説明

アクリラート架橋されたシリコーン共重合体の網目

本発明の組成物は、1)ポリエーテル置換された構造単位と、2)エポキシまたはオキシランの構造単位とを含有する、シリコーン共重合体、三元重合体および多元重合体を含有し、これがアクリラート種と反応して、ポリエーテル置換された構造単位とアクリラート架橋とを含有する架橋されたシリコーンを生成する。本発明の架橋された重合体は自己乳化性であり、そして水膨潤性または油膨潤性のどちらかでありうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2006年5月1日に出願された米国仮特許出願第60/746,079号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、架橋がアクリラートのオリゴマーまたは重合体である、シリコーン共重合体の網目(silicone copolymer network)を含有する組成物、その組成物を作る方法およびその組成物の用途に関する。
【背景技術】
【0003】
パーソナルケア産業は、各々が最終製剤にとって重要なまたは望ましい機能特性を有する、いくつかの成分の混合物に基づく多機能製品を供給できることで成長する。一つの望ましい特性は、製剤において高いがしかしずり応力で減少しうる粘度を維持しながら、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサンまたはデカメチルシクロペンタシロキサンのような低分子量シリコーンに由来する、絹のような最初の感触を付与する能力である。この低分子量シリコーンは、望ましい感触特性を付与するが、低粘度で、流動性の高い液体である。したがって、それは製剤の中に容易には保持されず、特定の用途での使用に際しては、分離したり、所定の容器から流れ出たり、または皮膚を流れてしまったりしやすい。さらに、拭いて乾かすときに滑らかで、低い残留感を与えながら、最初の絹のような感触を達成することが望まれる。揮発性のシリコーン中で調製した重合体のシリコーンゲルが、製剤に揮発性の低粘度シリコーンの望ましい最初の感触をもたらし、一方では同時に、拭いて乾かすときに高粘度で、そして滑らかな絹のような感触を与えることが見出されている;例えば、米国特許第5,760,116号、第5,493,041号および第4,987,169を参照。
【0004】
そのような重合体のシリコーンゲルは、ヒドロシリル化反応によって典型的に作られてきたが、これは架橋されたシロキサン重合体を生成するためにSiH官能基と末端オレフィン基の両方の使用を必要とする。したがって、シリルヒドリド(silylhydride)基、そして含んでもよい基として、ビニル官能性シロキサン基を組み込むことができるシロキサン構造だけしか、これらの物質を作るのに利用することができない。さらに、架橋されたシロキサン重合体を生成するこの方法は、多くの成分からなる製剤に補足的な機能の利点を生みだすために、重合体構造に組み込まれてよい望ましい有機官能性基の範囲を制限する。したがって、架橋されたシロキサン重合体に有機官能性基を含めようとする試みは、ヒドロシリル化反応と両立する不飽和の有機基を伴う。
【0005】
米国特許第6,313,249号;第6,399,081号;および、第5,039,761号は、アクリル主鎖とポリシロキサン側鎖とからなるシリコーンがグラフト重合されたアクリル共重合体の調製のための方法を開示する。米国特許第6,207,782号は、フリーラジカル重合された、ポリエーテル末端ポリシロキサンのアクリラート/メタクリラート、およびこの重合体を含むエマルジョンを開示する。米国特許第4,293,678号は、ポリエーテル置換されたシリコーンを含むエポキシシリコーンとアクリル酸とから作られるアクリル化されたエポキシシリコーンと名付けられた物質の類を開示する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
シリコーン網状重合体(silicone network polymer)は、様々なパーソナルケア組成物の成分として広く使用される。しかしながら、このシリコーン網状重合体の多くは、水のような極性媒体と相溶性がない。したがって、パーソナルケアにとって、広い範囲の極性または無極性の媒体と相溶性があり、そして、親水性活性の乳化、濃厚化、密着性、光沢、耐久性および弱粘着性のような機能の利点を与えることができる、親水性のシリコーン網目の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、a)とb)とc)との反応生成物を含有するシリコーン組成物を作る方法、このシリコーン組成物、およびそれの用途を提供する:
a)Mb−h−kPEd−i−lPEf−j−mPE;および
b)化学量論または過剰化学量論の量のアクリラートであって、
式中、
M=RSiO1/2
=RHSiO1/2
PE=R(−CHCH(R)(R10O(R11(CO)(CO)(CO)12)SiO1/2
=R(−R1718C−CR1615(COC)R1314)SiO1/2
D=RSiO2/2;そして
=RHSiO2/2
PE=R(−CHCH(R)(R10O(R11(CO)(CO)(CO)(R12)SiO2/2
=R(−R1718C−CR1615(COC)R1314)SiO2/2
T=R19SiO3/2
=HSiO3/2
PE=(−CHCH(R)(R10O(R11(CO)(CO)(CO)12)SiO3/2
=(−R1718C−CR1615(COC)R1314)SiO3/2;そして
Q=SiO4/2
式中、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR19は、それぞれ独立して、1から60までの炭素原子を有する一価の炭化水素基の群から選択され;
は、Hまたは1から6の炭素原子のアルキル基であり;R10は、1から6の炭素の二価のアルキル基であり;
11は、−CO−、−CO、および−CO−からなる二価の基の群から選択され;R12は、H、1から6の炭素の単官能性炭化水素基、またはアセチルであり;R13、R14、R15、R16、R17およびR18は、それぞれ独立して、水素および1から60までの炭素原子を有する一価の炭化水素基の群から選択され、Qは、1から60までの炭素原子を有する二価または三価の炭化水素基であり、Qは、1から60までの炭素原子を有する二価の炭化水素基であり、ただし、Qが三価の場合にR14は存在せず、そしてQはR13を有する炭素と結合する、ここでR16およびR18は、互いにシスまたはトランスのどちらかであってよい、という制限に従い;
下付文字aは、ゼロまたは正であってよく、ただし、下付文字aがゼロである場合は、bは正でなければならない、という制限に従い;
下付文字bは、ゼロまたは正であってよく、ただし、下付文字bがゼロである場合は、下付文字aは正でなければならない、という制限に従い;
下付文字cは、正であり、そして約5から約1,000までの範囲の値を有し;
下付文字dは、正であり、そして約3から約400までの範囲の値を有し;
下付文字eは、ゼロまたは正であり、そして0から約50までの範囲の値を有し;
下付文字fは、ゼロまたは正であり、そして0から約30までの範囲の値を有し;
下付文字gは、ゼロまたは正であり、そして0から約20までの範囲の値を有し;
下付文字hは、ゼロまたは正であり、そして0から約2までの範囲の値を有し、ただし、下付文字h、iおよびjの合計が正である、という制限に従い;
下付文字iは、ゼロまたは正であり、そして0から約200までの範囲の値を有し、ただし、下付文字h、iおよびjの合計が正である、という制限に従い;
下付文字jは、ゼロまたは正であり、そして0から約30までの範囲の値を有し、ただし、下付文字h、iおよびjの合計が正である、という制限に従い;
下付文字kは、ゼロまたは正であり、そして0から約2までの範囲の値を有し、下付文字k、lおよびmの合計が正である、という制限に従い;
下付文字lは、ゼロまたは正であり、そして0から約200までの範囲の値を有し、ただし、下付文字k、lおよびmの合計が正である、という制限に従い;
下付文字mは、ゼロまたは正であり、そして0から約30までの範囲の値を有し、ただし、下付文字k、lおよびmの合計が正である、という制限に従い;
下付文字nは、ゼロまたは1であり;
下付文字oは、ゼロまたは1であり;
下付文字pは、ゼロまたは正であり、そして0から約100までの範囲の値を有し、ただし、(p+q+r)>0、という制限に従い;
下付文字qは、ゼロまたは正であり、そして0から約100までの範囲の値を有し、ただし、(p+q+r)>0、という制限に従い;
下付文字rは、ゼロまたは正であり、そして0から約100までの範囲の値を有し、ただし、(p+q+r)>0、という制限に従い;
下付文字sは、ゼロまたは1であり;
下付文字tは、ゼロまたは1であり、;そして、
c)フリーラジカル開始剤。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
ここで使用されるように、化学量論の下付文字の整数値は、分子種を指し、そして化学量論の下付文字の非整数値は、分子量の重量平均基準、数平均基準またはモル分率基準での分子種の混合物を指す。不足化学量論の(sub-stoichiometric)、および過剰化学量論の(super stoichiometric)、の語句は、反応物と反応物との間の関係を指す。不足化学量論の、は、基質部分と反応物質との完全な化学量論の反応に必要な反応物の量より少ない反応物の量を指す。過剰化学量論の、は、基質部分と反応物との完全な化学量論の反応に必要な反応物質の量より多い反応物の量を指す。ここで使用されるように、「過剰化学量論の」は、ある状況下では、化学量論の超過、すなわち化学量論の量の整数倍、または非化学量論の超過のどちらかである超過と同じになってよい。
【0009】
本発明は、本発明の組成物を作る方法、本発明の組成物を含有する組成物および有用な組成物を提供する。
【0010】
本発明の方法は、ヒドロシリル化の条件下で、シリルヒドリド共重合体と、不足化学量論量のオレフィン性ポリエーテルとの反応により、ポリエーテル置換されたヒドリド三元重合体を生成する。
【0011】
したがって、一つの具体的な実施態様において、本発明の組成物に至る本発明のプロセスは、以下のとおりである。シリルヒドリドは:

という式であり、式中
M=RSiO1/2
=RHSiO1/2
D=RSiO2/2;および
=RHSiO2/2
であり、ここで、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR19は、それぞれ独立して、1から60までの炭素原子を有する一価の炭化水素基の群から選択され、ここで下付文字a、b、cおよびdは、ゼロまたは正である。
上記の式を有するシリルヒドリドは、不足化学量論の量で、すなわち下付文字bおよびdの合計に等しいモル量よりも少ないモル量で、下記の式を有するオレフィン性ポリエーテルとヒドロシリル化の条件下で反応する;その量は、下付文字hおよびiの化学量論の合計である:
CH=CH(R)(R10O(R11(CO)(CO)(CO)12
式中、
は、Hまたは1から6の炭素原子のアルキル基であり;R10は、1から6の炭素の二価のアルキル基であり、ここで下付文字nは0または1であってよく;R11は、−CO−、CO−、および−CO−からなる二価の基の群から選択され、ここで下付文字oは0または1であってよく;R12は、H、1から6の炭素の単官能性炭化水素基、またはアセチルであり、そして下付文字p、qおよびrは、ゼロまたは正である。ポリエーテルが混合されたオキシアルキレンオキシド基(すなわち、オキシエチレン、オキシプロピレンおよびオキシブチレン)からなる場合、これらの単位はブロックになっているか、またはランダムに分布してよい。生じる三元重合体は、下記の式と一致する式を有する:
b−hPEd−iPE
式中、上付文字PEは、下記の式であるポリエーテル置換を示す。
PE=R(−CHCH(R)(R10O(R11(CO)(CO)(CO)12)SiO1/2
および
PE=R(−CHCH(R)(R10O(R11(CO)(CO)(CO)12)SiO2/2
【0012】
この三元重合体は、不足化学量論の量で、すなわち下付文字(b−h)および(d−i)の合計に等しいモル量より少ないモル量で、下記の式を有するオレフィン性エポキシドまたはオキシランと、ヒドロシリル化の条件下で、さらに反応する;その量は、化学量論の下付文字kおよびlの合計である:
【化1】

上式は、R1718C=CR1615(COC)R1314、であり、式中、R13、R14、R15、R16、R17およびR18は、それぞれ独立して、水素および1から60までの炭素原子を有する一価の炭化水素基の群から選択され、Qは、1から60までの炭素原子を有する二価または三価の炭化水素基であり、Qは、1から60までの炭素原子を有する二価の炭化水素基であり、下付文字sおよびtは、独立してゼロまたは1であり、ただし、Qが三価である場合にR14は存在せず、そしてQはR13を有する炭素に結合する、ここでR16およびR18は、互いにシスまたはトランスのどちらかであってよい、という制限に従う。
【0013】
生じる重合体は、下記と一致する式を有する:
b−h−kPEd−i−lPE
式中、上付文字Eは、下記の式のエポキシド置換またはオキシラン置換を示す。
=R(−R1718C−CR1615(COC)R1314)SiO1/2および、
=R(−R1718C−CR1615(COC)R1314)SiO2/2
【0014】
残りのヒドリドが0より大きい場合、これは(b−h−k)と(d−i−l)の化学量論量の0でない値によって分かるが、アルケニルシリコーン樹脂を含む種々のオレフィン性の種(olefinic species)とのさらなるヒドロシリル化反応は、多元重合体を生みだすために行ってよい。記載したヒドロシリル化反応の順序は、逆にしてもよく、またはそれらを一つの反応に組み合わせそして成し遂げてもよいことに注目すべきである。
【0015】
下記の式を有する重合体:
b−h−kPEd−i−lPE
は、エポキシドまたはオキシランの官能基のアクリラートエステルを得るために、アクリル酸、置換されたアクリル酸またはそれのエステルとさらに反応させ、下記の式を有するアクリラートエステル重合体を得る:
b−h−kPEd−i−lPE
式中、上付文字Aは、エポキシ置換基(−R1718C−CR1615(COC)R1314)とアクリラート種(acrylate species)との間の反応生成物である置換基を示し、そして意味する。フリーラジカル開始剤と同時に過剰のアクリラート種を添加すると、ポリアクリラート架橋が生成する。アクリラート化されたポリエーテルがグラフト重合したポリシロキサン共重合体は、フリーラジカル重合の条件下で、一つまたはそれより多くのコモノマーと重合または共重合されてよく、この重合はアクリラートの重合に関して技術上既知である触媒と温度を用いて、様々な溶剤中で行われてよい。適切な溶剤は、シリコーン流体、水、アルコール、エステル、炭化水素流体または有機油を含むが、それに限定されない。フリーラジカル開始触媒(以下、フリーラジカル開始剤)の例は、次を含む:過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどのような無機ペルオキシド;例えば、ジイソプロピルペルオキシド、ジラウリルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシドのジアルキルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、t−アミルヒドロペルオキシド、クミルヒドロペルオキシドのようなアルキルヒドロペルオキシド、例えば、アセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシドのジアシルペルオキシド、エチルペルオキシベンゾアート、パバラートペルオキシドのようなペルオキシエステルのような有機ペルオキシ触媒、2−アゾビス(イソブチロニトリル)、1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)などのようなアゾ化合物、および他のフリーラジカル発生触媒。
【0016】
したがって、一つの実施態様において本発明の組成物は、下記の式を有する重合体:
b−h−kPEd−i−lPE
とアクリラート種との間の反応生成物である。
【0017】
より一般的には、ヒドリド含有シリコーン重合体は、エポキシ置換され、ポリエーテル置換されたシリコーン重合体を得るために、この反応スキームに従わせてもよく、その後、アクリル酸、置換されたアクリル酸またはその誘導体との反応によりアクリラート架橋され、ポリエーテルで置換されたシリコーン重合体の網目を生成してよい。下記の式を有する、エポキシ置換されたポリエーテルがグラフト重合したポリシロキサン共重合体:
b−h−kPEd−i−lPE
は、アクリラートと、通常はアクリル酸またはメタクリル酸と反応して、アクリラート化されたポリエーテルがグラフト重合したポリシロキサン共重合体を生成する。アクリラートとのエポキシ開環反応は、触媒なしでも進行するが、触媒を使用してもよい。有用な触媒の例は、1,4−ジアザビシクロ(2.2.2)オクタン、塩化アルミニウム、チタンテトラ(イソプロポキシド)、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、モルホリントリブチルアミン、ベンゾイルジメチアミン、1,1’,3,3’−テトラメチル尿素のようなテトラアルキル尿素化合物を含む。
【0018】
より一般的には、本発明の組成物に至る本発明のプロセスは、下記の式:

