説明

アクリル系熱伝導性シートおよびその製造方法

【課題】柔軟性・難燃性を保持しつつ、熱伝導率を向上した熱伝導シート、およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】アルキル基の炭素数が12〜18である少なくとも1種のアルキル(メタ)アクリレート単量体および/またはその部分重合体を含むバインダー成分(A)と、
平均粒径が0.3μm以上4.0μm未満の、晶析法で得られかつ粉砕処理されていない水酸化アルミニウム粒子(B)と、
平均粒径が4.0μm以上15.0μm以下の、晶析法で得られかつ粉砕処理されていない水酸化アルミニウム粒子(C)であって、(C)の平均粒径/(B)の平均粒径=3〜15の条件を満たす水酸化アルミニウム粒子(C)と、
反応開始剤(D)とを、
(A)成分を100質量部、(B)成分を50〜400質量部、(C)成分を50〜1000質量部、(D)成分を0.01〜5質量部の量で含む硬化物により、上記のシートを得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱伝導性フィラーおよびバインダーを含む難燃性熱伝導性シート、およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知の通り、熱伝導性シートは、電子機器において発生した熱を効率よく冷却したり放出させるため、ヒートシンク(冷却体)、放熱板等を電子機器に貼付するために広く用いられている。近年では、電子機器の小型化や高集積化が進んでおり、それにあわせて、熱伝導率が高く、かつ、使用時、柔軟でCPUチップ等に対する負荷が少ない熱伝導性シートへの要求が大きくなっている。同時に、電子機器における接点不良をケイ素系化合物が引き起こすことに着目し、接点不良を引き起こす心配のない非シリコーン系樹脂(シロキサンを含む)を使用した熱伝導性シートへの要求が大きくなっている。
【0003】
特許文献1は、(A)(メタ)アクリル重合体、(B)有機リン化合物、トリアジン骨格含有化合物、膨張黒鉛及びポリフェニレンエーテルからなる群より選ばれるハロゲン不含難燃剤及び(C)水和金属化合物を含む組成物からなる熱伝導性シートであって、前記水和金属化合物が、前記組成物の総体積の40〜90体積%を占める熱伝導性シートを記載する。
【0004】
特許文献2は、(A)(メタ)アクリル系単量体又はその部分重合体からなる光重合性成分、(B)熱伝導性フィラー、(C)光重合体成分(A)の重合を開始させるための光反応開始剤、及び(D)光重合開始成分(A)の重合を行うために用いられる電磁気から所定の波長帯域を吸収し、取り除くための光吸収剤、を含んで成る熱伝導性シートを記載する。
【0005】
特許文献3は、a)アルキル基の平均炭素数が2〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステル70〜100質量%と、これと共重合可能なモノエチレン性単量体30〜0質量%とからなる単量体の重合体100質量部、b)沸点が150℃以上の可塑剤20〜400質量部、およびc)熱伝導性充填剤10〜1,000質量部により、剥離可能な熱伝導性感圧接着剤を構成し、これを基材の片面または両面に設けた接着シ―ト類を記載する。
【0006】
特許文献4は、(メタ)アクリル酸エステル重合体(A1)100質量部、(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)20〜55質量部、熱伝導性無機化合物(B)50〜500質量部、有機過酸化物熱重合開始剤(C2)0.1〜5質量部、及び熱分解性有機発泡剤(D)0.01〜0.8質量部からなる熱伝導性感圧接着剤組成物(E)を、シート状に成形し及び加熱することにより、熱伝導性感圧接着剤組成物(E)のシート化、(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物(A2m)の重合、及び熱分解性有機発泡剤(D)の熱分解を行うことによりなる、発泡セルの平均径が50μm〜550μmである、熱伝導性感圧接着性シート状発泡成形体(F)を記載する。
【0007】
特許文献5は、質量基準による平均二次粒子径が6〜16μmであり、30μm以上の粒子含有量が10質量%以下であり、且つ4μm以下の含有量が20質量%以下で、BET比表面積が1m/g以下であると共に凝集度指標が1.6以下である水酸化アルミニウムに関し、又その製造法として過飽和度1.1〜1.8のアルミン酸ソーダ溶液にMF値10以上で平均粒径が3〜10μmの粉砕ジプサイト種子を5g/l以上添加して水酸化アルミニウムを析出させる方法を記載する。
【0008】
【特許文献1】特開2005−226007(WO2005−082999)号公報
