説明

アクチュエーター及び車輌用前照灯

【課題】 初期位置の検出時間の短縮化及び幻惑光の発生を防止する。
【解決手段】 ランプユニット10に連結される出力軸部41を有し少なくとも出力軸部が前後方向へ移動可能とされると共に水平方向において回動可能とされた連結ユニット34を備え、出力軸部が前後方向へ移動されてランプハウジング2が回動されて光の照射方向の調整動作であるレベリング動作が行われ、出力軸部が水平方向へ回動されてランプハウジングが回動されて光の照射方向の調整動作であるスイブル動作が行われ、磁極の第1の境界52bを検出することにより連結ユニットの前後方向における移動位置を検出する第1の磁気検出部32と、磁極の第2の境界53bを検出することにより連結ユニットの水平方向における回動位置を検出する第2の磁気検出部33とを設け、第1の境界と第2の境界を連結ユニットに設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアクチュエーター及び車輌用前照灯に関する。詳しくは、磁気検出部によって検出される磁極の境界を回動可能かつ前後方向へ移動可能とされた連結ユニットに設けて連結ユニットの位置検出に関して磁気検出部による検出時間の短縮化等を図る技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
車輌用前照灯には、カバーとランプハウジングによって構成された灯具外筐の内部に、光源や光源から出射された光を反射するリフレクターを有するランプユニットが配置されたものがある。
【0003】
車輌用前照灯には、ランプユニットがブラケット等の支持体に回動自在(傾動自在)に支持され、ランプユニットがアクチュエーターの駆動力によって回動されるタイプがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このような車輌用前照灯においては、ランプユニットがアクチュエーターによって上下方向へ回動(傾動)されることにより、車載物の重量によって変化する光軸のズレを調整する所謂レベリング調整(レベリング動作)が行われ、また、ランプユニットがアクチュエーターによって左右方向へ回動されることにより、車輌の走行方向に追従して光軸の向きを変化させる所謂スイブル調整(スイブル動作)が行われる。
【0005】
上記のような車輌用前照灯においては、例えば、車輌の走行の開始時等において、ランプユニットの光軸調整を行う準備動作としてランプユニットの初期位置の検出が行われる。この検出は、レベリング動作においては、ランプユニットを上方又は下方へ回動させてランプユニットやアクチュエーターの所定の部分をストッパーに突き当て、突き当てられた位置を初期位置とすることにより行われる。また、スイブル動作においては、ランプユニットを左方又は右方へ回動させてランプユニットやアクチュエーターの所定の部分をストッパーに突き当て、突き当てられた位置を初期位置とすることにより行われる。
【0006】
上記した初期位置が検出されると、検出された初期位置を基準としてランプユニットが上下方向又は左右方向へ所定の量だけ回動されてレベリング動作又はスイブル動作が行われる。
【0007】
【特許文献1】特開2007−128856号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、上記のようなランプユニットを回動させて所定の部分をストッパーに突き当てて初期位置の検出を行う場合には、ランプユニットが前方又は後方と左方又は右方におけるそれぞれ最大の回動範囲まで回動されることになり、その分、初期位置の検出に時間がかかると言う問題がある。
【0009】
また、ランプユニットが最大の回動範囲まで回動されるため、光軸が大きく傾いてしまい、光が不必要な方向へ照射されてしまい、対向車や先行車や歩行者等に対する幻惑光を発生するおそれがある。
【0010】
そこで、本発明アクチュエーター及び車輌用前照灯は、上記した問題点を克服し、初期位置の検出時間の短縮化及び幻惑光の発生を防止することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
アクチュエーターは、上記した課題を解決するために、少なくとも一方に開口されたランプハウジングと前記ランプハウジングの開口を閉塞するカバーとによって構成された灯具外筐の内部に配置されたランプユニットの光源から出射される光の照射方向を調整し、前記ランプユニットに連結される出力軸部を有し少なくとも前記出力軸部が前後方向へ移動可能とされると共に水平方向において回動可能とされた連結ユニットを備え、前記出力軸部が前後方向へ移動されて前記ランプハウジングが回動されて前記光の照射方向の調整動作であるレベリング動作が行われ、前記出力軸部が水平方向へ回動されて前記ランプハウジングが回動されて前記光の照射方向の調整動作であるスイブル動作が行われ、磁極の第1の境界を検出することにより前記連結ユニットの前後方向における移動位置を検出する第1の磁気検出部と、磁極の第2の境界を検出することにより前記連結ユニットの水平方向における回動位置を検出する第2の磁気検出部とを設け、前記第1の境界と前記第2の境界を前記連結ユニットに設けたものである。
【0012】
従って、アクチュエーターにあっては、磁極の境界が磁気検出部によって検出されてランプユニットの初期位置が検出される。
【0013】
