説明

アクティブタグ通信方法およびアクティブタグ通信システム

【課題】高速移動に対応するために送信周期を短くする必要があるアクティブタグ通信システムにおいて、タグの消費電力を低減することにより送信回数が増えても長期間使用を可能にする。
【解決手段】所定の送信周期で無線フレームを送信するタグ10と、タグ10から送信された無線フレームを受信するリーダ20とを備え、固定配置のタグ10と移動するリーダ20との間で通信を行うアクティブタグ通信方法において、タグ10の無線フレームは、当該タグ10を特定するIDデータを含まない構成であり、リーダ20は、タグ10の位置情報とIDデータとを対応付けて記憶する記憶手段を備え、所定の位置情報検出手段を用いて検出されるリーダ20の位置情報に基づいて記憶手段を参照し、当該位置情報に対応するIDデータを取得し、無線フレームを送信したタグ10を特定して当該無線フレームを受信処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクティブタグの省電力化のためのアクティブタグ通信方法およびアクティブタグ通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
アクティブタグ通信システムは、電源を有するタグと、当該タグから送信されるIDやセンサ情報を受信するリーダとにより構成される(非特許文献1)。電源を有するタグから電波を送信することにより、例えば10〜100 m程度の長距離通信が可能となり、利用範囲が大きく広がっている。
【0003】
従来のアクティブタグ通信システムは、例えば物品管理のために静止状態での通信またはベルトコンベアなどの低速移動中での通信を想定し、タグの送信周期は例えば数十秒以上に設定されることが多かった。しかし、タグまたはリーダの少なくとも一方が例えば車両に搭載されて時速数十kmと高速で移動するアクティブタグ通信システムでは、リーダとタグが限られた通信圏内で通信を行うために、タグの送信周期を短くする必要がある。しかし、電池を電源とするタグの送信周期を短くすると、送信回数が増えて電池寿命が短くなり長期間使用できなくなる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】阪田史郎、嶋本薫編著、「無線通信技術大全」、pp.349-354、株式会社リックテレコム、2007年2月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
タグの消費電流は、待機状態で数〜数十μA程度であるが、信号送信時には数〜数十mAである。よって、信号送信時の消費電流を抑えることにより省電力化を実現する方法も検討されているが、現状では消費電流を数μAオーダまで低減する技術は実現していない。
【0006】
本発明は、高速移動に対応するために送信周期を短くする必要があるアクティブタグ通信システムにおいて、タグの消費電力を低減することにより送信回数が増えても長期間使用を可能にするアクティブタグ通信方法およびアクティブタグ通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、所定の送信周期で無線フレームを送信するタグと、タグから送信された無線フレームを受信するリーダとを備え、固定配置のタグと移動するリーダとの間で通信を行うアクティブタグ通信方法において、タグの無線フレームは、当該タグを特定するIDデータを含まない構成であり、リーダは、タグの位置情報とIDデータとを対応付けて記憶する記憶手段を備え、所定の位置情報検出手段を用いて検出されるリーダの位置情報に基づいて記憶手段を参照し、当該位置情報に対応するIDデータを取得し、無線フレームを送信したタグを特定して当該無線フレームを受信処理する。
【0008】
第2の発明は、所定の送信周期で無線フレームを送信するタグと、タグから送信された無線フレームを受信するリーダとを備え、固定配置のタグと移動するリーダとの間で通信を行うアクティブタグ通信方法において、タグの無線フレームは、隣接する少数のタグを識別する数ビット以下の簡易IDデータを含む構成であり、リーダは、タグの位置情報と簡易IDデータとタグを特定するIDデータとを対応付けて記憶する記憶手段を備え、所定の位置情報検出手段を用いて検出されるリーダの位置情報および受信した無線フレームの簡易IDデータに基づいて記憶手段を参照し、当該位置情報および簡易IDデータに対応するIDデータを取得し、無線フレームを送信したタグを特定して当該無線フレームを受信処理する。
