アクチュエータの駆動電流の検出方法
【課題】製造中又は製造ラインの端でコストの嵩む個別の弁較正を実施する必要なしに、電磁弁の正確な制御に繋がる特性値、弁特性曲線又は弁特性界の検出方法を提示する。
【解決手段】アクチュエータに起因する圧力影響の大きさが、圧力センサーの使用なしにも、予めアクチュエータの電気的駆動の強さによって決定されることができ、アクチュエータに特有の特性曲線又は特性値がアクチュエータのために使用され、その結果この特性値によって、所期の目標流れGが電流Iの強さに依存して調整されることができ、その際アクチュエータに特有の特性値は、アクチュエータの圧力付勢の使用なしに自動的に検出される。
【解決手段】アクチュエータに起因する圧力影響の大きさが、圧力センサーの使用なしにも、予めアクチュエータの電気的駆動の強さによって決定されることができ、アクチュエータに特有の特性曲線又は特性値がアクチュエータのために使用され、その結果この特性値によって、所期の目標流れGが電流Iの強さに依存して調整されることができ、その際アクチュエータに特有の特性値は、アクチュエータの圧力付勢の使用なしに自動的に検出される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的に操作可能なアクチュエータ、例えば、電磁弁の駆動電流の計算方法であって、請求項1の上位概念による流体の差圧に依存する流れ(ΔP,I,KG)の制御方法に関する。さらに、本発明は、アクチュエータの較正又は機械的調整方法並びに請求項11の上位概念によるアクチュエータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
これに加えて、本発明は請求項20の上位概念による流体の圧力測定方法に関するものである。
【0003】
自動車ブレーキシステム用のABS−制御ユニット、しかし、EPS等のような追加の機能を備えた車両動的コントローラにおいても、改善された制御ための、若しくは騒音減少のための電磁的に操作可能な、アナログ化された弁を使用することが公知である。
【0004】
新世代の液圧制御装置においては、いわゆるアナログ化された切り換え弁が使用される。アナログ化された切り換え弁は、完全な開放又は閉鎖のために構成された電流制御される電磁弁であるが、しかし、所期の電流調整によって電磁弁がアナログ制御特性を有するように運転される。
【0005】
アナログで使用可能な切り換え弁の切り換え点を検出するための、特に、弁制御電流の電流変化から圧力状況の決定のための方法は、ヨーロッパ特許第0813481B1(P7576)明細書から出発する。
【0006】
従って、原理的に、相応してアナログ化された切り換え弁の圧力勾配又は流れGが、差圧に依存して、弁の磁気コイルを通る電流の変化によって調整される。流量Qは、制御部の範囲において勿論調整が困難でありかつ特に、差圧ΔPと、弁の磁気コイルを流れる電流Iに依存する。勿論、この依存性は、直接一度確定した特性界においては決定されない、そのわけは、既に弁構成部材の製造上の小さな公差が流れと駆動電流との間の関数関係に大きな影響を有するからである。従って、弁の製造中、各弁それぞれに対して、特性界を決定しかつ特性界をアクチュエータの電子装置のメモリーに記憶させることが必要である。しかし、個々の特性界の設定のために、供給者又は自動車メーカでは製造ラインの端でアクチュエータの特定された圧力付勢を行うコストのかかる測定方法が必要である。コストのかかる測定方法によって検出された特性界は、例えば、国際特許出願公開WO01/98124A1(P9896)明細書に記載されているように、所望の圧力勾配の調整のために、使用されることができる。
【0007】
未公開にドイツ国特許出願第10321783.5号明細書には、アナログ弁若しくはアナログ化された切り換え弁の弁特性曲線のために学習方法が記載されている。この方法によれば、ABS−ブレーキ装置の運転中の液圧弁の較正が実施され、その際、駆動特性曲線又は存在する駆動特性曲線の修正のための相応する修正値が学習方法によって検出される。この学習方法のために、この方法がアンチロック調整部の複数のサイクルをカバーすることが特徴的である。各好適なサイクルにおいて、必要な圧力構成時間が集積されかつ実際のサイクルから検出されたパラメータによって帰納的公式に基づいて特性曲線の改善が行われる。この方法は、存在する駆動特性曲線の改善に役立ち、従って、既に存在する特性曲線を前提とする。
【0008】
従って、特性界又は特性曲線の検出のための前記の方法は、十分に正確ではなく、また特性曲線は製造中又は組み立てラインの端で実施されねばならないコストのかかる測定方法によってのみ検出されることができる。この方法でのみ弁の圧力曲線に影響を与える、製造に依存する弁の個別の特性値KGindであって、例えば、測定された特性界又は特性曲線から得られる値が検出されることができる。
【特許文献1】ヨーロッパ特許第0813481B1号明細書
【特許文献2】国際特許公開WO01/98124A1(P9896)号明細書
【特許文献3】ドイツ国特許出願第10321783.5(P10697)号明細書
【特許文献4】国際特許公開WO03/0743383A1号明細書
【特許文献5】ドイツ特許出願DE102004017239.0号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、製造中又は組み立てラインの端でコストの嵩む個別の弁較正を実施する必要なしに、さらに上記の電磁弁の正確な駆動に繋がる特性値、弁特性曲線又は弁特性界の検出方法を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、本発明によれば、請求項1による方法によって解決される。
【発明の効果】
【0011】
本発明による方法によれば、較正のために必要な特性曲線又はパラメータ若しくは特性値が、アクチュエータの圧力付勢を使用することなしに検出される。従って、特性曲線の検出のための空気圧又は液圧測定装置によって、特性曲線又はパラメータの検出中別個の圧力付勢は不要である。
【0012】
アクチュエータの概念で流体流れの調整のための弁及びスライダが把握される。好ましくは、使用されるアクチュエータでは弁が対象とされる。好適な流体として空気の他に、ブレーキに使用の際に特に、市販のブレーキ流体である液圧流体が考慮される。
【0013】
アクチュエータは、好ましくは完全に開いた位置と完全に閉じた位置とを有する。電流なしに開放される(SO−V)又は電流なしに閉じる(SG−V)というアクチュエータの形式に従って、戻し要素によって戻されたこれらの位置の1つを弁が占める。好適な戻し要素は好ましくは、特定された力/距離特性曲線を有するばねであり得る。特定された力/距離特性曲線は、特に一次等式によって近似される。
【0014】
本発明による方法は、好ましくは自動車のブレーキ制御のための電気・液圧装置に使用される。
【0015】
本発明による方法は、好ましくはアクチュエータの圧力勾配の調整又は制御のための方法にも関するものである。
【0016】
本発明による方法によれば、較正のために必要な特性曲線又はパラメータ若しくは特性値が、アクチュエータの圧力付勢をすることなしに検出される。従って、特性曲線の検出のための空気圧又は液圧測定装置によって、特性曲線又はパラメータの検出中別個の圧力付勢は不要である。本発明は、特にブレーキ圧力の制御のための制御弁を有するブレーキ装置を装備する自動車の運転中の特別に正確なアクチュエータ特性又はパラメータの検出方法に関するものである。
【0017】
本発明による方法は、特に、従来必要とされたような製造されたアクチュエータ若しくは完全な液圧ユニットが検査台で、特定された圧力の使用の下に個別に測定される必要がないという利点に繋がる。本発明による方法によれば、アクチュエータ若しくは液圧ユニットに接続される電子制御部がアクチュエータの電磁的かつ磁気的特性を測定すれば十分である。これらの特性は、とくに、実質的に正確に、特性曲線の製造上のばらつきに帰するアクチュエータの個別の磁気的及び機械的特性値KGindである。アクチュエータの製造上のばらつきによる特性値が、他の一般的な特性値KGallによって、製造ラインに対して一度に確定されかつ電子制御ユニットに持続的に貯えられる。特性値からアクチュエータ特性曲線と、従って、アクチュエータのために必要な差圧に依存する駆動電流が計算されることができる。
【0018】
本発明による方法は、さらに、好ましくは本発明によって行われもする方法が任意に度々、特に、規則的な間隔で自動車への組み込み後でも自動的に実施されることができるという利点を提示する。こうして、システムが規則的な間隔で改めて較正されることを可能にする。それによってこの方法で、更に一度である程度の磨耗のような外的な影響に基づく装置の永久的な変更を考慮することを可能にし、その変更はアクチュエータの製造後先ず長時間後に初めて起こるものである。特性曲線は、自動車への組み込み後の時点でも、コントローラによる測定パラメータなしに自動的に決定されることができる。こうして、有利に、アクチュエータへの特性曲線の検出のためのさもなければ必要な測定装置の追加のデータ伝達ステップを不要とすることができる。