を有するシリコーンヒドリド(silicone hydride)と、不足化学量論量のオレフィン性ポリエーテルとがヒドロシリル化の条件下で反応することを含有し、合計(h+i+j)によって表わされる不足化学量論のモル量が、下記と一致する式を有するポリエーテル置換された重合体を生成する:
b−hPEd−iPEf−jPE
【0019】
下記の式を有するポリエーテル置換された重合体:
b−hPEd−iPEf−jPE
は、続いて、不足化学量論量のオレフィン性のエポキシドまたはオキシランとヒドロシリル化の条件下で反応して、合計(k+l+m)によって表わされるる不足化学量論のモル量が、下記と一致する式を有するエポキシとポリエーテルで置換された重合体を生成する。
b−h−kPEd−i−lPEf−j−mPE
下記の化合物
b−h−kPEd−i−lPEf−j−mPE
とアクリラート官能性化合物との反応は、対応するエポキシ基またはオキシラン基のアクリラートエステルを生みだし、下記の式を有するシリコーン重合体へと導く:
b−h−kPEd−i−lPEf−j−mPE
式中、上付文字Aは、エポキシ置換基(−R1718C−CR1615(COC)R1314)とアクリラート種との間の反応生成物である置換基を示し、そして意味する。下記の式を有するエポキシ置換されたポリエーテルがグラフト重合したポリシロキサン共重合体:
b−h−kPEd−i−lPEf−j−mPE
は、アクリラートと、通常はアクリル酸またはメタクリル酸と反応して、アクリラート化されたポリエーテルがグラフト重合したポリシロキサン共重合体を生成する。アクリラートとのエポキシ開環反応は、触媒なしでも進行するが、触媒を使用してもよい。有用な触媒は、1,4−ジアザビシクロ(2.2.2)オクタン、塩化アルミニウム、チタンテトラ(イソプロポキシド)、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、モルホリントリブチルアミン、ベンゾイルジメチアミン、1,1’,3,3’−テトラメチル尿素のようなテトラアルキル尿素化合物を含む。下記の重合体:
b−h−kPEd−i−lPEf−j−mPE
は、その後、アクリラート成分を重合するために適切な条件下で、追加した量のアクリラート種またはそれの混合物とさらに反応してよく、これによって、前駆体、Mb−h−kPEd−i−lPEf−j−mPE重合体の中で、アクリラートのオリゴマーまたは重合体の架橋を生成する。これらの二つのステップは、化学量論量または過剰化学量論量のアクリラートのどちらかを使うことによって組み合わせてよい。
【0020】
本発明の組成物は、下記の化合物:
b−h−kPEd−i−lPEf−j−mPE
b−h−kPEd−i−lPEf−j−mPE
および、これらの化合物とアクリラート成分との反応生成物を含む。
【0021】
ここで使用される「アクリラート」の語句は、以下の化学種の集合名詞である:アクリル酸およびメタクリル酸、または、メチル、エチル、ブチル、アミル、2−エチルヘキシル、シクロヘキシル、ビニル、アリル、ヒドロキシエチル、ペルフルオロエチル、イソボルニル、フェノキシエチル、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ポリオキシアルキレンのような、アクリル酸およびメタクリル酸のエステル誘導体、有機修飾されたポリシロキサン(例えば、米国特許第6、207、782号の中でエマルジョン前駆体として使用する、アクリラート化された親水性ポリシロキサン)、サルファート、スルホナートまたはホスファートの官能性アクリラートまたはそれの混合物のような、陰イオン性アクリラート/メタクリラート、およびエポキシ基またはオキシラン基との反応に必要な触媒。単独のアクリラート、またはアクリラートとメタクリラートとの様々な組合せを使用してよい。
【0022】
ここで使用されるように、化学量論の下付文字の整数値は、分子種を指し、そして化学量論の下付文字の非整数値は、分子量平均基準、数平均基準またはモル分率基準での分子種の混合物を指す。本発明の化合物の混合物の場合においては、純粋な化合物の下付文字とは対照的に、混合物の化学量論の下付文字が、整数または非整数のどちらかであってよい平均値を有することは、容易に理解されるものである。
【0023】
本発明は、a)とb)とc)との反応生成物を含有する、シリコーン組成物を作る方法、そのシリコーン組成物およびその用途を提供する:
a)Mb−h−kPEd−i−lPEf−j−mPE
b)化学量論または過剰化学量論の量のアクリラートであって、
式中、
M=RSiO1/2
=RHSiO1/2
PE=R(−CHCH(R)(R10O(R11(CO)(CO)(CO)12)SiO1/2
=R(−R1718C−CR1615(COC)R1314)SiO1/2
D=RSiO2/2;そして
=RHSiO2/2
PE=R(−CHCH(R)(R10O(R11(CO)(CO)(CO)12)SiO2/2
=R(−R1718C−CR1615(COC)R1314)SiO2/2
T=R19SiO3/2
=HSiO3/2
PE=(−CHCH(R)(R10O(R11(CO)(CO)(CO)12)SiO3/2
=(−R1718C−CR1615(COC)R1314)SiO3/2;そして
Q=SiO4/2
式中、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR19は、それぞれ独立して、1から60までの炭素原子を有する一価の炭化水素基の群から選択され;
は、Hまたは1から6の炭素原子のアルキル基であり;R10は、1から6の炭素の二価のアルキル基であり;
11は、−CO−、−CO、および−CO−からなる二価の基の群から選択され;R12は、H、1から6の炭素の単官能性炭化水素基、またはアセチルであり;R13、R14、R15、R16、R17およびR18は、それぞれ独立して、水素および1から60までの炭素原子を有する一価の炭化水素基の群から選択され、Qは、1から60までの炭素原子を有する二価または三価の炭化水素基であり、Qは、1から60までの炭素原子を有する二価の炭化水素基であり、ただし、Qが三価の場合にR14は存在せず、そしてQはR13を有する炭素と結合する、ここでR16およびR18は、互いにシスまたはトランスのどちらかであってよい、という制限に従い;
下付文字aは、ゼロまたは正であってよく、ただし、下付文字aがゼロである場合は、bは正でなければならない、という制限に従い;
下付文字bは、ゼロまたは正であってよく、ただし、下付文字bがゼロである場合は、下付文字aは正でなければならない、という制限に従い;
下付文字cは、正であり、そして約5から約1,000までの範囲の値を有し;
下付文字dは、正であり、そして約3から約400までの範囲の値を有し;
下付文字eは、ゼロまたは正であり、そして0から約50までの範囲の値を有し;
下付文字fは、ゼロまたは正であり、そして0から約30までの範囲の値を有し;
下付文字gは、ゼロまたは正であり、そして0から約20までの範囲の値を有し;
下付文字hは、ゼロまたは正であり、そして0から約2までの範囲の値を有し、ただし、下付文字h、iおよびjの合計が正である、という制限に従い;
下付文字iは、ゼロまたは正であり、そして0から約200までの範囲の値を有し、ただし、下付文字h、iおよびjの合計が正である、という制限に従い;
下付文字jは、ゼロまたは正であり、そして0から約30までの範囲の値を有し、ただし、下付文字h、iおよびjの合計が正である、という制限に従い;
下付文字kは、ゼロまたは正であり、そして0から約2までの範囲の値を有し、下付文字k、lおよびmの合計が正である、という制限に従い;
下付文字lは、ゼロまたは正であり、そして0から約200までの範囲の値を有し、ただし、下付文字k、lおよびmの合計が正である、という制限に従い;
下付文字mは、ゼロまたは正であり、そして0から約30までの範囲の値を有し、ただし、下付文字k、lおよびmの合計が正である、という制限に従い;
下付文字nは、ゼロまたは1であり;
下付文字oは、ゼロまたは1であり;
下付文字pは、ゼロまたは正であり、そして0から約100までの範囲の値を有し、ただし、(p+q+r)>0、という制限に従い;
下付文字qは、ゼロまたは正であり、そして0から約100までの範囲の値を有し、ただし、(p+q+r)>0、という制限に従い;
下付文字rは、ゼロまたは正であり、そして0から約100までの範囲の値を有し、ただし、(p+q+r)>0、という制限に従い;
下付文字sは、ゼロまたは1であり;
下付文字tは、ゼロまたは1であり;そして、
c)フリーラジカル開始剤。
【0024】
下付文字aは、ゼロまたは正であってよく、ただし、下付文字aがゼロである場合にbは正でなければならない、という制限に従う。下付文字bは、ゼロまたは正であってよく、ただし、bがゼロである場合に下付文字aは、正でなければならない、という制限に従う。すべての場合に、合計a+b≧2である、すなわち、aとbとの合計は、存在するT基およびQ基の数に依存して、2またはそれより多くならねばならない。
は出発物質であり、そして
b−h−kPEd−i−lPEf−j−mPEは、アクリラートとの反応と、その後の架橋に先立つ高分子物質である。
【0025】
下付文字cは、元のD単位の量を指すが、これは正であり、そして約5から約1,000までの、具体的にいうと約10から約700までの、さらに具体的にいうと約30から約500までの、そして最も具体的にいうと約50から約300までの範囲の値を有する。
【0026】
下付文字dは、元のD単位の量を指すが、これは正であり、そして約3から約400までの、具体的にいうと約3から約300までの、さらに具体的にいうと約3から約175までの、そして最も具体的にいうと約3から約40までの範囲の値を有する。
【0027】
下付文字eは、元のT単位の量を指すが、これはゼロまたは正であり、そして0から約50までの、具体的にいうと約0から約35までの、さらに具体的にいうと約0から約20までの、そして最も具体的にいうと約0から約10までの範囲の値を有する。
【0028】
下付文字fは、元のT単位の量を指すが、これはゼロまたは正であり、そして0から約30までの、具体的にいうと約0から約25までの、さらに具体的にいうと約0から約17までの、そして最も具体的にいうと約0から約10までの範囲の値を有する。
【0029】
下付文字gは、元のQ単位の量を指すが、これはゼロまたは正であり、そして0から約20までの、具体的にいうと約0から約17までの、さらに具体的にいうと約0から約13までの、そして最も具体的にいうと約0から約10までの範囲の値を有する。
【0030】
下付文字hは、MPE単位の量を指すが、これはゼロまたは正であり、そして0から約2までの、そして最も具体的にいうと約0から約1までの範囲の値を有し、ただし、下付文字h、iおよびjの合計が正である、すなわち(h+i+j)≧0、そして(b+d+f)≧(h+i+j)+(k+l+m)である、という制限に従う。
【0031】
下付文字iは、DPE単位の量を指すが、これはゼロまたは正であり、そして0から約200までの、具体的にいうと約0から約140までの、さらに具体的にいうと約0から約80までの、そして最も具体的にいうと約1から約30までの範囲の値を有し、ただし、下付文字h、iおよびjの合計が正である、すなわち、(h+i+j)≧0、そして(b+d+f)≧(h+i+j)+(k+l+m)である、という制限に従う。
【0032】
下付文字jは、TPE単位の量を指すが、これはゼロまたは正であり、そして0から約30までの、具体的にいうと約0から約24までの、さらに具体的にいうと約0から約18までの、そして最も具体的にいうと約0から約10までの範囲の値を有し、ただし、下付文字h、iおよびjの合計が正である、すなわち(h+i+j)≧0、そして(b+d+f)≧(h+i+j)+(k+l+m)である、という制限に従う。
【0033】
下付文字kは、M単位の量を指すが、これはゼロまたは正であり、そして約0から約2までの、最も具体的にいうと0から約1までの値を有し、ただし、下付文字k、lおよびmの合計が正である、すなわち(k+l+m)≧0、そして(b+d+f)≧(h+i+j)+(k+l+m)である、という制限に従う。
【0034】
下付文字lは、D単位の量を指すが、これはゼロまたは正であり、0から約200までの、具体的にいうと約0から約140までの、さらに具体的にいうと約0から約90までの、そして最も具体的にいうと約2から約20までの範囲の値を有し、ただし下付文字k、lおよびmの合計が正である、すなわち(k+l+m)≧0、そして(b+d+f)≧(h+i+j)+(k+l+m)である、という制限に従う。
【0035】
下付文字mは、T単位の量を指すが、これはゼロまたは正であり、0から約30までの、具体的にいうと約0から約23までの、さらに具体的にいうと約0から約16までの、そして最も具体的にいうと約0から約10までの範囲の値を有し、ただし、下付文字k、lおよびmの合計が正である、すなわち(k+l+m)≧0、そして(b+d+f)≧(h+i+j)−(k+l+m)である、という制限に従う。
【0036】
下記の式を有するオレフィン性ポリエーテルに関して:
CH=CH(R)(R10O(R11(CO)(CO)(CO)12
下付文字nは、ゼロまたは1である。
下付文字oは、ゼロまたは1である。
下付文字pは、ゼロまたは正であり、そして0から約100までの、具体的にいうと約0から約85までの、さらに具体的にいうと約0から約55までの、そして最も具体的にいうと約0から約40までの範囲の値を有し、ただし、(p+q+r)>0、という制限に従う。
下付文字qは、ゼロまたは正であり、そして0から約100までの、具体的にいうと約0から約80までの、さらに具体的にいうと約0から約60までの、そして最も具体的にいうと約0から約40までの範囲の値を有し、ただし、(p+q+r)>0、という制限に従う。
下付文字rは、ゼロまたは正であり、そして0から約100までの、具体的にいうと約0から約75までの、さらに具体的にいうと約0から約50までの、そして最も具体的にいうと約0から約40までの範囲の値を有し、ただし、(p+q+r)>0、という制限に従う。
【0037】
最終の、架橋された共重合体の網状組成物におけるD基、D基およびDPE基の相対量に依存して、架橋された組成物は、次のどちらかによって膨潤可能である:1)水、アルコールまたはカルボン酸のような水酸基含有溶剤(hydroxylic solvent)、または、水性または非水性の水酸基含有溶剤が成分である溶剤混合物、または、2)シリコーンまたは以下に後で定義した有機溶剤のどちらか、またはそのような溶剤を含む混合物であってよい非水性の非親水性溶剤。本考察のために、この二種類だけの架橋された膨潤可能な網状共重合体が、「水膨潤性」または「油膨潤性」(「油膨潤性」、の用語は、「水膨潤性」の用語に包含されない膨潤溶剤すべてを包含する)として引用される。一般に、水膨潤能は、以下の関係を満たす架橋された網状共重合体でより出現しやすい:
1)存在するD基の数について:約5<D基の数≦約90;
2)存在するDPE基の数について:DPE>約5;そして
3)膨潤しない架橋重合体の網目の少なくとも約5重量パーセントまたはそれより多くを構成するアクリラート架橋。
【0038】
対照的に、油膨潤性は、以下の関係を満たす架橋された網状共重合体でより出現しやすい:
1)存在するD基の数について:約90≦D基の数;
2)存在するDPE基の数について:約1<DPE基の数≦約7;
3)膨潤しない架橋重合体の網目の約10重量パーセントまたはそれ未満を構成するアクリラート架橋。
【0039】
水または油の膨潤能に関して、例示した構造パラメーターと化学量論の下付文字との前述の範囲は、可変でありそして相互依存し、そしてパラメーターの変数は、示された範囲よりも広かったり、または狭かったりすることによって超えてもよく、そして特定の重合体に関連した別の構造パラメーターまたは化学量論パラメーターにおいて恒常的な変化(homeostatic variation)の理由で、特定のタイプの膨潤能がそれでも観察されることは、強調すべきである。
【0040】
アクリラート架橋とポリエーテル置換基の両方は、水や他の水酸基含有溶剤と水素結合する能力があるので、他のすべての組成物の変数を一定のままでどちらか一方の含有量を増加させると、生じる架橋された網状重合体の水膨潤能を増加させる傾向がある。ほとんど無限の方法で、本発明の架橋された網状共重合体の組成パラメーターを変えることが可能であるので、一部の組成物は、水膨潤性と油膨潤性の両方であり、その一方で他のものは、水膨潤性だけ、または油膨潤性だけであり、そして一部の組成物は、ここで考察した溶剤に膨潤しない。架橋された網目に存在する架橋の量は、流体中の網目が示す膨潤度に関して記述できる。別の実施態様において、網目の架橋構造は、網目の元の体積から膨潤した体積まで膨潤させるのに有効であり、それは元の体積の1.01から5000倍まで、より好ましくは2から1000倍まで、さらに好ましくは5から500倍までのファクターである。網目の元の体積は、例えば、本発明のシリコーン組成物から流体成分の全部を抽出するか、または蒸発させて元の体積、すなわち流体が存在しないポリエーテルシロキサン共重合体の網目の体積、を残すことによって決定することができる。
【0041】
本発明の組成物は、自己乳化性である。
【0042】
シリコーン組成物は、組成物の粘度および触感を調節するために、低いせん断から高いせん断のもとで、さらに加工処理してよい。これは、例えば、組成物を中程度から高いせん断力にさらすことにより達成できる。高いせん断は、例えば、ソノレーター(Sonolator)装置、ゴウリンホモジナイザー(Gaulin homogenizer)またはミクロ流動化(Micro Fluidizer)装置を使用して印加できる。場合によっては、1つまたはそれより多くの流体をせん断に先立ってシリコーン組成物に加えてもよい。
【0043】
好ましい実施態様において、本発明のシリコーン組成物は、典型的にはクリーム状の粘稠性(consistency)を有する固体であり、ここで共重合体の網目は、流体に固体の特性を可逆的に付与するために、流体をゲル化する手段として作用する。静止状態では、シリコーン組成物は、固体のゲル物質の特性を示す。本発明のシリコーン組成物は、高い安定性とシネレシス(離漿;syneresis)に対する抵抗とを示す。すなわちこの組成物は、流体が組成物からほとんど流れないか、全く流れない傾向を示し、そして成分としてシリコーン組成物を含むパーソナルケア組成物に、高い安定性とシネレシス抵抗とを付与する。高い安定性とシネレシス抵抗は、そのようなシリコーン組成物とパーソナルケア組成物の劣化の引き伸ばしを持続する。しかしながら、流体は、シリコーン組成物にせん断力を受けさせることによって、例えば、人の指の間で組成物をこすり合わせることによって、網目から解放され、シリコーン物質の流体成分の改善された触感特性を与える。
【0044】
水(または非水性の水酸基含有溶剤のような水の同等物)、直鎖または環状のシロキサン、または親油性の流体(油膨潤剤、油膨潤性)は、膨潤剤として使用してよい。本発明の組成物の流体成分として用いるのに適する親油性流体は、室温、または室温付近で、例えば、約20℃から約50℃まで、そして約1気圧で液体状態である流体の化合物、または二つまたはそれより多くの化合物の混合物であり、そして例えば、シリコーン流体、炭化水素流体、エステル、アルコール、脂肪族アルコール、グリコールおよび有機油を含む。好ましい実施態様において、本発明の組成物の流体成分は、25℃で、約1,000cStより低い、好ましくは約500cStより低い、より好ましくは約250cStより低い、そして最も好ましくは100cStより低い粘度を示す。
【0045】
