説明

アゴニストペプチド二量体

【課題】 細胞表面レセプターの活性化。
【解決手段】 細胞表面レセプターの単量体アゴニストを二量体化し、そして形成されたニ量体を該細胞表面レセプターと接触させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、細胞表面レセプターのアゴニスト及びアンタゴニストの二量化に向けられ、特に、二量体の形態で細胞表面レセプターのアゴニストとして挙動するペプチド二量体に向けられる。そのようなレセプターは、成長及び分化因子のレセプターにおいて屡々観察される二量化介在型活性クラスに属する。このクラスのレセプターのアゴニストはレセプターの二量化を遂行しこうしてシグナル開始を遂行するものと、理解されている。
【0002】
本発明は、コアアミノ酸配列
GPXTWX(SEQ ID NO:1)
式中、各々のアミノ酸は標準的な一文字の略号で示され;XはC、A、α−アミノ−γ−ブロモ酪酸またはHocであることができ;XはR、H、LまたはWであることができ;XはM、FまたはIであることができ;Xは独立して遺伝的にコードされた20個のL−アミノ酸または立体異性D−アミノ酸のいずれか1つから選択され;XはD、E、I、LまたはVであることができ;そしてXはC、A、α−アミノ−γ−ブロモ酪酸またはHocであることができるが、但し、XまたはXのいずれかはCまたはHocである、
を含むエリスロポエチン(EPO)アゴニスト及びアンタゴニストの二量体を例示する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
エリスロポエチン(EPO)は、分子量が約34000ダルトンの糖タンパク質ホルモンである。哺乳類の肝臓中で合成されるEPOの主たる役割は、赤血球前駆細胞の分裂細胞分割と分化を刺激することである。結果として、EPOは、赤血球の産出を刺激し且つ調整する機能を果たす。赤血球及びそれに含まれるヘモグロビンは身体に酸素を供給するのに中心的な役割を果たす。こうして、赤血球の産出の刺激により、血液の酸素運搬能力の増大が可能となる。
【0004】
通常の状態では、EPOは、血漿中に非常に低い濃度で存在する。しかし、低酸素症の状態では、循環におけるEPOの量は、減少したO血液濃度に応答して増大する。低酸素症は、大量の血液の損失、放射線への過剰暴露もしくは化学療法剤による赤血球の破壊、高い高度もしくは長期の無意識疾患による酸素摂取量の減少を含む種々の疾患から、或いは種々の形態の貧血症によって引き起こされる。低酸素症が緩和されるにつれて、EPOの産出量は低減する。
【0005】
赤血球形成におけるEPOの本質的な役割の故に、該ホルモンは、少ないかまたは欠乏した赤血球産出によって特徴づけられる血液疾患の診断または処置に有用である。最近の諸研究は、下記に含まれるような種々の疾患、障害及び血液学的不整(hematologic irregularity)に対するEPO治療の有効性の基礎を提供する。
【0006】
ベーターサラセミア(非特許文献1);嚢胞性線維症(非特許文献2);妊婦及び月経の障害(非特許文献3);early anemia of prematurity(非特許文献4);脊髄障害(非特許文献5);宇宙飛行(非特許文献6);急性血液損失(非特許文献7);aging(非特許文献8);異常な赤血球造血に伴う種々の腫瘍性疾患(非特許文献9);および腎不全(非特許文献10)。
【0007】
精製された同質のEPOは特性決定されているが、EPO誘導赤芽球増殖及び分化のメ
カニズムについては殆ど知られていない。EPOと、未成熟赤血球、血小板及び巨核球の前駆細胞との特定の相互作用は記載されていない。この理由の一部は、通常の赤芽球上のまたは赤白血病細胞系上の表面EPOレセプター分子の数が少くないからである。
【0008】
非特許文献11;非特許文献12;非特許文献13;非特許文献14;非特許文献15;非特許文献16;非特許文献17;および非特許文献18を参照。
【0009】
ネズミ及びヒトのEPOレセプタータンパク質のDNA配列及びコード化されたペプチド配列が記載されている。特許文献1を参照。
【0010】
EPOレセプター(EPO−R)は、リガンド誘導型タンパク質の二量化によって活性化される成長因子型クラスに属する。他のホルモン並びにサイトカイン、例えば、ヒト成長ホルモン(hGH)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、上皮増殖因子(EGF)及びインシュリンが2つのレセプターを架橋し、その結果として2つの細胞質尾部が並置することができる。これらの二量化活性型レセプターの多くは、細胞質尾部内にタンパク質キナーゼ・ドメインを有しており、二量化の際に、隣接する尾部をリン酸化する。幾つかの細胞質尾部は固有のキナーゼ活性を欠いているのに対して、それらはタンパク質キナーゼと協同的に機能する。EPOレセプターは後者の型である。各々の場合に、リン酸化によりシグナル経路が活性化される。
【0011】
本発明に従い、例えばEPO−Rのような二量化介在型レセプターのペプチドアゴニスト及びアンタゴニストを二量化すると、“単量体”アゴニストの生物活性に較べて生物活性が増大し、これらの二量体がアゴニストとして機能して生物活性を示すように、アンタゴニストの性質を変えることが発見された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第WO 90/08822号パンフレット
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Vedovato et al.(1984)Acta.Haematol.71:211−213
【非特許文献2】Vichinsky et al.(1984)J.Pediatric 105:15−21
【非特許文献3】cotes et al.(1983)Brit.J.Ostet.Gyneacol.90:304−311
【非特許文献4】Haga et al.(1983)Acta Pediatr.Scand.72:827−831
【非特許文献5】Claus−Walker et al.(1984)Arch.Phvs.Med.Rehabil.65:370−374
【非特許文献6】Dunn,et al.(1934)Eur.J.Appl.Phvsiol.52:178−182
【非特許文献7】Miller et al.(1982)Brit.J.Haematol.52:545−590
【非特許文献8】Udupa et al.(1984)J.Lab.Clin.Med.103:574−588
【非特許文献9】Dainiak et al.(1983)Cancer 5:1101−1106
【非特許文献10】Eschbachet al.(1987)N.Eng.J.Med.316:73−78
【非特許文献11】Krantz and Goldwasser(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:7574−7578
【非特許文献12】Branch et al.(1987)Blood 69:1782−1785
【非特許文献13】Mayeux et al.(1987)FEBS Letters 211:229−223
【非特許文献14】Mufson and Gesner(1987)Blood 69:1485−1490
【非特許文献15】Sakaquchi et al.(1987)Biochem.Biophys.Res.Commun.146:7−12
【非特許文献16】Sawyer et al.(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:3690−3694
【非特許文献17】Sawyer et al.(1987)J.Biol.Chem.262:5554−5562
【非特許文献18】Todokoro et al.(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:4126−4230
【発明の概要】
【0014】
発明の概要
第一の態様において、本発明は、細胞表面レセプターのアゴニストとして挙動するペプチド二量体に向けられる。該二量体は成長因子型レセプターの結合及びシグナル開始をなさしめる。
【0015】
1つの態様において、本発明は、EPOアゴニストとして挙動するペプチド二量体を提供する。これらの二量体は、コアアミノ酸配列
GPXTWX(SEQ ID NO:1)
式中、各々のアミノ酸は標準的な一文字の略号で示され;XはC、A、α−アミノ−γ−ブロモ酪酸またはHocであることができ、ここで、Hocはホモシステインであり;XはR、H、LまたはWであることができ;XはM、FまたはIであることができ;Xは独立して遺伝的にコードされる20個のL−アミノ酸または立体異性D−アミノ酸のいずれか1つから選択され;XはD、E、I、LまたはVであることができ;そしてXはC、A、α−アミノ−γ−ブロモ酪酸またはHoc(ここで、Hocはホモシステインである)であることができるが、但し、XまたはXのいずれかはCまたはHocである、
を含む、10〜40個またはそれ以上のアミノ酸、好ましくは14〜約20残基鎖長のアミノ酸からなる2つの“単量体”ペプチド単位を有する。
【0016】
好ましくは、二量体の単量体ペプチド単位は、コア配列
YXGPXTWX(SEQ ID NO:2)
式中、各々のアミノ酸は標準的な一文字の略号で示され;X及びXの各々は独立して遺伝的にコードされた20個のL−アミノ酸のいずれか1つから選択され;XはC、A、α−アミノ−γ−ブロモ酪酸またはHoc(ここで、Hocはホモシステインである)であることができ;XがR、H、LまたはWであることができ;XはM、FまたはIであることができ;XがD、E、I、LまたはVであることができ;そしてXはC、A、α−アミノ−γ−ブロモ酪酸またはHoc(ここで、Hocはホモシステインである)であることができるが、但し、XまたはXのいずれかはCまたはHocである、を含む。
【0017】
より好ましくは、二量体の単量体ペプチド単位は、アミノ酸のコア配列