【0019】
このことは一般的に欠陥であるように、検出された特性曲線により所定の流れGの調整をするために、電子コントローラに加えて、弁の圧力差ΔPが知られていなければならない。圧力差は、方法により、好ましくはそれ自体公知の方法でモデルベースで近似的に計算され又はセンサーで測定されねばならない。例えば、タンデム主シリンダの領域で圧力センサーのみが存する場合に、差圧は特に、圧力付勢等のような圧力に影響を及ぼす値の時間的経過から決定される。特に、圧力勾配の決定のためのこの積分する方法では、流れの精度が非常に重要である。
【0020】
既に一般的に述べたように、原因が、特性曲線若しくはその勾配の存在するばらつきの原因が主として機構、例えば、変動するばね力FFederの公差及びアクチュエータの磁界特性曲線回路(例えば、空隙等の磁気抵抗)の公差に帰することが示された。
【0021】
特に、本発明による方法の実施形態によれば、磁気回路の総磁気抵抗が測定される。一般的に、磁気抵抗に代わってコイルの巻数Nに関する相応する磁気回路の誘電率Lも相応した方法で本発明による方法の実施のために等価の物理量として使用されることができる。
【0022】
本発明は、さらに、1つ又は複数の追加の測定要素、特に、測定コイルを備える請求項11に記載の弁に関するものである。
【0023】
測定コイルは、電気的に駆動コイルとは無関係にされ得る。しかし、好適な実施形態によれば、測定コイルを駆動コイルと電気的に直列に接続することが可能である。こうして、3つの駆動導線しか外方に案内される必要でないという利点が得られる。
【0024】
本発明は、その上、追加的に、アクチュエータ、特に弁の開放位置及び/又は流れを制御するための方法に関する。
【0025】
アクチュエータ若しくは弁の流れGは、原理的に差圧及び幾何学的タペット特性の他に、該当するアクチュエータのタペット上に作用する力(タペット力)によって決定される。従って、本発明は、好ましくはタペット力の調整又は制御のための方法にも関するものである。
【0026】
本発明による他の実施形態によりアクチュエータの領域に配設されている測定要素によって、アクチュエータの内方の物理的なパラメータを検出しかつこれを特性曲線の計算の際に考慮することが可能である。この方法で、以前に記載した調整についての全く特別な正確な方法でアクチュエータのタペット位置、タペット力又は流れが調整され又は制御されることができる。
【0027】
好適な方法で、有効な磁束の検出ために好適な場合に、コイルの他に測定要素として原理的に全ての磁界に依存するセンサー(例えば、ホール素子、MR−センサー)が使用されることができる。しかし、コイルの使用は、コストの低い加工性に基づいて特に合理的と思われる。
【0028】
本発明による方法によれば、好ましくは較正ルーチンにおいてばね力が、かつ最大のタペットストロークが必要な場合に、検出される。この値は、力計算に使用されることができる。
【0029】
本発明による方法の独自性は、特に、好ましくは磁束の測定が実施されかつ特に、この後にも制御されることにある。従って、このことは、有意義である、そのわけは、磁力は磁束に直接依存するからである。ここに、コイルを通る電流が所定の大きさである従来公知の方法に対する本質的な相違がある。
【0030】
記載の方法によって、このアクチュエータ内の最大のタペットストローク、特にばね力が正確に測定される。公知の圧力勾配の追加的な考慮によって、アクチュエータの力ー距離−特性曲線が非常に正確に特定され、その結果弁の流量が特別高い精度で調整され又は制御されることができる。
【0031】
上記の他に、本発明は、さらに、アクチュエータの、特に弁の制御又は製造品質の改善に対する本発明の使用に関するものであり、その際、タペットストローク及び/又はばね力がアクチュエータ又は弁の製造中又は製造直後に若しくは液圧弁ブロックの製造中又は製造直後に測定される。
【0032】
前記段に記載された方法の他の好適な実施形態において、既に上記の電気的較正の他に、製造中のアクチュエータの追加的な機械的な調整が実施される。
【0033】
その際、特にアクチュエータの組み立ての際の残留空隙及びタペットストロークがアクチュエータの電気的特性値を考慮してのみ調整される。このことは、閉鎖されたアクチュエータでは磁気抵抗が、開放されたアクチュエータでは磁気抵抗が測定されることによって、全く特別に好適に行われる。
【0034】
この調整方法で、後の時点で、この追加的に、さらに上記の電気的で、圧力のない較正方法が接続されることができる。予め調整されたアクチュエータによる圧力なしの較正方法の実施の際に、この方法によって、実質的に、戻しばねの特性における公差のみが補償されればよい。
【0035】
本発明は、較正方法のみではなく、請求項20による圧力決定方法にも関するものであって、その際弁タペット上に作用する力から、液圧流体における圧力が測定される。この測定方法では、本発明の基礎とするタペット力調整の原理が利用される。
【0036】
本発明による方法の更に他の改善は、好ましくは、特許文献3のように、本発明による較正が追加的に、更に上記の学習方法が実施されることによって、得られる。
【0037】
本発明の方法の他の独立の実施形態によれば、コイルタップ若しくは測定コイルのタップでの積分値の測定は、特別に簡単に較正されたいわゆる矩形波発生電子回路によって実施される。その際ドライバー段を介して電気的に制御可能な少なくとも1つの誘電アクチュエータ又は全く一般的にアクチュエータの調整又は制御によってアクタ要素において又はアクタ要素において誘起された電圧Uindの電子測定装置による磁束の検出方法を対象とし、その際誘導アクチュエータ又はアクタ構成要素で類似する電圧が積極的に測定装置又は誘電アクチュエータの電子的駆動によって又はアクタ較正用の電子的駆動によって実質的に一定の値に保持されかつ誘電的要素及び測定装置を流れる電流が投入又は遮断の際に電圧が誘導される時間t1が決定される。
【0038】
この独立の方法において、好ましくは接続(開始)時間t0と時間t1との間に時間tc 又はアクタ要素の接続(開始)時間が決定される。
【0039】
前記の方法と関連して、本発明は、信号入力及び信号出力を備えた測定装置を含めて、誘導アクチュエータ又はアクタ構成要素の磁束若しくは誘電率の検出のための電子回路機構にも関するものであり、その際信号入力は電気的に誘導構成要素を、かつ信号出力は、電気信号を備え、その電気信号は誘導アクチュエータ又はアクター構成要素に記憶されたエネルギーを一定の電圧で完全に分離し又は誘電アクチュエータ又はアクタ構成要素中の電流を完全に所望の最大電流にするために、必要な時間に関する情報を有する。
【0040】
好ましくは上記の回路機構において制御回路の実測値として測定装置の信号出力が供給され、その制御量は誘電構成要素中を通る電流である。
【0041】
前記測定方法及び回路機構は合理的には冒頭に記載した較正方法においてアクチュエータのコイルのタップで積分された電圧信号の測定のために使用される。
【0042】
他の有利な実施形態は従属請求項と実施例の次の記載から図面に基づいて明らかにされる。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明の最良の実施形態は以下の実施例に示す通りである。
【実施例】
【0044】
次に記載される例は、自家用自動車用ブレーキ用の電気・液圧アクチュエータに使用される。通常の方法で、相応する制御装置(EBS−制御ユニット)は、図1,2及び4に図式的に示されるようなマイクロコントローラシステム18を備えたコントローラハウジング(ECU)と、液圧流の制御のために使用され、電磁的に運転される弁1を備えた、コントローラと接続している弁ブロック(HCU)とを含む。コントローラは、さらに、駆動回路(制御源3)を有し、駆動回路によって弁電流Iがそれぞれ各弁のためにパルス幅変調されて調整されかつ測定されることもできる。ここでは図示しない自動車制御ユニットに、各弁に対して相応した弁ドライバが設けられ、弁ドライバは個別に駆動可能なPWM−ドライバ段によって実現される。コイルの端子には誘起起電力Uindを測定することが出来る測定装置4が設けられている。測定装置4の出力に信号Φistが生じ、信号はUind(t)についての積分値に比例する。
【0045】
本発明の詳しい説明のために次の数学的関係式を付与することが有意義であると思われる。
【0046】
磁力は、次の式
1
Fmagn=―――――――――――×Φ2
2×μ0×AAnker
その際、μ0は、透磁率(空気)、AAnkerは可動コア面積、そしてΦは磁束である。
【0047】
磁束は次の公式から計算される、
Θ
Φ=―――――――― ここで、Θ=I×N,
RMgesamt
その際、Iはコイル電流、Nは弁コイルの巻数、そしてRMgesamtは弁における磁気回路の全磁気抵抗である。
【0048】
さらに、次の式が成立する。
【0049】
dΦ 1
Uind=−N×―― 並びに Φ=−∫0tUinddt.
