説明

アクティブマトリクスディスプレイ回路の駆動方法および表示システム

アクティブマトリクスディスプレイの駆動方法およびシステムが提案される。このシステムは、発光デバイス(102)を有する画素駆動回路を備える。駆動回路は、発光デバイス(102)を駆動するための駆動トランジスタ(106)を備える。システムは、駆動トランジスタ(106)のゲート電圧を調整するための機構を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光デバイスに関し、より詳しくは、発光デバイスを備える画素回路を駆動するための方法と表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
(関連出願の相互参照)
本願は、2006年1月9日出願のカナダ特許出願第2,535,233号と2006年6月27日出願のカナダ特許出願第2,551,237号の優先権を主張するものであり、両カナダ出願を引用により本願に援用する。
【0003】
エレクトロルミナンスディスプレイは、携帯電話をはじめとするさまざまなデバイスのために開発されてきた。特に、アモルファスシリコン(a−Si),ポリシリコン、有機またはその他の駆動バックプレーンを備えるアクティブマトリクス有機発光ダイオード(AMOLED)ディスプレイは、実現可能な柔軟ディスプレイ、低い製造コスト、高い解像度、広い視野角等の利点により、人気が高まっている。
【0004】
AMOLEDディスプレイは行と列のアレイに配列された画素を備え、各画素はその行と列のアレイに配置された有機発光ダイオード(OLED)とバックプレーン電子装置を備える。OLEDは電流駆動デバイスであるため、AMOLEDの画素回路は正確で一定した駆動電流を供給することができる。
【0005】
高い精度で一定した明るさを実現し、画素回路の経年劣化(aging)の影響とバックプレーンおよび発光デバイスの不安定性を軽減することができる方法とシステムを提供することが求められている。
【0006】
本発明の目的は、既存のシステムの欠点の少なくとも1つを防止または軽減する方法とシステムを提供することである。
【0007】
【特許文献1】カナダ特許出願第2,535,233号
【特許文献2】カナダ特許出願第2,551,237号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの態様によれば、発光デバイスを有する画素のための駆動回路を備える表示システムが提供される。駆動回路は、発光デバイスに接続された駆動トランジスタを備える。駆動トランジスタは、ゲート端子と第一の端子と第二の端子を有する。駆動回路は、ゲート端子と第一の端子と第二の端子を有する第一のトランジスタを備え、第一のトランジスタのゲート端子は選択線に接続され、第一のトランジスタの第一の端子はデータ線に接続され、第一のトランジスタの第二の端子は駆動トランジスタのゲート端子に接続される。駆動回路は、駆動トランジスタのゲート電圧を調整するための回路を備え、この回路は、ゲート端子と第一の端子と第二の端子を有する放電トランジスタを備え、放電トランジスタのゲート端子はノードにおいて駆動トランジスタのゲート端子に接続され、ノードの電圧は放電トランジスタを通じて放電される。駆動回路は、第一の端子と第二の端子を有する蓄積コンデンサを備え、蓄積コンデンサの第一の端子は上記のノードにおいて駆動トランジスタのゲート端子に接続される。
【0009】
表示システムは行と列に配置され、各々が駆動回路を持つ複数の画素回路を有する表示アレイと、表示アレイを駆動するためのドライバを備える。第二のトランジスタのゲート端子はバイアス線に接続される。バイアス線は、複数の画素回路の中の2つ以上の画素回路によって共有される。
【0010】
本発明の別の態様によれば、表示システムのための方法が提供される。表示システムは、各行のプログラミングサイクルと補償サイクルと駆動サイクルを提供するドライバを備える。この方法は、第一の行のためのプログラミングサイクルにおいて、第一の行のためのアドレス線を選択するステップと、第一の行にプログラミングデータを供給するステップと、第一の行のための補償サイクルにおいて、第一の行に隣接する第二の行のための隣接アドレス線を選択するステップと、第一の行のためのアドレス線を無効にする(disenable)ステップと、第一の行のための駆動サイクルにおいて、隣接アドレス線を無効にするステップとを含む。
【0011】
本発明のまた別の態様によれば、1つまたは2つ以上の画素回路を備え、画素回路の各々が発光デバイスと駆動回路を備える表示システムが提供される。駆動回路は、ゲート端子と第一の端子と第二の端子を有する駆動トランジスタを備え、駆動トランジスタは発光デバイスと第一の電源との間にある。駆動回路は、ゲート端子と第一の端子と第二の端子を有するスイッチトランジスタを備え、スイッチトランジスタのゲート端子は第一のアドレス線に接続され、スイッチトランジスタの第一の端子はデータ線に接続され、スイッチトランジスタの第二の端子は駆動トランジスタのゲート端子に接続される。駆動回路は、駆動トランジスタのゲート電圧を調整するための回路を備え、この回路は、画素回路と放電トランジスタからのエネルギー移動を感知するセンサを備え、センサは第一の端子と第二の端子を有し、センサの特性は感知結果に応じて変化し、放電トランジスタはゲート端子と第一の端子と第二の端子を有し、放電トランジスタのゲート端子は第二のアドレス線に接続され、放電トランジスタの第一の端子はノードにおいて駆動トランジスタのゲート端子に接続され、放電トランジスタの第二の端子はセンサの第一の端子に接続される。駆動回路は、第一の端子と第二の端子を有する蓄積コンデンサを備え、蓄積コンデンサの第一の端子は上記のノードにおいて駆動トランジスタのゲート端子に接続される。
【0012】
本発明の他の態様によれば、表示システムのための方法が提供され、この方法は、画素内(インピクセル: in-pixel)補償を実行するステップを含む。
【0013】
本発明のさらに別の態様によれば、表示システムのための方法が提供され、この方法は、オブパネル(of-panel)補償を実行するステップを含む。
【0014】
本発明のまた別の態様によれば、センサを備える画素回路を備える表示システムのための方法が提供され、この方法は、センサの経年劣化状態(aging)をリードバックするステップを含む。
【0015】
本発明の他の態様によれば、行と列に配置され、各々が発光デバイスと駆動回路を持つ複数の画素回路を備える表示アレイと、表示アレイを駆動するための駆動システムを備える表示システムが提供される。駆動回路は、ゲート端子と第一の端子と第二の端子を有する駆動トランジスタを備え、駆動トランジスタは発光デバイスと第一の電源の間にある。駆動回路は、ゲート端子と第一の端子と第二の端子を有する第一のトランジスタを備え、第一のトランジスタのゲート端子はアドレス線に接続され、第一のトランジスタの第一の端子はデータ線に接続され、第一のトランジスタの第二の端子は駆動トランジスタのゲート端子に接続される。駆動回路は、駆動トランジスタのゲート電圧を調整するための回路を備え、この回路は第二のトランジスタを備え、第二のトランジスタはゲート端子と第一の端子と第二の端子を有し、第二のトランジスタのゲート端子は制御線に接続され、第二のトランジスタの第一の端子は駆動トランジスタのゲート端子に接続される。駆動回路は、第一の端子と第二の端子を有する蓄積コンデンサを備え、蓄積コンデンサの第一の端子は駆動トランジスタのゲート端子に接続される。駆動システムは、画素回路がフレーム時間の一部分の間、オフとなるように画素回路を駆動する。
【0016】
本発明の別の態様によれば、表示アレイとドライバシステムを有する表示システムのための方法が提供される。駆動システムは、各行のためのプログラミングサイクル、放電サイクル、発光サイクル、リセットサイクル、緩和サイクルを含むフレーム時間を提供する。この方法は、プログラミングサイクルにおいて、その行のためのアドレス線をアクティブにすることによってその行の画素回路をプログラムするステップと、放電サイクルにおいて、その行のためのアドレス線を非アクティブにし、その行のための制御線をアクティブにすることによって、駆動トランジスタのゲート端子上の電圧を部分的に放電するステップと、発光サイクルにおいて、その行のための制御線を非アクティブにするステップと、駆動トランジスタによって発光デバイスを制御するステップと、リセットサイクルにおいて、その行のための制御線をアクティブにすることによって駆動トランジスタのゲート端子の電圧を放電するステップと、緩和サイクルにおいて、その行のための制御線を非アクティブにするステップを含む。
【0017】
本発明の上記およびその他の特徴は、付属の図面を参照しながら以下の説明を読むことによって明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、本発明の実施例による画素駆動方法が適用される画素回路の例を示す。図1の画素回路100は、OLED102とOLED102を駆動する駆動回路104を備える。駆動回路104は、駆動トランジスタ106、放電トランジスタ108、スイッチトランジスタ110、蓄積コンデンサ112を有する。OLED102は、たとえば、アノード電極とカソード電極およびアノード電極とカソード電極の間の発光層を備える。
【0019】
以下の説明において、「画素回路」と「画素」は同義的に使用される。以下の説明において、「信号」と「線」は同義的に使用される。以下の説明において、「線」と「ノード」は同義的に使用される。説明において、「選択線」と「アドレス線」は同義的に使用される。以下の説明において、「接続する(connect)(接続される)」と「連結する(couple)(連結される)」は同義的に使用され、2つまたはそれ以上の要素が直接または間接的に物理的または電気的に相互に接触していることを意味する。
【0020】
ある例において、トランジスタ106,108,110はn型トランジスタである。別の例において、トランジスタ106,108,110はp型トランジスタまたはn型とp型トランジスタの混合である。ある例において、トランジスタ106,108,110の各々はゲート端子、ソース端子、ドレイン端子を有する。
【0021】
トランジスタ106,108,110は、アモルファスシリコン、ナノ/微結晶シリコン、ポリシリコン、有機半導体技術(たとえば、有機TFT)、NMOS/PMOS技術またはCMOS技術(たとえば、MOSFET)を使って作製することができる。
【0022】
駆動トランジスタ106は、電圧供給線VDDとOLED102の間に設置される。駆動トランジスタ106の1つの端子はVDDに接続される。駆動トランジスタ106の他の端子はOLED102の一方の電極(たとえば、アノード電極)に接続される。放電トランジスタ108の1つの端子とそのゲート端子は、ノードA1において駆動トランジスタ106のゲート端子に接続される。放電トランジスタ108の他の端子はOLED102に接続される。スイッチトランジスタ110のゲート端子は選択線SELに接続される。スイッチトランジスタ110の1つの端子はデータ線VDATAに接続される。スイッチトランジスタ110の他の端子はノードA1に接続される。蓄積コンデンサ112の一方の端子はノードA1に接続される。蓄積コンデンサ112のもう一方の端子はOLED102に接続される。OLED102のもう一方の電極(たとえば、カソード電極)は、電源線(たとえば、共通接地(コモングラウンド: common ground))114に接続される。
【0023】
画素回路100は、後述のように、駆動トランジスタ106のゲート電圧を調整することによってフレーム時間中、一定の平均化された電流を供給する。
【0024】
図2は、図1の駆動回路104を有する画素回路の別の例を示す。画素回路130は、図1の画素回路100と同様である。画素回路130はOLED132を備える。OLED132は、図1のOLED102と同じまたは同様とすることができる。画素回路130において、駆動トランジスタ106は、OLED132の一方の電極(たとえば、カソード電極)と電源線(たとえば、共通接地)134の間に設置される。放電トランジスタ138の1つの端子と蓄積コンデンサ112の一方の端子は電源線134に接続される。OLED132のもう一方の電極(たとえば、アノード電極)はVDDに接続される。
