説明

アクセス記録通知装置

【課題】誤ったホームページの書き替えや、間違った価格等を掲示したために営業活動的に異常なアクセスが発生しても、膨大なページの中から定期的な監視により発見することが出来ないという問題等がある。
【解決手段】アクセス記録通知装置10は、制御部13と、アクセスログが記録されるアクセスログデータベース11と、アクセスログが一次処理されたユーザ動向DB14と、各ページの個別解析結果が記録されている個別解析結果DB12と、異常判断条件DB15と、を有している。制御部13は、アクセスログを解析して各ページの個別解析結果を個別解析結果DB12に保存し、ユーザ動向処理を行いユーザ動向DB14に一定期間毎に保存すると共に、異常判断条件と比較して異常アクセスが発生しているかを判定して、異常を判定するとホームページオーナ端末5に異常アクセス発生を通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
インターネット上のホームページを閲覧した際に閲覧記録として残されるアクセスログデータを用いてアクセス解析を行うアクセスログ解析システムに関し、特に異常なアクセスが発生したことを通知するアクセス記録通知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ブロードバンド・インターネット技術、Webサーバ技術などに代表されるIT(Information Technology)技術が企業内へ導入され、B2B(Business to Business:企業対企業間の取引)、B2C(Business to Consumer:企業対消費者間の取引)等のビジネスもインターネット上に実施が進んでいる。
【0003】
このような状況下では、ホームページを公開する事業者は、自己のホームページに対するアクセス及び、アクセスされたページに掲載された商品の販売情報とを比較してより見やすく、検索エンジンの上位リストに掲載されるようにホームページの内容を改善するといった営業活動を展開できることを望んでいる。
【0004】
このような対応を可能にするために、特許文献1では、ホームページに対する閲覧記録であるアクセスログデータを入手して、アクセスログデータのIPアドレスからその登録者名やドメイン名を自動的に解析する方法や、このように解析した登録者名と閲覧されたページの日本語ページ名などを関連付けて表示することが出来るデータを自動的に作成し、さらには、そのように解析されたデータに基づいて各種の2次資料を容易に作成することで、営業活動に役立つ資料が得られる技術が公開されている。
【0005】
また、このような営業活動支援のIT技術として非特許文献1で取り上げているアクセス解析ツール(アクセス刑事Pro)等が注目されている。このアクセス解析ツールは、例えば経営に役立つ情報を得るためにビジネスに役立つ情報(例えば、予測、分類、傾向、相関関係など)を解析し、これを営業活動に活用させるソフトウエアである。
【0006】
【特許文献1】特開2003−91477号公報
【非特許文献1】株式会社 環、“アクセス刑事Pro”、[online]、平成16年4月2日、[ 平成16年12 月22 日検索]、インターネット< URL :http://www.kan-net.com/tool/deka/dekapro/index.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に示される技術は、IPアドレスやJPドメインの登録やその管理を行っている社団法人日本ネットワークインフォメーションセンタ(以下「JP−NIC」という。)におけるIPアドレスとそのJPドメインや登録者名(組織名)を相互に検索できる「Whoisデータベース」の検索サイト(「WhoisGateway」)を使用している。また、「.jp」ドメインのみでなく、「.com」などのドメインも同様な方法で検索可能である。
【0008】
一般的にホームページの閲覧者数は、ホームページの規模にもよるが1日当たり数百あるいは数千、それ以上となるので、ソフトウエアを使用して「Whoisデータベース」の検索サイトを私的に検索することは好ましくない。また、IPアドレスを検索エンジンに打ち込んでもサイトが出てこないことが多く、検索エンジンにいちいちデータを送るということは、検索エンジンの仕様が変わる度にデータ形式も変更する必要がある。
【0009】
さらに、このような営業活動などに役立つ資料解析は定期的に行われるものであり、確認すべきページも数十から数百と膨大なページ数になり、誤ったホームページの書き替えや、間違った価格を掲示したために営業的に異常なアクセスや取引などのイベントが発生しても、膨大なページの中から定期的な監視により発見することが出来ないという問題がある。
【0010】