YXGPXTWX1011
(SEQ ID NO:3)
式中、各々のアミノ酸は標準的な一文字の略号で示され;X、X、X、X、X10及びX11の各々は独立して遺伝的にコードされた20個のL−アミノ酸のいずれか1つから選択され;XはC、A、α−アミノ−γ−ブロモ酪酸またはHoc(ここで、Hocはホモシステインである)であることができ;XはR、H、LまたはWであり;XはM、FまたはIであることができ;XはD、E、I、LまたはVであることができ;そしてXはC、A、α−アミノ−γ−ブロモ酪酸またはHoc(ここで、Hocはホモシステインである)であることができるが、但し、XまたはXのいずれかはCまたはHocである、
を含む。
【0018】
より好ましい態様において、X及びXの双方はCであり、こうして二量体の単量体ペプチド単位は、アミノ酸のコア配列
YXCXGPXTWXCX1011
(SEQ ID NO:4)
を含む。
【0019】
より好ましくは、単量体ペプチド単位は、アミノ酸のコア配列
YXCXGPXTWXCX1011
(SEQ ID NO:5)
式中、XはRまたはHであることができ;XはFまたはMであることができ;XはI、L、T、MまたはVであることができ;XはDまたはVであることができ;XはG、K、L、Q、R、SまたはTであることができ;X10はA、G、P、RまたはYであることができる、
を含む。
【0020】
最も好ましい態様において、二量体の単量体ペプチド単位は、アミノ酸のコア配列
YXCXGPXTWXCX1011
(SEQ ID NO:6)
式中、XはD、E、L、N、S、TまたはVであることができ;XはA、H、K、L、M、S及びTであることができ;XはRまたはHであり;XはK、R、SまたはTであることができ;X10はPである、
を含む。
【0021】
特に好ましい二量体の単量体ペプチド単位は、
GGLYLCRFGPVTWDCGYKGG (SEQ ID NO:7);
GGTYSCHFGPLTWVCKPQGG (SEQ ID NO:8);
GGDYHCRMGPLTWVCKPLGG (SEQ ID NO:9);
VGNYMCHFGPITWVCRPGGG (SEQ ID NO:10);
GGVYACRMGPITWVCSPLGG (SEQ ID NO:11);
VGNYMAHMGPITWVCRPGG (SEQ ID NO:12);
GGTYSCHFGPLTWVCKPQ (SEQ ID NO:13);
GGLYACHMGPMTWVCQPLRG (SEQ ID NO:14);
TIAQYICYMGPETWECRPSPKA(SEQ ID NO:15);
YSCHFGPLTWVCK (SEQ ID NO:16);
YCHFGPLTWVC (SEQ ID NO:17);及び
SCHFGPLTWVCK (SEQ ID NO:18)
を含む。
【0022】
他の特に好ましい本発明の二量体の単量体ペプチド単位は、
(AXGPXTWX
(SEQ ID NO:19)
式中、X〜Xは本明細書で既述されたとおりであり(SEQ ID NO:2)、nは0または1であり、そしてAはY(チロシン)を除く、天然源のL−アミノ酸のいずれか1つであり、nは本明細書においてコア配列において0または1であることができる(AX)の出現数(the number of occurrence)であると規定される、
を含むペプチドを含んでなる。
【0023】
(AX)が存在する場合には、すなわち、n=1である場合には、Aはチロシンではなく、またいずれかの非天然源の芳香族アミノ酸類似体でもない。そのような本発明の二量体の単量体ペプチド単位は、例えば、図10、11のペプチドを、SEQ ID NO:21〜93のN−末端からY(チロシン)残基まで切除することによって調製することができる。そのような単量体ペプチドは、また、図10、11のペプチドのA位をYで置換することにより調製することもできる。
【0024】
本発明においては、二量体の単量体単位は、同一であっても相異なっていてもよい。
【0025】
好ましい態様において、ポリエチレングリコール(PEG)が、共有結合を介して本発明の二量体ペプチドを形成するためのリンカーとして採用される。
【0026】
別の態様において、本発明は、本発明の二量体ペプチドの少なくとも1つ及び製薬学的キャリヤーを含む製薬学的組成物に向けられる。
【0027】
更なる態様において、本発明は、本発明の二量体ペプチドの少なくとも1つを投与することにより、ホルモンまたは成長因子の欠乏に起因する疾患を有する哺乳類を治療する方法を提供する。
【0028】
別の更なる態様において、本発明は、EPOの欠乏に起因するか或いは赤血球数の減少によって低減した血液酸素濃度に起因する疾患を有する哺乳類を治療する方法を提供する。
【0029】
本発明の別の態様において、細胞表面レセプターまたは二量化介在型レセプターのクラスのアゴニストを二量化し、これにより、単量体アゴニスト(二量体はこれに由来する)に較べて細胞表面レセプターのインビトロまたはインビボでの生物活性を促進させる、細胞表面レセプターのアゴニストの調製方法が提供される。さらに、この方法は、そのような成長因子型レセプターのアンタゴニストの二量化による、そのようなレセプターのアゴニストの調製にも向けられる。こうして二量化された“アンタゴニスト”はインビトロまたはインビボでアゴニスト生物活性を示す。好ましい態様において、本発明の方法は、単量体EPO−RアンタゴニストからのEPO−R二量体アゴニストの調製にも向けられる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
発明の詳細な説明
本発明は、細胞表面レセプターのアゴニストとして挙動するペプチド二量体に関する。この二量体は、成長因子型レセプターの結合及びシグナル開始をなさしめるものである。リガンド誘導型二量化またはリガンド安定化二量化によって活性化されるものと理解され、屡々、細胞表面レセプター、成長因子型レセプターまたは二量化介在型アクチベーター−レセプターと呼ばれる分子のクラスがある。そのようなレセプターのアゴニストは、典型的には、サイトカイン、インシュリン及び種々の他の成長または分化因子を含む大量の
ポリペプチドホルモンを含む。アゴニストは、レセプターの二量化を誘導することによりシグナル開始を遂行するものと理解されている。そのようなアゴニストは効率的に2つのレセプターを架橋し、結果として細胞質尾部の位置を変え、これにより直接的または間接的に細胞質尾部のリン酸化及びシグナル経路の活性化を遂行するものと信じられている。
【0031】
本発明は、特に、本発明に従って二量化されたときに、細胞表面レセプターのアゴニストとして挙動する分子を含む。そのような二量体アゴニストは“単量体”単位を含むことができる。該“単量体”単位は、関連するレセプター分子に対してアゴニストまたはアンタゴニスト活性を示すものであり、同一であっても相異なっていてもよい。二量体は、好ましくはペプチドであるが、或いは小分子のファーマコホア(pharmacophore)であってもよい。これらの分子は、二量化されたときに、インビトロまたはインビボで細胞表面レセプターのアゴニスト活性を示す。そのようなレセプターには、例えば、EPO、GM−CSF、G−CSF、M−CSF、GH、EGF、PDGF、VEGF、インシュリン及びFGFが含まれる。
【0032】
さらに、IL−3、IL−5、IL−6、IL−2及びTPOを含む、ヘテロ二量化または多量化によって活性化される他のペプチドを、このメカニズムによる活性化に付することができる。本発明の二量体は、10〜40個またはそれ以上のアミノ酸、好ましくは14〜約20個のアミノ酸残基鎖長からなる2つの“単量体”ペプチド単位を有する。
【0033】
好ましい態様において、これらの単量体ペプチド単位は、アミノ酸のコア配列
GPXTWX(SEQ ID NO:1)
式中、各々のアミノ酸は標準的な一文字の略号で示され;XはC、A、α−アミノ−γ−ブロモ酪酸またはHoc(ここで、Hocはホモシステインである)であることができ;XはR、H、LまたはWであることができ;XはM、FまたはIであることができ;Xは独立して遺伝的にコードされる20個のL−アミノ酸または立体異性D−アミノ酸のいずれか1つから選択され;XはD、E、I、LまたはVであることができ;そしてXはC、A、α−アミノ−γ−ブロモ酪酸またはHoc(ここで、Hocはホモシステインである)であることができるが、但し、XまたはXのいずれかはCまたはHocである、
を含む。
【0034】
好ましくは、二量体の単量体ペプチド単位は、コア配列
YXGPXTWX(SEQ ID NO:2)
式中、各々のアミノ酸は標準的な一文字の略号で示され;X及びX の各々は独立して遺伝的にコードされた20個のL−アミノ酸のいずれかから選択され;XはC、A、α−アミノ−γ−ブロモ酪酸またはHoc(ここで、Hocはホモシステインである)であることができ;XがR、H、LまたはWであることができ;XはM、FまたはIであることができ;XがD、E、I、LまたはVであることができ;そしてXはC、A、α−アミノ−γ−ブロモ酪酸またはHoc(ここで、Hocはホモシステインである)であることができるが、但し、XまたはXのいずれかはCまたはHocである、
を含む。
【0035】
より好ましくは、二量体の単量体ペプチド単位は、アミノ酸のコア配列
YXGPXTWX1011
(SEQ ID NO:3)
式中、各々のアミノ酸は標準的な一文字の略号で示され;X、X、X、X、X10及びX11の各々は独立して遺伝的にコードされた20個のL−アミノ酸のいずれかから選択され;XはC、A、α−アミノ−γ−ブロモ酪酸またはHoc(ここで、Hocはホモシステインである)であることができ;XはR、H、LまたはWであることが
でき;XがM、FまたはIであることができ;XはD、E、I、LまたはVであることができ;そしてXはC、A、α−アミノ−γ−ブロモ酪酸またはHoc(ここで、Hocはホモシステインである)であることができるが、但し、XまたはXのいずれかはCまたはHocである、
を含む。
【0036】
より好ましい態様において、X及びXの双方はCであり、こうして二量体の単量体ペプチド単位は、アミノ酸のコア配列