【0025】
画素回路130は、図1の画素回路100のそれと同様の方法で、フレーム時間中ずっと、一定の平均化された電流を供給する。
【0026】
図3は、本発明の実施例による画素回路を駆動する方法の例を示す。図3の波形は、図1,2の駆動回路104を有する画素回路(たとえば、図1の100、図2の130)に印加される。
【0027】
図3の動作サイクルには、プログラミングサイクル140と駆動サイクル142が含まれる。図1から3を参照すると、プログラミングサイクル140において、ノードA1はスイッチトランジスタ110を通じてプログラミング電圧まで充電され、その間、選択線SELはハイである。駆動サイクル142において、ノードA1は放電トランジスタ108を通じて放電される。駆動トランジスタ106と放電トランジスタ108は同じバイアス状態であるため、同じ閾値電圧のシフトが起きる。放電時間が放電トランジスタ108のトランスコンダクタンスの関数であることを考えると、放電時間は、駆動トランジスタ106または放電トランジスタ108の閾値電圧が上昇すると長くなる。したがって、フレーム時間中の画素(図1の100、図2の130)の平均電流は一定のままとなる。ある例において、放電トランジスタは幅(W)が小さく、チャネル長(L)が長い、非常に弱いトランジスタである。長さ(L)に対する幅(W)の比率は状況によって変化する。
【0028】
さらに、図2の画素回路130では、OLED132のOLED電圧が上昇すると、放電時間が長くなる。したがって、平均画素電流は、OLED低下の後でも一定のままである。
【0029】
図4は、図1,2の駆動回路のための表示システムの例を示す。図4の表示システム1000は、複数の画素1004を有する表示アレイ1002を備える。画素1004は、図1,2の駆動回路104を備え、図1の画素回路100または図2の画素回路130とすることができる。
【0030】
表示アレイ1002は、アクティブマトリクス発光ディスプレイである。ある例において、表示アレイ1002はAMOLED表示アレイである。表示アレイ1002は、単色、多色またはフルカラーディスプレイのいずれでもよく、1つまたは2つ以上のエレクトロルミネセンス(EL)素子(たとえば、有機EL)を備えていてもよい。表示アレイ1002は、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、コンピュータディスプレイまたはセル方式携帯電話に使用できる。
【0031】
選択線SELiとSELi+1およびデータ線VDATAjとVDATAj+1が表示アレイ1002に設けられる。選択線SELiとSELi+1の各々は、図1,2のSELに対応する。データ線VDATAjとVDATAj+1の各々は、図1,2のVDATAに対応する。画素1004は、行と列に配置される。選択線(SELi,SELi+1)は、表示アレイ1002における共通の行の画素間で共有される。データ線(VDATAj,VDATAj+1)は、表示アレイ1002の共通の列の画素間で共有される。
【0032】
図4では4つの画素1004が描かれている。しかしながら、画素1004の数はシステム設計に応じて変更でき、4つに限定されない。図4では2本の選択線と2本のデータ線が描かれている。しかしながら、選択線とデータ線の数はシステム設計に応じて変更でき、2本に限定されない。
【0033】
ゲートドライバ1006はSELiとSELi+1を駆動する。ゲートドライバ1006は、アドレス線(たとえば、選択線)にアドレス信号を供給するためのアドレスドライバとすることができる。データドライバ1008は、プログラミングデータを生成し、VDATAjとVDATAj+1を駆動する。コントローラ1010は、ドライバ1006,1008を制御し、上述のように画素1004を駆動する。
【0034】
図5は、本発明の他の実施例による画素駆動方法を適用する画素回路の例を示す。図5の画素回路160は、OLED162と、OLED162を駆動するための駆動回路164を備える。駆動回路164は、駆動トランジスタ166、放電トランジスタ168、第一と第二のスイッチトランジスタ170,172、蓄積コンデンサ174を備える。
【0035】
画素回路160は、図2の画素回路130と同様である。駆動回路164は、図1,2の駆動回路104と同様である。トランジスタ166,168,170はそれぞれ、図1,2のトランジスタ106,108,110に対応する。トランジスタ166,168,170は、図1,2のトランジスタ106,108,110と同じまたは同様とすることができる。蓄積コンデンサ174は、図1,2の蓄積コンデンサ112に対応する。蓄積コンデンサ174は、図1,2の蓄積コンデンサ112と同じまたは同様とすることができる。OLED162は図2のOLED132に対応する。OLED162は図2のOLED132と同じまたは同様とすることができる。
【0036】
ある例において、スイッチトランジスタ172はn型トランジスタである。別の例において、スイッチトランジスタ172はp型トランジスタである。ある例において、トランジスタ166,168,170,172の各々はゲート端子、ソース端子、ドレイン端子を有する。
【0037】
トランジスタ166,168,170,172は、アモルファスシリコン、ナノ/微結晶シリコン、ポリシリコン、有機半導体技術(たとえば、有機TFT)、NMOS/PMOS技術またはCMOS技術(たとえば、MOSFET)を使って作製することができる。
【0038】
画素回路160において、スイッチトランジスタ172と放電トランジスタ168は、駆動トランジスタ166のゲート端子と電源線(たとえば、共通接地)176の間に直列に接続される。スイッチトランジスタ172のゲート端子は、バイアス電圧線VBに接続される。放電トランジスタ168のゲート端子は、ノードA2において駆動トランジスタのゲート端子に接続される。駆動トランジスタ166は、OLED162の一方の電極(たとえば、カソード電極)と電源線176の間に設置される。スイッチトランジスタ170のゲート端子はSELに接続される。スイッチトランジスタ170の1つの端子はVDATAに接続される。スイッチトランジスタ170の他の端子は、ノードA2に接続される。蓄積コンデンサ174の一方の端子はノードA2に接続される。蓄積コンデンサ174のもう一方の端末は電源線176に接続される。
【0039】
画素回路160は、後述のように、駆動トランジスタ166のゲート電圧を調整することによって、フレーム時間中ずっと一定の平均化された電流を供給する。
【0040】
ある例において、図5のバイアス電圧線VBは、パネル全体の画素の間で共有される。別の例において、バイアス電圧VBは、図6に示すようにノードA2に接続される。図6の画素回路160Aは駆動回路164Aを有する。駆動回路164Aは図5の駆動回路164と同様である。しかしながら、駆動回路164Aにおいて、スイッチトランジスタ172のゲート端子はノードA2に接続される。さらに別の例において、図5のスイッチトランジスタ172は、図7に示すように、抵抗器に置き換えることができる。図7の画素回路160Bは駆動回路164Bを有する。駆動回路164Bは、図5の駆動回路164と同様である。しかしながら、駆動回路164Bにおいて、抵抗器178と放電トランジスタ168は、ノードA2と電源線176の間に直列に接続される。
【0041】
図8は、図5の駆動回路164を有する画素回路の別の例を示す。画素回路190は図5の画素回路160と同様である。画素回路190はOLED192を備える。OLED192は、図5のOLED162と同じまたは同様とすることができる。画素回路190において、駆動トランジスタ166は、OLED192の一方の電極(たとえば、アノード電極)とVDDの間に設置される。放電トランジスタ168の1つの端子と蓄積コンデンサ174の一方の端子は、OLED192に接続される。OLED192のもう一方の電極(たとえば、カソード電極)は電源線(たとえば、共通接地)194に接続される。
【0042】
ある例において、図8のバイアス電圧VBはパネル全体の画素の間で共有される。別の例では、図8のバイアス電圧VBは、図6のものと同様に、ノードA2に接続される。また別の例において、図8のスイッチトランジスタ178は、図7のそれと同様に、抵抗器に置き換えられる。
【0043】
画素回路190は、図5の画素回路160のそれと同様の方法で、フレーム時間中ずっと一定の平均化された電流を供給する。
【0044】
図9は、本発明の別の実施例による画素回路を駆動する方法の例を示す。図9の波形は、図5,8の駆動回路164を有する画素回路(たとえば、図5の160、図8の190)に印加される。
【0045】
図9の動作サイクルには、プログラミングサイクル200と駆動サイクル202が含まれる。図5,8,9を参照すると、プログラミングサイクル200において、ノードA2はスイッチトランジスタ170を通じてプログラミング電圧(Vp)に充電され、その間、SELはハイである。駆動サイクル202では、ノードA2は放電トランジスタ168を通じて放電される。駆動トランジスタ166と放電トランジスタ168は同じバイアス状態にあるため、同じ閾値電圧シフトが発生する。放電時間が放電トランジスタ168のトランスコンダクタンスの関数であることを考えると、放電時間は、駆動トランジスタ166または放電トランジスタ168の閾値電圧が上昇すると長くなる。したがって、フレーム時間中の画素(図5の160、図8の190)の平均電流は一定のままとなる。ここで、スイッチトランジスタ172は強制的に放電トランジスタ168を線形に動作させるため、フィードバックゲインが減少する。したがって、放電トランジスタ168は、チャネル長と幅がなるべく小さい単一トランジスタ(unity transistor)とすることができる。単一トランジスタの幅と長さは、技術的に可能な最小限の数値である。
【0046】
さらに、図8の画素回路190において、OLED192のためのOLED電圧が上昇すると、放電時間が長くなる。したがって、平均化された画素電流は、OLED劣化後も一定のままである。
【0047】
図10は、図5,8の駆動回路のための表示システムの例を示す。図10の表示システム1020は、複数の画素1024を有する表示アレイ1022を備える。画素1024は、図5,8の駆動回路164を備え、図5の画素回路130または図8の画素回路190とすることができる。
【0048】
表示アレイ1022は、アクティブマトリクス発光ディスプレイである。ある例において、表示アレイ1022はAMOLED表示アレイである。表示アレイ1022は、単色、多色またはフルカラーディスプレイとすることができ、1つまたは2つ以上のEL素子(たとえば、有機EL)を備えていてもよい。表示アレイ1022は、携帯電話、PDA、コンピュータディスプレイまたはセル方式携帯電話で使用できる。
【0049】
選択線SELiとSELi+1の各々は、図5,8のSELに対応する。VBは図5,8のVBに対応する。データ線VDATAjとVDATAj+1の各々は、図5,8のVDATAに対応する。画素1024は、行と列に配置される。選択線(SELi,SELi+1)は、表示アレイ1022における共通の行の画素間で共有される。データ線(VDATAj,VDATAj+1)は、表示アレイ1022における共通の列の画素間で共有される。バイアス電圧線VBは、i番目と(i+1)番目の行により共有される。別の例において、VBはアレイ1022全体で共有されてもよい。
【0050】
図10では4つの画素1024が描かれている。しかしながら、画素1024の数はシステム設計に応じて変更でき、4つに限定されない。図10では2本の選択線と2本のデータ線が描かれている。しかしながら、選択線とデータ線の数はシステム設計に応じて変更でき、2本に限定されない。
【0051】
ゲートドライバ1026はSELiとSELi+1およびVBを駆動する。ゲートドライバ1026は、アドレス信号を表示アレイ1022に供給するためのアドレスドライバを備える。データドライバ1028はプログラミングデータを生成し、VDATAjとVDATAj+1を駆動する。コントローラ1030は、上術のように、ドライバ1026,1028を制御して画素1024を駆動する。
【0052】