【0009】
第1の発明または第2の発明におけるアクティブタグ通信方法において、所定の位置情報検出手段は、GPS信号の受信によりリーダの位置情報を検出する。
【0010】
第3の発明は、所定の送信周期で無線フレームを送信するタグと、タグから送信された無線フレームを受信するリーダとを備え、固定配置のタグと移動するリーダとの間で通信を行うアクティブタグ通信方法において、タグの無線フレームは、当該タグを特定するIDデータを含まない構成であり、タグの近傍に配置されるID通知用タグからタグのIDデータを含むID通知用無線フレームを送信し、リーダは、タグから送信される無線フレームとID通知用タグから送信されるID通知用無線フレームとを受信し、ID通知用無線フレームからIDデータを取得し、無線フレームを送信したタグを特定して当該無線フレームを受信処理する。
【0011】
第4の発明は、所定の送信周期で無線フレームを送信するタグと、タグから送信された無線フレームを受信するリーダとを備え、固定配置のタグと移動するリーダとの間で通信を行うアクティブタグ通信システムにおいて、タグは、当該タグを特定するIDデータを含まない無線フレームを送信する構成であり、リーダは、タグの位置情報とIDデータとを対応付けて記憶する記憶手段と、所定の位置情報検出手段を用いて検出されるリーダの位置情報に基づいて記憶手段を参照し、当該位置情報に対応するIDデータを取得し、無線フレームを送信したタグを特定して当該無線フレームを受信処理する処理手段とを備える。
【0012】
第5の発明は、所定の送信周期で無線フレームを送信するタグと、タグから送信された無線フレームを受信するリーダとを備え、固定配置のタグと移動するリーダとの間で通信を行うアクティブタグ通信システムにおいて、タグは、隣接する少数のタグを識別する数ビット以下の簡易IDデータを含む無線フレームを送信する構成であり、リーダは、タグの位置情報と簡易IDデータとタグを特定するIDデータとを対応付けて記憶する記憶手段と、所定の位置情報検出手段を用いて検出されるリーダの位置情報および受信した無線フレームの簡易IDデータに基づいて記憶手段を参照し、当該位置情報および簡易IDデータに対応するIDデータを取得し、無線フレームを送信したタグを特定して当該無線フレームを受信処理する処理手段とを備える。
【0013】
第4の発明または第5の発明のアクティブタグ通信システムにおいて、所定の位置情報検出手段は、GPS信号の受信によりリーダの位置情報を検出する構成である。
【0014】
第6の発明は、所定の送信周期で無線フレームを送信するタグと、タグから送信された無線フレームを受信するリーダとを備え、固定配置のタグと移動するリーダとの間で通信を行うアクティブタグ通信システムにおいて、タグは、当該タグを特定するIDデータを含まない無線フレームを送信する構成であり、タグの近傍に配置され、タグのIDデータを含むID通知用無線フレームを送信するID通知用タグを備え、リーダは、タグから送信される無線フレームとID通知用タグから送信されるID通知用無線フレームとを受信し、ID通知用無線フレームからIDデータを取得し、無線フレームを送信したタグを特定して当該無線フレームを受信処理する処理手段を備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、タグとリーダとの間で送受信される無線フレームから、タグを特定するIDデータを全部または一部削除することによりフレーム長を短縮し、送信時間の短縮によって信号送信時の消費電力を低減する。これにより、電池を内蔵するタグの使用期間を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のアクティブタグ通信システムの実施例1の構成例を示す図である。
【図2】実施例1の無線フレームのフレームフォーマットの一例を示す図である。
【図3】実施例1のタグ10およびリーダ20の構成例を示す図である。
【図4】本発明のアクティブタグ通信システムの実施例2の構成例を示す図である。
【図5】実施例2の無線フレームのフレームフォーマットの一例を示す図である。
【図6】本発明のアクティブタグ通信システムの実施例3の構成例を示す図である。
【図7】実施例3の無線フレームのフレームフォーマットの一例を示す図である。