dt N
図1において弁電流Iの遮断の際に、弁1内の磁束Φの変化が生じ、その変化は弁1と接続した測定装置4によって誘起起電力Uindが測定されることができる。測定装置は、誘起された電圧Uindの曲線についての時間的についての積分を行いかつマイクロコントローラ18に積分された信号を供給する。この信号は、弁コイルによって発生する磁束Φに比例する。この積分値の決定のための交互の測定装置は、更に以下図9と関連して記載される。
【0050】
従って、測定装置の信号のマイクロコントローラへのフィードバックによって、磁束制御又は磁束調整が実現される。弁コイル1を流れる弁電流は、制御の固有の修正量を形成する。
【0051】
磁束の制御若しくは調整によって、弁の存在する個別の製造公差(ばね定数及び磁気回路における空隙)が補償される。調整されるべき圧力勾配Gは、計算ユニットμC(EBS制御ユニット)の内のABS/ESP制御部によって予め設定される。それぞれブレーキ制御装置の構成に従ってブレーキ装置は、完全にセンサーで又は部分的に圧力モジュールを介してそれ自体公知の方法で決定される。ばね力、最大タペットストローク及び磁束の弁電流依存性は、更に以下に記載する測定ルーチンに相応して、一度又は相異なる時点で検出される(再較正)。それによって作用する全ての力及び弁タペットの計算された力/距離関数が知られ;即ち、要求される圧力勾配に必要な弁電流が計算される。
【0052】
図2は、追加のコイル制御回路による本発明の実現のための他の可能性を表わす。必要な圧力勾配Gは、同様に計算ユニットμCに存在する。差圧は、計算ユニットで知られる。ばね力及び最大タペットストロークは、更に以下に記載する測定ルーチンを介して検出される。磁束は、測定コイル2で検出される。測定コイルは、測定コイルがヨークと可動コアとを通る有効な磁束を検出する。弁コイルの投入及び遮断の際に、測定コイル中に電圧Uindが誘起され、その積分は存在する磁束に比例する。積分段4によって発生された積分値を導入する信号Φistは、差形成部5において信号Φsollと協働し、かつ弁ドライバ3のための目標値を形成する。
【0053】
既に述べたように、自動車運転中でも、例えば、機械的又は電気的構成部分の運転に伴って生ずる変化若しくは磨耗を補償するために、いつでも弁に特有な特性値の検出のための測定ルーチンが繰り返される(再較正)。電子的制御は、磁気回路における磁束が計算された磁束と一致するまでの間、ドライバ3を介してコイル電流を高める。図2に表わした例において、タペット位置が弁における圧力比に依存するタペット力制御を示す。
【0054】
図3は、ABS/ESP弁ブロックにおける本発明により使用可能な電磁石の構成を表わす。本発明の例による弁は、電流なしに開く弁であり、この弁はそれ自体公知の方法でPWM−制御された電流によって制御されつつ運転される。相応した弁は、アナログ・デジタル弁「AD−弁」として公知である。次に、そのようなSO−AD−弁の構成、特に磁気回路の磁力線を通す構成部分を詳しく説明する。電流が流れる弁コイル6は、タペット8を介して緊密に弁座9に嵌入する、弁ハウジング13内を軸線方向に案内される可動コア7の移動に役立つ。弁入口10を介して液圧流体が弁座9に流れかつ出口12から出る。コイル6に電流が流れない限り、ばね11はタペットと可動コアを開放位置に押す。通電されたコイル6では、磁力線がヨーク14を通り、かつハウジング13に進入する。ヨーク14とハウジング13との間の移行個所は、磁気抵抗RMLR2を形成する。次に経過では、磁力線は、可動コア7とハウジング13との間の空隙15を通り、その際この個所にある磁気抵抗がRMAで表わされる。可動コア7とヨーク14との間には、他の空隙があり、空隙には磁気抵抗RMLR1がある。
【0055】
磁気回路の磁気抵抗は、本質的に総和RMges=RMLR2+RMA+RMLR1で表わされる。ここでは、実質上磁気抵抗は製造に依存する空隙の大きさと、タペット位置とに依存することが分かる。磁気抵抗を、測定された閉鎖された状態の磁気抵抗RMVentilと空隙RMLuftの磁気抵抗の総和として設定することが可能である。
【0056】
RMgesamt=RMVentil+RMLuft・
値RMgesamtは、閉鎖された状態で測定されかつ値RMLuftは、公式
l
RMLuft=―――――――――
μ0×AAnker,
から得られ、その際、AAnkerは、弁構造に特有の可動コア7(弁構造に特有の特性値KGall)の磁気作用面積であり、lはタペットストロークである。固有の測定方法は,直接RMLuftの値を検出するのではなく、完全に開放された弁では磁気抵抗の測定を介して、及び閉鎖された弁の磁気抵抗の減算を介して検出される。この方法でタペットストローク1も決定される。
【0057】
図3には更に、図2に記載された実施例の実施に必要で、ヨーク14の領域に位置決めされている測定コイル2が表わされている。
【0058】
図4は、1つの制御回路の他の例が図式的に表わされており、ここではタペットの位置が直接調整される。既に述べたように、磁気抵抗RMgesamtは、閉じた弁の磁気抵抗と、空隙の磁気抵抗とから構成される。閉じた弁の磁気抵抗は、一度の測定ルーチンによって決定される。RMgesamtは、Θ(=I×N)と磁束Φとの商である。値RMLuftは、タペットストロークlをμ0×A(μ0=導磁率、A=横断面積)で割算することによって得られる。さらに、
Θist
RMistgesamt=――――
Φist・
である。この値は、割り算器17によって計算される。割り算器17の出力は、差形成部5と連結している。値Φistは、測定コイルで検出されかつ積分段4によって時間について積分された電圧曲線を介して決定される。この値は、差圧に比例する。RMgesamtは、タペットストロークに比例するので、RMgesamtの図示の制御がタペットストロークlの直接的な制御に繋がる。その際、計算ユニットμCは、所定の流動横断面における必要な圧力勾配若しくはタペットストロークとを変換し、従って、目標磁気抵抗RMsollに変換する。計算の根拠は、それ自体公知の液圧動的特性値KGall並びに弁に特有な特性値KGindであり、液圧動的特性値は全弁構造を通して一様であり、従って、計算ユニットμCにおいて固定的に記憶されることができ、並びに弁に特有の特性値KGindは、個別にここでは同様に記載された方法で検出される。この弁に特有の特性値は、例えば、閉鎖された弁の全磁気抵抗とばね力(ブロック16参照)である。さらに、調整のために、既に上記したように、実際の差圧が必要である。同時に、実際の弁電流が決定されかつ励磁コイルの巻数倍される。積は磁束(磁気起電力Θ)である。実際の磁気起電力は、実際の磁束によって割り算される。結果は実際の磁気抵抗である。調整のために、目標値/実測値比較が実施されかつそれから修正量I(コイル電流)が発生する。
【0059】
その上、図4による例による方法は、個々の圧力センサーに圧力センサーを追加することなしに、弁に接続された液体導管中の圧力を決定する可能性を与える。コントローラによって一定に保持されねばならない一定のタペット位置では、このタペット位置で実際に測定されたタペット力から、弁の一般的に既知の特性値KGallと関連して、圧力が、上記の方法と類似の方法で計算されることができる。
【0060】
自動車ブレーキシステムにおいて入力圧力は、例えば、ブレーキペダル操作によって決定される。公知のように、例えば、本発明のABS−制御過程の間、ブレーキシリンダに繋がる液圧導管中の圧力から変位する。原理的に、先行する測定方法によれば、弁にかかっている圧力差のみが決定可能であるので、予圧力をセンサーで決定することは必要であり得る(例えば、タンデム主シリンダの圧力センサー)。しかし、予圧力は、モデル考慮を介して計算によっても決定されることができる。さらにブレーキシステムの所定の運転状態を考慮して、圧力を予圧力の正確な認識なしにも決定することが可能である。この方法で、完全に圧力のない圧力決定が実現可能である。こうして、ABS/ESP−ブレーキ制御ユニットにおける圧力センサーの追加による著しいコストアップが節約される。
【0061】
図5中の図表は、閉弁状態における電流の遮断後の弁コイル中の電流曲線を示す。電流曲線の積分から知られるコイル巻数Nでの磁気抵抗がRMgesが検出される。物理的な関係は、図5のボックス内に記載された公式から得られ、その際、WLは磁気回路の磁気エネルギーかつRは、電気コイル回路のオーム抵抗である。
【0062】
図5における原理に相応して磁気抵抗を決定するための測定方法の実施のための例が、図6に図示されている。第1ステップでは、電流値I0はEBS−制御ユニット(制御される)によって調整され、その際弁は、確実に閉じている。その後、PWM制御部の時比率が、コイルドライバには最早電流が供給されないように調整される。誘導性によって蓄積された電流は、端部段の再循環可能性を介して減衰する。
【0063】
続いて、予め設定された時点で、t1からt2までの時間で同一間隔(I1,I2,I3・・・・・)で行われる。測定された電流値は、制御ユニットで実施されるソフトウエアによって記憶される。図6のボックス中に記載された公式は、総和による積分値WLの形成の可能性を示す。
【0064】
図7中に表わされた方法によれば、先ず、帰納的に、例えば、I≒0の好適な小さい電流から開始して、電流はステップ状に高められる。部分図a)において、電流は、先ず値I1に保持され、その際弁は丁度まだ開いており、即ち、電流が高められた場合に弁は閉じられる。時点t1においては、電流は遮断され、かつ実際の電流値が閾値S(時点t2)まで減衰する時間τ1が測定される。弁の開放された位置に基づいて低い誘電率、従って、対数電流減衰曲線では短い時定数τ1が得られる。
【0065】
部分図b)において、相応した弁が電流I2で制御され、その電流が弁の閉鎖を作用する場合の電流曲線を示す。閉鎖過程は、定電流領域における電流の短時間の上昇71で認識可能である。時点t1では、電流は上記のように遮断され、電流は、もう一度閾値S以下まで降下する。しかし、開放された弁とは異なり、先ず閉鎖された弁の時定数τ2は、低い磁気抵抗(高い誘電率)に基づいて,部分図b)では、部分図a)における相応した時定τよりも高められる。このために、同様に電流曲線の上昇部72で認識される、弁の開放が同様に時定数の伸長を作用する。
【0066】