YXCXGPXTWXCX1011
(SEQ ID NO:4)
を含む。
【0037】
より好ましくは、単量体ペプチド単位は、アミノ酸のコア配列
YXCXGPXTWXCX1011
(SEQ ID NO:5)
式中、XはRまたはHであることができ;XはFまたはMであるこ とができ;XはI、L、T、MまたはVであることができ;XはDまたはVであり;XはG、K、L、Q、R、SまたはTであることができ;そしてX10はA、G、P、RまたはYであることができる、
を含む。
【0038】
最も好ましい態様において、二量体の単量体ペプチド単位は、アミノ酸のコア配列
YXCXGPXTWXCX1011
(SEQ ID NO:6)
式中、XはD、E、L、N、S、TまたはVであることができ;X はA、H、K、L、M、S及びTであることができ;XはRまたはHであり;XはK、R、SまたはTであることができ;そしてX10はPである、
を含む。
【0039】
特に好ましい本発明の二量体の単量体ペプチド単位には下記するものが含まれる。
【0040】
GGLYLCRFGPVTWDCGYKGG (SEQ ID NO:7);
GGTYSCHFGPLTWVCKPQGG (SEQ ID NO:8);
GGDYHCRMGPLTWVCKPLGG (SEQ ID NO:9);
VGNYMCHFGPITWVCRPGGG (SEQ ID NO:10);
GGVYACRMGPITWVCSPLGG (SEQ ID NO:11);
VGNYMAHMGPITWVCRPGG (SEQ ID NO:12);
GGTYSCHFGPLTWVCKPQ (SEQ ID NO:13);
GGLYACHMGPMTWVCQPLRG (SEQ ID NO:14);
TIAQYICYMGPETWECRPSPKA(SEQ ID NO:15);
YSCHFGPLTWVCK (SEQ ID NO:16);
YCHFGPLTWVC (SEQ ID NO:17);及び
SCHFGPLTWVCK (SEQ ID NO:18)。
【0041】
本発明の二量体ペプチドは、単量体アゴニスト(これから二量体ペプチドが誘導される)に較べて、インビボまたはインビトロでの増大された生物学活性(biological potency)を示す。さらに、細胞表面レセプターアンタゴニストは、本発明に従って、細胞表面レセプターアゴニストに変換し得る。特に、細胞表面レセプターアンタゴニストは、PEGまたは他の適宜のリンカーにより二量化でき、これにより、単量体部分のレセプターとの相互結合が許容される。結果として、二量体は標的レセプターに対し
て有効な結合を示し、アゴニストとして挙動する。従って、本発明の二量体は、それらの単量体の形態に較べて、増大したインビボまたはインビトロでの生物活性を示す。
【0042】
本発明の二量体ペプチドは、細胞表面レセプターに結合するかまたは細胞表面レセプターを生物学的に活性化させるか或いはアゴニストとして挙動するものであり、そして好ましくは、リンカーとしてポリエチレングリコールを用いて、本明細書中に記載された単量体ペプチド単位間で形成される。他の公知の高分子性化合物の使用を含めた、他の慣用の化学システムを採用することも可能であるが、ペジレーション(pegy−lation)が好ましい。
【0043】
本発明の結合用化合物(リンカー)には、適宜の距離で単量体ペプチドを共有結合させるか、或いは特定の細胞表面レセプターの二量化を遂行してこれにより生物活性をスタートさせるどのような分子も含まれる。
【0044】
まず、遊離のアミノ基或いは例えばヒドロキシル、カルボン酸もしくはスルフヒドリルのような他の反応性部位を含む適宜の合成ペプチドについて説明すると、対応する反応性ポリマーを含む反応混合物に、ペプチドを過剰に加える。ポリマーは、例えばポリエチレングルコール、ペプチド、改変(modified)ペプチドまたはペプチド類似体のような、繰返し性を有する。或いは、ペプチドを、例えば活性ベノジアゼピン(benodiazepin)、オキサゾロン(oxazolone)、アザラクトン、アミニミド(aminimide)またはジケトピペラジンのような小分子スカフォールド(scaffold)上で二量化することもできる。最も容易に入手し得る可変距離を有するリンカーは、線状非分枝のポリエチレングルコールに基づくものである。
【0045】
二量体ペプチドの単量体単位間のリンカーとしてPEGスクシンイミジル(succinimidyl)プロピオネートを用いる好ましい合成方法の式を下記に示す。
【0046】
【化1】

【0047】
単量体ペプチドの内部共有結合よりも、頭部対頭部(アミノ末端対アミノ末端)または
頭部対尾部(アミノ末端対カルボキシル末端)配置での二量化、特にペジレーション(pegylation)が好ましい。本発明の二量体ペプチドの“単量体”単位は同一であっても相異なっていてもよいが、同一である方が好ましい。
【0048】
本発明の二量体を形成するのに使用する単量体ペプチドは、当業者に周知である古典的な化学的方法で調製することができる。標準的な方法には、例えば、エクスクルーシブ(exclusive)固相合成法及び組換えDNA法が含まれる。例えば Merrifield(1963).Am.ChemSoc.85:2149を参照されたい。固相合成は、典型的にはα−アミノ保護樹脂を用いて、ペプチドのC末端から開始される。好適な出発物質は、要求されるα−アミノ酸を、クロロメチル化樹脂(例えばBIO−BEADS SX−1,Bio Rad Laboratories,Richmonod,CA)、ヒドロキシル樹脂(Bodonszky et al.(1966)ChemInd.(London)38:1597に記載された)またはベンゾヒドリルアミン樹脂(Pietta and Marshall(1970)ChemCommn.650に記載された)に付着させることにより調製することができる。
【0049】
α−アミノ保護基は、ペプチドの段階的合成の技術において有用であると知られているものである。これには、アシル型保護基(例えば、ホルミル、トリフルオロアセチル、アセチル)、芳香族ウレタン型保護基[例えば、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)及び置換Cbz]、脂肪族ウレタン型保護基[例えば、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)、イソプロピオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル]並びにアルキル型保護基(例えば、ベンジル、トリフェニルメチル)が含まれる。好ましいX−アミノ酸保護基は、Fmocである。側鎖保護基(典型的には、エーテル、エステル、トリチル、PMCなど)は、カップリングの際にそのまま残り、アミノ末端保護基の脱保護またはカップリングの際に分断されない。側鎖保護基は、最終ペプチドの合成が完了した際に、標的ペプチドを改変しない条件下で、除去されなければならない。
【0050】
Tyrの側鎖保護基には、テトラヒドロピラニル、t−ビチル、トリチル、ベンジル、Cbz、Z−Br−Cbz及び2,5−ジクロロベンジルが含まれる。Aspの側鎖保護基には、ベンジル、2,6−ジクロロベンジル、メチル、エチル及びシクロヘキシルが含まれる。Thr及びSerの側鎖保護基には、アセチル、ベンゾイル、トリチル、テトラヒドロピラニル、ベンジル、2,6−ジクロロベンジル及びCbzが含まれる。好ましいThr及びSerの側鎖保護基はベンジルである。Argの側鎖保護基には、ニトロ、Tosy.(Tcs)、Cbz、アダマンチルオキシカルボニル メシトイルスルホニル(Mts)またはBocが含まれる。Lysの側鎖保護基には、Cbz、2−クロロベンジルオキシカルボニル(2−Cl−Cbz)、2−ブロモベンジルオキシカルボニル(2−BrCbz)、TosまたはBocが含まれる。
【0051】
α−アミノ保護基の除去後に、残存する保護アミノ酸を、望まれる順番で段階的にカップリングさせる。一般に、メチレンクロライド(CHCI)またはジメチルホルムアミド(DMF)混合物の溶液中で、例えば2−(1H−ベンゾトリアゾル−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロフォスフェート(HBTU)またはジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)のような適宜のカルボキシルアクチベーターを用いて、各々の保護アミノ酸を約3倍過剰で反応させる。
【0052】
望みのアミノ酸配列が完了した後に、混合物を例えばトリフルオロ酢酸(TFA)又はフッ化水素(HF)のような試薬で処理することにより、望みのペプチドを樹脂担体(support)から離脱させる。このような試薬は、樹脂からペプチドを分断するのみならず、残存するすべての側鎖保護基を裂く。クロロメチル化樹脂を用いる場合には、フッ化水素処理により、遊離のペプチド酸が形成される。ベンゾヒドリルアミン樹脂を用いる
場合には、フッ化水素処理により、直接的に遊離のペプチドアミドが得られる。或いは、クロロメチル化樹脂を採用する場合には、ペプチド樹脂をアンモニアで処理することにより、側鎖保護型ペプチドが分断され、望みの側鎖保護型アミドが得られるか或いはアルキルアミンで処理することにより、側鎖保護型アルキルアミドまたはジアルキルアミドが得られる。次いで、フッ化水素による通常の様式で、側鎖保護が除去されて、遊離のアミド、アルキルアミドまたはジアルキルアミドが得られる。
【0053】
さらに、本発明の化合物のいずれかの1つ、2つまたはそれ以上の位置に、天然起源の遺伝的にコード化された20個のアミノ酸以外のアミノ酸が置換されたペプチドを合成するために、これらの手法を用いることもできる。例えば、ナフチルアラニンをトリプトファンで置換して、合成を促進させることができる。本発明のペプチド中に置換されることができる他の合成アミノ酸には、L−ヒドロキシプロピル、L−3,4−デヒドロキシフェニルアラニル、δ−アミノ酸、例えば、L−δ−ヒドロキシシリル、D−δ−メチルアラニル、L−α−メチルアラニル、β−アミノ酸及びイソキノリルが含まれる。さらに、D−アミノ酸及び非天然起源の合成アミノ酸を本発明のペプチド中に挿入することもできる。
