説明

アクセス可能なコンポーネントを含むスマートカードおよびその製造方法

本発明は、カード支持体内に超小型回路と、突出したコンポーネントを含めた少なくとも1つのその他のコンポーネントと、外部接点とを含んでなるスマートカードに関する。本発明は、超小型回路(1)、突出するコンポーネント(2)および外部接点(12)が、カード支持体の厚みの一部分の中に備えられたハウジング(C1+C2+C3)の中に固定されたサブアセンブリ(S1)の一部を形成しており、前記サブアセンブリが、1つの内部表面には超小型回路(1)および少なくとも突出したコンポーネント(2)を担持し、1つの外側表面には外部接点(12)を担持する支持フィルム(10)を含む、前記フィルム内には突出したコンポーネントの一部分の反対側にウインドウ(11)が設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部接点およびディスプレイ、検出器(例えば指紋検出器)またはセンサー(例えば光学送信器)といったアクセス可能なコンポーネント、すなわちカードの表面上で(必ずしもそこから突出することなく)アクセス可能でなくてはならないコンポーネントを含めた1つまたはそれ以上のその他のコンポーネントが具備された、超小型回路(または集積回路)を包含するスマートカードに関する。
【背景技術】
【0002】
単一のマイクロプロセッサ超小型回路を内蔵するスマートカードを製造する標準的な方法は、カード支持体(これは実際にはプラスチック材料で作られている)内にキャビティを形成する段階および、マイクロプロセッサ超小型回路および超小型回路に接続されたその外部接点からなるモジュールを中に貼り付ける段階で構成されている。この主題については、米国特許第6,372,541号を参照のこと。
【0003】
スマートカードが、(アンテナと共に通信インタフェースとして知られているシステムを形成する)超小型回路モジュールに加えて、表面上でアクセス可能なもう1つの電子コンポーネントを内蔵するように意図されている場合、文献WO99/50790は、導線を用いて電子コンポーネントを通信インタフェースに接続し、結果として得られるアセンブリを第1のプラスチック材料プレートに対し一時的に固定し、そのアセンブリの上に第2のプラスチック材料プレートを設け、電子コンポーネントのためのハウジングとして役立つように第1のプレートまたは第2のプレートのいずれかの中に開口部が具備され、このとき2つのプレートを合わせて締めつけ、インタフェースおよび電子コンポーネントを取り囲むことを提案している。
【0004】
上述の方法は、最終的製造段階の前にプラスチック構造の中央にアセンブリを位置づけしプレート内に適切な開口部を具備するための専用の機器を必要とする。その上、通信インタフェースおよび表面でアクセス可能なコンポーネントは、プレートが合わせて締めつけられる温度すなわち、例えば上記にて引用した文献内で提案されているようなプレートのラミネート加工の場合には、標準的に少なくとも140℃という温度に耐えることができなくてはならない。
【0005】
出願人の先行発明に関する文献EP−0908 844号および米国特許第6,320,753号は、外部接点領域とアンテナを組合わせ接続用端子を介してアンテナおよび外部接点領域に接続された超小型回路を含み、該アンテナが支持体とプレートの間に配置され、接続用端子が超小型回路の対応する接続用端部に面して配置されているスマートカードを提案している。超小型回路およびアンテナは別々に取付けられ、プレートと支持体との間の配置についての概念が適用される。
【0006】
上述のタイプのサンドイッチ構成は、2枚のプレート間のPCカードで形成されたスマートカードを記述する文献EP−0234954号および、その支持体中にアンテナが埋込まれディスプレイコンポーネントがその中でカードの内部にラミネート加工されているカードに関するものである米国特許第5,412,192号において開示されている。
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,372,541号明細書
【特許文献2】WO99/50790号明細書
【特許文献3】EP−0 908 844号明細書
【特許文献4】米国特許第6,320,753号明細書
【特許文献5】EP−0 234 954号明細書
