンテンツの内容を表示手段に表示させない情報を生成することができるため、表示手段は生成された情報に基づいたコンテンツを表示することができる。
【発明の効果】
【0024】
上述した発明によれば、時間とその時間におけるユーザの属性情報とを比較した結果に基づいて、コンテンツにアクセスできるユーザのアクセス権の設定を動的に変更することができる。従って、所定の「時間とその時間におけるユーザの属性情報」に合致するユーザのみに、コンテンツをアクセスさせることができる。この結果、ユーザにアクセス権の設定を変更させる負担を課すことなく、所定の「時間とその時間におけるユーザの属性情報」に合致するユーザのみに、コンテンツへのアクセスを可能にさせ、コンテンツの配信を行うことができる。
【0025】
さらに、「時間とその時間におけるユーザの属性情報」に合致するユーザのみに、コンテンツへのアクセスを可能にさせ、コンテンツの配信を可能とすることから、アクセス制御システムを有するコンテンツ提供者の肌理細やかな対応を実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明に係るアクセス制御システムは、時間とその時間のユーザの属性情報に応じて、ユーザに負担をかけることなく、ユーザのコンテンツへのアクセス制限を動的に設定変更することができるものである。
【0027】
本発明の実施形態に係るアクセス制御システムによれば、例えば、図1に示すように、システムに登録されたA、B、Cの3人において、展示会に出展しているブース1の企業と、ブース2の企業とが、実際に各ブースに来たユーザに対して、あるいは、実際に来たユーザの中で好意的な印象を抱いたユーザに対して、該当するブースの情報であるコンテンツへのアクセスを許可することができる。
【0028】
具体的には、図1(1)に示すように、Aは、「09:00」に「展示会外」で「普通」の感情を抱き、「09:30」に「展示会内」で「良い」感情を、そして、「10:00」に「ブース1」で「悪い」感情を抱いた後、「11:00」に「展示会外」で「普通」の感情を抱いている。一方、Bは、「09:00」に「展示会外」で「普通」の感情を抱き、「09:30」に「展示会内」で「良い」感情を、次いで、「10:00」に「ブース1」で「良い」感情を、そして、「11:00」に「ブース2」で「悪い」感情を抱いた後、「12:00」に「展示会外」で「普通」の感情を抱いている。Cについては、「09:00」〜「12:00」の間、「展示会外」で「普通」の感情を抱いている。
【0029】
図1(2)は、実際に各ブースに来たユーザのみに対して、該当するブースの情報であるコンテンツへのアクセスを許可した図である。従って、Aはブース1とブース2の情報であるコンテンツへ、Bはブース1の情報であるコンテンツへのアクセスできる。一方、図1(3)は、実際に来たユーザの中で好意的な印象を抱いたユーザのみに対して、該当するブースの情報であるコンテンツへのアクセスを許可した図である。従って、Bのみが、ブース1の情報であるコンテンツへのアクセスできる。
【0030】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。第1実施形態では、ユーザがコンテンツにアクセスするごとに、コンテンツに対するアクセス許可があるのか否かを判断する。一方、第2実施形態では、ユーザがコンテンツにアクセスしたときに、各コンテンツに対してユーザ毎にアクセス許可があるのか否かを設定した「アクセスリスト」を参照して、アクセス許可を判断する。
【0031】
<<<<第1実施形態>>>>
第1実施形態に係るアクセス制御システム1を、図2〜図18に基づいて説明する。第1実施形態に係るアクセス制御システム1は、図2に示すように、通信携帯端末10と、コンテンツサーバ40と、ユーザがコンテンツを表示することができる表示機能を備えた端末、例えば、PC端末60とを有する。なお、通信携帯端末10とPC端末60とは別体のものに限られず、通信携帯端末10に表示機能を備えることにより一体化することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0032】
<<<通信携帯端末10の構成>>>
図2に示すように、通信携帯端末10には、プログラムや各種情報を記憶したハードディスク21と、通信携帯端末10全体の制御を行なうCPU22と、データを一時的に記憶するRAM23と、通信携帯端末10を制御するプログラムを記憶したROM24とが内蔵されている。そして、CPU22には、後述するコンテンツサーバ40と信号の送受信を可能にするインターフェース回路25と、タイマ26と、ディスプレイ27とが接続されている。
【0033】
さらに、通信携帯端末10には、心拍センサ28と、温度センサ29と、発汗量センサ30と、位置センサ31などが接続されている。心拍センサ28は、通信携帯端末10の表面に設けられた圧力センサであり、血流の圧力を計測して触れている人の心拍(脈拍数)を計測する。温度センサ29は、白金測温抵抗体、サーミスタ、熱電対などを用いた温度センサであり、端末10に触れている手のひらや指の温度を計測する。発汗量センサ30は、通信携帯端末10に触れている者の発汗量を計測する。また、通信携帯端末10には、GPS(Global Positioning System)を利用して現在位置を検出する位置センサ31を備えている。
【0034】
<<<コンテンツサーバ40>>>
コンテンツサーバ40には、通信携帯端末10やPC端末60からの信号の送受信を可能にする送受信部51と、コンテンツが更新されたか否かを判定する更新判定部52と、更新判定部52によりコンテンツが更新されたと判定されたときに、更新内容をコンテンツデータベース58に記憶する更新記憶部53と、更新されたコンテンツを解析する更新データ解析部54と、すべてのコンテンツに対して、時間及びその時間におけるコンテンツの属性情報を、抽出属性情報(アクセス許可リスト)として抽出する抽出情報記憶部55と、ユーザに対して、時間及びその時間におけるユーザの属性情報を状況管理テーブルとして記憶するユーザ情報記憶部56と、コンテンツに対するユーザのアクセス権の設定変更を行うアクセス制御部57と、HTML文書や画像などのコンテンツデータを記憶するコンテンツデータベース58とを有する。
【0035】
すなわち、コンテンツサーバ40は、更新判定部52によりコンテンツが更新されたと判別されると、更新記憶部53により更新されたコンテンツがコンテンツデータベース58に記憶されるとともに、更新されたコンテンツに対して、抽出属性情報を抽出し、アクセス許可リストに追加する。また、通信携帯端末10を使用するユーザに関して、時間及びその時間におけるユーザの属性情報がユーザ情報記憶部56に記憶される。この結果、コンテンツサーバ40は、アクセス制御手段57により、ユーザ情報記憶部56に記憶される「時間及びその時間におけるユーザの属性情報」と、アクセス許可リストとに基づいて、ユーザごとにアクセス権を設定変更することが可能となり、アクセス権が設定されているコンテンツを、ユーザのPC端末60の表示機能を利用することにより表示することができる。
【0036】
<<<コンテンツサーバ40の制御処理>>>
<<メイン処理>>
コンテンツサーバ40のメイン処理を、図3を用いて説明する。第1実施形態に係るアクセス制御システムのコンテンツサーバ40では、ユーザがコンテンツにアクセスするごとに、コンテンツに対するアクセス許可があるのか否かをアクセス権の有無により判断する。具体的には、コンテンツサーバ40のアクセス制御部57においてメイン処理を行わせるプログラムを実行することにより、コンテンツサーバ40の制御処理は実現される。