図8には、電気・液圧アクチュエータ82における図5〜7の例により検出された弁に特有な個別の特性値KGind(測定方法81)による弁開放電流特性曲線の計算のためのアルゴリズム82の例を図式的に表わす。弁に特有な個別の特性値KGindでは、完全に一般的に弁の特性曲線又はパラメータを対象とする。ABS−関数及び場合によっては、ASR,ESPのような他の関数を備えた電子ブレーキ制御ユニットでは、高精度の弁制御のために、弁の開放に必要な電流を予め設定された差圧ΔPを付与する曲線を必要とする(差圧に依存する弁開放電流特性曲線f(ΔP))。アルゴリズム82のために、コントローラの入力側に貯えられる一般的な特性値である、一連の弁に特徴的な特性値KGallが予め設定されている。これらは、弁構造に特有な可動コア面積AAnkerと、弁シール面積AAbdichtによって詳しく表わされることができる。さらに、該当する弁に対する実際の差圧ΔPが、可変値(Var)として入力側に予め設定され、可変値はセンサーによって決定されるか又はEBS−システムによって他の値から近似的に計算される。
【0067】
アルゴリズム82に対応して、コントローラにおいて確定されたシール断面積AAbdicht(一般的な弁特性値KGall)に従って、先ず、FHydraulik=ΔP×AAbdichtについて液圧力FHydraulikが計算される。予め設定された可動コア面積AAnker及び磁気抵抗RMによって、電流に依存する磁力Fmagn(I)が計算される。平衡状態では、弁は、丁度まだ閉じている。このために必要な磁力Fmagnは、保持電流を生じさせる、即ち、
FFeder+FHydraulik=Fmagn
従って、この公式から弁シール面積とシール横断面積とを考慮して不連続の差圧(弁における流量なしに)のための差圧に依存する保持電流が比較的正確に計算される。
【0068】
さらに、EBS−システムにおける使用のために、検出される保持電流の精度の一層の向上のために、次に記載する修正措置A)〜C)が追加的に実施されることが合理的である。
【0069】
A)開放電流/保持電流修正
平衡等式FFeder+FHydraulik=Fmagnに基づいて所定の圧力差で検出されるいわゆる保持電流は、弁の開放のために実際に必要な開放電流と一致しない、そのわけは、保持電流は、電流降下によって計算された保持電流よりも常に幾分低いからである。正確な開放電流特性曲線IOffnung(ΔP)が好ましくは,保持電流特性曲線IHalte(ΔP)の必要な圧力差領域において一定の負の電流IKorrconstが追加されることによって検出され得ることが示される。この電流オフセットは好適な試験によって直接検出される。
【0070】
IOffnung(ΔP)=IHalte(ΔP)−IKorrconst
B)磁気的修正
しかし、保持電流曲線のさらに上記の計算は、磁気抵抗は弁が閉鎖されている場合に電流に依存しないという簡単な仮定から出発する。弁の磁気回路中に存在する強磁性材料に影響に基づいて、精度の向上のために、「鉄路」のかかる影響を修正することができる修正項が有意義である。この影響の修正のために、特に、第1近似において閉じた弁に対しては、磁気抵抗の抵抗曲線の直線等式RM(I)=m×I+bが仮定される。この曲線は、相異なる電流I1,I2,InにおけるRMの測定によって決定され、その際全てのInは各弁の閉鎖電流よりも大きい。存在する例において、106VS/Iの領域におけるmの増大が生ずる。Fmagnの計算のための公式への記載の修正項の代入によって、修正された保持電流特性曲線が検出IHalteされることができ、保持電流特性曲線は今日磁性材料の影響とは無関係にされる。
【0071】
C)熱的修正
図5のボックス内に記載した公式から分かるように、磁気抵抗RMgesは1/Rに比例し、その際,簡単化のために、電気回路の抵抗は専らコイル抵抗によって決定されることから出発する場合、RLはコイル抵抗である。さらに上記の方法において、従来常に、RLは、考慮される必要のない弁構造に特有の特性値から出発した。しかし、コイル抵抗を介してコイルの温度変化が不所望に測定された磁気抵抗にも影響を及ぼす。従って、これらの影響を除去する修正項が、さらに改善された計算法に繋がる、測定された磁気抵抗のそのような熱的修正は、好ましくは、パルス幅変調された弁制御の時比率が決定されることによって得られることができる。コイル抵抗の決定のための好適な方法は、国際特許公開WO03/0743383A1号明細書に記載されている。
【0072】
上記の実施形態は、電流なしに開く弁に関するものである。類似の方法で記載の方法が電流なしに閉じる弁にも使用される。
【0073】
図9aに表わされた実施例は、図1に記載されたような切り換え装置であり、図1との相違は、誘起電圧の簡単な測定のために、図11に表わされた矩形波発生器19が設けられていることである。矩形波発生器19は、同様に図2の測定装置4の代わりに有利に使用される。既に上記のように、EBS−コントローラは、ドライバー切り換え部3(電源)を有し、ドライバー切り換え部によって、弁電流Iが各弁のために個別にパルス幅変調されて調整されかつ測定もされることができる。矩形波発生器19と関連して、誘起電圧Uindは、簡単な方法で部分図b)に表わしたように、時間測定を介して測定されることができる。アクチュエータのコイル1内の磁束は、時点t0で電流が遮断した際に、電圧UL(端子電圧)を誘起し、その結果電流は時間tcにおける遮断の間ほぼ値0に降下する。ULの電圧曲線は、図10aに詳しく表わされている。その間にPWM弁制御部によって形成される電流曲線は、図10b)から明らかである。
【0074】
値RL(コイルの抵抗)、UL調整された整流電圧)、並びにI0(弁電流)は、計算ユニット18で公知である。誘電率Lに比例する時間tcは、矩形波発生器19によって検出される。矩形波発生器19の出力にtcに比例する電気信号が存在する。この信号は、導線20を介して計算ユニット18を実施されるべき調整のための実測値として供給される。
【0075】
図11の電子切り換え装置から、矩形波発生器19の作動方法が得られる。電源3はで電流ドライバー21と、再循環回路22とから構成され、再循環回路は、電流の遮断後時点t0まで制御可能な抵抗によって再循環電流を調整し、その際再循環回路22は、計算ユニット18によって制御される。液圧弁の制御のための相応した切り換え回路は、ドイツ特許出願DE102004017239.0号明細書から既に公知である。端子U0において、抵抗R1と9R1とから成る第1電圧分割器51が接続しており、電圧分割器は、コンパレータ53の信号入力S+における高い電圧値U0を略ファクタ10だけ減少させる。第2の電圧分割器52は、コンパレータ53の信号入力Sーに論理供給電圧の半分に等しい参照電圧を発生させる。コンパレータ53は、信号S+とS−との差を評価し、それによって好適な矩形信号が発生される。
【0076】
再循環回路22によって、電流は、比較的短い時間(1ms以下)内の遮断後に、図10bに表わすように整流される。その際、端子電圧ULは、一定の値Uconst(図10a)に調整されることができる。弁電流のそれ自体公知のパルス幅変調された調整(PWM)の間、電圧はU0で最大略18Vに上昇し、その結果入力S+は決して2.5Vよりも大きくならない。コンパレータの出力は、それによって「論理0」に留まる。しかし、整流の開始に、電圧U0は例えば、35Vに上昇し、それによってS+はS−よりも3.5Vだけ明らかに高い。その結果「論理0」へのコンパレータの切り換えが、電圧U0が整流の終了に相応して再び0Vに降下するまで行われる。その後、コンパレータも再び「論理0」に切り換えられる。それによってコンパレータの出力の「論理1」の磁束時間は、正確に整流の持続時間tcに一致する。
【0077】
コイルの誘電率は、時点t0と時点t1の間の整流の間の電流曲線から次の公式によって計算される。
【0078】
di
uL=L×――
dt
時点t0とt1との間ULが一定に保持される特殊な制御によって、コイルの誘電率の決定のための計算されるべき電流についての時間についての積分が特別に簡単になる。弁ンコイルの誘電率は、それによって特別に簡単に検出されることができる。
【0079】
−tc・R
L=――――――――――――
( uL )
ln――――――――――
(I0・RL+uL)
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明によれば、製造中又は製造ラインの端でコストのかかる個別の弁較正を実施する必要なしに、電磁弁の正確な制御に繋がる、特性値、弁特性曲線又は弁特性界の検出のための方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】図1は、追加の測定コイルなしの磁束の調整のための調整回路の図式図をします。
【図2】図2は、測定コイルを備えた磁束調整部の実施例を示す。
【図3】図3は、電流なしに開放されるアナログ/デジタル弁(SO−AD−弁の横断面を示す。
【図4】図4は、制御量として磁気抵抗が使用されるという相違を有する図2に類似する測定コイルを備えた実施形態を示す。
【図5】図5は、弁が閉じた状態における磁気抵抗の決定方法の例を示す。
【図6】図6は、EBS−制御ユニットにおける磁気抵抗の決定のための決定方法についての例である。
【図7】図7は、電磁弁のばね力の決定方法の例を表わす。
【図8】図8は、弁開放電流特性曲線の決定方法の図式的な表示を示す。
【図9】図9は、矩形波発生器による弁較正のための制御回路の構成を示す。
【符号の説明】
【0082】
G 流れ
ΔP 差圧
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的に操作可能なアクチュエータ、例えば、電磁弁の駆動電流の計算方法であって、請求項1の上位概念による流体の差圧に依存する流れ(ΔP,I,KG)の制御方法に関する。さらに、本発明は、アクチュエータの較正又は機械的調整方法並びに請求項11の上位概念によるアクチュエータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
これに加えて、本発明は請求項20の上位概念による流体の圧力測定方法に関するものである。
【0003】
自動車ブレーキシステム用のABS−制御ユニット、しかし、EPS等のような追加の機能を備えた車両動的コントローラにおいても、改善された制御ための、若しくは騒音減少のための電磁的に操作可能な、アナログ化された弁を使用することが公知である。
【0004】
新世代の液圧制御装置においては、いわゆるアナログ化された切り換え弁が使用される。アナログ化された切り換え弁は、完全な開放又は閉鎖のために構成された電流制御される電磁弁であるが、しかし、所期の電流調整によって電磁弁がアナログ制御特性を有するように運転される。
【0005】
アナログで使用可能な切り換え弁の切り換え点を検出するための、特に、弁制御電流の電流変化から圧力状況の決定のための方法は、ヨーロッパ特許第0813481B1(P7576)明細書から出発する。
