説明

アクチュエータ、光スキャナ、および画像形成装置

【課題】低コスト化および小型化を図りつつ、質量部を互いに直交する2軸のそれぞれの軸まわりに回動させることができるアクチュエータ、光スキャナ、および画像形成装置を提供すること。
【解決手段】電源回路5は、第1の周波数で周期的に変化する第1の電圧V11、V12を発生する第1の電圧発生部51と、第1の周波数と異なる第2の周波数で周期的に変化する第2の電圧V21、V22を発生する第2の電圧発生部52と、第1の電圧V11、V12と第2の電圧V21、V22とを重畳する電圧重畳部53とを備え、電圧重畳部53で重畳された電圧を各圧電素子41、42、43、44に印加することにより、質量部をこれを支持する1対の弾性部に沿った第1の軸線まわりに第1の周波数で回動させつつ第1の軸線に直交する第2の軸線まわりに第2の周波数で回動させるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータ、光スキャナ、および画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レーザープリンタ等に用いられる光スキャナとしては、マイクロマシニング技術によりSi基板を加工して製造した、捩り振動子を有する構造体を用いたものが知られている。このような構造体を用いた光スキャナは、ポリゴンミラーに比し高速で光走査を行うことができるという利点がある。
例えば、特許文献1にかかるアクチュエータは、板状の反射ミラーを1対のバネ部により両持ち支持しており、各バネ部はその途中で分岐し、その分岐部に圧電体が設けられている。このようなアクチュエータは、各圧電体に電圧を印加することにより、分岐部を曲げ変形させて1対のバネ部全体を捩れ変形させながら、反射ミラーを回動させる。
【0003】
しかしながら、このようなアクチュエータにあっては、1対のバネ部に沿った1軸のみを回動中心軸とし反射ミラーを回動させるものである。そのため、このようなアクチュエータを光スキャナとして用いた場合、主走査または副走査のいずれか一方向にしか光を走査することができない。したがって、主走査および副走査を行うためには、2つのアクチュエータが必要となり、高コスト化および大型化を招いてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−191953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、低コスト化および小型化を図りつつ、質量部を互いに直交する2軸のそれぞれの軸まわりに回動させることができるアクチュエータ、光スキャナ、および画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のアクチュエータは、質量部と、前記質量部を支持する1対の弾性部とを備えた振動部と、
前記振動部を支持する少なくとも1対の梁部と、
前記各梁部上に接合された圧電素子と、
前記各圧電素子に電圧を印加する電圧印加手段とを有し、
前記電圧印加手段が前記各圧電素子に電圧を印加することにより、前記各梁部を曲げ変形させ、これに伴い、前記振動部を駆動させるように構成されたアクチュエータであって、
前記電圧印加手段は、第1の周波数で周期的に変化する第1の電圧を発生する第1の電圧発生部と、前記第1の周波数と異なる第2の周波数で周期的に変化する第2の電圧を発生する第2の電圧発生部と、前記第1の電圧と前記第2の電圧とを重畳する電圧重畳部とを備え、前記電圧重畳部で重畳された電圧を前記各圧電素子に印加することにより、前記質量部を前記1対の弾性部に沿った第1の軸線まわりに前記第1の周波数で回動させつつ前記第1の軸線に直交する第2の軸線まわりに前記第2の周波数で回動させるように構成されていることを特徴とする。
これにより、低コスト化および小型化を図りつつ、質量部を互いに直交する2軸のそれぞれの軸まわりに回動させることができる。
【0007】
本発明のアクチュエータでは、前記電圧印加手段は、前記第1の電圧発生部が互いに180°位相のずれた2種の前記第1の電圧を発生し、前記電圧重畳部が前記各第1の電圧と前記第2の電圧とを重畳し、前記電圧重畳部で重畳された2つの電圧を1対の前記圧電素子に対応して印加するように構成されていることが好ましい。
これにより、比較的簡単な構成で、質量部を1対の弾性部に沿った第1の軸線まわりに第1の周波数で回動させつつ第2の軸線まわりに第2の周波数で回動させることができる。
【0008】
本発明のアクチュエータでは、前記振動部は、前記少なくとも1対の梁部に支持されているとともに、前記1対の弾性部を介して前記質量部を支持し、前記質量部の外周を囲むように枠状をなす枠体を有することが好ましい。
これにより、より低電力でかつより円滑に、質量部を1対の弾性部に沿った第1の軸線まわりに第1の周波数で回動させつつ第2の軸線まわりに第2の周波数で回動させることができる。
【0009】
本発明のアクチュエータでは、前記梁部は、前記振動部を介してその両側にそれぞれ1対設けられていることが好ましい。
これにより、より円滑に、質量部を1対の弾性部に沿った第1の軸線まわりに第1の周波数で回動させつつ第2の軸線まわりに第2の周波数で回動させることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記質量部は、板状をなしており、前記質量部を平面視したときに、前記2対の梁部は、前記質量部の中心に対して点対称となるように設けられていることが好ましい。