一つの好ましい実施態様において、ポリアクリラートシロキサン共重合体の網目は、様々な流体成分に不溶であるが、流体によって膨潤する能力がある架橋された網目である。架橋された網目に存在する架橋の量は、流体中の網目が示す膨潤度に関して記述できる。別の好ましい実施態様において、網目の架橋構造は、網目の元の体積から、膨潤した体積まで水によって膨潤させるのに有効であり、それは元の体積の1.01から5000倍まで、より好ましくは2から1000倍まで、さらに好ましくは5から500倍までのファクターである。網目の元の体積は、例えば、本発明のシリコーン組成物から流体の成分のすべてを抽出するか、または蒸発させて元の体積、すなわち流体が存在しないポリアクリラートシロキサン共重合体の網目の体積、を残すことによって決定することができる。別の好ましい実施態様において、網目の架橋構造は、網目の元の体積から膨潤した体積まで親油性の流体で膨潤させるのに有効であり、それは、元の体積の1.01から5000倍まで、より好ましくは2から1000倍まで、さらに好ましくは5から500倍までのファクターである。網目の元の体積は、例えば、本発明のシリコーン組成物から流体成分のすべてを抽出するか、または蒸発させて元の体積、すなわち流体が存在しないポリアクリラートシロキサン共重合体の網目の体積、を残すことによって決定することができる。別の好ましい実施態様において、網目の架橋構造は、例えば、デカメチルシクロペンタシロキサンのような低分子量シリコーン流体によって、網目の元の体積から膨潤した体積まで膨潤させるのに有効であり、それは元の体積の1.01から5000倍まで、より好ましくは2から1000倍まで、さらに好ましくは5から500倍まで、のファクターである。網目の元の体積は、例えば、本発明のシリコーン組成物から流体成分の全部を抽出するか、または蒸発させて元の体積、すなわち流体が存在しないポリアクリラートシロキサン共重合体の網目の体積、を残すことによって決定することができる。
【0046】
一つの実施態様において、本発明の流体成分は、皮膚軟化剤化合物を含有する。適切な皮膚軟化剤化合物は、皮膚を軟化させる性質を与える、すなわち、皮膚に塗ると、皮膚の表面に、または皮膚の角質層の中に残り滑剤として働き、皮膚の剥がれ落ちを減らし、そして外観を良くする傾向がある、任意の液体を含む。皮膚軟化剤化合物は、一般的に知られており、例えばイソドデカン、イソヘキサデカンおよび水素化ポリイソブテンのような炭化水素、例えばホホバ(jojoba)のような有機ワックス、例えばシクロペンタシロキサン、ジメチコンおよびビスフェニルプロピルジメチコンのようなシリコーン流体、例えばオクチルドデシルネオペンタノアートおよびオレイルオレアートのようなエステルだけでなく、脂肪酸および、例えばオレイルアルコールおよびイソミリスチルアルコールのようなアルコールを含む。
【0047】
一つの実施態様において、本発明の流体成分は、シリコーン流体を、より好ましくは、皮膚を軟化させる性質を示すシリコーン流体を、好ましくは低分子量シリコーン流体または代わりに低分子量シロキサン化合物を含有する。適切なシリコーン流体は、例えば式Dの環状シリコーンと下記の式を有する直鎖または分岐の有機ポリシロキサンとを含有する。
式Dの環状シリコーンのD、RおよびRは、以前に定義されたとおりであり、RおよびRは、好ましくは一価の1から60の炭素原子の一価の炭化水素基からなる群から選ばれ、より好ましくはメチルであり、そして、rは整数であり、ここで、例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(「D」)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(「D」)、デカメチルシクロペンタシロキサン(「D」)およびドデカメチルシクロヘキサシロキサン(「D」)のように、3≦r≦12、である。
直鎖または分岐の有機ポリシロキサンは、
M’D’T’M’
であり、式中:
M’はR19SiO1/2であり;
D’はR20SiO2/2であり:
T’はR21SiO3/2
である。
19、R20およびR21は、それぞれ独立して、1から60までの炭素原子を含むアルキル、アリールまたはアラルキルである。
uおよびvは、それぞれ独立して、0から300までの、好ましくは0から100までの、さらに好ましくは0から50までの、そして最も好ましくは0から20までの整数である。
【0048】
好ましい実施態様において、本発明のシリコーン組成物は、シリコーン組成物の100重量部(「pbw」)あたり、0.1から99pbwまで、より好ましくは0.5pbwから30pbwまで、そしてさらに好ましくは1から15pbwまでのポリアクリラートシロキサン共重合体の網目と、1pbwから99.9pbwまで、好ましくは70pbwから99.5pbwまで、そしてより好ましくは85pbwから99pbwまでの流体とを含有する。
【0049】
本発明のポリアクリラートシロキサン共重合体の網状組成物は、調製したままで、またはエマルジョン中のシリコーン成分として、利用してよい。一般に知られているように、エマルジョンは、少なくとも二つの混ざらない相を含有し、一方は連続で、他方は不連続である。さらにエマルジョンは、粘度が変わる流体または固体であってよい。そのうえ、エマルジョンの粒径は、マイクロエマルジョン状態であってもよく、それから十分に小さなマイクロエマルジョンは、透明であってよい。さらに、エマルジョンのエマルジョンを調製することもまた可能であり、そしてこれらは多重エマルジョンとして一般に知られている。これらのエマルジョンは、次のとおりであってよい:
1)不連続相が水を含有し、連続相が本発明のポリアクリラートシロキサン共重合体の網目を含有する、水性エマルジョン;
2)不連続相が本発明のポリアクリラートシロキサン共重合体の網目を含有し、連続相が水を含有する、水性エマルジョン;
3)不連続相が非水性の水酸基含有溶剤を含有し、連続相が本発明のポリアクリラートシロキサン共重合体の網目を含有する、非水性のエマルジョン;そして、
4)連続相が非水性の水酸基含有有機溶剤を含有し、不連続相が本発明のポリアクリラートシロキサン共重合体の網目を含有する、非水性のエマルジョン。
【0050】
シリコーン相を含有する非水性のエマルジョンは、米国特許第6,060,546号、および1998年3月3日に出願された米国同時係属出願連続番号第09/033,788号に記載されており、この開示内容を援用することにより本明細書の一部としてここに編入する。
【0051】
ここで使用されるように、「非水性の水酸基含有有機化合物」または「非水性の水酸基含有溶剤」の用語は、室温、例えば約25℃、および約1気圧で液体である、アルコール、グリコール、多価アルコール、そして重合体のグリコール、およびそれの混合物によって例示される水酸基含有有機化合物を意味する。非水性の有機水酸基含有溶剤は、室温、例えば約25℃、および約1気圧で液体である、アルコール、グリコール、多価アルコール、そして重合体のグリコール、およびそれの混合物を含有する水酸基含有有機化合物からなる群から選択される。好ましくは、非水性の水酸基含有有機溶剤は、エチレングリコール、エタノール、プロピルアルコール、イソ−プロピルアルコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブチレングリコール、イソ−ブチレングリコール、メチルプロパンジオール、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン共重合体、およびそれの混合物からなる群から選択される。さらに、水または他の水酸基含有溶剤に分散可能な、または可溶の本発明の共重合体は、水性または非水性のどちらかであるエマルジョンへと調合してよく、そしてこの共重合体は、水相または水酸基含有溶剤の相に存在する。
【0052】
シリコーン単独相、シリコーン相を含有する無水混合物、シリコーン相を含有する水性混合物、油中水滴型エマルジョン、水中油滴型エマルジョン、または、二つの非水性のエマルジョンまたはその変化のいずれか一方、として、いったん望ましい形態に到達すると、生じる物質は、通常、良好な感触特性を有し、揮発性シロキサンを多く吸い込んだ高粘度のクリームである。それは、ヘアケア、スキンケア、制汗剤、日焼け止め、化粧品、カラー化粧品、虫よけ、ビタミンおよびホルモンキャリヤー、芳香キャリヤーなどのため、混合して製剤にすることができる。
【0053】
本発明のポリアクリラートシロキサン共重合体の網目、およびこれから誘導された本発明のシリコーン組成物を使用してよいパーソナルケア用途は、脱臭剤、制汗剤、制汗剤/脱臭剤、髭剃り製品、スキンローション、肌の保湿剤、化粧水、浴用製品、洗浄用製品;シャンプー、コンディショナー、ムース、整髪用ジェル、ヘアスプレー、染毛剤、髪着色製品、脱色剤、ウェーブ用製品、髪ストレートナーのような頭髪用化粧品;マニキュア液、マニキュア落とし、爪クリーム剤そしてローション、キューティクル柔軟剤のようなマニキュア製品;日焼け止め、虫よけそして老化防止製品のような保護クリーム剤;口紅、ファンデーション、おしろい、アイライナー、アイシャドー、頬紅、メイキャップ、マスカラのようなカラー化粧品、および他のパーソナルケア製剤を含み、ここで、これらにはシリコーン組成物が従来から添加されており、これらだけでなく、皮膚に塗られる医薬組成物の局所適用のための薬物送達システムをも含むが、それに限定されない。
【0054】
好ましい実施態様において、本発明のパーソナルケア組成物は、さらに一つまたはそれより多くのパーソナルケア成分を含有する。適切なパーソナルケア成分は、例えば、皮膚軟化剤、肌の保湿剤、保湿剤、例えばビスマスオキシクロリドおよび二酸化チタンで被覆されたマイカのような真珠光沢のある顔料、着色剤、香水、殺生物剤、防腐剤、酸化防止剤、抗菌剤、抗真菌剤、制汗剤、角質除去剤、ホルモン、酵素、医療用化合物、ビタミン、塩、電解質、アルコール、ポリオール、紫外線吸収剤、植物エキス、界面活性剤、シリコーン油、有機油、ワックス、塗膜形成剤、例えばヒュームドシリカまたは水和ケイ酸のような増粘剤、例えばタルク、カオリン、デンプン、修飾されたデンプン、マイカ、ナイロンのような微粒子の充填剤、例えばベントナイトおよび有機修飾された粘土のような粘土を含む。
【0055】
適切なパーソナルケア組成物は、好ましくは本発明のシリコーン組成物の形態でポリアクリラートシロキサン共重合体の網目を有する上記の成分の一つまたはそれより多くを、当業者に既知の方法で組み合わせることによって、例えば混合することによって作る。適切なパーソナルケア組成物は、単独相の形態であるか、または水中油滴型、油中水滴型および非水性エマルジョンを含むエマルジョンの形態であってよく、ここでシリコーン相は、不連続相または連続相のどちらかでよく、同様に、例えば油中水滴中の油滴型エマルジョンおよび水中油滴中の水滴型エマルジョンのような多重エマルジョンでもよい。
【0056】
一つの有用な実施態様において、制汗剤組成物は、本発明のポリアクリラートシロキサン共重合体の網目と、一つまたはそれより多くの活性制汗剤とを含有する。適切な制汗剤は、例えばハロゲン化アルミニウム、アルミニウムヒドロキシハライド、例えばアルミニウムクロロヒドラート、および、それとジルコニルオキシハライドおよびジルコニルヒドロキシハライドとの複合体または混合物、例えばアルミニウム−ジルコニウムクロロヒドラート、例えばアルミニウムジルコニウムテトラヒドレックスグリ(tetrachlorohydrex gly)のようなアルミニウムジルコニウムグリシン複合体、のような医師の処方箋なしに買える人用の制汗用製剤に関する、米国食品医薬品局の1993年10月10日付けモノグラフに記載された、カテゴリーIの活性制汗性成分を含む。
【0057】
別の有用な実施態様において、スキンケア組成物は、好ましくは本発明のシリコーン組成物の形態で、ポリアクリラートシロキサン共重合体の網目と、例えばシリコーン油または有機油のような媒体とを含有する。スキンケア組成物は、場合によっては、例えばトリグリセリドエステル、ワックスエステル、脂肪酸のアルキルまたはアルケニルのエステル、または多価アルコールエステルのような皮膚軟化剤と、例えば顔料、例えばビタミンA、ビタミンCおよびビタミンEのようなビタミン、または、例えば二酸化チタン、酸化亜鉛、オキシベンゾン、メトキシケイ皮酸オクチル、ブチルメトキシジベンゾイルエタン、p−アミノ安息香酸そしてオクチルジメチル−p−アミノ安息香酸のような日焼け止めまたは日焼け防止の化合物のような、スキンケア組成物で通常使用される一つまたはそれより多い既知の成分とをさらに含んでよい。
【0058】
別の有用な実施態様において、例えば口紅、メイキャップまたはマスカラ組成物のようなカラー化粧品組成物は、好ましくは本発明のシリコーン組成物の形態でポリアクリラートシロキサン共重合体の網目と、顔料、水溶性染料または脂溶性染料のような着色剤とを含有する。
【0059】
別の有用な実施態様において、本発明の組成物は芳香性物質と共に利用される。この芳香性物質は、芳香性化合物、カプセル化された芳香性化合物、または化合物そのまま、またはカプセル化のどちらかで芳香を発する化合物であってよい。本発明の組成物と特に相溶性をもつ化合物は、米国特許第6,046,156号;第6,054,547号;第6,075,111号;第6,077,923号;第6,083,901号;および第6,153,578号;に開示されるような芳香を発するケイ素含有化合物である。これらの特許のすべてを援用することにより、本明細書の一部としてここに編入する。
【0060】
本発明の組成物の用途は、パーソナルケア組成物に限定されずに、ワックス、艶出しおよび本発明の組成物で処理した織物のような他の製品も意図する。
【0061】
本発明の組成物は、パーソナルケア用に特に有用である。パーソナルケア用に調製するために本発明の組成物を使用する際には、様々な溶剤に可溶であるか、または不溶である物質の添加を取り入れてよい。化学反応性の定常の考慮すべき事項に従って、前に記載した成分は、生じる組成物に対して有害な影響がなければ、本発明の組成物の合成または調製の、前、間または後の任意のときに添加してよい。したがって、合成反応は、化粧品組成物中の成分である溶質を含有する溶剤系の存在下で行なってよく、そして同様に、合成反応は、顔料または他の微粒子物質の存在下で行い、そのまわりで重合された共重合体マトリックスを生成させて、顔料物質または微粒子物質をカプセル化してよい。
【実施例】
【0062】
実施例1 水中のポリアクリラートシロキサン共重合体網状組成物Iの調製
近似的組成MD852.2D’’5.5Mを有する234.9gのオルガノポリシロキサン(D:Si−Hと4−ビニルシクロヘキセン−1,2−エポキシドとの反応から;D’’:アリルで末端処理されたポリエーテル(CH=CH−CH−O−(EO)24(PO)27−CH)を用いたSi−Hのヒドロシリル化から)と29.5gのアクリル酸とを混合した。約20mgの4−メトキシフェノールと0.8gのチタン酸テトライソプロピルとを加えた。混合物をおよそ2時間90℃に加熱した。その後、72gの得られた物質を13.36gのアクリル酸と、341gの脱イオン水(D. I. water)と混合した。窒素の泡を30分間ぶくぶく通して、システムから酸素を取り除いた。その後、0.86gのアスコルビン酸と2.58gの過酸化水素とを加えた。混合物を約2時間撹拌し、不透明な柔軟な固体を得た。
【0063】
実施例2 シリコーン流体中のポリアクリラートシロキサン共重合体網状組成物IIの調製
近似的組成MD1257.5Mを有する400gの水素化シリコーン流体を、12.15gの4−ビニルシクロヘキセン−1,2−エポキシドと746.55gのCH=CH−CH−O(EO)24(PO)27−CHの式を有するアリルで末端処理されたポリエーテルと混合した。反応をプロピオン酸ナトリウムで緩衝した。混合物を85℃に加熱し、0.7mlの白金触媒溶液(エタノール中に10mg/mlの塩化白金酸を含む)を加えた。混合物を90℃で3時間撹拌し、エポキシ官能性ポリエーテル−ポリシロキサン共重合体を生成させた。生じた共重合体を、重炭酸ナトリウムを使用して中和し、真空中でストリッピングし、そしてろ過した。その後、52.31gの得られたエポキシ官能性ポリエーテル−ポリシロキサン共重合体と1.24gのアクリル酸とを混合した。約10mgの4−メトキシフェノールと0.1gのチタン酸テトライソプロピルとを加えた。混合物を90℃に約2時間加熱した。その後、混合物を室温に冷却し、53.5gのシクロペンタシロキサンを加えた。窒素の泡を30分間ぶくぶく通した。その後、混合物を攪拌し、95℃に加熱した。その後0.03gのベンゾイルペルオキシドを加えた。混合物を95°で約2時間撹拌し、透明で柔軟な固体を得た。
【0064】
実施例3 シリコーン流体中のポリアクリラートシロキサン共重合体網状組成物IIIの調製
近似的組成MD2007.5Mを有する200gの水素化シリコーン流体を、5.99gの4−ビニルシクロヘキセン−1,2−エポキシドと、84.34gのCH=CH−CH−O−(EO)(PO)−CHの式を有するアリルで末端処理されたポリエーテルと混合した。反応をプロピオン酸ナトリウムで緩衝した。混合物を85℃に加熱し、そして0.1mlの白金触媒溶液(エタノール中に10mg/mlの塩化白金酸を含む)を加えた。混合物を80℃で3時間撹拌し、エポキシ官能性ポリエーテル−ポリシロキサン共重合体を生成させた。生じた共重合体を、重炭酸ナトリウムを使用して中和し、真空中でストリッピングし、そしてろ過した。その後、50.00gの得られたエポキシ官能性ポリエーテル−ポリシロキサン共重合体と1.59gのアクリル酸とを混合した。約10mgの4−メトキシフェノールと0.1gのチタン酸テトライソプロピルを加えた。混合物を90℃に約2時間加熱した。その後、その混合物を室温に冷却し、4.66のアクリル酸と127.54gのシクロペンタシロキサンを加えた。窒素の泡を30分間ぶくぶく通した。混合物を攪拌し100℃に加熱した。その後、0.07gのベンゾイルペルオキシドを加えた。混合物を100℃で約2時間撹拌し、半透明の柔軟な固体を得た。
【0065】
実施例4 シリコーン流体中のポリアクリラートシロキサン共重合体網状組成物IVの調製
近似的組成MD1257.5Mを有する870gの水素化シリコーン流体を、26.06gの4−ビニルシクロヘキセン−1,2エポキシドと、366.88gのCH=CH−CH−O−(EO)(PO)−CHの式を有するアリルで末端処理されたポリエーテルと混合した。反応をプロピオン酸ナトリウムで緩衝した。混合物を85℃に加熱し、0.4mlの白金触媒溶液(エタノール中に10mg/mlの塩化白金酸を含む)を加えた。混合物を80℃で3時間撹拌し、エポキシ官能性ポリエーテル−ポリシロキサン共重合体を生成させた。生じた共重合体を、重炭酸ナトリウムを使用して中和し、真空中でストリッピングし、そしてろ過した。その後、300.00gの得られたエポキシ官能性ポリエーテル−ポリシロキサン共重合体と13.07gのアクリル酸とを混合した。約16mgの4−メトキシフェノールと0.47gのチタン酸テトライソプロピルとを加えた。混合物を90℃で約2時間加熱した。その後、19.50gの生じた物質を110.50gのシクロペンタシロキサンと混合した。窒素の泡を30分間ぶくぶく通した。混合物を攪拌し、100℃に加熱した。その後、0.06gのベンゾイルペルオキシドを加えた。混合物を100℃で約2時間撹拌し、透明な柔軟な固体を得た。
【0066】
実施例5 シリコーンゲルVの調製
実施例1にしたがって調製した10gのポリアクリラートシロキサン共重合体網状組成物Iを10gの水と混合し、pH6.5まで中和し、そしてパワージェン(PowerGen)700Dミキサーを使用して、7500RPMで2分間均質化した。得られたシリコーンゲルVは550,000センチポアズ(「cPs」)(24時間後に測定)の粘度を有した。
【0067】
実施例6 シリコーンゲルVIの調製
実施例2にしたがって調製した10gのポリアクリラートシロキサン共重合体網状組成物IIを6.7gのシクロペンタシロキサンと混合し、そしてパワージェン700Dミキサーを使用して、7500RPMで2分間均質化した。得られたシリコーンゲルVIは72,000cPs(24時間後に測定)の粘度を有した。
【0068】
実施例7 シリコーンゲルVIIの調製
実施例3にしたがって調製した10gのポリアクリラートシロキサン共重合体網状組成物IIIを、10gのシクロペンタシロキサンと混合し、そしてパワージェン700Dミキサーを使用して、7500RPMで2分間均質化した。得られたシリコーンゲルVIIは59,500cPs(24時間後に測定)の粘度を有した。
【0069】
実施例8 シリコーンゲルVの水相増粘剤としての使用
実施例8の増粘した水性組成物を、下記の手順によって、下の表Iで述べた相対量で記載した成分を組み合わせることにより調製した。実施例5にしたがって調製したシリコーンゲルVを、パワージェン700Dミキサーを使用して、7500RPMで2分間、脱イオン水で均質化した。得られた物質の粘度(24時間後に測定)を表Iに記載する。
【0070】
【表1】