【図8】実施例3のデータ通信用のタグ10、ID通知用タグ40およびリーダ20の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明のアクティブタグ通信システムの実施例1の構成例を示す。
図1において、実施例1のアクティブタグ通信システムは、道路のマンホール1に設置されるタグ10と、道路を走行する車両2に搭載されるリーダ20およびGPS装置30により構成される。道路のマンホール1に設置されるタグ10は、マンホール1内のセンサ3が収集したデータを無線フレームとして所定の送信周期で送信する。一方、道路を走行する車両2に搭載したリーダ20は当該無線フレームを受信し、センサ3が収集したデータを取得する。
【0018】
ここで、タグ10とリーダ20の通信範囲をタグ10から例えば半径10mとし、車両2の走行速度を例えば60km/時(16.7m/秒)とすると、当該通信範囲の20mを車両2が走行中に、タグ10が送信する無線フレームをリーダ20が受信するためには、無線フレームの送信周期は約1秒よりも短く設定する必要がある。
【0019】
本発明は、このような送信周期を維持しなからタグ10の消費電力を低減するために、タグ10が送信する無線フレームのフレーム長を短縮することにより送信時間を短縮し、信号送信時の消費電力を低減することを特徴とする。
【0020】
実施例1では、リーダ20がGPS装置30で得られる車両2の位置情報から車両付近のタグ10を特定する。すなわち、リーダ20は、タグ10の位置情報とIDデータを対応付けるテーブルを有し、当該テーブルを参照してGPS装置30から入力する位置情報からタグ10のIDデータを特定し、受信した無線フレームとタグを対応付ける。これにより、タグ10が送信する無線フレームからIDデータの省略が可能になり、フレーム長の短縮によって信号送信時の消費電力を低減することができる。
【0021】
なお、リーダ20が位置情報を取得する手段は、GPS信号を用いるGPS装置30に限らず、同等の位置特定精度を有する位置情報検出手段があればそれでもよい。以下に示す実施例2においても同様である。
【0022】
図2は、実施例1の無線フレームのフレームフォーマットの一例を示す。
図2において、従来のフレームフォーマットは、プリアンブル1バイト、IDデータ4バイト、センサデータ1バイト、EOF(誤り検出)1バイトの合計7バイト(56ビット)である。実施例1のフレームフォーマットは、IDデータ領域を削除し、プリアンブル1バイト、センサデータ1バイト、EOF(誤り検出)1バイトの合計3バイト(24ビット)である。タグ10とリーダ20との間の伝送速度が2400bps であれば、フレーム長を7バイトから3バイトに短くすることにより、送信時間を23.3m秒から10m秒に大幅に短縮し、タグ10の信号送信時の消費電力を低減することができる。
【0023】
図3は、実施例1のタグ10およびリーダ20の構成例を示す。
図3において、タグ10は、センサ3から入力するデータを処理し、無線フレームを生成するデータ処理部11と、無線フレームを所定の送信周期で送信する送信部12とを備える。この無線フレームのIDデータは図2に示すように削除されており、通常はどのタグから送信されたものかリーダ20は判別できない。
【0024】
リーダ20は、GPS装置30から位置情報を入力する位置特定部21と、タグ10の位置情報とIDデータを対応付けて記憶している記憶部22と、位置特定部21で得られた位置情報に基づいて記憶部22を参照し、当該位置情報に対応するタグのIDデータを判定するタグID判定部23と、タグ10から送信された無線フレームを受信する受信部24と、タグID判定部23で判定されたタグのIDデータに基づいて受信部24に受信した無線フレームのセンサデータを当該タグから送信されたものとして処理するデータ処理部25とを備える。
【実施例2】
【0025】
実施例1は、GPSの位置特定精度(例えば数m)に対して、隣接するタグの間隔が十分に離れている場合(例えば数十m)のように、GPSの位置情報から1つのタグが特定できる場合に適用される。一方、GPSの位置特定精度とタグの間隔の関係が逆であれば、GPSの位置情報からタグを一意に特定できないことになる。実施例2は、このような状況に対応するために、GPSの位置情報と各タグの簡易IDデータを補完的に利用することにより、IDデータの短縮によってフレーム長を短縮することを特徴とする。
【0026】