【特許文献2】特開2008−111053(WO2008−055014)号公報
【特許文献3】特開平10−316953(WO2008−055014)号公報
【特許文献4】特開2006−213845号公報
【特許文献5】特開平5−58623号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
低臭気性または無臭性を有し、かつ柔軟性を有する熱伝導性シート、およびその製造法が求められていた。また、シートの製造中に、混合物が作業性を損なうほど増粘しないことが求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、アルキル基の炭素数が12〜18である少なくとも1種のアルキル(メタ)アクリレート単量体および/またはその部分重合体を含むバインダー成分(A)と、平均粒径が約0.3μm以上4.0μm未満の、晶析法で得られかつ粉砕処理されていない水酸化アルミニウム粒子(B)と、平均粒径が4.0μm以上約15.0μm以下の、晶析法で得られかつ粉砕処理されていない水酸化アルミニウム粒子(C)であって、(C)の平均粒径/(B)の平均粒径=約3〜約15の条件を満たす水酸化アルミニウム粒子(C)と、反応開始剤(D)とを、
(A)成分を100質量部、(B)成分を約50〜約400質量部、(C)成分を約50〜約1000質量部、(D)成分を約0.01〜約5質量部の量で含む混合物の硬化物であるアクリル系熱伝導性シートである。
本発明の別の態様は、アルキル基の炭素数が12〜18である少なくとも1種のアルキル(メタ)アクリレート単量体および/またはその部分重合体を含むバインダー成分(A)と、
平均粒径が約0.3μm以上4.0μm未満の、晶析法で得られかつ粉砕処理されていない水酸化アルミニウム粒子(B)と、
平均粒径が4.0μm以上〜約15.0μm以下の、晶析法で得られかつ粉砕処理されていない水酸化アルミニウム粒子(C)と、
ここで、水酸化アルミニウム(B)および(C)は、(C)の平均粒径/(B)の平均粒径=約3〜約15の条件を満たす、
反応開始剤(D)とを、
前記(A)成分を100質量部、前記(B)成分を約50〜約400質量部、前記(C)成分を約50〜約1000質量部、前記(D)成分を約0.01〜約5質量部の比率で混合する工程、
この混合する工程によって得た混合物を、シート状に成形し、硬化させる工程、
を含んで成るアクリル系熱伝導性シートの製造方法である。
なお、本明細書中において、「(メタ)アクリレート」の表現は、「アクリレート」または「メタアクリレート」を意味する。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、低臭気性または無臭性を有し、かつ充分な柔軟性を有し、UL94 V−0の難燃性を有した高熱伝導性シートの提供が、良好な作業性を有しつつ可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明のいくつかの実施態様を用いて示すことで具体的に説明する。
【0013】
本発明の熱伝導性シートは、晶析法で得られかつ粉砕処理されていない水酸化アルミニウム粒子(以下、「熱伝導性フィラー」と、言う。)およびバインダーを含む。
(1)本発明の一態様である熱伝導性シートは、アルキル基の炭素数が12〜18である少なくとも1種のアルキル(メタ)アクリレート単量体および/またはその部分重合体を含むバインダー成分(A)と、平均粒径が約0.3μm以上4.0μm未満の、晶析法で得られかつ粉砕処理されていない水酸化アルミニウム粒子(B)と、平均粒径が4.0μm以上約15.0μm以下の、晶析法で得られかつ粉砕処理されていない水酸化アルミニウム粒子(C)であって、(C)の平均粒径/(B)の平均粒径=約3〜約15の条件を満たす水酸化アルミニウム粒子(C)と、反応開始剤(D)とを、
(A)成分を100質量部、(B)成分を約50〜約400質量部、(C)成分を約50〜約1000質量部、(D)成分を約0.01〜約5質量部の量で含む硬化物であるアクリル系熱伝導性シートである。
【0014】
ここで、晶析法とは、水酸化アルミニウム粒子を得るために、バイヤー法による抽出液の過飽和溶液に、種結晶を入れて析出させる方法をいう。(バイヤー法については、化学大辞典、共立出版刊、第1版、7巻、33頁を参照のこと。)
また、粉砕処理とは、機械的な応力により、粒子のサイズを小さくすることを目的とする、ミリング、細分、粉砕、サイズ減少、粉状化、磨砕などを含む、処理を意味する。
水酸化アルミニウム粒子を用いるのは、充填性、経済性および難燃性などの点で優れるからである。
【0015】
晶析法によって得られた酸化アルミニウム粒子は、粒子の粉砕処理を経ないから、各粒子とも、へき開面などの粉砕面を有さず、球形に近い状態を維持しうるものである。