これにより、より簡単な構成でかつより円滑に、質量部を1対の弾性部に沿った第1の軸線まわりに第1の周波数で回動させつつ第2の軸線まわりに第2の周波数で回動させることができる。
【0010】
本発明のアクチュエータでは、前記各梁部は、長手形状をなし、前記各圧電素子は、対応する前記梁部の長手方向に沿って延在し、その延在方向に伸縮することにより、前記梁部を曲げ変形させることが好ましい。
これにより、より低電圧でかつより大きな回動角で、質量部を1対の弾性部に沿った第1の軸線まわりに第1の周波数で回動させつつ第2の軸線まわりに第2の周波数で回動させることができる。
【0011】
本発明のアクチュエータでは、前記各梁部は、前記第1の軸線に平行に延在していることが好ましい。
これにより、アクチュエータの小型化を図りつつ、質量部の回動角を大きくすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記各圧電素子は、対応する前記梁部の長手方向でのほぼ全域に亘って設けられていることが好ましい。
これにより、アクチュエータの小型化を図りつつ、質量部の回動角を大きくすることができる。
【0012】
本発明のアクチュエータでは、前記第1の周波数は、前記第2の周波数よりも大きいことが好ましい。
これにより、より確実かつより円滑に、質量部を1対の弾性部に沿った第1の軸線まわりに第1の周波数で回動させつつ第2の軸線まわりに第2の周波数で回動させることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記第1の周波数が、前記質量部と前記振動部とで構成される振動系のねじり共振周波数と一致していることが好ましい。
これにより、質量部を1対の弾性部に沿った第1の軸線まわりに共振駆動させることができるため、質量部を低電力で大きく回動させることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記質量部は、光反射性を有する光反射部を備えていることが好ましい。
これにより、本発明のアクチュエータを光スキャナ、光スイッチ、光アッテネータなどの光学デバイスに適用することができる。
【0013】
本発明の光スキャナは、光反射性を有する光反射部を備えた質量部と、前記質量部を支持する1対の弾性部とを備えた振動部と、
前記振動部を支持する曲げ変形可能な少なくとも1対の梁部と、
前記各梁部上に接合された圧電素子と、
前記各圧電素子に電圧を印加する電圧印加手段とを有し、
前記電圧印加手段が前記各圧電素子に電圧を印加することにより、前記各梁部を曲げ変形させ、これに伴い、前記振動部を駆動させ、前記光反射部で反射した光を走査するように構成された光スキャナであって、
前記電圧印加手段は、第1の周波数で周期的に変化する第1の電圧を発生する第1の電圧発生部と、前記第1の周波数と異なる第2の周波数で周期的に変化する第2の電圧を発生する第2の電圧発生部と、前記第1の電圧と前記第2の電圧とを重畳する電圧重畳部とを備え、前記電圧重畳部で重畳された電圧を前記各圧電素子に印加することにより、前記質量部を前記1対の弾性部に沿った第1の軸線まわりに前記第1の周波数で回動させつつ前記第1の軸線に直交する第2の軸線まわりに前記第2の周波数で回動させるように構成されていることを特徴とする。
これにより、1つの光スキャナで主走査および副走査を行うことができ、その結果、低コスト化および小型化を図ることができる。
【0014】
本発明の画像形成装置は、光反射性を有する光反射部を備えた質量部と、前記質量部を支持する1対の弾性部とを備えた振動部と、
前記振動部を支持する曲げ変形可能な少なくとも1対の梁部と、
前記各梁部上に接合された圧電素子と、
前記各圧電素子に電圧を印加する電圧印加手段と、
前記光反射部に光を照射する光照射手段とを有し、
前記電圧印加手段が前記各圧電素子に電圧を印加することにより、前記各梁部を曲げ変形させ、これに伴い、前記振動部を駆動させ、前記光反射部で反射した光を走査して、対象物上に画像を形成するように構成された画像形成装置であって、
前記電圧印加手段は、第1の周波数で周期的に変化する第1の電圧を発生する第1の電圧発生部と、前記第1の周波数と異なる第2の周波数で周期的に変化する第2の電圧を発生する第2の電圧発生部と、前記第1の電圧と前記第2の電圧とを重畳する電圧重畳部とを備え、前記電圧重畳部で重畳された電圧を前記各圧電素子に印加することにより、前記質量部を前記1対の弾性部に沿った第1の軸線まわりに前記第1の周波数で回動させつつ前記第1の軸線に直交する第2の軸線まわりに前記第2の周波数で回動させるように構成されていることを特徴とする。
これにより、1つの光スキャナで主走査および副走査を行うことができ、その結果、低コスト化および小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態にかかるアクチュエータを示す平面図である。
【図2】(a)は、図1中のA−A線断面図、(b)は、図1中のB−B線断面図である。
【図3】図1中のC−C線断面図である。
【図4】図1に示すアクチュエータの制御系の構成を示すブロック図ある。
