アクセス解析システム、アクセス解析方法及びコンピュータプログラム
【課題】電子メールとウェブページへのアクセスとの関係を把握し、どのユーザがどのウェブページにアクセスしたかを検出する。
【解決手段】電子メール生成部100は、各ユーザ毎に用意される個別URLが記載された電子メール100を各ユーザに送信する。ユーザが個別URLをクリックすると、ユーザ端末30はユーザ専用の入口ページ200にアクセスした後、詳細ページ201にリダイレクトされる。アクセス解析部210は、入口ページ200にアクセスしたユーザ端末について、そのドメインと、アクセス回数と、ユーザ識別情報を検出する。
【解決手段】電子メール生成部100は、各ユーザ毎に用意される個別URLが記載された電子メール100を各ユーザに送信する。ユーザが個別URLをクリックすると、ユーザ端末30はユーザ専用の入口ページ200にアクセスした後、詳細ページ201にリダイレクトされる。アクセス解析部210は、入口ページ200にアクセスしたユーザ端末について、そのドメインと、アクセス回数と、ユーザ識別情報を検出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクセス解析システム、アクセス解析方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるインターネット上のウェブサイト、または、電子メールなどの情報通信技術を用いた宣伝活動、販促活動が活発に行われている。ダイレクトメールとなる電子メールで商品またはサービス(以下、商品等)の概要を紹介し、詳細説明は電子メール中のリンク先で行う、という形態が比較的多い。電子メールを受領した多数のユーザのうち、興味を持ったユーザは、電子メール中のURL(Uniform Resource Locator)をクリックして、外部のウェブサイトを閲覧する。
【0003】
ダイレクトメール発行者は、宣伝効果確認のために、ウェブサイトのアクセス履歴を管理する。アクセス履歴には、いつ、どのドメイン(IPアドレス)から、何回アクセスされたかを示す情報が含まれる。IPアドレスからドメイン名を検索することにより、アドレス元の組織の名称(企業名、大学名、官公庁名等)まではわかる(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2008−529190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術では、ドメイン名までわかっても、組織内の誰がアクセスしたのかまでは、特定できない。通常は各ユーザそれぞれにグローバルIPアドレスが割り当てられておらず、各ユーザは、組織のプロキシサーバ等を経由して外部のウェブサイトにアクセスする。従って、組織内の別々のユーザが同一のウェブサイトを閲覧しても、アクセス履歴だけでは各ユーザのアクセスを判別できない。
【0006】
このため、ダイレクトメールとウェブサイトの閲覧との関係を判別することができず、ダイレクトメールの効果を測定するのが難しいという問題がある。また、ダイレクトメールに実際に興味を持ったユーザに対して営業(フォロー営業)を行うことができない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、電子メールとウェブページの関係を判別して、ウェブページにアクセスしたユーザを特定できるようにしたアクセス解析システム、アクセス解析方法及びコンピュータプログラムを提供することにある。本発明のさらなる目的は、後述する実施形態の記載から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく、一つの実施形態に係るシステムは、通信ネットワーク上の情報資源へのアクセスを解析するためのアクセス解析システムであって、各ユーザの電子メールアドレスと、各ユーザが通信端末を用いて情報資源にアクセスするための資源アクセス情報であって各ユーザ毎に用意される資源アクセス情報と、各ユーザを識別するためのユーザ識別情報とを対応づけて管理する管理情報と、管理情報を用いて、資源アクセス情報を含む電子メールを各ユーザ毎に生成して送信させる電子メール生成部と、資源アクセス情報に基づいて各ユーザが通信端末を用いて情報資源にアクセスした場合、管理情報を用いて、各ユーザのうちアクセス元のユーザを識別するアクセス解析部と、を備える。
【0009】
前記情報資源として、各資源アクセス情報毎の第1情報資源と、各第1情報資源に共通に対応付けられる第2情報資源とを生成する情報資源生成部をさらに備え、各第1情報資源は、通信端末が資源アクセス情報に基づいて第1情報資源にアクセスした場合に、通信端末のアクセス先を第2情報資源に変更させることもできる。
【0010】
情報資源は、例えば、いわゆるウェブページとして構成される。ウェブページは、インターネットのような通信ネットワーク上のサーバ内に保持される。ウェブページは、例えば、テキスト、グラフィックス、静止画像、動画像、音楽を再生等できる。
【0011】
資源アクセス情報は、通信端末が通信ネットワークを介して情報資源にアクセスするための情報であり、例えば、URLのような形式で表現される。実施形態では、各ユーザ毎に専用の資源アクセス情報及び情報資源が事前に用意される。
【0012】
通信端末は、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末、携帯電話のような、通信ネットワークに接続するための機能と、情報資源を閲覧するための機能とを備えたコンピュータ端末として構成される。なお、情報資源を閲覧するための機能の全てを、通信端末が最初から備えている必要はない。例えば、通信端末が情報資源にアクセスしたときに、その情報資源の全部または一部を再生するために必要なコンピュータプログラムを、サーバから通信端末にダウンロードさせる構成でもよい。
【0013】
管理情報は、ユーザと情報資源との対応関係を管理する。管理情報は、例えば、ユーザの電子メールアドレスと、ユーザ専用の資源アクセス情報と、ユーザの識別情報とを各ユーザ毎に対応付けて管理する。従って、アクセス解析部は、情報資源へのアクセスが検出された場合、管理情報を参照するだけで、どのユーザからのアクセスであるかを特定することができる。
【0014】
但し、ユーザが、自分宛の電子メールを他のユーザに転送し、他のユーザがその電子メール内の資源アクセス情報に基づいて情報資源にアクセスする場合もあり得る。この場合、実際に情報資源にアクセスしたユーザと、その情報資源に対応する資源アクセス情報が発行されたユーザとが異なる。この場合、アクセスしたユーザの通信端末を通信ネットワーク上で識別するためのアクセス元識別情報(例えば、ドメイン)と、資源アクセス情報の発行先であるユーザの属する組織のドメインとを比較することにより、資源アクセス情報が配信されたユーザと実際にアクセスしたユーザとの相違を検出することができる。
【0015】
一つの実施形態では、情報資源生成部は、情報資源として、各資源アクセス情報毎の第1情報資源と、各第1情報資源に共通に対応付けられる第2情報資源とを生成し、各第1情報資源は、通信端末が資源アクセス情報に基づいて第1情報資源にアクセスした場合に、通信端末のアクセス先を第2情報資源に変更させてもよい。
【0016】
ユーザが、電子メール内の資源アクセス情報を選択すると、通信端末は第1情報資源にアクセスする。第1情報資源は、そのユーザ専用に用意されたものである。第1情報資源は、例えば、HTTP(HyperText Transfer Protocol)リダイレクトのような技術を用いて、第2情報資源にアクセスするようにとの指示を通信端末に与える。通信端末は、その指示に従って第2情報資源にアクセスする。第1情報資源は、通信端末を第2情報資源に案内するための入口としての機能を果たす。第1情報資源は、第2情報資源に通信端末を導くために必要な最低限度の機能を備えていれば足りるため、そのデータサイズを小さくすることができる。第2情報資源は、商品等を説明するための情報を含むため、第1情報資源よりもデータサイズは大きくなる。なお、情報資源は、第1情報資源と第2情報資源とに分けなくてもよい。第2情報資源に相当する情報資源(即ち、商品等を説明し複数ユーザに共通に閲覧される説明情報を含む情報資源)が、各ユーザ毎に生成される構成でもよい。但し、この場合は、比較的データサイズの大きい情報資源が各ユーザ毎に用意されるため、情報資源全体のデータサイズは多くなる。
【0017】
一方、情報資源生成部がユーザに見せるための商品等の説明情報を含む第2情報資源と、この第2情報資源に案内するために各ユーザ毎に生成される第1情報資源とを生成する場合、第1情報資源は、各ユーザ毎にそれぞれ用意されるが、そのデータサイズは小さいため、サーバの記憶領域の消費量は少なくて済む。従って、資源アクセス情報の配布先が増加しても、サーバの記憶領域の消費量はあまり増大しない。
【0018】
一つの実施形態では、アクセス解析部により識別されるアクセス元のユーザを分類し、分類結果を出力するユーザ分析部をさらに備えることができる。
【0019】
さらに、アクセス解析部は、通信端末が情報資源にアクセスした回数を検出することができ、ユーザ分析部は、資源アクセス情報の配布されるユーザを、アクセス数及びアクセス元を識別するアクセス元識別情報の数が比較的多い第1領域と、アクセス数は比較的多いがアクセス元識別情報の数が比較的少ない第2領域と、アクセス数は比較的少ないがアクセス元識別情報の数が比較的多い第3領域と、アクセス数及びアクセス元識別情報の数が比較的少ない第4領域とのいずれかの領域に属するように分類し、分類結果を出力することもできる。
【0020】
アクセス解析部は、アクセス元のユーザを第1領域、第2領域、第3領域、第4領域のいずれかに分類する。これにより、資源アクセス情報を配布したユーザの、例えば影響力または影響範囲を測定することができる。
【0021】
資源アクセス情報は、ユーザ識別情報と、ユーザの所属先組織を識別するための組織識別情報とを所定規則に従って含んでおり、資源アクセス情報を所定規則に従って判読可能に構成してもよい。即ち、例えば、所定規則を知るコンピュータ、コンピュータプログラム、管理者は、資源アクセス情報からユーザ識別情報と組織識別情報とを見分けることができる。
【0022】
資源アクセス情報は、ユーザ識別情報と組織識別情報とを含む情報に基づいて生成でき、さらに、ユーザが判読できない形態で作成できる。ここで、判読できないとは、ユーザが資源アクセス情報を見ても、そこにユーザ識別情報及び組織識別情報が含まれていることを明確に認識することができないことを意味する。
ユーザは資源アクセス情報を判読できないため、ユーザが、他人用の資源アクセス情報を探り当てて不正にアクセスする可能性を低減できる。さらに、資源アクセス情報が、ユーザを特定するために生成されていることをユーザに対して隠すことができ、ユーザの不快感または警戒心を和らげることができる。さらに、資源アクセス情報は組織識別情報に基づいているため、情報資源にアクセスしたユーザが資源アクセス情報の配布されたユーザであるか否かを比較的簡単に判定できる。
【0023】
他の実施形態では、管理情報は、複数の対象に関する複数の情報資源にそれぞれ対応し、各ユーザ毎に違えて生成される複数の資源アクセス情報を、ユーザ毎に、電子メール及びユーザ識別情報に対応付けて管理しており、電子メール生成部は、管理情報を用いて、各資源アクセス情報を含む電子メールを各ユーザ毎に生成して送信させ、アクセス解析部は、各ユーザが通信端末を用いて情報資源にアクセスした場合、アクセス元である通信端末を通信ネットワーク上で識別するためのアクセス元識別情報と、アクセス元のユーザに対応するユーザ識別情報と、情報資源にアクセスした回数とをそれぞれ検出して保存する。
【0024】
複数の対象とは、例えば、人物、映画、音楽、書籍、店舗、国家、飲食物等のような種々の有形物または無形物を示す。各ユーザ宛の電子メールには、複数の対象に関する複数の情報資源に対応する資源アクセス情報が含まれている。例えば、複数の資源アクセス情報のうちいずれか一つのみをユーザが選択できる規則の場合、投票システムとして用いることができる。ユーザが複数の資源アクセス情報を全て選択可能な規則の場合、例えば、商品等の情報を段階的にユーザに提示したり、または、著作物の利用を各著作物毎に管理したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、アクセス解析システムを含む計算機システムの全体図。
【図2】図2は、アクセス解析システムの機能構成図。
【図3】図3は、アクセス解析に使用される各テーブルの関係を示す説明図。
【図4】図4は、各ユーザ毎の個別URLとアクセス解析の関係を示す説明図。
【図5】図5は、全体動作を示すフローチャート。
【図6】図6は、個別URLを作成する処理及び電子メールを作成する処理を示すフローチャート。
【図7】図7は、入口ページを作成する処理を示すフローチャート。
【図8】図8は、アクセス元を解析する処理を示すフローチャート。
【図9】図9は、第2実施例に係り、アクセス元を解析する処理を示すフローチャート。
【図10】図10は、ユーザの分析結果を示す説明図。
【図11】図11は、第3実施例に係り、時刻を考慮して個別URLを作成する処理を示すフローチャート。
【図12】図12は、第4実施例に係り、投票システムに応用した場合の説明図。
【図13】図13は、アクセス元を解析する処理を示すフローチャート。
【図14】図14は、第5実施例に係り、グループ毎に、及び、ユーザ毎に、資源アクセス情報を生成する場合を示す説明図。
【図15】図15は、第6実施例に係り、著作物を利用するシステムに応用した場合の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態では、以下に述べるように、各ユーザ毎の専用URLを各ユーザに通知し、専用URLにアクセスしたユーザを検出する。なお、本発明の範囲は、実施例に記載の構成に限定されない。
【実施例1】
【0027】
図1〜図8に基づいて第1実施例を説明する。図1は、計算機システムの全体構成を示す説明図である。計算機システムは、例えば、少なくとも一つの電子メールサーバ10と、少なくとも一つのウェブサーバ20と、複数のユーザ端末30と、少なくとも一つの管理端末40と、を備えており、それら10−40はインターネットのような通信ネットワークCNを介して双方向通信可能に接続されている。
【0028】
アクセス解析システム50は、電子メールサーバ10とウェブサーバ20とを含んで構成される。さらに、アクセス解析システム50は、管理端末40を備えてもよい。
【0029】
電子メールサーバ10は、例えば、マイクロプロセッサ11と、メモリ12と、ディスク13と、通信インターフェース14とを含むコンピュータとして構成される。メモリ12またはディスク13のいずれか又は両方には、図2で後述するように、所定のコンピュータプログラム110及び管理情報120,130等が記憶される。
【0030】
マイクロプロセッサが所定のコンピュータプログラム110を実行することにより、各ユーザ毎の個別URL(専用URL)を生成し、個別URLを含む電子メール100を作成できる。
【0031】
ウェブサーバ20も、例えば、マイクロプロセッサ21と、メモリ22と、ディスク13と、通信インターフェース24を含むコンピュータとして構成される。メモリ22またはディスク23のいずれか又は両方には、他の所定のコンピュータプログラム210,220と他の管理情報230及びウェブページ情報200,201等が記憶される。
【0032】