【0006】
従って、原理的に、相応してアナログ化された切り換え弁の圧力勾配又は流れGが、差圧に依存して、弁の磁気コイルを通る電流の変化によって調整される。流量Qは、制御部の範囲において勿論調整が困難でありかつ特に、差圧ΔPと、弁の磁気コイルを流れる電流Iに依存する。勿論、この依存性は、直接一度確定した特性界においては決定されない、そのわけは、既に弁構成部材の製造上の小さな公差が流れと駆動電流との間の関数関係に大きな影響を有するからである。従って、弁の製造中、各弁それぞれに対して、特性界を決定しかつ特性界をアクチュエータの電子装置のメモリーに記憶させることが必要である。しかし、個々の特性界の設定のために、供給者又は自動車メーカでは製造ラインの端でアクチュエータの特定された圧力付勢を行うコストのかかる測定方法が必要である。コストのかかる測定方法によって検出された特性界は、例えば、国際特許出願公開WO01/98124A1(P9896)明細書に記載されているように、所望の圧力勾配の調整のために、使用されることができる。
【0007】
未公開にドイツ国特許出願第10321783.5号明細書には、アナログ弁若しくはアナログ化された切り換え弁の弁特性曲線のために学習方法が記載されている。この方法によれば、ABS−ブレーキ装置の運転中の液圧弁の較正が実施され、その際、駆動特性曲線又は存在する駆動特性曲線の修正のための相応する修正値が学習方法によって検出される。この学習方法のために、この方法がアンチロック調整部の複数のサイクルをカバーすることが特徴的である。各好適なサイクルにおいて、必要な圧力構成時間が集積されかつ実際のサイクルから検出されたパラメータによって帰納的公式に基づいて特性曲線の改善が行われる。この方法は、存在する駆動特性曲線の改善に役立ち、従って、既に存在する特性曲線を前提とする。
【0008】
従って、特性界又は特性曲線の検出のための前記の方法は、十分に正確ではなく、また特性曲線は製造中又は組み立てラインの端で実施されねばならないコストのかかる測定方法によってのみ検出されることができる。この方法でのみ弁の圧力曲線に影響を与える、製造に依存する弁の個別の特性値KGindであって、例えば、測定された特性界又は特性曲線から得られる値が検出されることができる。
【特許文献1】ヨーロッパ特許第0813481B1号明細書
【特許文献2】国際特許公開WO01/98124A1(P9896)号明細書
【特許文献3】ドイツ国特許出願第10321783.5(P10697)号明細書
【特許文献4】国際特許公開WO03/0743383A1号明細書
【特許文献5】ドイツ特許出願DE102004017239.0号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、製造中又は組み立てラインの端でコストの嵩む個別の弁較正を実施する必要なしに、さらに上記の電磁弁の正確な駆動に繋がる特性値、弁特性曲線又は弁特性界の検出方法を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、本発明によれば、請求項1による方法によって解決される。
【発明の効果】
【0011】
本発明による方法によれば、較正のために必要な特性曲線又はパラメータ若しくは特性値が、アクチュエータの圧力付勢を使用することなしに検出される。従って、特性曲線の検出のための空気圧又は液圧測定装置によって、特性曲線又はパラメータの検出中別個の圧力付勢は不要である。
【0012】
アクチュエータの概念で流体流れの調整のための弁及びスライダが把握される。好ましくは、使用されるアクチュエータでは弁が対象とされる。好適な流体として空気の他に、ブレーキに使用の際に特に、市販のブレーキ流体である液圧流体が考慮される。
【0013】
アクチュエータは、好ましくは完全に開いた位置と完全に閉じた位置とを有する。電流なしに開放される(SO−V)又は電流なしに閉じる(SG−V)というアクチュエータの形式に従って、戻し要素によって戻されたこれらの位置の1つを弁が占める。好適な戻し要素は好ましくは、特定された力/距離特性曲線を有するばねであり得る。特定された力/距離特性曲線は、特に一次等式によって近似される。
【0014】
本発明による方法は、好ましくは自動車のブレーキ制御のための電気・液圧装置に使用される。
【0015】
本発明による方法は、好ましくはアクチュエータの圧力勾配の調整又は制御のための方法にも関するものである。
【0016】
本発明による方法によれば、較正のために必要な特性曲線又はパラメータ若しくは特性値が、アクチュエータの圧力付勢をすることなしに検出される。従って、特性曲線の検出のための空気圧又は液圧測定装置によって、特性曲線又はパラメータの検出中別個の圧力付勢は不要である。本発明は、特にブレーキ圧力の制御のための制御弁を有するブレーキ装置を装備する自動車の運転中の特別に正確なアクチュエータ特性又はパラメータの検出方法に関するものである。
【0017】
本発明による方法は、特に、従来必要とされたような製造されたアクチュエータ若しくは完全な液圧ユニットが検査台で、特定された圧力の使用の下に個別に測定される必要がないという利点に繋がる。本発明による方法によれば、アクチュエータ若しくは液圧ユニットに接続される電子制御部がアクチュエータの電磁的かつ磁気的特性を測定すれば十分である。これらの特性は、とくに、実質的に正確に、特性曲線の製造上のばらつきに帰するアクチュエータの個別の磁気的及び機械的特性値KGindである。アクチュエータの製造上のばらつきによる特性値が、他の一般的な特性値KGallによって、製造ラインに対して一度に確定されかつ電子制御ユニットに持続的に貯えられる。特性値からアクチュエータ特性曲線と、従って、アクチュエータのために必要な差圧に依存する駆動電流が計算されることができる。
【0018】
本発明による方法は、さらに、好ましくは本発明によって行われもする方法が任意に度々、特に、規則的な間隔で自動車への組み込み後でも自動的に実施されることができるという利点を提示する。こうして、システムが規則的な間隔で改めて較正されることを可能にする。それによってこの方法で、更に一度である程度の磨耗のような外的な影響に基づく装置の永久的な変更を考慮することを可能にし、その変更はアクチュエータの製造後先ず長時間後に初めて起こるものである。特性曲線は、自動車への組み込み後の時点でも、コントローラによる測定パラメータなしに自動的に決定されることができる。こうして、有利に、アクチュエータへの特性曲線の検出のためのさもなければ必要な測定装置の追加のデータ伝達ステップを不要とすることができる。
【0019】
このことは一般的に欠陥であるように、検出された特性曲線により所定の流れGの調整をするために、電子コントローラに加えて、弁の圧力差ΔPが知られていなければならない。圧力差は、方法により、好ましくはそれ自体公知の方法でモデルベースで近似的に計算され又はセンサーで測定されねばならない。例えば、タンデム主シリンダの領域で圧力センサーのみが存する場合に、差圧は特に、圧力付勢等のような圧力に影響を及ぼす値の時間的経過から決定される。特に、圧力勾配の決定のためのこの積分する方法では、流れの精度が非常に重要である。
【0020】
既に一般的に述べたように、原因が、特性曲線若しくはその勾配の存在するばらつきの原因が主として機構、例えば、変動するばね力FFederの公差及びアクチュエータの磁界特性曲線回路(例えば、空隙等の磁気抵抗)の公差に帰することが示された。
【0021】
特に、本発明による方法の実施形態によれば、磁気回路の総磁気抵抗が測定される。一般的に、磁気抵抗に代わってコイルの巻数Nに関する相応する磁気回路の誘電率Lも相応した方法で本発明による方法の実施のために等価の物理量として使用されることができる。
【0022】
本発明は、さらに、1つ又は複数の追加の測定要素、特に、測定コイルを備える請求項11に記載の弁に関するものである。
【0023】
測定コイルは、電気的に駆動コイルとは無関係にされ得る。しかし、好適な実施形態によれば、測定コイルを駆動コイルと電気的に直列に接続することが可能である。こうして、3つの駆動導線しか外方に案内される必要でないという利点が得られる。
【0024】
本発明は、その上、追加的に、アクチュエータ、特に弁の開放位置及び/又は流れを制御するための方法に関する。
【0025】
アクチュエータ若しくは弁の流れGは、原理的に差圧及び幾何学的タペット特性の他に、該当するアクチュエータのタペット上に作用する力(タペット力)によって決定される。従って、本発明は、好ましくはタペット力の調整又は制御のための方法にも関するものである。
【0026】
本発明による他の実施形態によりアクチュエータの領域に配設されている測定要素によって、アクチュエータの内方の物理的なパラメータを検出しかつこれを特性曲線の計算の際に考慮することが可能である。この方法で、以前に記載した調整についての全く特別な正確な方法でアクチュエータのタペット位置、タペット力又は流れが調整され又は制御されることができる。
【0027】
好適な方法で、有効な磁束の検出ために好適な場合に、コイルの他に測定要素として原理的に全ての磁界に依存するセンサー(例えば、ホール素子、MR−センサー)が使用されることができる。しかし、コイルの使用は、コストの低い加工性に基づいて特に合理的と思われる。
【0028】
本発明による方法によれば、好ましくは較正ルーチンにおいてばね力が、かつ最大のタペットストロークが必要な場合に、検出される。この値は、力計算に使用されることができる。
【0029】
本発明による方法の独自性は、特に、好ましくは磁束の測定が実施されかつ特に、この後にも制御されることにある。従って、このことは、有意義である、そのわけは、磁力は磁束に直接依存するからである。ここに、コイルを通る電流が所定の大きさである従来公知の方法に対する本質的な相違がある。
【0030】
記載の方法によって、このアクチュエータ内の最大のタペットストローク、特にばね力が正確に測定される。公知の圧力勾配の追加的な考慮によって、アクチュエータの力ー距離−特性曲線が非常に正確に特定され、その結果弁の流量が特別高い精度で調整され又は制御されることができる。
【0031】
上記の他に、本発明は、さらに、アクチュエータの、特に弁の制御又は製造品質の改善に対する本発明の使用に関するものであり、その際、タペットストローク及び/又はばね力がアクチュエータ又は弁の製造中又は製造直後に若しくは液圧弁ブロックの製造中又は製造直後に測定される。
【0032】
前記段に記載された方法の他の好適な実施形態において、既に上記の電気的較正の他に、製造中のアクチュエータの追加的な機械的な調整が実施される。