図11は、図6,7の駆動回路のための表示システムの例を示す。図11の表示システム1040は、複数の画素1044を有する表示アレイ1042を備える。画素1044は、図6の駆動回路164Aまたは図7の164Bを備え、図6の画素回路160Aまたは図7の画素回路160Bとすることができる。
【0053】
表示アレイ1042は、アクティブマトリクス発光ディスプレイである。ある例において、表示アレイ1042はAMOLED表示アレイである。表示アレイ1042は、単色、多色またはフルカラーディスプレイであってもよく、1つまたは2つ以上のEL素子(たとえば、有機EL)を備えていてもよい。表示アレイ1042は、携帯電話、PDA、コンピュータディスプレイまたはセル方式携帯電話で使用できる。
【0054】
選択線SELiとSELi+1の各々は、図6,7のSELに対応する。データ線VDATAjとVDATAj+1の各々は、図6,7のVDATAに対応する。画素1044は、行と列に配置される。選択線(SELi,SELi+1)は、表示アレイ1042における共通の行の画素間で共有される。データ線(VDATAj,VDATAj+1)は、表示アレイ1042における共通の列の画素間で共有される。
【0055】
図11では4つの画素1044が描かれている。しかしながら、画素1044の数はシステム設計に応じて変更でき、4つに限定されない。図11では2本の選択線と2本のデータ線が描かれている。しかしながら、選択線とデータ線の数はシステム設計に応じて変更でき、2本に限定されない。
【0056】
ゲートドライバ1046は、SELiとSELi+1を駆動する。ゲートドライバ1046は、アドレス信号をアドレス線(たとえば、選択線)に供給するためのアドレスドライバを備える。データドライバ1048はプログラミングデータを生成し、VDATAjとVDATAj+1を駆動する。コントローラ1040は、上述のようにドライバ1046,1048を制御して画素1044を駆動する。
【0057】
図12は、図1の画素回路100のシミュレーション結果を示す。図12において、“g1”は、駆動トランジスタ106の閾値電圧のシフトの変化に対する、初期電流500nAの場合の図1に示される画素回路100の電流を表し、“g2”は駆動トランジスタ106の閾値電圧のシフトの変化に対する、初期電流150nAの場合の画素回路100の電流を表す。図12において、“g3”は、駆動トランジスタの閾値電圧のシフトの変化に対する、初期電流500nAの場合の従来の2−TFT画素回路の電流を表し、“g4”は、駆動トランジスタの閾値電圧のシフトの変化に対する、初期電流150nAの場合の従来の2−TFT画素回路の電流を表す。新しい駆動方式では平均画素電流が安定しており、一方、画素回路に放電トランジスタ(たとえば、図1の106)がないと(従来の2−TFT画素回路)、平均画素電流は大幅に低下することが明らかである。
【0058】
図13は、本発明の別の実施例による画素駆動方式が適用される画素回路の例を示す。図13の画素回路210は、OLED212とOLED212を駆動するための駆動回路214を備える。駆動回路214は、駆動トランジスタ216、放電トランジスタ218、第一と第二のスイッチトランジスタ220,222、蓄積コンデンサ224を備える。
【0059】
画素回路210は、図8の画素回路190と同様である。駆動回路214は、図5,8の駆動回路164と同様である。トランジスタ216,218,220は、それぞれ図5,8のトランジスタ166,168,170に対応する。トランジスタ216,218,220は、図5,8のトランジスタ166,168,170と同じまたは同様とすることができる。トランジスタ222は、図5のトランジスタ172または図8のトランジスタ178と同じまたは同様とすることができる。ある例において、トランジスタ216,218,220,222の各々は、ゲート端子、ソース端子、ドレイン端子を有する。蓄積コンデンサ224は、図5から8の蓄積コンデンサ174に対応する。蓄積コンデンサ224は、図5から8の蓄積コンデンサ174と同じまたは同様とすることができる。OLED212は、図8のOLED192に対応する。OLED212は、図8のOLED192と同じまたは同様とすることができる。
【0060】
トランジスタ216,218,220,222は、アモルファスシリコン、ナノ/微結晶シリコン、ポリシリコン、有機半導体技術(たとえば、有機TFT)、NMOS/PMOS技術またはCMOS技術(たとえば、MOSFET)を用いて製作することができる。
【0061】
画素回路210において、駆動トランジスタ216はVDDとOLED212の一方の電極(たとえば、アノード電極)の間に設置される。スイッチトランジスタ222と放電トランジスタ218は、駆動トランジスタ216のゲート端子とOLED212の間に直列に接続される。スイッチトランジスタ222の1つの端子は、ノードA3において駆動トランジスタのゲート端子に接続される。放電トランジスタ218のゲート端子はノードA3に接続される。蓄積コンデンサ224は、ノードA3とOLED212の間に設置される。スイッチトランジスタ220は、VDATAとノードA3の間に設置される。スイッチトランジスタ220のゲート端子は、選択線SEL[n]に接続される。スイッチトランジスタ222のゲート端子は選択線SEL[n+1]に接続される。OLED21のもう一方の電極(たとえば、カソード電極)は電源線(たとえば、共通接地)226に接続される。ある例において、SEL[n]は表示アレイの中のn番目の行のアドレス線であり、SEL[n+1]は表示アレイにおける(n+1)番目の行のアドレス線である。
【0062】
画素回路210は、後述のように、駆動トランジスタ216のゲート電圧を調整することにより、フレーム時間中、一定の平均化された電流を供給する。
【0063】
図14は、図13の駆動回路214を有する画素回路の別の例を示す。図14の画素回路240は、図5の画素回路160と同様である。画素回路240は、OLED242を備える。OLED242は、図5のOLED162と同じまたは同様とすることができる。画素回路240において、駆動トランジスタ216はOLED242の一方の電極(たとえば、カソード電極)と電源線(たとえば、共通接地)246の間に設置される。放電トランジスタ218の1つの端子と蓄積コンデンサ224の一方の端子は、電源線246に接続される。OLED242のもう一方の電極(たとえば、アノード電極)はVDDに接続される。スイッチトランジスタ220のゲート端子は選択線SEL[n]に接続される。スイッチトランジスタ222のゲート端子は選択線SEL[n+1]に接続される。
【0064】
画素回路240は、図13の画素回路210のそれと同様の方法で、フレーム時間中、一定の平均化された電流を供給する。
【0065】
図15は、本発明の実施例による画素回路を駆動する方法の例を示す。図15の波形は、図13,14の駆動回路214を有する画素回路(たとえば、図13の210、図214の240)に印加される。
【0066】
図15の動作サイクルには、3つの動作サイクル250,252,254が含まれる。動作サイクル250はプログラミングサイクルであり、動作サイクル252は補償サイクルであり、動作サイクル254は駆動サイクルである。図13から15を参照すると、プログラミングサイクル250において、ノードA3は、SEL[n]がハイの間、スイッチトランジスタを通じてプログラミング電圧まで充電される。第二の動作サイクル252において、SEL[n+1]は高電圧となる。SEL[n]は無効にされる(つまり非アクティブにされる)。ノードA3は、放電トランジスタ218を通じて放電される。第三の動作サイクル254において、SEL[n]とSEL[n+1]は無効にされる。駆動トランジスタ216と放電トランジスタ218は同じバイアス状態であるため、同じ閾値電圧のシフトが発生する。放電時間が放電トランジスタ218のトランスコンダクタンスの関数であることを考えると、放電電圧は、駆動トランジスタ216または放電トランジスタ218の閾値電圧が上昇すると低下する。したがって、駆動トランジスタ216のゲート電圧が相応に調整される。
【0067】
さらに、図14の画素240において、OLED242のためのOLED電圧の上昇により、ゲート電圧が上昇する。したがって、画素電流は一定のままである。
【0068】
図16は、図13,14の駆動回路のための表示システムの例を示す。図16の表示システム1060は、複数の画素1064を有する表示アレイ1062を備える。画素1064は、図13,14の駆動回路214を備え、図13の画素回路210または図14の画素回路240とすることができる。
【0069】
表示アレイ1062は、アクティブマトリクス発光ディスプレイである。ある例において、表示アレイ1062は、AMOLED表示アレイである。表示アレイ1062は、単色、多色またはフルカラーディスプレイとすることができ、1つまたは2つ以上のEL素子(たとえば、有機EL)を有していてもよい。表示アレイ1062は、携帯電話、PDA、コンピュータディスプレイまたはセル方式携帯電話において使用できる。
【0070】
SEL[k](k=n,n+1,n+2)は、k番目の行のためのアドレス線である。VDATAl(l=j,J+1)はデータ線であり、図13,14のVDATAに対応する。画素1064は、行と列に配置される。選択線SEL[k]は、表示アレイ1062における共通の行の画素間で共有される。データ線VDATAlは、表示アレイ1062における共通の列の画素間で共有される。
【0071】
図16では4つの画素1064が描かれている。しかしながら、画素1064の数はシステム設計に応じて変更でき、4つに限定されない。図16では2本の選択線と2本のデータ線が描かれている。しかしながら、選択線とデータ線の数はシステム設計に応じて変更でき、2本に限定されない。
【0072】
ゲートドライバ1066はSEL[k]を駆動する。ゲートドライバ1066は、アドレス信号をアドレス線(たとえば、選択線)に供給するためのアドレスドライバを備える。データドライバ1068はプログラミングデータを生成し、VDATAlを駆動する。コントローラ1070は、ドライバ1066,1068を制御して、上述のように画素1064を駆動する。
【0073】
図17は、図5の画素回路160のシミュレーション結果を示す。図17において、“g5”は、駆動トランジスタ166の閾値電圧のシフトの変化に対する、初期電流630nAの場合の図5に示される画素回路160の電流を表し、“g6”は駆動トランジスタ166の閾値電圧のシフトの変化に対する、初期電流430nAの場合の画素回路160の電流を表す。画素電流は、駆動トランジスタの閾値電圧が2Vシフトした後であっても、非常に安定していることがわかる。図13の画素回路210は図15の画素回路160と同様であるため、当業者にとって、画素回路210の画素電流も安定することが明らかであろう。
【0074】
図18は、図5の画素回路160のシミュレーション結果を示す。図18において、“g7”は、駆動トランジスタ166のOLED電圧の変化に対する、初期電流515nAの場合の図5に示される画素回路160の電流を表し、“g8”は駆動トランジスタ166のOLED電圧の変化に対する、初期電流380nAの場合の画素回路160の電流を表す。画素電流は、OLEDの電圧が2Vシフトした後であっても、非常に安定していることがわかる。図13の画素回路210は図15の画素回路160と同様であるため、当業者にとって、画素回路210の画素電流も安定することが明らかであろう。
【0075】
図19は、図16の表示アレイ1062を駆動するためのプログラミングおよび駆動サイクルを示す概略図である。図19において、ROWj(j=1,2,3,4)の各々は、表示アレイ1062のj番目の行を表す。図19において、“P”はプログラミングサイクル、“C”は補償サイクル、“D”は駆動サイクルを表す。j番目の行のプログラミングサイクルPは、(j+1)番目の行の駆動サイクルDと重複する。j番目の行の補償サイクルCは、(j+1)番目の行のプログラミングサイクルPと重複する。j番目の行の駆動サイクルDは、(j+1)番目の行の補償サイクルCと重複する。
【0076】
図20は、本発明の他の実施例による画素駆動方式を適用する画素回路の例を示す。図20の画素回路300は、OLED302と、OLED302を駆動するための駆動回路304を備える。駆動回路304は、駆動トランジスタ306、スイッチトランジスタ308、放電トランジスタ310、蓄積コンデンサ312を備える。OLED302は、たとえば、アノード電極、カソード電極およびアノード電極とカソード電極の間の発光層を備える。