【0071】
シリコーンゲルVは、水溶液を効果的に増粘させた。
【0072】
実施例9 水中油滴型(o/w)乳化剤としてのシリコーンゲルVの使用
実施例5にしたがって調製したシリコーンゲルVを、水、シクロペンタシロキサン、ベルニルエステルと、グリセリンとを組み合わせ、そして均一になるまで混合した。このエマルジョンの安定性を、加熱および凍結−融解試験で明白な相分離に関して視覚的に評価した。加熱試験では、エマルジョンサンプルを5日間オーブンの中で50℃に保持した。各凍結融解試験では、凍結−融解サイクルを3回繰り返した。エマルジョンに関する組成と完了した試験の結果とを、表IIにまとめる。
【0073】
【表2】

【0074】
表IIの水中油滴型エマルジョンは、加熱および凍結−融解の状態下で優れた安定性を示した。
【0075】
実施例10 リキッドファンデーション組成物におけるシリコーンゲルVの使用
リキッドファンデーション組成物(サンプル10)および比較例1は、下記手順にしたがって表IIIに記載した成分を組み合わせることにより調製した:(1)部分Aは成分を均一になるまで混合することによって作った;(2)その後、部分Bを部分Aに加え、均一になるまで混合した;(3)その後、その混合物を部分Cおよび部分Dと組み合わせた;(4)そのバッチを80℃に加熱し、そして均一になるまで混合した。
【0076】
【表3】

【0077】
官能パネル試験結果は、比較例1と比較してシリコーンゲルVが塗布のしやすさと、べとつかない、乾いた、絹のような感触とを含むファンデーションの事後感を改善することを示した。
【0078】
実施例11 水中油滴型エマルションVIIIの調製
実施例5にしたがって調製したシリコーンゲルVを、水およびシクロペンタシロキサンと組み合わせ、そして均一になるまで混合した。このエマルジョンの安定性を、明白な二相分離に関して視覚的に評価した。エマルジョンの組成物を表IVに示す。
【0079】
【表4】

【0080】
水中油滴型エマルジョンVIIIは安定であった。
【0081】
実施例12 スキントリートメント(skin treatment)組成物における水中油滴型エマルションVIIIの使用
サンプル12および比較例2のスキントリートメント組成物を、下記手順にしたがって表Vに記載した成分を組み合わせることにより調製した:(1)すべての成分を組み合せ、そして均一になるまで混合することにより部分Bを調製し、(2)部分Aと部分Bとをその後組み合わせ、そして均一になるまで混合した。水中油滴型エマルジョンVIIIは実施例11にしたがって作られた。スキントリートメント組成物の触感特性は官能パネルによって評価した。
【0082】
【表5】

【0083】
官能パネルのテストは、水中油滴型エマルジョンVIIIがスキントリートメント組成物の後に感じるべとつきを減少させ、そしてスキントリートメント組成物に冷涼感を与えることを示した。
【0084】
実施例13 洗い流しタイプのヘアコンディショナー組成物におけるシリコーンゲルVの使用
サンプル13および比較例3の洗い流しタイプのヘアコンディショナー組成物を、下記手順にしたがって表VIに記載した成分を組み合わせることによって作った:(1)部分Aは、成分を組み合わせ、そして60℃で均一になるまで混合することにより調製した;(2)部分Bは別の容器中で混合し、そして次に部品Aに加えた;(3)その後、混合物を均一になるまで混合した。
【0085】
【表6】

