説明

アクリル−、メタクリル−もしくはエタクリルアミドアルキルスルホン酸、またはその塩、およびカルボキシアルキルアクリラート、−メタクリラートまたは−エタクリラート、あるいはこれらカルボキシ化合物のオリゴマーに基づくポリマー

a)式(1)の互いに独立の1つまたは複数の繰り返し構造単位を20.0〜98.99モル%、b)式(2)の互いに独立の1つまたは複数の繰り返し構造単位を1.0〜79.99モル%、およびc)少なくとも2つのオレフィン性2重結合を有する1種または複数種のモノマーに由来する1つまたは複数の互いに独立の架橋性の繰り返し構造単位を0.01〜8.0モル%含む水溶性または水膨潤性ポリマーを開示する。これらのポリマーは、例えば、増粘剤または降伏点生成剤として、特に化粧用、皮膚科用、または医薬用組成物において適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクリル−、メタクリル−、または、エタクリルアミドアルキルスルホン酸またはその塩、およびカルボキシアルキルアクリラート、−メタクリラート、もしくは−エタクリラート、またはこれらカルボキシ化合物のオリゴマーに基づく架橋した水溶性または水膨潤性ポリマー、および上記ポリマーの製造方法、および上記ポリマーの、増粘剤、粘稠度調節剤または降伏点生成剤(Fliessgrenzenbildner)としての使用、好ましくは水性界面活性剤系中の増粘剤もしくは降伏点生成剤としての使用、または界面活性剤系中の、特に好ましくは化粧用、皮膚科用、または医薬用組成物中の無機粒子、有機粒子、油滴、もしくは気泡用の降伏点生成剤としての使用、ならびに1種または複数種の上記ポリマーを含む化粧用、皮膚科用、または医薬用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸またはその塩に基づくポリマーがすでに知られている。
【0003】
例えば2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸またはその塩の架橋されたホモポリマー(Hostacerin(登録商標)AMPS、Clariant社)、ならびに例えばビニルピロリドンなどのさらなるモノマーとの架橋されたコポリマー(Aristoflex(登録商標)AVC、Clariant社)が、商業的に入手可能であり、また例えば欧州特許第0816403号(特許文献1)、および欧州特許第1116733号(特許文献2)に開示されている。しかしながら、これらのポリマーは、界面活性剤系において、清澄な溶液や、十分な降伏点を生成しないという欠点がある。
【0004】
さらに2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、またはその塩に基づく疎水化変性ポリマーも商業的に入手可能であり(例えば、Aristoflex(登録商標)HMBClariant社)、また例えば、欧州特許第1069142号(特許文献3)に記載されている。しかしながら、これらのポリマーは、界面活性剤系において、十分な降伏点や、透明な溶液を、特別な場合にしか生成しないという欠点がある。
【0005】
上述した効果、すなわち、特に界面活性剤系において、清澄な溶液や降伏点を生成するのに、架橋した(quervernetzte)ポリアクリル酸やそのコポリマー(例えば、Carbopol(登録商標)Aqua SF1、Lubrizol社)が市場では用いられている。しかしこれらにも、pH値が約6未満であるときには、粘度上昇も、降伏点も、そして清澄な調合物も生成しないという欠点がある。
【0006】
さらに、市場で見られる2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸やその塩、およびアクリル酸およびメタクリル酸から選択されるさらなるモノマーに基づくコポリマーは、油を含有する逆エマルジョンの形態でしか得られず(例えば、Simulgel(登録商標)、Seppic社)、高い油含量が界面活性剤系の混濁を生じさせるので、界面活性剤系への使用には適さない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許第0816403号
【特許文献2】欧州特許第1116733号
【特許文献3】欧州特許第1069142号
【特許文献4】米国特許出願公開第2008/0014154号(A1)
【特許文献5】欧州特許出願公開第0036294号(A2)
【特許文献6】欧州特許出願公開第0699726号(A2)
【特許文献7】欧州特許出願公開第0574202号(A1)
【特許文献8】米国特許出願公開第2007/0166269号(A1)
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】「Makromolekulare Chemie: Eine Einfuehrung」、Bernd Tieke、Wiley-VCH、2.、完全改訂、増補版(2005年9月9日)ISBN-10: 3527313796
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、それにより従来技術による物質の欠点を減じ、さらには無くすことができ、また特に界面活性剤を含有する組成物、例えば化粧用、皮膚科用、または医薬用の界面活性剤含有組成物の製造に有利に使用でき、これにより、降伏点を示し、特に内部の無機および/または有機粒子および/または油滴ならびに気泡を安定化でき、またpH範囲2〜11、特に酸性pH範囲2〜6において非常に良好なレオロジー特性を示し、同時に肌にやさしく、さらにポリアクリラートに比べて有利な肌触りをもたらす、透明な界面活性剤含有組成物が得られる物質を提供することにあった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
驚くべきことに、この目的は、アクリル−、メタクリル−またはエタクリル・アミドアルキルスルホン酸またはその塩、およびカルボキシアルキルアクリラート、−メタクリラートまたは−エタクリラート、および/またはこれらカルボキシ化合物のオリゴマーに基づいた特定の架橋した水溶性または水膨潤性ポリマーにより達せられることが見出された。
【0011】
したがって、本発明の対象は、以下を含む水溶性または水膨潤性ポリマーである。
a) 式(1)の互いに独立の1つまたは複数の繰り返し構造単位を20.0〜98.99モル%、好ましくは、20.0〜98.98モル%、
【0012】
【化1】

[ここで、
は、水素、メチル、またはエチルを意味し、
Aは、直鎖状または分岐したC〜C12アルキレン、好ましくは、C〜Cアルキレンを意味し、
は、H、NH、有機アンモニウムイオン[HNR(ここで、R、R、およびRは、互いに独立に、水素、直鎖状または分岐状C1〜C22アルキル基、直鎖状または分岐状のモノまたはポリ不飽和C2〜C22アルケニル基、C〜C22アルキルアミドプロピル基、直鎖状C2〜C10モノヒドロキシアルキル基、あるいは直鎖状または分岐状C3〜C10ジヒドロキシアルキル基でよく、かつ、ここで、残基R、R、およびRのうち少なくとも1つは水素でない)、Li、Na、K、1/2Ca++、1/2Mg++、1/2Zn++、または1/3Al+++、またはこれらイオンの混合物を表す]
b) 式(2)の互いに独立の1つまたは複数の繰り返し構造単位を1.0〜79.99モル%、好ましくは、1.0〜79.98モル%、
【0013】
【化2】

[ここで、
1aは、水素、メチル、またはエチルを意味し、
は、H、NH、有機アンモニウムイオン[HNR(ここで、R、R、およびRは、互いに独立に、水素、直鎖状または分岐状C1〜C22アルキル基、直鎖状または分岐状のモノまたはポリ不飽和C2〜C22アルケニル基、C〜C22アルキルアミドプロピル基、直鎖状C2〜C10モノヒドロキシアルキル基、または直鎖状または分岐状C3〜C10ジヒドロキシアルキル基でよく、かつ、ここで、残基R、R、およびRのうち少なくとも1つは水素でない)、Li、Na、K、1/2Ca++、1/2Mg++、1/2Zn++、または1/3Al+++、またはこれらイオンの混合物を表し、
Bは、直鎖状または分岐状C1〜C6アルキレン基であり、そして
nは、1〜10の整数である]、および
c) 少なくとも2つのオレフィン性二重結合を有する1種または複数種のモノマーに由来する1つまたは複数の互いに独立の架橋性の繰り返し構造単位を0.01〜8.0モル%、好ましくは、0.01〜5.0モル%、特に好ましくは0.01〜2.0モル%、また極めて好ましくは0.25〜1.5モル%。
【0014】
本発明によるポリマー中には、式(1)および/または式(2)のそれぞれ異なる構造単位を含むことができる。本発明によるポリマーは、例えば、対イオンQが異なることで互いに相違している式(1)の複数の構造単位を含むことができる。本発明によるポリマーは、例えばまた、対イオンXが異なることで互いに相違している式(2)の複数の構造単位を含むことができる。
【0015】
本発明によるポリマーは、なかんずく、水系および化粧用、皮膚科用、または医薬用組成物の増粘剤および/または降伏点生成剤として、とりわけ、無機および/または有機粒子および/または油滴および/または気泡を含む清澄な水性界面活性剤含有系の増粘剤および/または降伏点生成剤として非常に適している。有利なことに、これらは、広いpH範囲において、すなわち強い酸性pH値においても良好な増粘および/または安定化特性を示す。
【0016】
アクリル酸2−カルボキシエチル、またはそのオリゴマーを基礎とするポリマーも同様にすでに知られている。
【0017】
米国特許出願公開第2008/0014154A1号(特許文献4)には、実質的に、ポリエチレングリコール類の特定な構造単位、および実質的にカチオン性のモノマーから誘導される構造単位からなるコポリマーが記載されている。この実質的にカチオン性のモノマーは、1種または複数種の特定のカチオン性モノマーと、1種または複数種の特定のアニオン性モノマーの混合物を意味する。前記コポリマーは、架橋されておらず、化粧用または医薬用組成物に使用できる。
【0018】
欧州特許出願公開第0036294A2号(特許文献5)には、式CH=CH−COO−(CHCHCOO)Hのオリゴマー(ここでnの平均値
【0019】
【数1】

は、1を超え10以下である)、およびそのホモポリマーまたはコポリマー製造への使用が開示されている。このポリマーは、コーティングおよび/または含浸用組成物に使用できる。
【0020】
欧州特許出願公開第0699726A2号(特許文献6)には、特に65〜95重量%のカルボン酸ビニルから合成される水溶性共重合体を含有する水溶性感圧接着剤が記載されている。
【0021】
欧州特許出願公開第0574202A1号(特許文献7)には、とりわけ親水性不飽和モノマーを、モノマー量を基準として0.001〜50モル%の特定の架橋剤と共重合して、共重合生成物を熱処理する、親水性樹脂の製造方法が記載されている。前記架橋剤は、構造単位CH=CHCOO−(CHCHCOO)−を有し、ここでnは、少なくとも1である。前記親水性樹脂は、例えば、親水性樹脂をさらなる架橋剤によって表面を処理することで、液体を取り入れる吸収性樹脂を製造するのに用いられる。
【0022】
米国特許出願公開第2007/0166269A1号(特許文献8)には、特定のコポリマーを含み、油中水型エマルジョンまたは複合エマルジョンの形態で存在する化粧用組成物が記載されている。このコポリマーは、とりわけ、少なくとも部分的に中和されたイオン性の親水性モノマーから誘導される少なくとも1つのモノマー単位を含有する。
【0023】
本発明によるポリマーの式(1)の1つまたは複数の構造単位において、Rは、好ましくは水素またはメチルであり、特に好ましくは水素である。
【0024】
本発明によるポリマーの式(1)の1つまたは複数の構造単位において、Aは、好ましくは、式−CH−C(CH−の構造単位である。
【0025】
特に好ましくは、本発明によるポリマーの式(1)の1つまたは複数の構造単位は、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸から誘導される。
【0026】
好ましくは、本発明によるポリマーの式(1)の1つまたは複数の構造単位の中和度は、50.0〜100モル%、特に好ましくは80.0〜100モル%、極めて好ましくは90.0〜100モル%、また極端に好ましくは95.0〜100モル%である。
【0027】
本発明によるポリマーの式(1)の1つまたは複数の構造単位において、Hではない対イオンQは、好ましくは、NH、アルカリ金属(ここでアルカリ金属としてはさらにNaが好ましい)、アルカリ土類++、およびこれらイオンの混合物から選択される。特に好ましくは、Hではない対イオンQは、NHである。
【0028】
本発明によるポリマーの式(2)の1つまたは複数の構造単位において、R1aは、好ましくは水素またはメチルであり、特に好ましくは水素である。
【0029】
本発明によるポリマーの式(2)の1つまたは複数の構造単位において、Bは、好ましくは、式−CH−CH−の構造単位である。
【0030】
本発明によるポリマーの式(2)の1つまたは複数の構造単位において、nは、好ましくは1〜5、また特に好ましくは1〜4である。
【0031】
好ましくは、本発明によるポリマーの成分b)中での、nが2以上の整数である式(2)の1つまたは複数の構造単位の割合は、少なくとも10.0モル%、特に好ましくは少なくとも20.0モル%、極めて好ましくは少なくとも25.0モル%、極端に好ましくは少なくとも30.0モル%、好ましくは高々70.0モル%である。
【0032】
特に好ましくは、式(2)の1つまたは複数の構造単位において、Bは、−CHCH−基であり、nは、1〜5、好ましくは1〜4の整数である。
【0033】
本発明によるポリマーの式(2)の1つまたは複数の構造単位において、カチオンXは、好ましくは、H、NH、アルカリ金属(アルカリ金属の中ではさらにNaが好ましい)、アルカリ土類++、およびこれらイオンの混合物から選択される。対イオンXは、特に好ましくはHおよび/またはNHである。
【0034】
式(1)の1つまたは複数の構造単位における、Hではない対イオンQは、特に好ましくは、NH、アルカリ金属(アルカリ金属の中ではさらにNaが好ましい)、アルカリ土類++、およびこれらイオンの混合物から選択され、特に好ましくはNHであり、式(2)の1つまたは複数の構造単位における対イオンXは、H、NH、アルカリ金属(アルカリ金属の中ではさらにNaが好ましい)、アルカリ土類++、およびこれらイオンの混合物から選択され、特に好ましくはHおよび/またはNHである。
【0035】
さらなる特に好ましい本発明の実施形態では、式(2)の1つまたは複数の構造単位中のXはHである。
【0036】
さらなる特に好ましい本発明の実施形態では、本発明によるポリマーは、式(2)の複数種の構造単位を含み、式(2)の構造単位の幾つかでは対イオンXがHを意味し、他の式(2)の構造単位ではイオンXは、H以外、好ましくはNHを意味する。
【0037】
本発明の好ましい実施形態では、式(1)の1つまたは複数の構造単位と式(2)の1つまたは複数の構造単位とのモル比は、20:80〜99:1、特に好ましくは50:50〜97:3、極めて好ましくは75:25〜95:5、また極端に好ましくは85:15〜95:5である。
【0038】
好ましくは本発明によるポリマーは、
a) 式(1)の1つまたは複数の構造単位を50.0〜96.99モル%、好ましくは75.0〜94.99モル%、また特に好ましくは84.75〜94.75モル%、
b) 式(2)の1つまたは複数の構造単位を3.0〜49.99モル%、好ましくは5.0〜24.99モル%、また特に好ましくは5.0〜15.0モル%、および
c) 成分c)の1つまたは複数の架橋性構造単位を0.01〜5.0モル%、好ましくは0.01〜2.0モル%、また特に好ましくは0.25〜1.5モル%
含む。
【0039】
本発明のさらなる好ましい実施形態では、本発明によるポリマー中の式(2)の1つまたは複数の構造単位の量は、それぞれ本発明によるポリマーの総量を基準として、50重量%以下、好ましくは45重量%以下である。
【0040】
本発明によるポリマーの成分c)の1つまたは複数の架橋性構造単位は、好ましくは、アクリル酸またはメタクリル酸エステル、アクリル酸またはメタクリル酸アミド、ポリグリコールジアクリル酸エステルまたはジメタクリル酸エステル、ポリグリコールジアクリル酸アミドまたはジメタクリル酸アミド、ジプロピレングリコールジアクリル酸エステルまたはジメタクリル酸エステル、ジプロピレングリコールジアクリル酸アミドまたはジメタクリル酸アミド、エトキシ化グリセリンジアクリラートまたはジメタクリラート、エトキシ化グリセリントリアクリラートまたはトリメタクリラート、プロポキシ化グリセリンジアクリラートまたはジメタクリラート、プロポキシ化グリセリントリアクリラートまたはトリメタクリラート、または他のアクリル酸またはメタクリル酸エステル、多官能性アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸アミド、トリメチロールプロパントリアクリラートまたはトリメタクリラート、多官能性アルコールのアリルまたはビニルエーテル、メチレン−ビス−アクリルアミド、あるいはジビニルベンゼンから誘導する。
【0041】
さらに、本発明によるポリマーの成分c)の1つまたは複数の架橋性構造単位は、好ましくは一般式(9)のモノマーから誘導される。
【0042】
【化3】