【0077】
ある例において、トランジスタ306,308,310はn型トランジスタである。別の例において、トランジスタ306,308,310はp型トランジスタまたはn型とp型のトランジスタの混合である。ある例において、トランジスタ306,308,310の各々はゲート端子、ソース端子、ドレイン端子を有する。トランジスタ306,308,310は、アモルファスシリコン、ナノ/微結晶シリコン、ポリシリコン、有機半導体技術(たとえば、有機TFT)、NMOS/PMOS技術またはCMOS技術(たとえば、MOSFET)を使って製作することができる。
【0078】
駆動トランジスタ306は、電圧供給線VddとOLED302の間に設置される。駆動トランジスタ306の1つの端子(たとえば、ソース)はVddに接続される。駆動トランジスタ306の他の端子(たとえば、ドレイン)はOLED302の一方の電極(たとえば、アノード電極)に接続される。OLED302のもう一方の電極(たとえば、カソード電極)は電源線(たとえば。共通接地)314に接続される。蓄積コンデンサ312の一方の端子はノードA4において駆動トランジスタ306のゲート端子に接続される。蓄積コンデンサ312のもう一方の端子はVddに接続される。スイッチトランジスタ308のゲート端子は選択線SEL[i]に接続される。スイッチトランジスタ308の1つの端子は、データ線VDATAに接続される。スイッチトランジスタ308の他の端子はノードA4に接続される。放電トランジスタ310のゲート端子は選択線SEL[i−1]またはSEL[i+1]に接続される。ある例において、選択線SEL[m](m=i−1,i,i+1)は表示アレイにおけるm番目の行のアドレス線である。放電トランジスタ310の1つの端子はノードA4に接続される。放電トランジスタ310の他の端子はセンサ316に接続される。ある例において、各画素はセンサ316を備える。別の例において、センサ316は複数の画素回路により共有される。
【0079】
センサ316は、感知端子とバイアス端子Vb1を有する。センサ316の感知端子は放電トランジスタ310に接続される。バイアス端子Vb1は、たとえば、これに限定されないが、接地、Vddまたは駆動トランジスタ306の1つの端子(たとえば、ソース)に接続されていてもよい。センサ316は画素回路からのエネルギー移動を検出する。センサ316のコンダクタンスは、感知結果に応じて変化する。センサ316によって吸収される画素による発光または熱エネルギー、したがって、センサのキャリア濃度が変化する。センサ316は、たとえば、これに限定されないが、光、熱またはその他の変換手段等によりフィードバックを供給する。センサ316は、たとえば、これに限定されないが、光センサまたは熱センサとすることができる。後述のように、ノードA4は、センサ316のコンダクタンスに応じて放電される。
【0080】
駆動回路304は、画素回路をプログラム、補償/修正、駆動するために使用される。画素回路300は、駆動トランジスタ306のゲート電圧を調整することにより、そのディスプレイの寿命が終了するまで一定の輝度を提供する。
【0081】
図21は、図20の駆動回路304を有する画素回路の別の例を示す。図21の画素回路330は、図20の画素回路300と同様である。画素回路330はOLED332を備える。OLED332は図20のOLED302と同じまたは同様とすることができる。画素回路330において、駆動トランジスタ306の1つの端子(たとえば、ドレイン)はOLED332の一方の電極(たとえば、カソード電極)に接続され、駆動トランジスタ306の他の端末(たとえば、ソース)は電極線(たとえば、共通接地)334に接続される。さらに、蓄積コンデンサ312の一方の端子はノードA4に接続され、蓄積コンデンサ312のもう一方の端子は電源線334に接続される。画素回路330は、図20の画素回路300のそれと同様の方法で、そのディスプレイの寿命が終了するまで一定の輝度を提供する。
【0082】
図20,21を参照すると、画素回路における駆動トランジスタ306とOLED302/332の経年劣化(aging)は、2つの異なる方法で補償される。つまり、画素内補償とオブパネル修正である。
【0083】
画素内補償について詳細に説明する。図22は、本発明のまた別の実施例による画素回路の駆動方法の例を示す。図22の波形を、図20,21の駆動回路304を有する画素に印加することにより、画素内補償が行われる。
【0084】
図22の動作サイクルには動作サイクル340,342,344が含まれる。動作サイクル340はi番目の行のプログラムサイクルであり、(i+1)番目の行のための駆動サイクルである。動作サイクル342はi番目の行のための補償サイクルであり、(i+1)番目の行のプログラミングサイクルである。動作サイクル344はi番目の行のための駆動サイクルであり、(i+1)番目の行のための補償サイクルである。図20から22を参照すると、ディスプレイのi番目の行のためのプログラミングサイクル340において、i番目の行の画素回路のノードA4はスイッチトランジスタ308を通じてプログラミング電圧に充電され、その間、選択線SEL[i]はハイである。(i+1)番目の行のためのプログラミングサイクルにおいて、SEL[i+1]はハイとなり、ノードA4に保存される電圧は、センサ316のコンダクタンスに基づいて変化する。i番目の行の駆動サイクル344において、駆動トランジスタ306の電流はOLEDの輝度を制御する。
【0085】
ノードA4において放電された電圧の量は、センサ316のコンダクタンスに依存する。センサ316は、OLEDの輝度または温度によって制御される。したがって、放電電圧の量は、画素の経過年数とともに減少する。これにより、画素回路の寿命が終了するまで、輝度は一定となる。
【0086】
図23は、図20,21の駆動回路304のための表示システムの例を示す。図23の表示システム1080は、複数の画素1084を有する表示アレイ1082を備える。画素1084は図20,21の駆動回路304を備え、図20の画素回路300または図21の画素回路330とすることができる。
【0087】
表示アレイ1082は、アクティブマトリクス発光ディスプレイである。ある例において、表示アレイ1082はMOLED表示アレイである。表示アレイ1082は単色、多色またはフルカラーディスプレイとすることができ、1つまたは2つ以上のエレクトロルミネセンス(EL)素子(たとえば、有機EL)を備えていてもよい。表示アレイ1082は、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、コンピュータディスプレイまたはセル方式携帯電話で使用できる。
【0088】
図23のSEL[i](i+m−1,m,m+1)は、i番目の行のためのアドレス線である。図23のVDATAn(n=j,j+1)は、n番目の列のためのデータ線である。アドレス線SEL[i]は、図20,21の選択線SEL[i]に対応する。データ線VDATAnは、図20,21のVDATAに対応する。
【0089】
ゲートドライバ1086は、各アドレス線にアドレス信号を供給し、これらを駆動するためのアドレスドライバを備える。データドライバ1088は、プログラミングデータを生成し、データ線を駆動する。コントローラ1090はドライバ1086,1088を制御して、画素1084を駆動し、上述のような画素内補償を実行する。
【0090】
図23では4つの画素1084が描かれている。しかしながら、画素1084の数はシステム設計に応じて変更でき、4つに限定されない。図23では3本のアドレス線と2本のデータ線が描かれている。しかしながら、選択線とデータ線の数はシステム設計に応じて変更できる。
【0091】
図23において、画素1084の各々は図20,21のセンサ316を備える。別の例において、表示アレイ1080は、図24に示されるように、センサ316を有する1つまたは2つ以上の基準画素を有していてもよい。
【0092】
図24は、図20,21の駆動回路304のための表示システムの別の例を示す。図24の表示システム1100は、複数の画素1104と1つまたは2つ以上の基準画素1106を有する表示アレイ1102を備える。基準画素1106は、図20,21の駆動回路304を備え、図20の画素回路300または図21の画素回路330とすることができる。図24では2つの基準画素1106が描かれている。しかしながら、画素1106の数はシステム設計に応じて変更でき、2つに限定されない。画素1104は、OLEDとOLEDを駆動するための駆動トランジスタを備え、図20,21のセンサ316を備えない。SEL_REFは、基準画素1106のアレイにおける放電トランジスタを選択するための選択線である。
【0093】
ゲートドライバ1108は、アドレス線と選択線SEL_REFを駆動する。ゲートドライバ1108は、図24のゲートドライバ1108と同じまたは同様とすることができる。データドライバ1110はデータ線を駆動する。データドライバ1110は、図23のデータドライバ1088と同じまたは同様とすることができる。コントローラ1112はドライバ1108,1110を制御する。
【0094】
図23,24の基準画素(図23の1084、図24の1106)は、後述のように、コントローラ(図23の1090、図24の1112)またはドライバ側(図23の1088、図24の1110)でプログラミング電圧が修正されるオブパネルアルゴリズムのための経年劣化情報(aging knowledge)を提供するように動作することができる。
【0095】
オブパネル修正について詳しく説明する。図21を参照すると、オブパネル修正は、センサ316をリードバックし、プログラミング電圧を修正することによって、画素回路の経過年数情報を抽出することによって実行される。オブパネル修正は、閾値VtのシフトとOLEDの劣化を含む画素の経年劣化(aging)を補償する。
【0096】
図25は、本発明の実施例による画素システムの例を示す。図25の画素システムは、リードバック回路360を備える。リードバック回路360は、チャージポンプアンプ(charge-pump amplifier)362とコンデンサ364を備える。チャージポンプアンプ362の1つの端子は、スイッチSW1を介してデータ線VDATAに接続可能である。チャージポンプアンプ362の他の端子はバイアス電圧Vb2に接続される。チャージポンプアンプ362は、スイッチSW1を介して、ノードA4から放電される電圧をリードバックする。
【0097】
チャージポンプアンプ362の出力366は、ノードA4における電圧に依存して変化する。画素回路の時間依存特性は、チャージポンプアンプ362を介してノードA4から読み取ることができる。
【0098】
図25では、1つのリードバック回路360と1つのスイッチSW1が1つの画素回路のために設けられているように描かれている。しかしながら、リードバック回路360とスイッチSW1は、画素回路の集合(たとえば、1列の画素回路)のために設けられていてもよい。図25では、リードバック回路360とスイッチとスイッチSW1は画素回路300に設置されている。別の例において、リードバック回路360とスイッチSW1は、図21の画素回路330に適用される。
【0099】
図26は、図25のリードバック回路360を有する表示システムの例を示す。図26の表示システム1120は、複数の画素1124を有する表示アレイ1122を備える。画素1124は図20,21の駆動回路304を備え、図20の画素回路300または図21の画素回路330とすることができる。画素1124は、図23の画素1084または図24の1106と同じまたは同様とすることができる。
【0100】
図26では4つの画素1124が描かれている。しかしながら、画素1124の数はシステム設計に応じて変更でき、4つに限定されない。図26では3本のアドレス線と2本のデータ線が描かれている。しかしながら、選択線とデータ線の数はシステム設計によって変更できる。
【0101】