【特許文献6】米国特許第5,412,192号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
第1の先行技術文献に関して示したように、さまざまな解決法は複雑であり、それらを使用することには往々にして、コンポーネントを損傷することなく実施することのできる処理を伴う。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの態様は、コンポーネントに対し攻撃的であるかまたはカードの機械的弱化を招くプロセスを必要とせずに単純かつ信頼性の高い形で製造でき、カードに対し加えられる曲げ力が有利にもそれらがわずかな影響しかもたない場所に局在化されている、超小型回路およびアクセス可能なコンポーネントを含めた1つまたはそれ以上のその他のコンポーネントを包含するスマートカードである。
【0010】
本発明のもう1つの態様は、上述の種類のスマートカードを製造する方法である。
【0011】
この目的で本発明は、カード支持体内に超小型回路、アクセス可能なコンポーネントを含む1つまたはそれ以上のその他のコンポーネントと、外部接点とを含むスマートカードにおいて、超小型回路、アクセス可能なコンポーネントおよび外部接点がカード支持体の厚みの一部分の中に形成されたハウジング内に固定されたサブアセンブリの一部を形成し、このサブアセンブリには、内部面上に超小型回路および少なくともアクセス可能なコンポーネントを担持し外部面には外部接点を担持する支持フィルムを含み、アクセス可能なコンポーネントの一部分に面する支持フィルム内にウィンドウが形成されていることを特徴とするスマートカードを提供している。
【0012】
上述のタイプのスマートカードを製造するために、本発明はさらに、超小型回路と、アクセス可能なコンポーネントを含む少なくとも1つのその他のコンポーネントとを包含するスマートカードの製造方法において、
支持フィルム上に超小型回路および少なくともアクセス可能なコンポーネントを設け、フィルム内にアクセス可能なコンポーネントへのアクセスのためのウィンドウを具備し、接続ワイヤを用いて接続を行うことによりサブアセンブリを組立てる段階と、
カード支持体内にハウジングを形成する段階と、
ハウジング内にサブアセンブリを固定する段階と、
を含んでなる方法を提供している。
【0013】
明らかに、本発明は、カード支持体の厚みの一部分の中にそのための1つまたはそれ以上のキャビティが形成されるコンポーネントの間で、ワイヤによって接続を行う周知の確立された技術の使用を提案しており、1つまたはそれ以上のキャビティ内に設けるべきコンポーネントからなるサブアセンブリを提供することで支持体内の1つまたはそれ以上のハウジングとは独立して取付けや接続作業が容易になることから、外部接点および1つまたはそれ以上のアクセス可能なコンポーネントと共に、マイクロプロセッサ超小型回路を内蔵するスマートカードを製造する問題に対する簡単な解決法を提案する。
【0014】
一部のケースでは、組合せることのできる本発明の好ましい特徴に従うと、
サブアセンブリにはさらに、超小型回路とコンポーネントとの間に接続されたインタフェースコンポーネントが含まれている。本発明は実際、超小型回路コンポーネントに加えて任意の数のコンポーネントに適用される。その他のコンポーネントは、特に、アクセス可能なコンポーネント用のコントローラであり得る。
【0015】
サブアセンブリ内の接続は、確立された電気的接続方法である、接続ワイヤによって行われ、
各接続ワイヤがまず第1に、超小型回路またはコンポーネントに接続され、第2に支持フィルムによって担持された接続用トラックに接続される。
【0016】
ハウジングは、超小型回路が中に固定されている少なくとも1つのキャビティおよびアクセス可能なコンポーネントが中に固定されている1つのキャビティを含み、少なくとも1つのリブがキャビティ間に具備される。
【0017】
支持フィルムが、少なくとも超小型回路と1つのコンポーネントとの間に、機械的な曲げに弱くなっており、かつリブに支持されるようになっている領域を含む。このタイプの機械的に弱くされた領域は、有利には超小型回路および各コンポーネントのいずれかの側に形成される。
【0018】
その他の機械的に弱くされた部分を第1の領域に対し横方向に備え、サブアセンブリをさらにいっそう可撓性の高いものにすることができる。
【0019】
それぞれ機械的に弱くされた部分には好ましくは少なくとも1つのスロットが含まれる。