[ここで、
は、水素、メチル、またはエチルを意味し、
は、直鎖状または分岐状C1〜C6アルキレン基、または直鎖状または分岐状のモノまたはポリ不飽和C2〜C6アルケニレン基である]
【0043】
さらに、好ましくは本発明によるポリマーは、成分c)による式(3)の互いに独立した1種または複数種の架橋性の繰り返し構造単位、
【0044】
【化4】

[ここで、
およびRは、それぞれ互いに独立に、水素、メチル、またはエチルを意味し、
D、E、およびFは、それぞれ互いに独立に、メチレンオキシ(−CH−O−)、エチレンオキシ(−CH−CH−O−)、プロピレンオキシ(−CH(CH)−CH−O−)、直鎖状または分岐状C1〜C6アルキレン基、直鎖状または分岐状の、モノまたはポリ不飽和C2〜C6アルケニレン基、直鎖状C2〜C6モノヒドロキシアルキレン基、または直鎖状または分岐状C3〜C6ジヒドロキシアルキレン基を意味し、
o、p、およびqは、それぞれ互いに独立に、1〜50の整数を意味する]
を含む。
【0045】
本発明によるポリマーのための架橋剤として、グリセリンプロポキシラートトリアクリラート(GPTA)、トリメチロールプロパントリアクリラート(TMPTA)、ペンタエリトリトールジアクリラートモノステアラート(PEAS)、ヘキサンジオールジアクリラート(HDDA)、およびヘキサンジオールジメタクリラート(HDDMA)が特に好ましい。極めて好ましいのは、グリセリンプロポキシラートトリアクリラート(GPTA)である。
【0046】
特に好ましい本発明によるポリマーは、
ab) 式(1)および(2)の繰り返し構造単位の混合体を29.99〜98.99モル%、好ましくは62.0〜98.99モル%、
c) 成分c)の1つまたは複数の架橋性構造単位を0.01〜8.0モル%、および
d) 一般式(4)の1つまたは複数の化合物に由来する1つまたは複数の互いに独立な非架橋性繰り返し構造単位を0.01〜70.0モル%、好ましくは1.0〜70.0モル%、特に好ましくは1.0〜37.99モル%
含む。
【0047】
【化5】

[ここで、
は、水素、メチル、またはエチルを意味し、
は、H、直鎖状または分岐状C1〜C50アルキル基、直鎖状または分岐状C2〜C6モノヒドロキシアルキル基、直鎖状または分岐状C2〜C6ジヒドロキシアルキル基、−(CO−O−R−)または−(CO−NR−R−)を意味し、
l、m、n、o、およびpは、それぞれ互いに独立に、0〜300の整数を意味し、
Yは、化学結合、O、NR、S、PR、CH、CHO、CHNR、CHS、C(O)、C(NR)、C(O)O、OC(O)、C(O)NR、NRC(O)、C(NR)NR、C(O)S、ROC(O)O、ROC(O)NR、RNC(O)NR、RNRC(NR)NR、ROC(O)S、RP(O)O、ROP(O)O、RS(O)、RS(O)(O)、RS(O)O、RS(O)(O)O、ROS(O)OまたはROS(O)(O)O、好ましくは化学結合、O、CH、C(O)O、OC(O)、C(O)NR、またはNRC(O)を意味し、
、R、R、およびRは、それぞれ互いに独立に、水素または直鎖状または分岐状C1〜C50アルキル残基を意味し、
は、化学結合またはCHを意味し、
は、直鎖状または分岐状C1〜C50アルキレン残基を意味する]
【0048】
式(4)の1つまたは複数の化合物において、Rは、好ましくは、水素またはメチルである。
【0049】
式(4)の1つまたは複数の化合物において、Rは、好ましくは、H、直鎖状または分岐状C1〜C50アルキル基、直鎖状または分岐状C2〜C6モノヒドロキシアルキル基、あるいは直鎖状または分岐状C2〜C6ジヒドロキシアルキル基である。
【0050】
式(4)の1つまたは複数の化合物において、lは、好ましくは0を意味する。
【0051】
式(4)の1つまたは複数の化合物において、Yは、好ましくは化学結合、O、CH、C(O)O、OC(O)、C(O)NR、またはNRC(O)を意味する。
【0052】
特に好ましくは、成分d)の1つまたは複数の構造単位は、式(5)の1つまたは複数の構造単位と、
【0053】
【化6】

[ここで、
は、水素、メチル、またはエチルを意味し、
およびRは、それぞれ互いに独立に、水素、メチル、エチル、n−プロピル、またはイソプロピルを意味し、さらに、RおよびR残基の少なくとも1つは水素でない]
式(6)の1つまたは複数の構造単位と、
【0054】
【化7】