【図5】図4に示す第1の電圧発生部および第2の電圧発生部での発生電圧の一例を示す図である。
【図6】本発明の画像形成装置(イメージングディスプレイ)の一例を示す概略図である。
【図7】図7に示す画像形成装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明のアクチュエータの好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかるアクチュエータを示す平面図、図2は、図1中のA−A線断面図およびB−B線断面図、図3は、図1中のC−C線断面図、図4は、図1に示すアクチュエータの制御系の構成を示すブロック図、図5は、図4に示す第1の電圧発生部および第2の電圧発生部での発生電圧の一例を示す図、図6は、図1に示すアクチュエータの各圧電素子に印加する電圧の一例を示す図である。なお、以下では、説明の便宜上、図1中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言い、図2および図3中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
【0017】
アクチュエータ1は、図1ないし図3に示すように、1自由度振動系を含む振動部21を有する基体2と、基体2を支持する支持基板3とを有している。基体2の振動部21を駆動するための圧電素子41、42、43、44とを有している。
基体2は、1自由度振動系を含む振動部21と、この振動部21を支持する2対の梁部22、23、24、25と、これら梁部22、23、24、25を介して振動部21を支持する支持部26とを有している。
【0018】
振動部21は、質量部211と、この質量部211を両持ち支持する1対の弾性部212、213と、1対の弾性部212、213を支持する枠体214とを有している。
質量部211は、板状(本実施形態では円板状)をなし、その上面(支持基板3とは反対側の面)付近に、光反射性を有する光反射部(ミラー部)215を備えている。これにより、アクチュエータ1を光スキャナ、光アッテネータ、光スイッチなどの光デバイスに適用することができる。
【0019】
このような質量部211は、1対の弾性部212、213を介して枠体214に支持されている。
枠体214は、質量部211の外周を囲むように枠状(本実施形態では略四角環状)をなしている。すなわち、枠体214は、枠状をなし、その内側には、質量部211に対し離間した状態で、質量部211が設けられている。
【0020】
1対の弾性部212、213は、それぞれ、質量部211を枠体214に対し回動可能とするように連結している。より具体的には、1対の弾性部212、213は、弾性変形可能であり、それぞれ長手形状をなすとともに互いに同軸的に設けられており、質量部211を両持ち支持している。このような1対の弾性部212、213は、これらを回動中心軸として第1の軸線Xまわりに捩れ変形することにより、質量部211を枠体214に対して回動させることができる。すなわち、振動部21は、質量部211および1対の弾性部212、213で構成された1自由度振動系を有している。
【0021】
このような振動部21の枠体214は、2対の梁部22、23、24、25を介して支持部26に支持されている。すなわち、枠体214および2対の梁部22、23、24、25は、振動系を構成している。
2対の梁部22、23、24、25は、振動部21を介して、一方の側に1対の梁部22、23が設けられ、他方の側に1対の梁部24、25が設けられている。
【0022】
そして、これらの梁部22、23、24、25は、振動部21の質量部211の平面視にて、質量部211の中心に対し点対称となるように設けられている。
支持部26は、前述した振動部21の外周を囲むように形成されている。
そして、1対の梁部22、23は、それぞれ、振動部21(より具体的には枠体214)と支持部26とを連結している。これと同様に、1対の梁部24、25は、それぞれ、振動部21(より具体的には枠体214)と支持部26とを連結している。
【0023】
各梁部22、23、24、25は、弾性変形可能であり、長手形状をなすとともに、質量部211の回動中心軸Xに平行に延在している。このような2対の梁部22、23、24、25にあっては、梁部22、25と梁部23、24とを互いに反対方向に曲げ変形させることにより、枠体214を第2の軸線(回動中心軸)Yまわりに回動させることができ、また、梁部22、23と梁部24、25とを互いに反対方向に曲げ変形させることにより、枠体214を第1の軸線Xまわりに回動させることができる。
【0024】
このような振動部21を有する基体2は、例えば、シリコンを主材料として構成されていて、振動部21と梁部22、23、24、25と支持部26とが一体的に形成されている。
そして、このような振動部21を駆動するために、梁部22上には圧電素子41、梁部23上には圧電素子42、梁部24上には圧電素子43、梁部25上には圧電素子44が設けられている。
【0025】
ここで、圧電素子41、42と圧電素子42、43とは、前述した1対の梁部22、23と1対の梁部24、25との関係と同様に、振動部21の質量部211の平面視にて、質量部211の中心に対し点対称となるように設けられている。以下、圧電素子41、42について代表的に詳述するが、圧電素子43、44については圧電素子41、42と同様である。