マイクロプロセッサ21が他の所定のコンピュータプログラム210を実行すると、入口ページ200及び詳細ページ201(図2参照)へのアクセスが解析される。さらに、マイクロプロセッサ21がコンピュータプログラム220を実行することにより、各ユーザ毎の入口ページ200と、複数ユーザに共通する詳細ページ201とが生成されて、アクセス可能に提供される。
【0033】
ユーザ端末30は「通信端末」に該当する。ユーザ端末30も、例えば、マイクロプロセッサ31と、メモリ32と、ディスク33と、通信インターフェース34を含むコンピュータとして構成される。メモリ32またはディスク33のいずれか又は両方には、例えば、ウェブブラウザを実現するためのコンピュータプログラムが記憶される。
【0034】
マイクロプロセッサ31がそのコンピュータプログラムを実行することにより、ユーザ端末30は、電子メールサーバ10からの電子メール100を受領でき、さらに、電子メールに記載された個別URLに示される入口ページ200にアクセスできる。なお、ウェブブラウザと、電子メールを受領するためのメールクライアントとは別々に構成されてもよい。
【0035】
図2は、アクセス解析システム50の機能構成を示す。電子メール生成部110は、各ユーザ毎に電子メール100を作成するための機能である。詳細は後述するが、電子メール作成部110は、メールアドレス管理テーブル120及び本文管理テーブル130を用いて、ユーザ別の電子メール100を作成する。その電子メール100には、各ユーザ毎の専用のURLが含まれている。
【0036】
ウェブサーバ20の有するウェブページ生成部220は、各ユーザにそれぞれ対応する入口ページ200と、複数ユーザに共通に適用される詳細ページ201とを提供する。各ウェブページ200,201は、「情報資源」に該当する。各入口ページ200は「第1情報資源」に該当し、詳細ページ201は「第2情報資源」に該当する。
【0037】
各ユーザ毎に用意される各入口ページ200は、一つの詳細ページ201に対応付けられている。各ユーザがユーザ端末30を用いて自分用の入口ページ200にアクセスすると、入口ページ200はユーザ端末30のウェブブラウザに対して、詳細ページ201にアクセスするようにと指示する。この指示に従って、ユーザ端末30のウェブブラウザは、詳細ページ201にアクセスし、商品等の詳細な説明を取得する。
【0038】
各入口ページ200は、各ユーザのアクセスを受け付けて、詳細ページ201にリダイレクトさせる。従って、各入口ページ200は、リダイレクト機能を備えたウェブページとして必要最低限のデータから構成されていれば足りる。このため、ユーザ数が多い場合でも、入口ページ200の総データサイズはそれほど大きくならない。
【0039】
詳細ページ201は、例えば、文字、静止画像、動画像、音楽等を用いて、ユーザに商品等を紹介するためのウェブページである。詳細ページ201は、複数のウェブページから構成できる。
【0040】
なお、詳細ページ201は、検索エンジンロボットによる自動収集を禁止するための構成を備える。例えば、詳細ページ201の所定場所には、検索エンジンロボットを制御するためのメタタグが書き込まれている。
【0041】
詳細ページ201を検索エンジンロボットから隠蔽することにより、個別URLを受領していないユーザが、検索エンジンを経由して詳細ページ201の内容を知るのを防止できる。従って、電子メール100による詳細ページ201への誘導効果(ユーザ反応)をより正確に測定できる。
【0042】
アクセス解析部210は、例えばウェブサーバ20に設けられる。アクセス解析部210は、各入口ページ200へのアクセスを監視しており、ユーザ端末20のウェブブラウザが入口ページ200にアクセスすると、そのアクセス元のIPアドレスからアクセス元ドメインの名称を特定する。アクセス解析部210は、ドメイン名及びアクセス回数等を、ユーザ反応管理テーブル230に記憶させる。ドメイン名は、アクセス元を識別するためのアクセス元識別情報の一例であって、本実施例はドメイン名以外の情報を用いる場合にも適用できる。例えば、IPアドレスを用いても良い。さらに例えば、MAC(Media
Access Control)アドレスのようなハードウェア識別番号等の情報を利用する構成としてもよい。さらに、ドメイン名、IPアドレス、MACアドレスのような異なる複数の識別情報を状況に応じて使い分ける構成でもよい。
【0043】
なお、図2の説明では、電子メール生成部110を電子メールサーバ10に設け、アクセス解析部210及びウェブページ生成部220をウェブサーバ20に設ける場合を説明した。しかし、それに限らず、電子メール生成部110,アクセス解析部210,ウェブページ生成部220を、他のコンピュータに設ける構成でもよい。さらに、電子メールサーバ10及びウェブサーバ20は、それぞれ複数台のコンピュータから構成することもできる。
【0044】
図3は、管理テーブルの構成と働きを示す説明図である。「管理情報」の少なくとも一部を構成可能なメールアドレス管理テーブル120は、例えば、メールアドレス欄1200と、ユーザ名欄1201と、所属先欄1202と、URL欄1203とを対応付けて管理する。
【0045】
メールアドレス欄1200は、ユーザの電子メールアドレスを記憶する。一人のユーザについて複数の電子メールアドレスを設定することもできる。例えば、携帯電話用の電子メールアドレスと、パーソナルコンピュータ用の電子メールアドレスとを、同一のユーザについて登録できる。この場合、電子メールアドレス毎に個別URLを用意することができる。
【0046】
ユーザ名欄1201は、ユーザを特定可能なユーザ名を記憶する。ユーザ名は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報である。従って、ユーザ名は、必ずしも「氏名」である必要はなく、英数字等を組み合わせた識別情報でもよい。
【0047】
所属先欄1202は、ユーザの属する組織の名称を記憶する。所属先名は、ユーザの属する組織を識別するための組織識別情報である。従って、ユーザ名と同様に、所属先名は、英数字等を組み合わせた識別情報でもよい。
【0048】
URL欄1203は、各ユーザ毎に用意される入口ページ200にアクセスするためのURL(個別URL、または、ユーザ専用URLと呼ぶ)を記憶する。各ユーザ毎に詳細ページ201を用意する場合は、ユーザ毎の詳細ページ201にアクセスするためのURLを、URL欄1203に登録する。但し、この場合は、全ウェブページの合計サイズが大きくなる。
【0049】
このように、メールアドレス管理テーブル120は、電子メール100のヘッダ101に記載すべき情報の一部(宛先の電子メールアドレス)と、電子メール100のボディ102に記載すべき情報の一部(個別URL)とを管理する。さらに、メールアドレス管理テーブル120は、各ユーザ毎の電子メール100に記載される後述の本文IDを管理しても良い。
【0050】
本文管理テーブル130は、電子メール100に記載する本文を管理する。本文管理テーブル130は、例えば、本文ID欄1300と、種別欄1301と、本文欄1302とを対応付けて管理する。
【0051】
本文ID欄1300は、本文を識別するための情報を記憶する。本文としては、例えば「新製品の特徴は〜です。詳細な情報は下記サイトをご覧下さい。」、「先日のセミナで使用した資料を下記サイトに掲載しています。ご利用下さい。」等がある。このように、本文IDは、ユーザに送信する電子メール100の性格、つまり、ユーザを案内しようとする詳細ページ201の性格または特徴に関連した情報である。本文管理テーブル130は、本文IDに対応する詳細ページ201のURLを管理することもできる。
【0052】
種別欄1301は、本文の種類を記憶する。種別としては、例えば、「カタログ配布」、「セミナ案内」、「セミナ御礼」、「展示会案内」、「新製品の紹介」等がある。本文欄1302は、本文データまたは本文データの格納先アドレスを記憶する。
【0053】
このように、本文管理テーブル130は、電子メール100のボディ102に記載すべき情報の他の一部を管理する。
【0054】
ユーザ反応管理テーブル230は、各ユーザによるウェブページへのアクセス結果を記憶する。ユーザ反応管理テーブル230は、例えば、ユーザ名欄2300と、ドメイン名欄2301と、本文ID欄2302と、反応欄2303とを対応付けて管理する。ユーザ反応管理テーブル230は、過去のアクセス履歴を所定期間だけ保存可能である。
【0055】
ユーザ名欄2300には、ユーザを識別するユーザ識別情報としてのユーザ名が記憶される。ドメイン名欄2301には、入口ページ200にアクセスしたユーザ端末30のIPアドレスから特定されるドメイン名が記憶される。
【0056】
ID欄2302には、入口ページ200に対応する詳細ページ201を識別するための情報が記憶される。ID欄2302には、本文管理テーブル130の本文IDと同一の値を設定する構成でもよい。ユーザがどの詳細ページ201にアクセスしたのかを特定できればよいため、本文IDに代えて、詳細ページ201のURL等を欄2302で管理する構成でもよい。さらに、欄2302内に、または、欄2302とは別の欄に、ユーザが最初にアクセスした入口ページ200を特定するための情報(個別URL、または、各入口ページのID)を記憶させることもできる。
【0057】
反応欄2303は、例えば、アクセス回数、アクセス日時、アクセスしたウェブブラウザの種類及びバージョン等を記憶する。さらに、反応欄2303には、複数種類のアクセス回数を記憶させることができる。一つは、単純にアクセス回数をカウントするアクセス回数であり、他の一つは、同一IPアドレスからの重複したアクセスを排除してカウントするアクセス回数である。
【0058】
なお、ユーザ反応管理テーブル230は、詳細ページ201へのアクセス回数等を管理することもできる。
【0059】
上述の各管理テーブル120,130,230は、図3に示す構成に限定されない。図示された欄以外の情報を管理してもよい。さらに、各管理テーブル120,130,230を複数のテーブルから構成してもよい。さらに、ユーザの各属性(住所、性別等)を管理するユーザ管理テーブル、ユーザの購入履歴を管理する購入履歴管理テーブル等の他の管理テーブルと連動させることもできる。
【0060】
図4は、電子メール100の構成及びアクセス解析の様子を示す説明図である。各ユーザ毎にそれぞれ電子メール100(1),100(2)が送信される。一方のユーザには電子メール100(1)が送信され、他方のユーザには電子メール100(2)が送信される。
【0061】
各電子メール100(1),100(2)は、ヘッダ101と、ボディ102をそれぞれ備える。ヘッダ101の宛先アドレスには、メールアドレス管理テーブル120から取得される電子メールアドレスが設定される。件名には、本文IDに対応して予め用意される件名が設定される。
【0062】
ボディ102には、本文管理テーブル130から取得される本文102Aと、メールアドレス管理テーブル120から取得される個別URL102Bとが記載される。
【0063】
個別URLは、例えば、アクセス先サイト名と、入口ページ200の置かれているディレクトリ名と、送信時間(図4では日付)と、ユーザの所属先組織を特定するための組織識別情報(組織ID)と、ユーザを特定するためのユーザ識別情報(ユーザID)とを含んで構成される。
【0064】
個別URL102B内の組織IDは、メールアドレス管理テーブル120の所属先欄1202に設定される値と同一の値でもよいし、所属先欄1202に設定される値から生成される別の値でもよい。同様に、個別URL102B内のユーザIDは、アドレス管理テーブル120内のユーザ名1201と同一の値でもよいし、ユーザ名1201から生成される別の値でもよい。
【0065】
ユーザが電子メールに記載されたURLをクリックすると、ユーザ端末30は、そのURLで特定される入口ページ200にアクセスする。電子メール100(1)内の個別URLをユーザがクリックすると、そのユーザの使用するユーザ端末30は、入口ページ200(1)にアクセスする。同様に、電子メール100(2)内の個別URLをユーザがクリックすると、そのユーザの使用するユーザ端末30は、他の入口ページ200(2)にアクセスする。
【0066】
各入口ページ200(1),200(2)は、アクセスしてきた各ユーザ端末30(より詳しくは、端末上で稼働するウェブブラウザ)を、詳細ページ201にリダイレクトさせる。
【0067】
アクセス解析部210のアクセス元判定機能211は、入口ページ200(1),200(2)にアクセスしたユーザ端末30のIPアドレスを取得し、IPアドレスに対応するドメインを特定する。
【0068】
アクセス解析部210のアクセス数検出機能212は、アクセス回数を保存する。アクセス解析部210の転送判定機能212は、他のユーザに転送された電子メールに基づくアクセスであるか否かを判定する。転送判定機能212は、例えば、電子メールの送信先ユーザの所属する組織のドメイン名と、アクセス元判定機能211で特定されたドメイン名とが一致しない場合に、電子メールが他のユーザに転送され、他のユーザが入口ページにアクセスしたと判定することができる。
【0069】
アクセス解析部210の効果測定機能214は、アクセス数及び転送判別結果等に基づいて、電子メールの送信とウェブページへのアクセスとの関係の効果を測定し、出力することができる。
【0070】
図5は、全体動作を示すフローチャートである。電子メール生成部110は、メールアドレス管理テーブル120からメールアドレス、ユーザ名、所属先、個別URLを取得する(S10)。さらに、電子メール生成部110は、本文管理テーブル130から本文データを取得し(S11)、各ユーザ別の電子メール100を作成する(S12)。電子メール生成部110は、作成した電子メールを電子メールサーバ10から各ユーザに向けて送信させる(S13)。
【0071】
ユーザ端末30は電子メール100を受信し(S20)、端末画面に電子メール100を表示させてユーザに閲覧させる(S21)。ユーザは、興味を持った場合、電子メール100に記載されているURLを選択し、クリックする(S22)。
【0072】
ユーザがURLをクリックすると、ユーザ端末30のウェブブラウザは、そのURLで示される入口ページ200にアクセスする(S22)。
【0073】
ウェブサーバ20上の入口ページ200は、ユーザ端末30による入口ページへのアクセスを詳細ページ201にリダイレクトさせる(S30)。アクセス解析部210は、入口ページ200へのアクセス元を解析し、解析結果を保存する(S31)。
【0074】
一方、ユーザ端末30のウェブブラウザは、詳細ページ201のURLを通知されると、詳細ページ201にアクセスする(S23)。ウェブサーバ20は、詳細ページ201のデータをユーザ端末30のウェブブラウザに送信する(S32)。ユーザ端末30のウェブブラウザは、詳細ページ201を表示させる(S24)。
【0075】
アクセス解析部210は、ユーザによる詳細ページ201の閲覧状況(アクセス状況)を解析して保存する(S33)。例えば、アクセス解析部210は、詳細ページ201へのアクセス元及びアクセス回数を判定したり、ユーザが詳細ページ201のどの部分をクリックしたか等を解析できる。
【0076】
図6は、個別URLを生成する処理と、個別URLを含む電子メールを作成する処理とをそれぞれ示すフローチャートである。電子メール生成部110が、個別URLを作成する場合を例に挙げて説明する。これに代えて、個別URLを作成するためのURL作成部(資源アクセス情報生成部と呼ぶこともできる)を、電子メール生成部110とは別に設けても良い。
【0077】