[ここで、
は、水素、メチル、またはエチルを意味し、
は、水素、メチル、エチル、n−プロピル、またはイソプロピルである]
から選択される。
【0055】
本発明の好ましい実施形態では、成分d)の1つまたは複数の構造単位は、式(5)の1つまたは複数の構造単位から選択される。
【0056】
本発明のさらなる好ましい実施形態では、成分d)の1つまたは複数の構造単位は、式(6)の1つまたは複数の構造単位から選択される。
【0057】
本発明のさらなる好ましい実施形態では、本発明によるポリマーは、アクリル酸から誘導される構造単位を含んでいる。本発明によるポリマーがそうした構造単位を含有する場合、その本発明によるポリマー中の含有量は、ポリマーの総量を基準として、好ましくは0.01〜10.0モル%である。
【0058】
本発明のさらなる好ましい実施形態では、本発明によるポリマーは、カチオン性の構造単位を含まない。
【0059】
本発明によるポリマー中での様々な構造単位の分布は、統計的、ブロック形、交互形、あるいは勾配形であり得る。
【0060】
本発明によるポリマーの分子量は、好ましくは10〜10g/mol、特に好ましくは10〜10g/mol、また極めて好ましくは10〜5x10g/molである。
【0061】
本発明によるポリマーの製造は、プロトン性溶媒、好ましくはtert.−ブタノール中でラジカル重合により行われる。このとき、相当のモノマーを例えばプロトン性溶媒中に溶解させ、または分散させ、それ自体知られている方法で、例えばラジカル発生性の化合物を加えて重合を開始する。このとき、例えば、仕込んだモノマーを「直接」重合させることができる。しかし、これらは、また、重合の前に中和させ、例えば酸性基が組み込まれたモノマーを重合前に塩基と反応させ、式(1)による構造単位の対イオンQ、あるいは式(2)による構造単位の対イオンXを形成させることもできる。重合前にモノマーを中和する代りに、重合の実施後にポリマーを塩基で中和することもできる。
【0062】
したがって、本発明のさらなる対象は、本発明によるポリマーの製造方法であって、成分a)〜c)さらに場合によりd)の構造単位を誘導するモノマー、および場合によりさらなるモノマーを、プロトン性溶媒、好ましくはtert.−ブタノール中でラジカル重合させ、さらに場合により重合前に上記モノマーを、または重合後にポリマーを、アンモニアまたは有機アミン、またはLi、Na、K、Ca++、Mg++、Zn++またはAl+++を含有する塩基、好ましくは、これらの水酸化物または炭酸塩、特に好ましくは水酸化物を用いて中和する製造方法である。
【0063】
ラジカル重合は、当業者に公知であって、標準的な文献として例えば「Makromolekulare Chemie: Eine Einfuehrung」、Bernd Tieke、Wiley-VCH、2.、完全改訂、増補版(2005年9月9日)ISBN-10: 3527313796(非特許文献1)に詳細に記載されている。
【0064】
本発明によるポリマーは、肌にやさしくまた肌触りが良いという特徴がある。本発明によるポリマーはさらに酸に対して安定である。本発明によるポリマーは、酸性のpH値でも増粘するので、有利には、安息香酸、ソルビン酸、パラメトキシ安息香酸といった有機酸を使用する場合に、不可避の低いpH値でも十分な増粘作用がもたらされるので、増粘した化粧用製品を保存することが可能である。これらを用いても透明な溶液が得られる。
【0065】
本発明によるポリマーは、さらに有利に、化粧用、皮膚科用、または医薬用組成物の製造に適している。
【0066】
したがって、本発明のさらなる対象は、1つまたは複数の本発明によるポリマーの化粧用、皮膚科用、または医薬用組成物の製造への使用、ならびに、1つまたは複数の本発明によるポリマーを含有する化粧用、皮膚科用、または医薬用組成物である。
【0067】
本発明による組成物は、本発明によるポリマーを、完成した組成物を基準として、好ましくは0.01〜10.0重量%、特に好ましくは0.1〜5.0重量%、また極めて好ましくは0.5〜2.0重量%含有する。
【0068】
本発明の好ましい実施形態では、本発明による界面活性剤含有組成物は、粘度(25℃、ブルックフィールドRVT、T−Cスピンドル:5rpm)が好ましくは100〜50,000mPa・sの範囲、特に好ましくは100〜10,000mPa・sの範囲、極めて好ましくは500〜5,000mPa・sの範囲、また極端に好ましくは500〜4,000mPa・sの範囲である。
【0069】
本発明のさらなる好ましい実施形態では、クリーム、ローション、水性および水性アルコール調合物のような本発明による組成物は、粘度(25℃、ブルックフィールドRVT、T−Cスピンドル:5rpm)が、好ましくは100〜50,000mPa・sの範囲、特に好ましくは500〜30,000mPa・sの範囲、また極めて好ましくは1,000〜20,000mPa・sの範囲である。
【0070】
本発明のさらなる好ましい実施形態では、本発明による組成物は、リキッド(Fluids)、ゲル、オイル、フォーム、スプレー、ローション、またはクリームの形態にある
【0071】
本発明による組成物は、好ましくは水性または水−アルコール系であり、あるいは水中油型エマルジョンで存在する。
【0072】
本発明の特に好ましい実施形態では、本発明による組成物は、水性または水−アルコール系であり、あるいは水中油型エマルジョンで存在し、極めて好ましくは水性で界面活性剤を含有し、水−アルコール性で界面活性剤を含有する組成物として存在し、組成物の全重量を基準として、好ましくは、
a) 水相または水−アルコール相を、98.0重量%まで、好ましくは60.0〜98.0重量%、特に好ましくは70.0〜94.4重量%、極めて好ましくは75.0〜94.5重量%、
b) 1種または複数種の界面活性剤を、50.0重量%まで、好ましくは1.0〜30.0重量%、特に好ましくは5.0〜20.0重量%、極めて好ましくは5.0〜15.0重量%、
c) 1種または複数種の本発明によるポリマーを、10.0重量%まで、好ましくは0.01〜10.0重量%、特に好ましくは0.1〜5.0重量%、極めて好ましくは0.5〜2.0重量、および
d) 1種または複数種のさらなる添加物を、50.0重量%まで、好ましくは0.5〜38.99重量%、特に好ましくは0.5〜6.0重量%、極めて好ましくは1.0〜5.0重量%(ここで、本発明による組成物が水中油型エマルジョンであるとき、上記1種または複数種の添加物は、特に1種または複数種の油を意味する)
含有する。
【0073】
水−アルコール系またはアルコール系の本発明による組成物としては、全ての1価または多価のアルコールが対象となる。好ましいものに、C1〜C4アルコール、例えばエタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、またはグリセリン、およびアルキレングリコール、特にプロピレングリコール、ブチレングリコール、またはヘキシレングリコール、ならびに上記アルコールの混合物がある。さらなる好ましいアルコールには、相対分子質量2,000未満のポリエチレングリコールがある。特に、相対分子質量200〜600のポリエチレングリコールおよび相対分子質量400〜600のポリエチレングリコールを使用するのが好ましい。
【0074】
本発明による組成物は、1種または複数種の油を含有することができる。
【0075】
前記油は、有利には、トリグリセリド、天然および合成脂肪体、好ましくは脂肪酸とC数の少ないアルコール、例えばメタノール、イソプロパノール、プロピレングリコールまたはグリセリンとのエステル、または脂肪族アルコールとC数の少ないアルカン酸または脂肪酸とのエステルからなる群から、あるいは安息香酸アルキル、ならびに天然または合成炭化水素油からなる群から選択することができる。
【0076】
直鎖状または分岐状であり、飽和または不飽和であり、場合によりヒドロキシル化されたC8〜30脂肪酸のトリグリセリド、特に植物油、例えばヒマワリ油、トウモロコシ油、大豆油、米ぬか油、ホホバ油、ババス油(Babusscu−)、カボチャ種油、ブドウ種油、ゴマ油、クルミ油、アンズ油、オレンジ油、コムギ胚油、モモ核油、マカダミア油、アボカド油、アーモンド油、タネツケバナ油、ヒマシ油、オリーブ油、ピーナツ油、菜種油およびココナッツ油、ならびに合成トリグリセリド油、例えば市販品Myritol(登録商標)318および市販品Velsan(登録商標)CCT(カプリル−カプリン酸−トリグリセリド、Clariant社)が考えられる。本発明によれば、硬化トリグリセリドも好ましい。また、動物由来の油、例えば牛脂、ペルヒドロスクアレン、ラノリンも使用できる。
【0077】
好ましい油体のさらなる部類は、直鎖状または分岐状のC8〜22アルカノールの安息香酸エステル、例えば市販品Finsolv(登録商標)SB(安息香酸イソステアリル)、Finsolv(登録商標)TN(C12〜C15アルキルベンゾアート)、およびFinsolv(登録商標)EB(安息香酸エチルヘキシル)である。
【0078】
好ましい油体のさらなる部類には、全体でC12〜C36、特にC12〜C24のジアルキルエーテル、例えば、ジ−n−オクチルエーテル(Cetiol(登録商標)OE)、ジ−n−ノニルエーテル、ジ−n−デシルエーテル、ジ−n−ウンデシルエーテル、ジ−n−ドデシルエーテル、n−ヘキシル−n−オクチルエーテル、n−オクチル−n−デシルエーテル、n−デシル−n−ウンデシルエーテル、n−ウンデシル−n−ドデシルエーテル、およびn−ヘキシル−n−ウンデシルエーテル、ジ−3−エチルデシルエーテル、tert.−ブチル−n−オクチルエーテル、イソペンチル−n−オクチルエーテル、および2−メチルペンチル−n−オクチルエーテル、ならびにジ−tert.−ブチルエーテルおよびジイソ−ペンチルエーテルがある。
【0079】
さらに、分岐状の飽和または不飽和C6〜C30脂肪族アルコール、例えば、イソステアリルアルコール、ならびにガーベットアルコール(Guerbetalkohole)も考えられる。
【0080】
好ましい油体のさらなる部類には、ヒドロキシカルボン酸アルキルエステルがある。好ましいヒドロキシカルボン酸アルキルエステルは、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、またはクエン酸の全エステル(Vollester)である。さらなる基本的に適したヒドロキシカルボン酸のエステルには、β−ヒドロキシプロピオン酸、タルトロン酸、D−グルコン酸、糖酸、粘液酸、またはグルクロン酸のエステルがある。これらのエステルのアルコール成分としては、C8〜C22の第一級の直鎖状または分岐の脂肪族アルコールが適している。ここで、C12〜C15脂肪族アルコールのエステルが特に好ましい。このタイプのエステルは、例えばEniChem, Augusta Industriale社から商品名Cosmacol(登録商標)で市販されている。
【0081】
好ましい油体のさらなる部類には、直鎖状または分岐状のC〜C10アルカノールのジカルボン酸エステル、例えばアジピン酸ジ−n−ブチル(Cetiol(登録商標)B)、アジピン酸ジ−(2−エチルヘキシル)、およびコハク酸ジ−(2−エチルヘキシル);ならびにジオールエステル、例えばエチレングリコール−ジオレアート、エチレングリコール−ジ−イソトリデカノアート、プロピレングリコール−ジ(2−エチルヘキサノアート)、プロピレングリコール−ジ−イソステアラート、プロピレングリコール−ジ−ペラルゴナート、ブタンジオール−ジ−イソステアラート、およびネオペンチルグリコールジカプリラートならびにジ−イソトリデシルアセラートがある。
【0082】
同様に、炭酸と脂肪族アルコールの対称、非対称、または環状エステル、グリセリンカーボナート、またはジカプリリルカーボナート(Cetiol(登録商標)CC)も好ましい油体である。
【0083】
好ましい油体のさらなる部類には、不飽和C12〜C22脂肪酸の二量体(二量化脂肪酸)と、1価の直鎖状、分岐状、または環状C〜C18アルカノール、または多価直鎖状または分岐状C〜Cアルカノールとのエステルがある。
【0084】
好ましい油体のさらなる部類には、炭化水素油、例えば、直鎖状または分岐状であり飽和または不飽和のC〜C40炭素鎖を有するもの、例を挙げれば、ワセリン、ドデカン、イソドデカン、コレステロール、ラノリン、合成炭化水素、例えばポリオレフィン、特にポリイソブテン、水素化ポリイソブテン、ポリデカン、ならびにヘキサデカン、イソヘキサデカン、パラフィン油、イソパラフィン油、例えば市販品のPermethyl(登録商標)シリーズ、スクアラン、スクアレン、および脂環式炭化水素、例えば市販品1,3−ジ(2−エチル−ヘキシル)シクロヘキサン(Cetiol(登録商標)S)、オゾケライト、およびセレシンがある。
【0085】
同様に、シリコーン油もしくはシリコーンワックス、好ましくはジメチルポリシロキサン、およびシクロメチコン、ポリジアルキルシロキサンRSiO(RSiO)SiR(ここで、Rはメチルまたはエチル、特に好ましくはメチルを表し、また、xは2〜500の数を表す)、例えば商品名VICASIL(General Electric Company)、DOW CORNING 200、DOW CORNING 225、DOW CORNING 200(Dow Corning Corporation)として入手可能なジメチコン、ならびにSilCare(登録商標)Silicone 41M65、SilCare(登録商標)Silicone 41M70、SilCare(登録商標)Silicone 41M80(Clariant社)として入手可能なジメチコン、ステアリルジメチルポリシロキサン、C20〜C24アルキル−ジメチルポリシロキサン、C24〜C28アルキル−ジメチルポリシロキサン、またさらに商品名SilCare(登録商標)Silicone 41M40、SilCare(登録商標)Silicone 41M50(Clariant社)として入手可能なメチコン、さらにトリメチルシロキシシリカート[(CHSiO)1/2[SiO(ここで、xは1〜500の数を表し、またyは1〜500の数を表す)、ジメチコノールRSiO[RSiO]SiROHおよびHORSiO[RSiO]SiROH(ここで、Rはメチルまたはエチルを表し、またxは500までの数を表す)、ポリアルキルアリールシロキサン、例えば商標SF 1075 METHYLPHENYL FLUID(General Electric Company)および556 COSMETIC GRADE PHENYL TRIMETHICONE FLUID(Dow Corning Corporation)として入手可能なポリメチルフェニルシロキサン、ポリジアリールシロキサン、シリコーン樹脂、環状シリコーン、およびアミノ−、脂肪酸−、アルコール−、ポリエーテル−、エポキシ−、フッ素−および/またはアルキル変性シリコーン化合物、ならびにポリエーテルシロキサンコポリマーも考えられる。
【0086】
本発明による組成物は、好ましくは1種または複数種の界面活性剤を含有する。
【0087】
本発明において、界面活性剤とは、液体の表面張力または2つの相の間の界面張力を低下させ、分散液やエマルジョンの生成を可能にする、または支援する物質を意味する。このことは特に、本発明において「界面活性剤」という概念が、通常乳化剤と呼ばれる物質も包含することを意味する。
【0088】
界面活性剤は、有利には、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、およびベタイン界面活性剤からなる群から選択することができる。
【0089】
本発明による組成物に含まれる界面活性剤の量(例えば易洗い流し製品(Rinse−Off−Produkten)の場合)は、完成した本発明による組成物を基準として好ましくは0.01〜50.0重量%、特に好ましくは1.0〜30.0重量%、極めて好ましくは5.0〜20.0重量%および並外れて好ましくは5.0〜15.0重量%である。
【0090】
アニオン性界面活性剤として、(C10〜C22)−アルキル−およびアルキレン−カルボン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、脂肪族アルコール硫酸塩、脂肪族アルコールエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩およびアルキルアミドスルホン酸塩、脂肪酸アルキルアミドポリグリコールエーテル硫酸塩、アルカンスルホン酸塩およびヒドロキシアルカンスルホン酸塩、オレフィンスルホン酸塩、イセチオナートのアシルエステル、α−スルホ脂肪酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェノールグリコールエーテルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、スルホコハク酸の半エステルおよびジエステル、脂肪族アルコールリン酸エステル、脂肪族アルコールエーテルリン酸エステル、タンパク質−脂肪酸−縮合生成物、アルキルモノグリセリド硫酸塩およびアルキルモノグリセリドスルホン酸塩、アルキルグリセリドエーテルスルホン酸塩、脂肪酸メチルタウリド、脂肪酸サルコシナート、スルホリシノール酸塩、アシルグルタミン酸塩、およびアシルグリシン酸塩が好ましい。これら化合物およびそれらの混合物は、水溶性または水中分散性塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、モノ−、ジ−およびトリ−エタノールアンモニウム塩、ならびに類似のアルキルアンモニウム塩の形で用いる。
【0091】
本発明による組成物中のアニオン性界面活性剤の量は、完成した組成物を基準として好ましくは0.1〜30.0重量%、特に好ましくは0.2〜20.0重量%、また極めて好ましくは0.5〜15.0重量%である。
【0092】
好ましいカチオン性界面活性剤は、第四級アンモニウム塩、例えばジ−(C〜C22)−アルキル−ジメチルアンモニウムクロリドまたはブロミド、好ましくはジ−(C〜C22)−アルキル−ジメチルアンモニウムクロリドまたはブロミド;(C〜C22)−アルキル−ジメチル−エチルアンモニウムクロリドまたはブロミド;(C〜C22)−アルキル−トリメチルアンモニウムクロリドまたはブロミド、好ましくはセチルトリメチルアンモニウムクロリドまたはブロミド、および(C〜C22)−アルキル−トリメチルアンモニウムクロリドまたはブロミド;(C10〜C24)−アルキル−ジメチルベンジル−アンモニウムクロリドまたはブロミド、好ましくは(C12〜C18)−アルキル−ジメチルベンジル−アンモニウムクロリド、(C〜C22)−アルキル−ジメチル−ヒドロキシエチルアンモニウムクロリド、−リン酸塩、−硫酸塩、−乳酸塩、(C〜C22)−アルキルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、−メトスルファート、N,N−ビス(2−(C〜C22)−アルカノイルオキシエチル)−ジメチルアンモニウムクロリド、−メトスルファート、N,N−ビス(2−(C〜C22)−アルカノイル−オキシエチル)ヒドロキシエチル−メチル−アンモニウムクロリド、−メトスルファートである。
【0093】
本発明による組成物中のカチオン性界面活性剤の量は、完成した調合物を基準として好ましくは0.1〜10.0重量%、特に好ましくは0.5〜7.0重量%、また極めて好ましくは1.0〜5.0重量%である。
【0094】
非イオン性界面活性剤としては、脂肪族アルコールエトキシラート(アルキルポリエチレングリコール);アルキルフェノールポリエチレングリコール;脂肪族アミンエトキシラート(アルキルアミノポリエチレングリコール);脂肪酸エトキシラート(アシルポリエチレングリコール);ポリプロピレングリコールエトキシラート(Pluronics(登録商標));脂肪酸アルカノールアミド(脂肪酸アミドポリエチレングリコール);サッカロースエステル;ソルビトールエステル、およびソルビタンエステル、およびそれらのポリグリコールエーテル、ならびにC〜C22アルキルポリグルコシドが好ましい。
【0095】
本発明による組成物中の非イオン性界面活性剤の量(例えば易洗い流し製品の場合)は、完成した組成物を基準として、好ましくは1.0〜20.0重量%の範囲、特に好ましくは2.0〜10.0重量%、また極めて好ましくは3.0〜7.0重量%にある。
【0096】
さらに、本発明による組成物は、両性界面活性剤を含有することもできる。これらは、長鎖の第二級または第三級アミンの誘導体ということができ、C8〜C18のアルキル基を有する他、もう1つの基が、水溶性を与えるアニオン性基、例えばカルボキシル基、硫酸基、またはスルホン酸基で置換されている。好ましい両性界面活性剤は、アルカリ金属塩およびモノ−、ジ−およびトリ−アルキルアンモニウム塩としてのN−(C12〜C18)−アルキル−β−アミノプロピオン酸塩およびN−(C12〜C18)−アルキル−β−イミノジプロピオン酸塩である。さらなる適した界面活性剤は、アミンオキシドである。これは第三級アミンの酸化物であり、C8〜C18の長鎖の基と、C1〜C4の大抵は短鎖の2つのアルキル基とを有する。ここで、例えば、C10〜C18アルキルジメチルアミンオキシド、脂肪酸アミドアルキル−ジメチルアミンオキシドが好ましい。
【0097】