車輌用前照灯は、上記した課題を解決するために、少なくとも一方に開口されたランプハウジングと前記ランプハウジングの開口を閉塞するカバーとによって構成された灯具外筐と、前記灯具外筐の内部に配置され光源を有するランプユニットと、前記光源から出射される光の照射方向を調整するアクチュエーターとを備え、前記アクチュエーターが、前記ランプユニットに連結される出力軸部を有し少なくとも前記出力軸部が前後方向へ移動可能とされると共に水平方向において回動可能とされた連結ユニットを備え、前記出力軸部が前後方向へ移動されて前記ランプハウジングが回動されて前記光の照射方向の調整動作であるレベリング動作が行われ、前記出力軸部が水平方向へ回動されて前記ランプハウジングが回動されて前記光の照射方向の調整動作であるスイブル動作が行われ、磁極の第1の境界を検出することにより前記連結ユニットの前後方向における移動位置を検出する第1の磁気検出部と、磁極の第2の境界を検出することにより前記連結ユニットの水平方向における回動位置を検出する第2の磁気検出部とを設け、前記第1の境界と前記第2の境界を前記連結ユニットに設けたものである。
【0014】
従って、車輌用前照灯にあっては、磁極の境界が磁気検出部によって検出されてランプユニットの初期位置が検出される。
【発明の効果】
【0015】
本発明アクチュエーターは、少なくとも一方に開口されたランプハウジングと前記ランプハウジングの開口を閉塞するカバーとによって構成された灯具外筐の内部に配置されたランプユニットの光源から出射される光の照射方向を調整するアクチュエーターであって、前記ランプユニットに連結される出力軸部を有し少なくとも前記出力軸部が前後方向へ移動可能とされると共に水平方向において回動可能とされた連結ユニットを備え、前記出力軸部が前後方向へ移動されて前記ランプハウジングが回動されて前記光の照射方向の調整動作であるレベリング動作が行われ、前記出力軸部が水平方向へ回動されて前記ランプハウジングが回動されて前記光の照射方向の調整動作であるスイブル動作が行われ、磁極の第1の境界を検出することにより前記連結ユニットの前後方向における移動位置を検出する第1の磁気検出部と、磁極の第2の境界を検出することにより前記連結ユニットの水平方向における回動位置を検出する第2の磁気検出部とを設け、前記第1の境界と前記第2の境界を前記連結ユニットに設けたことを特徴とする。
【0016】
従って、ランプユニットを最大の範囲まで回動させることなく連結ユニットの位置を検出することが可能であり、検出時間の短縮化及び幻惑光の発生を防止することができる。
【0017】
請求項2に記載した技術にあっては、前記第1の磁気検出部を前記出力軸部の軸中心の前後方向における移動軌跡上に設けている。
【0018】
従って、連結ユニットの移動位置の検出を迅速かつ正確に行うことができる。
【0019】
請求項3に記載した技術にあっては、前記第2の磁気検出部を前記第1の磁気検出部の左側又は右側に設けている。
【0020】
従って、連結部材の回動位置の検出を迅速かつ正確に行うことができる。
【0021】
請求項4に記載した技術にあっては、前記第1の境界と前記第2の境界を有する検出用マグネットを設けている。
【0022】
従って、スイブル動作とレベリング動作の開始前の初期位置をそれぞれ検出するための二つの検出用マグネットを設ける必要がなく、アクチュエーターの部品点数の削減及び機構の簡素化を図ることができる。
【0023】
本発明車輌用前照灯は、少なくとも一方に開口されたランプハウジングと前記ランプハウジングの開口を閉塞するカバーとによって構成された灯具外筐と、前記灯具外筐の内部に配置され光源を有するランプユニットと、前記光源から出射される光の照射方向を調整するアクチュエーターとを備え、前記アクチュエーターが、前記ランプユニットに連結される出力軸部を有し少なくとも前記出力軸部が前後方向へ移動可能とされると共に水平方向において回動可能とされた連結ユニットを備え、前記出力軸部が前後方向へ移動されて前記ランプハウジングが回動されて前記光の照射方向の調整動作であるレベリング動作が行われ、前記出力軸部が水平方向へ回動されて前記ランプハウジングが回動されて前記光の照射方向の調整動作であるスイブル動作が行われ、磁極の第1の境界を検出することにより前記連結ユニットの前後方向における移動位置を検出する第1の磁気検出部と、磁極の第2の境界を検出することにより前記連結ユニットの水平方向における回動位置を検出する第2の磁気検出部とを設け、前記第1の境界と前記第2の境界を前記連結ユニットに設けたことを特徴とする。
【0024】
従って、ランプユニットを最大の範囲まで回動させることなく連結ユニットの位置を検出することが可能であり、検出時間の短縮化及び幻惑光の発生を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に、本発明アクチュエーター及び車輌用前照灯を実施するための最良の形態について添付図面を参照して説明する(図1乃至図15参照)。
【0026】
車輌用前照灯1は、それぞれ車体の前端部における左右両端部に取り付けられて配置されている。
【0027】
車輌用前照灯1は、図1に示すように、前方に開口された凹部を有するランプハウジング2とランプハウジング2の開口面を閉塞するカバー3とを備えている。ランプハウジング2とカバー3によって灯具外筐4が構成され、灯具外筐4の内部空間が灯室5として形成されている。
【0028】
ランプハウジング2の後端部には前後に貫通された取付用開口2aが形成されている。ランプハウジング2の下端部には上下に貫通された配置用開口2bが形成されている。
【0029】
灯室5にはブラケット6が配置されている。ブラケット6は図示しないエイミング調整機構によって左右方向及び上下方向へランプハウジング2に傾動自在に支持されている。ブラケット6は、図1及び図2に示すように、上下方向を向く取付部7と取付部7の左右両端部からそれぞれ上方へ突出された柱部8、8と柱部8、8の上端部間を連結する吊下部9とから成る。吊下部9の左右方向における中央部には支持受部9aが形成されている。
【0030】
取付部7には上下に貫通された取付孔7aが形成されている。
【0031】
灯室5にはランプユニット10が配置されている。ランプユニット10はブラケット6に上下方向かつ左右方向へ回動自在に支持されている。
【0032】
