説明

アクチュエータ及びそれを用いた記憶装置

【課題】従来例に比して消費電力が少なく、電気配線の面積を低下させ小型化が可能となるMEMS技術を使用した記録装置を提供する。
【解決手段】本発明の記憶装置は、支持基板に対し、支持基板表面と平行となるよう一端が固定され、固定されていない側の端部近傍の表面に先端が急峻な突起を有し、静電型アクチュエータとして構成された片持ち梁と、片持ち梁の前記表面に設けられた反射ミラーと、片持ち梁の突起と対向して設けられた記録フィルムとを有し、データの書き込みを突起にフィルム表面を押しつけ、表面に窪みを形成することで行い、データの読み出しを突起に記録フィルム表面を押しつけ、窪みに先端が入ると反射ミラーの角度が変化せず、窪みに先端が入らないと片持ち梁が変形し、入射される読み出し光を反射する際、反射ミラーの角度が変化し、所定の角度における読み出し光の反射の有無により行うことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データを記憶する記憶装置に関し、特に小型、大容量 かつ信頼性が要求されるシステムに好適なアクチュエータ及びそれを用いた記憶装置に関するものであるに関する。
【背景技術】
【0002】
演算処理能力とソフトウェアの進歩により、コンピュータに搭載されるハードディスクなどの大容量の記憶媒体であるデータストレージの容量が年々増大している。
また、インターネットを介して、公開される情報も爆発的に増加しており、この公開された情報からパーソナルコンピュータへ蓄積する情報量も比例して増加し、データストレージ(記憶装置)にさらなる大容量化が望まれている。
これに伴い、記憶装置の大容量化を実現するため、データの記録密度も年々増加しており、現在においては1平方インチあたり、約百Gビット(bpi)が実現されている。
【0003】
携帯電話に対しての動画配信などが実現された場合、さらに小型で、かつ大容量の記憶装置への需要が増大する。
小型で大容量の記憶装置を実現する場合、従来の磁気ディスク型記憶装置(ハードディスク)においては、磁性材料の熱揺らぎ限界のため、室温程度の温度環境でも熱により記録データが消えてしまい、データ密度の改善が困難な状況になりつつある。
この磁性材料を使用した際に起こる問題を解決するため、垂直磁気記録方式が開発され、1平方インチあたり数百Gbit以上のデータ密度が実現できる可能性がある。
しかしながら、読み取り/書き込みに用いる磁気ヘッドを、データをアクセスする微小な領域に対して、精度良く位置合わせを行うことが困難な問題がある。
【0004】
そのため、磁気型の記憶媒体に替わる記憶装置として、図17に示すIBMのチューリヒ研究所からAFM型(原子間力顕微鏡型)の記録装置が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。MEMS(Micro Electro Mecanical System)技術によるマイクロカンチレバー(片持ち梁)アレイの先端を、抵抗体としてバイメタル特性を有する梁に、梁が変形する温度となる電流量を通電し、梁に熱を発生させることにより、片持ち梁を変形させ記録媒体のプラスチックフィルムに押しつけ、通電した熱によりアレイの先端によって、フィルム表面にインデント(窪み)を形成してデータを書き込む。データをアクセスする際、フィルム面をx軸及びy軸方向に平行移動させで、梁の先端と接触する書き込み及び読み出し位置を移動させる。
【0005】
一方、データの読み出し時には、プラスチックの変形しない温度となる電流を印加して、片持ち梁の先端をフィルムに押しつけ、フィルムにデータが書き込まれている場合、窪みに先端が入り熱がフィルムに放熱され、梁の抵抗値が変化し、この抵抗値の変化によりデータを読み出す。読み出し及び書き込み時にz軸方向へ移動(フィルムを上下)させる。
また、データの読み出し時における書き込み及び読み出しのアクセスを、記録媒体のフィルムを平行移動させて行う。上述した構成により、大容量の記憶装置を形成することができる(例えば、非特許文献2参照)。
【非特許文献1】http://www.albanynanotech.org/Capabilities/ComputerModeling/2-sur.cfm(2006-06-08確認)
【非特許文献2】http://ascii24.com/news/i/tech/article/2002/06/11/636420-000.html(2006-06-08確認)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来例においては、データの書き込み及び読み出しの際に、マイクロカンチレバーを変形させるため、消費電力が大きくなり、携帯機器に用いる場合、低消費電力に対応できないという問題がある。上記従来例の場合、マイクロカンチレバーが32×32(=1024)本有り、これらを一度に加熱するための電流が必要となる。