図4は、本発明のアクティブタグ通信システムの実施例2の構成例を示す。
図4において、実施例2のアクティブタグ通信システムは、道路のマンホール1Aに設置されるタグ10Aと、マンホール1Bに設置されるタグ10Bと、道路を走行する車両2に搭載されるリーダ20およびGPS装置30により構成される。タグ10A,10Bは、それぞれセンサ3A,3Bが収集したデータを送信し、リーダ20は各無線フレームを受信してセンサ3A,3Bが収集したデータを取得する。ここで、タグ10A,10BがGPSの位置特定精度に比べて近接しており、GPSの位置情報からはタグ10A,10Bを区別できないものとする。
【0027】
タグ10A,10Bからそれぞれ送信される無線フレームのフレームフォーマットは、図5に示すように、簡易IDデータとして2つのタグを識別するための1ビットを割り当て、プリアンブル1バイト、センサデータ1バイト、EOF(誤り検出)1バイトを合せて25ビットとする。
【0028】
実施例2では、リーダ20は、タグ10A,10Bの位置情報と、1ビットの簡易IDデータと、タグを特定する本来のIDデータを対応付けるテーブルを有し、当該テーブルを参照してGPS装置30から入力する位置情報と受信フレームの簡易IDデータからタグ10A,10Bの本来のIDデータを特定し、受信フレームとタグを対応付ける。これにより、タグ10A,10Bが送信する無線フレームのIDデータを32ビットから1ビットの簡易IDデータに短縮可能になり、フレーム長の短縮によって信号送信時の消費電力を低減することができる。
【0029】
なお、GPSの位置特定精度に対して近接しているタグが3以上ある場合には、それらを識別できる簡易IDデータのビット数を割り当てればよい。ただし、従来のようにIDデータとして32ビットは必要なく、当該タグが4以下であれば2ビットでよく、フレーム長の短縮効果は極めて大きい。
【0030】
また、複数のタグが近接している場合には、それらのタグから送信された無線フレームが衝突してリーダが受信できない場合が考えられる。しかし、タグとリーダとの間の伝送速度が2400bps でフレーム長が25ビットであれば、送受信時間は10m秒程度であるため、各タグが 100m秒間隔で送信したとして衝突確率は約1/10程度である。また、衝突が起こったとしても、送信間隔をある範囲でランダムに拡散する衝突回避機能により、2回以上連続して受信が失敗する確率は非常に低い。
【0031】
実施例2のタグ10およびリーダ20の構成は、図3に示す実施例1のものと基本的に同じであるが、次の点が異なる。タグ10のデータ処理部11は、簡易IDデータを含めて無線フレームを形成する。リーダ20の記憶部22は、タグ10の位置情報と、簡易IDデータと、本来のIDデータを対応付けて記憶する。リーダ20のデータ処理部25は、受信した無線フレームから得られた簡易IDデータをタグID判定部23に通知し、タグID判定部23は位置特定部21で得られた位置情報と受信した無線フレームから得られた簡易IDデータに基づいて記憶部22を参照し、タグの本来のIDデータを判定する。データ処理部25は、タグID判定部23で判定されたタグのIDデータに基づいて、受信部24に受信した無線フレームのセンサデータを当該タグから送信されたものとして処理する。
【実施例3】
【0032】
実施例1,2は、GPSの位置情報を利用してタグを特定することにより、無線フレームのIDデータを全部または一部削除してフレーム長を短縮可能にしたものである。実施例3は、GPSの位置情報を利用する代わりにID通知用タグとデータ通信用のタグを設置し、両タグからそれぞれ送信される各無線フレームをリーダが受信することを特徴とする。
【0033】
図6は、本発明のアクティブタグ通信システムの実施例3の構成例を示す。
図6において、実施例3のアクティブタグ通信システムは、道路のマンホール1に設置されるデータ通信用のタグ10およびマンホール1の近辺の地面に設置されるID通知用タグ40と、道路を走行する車両2に搭載されるリーダ20により構成される。データ通信用のタグ10から送信される無線フレームのフレームフォーマットは、実施例1と同様にIDデータ領域を削除し、プリアンブル1バイト、センサデータ1バイト、EOF(誤り検出)1バイトを合せて3バイト(24ビット)である。したがって、データ通信用のタグ10では、フレーム長の短縮によって信号送信時の消費電力を低減することができる。
【0034】