各列について、リードバック回路RB1[n](n=j,j+1)とスイッチSW1[n](図示せず)が設けられている。リードバック回路RB1[n]はSW1[n]を備えていてもよい。リードバック回路RB1[n]とスイッチSW1[n]は、それぞれ図25のリードバック360とスイッチSW1に対応する。以下の説明において、RB1とRB1[n]は同義的に用いられ、RB1は特定の行のための図25のリードバック回路360を指すこともある。
【0102】
表示アレイ1122は、アクティブマトリクス発光ディスプレイである。ある例において、表示アレイ1122はAMOLED表示アレイである。表示アレイ1122は、単色、多色またはフルカラーディスプレイとすることができ、1つまたは2つ以上のエレクトロルミネセンス(EL)素子(たとえば、有機EL)を備えていてもよい。表示アレイ1122は、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、コンピュータディスプレイまたはセル方式携帯電話において使用することができる。
【0103】
ゲートドライバ1126は、アドレス線を駆動するためのアドレスドライバを備える。ゲートドライバ1126は、図23のゲートドライバ1086または図24のゲートドライバ1108と同じまたは同様とすることができる。ゲートドライバ1128はプログラミングデータを生成し、データ線を駆動する。データドライバ1128は、対応するリードバック回路RB1[n]の出力に基づいてプログラミングデータを計算する回路を備える。コントローラ1130は、上述のように、ドライバ1126と1128を制御して、画素1124を駆動する。コントローラ1130は、スイッチSW1[n]のオンまたはオフを制御し、RB1[n]が対応するデータ線VDATAnに接続されるようする。
【0104】
画素1124は、リードバック回路RB1の出力電圧に応じて、コントローラ1130またはドライバ側1128においてプログラミング電圧が修正されるオブパネルアルゴリズムのための経年劣化情報(aging knowledge)を提供するように動作される。単純な修正としては、リードバック回路RB1の出力電圧の変化によってプログラミング電圧を変動させるスケーリングがある。
【0105】
図26において、画素1124の各々は、図20,21のセンサ316を備える。別の例において、表示アレイ1120は、図27に示すように、センサ316を有する1つまたは2つ以上の基準画素を有していてもよい。
【0106】
図27は、図25のリードバック回路を有する表示システムの別の例を示す。図27の表示システム1140は、複数の画素1144と1つまたは2つ以上の基準画素1146を有する表示アレイ1142を備える。基準画素1146は図20,21の駆動回路304を備え、図20の画素回路300または図21の画素回路330とすることができる。図27では2つの基準画素1146が描かれている。しかしながら、画素1146の数はシステム設計に応じて変更でき、2つに限定されない。画素1144は、OLEDとOLEDを駆動するための駆動トランジスタを備え、図20,21のセンサ316を備えない。SEL_REFは、基準画素1146のアレイにおける放電トランジスタを選択するための選択線である。
【0107】
ゲートドライバ1148は、アドレス線と選択線SEL_REFを駆動する。ゲートドライバ1148は、図26のゲートドライバ1126と同じまたは同様とすることができる。データドライバ1150は、プログラミングデータを生成し、プログラミングデータを修正し、データ線を駆動する。データドライバ1150は、図26のデータドライバ1128と同じまたは同様とすることができる。コントローラ1152は、ドライバ1148と1150を制御する。
【0108】
基準画素1146は、プログラミング電圧がリードバック回路RB1の出力電圧に応じてコントローラ1152またはドライバ側1150で修正されるオブパネルアルゴリズムのための経年劣化情報(aging knowledge)を提供するように動作される。単純な修正としては、リードバック回路RB1の出力電圧の変化によってプログラミング電圧を変動させるスケーリングがある。
【0109】
図28は、本発明の他の実施例による画素回路を駆動する方法の例を示す。図26の表示システム1120と図27の表示システム1140は、図28の波形に応じて動作することができる。図28の波形を、リードバック回路(たとえば、図3の360、図26,27のRB1)を有する表示システムに印加することにより、オブパネル修正が実行される。
【0110】
図28の動作サイクルには動作サイクル380,382,383,384,386が含まれる。動作サイクル380はi番目の行のためのプログラミングサイクルである。動作サイクル382はi番目の行のための駆動サイクルである。各行の駆動サイクルは、他の行と独立している。動作サイクル383はi番目の行のための初期化サイクルである。動作サイクル384はi番目の行のための統合サイクルである。動作サイクル386はi番目の行のためのリードバックサイクルである。
【0111】
図25から28を参照すると、i番目の行のためのプログラミングサイクル380において、i番目の行の画素回路のノードA4はスイッチトランジスタ308を通じてプログラミング電圧に充電され、その間、選択線SEL[i]はハイである。i番目の行のためのプログラミングサイクル380では、ノードA4が修正されたプログラミング電圧に充電される。i番目の行のための駆動サイクル382では、OLEDの輝度がドライバトランジスタ306によって制御される。i番目の行のための初期化サイクル383では、ノードA4がバイアス電圧に充電される。i番目の行のための統合サイクル384において、SEL[i−1]はハイであるため、ノードA4の電圧は、センサ316を通じて放電される。リードバックサイクル386において、ノードA4での電圧の変化がリードバックされ、修正(たとえば、プログラミング電圧のスケーリング)のために使用される。
【0112】
リードバックサイクル384の開始時には、リードバック回路RB1のスイッチSW1がオンであり、データ線VDATAはVb2に充電される。また、コンデンサ364は、データ線VDATAに接続された全ての画素によるリークの結果として、電圧Vpreに充電される。すると選択線SEL[i]はハイとなり、放電された電圧Vdischはコンデンサ364を通じて現れる(developed)。2つの抽出された電圧(VpreとVdisch)の差を使って画素の経年劣化(aging)が計算される。
【0113】
センサ316はほとんど常にオフであり、統合サイクル384の間だけオンにすることができる。したがって、センサ316の経年劣化(aging)は非常にわずかである。さらに、センサ316はその劣化を大幅に抑えるために、正しくバイアスさせることができる。
【0114】
さらに、この方法は、センサ316の経年劣化情報(aging)の抽出にも使用できる。図29は、センサ316の経年劣化情報(aging)の抽出方法の例を示す。暗い画素と暗い基準画素のセンサについて抽出された電圧を使い、センサ316の経年劣化状態(aging)を検出することができる。たとえば、図27の表示システム1140は、図29の波形に従って動作することができる。
【0115】
図29の動作サイクルには動作サイクル380,382,383,384,386が含まれる。動作サイクル380はi番目の行のためのプログラミングサイクルである。動作サイクル382はi番目の行のための駆動サイクルである。動作サイクル383はi番目の行のための初期化サイクルである。動作サイクル384はi番目の行のための統合サイクルである。動作サイクル386はi番目の行のためのリードバックサイクルである。動作サイクル380(2回目)は基準の行のための初期化サイクルである。動作サイクル384(2回目)は基準の行のための統合サイクルである。動作サイクル386(2回目)は基準の行のためのリードバックサイクル(抽出)である。
【0116】
基準の行は1つまたは複数の基準画素(たとえば、図27の1146)を含み、(m−1)番目の行の中にある。SEL_REFは、基準の行の基準画素における放電トランジスタ(たとえば、図25の310)を選択するための選択線である。
【0117】
図25,27,29を参照すると、センサ316の経年劣化情報(aging)を抽出するために、正常の画素回路(たとえば、1144)はオフである。正常な画素からの出力316を介して抽出された電圧と、基準画素(たとえば、1146)のオフ状態に関して抽出された電圧の差が得られる。基準画素のオフ状態の電圧は、基準画素がストレスを受けていない時に抽出される。この差により、センサ316の劣化情報が抽出される。
【0118】
図30は、本発明の別の実施例による画素システムの例を示す。図30の画素システムはリードバック回路400を備える。リードバック回路400は、トランスレジスタンスアンプ402を備える。トランスレジスタンスアンプ402の1つの端子は、スイッチSW2を介してデータ線VDATAに接続することができる。トランスレジスタンスアンプ402は、スイッチSW2を介してノードA4から放電される電圧をリードバックする。スイッチSW2は、図25のスイッチSW1と同じまたは同様とすることができる。
【0119】
トランスレジスタンスアンプ402の出力は、ノードA4の電圧に応じて変化する。画素回路の時間依存特性は、トランスレジスタンスアンプ402を介してノードA4から読み出すことができる。
【0120】
図30において、1つのリードバック回路400と1つのスイッチSW2が1つの画素回路について描かれている。しかしながら、リードバック回路400とスイッチSW2は、画素回路の集合(たとえば、1列の画素回路)について設置することもできる。図30においては、リードバック回路400とスイッチSW2は画素回路300に設けられている。別の例において、リードバック回路400とスイッチSW2は図21の画素回路330に適用される。
【0121】
図31は、図30のリードバック回路400を有する表示システムの例を示す。図31の表示システム1160は、複数の画素1164を有する表示アレイ1162を備える。画素1164は、図20,21の駆動回路304を備え、図20の画素回路300または図21の画素回路330とすることができる。画素1164は、図26の画素1124または図27の1146と同じまたは同様とすることができる。
【0122】
図31では4つの画素1164が描かれている。しかしながら、画素1164の数はシステム設計に応じて変更でき、4つに限定されない。図31では3本のアドレス線と2本のデータ線が描かれている。しかしながら、選択線とデータ線の数はシステム設計に応じて変更できる。
【0123】
各列について、リードバック回路RB2[n](n=j,j+1)とスイッチSW2[n](図示せず)が設けられている。リードバック回路RB2[n]はSW2[n]を備えていてもよい。リードバック回路RB2[n]とスイッチSW2[n]は、それぞれ図30のリードバック400とスイッチSW2に対応する。以下の説明において、RB2とRB2[n]は同義的に用いられ、RB2は特定の行のための図30のリードバック回路400を指すこともある。
【0124】
表示アレイ1162は、アクティブマトリクス発光ディスプレイである。ある例において、表示アレイ1162はAMOLED表示アレイである。表示アレイ1162は、単色、多色またはフルカラーディスプレイとすることができ、1つまたは2つ以上のエレクトロルミネセンス(EL)素子(たとえば、有機EL)を備えていてもよい。表示アレイ1162は、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、コンピュータディスプレイまたはセル方式携帯電話において使用することができる。
【0125】
ゲートドライバ1166は、アドレス線を駆動するためのアドレスドライバを備える。ゲートドライバ1166は、図26のゲートドライバ1126または図27のゲートドライバ1148と同じまたは同様とすることができる。ゲートドライバ1168はプログラミングデータを生成し、データ線を駆動する。データドライバ1168は、対応するリードバック回路RB2[n]の出力に基づいてプログラミングデータを計算する回路を備える。コントローラ1170は、上述のように、ドライバ1166と1168を制御して、画素1164を駆動する。コントローラ1170は、スイッチSW2[n]のオンまたはオフを制御し、RB2[n]が対応するデータ線VDATAnに接続されるようする。
【0126】