【0020】
接続用トラックは、超小型回路と各コンポーネントとの間に形成され、各トラックはリブに面し、少なくとも1つの機械的に弱くされた部分がこれを横切っている。
【0021】
支持フィルムは、平行な複数の機械的に弱くされた領域、さらには少なくとも2つの方向で配置されたこのタイプの領域を含んでいる。
【0022】
各キャビティには、超小型回路またはコンポーネントを含みかつ支持フィルムにまで延びた剛性材料が充てんされる。
【0023】
各キャビティには、その底面の周囲において少なくとも1つの凹部が、具備されている。
【0024】
上述の本発明のスマートカードに関するコメントから類推して、製造方法は、有利には該当する場合には組み合わせた状態で、以下の特徴を有することができる。
【0025】
超小型回路用のキャビティおよびアクセス可能なコンポーネント用のキャビティがハウジング内に形成されている。
【0026】
機械的な曲げに弱くされた領域が、少なくとも超小型回路とアクセス可能なコンポーネントとの間で、支持フィルム内に形成されている。
【0027】
機械的な曲げに弱くされた領域が超小型回路および各コンポーネントのいずれかの側で支持フィルム内に形成されている。その他の機械的な曲げに弱くされた領域も第1の領域に対して横方向にも(例えば直角に)具備することができる。
【0028】
・ 機械的な曲げに弱くされた領域はスロットにより形成されている。
【0029】
・ 少なくとも1つの機械的な曲げに弱くされた領域が2つのキャビティ間でハウジング内に形成されたリブ(15、16)に面して配置されている。
【0030】
ワイヤにより超小型回路またはコンポーネントの接続されている接続用トラックを、機械的な曲げに弱くされた領域が横切っている。
【0031】
少なくとも1つの凹部が、少なくとも1つのキャビティの底面の周囲に形成されている。
【0032】
平行であるかまたは2つ以上の方向に配置されている複数の機械的な曲げに弱くされた領域が支持フィルム内に形成されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明の態様、特徴および利点は、添付図面を参考にして制限的な意味のない例として示されている以下の記述から明らかとなる。
【0034】
図1および2は、分離状態または仕上った状態でのカード内のサブアセンブリS1を表す。
【0035】
サブアセンブリS1は、実際にはマイクロプロセッサを包含する超小型回路1、アクセス可能なコンポーネント2およびこの例ではインタフェースコンポーネント3例えばアクセス可能なコンポーネント2用のコントローラを含んでいる。アクセス可能なコンポーネント2は、例えばディスプレイデバイスであるが、それ以外にカード内に一体化させるように意図された例えば検出または発信コンポーネントといったその他のタイプのものであってもよい。
【0036】
この例では、コンポーネント間の接続用トラックまたはストリップ4および5および超小型回路1の周囲の接続用領域6が存在する。超小型回路1は、接続ワイヤ7を用いて接続用領域に、そして、接続ワイヤ8を用いて接続用トラック4を介しインタフェースコンポーネント3に接続され、インタフェースコンポーネントはその他の接続ワイヤ9を用いて接続用トラック5を介しアクセス可能なコンポーネント2に接続されている。
【0037】
コンポーネント1、2および3および接続用トラック4および5は、中にウィンドウ11が形成される支持フィルム10上に設けられる。上述のコンポーネントが上に設けられている面とは反対の面上の外部接点12が、図示しない手段により接続用領域6に接続されている。図示しない変形形態においては、領域6は省略され、超小型回路が直接外部接点12に接続され、接続ワイヤは、当該技術分野において既知の要領で支持フィルム10内を通過する(このとき参照番号6は、ワイヤを支持フィルムに通すカード支持体内の穴を示す)。図示しないもう1つの変形形態においては、接続用トラック4および5を省略することができ、接続ワイヤ8および9が超小型回路からインタフェースコンポーネントまでおよびこのインタフェースコンポーネントからアクセス可能なコンポーネントまでを直接的に接続する。これらの接続用トラックの利点は、ワイヤ8および9をさらに短かくすることができるという点にある。もう1つの利点は、後述する図の説明から明らかになるだろう。
【0038】