【0086】
パネル試験は、シリコーンゲルVが毛髪の柔軟性を改善し静電気による逆立ちを減少したことを示した。
テルギトールTMN−6 分岐第二級アルコールエトキシラート、ダウ・ケミカル社(Dow Chemical)から入手可能
SF1632 炭素数16−18のアルキルジメチコン、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社(Momentive Performance Materials)から入手可能
ポリクオタニウム−10 UCARE重合体JR30M、ダウ・ケミカル社から入手可能
【0087】
実施例14 日焼け止めローション組成物におけるシリコーンゲルVの使用
サンプル14の日焼け止めローション組成物は、下記手順にしたがって表VIIに記載した成分を組み合わせることによって作った:(1)部分Aは成分を組み合わせて、そして均一になるまで混合することによって作成した;(2)部分Bは別の容器中で混合し、そして次に部分Aに加えた;(3)その後、その混合物を均一になるまで混合した。
【0088】
【表7】

【0089】
安定した水中油滴型日焼け止めローションを調製した。この組成物はすり込む間、そしてその後に非常に望ましい触感性能を示した。さらに、肌に塗布した時、顕著な冷涼効果を与えた。
【0090】
実施例15 液体リップカラー組成物におけるシリコーンゲルVIの使用
実施例15および比較例4の液体のリップカラー組成物は、下記手順にしたがって表VIIIに記載した原料を組み合わせることによって作った:実施例6にしたがって作ったシリコーンゲルVIは、他の原料と組み合わせ、そして均一になるまで80℃で混合した。光沢は、肌上に液体の色製剤を塗布した後に視覚と光沢計の使用の両方によって評価した。これらのサンプルの長期間塗布の特性は、ビトロスキン(vitro skin)に塗布された製剤の色移りの測定により評価した。色度計を長所の定量化のために使用した。
【0091】
【表8】

【0092】
視覚と光沢計の測定結果は、シリコーンゲルVIが液体のリップカラー処方の光沢を改善したことを示した。色度計試験は、シリコーンゲルVIが色強度をも改善し、色移りを少なくしたことを示した。
SE30 ポリジメチルシロキサンガム、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社から入手可能
SF1642 C30−45アルキルジメチコン、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社から入手可能
SF1528 シクロペンタシロキサン(および)PEG/PPG−20/15ジメチコン、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社から入手可能
赤色顔料 赤7レーキ分散、コーボ(Kobo)C020R7C(ヒマシ油、赤7レーキおよびトリイソステアリン酸イソプロピルチタン)、コーボ社(Kobo)から入手可能
【0093】
実施例16 油中水滴型(w/o)乳化剤としてのポリアクリラートシロキサン共重合体網状組成物IIIの使用
実施例3にしたがって調製したシリコーン網状組成物IIIを、水、シクロペンタシロキサンおよびグリセリンと組み合わせ、そして均一になるまで混合した。このエマルジョンの安定性を、加熱および凍結−融解試験で明白な相分離に関して視覚的に評価した。これらのエマルジョンの組成を表IXに示す。
【0094】
【表9】

【0095】
サンプル16の油中水滴型エマルジョンは、加熱(50℃へ)および凍結−融解条件の下で優れた安定性を示した。比較例5の成分の混合によって油中水滴型エマルジョンを作ることはできなかった。
【0096】
実施例17 保湿剤組成物におけるシリコーンゲルVIIの使用
サンプル17および比較例6の保湿剤組成は、下記手順にしたがって表Xに記載した成分を組み合わせることによって作った:(1)部分Aは、原料を組み合わせ、そして60℃で均一になるまで混合することによって作った;(2)部分Bを部分Aに加え、そして均一になるまで混合した;(3)部分Cは別の容器中で混合し、そして次に、部分Aおよび部分Bの混合物に加えた;(4)混合物を均一になるまで60℃で混合した。これらの組成物の安定性を、加熱および凍結−融解試験で明白な相分離に関して視覚的に評価した。触感特性は専門家パネルによって評価した。
【0097】
【表10】

【0098】
サンプル17の保湿剤組成物は、加熱(50℃へ)および凍結−融解条件の下で優れた安定性を示した。コントロール試料は加熱状態で明白な相分離を示した。官能パネルの試験結果は、シリコーンゲルVIIが比較例6と比較して保湿剤組成物の持続性、肌に対する冷却効果、および事後感を改善したことを示した。
SF1540 シクロペンタシロキサン(および)PEG/PPG−20/15ジメチコン、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社から入手可能
SF1550 フェニルトリメチコン、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社から入手可能
SF96−1000 ポリジメチルシロキサン流体、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社から入手可能
SF1632 セテアリルメチコン、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社から入手可能
トスパール2000B ポリメチルシルセスキオキサン、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社から入手可能
トゥイーン20 ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、GEヘルスケア社(GE Healthcare)から入手可能
【0099】
実施例18 髪につけたままのアコンディショナー組成物におけるシリコーンゲルVIIの使用。
サンプル18および比較例7の髪につけたままのヘアコンディショナー組成物は、表XIに記載した成分を組み合わせ、そして均一になるまで混合することによって作った。
【0100】
(ヘアコンディショナー組成物を作る前に、シリコーンゲルVIIにアミノ官能性シリコーンSFl708を配合することができることに注意。SF1708およびシリコーンゲルVIIの混合物は高い粘度を示した。)
【0101】
【表11】

【0102】
パネル試験は、サンプル18の組成物が、髪の毛に適用されたとき、比較例7と比較してより柔軟な感触を与え、そして比較例7とは対照的にべとつかない感触を与えたことを示した。
* SF1708 アモジメチコン、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社から入手可能
【0103】
実施例19 耐すすぎ性の油中水滴型日焼け止めローション組成物におけるポリアクリラートシロキサン共重合体網状組成物IVの使用
耐すすぎ性の油中水滴型日焼け止めローション製剤を、下記手順にしたがって表XIIに記載した成分を組み合わせることにより調製した:(1)部分Bを、成分と組み合わせ、そして均一になるまで混合することによって作成した;(2)部分Aを部分Bに加え、そして均一になるまで混合した;(3)部分Cは別の容器中で混合し、そして次に部分Aと部分Bとの混合物に加えた;(4)その後、混合物を均一になるまで混合した。組成物の安定性を、加熱および凍結−融解試験で明白な相分離に関して視覚的に評価した。触感特性は官能パネルで評価した。組成物の耐すすぎ性は、撹拌している水に40分間浸漬する前および後に、ビトロスキンに対するインビトロSPF(日焼け防止指数)測定結果によって評価した。
【0104】
【表12】

【0105】
実施例19の耐すすぎ性の油中水滴型日焼け止めローション組成物は、加熱(50℃へ)および凍結−融解条件の下で優れた安定性を示した。それは、高度に望ましい触感、すなわち肌に対する冷却効果を示した。撹拌した水に40分間浸漬する前と後に行った、ビトロスキン上のインビトロSPF測定結果は、それぞれ25と25(3つの測定結果の平均)であり、ポリアクリラートシロキサン共重合体網状組成物IVは、水のすすぎ処理の後で約100%のSPF保持を達成した。さらに、組成物が肌に塗布された時、肌表面上に形成された膜は水をはじくばかりでなく、水によるすすぎにも強く、水は実際膜に吸収されるか、またはフィルム中に乳化され、こうして肌上の膜の一体性を保持する。これは防水性、耐すすぎ性および発汗に対する耐性のうちのいくつかまたはすべてを与えると期待される。
【0106】
実施例20 水中のポリアクリラートシロキサン共重合体網状組成物IXの調製
近似的組成MD852.2D’’5.5M(D:Si−Hの4−ビニルシクロヘキセン−1,2エポキシドとの反応から;D’’:Si−Hのアリルで末端処理したポリエーテル、CH=CH−CH−O−(EO)24(PO)27−CHによるヒドロシリル化から)を有する434gのオルガノポリシロキサンと、54gのアクリル酸とを混合した。約30mgの4−メトキシフェノールと、1.0gのチタン酸テトライソプロピルとを加えた。その混合物を90℃に約2時間加熱した。その後、6gの得られた物質を、29gのシポマー(Sipomer)PAM−200(ポリプロピレングリコールモノメタクリラート(ロディア社(Rhodia)から入手可能)の燐酸エステル)、1gのテルギトールTMN−6および63.56gの脱イオン水と混合した。混合物をpH6.5まで中和した。窒素の泡を30分ぶくぶく通して、システムから酸素を取り除いた。その後、0.14gの重亜硫酸ナトリウムと0.3gの過硫酸カリウムとを加えた。混合物を50℃で約17時間加熱し、不透明な柔軟な固体を得た。
【0107】
実施例21 水中のポリアクリラートシロキサン共重合体網状組成物Xの調製
6gのポリシロキサン共重合体Aを、29gのシポマーPAM−200、1gのテルギトールTMN−6と、63.56gの脱イオン水と混合した。混合物をpH6.5にまで中和した。窒素の泡を30分ぶくぶく通して、システムから酸素を取り除いた。その後、0.14gの重亜硫酸ナトリウムと、0.3gの過硫酸カリウムとを加えた。混合物を50℃で約17時間加熱し、不透明な柔軟な固体を得た。
ポリシロキサン共重合体A:アクリル化したシロキサンポリアルキレンオキシド共重合体。CH=CH−CO(OCOCSi(CH(−OSi(CH15OSi(CHO(CCOCH=CHモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社から入手可能。
【0108】
実施例22 水相増粘剤としての官能基化されたシリコーン網目IXの使用
実施例22の増粘された水性組成物を、下記手順にしたがって、下表XIIIで述べた相対量で、記載した成分を組み合わせることによって作った。実施例20にしたがって調製した官能基化されたシリコーン網目IXは、パワージェン700Dミキサーを使用して、7500RPMで2分間、脱イオン水で均質化した。pHはクエン酸を使用して調節した。
【0109】
【表13】

【0110】
ポリアクリラートシロキサン共重合体網状組成物IXは、pH3.5−7の範囲内で水溶液を効果的に増粘させた。
【0111】
実施例23 水相増粘剤としてのポリアクリラートシロキサン共重合体網状組成物Xの使用
実施例23の増粘された水性組成物は、下記手順にしたがって、下表XIV中で述べた相対量で、記載した成分を組み合わせることによって作成した。実施例21にしたがって調製した、官能基化シリコーン網目Xは、パワージェン700Dミキサーを使用して、7500RPMで2分間、脱イオン水で均質化した。pHを、クエン酸を使用して調節した。
【0112】
【表14】

【0113】
官能基化されたシリコーン網目Xは、pH4−7の範囲内で水溶液を効果的に増粘させた。
【0114】
実施例24 アルファヒドロキシ酸スキントリートメントクリーム組成物におけるポリアクリラートシロキサン共重合体網状組成物IXの使用
アルファヒドロキシ酸スキントリートメントクリーム組成物(サンプル24)、および比較実施例8そして9は、下記手順にしたがって、表XVの中の記載した成分を組み合わせることによって作った:(1)部分Aを、成分を均一になるまで混合することにより調製した;(2)その後、部分Bを加え、均一になるまで混合した;(3)混合物を50℃に加熱し、部分Cを加えた;(4)その後、混合物を75℃に加熱した;(5)部分D中の成分のすべてを75℃で別のコンテナー中で混合し、そして次に、部分A、BおよびCの混合物に加えた;(6)バッチを75℃で均一になるまで混合した;(7)その後、混合物を40℃に冷却した;(8)部分Eの原料をその後示された順に加えた;(9)バッチを均一になるまで撹拌し、そして室温まで冷却した。
【0115】
【表15】

【0116】
官能パネル試験結果は、比較例9に比較して、ポリアクリラートシロキサン共重合体網状組成物IXが、アルファヒドロキシ酸スキントリートメントクリームの塗布の容易さと、べとつかない、乾いた、そして絹のような感触とを含む事後感を改善したことを示した。この結果はさらに、比較例8に比較して、ポリアクリラートシロキサン共重合体網状組成物IXが、スキントリートメントクリーム組成物の塗布の容易さを改善し、粘度および持続性を増加させたことを示した。
【0117】
実施例25 シリコーン流体中のポリアクリラートシロキサン共重合体網状組成物XIの調製
近似的組成MD1257.7Mを有する900gの水素化シリコーン流体を、29.93gの4−ビニルシクロヘキセン−1,2エポキシドと、386.28gのCH=CH−CH−O−(EO)(PO)−CHの式を有するアリルで末端処理されたポリエーテルと混合した。反応をプロピオン酸ナトリウムで緩衝した。混合物を85℃に加熱し、0.67mlの白金触媒溶液(エタノール中に10mg/mlの塩化白金酸を含む)を加えた。混合物を85℃で1時間撹拌し、エポキシ官能性ポリエーテル−ポリシロキサン共重合体を生成させた。生じた共重合体を、重炭酸ナトリウムを使用して中和し、真空中でストリッピングし、そしてろ過した。その後、300.00gの得られたエポキシ官能性ポリエーテル−ポリシロキサン共重合体と13.5gのアクリル酸とを混合した。約6mgの2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルと1.05gのチタン酸テトライソプロピルを加えた。混合物を約3時間90℃に加熱した。その後、150.00gの得られた物質を、350.00gのシクロペンタシロキサンと混合した。窒素の泡を30分ぶくぶく通した。混合物を攪拌し、そして100℃に加熱した。その後、0.31gのジラウロイルペルオキシドを加えた。混合物を100°で約2時間撹拌し、半透明の柔軟な固体を得た。
【0118】
実施例26 シリコーンゲルXIIの調製
実施例25にしたがって調製した100gのポリアクリラートシロキサン共重合体網状組成物XIを100gのシクロペンタシロキサンと混合し、オーバーヘッドミキサーを使用して600RPMで30分混合した。得られたシリコーンゲルXIIは、94,000センチポアズ(cPs)(24時間後に測定)の粘度を有した。
【0119】
実施例27 水中油滴型美白ローション組成物におけるシリコーンゲルXIIの使用
サンプル27の美白ローション組成物は、下記手順にしたがって、テーブルXVIに記載した成分を組み合わせることによって作った:(1)シクロペンタシロキサン以外の油相成分を組み合わせ、75℃に加熱し、そして均一になるまで500RPMで混合した;(2)トリエタノールアミンとゲルマーベン(Germaben)IIE以外の水相成分を組み合わせ、75℃に加熱し、そして均一になるまで500RPMで混合した;(3)その後、油相混合物を、75℃で水相混合物にゆっくり添加した;(4)その混合物を40℃に冷却し、そして均一になるまで400RPMで混合した;(5)その後、シクロペンタシロキサン、トリエタノールアミンとゲルマーベンIIEとを混合物に加えた;(6)その混合物を、均一になるまで400RPMで撹拌し、そして室温まで冷却した。
【0120】
【表16】