【0026】
圧電素子41は、梁部22の上面に接合され、梁部22の長手方向に伸縮するように構成されている。これにより、圧電素子41は、その伸縮により、梁部22を上下方向に曲げ変形させることができる。また、圧電素子42は、梁部23の上面に接合され、梁部23の長手方向に伸縮するように構成されている。これにより、圧電素子42は、その伸縮により、梁部23を上下方向に曲げ変形させる。
【0027】
言い換えすれば、圧電素子41は、梁部22の長手方向に沿って延在し、その延在方向に伸縮することにより、梁部22を曲げ変形させる。これにより、比較的簡単な構成で、より確実に、圧電素子41により梁部22を曲げ変形させることができる。これと同様に、圧電素子42は、梁部23の長手方向に沿って延在し、その延在方向に伸縮することにより、梁部23を曲げ変形させる。これにより、比較的簡単な構成で、より確実に、圧電素子42により梁部23を曲げ変形させることができる。
【0028】
このような圧電素子41、42は、それぞれ、例えば、いずれも図示しないが、圧電材料を主材料として構成された圧電体層と、この圧電体層を挟持する1対の電極とを有している。
この圧電材料としては、例えば、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、ニオブ酸カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸バリウム、その他、各種のものが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、特に、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、ニオブ酸カリウムおよびチタン酸ジルコン酸鉛のうちの少なくとも1種を主とするものが好ましい。このような材料で圧電素子41の圧電体層を構成することにより、より高い周波数でアクチュエータ1を駆動することができる。
【0029】
また、圧電素子41は、梁部22の上面のほぼ全体を覆うように設けられている。したがって、圧電素子41は、梁部22の長手方向でのほぼ全域に亘って設けられている。これにより、圧電素子41の作動により、梁部22をより大きく曲げ変形させることができる。これと同様に、圧電素子42は、梁部23の上面のほぼ全体を覆うように設けられている。したがって、圧電素子42は、梁部23の長手方向でのほぼ全域に亘って設けられている。これにより、圧電素子42の作動により、梁部23をより大きく曲げ変形させることができる。
【0030】
このような圧電素子41、42は、ともに基体2の上面に設けられているので、互いに伸縮動を交互に行う(一方を伸張させ他方を収縮させる)ように動作させると、1対の梁部22、23を互いに逆方向に曲げ変形させることができる。
前述した圧電素子41、42と同様に、圧電素子43、44は構成されている。このような圧電素子43、44は、前述した圧電素子41、42と同様に、ともに基体2の上面に設けられているので、互いに伸縮動を交互に行う(一方を伸張させ他方を収縮させる)ように動作させると、1対の梁部24、25を互いに逆方向に曲げ変形させることができる。
【0031】
このような圧電素子41、42、43、44は、図示しない配線を介して、後述する電源回路5に接続されていて(図5参照)、電力の供給を受けるようになっている。なお、電源回路5については、後に詳述する。
前述したような基体2を支持するための支持基板3は、例えば、ガラスやシリコンを主材料として構成されており、基体2に接合されている。なお、支持基板3と基体2とは、例えば、ガラス、シリコン、またはSiOを主材料として構成された接合層を介して接合されていてもよい。
【0032】
支持基板3には、図2および図3に示すように、振動部21に対応する部分に開口部31が形成されている。
この開口部31は、振動部21が振動する際に、支持基板3に接触するのを防止する逃げ部を構成する。開口部(逃げ部)31を設けることにより、アクチュエータ1全体の大型化を防止しつつ、振動部21(質量部211や枠体214)の振れ角(振幅)をより大きく設定することができる。
【0033】
なお、前述したような逃げ部は、前記効果を十分に発揮し得る構成であれば、必ずしも支持基板3の下面(振動部21と反対側の面)で開放(開口)していなくてもよい。すなわち、逃げ部は、支持基板3の上面に形成された凹部で構成することもできる。
ここで、圧電素子41、42、43、44に電圧を印加する電圧印加手段である電源回路5について、図4および図5に基づいて説明する。
【0034】
電源回路5は、図4に示すように、質量部211を第1の軸線Xまわりに回動させるための第1の電圧を発生させる第1の電圧発生部51と、質量部211を第2の軸線Yまわりに回動させるための第2の電圧を発生させる第2の電圧発生部52と、第1の電圧と第2の電圧を重畳して圧電素子41、42、43、44に印加する電圧重畳部53とを備えている。
【0035】
第1の電圧発生部51は、図5(a)〜(d)の右側に示すように、周期Tで周期的に変化する電圧(水平走査用電圧)を発生させるものである。すなわち、第1の電圧発生部51は、第1の周波数(1/T)で周期的に変化する2種の第1の電圧V11、V12を発生するものである。