【0037】
まず、コンテンツサーバ40は、ユーザのコンテンツへのアクセス要求が、PC端末60からコンテンツサーバ40にあるか否かを判断する(ステップS10)。ステップS10において、アクセス要求がない(NO)と判別したときは、ステップS10のアクセス要求の判断処理を繰り返す。一方、アクセス要求がある(YES)と判別したときは、ユーザ情報記憶部56に記憶された「時間及びその時間におけるユーザの属性情報」を、後述する状況管理テーブル(図4)から取得する(ステップS11)。ここで、「ユーザの属性情報」とは、通信携帯端末10の使用者であるユーザの生体情報(例えば、心拍数、体温、発汗量など)、生体情報から推定される感情情報、滞在時間情報、位置情報などの状況データをいう。
【0038】
ステップS11において、ユーザの属性情報を状況管理テーブル(図4)から取得した後、抽出情報記憶部55に記憶されているアクセス許可リスト(図5)を参照し、アクセス要求を行ったユーザが各コンテンツに対してアクセス権が設定されているか否かを判断する(ステップS12)。具体的には、状況管理テーブル(図4)に登録されたユーザ、すなわち、アクセス要求を実行したユーザの属性情報と、アクセス許可リスト(図5)のコンテンツごとに設定された抽出属性情報とを比較し、アクセス権を有するか否かを判断する。
【0039】
ステップS12において、アクセス権の設定判断処理を終了した後、アクセス権が設定されているコンテンツを、ユーザのPC端末60の表示機能を利用することにより表示するためのコンテンツ表示用処理を実行する(ステップS13)。
【0040】
ここで、コンテンツサーバ40が実行するコンテンツ表示用処理(ステップS13)は、コンテンツに対してアクセス要求を行ったユーザが、コンテンツにアクセスできるアクセス権を有するか否かを判断した上で、ユーザのPC端末60の表示機能を利用するコンテンツ表示に関する情報を、PC端末60に送信するものである。ここで、「アクセス権」とは、ユーザに関連付けられた権利であって、時間及びその時間におけるユーザの属性情報に基づいて、コンテンツの内容(例えば、展示会情報等の文字列情報、画像情報、動画情報など)を視認可能にするか否かを決定した、コンテンツの内容にユーザがアクセスできる権利をいう。
【0041】
具体的には、コンテンツサーバ40は、アクセス権が設定されているコンテンツについて、PC端末60の表示機能を利用することにより表示し、一方、アクセス権が設定されていないコンテンツについて、例えば、コンテンツの内容をPC端末60に表示させない情報を、PC端末60に送信する。
【0042】
従って、コンテンツ表示に関する情報を受信したPC端末60は、受信した情報に基づいてコンテンツ表示を実現することができる。なお、ユーザのPC端末60において実行されるコンテンツ表示処理については、図6〜図11を用いて後述する。
【0043】
そして、コンテンツサーバ40の電源がOFFに設定されているか否かを判断する(ステップS14)。電源がOFFに設定されている(YES)と判別したときは、すべての処理を終了し、コンテンツサーバ40のメイン処理を終了する。一方、電源がOFFに設定されていない(NO)と判別したときは、ステップS10に戻り、ステップS10〜S14の処理を繰り返す。
【0044】
<状況管理テーブル>
状況管理テーブルは、ユーザ情報記憶部56に記憶される「時刻及びその時刻におけるユーザの属性情報」から構成されるテーブルである。図4を用いて、状況管理テーブルを説明する。図4に示した状況管理テーブルでは、ユーザIDが100のユーザについて、取得開始時刻が「2006/03/24 09:00」、滞在時間が「00:30」、位置情報が「ブース1」、感情情報が「冷静」として登録されている。さらに、取得開始時刻が「2006/03/24 09:30」、滞在時間が「00:15」、位置情報が「ブース2」、感情情報が「興奮」として登録されている。
【0045】
<アクセス許可リスト>
アクセス許可リストは、抽出情報記憶部55に記憶されるコンテンツに対応付けられた時間及びその時間におけるコンテンツの属性情報(抽出属性情報)から構成されるテーブルリストである。図5を用いて、アクセス許可リストを説明する。図5に示したアクセス許可リストでは、5つのコンテンツ1〜5各々に対して、日時情報、滞在時間情報、位置情報、感情情報が設定されるテーブルリストである。具体的には、コンテンツ1について、日時情報が「2006/03/24 09:00-17:00」、滞在時間情報が「条件無し」、位置情報が「ブース1〜3のどれか」、感情情報が「全ての感情」に設定され、コンテンツ2について、日時情報が「2006/03/24 09:00-17:00」、滞在時間情報が「5分以上」、位置情報が「ブース1」、感情情報が「興奮」に設定され、コンテンツ3について、日時情報が「2006/03/24 09:00-17:00」、滞在時間情報が「30分以上」、位置情報が「ブース2」、感情情報が「全ての感情」に設定され、コンテンツ4について、日時情報が「2006/03/24 09:00-17:00」、滞在時間情報が「5分以上」、位置情報が「ブース2」、感情情報が「興奮」に、コンテンツ5について、日時情報が「2006/03/24 09:00-17:00」、滞在時間情報が「5分以上」、位置情報が「ブース3」、感情情報が「全ての感情」に設定されている。
【0046】
図5に示したアクセス許可リストでは、1つのコンテンツ(例えば、コンテンツID:2)に対して、1つの日時情報(「2006/03/24 09:00-17:00」)と、その日時情報に対応した滞在時間情報(「5分以上」)、位置情報(「ブース1」)並びに感情情報(「興奮」)とが1対1対応で設定されているが、1つのコンテンツに対して、複数の日時情報と、その日時情報に対応した滞在時間情報、位置情報並びに感情情報とを設定することもできる。
【0047】
例えば、図5のコンテンツ2を例にすると、日時情報として、「2006/03/24 09:00-17:00」と「2006/03/24 17:00-19:00」とを設定し、日時情報「2006/03/24 09:00-17:00」における滞在時間情報「5分以上」、位置情報「ブース1」並びに感情情報「興奮」と、さらに、日時情報「2006/03/24 17:00-19:00」における滞在時間情報「10分以上」、位置情報「ブース1」並びに感情情報「興奮」というように、1つのコンテンツに対して、複数の日時情報と、その日時情報に対応した滞在時間情報、位置情報並びに感情情報とを設定することもできる。
【0048】
<<コンテンツ表示処理>>
ユーザのPC端末60において実行されるコンテンツ表示処理を、図6及び図7を用いて説明する。図6は、第1実施形態に係るアクセス制御システムのPC端末において実行されるコンテンツ表示処理を実行するためのフローチャートである。図7は、図6のコンテンツ表示処理を実行したコンテンツ表示例である。
【0049】
なお、本実施形態に係るアクセス制御システムにおいて使用される状況管理テーブル(図4)及びアクセス許可リスト(図5)について、ブース1は「A社」、ブース2は「B社」そしてブース3は「C社」の展示会におけるブースを示す。また、B社のコンテンツ3の内容に含まれる「動画用アイコン」をクリックすると、動画コンテンツであるコンテンツ4が再生表示される。