【0121】
この説明に役立つ実施例は、シリコーンゲルXIIが容易に水中油滴型エマルションへと調合されることを実証する。官能パネルの試験成績は、美白ローション組成物が、すべすべした感じとクッション感を有する特別に豪華な絹のような感触を呈することを示している。
【0122】
実施例28 スプレーできる組成物におけるシリコーンゲルXIIの使用
実施例28のスプレーできる組成物は、表XVIIに記載した成分を表に記載した順に室温ですべて混合することによって作った。
【0123】
【表17】

【0124】
この実施例は、シリコーンゲルXIIが、スプレーできる組成物に容易に組み込まれ、濃厚化または目詰まりの問題のない豪華な絹のような感触を与えることを示した。
【0125】
実施例29 制汗剤ゲル組成物におけるシリコーンゲルXIIの使用
実施例29の制汗剤ゲル組成物は、下記手順にしたがってテーブルXVIIIに記載した成分を組み合わせることによって作った:(1)部分Aは、成分を組み合わせ、そして600RPMで均一になるまで混合することによって作った;(2)部分Bは、成分を組み合わせ、そして600RPMで均一になるまで混合することによって作った;(3)部分Bを部分Aに滴下し、そして600RPMで均一になるまで混合した。
【0126】
【表18】

【0127】
この説明に役立つ実施例は、シリコーンゲルXIIの制汗剤用途における使用を示した。サンプル29の制汗剤ゲル組成物はユニークな気持ちの良い感触を示した。水に対するプロピレングリコールの比率を変えることにより、水相および油相の屈折率を一致させると、透明なAPゲルを得ることもできる。
【0128】
実施例30 低いpHのアルファヒドロキシ酸(AHA)クリーム組成物におけるシリコーンゲルXIIの使用
実施例30の低いpHのアルファヒドロキシ酸クリーム組成物は、下記手順にしたがって、表XIXに記載した成分をすべて組み合わせることによって作った:(1)部分Aは、成分をすべて組み合わせ、そして60℃で均一になるまで混合することによって作った;(2)部分Bは、成分をすべて組み合わせ、そして60℃で均一になるまで混合することによって作った;(3)部分Bを部分Aに滴下し、そして混合物を均一になるまで撹拌した;(4)部分Cを混合物に加え、pHを4に調整した。
【0129】
【表19】

【0130】
このAHAクリーム組成物は、室温で良好な安定性を示した。それは豪華な肌感覚を示したが、ほとんどの他の低いpHのAHA製品の「AHAのチクチク」感とは大違いであった。
【0131】
実施例31 口紅におけるシリコーンゲルXIIの使用
サンプル31の口紅組成物を下記手順にしたがって、表XXに記載した成分を組み合わせることによって作った:(1)部分Aは、すべての成分を組み合わせ、そして均一になるまで98℃で15分間混合することによって作った;(2)部分B中の成分を部分Aに加え、そして混合物を均一になるまで撹拌した;(3)その後、混合物を、5O℃オーブン中で予熱した口紅型に注いだ;(4)その後、混合物が凝固するまで、型を−10℃の冷凍装置に静置した;(5)その後、型を冷凍装置から取り出した;(6)凝固した混合物を型から取り出し、口紅ケースに納めた。
【0132】
実施例31 口紅におけるシリコーンゲルXIIの使用
サンプル31の口紅組成物を下記手順にしたがって、表XXに記載した成分を組み合わせることによって作った:(1)部分Aは、すべての成分を組み合わせ、そして均一になるまで98℃で15分間混合することによって作った;(2)部分B中の成分を部分Aに加え、そして混合物を均一になるまで撹拌した;(3)その後、混合物を、5O℃オーブン中で予熱した口紅型に注いだ;(4)その後、混合物が凝固するまで、型を−10℃の冷凍装置に静置した;(5)その後、型を冷凍装置から取り出した;(6)凝固した混合物を型から取り出し、口紅ケースに納めた。
【0133】
【表20】

【0134】
サンプル31の口紅組成物は、独特の柔らかさと、絹光沢とを示した。
【0135】
実施例32 液体リップカラー組成物におけるシリコーンゲルXIIの使用
サンプル32と比較実施例10の液体リップカラー組成物は、下記手順にしたがって、表XXIに記載した成分を組み合わせることによって作った:(1)原料をすべて容器に入れ、そして30分間90℃で加熱した;(2)その後、混合物を5分間3500RPMでフラック−テク(Flack-Tec)ミキサー中で混合した。液体のリップ組成物をビトロスキンに塗布し、光沢を測定した。光沢はBYK−ガードナー(Gardner)のミクロTRI光沢計を使用して評価した。光沢測定結果を表XXIIに示す。
【0136】
【表21】

【0137】
【表22】

【0138】
光沢測定結果は、シリコーンゲルXIIが比較例10に比較して、このリップ色組成物の光沢を改善したことを示した。
【0139】
実施例33 洗い流しタイプの浴用コンディショナーにおけるシリコーンゲルXIIの使用
サンプル33および比較例11の洗い流しタイプの浴用コンディショナー組成物は、表XIIIに記載した成分を組み合わせ、そして均一になるまで混合することによって作った。
【0140】
約0.02グラムの製剤を、被験者の3cm×3cmの領域の腕の皮膚に塗布した。その後、皮膚は約0.5mlの洗剤(水中に30%のスタンダポール(Standapol)ES−1)で、20秒間洗浄し、温水で20秒間すすいだ。その後、皮膚を紙タオルで乾燥した。正常な嗅覚を持っている3人のパネルが、腕の皮膚に残留した芳香を評価した。
【0141】
【表23】

【0142】
実施例34 油相増粘剤としてのシリコーンゲルXIIの使用
実施例34の増粘された組成物は、下記手順にしたがって、下表XXIII中に記載した成分を、表示した相対量中で組み合わせることによって作った:実施例26にしたがって調製したシリコーンゲルXIIは、シクロペンタシロキサンまたはフィンソルブ(FINSOLV)TNと、オーバーヘッドミキサーを使用して20分間600RPMで混合した。得られた物質の粘度(24時間後に測定)を表XXIVに示す。
【0143】
【表24】

【0144】
シリコーンゲルXIIは、シリコーン油と有機オイルの中で増粘をさせた。
シリコーンゲルXIIをアミノシリコーンと組み合わせたとき、シリコーン油中の増粘効果はより顕著であった。
マグナソフトプラス アミノ修飾されたシリコーン流体、モメンティブ
【0145】
実施例35 洗い流しタイプのヘアコンディショナーにおけるシリコーンゲルXIIの使用
洗い流しタイプのヘアコンディショナー製剤を、下記手順にしたがって、表XXVに記載した成分を組み合わせることによって作った:(1)部分Bは、成分を組み合わせ、そして均一になるまで混合することによって作った;(2)その後、部分Cを部品C中の成分と均一になるまで、70℃で混合した;(3)その後、部分Bと部分Cの混合物を、部分Aに添加した;(4)その混合物を、70℃で均一になるまで混合し、そして次に、混合中に35℃に冷却した。この洗い流しタイプのコンディショナー製剤を、プラチナブロンドの巻き毛でテストした。複製のプラチナブロンドの巻き毛を、モデルシャンプー製剤で標準検査法に基づいて洗い、次いでサンプル35の、洗い流しタイプのヘアコンディショナー製剤によるトリートメントをおこなった。その後、この巻き毛を洗浄し、ヘアドライヤーを使用して乾燥した。ドライデタングリング(Dry detangling)は、巻き毛を較正したチャート上に置き、上から下まで櫛を入れるときに、櫛が移動するインチ数として定義し、そして測定した。静電気の制御は、髪の毛の膨らみ(fly-away)を測定することにより評価した。髪の毛を10回迅速にくしけずり、そして髪の毛の膨らみは、巻き毛全体の合計の幅と、髪の毛に櫛を入れた後の髪の毛束の幅との差として定義する。髪の毛の膨らみが小さいほど、よりよい静電気の制御を示す。
【0146】
【表25】

【0147】
【表26】

【0148】
表XXVIの中の測定結果は、サンプル35の洗い流しタイプのヘアコンディショナー組成物が、ドライデタングリングを改善し、静電気の制御を可能にしたことを示した。パネル試験は、さらにサンプル35の組成物が巻き毛の柔軟性を改善したことを示した。
【0149】
実施例36 髪につけたままのヘアセラム(hair serum)におけるシリコーンゲルXIIの使用
髪につけたままのヘアセラム製剤は、室温で表XXVIIに記載した成分を順に混合することによって作った。この髪につけたままのヘアセラム製剤を、プラチナブロンド巻き毛でテストした。複製のプラチナブロンドの巻き毛を、モデルシャンプー製剤で標準の検査法で洗い、次いでサンプル36の洗い流しタイプのヘアコンディショナー製剤でトリートメントした。その後、巻き毛をヘアドライヤーを使用して乾燥した。実施例35におけるように、ドライデタングリングと膨らみとを測定した。
【0150】
【表27】

【0151】
SF1215 シクロペンタシロキサンおよびジメチコン、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社から入手可能。
【0152】
【表28】

【0153】
テーブルXXVIIIの中の測定結果は、サンプル36の髪の毛に残るヘアセラム組成物がドライデタングリングを改善し、静電気制御を可能としたことを示した。パネル試験は、サンプル36の組成物が巻き毛の柔軟性を改善することも示した。

【0154】
実施例37 ヘアースタイリング組成物におけるシリコーンゲルXIIの使用
ヘアースタイリング組成物は、表XXIXに記載した成分を混合することによって作った。このヘアースタイリング組成物を、薄茶色の巻き毛の上でテストした。複製の巻き毛を湿らせ、次いで実施例37のヘアースタイリング製剤でトリートメントした。トリートメントした巻き毛を、ヘアカーラーに巻きつけ、100℃の温度で1時間オーブンの中で乾燥し、そして次に、外界温度で夜通し整えた。その後、この巻き毛を、ローラーから注意深く取りはずし、ルーラーラックに掛けた。この巻き毛の長さを最初の長さとして測定し記録した。その後、ルーラーラック上の巻き毛を、25℃、90%の相対湿度のチャンバーに収納した。長さ測定を15分ごとに2時間おこなった。それぞれのトリートメントされた巻き毛のカール保持は、以下の式を使用して計算した。
【数1】

式中: L 完全に伸張された髪の毛の長さ
湿度チェンバーに収納する前の髪の毛の長さ
湿度チェンバーに収納後t分の髪の毛の長さ
【0155】
【表29】

【0156】
【表30】

【0157】
テーブルXXXに示した測定結果は、比較例12に比較して、ゲルXIIが髪の毛カール保持を著しく増強することを示した。ゲルXIIとアミノ官能性シリコーンSF1708の組合せは、ゲルXII自体よりさらに高い髪の毛保持を与えた。これは、シクロペンタシロキサン単独に比較して、シクロペンタシロキサンの中で1%のレベルのSF1708が、付加的なカール保持の利点をもたらさないので、驚くべき結果である。したがって、アミノシリコーン流体と組み合わせたゲル組成物XIIは、明瞭で予想外の相乗効果のカール保持の利点をもたらす。
【0158】
パネル試験は、サンプル37−1または37−2の組成物は、髪の毛に塗布した時、比較実施例12に比べて、より滑らかな感触、縮れがより少なくそしてよりよい髪の毛の配列をもたらすことを示した。
【0159】
実施例38 油中水滴型乳化剤としてのシリコーンゲルXIIの使用
実施例26にしたがって調製したシリコーンゲルXIIを、表XXXIに記載した他の成分と下記手順によって組み合わせた:(1)部分Aを、原料を均一になるまで混合することによって作った;(2)部分Bを、別の容器中で原料を均一になるまで混合することによって作った。(3)部分Bを部分Aに徐々に加え、そして混合物を均一になるまで混合した。エマルジョンが作られてから24時間後に、エマルジョンの粘度を測定した。このエマルジョンの安定性は、加熱および凍結−融解試験で、明白な相分離に関して視覚的に評価した。加熱試験では、エマルジョンサンプルを、5日間オーブンの中で50℃に維持した。各凍結融解試験では、凍結−融解サイクルを3回繰り返した。組成物、およびこのエマルジョンについて終了した試験の結果を、テーブルXXXIにまとめた。
【0160】
【表31】

【0161】
サンプル38−1および38−2の油中水滴型エマルジョン組成物は、優れた凍結−融解および加熱の安定性を示した。粘度測定結果はさらに、シリコーンゲルXIIとマグナソフトプラス(アミノ官能性シリコーン)の組合せが、シリコーンゲルXII自体より油中水滴型エマルジョンの中でより良く増粘させることを示した。
【0162】
実施例39 シリコーンゲルXIIIの調製
実施例25にしたがって調製した100gのポリアクリラートシロキサン共重合体網状組成物XIを、98gのシクロペンタシロキサンと、2gのSF1708アミノ官能性シリコーン流体と組み合わせ、そしてオーバーヘッドミキサーを使用して600RPMで30分間混合して、シリコーンゲルXIIIを得た。
【0163】
シリコーンゲルXIIとシリコーンゲルXIIIのサンプルを、アルミニウム表面に置き、そしてシクロペンタシロキサンを周囲の温度および湿度で蒸発させた。これによりフィルムが生成した。生成したフィルムの粘着性を、48時間後、0−10の段階で(ここで、0は粘着性なし、10は「非常に粘着性」)評価した。粘着性評価の結果を表XXXIIに示す。
【0164】
【表32】