【0054】
本発明の別の態様において、インビトロまたはインビボでの細胞表面レセプターアゴニストの生物活性を増大させる方法が提供される。この方法は、レセプターアゴニストをPEGのようなリンカー分子で二量化することにより達成される。こうして、二量体の単量体ペプチド単位の間に適宜の空間関係が形成され、これにより、二量体の構成要素の各々がこれらレセプターに結合し、増大された生物活性が得られる。換言すれば、二量化することにより、レセプターが活性化され、特定の細胞表面レセプター、例えば、EPO−Rの、関連する生物活性が誘導される。生物活性は、種々のインビトロまたはインビボでのアッセイで、専門家により測定されることができ、そして本発明の実施例で証明されている。
【0055】
所定のレセプターに対して結合アフィニティーを有するペプチドまたは分子は、増大した配座(conformational)柔軟性を有し、有効なレセプター相互作用及び引き続くレセプター活性化に対する障害を少なくするであろう。このことはまた、レセプターサブタイプに結合はできるがレセプターサブタイプを活性化できない分子が、リガンド結合よりも有効なインヒビターになることができることを示唆している。
【0056】
さらに、本発明は、細胞表面レセプターアンタゴニスト(レセプター結合は示すが生物活性を示さない)分子を、インビトロまたはインビボで細胞表面レセプターアゴニストとして挙動するように変える(alter)方法を提供する。この方法は、アンタゴニスト分子を、適宜のリンカー分子、例えば、EPO、他の重合分子またはペプチドで二量化することにより達成される。好ましい態様において、EPOアンタゴニスト、すなわち、レセプター結合は示すが生物EPO活性を示さないペプチドを、二量化によって改変することができ、EPOレセプターアゴニストとして挙動する二量体が得られる。従って、例えば、EPO−Rの場合には、これらには、式
(AXGPXTWX(SEQ ID NO:19)
式中、X〜Xは本明細書の(SEQ ID NO:2)で既に規定し たとおりであり、nは1または0であり、そしてAはY(チロシン)を除いた天然起源のL−アミノ酸のいずれか1つであり;nはコア配列中の(AX)の出現数として本明細書中で規定されたものであり、1または0であることができる、
のコア配列を含む、本発明の二量体の単量体ペプチド単位が含まれる。
【0057】
が存在する場合、すなわち、n=1で場合には、Aはチロシンではなく、そしてAはいずれかの非天然起源の芳香族アミノ酸類似体でもない。本発明の二量体のそのような
単量体ペプチド単位は、図10、11のペプチドを、SEQ ID NO:21〜93におけるN−末端からY(チロシン)残基を除去することにより、調製することができる。そのような単量体ペプチドは、また、図10、11のペプチド中のYを置換することによっても調製することができる。
【0058】
これらの分子は、その“単量体”では結合活性のみを示すが、PEGのような結合性化合物(リンカー)との二量化後にはアゴニスト活性を示す。従って、本発明の方法は、本明細書中で記載されるような生物活性を示さない単量体ペプチドを同定し、そして本発明に従ってそのアンタゴニストを二量化して、細胞表面レセプターアゴニストを二量体形態で得ることを含む。適宜の細胞表面レセプターを、こうして形成された二量体活性化体と接触させて、すなわち、レセプターを二量化させて、レセプターの生物活性を誘導する。図10、11に示されるような単量体単位をN−末端から例えばSCHFGPLTWVCK(SEQ ID NO:18)を切除して、式(AXGPXTWX(SEQ ID NO:19)のAの位置のチロシン残基を除去することができるか、或いは残りの19個の天然起源のアミノ酸のいずれかとまたは非天然起源の芳香族アミノ酸類似体以外のものと置換させることもできる。本発明に従って、上記式のAの位置のチロシン残基が単量体ペプチドの生物活性に臨界的であることが決定された。チロシンの切除または置換は生物活性を失わせる。しかしながら、二量化された場合には、全体が増大した生物活性を示す。
【0059】
例えば、YXGPX(SEQ ID NO:2)中のチロシン(Y)をp−インドヒドロキシフェニルアラニン、p−フルオロヒドロキシフェニルアラニン、p−アミノ−ヒドロキシアラニンで置換すると、EPO−R単量体アゴニストとして作用するが、Yの位置でチロシンをトレオニンまたはアラニンと置換すると、単量体ペプチドはEPO−R単量体アンタゴニストとして作用する。しかしながら、本発明に従って二量化させた場合には、そのような二量体はEPO−Rアゴニストとして挙動する。図10、11に示される単量体ペプチド単位は、例えば、上記式のYの位置でチロシンが不存在の場合には、EPO−Rアンタゴニストとして挙動する。そのようなアンタゴニストが二量化された場合には、二量体はEPO−Rアゴニストとして挙動する。
【0060】
本発明のさらなる態様において、本発明の二量体の少なくとも1つを含む製薬学的組成物を、例えば、EPO、GH、GM−CSF、G−CSF、EGF、PDGF、VEGF、インシュリン、FGFのような生物因子の欠乏から生じる疾患を治療するために用いることができる。これらの製薬学的組成物は、組成物を安定化するためにまたは二量化分子の運搬を助けるために、緩衝液、塩及び他の賦形剤を含んでいてもよい。
【0061】
好ましい態様において、本発明は、EPOの欠乏に随伴する疾患を処置する方法を提供する。疾患症状を緩和させるのに十分な、すなわち、EPOレセプターの二量化または生物活性化を遂行するのに十分な、回数及び条件下で、本明細書に示される二量体の少なくとも1つを投与することにより、この方法は達成される。EPOの場合には、そのような方法は、末期の腎不全/透析;特にAIDSに関連する貧血症或いは慢性炎症、例えば、慢性関節リウマチ及び慢性腸炎;自己免疫疾患の処置に有用であり、そして必要時に、例えば、手術前又は輸液(輸血)の前処置に、患者の赤血球数を上げるために有用である。EPOアゴニストとして挙動する本発明の二量体は、巨核球を活性化させるために使用することができる。
【0062】
EPOは、脈管内皮細胞に対して細胞分裂促進性且つ走化性の影響を及ぼし、そして中枢コリン性ニューロンに対して影響を与える(例えば、Amagnostou et al.(1990) ProcNatlAcadSci.USA 87:597805982 and Konishi et al.(1993) Brain Res
609:29−35を参照)。このため、本発明の化合物は、また、種々の脈管疾患、例えば、傷の回復の促進、側副枝冠状血管の成長(例えば心筋梗塞の後に起こるようなもの)、外傷、及び脈管移植の後処置、並びに、一般にアセチルコリンの低い絶対濃度または他の神経活性物質、例えば、他の神経刺激性物質に較べてアセチルコリンの低い相対濃度によって特徴づけられる種々の神経疾患を処置するために使用することもできる。
【0063】
従って、本発明は、製薬学的キャリヤーまたは希釈剤と共に、本発明のペプチド二量体の少なくとも1つを活性成分として含有する製薬学的組成物を含む。本発明の二量体は、経口、腸管外[筋内、腹腔内、静脈(IV)または皮下注射]、経皮(受動的にかまたはイオン導入法もしくは電気穿孔法を使用して)或いは経粘膜(鼻、膣、直腸または舌下)の投与ルートで、各投与ルートに適宜の投与形態で投与することができる。
【0064】
経口用の液体投与形態には、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉剤及び顆粒剤が含まれる。そのような固体投与形態において、活性化合物は、少なくとも1つの製薬学的に許容され得る不活性のキャリヤー、例えば、スクロース、ラクトースまたは澱粉と混合される。そのような投与形態は、通常、不活性希釈剤以外のさらなる物質、例えばステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤を含むことができる。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合には、該投与形態はさらに緩衝剤を含むことができる。錠剤及び丸剤は、さらに腸溶コーティングを用いて調製することもできる。
【0065】
経口用の固体投与形態には、製薬学的に許容され得る乳剤、溶剤、懸濁剤、シロップ剤、並びに、当該技術分野で通常使用されている水のような不活性希釈剤を含有するエリキシルが含まれる。そのような不活性希釈剤以外にも、組成物はさらに補助剤、例えば湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、甘味剤及び香料を含むことができる。
【0066】
本発明に従う腸管外投与用の調合物は、殺菌水性もしくは非水性溶液、懸濁液または乳液を含む。非水性溶液または賦形剤の例としては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、例えばオリーブ油またはコーン油、ゼラチン及び注射可能な有機エステル類、例えば、オレイン酸エチルが挙げられる。そのような投与形態は、さらに、補助剤、例えば、保存剤、湿潤剤、乳化剤及び分散剤を含んでいてもよい。それらを、例えば、バクテリア保持フィルターを通す濾過により、殺菌剤を組成物に加えることにより、組成物に放射線を施すことにより、または組成物を加熱するなどして、殺菌することもできる。使用の直前に、それらは、さらに、殺菌水または幾つかの他の殺菌性で注入可能な媒体を用いて調製することができる。
【0067】
直腸用または膣用の組成物は、好ましくは、活性物質の外に賦形剤、例えばココアバターまたは座剤用ワックスを含む座剤である。鼻用または舌下投与用の組成物は、当該技術分野で周知の標準的な賦形剤をさらに用いて調製される。
【0068】