【0033】
その際、特にアクチュエータの組み立ての際の残留空隙及びタペットストロークがアクチュエータの電気的特性値を考慮してのみ調整される。このことは、閉鎖されたアクチュエータでは磁気抵抗が、開放されたアクチュエータでは磁気抵抗が測定されることによって、全く特別に好適に行われる。
【0034】
この調整方法で、後の時点で、この追加的に、さらに上記の電気的で、圧力のない較正方法が接続されることができる。予め調整されたアクチュエータによる圧力なしの較正方法の実施の際に、この方法によって、実質的に、戻しばねの特性における公差のみが補償されればよい。
【0035】
本発明は、較正方法のみではなく、請求項20による圧力決定方法にも関するものであって、その際弁タペット上に作用する力から、液圧流体における圧力が測定される。この測定方法では、本発明の基礎とするタペット力調整の原理が利用される。
【0036】
本発明による方法の更に他の改善は、好ましくは、特許文献3のように、本発明による較正が追加的に、更に上記の学習方法が実施されることによって、得られる。
【0037】
本発明の方法の他の独立の実施形態によれば、コイルタップ若しくは測定コイルのタップでの積分値の測定は、特別に簡単に較正されたいわゆる矩形波発生電子回路によって実施される。その際ドライバー段を介して電気的に制御可能な少なくとも1つの誘電アクチュエータ又は全く一般的にアクチュエータの調整又は制御によってアクタ要素において又はアクタ要素において誘起された電圧Uindの電子測定装置による磁束の検出方法を対象とし、その際誘導アクチュエータ又はアクタ構成要素で類似する電圧が積極的に測定装置又は誘電アクチュエータの電子的駆動によって又はアクタ較正用の電子的駆動によって実質的に一定の値に保持されかつ誘電的要素及び測定装置を流れる電流が投入又は遮断の際に電圧が誘導される時間t1が決定される。
【0038】
この独立の方法において、好ましくは接続(開始)時間t0と時間t1との間に時間tc 又はアクタ要素の接続(開始)時間が決定される。
【0039】
前記の方法と関連して、本発明は、信号入力及び信号出力を備えた測定装置を含めて、誘導アクチュエータ又はアクタ構成要素の磁束若しくは誘電率の検出のための電子回路機構にも関するものであり、その際信号入力は電気的に誘導構成要素を、かつ信号出力は、電気信号を備え、その電気信号は誘導アクチュエータ又はアクター構成要素に記憶されたエネルギーを一定の電圧で完全に分離し又は誘電アクチュエータ又はアクタ構成要素中の電流を完全に所望の最大電流にするために、必要な時間に関する情報を有する。
【0040】
好ましくは上記の回路機構において制御回路の実測値として測定装置の信号出力が供給され、その制御量は誘電構成要素中を通る電流である。
【0041】
前記測定方法及び回路機構は合理的には冒頭に記載した較正方法においてアクチュエータのコイルのタップで積分された電圧信号の測定のために使用される。
【0042】
他の有利な実施形態は従属請求項と実施例の次の記載から図面に基づいて明らかにされる。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明の最良の実施形態は以下の実施例に示す通りである。
【実施例】
【0044】
次に記載される例は、自家用自動車用ブレーキ用の電気・液圧アクチュエータに使用される。通常の方法で、相応する制御装置(EBS−制御ユニット)は、図1,2及び4に図式的に示されるようなマイクロコントローラシステム18を備えたコントローラハウジング(ECU)と、液圧流の制御のために使用され、電磁的に運転される弁1を備えた、コントローラと接続している弁ブロック(HCU)とを含む。コントローラは、さらに、駆動回路(制御源3)を有し、駆動回路によって弁電流Iがそれぞれ各弁のためにパルス幅変調されて調整されかつ測定されることもできる。ここでは図示しない自動車制御ユニットに、各弁に対して相応した弁ドライバが設けられ、弁ドライバは個別に駆動可能なPWM−ドライバ段によって実現される。コイルの端子には誘起起電力Uindを測定することが出来る測定装置4が設けられている。測定装置4の出力に信号Φistが生じ、信号はUind(t)についての積分値に比例する。
【0045】
本発明の詳しい説明のために次の数学的関係式を付与することが有意義であると思われる。
【0046】
磁力は、次の式
1
Fmagn=―――――――――――×Φ2
2×μ0×AAnker
その際、μ0は、透磁率(空気)、AAnkerは可動コア面積、そしてΦは磁束である。
【0047】
磁束は次の公式から計算される、
Θ
Φ=―――――――― ここで、Θ=I×N,
RMgesamt
その際、Iはコイル電流、Nは弁コイルの巻数、そしてRMgesamtは弁における磁気回路の全磁気抵抗である。
【0048】
さらに、次の式が成立する。
【0049】
dΦ 1
Uind=−N×―― 並びに Φ=−∫0tUinddt.
dt N
図1において弁電流Iの遮断の際に、弁1内の磁束Φの変化が生じ、その変化は弁1と接続した測定装置4によって誘起起電力Uindが測定されることができる。測定装置は、誘起された電圧Uindの曲線についての時間的についての積分を行いかつマイクロコントローラ18に積分された信号を供給する。この信号は、弁コイルによって発生する磁束Φに比例する。この積分値の決定のための交互の測定装置は、更に以下図9と関連して記載される。
【0050】
従って、測定装置の信号のマイクロコントローラへのフィードバックによって、磁束制御又は磁束調整が実現される。弁コイル1を流れる弁電流は、制御の固有の修正量を形成する。
【0051】
磁束の制御若しくは調整によって、弁の存在する個別の製造公差(ばね定数及び磁気回路における空隙)が補償される。調整されるべき圧力勾配Gは、計算ユニットμC(EBS制御ユニット)の内のABS/ESP制御部によって予め設定される。それぞれブレーキ制御装置の構成に従ってブレーキ装置は、完全にセンサーで又は部分的に圧力モジュールを介してそれ自体公知の方法で決定される。ばね力、最大タペットストローク及び磁束の弁電流依存性は、更に以下に記載する測定ルーチンに相応して、一度又は相異なる時点で検出される(再較正)。それによって作用する全ての力及び弁タペットの計算された力/距離関数が知られ;即ち、要求される圧力勾配に必要な弁電流が計算される。
【0052】
図2は、追加のコイル制御回路による本発明の実現のための他の可能性を表わす。必要な圧力勾配Gは、同様に計算ユニットμCに存在する。差圧は、計算ユニットで知られる。ばね力及び最大タペットストロークは、更に以下に記載する測定ルーチンを介して検出される。磁束は、測定コイル2で検出される。測定コイルは、測定コイルがヨークと可動コアとを通る有効な磁束を検出する。弁コイルの投入及び遮断の際に、測定コイル中に電圧Uindが誘起され、その積分は存在する磁束に比例する。積分段4によって発生された積分値を導入する信号Φistは、差形成部5において信号Φsollと協働し、かつ弁ドライバ3のための目標値を形成する。
【0053】
既に述べたように、自動車運転中でも、例えば、機械的又は電気的構成部分の運転に伴って生ずる変化若しくは磨耗を補償するために、いつでも弁に特有な特性値の検出のための測定ルーチンが繰り返される(再較正)。電子的制御は、磁気回路における磁束が計算された磁束と一致するまでの間、ドライバ3を介してコイル電流を高める。図2に表わした例において、タペット位置が弁における圧力比に依存するタペット力制御を示す。
【0054】
図3は、ABS/ESP弁ブロックにおける本発明により使用可能な電磁石の構成を表わす。本発明の例による弁は、電流なしに開く弁であり、この弁はそれ自体公知の方法でPWM−制御された電流によって制御されつつ運転される。相応した弁は、アナログ・デジタル弁「AD−弁」として公知である。次に、そのようなSO−AD−弁の構成、特に磁気回路の磁力線を通す構成部分を詳しく説明する。電流が流れる弁コイル6は、タペット8を介して緊密に弁座9に嵌入する、弁ハウジング13内を軸線方向に案内される可動コア7の移動に役立つ。弁入口10を介して液圧流体が弁座9に流れかつ出口12から出る。コイル6に電流が流れない限り、ばね11はタペットと可動コアを開放位置に押す。通電されたコイル6では、磁力線がヨーク14を通り、かつハウジング13に進入する。ヨーク14とハウジング13との間の移行個所は、磁気抵抗RMLR2を形成する。次に経過では、磁力線は、可動コア7とハウジング13との間の空隙15を通り、その際この個所にある磁気抵抗がRMAで表わされる。可動コア7とヨーク14との間には、他の空隙があり、空隙には磁気抵抗RMLR1がある。
【0055】
磁気回路の磁気抵抗は、本質的に総和RMges=RMLR2+RMA+RMLR1で表わされる。ここでは、実質上磁気抵抗は製造に依存する空隙の大きさと、タペット位置とに依存することが分かる。磁気抵抗を、測定された閉鎖された状態の磁気抵抗RMVentilと空隙RMLuftの磁気抵抗の総和として設定することが可能である。
【0056】
RMgesamt=RMVentil+RMLuft・
値RMgesamtは、閉鎖された状態で測定されかつ値RMLuftは、公式
l
RMLuft=―――――――――
μ0×AAnker,
から得られ、その際、AAnkerは、弁構造に特有の可動コア7(弁構造に特有の特性値KGall)の磁気作用面積であり、lはタペットストロークである。固有の測定方法は,直接RMLuftの値を検出するのではなく、完全に開放された弁では磁気抵抗の測定を介して、及び閉鎖された弁の磁気抵抗の減算を介して検出される。この方法でタペットストローク1も決定される。
【0057】
図3には更に、図2に記載された実施例の実施に必要で、ヨーク14の領域に位置決めされている測定コイル2が表わされている。
【0058】
図4は、1つの制御回路の他の例が図式的に表わされており、ここではタペットの位置が直接調整される。既に述べたように、磁気抵抗RMgesamtは、閉じた弁の磁気抵抗と、空隙の磁気抵抗とから構成される。閉じた弁の磁気抵抗は、一度の測定ルーチンによって決定される。RMgesamtは、Θ(=I×N)と磁束Φとの商である。値RMLuftは、タペットストロークlをμ0×A(μ0=導磁率、A=横断面積)で割算することによって得られる。さらに、
Θist
RMistgesamt=――――
Φist・