ランプユニット10は、内面で光を反射するリフレクター11と、リフレクター11の後端部に保持された光源12と、リフレクター11の前端に取り付けられたレンズホルダー13と、レンズホルダー13の前端部に保持された投影レンズ14とを有している。
【0033】
リフレクター11は前方に開口された椀状に形成され、内面が反射面11aとして形成されている。
【0034】
光源12としては、例えば、放電灯が用いられている。
【0035】
レンズホルダー13にはシェード13aが設けられ、シェード13aはランプユニット10の内部に突出した状態で設けられている。シェード13aは光源12から出射された光の一部を遮蔽する機能を有している。
【0036】
ランプユニット10の下端部には下方へ突出された連結用突部15が設けられている(図1参照)。連結用突部15には下方に開口された連結凹部15aが形成されている。
【0037】
ランプユニット10の上端部には被支持突部16が設けられ、被支持突部16の上端部は下方に凸の略半球状の摺動部16aとして設けられている(図1及び図2参照)。被支持突部16の摺動部16aは摺動リング17に保持されている。
【0038】
ランプユニット10は摺動リング17を介して吊下部9の支持受部9aに回動可能な状態で吊り下げられている。ランプユニット10は摺動部16aが摺動リング17に摺動されることにより、摺動部16aを支点としてブラケット6に対して上下方向へ回動可能かつ左右方向へ回動可能とされている。
【0039】
吊下部9には押さえ部材18が取り付けられ、押さえ部材18によってランプユニット10のブラケット6からの脱落が防止されている。
【0040】
灯室5の前端側にはランプユニット10の一部を遮蔽するエクステンション19が配置されている(図1参照)。
【0041】
ランプハウジング2の後端部には取付用開口2aを閉塞するバックカバー20が取り付けられている。
【0042】
ランプハウジング2の下端部には配置用開口2bを閉塞する取付カバー21が取り付けられている。取付カバー21は上方に開口された箱状に形成されている。
【0043】
取付カバー21には、その内部に放電灯点灯装置22が取り付けられている。放電灯点灯装置22は光源12を点灯するための装置であり、内部に点灯回路を有している。
【0044】
放電灯点灯装置22は光源12にケーブル22aによって接続され、ケーブル22aはランプユニット10の後方から下方に亘って配置されている。
【0045】
ランプユニット10の下側にはアクチュエーター23が配置されている(図1及び図2参照)。アクチュエーター23はケース体24とケース体24に配置された駆動機構25とを有している(図3及び図4参照)。
【0046】
ケース体24は上方に開口された箱状の配置ケース26と配置ケース26を上方から閉塞するカバーケース27と配置ケース26に下方から取り付けられるベースケース28とから成る(図3乃至図5参照)。
【0047】
配置ケース26の外周面には周方向に離隔して複数の係止突部26a、26a、・・・が設けられている。配置ケース26の上端部にはそれぞれ左右に突出された被取付突部26b、26bが設けられている。
【0048】
配置ケース26の前半部には上方に開口された機構配置凹部26cが形成されている。配置ケース26の左側面部における内面には、前後に延びるラック部26dが設けられている。ラック部26dは機構配置凹部26cに設けられ、後述する従動部に係合される作用部として機能する。
【0049】
配置ケース26の左右方向における中央部の後端側の部分は上方に突出した突状配置部26eとして設けられ、突状配置部26eは下方及び後方に開口された形状に形成されている。
【0050】
配置ケース26には機構配置凹部26cの後側にギヤ支持突部26f、26fとモーター取付突部26g、26gが前後に離隔して設けられている。ギヤ支持突部26f、26fとモーター取付突部26g、26gは突状配置部26eの左右に位置され、底面部の左右両端部から上方へ突出した状態で設けられている。
【0051】
配置ケース26の左右方向における中央部には取付用凹部26h、26hが前後に離隔して形成されている。取付用凹部26h、26hはそれぞれ配置ケース26の前面部と突状配置部26eの前端部に位置されている。
【0052】
配置ケース26の機構配置凹部26cにおける右端部には上方へ突出された軸受部26i、26iが前後に離隔して設けられている。
【0053】
配置ケース26の底面部には上下に貫通された配置孔26j、26jが左右に離隔して形成されている。配置ケース26の下面側には下方に開口された浅い配置用凹部26kが形成されている。
【0054】
カバーケース27は下方に開口された浅い箱状に形成され、外周面に下方へ突出された複数の係止片27a、27a、・・・が設けられている。係止片27a、27a、・・・にはそれぞれ係止孔が形成されている。
【0055】
カバーケース27にはそれぞれ左右に突出された被取付突部27b、27bが設けられている。カバーケース27の前端寄りの位置には上下に貫通された挿入孔27cが形成されている。挿入孔27cは前後に長い形状に形成されている。
【0056】
ベースケース28は上下方向を向く板状に形成された閉塞面部28aと閉塞面部28aの外周寄りの部分から上方へ突出された嵌合突状部28bとを有している。
【0057】
配置ケース26の配置用凹部26kには回路基板29が配置される。回路基板29には図示しない所定の回路パターンが形成され、回路基板29上には電子部品30、30、・・・及びコネクター31が搭載されている。一部の電子部品30、30、・・・及びコネクター31は突状配置部26eに配置される。
【0058】
回路基板29の上面における前端寄りの位置には第1の磁気検出部32と第2の磁気検出部33が左右に離隔して配置されている(図3、図5及び図6参照)。第1の磁気検出部32と第2の磁気検出部33としては、例えば、ホールIC(Integrated Circuit)が用いられている。