本発明の組成物中の有効成分の用量は変動してもよい。しかしながら、有効成分の量は適切な投与形態が得られるような量とすることが必要である。選択される用量は、望まれる治療効果、投与ルート及び望まれる治療期間に依存する。一般には、一日あたり、体重の0.001〜10mg/kgの用量レベルが哺乳類に投与される。
【0069】
上記の開示から理解され得るように、本発明は広範囲の用途を有している。従って、以下の実施例は、説明のために提供されるのであって、限定するために提供されるのではない。
【実施例1】
【0070】
SDS−PAGEゲル[10〜20%グラディエントSDS−PAGEプレート、84
x 70 x 1.0mm、統合型分離システム(Integrated Separation Systems),Natick,MA]を、クーマシーブリリアントブルー[Coomasie Brilliant Blue R−250(BioRad)]で染色した。活性化二官能性ポリエチレングリコール[PEG−スクシンイミジル プロピオネート(SPA2、分子量:約3400)]の商業的製剤を、単官能性試薬であるメトキシ−PEG−スクシンイミジル プロピオネート(分子量:約5000)と同様に、Sharwater Polymers,Huntsville,ALから購入した。ペプチド(SEQ ID NO:8)及び他のすべてのペプチドを、Peptide Synthesis Facility RWJ−PRI,La Jolla,CAまたはQuality controlled Biochemical,Hopkinton MAから得た。これらのペプチドを、それらの分子内システインを介して環化させ、C末端でアミド化(amidate)し、そしてFAB−MSで質量を確認した。すべてのものが、エルマン反応(Ellman Reaction)でネガティブであった。トリス(tris)塩基をBioRad,Hercules,CAから得た。(DPDPB)及びトリフルオロ酢酸(HPLC等級)をPierce Chemical Co.,Rockford ILから得た。
【0071】
ペプチドGGTYSCHFGPLTWVCKPQGG(SEQ ID NO:8)のモノ−PEG結合
この実施例は、本明細書中に記載される実験において対照として使用される単官能性アミン反応性ポリマー類似体、m−SPA−PEGを用いるペプチド(SEQ ID NO:8)のモノ−PEG結合体の調製を記載する。
【0072】
142.5mg(0.0286mmol、分子量:約5000)のポリマーを、4mlのpH7.5のPBSに再懸濁させ、1mlの0.1%トリフルオロ酢酸に溶解した20mgのペプチド(SEQ ID NO:8)(0.0092mmol、分子量:約2092)を添加して、反応を実施した。混合物を氷上で20時間インキュベートした。次いで、pH7.5の1M トリス−HClを加えて、反応液を50mM トリス(Tris)の最終濃度に調整した。反応混合液を、氷上で1時間インキュベートした。分析用HPLCは、ベースラインで分割されていない、大きさがほぼ等しい2つの主要な反応生成物の存在を示唆している。実施例8に記載された平坦グラディエントシステム(flatter gradient system)を用いて調製用(preparative)HPLCを行い、そして保存用切断(conservative cut)を行った結果、約44及び47分で溶出した2つの生成物ピークが回収された。凍結乾燥後に、24.8mg及び16.5mgの各種がそれぞれ回収された。これら2種の質量スペクトル分析は、ペプチドに対する1つまたは2つのPEG分子の結合をそれぞれ示す、7092(ピーク1)及び12036(ピーク2)の中心質量(centroid mass)を示した(表1)。
【0073】
トリス不活性化ポリマー
pH7.5の50mM トリス−HClと共に、PBS(Gibco,Gaithersburg,MD)中に溶解させた5mM SPA2ポリマーをインキュベートすることにより、トリス不活性化ポリマーを形成し、さらなる精製を行うことなく使用した。
【0074】
【表1】

【実施例2】
【0075】
ペプチドGGTYSCHFGPLTWVCKPQGG(SEQ ID NO:8)のPE
G二量化(lot #1)
実施例2〜7は、本発明に記載される種々のペプチドの二量化を記載する。25mg(0.0071mmol)のポリマーを4mlのpH7.5のPBSに再懸濁させ、そして1mlの0.1%トリフルオロ酢酸に溶解した3倍モル過剰のペプチド(SEQ ID NO:8)(0.0213mmol、44.5mg、分子量:2092)を添加することにより、ペプチド(SEQ ID NO:8)の改変(modification)を実施した。混合物を氷上でインキュベートした。3時間インキュベートした後に、さらなる7.5mg(0.0036mmol)の凍結乾燥ペプチドを加えて、最終比をSPA2各1モル当たりペプチド3.5モルとした。混合物を氷上でさらに17時間インキュベートした。pH7.5の1M トリス−HClを加えて、反応混合液を50mMのトリスの最終濃度に調整し、そして1時間氷上でインキュベートした。試料を、実施例8に記載されているような分析用及び調製用(preparative)HPLCに付した。調製用HPLC及び凍結乾燥を行った後に、38mgのPEG二量体を回収した。この実験についての理論収量は7600mg/mmolの計算質量に基づいて55mgであり、収率は69%であった(表I)。
【実施例3】
【0076】
ペプチドGGTYSCHFGPLTWVCKPQGG(SEQ ID NO:8)のPEG二量化(lot #2)
25mg(0.0071mmol)のポリマーを4mlのpH7.5のPBSに再懸濁させ、そして1mlの0.1%トリフルオロ酢酸に溶解した約3倍モル過剰のペプチド(SEQ ID NO:8)(0.0213mmol、45.8mg、分子量:2092)を添加することにより、ペプチド(SEQ ID NO:8)の改変を実施した。混合物を氷上で22時間インキュベートした。そのときに、pH7.5の1M トリス−HClを加えて、反応液を50mM トリスの最終濃度に調整した。反応混合液を氷上で1時間インキュベートした。試料を、実施例8に記載されているような分析用及び調製用HPLCに付した。調製用HPLC及び凍結乾燥を行った後に、37mgのPEG二量体を回収した。この実験についての理論収量は7600mg/mmolの計算質量に基づいて55mgであり、収率は68%であった(表I)。
【実施例4】
【0077】
ペプチドGGTYSCHFGPLTWVCKPQ(SEQ ID NO:13)のPEG二量化
11.2mg(0.0033mmol)のポリマーを2.5mlのpH7.5のPBSに再懸濁させ、そして0.25mlの0.1%トリフルオロ酢酸に溶解した約3倍モル過剰のペプチド(SEQ ID NO:13)(0.010mmol、20mg、分子量:1978)を添加することにより、ペプチド(SEQ ID NO:13)の改変を実施した。混合物を氷上で20時間インキュベートした。そのときに、0.25mlのpH7.5の1M トリス−HClを加えた。反応混合液を4℃で1時間インキュベートした。試料を、実施例8に記載されているような分析用及び調製用HPLCに付した。主要な調製用反応生成物のピークが約43分で溶出した。調製用HPLC及び凍結乾燥を行った後に、13.3mgのPEG二量体を回収した。この実験についての理論収量は7400mg/mmolの計算質量に基づいて24.42mgであり、収率は54%であった(表I)。
【実施例5】
【0078】
ペプチドAc−GGTYSCHFGPLTWVCKPQGG(SEQ ID NO:20)のPEG二量化
10.5mg(0.0031mmol)のポリマーを2.5mlのpH7.5のPBSに再懸濁させ、そして0.25mlの0.1%トリフルオロ酢酸に溶解した約3倍モル過
剰のペプチド(SEQ ID NO:20)(0.0094mmol、20mg、分子量:2133)を添加することにより、ペプチド(SEQ ID NO:20)の改変を実施し、そして混合物を4℃で28時間インキュベートした。そのときに、HPLCにより監視した結果、反応は約30%完了しているものと推定され、温度を周囲温度にシフトし、そしてさらに27時間インキュベートしたところ、合計生成物の増大はみられなかった。反応性ポリマーの可能な加水分解を考慮して、さらなる5mgのポリマーを加え、インキュベーションをさらに16時間継続した。そのときに、0.25mlのpH7.5の1M トリス−HClを加え、反応混合液を4℃でさらに1時間インキュベートした。試料を、実施例8に記載されているような平坦グラディエントシステムを用いる分析用及び調製用HPLCに付した。主要な調製用反応生成物のピークは約48分で溶出した。調製用HPLC及び凍結乾燥を行った後に、10.4mgのPEG二量体を回収した。この実験についての理論収量は7650mg/mmolの計算質量に基づいて34.4mgであり、収率は30%であった(表I)。
【実施例6】
【0079】
ペプチド(SEQ ID NO:14)のPEG二量化
2.6mg(0.00076mmol)のポリマーを3.0mlのpH7.5のPBSに再懸濁させ、そして0.1mlの0.1%トリフルオロ酢酸に溶解した約3倍モル過剰のペプチド(SEQ ID NO:14)(0.00229mmol、5mg、分子量:2177)を添加することにより、ペプチド(SEQ ID NO:14)の改変を実施した。混合物を氷上で26時間インキュベートした。そのときに、0.25mlのpH7.5の1M トリス−HClを加えた。反応混合液を4℃で1時間インキュベートした。試料を、実施例8に記載されているような平坦グラディエントシステムを用いる分析用及び調製用HPLCに付した。主要な調製用反応生成物のピークは約46分で溶出した。調製用HPLC及び凍結乾燥を行った後に、2.2mgのPEG二量体を回収した。この実験についての理論収量は7400mg/mmolの計算質量に基づいて24.42mgであり、収率は37%であった(表I)。
【実施例7】
【0080】
ペプチド(SEQ ID NO:18)のPEG二量化