である。この値は、割り算器17によって計算される。割り算器17の出力は、差形成部5と連結している。値Φistは、測定コイルで検出されかつ積分段4によって時間について積分された電圧曲線を介して決定される。この値は、差圧に比例する。RMgesamtは、タペットストロークに比例するので、RMgesamtの図示の制御がタペットストロークlの直接的な制御に繋がる。その際、計算ユニットμCは、所定の流動横断面における必要な圧力勾配若しくはタペットストロークとを変換し、従って、目標磁気抵抗RMsollに変換する。計算の根拠は、それ自体公知の液圧動的特性値KGall並びに弁に特有な特性値KGindであり、液圧動的特性値は全弁構造を通して一様であり、従って、計算ユニットμCにおいて固定的に記憶されることができ、並びに弁に特有の特性値KGindは、個別にここでは同様に記載された方法で検出される。この弁に特有の特性値は、例えば、閉鎖された弁の全磁気抵抗とばね力(ブロック16参照)である。さらに、調整のために、既に上記したように、実際の差圧が必要である。同時に、実際の弁電流が決定されかつ励磁コイルの巻数倍される。積は磁束(磁気起電力Θ)である。実際の磁気起電力は、実際の磁束によって割り算される。結果は実際の磁気抵抗である。調整のために、目標値/実測値比較が実施されかつそれから修正量I(コイル電流)が発生する。
【0059】
その上、図4による例による方法は、個々の圧力センサーに圧力センサーを追加することなしに、弁に接続された液体導管中の圧力を決定する可能性を与える。コントローラによって一定に保持されねばならない一定のタペット位置では、このタペット位置で実際に測定されたタペット力から、弁の一般的に既知の特性値KGallと関連して、圧力が、上記の方法と類似の方法で計算されることができる。
【0060】
自動車ブレーキシステムにおいて入力圧力は、例えば、ブレーキペダル操作によって決定される。公知のように、例えば、本発明のABS−制御過程の間、ブレーキシリンダに繋がる液圧導管中の圧力から変位する。原理的に、先行する測定方法によれば、弁にかかっている圧力差のみが決定可能であるので、予圧力をセンサーで決定することは必要であり得る(例えば、タンデム主シリンダの圧力センサー)。しかし、予圧力は、モデル考慮を介して計算によっても決定されることができる。さらにブレーキシステムの所定の運転状態を考慮して、圧力を予圧力の正確な認識なしにも決定することが可能である。この方法で、完全に圧力のない圧力決定が実現可能である。こうして、ABS/ESP−ブレーキ制御ユニットにおける圧力センサーの追加による著しいコストアップが節約される。
【0061】
図5中の図表は、閉弁状態における電流の遮断後の弁コイル中の電流曲線を示す。電流曲線の積分から知られるコイル巻数Nでの磁気抵抗がRMgesが検出される。物理的な関係は、図5のボックス内に記載された公式から得られ、その際、WLは磁気回路の磁気エネルギーかつRは、電気コイル回路のオーム抵抗である。
【0062】
図5における原理に相応して磁気抵抗を決定するための測定方法の実施のための例が、図6に図示されている。第1ステップでは、電流値I0はEBS−制御ユニット(制御される)によって調整され、その際弁は、確実に閉じている。その後、PWM制御部の時比率が、コイルドライバには最早電流が供給されないように調整される。誘導性によって蓄積された電流は、端部段の再循環可能性を介して減衰する。
【0063】
続いて、予め設定された時点で、t1からt2までの時間で同一間隔(I1,I2,I3・・・・・)で行われる。測定された電流値は、制御ユニットで実施されるソフトウエアによって記憶される。図6のボックス中に記載された公式は、総和による積分値WLの形成の可能性を示す。
【0064】
図7中に表わされた方法によれば、先ず、帰納的に、例えば、I≒0の好適な小さい電流から開始して、電流はステップ状に高められる。部分図a)において、電流は、先ず値I1に保持され、その際弁は丁度まだ開いており、即ち、電流が高められた場合に弁は閉じられる。時点t1においては、電流は遮断され、かつ実際の電流値が閾値S(時点t2)まで減衰する時間τ1が測定される。弁の開放された位置に基づいて低い誘電率、従って、対数電流減衰曲線では短い時定数τ1が得られる。
【0065】
部分図b)において、相応した弁が電流I2で制御され、その電流が弁の閉鎖を作用する場合の電流曲線を示す。閉鎖過程は、定電流領域における電流の短時間の上昇71で認識可能である。時点t1では、電流は上記のように遮断され、電流は、もう一度閾値S以下まで降下する。しかし、開放された弁とは異なり、先ず閉鎖された弁の時定数τ2は、低い磁気抵抗(高い誘電率)に基づいて,部分図b)では、部分図a)における相応した時定τよりも高められる。このために、同様に電流曲線の上昇部72で認識される、弁の開放が同様に時定数の伸長を作用する。
【0066】
図8には、電気・液圧アクチュエータ82における図5〜7の例により検出された弁に特有な個別の特性値KGind(測定方法81)による弁開放電流特性曲線の計算のためのアルゴリズム82の例を図式的に表わす。弁に特有な個別の特性値KGindでは、完全に一般的に弁の特性曲線又はパラメータを対象とする。ABS−関数及び場合によっては、ASR,ESPのような他の関数を備えた電子ブレーキ制御ユニットでは、高精度の弁制御のために、弁の開放に必要な電流を予め設定された差圧ΔPを付与する曲線を必要とする(差圧に依存する弁開放電流特性曲線f(ΔP))。アルゴリズム82のために、コントローラの入力側に貯えられる一般的な特性値である、一連の弁に特徴的な特性値KGallが予め設定されている。これらは、弁構造に特有な可動コア面積AAnkerと、弁シール面積AAbdichtによって詳しく表わされることができる。さらに、該当する弁に対する実際の差圧ΔPが、可変値(Var)として入力側に予め設定され、可変値はセンサーによって決定されるか又はEBS−システムによって他の値から近似的に計算される。
【0067】
アルゴリズム82に対応して、コントローラにおいて確定されたシール断面積AAbdicht(一般的な弁特性値KGall)に従って、先ず、FHydraulik=ΔP×AAbdichtについて液圧力FHydraulikが計算される。予め設定された可動コア面積AAnker及び磁気抵抗RMによって、電流に依存する磁力Fmagn(I)が計算される。平衡状態では、弁は、丁度まだ閉じている。このために必要な磁力Fmagnは、保持電流を生じさせる、即ち、
FFeder+FHydraulik=Fmagn
従って、この公式から弁シール面積とシール横断面積とを考慮して不連続の差圧(弁における流量なしに)のための差圧に依存する保持電流が比較的正確に計算される。
【0068】
さらに、EBS−システムにおける使用のために、検出される保持電流の精度の一層の向上のために、次に記載する修正措置A)〜C)が追加的に実施されることが合理的である。
【0069】
A)開放電流/保持電流修正
平衡等式FFeder+FHydraulik=Fmagnに基づいて所定の圧力差で検出されるいわゆる保持電流は、弁の開放のために実際に必要な開放電流と一致しない、そのわけは、保持電流は、電流降下によって計算された保持電流よりも常に幾分低いからである。正確な開放電流特性曲線IOffnung(ΔP)が好ましくは,保持電流特性曲線IHalte(ΔP)の必要な圧力差領域において一定の負の電流IKorrconstが追加されることによって検出され得ることが示される。この電流オフセットは好適な試験によって直接検出される。
【0070】
IOffnung(ΔP)=IHalte(ΔP)−IKorrconst
B)磁気的修正
しかし、保持電流曲線のさらに上記の計算は、磁気抵抗は弁が閉鎖されている場合に電流に依存しないという簡単な仮定から出発する。弁の磁気回路中に存在する強磁性材料に影響に基づいて、精度の向上のために、「鉄路」のかかる影響を修正することができる修正項が有意義である。この影響の修正のために、特に、第1近似において閉じた弁に対しては、磁気抵抗の抵抗曲線の直線等式RM(I)=m×I+bが仮定される。この曲線は、相異なる電流I1,I2,InにおけるRMの測定によって決定され、その際全てのInは各弁の閉鎖電流よりも大きい。存在する例において、106VS/Iの領域におけるmの増大が生ずる。Fmagnの計算のための公式への記載の修正項の代入によって、修正された保持電流特性曲線が検出IHalteされることができ、保持電流特性曲線は今日磁性材料の影響とは無関係にされる。
【0071】
C)熱的修正
図5のボックス内に記載した公式から分かるように、磁気抵抗RMgesは1/Rに比例し、その際,簡単化のために、電気回路の抵抗は専らコイル抵抗によって決定されることから出発する場合、RLはコイル抵抗である。さらに上記の方法において、従来常に、RLは、考慮される必要のない弁構造に特有の特性値から出発した。しかし、コイル抵抗を介してコイルの温度変化が不所望に測定された磁気抵抗にも影響を及ぼす。従って、これらの影響を除去する修正項が、さらに改善された計算法に繋がる、測定された磁気抵抗のそのような熱的修正は、好ましくは、パルス幅変調された弁制御の時比率が決定されることによって得られることができる。コイル抵抗の決定のための好適な方法は、国際特許公開WO03/0743383A1号明細書に記載されている。
【0072】
上記の実施形態は、電流なしに開く弁に関するものである。類似の方法で記載の方法が電流なしに閉じる弁にも使用される。
【0073】
図9aに表わされた実施例は、図1に記載されたような切り換え装置であり、図1との相違は、誘起電圧の簡単な測定のために、図11に表わされた矩形波発生器19が設けられていることである。矩形波発生器19は、同様に図2の測定装置4の代わりに有利に使用される。既に上記のように、EBS−コントローラは、ドライバー切り換え部3(電源)を有し、ドライバー切り換え部によって、弁電流Iが各弁のために個別にパルス幅変調されて調整されかつ測定もされることができる。矩形波発生器19と関連して、誘起電圧Uindは、簡単な方法で部分図b)に表わしたように、時間測定を介して測定されることができる。アクチュエータのコイル1内の磁束は、時点t0で電流が遮断した際に、電圧UL(端子電圧)を誘起し、その結果電流は時間tcにおける遮断の間ほぼ値0に降下する。ULの電圧曲線は、図10aに詳しく表わされている。その間にPWM弁制御部によって形成される電流曲線は、図10b)から明らかである。
【0074】
値RL(コイルの抵抗)、UL調整された整流電圧)、並びにI0(弁電流)は、計算ユニット18で公知である。誘電率Lに比例する時間tcは、矩形波発生器19によって検出される。矩形波発生器19の出力にtcに比例する電気信号が存在する。この信号は、導線20を介して計算ユニット18を実施されるべき調整のための実測値として供給される。
【0075】