すなわち、マイクロカンチレバーを増加させ、データ転送速度を向上させ用とする場合、さらに消費電流を必要とすることとなる。
また、上記従来例においては、マイクロカンチレバーを加熱させるための電気配線が必要となり、マイクロカンチレバーを増加させる場合、電気配線の面積が相対的に大きくなり小型化に限界がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、従来例に比して消費電力が少なく、電気配線の面積を低下させ小型化が可能となるMEMS技術を使用した記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のアクチュエータは、半導体基板と、該基板(例えば、実施形態におけるP型シリコン基板100)上に形成された太陽電池(例えば、実施形態における太陽電池4)と、該基板上に形成され、前記太陽電池の一方の電源出力端子(アノード、またはカソード)に接続された中空支持構造体(例えば、実施形態における片持ち梁3)及び前記基板上の導体部(例えば、本実施形態における導電性基板6)から形成された静電駆動アクチュエータとを有することを特徴とする。
【0009】
本発明のアクチュエータは、前記中空支持構造体が前記太陽電池の電源出力端子(例えば、実施形態における、太陽電池を直列接続して太陽電池4を形成する金属層の配線パターン109、またはPiN型フォトダイオードの太陽電池のP型シリコン層102)と同一の部材の層で形成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の記憶装置は、支持基板に対し、該支持基板表面と平行となるよう一端が固定され、固定されていない側の端部近傍の表面に先端が急峻な突起を有し、静電型アクチュエータとして構成された片持ち梁と、前記片持ち梁の前記表面に設けられた反射ミラーと、該片持ち梁の突起と対向して設けられた記録フィルムとを有し、データの書き込みを前記突起にフィルム表面を押しつけ、該表面に窪みを形成することで行い、データの読み出しを前記突起に記録フィルム表面を押しつけ、窪みに先端が入ると前記反射ミラーの角度が変化せず、窪みに先端が入らないと前記片持ち梁が変形し、入射される読み出し光を反射する際、前記反射ミラーの角度が変化し、所定の角度における読み出し光の反射の有無により行うことを特徴とする。
【0011】
本発明の記憶装置は、データの書き込みを行う際、塑性変形が起こる荷重により、前記突起を記録フィルム表面に押しつけ、データの読み出しを行う際、弾性変形が起こる荷重により、前記突起を記録フィルム表面に押し付けることを特徴とする。
【0012】
本発明の記憶装置は、前記記録フィルム表面を前記先端に押しつけて、データの書き込みを行う際に、データを書き込まない片持ち梁に電圧を印加させ、記録フィルム表面に接触しない位置に先端が記録フィルム表面から離れる方向に片持ち梁を変形させることを特徴とする。
【0013】
本発明の記憶装置は、片持ち梁毎に、該片持ち梁に対して印加する書き込み電圧を生成する太陽電池が設けられており、該太陽電池に書き込み光を供給するか否かにより、書き込み電圧の生成を制御することを特徴とする。
【0014】
本発明の記憶装置は、前記書き込み光の波長と読み出し光の波長とが異なり、読み出し光として前記太陽電池が発電しない波長の光を用いることを特徴とする。
【0015】
本発明の記憶装置は、前記太陽電池が前記支持基板に対して直列接続され、前記片持ち梁の一端が前記太陽電池の直列接続の終端に固定層されていることを特徴とする。
【0016】
本発明の記憶装置は、前記片持ち梁が前記太陽電池の形成層の一部にて形成されていることで、太陽電池にて固定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明の記憶装置によれば、片持ち梁の変形を静電駆動のアクチュエータとして行うため、従来例に比して消費電力を少なくすることができるとともに、静電駆動のアクチュエータを駆動する電源として、各片持ち梁毎に太陽電池を設け、この太陽電池に対して書き込み光を照射か否かにより、書き込み制御を行うため、片持ち梁を駆動制御するための電気配線を必要とすることが無くなるため、配線のための領域を設ける必要が無くなり、小型化が可能となるMEMS技術を使用した記録装置を提供できるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の記憶装置は、支持基板に対し、支持基板表面と平行となるよう一端が固定され、固定されていない側の端部近傍の表面に先端が急峻な突起を有し、静電型アクチュエータとして構成された片持ち梁と、片持ち梁の前記表面に設けられた反射ミラーと、片持ち梁の刻印突起と対向して設けられた記録フィルムとを有し、データの書き込みの際、記録フィルムを支持基板方向に変位、すなわち記録フィルムを片持ち梁方向に変位させ、刻印突起をフィルム表面に対して塑性変形の荷重により押しつけ、表面に窪みを形成することで行い、データの読み出しを行う際、刻印突起に記録フィルム表面を、弾性変形の荷重により押しつけ、窪みに対し刻印突起の先端が挿入されると反射ミラーの角度が変化せず、窪みに刻印突起の先端が挿入されると片持ち梁が弾性変形し、入射される読み出し光を反射する際、反射ミラーの角度が変化し、反射された反射光の受光を受光素子により行い、所定の角度における読み出し光の反射の有無により、データの読み出しを行っている。