【0050】
コンテンツ表示処理は、コンテンツサーバ40からPC端末60に送信されるコンテンツ表示用の情報、すなわち、アクセス権が設定されているコンテンツについて、PC端末60の表示機能を利用することによりコンテンツの内容を表示可能にし、一方、アクセス権が設定されていないコンテンツについて、例えば、コンテンツの内容をPC端末60に表示させない情報に基づいて、PC端末60の表示機能を利用してコンテンツを表示するものである。
【0051】
コンテンツ表示処理においては、まず、アクセス要求を実行したユーザが、コンテンツサーバ40のコンテンツ表示用処理(ステップS13)によりPC端末60に送信された情報に基づいて、コンテンツに対してアクセス権を有するか否かを判断する(ステップS20)。
【0052】
ステップS20において、アクセス要求を実行したユーザがコンテンツに対してアクセス権を有する(YES)と判別したときは、アクセス権があるコンテンツの内容を、PC端末60の表示機能を利用することにより表示し(ステップS21)、コンテンツ表示処理を終了する。
【0053】
一方、アクセス要求を実行したユーザがコンテンツに対するアクセス権を有さない(NO)と判別したときは、エラー表示を行い(ステップS22)、コンテンツ表示処理を終了する。
【0054】
従って、コンテンツサーバ40のコンテンツ表示用処理(ステップS13)において、CGI(Common Gateway Interface)により、アクセス権の設定がされていないコンテンツをPC端末60の表示機能を利用して表示させない情報(HTMLファイル)、又は、コンテンツの見出しは表示されるが、アクセス権の設定がされていないコンテンツの内容を表示させない情報(HTMLファイル)を生成することができるため、PC端末60では生成された情報に基づいたコンテンツを表示することができる。
【0055】
ユーザIDが100のユーザがアクセス要求を実行した場合のコンテンツ表示処理を、図7を用いて説明する。状況管理テーブル(図4)に示すように、当該ユーザについては、取得開始時刻が「2006/03/24 09:00」、滞在時間が「00:30」、位置情報が「ブース1」、感情情報が「冷静」として登録され、さらに、取得開始時刻が「2006/03/24 09:30」、滞在時間が「00:15」、位置情報が「ブース2」、感情情報が「興奮」として登録されている。従って、アクセス許可リスト(図5)に設定された抽出属性情報と、時間とその時間における当該ユーザの属性情報とに基づいて、当該ユーザは、コンテンツ1、3及び4に対してアクセス権を有し、コンテンツ2及び5にはアクセス権を有さないことがわかる。
【0056】
図7は、Webページ(コンテンツ1〜3、5)及び動画ファイル(コンテンツ4)を例にして、ユーザIDが100のユーザに対するコンテンツ表示処理(ステップS31〜S32)を実行したコンテンツ表示例である。
【0057】
まず、展示会情報(コンテンツ1)は、「2006/03/24 09:00-17:00」において、「ブース1〜3の何れか」に滞在したユーザにのみにアクセス権が設定される。ユーザIDが100のユーザは、状況管理テーブル(図4)を参照することにより、ブース1及び2に滞在していたことから、コンテンツ1が表示される。
【0058】
コンテンツ1に表示される「A社」のリンクをクリックすると、コンテンツ2にアクセス要求を行う。しかし、日時情報、滞在時間情報そして位置情報の条件は具備するが、感情情報の条件は具備しないことから、コンテンツ2に対するアクセス権を有さないため、コンテンツ2にアクセスすることができず、結果として、「このページを表示する権限がありません」旨のエラーが表示される。なお、「C社」についても同様である。
【0059】
一方、コンテンツ1に表示される「B社」のリンクをクリックすると、コンテンツ3にアクセス要求を行う。ここで、日時情報、滞在時間情報、位置情報、そして、感情情報の条件は具備することから、コンテンツ3に対するアクセス権を有するため、コンテンツ3にアクセスすることができ、コンテンツ3の内容である「B社詳細情報」が表示される。
【0060】
さらに、コンテンツ3の内容である「B社詳細情報」、すなわち、B社Webページ内の「動画のアイコン」をクリックすると、コンテンツ4にアクセス要求を行う。当該ユーザは、コンテンツ4に対して、日時情報、滞在時間情報、位置情報、そして、感情情報の条件は具備することから、コンテンツ4に対するアクセス権を有するため、コンテンツ4にアクセスすることができ、コンテンツ4の内容である動画コンテンツが再生表示される。
【0061】
<コンテンツ表示処理の変形例1>
コンテンツ表示処理の変形例1について、図8及び図9を用いて説明する。図8は、コンテンツ表示処理の変形例1を実行するためのフローチャートである。図9は、図8のコンテンツ表示処理の変形例1を実行したコンテンツ表示例である。
【0062】
変形例1では、図7のコンテンツ表示例とは異なり、アクセス権を有するコンテンツを同時に表示する。すなわち、コンテンツごとに、アクセス権の有無を判断した結果、コンテンツに対するアクセス権を有さないコンテンツは表示しない。さらに、コンテンツ3の内容は「コンテンツ1に表示される「ブース2 B社」というコンテンツ4へのリンクで」あり、コンテンツ4の内容は「B社詳細情報」である。
【0063】
コンテンツ表示処理の変形例1においては、まず、アクセス要求を実行したユーザが、コンテンツサーバ40のコンテンツ表示用処理(ステップS13)によりPC端末60に送信された情報に基づいて、コンテンツに対してアクセス権を有するか否かを判断する(ステップS30)。ステップS30において、アクセス要求を実行したユーザがコンテンツに対してアクセス権を有する(YES)と判別したときは、アクセス権があるコンテンツを、ユーザのPC端末60の表示機能を利用して表示して(ステップS31)、コンテンツ表示処理を終了する。一方、アクセス要求を実行したユーザがコンテンツに対してもアクセス権を有さない(NO)と判別したときは、ユーザのPC端末60の表示機能を利用して、エラーを表示するか、あるいは、何も表示することなく(ステップS32)、コンテンツ表示処理を終了する。
【0064】
図9は、Webページ内のページやフレームをコンテンツとして、ユーザIDが100のユーザに対するコンテンツ表示処理の変形例1(ステップS31〜S32)を実行したコンテンツ表示例である。当該ユーザは、コンテンツ1、3及び4にはアクセス権を有し、コンテンツ2及び5にはアクセス権を有さないことから、展示会情報(コンテンツ1)と、コンテンツ1上のコンテンツ3とが表示される。また、コンテンツ3の内容に含まれる「B社」はコンテンツ4へのリンクであることから、コンテンツ3に表示される「B社」のリンクをクリックすると、コンテンツ4にアクセス要求を行う。当該ユーザは、コンテンツ4に対して、日時情報、滞在時間情報、位置情報、そして、感情情報の条件は具備することから、アクセス権を有するため、コンテンツ4にアクセスすることができ、コンテンツ4の内容である「B社詳細情報」が表示される。
【0065】
<コンテンツ表示処理の変形例2>
コンテンツ表示処理の変形例2について、図10及び図11を用いて説明する。図10は、コンテンツ表示処理の変形例2を実行するためのフローチャートである。図11は、コンテンツ表示処理の変形例2を実行したコンテンツ表示例である。