ウィンドウ11はインタフェースコンポーネントよりも小さいので、その結果、インタフェースコンポーネントはその周囲の少なくとも一部分において支持フィルム10と接触状態にとどまることになる。この例においては、コンポーネントはその周囲全体にわたり支持フィルムと接触状態にとどまるが、代替的には例えばその端部のみでフィルムと接触状態にあってもよい。
【0039】
従来は、1つの面上に超小型回路を担持しもう1つの面上に外部接点を担持する薄い支持体で形成されたモジュールがしばしば問題となっていたが、本発明では、その他のコンポーネントつまりこの例ではその他の全ての電子コンポーネントを包含しているため、さらに大きいモジュールを使用する。
【0040】
コンポーネントは、例えばボンディングまたは接着といった当該技術分野において既知の適切な手段によって支持フィルムに固定されていてよい。接続用トラック、該当する場合には接続用領域、そして外部接点は、例えば金属を被着させるかまたはその他の適切な手段によって形成することができる。
【0041】
サブアセンブリが、カード支持体P1内に形成されるハウジングの実質的に全ての領域を占有していることが好ましい。
【0042】
サブアセンブリは、単一のキャビティ内に設けられてよく、単に超小型回路および外部接点からなるモジュールが固定されるのと同じ要領で、内部にコンポーネントを埋込む樹脂によってこのキャビティ内に接着または固定される。しかし、このことは、キャビティを完全に充てんすることを意味しているわけではない。
【0043】
しかしながらこれに代えて、図3〜6を見ると明らかなように、有利にはサブアセンブリを、カード支持体P2の中に形成された複数のキャビティ内に設けることもできる。
【0044】
この変形形態においては、サブアセンブリS2は、支持フィルム10の厚み内に、横方向の曲げスロットが形成されているという点を除いて、図1および2からのサブアセンブリS1と同じ構造を有している。
【0045】
曲げスロットは、有利には、コンポーネント1、2および3からある距離のところにある。かくして当該例においては、超小型回路1の両側に2つのスロットF1およびF2、インタフェースコンポーネント3の両側に2つのスロットF3およびF4、そしてアクセス可能なコンポーネントC2の両側に2つのスロットF5およびF6が存在する。スロットは、特にそれらが対をなす場合(F2+F3、F4+F5)機械的な曲げに弱くされた領域を画定する。
【0046】
この例では、スロットはV字形をしており、分かりやすいように、支持フィルム10の厚み内を完全に通過するものとして表されている。それでも、その他の形状(ギザギザ等)も可能であること、そしてまたスロットは好ましくは支持フィルムの厚みの一部分のみを通って延びてその連続性を維持しているということ、を明確に理解しなければならない。
【0047】
スロットF2およびF3が接続用トラック4を横切って延びていること、そしてスロットF4およびF5が接続用トラック5を横切って延びていることに留意されたい。
【0048】
図4および5は、より明確にすべく図3とは異なる縮尺になっており、各コンポーネントの下で、該コンポーネントの側面に位置するスロット間のカード支持体内に、キャビティが形成されることを示している。かくして、カード支持体P2は、超小型回路1用のキャビティC1、アクセス可能なコンポーネントC2用のキャビティC2およびインタフェースコンポーネント用のキャビティC3を包含するハウジングを含む。
【0049】
図示しない変形形態においては、同一のキャビティに2つのコンポーネントを収容していてもよいし、あるいはまたある程度可撓性を持つ1つのコンポーネントについて2以上のキャビティが存在していてもよい。
【0050】
したがって、この例において接続用トラック4および5は、キャビティC1およびC3、そしてC3およびC2をそれぞれ分離するリブ15および16の上に横たわり、いずれかの側でそれらの各側面に位置しており、スロットF1およびF6の下で、それぞれキャビティC1およびC3の近くのハウジングの端部に、平坦域17および18が付加的に形成されているという点に留意されたい。
【0051】