例えば、反射ミラーの角度が変化しない反射光の光路に受光素子(例えば、CCDやフォトダイオードなど)を置き、読みだしの際に片持ち梁が弾性変形しない場合に受光素子に反射光が入力され、片持ち梁が変形した場合に受光素子が入力されないように設定しておく。
【0019】
以下、本発明の一実施形態による記憶装置を図面を参照して説明する。図1は同実施形態の記憶装置における1ビット分のデータの書き込み及び読み込みを行う1単位部分(MEMS書き込み読みだしヘッドの単位ブロック)の構成の断面を示す概念図である。
この図において、記憶領域として支持基板1の裏面(図の下面側)に樹脂フィルム2が形成されている。支持基板1はガラス基板または石英ガラス等の広い波長の光を透過する材料で形成されている。また、支持基板1は、光を透過する柔軟アクリルポリマーなどの樹脂フィルムでも良い。
【0020】
樹脂フィルム2はPMMAやポリイミドなどの高分子材料のプラスチックフィルムで形成されている。データが刻印されて記録された後、データを消去する場合に、樹脂フィルム2に熱を印加することにより、データの消去(片持ち梁3に設けられた刻印突起3により形成された窪みKが熱によるフィルムの軟化により消去)される。
片持ち梁(マイクロカンチレバー)3は、予め設定された弾性特性を有する厚さ及び幅で形成されており、一端が太陽電池4のアノードに接続されている。ここで、片持ち梁3の厚さは、太陽電池の形成により決定されるため、幅にて設定される。
【0021】
ここで、片持ち梁3の幅とは、長尺方向を長さとすると、太陽電池4に一端が接続され、太陽電池4から遠ざかる方向に長尺方向に伸びる片持ち梁3において、長尺方向に対して垂直方向の片持ち梁3の横幅を示している。
また、片持ち梁3は、前記一端の逆の端である他端の近傍の表面3b(図の上面側)に、先端が尖った(頭頂部の径が約数十nm)突起である刻印突起3aが形成され、中央より刻印突起3aに近い該表面3b上に反射ミラー7が形成されている。
したがって、片持ち梁3における刻印突起3aの頭頂部の先端半径が数十nm以下であるため、磁気ディスクや光磁気ディスクに比較し、より小さな記憶のピットを形成することができる。例えば、面密度換算にて、1平方インチあたり、6Tbpiの記録密度となり、現在の垂直磁気記録方式の約10倍の記録密度が実現できる。
【0022】
太陽電池4は、エピ成長PIN接合(例えば、シリコンPINフォトダイオード)により、絶縁膜5上面に形成された太陽電池が複数個(図においては3個)が直列に接続されている。太陽電池の構造については、後述する製造過程にて説明する。この太陽電池の接続される個数は、片持ち梁3に印加する電圧と、太陽電池1個当たりの発電量とによって決定される。また、太陽電池4の材料としては、本実施形態において、シリコンが用いられているが、InP(インジュウム・リン)やGaAs(ガリウム・砒素)などの化合物半導体で形成しても良い。さらに、電力が必要な場合には、太陽電池の複数個を並列に接続した後、この並列に接続された太陽電池を直列に接続し、直並列のマトリクス状の接続として用いてもよい。
【0023】
絶縁膜5は、導電性基板6上部に形成されており、プロセスの説明時に説明するが、シリコン酸化膜101であり、上下間においては絶縁膜としての特性を有し、太陽電池のアノードと導電性基板とが電気的に接続されないために形成されている。
片持ち梁3の弾性のみでなく、この絶縁膜5の厚さによっても、すなわち、片持ち梁3と導電性基板6との距離によっても、片持ち梁3と導電性基板6との間の電界が変化し、静電引力が異なり、片持ち梁3の刻印突起3aが形成されている他端の変位量が変化する。本実施形態においては、5Vの電圧を片持ち梁3に印加した場合、上記他端が100nm程度変化するように、上述した各パラメータが設定されている。
【0024】
導電性基板6は、本実施形態において、シリコン基板(後述するプロセスにおけるN型不純物層104や図1及び図2の構成におけるP型シリコン基板100)にて説明しているが、他の半導体基板や、太陽電池4及び片持ち梁3を形成した後、金属(ニッケル,クロム,チタン等)基板や、あるいは絶縁膜に半導体または金属を積層した基板に貼り付けることにより形成してもよい。