1.2mg(0.00036mmol)のポリマーを0.5mlのpH7.5のPBSに再懸濁させ、そして0.05mlの0.1%トリフルオロ酢酸に溶解した約3倍モル過剰のペプチド(0.0011mmol、1.5mg、分子量:2177)を添加することにより、ペプチド(SEQ ID NO:18)の改変を実施した。混合物を氷上で20時間インキュベートした。そのときに、0.1mlのpH7.5の1M トリス−HClを加えた。反応混合液を4℃で1時間インキュベートした。試料を、実施例8に記載されているような分析用HPLCシステムを用いる精製に付した。主要な調製用反応生成物のピークは約38分で溶出した。調製用HPLC及び凍結乾燥を行った後に、1mgのPEG二量体を回収した。この実験についての理論収量は6150mg/mmolの計算質量に基づいて2.2mgであり、収率は45%であった(表I)。
【実施例8】
【0081】
分析用及び調製用HPLC分析
上記実施例1〜7に記載された累積した二量体を、分析用逆相HPLCで監視した。Vydac C−18 タンパク質−ペプチド カラム(0.46 x 25cm、パーツ
No.218TP54)及びDynamax 二重波長検出器(dual wavelength detector)を備えたRainin グラディエント(Gradient) HPLCシステムを用いて、分析を行った。注入の際に、カラムをdHO中の0.1%TFA中で平衡化し、そして注入の10分後に、45分間の、0.1%TFAを含むアセトニトリル(ACN)の(0〜100%)の線状グラディエントで、展開(de
velopment)を開始した。フロー速度を、1ml/分に、一定にした。これらの分析条件下で、SPA2ポリマー及びトリス不活性化ポリマーはカラムに結合したようにみえなかったが、保持時間(37分間)で主要な反応生成物が同定された(図1)。ペプチド(SEQ ID NO:8)は35分間の保持時間を示し、そして反応に使用した過剰のペプチドは、生じたばかりの反応生成物から明確に識別された。
【0082】
Vydac C−18 タンパク質−ペプチド カラム(2.2 x 25cm、パーツ No.218TP15022)を用いる同一のクロマトグラフィーシステム上の調製用逆相HPLCによって、主要な反応生成物ピークを精製した。8ml/分の一定フロー速度で、80:20のHO:ACN(双方共に0.1%TFAを含む)によりカラムを平衡化し、反応混合液(6ml)を注入した。20分間洗浄した後に、カラムを、60分間、100% ACN/0/1%TFAの線状グラディエントを適用して展開させた。48分で溶出した主要な生成物ピークを回収しそして凍結乾燥した(図2)。その後、幾つかの結合(conjugation)生成物ペプチド(SEQ ID NO:20)、mPEG−ペプチド(SEQ ID NO:8)、ペプチド(SEQ ID NO:14)を反応生成物からよりよく分離するために、これらの溶出条件を変えた。このことは、60分間にわたって、20〜80%のBの平坦線状グラディエントを適用することにより、達成された。ペプチドが異なることに起因する保持時間の変動及び溶出条件の変動は、各合成実施例の一部として記載されている。次に、各反応からの各主要生成物ピークから回収した物質を、分析用逆相HPLC、MALDI−TOF質量スペクトル、EPO競合的結合ポテンシャルによって分析し、そしてインビトロでの生物活性について分析した。
【0083】
これらの実験に用いた活性化PEGは約3400の分子量を有し、そして2官能性線状ポリマーのいずれかの末端にアミン反応性スクシンイミジル基を有する。この反応基を、2つのスクシンイミジル部分を同時に遊離させ、2つのペプチド等価物(SEQ ID NO:8)(分子量=2092)をポリマーに結合させるために用い、結果として、式Iに示されるような二量体生成物を得た。ペプチド(SEQ ID NO:8)は2つの潜在的に反応性のアミンを有しており、2つのアミンのうちの1つはペプチドのN−末端にあり、そしてもう1つはペプチド配列内の単一のリジンの側鎖内にある。それ故、2つの分子間における多数の異なる結合が可能である。
【0084】
7661の中心質量(centroid mass)を有する主要種によって示唆されるように、MALDI−TOF質量スペクトル分析によって、予測された二量体生成物の存在が支持された(図3)。このデータは、本明細書に記載される方法を用いて、本発明に記載される二量体生成物が製造されることを示している。
【実施例9】
【0085】
EBP(EPO結合タンパク質)の二量化
この実施例は、2官能性スルフヒドリル反応性リンカーである(1,4−ジ−[3’−(2’−ピリジルジチオ)プロピオンアミド)ブタン DPDPBを用いた、ペプチド(SEQ ID NO:8)、ペプチド(SEQ ID NO:16)、ペプチド(SEQ
ID NO:18)及びペプチド(SEQ ID NO:13)と、EPO結合タンパク質(EBP)との相互作用を証明する。
【0086】
ペプチド(SEQ ID NO:8)とEBPとの相互作用を研究するために、疑似依存性(mimetic dependent)二量体構造を安定化させる目的で、2官能性スルフヒドリル反応性架橋剤(crosslinker)DPDPBを使用した。対照実験は、架橋剤がEBPのEPO結合ポテンシャルまたはペプチド(SEQ ID NO:8)の増殖能力を不活性化しないことを、証明した。図4に示されるように、ペプチド(SEQ ID NO:8)、DPDPB及びEBPを同時にインキュベートすることに
よって、二量体EBP生成物が形成された。このデータは、可溶性レセプター二量体の形成を仲介(mediate)するペプチド(SEQ ID NO:8)の能力を示す。この問題をさらに研究するために、ペプチド(SEQ ID NO:13)、(SEQ ID NO:16)及び(SEQ ID NO:18)について、それらの二量化仲介能力を試験した。図4のレーン7A及び8Aに示されるように、ペプチド(SEQ ID NO:13)がカルボキシル末端で切除された場合に、インビトロでの良好な生物活性が保持され、そしてインビボでの生物活性が改善され、その結果、ペプチド(SEQ ID NO:8)と同様の架橋シグナルを得た。しかし、ペプチド(SEQ ID NO:18)は二量化シグナルを安定化するようにはみえなかった(図4、レーン9A)が、ペプチド(SEQ ID NO:16)は強い二量化バンドを与えた(図4、レーン5A、6A)。これらの2つのペプチドは、単一のN−末端のチロシン残基が異なり、インビトロでの増殖分析でも同様の性質を示し、ペプチド(SEQ ID NO:18)は不活性であった。ペプチド(SEQ ID NO:16)は、ネズミのレセプター細胞上で3μmのED50を有している。双方のペプチドは同様のIC50値を有し、このことはそれら双方が結合活性を保持していることを示唆する。これらの結果は、EBP二量化はEPOペプチド群の性質であり、そしてこの活性に対してはチロシンの存在が臨界的であり、そしてこれはインビトロでの生物活性に対応することを、証明している。
【実施例10】
【0087】
固定化EBPに基づく[125I]EPO競合的結合アッセイ
この研究は、EPO PEG二量体のEPOレセプターへの結合能力を試験したものである。
【0088】
ヒトのエリスロポエチンレセプター(EPO結合タンパク質、EBP)の細胞外ドメインは、大腸菌(E.Coli)中で発現され、過剰産出される。大腸菌中に産出される他の多くの組換え真核タンパク質と同様に、このタンパク質は、研究所規模での発酵においては不溶性生成物として現れ、再度折り畳まれ、精製されて、活性タンパク質が得られる。この方法によってつくられたEPO結合タンパク質は、1つの遊離のスルフヒドリル基を含む。該フヒドリル基を、リガンドの溶液相結合を遂行することなく改変することができる。平衡結合アッセイ及び競合的結合アッセイのために、EPO結合タンパク質を固定化するために、EPO結合タンパク質をアガロースビーズに共有結合させた。
【0089】
スルホリンク(Sulfolink)ビーズ(Pierce Chemical Co,Rockford,IL)のインドアセチル活性化学(indoacetyl activation chemistry)は、遊離のチオールに特異的であり、結合が容易には可逆にならないことを確保している。EBP−スルホリンクビーズを下記のように調製した。スルホリンクゲル懸濁液(10ml)をカップリング用緩衝液(40ml:50mM トリス、pH8.3、5mM EDTA)と混合し、ゲルを沈降させた。上澄液を除去し、そして結合されるべきEPO結合タンパク質(カップリング用緩衝液中0.3〜1mg/ml)を、洗浄したビーズに直接添加した。混合物を30分間室温で穏やかに揺すって、ビーズを1時間室温で沈降させた。上澄液を除去し、保持しておいた。ビーズを20mlのカップリング用緩衝液で2回洗浄した。同様に、洗浄液を回収した。次に、ビーズを20mlの0.05Mシステインで30分間室温で処理して、未結合部位をブロックした。最後に、ビーズを50mlの1M NaClで次いで30mlのPBSで洗浄し、20mlのPBSに再懸濁させ、そして4℃で保存した。もとのEBP溶液のOD280と、反応上澄液と2つの20mlの洗浄液中に回収された合計のOD280とを比較することにより、ビーズに共有結合されたEBPの量を測定した。典型的には、用いたEBPの40〜60%がビーズと結合して残った。
【0090】
EPO結合タンパク質ビーズ(50μl)を個々の反応チューブに添加して、競合的ア
ッセイを開始した。0.3〜30nM の[125I]EPO(NEN Research Products,Boston MA,100 μCi/μg)を含むチューブ内で、合計結合を測定した。非特異的結合を測定する為に、未標識EPOを対応する[125I]EPO濃度の1000,倍過剰のレベルで添加した。各々の反応容量を、結合用緩衝液(PBS/0.2% BSA)を用いて500μlにした。チューブを5時間(平衡を達成するのに十分であると実験的に決定された時間)室温で穏やかに揺すりながらインキュベートした。5時間後に、各反応混合物を、グラスウールを詰めた1mlのピペットチップを通して通過させた。チューブを1mlの洗浄用緩衝液(PBS/5% BSA)で洗浄し、そしてこの容量及び2つのさらなる1mlの洗浄緩衝液をピペットチップを通して通過させ、遊離のEPO濃度を測定するために回収した。これらのアガロースビーズ上に固定化された[125I]EPOとEPO疑似結合タンパク質との特異的結合について平衡結合測定を行ったところ、等結合線(binding isotherm)(図5)の線形変換(スキャッチャード)に基づき、5nM±2のKdが示された。