【0059】
駆動機構25は連結ユニット34と第1の駆動体35と第2の駆動体36を有している(図3及び図4参照)。
【0060】
連結ユニット34は上側から順に連結された連結部材37と支持部材38と被駆動部材39を有している(図3及び図7参照)。
【0061】
連結部材37は上下方向を向く板状のベース面部40とベース面部40の中央部から上方へ突出された出力軸部41とベース面部40の外周寄りの部分から下方へ突出された環状部42と環状部42から下方へ突出された取付突部43、43とから成る。
【0062】
出力軸部41は下方に開口されたケース状の連結基部41aと連結基部41aの左右両側面からそれぞれ左右に突出された丸軸状の連結突部41b、41bとから成る。出力軸部41の中心軸は連結部材37の回動軸となる軸中心41cとされている。
【0063】
環状部42の左側部には周方向に延びる第1のギヤ部42aが設けられ、第1のギヤ部42aは第1の被駆動部として機能する。環状部42の前後両面部にはそれぞれ横長の周方向に延びる挿通孔42b、42bが形成されている。
【0064】
取付突部43、43は環状部42の前後両面部からそれぞれ下方へ突出され、内面に係合突部43a、43aを有している。
【0065】
支持部材38は軸方向が上下方向にされ上下方向に短い略円柱状のベース部44とベース部44の中央部から上方へ突出された挿入軸部45とベース部44の左側部における下端部から左方へ突出された突面部46と突面部46の左端部に設けられたギヤ支持部47とから成る。
【0066】
ベース部44には下面における中央部から下方へ突出された支持突部44aが設けられている(図7参照)。ベース部44の外周寄りの位置には挿入用凹部44b、44bが周方向に離隔して形成され、挿入用凹部44b、44bは円弧状に形成されている。ベース部44には前後に貫通された被案内孔44cが形成されている(図3及び図7参照)。
【0067】
ギヤ支持部47は前後に離隔して設けられた支持壁部47a、47aと支持壁部47a、47aを連結する前後方向に延びる架け渡し部47bとから成る。支持壁部47a、47aは前後方向を向く板状に形成され、それぞれ挿通孔を有している。
【0068】
被駆動部材39は上下方向を向き外形が円形状の基面部48と基面部48から左方へ突出された第1の突出部49と基面部48から右方へ突出された第2の突出部50とから成る。
【0069】
基面部48の中心部には上下に貫通された被支持孔48aが形成されている。基面部48の外周部には上方へ突出された円弧状の挿入突条48b、48bが周方向に離隔して設けられている。挿入突条48b、48bの周方向における長さはそれぞれ支持部材38の挿入用凹部44b、44bの周方向における長さより短くされている。
【0070】
基面部48の中心軸は連結部材37の軸中心41cに一致される回動中心48cとされている。
【0071】
第1の突出部49の左側部には周方向に延びる従動ギヤ部49aが設けられ、従動ギヤ部49aは配置ケース26に設けられた係合部として機能するラック部26dに噛合される従動部として機能する。
【0072】
第2の突出部50の右側部には周方向に延びる第2のギヤ部50aが設けられ、第2のギヤ部50aは第2の被駆動部として機能する。
【0073】
従動ギヤ部49aと第2のギヤ部50aは回動中心48cを基準とした同心円上に位置されている。
【0074】
支持部材38は挿入軸部45が出力軸部41に下方から挿入されベース部44が環状部42に下方から挿入されて連結部材37に連結される。支持部材38が連結部材37に連結された状態においては、連結部材37が支持部材38に対して軸中心41cを基準として回動可能とされる。
【0075】
被駆動部材39は基面部48の挿入突条48b、48bがそれぞれベース部44の挿入用凹部44b、44bに下方から挿入されて摺動自在に係合され、基面部48の被支持孔48aにベース部44の支持突部44aが上方から挿入されて支持部材38に連結される。
【0076】
上記のように連結部材37と支持部材38と被駆動部材39が連結された状態においては、連結部材37の軸中心41cと被支持部材39の回動中心48cとが一致される。
【0077】
連結部材37と支持部材38と被駆動部材39が連結された状態において、連結部材37の取付突部43、43に検出用マグネット51が取り付けられる。検出用マグネット51は同じ形状及び同じ大きさの部分が前後でN極とS極に着磁されている。検出用マグネット51は縦長の略矩形状に形成された第1の部分52と第1の部分52の右側に連続して設けられ外周が円弧状に形成された第2の部分53とから成る。第1の部分52の前後両側縁にはそれぞれ係合切欠52a、52aが形成されている。第2の部分53には第1の部分52の前後両端より前後に位置する突部53a、53aが設けられている。
【0078】
検出用マグネット51には第1の部分52と第2の部分53の間に上下に貫通された非干渉孔51aが形成され、非干渉孔51aによって第1の部分52に生じる磁界と第2の部分53に生じる磁界との干渉が互いに抑制されている。第1の部分52におけるN極とS極の連続する部分は第1の境界52bとして形成され、第2の部分53におけるN極とS極の連続する部分は第2の境界53bとして形成されている。
【0079】
検出用マグネット51は取付突部43、43の係合突部43a、43aがそれぞれ係合切欠52a、52aに係合されることにより被駆動部材39に取り付けられ、第1の境界52bが連結部材37の軸中心41cと交差されている。検出用マグネット51は連結部材37と一体になって回動される。
【0080】
連結ユニット34は被駆動部材39の従動ギヤ部49aが配置ケース26に設けられたラック部26dに噛合される。このとき支持部材38の被案内孔44c及び連結部材37の挿通孔42b、42bに丸軸状のガイド部材54が挿通され、ガイド部材54は前後両端部がそれぞれ配置ケース26の取付用凹部26h、26hに挿入されて取り付けられる。従って、支持部材38はガイド部材54によって前後方向へ案内される。