【0165】
粘着性評価の結果は、ゲルXIIIから生成されたフィルムがほとんど粘着性を持たず、そしてゲルXIIから形成されたフィルムよりずっとべとつかないことを、明白に示している。
【0166】
これは、アミノ官能性シリコーン流体SF1708は、薄膜として広げた時、高いレベルの粘着性を有するので、驚くべき結果である。したがって、高レベルの粘着性を有する液体をゲル組成物XIII5の中へ組み込むと、非常に低レベルの粘着性を有するフィルムを形成する効果があることは、驚くべきことである。
【0167】
実施例40 シリコーン流体中での官能基化されたシリコーン網状組成物XIIIの調製
近似的組成MD1257.7Mを有する1000gの水素化シリコーン流体を、34.18gの4−ビニルシクロヘキセン−1,2−エポキシドと、470.36gのCH=CH−CH−O−(EO)(PO)−CHの式を有するアリルで末端処理したポリエーテルと混合した。混合物を85℃に加熱し、0.40gの白金触媒溶液(エタノール中に10mg/mlの塩化白金酸を含む)を加えた。反応はプロピオン酸ナトリウムで緩衝した。混合物を2時間85℃で撹拌し、エポキシ官能性ポリエーテル−ポリシロキサン共重合体を生成させた。その後、共重合体を重炭酸ナトリウムで中和し、真空中でストリッピングし、そして濾過した。その後、150.00gの得られたエポキシ官能性ポリエーテル−ポリシロキサン共重合体と1.40gのアクリル酸とを混合した。約3mgの2,2,6,6テトラメチルピペリジン−1−オキシルと、0.45gのチタン酸テトライソプロピルを加えた。混合物を90℃に約3時間加熱した。その後、150.00gの得られた物質を、350.00gのシクロペンタシロキサンと混合した。窒素の泡を30分ぶくぶく通した。混合物を攪拌し、そして100℃に加熱した。その後0.31gのジラウロイルペルオキシドを加えた。混合物を100°で約2時間撹拌し、半透明の柔軟な固体を得た。
【0168】
実施例41 シリコーンゲルXIVの調製
実施例40にしたがって調製した30gの官能基化されたシリコーン網状組成物XIIIを、50gのシクロペンタシロキサンと混合し、オーバーヘッドミキサーを使用して600RPMで30分間混合した。得られたシリコーンゲルXIVは、76,000センチポアズの粘度(24時間後に測定)を有した。
【0169】
実施例42
【表33】