図1に、本発明の一態様で用いた晶析法で得られ粉砕処理されていない水酸化アルミニウム粒子の電子顕微鏡写真を示す。
一態様において、この球形に近い粒子を用いることにより、バインダー中への粒子の充填率を増加させても、粘度の上昇が抑えられ、作業性が良好になると考えられる。さらに、この球形に近い粒子を用いることにより、硬化後のシートの硬度の上昇を抑えられると考えられる。
【0016】
粒子は、溶液からの結晶析出によるため、後述するように、粒度分布が狭い。この分布の狭さを利用して、本発明の一態様では、例えば、上記(C)の粒子間の隙間に、適量の上記(B)を充填することにより、充填率を向上させている。
尚、本明細書中における粒径は、すべてマイクロトラックメーターにより測定された体積平均粒径のことである。
【0017】
本発明の一態様では、上記の球形に近い粒子を用い、それぞれの粒子およびバインダーを、上記(1)に示した、比率範囲かつ質量部ずつで使用する。
(B)(約0.3μm以上4.0μm未満)の粒径のものは、粒子間で大きな凝集力が得られやすく、難燃性向上の為、また、製造中に塗液中で過度な粒子の沈降を抑制する為に、選択されている。(C)(4.0μm以上約15.0μm以下)のものは、(B)の粒子との関係で、シートの高い充填率、及び、シートの十分な柔軟性を確保する為に、選択されている。
(C)の平均粒径/(B)の平均粒径の値は、約3〜約15、好ましくは約5〜約10、より好ましくは約6〜約8である。これらの範囲で、シートの製造のし易さが確保され、また、良好な難燃性、柔軟性を有したシートが製造できる。
これより、良好な作業性、柔軟性などの利点を確保しながら、全硬化物に対し、充填率を約70体積%にまで高めた高熱伝導性を有する良好なシートを得ることを達成している。
【0018】
(2)別の態様の熱伝導性シートは、平均粒径が約40〜約90μmの、晶析法で得られかつ粉砕処理されていない水酸化アルミニウム粒子(E)をさらに含み、(A)成分を約100質量部、(B)成分を約50〜約400質量部、(C)成分を約50〜約1000質量部、(D)成分を約0.01〜約5質量部、(E)成分を約0.01〜約700質量部硬化物である、アクリル系熱伝導性シートである。
これにより、良好な作業性、柔軟性などの利点を確保しながら、全硬化物に対し、充填率を約75体積%にまで高めた高熱伝導性を有する良好なシートを得ることが達成できる。
この場合、上記粒子(E)を用いることで、熱伝導性など物性の調整が、一層容易となっている。
【0019】
(3)上記のように、本発明の一態様では、作業性、柔軟性、高熱伝導性などの利点を確保しつつ、全硬化物に対し、前記(B)成分、(C)成分および(E)成分の合計充填率を、アクリル系熱伝導性シートの約60〜約80体積%にすることが可能となっている。
【0020】
本発明の一態様で用いられる、晶析法で得られかつ粉砕処理されていない水酸化アルミニウム粒子は、球形に近く、粒度分布が狭い。こうした水酸化アルミニウム粒子は、後述するように、例えば、日本軽金属(株)から(例えば、型番:BF013、BF083、B53などの)製品として入手することができる。
【0021】
上記粒子の使用に当たっては、粒度分布が狭いので、通常必要ないが、所望により、さらに慣性分級、遠心分級などの乾式分級、沈降分級、機械的分級などの湿式分級、ふるい分け分級等の従来技術により、上記粒子を所望の粒径範囲ごとにさらに分級した後、所望の粒径範囲の粒子を所望の比率で混合して使用することができる。
【0022】
また、必要に応じて、それぞれの熱伝導性フィラー粒子の表面に、例えばシラン処理、チタネート処理、ポリマー処理などの処理が施されていてもよい。これらの表面処理により、強度、柔軟性、耐水性、絶縁性などを熱伝導性シートに付与することもできる。
【0023】
一態様においては、熱伝導性フィラーである水酸化アルミニウム粒子の平均粒径および質量部については、上記(1)、(2)に記載した関係を満たすが、物性の調整などのために、必要に応じて、平均粒径が、約0.01μm以上、約0.1μm以上、約0.3μm以上、約0.5μm以上で、約500μm以下、約90μm以下、約15.0μm以下、約4.0μm以下の粒子を添加することができる。
【0024】
また、必要に応じて、熱伝導性シートは、例えば、セラミックス、アルミナなどの金属酸化物、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物、金属などの別の種類の熱伝導性フィラーをさらに添加したり、これらの2種以上を混合して、使用してもよい。
【0025】