図11の電子切り換え装置から、矩形波発生器19の作動方法が得られる。電源3はで電流ドライバー21と、再循環回路22とから構成され、再循環回路は、電流の遮断後時点t0まで制御可能な抵抗によって再循環電流を調整し、その際再循環回路22は、計算ユニット18によって制御される。液圧弁の制御のための相応した切り換え回路は、ドイツ特許出願DE102004017239.0号明細書から既に公知である。端子U0において、抵抗R1と9R1とから成る第1電圧分割器51が接続しており、電圧分割器は、コンパレータ53の信号入力S+における高い電圧値U0を略ファクタ10だけ減少させる。第2の電圧分割器52は、コンパレータ53の信号入力Sーに論理供給電圧の半分に等しい参照電圧を発生させる。コンパレータ53は、信号S+とS−との差を評価し、それによって好適な矩形信号が発生される。
【0076】
再循環回路22によって、電流は、比較的短い時間(1ms以下)内の遮断後に、図10bに表わすように整流される。その際、端子電圧ULは、一定の値Uconst(図10a)に調整されることができる。弁電流のそれ自体公知のパルス幅変調された調整(PWM)の間、電圧はU0で最大略18Vに上昇し、その結果入力S+は決して2.5Vよりも大きくならない。コンパレータの出力は、それによって「論理0」に留まる。しかし、整流の開始に、電圧U0は例えば、35Vに上昇し、それによってS+はS−よりも3.5Vだけ明らかに高い。その結果「論理0」へのコンパレータの切り換えが、電圧U0が整流の終了に相応して再び0Vに降下するまで行われる。その後、コンパレータも再び「論理0」に切り換えられる。それによってコンパレータの出力の「論理1」の磁束時間は、正確に整流の持続時間tcに一致する。
【0077】
コイルの誘電率は、時点t0と時点t1の間の整流の間の電流曲線から次の公式によって計算される。
【0078】
di
uL=L×――
dt
時点t0とt1との間ULが一定に保持される特殊な制御によって、コイルの誘電率の決定のための計算されるべき電流についての時間についての積分が特別に簡単になる。弁ンコイルの誘電率は、それによって特別に簡単に検出されることができる。
【0079】
−tc・R
L=――――――――――――
( uL )
ln――――――――――
(I0・RL+uL)
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明によれば、製造中又は製造ラインの端でコストのかかる個別の弁較正を実施する必要なしに、電磁弁の正確な制御に繋がる、特性値、弁特性曲線又は弁特性界の検出のための方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】図1は、追加の測定コイルなしの磁束の調整のための調整回路の図式図をします。
【図2】図2は、測定コイルを備えた磁束調整部の実施例を示す。
【図3】図3は、電流なしに開放されるアナログ/デジタル弁(SO−AD−弁の横断面を示す。
【図4】図4は、制御量として磁気抵抗が使用されるという相違を有する図2に類似する測定コイルを備えた実施形態を示す。
【図5】図5は、弁が閉じた状態における磁気抵抗の決定方法の例を示す。
【図6】図6は、EBS−制御ユニットにおける磁気抵抗の決定のための決定方法についての例である。
【図7】図7は、電磁弁のばね力の決定方法の例を表わす。
【図8】図8は、弁開放電流特性曲線の決定方法の図式的な表示を示す。
【図9】図9は、矩形波発生器による弁較正のための制御回路の構成を示す。
【符号の説明】
【0082】
G 流れ
ΔP 差圧
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁コイル(6)と、可動コア(7)によって移動するタペット(8)とを含めて、少なくとも1つの電磁的に駆動可能な液圧弁を備え、その際可動コアがアクチュエータの開放及び/又は閉鎖のために電流の影響により移動される、アクチュエータ、特に、液圧によるブレーキ制御装置において、
アクチュエータが、磁束の決定のための1つ又は複数の追加の測定要素(2)を備えることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】
測定要素が測定コイル(2)であることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
測定要素が、少なくとも1つのアクチュエータ構成部分の磁束を決定することを特徴とする、請求項1又は2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
電気的に駆動可能なアクチュエータ、特に、請求項1から3までのうちのいずれか1つに記載のアクチュエータの開放位置及び/又は流れの制御のための方法において、
アクチュエータの範囲に、少なくとも1つの測定要素(2)、特に少なくとも1つの測定コイル(2)が配設されておりかつ駆動電流の制御のために測定用の測定信号が使用されることを特徴とする開放位置及び/又は流れの制御方法。
【請求項5】
測定要素(2)の測定信号が、特に積算される電圧であることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
積算された磁束から電圧及び磁力及び/又はタペットストロークが決定されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
弁開放電流が、強磁性磁気回路の電流に依存した影響を考慮する修正項によって修正されることを特徴とする、請求項4から6までのうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
先ず弁保持電流が計算されかつこれから他の修正項又はオフセット手段によって、弁開放電流が求められることを特徴とする、請求項1から10までのうちのいずれか1つに又は請求項4から7までのうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
アクチュエータが、パルス幅変調された電流手段(PWM)によって制御され、その際コイル抵抗はPWM制御部の時比率を介して決定され、かつコイル抵抗は、アクチュエータに固有のパラメータKGindの計算の際に考慮されることを特徴とする、請求項1から10までのうちのいずれか1つに記載の又は請求項4から8までのうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項1】
電磁コイル(6)と、可動コア(7)によって移動するタペット(8)とを含めて、少なくとも1つの電磁的に駆動可能な液圧弁を備え、その際可動コアがアクチュエータの開放及び/又は閉鎖のために電流の影響により移動される、アクチュエータ、特に、液圧によるブレーキ制御装置において、
アクチュエータが、磁束の決定のための1つ又は複数の追加の測定要素(2)を備えることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】
測定要素が測定コイル(2)であることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
測定要素が、少なくとも1つのアクチュエータ構成部分の磁束を決定することを特徴とする、請求項1又は2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
電気的に駆動可能なアクチュエータ、特に、請求項1から3までのうちのいずれか1つに記載のアクチュエータの開放位置及び/又は流れの制御のための方法において、
アクチュエータの範囲に、少なくとも1つの測定要素(2)、特に少なくとも1つの測定コイル(2)が配設されておりかつ駆動電流の制御のために測定用の測定信号が使用されることを特徴とする開放位置及び/又は流れの制御方法。
【請求項5】
測定要素(2)の測定信号が、特に積算される電圧であることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
積算された磁束から電圧及び磁力及び/又はタペットストロークが決定されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
弁開放電流が、強磁性磁気回路の電流に依存した影響を考慮する修正項によって修正されることを特徴とする、請求項4から6までのうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
先ず弁保持電流が計算されかつこれから他の修正項又はオフセット手段によって、弁開放電流が求められることを特徴とする、請求項1から10までのうちのいずれか1つに又は請求項4から7までのうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
アクチュエータが、パルス幅変調された電流手段(PWM)によって制御され、その際コイル抵抗はPWM制御部の時比率を介して決定され、かつコイル抵抗は、アクチュエータに固有のパラメータKGindの計算の際に考慮されることを特徴とする、請求項1から10までのうちのいずれか1つに記載の又は請求項4から8までのうちのいずれか1つに記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−157071(P2011−157071A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66372(P2011−66372)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【分割の表示】特願2006−521584(P2006−521584)の分割
【原出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【出願人】(399023800)コンティネンタル・テーベス・アクチエンゲゼルシヤフト・ウント・コンパニー・オッフェネ・ハンデルスゲゼルシヤフト (162)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【分割の表示】特願2006−521584(P2006−521584)の分割
【原出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【出願人】(399023800)コンティネンタル・テーベス・アクチエンゲゼルシヤフト・ウント・コンパニー・オッフェネ・ハンデルスゲゼルシヤフト (162)
【Fターム(参考)】
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