【0170】
再度強調したいのは、表XXXIIIの水または油の膨潤性に関して例示した構造パラメーターと化学量論の下付文字との前述の範囲は、可変でありそして相互依存し、そしてパラメーターの変数は、示された範囲より広かったり、または狭かったりすることによって超えてもよく、そして特定の重合体に関連した別の構造または化学量論のパラメーターにおいて恒常的な変化の理由で、特定のタイプの膨潤能がそれでも観察されることである。
【0171】
上述の実施例は、本発明の単なる例証であって、本発明の特徴のうちの一部だけを例示するにすぎない。添付の請求項は、発明が着想されたのと同じくらい広く発明を請求するように意図されており、そして示された実施例は、すべての可能な実施態様の多様性から選択された実施態様の実例である。したがって、添付の請求項は、本発明の特徴を説明するために用いられた実施例の選択によって制限されるべきでない、ということが出願人の意図である。請求項の中で使用されるように、「〜を含有する(comprises)」の用語と、その文法的変形は、例えば「実質的に〜からなる(consisting essentially of)、や「〜からなる(consisting of)」、これに限定されないが、このような変化したり、異なったりする範囲の句を、論理的にも包含し、そして含む。必要なところでは、範囲を記載しているが、この範囲はすべてのサブ範囲をそのなかに含む。そのような範囲は、様々な一対の数字の限定からなるマーカッシュ群(Markush group)として考えてもよく、この群は、数字的に、そして適切な場合には整数で、規則的に下限から上限まで増加する、下限と上限によって完全に定義される。この範囲における変化は、変化そのものを当業者に当然示唆をしていると予期されるべきであり、今までに公衆に知らされていなければ、この変化は可能なところでは、添付された請求項によってカバーされると解釈されるべきである。科学技術における進歩が、言葉の不正確さのゆえに、現在予期できない同等品や代替物を可能にすることも予想されるが、この変化も可能なところでは、添付の請求項によってカバーされると解釈されるべきである。ここで引用された米国特許(および特許出願)はすべて、あたかも全部が記載されたかのように、その全体を援用することによって本明細書の一部としてここに編入する。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)とb)とc)との反応生成物を含有するシリコーン組成物:
a)Mb−h−kPEd−i−lPEf−j−mPE
b)化学量論または過剰化学量論の量のアクリラートであって、
式中、
M=RSiO1/2
=RHSiO1/2
PE=R(−CHCH(R)(R10O(R11(CO)(CO)(CO)12)SiO1/2
=R(−R1718C−CR1615(COC)R1314)SiO1/2
D=RSiO2/2;そして
=RHSiO2/2
PE=R(−CHCH(R)(R10O(R11(CO)(CO)(CO)12)SiO2/2
=R(−R1718C−CR1615(COC)R1314)SiO2/2
T=R19SiO3/2
=HSiO3/2
PE=(−CHCH(R)(R10O(R11(CO)(CO)(CO)12)SiO3/2
=(−R1718C−CR1615(COC)R1314)SiO3/2;そして、
Q=SiO4/2
式中、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR19は、それぞれ独立して、1から60までの炭素原子を有する一価の炭化水素基の群から選択され;
は、Hまたは1から6の炭素原子のアルキル基であり;R10は、1から6の炭素の二価のアルキル基であり;
11は、−CO−、−CO、および−CO−からなる二価の基の群から選択され;R12は、H、1から6の炭素の単官能性炭化水素基、またはアセチルであり;R13、R14、R15、R16、R17およびR18は、それぞれ独立して、水素および1から60までの炭素原子を有する一価の炭化水素基の群から選択され、Qは、1から60までの炭素原子を有する二価または三価の炭化水素基であり、Qは、1から60までの炭素原子を有する二価の炭化水素基であり、ただし、Qが三価の場合にR14は存在せず、そしてQはR13を有する炭素と結合する、ここでR16およびR18は、互いにシスまたはトランスのどちらかであってよい、という制限に従い;
下付文字aは、ゼロまたは正であってよく、ただし、下付文字aがゼロである場合は、bは正でなければならない、という制限に従い;
下付文字bは、ゼロまたは正であってよく、ただし、下付文字bがゼロである場合は、下付文字aは正でなければならない、という制限に従い;
下付文字cは、正であり、そして約5から約1,000までの範囲の値を有し;
下付文字dは、正であり、そして約3から約400までの範囲の値を有し;
下付文字eは、ゼロまたは正であり、そして0から約50までの範囲の値を有し;
下付文字fは、ゼロまたは正であり、そして0から約30までの範囲の値を有し;
下付文字gは、ゼロまたは正であり、そして0から約20までの範囲の値を有し;
下付文字hは、ゼロまたは正であり、そして0から約2までの範囲の値を有し、ただし、下付文字h、iおよびjの合計が正である、という制限に従い;
下付文字iは、ゼロまたは正であり、そして0から約200までの範囲の値を有し、ただし、下付文字h、iおよびjの合計が正である、という制限に従い;
下付文字jは、ゼロまたは正であり、そして0から約30までの範囲の値を有し、ただし、下付文字h、iおよびjの合計が正である、という制限に従い;
下付文字kは、ゼロまたは正であり、そして0から約2までの範囲の値を有し、下付文字k、lおよびmの合計が正である、という制限に従い;
下付文字lは、ゼロまたは正であり、そして0から約200までの範囲の値を有し、ただし、下付文字k、lおよびmの合計が正である、という制限に従い;
下付文字mは、ゼロまたは正であり、そして0から約30までの範囲の値を有し、ただし、下付文字k、lおよびmの合計が正である、という制限に従い;
下付文字nは、ゼロまたは1であり;
下付文字oは、ゼロまたは1であり;
下付文字pは、ゼロまたは正であり、そして0から約100までの範囲の値を有し、ただし、(p+q+r)>0、という制限に従い;
下付文字qは、ゼロまたは正であり、そして0から約100までの範囲の値を有し、ただし、(p+q+r)>0、という制限に従い;
下付文字rは、ゼロまたは正であり、そして0から約100までの範囲の値を有し、ただし、(p+q+r)>0、という制限に従い;
下付文字sは、ゼロまたは1であり;
下付文字tは、ゼロまたは1であり;そして、
c)フリーラジカル開始剤。
【請求項2】
前記シリコーン組成物が自己乳化性である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記シリコーン組成物が溶剤によって膨潤されてよい、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記溶剤が水である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記溶剤がシリコーンまたは油である、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
、R、R、R、R、R、R、RおよびR19が、それぞれメチルである、請求項3に記載の組成物。
【請求項7】
、R、R、R、R、R、R、RおよびR19が、それぞれメチルである、請求項4に記載の組成物。
【請求項8】
、R、R、R、R、R、R、RおよびR19が、それぞれメチルである、請求項5に記載の組成物。
【請求項9】
1718C−CR1615(COC)R1314が、ビニルシクロヘキセンオキシドである、請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
1718C−CR1615(COC)R1314が、ビニルシクロヘキセンオキシドである、請求項8に記載の組成物。
【請求項11】
不連続相が水を含有し、そして連続相がa)とb)とc)との反応生成物を含有するシリコーン組成物を含有する水性エマルジョン:
a)Mb−h−kPEd−i−lPEf−j−mPE
b)化学量論または過剰化学量論の量のアクリラートであって、
式中、
M = RSiO1/2
= RHSiO1/2
PE = R(−CHCH(R)(R10O(R11(CO)(CO)(CO)12)SiO1/2
= R(−R1718C−CR1615(COC)R1314)SiO1/2
D = RSiO2/2;そして
= RHSiO2/2
PE = R(−CHCH(R)(R10O(R11(CO)(CO)(CO)12)SiO2/2
= R(−R1718C−CR1615(COC)R1314)SiO2/2
T = R19SiO3/2
= HSiO3/2
PE = (−CHCH(R)(R10O(R11(CO)(CO)(CO)12)SiO3/2
= (−R1718C−CR1615(COC)R1314)SiO3/2;そして
Q=SiO4/2
式中、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR19は、それぞれ独立して、1から60までの炭素原子を有する一価の炭化水素基の群から選択され;
は、Hまたは1から6の炭素原子のアルキル基であり;R10は、1から6の炭素の二価のアルキル基であり;
11は、−CO−、−CO、および−CO−からなる二価の基の群から選択され;R12は、H、1から6の炭素の単官能性炭化水素基、またはアセチルであり;R13、R14、R15、R16、R17およびR18は、それぞれ独立して、水素および1から60までの炭素原子を有する一価の炭化水素基の群から選択され、Qは、1から60までの炭素原子を有する二価または三価の炭化水素基であり、Qは、1から60までの炭素原子を有する二価の炭化水素基であり、ただし、Qが三価の場合にR14は存在せず、そしてQはR13を有する炭素と結合する、ここでR16およびR18は、互いにシスまたはトランスのどちらかであってよい、という制限に従い;
下付文字aは、ゼロまたは正であってよく、ただし、下付文字aがゼロである場合は、bは正でなければならない、という制限に従い;
下付文字bは、ゼロまたは正であってよく、ただし、下付文字bがゼロである場合は、下付文字aは正でなければならない、という制限に従い;
下付文字cは、正であり、そして約5から約1,000までの範囲の値を有し;
下付文字dは、正であり、そして約3から約400までの範囲の値を有し;
下付文字eは、ゼロまたは正であり、そして0から約50までの範囲の値を有し;
下付文字fは、ゼロまたは正であり、そして0から約30までの範囲の値を有し;
下付文字gは、ゼロまたは正であり、そして0から約20までの範囲の値を有し;
下付文字hは、ゼロまたは正であり、そして0から約2までの範囲の値を有し、ただし、下付文字h、iおよびjの合計が正である、という制限に従い;
下付文字iは、ゼロまたは正であり、そして0から約200までの範囲の値を有し、ただし、下付文字h、iおよびjの合計が正である、という制限に従い;
下付文字jは、ゼロまたは正であり、そして0から約30までの範囲の値を有し、ただし、下付文字h、iおよびjの合計が正である、という制限に従い;
下付文字kは、ゼロまたは正であり、そして0から約2までの範囲の値を有し、下付文字k、lおよびmの合計が正である、という制限に従い;
下付文字lは、ゼロまたは正であり、そして0から約200までの範囲の値を有し、ただし、下付文字k、lおよびmの合計が正である、という制限に従い;
下付文字mは、ゼロまたは正であり、そして0から約30までの範囲の値を有し、ただし、下付文字k、lおよびmの合計が正である、という制限に従い;
下付文字nは、ゼロまたは1であり;
下付文字oは、ゼロまたは1であり;
下付文字pは、ゼロまたは正であり、そして0から約100までの範囲の値を有し、ただし、(p+q+r)>0、という制限に従い;
下付文字qは、ゼロまたは正であり、そして0から約100までの範囲の値を有し、ただし、(p+q+r)>0、という制限に従い;
下付文字rは、ゼロまたは正であり、そして0から約100までの範囲の値を有し、ただし、(p+q+r)>0、という制限に従い;
下付文字sは、ゼロまたは1であり;
下付文字tは、ゼロまたは1であり;そして、
c)フリーラジカル開始剤。
【請求項12】
前記シリコーン組成物が自己乳化性である、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記シリコーン組成物が溶剤によって膨潤されてよい、請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
前記溶剤が水である、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記溶剤がシリコーンまたは油である、請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
、R、R、R、R、R、R、RおよびR19が、それぞれメチルである、請求項13に記載の組成物。
【請求項17】
、R、R、R、R、R、R、RおよびR19が、それぞれメチルである、請求項14に記載の組成物。
【請求項18】
、R、R、R、R、R、R、RおよびR19が、それぞれメチルである、請求項15に記載の組成物。
【請求項19】
1718C−CR1615(COC)R1314が、ビニルシクロヘキセンオキシドである、請求項17に記載の組成物。
【請求項20】
1718C−CR1615(COC)R1314が、ビニルシクロヘキセンオキシドである、請求項18に記載の組成物。
【請求項21】
連続相が水を含有し、そして不連続相がa)とb)とc)との反応生成物を含有する水性エマルジョンを含有する組成物:
a)Mb−h−kPEd−i−lPEf−j−mPE
b)化学量論または過剰化学量論の量のアクリラートであって、
式中、
M=RSiO1/2
=RHSiO1/2
PE=R(−CHCH(R)(R10O(R11(CO)(CO)(CO)12)SiO1/2
=R(−R1718C−CR1615(COC)R1314)SiO1/2
D=RSiO2/2;そして
=RHSiO2/2
PE=R(−CHCH(R)(R10O(R11(CO)(CO)(CO)12)SiO2/2
=R(−R1718C−CR1615(COC)R1314)SiO2/2
T=R19SiO3/2
=HSiO3/2
PE=(−CHCH(R)(R10O(R11(CO)(CO)(CO)12)SiO3/2
=(−R1718C−CR1615(COC)R1314)SiO3/2;そして
Q=SiO4/2
式中、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR19は、それぞれ独立して、1から60までの炭素原子を有する一価の炭化水素基の群から選択され;
は、Hまたは1から6の炭素原子のアルキル基であり;R10は、1から6の炭素の二価のアルキル基であり;
11は、−CO−、−CO、および−CO−からなる二価の基の群から選択され;R12は、H、1から6の炭素の単官能性炭化水素基、またはアセチルであり;R13、R14、R15、R16、R17およびR18は、それぞれ独立して、水素および1から60までの炭素原子を有する一価の炭化水素基の群から選択され、Qは、1から60までの炭素原子を有する二価または三価の炭化水素基であり、Qは、1から60までの炭素原子を有する二価の炭化水素基であり、ただし、Qが三価の場合にR14は存在せず、そしてQはR13を有する炭素と結合する、ここでR16およびR18は、互いにシスまたはトランスのどちらかであってよい、という制限に従い;
下付文字aは、ゼロまたは正であってよく、ただし、下付文字aがゼロである場合は、bは正でなければならない、という制限に従い;
下付文字bは、ゼロまたは正であってよく、ただし、下付文字bがゼロである場合は、下付文字aは正でなければならない、という制限に従い;
下付文字cは、正であり、そして約5から約1,000までの範囲の値を有し;
下付文字dは、正であり、そして約3から約400までの範囲の値を有し;
下付文字eは、ゼロまたは正であり、そして0から約50までの範囲の値を有し;
下付文字fは、ゼロまたは正であり、そして0から約30までの範囲の値を有し;
下付文字gは、ゼロまたは正であり、そして0から約20までの範囲の値を有し;
下付文字hは、ゼロまたは正であり、そして0から約2までの範囲の値を有し、ただし、下付文字h、iおよびjの合計が正である、という制限に従い;
下付文字iは、ゼロまたは正であり、そして0から約200までの範囲の値を有し、ただし、下付文字h、iおよびjの合計が正である、という制限に従い;
下付文字jは、ゼロまたは正であり、そして0から約30までの範囲の値を有し、ただし、下付文字h、iおよびjの合計が正である、という制限に従い;
下付文字kは、ゼロまたは正であり、そして0から約2までの範囲の値を有し、下付文字k、lおよびmの合計が正である、という制限に従い;
下付文字lは、ゼロまたは正であり、そして0から約200までの範囲の値を有し、ただし、下付文字k、lおよびmの合計が正である、という制限に従い;
下付文字mは、ゼロまたは正であり、そして0から約30までの範囲の値を有し、ただし、下付文字k、lおよびmの合計が正である、という制限に従い;
下付文字nは、ゼロまたは1であり;
下付文字oは、ゼロまたは1であり;
下付文字pは、ゼロまたは正であり、そして0から約100までの範囲の値を有し、ただし、(p+q+r)>0、という制限に従い;
下付文字qは、ゼロまたは正であり、そして0から約100までの範囲の値を有し、ただし、(p+q+r)>0、という制限に従い;
下付文字rは、ゼロまたは正であり、そして0から約100までの範囲の値を有し、ただし、(p+q+r)>0、という制限に従い;
下付文字sは、ゼロまたは1であり;
下付文字tは、ゼロまたは1であり;そして、
c)フリーラジカル開始剤。
【請求項22】
前記シリコーン組成物が自己乳化性である、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記シリコーン組成物が溶剤によって膨潤されてよい、請求項21に記載の組成物。
【請求項24】
前記溶剤が水である、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
前記溶剤がシリコーンまたは油である、請求項23に記載の組成物。
【請求項26】
、R、R、R、R、R、R、RおよびR19が、それぞれメチルである、請求項23に記載の組成物。
【請求項27】
、R、R、R、R、R、R、RおよびR19が、それぞれメチルである、請求項24に記載の組成物。
【請求項28】
、R、R、R、R、R、R、RおよびR19が、それぞれメチルである、請求項25に記載の組成物。
【請求項29】
1718C−CR1615(COC)R1314が、ビニルシクロヘキセンオキシドである、請求項27に記載の組成物。
【請求項30】
1718C−CR1615(COC)R1314が、ビニルシクロヘキセンオキシドである、請求項28に記載の組成物。
【請求項31】
不連続相が非水性の水酸基含有溶剤を含有し、そして連続相がa)とb)とc)との反応生成物を含有する非水性のエマルジョンを含有する組成物:
a)Mb−h−kPEd−i−lPEf−j−mPE
b)化学量論または過剰化学量論の量のアクリラートであって、
式中、
M=RSiO1/2
=RHSiO1/2
PE=R(−CHCH(R)(R10O(R11(CO)(CO)(CO)12)SiO1/2
=R(−R1718C−CR1615(COC)R1314)SiO1/2
D=RSiO2/2;そして
=RHSiO2/2
PE=R(−CHCH(R)(R10O(R11(CO)(CO)(CO)12)SiO2/2
=R(−R1718C−CR1615(COC)R1314)SiO2/2
T=R19SiO3/2
=HSiO3/2
PE=(−CHCH(R)(R10O(R11(CO)(CO)(CO)12)SiO3/2
=(−R1718C−CR1615(COC)R1314)SiO3/2;そして
Q=SiO4/2
式中、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR19は、それぞれ独立して、1から60までの炭素原子を有する一価の炭化水素基の群から選択され;
は、Hまたは1から6の炭素原子のアルキル基であり;R10は、1から6の炭素の二価のアルキル基であり;
11は、−CO−、−CO、および−CO−からなる二価の基の群から選択され;R12は、H、1から6の炭素の単官能性炭化水素基、またはアセチルであり;R13、R14、R15、R16、R17およびR18は、それぞれ独立して、水素および1から60までの炭素原子を有する一価の炭化水素基の群から選択され、Qは、1から60までの炭素原子を有する二価または三価の炭化水素基であり、Qは、1から60までの炭素原子を有する二価の炭化水素基であり、ただし、Qが三価の場合にR14は存在せず、そしてQはR13を有する炭素と結合する、ここでR16およびR18は、互いにシスまたはトランスのどちらかであってよい、という制限に従い;
下付文字aは、ゼロまたは正であってよく、ただし、下付文字aがゼロである場合は、bは正でなければならない、という制限に従い;
下付文字bは、ゼロまたは正であってよく、ただし、下付文字bがゼロである場合は、下付文字aは正でなければならない、という制限に従い;
下付文字cは、正であり、そして約5から約1,000までの範囲の値を有し;
下付文字dは、正であり、そして約3から約400までの範囲の値を有し;
下付文字eは、ゼロまたは正であり、そして0から約50までの範囲の値を有し;
下付文字fは、ゼロまたは正であり、そして0から約30までの範囲の値を有し;
下付文字gは、ゼロまたは正であり、そして0から約20までの範囲の値を有し;
下付文字hは、ゼロまたは正であり、そして0から約2までの範囲の値を有し、ただし、下付文字h、iおよびjの合計が正である、という制限に従い;
下付文字iは、ゼロまたは正であり、そして0から約200までの範囲の値を有し、ただし、下付文字h、iおよびjの合計が正である、という制限に従い;
下付文字jは、ゼロまたは正であり、そして0から約30までの範囲の値を有し、ただし、下付文字h、iおよびjの合計が正である、という制限に従い;
下付文字kは、ゼロまたは正であり、そして0から約2までの範囲の値を有し、下付文字k、lおよびmの合計が正である、という制限に従い;
下付文字lは、ゼロまたは正であり、そして0から約200までの範囲の値を有し、ただし、下付文字k、lおよびmの合計が正である、という制限に従い;
下付文字mは、ゼロまたは正であり、そして0から約30までの範囲の値を有し、ただし、下付文字k、lおよびmの合計が正である、という制限に従い;
下付文字nは、ゼロまたは1であり;
下付文字oは、ゼロまたは1であり;
下付文字pは、ゼロまたは正であり、そして0から約100までの範囲の値を有し、ただし、(p+q+r)>0、という制限に従い;
下付文字qは、ゼロまたは正であり、そして0から約100までの範囲の値を有し、ただし、(p+q+r)>0、という制限に従い;
下付文字rは、ゼロまたは正であり、そして0から約100までの範囲の値を有し、ただし、(p+q+r)>0、という制限に従い;
下付文字sは、ゼロまたは1であり;
下付文字tは、ゼロまたは1であり;そして、
c)フリーラジカル開始剤。
【請求項32】
前記シリコーン組成物が自己乳化性である、請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
前記シリコーン組成物が溶剤によって膨潤されてよい、請求項31に記載の組成物。
【請求項34】
前記溶剤が水である、請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
前記溶剤がシリコーンまたは油である、請求項33に記載の組成物。
【請求項36】
、R、R、R、R、R、R、RおよびR19が、それぞれメチルである、請求項33に記載の組成物。
【請求項37】
、R、R、R、R、R、R、RおよびR19が、それぞれメチルである、請求項34に記載の組成物。
【請求項38】
、R、R、R、R、R、R、RおよびR19が、それぞれメチルである、請求項35に記載の組成物。
【請求項39】
1718C−CR1615(COC)R1314が、ビニルシクロヘキセンオキシドである、請求項37に記載の組成物。
【請求項40】
1718C−CR1615(COC)R1314が、ビニルシクロヘキセンオキシドである、請求項38に記載の組成物。
【請求項41】
連続相が非水性の水酸基含有有機溶剤を含有し、そして不連続相がa)とb)とc)との反応生成物を含有する、非水性のエマルジョンを含有する、組成物:
a)Mb−h−kPEd−i−lPEf−j−mPE
b)化学量論または過剰化学量論の量のアクリラート;および、
c)フリーラジカル開始剤;
式中、
M=RSiO1/2
=RHSiO1/2
PE=R(−CHCH(R)(R10O(R11(CO)(CO)(CO)12)SiO1/2
=R(−R1718C−CR1615(COC)R1314)SiO1/2
D=RSiO2/2;そして
=RHSiO2/2
PE=R(−CHCH(R)(R10O(R11(CO)(CO)(CO)12)SiO2/2
=R(−R1718C−CR1615(COC)R1314)SiO2/2
T=R19SiO3/2
=HSiO3/2
PE=(−CHCH(R)(R10O(R11(CO)(CO)(CO)12)SiO3/2
=(−R1718C−CR1615(COC)R1314)SiO3/2;そして
Q=SiO4/2
式中、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR19は、それぞれ独立して、1から60までの炭素原子を有する一価の炭化水素基の群から選択され;
は、Hまたは1から6の炭素原子のアルキル基であり;R10は、1から6の炭素の二価のアルキル基であり;
11は、−CO−、−CO、および−CO−からなる二価の基の群から選択され;R12は、H、1から6の炭素の単官能性炭化水素基、またはアセチルであり;R13、R14、R15、R16、R17およびR18は、それぞれ独立して、水素および1から60までの炭素原子を有する一価の炭化水素基の群から選択され、Qは、1から60までの炭素原子を有する二価または三価の炭化水素基であり、Qは、1から60までの炭素原子を有する二価の炭化水素基であり、ただし、Qが三価の場合にR14は存在せず、そしてQはR13を有する炭素と結合する、ここでR16およびR18は、互いにシスまたはトランスのどちらかであってよい、という制限に従い;
下付文字aは、ゼロまたは正であってよく、ただし、下付文字aがゼロである場合は、bは正でなければならない、という制限に従い;
下付文字bは、ゼロまたは正であってよく、ただし、下付文字bがゼロである場合は、下付文字aは正でなければならない、という制限に従い;
下付文字cは、正であり、そして約5から約1,000までの範囲の値を有し;
下付文字dは、正であり、そして約3から約400までの範囲の値を有し;
下付文字eは、ゼロまたは正であり、そして0から約50までの範囲の値を有し;
下付文字fは、ゼロまたは正であり、そして0から約30までの範囲の値を有し;
下付文字gは、ゼロまたは正であり、そして0から約20までの範囲の値を有し;
下付文字hは、ゼロまたは正であり、そして0から約2までの範囲の値を有し、ただし、下付文字h、iおよびjの合計が正である、という制限に従い;
下付文字iは、ゼロまたは正であり、そして0から約200までの範囲の値を有し、ただし、下付文字h、iおよびjの合計が正である、という制限に従い;
下付文字jは、ゼロまたは正であり、そして0から約30までの範囲の値を有し、ただし、下付文字h、iおよびjの合計が正である、という制限に従い;
下付文字kは、ゼロまたは正であり、そして0から約2までの範囲の値を有し、下付文字k、lおよびmの合計が正である、という制限に従い;
下付文字lは、ゼロまたは正であり、そして0から約200までの範囲の値を有し、ただし、下付文字k、lおよびmの合計が正である、という制限に従い;
下付文字mは、ゼロまたは正であり、そして0から約30までの範囲の値を有し、ただし、下付文字k、lおよびmの合計が正である、という制限に従い;
下付文字nは、ゼロまたは1であり;
下付文字oは、ゼロまたは1であり;
下付文字pは、ゼロまたは正であり、そして0から約100までの範囲の値を有し、ただし、(p+q+r)>0、という制限に従い;
下付文字qは、ゼロまたは正であり、そして0から約100までの範囲の値を有し、ただし、(p+q+r)>0、という制限に従い;
下付文字rは、ゼロまたは正であり、そして0から約100までの範囲の値を有し、ただし、(p+q+r)>0、という制限に従い;
下付文字sは、ゼロまたは1であり;
下付文字tは、ゼロまたは1である。
【請求項42】
前記シリコーン組成物が自己乳化性である、請求項41に記載の組成物。
【請求項43】
前記シリコーン組成物が溶剤によって膨潤されてよい、請求項41に記載の組成物。
【請求項44】
前記溶剤が水である、請求項43に記載の組成物。
【請求項45】
前記溶剤がシリコーンまたは油である、請求項43に記載の組成物。
【請求項46】
、R、R、R、R、R、R、RおよびR19が、それぞれメチルである、請求項43に記載の組成物。
【請求項47】
、R、R、R、R、R、R、RおよびR19が、それぞれメチルである、請求項44に記載の組成物。
【請求項48】
、R、R、R、R、R、R、RおよびR19が、それぞれメチルである、請求項45に記載の組成物。
【請求項49】
1718C−CR1615(COC)R1314が、ビニルシクロヘキセンオキシドである、請求項47に記載の組成物。
【請求項50】
1718C−CR1615(COC)R1314が、ビニルシクロヘキセンオキシドである、請求項48に記載の組成物。
【請求項51】
請求項1に記載の組成物が水相中に存在し、これを含有する水中油滴型エマルジョン。
【請求項52】
請求項1に記載の組成物が水相中に存在し、これを含有する油中水滴型エマルジョン。
【請求項53】
不連続相が非水性の水酸基含有有機溶剤と請求項1に記載の組成物とを含有する、非水性のエマルジョン。
【請求項54】
連続相が非水性の水酸基含有有機溶剤と請求項1に記載の組成物とを含有する、非水性のエマルジョン。


【公表番号】特表2009−535488(P2009−535488A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−509665(P2009−509665)
【出願日】平成19年5月1日(2007.5.1)
【国際出願番号】PCT/US2007/010554
【国際公開番号】WO2007/130412
【国際公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(508229301)モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ インコーポレイテッド (120)
【Fターム(参考)】