片持ち梁3は、構成として、上記太陽電池4のと同一の積層構造(同一材料)を有し、すなわち太陽電池5と同一のプロセス過程において形成される。また、片持ち梁3は、太陽電池4の積層された半導体層のいずれの層または複数の層にて形成しても良い。さらに、片持ち梁3は、太陽電池4を直列に接続する金属配線層(材料として、ニッケル,クロム,チタン,金,銅,アルミ等)にて形成しても良い。以下の実施形態としては太陽電池4のと同一の積層構造として説明する(プロセスの構成は太陽電池を直列に接続して太陽電池4を形成する金属配線を用いているが、動作は同様である)。
【0025】
支持基板1の樹脂フィルム2の面と、片持ち梁3に形成された刻印突起3aとが対応するよう、支持基板1の面と導電性基板6の面とが平行に配置されている。
上述した片持ち梁3は、導電性基板6との間が絶縁膜5の厚さ(例えば、1〜2μm)に対応する空間となっており、導電性基板6とによりコンデンサを形成し、静電駆動型のアクチュエータとして動作する。ここで、導電性基板6が接地され、片持ち梁3の一端が太陽電池4のアノードに接続され、太陽電池4のカソードが接地されている。このため、太陽電池4に書き込み光Lwが入射されると太陽電池4のアノード側に電圧が発生し、その電圧が片持ち梁3に印加されることで、片持ち梁3の開放されている刻印突起3aが形成された他端が、図1(a)に示すように、導電性基板6に静電引力により引きつけられる。上述した太陽電池4のアノード及びカソードとは、直列接続されている複数の太陽電池の最外端にある太陽電池それぞれのアノード,カソードを示している。
【0026】
次に、樹脂フィルム2に対するデータの書き込み及び読みだしを図1及び図2を用いて説明する。図1は、樹脂フィルム2表面に刻印突起3aにより窪みK(インデント)を形成して、データの書き込みを行う処理を説明する図である。また、図1は、樹脂フィルム2表面に窪みKの有無を刻印突起3aにより検出して、データの有無を読み出す処理を説明する図である。
・データの書き込み処理(図1)
本実施形態においては、データを樹脂フィルム2にデータを書き込む場合、図1(a)に示すように、太陽電池4に書き込み光Lwを、支持基板1及び樹脂フィルム2を介して照射させた場合、直列接続の結果として太陽電池4(シリコンPINフォトダイオードの直列接続)が約5Vの電圧を発生し、片持ち梁3の他端部が導電性基板6表面方向に対して、変位量d(例えば約100nm程度)の変位を生じる。
【0027】
そして、書き込み光Lwを照射させた状態にて、上記片持ち梁の変位量dと、樹脂フィルム2の対向面及び片持ち梁3が変位していない静止位置における刻印突起3aの頭頂部間の距離と、片持ち梁3が変位していない場合に樹脂フィルム2の表面に窪みKが生成される塑性変形の荷重となる距離と、を加算した変位量Dだけ、支持基板1を導電性基板6方向に変位させる。
このとき、片持ち梁3は、変位量d分だけ導電性基板6方向へ変位しているため、片持ち梁3の刻印突起3aが樹脂フィルム2表面に接触したとしても、樹脂フィルム2表面は弾性変形を生じるのみであり、窪みKが生成されない。したがって、樹脂フィルム2に対してデータの書き込みは行われない。
【0028】
一方、データを樹脂フィルム2にデータを書き込む場合、図1(b)に示すように、太陽電池4に書き込み光Lwを、支持基板1及び樹脂フィルム2を介して照射させない場合、直列接続の結果として太陽電池4(シリコンPINフォトダイオードの直列接続)が電圧を発生せず、片持ち梁3の他端部が導電性基板6表面方向に対する変位を生じない。
そして、書き込み光Lwを照射させない状態にて、データを書き込まない場合と同様に、上記片持ち梁の変位量dと、樹脂フィルム2の対向面及び片持ち梁3が変位していない静止位置における刻印突起3aの頭頂部間の距離と、片持ち梁3が変位していない場合に樹脂フィルム2の表面に窪みKが生成される塑性変形の荷重となる距離と、を加算した変位量Dだけ、支持基板1を導電性基板6方向に変位させる。
このとき、片持ち梁3は、変位を生じていないため、片持ち梁3の刻印突起3aが、樹脂フィルム2表面に塑性変形を生じる荷重にて接触し、樹脂フィルム2表面は塑性変形を生じ、窪みKが生成される。したがって、樹脂フィルム2に対してデータの書き込みが行われる。
【0029】
・データの読み出し処理(図2)
本実施形態においては、データを樹脂フィルム2にデータを読み出す場合、図2(a)及び図2(b)に示すように、太陽電池4に書き込み光Lwの照射を行わず、支持基板1及び樹脂フィルム2を介して、読みだし光LRを照射させる。このとき、読みだし光LRを照射させた状態にて、樹脂フィルム2の対向面及び片持ち梁3が変位していない静止位置における刻印突起3aの頭頂部間の距離と、片持ち梁3が変位していない場合に樹脂フィルム2の表面に刻印突起3aが接触しても弾性変形の荷重となる距離と、を加算した変位量Gだけ、支持基板1を導電性基板6方向に変位させる。