【0081】
第1の駆動体35はスイブル用モーター55と第1の伝達ギヤ56と第1のシャフト57と第1のウォーム58とから成る(図3及び図4参照)。
【0082】
スイブル用モーター55は本体55aと本体55aから上方へ突出されたモーター軸に固定された駆動ギヤ55bとから成り、配置ケース26に設けられた左側のモーター取付突部26gに取り付けられている。
【0083】
第1の伝達ギヤ56は上側に位置された平ギヤ部56aと下側に位置されたウォーム部56bとを有し、配置ケース26に設けられた左側のギヤ支持突部26fに支持軸56cを介して回転自在に支持され、平ギヤ部56aがスイブル用モーター55の駆動ギヤ55bに噛合されている。
【0084】
第1のシャフト57は前後方向に延びる軸部59と後端部に設けられたギヤ部60とを有している。軸部59には外周面から放射方向へ突出された回り止め部59a、59a、59aが設けられている。第1のシャフト57はギヤ部60が第1の伝達ギヤ56のウォーム部56bに噛合されている。
【0085】
第1のウォーム58は前後に貫通された軸挿通孔58aを有し、軸挿通孔58aの断面形状が第1のシャフト57の断面形状と同一の形状にされている。
【0086】
第1のウォーム58は支持部材38のギヤ支持部47に設けられた支持壁部47a、47a間に挿入されて配置され、軸挿通孔58aに第1のシャフト57の軸部59が支持壁部47a、47aの挿通孔を介して挿通される。第1のウォーム58は配置ケース26の機構配置凹部26cにおける左端部に配置される。第1のウォーム58の軸挿通孔58aに軸部59が挿通された状態においては、第1のウォーム58は第1のシャフト57と一体になって回転可能とされると共に軸部59に対して前後方向へ移動可能とされる。
【0087】
第1のウォーム58は連結部材37の第1のギヤ部42aに噛合される。
【0088】
第1の駆動体35において、スイブル用モーター55が回転されると、その駆動力が駆動ギヤ部55b、第1の伝達ギヤ56、第1のシャフト57のギヤ部60及び第1のウォーム58に順に伝達され、第1のウォーム58が回転されてスイブル用モーター55の回転方向に応じた方向へ第1のギヤ部42aが送られる。第1のギヤ部42aが送られることにより連結部材37が支持部材38に対して回動される。
【0089】
第2の駆動体36はレベリング用モーター61と第2の伝達ギヤ62と第2のシャフト63と第2のウォーム64とから成る。
【0090】
レベリング用モーター61は本体61aと本体61aから上方へ突出されたモーター軸に固定された駆動ギヤ61bとから成り、配置ケース26に設けられた右側のモーター取付突部26gに取り付けられている。
【0091】
第2の伝達ギヤ62は上側に位置された平ギヤ部62aと下側に位置されたウォーム部62bとを有し、配置ケース26に設けられた右側のギヤ支持突部26fに支持軸62cを介して回転自在に支持され、平ギヤ部62aがレベリング用モーター61の駆動ギヤ61bに噛合されている。
【0092】
第2のシャフト63は前後方向に延びる軸部65と後端部に設けられたギヤ部66とを有している。軸部65には外周面から放射方向へ突出された回り止め部65a、65a、65aが設けられている。第2のシャフト63はギヤ部66が第2の伝達ギヤ62のウォーム部62bに噛合されている。
【0093】
第2のウォーム64は前後に貫通された軸挿通孔64aを有し、軸挿通孔64aの断面形状が第2のシャフト63の断面形状と同一の形状にされている。
【0094】
第2のウォーム64の軸挿通孔64aには第2のシャフト63の軸部65が挿通される。軸部65は配置ケース26に設けられた軸受部26i、26iに回転自在に支持され、第2のウォーム64が配置ケース26の機構配置凹部26cにおける右端部に配置される。第2のウォーム64の軸挿通孔64aに軸部65が挿通された状態においては、第2のウォーム64は第2のシャフト63と一体になって回転可能とされる。
【0095】
第2のウォーム64は被駆動部材39の第2のギヤ部50aに噛合される。
【0096】
第2の駆動体36において、レベリング用モーター61が回転されると、その駆動力が駆動ギヤ部61b、第2の伝達ギヤ62、第2のシャフト63のギヤ部66及び第2のウォーム64に順に伝達され、第2のウォーム64が回転されてレベリング用モーター61の回転方向に応じた方向へ第2のギヤ部50aが送られる。第2のギヤ部50aが送られることにより、被駆動部材39の従動ギヤ部49aのラック部26dに対する噛合位置が変化され、被駆動部材39が回転しながら前後方向へ移動される。被駆動部材39の回転しながらの前後方向への移動により、挿入突条48b、48bが支持部材38のベース部44に対して摺動され、被駆動部材39の前後方向への移動に伴って支持部材38と連結部材37が一体になって前後方向へ移動される。このとき連結部材37の軸中心41cと被支持部材39の回動中心48cとは左右方向へ変位されず前後方向において直線上の軌跡で移動される。
【0097】
カバーケース27は配置ケース26の係止突部26a、26a、・・・にそれぞれ係止片27a、27a、・・・が係止されることにより配置ケース26に結合される。
【0098】
カバーケース27が配置ケース26に結合された状態においては、カバーケース27の挿入孔27cから連結部材37の出力軸部41が上方へ突出される。カバーケース27が配置ケース26に結合された状態においては、カバーケース27の被取付突部27b、27bと配置ケース26の被取付突部26b、26bとが上下で重ね合わされる。
【0099】
ベースケース28は嵌合突状部28bが配置ケース26の配置用凹部26kに嵌合されて配置ケース26の下面側に結合される。ベースケース28は下方から回路基板29を閉塞する。