【0066】
変形例2では、WebページをコンテンツとしてCGIにより作成されたHTMLファイルに従って、コンテンツを表示する。具体的には、コンテンツサーバ40のコンテンツ表示用処理(ステップS13)において、コンテンツ1の内容である「展示会情報」を予めCGIにより作成し、アクセス要求を行ったユーザがコンテンツに対するアクセス権を有する場合のみ、アクセス権を有するコンテンツを表示するHTMLファイルを記述・作成するように設定する。従って、作成されたHTMLファイルを受信したPC端末60は、HTMLファイルに従ってコンテンツを表示する。従って、アクセス権を有さないコンテンツ、すなわち、コンテンツ2及び5は全く表示されない。
【0067】
コンテンツ表示処理の変形例2においては、まず、アクセス要求を実行したユーザが、コンテンツサーバ40のコンテンツ表示用処理(ステップS13)によりPC端末60に送信された情報に基づいて、コンテンツに対してアクセス権を有するか否かを判断する(ステップS40)。ステップS40において、アクセス要求を実行したユーザがコンテンツに対してアクセス権を有する(YES)と判別したときは、アクセス権があるコンテンツを、ユーザのPC端末60の表示機能を利用して表示して(ステップS41)、コンテンツ表示処理を終了する。一方、アクセス要求を実行した登録ユーザがコンテンツに対してアクセス権を有さない(NO)と判別したときは、登録ユーザのPC端末60の表示機能を利用して、エラーを表示するか、あるいは、何も表示することなく(ステップS42)、コンテンツ表示処理を終了する。図11では、アクセス権を有さない場合、何も表示しない例を示した(ステップS42)。
【0068】
図11は、WebページをコンテンツとしてCGIにより作成し、ユーザIDが100のユーザに対するコンテンツ表示処理の変形例2(ステップS41〜S42)を実行したコンテンツ表示例である。
【0069】
当該ユーザは、コンテンツ1、3及び4にはアクセス権を有し、コンテンツ2及び5にはアクセス権を有さないことから、コンテンツサーバ40のコンテンツ表示用処理(ステップS13)において、展示会情報(コンテンツ1)と、コンテンツ1上のコンテンツ3とを内容とするWebページを表示するHTMLファイルを、CGIにより作成する。そして、作成されたHTMLファイルに従い、PC端末60は表示を行う。従って、アクセス権を有さないコンテンツ、すなわち、コンテンツ2及び5は全く表示されない。
【0070】
コンテンツ3の内容に含まれる「B社」はコンテンツ4へのリンクであることから、コンテンツ3に表示される「B社」のリンクをクリックすると、コンテンツ4にアクセス要求を行う。当該ユーザは、コンテンツ4に対して、アクセス権を有するため、コンテンツ4にアクセスすることができ、コンテンツ4の内容である「B社詳細情報」が表示される。
【0071】
<<<通信携帯端末10の制御処理>>>
<<メイン処理>>
通信携帯端末10は、コンテンツサーバ40で実行されるアクセス権の設定変更制御のために、端末使用者であるユーザの生体情報と、生体情報から推定される感情情報と、自身の位置情報と、所定の位置での滞在時間情報とから構成される状況データを、コンテンツサーバ40に送信する装置である。図12を用いて、状況通信装置である通信携帯端末10で実行されるメイン処理を説明する。
【0072】
通信携帯端末10のメイン処理では、まず、処理で使用される変数やフラグなどを初期化する初期化処理を実行する(ステップS100)。そして、通信携帯端末10の心拍センサ28、温度センサ29、発汗量センサ30などのセンサが、起動される(ステップS101)。各センサはそれぞれの計測値を計測すると、直ちにCPU22にその計測値を送信する。ここで、各センサが計測値をCPU21に送信する間隔は、所定間隔( 例えば、5秒間隔)に設定されている。
【0073】
各センサの起動処理(ステップS101)を実行した後、端末使用者センシング処理を起動する(ステップS102)。端末使用者センシング処理は、図13を用いて後述する。
【0074】
端末使用者センシング処理を起動した後(ステップS102)、使用者更新フラグが「1」に設定されているか否かを判断する(ステップS103)。ここで、「使用者更新フラグ」とは、端末10の使用者である登録ユーザの心拍、体温、発汗量などを端末10のセンサにより計測し、計測値が変化した場合は「1」に、計測値が変化しない場合は「0」に設定されるフラグである。使用者更新フラグの初期化と変更は、後述する端末使用者センシング処理(図13)により実行される。
【0075】
使用者更新フラグの判断処理(ステップS103)において、使用者更新フラグが「1」に設定されている(YES)と判別したときは、センサにより計測された計測値が変化したことから、端末使用者状況推論処理を実行する(ステップS104)。端末使用者状況推論処理については、図14を用いて後述する。
【0076】
端末使用者状況推論処理(ステップS104)を実行した後、ユーザの属性情報の一部を構成する状況データとして、状況情報を通信携帯端末10からコンテンツサーバ40に送信する状況情報送信処理を実行し(ステップS105)、ステップS106に進む。なお、状況情報送信処理(ステップS105)により送信される状況情報には、位置・場所情報や、時間情報も付加されて送信される。また、状況情報をコンテンツサーバ40に送信する間隔は、所定間隔(例えば、数秒間隔)ごとに設定されるが、これに限定されず、一定量の計測値が蓄積した場合や、ユーザがコンテンツサーバ40にコールした場合(例えば、コンテンツへのアクセス要求がされた場合)に、状況情報を送信するように設定することもできる。
【0077】
一方、使用者更新フラグの判断処理(ステップS103)において、使用者更新フラグが「1」に設定されていない(NO)と判別したときは、センサにより計測された計測値が変化していないことから、端末使用者状況推論処理(ステップS104)及び状況情報送信処理(ステップS105)を実行することなく、ステップS106に進む。
【0078】
そして、通信携帯端末10の電源がOFFに設定されているか否かを判断する(ステップS106)。電源がOFFに設定されている(YES)と判別したときは、すべての処理を終了し(ステップS107)、通信携帯端末10のメイン処理を終了する。一方、電源がOFFに設定されていない(NO)と判別したときは、ステップS103に戻り、ステップS103〜S106の処理を繰り返す。
【0079】
<<端末使用者センシング処理>>
第1実施形態に係る端末使用者センシング処理は、通信携帯端末10に備えられた心拍センサなどのセンサによって、心拍数、体温及び発汗量の変化を検出し、変化を検出したときに、使用者更新フラグを「1」に設定する。上記変化の検出は、各センサからのセンシングデータが記憶されるバッファ1と、すでに検出された各センサからのセンシングデータが記憶されるバッファ2とに記憶されているデータを比較することにより行われる。端末使用者センシング処理を、図13を用いて説明する。
【0080】
端末使用者センシング処理では、まず、バッファ1の記憶領域に記憶された各センサからのセンシングデータ(計測値)を全て消去し(ステップS111)、CPU22が各センサからのセンシングデータを受信するまで待機する(ステップS112)。具体的には、ステップS112において、センシングデータを受信していない(NO)と判別したときは、ステップS112の処理を繰り返すことにより、各センサからのセンシングデータを受信するまで待機することができる。