画素1164は、リードバック回路RB2の出力電圧に応じて、コントローラ1170またはドライバ側1168においてプログラミング電圧が修正されるオブパネルアルゴリズムのための経年劣化情報(aging knowledge)を提供するように動作される。単純な修正としては、リードバック回路RB2の出力電圧の変化によってプログラミング電圧を変動させるスケーリングがある。
【0127】
図31において、画素1164の各々は、図20,21のセンサ316を備える。別の例において、表示アレイ1160は、図32に示すように、センサ316を有する1つまたは2つ以上の基準画素を有していてもよい。
【0128】
図32は、図30のリードバック回路400を有する表示システムの別の例を示す。図32の表示システム1200は、複数の画素1204と1つまたは2つ以上の基準画素1206を有する表示アレイ1202を備える。基準画素1206は図20,21の駆動回路304を備え、図20の画素回路300または図21の画素回路330とすることができる。図32では2つの基準画素1206が描かれている。しかしながら、画素1204の数はシステム設計に応じて変更でき、2つに限定されない。画素1204は、OLEDとOLEDを駆動するための駆動トランジスタを備え、図20,21のセンサ316を備えない。SEL_REFは、基準画素1206のアレイにおける放電トランジスタを選択するための選択線である。
【0129】
ゲートドライバ1208は、アドレス線と選択線SEL_REFを駆動する。ゲートドライバ1208は、図27のゲートドライバ1148または図31のゲートドライバ1166と同じまたは同様とすることができる。データドライバ1210は、プログラミングデータを生成し、プログラミングデータを修正し、データ線を駆動する。データドライバ1210は、図27のデータドライバ1150または図32のデータドライバ1168と同じまたは同様とすることができる。コントローラ1212は、ドライバ1208と1210を制御する。
【0130】
基準画素1206は、プログラミング電圧がリードバック回路RB2の出力電圧に応じてコントローラ1212またはドライバ側1210で修正されるオブパネルアルゴリズムのための経年劣化情報(aging knowledge)を提供するように動作される。単純な修正としては、リードバック回路RB2の出力電圧の変化によってプログラミング電圧を変動させるスケーリングがある。
【0131】
図33は、本発明の他の実施例による画素回路を駆動する方法の例を示す。図31の表示システム1160と図32の表示システム1200は、図33の波形に応じて動作することができる。図33の波形を、リードバック回路(たとえば、図30の400、図31,32のRB2)を有する表示システムに印加することにより、オブパネル修正が実行される。
【0132】
図33の動作サイクルには、ある行のための動作サイクル420,422,424が含まれる。動作サイクル420はi番目の行のためのプログラミングサイクルである。動作サイクル422はi番目の行のための駆動サイクルである。動作サイクル424はi番目の行のためのリードバック(抽出)サイクルである。
【0133】
図30から33を参照すると、i番目の行のためのプログラミングサイクル420において、i番目の行の画素回路のノードA4は、スイッチトランジスタ308を通じてプログラミング電圧まで充電され、その間、選択線SEL[i]はハイである。i番目の行のための駆動サイクル422で、画素の輝度が駆動トランジスタ306の電流によって制御される。i番目の行のための抽出サイクル424では、SEL[i]とSEL[i−1]がハイであり、センサ316の電流が監視される。この電流の変化がリードバック回路RB2によって増幅される。この変化を使用して、画素における輝度の低下が測定され、プログラミング電圧を修正することにより(たとえば、プログラミング電圧のスケーリング)、輝度の低下が補償される。
【0134】
リードバックサイクル424の開始時に、修正のためにアルゴリズムが選択する行のためのスイッチSW2はオンであり、その間、SEL[i]はローである。したがって、リーク電流がトランスレジスタンスアンプ402の出力電圧としてリーク電流が抽出される。行の選択は、ストレス履歴に基づいて、あるいはランダムに、あるいは逐次的に行うことができる。次に、SEL[i]がハイとなるため、画素の輝度または温度に関するセンサの電流は、トランスレジスタンスアンプ402の出力電圧としてリードバックされる。リーク電流とセンサ電流について抽出された2つの電圧を使い、画素の経年劣化(aging)を計算することができる。
【0135】
センサ316はほとんど常にオフであり、動作サイクル424の間だけオンにすることができる。したがって、センサ316の経年劣化は非常にわずかである。さらに、センサ316はその劣化を大幅に抑えるために、正しくバイアスさせることができる。
【0136】
さらに、この方法は、センサ316の経年劣化情報(aging)の抽出にも使用できる。図34は、図30のセンサ316の経年劣化情報(aging)の抽出方法の例を示す。たとえば、図32の表示システム1200は、図34の波形に従って動作する。
【0137】
図34の動作サイクルには動作サイクル420,422,424が含まれる。動作サイクル420(1回目)はi番目の行のためのプログラミングサイクルである。動作サイクル422はi番目の行のための駆動サイクルである。動作サイクル424(1回目)はi番目の行のためのリードバック(抽出)サイクルである。動作サイクル424(2回目)は、基準の行のためのリードバック(抽出)サイクルである。
【0138】
基準の行は1つまたは複数の基準画素(たとえば、図32の1206)を含み、(m−1)番目の行の中にある。SEL_REFは、基準の行の基準画素における放電トランジスタ(たとえば、図30の310)を選択するための選択線である。
【0139】
図30,32,34を参照すると、センサ316の経年劣化情報(aging)を抽出するために、正常の画素回路(たとえば、1204)はオフである。正常な画素回路からのトランスレジスタンスアンプ402の出力を介して抽出された電圧と、基準画素(たとえば、1206)のオフ状態に関して抽出された電圧の差が得られる。基準画素のオフ状態の電圧は、基準画素がストレスを受けていない時に抽出される。この差により、センサ316の劣化情報が抽出される。
【0140】
図35は、本発明のまた別の実施例による画素駆動方法が適用される画素回路の例を示す。図35の画素回路500はOLED502とOLED502を駆動するための駆動回路504を備える。駆動回路504は、駆動トランジスタ506、スイッチトランジスタ508、放電トランジスタ510、調整回路510および蓄積コンデンサ512を備える。
【0141】
OLED502は、図13のOLED212または図20のOLED302と同じまたは同様とすることができる。コンデンサ512は、図13のコンデンサ224または図20のコンデンサ312と同じまたは同様とすることができる。トランジスタ506,508,510は、図13のトランジスタ206,220,222あるいは図20のトランジスタ306,308,310と同じまたは同様とすることができる。ある例において、トランジスタ506,508,510の各々は、ゲート端子、ソース端子、ドレイン端子を備える。
【0142】
駆動トランジスタ506は、電圧供給線VDDとOLED502の間に設置される。駆動トランジスタ506の1つの端子(たとえば、ドレイン)はVDDに接続される。駆動トランジスタ506の他の端子(たとえば、ソース)はOLED502の一方の電極(たとえば、アノード電極)に接続される。OLED502のもう一方の電極(たとえば、カソード電極)は電源線VSS(たとえば、共通接地)514に接続される。蓄積コンデンサ512の一方の端子はノードA5において駆動トランジスタ506のゲート端子に接続される。蓄積コンデンサ512のもう一方の端子は選択線SEL[n]に接続される。スイッチトランジスタ508の1つの端子はデータ線VDATAに接続される。スイッチトランジスタ508の他の端子はノードA5に接続される。トランジスタ510のゲート端子は制御線CNT[n]に接続される。ある例において、nは表示アレイのn番目の行を指す。トランジスタ510の1つの端子はノードA5に接続される。トランジスタ510の他の端子は調整回路516の一方の端子に接続される。調整回路516のもう一方の端子はOLED502に接続される。
【0143】
調整回路516は、画素の経年劣化(aging)に基づいて抵抗が変化するため、放電トランジスタ510とのA5の電圧を調整するために設置される。ある例において、調整回路516は図13のトランジスタ218である。別の例において、調整回路516は図20のセンサ316である。
【0144】
駆動トランジスタ506の閾値電圧のシフトを改善するために、画素回路はフレーム時間の一部分の間、オフにされる。
【0145】
図36は、本発明の別の実施例による画素回路の駆動方法の例を示す。図36の波形は、図35の画素回路に印加される。画素回路500の動作サイクルには、プログラミングサイクル520、放電サイクル522、発光サイクル524、リセットサイクル526、緩和サイクル527が含まれる。
【0146】
プログラミングサイクル520において、ノードA5はプログラミング電圧VPに充電される。放電サイクル522において、CNT[n]はハイとなり、ノードA5の電圧は部分的に放電され、画素の経年劣化(aging)を補償する。発光サイクル524において、SEL[n]とCNT[n]はローになる。OLED502は、発光サイクル524中に駆動トランジスタ506によって制御される。リセットサイクル526において、CNT[n]は高電圧となり、リセットサイクル526中にノードA5における電圧が完全に放電される。緩和サイクル527において、駆動トランジスタ506はストレスを受けず、発光サイクル524から回復する。したがって、駆動トランジスタ506の経年劣化(aging)が大幅に減少する。
【0147】
図37は、図35の画素回路を備える表示システムの例を示す。図37の表示システム1300は、複数の画素500を有する表示アレイ1302を備える。表示アレイ1302はアクティブマトリクスディスプレイである。ある例において、表示アレイ1302はAMOLED表示アレイである。画素500は行と列に配置される。図37ではn番目の行について2つの画素500が描かれている。表示アレイ1302は2つより多くの画素を備えていてもよい。
【0148】
表示アレイ1302は、単色、多色またはフルカラーディスプレイとすることができ、1つまたは2つ以上のエレクトロルミネセンス(EL)素子(たとえば、有機EL)を備えていてもよい。表示アレイ1302は携帯電話、携帯情報端末(PDA)、コンピュータディスプレイまたはセル方式携帯電話に使用できる。
【0149】
アドレス線SEL[n]がn番目の行に設置される。制御線CNT[n]はn番目の行に設置される。データ線VDATAk(k=j,j+1)はk番目の列に設置される。アドレス線SEL[n]は図35のSEL[n]に対応する。制御線CNT[n]は図35のCNT[n]に対応する。データ線VDATAk(k=j,j+1)は図35のVDATAに対応する。
【0150】
ゲートドライバ1306はSEL[n]を駆動する。データドライバ1308はプログラミングデータを生成し、VDATAkを駆動する。コントローラ1310はドライバ1306,1308を制御して、画素500を駆動し、図36の波形を発生する。
【0151】
図38は、図35の画素回路500を有する表示システムの別の例を示す。図38の表示システム1400は、複数の画素500を有する表示アレイ1402を備える。表示アレイ1402はアクティブマトリクス発光ディスプレイである。ある例において、表示アレイ1302はAMOLED表示アレイである。画素500は行と列に配置される。図38ではn番目の行について4つの画素500が描かれている。表示アレイ142は4つより多い画素を備えていてもよい。
【0152】