より具体的に説明すると、第1の電圧発生部51は、圧電素子41、42にそれぞれ印加する水平走査用電圧(水平走査駆動信号)として、図5(a)、(b)の右側に示すように、周期Tで周期的に変化する第1の電圧V11を発生する。
【0036】
第1の電圧V11は、正弦波のような波形をなしている。そのため、アクチュエータ1は効果的に光を主走査することができる。なお、第1の電圧V11の波形は、これに限定されない。
ここで、第1の周波数(1/T)は、水平走査に適した周波数であれば、特に限定されないが、10〜40kHzであるのが好ましい。また、第1の周波数は質量部211と弾性部212、213とで構成される振動系のねじり共振周波数と略一致させるように設定することが好ましい。つまり、質量部211と弾性部212、213とで構成される振動系のねじり共振周波数が、水平走査に適した周波数になるように設計されていることが好ましい。
また、第1の電圧発生部51は、圧電素子43、44にそれぞれ印加する水平走査用電圧(水平走査駆動信号)として、図5(c)、(d)の右側に示すように、周期Tで周期的に変化する第1の電圧V12を発生する。この第1の電圧V12は、第1の電圧V11と同一波形であるが、第1の電圧V11に対し180°位相がずれている。
【0037】
一方、第2の電圧発生部52は、図5(a)〜(d)の左側に示すように、周期Tと異なる周期Tで周期的に変化する電圧(垂直走査用電圧)を発生させるものである。すなわち、第2の電圧発生部52は、第1の周波数(1/T)と異なる2種の第2の周波数(1/T)で周期的に変化する第2の電圧V21、V22を発生するものである。
より具体的に説明すると、第2の電圧発生部52は、圧電素子41、43にそれぞれ印加する垂直走査用電圧(垂直走査駆動信号)として、図5(a)、(c)の左側に示すように、周期Tと異なる周期Tで周期的に変化する第2の電圧V21を発生する。
【0038】
第2の電圧V21は、鋸波のような波形をなしている。そのため、アクチュエータ1は効果的に光を副走査することができる。なお、第2の電圧V21の波形は、これに限定されない。
ここで、第2の周波数(1/T)は、第1の周波数(1/T)と異なり、かつ、垂直走査に適した周波数であれば、特に限定されないが、第1の周波数(1/T)よりも小さいのが好ましい。すなわち、周期Tは、周期Tよりも長いのが好ましい。
【0039】
また、第2の周波数(1/T)は、40〜80Hz(60Hz程度)であるのが好ましい。これにより、ディスプレイでの描画に適した周波数で、質量部211を互いに直交する2軸(第1の軸線Xおよび第2の軸線Y)のそれぞれの軸まわりに回動させることができる。
また、第2の電圧発生部51は、圧電素子42、44にそれぞれ印加する垂直走査用電圧(垂直走査駆動信号)として、図5(b)、(d)の左側に示すように、周期Tで周期的に変化する第2の電圧V22を発生する。この第2の電圧V22は、第2の電圧V21をある基準電圧に対して反転した同一波形である。
【0040】
このような第1の電圧発生部51および第2の電圧発生部52は、それぞれ、制御部(同期信号生成回路)6に接続され、この制御部6からの信号に基づき駆動する。
このような第1の電圧発生部51および第2の電圧発生部52には、電圧重畳部53が接続されている。この電圧重畳部53は、圧電素子41に電圧を印加するための加算器531と、圧電素子42に電圧を印加するための加算器532と、圧電素子43に電圧を印加するための加算器533と、圧電素子44に電圧を印加するための加算器534とを備えている。
【0041】
加算器531は、第1の電圧発生部51から第1の電圧V11を受けるとともに、第2の電圧発生部52から第2の電圧V21を受け、これらを重畳し圧電素子41に印加するようになっている。
また、加算器532は、第1の電圧発生部51から第1の電圧V11を受けるとともに、第2の電圧発生部52から第2の電圧V22を受け、これらを重畳し圧電素子42に印加するようになっている。
【0042】
また、加算器533は、第1の電圧発生部51から第1の電圧V12を受けるとともに、第2の電圧発生部52から第2の電圧V21を受け、これらを重畳し圧電素子43に印加するようになっている。
また、加算器534は、第1の電圧発生部51から第1の電圧V12を受けるとともに、第2の電圧発生部52から第2の電圧V22を受け、これらを重畳し圧電素子44に印加するようになっている。
【0043】
以上のような構成のアクチュエータ1は、次のようにして駆動する。
例えば、図5(a)に示すような電圧V11とV21を重畳して圧電素子41に印加するとともに、図5(b)に示すような電圧V11とV22を重畳して圧電素子42に印加する。これと同期して、図5(c)に示すような電圧V12とV21を重畳して圧電素子43に印加するとともに、図5(d)に示すような電圧V12とV22を重畳して圧電素子44に印加する。
【0044】
すると、第1の周期(1/T)で、圧電素子41、42を伸張させるとともに圧電素子43、44を収縮させる状態と、圧電素子41、42を収縮させるとともに圧電素子43、44を伸長させる状態とを交互に繰り返しながら、第2の周期(1/T)で、圧電素子41、43を伸張させるとともに圧電素子42、44を収縮させる状態と圧電素子41、43を収縮させるとともに、圧電素子42、44を伸長させる状態とを交互に繰り返す。
【0045】