電子メール生成部110は、メールアドレス管理テーブル120に登録されている各ユーザ毎に、S41−S44の各ステップを実行する(S40)。
【0078】
電子メール生成部110は、対象ユーザのユーザIDを取得し(S41)、続いて、対象ユーザの所属先を示す所属先IDを取得する(S42)。電子メール生成部110は、例えば、図4に示すように、ユーザIDと所属先IDとから対象ユーザ専用のURLを生成する(S43)。電子メール生成部110は、S43で生成された個別URLを、メールアドレス管理テーブル120のURL欄1203に登録する(S44)。または、電子メール生成部110は、ユーザIDと電子メールアドレス及び個別URLを含む一時的なリストを作成してもよい。
【0079】
電子メール生成部110は、個別URLの作成された各ユーザ毎に、S51−S53の各ステップを実行する。S51−S53は、図5のS12の例である。電子メール生成部110は、送信先のメールアドレス及び件名等をヘッダ101に設定し(S51)、ボディ102に本文及び個別URLを記載する(S52)。電子メール生成部110は、作成した電子メール100を、例えばディスク13に記憶させる(S53)。
【0080】
図7は、入口ページ200を作成するための処理を示すフローチャートである。ウェブページ生成部220は、各個別URL毎に、S61−S63の各ステップを実行する(S60)。
【0081】
ウェブページ生成部220は、入口ページ200の雛形を取得する(S61)。例えば、ディスク23には、入口ページ200を作成するための雛形となるデータが予め記憶されている。
【0082】
ウェブページ生成部220は、その雛形の所定位置に詳細ページ201のURLを設定して入口ページ200を作成する(S62)。ウェブページ生成部220は、作成した入口ページ200を、ウェブサーバ20内の個別URLに対応する所定ディレクトリに保存する(S63)。
【0083】
図8は、アクセス元を解析するための処理を示すフローチャートである。アクセス解析部210は、アクセスされた各入口ページ200毎に、S71−S75の各ステップを実行する(S70)。
【0084】
アクセス解析部210は、メールアドレス管理テーブル120を参照し、アクセスされた入口ページ200に対応するユーザIDを取得し(S71)、さらに、その入口ページ200に対応する本文IDを取得する(S72)。
【0085】
アクセス解析部210は、アクセス元のIPアドレスを取得し(S73)、そのIPアドレスに対応するドメイン名を特定する(S74)。アクセス解析部210は、S71で取得したユーザIDと、S72で取得した本文IDと、S74で特定されたドメイン名とを、ユーザ反応管理テーブル230に登録する。
【0086】
このように構成される本実施例では、各ユーザ毎に個別URLを生成して配布し、各個別URLへのアクセス状況を解析することにより、ウェブページにアクセスしたユーザを特定できる。
【0087】
このため、企業内の複数ユーザが同一のプロキシサーバ等を経由して同一の詳細ページ201にアクセスした場合でも、どのユーザが実際にアクセスしたのかを特定することができる。より正確には、どのユーザに送信した個別URLが使用されたのかを正確に特定できる。従って、電子メール100による宣伝効果を測定でき、マーケティング活動に役立たせることができる。
【0088】
なお、一つの詳細ページ201に各ユーザを誘導する場合等には、S72で本文IDを取得しなくてもよい。但し、それぞれ異なる詳細ページ201に各ユーザを誘導するために、それぞれ異なる電子メール100を各ユーザに送信する場合には、ユーザがどの詳細ページ201に誘導されたのかを区別するために、S72で本文IDを取得してもよい。各ユーザにそれぞれ異なる詳細ページ201を紹介するための電子メールを送信する場合においても、必要が無ければ、S72で本文IDを取得しなくてもよい。
【実施例2】
【0089】
図9,図10を参照して第2実施例を説明する。本実施例を含む以下の各実施例は、第1実施例の変形例に該当する。従って、第1実施例との相違を中心に説明する。本実施例では、アクセス状況に基づいてユーザを分類する。
【0090】
図9は、本実施例によるアクセス元解析処理のフローチャートである。本フローチャートは、図8に示すフローチャートと共通のステップS70−S75を備える。さらに、本フローチャートには、S74とS75との間に、新規なステップS76及びS77が追加されている。そこで、S76,S77を説明する。
【0091】
アクセス解析部210は、アクセス元のドメイン名を特定すると(S74)、その特定されたドメイン名と、S71で取得されたユーザIDに対応する組織(所属先IDで特定される組織)のドメインとが一致するか否かを判定する(S76)。
【0092】
つまり、S76では、実際にアクセスしたユーザ端末30のドメイン名と、個別URLの送信先ユーザの属する組織のドメイン名とが一致するか否かを判定する。
【0093】
アクセス解析部210は、アクセス元ドメイン名と、個別URLの送信先ユーザに対応するドメイン名とが一致する場合は(S76:YES)、S75に移行する。アクセス解析部210は、アクセス元ドメイン名と個別URLの送信先ユーザに対応するドメイン名とが不一致の場合(S76:NO)、その送信先ユーザの影響度及び影響範囲を算出して更新する(S77)。
【0094】
図10は、本実施例のユーザ反応管理テーブル230Aを示す。このユーザ反応管理テーブル230Aは、図3に示すユーザ反応管理テーブル230と共通の項目2300−2303を備える。さらに、本実施例のユーザ反応管理テーブル230Aは、影響度欄2304と、影響範囲欄2305とを備える。
【0095】
影響度欄2304は、ユーザが他のユーザに与える影響の強さを示す値を管理する。影響の強さは、例えば、そのユーザ用の入口ページ200がクリックされた回数で示すことができる。影響範囲欄2305は、ユーザの影響範囲を示す値を管理する。ユーザの影響範囲は、例えば、そのユーザ用の入口ページ200にアクセスした他のドメインの数で示すことができる。
【0096】
例えば、A社に勤務するユーザAに、個別URL(A)を送信した場合を考える。ユーザAに送信する電子メール100には、個別URL(A)に加えて、「友人知人にご紹介ください」という一文が記載されているとする。
【0097】
ユーザAは、B社に勤務するユーザBと、C社に勤務するユーザCとに、ユーザA宛の電子メールを転送する。ユーザB,Cがそれぞれ個別URL(A)をクリックすると、ユーザA用の入口ページ200を経由して詳細ページ201を閲覧できる。
【0098】
ユーザB,Cによるアクセスは、そのアクセス元ドメインがB社,C社であり、ユーザAの属する組織のドメイン名とは異なる。従って、ユーザB,Cによるアクセスは、ユーザAからの紹介に基づくものであると判定できる。
【0099】
ユーザ分析部240は、上述のように、個別URLの送信先ユーザに対応するドメイン名と実際のアクセス元ドメイン名との相違、及び、アクセス回数に基づいて、個別URLの送信先ユーザの特性を分類する。ユーザ分析部240は、アクセス解析部210の中に設けてもよいし、アクセス解析部210とは別に設けてもよい。
【0100】
図10の下側には、ユーザ分析部240による分析結果画面241が示されている。分析結果画面241は、例えば、対象ユーザ用の入口ページ200へのアクセス回数を示す縦軸と、対象ユーザ用の入口ページ200へのアクセス元ドメインの数を示す横軸を備えている。分析結果画面241は、対象ユーザを4つのグループGA,GB,GC,GDのうちいずれか一つに分類する。
【0101】
「第1領域」としての第1グループGAは、アクセス元ドメインの数も多く、かつ、アクセス回数も多いグループである。第1グループに属するユーザは、交友範囲が広く(影響範囲が広く)、かつ、影響力の高いユーザであると判断できる。例えば、先の例では、ユーザAから紹介されたユーザB,Cが詳細ページ201を何度も閲覧しているような状況である。例えば、ユーザAが他のユーザB,Cの手本となる先進的ユーザである場合、ユーザB,Cは、ユーザAから紹介された個別URLを何度もクリックして情報収集に努めると考えられる。従って、この場合、アクセス元ドメイン数及びアクセス回数の両方が大きくなる。
【0102】
「第2領域」としての第2グループGBは、アクセス元ドメイン数は少ないが、アクセス回数は多いグループである。第2グループに属するユーザは、交友範囲は狭く、影響力も少ないが、情報収集意欲は強いユーザであると判断できる。先の例で言えば、ユーザB,Cは、ユーザAから紹介された詳細ページ201を閲覧しておらず、ユーザAだけが何度も詳細ページ201を閲覧しているような状況である。
【0103】
「第3領域」としての第3グループGCは、アクセス元ドメイン数は多いが、アクセス回数は少ないグループである。第3グループに属するユーザは、交友範囲は広いが、影響力の低いユーザであると判断できる。先の例では、ユーザAは各ユーザB,Cに個別URLを紹介するが、各ユーザA,B,Cは情報収集意欲に欠け、詳細ページ201を閲覧する回数は少ない。
【0104】
「第4領域」としての第4グループGDは、アクセス元ドメイン数もアクセス回数も低いグループである。第4グループに属するユーザは、交友範囲も狭く、情報収集意欲に欠けるユーザであると判定することができる。
【0105】
なお、各グループGA−GDに属するユーザは、マーク242で象徴される。マーク242をクリックすると、そのマーク242に対応するユーザに関する情報243を表示させることができる。ユーザ関連情報243には、例えば、ユーザ名、所属先組織名等を含めることができる。
【0106】
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の効果を奏する。さらに、本実施例では、アクセス解析結果に基づいて、ユーザの特性を分類することができる。従って、電子メール100による宣伝効果をマーケティング活動により役立たせることができる。例えば、図10で述べた例では、第1グループに属するユーザを重要ユーザとしてフォローアップ営業を行うことにより、効率的に商品等を販売できる。
【実施例3】
【0107】
図11を参照して第3実施例を説明する。本実施例では、個別URLに電子メール100の送信予定時刻を含める。
【0108】
図11は、個別URLを生成する処理を示すフローチャートである。本フローチャートは、図6に示す個別URL生成処理のフローチャートと共通するステップS40−S44を備える。さらに、本実施例では、S42とS43との間に、新規ステップS45が追加されている。
【0109】
本実施例では、電子メール100の送信予定時刻を取得し(S45)、ユーザIDと所属先IDと送信予定時刻とから、個別URLを生成する(S43)。
【0110】
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の効果を奏する。さらに、本実施例では、個別URLに送信予定時刻を含めるため、アクセス元ユーザを逆探知する意図を隠して、ユーザの警戒心を和らげることができる。
【0111】
また、各電子メール100にそれぞれ異なる送信予定時刻を設定して送信できる場合、例えば、電子メール100の宣伝効果を時間の観点から測定できる。
【0112】
なお、本実施例では、ユーザと時刻とを予め対応付ける場合を述べたが、変形例として、電子メールの送信時にユーザと送信時刻とをリアルタイムで対応付けて保存する構成でもよい。つまり、任意の時刻から電子メールの送信を開始し、ユーザ名と送信時刻と個別URL等を対応付けて保存しておく。電子メールの送信後に、どのユーザにどのURLを含んだ電子メールを何時送信したかを、確認することもできる。このように構成すれば、いつ電子メールを送信してもよいため、柔軟にシステムを運用できる。
【0113】
なお、入口ページ200を1秒毎に対応する3600個だけ作成しておき、1秒毎に1ユーザずつ電子メールを送信し、その送信時刻(分秒)を個別URLに組み込む構成とすれば、正時に送信を開始しなくても、3600人以内では同一の入口ページ200に異なるユーザが重複してアクセスすることはない。また、216000個用意すれば(時刻の単位は時分秒)、216000人以内では同一の入口ページ200に異なるユーザが重複してアクセスすることはなく、更に多数のユーザに柔軟に対応できる。
【実施例4】
【0114】
図12,図13を参照して第4実施例を説明する。本実施例では、投票システムに応用する場合を説明する。
【0115】
図12は、投票システムの概要を示す全体図である。各ユーザに送信される電子メール100(1)〜100(n)には、複数の投票対象にそれぞれ対応する個別URLが含まれている。
【0116】
図示の例では、投票対象としてA,B,Cの3つが用意されている。第1ユーザに送信される電子メール100(1)には、第1投票対象Aに関する入口ページ1aに設定される個別URL1aと、第2投票対象Bに関する入口ページ1bに設定される個別URL1bと、第3投票対象Cに関する入口ページ1cに設定される個別URL1cとが、それぞれ含まれる。個別URL1aは、第1ユーザ専用の、第1投票対象Aに関するURLと呼ぶことができ、個別URL1bは、第1ユーザ専用の、第2投票対象Bに関するURLと呼ぶことができ、個別URL1cは、第1ユーザ専用の、第3投票対象Cに関するURLと呼ぶことができる。
【0117】
第2ユーザに送信される電子メール100(2)についても同様に、第1投票対象Aに関する入口ページ2aに設定される個別URL2aと、第2投票対象Bに関する入口ページ2bに設定される個別URL2bと、第3投票対象Cに関する入口ページ2cに設定される個別URL2cとが、それぞれ含まれる。個別URL2aは、第2ユーザ専用の、第1投票対象Aに関するURLと呼ぶことができ、個別URL2bは、第2ユーザ専用の、第2投票対象Bに関するURLと呼ぶことができ、個別URL2cは、第2ユーザ専用の、第3投票対象Cに関するURLと呼ぶことができる。以下同様である。
【0118】
ユーザが複数の個別URLのうちいずれか一つの個別URLをクリックすると、ユーザ端末30のウェブブラウザは、クリックされた個別URLに対応する入口ページ201を経由して、詳細ページ201を表示する。
【0119】
アクセス解析部210は、各入口ページにアクセスしたアクセス元ユーザを判別し、投票結果を集計する。
【0120】
図13は、本実施例によるアクセス元解析処理のフローチャートである。このフローチャートは、図9で述べたフローチャートと共通するステップS70−S76を備える。また、本フローチャートでは、図9中のS77に代えて新規なステップS77Aを有し、さらに、S75の後に新規ステップS78を有する。図9との相違を中心に説明する。
【0121】
アクセス解析部210は、アクセス元ドメイン名と、個別URLの送信先ユーザに関するドメイン名とが一致するか否かを判定し(S76)、両方のドメイン名が不一致の場合(S76:NO)、そのアクセスをカウントしない(S77A)。
【0122】
つまり、ユーザが電子メールを他人に転送して投票を依頼するのを防止すべく、アクセス元ドメイン名と個別URLの送信先ユーザに関するドメイン名とが一致する場合にのみ、アクセスをカウントする。
【0123】
なお、送信先ユーザに関するドメイン名とは、そのユーザの属する組織のドメイン名、または、そのユーザが通信ネットワークにアクセスする場合に通常用いられるドメイン名を意味する。
【0124】