【0081】
一方、ステップS112において、CPU22がセンシングデータを受信した(YES)と判別したときは、センシングデータをバッファ1の記憶領域に記憶させる(ステップS113)。そして、CPU22は全てのセンサからのセンシングデータを所得し、バッファ1の記憶領域に記憶したか否かを判断する(ステップS114)。
【0082】
ステップS114において、全てのセンサからのセンシングデータを取得して記憶していない(NO)と判別したときは、ステップS112に戻り、ステップS112〜S114の処理を繰り返す。一方、全てのセンサからのセンシングデータを取得して記憶している(YES)と判別したときは、バッファ1の記憶領域に記憶されている各センサからのセンシングデータと、バッファ2の記憶領域に記憶されているセンシングデータとが一致しているか否かを判断する(ステップS115)。
【0083】
ステップS115において、バッファ1の記憶領域に記憶されている各センサからのセンシングデータと、バッファ2の記憶領域に記憶されているセンシングデータとが一致している(YES)と判別したときは、使用者更新フラグを変更する必要がないため、ステップ111に戻り、ステップS111〜S115の処理を繰り返す。
【0084】
一方、ステップS115において、バッファ1の記憶領域に記憶されている各センサからのセンシングデータと、バッファ2の記憶領域に記憶されているセンシングデータとが一致していない(NO)と判別したときは、バッファ1に記憶されたセンシングデータを、バッファ2に記憶し、バッファ2の記憶領域を更新したことを示す使用者更新フラグに「1」を設定し(ステップS116)、ステップS111に戻る。
【0085】
<<端末使用者状況推論処理>>
通信携帯達末10のCPU22で実行される端末使用者状況推論処理について、図14〜図18を用いて説明する。図14は端末使用者状況推論処理を実行するためのフローチャートを、図15は端末使用者状況推論処理(図14)において使用される端末使用者状況推論テーブルの一例を、図16は端末使用者状況推論処理(図14)の一部である心拍分類処理を実行するためのフローチャートを、図17は端末使用者状況推論処理(図14)の一部である体温分類処理を実行するためのフローチャートを、図18は端末使用者状況推論処理(図14)の一部である発汗量分類処理を実行するためのフローチャートを示す。
【0086】
端末使用者状況推論処理では、まず、通信携帯端末10のRAM23に記憶されている状況推論値を「0」に初期化する状況推論値初期化処理(ステップS121)を実行し、使用者更新フラグを「0」に設定し(ステップS122)、心拍分類処理を実行する(ステップS123)。
【0087】
<心拍分類処理>
心拍分類処理(ステップS123)について、図16を用いて説明する。図16は、心拍分類処理を実行するためのフローチャートである。まず、心拍分類処理が開始されると、バッファ2に記憶されている心拍数のセンシングデータ(心拍センサ28の計測値)から、RAM23に記憶されている端末使用者の平均心拍数が減算され、心拍数の差X(回/分)が算出される(ステップS201)。
【0088】
そして、心拍数の差Xが−10未満であるか否かを判断する(ステップS202)。ステップS202において、心拍数の差Xが−10未満である(YES)と判別したときは、変数HRに「1」を設定し(ステップS203)、心拍分類処理を終了して、端末使用者状況推論処理に戻る。HR=1は、心拍数が非常に低いことを示す。
【0089】
ステップS202において、心拍数の差Xが−10未満でない(NO)と判別したときは、心拍数の差Xが−5未満であるか否かを判断する(ステップS204)。ステップS204において、心拍数の差Xが−5未満である(YES)と判別したときは、変数HRに「2」を設定し(ステップS205)、心拍分類処理を終了して、端末使用者状況推論処理に戻る。HR=2は、心拍数が低いことを示す。
【0090】
ステップS204において、心拍数の差Xが−5未満でない(NO)と判別したときは、心拍数の差Xが5未満であるか否かを判断する(ステップS206)。ステップS206において、心拍数の差Xが5未満である(YES)と判別したときは、変数HRに「3」を設定し(ステップS207)、心拍分類処理を終了して、端末使用者状況推論処理に戻る。HR=3は、心拍数が通常であることを示す。
【0091】
ステップS206において、心拍数の差Xが5未満でない(NO)と判別したときは、心拍数の差Xが15未満であるか否かを判断する(ステップS208)。ステップS208において、心拍数の差Xが15未満である(YES)と判別したときは、変数HRに「4」を設定し(ステップS209)、心拍分類処理を終了して、端末使用者状況推論処理に戻る。HR=4は、心拍数が高いことを示す。
【0092】
さらに、ステップS208において、心拍数の差Xが15未満ではない(NO)と判別したときは、変数HRに「5」を設定し(ステップS210)、心拍分類処理を終了して、端末使用者状況推論処理に戻る。HR=5は、心拍数が非常に高いことを示す。
【0093】
以上の心拍分類処理(ステップS123)を終了した後、端末使用者状況推論処理に戻り、体温分類処理を実行する(ステップS124)。
【0094】
<体温分類処理>
体温分類処理(ステップS124)について、図17を用いて説明する。図17は、体温分類処理を実行するためのフローチャートである。まず、体温分類処理が開始されると、バッファ2に記憶されている体温のセンシングデータ(温度センサ29の計測値)から、RAM23に記憶されている端末使用者の平均体温が減算され、体温の差Y(℃)が算出される(ステップS211)。
【0095】
そして、体温の差Yが−1未満であるか否かを判断する(ステップS212)。ステップS212において、体温の差Yが−1未満である(YES)と判別したときは、変数TEMPに「1」を設定し(ステップS213)、体温分類処理を終了して、端末使用者状況推論処理に戻る。TEMP=1は、体温が非常に低いことを示す。
【0096】
ステップS212において、体温の差Yが−1未満でない(NO)と判別したときは、体温の差Yが−0.5未満であるか否かを判断する(ステップS214)。ステップS214において、体温の差Yが−0.5未満である(YES)と判別したときは、変数TEMPに「2」を設定し(ステップS215)、体温分類処理を終了して、端末使用者状況推論処理に戻る。TEMP=2は、体温が低いことを示す。
【0097】
ステップS214において、体温の差Yが−0.5未満でない(NO)と判別したときは、体温の差Yが0.5未満であるか否かを判断する(ステップS216)。ステップS216において、体温の差Yが0.5未満である(YES)と判別したときは、変数TEMPに「3」を設定し(ステップS217)、体温分類処理を終了して、端末使用者状況推論処理に戻る。TEMP=3は、体温が通常であることを示す。
【0098】
ステップS216において、体温の差Yが0.5未満でない(NO)と判別したときは、体温の差Yが1未満であるか否かを判断する(ステップS218)。ステップS218において、体温の差Yが1未満である(YES)と判別したときは、変数TEMPに「4」を設定し(ステップS219)、体温分類処理を終了して、端末使用者状況推論処理に戻る。TEMP=4は、体温が高いことを示す。