SEL[i](i=n,n+1)は選択線であり、図35のSEL[n]に対応する。CNT[i](i=n,n+1)は制御線であり、図35のCNT[n]に対応する。OUT[k](k=n−1,n,n+1)はゲートドライバ1406からの出力である。選択線はゲートドライバ1402またはVL線からの出力の一方に接続される。VDATAm(m=j,j+1)はデータ線であり、図35のVDATAに対応する。VDATAmはデータドライバ1408により制御される。コントローラ1410はゲートドライバ1406とデータドライバ1408を制御して、画素回路500を動作させる。
【0153】
制御線と選択線は、スイッチ1412を通じてゲートドライバ1406からの同じ出力を共有する。図36の放電サイクル526において、RES信号はスイッチ1412の方向を変更し、選択線を電圧の低いVL線に接続して、画素回路500のトランジスタ508をオフにする。OUT[n−1]はハイであり、したがってCNT[n]もハイとなる。このため、ノードA5の電圧は、調整回路516と放電トランジスタ510によって調整される。他の動作サイクルでは、RES信号とスイッチ1412は選択線をゲートドライバの対応する出力に(たとえば、SEL[n]をOUT[n]に)接続する。スイッチ1412は、パネル製作技術(たとえば、アモルファスシリコン)を使って作製でき、また、ゲートドライバに内蔵させることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0154】
本発明の実施例によれば、駆動回路と駆動回路に印加される波形により、バックプレーンとOLEDが不安定であっても安定したAMOLEDディスプレイが得られる。駆動回路とその波形により、画素回路の異なる経年劣化(aging)の影響が低減される。実施例における画素設計では追加の駆動サイクルまたは駆動回路が不要であるため、携帯電話やPDAをはじめとする携帯機器を低コストで利用できる。また、当業者であればわかるように、温度変化や機械的ストレスの影響を受けにくい。
【0155】
以上、1つまたは複数の現時点で好ましい実施例について例として説明した。当業者にとって、特許請求範囲で定義されている本発明の範囲から逸脱することなく、さまざまな変更、改変を加えることができることは明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0156】
【図1】本発明の実施例による画素駆動方法が適用される画素回路の例を示す概略図である。
【図2】図1の駆動回路を有する画素回路の別の例を示す概略図である。
【図3】本発明の実施例による画素回路を駆動する方法の例を示すタイミングチャートである。
【図4】図1,2の駆動回路のための表示システムの例を示す概略図である。
【図5】本発明の別の実施例による画素駆動方法が適用される画素回路の例を示す概略図である。
【図6】図5の駆動回路の別の例を示す概略図である。
【図7】図5の駆動回路のまた別の例を示す概略図である。
【図8】図5の駆動回路を有する画素回路の他の例を示す概略図である。
【図9】本発明の他の実施例による画素回路を駆動する方法の例を示すタイミングチャートである。
【図10】図5,8の駆動回路のための表示システムの例を示す概略図である。
【図11】図6,7の駆動回路のための表示システムの例を示す概略図である。
【図12】図1の画素回路のためのシミュレーション結果を示すグラフである。
【図13】本発明のさらに別の実施例による画素駆動方法が適用される画素回路の例を示す概略図である。
【図14】図13の駆動回路を有する画素回路の別の例を示す概略図である。
【図15】本発明のまた別の実施例による画素回路を駆動する方法の例を示すタイミングチャートである。
【図16】図13,14の駆動回路のための表示システムの例を示す概略図である。
【図17】図5の画素回路のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図18】図5の画素回路のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図19】図16の表示システムの動作を示すタイミングチャートである。
【図20】本発明の他の実施例による画素駆動方法が適用される画素回路の例を示す概略図である。
【図21】図20の駆動回路を有する画素回路の別の例を示す概略図である。
【図22】本発明の他の実施例による画素回路を駆動する方法の例を示すタイミングチャートである。
【図23】図20,21の駆動回路のための表示システムの例を示す概略図である。
【図24】図20,21の駆動回路のための表示システムの他の例を示す概略図である。
【図25】本発明の実施例による画素システムの例を示す概略図である。
【図26】図25のリードバック回路を有する表示システムの例を示す概略図である。
【図27】図25のリードバック回路を有する表示システムの別の例を示す概略図である。
【図28】本発明の別の実施例による画素回路を駆動する方法の例を示すタイミングチャートである。
【図29】図25のセンサの経年劣化情報(aging)を抽出する方法の例を示す概略図である。
【図30】本発明の別の実施例による画素システムの例を示す概略図である。
【図31】図30のリードバック回路を有する表示システムの例を示す概略図である。
【図32】図30のリードバック回路を有する表示システムの別の例を示す概略図である。
【図33】本発明のまた別の実施例による画素回路を駆動する方法の例を示すタイミングチャートである。
【図34】図30のセンサの経年劣化情報(aging)を抽出する方法の別の例を示すタイミングチャートである。
【図35】本発明の他の実施例による画素駆動方法が適用される画素回路の例を示す概略図である。
【図36】本発明のまた別の実施例による画素回路を駆動する方法の例を示すタイミングチャートである。
【図37】図35の画素回路を有する表示システムの例を示す概略図である。
【図38】図35の画素回路を有する表示システムの別の例を示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示システムであって、
発光デバイスを有する画素のための駆動回路を備え、前記駆動回路は、
前記発光デバイスに接続され、ゲート端子と第一の端子と第二の端子を有する駆動トランジスタと、
ゲート端子と第一の端子と第二の端子を有する第一のトランジスタであって、前記第一のトランジスタの前記ゲート端子は選択線に接続され、前記第一のトランジスタの前記第一の端子はデータ線に接続され、前記第一のトランジスタの前記第二の端子は前記駆動トランジスタの前記ゲート端子に接続されている第一のトランジスタと、
前記駆動トランジスタのゲート電圧を調整する回路であって、ゲート端子と第一の端子と第二の端子を有する放電トランジスタを備え、前記放電トランジスタの前記ゲート端子はノードにおいて前記駆動トランジスタの前記ゲート端子に接続され、前記ノードの電圧が前記放電トランジスタを通じて放電される回路と、
第一の端子と第二の端子を有する蓄積コンデンサであって、前記蓄積コンデンサの第一の端子は前記ノードにおいて前記駆動トランジスタの前記ゲート端子に接続されている蓄積コンデンサと、
を備えることを特徴とする表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の表示システムであって、
前記駆動トランジスタの前記第一の端子または、前記駆動トランジスタの前記第二の端子と前記放電トランジスタの前記第二の端子と前記蓄積コンデンサの前記第二の端子を組み合わせたものが、前記発光デバイスに接続されていることを特徴とする表示システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の表示システムであって、
前記放電トランジスタの前記第一の端子は前記駆動トランジスタの前記ゲート端子に接続されていることを特徴とする表示システム。
【請求項4】
請求項1または2に記載の表示システムであって、
前記調整回路は、ゲート端子と第一の端子と第二の端子を有する第二のトランジスタを備え、前記第二のトランジスタの前記ゲート端子はバイアス線に接続され、前記第二のトランジスタの前記第一の端子は前記駆動トランジスタの前記ゲート端子に接続され、前記第二のトランジスタの前記第二の端子は前記放電トランジスタの前記第一の端子に接続されていることを特徴とする表示システム。
【請求項5】
請求項1または2に記載の表示システムであって、
前記調整回路は、ゲート端子と第一の端子と第二の端子を有する第二のトランジスタを備え、前記第二のトランジスタの前記ゲート端子と前記第一の端子は前記駆動トランジスタの前記ゲート端子に接続され、前記第二のトランジスタの前記第二の端子は前記放電トランジスタの前記第一の端子に接続されていることを特徴とする表示システム。
【請求項6】
請求項1または2に記載の表示システムであって、
前記調整回路は、第一の端子と第二の端子を有する抵抗素子を備え、前記抵抗素子の前記第一の端子は前記駆動トランジスタの前記ゲート端子に接続され、前記抵抗素子の前記第二の端子は前記放電トランジスタの前記第一の端子に接続されていることを特徴とする表示システム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の表示システムであって、
前記発光デバイスは第一の電極と第二の電極と、前記第一の電極と前記第二の電極の間の発光層を備え、前記駆動トランジスタの前記第一の端子は前記第一の電極と前記第二の電極の一方に接続され、前記駆動トランジスタの前記第二の端子は、前記放電トランジスタの前記第二の端子および前記蓄積コンデンサの前記第二の端子は電源に接続されていることを特徴とする表示システム。
【請求項8】
請求項1から6のいずれかに記載の表示システムであって、
前記発光デバイスは第一の電極と第二の電極と、前記第一の電極と前記第二の電極の間の発光層を備え、前記駆動トランジスタの前記第二の端子、前記放電トランジスタの前記第二の端子、前記蓄積コンデンサの前記第二の端子は前記第一の電極と前記第二の電極の一方に接続され、前記駆動トランジスタの前記第一の端子は電源に接続されていることを特徴とする表示システム。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の表示システムであって、
前記駆動回路はアモルファス、ポリ、n型、p型、CMOS、微結晶、ナノ結晶、結晶シリコンまたはこれらの組み合わせの中に形成されることを特徴とする表示システム。
【請求項10】
請求項1による表示システムであって、さらに、
行と列に配置され、各々が前記駆動回路を備える複数の画素回路を有する表示アレイと、
前記表示アレイを駆動するためのドライバと、
を備えることを特徴とする表示システム。
【請求項11】
請求項4に記載の表示システムであって、さらに、
行と列に配置され、各々が前記駆動回路を備える複数の画素回路を有する表示アレイと、
前記表示アレイを駆動するためのドライバと、を備え、
前記バイアス線は、前記複数の画素回路の2つ以上の画素回路により共有されていることを特徴とする表示システム。
【請求項12】
請求項11に記載の表示システムであって、
ある行のための前記バイアス線は、隣接する行を選択するための隣接アドレス線であることを特徴とする表示システム。
【請求項13】
請求項12による表示システムのための方法であって、前記ドライバは各行のためのプログラミングサイクルと補償サイクルと駆動サイクルを提供し、
第一の行のための前記プログラミングサイクルにおいて、前記第一の行のための前記アドレス線を選択し、前記第一の行にプログラミングデータを供給するステップと、
前記第一の行のための前記補償サイクルにおいて、前記第一の行に隣接する第二の行のための前記隣接アドレス線を選択し、前記第一の行のための前記アドレス線を無効にするステップと、
前記第一の行のための前記駆動サイクルにおいて、前記隣接するアドレス線を無効にするステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項13による方法であって、
前記第一の行のための少なくとも前記補償サイクルは、前記第二の行のための前記プログラミングサイクルと重複することを特徴とする方法。
【請求項15】
表示システムであって、
各々が発光デバイスと駆動回路を有する1つまたは2つ以上の画素回路を備え、前記駆動回路は、
ゲート端子と第一の端子と第二の端子を有し、前記発光デバイスと第一の電源の間にある駆動トランジスタと、