本実施例では、投票システムに適用するため、重複アクセスはカウントしない。そこで、同一ユーザが何度も投票するのを防止するために、一度アクセスされた入口ページ200はウェブサーバ20から削除される(S78)。入口ページ200のデータを削除せずに、ユーザ端末30に対してアクセス済みの入口ページを隠す構成としてもよい。例えば、アクセス済みの入口ページ200のURLを変更してもよい。または、より単純な方法として、各入口ページ200へのアクセスは最初の一回だけカウントし、その後のアクセスはカウントしない、つまり、重複アクセスはカウントしないという構成でもよい。
【0125】
図12に戻って具体例を説明する。例えば、同一の企業内に属する複数ユーザにそれぞれ電子メール100(1)〜(n)を送信し、複数の投票対象A〜Cの中からいずれか一つを選ぶための投票を依頼したとする。全ユーザは、共通のプロキシサーバ等を経由して各自の専用の入口ページにアクセスする。
【0126】
電子メール100(1)を受領したユーザは、投票対象Aに関する個別URL1aをクリックし、投票対象Aに投票する。そのユーザは、さらに繰り返して個別URL1aをクリックするが、2回目以降の投票は集計結果に反映されない。一回目の投票により、投票対象Aの入口ページにアクセスできなくなるためである。
【0127】
なお、そのユーザによる他の投票対象B,Cへの投票を許すか否かはシステムの仕様による。ここでは、いずれか一つの投票対象のみに投票を許可する。従って、例えば、ユーザ反応管理テーブル230に、投票済みであるか否かを示す投票済みフラグの欄を設け、投票済みユーザによる別の投票対象への投票をカウントしない構成とする。投票済みユーザには「1」を設定し、投票していないユーザには「0」を設定すればよい。
【0128】
このように構成される本実施例も第1実施例と同様に、ウェブページにアクセスしたユーザを特定することができる。さらに、本実施例では、ユーザ向けの電子メール100内に、そのユーザ専用の個別URLを複数設定するため、投票システムとして用いることができる。これにより、本実施例ではクッキー技術を用いずに、共通のプロキシサーバ等を経由する、同一組織内の複数ユーザが外部ネットワーク上で開催される投票に参加することができる。
【実施例5】
【0129】
図14を参照して第5実施例を説明する。本実施例では、グループ単位でアクセス元を特定する。
【0130】
図14は、本実施例によるアクセス解析システムの概要を示す説明図である。本実施例では、グループ毎に個別URLを設定できる。第1グループG1には、第1入口ページ200(URL1)が設定される。第2グループG2には、第2入口ページ200(URL2)が設定される。
【0131】
第1グループG1に属する各ユーザには、同一のグループ別URL1を含む電子メール100が送信される。同様に、第2グループG2に属する他の各ユーザには、他のグループ別URL2を含む電子メール100が送信される。
【0132】
従って、第1グループG1内のユーザが電子メール100に記載されたグループ別URL1をクリックすると、各ユーザのウェブブラウザは第1入口ページ200(URL1)にアクセスする。同様に、第2グループG2内のユーザが電子メール100に記載された他のグループ別URL2をクリックすると、各ユーザのウェブサーバは第2入口ページ200(URL2)にアクセスする。
【0133】
なお、第3グループG3に属する各ユーザには、各ユーザ毎の個別URL(URL30,31,...3n)を含む電子メール100が送信される。第3グループのユーザは、第1実施例と同様に、自分専用の入口ページにアクセスする。
【0134】
アクセス解析部210は、グループG1,G2のように、グループ内の各ユーザにそのグループ専用のURLを含む電子メールを送信する場合は、グループ単位でアクセス数を集計する。グループG3のように、グループ内の各ユーザに各ユーザ専用のURLを含む電子メールを送信する場合は、グループ全体でアクセス数を集計すると共に、各ユーザのアクセス数も集計する。
【0135】
そのために本実施例では、前記各実施例で述べたユーザ反応管理テーブルに代えて、または、前記各実施例で述べたユーザ反応管理テーブルと共に、グループ別反応管理テーブル231を用意する。
【0136】
グループ別反応管理テーブル231は、例えば、ウェブサーバ20内に設けられる。グループ別反応管理テーブル231は、グループ名欄2310と、ユーザ名欄2311と、アクセス数欄2312と、合計アクセス数欄2313とを備えることができる。
【0137】
グループ名欄2310は、各グループを識別するための識別情報としてグループ名を管理する。ユーザ名欄2311は、各グループに属する各ユーザを識別するためのユーザ識別情報として、ユーザ名を管理する。
【0138】
アクセス数欄2312は、各ユーザによるアクセス数を管理する。従って、グループ単位でURLを発行する場合は、アクセス数欄2312に値は設定されない。合計アクセス数欄2313は、グループ全体の合計アクセス数を管理する。
【0139】
このように構成される本実施例では、ユーザ単位またはグループ単位で、ウェブページへのアクセス元を識別できる。従って、グループ単位でアクセス傾向を調べる場合にはグループ別のURLを発行すればよく、グループ内の各ユーザ単位でアクセス傾向を調べる場合には、ユーザ別のURLを発行すればよい。
【0140】
例えば、主要な顧客層については各ユーザ別のURLを用いてアクセス傾向を詳細に調査し、それ以外の顧客層については、グループ別のURLを用いて定性的な傾向を把握する、といった使い方ができる。このため、本実施例では、ウェブサーバ20の記憶資源等をより有効に利用して、電子メールの宣伝効果等をより柔軟に測定できる。
【0141】
なお、個別URLの構成を拡張することで、本実施例を実現してもよい。例えば、個別URLを、「http://www.nri.co.jp/group1/aaa000001」のように、アクセス先サイト名と、グループIDと、組織IDと、ユーザIDとを含んで構成してもよい。グループ単位でアクセス元を識別する場合は、グループIDの部分に各グループを特定する値を設定すればよい。さらに、組織IID及びユーザIDには、予め用意されたダミーの組織IDとダミーのユーザIDを設定すればよい。アクセス解析部210は、それらダミーIDを読み飛ばして集計する。ユーザ単位でアクセス元を識別する場合、グループIDの部分に、ダミーグループを示す値を設定すればよい。ダミーグループとは、見かけ上のグループに過ぎず、アクセス元の識別単位はユーザ単位であることをアクセス解析部210に指定するためのグループである。
【実施例6】
【0142】
図15を参照して第6実施例を説明する。本実施例では、著作物を利用するためのシステムに応用する場合を説明する。ここでは、著作物の例として楽曲を挙げる。但し、楽曲に限らず、例えば、電子書籍、映画、地図、問題集等のような種々の著作物の利用に適用できる。
【0143】
図15は、本実施例によるアクセス解析システムの概要を示す説明図である。電子メール100には、それぞれ複数の楽曲名が記載されており、各楽曲名にはそのユーザ専用の個別URLが設定されている。
【0144】
一方のユーザに向けた電子メール100(1)では、楽曲Aにそのユーザ専用のURL1aが設定され、楽曲Bにそのユーザ専用のURL1bが設定され、楽曲Cにそのユーザ専用のURL1cが設定される。URL1aをクリックすると、ウェブブラウザは入口ページ200(1a)にアクセスする。URL1bをクリックすると、ウェブブラウザは入口ページ200(1b)にアクセスする。URL1cをクリックすると、ウェブブラウザは入口ページ200(1c)にアクセスする。
【0145】
同様に、他方のユーザに向けた電子メール100(2)では、楽曲Aにそのユーザ専用のURL2aが設定され、楽曲Bにそのユーザ専用のURL2bが設定され、楽曲Cにそのユーザ専用のURL2cが設定される。ウェブブラウザは、URL2aがクリックされると入口ページ200(2a)にアクセスし、URL2bがクリックされると、入口ページ200(2b)にアクセスし、URL2cがクリックされると、入口ページ200(2c)にアクセスする。
【0146】
楽曲を紹介するための動画ページ201(詳細ページ)は、各楽曲毎にそれぞれ設けられている。同一の楽曲に関する入口ページ200が複数存在する場合でも、その楽曲の演奏等を見せるための動画ページ201は一つだけ設けられる。図15では、説明の便宜上、楽曲Aの動画ページ201のみを示すが、実際には楽曲B,Cの動画ページもそれぞれ設けられる。
【0147】
各ユーザ毎に、かつ、各楽曲毎に用意される入口ページ200は、前記各実施例と同様に、動画ページ201にリダイレクトさせる機能を有する。従って、一方のユーザと他方のユーザとが同一の楽曲Aを選択すると、各ユーザの使用するウェブブラウザには、同一の動画ページ201が再生される。
【0148】
アクセス解析部210は、各入口ページ200のアクセス元ユーザを解析する。再生回数判定部250は、各ユーザによる楽曲の再生回数(閲覧回数。以下同様)が予め設定された所定数に達したか否かを判定する。ユーザによる再生回数が所定数に達した場合、入口ページ書換部251は、そのユーザに関する、所定数に達した楽曲の入口ページ200のURLを書き換える。これ以降、そのユーザは、その楽曲を再生できない。
【0149】
このように、本実施例では、クッキー技術を用いずに、同一ドメインに属する複数ユーザによる著作物の利用を、各ユーザ別に管理できる。
【0150】
なお、本発明は、上述した各実施例に限定されない。当業者であれば、本発明の範囲内で、種々の追加や変更等を行うことができる。例えば、各実施例を適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0151】
10:電子メールサーバ、20:ウェブサーバ、30:ユーザ端末、110:電子メール生成部、120:メールアドレス管理テーブル、210:アクセス解析部、220:ウェブページ生成部、230,230A:ユーザ反応管理テーブル、231:グループ別反応管理テーブル、240:ユーザ分析部
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクセス解析システム、アクセス解析方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるインターネット上のウェブサイト、または、電子メールなどの情報通信技術を用いた宣伝活動、販促活動が活発に行われている。ダイレクトメールとなる電子メールで商品またはサービス(以下、商品等)の概要を紹介し、詳細説明は電子メール中のリンク先で行う、という形態が比較的多い。電子メールを受領した多数のユーザのうち、興味を持ったユーザは、電子メール中のURL(Uniform Resource Locator)をクリックして、外部のウェブサイトを閲覧する。
【0003】
ダイレクトメール発行者は、宣伝効果確認のために、ウェブサイトのアクセス履歴を管理する。アクセス履歴には、いつ、どのドメイン(IPアドレス)から、何回アクセスされたかを示す情報が含まれる。IPアドレスからドメイン名を検索することにより、アドレス元の組織の名称(企業名、大学名、官公庁名等)まではわかる(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2008−529190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術では、ドメイン名までわかっても、組織内の誰がアクセスしたのかまでは、特定できない。通常は各ユーザそれぞれにグローバルIPアドレスが割り当てられておらず、各ユーザは、組織のプロキシサーバ等を経由して外部のウェブサイトにアクセスする。従って、組織内の別々のユーザが同一のウェブサイトを閲覧しても、アクセス履歴だけでは各ユーザのアクセスを判別できない。
【0006】
このため、ダイレクトメールとウェブサイトの閲覧との関係を判別することができず、ダイレクトメールの効果を測定するのが難しいという問題がある。また、ダイレクトメールに実際に興味を持ったユーザに対して営業(フォロー営業)を行うことができない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、電子メールとウェブページの関係を判別して、ウェブページにアクセスしたユーザを特定できるようにしたアクセス解析システム、アクセス解析方法及びコンピュータプログラムを提供することにある。本発明のさらなる目的は、後述する実施形態の記載から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく、一つの実施形態に係るシステムは、通信ネットワーク上の情報資源へのアクセスを解析するためのアクセス解析システムであって、各ユーザの電子メールアドレスと、各ユーザが通信端末を用いて情報資源にアクセスするための資源アクセス情報であって各ユーザ毎に用意される資源アクセス情報と、各ユーザを識別するためのユーザ識別情報とを対応づけて管理する管理情報と、管理情報を用いて、資源アクセス情報を含む電子メールを各ユーザ毎に生成して送信させる電子メール生成部と、資源アクセス情報に基づいて各ユーザが通信端末を用いて情報資源にアクセスした場合、管理情報を用いて、各ユーザのうちアクセス元のユーザを識別するアクセス解析部と、を備える。
【0009】
前記情報資源として、各資源アクセス情報毎の第1情報資源と、各第1情報資源に共通に対応付けられる第2情報資源とを生成する情報資源生成部をさらに備え、各第1情報資源は、通信端末が資源アクセス情報に基づいて第1情報資源にアクセスした場合に、通信端末のアクセス先を第2情報資源に変更させることもできる。
【0010】
情報資源は、例えば、いわゆるウェブページとして構成される。ウェブページは、インターネットのような通信ネットワーク上のサーバ内に保持される。ウェブページは、例えば、テキスト、グラフィックス、静止画像、動画像、音楽を再生等できる。
【0011】
資源アクセス情報は、通信端末が通信ネットワークを介して情報資源にアクセスするための情報であり、例えば、URLのような形式で表現される。実施形態では、各ユーザ毎に専用の資源アクセス情報及び情報資源が事前に用意される。
【0012】
通信端末は、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末、携帯電話のような、通信ネットワークに接続するための機能と、情報資源を閲覧するための機能とを備えたコンピュータ端末として構成される。なお、情報資源を閲覧するための機能の全てを、通信端末が最初から備えている必要はない。例えば、通信端末が情報資源にアクセスしたときに、その情報資源の全部または一部を再生するために必要なコンピュータプログラムを、サーバから通信端末にダウンロードさせる構成でもよい。
【0013】
管理情報は、ユーザと情報資源との対応関係を管理する。管理情報は、例えば、ユーザの電子メールアドレスと、ユーザ専用の資源アクセス情報と、ユーザの識別情報とを各ユーザ毎に対応付けて管理する。従って、アクセス解析部は、情報資源へのアクセスが検出された場合、管理情報を参照するだけで、どのユーザからのアクセスであるかを特定することができる。
【0014】
但し、ユーザが、自分宛の電子メールを他のユーザに転送し、他のユーザがその電子メール内の資源アクセス情報に基づいて情報資源にアクセスする場合もあり得る。この場合、実際に情報資源にアクセスしたユーザと、その情報資源に対応する資源アクセス情報が発行されたユーザとが異なる。この場合、アクセスしたユーザの通信端末を通信ネットワーク上で識別するためのアクセス元識別情報(例えば、ドメイン)と、資源アクセス情報の発行先であるユーザの属する組織のドメインとを比較することにより、資源アクセス情報が配信されたユーザと実際にアクセスしたユーザとの相違を検出することができる。