一方、ID通知用タグ40から送信される無線フレームのフレームフォーマットは、図7に示すように、プリアンブル1バイト、IDデータ4バイト、EOF(誤り検出)1バイトの合計6バイト(48ビット)である。したがって、従来の無線フレームに比べてフレーム長の短縮効果は小さいが、ID通知用タグ40を地面に設置することにより、送信電力を下げてもマンホール1内のタグ10と同等の通信距離を確保することができる。これにより、ID通知用タグ40における信号送信時の消費電力を低減することができ、データ通信用のタグ10の消費電力と合せても、従来のタグにおける消費電力よりも低減することができる。
【0035】
また、本実施例のID通知用タグ40は地面に設置されるため、マンホール1内に設置されるデータ通信用のタグ10に比べて電池交換作業が容易である。すなわち、マンホール1内で電池交換が容易でないデータ通信用のタグ10の消費電力を削減できることは、実施例1と同様に極めて大きな効果といえる。
【0036】
図8は、実施例3のデータ通信用のタグ10、ID通知用タグ40およびリーダ20の構成例を示す。
図8において、データ通信用のタグ10は、センサ3から入力するデータを処理し、無線フレームを生成するデータ処理部11と、無線フレームを所定の送信周期で送信する送信部12とを備える。この無線フレームのIDデータは図7に示すように削除されており、通常はどのタグから送信されたものかリーダ20は判別できない。
【0037】
ID通知用タグ40は、プリアンブル1バイト、IDデータ4バイト、EOF(誤り検出)1バイトの合計6バイト(48ビット)の無線フレームを生成するデータ処理部41と、無線フレームを所定の送信周期で送信する送信部42とを備える。なお、データ通信用のタグ10から送信される無線フレームの送信周期と、ID通知用タグ40から送信される無線フレームの送信周期は同じであることが好ましいが、必ずしも同期している必要はない。
【0038】
リーダ20は、データ通信用のタグ10から送信された無線フレームを受信する受信部24と、ID通知用タグ40から送信された無線フレームを受信する受信部26を備える。なお、データ通信用のタグ10から送信された無線フレームはID通知用タグ40から送信された無線フレームは、例えば異なる周波数に設定することにより識別される。データ処理部25は、受信部26に受信した無線フレームを処理してID通知用タグ40から通知されたタグのIDデータを取得し、当該タグのIDデータに基づいて受信部24に受信した無線フレームのセンサデータを当該タグから送信されたものとして処理する。
【符号の説明】
【0039】
1 マンホール
2 車両
3 センサ
10 タグ
11 データ処理部
12 送信部
20 リーダ
21 位置特定部
22 記憶部
23 タグID判定部
24 受信部
25 データ処理部
26 受信部
30 GPS装置
40 ID通知用タグ
41 データ処理部
42 送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の送信周期で無線フレームを送信するタグと、前記タグから送信された無線フレームを受信するリーダとを備え、固定配置の前記タグと移動する前記リーダとの間で通信を行うアクティブタグ通信方法において、
前記タグの無線フレームは、当該タグを特定するIDデータを含まない構成であり、
前記リーダは、前記タグの位置情報と前記IDデータとを対応付けて記憶する記憶手段を備え、所定の位置情報検出手段を用いて検出されるリーダの位置情報に基づいて前記記憶手段を参照し、当該位置情報に対応する前記IDデータを取得し、前記無線フレームを送信したタグを特定して当該無線フレームを受信処理する
ことを特徴とするアクティブタグ通信方法。
【請求項2】
所定の送信周期で無線フレームを送信するタグと、前記タグから送信された無線フレームを受信するリーダとを備え、固定配置の前記タグと移動する前記リーダとの間で通信を行うアクティブタグ通信方法において、
前記タグの無線フレームは、隣接する少数のタグを識別する数ビット以下の簡易IDデータを含む構成であり、
前記リーダは、前記タグの位置情報と前記簡易IDデータと前記タグを特定するIDデータとを対応付けて記憶する記憶手段を備え、所定の位置情報検出手段を用いて検出されるリーダの位置情報および受信した前記無線フレームの簡易IDデータに基づいて前記記憶手段を参照し、当該位置情報および簡易IDデータに対応する前記IDデータを取得し、前記無線フレームを送信したタグを特定して当該無線フレームを受信処理する