【0030】
図2(a)に示すように、樹脂フィルム2表面にデータが書き込まれている(窪みKが形成されている)場合、窪みKに対して、刻印突起3aが挿入され、片持ち梁3の他端は変位しない。このため、照射された読みだし光LRは、反射ミラー7により反射光LRRとして、支持基板1平面に対して角度αの方向に出射される。
一方、図2(b)に示すように、樹脂フィルム2表面にデータが書き込まれていない(窪みKが形成されていない)場合、窪みKに対して、刻印突起3aが挿入されことがないため、片持ち梁3の他端は導電性基板6表面側に対して変位する。このため、照射された読みだし光LRは、データが書き込まれている場合と角度が異なる反射ミラー7により、反射光LRRとして、支持基板1平面に対して角度βの方向に出射される。
【0031】
そして、反射光LRRをCCD(電荷結合素子)などを用いて受光し、データの読み出しを行う。このとき、CCDの受光素子は、角度αの反射光LRRが入射され、角度βの反射光LRRが入射されない位置に配置することにより、データの有無の読みだし処理を行うことができる。
また、上記書き込み光Lwと読みだし光LRとは、樹脂フィルム2のデータの書き込み面に対して垂直に入射され、スポット径を片持ち梁3及び太陽電池4の形成領域に対応させて設定(例えば、100μm)してよく、読みだし光LRが照射された際に太陽電池3にて発電が起こり、電圧が発生しないように、異なった波長の光を用いる。
【0032】
例えば、シリコンPINフォトダイオードを使用する場合、波長が1.1μm以上であるとバンドギャップの幅から発電を行わないため、読み出しには赤外線を用い、発電に対しては可視光(620〜680μm)を用いるようにする。
また、読みだし光LRの波長を任意に設定し、太陽電池4の上部に読みだし光LRの波長を透過させないフィルタを形成するようにしても良い。
【0033】
上述したような処理により、データの書き込み及び読みだし処理を行うことができる。
図3に示すように、図1及び図2で説明したデータ書き込み/読みだしヘッドとしての片持ち梁3及び太陽電池4との単位ブロックを複数集積化し(図3においては5×5であるが、これに制限されるものではない)、全ての単位ブロックに書き込み光Lwまたは読みだし光LRを同時に照射させることにより、書き込み速度及び読みだし速度を向上させることができる。ここで、記録媒体200は、支持基板1と樹脂フィルム2とで形成されている。また、MEMS書き込み読みだしヘッドは、複数の上記単位ブロックから構成されている。
【0034】
図4を用いて、単位ブロックによる支持基板1と樹脂フィルム2とで形成された記録媒体200に対する書き込み及び読み出しのアクセスについて説明する。
メディア駆動MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)アクチュエータは、記録媒体200をz軸方向に上下させ、かつx軸方向及びy軸方向に移動させる。
ここで、樹脂フィルム2表面は、それぞれの単位ブロックにより書き込み及び読みだしが行われる単位書き込み領域に分割されている。すなわち、単位書き込み領域内の異なる位置に縦(列)及び横(行)のマトリクス状に複数のデータを書き込むことができ、マトリクスの位置がデータのアドレスに対応している。
【0035】
したがって、メディア駆動MEMSアクチュエータは、機械的な駆動により、各単位ブロックにおける刻印突起3aを、外部から与えられた書き込み位置の情報に対応して、所定の縦(列)及び横(行)のマトリクスのデータ書き込み位置に移動するように、記録媒体200を駆動させる。
プリズム8は、記録装置の高さを抑制するため、記録媒体200の上面に平行に入射してくる書き込み光Lw及び読みだし光LRを、樹脂フィルム2の書き込み面に対して垂直に入射するよう、光路を変更する。
また、書き込み時及び読み出し時において、樹脂フィルム2の書き込み面を、片持ち梁3における刻印突起3aの頭頂部に近づける変位の駆動も行う。
【0036】
図5(a)に、静電駆動アクチュエータの概念図を示す。X−Yステージ(メディア、すなわち記録媒体200)のx軸方向に垂直な2つの辺の一方が静電駆動アクチュエータ(メディア駆動MEMSアクチュエータ)に接続され、他方が板バネに接続されている。同様に、X−Yステージのy軸方向に垂直な2つの辺の一方が静電駆動アクチュエータに接続され、他方が板バネに接続されている。
そして、図5(b)に示すように、印加電圧に応じて、静電駆動アクチュエータの変位量が変化させることができる。図5(b)において、横軸が印加電圧(Applied Voltage,単位V)を示し、縦軸が印加電圧に対応した変位量(Displacement ,単位μm)
この印加電圧を各列(x軸方向)及び行(y軸方向)の変位量に対応して、予め設定しておくことにより、マトリクスにおける読み出したいデータの書き込み位置に移動させることができる。例えば、50Vの印加にて、X−Yステージを最大20μmの距離を変位させる駆動が可能である。