さらなる好ましい界面活性剤の群は、両性イオン界面活性剤とも呼ばれるベタイン界面活性剤である。これらは同一分子内に、特にアンモニウム基であるカチオン性基と、カルボキシラート基、硫酸基、またはスルホン酸基であってよいアニオン性基とを有する。適したベタインは、好ましくは、ココベタインまたは脂肪酸アルキルアミドプロピルベタインといったアルキルベタインであり、例えばココアシルアミドプロピルジメチルベタイン(Kokosacylamidopropyldimethylbetain)、またはC12〜C18ジメチルアミノヘキサノアート、あるいはC10〜C18アシルアミドプロパンジメチルベタインである。
【0098】
本発明による組成物中の両性界面活性剤および/またはベタイン界面活性剤の量は、好ましくは完成した組成物を基準として0.5〜20.0重量%、また特に好ましくは1.0〜15.0重量%である。
【0099】
好ましい界面活性剤は、ラウリル硫酸塩、ラウレス硫酸塩、コカミドプロピルベタイン、アルキルベタイン、例えばココベタイン、ココイルグルタミン酸ナトリウム塩、およびラウロアンホ酢酸塩である。
【0100】
特に好ましい界面活性剤は、直鎖状または分岐状のC1〜C30アルキル基、直鎖状または分岐状のモノまたはポリ不飽和C2〜C30アルケニル基を有するアルキル化エーテル硫酸塩、ベタインおよびそれらの誘導体、また極めて好ましいのは、直鎖状または分岐状のC12〜C22アルキル基を有するアルキル化エーテル硫酸塩、ベタインおよびそれらの誘導体、ならびにそれらの混合物である。
【0101】
本発明のさらなる好ましい一実施形態では、本発明による組成物は、さらに起泡改良剤(schaumverstaerkende Mittel)として、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオナート、アミノグリシナート、イミダゾリニウムベタイン、ならびにスルホベタイン、アミノオキシド、脂肪酸アルカノールアミド、およびポリヒドロキシアミドからなる群からの共界面活性剤を含有する。
【0102】
本発明による組成物は、さらなる助剤および添加物として、例えば、ワックス、乳化剤、乳化助剤、可溶化剤、電解質、ヒドロキシ酸、安定剤、カチオン性ポリマー、皮膜形成材、さらなる増粘剤、ゲル化剤、過脂肪剤、再加脂剤、抗菌作用物質、生体活性物質、収斂剤、脱臭物質、日焼け防止フィルター、酸化防止剤、保湿剤、溶媒、着色剤、パール光沢剤、香料、乳白剤、および/またはシリコーンを含有することができる。
【0103】
本発明による組成物は、例えばパラフィンワックス、マイクロワックス、およびオゾケライト、蜜ろうおよびその部分留分、ならびに蜜ろう誘導体などのワックス;ホモポリマーポリエチレンまたはα−オレフィンの共重合体からなる群からのワックス;さらには米ぬかワックス、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、木ろう、またはシェラックワックスなどの天然ワックスを含有することができる。
【0104】
乳化剤、乳化助剤、および可溶化剤として、非イオン性、アニオン性、カチオン性、または両性の界面活性化合物を使用できる。
【0105】
非イオン性界面活性化合物として、好ましくは以下のものが考えられる。
0〜30モルのエチレンオキシドおよび/または0〜5モルのプロピレンオキシドと、C8〜C22直鎖状脂肪族アルコール、C12〜C22脂肪酸、アルキル基中に8〜15個のC原子を有するアルキルフェノール、およびソルビタン−またはソルビトールエステルとの付加生成物;0〜30モルのエチレンオキシドとグリセリンの付加生成物の(C12〜C18)−脂肪酸モノおよびジエステル;C6〜C22の飽和および不飽和脂肪族酸、また場合によりそれらのエチレンオキシド付加生成物の、グリセリンモノおよびジエステルならびにソルビタンモノおよびジエステル;15〜60モルのエチレンオキシドとヒマシ油および/または硬化ヒマシ油との付加生成物;ポリオールエステル、特にポリグリセリンエステル、例えばポリグリセリンポリリシノール酸エステル、およびポリグリセリンポリ−12−ヒドロキシステアリン酸エステル。同様に、好ましくは、エトキシ化脂肪族アミン、脂肪酸アミド、脂肪酸アルカノールアミド、およびこれらの物質類の複数の化合物の混合体が適している。
【0106】
イオン形成性乳化助剤として、例えば、アニオン性乳化剤、例えばモノ−、ジ−、またはトリ−リン酸エステル、石けん(例えば、ステアリン酸ナトリウム)、脂肪族アルコール硫酸エステル、さらにまたカチオン性乳化剤、例えばモノ−、ジ−、またはトリ−アルキルクワット(Alkylquat)およびそれらのポリマー誘導体が適している。
【0107】
両性乳化剤としては、好ましくは、アルキルアミノアルキルカルボン酸、ベタイン、スルホベタイン、およびイミダゾリン誘導体を使用できる。
【0108】
特に好ましくは、エトキシ化ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セチルアルコール、イソセチルアルコール、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、イソラウリルアルコール、およびセチルステアリルアルコール、特に、ポリエチレングリコール(13)ステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(14)ステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(15)ステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(16)ステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(17)ステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(18)ステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(19)ステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(20)ステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(12)イソステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(13)イソステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(14)イソステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(15)イソステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(16)イソステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(17)イソステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(18)イソステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(19)イソステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(20)イソステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(13)セチルエーテル、ポリエチレングリコール(14)セチルエーテル、ポリエチレングリコール(15)セチルエーテル、ポリエチレングリコール(16)セチルエーテル、ポリエチレングリコール(17)セチルエーテル、ポリエチレングリコール(18)セチルエーテル、ポリエチレングリコール(19)セチルエーテル、ポリエチレングリコール(20)セチルエーテル、ポリエチレングリコール(13)イソセチルエーテル、ポリエチレングリコール(14)イソセチルエーテル、ポリエチレングリコール(15)イソセチルエーテル、ポリエチレングリコール(16)イソセチルエーテル、ポリエチレングリコール(17)イソセチルエーテル、ポリエチレングリコール(18)イソセチルエーテル、ポリエチレングリコール(19)イソセチルエーテル、ポリエチレングリコール(20)イソセチルエーテル、ポリエチレングリコール(12)オレイルエーテル、ポリエチレングリコール(13)オレイルエーテル、ポリエチレングリコール(14)オレイルエーテル、ポリエチレングリコール(15)オレイルエーテル、ポリエチレングリコール(12)ラウリルエーテル、ポリエチレングリコール(12)イソラウリルエーテル、ポリエチレングリコール(13)セチルステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(14)セチルステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(15)セチルステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(16)セチルステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(17)セチルステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(18)セチルステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(19)セチルステアリルエーテルからなる群から選択される脂肪族アルコールエトキシラートが使用される。
【0109】
同様に、エトキシ化ステアラート、イソステアラートおよびオレアート、特に、ポリエチレングリコール(20)ステアラート、ポリエチレングリコール(21)ステアラート、ポリエチレングリコール(22)ステアラート、ポリエチレングリコール(23)ステアラート、ポリエチレングリコール(24)ステアラート、ポリエチレングリコール(25)ステアラート、ポリエチレングリコール(12)イソステアラート、ポリエチレングリコール(13)イソステアラート、ポリエチレングリコール(14)イソステアラート、ポリエチレングリコール(15)イソステアラート、ポリエチレングリコール(16)イソステアラート、ポリエチレングリコール(17)イソステアラート、ポリエチレングリコール(18)イソステアラート、ポリエチレングリコール(19)イソステアラート、ポリエチレングリコール(20)イソステアラート、ポリエチレングリコール(21)イソステアラート、ポリエチレングリコール(22)イソステアラート、ポリエチレングリコール(23)イソステアラート、ポリエチレングリコール(24)イソステアラート、ポリエチレングリコール(25)イソステアラート、ポリエチレングリコール(12)オレアート、ポリエチレングリコール(13)オレアート、ポリエチレングリコール(14)オレアート、ポリエチレングリコール(15)オレアート、ポリエチレングリコール(16)オレアート、ポリエチレングリコール(17)オレアート、ポリエチレングリコール(18)オレアート、ポリエチレングリコール(19)オレアート、ポリエチレングリコール(20)オレアートからなる群から選択される脂肪酸エトキシラートも好ましい。
【0110】
エトキシ化アルキルエーテルカルボン酸またはその塩としては、有利には、ラウリルエーテル−11−カルボン酸ナトリウム(Natrium Laureth−11−carboxylat)を使用できる。
【0111】
エトキシ化トリグリセリドとしては、有利には、ポリエチレングリコール(60)マツヨイグサグリセリドを使用できる。
【0112】
さらに、ポリエチレングリコール(20)グリセリルラウラート、ポリエチレングリコール(6)グリセリルカプラート/カプリナート、ポリエチレングリコール(20)グリセリルオレアート、ポリエチレングリコール(20)グリセリルイソステアラートおよびポリエチレングリコール(18)グリセリルオレアート/ヤシ油脂肪酸エステルからなる群から選択されるポリエチレングリコールグリセリン脂肪酸エステルが有利である。
【0113】
ソルビタンエステルのうち、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノラウラート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノステアラート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノイソステアラート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノパルミタート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノオレアートが特に適している。
【0114】
特に有利な乳化助剤剤は、グリセリルモノステアラート、グリセリルモノオレアート、ジグリセリルモノステアラート、グリセリルイソステアラート、ポリグリセリル−3−オレアート、ポリグリセリル−3−ジイソステアラート、ポリグリセリル−4−イソステアラート、ポリグリセリル−2−ジポリヒドロキシステアラート、ポリグリセリル−4−ジポリヒドロキシステアラート、PEG−30−ジポリヒドロキシステアラート、ジイソステアロイルポリグリセリル−3−ジイソステアラート、グリコールジステアラートおよびポリグリセリル−3−ジポリヒドロキシステアラート、ソルビタンモノイソステアラート、ソルビタンステアラート、ソルビタンオレアート、サッカロースジステアラート、レシチン、PEG−7−水添ヒマシ油、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、イソベヘニルアルコール、およびポリエチレングリコール(2)ステアリルエーテル(ステアレス−2)、アルキルメチコンコポリオールおよびアルキル−ジメチコンコポリオール、特にセチルジメチコンコポリオール、ラウリルメチコンコポリオールである。
【0115】
本発明による組成物は、1種または複数種の乳化剤、乳化助剤、または可溶化剤を、完成された組成物を基準として、0.1〜20.0重量%、好ましくは1.0〜15.0重量%、また特に好ましくは3.0〜10.0重量%の量で含有することができる。
【0116】
電解質としては、無機塩、好ましくはアンモニウム塩または金属塩、特に好ましくはハロゲン化物、例えばCaCl、MgCl、LiCl、KCl、およびNaCl、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、特に好ましくは塩化ナトリウム、および/または有機塩、好ましくはアンモニウム塩、または金属塩、特に好ましくはグリコール酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、マンデル酸、サリチル酸、アスコルビン酸、焦性ブドウ酸、フマル酸、レチノイン酸、スルホン酸、安息香酸、コウジ酸、フルーツ酸、リンゴ酸、グルコン酸、またはガラクツロン酸の塩を使用できる。
【0117】
ここには、アルミニウム塩、好ましくはクロルヒドロキシアルミニウムまたはアルミニウム−ジルコニウム錯塩も含まれる。
【0118】
本発明の好ましい実施形態では、本発明による組成物は、したがって無機および有機塩から選択された1種または複数種の物質を含む。
【0119】
本発明による組成物は、電解質として、異なる塩の混合物を含有することもできる。1種または複数種の電解質の含量は、本発明による組成物全量を基準として好ましくは0.01〜20.0重量%、特に好ましくは0.1〜10.0重量%、また極めて好ましくは0.5〜5.0重量%である。
【0120】
本発明によるポリマーは、酸に安定であり、好ましくは、pH値が2〜6と低い化粧用、医薬用、および/または皮膚科用組成物への使用に、とりわけ毛髪および皮膚の洗浄用およびボディートリートメント用製品に適している。
【0121】
酸性添加剤およびその塩の使用は、場合により化粧用または皮膚科用組成物のpH値を明確に酸性の範囲に調整することを不可欠とする。
【0122】
本発明のさらなる好ましい実施形態では、本発明による組成物は、1つまたは複数のヒドロキシ酸、特に好ましくは、α−およびβ−ヒドロキシ酸から選択される1つまたは複数の物質を含有する。
【0123】
ヒドロキシ酸について、本発明による組成物は、好ましくは、乳酸、グリコール酸、サリチル酸、およびアルキル化サリチル酸またはクエン酸を含むことができる。加えて、本発明による調合物は、さらなる酸性成分を含むこともできる。作用物質としては、酒石酸、マンデル酸、コーヒー酸、焦性ブドウ酸、オリゴオキサモノ−およびジカルボン酸、フマル酸、レチノイン酸、スルホン酸、安息香酸、コージ酸、フルーツ酸、リンゴ酸、グルコン酸、ピルビン酸、ガラクツロン酸、リボン酸、およびそれらの全ての誘導体、ポリグリコール二酸の遊離体または部分中和体、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンC誘導体、ジヒドロキシアセトン、または肌の美白成分、例えばアルブチンまたはグリチルレチン酸およびその塩が対象となる。1種または複数種のこれら物質の含量は、本発明による組成物全量を基準として、好ましくは0.1〜20.0重量%、特に好ましくは0.2〜10.0重量%、また極めて好ましくは0.5〜5.0重量%である。
【0124】
本発明のさらなる好ましい実施形態では、本発明による組成物は、したがってビタミンCおよびビタミンC誘導体から選択される1つまたは複数の物質を含み、このときビタミンC誘導体は、好ましくは、アスコルビルリン酸ナトリウム、アスコルビルリン酸マグネシウム、およびマグネシウムアスコルビルグルコシドから選択される。
【0125】
本発明のさらなる好ましい実施形態では、本発明による組成物は、安息香酸、ソルビン酸、サリチル酸、乳酸、およびパラメトキシ安息香酸から選択される1つまたは複数の物質を含む。本発明によるポリマーが、酸性pH域においても増粘し、降伏点を形成することから、上掲の有機酸を保存剤として働かせることができる。
【0126】
本発明によるコポリマーには、追加の安定剤として、脂肪酸の金属塩、例えばマグネシウム、アルミニウム、および/または亜鉛ステアラートを、好ましくは、完成した組成物を基準として0.1〜10.0重量%、好ましくは0.5〜8.0重量%、また特に好ましくは1.0〜5.0重量%の量で使用できる。
【0127】
カチオン性ポリマーとして、INCI名で「ポリクオタニウム」として知られたもの、特に特にポリクオタニウム−31、ポリクオタニウム−16、ポリクオタニウム−24、ポリクオタニウム−7、ポリクオタニウム−22、ポリクオタニウム−39、ポリクオタニウム−28、ポリクオタニウム−2、ポリクオタニウム−10、ポリクオタニウム−11、ならびにポリクオタニウム−37&ミネラルオイル&PPGトリデセス(Salcare SC95)、PVP−ジメチルアミノエチルメタクリラート−コポリマー、グアー−ヒドロキシプロピルトリアンモニウム−クロリド、ならびにアルギン酸カルシウム塩、およびアルギン酸アンモニウム塩が適している。さらに、カチオン性セルロース誘導体;カチオン性デンプン;ジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドのコポリマー;四級化されたビニルピロリドン/ビニルイミダゾール−ポリマー;ポリグリコールとアミンの縮合生成物;四級化されたコラーゲンポリペプチド;四級化された小麦ポリペプチド;ポリエチレンイミン;カチオン性シリコーンポリマー、例えばアミドメチコン;アジピン酸とジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンのコポリマー;ポリアミノポリアミドおよびカチオン性キチン誘導体、例えばキトサンを使用できる。
【0128】
本発明による組成物は、上に挙げた1種または複数種のカチオン性ポリマーを、完成した組成物を基準として0.1〜5.0重量%、好ましくは0.2〜3.0重量%、また特に好ましくは0.5〜2.0重量%の量で含むことができる。
【0129】
さらに、本発明による組成物は、用途に合わせて、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸の塩、水溶性ポリウレタン、例えばC10−ポリカルバミルポリグリセリルエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンコポリマー、例えばビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、水溶性アクリル酸ポリマー/コポリマーまたはそのエステルまたは塩、例えばアクリル/メタクリル酸の部分エステルコポリマー、水溶性セルロース、例えばヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、水溶性クオタニウム、ポリクオタニウム、カルボキシビニルポリマー、例えばカルボマーおよびその塩、ポリサッカリド、例えばポリデキストロース、およびグルカン、例えば商品名Aristoflex(登録商標)A 60(Clariant社)として入手可能な酢酸ビニル/クロトン酸塩から選択される皮膜形成材を含有できる。
【0130】
本発明による組成物は、1種または複数種の皮膜形成材を、完成した組成物を基準として0.1〜10.0重量%、好ましくは0.2〜5.0重量%、また特に好ましくは0.5〜3.0重量%の量で含有できる。
【0131】