ことを特徴とするアクティブタグ通信方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のアクティブタグ通信方法において、
前記所定の位置情報検出手段は、GPS信号の受信により前記リーダの位置情報を検出することを特徴とするアクティブタグ通信方法。
【請求項4】
所定の送信周期で無線フレームを送信するタグと、前記タグから送信された無線フレームを受信するリーダとを備え、固定配置の前記タグと移動する前記リーダとの間で通信を行うアクティブタグ通信方法において、
前記タグの無線フレームは、当該タグを特定するIDデータを含まない構成であり、
前記タグの近傍に配置されるID通知用タグから前記タグのIDデータを含むID通知用無線フレームを送信し、
前記リーダは、前記タグから送信される無線フレームと前記ID通知用タグから送信されるID通知用無線フレームとを受信し、前記ID通知用無線フレームから前記IDデータを取得し、前記無線フレームを送信したタグを特定して当該無線フレームを受信処理する
ことを特徴とするアクティブタグ通信方法。
【請求項5】
所定の送信周期で無線フレームを送信するタグと、前記タグから送信された無線フレームを受信するリーダとを備え、固定配置の前記タグと移動する前記リーダとの間で通信を行うアクティブタグ通信システムにおいて、
前記タグは、当該タグを特定するIDデータを含まない無線フレームを送信する構成であり、
前記リーダは、前記タグの位置情報と前記IDデータとを対応付けて記憶する記憶手段と、所定の位置情報検出手段を用いて検出されるリーダの位置情報に基づいて前記記憶手段を参照し、当該位置情報に対応する前記IDデータを取得し、前記無線フレームを送信したタグを特定して当該無線フレームを受信処理する処理手段とを備えた
ことを特徴とするアクティブタグ通信システム。
【請求項6】
所定の送信周期で無線フレームを送信するタグと、前記タグから送信された無線フレームを受信するリーダとを備え、固定配置の前記タグと移動する前記リーダとの間で通信を行うアクティブタグ通信システムにおいて、
前記タグは、隣接する少数のタグを識別する数ビット以下の簡易IDデータを含む無線フレームを送信する構成であり、
前記リーダは、前記タグの位置情報と前記簡易IDデータと前記タグを特定するIDデータとを対応付けて記憶する記憶手段と、所定の位置情報検出手段を用いて検出されるリーダの位置情報および受信した前記無線フレームの簡易IDデータに基づいて前記記憶手段を参照し、当該位置情報および簡易IDデータに対応する前記IDデータを取得し、前記無線フレームを送信したタグを特定して当該無線フレームを受信処理する処理手段とを備えた
ことを特徴とするアクティブタグ通信システム。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載のアクティブタグ通信システムにおいて、
前記所定の位置情報検出手段は、GPS信号の受信により前記リーダの位置情報を検出する構成である
ことを特徴とするアクティブタグ通信システム。
【請求項8】
所定の送信周期で無線フレームを送信するタグと、前記タグから送信された無線フレームを受信するリーダとを備え、固定配置の前記タグと移動する前記リーダとの間で通信を行うアクティブタグ通信システムにおいて、
前記タグは、当該タグを特定するIDデータを含まない無線フレームを送信する構成であり、
前記タグの近傍に配置され、前記タグのIDデータを含むID通知用無線フレームを送信するID通知用タグを備え、
前記リーダは、前記タグから送信される無線フレームと前記ID通知用タグから送信されるID通知用無線フレームとを受信し、前記ID通知用無線フレームから前記IDデータを取得し、前記無線フレームを送信したタグを特定して当該無線フレームを受信処理する処理手段を備えた
ことを特徴とするアクティブタグ通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−124657(P2012−124657A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−272595(P2010−272595)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】