【0099】
さらに、ステップS218において、体温の差Yが1未満ではない(NO)と判別したときは、変数TEMPに「5」を設定し(ステップS220)、体温分類処理を終了して、端末使用者状況推論処理に戻る。TEMP=5は、体温が非常に高いことを示す。
【0100】
以上の体温分類処理(ステップS124)を終了した後、端末使用者状況推論処理に戻り、発汗量分類処理を実行する(ステップS125)。
【0101】
<発汗量分類処理>
発汗量分類処理(ステップS125)について、図18を用いて説明する。図18は、発汗量分類処理を実行するためのフローチャートである。まず、発汗量分類処理が開始されると、バッファ2に記憶されている発汗量のセンシングデータ(発汗量センサ30の計測値)が変数Z(mg)に設定される(ステップS221)。
【0102】
そして、発汗量Zが3未満であるか否かを判断する(ステップS222)。ステップS222において、発汗量Zが3未満である(YES)と判別したときは、変数SWEATに「1」を設定し(ステップS223)、発汗量分類処理を終了して、端末使用者状況推論処理に戻る。SWEAT=1は、発汗量が非常に少ないことを示す。
【0103】
ステップS222において、発汗量Zが3未満でない(NO)と判別したときは、発汗量Zが6未満であるか否かを判断する(ステップS224)。ステップS224において、発汗量Zが6未満である(YES)と判別したときは、変数SWEATに「2」を設定し(ステップS225)、発汗量分類処理を終了して、端末使用者状況推論処理に戻る。SWEAT=2は、発汗量が少ないことを示す。
【0104】
ステップS224において、発汗量Zが6未満でない(NO)と判別したときは、発汗量Zが10未満であるか否かを判断する(ステップS226)。ステップS226において、発汗量Zが10未満である(YES)と判別したときは、変数SWEATに「3」を設定し(ステップS227)、発汗量分類処理を終了して、端末使用者状況推論処理に戻る。SWEAT=3は、発汗量が通常であることを示す。
【0105】
ステップS226において、発汗量Zが10未満でない(NO)と判別したときは、発汗量Zが15未満であるか否かを判断する(ステップS228)。ステップS228において、発汗量Zが15未満である(YES)と判別したときは、変数SWEATに「4」を設定し(ステップS229)、発汗量分類処理を終了して、端末使用者状況推論処理に戻る。SWEAT=4は、発汗量が多いことを示す。
【0106】
さらに、ステップS228において、発汗量Zが15未満ではない(NO)と判別したときは、変数SWEATに「5」を設定し(ステップS230)、発汗量分類処理を終了して、端末使用者状況推論処理に戻る。SWEAT=5は、発汗量が非常に多いことを示す。
【0107】
以上の発汗量分類処理(ステップS125)を終了した後、端末使用者状況推論処理に戻り、ステップS126に進む。
【0108】
<状況推論値算出処理>
端末使用者状況推論処理(図16)の状況推論値算出処理(ステップS126)では、心拍分類処理(ステップS123)により決定された変数HRと、体温分類処理(ステップS124)により決定された変数TEMPと、発汗量分類処理(ステップS125)により決定された変数SWEATと、ハードディスク21に記憶されている端末使用者状況推論テーブルとを用いて、端末使用者の状況推論値を算出し、RAM23に記憶する。
【0109】
端末使用者状況推論テーブルを、図15を用いて説明する。図15は、端末使用者状況推論処理(図14)の状況推論値算出処理(ステップS126)において使用される端末使用者状況推論テーブルの一例である。端末使用者状況推論テーブル(図15)において、端末使用者が「興奮」(状況推論値=1)となるのは、HRが4〜5、TEMPが2〜4、かつ、SWEATが4〜5の場合である。端末使用者が「落ち込み」(状況推論値=2)となるのは、HRが2、TEMPが2、かつ、SWEATが2の場合である。端末使用者が「眠い」(状況推論値=3)となるのは、HRが2、TEMPが3、かつ、SWEATが1の場合である。尚、3つの変数の組合せが上述のいずれの場合にも該当しないときは、端末使用者が「通常」(状況推論値=0)とされる。
【0110】
<状況推論値判断処理>
状況推論値算出処理(ステップS126)を実行されると、RAM23に状況推論値が記憶され、CPU22はRAM23に記憶されている状況推論値が「1」以上であるか否かを判断する状況推論値判断処理を実行する(ステップS127)。状況推論値判断処理(ステップS127)において、状況推論値が「1」以上ではない(NO)、すなわち、状況推論値により「通常」と判別したときは、ステップS122に戻り、状況推論値が「0」である限り、ステップS122〜S127の処理を繰り返す。従って、状況通信装置である通信携帯端末10のメイン処理(図12)の状況情報送信処理(ステップS105)により、通信携帯端末10からコンテンツサーバ40に状況推論値「0」に対応する状況情報は送信されることはない。
【0111】
一方、状況推論値判断処理(ステップS127)において、状況推論値が「1」以上である(YES)と判別したときは、RAM23に記憶されている状況推論値「1」〜「3」に対応する状況情報、例えば、感情情報を、ハードディスク21から取得して、状況推論値を更新する状況推論値更新処理を実行し(ステップS128)、端末使用者状況推論処理を終了し、メイン処理(図12)に戻り、状況情報送信処理を実行する(ステップS106)。従って、状況通信装置である通信携帯端末10のメイン処理(図12)の状況情報送信処理(ステップS105)により、通信携帯端末10からコンテンツサーバ40に状況推論値「1」〜「3」の何れかの値に対応する状況情報(感情情報)を送信することができる。
【0112】
従って、第1実施形態に係るアクセス制御システムによれば、コンテンツサーバ40は、コンテンツに対応付けられた時間とその時間におけるコンテンツの属性情報とを抽出属性情報(アクセス許可リスト)として抽出し、抽出情報記憶部55に記憶する。一方、通信携帯端末10を使用するユーザの属性情報が時刻とともに、ユーザ情報記憶部56に記憶される。従って、アクセス制御部57により、抽出属性情報(アクセス許可リスト)として抽出情報記憶部55に記憶されたコンテンツに対応付けられた時間とその時間におけるコンテンツの属性情報と、ユーザ情報記憶部56に記憶された時間とその時間におけるユーザの属性情報とを比較した結果に基づいて、コンテンツにアクセスできる登録ユーザのアクセス権の設定を動的に変更することができる。
【0113】
また、所定の「時間とその時間におけるユーザの属性情報」に合致するユーザのみに、コンテンツをアクセスさせることができることから、ユーザにアクセス権の設定を変更させる負担を課すことなく、所定の「時間とその時間におけるユーザの属性情報」に合致するユーザのみに、コンテンツへのアクセスを可能にさせ、コンテンツの配信を行うことができる。
【0114】
さらに、「時間とその時間におけるユーザの属性情報」に合致するユーザのみに、コンテンツへのアクセスを可能にさせ、コンテンツの配信を可能とすることから、アクセス制御システムを有するコンテンツ提供者の肌理細やかな対応を実行することができる。
【0115】