本発明の一態様で使用されるバインダー成分は、通常、アルキル基の炭素数が12〜18であるアルキル(メタ)アクリレート単量体および/またはその部分重合体を含むものであるが、硬化後のシートが低臭気性または無臭性を有することができれば、操作性の向上などの必要に応じて、アルキル基の炭素数が12未満のアルキル(メタ)アクリレート単量体および/またはその部分重合体を含むことができ、バインダー成分が固体化するなど取り扱い性を損なわなければ、必要に応じて、アルキル基の炭素数が18超のアルキル(メタ)アクリレート単量体および/またはその部分重合体を含む。
【0026】
(シロキサンガスを発生しないアクリル系熱伝導性シートは、例えば、電子機器において、発生した熱を効率良く放出させるために、使用されている。)
本発明の一態様では、上記の様に球形に近い粒子を用いるため、本発明の一態様に用いられるアルキル基の炭素数が12以上のアルキル(メタ)アクリレートを用いても、粘度の上昇が低く良好な作業性を確保できる。その結果、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレートなどの炭素数が6〜8のアルキルアクリレートなどを使用した際に残るアクリル系単量体の未反応物を有する従来例では、達成できなかった低臭気性または無臭性が達成可能となっている、さらに、本発明の一態様に用いられるバインダーは、前記アルキル基の炭素数を18以下とすると、前記アクリレートが、室温において、固体化せず液体状態であり、好ましい。
【0027】
本発明の一態様で使用されるアルキル(メタ)アクリレートの単量体および/またはそのその部分重合体は、アルキル(メタ)アクリレートは、アルキル基の炭素数が12〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートであり、より詳細には、ドデカ(メタ)アクリレート、トリデカ(メタ)アクリレート、テトラデカ(メタ)アクリレート、ペンタデカ(メタ)アクリレート、ヘキサデカ(メタ)アクリレート、ヘプタデカ(メタ)アクリレート、オクタデカ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。これらのアクリレートは直鎖または分枝鎖であることができる。また、アルキル(メタ)アクリレート単量体および/またはその部分重合体は、凝集力の向上、ガラス転移点の調整などのために、その骨格中に、N,Sなどのヘテロ原子、無水物、環状化合物、芳香族化合物を含んでいてもよい。
【0028】
本発明の一態様においては、上記(A)成分約100質量部に対して、上記(B)成分を約50〜約400質量部、(C)成分を約50〜約1000質量部、または上記(B)成分を約50〜約400質量部,(C)成分を約50〜約1000質量部,(E)成分を約0.01〜約700質量部とすることで、粒子の間にバインダー成分が適度に存在して、従来、熱伝導率が高くなると硬度が上昇していた熱伝導性シートにおいて、高い熱伝導率および柔軟性の両立を可能にしていると考えられる。
【0029】
反応開始剤を添加して、アルキル(メタ)アクリレート単量体および/またはその部分重合体を含むバインダー成分(A)を重合させ、硬化させる。反応は種々の方法で行なうことができ、例えば、熱重合、紫外線重合、電子線重合、γ−線照射重合、イオン化線照射重合がある。
熱重合開始剤としては、ジアシルパーオキシド類、パーオキシケタール類、ケトンパーオキシド類、ヒドロパーオキシド類、ジアルキルパーオキシド類、パーオキシエステル類、パーオキシジカーボネート類などの有機過酸化物フリーラジカル開始剤を用いることができる。具体的には、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルヒドロパーオキシドなどが挙げられる。あるいは、パースルフェート/ビスルファイトの組み合わせでもよい。
【0030】
光開始剤としては、ベンゾインエチルエーテルやベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル類、アニソイン(anisoin)エチルエーテル及びアニソインイソプロピルエーテル、ミヒラーケトン(4,4’−テトラメチルジアミノベンゾフェノン)、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(例えば、サルトマー(Sartomer)からのKB−1、チバ・ジャパン(株)(Ciba・Japan Limited)からの「イルガキュア(商標)(Irgacure(商標))」651、819、2,2−ジエトキシアセトフェノンなどの置換アセトフェノン類が挙げられる。その他に、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノンなどの置換α−ケトール類、2−ナフタレンスルホニルクロリドなどの芳香族スルホニルクロリド類、1−フェノン−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなどの光活性オキシム系化合物が挙げられる。あるいは、以上述べた熱重合開始剤又は光重合開始剤などの任意の組み合わせも用いることができる。