【0037】
次に、図6から図16を用いて、太陽電池4及び片持ち梁3の部分を形成するプロセスの一例について説明する。図6から図16は、各製造工程における太陽電池4及び片持ち梁3の部分の断面を示す概念図である。
図6に示すように、厚さ500μのP型シリコン基板100の上面に熱酸化あるいはCVD(化学気相成長法)等により、絶縁膜としてシリコン酸化膜101を形成する。
そして、上記シリコン酸化膜101の上面にエピタキシャル成長にて、P型シリコン層102を30μの厚さにて形成する。
【0038】
次に、P型シリコン層102上面にI(イントリンシリック)型(不純物の混入がない)シリコン層103を、エピタキシャル成長により、3μmの厚さに形成する。
そして、エピタキシャル成長にて、上記I型シリコン層103上部にN型シリコン層104を形成する。
次に、上記N型シリコン層104上部に、シリコン熱酸化膜105を形成し、このシリコン熱酸化膜105上にフォトレジストを塗布し、太陽電池4を形成するためのマスクにより、フォトリソグラフィを行い、レジストパターンを形成し、HFなどによりレジストパターンの開口部のシリコン熱酸化膜をエッチングする。
【0039】
そして、レジストを除去し、形成された酸化膜パターン(シリコン熱酸化膜105による)をマスクとして、等方性または異方性のシリコンのエッチングを行う。このエッチングは、シリコン酸化膜101表面が露出されるまで行われ、図7に示すように、シリコン酸化膜101上に形成された各太陽電池(フォトダイオード)が分離される。一端、熱酸化膜105をHFにより除去する。
そして、酸素雰囲気中にて、シリコンの熱酸化を行い、図8に示すように、シリコン熱酸化膜106を形成する。
【0040】
次に、図9に示すように、シリコン熱酸化膜106上にフォトレジスト(ポジレジスト)を塗布し、分離されている複数の太陽電池を直列に接続する配線のコンタクトを形成するマスクにより、フォトリソグラフィを行い、コンタクトのためのレジストパターンを形成する。
そして、形成されたレジストパターン107をマスクとして、シリコン熱酸化膜106のエッチングを行う。すなわち、図10に示すように、各太陽電池におけるアノードのP型シリコン層102と、カソードのN型シリコン層104とのコンタクト部分(アノードのコンタクト106A,カソードのコンタクト106B)の形成を行い、レジストパターン107をアセトンにより除去する。
【0041】
次に、片持ち梁3を形成する部分において、片持ち梁3と導電性基板6との間の所定の距離(例えば、1〜2μm)の空間を形成するため、図11に示すようにネガレジストのレジストパターン108を形成する。ネガレジストの場合、露光してパターンとした際、エッジがなだらかな斜面を形成するため、後の配線形成における断線を防止することができる。
ここで、塗布されたネガレジストの厚さが上記所定の距離に対応し、図1及び図2における絶縁膜5の厚さ、すなわち片持ち梁3が下部方向に駆動させる距離に対応している。
【0042】
ここで、図1及び図2においては、片持ち梁3をN型シリコン層102等の太陽電池のいずれかの層にて形成し、導電性基板6をP型シリコン基板100にて構成し、刻印突起部3aを該太陽電池のいずれかの層上に、図14に示す工程で形成しても良いし、また、上記片持ち梁3上にシリコン層をエピタキシャル成長させ、このシリコン層に対して、シリコン層の厚さに対応した径のレジストマスクを形成し、等方性のエッチングを行い、前端が尖った刻印突起部3aを、シリコン(例えば、P型シリコン層102)にて形成しても良い。また、片持ち梁3及び導電性基板6との空隙は、片持ち梁3直下のシリコン酸化膜101(絶縁膜5)を、等方性エッチング等を用いて形成する。この際、シリコン酸化膜101は片持ち梁3を下部方向に駆動する距離に対応して設定する。そして、刻印突起部3aが形成された面にAlなどの金属膜を形成し、反射ミラー7を形成している。
【0043】
しかしながら、図6から図16による本実施形態のプロセスにおいて形成される構成においては、片持ち梁3を太陽電池の接続するために形成する金属膜にて形成し、導電性基板6を、太陽電池を形成する半導体層(102,103,104)を用い、これら全てを接地電位として用いている。片持ち梁3と導電性基板6と間には、空間とシリコン熱酸化膜106とが介挿されているが、シリコン酸化膜106の厚さが空間の距離に比較して薄いため、片持ち梁3と導電性基板6と間の誘電率を、ほぼ空気の誘電率として考えることができる。
【0044】