組成物は、さらなる増粘剤およびゲル化剤の添加により、所望の粘度に調節できる。好ましくは、セルロースエーテル、および他のセルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース)、ゼラチン、デンプン、およびデンプン誘導体、アルギン酸ナトリウム塩、脂肪酸ポリエチレングリコールエステル、寒天、トラガントまたはデキストリン誘導体、特にデキストリンエステルが考えられる。さらに、好ましくはC12〜C22である脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、アラキジン酸ナトリウム、ベヘン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、パルミチン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、モノステアリン酸アルミニウム、ヒドロキシ脂肪酸、例えば、12−ヒドロキシステアリン酸、16−ヒドロキシヘキサデカノイル酸;脂肪酸アミド;脂肪酸アルカノールアミド;ジベンザルソルビトール、およびアルコール溶解性ポリアミド、およびポリアクリルアミド、またはそれらの混合物が適している。さらに、架橋させたおよび無架橋のポリアクリラート、例えばカルボマー、ナトリウムポリアクリラート、または含スルホン酸ポリマー、例えばアンモニウムアクリロイルジメチルタウラート/VPコポリマーを使用できる。
【0132】
本発明のさらなる好ましい一実施形態では、本発明による組成物は、増粘剤またはゲル化剤を、完成した本発明による組成物を基準として0.01〜20.0重量%、特に好ましくは0.1〜10.0重量%、極めて好ましくは0.2〜3.0重量%、また、非常に好ましくは0.4〜2.0重量%含有する。
【0133】
過脂肪剤あるいは保湿剤(Rueckfetter)としては、好ましくはラノリンおよびレシチン、非エトキシ化およびポリエトキシ化またはアシル化したラノリン誘導体およびレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノ−、ジ−、およびトリグリセリド、および/または脂肪酸アルカノールアミド(これは同時に起泡安定剤としても働く)を使用することができ、これらは、完成した本発明による調合物を基準として、好ましくは0.01〜10.0重量%、特に好ましくは0.1〜5.0重量%、また極めて好ましくは0.5〜3.0重量%の量で使用される。
【0134】
抗菌作用物質には、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド、ジイソブチルエトキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、N−ラウリルサルコシン酸ナトリウム、N−パルメチルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン、N−ミリストイルグリシン、N−ラウリルサルコシン酸カリウム、塩化トリメチルアンモニウム、アルミニウムクロロヒドロキシ乳酸ナトリウム、クエン酸トリエチル、トリセチルメチルアンモニウムクロリド、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、フェノキシエタノール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3,4,4’−トリクロロカルバニリド(トリクロカルバン)、ジアミノアルキルアミド、例えば、L−リジンヘキサデシルアミド、クエン酸エステル重金属塩、サリチラート、ピロクトース、特に亜鉛塩、ピリチオン、およびその重金属塩、特にピリチオン亜鉛、フェノール硫酸亜鉛、ファルネソール、ケトコナゾール、オキシコナゾール、ビフォナゾール、ブトコナゾール、クロコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、エニルコナゾール、フェンチコナゾール、イソコナゾール、ミコナゾール、スルコナゾール、チオコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、テルコナゾール、ナフチフィン、およびテルビナフィン、二硫化セレン、およびOctopirox(登録商標)、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、メチルジブロモグルタロニトリル、AgCl、クロロキシレノール、ジエチルヘキシルスルホコハク酸のNa塩、安息香酸ナトリウム、ならびにフェノキシエタノール、ベンジルアルコール、フェノキシイソプロパノール、パラベン、好ましくはブチル、エチル、メチル、およびプロピルパラベン、ならびにそれらのNa塩、ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、エチルヘキシルグリセリン、ベンジルアルコール、ソルビン酸、安息香酸、乳酸、イミドアゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、ジメチロールジメチルヒダントイン(DMDMH)、ヒドロキシメチルグリシネートのNa塩、ソルビン酸のヒドロキシエチルグリシンおよびこれら作用物質の組合せを使用できる。
【0135】
本発明による組成物は、抗菌作用物質を、完成した本発明による組成物を基準として、好ましくは0.001〜5.0重量%、特に好ましくは0.01〜3.0重量%、また極めて好ましくは0.1〜2.0重量%の量で含有する。
【0136】
本発明による組成物はさらに、植物抽出物、例えばアロエ、および局所麻酔剤、抗生物質、消炎剤、抗アレルギー剤、副腎皮質ステロイド、皮脂抑制剤、Bisabolol(登録商標)、アラントイン、Phytantriol(登録商標)、タンパク質、ビタミン(ナイアシン、ビオチン、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB6、ビタミンB3誘導体(塩、酸、エステル、アミド、アルコール)、ビタミンCおよびビタミンC誘導体(塩、酸、エステル、アミド、アルコール)、好ましくはアスコルビン酸のモノリン酸エステルのナトリウム塩として、またはアスコルビン酸のリン酸エステルのマグネシウム塩としてのもの、トコフェロールおよび酢酸トコフェロール、ならびにビタミンEおよび/またはその誘導体から選択される)から選択される生体作用物質を含むことができる。
【0137】
本発明による組成物は、生体作用物質を、完成した組成物を基準として、好ましくは0.001〜5.0重量%、特に好ましくは0.01〜3.0重量%、また極めて好ましくは0.1〜2.0重量%の量で含有することができる。
【0138】
本発明による組成物は、収斂剤、好ましくは酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、および酸化亜鉛、酸化物水和物、好ましくは酸化アルミニウム水和物(ベーマイト)、および水酸化物、好ましくはカルシウム、マグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウムまたは亜鉛の水酸化物、ならびにクロルヒドロキシアルミニウムを、好ましくは0〜50.0重量%の量、特に好ましくは0.01〜10.0重量%の量、また極めて好ましくは0.1〜10.0重量%の量で含有することができる。
【0139】
脱臭物質としては、アラントインおよびビサボロールが好ましい。これらは、好ましくは0.0001〜10.0重量%の量で使用される。
【0140】
本発明のさらなる好ましい実施形態では、本発明による組成物は、無機および有機UVフィルターから選択される1つまたは複数の物質を含み、特に好ましくは日焼け防止組成物の形をとっている。
【0141】
本発明による組成物は、顔料/微粒子顔料として、ならびにまた無機日焼け防止フィルター、ないしUV−フィルターとして、微小二酸化チタン、雲母−酸化チタン、酸化鉄、雲母−酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ケイ素、ウルトラマリンブルー、あるいは酸化クロムを含有することができる。
【0142】
有機日焼け防止フィルター、ないしUV−フィルターは、好ましくは4−アミノ安息香酸、3−(4’−トリメチルアンモニウム)ベンジリデン−ボラン−2−オン−メチルスルファート、カンファーベンザルコニウムメトスルファート、3,3,5−トリメチル−シクロヘキシルサリチラート、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸およびそのカリウム、ナトリウム、およびトリエタノールアミン塩、3,3’−(1,4−フェニレンジメチン)−ビス−(7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]−ヘプタン−1−メタンスルホン酸)およびその塩、1−(4−tert.−ブチルフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、3−(4’−スルホ)−ベンジリデン−ボルナン−2−オンおよびその塩、2−シアノ−3,3−ジフェニル−アクリル酸−(2−エチルヘキシルエステル)、N−[2(および4)−(2−オキソボルン−3−イリデンメチル)ベンジル]−アクリルアミドのポリマー、4−メトキシ−ケイ皮酸−2−エチル−ヘキシルエステル、エトキシ化エチル−4−アミノ−安息香酸塩、4−メトキシ−ケイ皮酸−イソアミルエステル、2,4,6−トリス−[p−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3−(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチルシリルオキシ)−ジシロキサニル)−プロピル)フェノール、4,4’−[(6−[4−((1,1−ジメチルエチル)−アミノ−カルボニル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−イル)ジイミノ]ビス−(安息香酸−2−エチルヘキシルエステル)、ベンゾフェノン−3、ベンゾフェノン−4(酸)、3−(4’−メチルベンジリデン)−D,L−カンファー、3−ベンジリデン−カンファー、サリチル酸−2−エチルヘキシルエステル、4−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシルエステル、ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン−5−スルホン酸(スルフィソベンゾヌム)およびナトリウム塩、4−イソプロピルベンジルサリチラート、N,N,N−トリメチル−4−(2−オキソボルン−3−イリデンメチル)アニリウムメチルスルファート、ホモサラート(INN)、オキシベンゾン(INN)、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸およびそのナトリウム、カリウム、およびトリエタノールアミン塩、オクチルメトキシケイ皮酸、イソペンチル−4−メトキシケイ皮酸、イソアミル−p−メトキシケイ皮酸、2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン(オクチルトリアゾン)、フェノール、2−2(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3−(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチルシリル)オキシ)−ジシロキサニル)プロピル(ドロメトリゾールトリシロキサン)安息香酸、4,4−((6−(((1,1−ジメチルエチル)アミノ)カルボニル)フェニル)アミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジイミノ)ビス,ビス(2−エチルヘキシル)エステル)安息香酸、4,4−((6−(((1,1−ジメチルエチル)アミノ)−カルボニル)フェニル)アミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジイミノ)ビス−,ビス(2−エチルヘキシル)エステル)、3−(4’−メチルベンジリデン)−D,L−カンファー(4−メチルベンジリデンカンファー)、ベンジリデン−カンファー−スルホン酸、オクトクリレン、ポリアクリルアミドメチル−ベンジリデン−カンファー、2−エチルヘキシルサリチル酸塩(オクチルサリチル酸塩)、4−ジメチル−アミノ安息香酸エチル−2−ヘキシルエステル(オクチルジメチルPABA)、PEG−25 PABA、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾ−フェノン−5−スルホン酸(ベンゾフェノン−5)およびNa−塩、2,2’−メチレン−ビス−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(テトラメチル−ブチル)−1,1,3,3−フェノール、2−2’−ビス−(1,4−フェニレン)1H−ベンズイミダゾール−4,6−ジスルホン酸のナトリウム塩、(1,3,5)−トリアジン−2,4−ビス((4−(2−エチル−ヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ)−フェニル)−6−(4−メトキシフェニル)、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニル−2−プロペノアート、グリセリルオクタノアート、ジ−p−メトキシケイ皮酸、p−アミノ安息香酸およびそのエステル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、4−(2−β−グルコピラノキシ)プロポキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、オクチルサリチル酸塩、メチル−2,5−ジイソプロピルケイ皮酸、シノキサート、ジヒドロキシ−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5,5’−ジスルホベンゾフェノンの二ナトリウム塩、ジヒドロキシベンゾフェノン、1,3,4−ジメトキシフェニル−4,4−ジメチル−1,3−ペンタンジオン、2−エチルヘキシル−ジメトキシベンジリデン−ジオキソイミドアゾリジンプロピオナート、メチレン−ビス−ベンズトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、フェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸塩、ビス−エチルヘキシルオキシフェノール−メトキシフェノール−トリアジン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、2,4,6−トリス[4,2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、メチル−ビス(トリメチルシロキシ)シリル−イソペンチルトリメトキシ−ケイ皮酸、アミル−p−ジメチルアミノ安息香酸塩、アミル−p−ジメチルアミノ安息香酸塩、2−エチルヘキシル−p−ジメチルアミノ安息香酸塩、イソプロピル−p−メトキシケイ皮酸/ジイソプロピルケイ皮酸エステル、2−エチルヘキシル−p−メトキシケイ皮酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸および三水和物、ならびに2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム塩、およびフェニル−ベンズイミダゾール−スルホン酸から選択される。
【0143】
本発明による組成物中での前述の日焼け防止フィルター(1種または複数種の化合物)の量は、完成した組成物の全重量を基準として、好ましくは0.001〜30.0重量%、特に好ましくは0.05〜20.0重量%、また極めて好ましくは1.0〜10.0重量%である。
【0144】
本発明による組成物は、好ましくは、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびその誘導体、イミダゾール(例えば、ウロカニン酸)およびその誘導体、ペプチド(例えば、D,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシン)およびその誘導体(例えば、アンセリン)、カロチノイド、カロチン(例えば、α−カロチン、β−カロチン、リコペン)およびその誘導体、クロロゲン酸およびその誘導体、リポ酸およびその誘導体(例えば、ジヒドロリポ酸)、金チオグルコース、プロピルチオウラシルおよびその他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンおよびそのグリコシル−、N−アセチル−、メチル−、エチル−、プロピル−、アミル−、ブチル−、ラウリル−、パルミトイル−、オレイル−、γ−リノレイル−、コレステリル−、およびグリセリルエステル)ならびにその塩、ジラウリルチオジプロピオナート、ジステアリルチオジプロピオナート、チオジプロピオン酸およびその誘導体(例えば、エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)、ならびに、適合可能な非常に少ない添加量でのスルホキシイミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタチオニンスルホキシイミン)、さらに(金属)キレート剤(例えば、α−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびその誘導体、不飽和脂肪酸およびその誘導体(例えば、γ−リノレン酸、リノール酸、油酸)、葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびユビキノールおよびその誘導体、ビタミンCおよび誘導体(例えば、アスコルビルパルミチン酸塩、アスコルビルリン酸−Mg塩、酢酸アスコルビル)、トコフェロールおよび誘導体(例えば、ビタミンE−アセタート)、ビタミンAおよび誘導体(ビタミンA−パルミタート)ならびに安息香樹脂のコニフェリルベンゾアート、ルチン酸およびその誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤク樹脂酸、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、亜鉛およびその誘導体(例えば、ZnO、ZnSO)、セレンおよびその誘導体(例えば、セレンメチオニン)、スチルベンおよびその誘導体(例えば、スチルベン酸化物、trans−スチルベン酸化物)、超酸化物−ジスムターゼ、および上掲の物質の本発明に適した誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)から選択される1種または複数種の酸化防止剤を含有することができる。
【0145】
酸化防止剤は、皮膚および毛髪を酸化から守ることができる。このとき、好ましい酸化防止剤は、ビタミンEおよびその誘導体、ならびにビタミンAおよびその誘導体である。
【0146】
本発明による組成物中の1種または複数種の酸化防止剤の量は、組成物の全重量を基準として、好ましくは0.001〜30.0重量%、特に好ましくは0.05〜20.0重量%、また極めて好ましくは1.0〜10.0重量%である。
【0147】
さらに、2−ピロリドン−5−カルボン酸塩のナトリウム塩(NaPCA)、グアニジン、グリコール酸およびその塩、乳酸およびその塩、グルコサミンおよびその塩、ラクトアミドモノエタノールアミン、アセトアミドモノエタノールアミン、尿素、ヒドロキシ酸、パンテノールおよびその誘導体、例えばD−パンテノール(R−2,4−ジヒドロキシ−N−(3−ヒドロキシプロピル)−3,3−ジメチルブタミド)、D,L−パンテノール、パントテン酸カルシウム、パンテチン、パントテイン、パンテニルエチルエーテル、パルミチン酸イソプロピル、グリセリンおよび/またはソルビトールから選択される保湿剤を、完成した組成物を基準として、好ましくは0.1〜15.0重量%、特に好ましくは0.5〜5.0重量%の量で使用することができる。
【0148】
加えて、本発明による組成物は、有機溶媒を含むことができる。原理的には、全ての一価または多価アルコールが有機溶媒として考えられる。好ましくは、C1〜C4アルコール、例えばエタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、グリセリン、および上記のアルコールの混合物が使用される。さらなる好ましいアルコールは、相対分子質量が2000未満のポリエチレングリコールである。特に、相対分子質量が200〜600のポリエチレングリコールを最大で45.0重量%の量、および相対分子質量が400〜600のポリエチレングリコールを5.0〜25.0重量%の量で使用するのが好ましい。さらなる適した溶媒には、例えば、トリアセチン(グリセリントリアセタート)、および1−メトキシ−2−プロパノールがある。
【0149】
本発明による組成物は、着色剤、例えば染料および/または顔料から選択される1種または複数種の物質を含有することができる。本発明による調合物に含有される染料および/または顔料は、有機、無機の染料および顔料を問わず、対応した化粧品規制によるポジティブ・リスト、あるいはEG化粧用色素リストから選定されている。
【0150】
【表1】