【0015】
一つの実施形態では、情報資源生成部は、情報資源として、各資源アクセス情報毎の第1情報資源と、各第1情報資源に共通に対応付けられる第2情報資源とを生成し、各第1情報資源は、通信端末が資源アクセス情報に基づいて第1情報資源にアクセスした場合に、通信端末のアクセス先を第2情報資源に変更させてもよい。
【0016】
ユーザが、電子メール内の資源アクセス情報を選択すると、通信端末は第1情報資源にアクセスする。第1情報資源は、そのユーザ専用に用意されたものである。第1情報資源は、例えば、HTTP(HyperText Transfer Protocol)リダイレクトのような技術を用いて、第2情報資源にアクセスするようにとの指示を通信端末に与える。通信端末は、その指示に従って第2情報資源にアクセスする。第1情報資源は、通信端末を第2情報資源に案内するための入口としての機能を果たす。第1情報資源は、第2情報資源に通信端末を導くために必要な最低限度の機能を備えていれば足りるため、そのデータサイズを小さくすることができる。第2情報資源は、商品等を説明するための情報を含むため、第1情報資源よりもデータサイズは大きくなる。なお、情報資源は、第1情報資源と第2情報資源とに分けなくてもよい。第2情報資源に相当する情報資源(即ち、商品等を説明し複数ユーザに共通に閲覧される説明情報を含む情報資源)が、各ユーザ毎に生成される構成でもよい。但し、この場合は、比較的データサイズの大きい情報資源が各ユーザ毎に用意されるため、情報資源全体のデータサイズは多くなる。
【0017】
一方、情報資源生成部がユーザに見せるための商品等の説明情報を含む第2情報資源と、この第2情報資源に案内するために各ユーザ毎に生成される第1情報資源とを生成する場合、第1情報資源は、各ユーザ毎にそれぞれ用意されるが、そのデータサイズは小さいため、サーバの記憶領域の消費量は少なくて済む。従って、資源アクセス情報の配布先が増加しても、サーバの記憶領域の消費量はあまり増大しない。
【0018】
一つの実施形態では、アクセス解析部により識別されるアクセス元のユーザを分類し、分類結果を出力するユーザ分析部をさらに備えることができる。
【0019】
さらに、アクセス解析部は、通信端末が情報資源にアクセスした回数を検出することができ、ユーザ分析部は、資源アクセス情報の配布されるユーザを、アクセス数及びアクセス元を識別するアクセス元識別情報の数が比較的多い第1領域と、アクセス数は比較的多いがアクセス元識別情報の数が比較的少ない第2領域と、アクセス数は比較的少ないがアクセス元識別情報の数が比較的多い第3領域と、アクセス数及びアクセス元識別情報の数が比較的少ない第4領域とのいずれかの領域に属するように分類し、分類結果を出力することもできる。
【0020】
アクセス解析部は、アクセス元のユーザを第1領域、第2領域、第3領域、第4領域のいずれかに分類する。これにより、資源アクセス情報を配布したユーザの、例えば影響力または影響範囲を測定することができる。
【0021】
資源アクセス情報は、ユーザ識別情報と、ユーザの所属先組織を識別するための組織識別情報とを所定規則に従って含んでおり、資源アクセス情報を所定規則に従って判読可能に構成してもよい。即ち、例えば、所定規則を知るコンピュータ、コンピュータプログラム、管理者は、資源アクセス情報からユーザ識別情報と組織識別情報とを見分けることができる。
【0022】
資源アクセス情報は、ユーザ識別情報と組織識別情報とを含む情報に基づいて生成でき、さらに、ユーザが判読できない形態で作成できる。ここで、判読できないとは、ユーザが資源アクセス情報を見ても、そこにユーザ識別情報及び組織識別情報が含まれていることを明確に認識することができないことを意味する。
ユーザは資源アクセス情報を判読できないため、ユーザが、他人用の資源アクセス情報を探り当てて不正にアクセスする可能性を低減できる。さらに、資源アクセス情報が、ユーザを特定するために生成されていることをユーザに対して隠すことができ、ユーザの不快感または警戒心を和らげることができる。さらに、資源アクセス情報は組織識別情報に基づいているため、情報資源にアクセスしたユーザが資源アクセス情報の配布されたユーザであるか否かを比較的簡単に判定できる。
【0023】
他の実施形態では、管理情報は、複数の対象に関する複数の情報資源にそれぞれ対応し、各ユーザ毎に違えて生成される複数の資源アクセス情報を、ユーザ毎に、電子メール及びユーザ識別情報に対応付けて管理しており、電子メール生成部は、管理情報を用いて、各資源アクセス情報を含む電子メールを各ユーザ毎に生成して送信させ、アクセス解析部は、各ユーザが通信端末を用いて情報資源にアクセスした場合、アクセス元である通信端末を通信ネットワーク上で識別するためのアクセス元識別情報と、アクセス元のユーザに対応するユーザ識別情報と、情報資源にアクセスした回数とをそれぞれ検出して保存する。
【0024】
複数の対象とは、例えば、人物、映画、音楽、書籍、店舗、国家、飲食物等のような種々の有形物または無形物を示す。各ユーザ宛の電子メールには、複数の対象に関する複数の情報資源に対応する資源アクセス情報が含まれている。例えば、複数の資源アクセス情報のうちいずれか一つのみをユーザが選択できる規則の場合、投票システムとして用いることができる。ユーザが複数の資源アクセス情報を全て選択可能な規則の場合、例えば、商品等の情報を段階的にユーザに提示したり、または、著作物の利用を各著作物毎に管理したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、アクセス解析システムを含む計算機システムの全体図。
【図2】図2は、アクセス解析システムの機能構成図。
【図3】図3は、アクセス解析に使用される各テーブルの関係を示す説明図。
【図4】図4は、各ユーザ毎の個別URLとアクセス解析の関係を示す説明図。
【図5】図5は、全体動作を示すフローチャート。
【図6】図6は、個別URLを作成する処理及び電子メールを作成する処理を示すフローチャート。
【図7】図7は、入口ページを作成する処理を示すフローチャート。
【図8】図8は、アクセス元を解析する処理を示すフローチャート。
【図9】図9は、第2実施例に係り、アクセス元を解析する処理を示すフローチャート。
【図10】図10は、ユーザの分析結果を示す説明図。
【図11】図11は、第3実施例に係り、時刻を考慮して個別URLを作成する処理を示すフローチャート。
【図12】図12は、第4実施例に係り、投票システムに応用した場合の説明図。
【図13】図13は、アクセス元を解析する処理を示すフローチャート。
【図14】図14は、第5実施例に係り、グループ毎に、及び、ユーザ毎に、資源アクセス情報を生成する場合を示す説明図。
【図15】図15は、第6実施例に係り、著作物を利用するシステムに応用した場合の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態では、以下に述べるように、各ユーザ毎の専用URLを各ユーザに通知し、専用URLにアクセスしたユーザを検出する。なお、本発明の範囲は、実施例に記載の構成に限定されない。
【実施例1】
【0027】
図1〜図8に基づいて第1実施例を説明する。図1は、計算機システムの全体構成を示す説明図である。計算機システムは、例えば、少なくとも一つの電子メールサーバ10と、少なくとも一つのウェブサーバ20と、複数のユーザ端末30と、少なくとも一つの管理端末40と、を備えており、それら10−40はインターネットのような通信ネットワークCNを介して双方向通信可能に接続されている。
【0028】
アクセス解析システム50は、電子メールサーバ10とウェブサーバ20とを含んで構成される。さらに、アクセス解析システム50は、管理端末40を備えてもよい。
【0029】
電子メールサーバ10は、例えば、マイクロプロセッサ11と、メモリ12と、ディスク13と、通信インターフェース14とを含むコンピュータとして構成される。メモリ12またはディスク13のいずれか又は両方には、図2で後述するように、所定のコンピュータプログラム110及び管理情報120,130等が記憶される。
【0030】
マイクロプロセッサが所定のコンピュータプログラム110を実行することにより、各ユーザ毎の個別URL(専用URL)を生成し、個別URLを含む電子メール100を作成できる。
【0031】
ウェブサーバ20も、例えば、マイクロプロセッサ21と、メモリ22と、ディスク13と、通信インターフェース24を含むコンピュータとして構成される。メモリ22またはディスク23のいずれか又は両方には、他の所定のコンピュータプログラム210,220と他の管理情報230及びウェブページ情報200,201等が記憶される。
【0032】
マイクロプロセッサ21が他の所定のコンピュータプログラム210を実行すると、入口ページ200及び詳細ページ201(図2参照)へのアクセスが解析される。さらに、マイクロプロセッサ21がコンピュータプログラム220を実行することにより、各ユーザ毎の入口ページ200と、複数ユーザに共通する詳細ページ201とが生成されて、アクセス可能に提供される。
【0033】
ユーザ端末30は「通信端末」に該当する。ユーザ端末30も、例えば、マイクロプロセッサ31と、メモリ32と、ディスク33と、通信インターフェース34を含むコンピュータとして構成される。メモリ32またはディスク33のいずれか又は両方には、例えば、ウェブブラウザを実現するためのコンピュータプログラムが記憶される。
【0034】
マイクロプロセッサ31がそのコンピュータプログラムを実行することにより、ユーザ端末30は、電子メールサーバ10からの電子メール100を受領でき、さらに、電子メールに記載された個別URLに示される入口ページ200にアクセスできる。なお、ウェブブラウザと、電子メールを受領するためのメールクライアントとは別々に構成されてもよい。
【0035】
図2は、アクセス解析システム50の機能構成を示す。電子メール生成部110は、各ユーザ毎に電子メール100を作成するための機能である。詳細は後述するが、電子メール作成部110は、メールアドレス管理テーブル120及び本文管理テーブル130を用いて、ユーザ別の電子メール100を作成する。その電子メール100には、各ユーザ毎の専用のURLが含まれている。
【0036】
ウェブサーバ20の有するウェブページ生成部220は、各ユーザにそれぞれ対応する入口ページ200と、複数ユーザに共通に適用される詳細ページ201とを提供する。各ウェブページ200,201は、「情報資源」に該当する。各入口ページ200は「第1情報資源」に該当し、詳細ページ201は「第2情報資源」に該当する。
【0037】
各ユーザ毎に用意される各入口ページ200は、一つの詳細ページ201に対応付けられている。各ユーザがユーザ端末30を用いて自分用の入口ページ200にアクセスすると、入口ページ200はユーザ端末30のウェブブラウザに対して、詳細ページ201にアクセスするようにと指示する。この指示に従って、ユーザ端末30のウェブブラウザは、詳細ページ201にアクセスし、商品等の詳細な説明を取得する。
【0038】
各入口ページ200は、各ユーザのアクセスを受け付けて、詳細ページ201にリダイレクトさせる。従って、各入口ページ200は、リダイレクト機能を備えたウェブページとして必要最低限のデータから構成されていれば足りる。このため、ユーザ数が多い場合でも、入口ページ200の総データサイズはそれほど大きくならない。
【0039】
詳細ページ201は、例えば、文字、静止画像、動画像、音楽等を用いて、ユーザに商品等を紹介するためのウェブページである。詳細ページ201は、複数のウェブページから構成できる。
【0040】
なお、詳細ページ201は、検索エンジンロボットによる自動収集を禁止するための構成を備える。例えば、詳細ページ201の所定場所には、検索エンジンロボットを制御するためのメタタグが書き込まれている。
【0041】
詳細ページ201を検索エンジンロボットから隠蔽することにより、個別URLを受領していないユーザが、検索エンジンを経由して詳細ページ201の内容を知るのを防止できる。従って、電子メール100による詳細ページ201への誘導効果(ユーザ反応)をより正確に測定できる。
【0042】
アクセス解析部210は、例えばウェブサーバ20に設けられる。アクセス解析部210は、各入口ページ200へのアクセスを監視しており、ユーザ端末20のウェブブラウザが入口ページ200にアクセスすると、そのアクセス元のIPアドレスからアクセス元ドメインの名称を特定する。アクセス解析部210は、ドメイン名及びアクセス回数等を、ユーザ反応管理テーブル230に記憶させる。ドメイン名は、アクセス元を識別するためのアクセス元識別情報の一例であって、本実施例はドメイン名以外の情報を用いる場合にも適用できる。例えば、IPアドレスを用いても良い。さらに例えば、MAC(Media
Access Control)アドレスのようなハードウェア識別番号等の情報を利用する構成としてもよい。さらに、ドメイン名、IPアドレス、MACアドレスのような異なる複数の識別情報を状況に応じて使い分ける構成でもよい。
【0043】
なお、図2の説明では、電子メール生成部110を電子メールサーバ10に設け、アクセス解析部210及びウェブページ生成部220をウェブサーバ20に設ける場合を説明した。しかし、それに限らず、電子メール生成部110,アクセス解析部210,ウェブページ生成部220を、他のコンピュータに設ける構成でもよい。さらに、電子メールサーバ10及びウェブサーバ20は、それぞれ複数台のコンピュータから構成することもできる。
【0044】
図3は、管理テーブルの構成と働きを示す説明図である。「管理情報」の少なくとも一部を構成可能なメールアドレス管理テーブル120は、例えば、メールアドレス欄1200と、ユーザ名欄1201と、所属先欄1202と、URL欄1203とを対応付けて管理する。
【0045】
メールアドレス欄1200は、ユーザの電子メールアドレスを記憶する。一人のユーザについて複数の電子メールアドレスを設定することもできる。例えば、携帯電話用の電子メールアドレスと、パーソナルコンピュータ用の電子メールアドレスとを、同一のユーザについて登録できる。この場合、電子メールアドレス毎に個別URLを用意することができる。
【0046】
ユーザ名欄1201は、ユーザを特定可能なユーザ名を記憶する。ユーザ名は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報である。従って、ユーザ名は、必ずしも「氏名」である必要はなく、英数字等を組み合わせた識別情報でもよい。
【0047】
所属先欄1202は、ユーザの属する組織の名称を記憶する。所属先名は、ユーザの属する組織を識別するための組織識別情報である。従って、ユーザ名と同様に、所属先名は、英数字等を組み合わせた識別情報でもよい。
【0048】
URL欄1203は、各ユーザ毎に用意される入口ページ200にアクセスするためのURL(個別URL、または、ユーザ専用URLと呼ぶ)を記憶する。各ユーザ毎に詳細ページ201を用意する場合は、ユーザ毎の詳細ページ201にアクセスするためのURLを、URL欄1203に登録する。但し、この場合は、全ウェブページの合計サイズが大きくなる。
【0049】
このように、メールアドレス管理テーブル120は、電子メール100のヘッダ101に記載すべき情報の一部(宛先の電子メールアドレス)と、電子メール100のボディ102に記載すべき情報の一部(個別URL)とを管理する。さらに、メールアドレス管理テーブル120は、各ユーザ毎の電子メール100に記載される後述の本文IDを管理しても良い。