また、データマイニングツールを活用し、実際の営業活動に活用しようとすると、業種・業務に精通した専門家、コンサルタントSE(システム・エンジニア)、経営コンサルタント等の専門家の知識や経験が必要とされるため容易に活用できないという問題もある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上のような問題を解決するために、本発明に係るアクセス記録通知装置は、インターネットを介してユーザ端末にホームページを公開するウェブサーバと、ホームページを含む複数ページへのユーザ端末のアクセスを検知するために各対象ページに埋め込まれたウェブビーコン手段と、を含むウェブ環境において、ウェブビーコン手段が検出した対象ページのアクセス情報を収集してホームページオーナ端末に通知するアクセス記録通知装置であって、ユーザ端末によってアクセスされた各対象ページのアクセス情報を記録するアクセスログ記録部と、アクセスログ記録部に記録されたアクセスログデータから各対象ページの少なくともアクセス数と滞留時間とを解析し、その情報から各対象ページに対するユーザ動向を検出するユーザ動向検出部と、前記ユーザ動向検出部で得られた情報と予め設定された各ページの複数の異常判定条件に基づいて異常アクセスを判定する異常判定部と、前記異常判定部で異常と判定された場合に、ホームページを含む各対象ページの異常アクセス情報をホームページオーナ端末に通知する異常通知部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るアクセス記録通知装置において、前記ユーザ動向検出部は、解析対象ページの少なくともアクセス情報と滞留時間の各分布曲線から各中央値を算出する中央値算出手段と、少なくともアクセス情報と滞留時間の各標準偏差を算出する標準偏差算出手段と、各中央値を中心にして各標準偏差の帯域を正常値帯域としてユーザ動向を検出し、前記異常判定部は、刻々変化するユーザ動向に対して予め決められた上限以上及び下限以下で連動する異常判定領域に達したと判定した場合に、ホームページオーナ端末に対してホームページを含む各対象ページのユーザ動向と異常アクセス情報を異常通知部に出力することを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明に係るアクセス記録通知装置において、前記異常判定部は、前記ユーザ動向検出部で得られた各分布曲線の正常値帯域と、前記ユーザ動向と、複数の異常判定条件と、に基づいて、急激な変化を伴う異常アクセスを判定することを特徴とする。
【0014】
さらにまた、本発明に係るアクセス記録通知装置において、前記異常通知部は、前記ユーザ動向検出部で得られた各分布曲線の正常値帯域と、前記ユーザ動向と、複数の異常判定条件と、に基づいて判定した異常判定部の情報を、ホームページの一般情報より優先してホームページオーナ端末に通知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、入手したアクセスログデータからアクセスされた各ページのアクセス数と滞留時間等とを解析し、その情報から各ページの情報提供に対するユーザ動向を検出することができ、ユーザ動向検出部で得られた情報と予め設定された各ページの異常判定条件に基づいて異常と判定された場合、ホームページオーナ端末にユーザ動向と異常ページの内容を通知することで、迅速な対応ができるという効果がある。
【0016】
これにより、単なるネットワークの監視にとどまらず、営業的に価値のあるアクセス情報が取得可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に従って説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るアクセスログ解析により得られたアクセス記録が、ホームページオーナ端末へ通知されるアクセス記録通知装置の構成を示した構成図である。Webサーバ1は、インターネット2を介してアクセス端末3,4と、Webサーバで提供されるホームページのオーナ又は管理者が使用するホームページオーナ端末5と接続されている。
【0019】
Webサーバ1は複数のサブページを有するホームページを含んでいる。なお、ホームページの各ページにはウェブビーコンと呼ばれるJavaScript(登録商標)やクリアジフ(透明な画像)などのプログラム(ビーコン)を埋め込んである。さらに、Webサーバ1は、ネットワークによりアクセス記録通知装置10に接続されている。アクセス記録通知装置10は、制御部13と、アクセスログが記録されるアクセスログデータベース11(以下DBという。)と、アクセスログが一次処理されたユーザ動向DB14と、各ページの個別解析結果が記録されている個別解析結果DB12と、異常なアクセスを判定するための異常判断条件が記録されている異常判断条件DB15と、を有している。