図4は、超小型回路1、コンポーネント2および3、接続用トラック4および5、接続用領域6および2つの外部接点12を示す図である。接続ワイヤもまた、全ての接続を示すことなく(関連のコンポーネントを迂回するあらゆるワイヤを含めて)図式的に示されている。それでも、各コンポーネントが少なくとも部分的に特定のキャビティ内に収容され、キャビティ間の接続が接続用トラックにより行われているという点に留意されたい。トラックが省略されている上述にて考慮された変形形態においては、ワイヤは、リブ15および16の上を通過するのに十分な長さを有していなければならなくなる。
【0052】
また、図4内のアクセス可能なコンポーネント2が積層で形成され、そのうちのいくつかはハウジングから突出しているという点に留意されたい。ただし、当然のことながら、カード支持体P2のハウジング内に完全に該コンポーネントを収容することも可能である。その上、全ての層は同じ寸法を持つものとして示されているが、実際にはそして有利には、異なる寸法を有していて、内部層はその外側に配置された層よりも大きくし、かくして、(接着またはその他の適切な手段により)支持フィルムにコンポーネントを機械的に固定するために内部層を使用することができる。
【0053】
各コンポーネントをカード支持体のハウジング内に固定する前に、このコンポーネント全体に包み込み用樹脂を塗布してよいが、このとき、サブアセンブリを設ける前に各キャビティ内にその包み込み用樹脂が塗布されることが好ましい。この点に関しては、文献EP−1050844号(または米国特許第6,372,541号)およびEP−1050845号またはEP−0519564号(または米国特許第5,585,669号または5,438,750号)を参照のこと。
【0054】
図5から明らかなように、包み込み用樹脂は有利には、プレートもまたリブの上面も(少なくとも完全には)被覆することなく、キャビティを完全に充てんする。その結果、包み込み用樹脂20はキャビティの底面に付着し、ある量の樹脂がコンポーネントをコーティングしている状態でそのキャビティ内部に配置されているコンポーネントおよび関係するキャビティの側面に位置する2つのスロットの間に位置づけられた、支持フィルムの一部分からなる剛性ブロック(すなわちリンク)を、各キャビティ内に作り上げる。これとは逆に、そのブロック間すなわちスロットF2とF3、F4とF5、または支持フィルムの端部間の空間には、使用中にカードが受ける可能性のあるあらゆる曲げ力が局在化され、かくしてコンポーネントがカード使用中に受ける応力を最小限にするヒンジを構成する。この要領で、コンポーネント自体に応力が加わることなく、ある種の可撓性をもつカードが得られる。
【0055】
この例においては、スロットF1〜F6が平行であり、かつ支持フィルムの最大寸法に対し横方向であるという点に留意されたい。
【0056】
図示しない一変形形態においては、機械的な曲げに弱くされたその他の領域が、スロットF1〜F6に対し横方向(例えば直角方向)に支持フィルム内に設けられている。これは特に、コンポーネントが単一ライン内に配置されることなく、二次元アレイ(直交その他)状に配置され、各方向に、好ましくはコンポーネントから離れてスロットが設けられている場合に、有用である。
【0057】
図示しないさらにもう1つの実施形態においては、スロットF1〜F6は、例えばスロットF2およびF3が共に右上に傾斜し、スロットF4およびF5が共に左上に傾斜した状態で、というように異なる角度で傾斜している。その結果、瞬間的な応力の状態に応じて、ヒンジ効果は主としてスロットF1およびF6内、スロットF2およびF3またはスロットF4およびF5内に局在化されることになる。
【0058】
図6の変形形態においては、キャビティの底面は完全に平坦ではなく、凹部18(周辺溝または一連の中空部分)を含んでおり、これには、キャビティの底面の周囲に応力を局在化させるという利点がある。
【0059】
カード支持体は、このところにおいて高い応力を受ける。これは、従来はその他の領域を和らげる。しかしながら、破断というリスクを最小限に抑えるために、カード支持体は有利には、延伸により結晶化されたポリエチレンテレフタレート(PETF)またはポリカーボネート(PC)といった高強度重合体で作る。
【0060】
したがってスマートカードの製造には以下の段階が含まれるという点に留意されたい。すなわち、