言い換えると、第2の周期(1/T)で、圧電素子41、43の伸縮可能な範囲(変位可能な長さ)に対する圧電素子42、44の伸張可能な範囲(変位可能な長さ)の比を変化させながら、第1の周期(1/T)で、圧電素子41、42と圧電素子43、44とを互いに反対方向に伸張させる。
このように圧電素子41〜44が作動することにより、各梁部22、23、24、25が主に曲げ変形しながら、質量部211は、第1の軸線Xまわりに第1の周波数(1/T)で回動(振動)しつつ、第2の軸線Yまわりに第2の周波数((1/T)で回動(振動)する。
【0046】
以上のように、アクチュエータ1にあっては、電圧重畳部53で重畳された電圧を各圧電素子41、42、43、44に印加することにより、質量部211を、1対の弾性部212、213に沿った第1の軸線Xまわりに第1の周波数(1/T)で回動させつつ、第1の軸線Xに直交する第2の軸線Yまわりに第2の周波数(1/T)で回動させる。
これにより、低コスト化および小型化を図りつつ、質量部211を互いに直交する2軸のそれぞれの軸まわりに回動させることができる。
【0047】
特に、駆動源となる圧電素子の数を少なく(本実施形態では4つ)することができるため、簡単かつ小型な構成とすることができる。
また、第1の電圧および第2の電圧を適宜変更することで、基体2や圧電素子41、42、43、44の設計を変更することなく、所望の振動特性を得ることができる。
また、質量部211の外周を囲むように枠状をなす枠体214が2対の梁部22、23、24、25に支持されているとともに1対の弾性部212、213を介して質量部211を支持しているため、より低電力でかつより円滑に、質量部211を1対の弾性部212、213に沿った第1の軸線Xまわりに第1の周波数(1/T)で回動させつつ第2の軸線Yまわりに第2の周波数(1/T)で回動させることができる。
【0048】
さらに、梁部は、前記振動部を介してその両側にそれぞれ1対設けられているため、より円滑に、質量部を1対の弾性部に沿った第1の軸線まわりに第1の周波数で回動させつつ第2の軸線まわりに第2の周波数で回動させることができる。
また、質量部211を平面視したときに、2対の梁部22、23、24、25が質量部211の中心に対して点対称となるように設けられているため、より簡単な構成でかつより円滑に、質量部211を1対の弾性部212、213に沿った第1の軸線Xまわりに第1の周波数(1/T)で回動させつつ第2の軸線Yまわりに第2の周波数(1/T)で回動させることができる。
【0049】
さらに、各圧電素子41、42、43、44が対応する梁部22、23、24、25の長手方向に沿って延在しその延在方向に伸縮することにより梁部22、23、24、25を曲げ変形させるため、より低電圧でかつより大きな回動角で、質量部211を1対の弾性部212、213に沿った第1の軸線Xまわりに第1の周波数(1/T)で回動させつつ第2の軸線Yまわりに第2の周波数(1/T)で回動させることができる。
【0050】
また、各梁部22、23、24、25が第1の軸線Xに平行に延在しているため、アクチュエータ1をより小型なものとしつつ、質量部211の回動角を大きくすることができる。
さらに、各圧電素子41、42、43、44が対応する梁部22、23、24、25の長手方向でのほぼ全域に亘って設けられているため、アクチュエータ1をさらに小型化なものとしつつ、質量部211の回動角を大きくすることができる。
【0051】
以上説明したようなアクチュエータ1は、例えば、レーザープリンタ、バーコードリーダー、走査型共焦点レーザー顕微鏡、イメージング用ディスプレイ等の画像形成装置に備える光スキャナに好適に適用することができる。
ここで、図6および図7に基づき、画像形成装置の一例として、アクチュエータ1をイメージング用ディスプレイの光スキャナとして用いた場合を説明する。
【0052】
図6は、本発明の画像形成装置(イメージングディスプレイ)の一例を示す概略図、図7は、図6に示す画像形成装置の制御系の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、画像形成装置10は、光スキャナであるアクチュエータ1と、このアクチュエータ1に光を照射する光照射装置7とを備え、光照射装置7からの光をアクチュエータ1で主走査および副走査することにより、スクリーン9上に画像を形成(描画)する。
【0053】
なお、スクリーン9は、画像形成装置10の本体に備えられたものであっても別体であってもよい。また、スクリーン9の表面(視認側の面)に光照射装置7からの光を照射し表示してもよいし、スクリーン9の裏面(視認側の面とは反対側の面)に光照射装置7からの光を照射し表面に透過させ表示してもよい。
光照射装置7は、図7に示すように、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色の光源71、72、73と、クロスダイクロイックプリズム(Xプリズム)74と、ミラー75と、レンズ76とを備えている。
【0054】
光源71は、赤色の光を発するものであり、光源71を駆動するための光源ドライバー81に接続されている。また、光源72は、緑色の光を発するものであり、光源72を駆動するための光源ドライバー82に接続されている。また、光源73は、青色の光を発するものであり、光源73を駆動するための光源ドライバー83に接続されている。