【0031】
反応開始剤(D)成分の量は、反応を充分に開始でき、反応や、形成される熱伝導性シートに悪影響を与えない量で使用できれば、特に限定されない。
アルキル(メタ)アクリレート単量体および/またはその部分重合体を含むバインダー成分(A)成分100質量部に対して、質量部で、約0.01以上、約0.1以上、約5以下、約1.5以下で用いると、反応を充分に開始でき、重合後に重合体の凝集力が充分で、取り扱い性の良好なシートが得られるため、好ましい。
【0032】
本発明の一態様の熱伝導性シートを構成する組成物には、好ましい物性を得るために、任意の架橋剤、可塑剤、連鎖移動剤、粘着付与剤、光吸収剤、酸化防止剤、難燃助剤、沈降防止剤、増粘剤、チクソ性付与剤、界面活性剤、表面処理剤、消泡剤、着色剤、連鎖移動剤、架橋剤などを添加しても良い。
【0033】
本明細書中における粒径は、後述するように、すべてマイクロトラックメーターにより測定された粒径である。
【0034】
(4)本発明の別の態様は、アルキル基の炭素数が12〜18である少なくとも1種のアルキル(メタ)アクリレート単量体および/またはその部分重合体を含むバインダー成分(A)と、
平均粒径が約0.3μm以上4.0μm未満の、晶析法で得られかつ粉砕処理されていない水酸化アルミニウム粒子(B)と、
平均粒径が4.0μm以上約15.0μm以下の、晶析法で得られかつ粉砕処理されていない水酸化アルミニウム粒子(C)と、
ここで、水酸化アルミニウム(B)および(C)は、(C)の平均粒径/(B)の平均粒径=約3〜約15の条件を満たす、
反応開始剤(D)と、
前記(A)成分を100質量部、前記(B)成分を約50〜約400質量部、前記(C)成分を約50〜約1000質量部、前記(D)成分を約0.01〜約5質量部の比率で混合する工程、
この混合する工程によって得た混合物を、シート状に成形し、硬化させる工程、
を含んで成るアクリル系熱伝導性シートの製造方法である。
【0035】
熱伝導性シートは、本発明の範囲内において、いろいろな手法を使用して製造することができる。一般的には、上記の成分を混合装置に一括して添加するかもしくは添加順序を任意にずらして添加し、さらに得られた混合物を入念に混練して目的とするシート形成性組成物を調製する。操作性の向上などのために、必要に応じて、すくなくとも1種のアルキル(メタ)アクリレート単量体を反応開始剤(D)などにより、予め一部重合させて部分重合体とすることができる。この部分重合体は、さらに重合反応性であるか、または重合反応性でない部分重合体とすることができる。混合物の混練には、市販の混練装置、例えばプラネタリーミキサーなどを使用することができる。混練後、必要に応じて脱泡し、得られた混合物からシートを成形する。シートの成形には、例えば、カレンダー成形やプレス成形を使用することができる。これらの成形法は、慣用の手法を使用して実施できる。例えばカレンダー成形は、混合物に対して剥離性を有するかもしくは剥離処理した支持体、例えばライナーにシート形成性混合物を所定の厚さで塗布して、未硬化の混合物の塗膜を形成する。支持体としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムやその他のプラスチックフィルムを有利に使用することができるが、金属箔などを使用してもよい。但し、後段の工程で光重合のための電磁波を照射する場合には、そこで使用される電磁波が透過可能な性質を備えた、すなわち、電磁波に対して透明な支持体を使用するのが有利である。塗布手段としては、例えば、ダイコート、ローラーコートなどを挙げることができる。混合物の塗膜の厚さは、所望とする熱伝導性シートの厚さに応じて任意に変更可能である。
【0036】
本発明の一態様においては、上記(4)に示すように、上記アルキル(メタ)アクリレート単量体および/またはその部分重合体を含むバインダー成分(A)と、(C)の平均粒径/(B)の平均粒径=約3〜約15の条件を満たす、上記水酸化アルミニウム粒子(B)および(C)と、上記反応開始剤(D)とを、(4)に示すように、所定の質量部ずつ用意し、混合装置により混合脱泡後、シートに塗布し硬化させることにより、混合物の作業性が良好で、充填率を高めつつ、柔軟性を有する高熱伝導性シートを得ることができる。
【0037】
本発明の別の態様においては、上記(4)に加え、水酸化アルミニウム粒子(E)をさらに用意し、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分を上記質量部ずつ使用して、同様の工程を行うことにより、混合物の作業性が良好で、充填率を高めつつ、柔軟性を有する高熱伝導性シートを得ることができ、さらに上記粒子(E)を用いることで、熱伝導性など物性の調整を一層容易にすることができる。