・ 例えばボンディングまたは接着にて、さまざまなコンポーネント(超小型回路、アクセス可能なコンポーネントおよび該当する場合はコントローラ)を支持フィルム10上に設けることにより、またフィルム内に、アクセス可能なコンポーネントへのアクセス(少なくとも視覚的アクセス)のためのウィンドウを備えることにより、および接続ワイヤを用いて接続を行うことにより、サブアセンブリ S1またはS2を組立てる段階であって、その支持フィルムには、好ましくは、コンポーネント間に曲げスロットが具備されている、段階と、
・ カード支持体内に、有利にはコンポーネントと同数のキャビティを含むハウジング(C1+C2+C3)を形成する段階、
・ 有利にはハウジングのキャビティ内にコンポーネントの各々を固定することにより、ハウジング内にサブアセンブリを固定する段階であって、かかる固定が、好ましくはハウジングの各キャビティを充てんする包み込み用樹脂を用いて行われる、段階、である。
【0061】
なおサブアセンブリは、単純に超小型回路およびその外部接点からなるスマートカードモジュールを生産するのに従来用いられている標準的な接着およびワイヤはんだづけ機器によって容易に生産可能である。それは次に、これらの「単純な」モジュールを形成するための従来の手段を用いて、容易にはめ込み可能である。
【0062】
支持フィルム内に形成されたウィンドウは、アクセス可能なコンポーネントを保護するために透明フィルムでこれを被覆することを妨げるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】内側から見た場合のさまざまなコンポーネントから成るサブアセンブリの図である。
【図2】上述のサブアセンブリから得たカードの上面図であり、このサブアセンブリは図1に示されているものとは反対の側から見られている。
【図3】本発明の好ましい実施形態のサブアセンブリの図1のものに類似した底面図である。
【図4】カード支持体内に形成された複数のキャビティの上面に位置づけされた上述のサブアセンブリの断面図である。
【図5】キャビティに固定用樹脂を充てんした後の図4のものに類似した図である。
【図6】異なる実施形態によるキャビティの詳細図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード支持体内に超小型回路と、アクセス可能なコンポーネントを含む1またはそれ以上のその他のコンポーネントと、外部接点とを含むスマートカードにおいて、超小型回路(1)、アクセス可能なコンポーネント(2)および外部接点(12)が、前記カード支持体の厚みの一部分の中に形成されたハウジング(C1+C2+C3)内に固定されたサブアセンブリ(S1、S2)の一部を形成し、このサブアセンブリは、内部面上に超小型回路(1)および少なくともアクセス可能なコンポーネント(2)を担持し外部面には外部接点(12)を担持する支持フィルム(10)を含み、前記のアクセス可能なコンポーネントの一部分に面する前記支持フィルム内にウィンドウが形成されることを特徴とするスマートカード。
【請求項2】
前記サブアセンブリがさらに、超小型回路(1)とアクセス可能なコンポーネント(2)との間に接続されたインタフェースコンポーネント(3)を含むことを特徴とする請求項1に記載のスマートカード。
【請求項3】
前記インタフェースコンポーネントが、前記のアクセス可能なコンポーネントのためのコントローラであることを特徴とする請求項2に記載のスマートカード。
【請求項4】
前記サブアセンブリ内の接続が、接続ワイヤ(7、8、9)によって行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のスマートカード。
【請求項5】
各前記接続ワイヤがまず第1に、超小型回路(1)またはコンポーネント(2、3)に接続され、第2に前記支持フィルムによって担持された接続用トラック(4、5)に接続されることを特徴とする請求項4に記載のスマートカード。
【請求項6】
前記ハウジングが、超小型回路(1)が中に固定されている少なくとも1つのキャビティ(C1)およびアクセス可能なコンポーネント(2)が中に固定されている1つのキャビティ(C2)を含み、少なくとも1つのリブ(15、16)が該キャビティ間に具備されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のスマートカード。
【請求項7】
前記支持フィルムが、少なくとも前記超小型回路と1つのコンポーネントとの間に、機械的な曲げに弱くなっており、かつリブに支持されるようになっている領域を含むことを特徴とする請求項6に記載のスマートカード。