【0050】
本文管理テーブル130は、電子メール100に記載する本文を管理する。本文管理テーブル130は、例えば、本文ID欄1300と、種別欄1301と、本文欄1302とを対応付けて管理する。
【0051】
本文ID欄1300は、本文を識別するための情報を記憶する。本文としては、例えば「新製品の特徴は〜です。詳細な情報は下記サイトをご覧下さい。」、「先日のセミナで使用した資料を下記サイトに掲載しています。ご利用下さい。」等がある。このように、本文IDは、ユーザに送信する電子メール100の性格、つまり、ユーザを案内しようとする詳細ページ201の性格または特徴に関連した情報である。本文管理テーブル130は、本文IDに対応する詳細ページ201のURLを管理することもできる。
【0052】
種別欄1301は、本文の種類を記憶する。種別としては、例えば、「カタログ配布」、「セミナ案内」、「セミナ御礼」、「展示会案内」、「新製品の紹介」等がある。本文欄1302は、本文データまたは本文データの格納先アドレスを記憶する。
【0053】
このように、本文管理テーブル130は、電子メール100のボディ102に記載すべき情報の他の一部を管理する。
【0054】
ユーザ反応管理テーブル230は、各ユーザによるウェブページへのアクセス結果を記憶する。ユーザ反応管理テーブル230は、例えば、ユーザ名欄2300と、ドメイン名欄2301と、本文ID欄2302と、反応欄2303とを対応付けて管理する。ユーザ反応管理テーブル230は、過去のアクセス履歴を所定期間だけ保存可能である。
【0055】
ユーザ名欄2300には、ユーザを識別するユーザ識別情報としてのユーザ名が記憶される。ドメイン名欄2301には、入口ページ200にアクセスしたユーザ端末30のIPアドレスから特定されるドメイン名が記憶される。
【0056】
ID欄2302には、入口ページ200に対応する詳細ページ201を識別するための情報が記憶される。ID欄2302には、本文管理テーブル130の本文IDと同一の値を設定する構成でもよい。ユーザがどの詳細ページ201にアクセスしたのかを特定できればよいため、本文IDに代えて、詳細ページ201のURL等を欄2302で管理する構成でもよい。さらに、欄2302内に、または、欄2302とは別の欄に、ユーザが最初にアクセスした入口ページ200を特定するための情報(個別URL、または、各入口ページのID)を記憶させることもできる。
【0057】
反応欄2303は、例えば、アクセス回数、アクセス日時、アクセスしたウェブブラウザの種類及びバージョン等を記憶する。さらに、反応欄2303には、複数種類のアクセス回数を記憶させることができる。一つは、単純にアクセス回数をカウントするアクセス回数であり、他の一つは、同一IPアドレスからの重複したアクセスを排除してカウントするアクセス回数である。
【0058】
なお、ユーザ反応管理テーブル230は、詳細ページ201へのアクセス回数等を管理することもできる。
【0059】
上述の各管理テーブル120,130,230は、図3に示す構成に限定されない。図示された欄以外の情報を管理してもよい。さらに、各管理テーブル120,130,230を複数のテーブルから構成してもよい。さらに、ユーザの各属性(住所、性別等)を管理するユーザ管理テーブル、ユーザの購入履歴を管理する購入履歴管理テーブル等の他の管理テーブルと連動させることもできる。
【0060】
図4は、電子メール100の構成及びアクセス解析の様子を示す説明図である。各ユーザ毎にそれぞれ電子メール100(1),100(2)が送信される。一方のユーザには電子メール100(1)が送信され、他方のユーザには電子メール100(2)が送信される。
【0061】
各電子メール100(1),100(2)は、ヘッダ101と、ボディ102をそれぞれ備える。ヘッダ101の宛先アドレスには、メールアドレス管理テーブル120から取得される電子メールアドレスが設定される。件名には、本文IDに対応して予め用意される件名が設定される。
【0062】
ボディ102には、本文管理テーブル130から取得される本文102Aと、メールアドレス管理テーブル120から取得される個別URL102Bとが記載される。
【0063】
個別URLは、例えば、アクセス先サイト名と、入口ページ200の置かれているディレクトリ名と、送信時間(図4では日付)と、ユーザの所属先組織を特定するための組織識別情報(組織ID)と、ユーザを特定するためのユーザ識別情報(ユーザID)とを含んで構成される。
【0064】
個別URL102B内の組織IDは、メールアドレス管理テーブル120の所属先欄1202に設定される値と同一の値でもよいし、所属先欄1202に設定される値から生成される別の値でもよい。同様に、個別URL102B内のユーザIDは、アドレス管理テーブル120内のユーザ名1201と同一の値でもよいし、ユーザ名1201から生成される別の値でもよい。
【0065】
ユーザが電子メールに記載されたURLをクリックすると、ユーザ端末30は、そのURLで特定される入口ページ200にアクセスする。電子メール100(1)内の個別URLをユーザがクリックすると、そのユーザの使用するユーザ端末30は、入口ページ200(1)にアクセスする。同様に、電子メール100(2)内の個別URLをユーザがクリックすると、そのユーザの使用するユーザ端末30は、他の入口ページ200(2)にアクセスする。
【0066】
各入口ページ200(1),200(2)は、アクセスしてきた各ユーザ端末30(より詳しくは、端末上で稼働するウェブブラウザ)を、詳細ページ201にリダイレクトさせる。
【0067】
アクセス解析部210のアクセス元判定機能211は、入口ページ200(1),200(2)にアクセスしたユーザ端末30のIPアドレスを取得し、IPアドレスに対応するドメインを特定する。
【0068】
アクセス解析部210のアクセス数検出機能212は、アクセス回数を保存する。アクセス解析部210の転送判定機能212は、他のユーザに転送された電子メールに基づくアクセスであるか否かを判定する。転送判定機能212は、例えば、電子メールの送信先ユーザの所属する組織のドメイン名と、アクセス元判定機能211で特定されたドメイン名とが一致しない場合に、電子メールが他のユーザに転送され、他のユーザが入口ページにアクセスしたと判定することができる。
【0069】
アクセス解析部210の効果測定機能214は、アクセス数及び転送判別結果等に基づいて、電子メールの送信とウェブページへのアクセスとの関係の効果を測定し、出力することができる。
【0070】
図5は、全体動作を示すフローチャートである。電子メール生成部110は、メールアドレス管理テーブル120からメールアドレス、ユーザ名、所属先、個別URLを取得する(S10)。さらに、電子メール生成部110は、本文管理テーブル130から本文データを取得し(S11)、各ユーザ別の電子メール100を作成する(S12)。電子メール生成部110は、作成した電子メールを電子メールサーバ10から各ユーザに向けて送信させる(S13)。
【0071】
ユーザ端末30は電子メール100を受信し(S20)、端末画面に電子メール100を表示させてユーザに閲覧させる(S21)。ユーザは、興味を持った場合、電子メール100に記載されているURLを選択し、クリックする(S22)。
【0072】
ユーザがURLをクリックすると、ユーザ端末30のウェブブラウザは、そのURLで示される入口ページ200にアクセスする(S22)。
【0073】
ウェブサーバ20上の入口ページ200は、ユーザ端末30による入口ページへのアクセスを詳細ページ201にリダイレクトさせる(S30)。アクセス解析部210は、入口ページ200へのアクセス元を解析し、解析結果を保存する(S31)。
【0074】
一方、ユーザ端末30のウェブブラウザは、詳細ページ201のURLを通知されると、詳細ページ201にアクセスする(S23)。ウェブサーバ20は、詳細ページ201のデータをユーザ端末30のウェブブラウザに送信する(S32)。ユーザ端末30のウェブブラウザは、詳細ページ201を表示させる(S24)。
【0075】
アクセス解析部210は、ユーザによる詳細ページ201の閲覧状況(アクセス状況)を解析して保存する(S33)。例えば、アクセス解析部210は、詳細ページ201へのアクセス元及びアクセス回数を判定したり、ユーザが詳細ページ201のどの部分をクリックしたか等を解析できる。
【0076】
図6は、個別URLを生成する処理と、個別URLを含む電子メールを作成する処理とをそれぞれ示すフローチャートである。電子メール生成部110が、個別URLを作成する場合を例に挙げて説明する。これに代えて、個別URLを作成するためのURL作成部(資源アクセス情報生成部と呼ぶこともできる)を、電子メール生成部110とは別に設けても良い。
【0077】
電子メール生成部110は、メールアドレス管理テーブル120に登録されている各ユーザ毎に、S41−S44の各ステップを実行する(S40)。
【0078】
電子メール生成部110は、対象ユーザのユーザIDを取得し(S41)、続いて、対象ユーザの所属先を示す所属先IDを取得する(S42)。電子メール生成部110は、例えば、図4に示すように、ユーザIDと所属先IDとから対象ユーザ専用のURLを生成する(S43)。電子メール生成部110は、S43で生成された個別URLを、メールアドレス管理テーブル120のURL欄1203に登録する(S44)。または、電子メール生成部110は、ユーザIDと電子メールアドレス及び個別URLを含む一時的なリストを作成してもよい。
【0079】
電子メール生成部110は、個別URLの作成された各ユーザ毎に、S51−S53の各ステップを実行する。S51−S53は、図5のS12の例である。電子メール生成部110は、送信先のメールアドレス及び件名等をヘッダ101に設定し(S51)、ボディ102に本文及び個別URLを記載する(S52)。電子メール生成部110は、作成した電子メール100を、例えばディスク13に記憶させる(S53)。
【0080】
図7は、入口ページ200を作成するための処理を示すフローチャートである。ウェブページ生成部220は、各個別URL毎に、S61−S63の各ステップを実行する(S60)。
【0081】
ウェブページ生成部220は、入口ページ200の雛形を取得する(S61)。例えば、ディスク23には、入口ページ200を作成するための雛形となるデータが予め記憶されている。
【0082】
ウェブページ生成部220は、その雛形の所定位置に詳細ページ201のURLを設定して入口ページ200を作成する(S62)。ウェブページ生成部220は、作成した入口ページ200を、ウェブサーバ20内の個別URLに対応する所定ディレクトリに保存する(S63)。
【0083】
図8は、アクセス元を解析するための処理を示すフローチャートである。アクセス解析部210は、アクセスされた各入口ページ200毎に、S71−S75の各ステップを実行する(S70)。
【0084】
アクセス解析部210は、メールアドレス管理テーブル120を参照し、アクセスされた入口ページ200に対応するユーザIDを取得し(S71)、さらに、その入口ページ200に対応する本文IDを取得する(S72)。
【0085】
アクセス解析部210は、アクセス元のIPアドレスを取得し(S73)、そのIPアドレスに対応するドメイン名を特定する(S74)。アクセス解析部210は、S71で取得したユーザIDと、S72で取得した本文IDと、S74で特定されたドメイン名とを、ユーザ反応管理テーブル230に登録する。
【0086】
このように構成される本実施例では、各ユーザ毎に個別URLを生成して配布し、各個別URLへのアクセス状況を解析することにより、ウェブページにアクセスしたユーザを特定できる。
【0087】
このため、企業内の複数ユーザが同一のプロキシサーバ等を経由して同一の詳細ページ201にアクセスした場合でも、どのユーザが実際にアクセスしたのかを特定することができる。より正確には、どのユーザに送信した個別URLが使用されたのかを正確に特定できる。従って、電子メール100による宣伝効果を測定でき、マーケティング活動に役立たせることができる。
【0088】
なお、一つの詳細ページ201に各ユーザを誘導する場合等には、S72で本文IDを取得しなくてもよい。但し、それぞれ異なる詳細ページ201に各ユーザを誘導するために、それぞれ異なる電子メール100を各ユーザに送信する場合には、ユーザがどの詳細ページ201に誘導されたのかを区別するために、S72で本文IDを取得してもよい。各ユーザにそれぞれ異なる詳細ページ201を紹介するための電子メールを送信する場合においても、必要が無ければ、S72で本文IDを取得しなくてもよい。
【実施例2】
【0089】
図9,図10を参照して第2実施例を説明する。本実施例を含む以下の各実施例は、第1実施例の変形例に該当する。従って、第1実施例との相違を中心に説明する。本実施例では、アクセス状況に基づいてユーザを分類する。
【0090】
図9は、本実施例によるアクセス元解析処理のフローチャートである。本フローチャートは、図8に示すフローチャートと共通のステップS70−S75を備える。さらに、本フローチャートには、S74とS75との間に、新規なステップS76及びS77が追加されている。そこで、S76,S77を説明する。
【0091】
アクセス解析部210は、アクセス元のドメイン名を特定すると(S74)、その特定されたドメイン名と、S71で取得されたユーザIDに対応する組織(所属先IDで特定される組織)のドメインとが一致するか否かを判定する(S76)。
【0092】
つまり、S76では、実際にアクセスしたユーザ端末30のドメイン名と、個別URLの送信先ユーザの属する組織のドメイン名とが一致するか否かを判定する。
【0093】
アクセス解析部210は、アクセス元ドメイン名と、個別URLの送信先ユーザに対応するドメイン名とが一致する場合は(S76:YES)、S75に移行する。アクセス解析部210は、アクセス元ドメイン名と個別URLの送信先ユーザに対応するドメイン名とが不一致の場合(S76:NO)、その送信先ユーザの影響度及び影響範囲を算出して更新する(S77)。
【0094】
図10は、本実施例のユーザ反応管理テーブル230Aを示す。このユーザ反応管理テーブル230Aは、図3に示すユーザ反応管理テーブル230と共通の項目2300−2303を備える。さらに、本実施例のユーザ反応管理テーブル230Aは、影響度欄2304と、影響範囲欄2305とを備える。
【0095】
影響度欄2304は、ユーザが他のユーザに与える影響の強さを示す値を管理する。影響の強さは、例えば、そのユーザ用の入口ページ200がクリックされた回数で示すことができる。影響範囲欄2305は、ユーザの影響範囲を示す値を管理する。ユーザの影響範囲は、例えば、そのユーザ用の入口ページ200にアクセスした他のドメインの数で示すことができる。
【0096】
例えば、A社に勤務するユーザAに、個別URL(A)を送信した場合を考える。ユーザAに送信する電子メール100には、個別URL(A)に加えて、「友人知人にご紹介ください」という一文が記載されているとする。
【0097】
ユーザAは、B社に勤務するユーザBと、C社に勤務するユーザCとに、ユーザA宛の電子メールを転送する。ユーザB,Cがそれぞれ個別URL(A)をクリックすると、ユーザA用の入口ページ200を経由して詳細ページ201を閲覧できる。
【0098】
ユーザB,Cによるアクセスは、そのアクセス元ドメインがB社,C社であり、ユーザAの属する組織のドメイン名とは異なる。従って、ユーザB,Cによるアクセスは、ユーザAからの紹介に基づくものであると判定できる。