【0020】
制御部13は、アクセスログDB11、ユーザ動向DB14、個別解析結果DB12及び異常判定条件DB15と接続されており、Webサーバ1のウェブビーコンよりアクセスログを取得してアクセスログDB11に最初に保存する。次に、アクセスログからホームページの各ページの個別解析結果を個別解析結果DB12に保存し、例えば一定期間毎に、後述するユーザ動向処理を行いユーザ動向DB14に保存すると共に、異常判断条件と比較して異常アクセスが発生しているかを判定する。もし、異常が判定されるとWebサーバ1を介してホームページオーナ端末5に異常アクセス発生をメール、メッセンジャー、その他の方法で通知する。
【0021】
図2は、本発明の第1の実施形態に係るアクセス記録通知装置10が監視するWebサーバ1のホームページの1例を示した構成図である。トップページ以下第1層には、会社概要、オーダ、ツール及び求人情報等のページがあり、さらにオーダページの下層(第2層)には、主力製品と新製品のページがある。さらに、新製品ページの下層(第3層)には、特価品Aと特価品Bのページがある。これらのページにはウェブビーコンが埋め込まれており、アクセスされるとアクセス記録通知装置10へアクセス記録が送信される。
【0022】
通常、営業活動において、自社のプロフィールや、営業品目などをインターネット上のホームページに公開してPRすることが盛んに行われており、新製品や特売品などのように期間を限定して紹介するページや、インターネット販売による受付け処理や代金の支払い処理を行うページと連係して構成される。このような状況下では、新製品又は特売品のページのアクセス数を調べる方法としてWebサーバ1のアクセスログを調べることが一般的に行われる。
【0023】
図3は、本発明の実施形態に係るアクセスログ解析が実行され、解析されたアクセス記録の1例を示す模式図である。模式図に示されている情報として、左から各ページのアクセス数であるビュー数、URLアドレス及び、どのようなアクセス経路でページがアクセスされたかを示すアクセス一覧(経路)へのリンク及び各ページの詳細な解析ページへのリンクである。
【0024】
図中、「○」で囲んだ部分は、上段がアクセスされた総ビュー数、下段が初めてのユーザによりアクセスされたユニークアクセスを示すビュー数である。なお、ビュー数とは、httpリクエストごとの数である。一般的に、Webサーバ1が出力するアクセスログは、テキスト形式で示され、アクセス端末のIPアドレス、閲覧された年月日、時刻、閲覧されたページのページ名、閲覧されたファイル名、閲覧されたページのデータ転送の成否を判定した判定コードなどが含まれる。そこで、本実施形態では、テキスト形式のアクセスログに基づいて図3に示すような個別解析結果を表示している。
【0025】
図4は、本発明の第1の実施形態に係るアクセスログ解析が実施され、解析されたページ別のアクセス記録の1例を示す模式図である。ページ別アクセス一覧は、左からアクセス日時、アクセス端末のIPアドレス、経路表示へのリンク、アクセス端末のドメイン名、滞留時間及びアクセス端末のIPアドレスから求めたアクセス端末が所属するであろうドメインのWebサーバのリンク先を示している。また、図中「○」で囲んだ部分は、ホームページにおける本日分のアクセス数を示している。
【0026】
なお、図4に示すトップページURLはテスト環境で実施したため、IPアドレス“123.123.123.123”で求められるドメイン名が“kan.con.jp”であることから“http://www.kan.con.jp/”が表示されている。
【0027】
なお、図4のアクセス数は、Webサイトを訪れたユーザの延べ人数を表しており、アクセス数のカウントにはIPアドレスを使う原始的な方法とCookieを使った方法の2種類がある。前者の場合、IPアドレスと日付、時間のデータを利用し、IPアドレスとユーザエージェントを組み合わせることで、さらに細かくユーザをカウントするが、これは誤差を多く含む。これに対しCookieを使ったユニークユーザ解析は、前者より正確にカウントすることができる。
【0028】
また、これらの情報を基にユーザ名を割り当てることによりアクセス端末の所在、企業又は個人であるかを速やかに見分けることを可能にしている。さらに、得られたURLと企業名、個人名を個別解析結果DB12に保存することで、次回の検索のヒット率を向上させることも可能となる。
【0029】
図6は、本発明の第1の実施形態に係るアクセスログ解析により得られたアクセス回数と滞留時間の変化を示す模式図である。横軸に1日当たりのアクセス回数を分布曲線で示し、縦軸に1回のアクセス当たりの滞留時間を同様に分布曲線で示している。単位日数当たりの分布曲線は平均値を中心とした山の形になり、この分布曲線は、正規分布曲線又はガウス分布曲線とも呼ばれている。