【0100】
アクチュエーター23は上下で重ね合わされた被取付突部27b、27bと被取付突部26b、26bが取付ネジ100、100によってブラケット6の取付部7に取り付けられる。アクチュエーター23が取付部7に取り付けられた状態においては、出力軸部41が取付孔7aから上方に突出される。
【0101】
出力軸部41はランプユニット10の連結用突部15に形成された連結凹部15aに挿入されてランプユニット10に連結される。
【0102】
出力軸部41がランプユニット10に連結された状態において、ランプユニット10は、出力軸部41の水平方向への回動に伴って被支持突部16を支点として左右方向へ回動され、出力軸部41の前後方向への移動に伴って連結突部41b、41bに対して被支持突部16を支点として上下方向へ回動される。
【0103】
以下に、車輌用前照灯1におけるスイブル動作及びレベリング動作について説明する(図8乃至図11参照)。尚、図8乃至図11には、ランプユニット10を示さず駆動機構25の動作を上方から見た状態で示す。
【0104】
スイブル動作は、車輌の走行方向に追従して光軸の向きを変化させるためにランプユニット10を左右方向へ回動させる動作であり、スイブル動作においてランプユニット10は被支持突部16を支点として左右方向へ回動される。
【0105】
レベリング動作は、車載物の重量によって変化する光軸のズレを調整するためにランプユニット10を上下方向へ回動させる動作であり、レベリング動作においてランプユニット10は被支持突部16を支点として上下方向へ回動される。
【0106】
先ず、スイブル動作について説明する(図8及び図9参照)。
【0107】
スイブル動作が行われる前の状態において、連結部材37は出力軸部41の連結突部41b、41bが左右に位置された中立位置にある(図8参照)。
【0108】
図示しない電源回路からコネクター31を介して通電されてスイブル用モーター55が回転されると、スイブル用モーター55の駆動力が第1のウォーム58に伝達される。スイブル用モーター55の駆動力が第1のウォーム58に伝達されると、第1のウォーム58の回転方向に応じた方向へ第1のギヤ部42aが送られて連結部材37が支持部材38及び被駆動部材39に対して軸中心41cを基準として回動され、連結部材37の回動に伴ってランプユニット10が左右方向へ回動されてスイブル動作が行われる(図9参照)。
【0109】
このとき連結部材37の挿通孔42b、42bにはガイド部材54が挿通されているが、挿通孔42b、42bが左右に長い形状に形成されているため、回動時に連結部材37とガイド部材54の接触が回避される。
【0110】
次に、レベリング動作について説明する(図10及び図11参照)。
【0111】
レベリング動作が行われる前の状態において、連結部材37は出力軸部41の連結突部41b、41bが左右に位置された中立位置にあり(図10参照)、連結ユニット34が前後方向の移動範囲における中央に位置されている。
【0112】
図示しない電源回路からコネクター31を介して通電されてレベリング用モーター61が回転されると、レベリング用モーター61の駆動力が第2のウォーム64に伝達される。レベリング用モーター61の駆動力が第2のウォーム64に伝達されると、第2のウォーム64の回転方向に応じた方向へ第2のギヤ部50aが送られる。第2のギヤ部50aが送られると、被駆動部材39の従動ギヤ部49aのラック部26dに対する噛合位置が変化され、被駆動部材39が回転しながら前後方向へ移動される(図11参照)。被駆動部材39の回転しながらの前後方向への移動により、挿入突条48b、48bが支持部材38のベース部44に対して摺動され、被駆動部材39の前後方向への移動に伴って支持部材38と連結部材37が一体になって前後方向へ移動される。
【0113】
連結部材37が支持部材38及び被駆動部材39と一体になって前後方向へ移動されることにより、連結部材37の移動に伴ってランプユニット10が上下方向へ回動されてレベリング動作が行われる。
【0114】
このとき連結ユニット34はガイド部材54によって前後方向に案内されると共に第1のウォーム58が第1のシャフト57の軸部59に対して前後方向へ移動される。
【0115】
次に、レベリング動作及びスイブル動作が行われる前のランプユニット10の初期位置の検出動作について説明する(図12乃至図15参照)。
【0116】
ランプユニット10の初期位置が検出されると、検出された初期位置を基準としてランプユニット10が上下方向又は左右方向に所定の量だけ回動されてレベリング動作又はスイブル動作が行われる。
【0117】
先ず、レベリング動作が開始される前に行われる初期位置の検出動作について説明する(図12参照)。
【0118】
レベリング動作が開始される前の状態においては、連結ユニット34は前後方向(移動方向)における中央又はその近傍の位置にある(図12の中央の図参照)。
【0119】
検出動作は、レベリング用モーター61によって検出用マグネット51が連結部材37と一体になって微少距離、例えば、1mm〜2mm程度前方又は後方へ移動されることにより行われる(図12の上下の図参照)。このとき第1の磁気検出部32によって検出用マグネット51の磁界の変化状態が検出されており、第1の磁気検出部32によって極性の切り替わる位置である第1の境界52bが検出されると、第1の境界52bの検出位置が連結ユニット34及びランプユニット10のレベリング動作における初期位置として検出される。
【0120】
上記のように連結部材37が前方又は後方へ微少距離移動されたときに、第1の境界52bが検出されない場合には、連結部材37が逆方向へ中立位置を基準として、例えば、1mm〜2mm程度移動される。このとき第1の磁気検出部32によって極性の切り替わる位置である第1の境界52bが検出されると、第1の境界52bの検出位置が連結ユニット34及びランプユニット10のレベリング動作における初期位置として検出される。