【0151】
さらに有利なものに、油溶性の天然染料、例えばトウガラシ抽出物、β−カロチン、およびコチニールがある。
【0152】
パール光沢顔料、例えば魚鱗箔(魚鱗からのグアニン/ヒポキサンチン混合結晶)、および真珠層(磨砕した貝殻)、単結晶パール光沢顔料、例えば、オキシ塩化ビスマス(BiOCl)、層−基質顔料、例えば雲母/金属酸化物、TiOからの銀白色パール光沢顔料、光干渉顔料(TiO、様々な層厚)、色光沢顔料(Fe)、および複合顔料(TiO/Fe、TiO/Cr、TiO/紺青、TiO/カルミン)も有利に使用される。
【0153】
本発明において効果顔料とは、その屈折特性により特別な光学的効果を生じる顔料と理解される。効果顔料は、処理した表面(皮膚、毛髪、粘膜)に光沢または艶をもたらし、あるいは光の拡散散乱で皮膚の凹凸や肌のシワを光学的に隠すことができる。効果顔料の特別な実施形態として、光干渉顔料が好ましい。特に好適な効果顔料は、例えば、少なくとも1種の金属酸化物でコーティングされた雲母粒子である。雲母、層状ケイ酸塩の他にも、シリカゲルおよび他のSiO変態形が支持体として適している。しばしばコーティングに用いられる金属酸化物は、例えば酸化チタンであり、所望により酸化鉄を混ぜることができる。顔料粒子の大きさや形状(例えば、球形、楕円体状、板状、平坦、非平坦)、ならびに酸化物コーティングの厚さにより、反射特性に影響を与えることができる。他の金属酸化物、例えばオキシ塩化ビスマス(BiOCl)、ならびに、例えば酸化チタン、特にTiO−変態形アナターゼおよびルチル、アルミニウム、タンタル、ニオブ、ジルコニウムおよびハフニウムの酸化物。さらに、フッ化マグネシウム(MgF)およびフッ化カルシウム(ホタル石、CaF)を用いて効果顔料を製造することもできる。
【0154】
上記効果は、粒径によっても、また顔料集合体の粒径分布によっても調節できる。適当な粒径分布は、例えば2〜50μm、5〜25μm、5〜40μm、5〜60μm、5〜95μm、5〜100μm、10〜60μm、10〜100μm、10〜125μm、20〜100μm、20〜150μm、および<15μmである。例えば20〜150μmの広い粒径分布は、艶をもたらし、一方、<15μmの狭い粒径分布は、均一な絹のような外観をもたらす。
【0155】
本発明による組成物は、効果顔料を、それぞれ組成物の全重量を基準として、好ましくは0.1〜20.0重量%、特に好ましくは0.5〜10.0重量%、また極めて好ましくは1.0〜5.0重量%の量で含有する。
【0156】
パール光沢を与える成分として、好ましく適しているのは、脂肪酸モノアルカノールアミド、脂肪酸ジアルカノールアミド、アルキレングリコール、特にエチレングリコールおよび/またはプロピレングリコールまたはそのオリゴマーと、高級脂肪酸、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、およびベヘン酸とのモノエステルまたはジエステル、グリセリンとカルボン酸、脂肪酸、およびその金属塩とのモノエステルまたはポリエステル、ケトスルホン、または前記化合物の混合体である。
【0157】
特に好ましいのは、エチレングリコールジステアラートおよび/または平均で3グリコール単位を有するポリエチレングリコール−ジステアラートである。
【0158】
本発明による組成物が、パール光沢を与える化合物を含有している限り、これらは好ましくは0.1〜15.0重量%の量で、また特に好ましくは1.0〜10.0重量%の量で本発明による組成物中に含まれる。
【0159】
香油または芳香油として、個別の着臭化合物、例えばエステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール、および炭化水素の類の合成製品を用いることができる。エステル類の着臭化合物は、例えば、酢酸ベンジル、イソ酪酸フェノキシエチル、酢酸p−tert.−ブチルシクロヘキシル、酢酸リナリル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、グリシン酸エチルメチルフェニル、プロピオン酸アリルシクロヘキシル、プロピオン酸スチラリル、およびサリチル酸ベンジルである。エーテルには、例えばベンジルエチルエーテルが含まれ、アルデヒドには、例えばC8〜C18の直鎖状アルカナール、シトラール、シトロネラル、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラル、リリアル、およびブルジオナルが含まれ、ケトンには、例えば、イオノン、α−イソメチルイオノン、およびメチルセドリルケトンが含まれ、アルコールには、アネトール、シトロネロール、ユージノール、ゲラニオン、リナロール、フェニルエチルアルコール、およびテルピネオールが含まれ、炭化水素には、主としてテルペンおよびバルサムが属する。好ましくは、様々な着臭剤の混合物が使用され、それらが合わさって魅力的な香調を生み出す。
【0160】
芳香油は、例えば松油、カンキツ油、ジャスミン油、ユリ油、バラ油、またはイランイラン油といった植物または動物原料から入手できる天然の着臭物質混合物を含むことがある。また多くの場合に香気成分として用いられる、蒸発性の低い精油、例えば、セージ油、カミルレ油、チョウジ油、メリッサ油、ハッカ油、ケイ皮葉油、シナノキ花油、ビャクシン実油、ベチバー油、乳香油、ガルバヌム油、ラブダナム油も芳香油として適している。
【0161】
乳白剤としては、ポリマー分散液、特にポリアクリラート誘導体、ポリアクリルアミド誘導体、ポリ(アクリラート誘導体−co−アクリルアミド誘導体)の分散液、ポリ(スチレン誘導体−co−アクリラート誘導体)分散液、飽和および不飽和脂肪族アルコールを使用できる。
【0162】
シリコーンには、上でシリコーン油またはシリコーンワックスについて挙げた物質を使用できる。
【0163】
pH値調節用の酸またはアルカリ液としては、好ましくは、鉱酸、特にHCl、無機塩基、特にNaOHまたはKOH、および有機酸、特にクエン酸を使用できる。
【0164】
本発明による組成物のpH値は、好ましくは、2〜10、特に好ましくは2〜7、また極めて好ましくは2.5〜6.5である。
【0165】
本発明のさらなる好ましい実施形態では、本発明による組成物は、シャワージェルまたはシャンプーの形をとる。
【0166】
本発明によるポリマーは、増粘剤、粘稠度調節剤、乳化剤、感覚添加剤、可溶化剤、分散剤、滑剤、粘着剤、安定剤、または降伏点生成剤として有利に適している。
【0167】
したがって、本発明のさらなる対象は、増粘剤、粘稠度調節剤、乳化剤、感覚添加剤、可溶化剤、分散剤、滑剤、粘着剤、安定剤、または降伏点生成剤としての、好ましくは増粘剤、粘稠度調節剤、または降伏点生成剤としての、特に好ましくは増粘剤または降伏点生成剤としての、また極めて好ましくは降伏点生成剤としての、極端に好ましくは化粧用、皮膚科用、または医薬用組成物での1つまたは複数の本発明によるポリマーの使用に関する。
【0168】
本発明によるポリマーは、1種または複数種の界面活性剤を高濃度で含有する液体組成物、好ましくは液体化粧用、皮膚科用、または医薬用組成物中での、増粘剤、粘稠度調節剤、乳化剤、感覚添加剤、可溶化剤、分散剤、滑剤、粘着剤、安定剤、または降伏点生成剤として、好ましくは、増粘剤、粘稠度調節剤、または降伏点生成剤として、特に好ましくは増粘剤または降伏点生成剤として、また極めて好ましくは降伏点生成剤として特に好ましく適している。
【0169】
したがって、本発明の特に好ましい実施形態は、界面活性剤含量が0.01〜50.0重量%、好ましくは1.0〜30.0重量%、特に好ましくは5.0〜20.0重量%、および極めて好ましくは5.0〜15.0重量%の液体組成物中、極端に好ましくは化粧用、皮膚科用、または医薬用組成物中での、増粘剤、粘稠度調節剤、乳化剤、感覚添加剤、可溶化剤、分散剤、滑剤、粘着剤、安定剤、または降伏点生成剤としての、好ましくは増粘剤、粘稠度調節剤、または降伏点生成剤としての、特に好ましくは増粘剤または降伏点生成剤としての、また極めて好ましくは降伏点生成剤としての1つまたは複数の本発明によるポリマーの使用である。
【0170】
本発明のさらなる特に好ましい実施形態では、本発明によるポリマーは、無機または有機粒子の、油滴の、または気泡の安定化のために、特に好ましくは化粧用、皮膚科用、または医薬用組成物中で、増粘剤または降伏点生成剤として、好ましくは降伏点生成剤として使用される。
【0171】
本発明のさらなる特に好ましい実施形態では、本発明によるポリマーは、無機または有機粒子の、油滴の、または気泡の安定化のために、水性、水−アルコール、水性界面活性剤を含有する、または水−アルコール性界面活性剤を含有する系の組成物中で、好ましくは対応する化粧用、皮膚科用、または医薬用組成物中で、増粘剤または降伏点生成剤として、好ましくは、降伏点生成剤として使用される。
【0172】
本発明のさらなる特に好ましい実施形態では、本発明によるポリマーは、無機または有機粒子の、油滴の、または気泡の安定化のために、1種または複数種の界面活性剤を含有する液体組成物中で、好ましくは液体の化粧用、皮膚科用、または医薬用組成物中で、増粘剤または降伏点生成剤として、好ましくは降伏点生成剤として使用される。
【0173】
本発明の特に好ましい実施形態では、本発明によるポリマーは、無機または有機粒子の、油滴の、または気泡の安定化のために、高い界面活性剤濃度、好ましくは5.0〜20.0重量%、また特に好ましくは5.0〜15.0重量%の組成物中で、増粘剤または降伏点生成剤として、好ましくは降伏点生成剤として使用される。上記組成物は、好ましくは化粧用、皮膚科用、または医薬用組成物である。この種の組成物は、好ましくは透明な溶液状である。
【0174】
本発明のさらなる好ましい実施形態では、本発明によるポリマーは、エマルジョンの、好ましくは塩を含有するエマルジョンの、特に好ましくは塩を含有する化粧用、皮膚科用、または医薬用エマルジョンの安定化に使用される。
【0175】
本発明によるポリマーは酸に安定であり、特に身体の皮膚または顔の皮膚の手入れおよび治療用のpH値の低い化粧用、皮膚科用、または医薬用組成物への使用に有利に適している。
【0176】
したがって、本発明のさらなる対象は、身体の皮膚または顔の皮膚の手入れおよび治療のための、好ましくは化粧用、皮膚科用、または医薬用組成物中での、特に好ましくは酸性の化粧用、皮膚科用、または医薬用組成物中での1つまたは複数の本発明によるポリマーの使用である。
【0177】
好ましくは本発明による使用は、化粧用、医薬用、または皮膚科用組成物中で行われる。
【0178】
さらに、有利なことに、本発明によるポリマーは、追加の降伏点生成剤の併用なしでも、および/または追加の増粘剤の併用なしでも、組成物中、好ましくは化粧用、皮膚科用、または医薬用組成物に使用できる。追加の降伏点生成剤および/または増粘剤の併用は、したがって必須ではないが、可能ではある。他の既知の降伏点生成剤および/または増粘剤との組合せは、特定の化粧品のプロファイルの調整のため、また相乗効果を利用するために望ましい可能性がある。
【0179】
さらに、有利なことに、本発明によるポリマーは、追加の降伏点生成剤および/または増粘剤の併用なしでも、水性組成物、水−アルコール性組成物、水性の界面活性剤を含有した組成物、水−アルコール性の界面活性剤を含有した組成物中で、好ましくは、対応する化粧用、皮膚科用、または医薬用組成物中で使用できる。したがって、本発明の極めて好ましい実施形態では、本発明による組成物は、追加の降伏点生成剤および/または追加の増粘剤の添加のない、水性の界面活性剤を含有した組成物または水−アルコール性の界面活性剤を含有した組成物となっている。
【0180】
nが1超である式(2)の構造単位を含む本発明によるポリマーは、例えば、対応する組成物、特に対応する化粧用、医薬用、または皮膚科用組成物に使用したとき、広いpH域、特にpH値2〜10において、特に有利な降伏点を形成し、非常に清澄な組成物を生成することを特徴とする。
【0181】
以下に示す例および応用は、本発明をより詳細に説明するが、それらに限定するものではない。
【実施例】
【0182】
例:
以下に示す例および応用は、本発明をより詳細に説明するが、それらに限定するものではない。
【0183】
1.重合
tert−ブタノール中での沈殿法による本発明によるポリマーの製造のための全般的な重合処方
還流冷却器、ガス送入管、内部温度センサ、および撹拌器の付いた1Lクイックフィット(Quickfit)フラスコ中に、400gのtert.−ブタノールを仕込み、計算量の2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸(AMPS(登録商標)、Lubrizol社)を混合する。続いて、NHを導入して中和し(目標pH値6−7)、計算量のアクリル酸2−カルボキシエチル(Sigma−Aldrich社)、またはアクリル酸2−カルボキシエチルオリゴマー混合物(Bimax Chmicals Ltd.)、および計算量の架橋剤を反応混合物中に加える。さらなるコモノマーが必要である場合、これは、アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホンスルホン酸(AMPS(登録商標)、Lubrizol社)の中和後に加えることができる。コモノマーの添加後に反応混合物のpH値が酸性域に変化する場合、NHの導入で再度中和する(目標pH値6−7)。Nまたはアルゴンを混合して不活性化した後、内部温度60℃で、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル(V−601)を開始剤として加え、重合反応を開始する。数分後に、生成したポリマーが沈殿する。混合液を、還流しながら2時間加熱した後、重合体を吸引ろ過器で溶媒と分離し、真空乾燥する。この処方は、以下に記述する重合反応の全てに全般的に適用できる。
【0184】
使用されるアクリル酸2−カルボキシエチルオリゴマー混合物(Bimax Chemicals Ltd.)の組成は、10〜20重量%のアクリル酸、30〜60重量%のアクリル酸2−カルボキシエチル、および30〜60重量%のアクリル酸2−カルボキシエチルの高級オリゴマーである。
【0185】
2. 例1
第1項の全般的な重合処方に従い重合した。
【0186】
【表2】