【請求項8】
機械的に弱くされた領域が、前記超小型回路か各前記コンポーネントのいずれかの側に形成されることを特徴とする請求項7に記載のスマートカード。
【請求項9】
前記の機械的に弱くされた各部分が、少なくとも1つのスロット(F1−F6)を含むことを特徴とする請求項7または8に記載のスマートカード。
【請求項10】
接続用トラック(4、5)が、前記超小型回路と各前記コンポーネントとの間に形成され、各該トラックがリブに面し、少なくとも1つの機械的に弱くされた部分がこれを横切っていることを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載のスマートカード。
【請求項11】
各前記キャビティには、前記超小型回路またはコンポーネントを含みかつ前記支持フィルムにまで延びた剛性材料が、充てんされることを特徴とする請求項6〜10のいずれか一項に記載のスマートカード。
【請求項12】
各前記キャビティには、その底面の周囲において少なくとも1つの凹部(18)を、具備することを特徴とする請求項9に記載のスマートカード。
【請求項13】
超小型回路と、アクセス可能なコンポーネントを含む少なくとも1つのその他のコンポーネントとを含むスマートカードの製造方法において、
支持フィルム(10)上に超小型回路(1)および少なくともアクセス可能なコンポーネント(2)を設け、該フィルム内に前記のアクセス可能なコンポーネントへのアクセスのためのウインドウ(11)を具備し、接続ワイヤを用いて接続を行うことによりサブアセンブリ(S1またはS2)を組立てる段階と、
カード支持体内にハウジング(C1+C2+C3)を形成する段階と、
前記ハウジング内に前記サブアセンブリを固定する段階と、
を含んでなる方法。
【請求項14】
超小型回路(1)用のキャビティ(C1)およびアクセス可能なコンポーネント(2)用のキャビティ(C2)が、前記ハウジング内に形成されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
機械的な曲げに弱くされた領域(F2、F3、F4、F5)が、少なくとも前記の超小型回路とアクセス可能なコンポーネントとの間で、前記支持フィルム内に形成されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記の機械的な曲げに弱くされた領域が、前記の超小型回路および各コンポーネントのいずれかの側で前記支持フィルム内に形成されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記の機械的な曲げに弱くされた領域が、スロット(F1、…、F6)により形成されることを特徴とする請求項15また16に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つの機械的な曲げに弱くされた領域が、2つの前記キャビティ間で前記ハウジング内に形成されたリブ(15、16)に面して配置されることを特徴とする請求項14〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
ワイヤにより前記の超小型回路またはコンポーネントに接続される接続用トラック(4、5)を、前記の機械的な曲げに弱くされた領域が横切っていることを特徴とする請求項14〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも1つの凹部(18)が、少なくとも1つの前記キャビティの底面の周囲に形成されることを特徴とする請求項14〜19のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−504193(P2006−504193A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−547703(P2004−547703)
【出願日】平成15年10月23日(2003.10.23)
【国際出願番号】PCT/FR2003/003139
【国際公開番号】WO2004/040507
【国際公開日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【出願人】(501094410)オベルトゥル カード システムズ ソシエテ アノニム (9)
【Fターム(参考)】