【0121】
次に、スイブル動作が開始される前に行われる初期位置の検出動作について説明する(図13参照)。
【0122】
スイブル動作が開始される前の状態においては、連結部材37は出力軸部41の連結突部41b、41bが左右に位置された中立位置又はその近傍の位置にある(図13の中央の図参照)。
【0123】
検出動作は、スイブル用モーター55によって検出用マグネット51が連結部材37と一体になって微少角度、例えば、1°〜2°程度左方又は右方へ回転されることにより行われる(図13の左右の図参照)。このとき第2の磁気検出部33によって検出用マグネット51の磁界の変化状態が検出されており、第2の磁気検出部33によって極性の切り替わる位置である第2の境界53bが検出されると、第2の境界53bの検出位置が連結ユニット34及びランプユニット10のスイブル動作における初期位置として検出される。
【0124】
上記のように連結部材37が左方又は右方へ微少角度回転されたときに、第2の境界53bが検出されない場合には、連結部材37が逆方向へ中立位置を基準として、例えば、1°〜2°程度回転される。このとき第2の磁気検出部33によって極性の切り替わる位置である第2の境界53bが検出されると、第2の境界53bの検出位置が連結ユニット34及びランプユニット10のスイブル動作における初期位置として検出される。
【0125】
正確な初期位置検出を行うためには、レベリング動作の初期位置の検出動作の後にスイブル動作の初期位置の検出動作を行うことが望ましい。
【0126】
尚、検出用マグネット51は形状の異なる第1の部分52と第2の部分53によって構成されている。検出用マグネット51をこのような形状に形成することにより、検出用マグネット51が前後の移動端まで移動されスイブル動作が行われた状態においても検出用マグネット51の下側に第1の磁気検出部32と第2の磁気検出部33が対向して位置され(図14及び図15参照)、連結ユニット34の位置に拘わらず初期位置の検出動作を適正に行うことができる。
【0127】
以上に記載した通り、車輌用前照灯1及びアクチュエーター23にあっては、連結部材37と被駆動部材39と連結部材37を回動させてスイブル動作を行う第1の駆動体35と連結部材37を前後方向へ移動させてレベリング動作を行う第2の駆動体36とを備えている。
【0128】
従って、連結部材37の回動が第1の駆動体35の駆動力によって行われ、連結部材37の移動が第2の駆動体36の駆動力によって行われるため、小型化を確保した上で制御動作の簡素化を図ることができる。
【0129】
また、第1の被駆動部として設けられた第1のギヤ部42aが第1のウォーム58に噛合され、第2の被駆動部として設けられた第2のギヤ部50aが第2のウォーム64に噛合されている。
【0130】
従って、車輌の走行時等における振動等によって各部が不必要に動作されることがなく動作の信頼性の向上を図ることができると共に連結部材37の回動時及び移動時にそれぞれ第1の駆動体35と第2の駆動体36が前後方向へ移動されず前後方向における小型化を図ることができる。
【0131】
さらに、被駆動部材39の従動ギヤ部49aが噛合されるラック部26dと第1のギヤ部42a、第2のギヤ部50aがそれぞれ噛合される第1のウォーム48、第2のウォーム64が何れも前後方向に延びる状態で設けられているため、左右方向における小型化を図ることができる。
【0132】
さらにまた、第1のウォーム58が前後方向へ摺動自在に支持される第1のシャフト57を設けているため、レベリング動作時に第1のギヤ部42aと第1のウォーム58の噛合が解除されることがなく、アクチュエーター23における動作の信頼性の向上を図ることができる。
【0133】
加えて、第2の駆動体36によって被駆動部材39が連結部材37に対して回動されるときに被駆動部材39を前後方向へ案内するガイド部材54を設けているため、連結部材37が確実に前後方向へ移動され、レベリング動作における動作の信頼性の向上を図ることができる。
【0134】
尚、上記には、第2の被駆動部と従動部としてそれぞれ第2のギヤ部50aと従動ギヤ部49aを用い、第2のギヤ部50aと従動ギヤ部49aにそれぞれ第2のウォーム64とラック部26dが噛合される例を示した。
【0135】
しかしながら、アクチュエーター23にあっては、第2の被駆動部と従動部が噛合により係合する例に限られることはなく、第2の被駆動部と従動部がそれぞれ摩擦力によって駆動部と作用部に係合される構成とされていてもよい。
【0136】
例えば、第2の被駆動部と従動部がそれぞれ被押付面を有し、駆動部と作用部が前後方向に延びる押付面を有し、各押付面がそれぞれ被押付面に押し付けられて係合されていてもよい。この場合には、駆動部の動作により被駆動部材が駆動部と作用部の各押付面の間で回転しながら前後方向へ移動されてレベリング動作が行われる。
【0137】
車輌用前照灯1及びアクチュエーター23にあっては、第1の境界52bの位置を検出して連結ユニット34の連結部材37の前後方向における移動位置を検出する第1の磁気検出部32と、第2の境界53bの位置を検出して連結ユニット34の水平方向における回動位置を検出する第2の磁気検出部33とを設け、第1の境界52bと第2の境界53bを連結ユニット34に設けている。
【0138】
従って、ランプユニット10を最大の範囲まで回動させることなく連結ユニット34の初期位置を検出することが可能であり、初期位置の検出時間の短縮化及び幻惑光の発生を防止することができる。
【0139】
また、第1の磁気検出部32を出力軸部41の軸中心41cの前後方向における移動軌跡上に設けているため、連結ユニット34の移動位置の検出を迅速かつ正確に行うことができる。
【0140】