【0187】
3. 例2
第1項の全般的な重合処方に従い重合した。
【0188】
【表3】

【0189】
4. 例3
第1項の全般的な重合処方に従い重合した。
【0190】
【表4】

【0191】
5. 例4
第1項の全般的な重合処方に従い重合した。
【0192】
【表5】

【0193】
6. 例5
第1項の全般的な重合処方に従い重合した。
【0194】
【表6】

【0195】
7. 例6
第1項の全般的な重合処方に従い重合した。
【0196】
【表7】

【0197】
8. 例7
第1項の全般的な重合処方に従い重合した。
【0198】
【表8】

【0199】
9. 例8
第1項の全般的な重合処方に従い重合した。
【0200】
【表9】

【0201】
10. 例9
第1項の全般的な重合処方に従い重合した。
【0202】
【表10】

【0203】
11. 例10
第1項の全般的な重合処方に従い重合した。
【0204】
【表11】

【0205】
使用されるアクリル酸2−カルボキシエチルオリゴマー混合物(Bimax Chemicals Ltd.)は、クロマトグラフ法で精製できる。例えば、アクリル酸を分離でき、そのようにして得られたオリゴマー混合物を、例えば上述の例1〜5に使用できる。
【0206】
B)本発明によるポリマーを含む化粧用組成物に関する例
以下の%表示は、別段の明示的な断りがない限り、全て重量%である。
【0207】
以下の化粧用調合物を、本発明によるコポリマーを用いて製造した。
例A:老化防止クリームゲル
A Genapol(登録商標)DAT 2.00%
PEG−150ポリグリセリル−2トリステアラートおよびPEG−6、カプリル酸/カプリン酸グリセリド
B 水 ad100%
C ミネラルオイル 5.00%
SilCare(登録商標)Silicone 31M50 3.00%
カプリリルトリメチコン
D 例4によるポリマー 1.80%
E グリコール酸30%* 6.00%
Phenonip(登録商標) 0.50%
フェノキシエタノール(および)メチルパラベン(および)エチルパラベン(および)ブチルパラベン(および)プロピルパラベン(および)イソブチルパラベン
F Genapol(登録商標)LA070 3.00%
ラウレス−7
【0208】
製造
I 撹拌しつつ軽く加温しながらAをBに溶かす。
II DをCに撹拌しながら入れる。
III IをIIに加え、均一なゲルを得るまで撹拌する。
IV EをIIIに加える。
V FをIVに加え撹拌する。
【0209】
例B:O/W日焼け防止クリーム
A Hostaphat(登録商標)CS120 5.00%
リン酸ステアリル
Tegin(登録商標)M 2.50%
ステアリン酸グリセリル
ステアリン酸 2.00%
セチルアルコール 1.00%
Abil(登録商標)100 2.00%
ジメチコン
ミネラルオイル、低粘度 3.00%
Cetiol(登録商標)868 3.00%
ステアリン酸エチルヘキシル
Velsan(登録商標)CCT 3.00%
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
UV−Titan M210 5.00%
超微粉二酸化チタン
B 例5によるポリマー 0.20%
C Hostapon(登録商標)CLG 0.60%
ラウロイルグルタミン酸ナトリウム
Eusolex(登録商標)232 4.00%
フェニルベンズイミダゾールスルホン酸
トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン 適量
トロメタミン
アラントイン 0.20%
グリセリン 5.00%
保存剤 適量
水 ad100%
D 芳香剤 0.30%
【0210】
製造
I Aを80℃で融解してから、成分Bを加える。
II Iを均質化する。
III Cを80℃に加温する。
IV IIIをIIに撹拌しながら入れる。
V 冷却するまでIVを撹拌する。
VI DをVに35℃で加える。
VII エマルジョンを均質化する。
【0211】
例C:パール化剤入りシャンプー
A 水 ad100%
B 例2によるポリマー 2.50%
C Genapol(登録商標)LRO liq. 38.50%
ラウレス硫酸ナトリウム
Genagen(登録商標)CAB 15.00%
コカミドプロピルベタイン
Hostapon(登録商標)KCG 8.30%
ココイルグルタミン酸ナトリウム
D Genapol(登録商標)TSM 4.00%
安息香酸Na 0.40%
【0212】
製造
I 均一なゲルが得られるまでBをAに混ぜる。
II Cの各成分を加えて、完全に溶解するまで撹拌する。
III Dの各成分をIIに加える。
IV pH値をpH=4.5に調整する。
【0213】
例D:酸化亜鉛を入れた日焼け防止クリーム
A Hostaphat(登録商標)KL340D 1.00%
トリラウレス−4リン酸
ミネラルオイル、低粘度 8.00%
パルミチン酸イソプロピル
Velsan(登録商標)CCT 2.00%
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
グリセリルステアラート 0.50%
セテアリルアルコール 0.50%
B 例4によるポリマー 0.80%
C グリセリン 5.00%
アルコール 1.00%
水 ad100%
D 酢酸トコフェロール 1.00%
Z−Cote HP1 10.00%
酸化亜鉛およびジメチコン
保存剤 適量
E 芳香剤 0.30%
【0214】
製造
I Aを70℃で融解してから、Bを加える。
II Cを40℃に加温する。
III IIをIに撹拌しながら入れる。
IV Dを35℃でIIIに撹拌しながら入れる。
V EをIVに加える。
【0215】
例E:水溶性日焼け防止成分の入ったクリームゲル
A Eusolex(登録商標)232 2.00%
フェニルベンズイミダゾールスルホン酸
B 水 ad100%
C 例4によるポリマー 2.10%
D Tegosoft TN 5.00%
C12−C15安息香酸アルキル
SilCare(登録商標)Silicone 31M50 3.00%
カプリリルトリメチコン
E Nipaguard(登録商標)MPA 適量
ベンジルアルコール(および)メチルパラベン(および)プロピルパラベン
Genapol(登録商標)LA070 2.50%
ラウレス−7
芳香剤 適量
【0216】
製造
I AをBと混合してpHを約7.3に中和する。
II Cを加え均質なゲルが得られるまで撹拌する。
III Dの各成分を混合し、IIに加える。
IV EをIIIに加える。
【0217】
例F:美白ゲル
A Genapol(登録商標)T250 2.00%
セテアレス−25
Genapol(登録商標)DAT100 1.10%
PEG−150ポリグリセリル−2トリステアラート
B 水 ad100.00%
C アスコルビン酸2−グルコシド 3.00%
Nipaguard(登録商標)DMDMH 適量
DMDMヒダントイン
D 例4によるポリマー 3.00%
E 水酸化ナトリウム 適量
【0218】
製造
I 撹拌しつつ軽く加温しながら成分AをBに溶かす。
II 冷却するまで(25℃)撹拌し、Cを加える。
III Dを加え、均一なゲルが得られるまで撹拌する。
IV EによりpH値を6に調整する。
【0219】
例G:フケ防止シャンプー
A 水 ad100%
B 例1によるポリマー 2.50%
C Genapol(登録商標)LRO liq. 38.50%
ラウレス硫酸ナトリウム
Genagen(登録商標)CAB 15.00%
コカミドプロピルベタイン
Hostapon(登録商標)KCG 8.30%
ココイルグルタミン酸ナトリウム
D ジンクピリチオン 1.80%
保存剤 適量
【0220】
製造
I BをAと混合し、均一なゲルが得られるまで撹拌する。
II 成分Cを加えて完全に溶解するまで撹拌する。
III Dの各成分をIIに加える。
【0221】
例H:光学的作用のあるシャワージェル(1)
A Genapol(登録商標)LRO liq. 49.95%
ラウレス硫酸ナトリウム
Genagen(登録商標)CAB 5.00%
コカミドプロピルベタイン
B 水 ad100%
C 例2によるポリマー 1.50%
D ソルビン酸Na 0.40%
E クエン酸 適量
Cirebelle 104 0.20%
【0222】
製造
I AをBと混ぜる。
II 溶解したら、CをIに加え、均一な溶液になるまで撹拌する。
III DをIIに加える。
IV EによりpH値を5.0に調整する。
【0223】
例I:光学的作用のあるシャワージェル(2)
A Genapol(登録商標)LRO liquid 30.00%
ラウレス硫酸ナトリウム
Hostapon(登録商標)KCG 5.00%
ココイルグルタミン酸ナトリウム
Velsan(登録商標)CG070 2.00%
ヤシ油脂肪酸PEG−7グリセリル
Genagen(登録商標)CAB 6.00%
コカミドプロピルベタイン
Genapol(登録商標)LA030 2.00%
ラウレス−3
B 水 ad100%
C 例3によるポリマー 1.50%
D ソルビン酸Na 0.30%
【0224】
製造
I 各成分が完全に溶解するまでAをBと混合する。
II CをIに加えて、均一な溶液になるまで撹拌する。
III DをIIに加える。
【0225】
撹拌時に封入された気泡は本発明によるポリマーにより安定に分散される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む水溶性または水膨潤性ポリマー:
a) 式(1)
【化1】