【0038】
混合物の塗膜の形成後、それを熱重合や光重合などにより硬化させて熱伝導性シートを形成する。熱重合を用いる場合には、前駆体組成物を約80℃〜約170℃程度に加熱して重合反応を行なうことができる。光重合の場合は、好ましくは、水銀ランプなどを用いた紫外線重合が用いられる。また、電磁波の照射強度及び照射時間は、光重合性成分の種類、塗膜の厚さなどのファクターに応じて任意に変更可能である。例えば紫外線を例にとると、照射強度は、通常、約0.1〜約100mW/cmの範囲であることができ、好ましくは約0.3〜約10mW/cmの範囲である。また、紫外線の照射時間は、通常、約5〜約30分間であることができる。光重合工程は、通常、約20〜約50℃の温度で行うことができる。
【0039】
重合の結果、目的とする熱伝導性シートが得られる。熱伝導性シートの厚さは、広い範囲で変更することができ、必要に応じて、適切な厚さに形成される。具体的には、熱伝導性シートの厚さは、一般的には、約0.1mm以上、約10.0mm以下である。
【0040】
本発明の一態様の熱伝導性シートは、通常、単層で用いられるが、必要に応じて、2層もしくはそれ以上の多層で使用することもできる。
【0041】
形成された熱伝導性シートは、上記(B)成分、(C)成分および(E)成分の充填率が、全硬化物に対し、アクリル系熱伝導性シートの約60〜約80体積%であることができる。
【0042】
本発明の一態様による熱伝導性シートは、その優れた特性により、電子分野をはじめとしたいろいろな技術分野において有利に使用することができる。熱伝導性シートは、好ましくは、電子機器、例えば半導体パッケージ、パワートランジスタ、半導体チップ(ICチップ、LSIチップ、VLSIチップ等)、中央処理装置(CPU)などにヒートシンクや放熱板などを取り付けるときに有利に使用することができる。もちろん、ここで使用されるヒートシンクや放熱板などは、その形態やサイズなどが限定されることはない。
【実施例】
【0043】
粒径測定
平均体積粒径は、レーザー回折式粒度分析計{例えば、日機装(株)製のマイクロトラックHRA粒度分析計}を用いて、JIS Z 8825−1:2001(粒子径解析−レーザー回折法−第1部:測定原理)に準拠して測定した。測定条件は以下の通りである。
溶媒:純水99部とノニオン性界面活性剤(高級アルコールのアルキレンオキシド付加物、ナロアクティーHN−100、三洋化成工業株式会社製)1部の水溶液
サンプル濃度:1質量%
溶媒屈折率:1.33
粒子屈折率:1.57
測定温度:25℃
粒子透過性:透過
粒子形状:非球形
【0044】
本発明の一実施例で用いた粒子の粒度分布を、測定すると次のようになった。ここでσは標準偏差であり、平均体積粒径±σで、全粒度分布の68.27%を網羅する。
品番:BF013,平均体積粒径:1.4μm、平均体積粒径−σ:1.4μm、平均体積粒径+σ:1.5μm
品番:BF083,平均体積粒径:11.8μm、平均体積粒径−σ:7.8μm、平均体積粒径+σ:13.1μm
(品番は、いずれも日本軽金属(株)の製品番号を示す。)
以上から、粒度分布が狭いことがわかる。
【0045】
熱伝導性測定
製造した1mm厚みの熱伝導性シート(厚み:1.0×10−3m)について、0.01m×0.01mの切片(測定面積:1.0×10−4)を、発電板と冷却板で挟み、7.6×10N/mの一定荷重の下、4.8Wの電力を加えて5分間保持したときの発熱板と冷却板の温度差を測定(測定装置名:モバイル温度レコーダ、メーカー名:(株)キーエンス、型番:NR1000)し、次式により熱抵抗R1.0tを算出した。
1.0t(k・m/W)=温度差(K)×測定面積(m)/電力(W)
さらに、上記シートを2枚積層したサンプルを製造し、厚みが2.0×10−3mの試料の熱抵抗R2.0t(K・m/W)を同様に測定した。測定したR1.0tとR2.0tを用いて、次式:
λ(W/m・K)=L(m)/((R2.0t(K・m/W)−R1.0t(K・m/W))
により熱伝導率λ(W/m・K)を算出した。
【0046】
熱伝導性シート硬度の測定
熱伝導性シートの柔軟性は、「アスカーC」硬度によって表すことが好ましい。アスカーC硬度は、最高で100であり、また、取扱い性との関係から、最低で約5であることができる。アスカーC硬度は、好ましくは、約5〜約25であり、さらに好ましくは、約8〜18である。
それぞれのアクリル系熱伝導性シート(厚さ1mm)を、10枚積層して測定用サンプルとし、アスカーC硬度計(高分子計器社製)によってサンプルの硬度を荷重1kgで測定した。この際に、硬度計がサンプルに接触してから10秒後の目盛り値を測定値とした。なお、アスカーC硬度は、その値が小さいほど柔軟性であることを意味する。