【0099】
ユーザ分析部240は、上述のように、個別URLの送信先ユーザに対応するドメイン名と実際のアクセス元ドメイン名との相違、及び、アクセス回数に基づいて、個別URLの送信先ユーザの特性を分類する。ユーザ分析部240は、アクセス解析部210の中に設けてもよいし、アクセス解析部210とは別に設けてもよい。
【0100】
図10の下側には、ユーザ分析部240による分析結果画面241が示されている。分析結果画面241は、例えば、対象ユーザ用の入口ページ200へのアクセス回数を示す縦軸と、対象ユーザ用の入口ページ200へのアクセス元ドメインの数を示す横軸を備えている。分析結果画面241は、対象ユーザを4つのグループGA,GB,GC,GDのうちいずれか一つに分類する。
【0101】
「第1領域」としての第1グループGAは、アクセス元ドメインの数も多く、かつ、アクセス回数も多いグループである。第1グループに属するユーザは、交友範囲が広く(影響範囲が広く)、かつ、影響力の高いユーザであると判断できる。例えば、先の例では、ユーザAから紹介されたユーザB,Cが詳細ページ201を何度も閲覧しているような状況である。例えば、ユーザAが他のユーザB,Cの手本となる先進的ユーザである場合、ユーザB,Cは、ユーザAから紹介された個別URLを何度もクリックして情報収集に努めると考えられる。従って、この場合、アクセス元ドメイン数及びアクセス回数の両方が大きくなる。
【0102】
「第2領域」としての第2グループGBは、アクセス元ドメイン数は少ないが、アクセス回数は多いグループである。第2グループに属するユーザは、交友範囲は狭く、影響力も少ないが、情報収集意欲は強いユーザであると判断できる。先の例で言えば、ユーザB,Cは、ユーザAから紹介された詳細ページ201を閲覧しておらず、ユーザAだけが何度も詳細ページ201を閲覧しているような状況である。
【0103】
「第3領域」としての第3グループGCは、アクセス元ドメイン数は多いが、アクセス回数は少ないグループである。第3グループに属するユーザは、交友範囲は広いが、影響力の低いユーザであると判断できる。先の例では、ユーザAは各ユーザB,Cに個別URLを紹介するが、各ユーザA,B,Cは情報収集意欲に欠け、詳細ページ201を閲覧する回数は少ない。
【0104】
「第4領域」としての第4グループGDは、アクセス元ドメイン数もアクセス回数も低いグループである。第4グループに属するユーザは、交友範囲も狭く、情報収集意欲に欠けるユーザであると判定することができる。
【0105】
なお、各グループGA−GDに属するユーザは、マーク242で象徴される。マーク242をクリックすると、そのマーク242に対応するユーザに関する情報243を表示させることができる。ユーザ関連情報243には、例えば、ユーザ名、所属先組織名等を含めることができる。
【0106】
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の効果を奏する。さらに、本実施例では、アクセス解析結果に基づいて、ユーザの特性を分類することができる。従って、電子メール100による宣伝効果をマーケティング活動により役立たせることができる。例えば、図10で述べた例では、第1グループに属するユーザを重要ユーザとしてフォローアップ営業を行うことにより、効率的に商品等を販売できる。
【実施例3】
【0107】
図11を参照して第3実施例を説明する。本実施例では、個別URLに電子メール100の送信予定時刻を含める。
【0108】
図11は、個別URLを生成する処理を示すフローチャートである。本フローチャートは、図6に示す個別URL生成処理のフローチャートと共通するステップS40−S44を備える。さらに、本実施例では、S42とS43との間に、新規ステップS45が追加されている。
【0109】
本実施例では、電子メール100の送信予定時刻を取得し(S45)、ユーザIDと所属先IDと送信予定時刻とから、個別URLを生成する(S43)。
【0110】
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の効果を奏する。さらに、本実施例では、個別URLに送信予定時刻を含めるため、アクセス元ユーザを逆探知する意図を隠して、ユーザの警戒心を和らげることができる。
【0111】
また、各電子メール100にそれぞれ異なる送信予定時刻を設定して送信できる場合、例えば、電子メール100の宣伝効果を時間の観点から測定できる。
【0112】
なお、本実施例では、ユーザと時刻とを予め対応付ける場合を述べたが、変形例として、電子メールの送信時にユーザと送信時刻とをリアルタイムで対応付けて保存する構成でもよい。つまり、任意の時刻から電子メールの送信を開始し、ユーザ名と送信時刻と個別URL等を対応付けて保存しておく。電子メールの送信後に、どのユーザにどのURLを含んだ電子メールを何時送信したかを、確認することもできる。このように構成すれば、いつ電子メールを送信してもよいため、柔軟にシステムを運用できる。
【0113】
なお、入口ページ200を1秒毎に対応する3600個だけ作成しておき、1秒毎に1ユーザずつ電子メールを送信し、その送信時刻(分秒)を個別URLに組み込む構成とすれば、正時に送信を開始しなくても、3600人以内では同一の入口ページ200に異なるユーザが重複してアクセスすることはない。また、216000個用意すれば(時刻の単位は時分秒)、216000人以内では同一の入口ページ200に異なるユーザが重複してアクセスすることはなく、更に多数のユーザに柔軟に対応できる。
【実施例4】
【0114】
図12,図13を参照して第4実施例を説明する。本実施例では、投票システムに応用する場合を説明する。
【0115】
図12は、投票システムの概要を示す全体図である。各ユーザに送信される電子メール100(1)〜100(n)には、複数の投票対象にそれぞれ対応する個別URLが含まれている。
【0116】
図示の例では、投票対象としてA,B,Cの3つが用意されている。第1ユーザに送信される電子メール100(1)には、第1投票対象Aに関する入口ページ1aに設定される個別URL1aと、第2投票対象Bに関する入口ページ1bに設定される個別URL1bと、第3投票対象Cに関する入口ページ1cに設定される個別URL1cとが、それぞれ含まれる。個別URL1aは、第1ユーザ専用の、第1投票対象Aに関するURLと呼ぶことができ、個別URL1bは、第1ユーザ専用の、第2投票対象Bに関するURLと呼ぶことができ、個別URL1cは、第1ユーザ専用の、第3投票対象Cに関するURLと呼ぶことができる。
【0117】
第2ユーザに送信される電子メール100(2)についても同様に、第1投票対象Aに関する入口ページ2aに設定される個別URL2aと、第2投票対象Bに関する入口ページ2bに設定される個別URL2bと、第3投票対象Cに関する入口ページ2cに設定される個別URL2cとが、それぞれ含まれる。個別URL2aは、第2ユーザ専用の、第1投票対象Aに関するURLと呼ぶことができ、個別URL2bは、第2ユーザ専用の、第2投票対象Bに関するURLと呼ぶことができ、個別URL2cは、第2ユーザ専用の、第3投票対象Cに関するURLと呼ぶことができる。以下同様である。
【0118】
ユーザが複数の個別URLのうちいずれか一つの個別URLをクリックすると、ユーザ端末30のウェブブラウザは、クリックされた個別URLに対応する入口ページ201を経由して、詳細ページ201を表示する。
【0119】
アクセス解析部210は、各入口ページにアクセスしたアクセス元ユーザを判別し、投票結果を集計する。
【0120】
図13は、本実施例によるアクセス元解析処理のフローチャートである。このフローチャートは、図9で述べたフローチャートと共通するステップS70−S76を備える。また、本フローチャートでは、図9中のS77に代えて新規なステップS77Aを有し、さらに、S75の後に新規ステップS78を有する。図9との相違を中心に説明する。
【0121】
アクセス解析部210は、アクセス元ドメイン名と、個別URLの送信先ユーザに関するドメイン名とが一致するか否かを判定し(S76)、両方のドメイン名が不一致の場合(S76:NO)、そのアクセスをカウントしない(S77A)。
【0122】
つまり、ユーザが電子メールを他人に転送して投票を依頼するのを防止すべく、アクセス元ドメイン名と個別URLの送信先ユーザに関するドメイン名とが一致する場合にのみ、アクセスをカウントする。
【0123】
なお、送信先ユーザに関するドメイン名とは、そのユーザの属する組織のドメイン名、または、そのユーザが通信ネットワークにアクセスする場合に通常用いられるドメイン名を意味する。
【0124】
本実施例では、投票システムに適用するため、重複アクセスはカウントしない。そこで、同一ユーザが何度も投票するのを防止するために、一度アクセスされた入口ページ200はウェブサーバ20から削除される(S78)。入口ページ200のデータを削除せずに、ユーザ端末30に対してアクセス済みの入口ページを隠す構成としてもよい。例えば、アクセス済みの入口ページ200のURLを変更してもよい。または、より単純な方法として、各入口ページ200へのアクセスは最初の一回だけカウントし、その後のアクセスはカウントしない、つまり、重複アクセスはカウントしないという構成でもよい。
【0125】
図12に戻って具体例を説明する。例えば、同一の企業内に属する複数ユーザにそれぞれ電子メール100(1)〜(n)を送信し、複数の投票対象A〜Cの中からいずれか一つを選ぶための投票を依頼したとする。全ユーザは、共通のプロキシサーバ等を経由して各自の専用の入口ページにアクセスする。
【0126】
電子メール100(1)を受領したユーザは、投票対象Aに関する個別URL1aをクリックし、投票対象Aに投票する。そのユーザは、さらに繰り返して個別URL1aをクリックするが、2回目以降の投票は集計結果に反映されない。一回目の投票により、投票対象Aの入口ページにアクセスできなくなるためである。
【0127】
なお、そのユーザによる他の投票対象B,Cへの投票を許すか否かはシステムの仕様による。ここでは、いずれか一つの投票対象のみに投票を許可する。従って、例えば、ユーザ反応管理テーブル230に、投票済みであるか否かを示す投票済みフラグの欄を設け、投票済みユーザによる別の投票対象への投票をカウントしない構成とする。投票済みユーザには「1」を設定し、投票していないユーザには「0」を設定すればよい。
【0128】
このように構成される本実施例も第1実施例と同様に、ウェブページにアクセスしたユーザを特定することができる。さらに、本実施例では、ユーザ向けの電子メール100内に、そのユーザ専用の個別URLを複数設定するため、投票システムとして用いることができる。これにより、本実施例ではクッキー技術を用いずに、共通のプロキシサーバ等を経由する、同一組織内の複数ユーザが外部ネットワーク上で開催される投票に参加することができる。
【実施例5】
【0129】
図14を参照して第5実施例を説明する。本実施例では、グループ単位でアクセス元を特定する。
【0130】
図14は、本実施例によるアクセス解析システムの概要を示す説明図である。本実施例では、グループ毎に個別URLを設定できる。第1グループG1には、第1入口ページ200(URL1)が設定される。第2グループG2には、第2入口ページ200(URL2)が設定される。
【0131】
第1グループG1に属する各ユーザには、同一のグループ別URL1を含む電子メール100が送信される。同様に、第2グループG2に属する他の各ユーザには、他のグループ別URL2を含む電子メール100が送信される。
【0132】
従って、第1グループG1内のユーザが電子メール100に記載されたグループ別URL1をクリックすると、各ユーザのウェブブラウザは第1入口ページ200(URL1)にアクセスする。同様に、第2グループG2内のユーザが電子メール100に記載された他のグループ別URL2をクリックすると、各ユーザのウェブサーバは第2入口ページ200(URL2)にアクセスする。
【0133】
なお、第3グループG3に属する各ユーザには、各ユーザ毎の個別URL(URL30,31,...3n)を含む電子メール100が送信される。第3グループのユーザは、第1実施例と同様に、自分専用の入口ページにアクセスする。
【0134】
アクセス解析部210は、グループG1,G2のように、グループ内の各ユーザにそのグループ専用のURLを含む電子メールを送信する場合は、グループ単位でアクセス数を集計する。グループG3のように、グループ内の各ユーザに各ユーザ専用のURLを含む電子メールを送信する場合は、グループ全体でアクセス数を集計すると共に、各ユーザのアクセス数も集計する。
【0135】
そのために本実施例では、前記各実施例で述べたユーザ反応管理テーブルに代えて、または、前記各実施例で述べたユーザ反応管理テーブルと共に、グループ別反応管理テーブル231を用意する。
【0136】
グループ別反応管理テーブル231は、例えば、ウェブサーバ20内に設けられる。グループ別反応管理テーブル231は、グループ名欄2310と、ユーザ名欄2311と、アクセス数欄2312と、合計アクセス数欄2313とを備えることができる。
【0137】
グループ名欄2310は、各グループを識別するための識別情報としてグループ名を管理する。ユーザ名欄2311は、各グループに属する各ユーザを識別するためのユーザ識別情報として、ユーザ名を管理する。
【0138】
アクセス数欄2312は、各ユーザによるアクセス数を管理する。従って、グループ単位でURLを発行する場合は、アクセス数欄2312に値は設定されない。合計アクセス数欄2313は、グループ全体の合計アクセス数を管理する。
【0139】
このように構成される本実施例では、ユーザ単位またはグループ単位で、ウェブページへのアクセス元を識別できる。従って、グループ単位でアクセス傾向を調べる場合にはグループ別のURLを発行すればよく、グループ内の各ユーザ単位でアクセス傾向を調べる場合には、ユーザ別のURLを発行すればよい。
【0140】
例えば、主要な顧客層については各ユーザ別のURLを用いてアクセス傾向を詳細に調査し、それ以外の顧客層については、グループ別のURLを用いて定性的な傾向を把握する、といった使い方ができる。このため、本実施例では、ウェブサーバ20の記憶資源等をより有効に利用して、電子メールの宣伝効果等をより柔軟に測定できる。
【0141】
なお、個別URLの構成を拡張することで、本実施例を実現してもよい。例えば、個別URLを、「http://www.nri.co.jp/group1/aaa000001」のように、アクセス先サイト名と、グループIDと、組織IDと、ユーザIDとを含んで構成してもよい。グループ単位でアクセス元を識別する場合は、グループIDの部分に各グループを特定する値を設定すればよい。さらに、組織IID及びユーザIDには、予め用意されたダミーの組織IDとダミーのユーザIDを設定すればよい。アクセス解析部210は、それらダミーIDを読み飛ばして集計する。ユーザ単位でアクセス元を識別する場合、グループIDの部分に、ダミーグループを示す値を設定すればよい。ダミーグループとは、見かけ上のグループに過ぎず、アクセス元の識別単位はユーザ単位であることをアクセス解析部210に指定するためのグループである。
【実施例6】
【0142】
図15を参照して第6実施例を説明する。本実施例では、著作物を利用するためのシステムに応用する場合を説明する。ここでは、著作物の例として楽曲を挙げる。但し、楽曲に限らず、例えば、電子書籍、映画、地図、問題集等のような種々の著作物の利用に適用できる。
【0143】