【0030】
正規分布曲線には、中心からの距離が標準偏差(シグマ)と一致する変曲点がある。変曲点とは、図6に示すようなカーブの向きが変わる境界点である。全体の約68%が平均値±シグマの間にあり、約95%が平均値±2シグマの間にある。なお、標準偏差(シグマ)の意味は、例えば100個のデータのうち、およそ95個が平均値から±2シグマの間にあることを示す指針となり、この性質を利用すれば、ヒストグラムから、標準偏差を推定できる。
【0031】
例えば、データ数が30個から100個位なら外れ値を除いて、最大値から平均値を引いた値の約40%が,標準偏差と見ても大きく外れることはないということから、シグマから2シグマの区間を異常値として判定し、本実施形態では2シグマ以上を外れ値として除外している。
【0032】
このようにユーザ動向は、統計処理により得られた正常判定領域の移動状態を観察することで特徴付けることができる。なお、このグラフで示される情報と、ユーザが閲覧したページの経路は、ユーザ動向としてユーザ動向DB14に保存される。
【0033】
一例として正常判定域内でアクセス記録が存在する場合は、急激な変化がユーザ動向に現れていないことを示し、正常判定領域外である異常判定領域にアクセス記録が移動する場合は、急激な変化がユーザ動向に現れており、ホームページオーナ又は管理者に通報が必要な状況であることを示している。
【0034】
なお、後述するアクセス記録通知であるアラート設定工程で設定された下限値と上限値で示される正常判定領域でのアクセス記録Aは、正常と判定され、刻々変化するアクセス回数と滞留時間の平均が変化することで示される点線で示した2項分布及び正常判定領域上のアクセス記録Bも同様に正常判定される。なお、A〜Cは図5中の1日のアクセス記録を示す。
【0035】
しかし、さらに急激にアクセス回数が増加して異常判定領域に達するアクセス記録Cは、異常と判定され、異常アクセスを通知する処理が実行されることになる。一般的に、ロボットによるアクセス記録は、短い時間でアクセス回数が多いが、ユーザによるアクセスは、滞留時間がロボットに比べて長いため、容易に判別することが可能である。
【0036】
図6は、本発明の第1の実施形態に係るアラート設定工程の処理の流れを示すフローチャート図と、アラートが発生した場合の1例を示す電子メールと電子メールにリンク情報として添付された個別解析ページの模式図である。
【0037】
アラート設定においては、時間別アクセス回数設定(ステップS20)を行い、上限値のアクセス回数、標準偏差値又は、最大値アクセス回数に対するパーセント表示で入力する(ステップS21)。同様に下限値も設定する(ステップS22)。次に、滞留時間設定(ステップS23)を行い、上限値の滞留時間(秒)、標準偏差値又は、最大滞留時間に対するパーセント表示で入力する(ステップS24)。同様に下限値も設定する(ステップS25)。最後に、アラート送信先のメールアドレスを設定する(ステップS26)。なお、上限値及び下限値は、変動するユーザ動向に連動して異常を検知する役割もある。
【0038】
異常なアクセスが発生すると、プッシュ型の通知手段としてメール21が送信される。メール21には、異常アクセスが発生したページと、詳細情報表示のためのURLのリンク先が表示され、プル型の通知手段である“詳細ジャンプ”を選択すると、異常アクセスが発生したページ(個別解析結果表示画面22)により詳細内容が表示され、ユーザの操作により、ホームページに関する一般情報も表示する。
【0039】
図7は、本発明の第1の実施形態に係るアクセス記録通知であるアラート処理の流れを示すフローチャート図である。アラート処理を行うために必要な項目を設定画面にて入力する(ステップS31)。設定する項目は(ア)異常が発生した場合に通知して欲しい項目。例えば、該当ページのタイトル名、ユーザが設定した項目の一覧など。(イ)通知するための基準値、例えば、どれだけ変化したら通知するのかの変動幅など。(ウ)変更確認間隔(1日・1週間・1ヶ月など)。(エ)通知方法(通知して欲しい項目毎にメールやメッセンジャを用いた通知方法が異なり、“(ア)”ごとに通知方法を設定可能である)。
【0040】