【0047】
難燃性試験
UL−94は、以下のとおりの試験において評価される。13mm×125mmの熱伝導性シートのサンプルを垂直に配置して、一端を保持クランプで保持した。このとき、サンプルの下方30cmの位置に木綿を配置しておく。次に、サンプルの他端(自由端)にバーナーの炎を10秒間適用し、その後、この第一の適用の後に火炎が消えた後に、第二の適用として、さらに10秒間、バーナーの炎を適用した。5つのサンプルに対して2セットの試験を行なった。各サンプルについて、以下の記録を行なった。
第一のバーナー炎の適用後に火炎を維持する時間、
第二のバーナー炎の適用後に火炎を維持する時間、
第二のバーナー炎の適用後にグロー燃焼する時間、
火炎ドリップが、サンプルの下方に配置していた木綿を着火するかどうか、
サンプルが保持クランプまで燃焼するかどうか。
【0048】
「V−0」に合格する基準は以下のとおりである。
各サンプルの合計火炎維持時間が10秒以下である、
5つ全てのサンプルの全てのセットについての合計火炎維持時間が50秒以下である、
第二のバーナー炎適用後の各サンプルの火炎維持及びグロー燃焼時間は30秒以下である、
サンプルからの火炎ドリップが木綿を着火させない、
全てのサンプルについて、保持クランプまでのグロー燃焼又は火炎維持燃焼を起こさない。
【0049】
臭気試験
従来良く使用されている2−エチルヘキシルアクリレートをバインダー成分として使用した比較例1の熱伝導性シートとその他の熱伝導性シートの臭気を比較して、任意に選ばれた10人で判定した。判定および判定基準は以下の通りである。
”A”:10人中8人以上が、対照サンプルよりも低臭気と判断。
”B”:10人中4〜7人が、対照サンプルよりも低臭気と判断。
”C”:”A”または”B”以外の結果。
【0050】
実施例1〜5
表2に記載された組成で、各成分をプラネタリーミキサーに同時に入れ、減圧下(66.7×10Pa)で、15分間混練して、混合物を得た。次に混合物をシリコーン離型剤で処理済みのポリエチレンテレフタレート(PET)ライナー(メーカー名:藤森工業(株)、品番:フィルムバイナ 50E−0011 BD、厚さ:50μm)2枚で挟み、シート状にカレンダー成形した。さらに2枚のPETライナーの内側に混合物を保持したまま、0.3mW/cmの照射強度の紫外線を、シートの両面それぞれに同時に6分間照射し、続いて6.5mW/cmの照射強度で、6分間照射することによりシートを硬化させて、厚み1.0mmのアクリル系熱伝導性シートを製造した。
【0051】
【表1】

【0052】
表中の各化合物の説明
2−エチルヘキシルアクリレート(アルキル基の炭素数8) (メーカー名:日本触媒(株)、型番:AEH)
ラウリルアクリレート(アルキル基の炭素数12)(メーカー名:大阪有機化学工業(株)、型番:LA)
イソステアリルアクリレート(アルキル基の炭素数18)(メーカー名:大阪有機化学工業(株)、型番:ISTA)
ステアリルアクリレート(メーカー名:大阪有機化学工業(株)、型番:STA)
1.6−ヘキサンジオールジアクリレート(メーカー名:大阪有機化学工業(株)、型番:V#230)
ジイソノニルアジペート(メーカー名:大八化学工業(株)、型番:DINA)
Irgacure(商標)819(メーカー名:チバ・ジャパン(株))
Titacoat(商標) S−151(チタネートカップリング剤)(メーカー名:日本曹達(株))
ラウリルアクリレート(アルキル基の炭素数12)の部分重合体:100質量部のラウリルアクリレートと、0.04質量部のIrgacure(商標)651(メーカー名:チバ・ジャパン(株))とを、ガラス容器内で混合し、窒素雰囲気下で、定圧水銀ランプにより、3mW/cmの照射強度で数十秒照射して、部分重合させて得たものである、部分重合体は、2000mPa・sの粘度を有した。
水酸化アルミニウムA(平均粒径1.3μm・析出法によりかつ非粉砕)(メーカー名:日本軽金属(株)(以下Eまで同じ)、型番:BF013)
水酸化アルミニウムB(平均粒径8μm・析出法によりかつ非粉砕)(型番:BF083)
水酸化アルミニウムC(平均粒径50μm・析出法によりかつ非粉砕)(型番:B53)
水酸化アルミニウムD(平均粒径2μm・粉砕)(型番:B1403)
水酸化アルミニウムE(平均粒径8μm・粉砕)(型番:B103)
【0053】
比較例1,3、5、6
配合が異なる点以外は、実施例1と同じ手順で、アクリル系熱伝導性シートを製造した。
比較例2,4
配合が異なる点以外は、実施例1と同じ手順で、アクリル系熱伝導性シートを製造しようとしたが、混合物が高粘度で流動性に乏しく、シートを製造できなかった。
【0054】