各駆動ドライバー81、82、83は、制御部6Aに接続されていて、この制御部6Aからの信号に基づき作動する。ここで、制御部6Aは、図示しないホストコンピュータから画像情報(画像信号)を受け、この画像情報に応じて、各駆動ドライバー81、82、83を作動させる。また、制御部6Aは、図示しない検知手段によって検知されたアクチュエータ1(質量部211)の挙動情報に基づき電源回路5の駆動を制御するようになっている。
【0055】
このような画像形成装置10にあっては、光源71、72、73からクロスダイクロイックプリズム74、ミラー75、およびレンズ76を介してアクチュエータ1(光反射部215)に各色の光が照射される。このとき、光源71からの赤色の光と、光源72からの緑色の光と、光源73からの青色の光とが、クロスダイクロイックプリズム74にて合成される。また、各色の光源71、72、73から出力される光の強度は、図示しないホストコンピュータから受けた画像情報に応じて変化する。
【0056】
そして、光反射部215で反射した光(3色の合成光)は、スクリーン197上に照射される。
その際、アクチュエータ1の質量部211の第1の軸線Xまわりの回動により、光反射部215で反射した光は、スクリーン9の横方向に走査(主走査)される。一方、アクチュエータ1の質量部211の第2の軸線Yまわりの回動により、光反射部215で反射した光は、スクリーン9の縦方向に走査(副走査)される。
【0057】
このようにして画像形成装置10は、スクリーン9上を画像形成(描画)を行う。このような画像形成装置10にあって、アクチュエータ1を1つ設けるだけで、2次元走査、すなわち主走査(水平走査)および副走査(垂直走査)を行うことができ、低コスト化および小型化を図ることができる。
以上、本発明のアクチュエータについて、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明のアクチュエータでは、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
【0058】
例えば、前述した実施形態では、アクチュエータ1が2対の梁部を備えたもの説明したが、互いに直交する2軸のそれぞれの軸まわりに質量部を回動させることができれば、梁部は1対であっても3対以上であってもよい。
また、梁の形状、大きさ、配置なども、互いに直交する2軸のそれぞれの軸まわりに質量部を回動させることができれば、前述した実施形態のものに限定されない。
【0059】
また、前述した実施形態では、圧電素子が梁部の上面のみに接合されているが、圧電素子が梁部の下面に接合されていてもよく、複数の梁部間において圧電素子が梁部の上面に接合されているものと下面に接合されているものとが混在していてもよい。このような場合、複数の圧電素子が第1の軸線および/または第2の軸線に対し対称に設けられているのが好ましい。これにより、位相差をもった複数種の電圧を第1の電源発生部および第2の電源発生部で発生させる必要がなくなり、第1の電源発生部および第2の電源発生部の構成を簡単にすることができる。
【0060】
また、前述した実施形態では、平面視にて第1の軸線や第2の軸線に対しほぼ対称(左右対称)な形状をなしている構造を説明したが、非対称であってもよい。
また、前述した実施形態では、光反射部が質量部の上面(支持基板とは逆側の面)に設けられている構成について説明したが、例えば、その逆の面に設けられている構成であってもよいし、両方の面に設けられている構成であってもよい。
【符号の説明】
【0061】
1……アクチュエータ 2……基体 21……振動部 211……質量部 212、213……弾性部 214……枠体 215……光反射部 22、23、24、25……梁部 26……支持部 3……支持基板 31……開口部 41、42、43、44……圧電素子 5……電源回路 51……第1の電圧発生部 52……第2の電圧発生部 53……電圧重畳部 531、532、533、534……加算器 6、6A……制御部 7……光照射装置 71、72、73……光源 74……クロスダイクロイックプリズム 75……ミラー 76……レンズ 81、82、83……駆動ドライバー 9……スクリーン 10……画像形成装置 X……第1の軸線 Y……第2の軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
質量部と、前記質量部を支持する1対の弾性部とを備えた振動部と、
前記振動部を支持する少なくとも1対の梁部と、
前記各梁部上に接合された圧電素子と、
前記各圧電素子に電圧を印加する電圧印加手段とを有し、
前記電圧印加手段が前記各圧電素子に電圧を印加することにより、前記各梁部を曲げ変形させ、これに伴い、前記振動部を駆動させるように構成されたアクチュエータであって、
前記電圧印加手段は、第1の周波数で周期的に変化する第1の電圧を発生する第1の電圧発生部と、前記第1の周波数と異なる第2の周波数で周期的に変化する第2の電圧を発生する第2の電圧発生部と、前記第1の電圧と前記第2の電圧とを重畳する電圧重畳部とを備え、前記電圧重畳部で重畳された電圧を前記各圧電素子に印加することにより、前記質量部を前記1対の弾性部に沿った第1の軸線まわりに前記第1の周波数で回動させつつ前記第1の軸線に直交する第2の軸線まわりに前記第2の周波数で回動させるように構成されていることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】