特に、第1実施形態に係るコンテンツアクセス制御システムによれば、端末使用者の生体情報等の状況データを反映させたユーザの属性情報に基づくアクセス権の設定を変更することができるため、端末使用者の状況データと連動したアクセス権の設定変更ができる。この結果、展示会に実際に参加した人のみがコンテンツにアクセスできるだけでなく、さらに、実際に参加した参加者の中で、自社に関して好意的な印象を抱いたユーザにのみが、コンテンツにアクセスできる。
【0116】
<<<<第2実施形態>>>>
第1実施形態に係るアクセス制御システムは、ユーザからコンテンツに対するアクセス要求が行われるごとに、通信携帯端末10からコンテンツサーバ40に送信された状況情報に基づいて構成された状況管理テーブル(図4)に記憶された「時間及びその時間におけるユーザの属性情報」と、すべてのコンテンツに対して、コンテンツの属性情報を抽出した抽出属性情報(アクセス許可リスト(図5))に記憶された「コンテンツに対応付けられた時間とその時間におけるコンテンツの属性情報」とを、コンテンツサーバ40のアクセス制御部57により比較することにより、ユーザのコンテンツに対するアクセス権の有無を判断している。従って、アクセス権の有無を判断するには、状況管理テーブル(図4)に記憶された「時間及びその時間におけるユーザの属性情報」と、アクセス許可リスト(図5)に記憶された「コンテンツに対応付けられた時間及びその時間におけるコンテンツの属性情報」とを、ユーザからコンテンツに対するアクセス要求が行われるごとに判断することが必要となることから、結果として、コンテンツサーバ40に対して、多大な計算負荷や判断時間を要することとなる。
【0117】
第2実施形態に係るアクセス制御システムは、第1実施形態に係るシステムの問題を解消するため、コンテンツごとに、ユーザのコンテンツに対するアクセス権の有無を判断した結果を、アクセスリストとして記憶し、ユーザのコンテンツに対するアクセス権の有無を判断する処理の計算負荷と判断時間の低減を図るものである。ここで、「アクセスリスト」とは、コンテンツごとに、ユーザのコンテンツに対するアクセス権の有無を判断した結果が記憶されたテーブルリストである。
【0118】
なお、第1実施形態に係るシステムと第2実施形態に係るシステムとにおける制御処理は、コンテンツサーバ40のメイン処理のフローチャート(図3)以外は、コンテンツ表示例を含め同じである。例えば、第2実施形態に係るアクセス制御システムのPC端末60において実行されるコンテンツ表示処理は、第1実施形態のコンテンツ表示処理(図6〜図7)、変形例1のコンテンツ表示処理(図8〜図9)、変形例2のコンテンツ表示処理(図10〜図11)の何れのコンテンツ表示処理も適用可能である。
【0119】
以下に、図19〜図20を用いて、第2実施形態に係るアクセス制御システムのコンテンツサーバ40のメイン処理を説明する。図19は第2実施形態に係るシステムのメイン処理を実行するためのフローチャートである。図20はアクセスリストを示す図である。
【0120】
<<<コンテンツサーバ40の制御処理>>>
<<メイン処理>>
第2実施形態に係るコンテンツサーバ40のメイン処理を、図19を用いて説明する。第2実施形態に係るコンテンツアクセス制御システムのコンテンツサーバ40では、ユーザのコンテンツに対するアクセス権の有無を判断するために、アクセスリストを参照することにより判断する。
【0121】
まず、コンテンツサーバ40は、ユーザのコンテンツへのアクセス要求が、PC端末60からコンテンツサーバ40にあるか否かを判断する(ステップS510)。ステップS510において、アクセス要求がある(YES)と判別したときは、アクセスリスト(図20)を参照し、アクセス要求を行ったユーザが各コンテンツに対してアクセス権が設定されているか否かを判断する(ステップS511)。
【0122】
ステップS511において、アクセス権の設定判断処理を終了した後、アクセス権が設定されているコンテンツを、登録ユーザのPC端末60の表示機能により表示させるためのコンテンツ表示用処理を実行する(ステップS512)。
【0123】
そして、コンテンツサーバ40の電源がOFFに設定されているか否かを判断する(ステップS513)。電源がOFFに設定されている(YES)と判別したときは、すべての処理を終了し、コンテンツサーバ40のメイン処理を終了する。一方、電源がOFFに設定されていない(NO)と判別したときは、ステップS510に戻り、ステップS510〜S517の処理を繰り返す。
【0124】
一方、ステップS510において、アクセス要求がない(NO)と判別したときは、通信携帯端末10から送信される状況情報から構成される属性情報の変更があるか否かを判断する(ステップS514)。ステップS514において、属性情報に変更がある(YES)と判別したときは、アクセスリストを更新するアクセスリスト更新処理を実行し(ステップS515)、ステップS516に進む。一方、ステップS514において、属性情報に変更がない(NO)と判別したときは、アクセスリストを更新することなく、ステップS516に進む。
【0125】
ステップS516において、コンテンツに変更があるか否かを判断する(ステップS516)。ステップS516において、コンテンツに変更がある(YES)と判別したときは、アクセスリストを更新するアクセスリスト更新処理を実行し(ステップS517)、ステップS510に進む。一方、ステップS516において、コンテンツに変更がない(NO)と判別したときは、アクセスリストを更新することなく、ステップS510に進む。
【0126】
<アクセスリスト>
第2実施形態のアクセス制御システムのコンテンツサーバ40のメイン制御処理において使用されるアクセスリストを、図20を用いて説明する。アクセスリストは、コンテンツごとに、ユーザのコンテンツに対するアクセス権の有無を判断した結果が記憶されたテーブルリストである。図20のアクセスリストでは、コンテンツに対するアクセス権を有する場合を「○」、コンテンツに対するアクセス権を有さない場合を「×」で示している。
【0127】
従って、コンテンツごとに、ユーザのコンテンツに対するアクセス権の有無を判断した結果であるアクセスリストを参照して、ユーザのコンテンツに対するアクセス権の有無を判断する第2実施形態に係るアクセス制御システムは、コンテンツに対するアクセス要求が行われるごとに、状況管理テーブル(図4)に記憶された「時間及びその時間におけるユーザの属性情報」と、アクセス許可リスト(図5)に記憶された「コンテンツに対応付けられた時間とその時間におけるコンテンツの属性情報」とを、ユーザからコンテンツに対するアクセス要求が行われるごとに判断する第1実施形態に係るアクセス制御システムと異なり、処理の計算負荷と判断時間の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本発明に係るアクセス制御システムの概要を説明するための図である。
【図2】アクセス制御システムの構成を説明するためのブロック図である。
【図3】第1実施形態に係るシステムのメイン処理を実行するためのフローチャートである。
【図4】状況管理テーブルを示す図である。
【図5】アクセス許可リストを示す図である。
【図6】第1実施形態に係るシステムのPC端末において実行されるコンテンツ表示処理を実行するためのフローチャートである。
【図7】図6のコンテンツ表示処理を実行したコンテンツ表示例である。
【図8】第1実施形態に係るシステムのPC端末において実行されるコンテンツ表示処理の変形例を実行するためのフローチャートである。
【図9】図8のコンテンツ表示処理の変形例を実行したコンテンツ表示例である。