製造したこれらの熱伝導性シートについて、上記の方法により、熱伝導率、硬度、難燃性、臭気を評価した。結果を表2に示す。
【0055】
参考として、種々のアクリレートの20℃における粘度を記載する。
物質名(アルキル基の炭素数) 粘度(mPa・s)
エチルアクリレート(2) 0.6
n−ブチルアクリレート(3) 0.9
2−エチルヘキシルアクリレート(8) 1.7
ラウリルアクリレート(12) 4.0
イソステアリルアクリレート(18) 18
このようにアルキル基の炭素数が12〜18の(メタ)アクリレート単量体では、粘度が高いため、粘度が元々低いアルキル基の炭素数が2〜8の(メタ)アクリレート単量体に比べ、増粘により加工性の低下が生じる。
【0056】
結果
アルキル基の炭素数が12〜18であるアルキル(メタ)アクリレート単量体および/またはその部分重合体を含むバインダー成分(A)に酸化アルミニウム粒子を、全硬化物に対し60体積%以上加えても、作業性の良好な混合物を得ることができた。
上記の炭素数のアルキル基を有するアクリレート組成物と、上記の金属水酸化物を共に含有することにより、低臭気性または無臭性を有し、UL−94でのV0に相当する高い難燃性を有し、かつ水酸化アルミニウム粒子の充填率を約60〜約74%までもに高められた約2.0〜3.4(W/m・K)の高熱伝導性シートを得ることができた。同時に、その熱伝導性シートを同体積充填率69%で比較すると、粉砕された水酸化アルミニウム粒子を用いた熱伝導性シートの硬度(比較例1の48)に対して、適切な柔軟性(実施例4の硬度28)を有する優れたシートであることが判明した。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図1は、本発明の一態様に用いることができる水酸化アルミニウム粒子(B)(日本軽金属(株)製品番号BF083)の電子顕微鏡画像(倍率1000倍)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルキル基の炭素数が12〜18である少なくとも1種のアルキル(メタ)アクリレート単量体および/またはその部分重合体を含むバインダー成分(A)と、
平均粒径が0.3μm以上4.0μm未満の、晶析法で得られかつ粉砕処理されていない水酸化アルミニウム粒子(B)と、
平均粒径が4.0μm以上15.0μm以下の、晶析法で得られかつ粉砕処理されていない水酸化アルミニウム粒子(C)であって、(C)の平均粒径/(B)の平均粒径=3〜15の条件を満たす水酸化アルミニウム粒子(C)と、
反応開始剤(D)とを、
(A)成分を100質量部、(B)成分を50〜400質量部、(C)成分を50〜1000質量部、(D)成分を0.01〜5質量部の量で含む硬化物である、アクリル系熱伝導性シート。
【請求項2】
平均粒径が40〜90μmの、晶析法で得られかつ粉砕処理されていない水酸化アルミニウム粒子(E)をさらに含み、前記(A)成分を100質量部、前記(B)成分を50〜400質量部、前記(C)成分を50〜1000質量部、前記(D)成分を0.01〜5質量部、(E)成分を0.01〜700質量部含む硬化物である、請求項1に記載のアクリル系熱伝導性シート。
【請求項3】
全硬化物に対し、前記(B)成分、(C)成分および(E)成分の合計充填率が、アクリル系熱伝導性シートの60〜80体積%である、請求項1または2に記載のアクリル系熱伝導性シート。
【請求項4】
アルキル基の炭素数が12〜18である少なくとも1種のアルキル(メタ)アクリレート単量体および/またはその部分重合体を含むバインダー成分(A)成分と、
平均粒径が0.3μm以上4.0μm未満の、晶析法で得られかつ粉砕処理されていない水酸化アルミニウム粒子(B)と、
平均粒径が4.0μm以上15.0μm以下の、晶析法で得られかつ粉砕処理されていない水酸化アルミニウム粒子(C)と、
ここで、前記水酸化アルミニウム粒子(B)および(C)は、(C)の平均粒径/(B)の平均粒径=3〜15の条件を満たす、
反応開始剤(D)とを、
前記(A)成分を100質量部、前記(B)成分を50〜400質量部、前記(C)成分を50〜1000質量部、前記(D)成分を0.01〜5質量部の比率で、混合する工程、
前記混合する工程によって得た混合物を、シート状に成形し、硬化させる工程、
を含んで成るアクリル系熱伝導性シートの製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2010−138357(P2010−138357A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−318667(P2008−318667)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】