次に、ステップS32において、“(ウ)”で指定した期間毎にログを比較する。もし、“(イ)”で設定した基準値以上の変動があると判断すると(ステップS33)、“(エ)”で設定した通知先へ(例えばメールにて)通知を行う(ステップS34)。なお、ステップS33において、“(イ)”で設定した基準値に達しない場合は、ステップS34の通知処理を実行せず、通知すべき通知の設定があるかを調べる(ステップS35)。もし、他の通知の設定(例えばメッセンジャ)があれば、その通知基準に達しているかを判定する(ステップS36)。もし、通知基準値に達している場合は、"(エ)"で設定したメッセンジャの通知先へ通知を行い(ステップS37)、アラート処理を終了する。逆に、ステップS35とステップS36で条件が成立しない場合は、ステップS37の通知処理を実行せずアラート処理を終了する。なお、図8は説明のために2つの通知設定を例に示したが、2つに限定するものではなく必要に応じて増減が可能である。
【実施例2】
【0041】
図8は、本発明の第2の実施形態に係るアクセスログ解析の処理の流れを示すフローチャート図である。この処理は、取得したデータを有効に活用するために、ユーザ動向を検出して顧客又は取引先ユーザの潜在的ニーズの把握と、競合他社の関心分野の把握を行うものである。
【0042】
ステップS41において、アクセスログからデータを入力して、未処理のデータを判定(ステップS42)する。もし、未処理データが有る場合は、取り出したデータからホスト名を抽出(ステップS43)し、ホスト名からドメイン名を抽出(ステップS44)してドメイン名を予め記憶されている図示しない組織名参照データから組織名を検索する(ステップS45)。なお、組織名参照データは、個別解析結果DB12に含まれている。ステップS46で組織名が無い場合は、エラーとして次の未処理データを処理する。
【0043】
次に、アクセスログのリクエストページのURLから閲覧ページを取得し(ステップS47)、さらにリンク先が検索エンジンであるかを判定する(ステップS48)。もし、検索エンジンであると判定すると、検索キーワードを判定することができるリファラから検索キーワードを抽出する(ステップS49)。なお、抽出されたデータは、ユーザ動向DB14に保存される。
【0044】
ステップS50において、ユーザ名、検索キーワードを用いて閲覧ページのクロス集計により、どのキーワードでサイトに訪問し、どのようなページを閲覧しているかを把握することができる。さらに、継続的にユーザ動向を観察することにより、顧客又は取引先ユーザの潜在的ニーズの把握と、競合他社の関心分野の把握が可能となる(ステップS51)。
【実施例3】
【0045】
図9は、本発明の第3の実施形態に係るアクセスログ解析の処理の流れを示すフローチャート図である。この処理は、組織名とアクセスした日時のクロス集計によりユーザ動向を検出し、個人ユーザ又は法人ユーザであるかの識別を行うものである。
【0046】
ステップS60において、アクセスログからデータを入力して、未処理のデータを判定する(ステップS61)。もし、未処理データが有る場合は、取り出したデータからホスト名を抽出し(ステップS62)、ホスト名からドメイン名を抽出して(ステップS63)ドメイン名を予め記憶されている図示しない組織名参照データから組織名を判定する(ステップS64)。
【0047】
次に、アクセスした日時を抽出して(ステップS66)全てのデータを処理するためステップ61へ戻る。未処理データが無くなると、組織名とアクセスした日時のクロス集計により一般的な就業時間から、個人ユーザか法人ユーザであるかを判定する(ステップS67)。抽出されたデータはユーザ動向DB14に保存され、さらに、継続的にユーザ動向を観察することにより、自社に興味又は関心を持っている他組織の把握が可能となる。
【0048】
以上のことから、本発明に係る実施形態を用いると、上述した理由で異常なアクセスが発生した場合、プッシュ型の通知手段としてメールが送信され、メールには詳細情報表示のためのURLのリンク先が表示され、プル型の通知手段により、異常アクセスが発生したページの詳細内容が提供できる。これにより、単なるネットワークの監視にとどまらず、上述した営業的に価値のあるアクセス情報を取得するという効果が得られる。
【0049】
さらに、本実施形態に限らず、アクセス回数、滞留時間、リピート数、リンク元、キーワード、離脱率などのパラメータにより2次元、3次元、4次元等の複数の異常判定条件により判定をすることで好適に処理することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るアクセスログ解析により得られたアクセス記録がホームページオーナ端末へ通知されるアクセスログ記録通知装置の構成を示した構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係るアクセス記録通知装置が監視するWebサーバのホームページの1例を示した構成図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るアクセスログ解析により得られたアクセス記録の1例を示す模式図