【0091】
候補の(candidate)ペプチド及び二量体ペプチドの競合的結合アッセイを、次に概説するように行った。個々のペプチドをDMSO中に溶解し、1mMのストック溶液を調製した。二量体ペプチドを5mMの濃度でPBS内に含ませた。すべての反応チューブ(2回)は、500μLの結合用緩衝液内に50μLのEBPビーズ、0.5nM[125I]EPO及び0〜500μMのペプチドを含んでいた。
【0092】
すべてのペプチドアッセイチューブにおいて、DMSOの最終濃度を2.5%に調整した。この濃度のDMSOは検出に関して影響を及ぼさなかった。何故なら、DMSOに対するアッセイの鋭敏性の試験により、25%(V/V)までの濃度のDMSOは結合に悪影響を及ぼさないことが証明されたからである。大量の非標識EPO(1000nM)を含むチューブを混入させることにより、各々個々のアッセイにおいて非特異的結合を測定した。合計結合を測定するために、各々のアッセイにおいて、ペプチドを添加しない初期のアッセイ点を含ませた。結合混合物を、穏やかに揺すりながら、室温で一夜インキュベートした。次に、ミクロカラム[Micro−columns(Isolab,Inc.)]を用いてビーズを回収し、そして3mLの洗浄用緩衝液で洗浄した。洗浄ビーズを含むカラムを、12 x 75mmのガラスチューブ内に収容し、そしてガンマカウンター中で結合放射能濃度を測定した。結合[125I]EPOの量を結合対照(合計=100%)のパーセンテージとして表し、非特異性結合について補正した後に、ペプチド濃度に対してプロットした。
【0093】
IC50は、EBPビーズに対する[125I]EPOの結合を50%だけ低減させる分析物(analyte)の濃度として規定される。すべてのデータは、5μMのIC50を示すペプチド(SEQ ID NO:8)に対して報告されている。
【0094】
競合的結合アッセイにより、同一のアッセイで、精製二量体について5μMのIC50が示され、すなわち、ペプチド(SEQ ID NO:8)よりも4倍大きい値が示された(図5及び表II)。トリス−HClで処理されて不活性化されたポリマーは、単独で、検出可能な競合的結合シグナルを示したが、このシグナルは、PEG−ペプチド(SEQ ID NO:8)二量体のIC50で控えめ〈10%)であった。
【0095】
【表2】

【実施例11】
【0096】
EPO依存性細胞増殖アッセイ
この実施例は、ヒト及びネズミの細胞系内のEPOレセプターに対するPEG−EPOペプチド二量体の改善された活性(potency)を示す。ネズミのEPOレセプターを発現するEPO依存性系である細胞系EDC−P1/ERを成長させて、既述したように保持した(Carroll et al.1991)。さらに、官能基切除(C−末端のアミノ酸が欠乏している)ヒトEPOレセプターを発現する細胞系EDC−P1/trERを用いた。両方の細胞系はEPO依存性細胞増殖を示す。10%の熱不活性化胎児小牛血清及び10単位/mlの組換えヒトEPOを含むRPMI 1640媒体中に細胞を短時間保持した。細胞増殖アッセイのために、EDC−P1/ERまたはEDC−P1/trER細胞を定常期まで成長させ、遠心し、RPMI 1640媒体(EPOなし)で洗浄し、そしてEPOマイナス媒体中で24時間培養した。
【0097】
24時間後に、細胞をカウントし、800000細胞/mlに再懸濁させ、そして40000細胞/ウエルに分散させた。ペプチド二量体(PBS中5mM)及びペプチド(DMSO中10mM)のストック液を調製し、1 x 10−10M〜1 x 10−5Mの最終濃度まで3回希釈し、そして0.2mlの最終容量に調整した。0.1%(v/v、最大)以下の最終DMSO濃度は、細胞毒性または刺激効果をもたないことが分かった
。各々のアッセイ系について、標準EPO用量応答曲線をつくった。
【0098】
37℃で42時間インキュベーション(約2倍の細胞増加)した後に、1μCi/ウエルの[H]チミジンを添加し、そしてインキュベーションを6時間継続したが、このときに、細胞を捕獲して細胞をカウントし、細胞増殖の目安として[H]チミジン挿入を測定した。結果は、組換えEPOを用いて得られる最大活性の1/2を得るのに必要なペプチドまたは二量体ペプチドの量として表した。
【0099】
図5及び表IIに示されるように、PEG−ペプチド(SEQ ID NO:8)二量体の最初のロットは、ネズミまたはヒトのEPOレセプターを含むEPO応答性細胞系中で、0.01μm及び0.0015μmのED50値をそれぞれ示した。双方の細胞系において、親ペプチドであるペプチド(SEQ ID NO:8)は0.1μMのED50値を示したが、このことは、ネズミの応答性レセプター系で10倍そしてヒトのレセプター含有細胞で約60倍の活性増大を示す。従って、二量体は、ペプチドそれ自体よりもネズミ及びヒト系中で一層活性であることが明らかである。このことは、PEG−ペプチド(SEQ ID NO:8)二量体の第2の合成ロットを作出して、ネズミ及びヒト系中でそれぞれ10倍及び45倍活性が増大したことによって確認された。トリス−HClで処理されて不活性化したポリマーは、単独では、細胞増殖アッセイにおいて活性を示さなかった。
【0100】
さらに、第2のEPO疑似ペプチドである、配列GGTYSCHFGPLTWVCKPQをもつペプチド(SEQ ID NO:13)を、ペプチド(SEQ ID NO:8)について上述したと同様のPEG二量化プロトコールに付した。PEG−ペプチド(SEQ ID NO:13)の二量体生成物も、また、非結合親化合物よりも一層活性であった(表II)。これらの二量体ペプチドの双方は0.002μM近くの最終ED50値を有する。このより控えめな増大にも拘わらず、実験証拠は、これらペプチドとPEGとの二量化により、改善された活性が得られることを明瞭に示す。
【実施例12】
【0101】
PEGに対する本発明のペプチドの結合能力をさらに試験するために、内部リジン基のみを含むペプチド分子を用い、N−末端がアセチル化されたペプチド(SEQ ID NO:8)類似体、ペプチド(SEQ ID NO:20)、並びに反応性N−末端アミンのみを有する配列類似体ペプチド(SEQ ID NO:14)類似体を、PEGで二量化した。これらの化合物のインビトロでの増殖データは、遊離のアミノ末端を介する可能な二量化が生物活性に最も強い影響を与え、単量体の親ペプチド(SEQ ID NO:14)二量体よりも約80倍も活性な種が得られることを、示唆する。モノ−PEGまたはジ−PEG結合のように、リジン側鎖を介する結合はペプチド(SEQ ID NO:20)の活性に真の影響を及ぼさなかった(表III)。このデータは、PEGリンカーを用いる、頭部対頭部(head to head)の二量体(双方のペプチドがN−末端を介して結合する)の創製がEPOペプチドの活性を大きく増大させ、遊離の親ペプチドよりもおよそ2対数(log)大きいレベルまで近づくことを、示唆している。さらに、ペプチド(SEQ ID NO:8)への線状PEGの単なる共有結合では、この効果が観察されなかったが、このことは、二量化がこの増大した活性の臨界的な決定因子であることを示唆する。
【0102】
【表3】

【実施例13】
【0103】
赤血球増加性・過低酸素症(Exhypoxic)マウスのバイオアッセイ
この研究は、ペプチド(SEQ ID NO:8)/PEG−二量体がインビボで生物活性を保持する能力を証明する。Cotes and Bangham(1961),Nature 191:1065−1067に記載された方法を改変したところの赤血球増加マウスのバイオアッセイによって、ペプチドのインビボでの活性を分析した。BDF1マウスを7〜10日間周囲条件に順応させた。すべての動物について体重を測定した。低体重の動物(15グラム未満)は使用しなかった。マウスを低圧室に移し、0.40%±0.02気圧で18時間、次に周囲圧で6時間からなる24時間のコンディショニング・サイクルに、合計14日間、付した。この14日間の後に、投与前に、マウスを72時間、周囲圧下に置いた。試験試料または組換えヒトエリスロポエチン(rHuEPO)標準品を、リン酸塩緩衝塩水(PBS)−0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)からなるアッセイ用賦形剤で希釈した。ペプチド試料のストック溶液(ペプチド二量体を除く)を最初にジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した。対照群は、賦形剤のみからなる1つの群と最終濃度1%の(DMSO)からなる1つの群を含んでいた。各投与群は10匹のマウスを含んでいた。マウスの首筋に0.5mlの適宜の試料を皮下注射した。試料を注射してから48時間後に、マウスに0.2mlの[59Fe](18.0ミリキュリー/ミリグラム、Du pont、NEN)を、0.75ミクロキュリー/マウスで、腹腔内注射した。
【0104】
59Fe]を注射してから24時間後にマウスの体重を測定し、そして[59Fe]の注射後48時間後にマウスを殺した。心臓穿刺によって各動物から血液を採取し、ヘマトクリットを測定した(ヘパリンを抗凝固剤として用いた)。Packardガンマ・カ
ウンターを用いて、各血液試料(0.5ml)について[59Fe]取込みを分析した。非応答性マウス(すなわち、ネガティブ対照群よりも少ない放射能取込みを示すマウス)をデータセットから除いた。さらに、53%未満のヘマトクリット値をもつマウスも除いた。
【0105】