そして、全面にCr(300nm)/Al(200nm)からなる配線の金属膜を形成し、の膜を形成し、配線金属膜の上にフォトレジストを塗布し、太陽電池を電気的に接続して太陽電池4を形成する金属配線及び片持ち梁3の稼動部(静電駆動における稼動量に対応する弾性を持たせるための幅及び長さ対応させる)を形成するためのマスクにより、フォトリソグラフィを行い、形成されたレジストパターンをマスクとして、配線金属のエッチングを行い、図12に示すように、配線パターン109及び片持ち梁3を形成する。
これにより、分離されている太陽電池のカソードとアノードとを各々接続させ、複数の太陽電池がコンタクト106A及びコンタクト106Bを介して、配線パターン109により太陽電池のアノードが他の太陽電池のカソードに接続され、各太陽電池が直列に接続された太陽電池4が形成される。
【0045】
次に、配線パターン109等の上部にポジレジストを形成し、刻印突起部3aを形成するためのマスクにより、フォトリソグラフィを行い、レジストパターン110を形成する。図13に示すように、刻印突起部3aを形成する部分に開口部110hが形成されている。
そして、図14に示すように、レジストパターン110上部にAu(またはAl)を蒸着させ、金属膜(例えばアルミ層)111を形成する。これにより、開口部110hの径を調整することにより、高さを制御して、先端の尖った刻印突起部3aがAu(またはAl)によって形成される。
【0046】
次に、図15に示すように、アセトンにてレジストパターン110を除去することにより、リフトオフプロセスとして、刻印突起部3a以外のAu(またはAl)の金属膜111が、レジストパターン110と共に除去される。
そして、図16に示すように、ネガレジストのレジストパターン108を、酸素プラズマによるアッシングにより除去することで、片持ち梁3が、配線パターン109と一体となり形成され、太陽電池4のアノードに接続され、片持ち梁3と酸化膜107との間には、ネガレジストのパターン108の厚さ分の空間が形成され、静電駆動型のアクチュエータが形成される。
【0047】
そして、本プロセスにより製作される構成において、片持ち梁3の上部表面自体が反射ミラー7となり、図1におけるMEMS書き込み読みだしヘッドが製作される。
また、上述した図1及び図2、図6から図16のプロセスにて形成した片持ち梁は太陽電池4におけるフォトダイオードのアノードに接続されているが、フォトダイオードのカソードに接続するように形成しても良い。
また、図6から図16のプロセスに形成したフォトダイオードは、P型シリコン層102/I型シリコン層103/N型不純物層104の順にシリコン酸化膜101上に形成されているが、P型シリコン層10N型不純物層104/I型シリコン層103/P型シリコン層102の順に形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
上述した実施形態においては、記憶装置の書き込み用として、片持ち梁3からなるアクチュエータと太陽電池4とを同一半導体基板上に形成した構造及びプロセスを説明した。
しかしながら、本実施形態における太陽電池とアクチュエータとを同一基板に形成する技術は、片持ち梁3のみでなく、広く中空支持構造体(サスペンディッド・ストラクチャ)を用いた構成に用いることができる。
ここで、中空支持構造体(サスペンディッド・ストラクチャ)とは、弾性体を介して中空に支持された機械構造体のことであり、例えば、例えば、曲がり梁、捻りバネによる機械構造体などが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施形態の記憶装置における1ビットの書き込み/読み出しを行うMEMS書き込み読みだしヘッドの単位ブロックの断面の構造を示す概念図である(データの書き込み時の説明)。
【図2】本発明の一実施形態の記憶装置における1ビットの書き込み/読み出しを行うMEMS書き込み読みだしヘッドの単位ブロックの断面の構造を示す概念図である(データの読み出し時の説明)。
【図3】本実施形態における書き込み/読みだしヘッドとしての片持ち梁3及び太陽電池4とのブロックを複数集積化した構成の概念図である。
【図4】支持基板1と樹脂フィルム2とで形成された記録媒体200に対する書き込み及び読み出しのアクセスを行う本実施形態による記憶装置の概念図である。
【図5】本実施形態における静電駆動アクチュエータの動作を説明する図である。
【図6】太陽電池の製造工程における太陽電池4及び片持ち梁3の部分の断面を示す概念図である。
【図7】太陽電池の製造工程における太陽電池4及び片持ち梁3の部分の断面を示す概念図である。
【図8】太陽電池の直列接続を行う工程における太陽電池4及び片持ち梁3の部分の断面を示す概念図である。
【図9】太陽電池の直列接続を行う工程における太陽電池4及び片持ち梁3の部分の断面を示す概念図である。
【図10】太陽電池の直列接続を行う工程における太陽電池4及び片持ち梁3の部分の断面を示す概念図である。
【図11】太陽電池の直列接続を行う工程における太陽電池4及び片持ち梁3の部分の断面を示す概念図である。