ゲート端子と第一の端子と第二の端子を有するスイッチトランジスタであって、前記スイッチトランジスタの前記ゲート端子は第一のアドレス線に接続され、前記スイッチトランジスタの前記第一の端子はデータ線に接続され、前記スイッチトランジスタの前記第二の端子は前記駆動トランジスタの前記ゲート端子に接続されているスイッチトランジスタと、
前記駆動トランジスタのゲート電圧を調整する回路であって、前記回路は、前記画素回路と放電トランジスタからのエネルギー移動を感知するためのセンサを備え、前記センサは第一の端子と第二の端子を有し、前記センサの特性は前記感知結果に応じて変化し、前記放電トランジスタはゲート端子と第一の端子と第二の端子を有し、前記放電トランジスタの前記ゲート端子は第二のアドレス線に接続され、前記放電トランジスタの前記第一の端子は第二のアドレス線に接続され、前記放電トランジスタの前記第一の端子はノードにおいて前記駆動トランジスタの前記ゲート端子に接続され、前記放電トランジスタの前記第二の端子は前記センサの前記第一の端子に接続されている回路と、
第一の端子と第二の端子を有する蓄積コンデンサであって、前記蓄積コンデンサの前記第一の端子は前記ノードにおいて前記駆動トランジスタの前記ゲート端子に接続されている蓄積コンデンサと、
を備えることを特徴とする表示システム。
【請求項16】
請求項15に記載の表示システムであって、
前記センサの前記第二の端子は電源または、前記駆動トランジスタの前記第一の端子と前記第二の端子の一方に接続されていることを特徴とする表示システム。
【請求項17】
請求項15または16に記載の表示システムであって、
前記センサは前記画素回路の温度を感知することを特徴とする表示システム。
【請求項18】
請求項15または16に記載の表示システムであって、
前記センサは前記画素回路の輝度を感知することを特徴とする表示システム。
【請求項19】
請求項15から18のいずれかに記載の表示システムであって、
前記第一のアドレス線は表示アレイの第一の行のためのアドレス線であり、前記第二のアドレス線は、前記第一の行に隣接する第二の行のためのアドレス線であることを特徴とする表示システム。
【請求項20】
請求項19に記載の表示システムであって、さらに、
画素内補償(in-pixel compensation)を実行するためのドライバを備えることを特徴とする表示システム。
【請求項21】
請求項20による表示システムのための方法であって、前記ドライバは各行のためのプログラミングサイクル、補償サイクルおよび駆動サイクルを提供し、
第一の行のための前記プログラミングサイクルにおいて、前記第一の行のための前記アドレス線を選択し、前記第一の行にプログラミングデータを供給するステップと、
前記第一の行のための前記補償サイクルにおいて、前記第一の行に隣接する第二の行のための前記隣接アドレス線を選択し、前記第一の行のための前記アドレス線を無効にするステップと、
前記第一の行のための前記駆動サイクルにおいて、前記隣接するアドレス線を無効にするステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項15から19のいずれかに記載の表示システムであって、さらに、
前記プログラミングデータを修正するために、前記センサをリードバックするための少なくとも1つのリードバック回路を備えることを特徴とする表示システム。
【請求項23】
請求項22に記載の表示システムであって、さらに、
前記リードバックの結果に応じて前記プログラミングデータを生成するための第一のドライバと行を選択するための第二のドライバからなるドライバを備えることを特徴とする表示システム。
【請求項24】
請求項23に記載の表示システムであって、
前記ドライバは、前記リードバック結果に基づいて前記プログラミングデータを修正するためのオブパネル補償(of-panel compensation)を実行することを特徴とする表示システム。
【請求項25】
請求項24による表示システムであって、
前記少なくとも1つのリードバック回路は第一の入力と第二の入力と出力を有するチャージポンプアンプと、前記第一の入力と前記出力の間に接続されたコンデンサとを備え、前記第一の入力はスイッチを介して対応するデータ線に接続可能であり、前記第二の入力はバイアス線に接続されることを特徴とする表示システム。
【請求項26】
請求項24に記載の表示システムであって、
前記少なくとも1つのリードバック回路は、入力と出力を有するトランスレジスタンスアンプを備え、前記トランスレジスタンスアンプの前記入力は、スイッチを介して対応するデータ線に接続可能であることを特徴とする表示システム。
【請求項27】
請求項25による表示システムのための方法であって、前記オブパネル補償は第一と第二と第三と第四と第五の動作サイクルを含み、
第一の行のための前記第一の動作サイクルにおいて、前記第一の行のための前記第一のアドレス線を選択し、前記第一の行における前記画素回路をプログラムするステップと、
前記第一の行のための前記第二の動作サイクルにおいて、前記第一行のための前記第一のアドレス線を無効にし、前記第一の行の前記画素回路を駆動するステップと、
前記第一の行のための前記第三の動作サイクルにおいて、前記第一の行のための前記第一のアドレス線を選択し、前記ノードの電圧をバイアス電圧に充電するステップと、
前記第一の行のための前記第四の動作サイクルにおいて、前記第一の行に隣接する第二の行のための前記隣接アドレス線を選択し、前記第一の行のための前記第一のアドレス線を無効にして、前記センサから前記ノードの電圧を放電するステップと、
前記第一の行のための前記第五の動作サイクルにおいて、前記第一の行のための前記アドレス線を選択することにより、前記ノードでの電圧における変化をリードバックするステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項26による表示システムのための方法であって、前記オブパネル補償は第一と第二と第三の動作サイクルを含み、
前記第一の行のための前記第一の動作サイクルにおいて、前記第一の行のための前記第一のアドレス線を選択し、前記第一の行の前記画素回路をプログラムするステップと、
前記第一の行のための前記第二の動作サイクルにおいて、前記第一の行のための前記アドレス線を無効にし、前記第一の行のための前記画素回路を駆動するステップと、
前記第一の行のための前記第三の動作サイクルにおいて、前記第一の行のための前記アドレス線と前記第一の行に隣接する第二の行のための前記隣接アドレス線を選択することにより、前記センサからの前記出力を監視するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項23または24に記載の表示システムであって、
前記1つまたは2つ以上の画素は、1つまたは2つ以上の第二の画素回路のための1つまたは2つ以上の基準画素回路であり、前記リードバック動作は、前記1つまたは2つ以上の基準画素回路に適用され、前記第二の画素回路のための前記プログラミングデータを修正することを特徴とする表示システム。
【請求項30】
請求項29に記載の表示システムであって、
前記ドライバは、前記基準画素回路からの前記出力に基づき、前記センサの経年劣化状態(aging)をリードバックすることを特徴とする表示システム。
【請求項31】
表示システムであって、
行と列に配置され、各々が発光デバイスと駆動回路を有する複数の画素回路を備える表示アレイと、
前記表示アレイを駆動するための駆動システムと、を備え、
前記駆動回路は、
ゲート端子と第一の端子と第二の端子を有し、前記発光デバイスと第一の電源の間にいる駆動トランジスタと、
ゲート端子と第一の端子と第二の端子を有する第一のトランジスタであって、前記第一のトランジスタの前記ゲート端子はアドレス線に接続され、前記第一のトランジスタの前記第一の端子はデータ線に接続され、前記第一のトランジスタの前記第二の端子は前記駆動トランジスタの前記ゲート端子に接続されている第一のトランジスタと、
前記駆動トランジスタの前記ゲート電圧を調整するための回路であって、前記回路は第二のトランジスタを備え、前記第二のトランジスタはゲート端子と第一の端子と第二の端子を有し、前記第二のトランジスタの前記ゲート端子は制御線に接続され、前記第二のトランジスタは前記駆動トランジスタの前記ゲート端子に接続される調整回路と、
第一の端子と第二の端子を有する蓄積コンデンサであって、前記蓄積コンデンサの前記第一の端子は前記駆動トランジスタの前記ゲート端子に接続される蓄積コンデンサとを備え、
前記駆動システムは、前記画素回路がフレーム時間の一部分についてオフとなるように前記画素回路を駆動することを特徴とする表示システム。
【請求項32】
請求項31に記載の表示システムであって、
前記回路は、前記第二のトランジスタと前記発光デバイスの間に接続された第三のトランジスタを備え、前記第三のトランジスタの抵抗は、前記画素回路の前記経年劣化(aging)に基づいて変化することを特徴とする表示システム。
【請求項33】
請求項31に記載の表示システムであって、
前記回路は、前記画素回路の経年劣化(aging)に基づいて変化する抵抗を有するセンサを備えることを特徴とする表示システム。
【請求項34】
請求項31に記載の表示システムのための方法であって、前記駆動システムは各行のためのプログラミングサイクル、放電サイクル、発光サイクル、リセットサイクル、緩和サイクルを含むフレーム時間を提供し、
前記プログラミングサイクルにおいて、前記行のための前記アドレス線をアクティブにすることによって、前記行の上の前記画素回路をプログラムするステップと、
前記放電サイクルにおいて、前記行のための前記アドレス線を非アクティブにすることによって前記駆動トランジスタの前記ゲート端子の電圧を部分的に放電し、前記行のための前記制御線をアクティブにするステップと、
前記発光サイクルにおいて、前記行のための前記制御線を非アクティブにし、前記駆動トランジスタによって前記発光デバイスを制御するステップと、
前記リセットサイクルにおいて、前記行のための前記制御線をアクティブにすることによって、前記駆動トランジスタの前記ゲート端子の電圧を放電するステップと、
前記緩和サイクルにおいて、前記行のための前記制御線を非アクティブにするステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項35】
請求項31に記載の表示システムであって、
前記駆動システムは各行のための駆動出力を有する第一のドライバと、各列のための前記データ線を駆動するための第二のドライバとを備え、ある行のための前記アドレス線は対応するスイッチにより、前記第一のドライバの対応する駆動出力または所定の電圧を有する電圧線に選択的に接続されることを特徴とする表示システム。
【請求項36】
請求項31に記載の表示システムであって、
前記行のための前記制御線は、前記行のための前記アドレス線のそれとは異なる駆動出力に接続されていることを特徴とする表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図26】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図24】
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【図25】
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【図27】
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【図31】
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【公表番号】特表2009−522621(P2009−522621A)
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−549724(P2008−549724)
【出願日】平成19年1月5日(2007.1.5)
【国際出願番号】PCT/CA2007/000013
【国際公開番号】WO2007/079572
【国際公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(507257080)イグニス・イノベイション・インコーポレーテッド (15)
【氏名又は名称原語表記】IGNIS INNOVATION INCORPORATED
【Fターム(参考)】