図15は、本実施例によるアクセス解析システムの概要を示す説明図である。電子メール100には、それぞれ複数の楽曲名が記載されており、各楽曲名にはそのユーザ専用の個別URLが設定されている。
【0144】
一方のユーザに向けた電子メール100(1)では、楽曲Aにそのユーザ専用のURL1aが設定され、楽曲Bにそのユーザ専用のURL1bが設定され、楽曲Cにそのユーザ専用のURL1cが設定される。URL1aをクリックすると、ウェブブラウザは入口ページ200(1a)にアクセスする。URL1bをクリックすると、ウェブブラウザは入口ページ200(1b)にアクセスする。URL1cをクリックすると、ウェブブラウザは入口ページ200(1c)にアクセスする。
【0145】
同様に、他方のユーザに向けた電子メール100(2)では、楽曲Aにそのユーザ専用のURL2aが設定され、楽曲Bにそのユーザ専用のURL2bが設定され、楽曲Cにそのユーザ専用のURL2cが設定される。ウェブブラウザは、URL2aがクリックされると入口ページ200(2a)にアクセスし、URL2bがクリックされると、入口ページ200(2b)にアクセスし、URL2cがクリックされると、入口ページ200(2c)にアクセスする。
【0146】
楽曲を紹介するための動画ページ201(詳細ページ)は、各楽曲毎にそれぞれ設けられている。同一の楽曲に関する入口ページ200が複数存在する場合でも、その楽曲の演奏等を見せるための動画ページ201は一つだけ設けられる。図15では、説明の便宜上、楽曲Aの動画ページ201のみを示すが、実際には楽曲B,Cの動画ページもそれぞれ設けられる。
【0147】
各ユーザ毎に、かつ、各楽曲毎に用意される入口ページ200は、前記各実施例と同様に、動画ページ201にリダイレクトさせる機能を有する。従って、一方のユーザと他方のユーザとが同一の楽曲Aを選択すると、各ユーザの使用するウェブブラウザには、同一の動画ページ201が再生される。
【0148】
アクセス解析部210は、各入口ページ200のアクセス元ユーザを解析する。再生回数判定部250は、各ユーザによる楽曲の再生回数(閲覧回数。以下同様)が予め設定された所定数に達したか否かを判定する。ユーザによる再生回数が所定数に達した場合、入口ページ書換部251は、そのユーザに関する、所定数に達した楽曲の入口ページ200のURLを書き換える。これ以降、そのユーザは、その楽曲を再生できない。
【0149】
このように、本実施例では、クッキー技術を用いずに、同一ドメインに属する複数ユーザによる著作物の利用を、各ユーザ別に管理できる。
【0150】
なお、本発明は、上述した各実施例に限定されない。当業者であれば、本発明の範囲内で、種々の追加や変更等を行うことができる。例えば、各実施例を適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0151】
10:電子メールサーバ、20:ウェブサーバ、30:ユーザ端末、110:電子メール生成部、120:メールアドレス管理テーブル、210:アクセス解析部、220:ウェブページ生成部、230,230A:ユーザ反応管理テーブル、231:グループ別反応管理テーブル、240:ユーザ分析部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワーク上の情報資源へのアクセスを解析するためのアクセス解析システムであって、
各ユーザの電子メールアドレスと、各ユーザが通信端末を用いて情報資源にアクセスするための資源アクセス情報であって各ユーザ毎に用意される資源アクセス情報と、各ユーザを識別するためのユーザ識別情報とを対応づけて管理する管理情報と、
前記管理情報を用いて、前記資源アクセス情報を含む電子メールを各ユーザ毎に生成して送信させる電子メール生成部と、
前記資源アクセス情報に基づいて各ユーザが通信端末を用いて前記情報資源にアクセスした場合、前記管理情報を用いて、各ユーザのうちアクセス元のユーザを識別するアクセス解析部と、
を備えるアクセス解析システム。
【請求項2】
前記情報資源として、前記各資源アクセス情報毎の第1情報資源と、前記各第1情報資源に共通に対応付けられる第2情報資源とを生成する情報資源生成部をさらに備え、
前記各第1情報資源は、前記通信端末が前記資源アクセス情報に基づいて前記第1情報資源にアクセスした場合に、前記通信端末のアクセス先を前記第2情報資源に変更させるようになっている、
請求項1に記載のアクセス解析システム。
【請求項3】
前記アクセス解析部により識別されるアクセス元のユーザを分類し、分類結果を出力するユーザ分析部をさらに備える、
請求項1に記載のアクセス解析システム。
【請求項4】
前記アクセス解析部は、さらに、前記通信端末が前記情報資源にアクセスした回数を検出することができ、
前記ユーザ分析部は、前記資源アクセス情報の配布されるユーザを、アクセス数及びアクセス元を識別するアクセス元識別情報の数が比較的多い第1領域と、アクセス数は比較的多いがアクセス元識別情報の数が比較的少ない第2領域と、アクセス数は比較的少ないがアクセス元識別情報の数が比較的多い第3領域と、アクセス数及びアクセス元識別情報の数が比較的少ない第4領域とのいずれかの領域に属するように分類し、分類結果を出力できるようになっている、
請求項3に記載のアクセス解析システム。
【請求項5】
前記資源アクセス情報は、前記ユーザ識別情報と、ユーザの所属先組織を識別するための組織識別情報とを所定規則に従って含んでおり、
前記資源アクセス情報を前記所定規則に従って判読可能である、
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のアクセス解析システム。
【請求項6】
前記管理情報は、さらに、前記組織識別情報を各ユーザ毎に管理しており、
前記資源アクセス情報は、対応するユーザを識別するための前記ユーザ識別情報と、そのユーザが属する組織を識別するための前記組織識別情報とを含む情報に基づいて、ユーザが判読不能な形態で生成される、
請求項5に記載のアクセス解析システム。
【請求項7】
前記アクセス解析部は、前記情報資源にアクセスした前記通信端末を通信ネットワーク上で識別するためのアクセス元識別情報と、前記アクセス元のユーザに対応する組織識別情報から検出されるアクセス元識別情報とが一致するか否かを判定し、
前記通信端末の前記アクセス元識別情報と前記組織識別情報から検出される前記アクセス元識別情報とが一致しない場合は、前記資源アクセス情報を含む電子メールが転送されたと判定する、
請求項5または請求項6のいずれかに記載のアクセス解析システム。
【請求項8】
前記管理情報は、複数の対象に関する複数の情報資源にそれぞれ対応し、各ユーザ毎に違えて生成される複数の資源アクセス情報を、ユーザ毎に、前記電子メール及び前記ユーザ識別情報に対応付けて管理しており、
前記電子メール生成部は、前記管理情報を用いて、前記各資源アクセス情報を含む電子メールを各ユーザ毎に生成して送信させ、
前記アクセス解析部は、各ユーザが前記通信端末を用いて前記情報資源にアクセスした場合、アクセス元である前記通信端末を通信ネットワーク上で識別するためのアクセス元識別情報と、アクセス元のユーザに対応する前記ユーザ識別情報と、前記情報資源にアクセスした回数とをそれぞれ検出して保存する、
請求項1に記載のアクセス解析システム。
【請求項9】
通信ネットワーク上の情報資源へのアクセスを解析するためのアクセス解析方法であって、
各ユーザの電子メールアドレスと、各ユーザが通信端末を用いて情報資源にアクセスするための資源アクセス情報であって各ユーザ毎に用意される資源アクセス情報と、各ユーザを識別するためのユーザ識別情報とを対応づけて、コンピュータシステムにより使用される管理テーブルで管理し、
前記コンピュータシステムにより、前記資源アクセス情報を含む電子メールを各ユーザ毎に生成して送信し、
前記コンピュータシステムにより、前記各資源アクセス情報にそれぞれ対応する情報資源を生成して通信ネットワーク上のサーバに記憶し、
前記資源アクセス情報に基づいて各ユーザが通信端末を用いて前記情報資源にアクセスしたか否かを前記コンピュータシステムは判定し、
前記通信端末が前記情報資源にアクセスした場合、前記コンピュータシステムは、アクセス元である前記通信端末を通信ネットワーク上で識別するためのアクセス元識別情報を検出し、さらに、各ユーザのうちアクセス元のユーザを識別する、
アクセス解析方法。
【請求項10】
コンピュータを、
各ユーザの電子メールアドレスと、各ユーザが通信端末を用いて通信ネットワーク上の情報資源にアクセスするための資源アクセス情報であって各ユーザ毎に用意される資源アクセス情報と、各ユーザを識別するためのユーザ識別情報とを対応づけて管理する管理情報と、
前記管理情報を用いて、前記資源アクセス情報を含む電子メールを各ユーザ毎に生成して送信させる電子メール生成部と、
前記資源アクセス情報に基づいて各ユーザが通信端末を用いて前記情報資源にアクセスした場合、前記管理情報を用いて、各ユーザのうちアクセス元のユーザを識別するアクセス解析部として、それぞれ機能させるためのコンピュータプログラム。
【請求項1】
通信ネットワーク上の情報資源へのアクセスを解析するためのアクセス解析システムであって、
各ユーザの電子メールアドレスと、各ユーザが通信端末を用いて情報資源にアクセスするための資源アクセス情報であって各ユーザ毎に用意される資源アクセス情報と、各ユーザを識別するためのユーザ識別情報とを対応づけて管理する管理情報と、
前記管理情報を用いて、前記資源アクセス情報を含む電子メールを各ユーザ毎に生成して送信させる電子メール生成部と、
前記資源アクセス情報に基づいて各ユーザが通信端末を用いて前記情報資源にアクセスした場合、前記管理情報を用いて、各ユーザのうちアクセス元のユーザを識別するアクセス解析部と、
を備えるアクセス解析システム。
【請求項2】
前記情報資源として、前記各資源アクセス情報毎の第1情報資源と、前記各第1情報資源に共通に対応付けられる第2情報資源とを生成する情報資源生成部をさらに備え、
前記各第1情報資源は、前記通信端末が前記資源アクセス情報に基づいて前記第1情報資源にアクセスした場合に、前記通信端末のアクセス先を前記第2情報資源に変更させるようになっている、
請求項1に記載のアクセス解析システム。
【請求項3】
前記アクセス解析部により識別されるアクセス元のユーザを分類し、分類結果を出力するユーザ分析部をさらに備える、
請求項1に記載のアクセス解析システム。
【請求項4】
前記アクセス解析部は、さらに、前記通信端末が前記情報資源にアクセスした回数を検出することができ、
前記ユーザ分析部は、前記資源アクセス情報の配布されるユーザを、アクセス数及びアクセス元を識別するアクセス元識別情報の数が比較的多い第1領域と、アクセス数は比較的多いがアクセス元識別情報の数が比較的少ない第2領域と、アクセス数は比較的少ないがアクセス元識別情報の数が比較的多い第3領域と、アクセス数及びアクセス元識別情報の数が比較的少ない第4領域とのいずれかの領域に属するように分類し、分類結果を出力できるようになっている、
請求項3に記載のアクセス解析システム。
【請求項5】
前記資源アクセス情報は、前記ユーザ識別情報と、ユーザの所属先組織を識別するための組織識別情報とを所定規則に従って含んでおり、
前記資源アクセス情報を前記所定規則に従って判読可能である、
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のアクセス解析システム。
【請求項6】
前記管理情報は、さらに、前記組織識別情報を各ユーザ毎に管理しており、
前記資源アクセス情報は、対応するユーザを識別するための前記ユーザ識別情報と、そのユーザが属する組織を識別するための前記組織識別情報とを含む情報に基づいて、ユーザが判読不能な形態で生成される、
請求項5に記載のアクセス解析システム。
【請求項7】
前記アクセス解析部は、前記情報資源にアクセスした前記通信端末を通信ネットワーク上で識別するためのアクセス元識別情報と、前記アクセス元のユーザに対応する組織識別情報から検出されるアクセス元識別情報とが一致するか否かを判定し、
前記通信端末の前記アクセス元識別情報と前記組織識別情報から検出される前記アクセス元識別情報とが一致しない場合は、前記資源アクセス情報を含む電子メールが転送されたと判定する、
請求項5または請求項6のいずれかに記載のアクセス解析システム。
【請求項8】
前記管理情報は、複数の対象に関する複数の情報資源にそれぞれ対応し、各ユーザ毎に違えて生成される複数の資源アクセス情報を、ユーザ毎に、前記電子メール及び前記ユーザ識別情報に対応付けて管理しており、
前記電子メール生成部は、前記管理情報を用いて、前記各資源アクセス情報を含む電子メールを各ユーザ毎に生成して送信させ、
前記アクセス解析部は、各ユーザが前記通信端末を用いて前記情報資源にアクセスした場合、アクセス元である前記通信端末を通信ネットワーク上で識別するためのアクセス元識別情報と、アクセス元のユーザに対応する前記ユーザ識別情報と、前記情報資源にアクセスした回数とをそれぞれ検出して保存する、
請求項1に記載のアクセス解析システム。
【請求項9】
通信ネットワーク上の情報資源へのアクセスを解析するためのアクセス解析方法であって、
各ユーザの電子メールアドレスと、各ユーザが通信端末を用いて情報資源にアクセスするための資源アクセス情報であって各ユーザ毎に用意される資源アクセス情報と、各ユーザを識別するためのユーザ識別情報とを対応づけて、コンピュータシステムにより使用される管理テーブルで管理し、
前記コンピュータシステムにより、前記資源アクセス情報を含む電子メールを各ユーザ毎に生成して送信し、
前記コンピュータシステムにより、前記各資源アクセス情報にそれぞれ対応する情報資源を生成して通信ネットワーク上のサーバに記憶し、
前記資源アクセス情報に基づいて各ユーザが通信端末を用いて前記情報資源にアクセスしたか否かを前記コンピュータシステムは判定し、
前記通信端末が前記情報資源にアクセスした場合、前記コンピュータシステムは、アクセス元である前記通信端末を通信ネットワーク上で識別するためのアクセス元識別情報を検出し、さらに、各ユーザのうちアクセス元のユーザを識別する、
アクセス解析方法。
【請求項10】
コンピュータを、
各ユーザの電子メールアドレスと、各ユーザが通信端末を用いて通信ネットワーク上の情報資源にアクセスするための資源アクセス情報であって各ユーザ毎に用意される資源アクセス情報と、各ユーザを識別するためのユーザ識別情報とを対応づけて管理する管理情報と、
前記管理情報を用いて、前記資源アクセス情報を含む電子メールを各ユーザ毎に生成して送信させる電子メール生成部と、
前記資源アクセス情報に基づいて各ユーザが通信端末を用いて前記情報資源にアクセスした場合、前記管理情報を用いて、各ユーザのうちアクセス元のユーザを識別するアクセス解析部として、それぞれ機能させるためのコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−128586(P2012−128586A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278475(P2010−278475)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(000155469)株式会社野村総合研究所 (1,067)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(000155469)株式会社野村総合研究所 (1,067)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]