【図10】第1実施形態に係るシステムのPC端末において実行されるコンテンツ表示処理のその他の変形例を実行するためのフローチャートである。
【図11】図10のコンテンツ表示処理のその他の変形例を実行したコンテンツ表示例である。
【図12】通信携帯端末10の状況通信装置メイン処理を実行するためのフローチャートである。
【図13】図12の状況通信装置メイン処理で起動される端末使用者センシング処理を実行するためのフローチャートである。
【図14】図12の状況通信装置メイン処理の一部である端末使用者状況推論処理を実行するためのフローチャートである。
【図15】図12の端末使用者状況推論処理において使用される端末使用者状況推論テーブルの一例である。
【図16】図12の端末使用者状況推論処理の一部である心拍分類処理を実行するためのフローチャートである。
【図17】図12の端末使用者状況推論処理の一部である体温分類処理を実行するためのフローチャートである。
【図18】図12の端末使用者状況推論処理の一部である発汗量分類処理を実行するためのフローチャートである。
【図19】第2実施形態に係るシステムのメイン処理を実行するためのフローチャートである。
【図20】アクセスリストを示す図である。
【符号の説明】
【0129】
1 コンテンツアクセス制御システム
10 携帯通信端末
40 コンテンツサーバ
51 送受信部
52 更新判定部
53 更新記憶部
54 更新データ解析部
55 抽出情報記憶部
56 ユーザ情報記憶部
57 アクセス制御部
58 コンテンツデータベース
60 PC端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間と前記時間におけるユーザの属性情報とを記憶する属性情報記憶手段と、
コンテンツにアクセスできるアクセス制御を行うための、前記コンテンツに対応付けられた時間と前記時間におけるコンテンツの属性情報と、前記属性情報記憶手段に記憶された時間とユーザの属性情報とを比較した結果に基づいて、前記コンテンツにアクセスできるユーザのアクセス権の設定を動的に変更するアクセス権制御手段とを備える、
アクセス制御システム。
【請求項2】
前記属性情報は、位置情報と、感情情報と、滞在時間情報とから、少なくとも1つの情報を含み、
前記ユーザの属性情報を構成する状況データを前記属性情報記憶手段に送信する端末をさらに備え、
前記端末は、
時刻を計測する時刻計測手段と、
自身を保有する使用者の生体情報と、前記生体情報から推定される感情情報と、自身の位置情報と、所定の位置での滞在時間情報とから、少なくとも1つの情報を含む状況データを取得する状況データ取得手段と、
使用者を識別するための使用者識別情報と、前記状況データ取得手段により取得された前記状況データと、前記時刻計測手段により計測された前記時刻とを、前記属性情報記憶手段に送信する端末側送信手段とを備える、
ことを特徴とする請求項1記載のアクセス制御システム。
【請求項3】
前記アクセス権制御手段は、前記ユーザが前記コンテンツの内容にアクセスしようとするときに、前記アクセス権の設定を変更する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載のアクセス制御システム。
【請求項4】
前記アクセス権制御手段は、前記属性情報が変更されたときに、前記アクセス権の設定を変更する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載のアクセス制御システム。
【請求項5】
前記アクセス権制御手段は、前記コンテンツの内容が更新されたときに、前記アクセス権の設定を変更する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載のアクセス制御システム。
【請求項6】
前記アクセス権制御手段により変更されたアクセス権の設定に基づいて、表示手段に表示されるコンテンツを更新するコンテンツ更新手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のアクセス制御システム。
【請求項7】
アクセス制御システムのコンテンツサーバであって、
時間と前記時間におけるユーザの属性情報とを記憶する属性情報記憶手段と、
コンテンツにアクセスできるアクセス制御を行うための、前記コンテンツに対応付けられた時間と前記時間におけるコンテンツの属性情報と、前記属性情報記憶手段に記憶された時間とユーザの属性情報とを比較する属性情報比較手段と、
前記属性情報比較手段により比較した結果に基づいて、前記コンテンツにアクセスできるユーザのアクセス権の設定を動的に変更するアクセス権制御手段とを備える
ことを特徴とするコンテンツサーバ。
【請求項8】
アクセス制御システムの端末であって、
時刻を計測する時刻計測手段と、
自身を保有する使用者の生体情報と、前記生体情報から推定される感情情報と、自身の位置情報と、所定の位置での滞在時間情報とから、少なくとも1つの情報を含む状況データを取得する状況データ取得手段と、
使用者を識別するための使用者識別情報と、前記状況データ取得手段により取得された前記状況データと、前記時刻計測手段により計測された前記時刻とを、前記アクセス制御システムの属性情報記憶手段に送信する端末側送信手段とを備え、
前記アクセス制御システムは、
時間と前記時間における状況データに基づくユーザの属性情報とを記憶する属性情報記憶手段と、
前記コンテンツにアクセスできるアクセス制御を行うための、前記コンテンツに対応付けられた時間と前記時間におけるコンテンツの属性情報と、前記属性情報記憶手段に記憶された時間とユーザの属性情報とを比較する属性情報比較手段と、
前記属性情報比較手段により比較した結果に基づいて、前記コンテンツにアクセスできるユーザのアクセス権の設定を動的に変更するアクセス権制御手段とを備える
ことを特徴とする端末。
【請求項9】
アクセス制御システムのコンテンツサーバにより実行されるアクセス制御方法であって、
時間と前記時間におけるユーザの属性情報とを属性情報記憶手段に記憶し、
コンテンツにアクセスできるアクセス制御を行うための、前記コンテンツに対応付けられた時間と前記時間におけるコンテンツの属性情報と、前記属性情報記憶手段に記憶された時間とユーザの属性情報とを比較し、
比較した結果に基づいて、前記コンテンツにアクセスできるユーザのアクセス権の設定を動的に変更する、
ことを特徴とするアクセス制御方法。
【請求項10】
アクセス制御システムのコンテンツサーバに実行させるためのアクセス制御プログラムであって、
時間と前記時間におけるユーザの属性情報とを属性情報記憶手段に記憶し、
コンテンツにアクセスできるアクセス制御を行うための、前記コンテンツに対応付けられた時間と前記時間におけるコンテンツの属性情報と、前記属性情報記憶手段に記憶された時間とユーザの属性情報とを比較し、
比較した結果に基づいて、前記コンテンツにアクセスできるユーザのアクセス権の設定を動的に変更する、
ことを特徴とするアクセス制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−211627(P2009−211627A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−56339(P2008−56339)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】