[ここで、
は、水素、メチルまたはエチルを意味し、
Aは、直鎖状または分岐状のC〜C12アルキレン、好ましくはC〜Cアルキレンを意味し、
は、H、NH、有機アンモニウムイオン[HNR(ここでR、RおよびRは、互いに独立に、水素、1〜22個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状アルキル基、2〜22個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のモノまたはポリ不飽和アルケニル基、C〜C22アルキルアミドプロピル基、2〜10個の炭素原子を有する直鎖状モノヒドロキシアルキル基、または3〜10個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状ジヒドロキシアルキル基でよく、かつ、ここで、残基R、RおよびRのうち少なくとも1つは水素でない)、Li、Na、K、1/2Ca++、1/2Mg++、1/2Zn++または1/3Al+++、またはこれらのイオンの混合物を表す]
で表される互いに独立の1つまたは複数の繰り返し構造単位を20.0〜98.99モル%、および
b) 式(2)
【化2】

[ここで、
1aは、水素、メチルまたはエチルを意味し、
は、H、NH、有機アンモニウムイオン[HNR(ここで、R、RおよびRは、互いに独立に、水素、1〜22個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状アルキル基、2〜22個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のモノまたはポリ不飽和アルケニル基、C〜C22アルキルアミドプロピル基、2〜10個の炭素原子を有する直鎖状モノヒドロキシアルキル基、または3〜10個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状ジヒドロキシアルキル基でよく、かつ、ここで、残基R、RおよびRのうち少なくとも1つは水素でない)、Li、Na、K、1/2Ca++、1/2Mg++、1/2Zn++または1/3Al+++、またはこれらのイオンの混合物を表し、
Bは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状アルキレン基であり、そして
nは、1〜10の整数である]
で表される互いに独立の1つまたは複数の繰り返し構造単位を1.0〜79.99モル%、および
c) 少なくとも2つのオレフィン性二重結合を有する1種または複数種のモノマーに由来する1つまたは複数の互いに独立の架橋性の繰り返し構造単位を0.01〜8.0モル%、好ましくは0.01〜5.0モル%、特に好ましくは0.01〜2.0モル%、また極めて好ましくは0.25〜1.5モル%。
【請求項2】
前記式(1)の1つまたは複数の構造単位が、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸から誘導されることを特徴とする、請求項1に記載のポリマー。
【請求項3】
前記式(1)の1つまたは複数の構造単位の中和度が、50.0〜100モル%、特に好ましくは80.0〜100モル%、極めて好ましくは90.0〜100モル%、そして極度に好ましくは95.0〜100モル%であることを特徴とする、請求項1または2に記載のポリマー。
【請求項4】
本発明によるポリマーの成分b)中での、nが2以上の整数である前記式(2)の1つまたは複数の構造単位の割合が、少なくとも10.0モル%、特に好ましくは少なくとも20.0モル%、極めて好ましくは少なくとも25.0モル%、極端に好ましくは少なくとも30.0モル%であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載のポリマー。
【請求項5】
前記式(2)の1つまたは複数の構造単位において、Bが−CHCH−基であり、nが1〜5の整数であり、好ましくは1〜4であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つに記載のポリマー。
【請求項6】
前記式(1)の1つまたは複数の構造単位におけるHではない対イオンQが、NH、アルカリ金属(その中でもさらにNaが好ましい)、アルカリ土類++、およびこれらイオンの混合物から選択され、特に好ましくはNHであり、そして、前記式(2)の1つまたは複数の構造単位における対イオンXが、H、NH、アルカリ金属(その中でもさらにNaが好ましい)、アルカリ土類++、およびこれらイオンの混合物から選択され、特に好ましくはHおよび/またはNHであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つに記載のポリマー。
【請求項7】
以下を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つに記載のポリマー:
a) 前記式(1)の1つまたは複数の構造単位を50.0〜96.99モル%、好ましくは75.0〜94.99モル%、また特に好ましくは84.75〜94.75モル%、
b) 前記式(2)の1つまたは複数の構造単位を3.0〜49.99モル%、好ましくは5.0〜24.99モル%、また特に好ましくは5.0〜15.0モル%、および
c) 前記成分c)の1つまたは複数の架橋性構造単位を0.01〜5.0モル%、好ましくは0.01〜2.0モル%、また特に好ましくは0.25〜1.5モル%。
【請求項8】
成分c)による式(3)の互いに独立した1種または複数種の架橋性の繰り返し構造単位
【化3】

[ここで、
およびRは、それぞれ互いに独立に、水素、メチルまたはエチルを意味し、
D、EおよびFは、それぞれ互いに独立に、メチレンオキシ(−CH−O−)、エチレンオキシ(−CH−CH−O−)、プロピレンオキシ(−CH(CH)−CH−O−)、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状アルキレン基、2〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のモノまたはポリ不飽和アルケニレン基、2〜6個の炭素原子を有する直鎖状モノヒドロキシアルキレン基、または3〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状ジヒドロキシアルキレン基を意味し、そして
o、pおよびqは、それぞれ互いに独立に、1〜50の整数を意味する]
を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一つに記載のポリマー。
【請求項9】
以下を含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一つに記載のポリマー:
ab) 式(1)および式(2)の繰り返し構造単位の混合体を29.99〜98.99モル%、好ましくは62.0〜98.99モル%、
c) 成分c)の1つまたは複数の架橋性構造単位を0.01〜8.0モル%、および
d) 一般式(4)の1つまたは複数の化合物に由来する1つまたは複数の互いに独立な非架橋性繰り返し構造単位を0.01〜70.0モル%、好ましくは1.0〜70.0モル%、特に好ましくは1.0〜37.99モル%
【化4】

[ここで、
は、水素、メチルまたはエチルを意味し、
は、H、1〜50個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状アルキル基、2〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状モノヒドロキシアルキル基、2〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状ジヒドロキシアルキル基、−(CO−O−R−)、または−(CO−NR−R−)を意味し、
l、m、n、oおよびpは、それぞれ互いに独立に、0〜300の整数を意味し、
Yは、化学結合、O、NR、S、PR、CH、CHO、CHNR、CHS、C(O)、C(NR)、C(O)O、OC(O)、C(O)NR、NRC(O)、C(NR)NR、C(O)S、ROC(O)O、ROC(O)NR、RNC(O)NR、RNRC(NR)NR、ROC(O)S、RP(O)O、ROP(O)O、RS(O)、RS(O)(O)、RS(O)O、RS(O)(O)O、ROS(O)OまたはROS(O)(O)O、好ましくは、化学結合、O、CH、C(O)O、OC(O)、C(O)NRまたはNRC(O)を意味し、
、R、RおよびRは、それぞれ互いに独立に、水素、または1〜50個のC原子を有する直鎖状または分岐状アルキル残基を意味し、
は、化学結合またはCHを意味し、そして
は、1〜50個のC原子を有する直鎖状または分岐状アルキレン残基を意味する]。
【請求項10】
成分d)の1つまたは複数の構造単位が、式(5)
【化5】

[ここで、
は、水素、メチルまたはエチルを意味し、
およびRは、それぞれ互いに独立に、水素、メチル、エチル、n−プロピル、またはイソプロピルを意味し、そして、RおよびR残基の少なくとも1つは水素でない]
で表される1つまたは複数の構造単位、および
式(6)
【化6】

[ここで、
は、水素、メチルまたはエチルを意味し、
は、水素、メチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピルである]
で表される1つまたは複数の構造単位、
から選択されることを特徴とする、請求項9に記載のポリマー。
【請求項11】
成分a)〜c)および場合によりd)の構造単位を誘導するモノマー、ならびに場合によりさらなるモノマーを、プロトン性溶媒、好ましくはtert.−ブタノール中でラジカル重合させ、そして場合により重合前に前記モノマーを、または重合後にポリマーを、アンモニアまたは有機アミン、またはLi、Na、K、Ca++、Mg++、Zn++、もしくはAl+++を含有する塩基、好ましくは、対応する水酸化物または炭酸塩、特に好ましくは水酸化物を用いて中和することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一つに記載のポリマーの製造方法。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれか一つに記載のポリマーの1種または複数種を、完成した組成物を基準として、好ましくは0.01〜10.0重量%の量、特に好ましくは0.1〜5.0重量%の量、また極めて好ましくは0.5〜2.0重量%の量で含有する化粧用、皮膚科用または医薬用組成物。
【請求項13】
リキッド(Fluids)、ゲル、オイル、フォーム、スプレー、ローションまたはクリームの形態であることを特徴とする、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
1種または複数種の界面活性剤を、完成した組成物を基準として、好ましくは0.01〜50.0重量%、特に好ましくは1.0〜30.0重量%、極めて好ましくは5.0〜20.0重量%、また極端に好ましくは5.0〜15.0重量%の量で含有することを特徴とする、請求項12または13に記載の組成物。
【請求項15】
無機および有機の塩から選択される1種または複数種の物質を含むことを特徴とする、請求項12〜14のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項16】
α−およびβ−ヒドロキシ酸から選択される1種または複数種の物質を含むことを特徴とする、請求項12〜15のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項17】
ビタミンCおよびビタミンC誘導体から選択される1種または複数種の物質を含み、ビタミンC誘導体が、好ましくは、リン酸アスコルビルナトリウム、リン酸アスコルビルマグネシウムおよびマグネシウムアスコルビルグルコシドから選択されることを特徴とする、請求項12〜16のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項18】
安息香酸、ソルビン酸、サリチル酸、乳酸およびパラメトキシ安息香酸から選択される1種または複数種の物質を含むことを特徴とする、請求項12〜17のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項19】
無機および有機のUVフィルターから選択される1種または複数種の物質を含み、そして好ましくは日焼け防止組成物の形態であることを特徴とする、請求項12〜18のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項20】
pH値が、2〜10、好ましくは2〜7、また特に好ましくは2.5〜6.5であることを特徴とする、請求項12〜19のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項21】
シャワージェルまたはシャンプーの形態であることを特徴とする請求項12〜20のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項22】
増粘剤、粘稠度調節剤、乳化剤、感覚添加剤、可溶化剤、分散剤、滑剤、粘着剤、安定剤または降伏点生成剤(Fliessgrenzenbildner)としての、好ましくは増粘剤、粘稠度調節剤、または降伏点生成剤としての、特に好ましくは増粘剤または降伏点生成剤としての、また極めて好ましくは降伏点生成剤としての、極端に好ましくは化粧用、皮膚科用または医薬用組成物における、請求項1〜10のいずれか一つに記載の1種または複数種のポリマーの使用。
【請求項23】
無機または有機粒子、油滴または気泡の安定化のための、特に好ましくは化粧用、皮膚科用または医薬用組成物中での、増粘剤または降伏点生成剤としての、好ましくは降伏点生成剤としての請求項22に記載の使用。
【請求項24】
無機もしくは有機粒子、油滴または気泡の安定化のための、1種または複数種の界面活性剤を含む液体組成物中での、好ましくは液体化粧用、皮膚科用または医薬用組成物中での、増粘剤または降伏点生成剤としての、好ましくは降伏点生成剤としての請求項22または23に記載の使用。
【請求項25】
エマルジョン、好ましくは塩を含有するエマルジョン、特に好ましくは塩を含有する化粧用、皮膚科用または医薬用エマルジョンの安定化のための請求項22に記載の使用。

【公表番号】特表2012−521448(P2012−521448A)
【公表日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−501172(P2012−501172)
【出願日】平成22年3月20日(2010.3.20)
【国際出願番号】PCT/EP2010/001755
【国際公開番号】WO2010/108634
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(398056207)クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド (182)
【Fターム(参考)】