さらに、第2の磁気検出部33を第1の検出部32の左側又は右側に設けているため、連結部材37の回動位置の検出を迅速かつ正確に行うことができる。
【0141】
さらにまた、第1の境界52bと第2の境界53bを検出用マグネット51に設けているため、レベリング動作とスイブル動作の開始前の初期位置をそれぞれ検出するための二つの検出用マグネットを設ける必要がなく、アクチュエーター23の部品点数の削減及び機構の簡素化を図ることができる。
【0142】
上記した発明を実施するための最良の形態において示した各部の形状及び構造は、何れも本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0143】
【図1】図2乃至図15と共に本発明の最良の形態を示すものであり、本図は、車輌用前照灯の概略縦断面図である。
【図2】ランプユニット及びアクチュエーター等を示す分解斜視図である。
【図3】アクチュエーターの分解斜視図である。
【図4】カバーケースを外した状態で示すアクチュエーターの斜視図である。
【図5】配置ケースの斜視図である。
【図6】アクチュエーターの拡大断面図である。
【図7】連結ユニットの分解斜視図である。
【図8】図9と共にスイブル動作を示すものであり、本図は、動作前の状態を示す概略平面図である。
【図9】動作後の状態を示す概略平面図である。
【図10】図11と共にレベリング動作を示すものであり、本図は、動作前の状態を示す概略平面図である。
【図11】動作後の状態を示す概略平面図である。
【図12】レベリング動作の開始前に行われる初期位置の検出動作を示す概略平面図である。
【図13】スイブル動作の開始前に行われる初期位置の検出動作を示す概略平面図である。
【図14】連結ユニットが前方の移動端に移動された状態において連結部材が回動されたときの検出用マグネットと磁気検出部の位置関係を示す概略平面図である。
【図15】連結ユニットが後方の移動端に移動された状態において連結部材が回動されたときの検出用マグネットと磁気検出部の位置関係を示す概略平面図である。
【符号の説明】
【0144】
1…車輌用前照灯、2…ランプハウジング、3…カバー、4…灯具外筐、10…ランプユニット、12…光源、23…アクチュエーター、32…第1の磁気検出部、33…第2の磁気検出部、34…連結ユニット、41…出力軸部、51…検出用マグネット、52b…第1の境界、53b…第2の境界

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方に開口されたランプハウジングと前記ランプハウジングの開口を閉塞するカバーとによって構成された灯具外筐の内部に配置されたランプユニットの光源から出射される光の照射方向を調整するアクチュエーターであって、
前記ランプユニットに連結される出力軸部を有し少なくとも前記出力軸部が前後方向へ移動可能とされると共に水平方向において回動可能とされた連結ユニットを備え、
前記出力軸部が前後方向へ移動されて前記ランプハウジングが回動されて前記光の照射方向の調整動作であるレベリング動作が行われ、
前記出力軸部が水平方向へ回動されて前記ランプハウジングが回動されて前記光の照射方向の調整動作であるスイブル動作が行われ、
磁極の第1の境界を検出することにより前記連結ユニットの前後方向における移動位置を検出する第1の磁気検出部と、
磁極の第2の境界を検出することにより前記連結ユニットの水平方向における回動位置を検出する第2の磁気検出部とを設け、
前記第1の境界と前記第2の境界を前記連結ユニットに設けた
ことを特徴とするアクチュエーター。
【請求項2】
前記第1の磁気検出部を前記出力軸部の軸中心の前後方向における移動軌跡上に設けた
ことを特徴とする請求項1に記載のアクチュエーター。
【請求項3】
前記第2の磁気検出部を前記第1の磁気検出部の左側又は右側に設けた
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアクチュエーター。
【請求項4】
前記第1の境界と前記第2の境界を有する検出用マグネットを設けた
ことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載のアクチュエーター。
【請求項5】
少なくとも一方に開口されたランプハウジングと前記ランプハウジングの開口を閉塞するカバーとによって構成された灯具外筐と、
前記灯具外筐の内部に配置され光源を有するランプユニットと、
前記光源から出射される光の照射方向を調整するアクチュエーターとを備え、
前記アクチュエーターが、
前記ランプユニットに連結される出力軸部を有し少なくとも前記出力軸部が前後方向へ移動可能とされると共に水平方向において回動可能とされた連結ユニットを備え、
前記出力軸部が前後方向へ移動されて前記ランプハウジングが回動されて前記光の照射方向の調整動作であるレベリング動作が行われ、
前記出力軸部が水平方向へ回動されて前記ランプハウジングが回動されて前記光の照射方向の調整動作であるスイブル動作が行われ、
磁極の第1の境界を検出することにより前記連結ユニットの前後方向における移動位置を検出する第1の磁気検出部と、
磁極の第2の境界を検出することにより前記連結ユニットの水平方向における回動位置を検出する第2の磁気検出部とを設け、
前記第1の境界と前記第2の境界を前記連結ユニットに設けた
ことを特徴とする車輌用前照灯。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−103570(P2013−103570A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247798(P2011−247798)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000001133)株式会社小糸製作所 (1,575)
【Fターム(参考)】