前記電圧印加手段は、前記第1の電圧発生部が互いに180°位相のずれた2種の前記第1の電圧を発生し、前記電圧重畳部が前記各第1の電圧と前記第2の電圧とを重畳し、前記電圧重畳部で重畳された2つの電圧を1対の前記圧電素子に対応して印加するように構成されている請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記振動部は、前記少なくとも1対の梁部に支持されているとともに、前記1対の弾性部を介して前記質量部を支持し、前記質量部の外周を囲むように枠状をなす枠体を有する請求項1または2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記梁部は、前記振動部を介してその両側にそれぞれ1対設けられている請求項1ないし3のいずれかに記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記質量部は、板状をなしており、前記質量部を平面視したときに、前記2対の梁部は、前記質量部の中心に対して点対称となるように設けられている請求項4に記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記各梁部は、長手形状をなし、前記各圧電素子は、対応する前記梁部の長手方向に沿って延在し、その延在方向に伸縮することにより、前記梁部を曲げ変形させる請求項1ないし5のいずれかに記載のアクチュエータ。
【請求項7】
前記各梁部は、前記第1の軸線に平行に延在している請求項6に記載のアクチュエータ。
【請求項8】
前記各圧電素子は、対応する前記梁部の長手方向でのほぼ全域に亘って設けられている請求項6または7に記載のアクチュエータ。
【請求項9】
前記第1の周波数は、前記第2の周波数よりも大きい請求項1ないし8のいずれかに記載のアクチュエータ。
【請求項10】
前記第1の周波数が、前記質量部と前記振動部とで構成される振動系のねじり共振周波数と一致している請求項1ないし9のいずれかに記載のアクチュエータ。
【請求項11】
前記質量部は、光反射性を有する光反射部を備えている請求項1ないし10のいずれかに記載のアクチュエータ。
【請求項12】
光反射性を有する光反射部を備えた質量部と、前記質量部を支持する1対の弾性部とを備えた振動部と、
前記振動部を支持する曲げ変形可能な少なくとも1対の梁部と、
前記各梁部上に接合された圧電素子と、
前記各圧電素子に電圧を印加する電圧印加手段とを有し、
前記電圧印加手段が前記各圧電素子に電圧を印加することにより、前記各梁部を曲げ変形させ、これに伴い、前記振動部を駆動させ、前記光反射部で反射した光を走査するように構成された光スキャナであって、
前記電圧印加手段は、第1の周波数で周期的に変化する第1の電圧を発生する第1の電圧発生部と、前記第1の周波数と異なる第2の周波数で周期的に変化する第2の電圧を発生する第2の電圧発生部と、前記第1の電圧と前記第2の電圧とを重畳する電圧重畳部とを備え、前記電圧重畳部で重畳された電圧を前記各圧電素子に印加することにより、前記質量部を前記1対の弾性部に沿った第1の軸線まわりに前記第1の周波数で回動させつつ前記第1の軸線に直交する第2の軸線まわりに前記第2の周波数で回動させるように構成されていることを特徴とする光スキャナ。
【請求項13】
光反射性を有する光反射部を備えた質量部と、前記質量部を支持する1対の弾性部とを備えた振動部と、
前記振動部を支持する曲げ変形可能な少なくとも1対の梁部と、
前記各梁部上に接合された圧電素子と、
前記各圧電素子に電圧を印加する電圧印加手段と、
前記光反射部に光を照射する光照射手段とを有し、
前記電圧印加手段が前記各圧電素子に電圧を印加することにより、前記各梁部を曲げ変形させ、これに伴い、前記振動部を駆動させ、前記光反射部で反射した光を走査して、対象物上に画像を形成するように構成された画像形成装置であって、
前記電圧印加手段は、第1の周波数で周期的に変化する第1の電圧を発生する第1の電圧発生部と、前記第1の周波数と異なる第2の周波数で周期的に変化する第2の電圧を発生する第2の電圧発生部と、前記第1の電圧と前記第2の電圧とを重畳する電圧重畳部とを備え、前記電圧重畳部で重畳された電圧を前記各圧電素子に印加することにより、前記質量部を前記1対の弾性部に沿った第1の軸線まわりに前記第1の周波数で回動させつつ前記第1の軸線に直交する第2の軸線まわりに前記第2の周波数で回動させるように構成されていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−11892(P2013−11892A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−174743(P2012−174743)
【出願日】平成24年8月7日(2012.8.7)
【分割の表示】特願2012−143376(P2012−143376)の分割
【原出願日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EPSON
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】