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るアクセスログ解析により得られたページ別のアクセス記録の1例を示す模式図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るアクセスログ解析により得られたアクセス回数と滞留時間の変化を示す模式図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るアラート設定工程の処理の流れを示すフローチャート図と、アラートが発生した場合の1例を示す電子メールと電子メールにリンク情報として添付された個別解析ページの模式図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係るアクセス記録通知であるアラート処理の流れを示すフローチャート図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るアクセスログ解析の処理の流れを示すフローチャート図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係るアクセスログ解析の処理の流れを示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0051】
1 Webサーバ、3,4 アクセス端末、5 ホームページオーナ端末、10 アクセス記録通知装置、11 アクセスログDB、12 個別解析結果DB、13 制御部、14 ユーザ動向DB、15 異常判断条件DB、21 メール、22 個別解析結果画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットを介してユーザ端末にホームページを公開するウェブサーバと、ホームページを含む複数ページへのユーザ端末のアクセスを検知するために各対象ページに埋め込まれたウェブビーコン手段と、を含むウェブ環境において、ウェブビーコン手段が検出した対象ページのアクセス情報を収集してホームページオーナ端末に通知するアクセス記録通知装置であって、
ユーザ端末によってアクセスされた各対象ページのアクセス情報を記録するアクセスログ記録部と、
アクセスログ記録部に記録されたアクセスログデータから各対象ページの少なくともアクセス数と滞留時間とを解析し、その情報から各対象ページに対するユーザ動向を検出するユーザ動向検出部と、
前記ユーザ動向検出部で得られた情報と予め設定された各ページの複数の異常判定条件に基づいて異常アクセスを判定する異常判定部と、
前記異常判定部で異常と判定された場合に、ホームページを含む各対象ページの異常アクセス情報をホームページオーナ端末に通知する異常通知部と、
を備えることを特徴とするアクセス記録通知装置。
【請求項2】
請求項1に記載のアクセス記録通知装置において、
前記ユーザ動向検出部は、
解析対象ページの少なくともアクセス情報と滞留時間の各分布曲線から各中央値を算出する中央値算出手段と、
少なくともアクセス情報と滞留時間の各標準偏差を算出する標準偏差算出手段と、
各中央値を中心にして各標準偏差の帯域を正常値帯域としてユーザ動向を検出し、
前記異常判定部は、
刻々変化するユーザ動向に対して予め決められた上限以上及び下限以下で連動する異常判定領域に達したと判定した場合に、ホームページオーナ端末に対してホームページを含む各対象ページのユーザ動向と異常アクセス情報を異常通知部に出力することを特徴とするアクセス記録通知装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のアクセス記録通知装置において、
前記異常判定部は、
前記ユーザ動向検出部で得られた各分布曲線の正常値帯域と、前記ユーザ動向と、複数の異常判定条件と、に基づいて、急激な変化を伴う異常アクセスを判定することを特徴とするアクセス記録通知装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のアクセス記録通知装置において、
前記異常通知部は、
前記ユーザ動向検出部で得られた各分布曲線の正常値帯域と、前記ユーザ動向と、複数の異常判定条件と、に基づいて判定した異常判定部の情報を、ホームページの一般情報より優先してホームページオーナ端末に通知することを特徴とするアクセス記録通知装置。


【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−185049(P2006−185049A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−376256(P2004−376256)
【出願日】平成16年12月27日(2004.12.27)
【出願人】(300064102)株式会社環 (7)