【図12】太陽電池の直列接続を行う工程における太陽電池4及び片持ち梁3の部分の断面を示す概念図である。
【図13】刻印突起3aを形成する工程における太陽電池4及び片持ち梁3の部分の断面を示す概念図である。
【図14】刻印突起3aを形成する工程における太陽電池4及び片持ち梁3の部分の断面を示す概念図である。
【図15】片持ち梁3を形成する工程における太陽電池4及び片持ち梁3の部分の断面を示す概念図である。
【図16】片持ち梁3を形成する工程における太陽電池4及び片持ち梁3の部分の断面を示す概念図である。
【図17】従来例によるMEMS技術を用いた、バイメタル特性を有するカンチレバーによる記憶装置の構成を示す概念図である。
【符号の説明】
【0050】
1…支持基板
2…樹脂フィルム
3…片持ち梁
3a…刻印突起
3b…表面(片持ち梁3の表面)
4…太陽電池
5…絶縁膜(シリコン酸化膜101)
6…導電性基板(P型シリコン基板)
7…反射ミラー
8…プリズム
100…P型シリコン基板
101,108…シリコン酸化膜
102…P型シリコン層
103…I型シリコン層
104…N型不純物層
105,106…シリコン熱酸化膜
107,108,110…レジストパターン
109…配線パターン
111…アルミ層
200…記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
該基板上に形成された太陽電池と、
該基板上に形成され、前記太陽電池の一方の電源出力端子に接続された中空支持構造体及び前記基板上の導体部から形成された静電駆動アクチュエータと
を有することを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】
前記中空支持構造体が前記太陽電池の電源出力端子と同一の部材の層で形成されていることを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
【請求項3】
支持基板に対し、該支持基板表面と平行となるよう一端が固定され、固定されていない側の端部近傍の表面に先端が急峻な突起を有し、静電型アクチュエータとして構成された片持ち梁と、
前記片持ち梁の前記表面に設けられた反射ミラーと、
該片持ち梁の突起と対向して設けられた記録フィルムと
を有し、
データの書き込みを前記突起にフィルム表面を押しつけ、該表面に窪みを形成することで行い、データの読み出しを前記突起に記録フィルム表面を押しつけ、窪みに先端が入ると前記反射ミラーの角度が変化せず、窪みに先端が入らないと前記片持ち梁が変形し、入射される読み出し光を反射する際、前記反射ミラーの角度が変化し、所定の角度における読み出し光の反射の有無により行うことを特徴とする記憶装置。
【請求項4】
データの書き込みを行う際、塑性変形が起こる荷重により、前記突起を記録フィルム表面に押しつけ、データの読み出しを行う際、弾性変形が起こる荷重により、前記突起を記録フィルム表面に押し付けることを特徴とする請求項3記載の記憶装置。
【請求項5】
前記記録フィルム表面を前記先端に押しつけて、データの書き込みを行う際に、データを書き込まない片持ち梁に電圧を印加させ、記録フィルム表面に接触しない位置に先端が記録フィルム表面から離れる方向に片持ち梁を変形させることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の記憶装置。
【請求項6】
片持ち梁毎に、該片持ち梁に対して印加する書き込み電圧を生成する太陽電池が設けられており、該太陽電池に書き込み光を供給するか否かにより、書き込み電圧の生成を制御することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の記憶装置。
【請求項7】
前記書き込み光の波長と読み出し光の波長とが異なり、読み出し光として前記太陽電池が発電しない波長の光を用いることを特徴とする請求項6記載の記憶装置。
【請求項8】
前記太陽電池が前記支持基板に対して直列接続され、前記片持ち梁の一端が前記太陽電池の直列接続の終端に固定層されていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の記憶装置。
【請求項9】
前記片持ち梁が前記太陽電池の形成層の一部にて形成されることで、太陽電池にて固定されていることを特徴とする請求項8に記載の記憶装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−334132(P2007−334132A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−167554(P2006−167554)
【出願日】平成18年6月16日(2006.6.16)
【出願人】(591243103)財団法人神奈川科学技術アカデミー (271)
【Fターム(参考)】