このアッセイは、外因的に投与した化合物が新たな赤血球合成を誘導する能力または言い換えればEPOもしくはEPO疑似体として機能する能力を試験した。各実験投与につき、10匹の動物のセットから結果を得た。図8及び表IVに示されるように、データは、モル等量に基づき、ペプチド(SEQ ID NO:8)/PEG−二量体がペプチド(SEQ ID NO:8)単量体よりも約10倍活性であることを示唆する。これらの結果は、ネズミのEPO−R含有細胞で10倍の増大した活性値がみられたインビトロでの結果と一致する。
【0106】
【表4】

【実施例14】
【0107】
本実施例は、臨界的なチロシンペプチド(SEQ ID NO:18)、(SCHFGPLTWVCK)を欠く、ペプチド(SEQ ID NO:8)の不活性切除類似体を、ヒトのEPOレセプター細胞系上でのPEG二量化によって、アゴニストに変換できることを示す。この実験において、10−5M濃度の親ペプチドがバックグラウンド以上の活性をもたなかったのに対して、二量体ペプチドはバックグラウンドの約2倍のcpmの増殖レベルを示した。図9に示されるように、ペプチド(角)のみではEPO応答性細胞の増殖を誘発できないが、PEG二量化(菱形)によって有意のアゴニスト効果が観察された。10−5M加えたペプチド二量体では、非刺激(non−stimulated)細胞に約2倍のcpmが取り込まれた。折り曲げられたエラーバー(┴、┬)は、ペプチドまたはペプチド二量体の各濃度についての3つのアッセイ点の標準偏差を示す。
【0108】
過低酸素症赤血球増加性マウスのバイオアッセイ
過低酸素症マウスのバイオアッセイによって、PEG二量体及び単量体親ペプチド RWJ 61718を比較した(表1)。このペプチドについては、二量化によってインビトロでの活性が80倍増加した。単量体ペプチドに対する二量体の活性についてのネズミの研究(インビボ)は、二量化によってRWJ 61718の活性が250倍増加した。ネズミのレセプター含有細胞中でのこの二量体ペプチドの細胞増殖研究は、単量体に対して16倍の増加を示したが、このことは、インビボでの250倍の増加が、例えば、ペプチド配列のPEG二量化によって生じた、改変した代謝或いは長くなった循環半減期などの他のファクターに起因することを示唆する。従って、二量化のみの効果以外に、PEG
改変は、インビボでの活性に影響を及ぼしそして個々のペプチド配列に特異的であることができる効果を与える。
【0109】
細胞型(cell associated)EPOレセプターに対する競合的結合アッセイ
細胞型ヒトEPOレセプターへの結合に関して、選択された単量体ペプチド及びこれらの同種の二量体生成物が放射標識EPOと競合する能力についての競合的結合アッセイを行った。エリスロポエチンレセプターへの競合的結合分析を、次のように行った。TF−1細胞を、RPMI 1640、10% 胎児子牛血清、1% L−グルタミン、1% ペニシリン、0.1% ストレプトマイシン及び1 ng/mlのGM−CSF 中に保持した。[125]−EPOをNEN Research Products社から得た。細胞を、遠心し、そして結合用緩衝液(RPMI 1640、5% BSA、25 mM Hepes、pH 7.5、0.02% ナトリウムアジド)で1回洗浄し、結合用緩衝液に再懸濁し、そして生存能力の目安としてトリパンルー(trypan lue)を用いてカウントした。各反応液は、200μlの最終容量中に、約5 x 10細胞、[125]− EPO(0.5nM)を含んでいたが、競合体(competitor)またはペプチドまたは二量体調製物を含んでいなかった。結合用反応液(2回)を4℃で一夜インキュベートした。結合後に、冷蔵遠心器中で、4℃で1分間12000rpmでチューブを遠心した。上澄液を除去し、細胞ペレットを100μlの結合用緩衝液に再懸濁し、細胞懸濁液を、0.7mlの子牛血清上に層状に置いた。4℃で5分間12000rpmでチューブを遠心し、上澄液を除去し、チューブの底を切り取り、そして、細胞ペレットを、Micromedic ME Plus ガンマカウンターでカウントを測定した。細胞を、[125]−EPO及び100倍過剰の非放射性EPOと共にインキュベートして、非特異的結合を測定した。これらのデータは、ペプチド RWJ 61233、RWJ 61596及びRWJ 61718が、見かけ結合競合的アフィニティーをそれぞれ3.0倍、3.2倍及び80倍の増加を示した(表2)。これらのペプチド及びそれらの二量体誘導体を用いたインビボでの増殖研究は、活性がそれぞれ約50倍、10倍及び80倍増加したことを示すが、このことは、3つの種のうちの2つについては、増加した結合アフィニティーの大きさがペプチドの官能活性よりも勝ることを示唆する。それ故、二量化の効果及びその後の活性増大は、結合事象によってレセプターの横方向拡散が限定されて、レセプター刺激の効率が改善されることによるのであろう。従って、ペプチド二量化の結果として、幾つかのペプチド二量体配列については、疑似リガンド−レセプター結合によってエンタルピーが増すというよりはむしろエントロピーが増すのであろう。
【0110】
レセプター結合についてのPEG二量体ペプチドの競合能力に対してペプチド二量化がネガティブに影響するところのEBP−ビーズ EPO 競合的結合アッセイとは異なり、細胞型レセプターの競合能力は二量化によって増大する。このことは、固定化EBP単量体が同様に二量化することができないのに対して、細胞型レセプターの二量化能力に起因するのであろう。
【0111】
さらに、ペプチド RWJ 61177の不活性から活性への変換が研究された。改良され且つ拡大された研究が行われた。これにより、活性ペプチドへの変換についての我々の先の観察が確認された(図7、パネルD)。
【0112】
【表5】

【0113】
【表6】

【0114】
以下に本発明の主な特徴および態様を列挙する。
1. EPOレセプターに結合する10〜約40個のアミノ酸鎖長の2つの単量体ペプチドを含んでなり、各々の単量体ペプチドは、アミノ酸配列
GPXTWX(SEQ ID NO:1)
式中、Xは遺伝的にコードされた20個のL−アミノ酸のいずれかから選択され;XはCであり;XはR、H、LまたはWであり;XはM、FまたはIであり;XはD、E、I、LまたはVであり;そしてXはCである、ペプチド二量体。
2. 各々の該単量体ペプチドが、アミノ酸配列
YXGPXTWX(SEQ ID NO:2)
式中、X及びXの各々が独立して遺伝的にコードされた20個のL−アミノ酸のいずれかから選択され;XがCであり;XがR、H、LまたはWであり;XがM、FまたはIであり;XがD、E、I、LまたはVであり;そしてXがCである、
を含んでなる1項記載のペプチド二量体。
3. 各々の該単量体ペプチドが、アミノ酸配列
YXGPXTWX1011
(SEQ ID NO:3)
式中、X、X、X、X、X10及びX11の各々が独立して遺伝的にコードされた20個のL−アミノ酸のいずれかから選択され;XがCであり;XはR、H、LまたはWであり;XがM、FまたはIであり;XがD、E、I、LまたはVであり;そしてXがCである、
を含んでなる2項記載のペプチド二量体。
4. XがRまたはHであり;XがFまたはMであり;XがI、L、T、MまたはVであり;XがDまたはVであり;XがG、K、L、Q、R、SまたはTであり;そしてX10がA、G、P、RまたはVである、
3項記載のペプチド二量体。
5. XがD、E、L、N、S、TまたはVであり;XがA、H、K、L、M、SまたはTであり;XがRまたはHであり;XがK、R、SまたはTであり;X10がPである、
4項記載のペプチド二量体。
6. 該単量体ペプチドが
GGLYLCRFGPVTWDCGYKGG (SEQ ID NO:7);
GGTYSCHFGPLTWVCKPQGG (SEQ ID NO:8);
GGDYHCRMGPLTWVCKPLGG (SEQ ID NO:9);
VGNYMCHFGPITWVCRPGGG (SEQ ID NO:10);
GGVYACRMGPITWVCSPLGG (SEQ ID NO:11);
VGNYMAHMGPITWVCRPGG (SEQ ID NO:12);
GGTYSCHFGPLTWVCKPQ (SEQ ID NO:13);
GGLYACHMGPMTWVCQPLRG (SEQ ID NO:14);
TIAQYICYMGPETWECRPSPKA(SEQ ID NO:15);
YSCHFGPLTWVCK (SEQ ID NO:16);
YCHFGPLTWVC (SEQ ID NO:17);及び
SCHFGPLTWVCK (SEQ ID NO:18)
である、1項記載のペプチド二量体。
7. 1〜6項のいずれかに記載のペプチド二量体の少なくとも1つを含んでなる製薬学的組成物。
8. 1〜6項のいずれかに記載のペプチド二量体の少なくとも1つの治療学的有効量を患者に投与することを含んでなる、欠乏したEPOまたは少ないか欠乏した赤血球集団により特徴づけられる疾患を有する患者を処置する方法。
9. 該二量体が共有結合を介してポリエチレングリコール・リンカーにより形成されたものである、1〜6項のいずれかに記載のペプチド二量体。
10. 該単量体ペプチド単位が、活性化ベノジアゼピン、オキシアザロン、アザラクトン、アミニミドまたはジケトピペラジン上で二量化されている、1〜6項のいずれかに記載のペプチド二量体。
11. 該単量体ペプチドが、N−末端対N−末端で共有結合されている、9項記載のペプチド二量体。
12. 該単量体ペプチドが、N−末端対N−末端で共有結合されている、10項記載のペプチド二量体。
13. 該単量体ペプチドが、N−末端対C−末端で共有結合されている、9項記載のペプチド二量体。
14. 該単量体ペプチドが、N−末端対C−末端で共有結合されている、10項記載のペプチド二量体。
15. 細胞表面レセプターの単量体アゴニストを二量化し、そして形成された二量体を該細胞表面レセプターと接触させることにより改良された生物活性を得ることを含んでなる、細胞表面レセプターの生物活性の改良方法。
16. 細胞表面レセプターの単量体アゴニストを二量化し、そして形成された二量体を該レセプターと接触させることにより生物活性を誘導することを含んでなる、細胞表面レセプターの生物活性を誘導するための細胞表面レセプターの活性化方法。
17. インビトロまたはインビボで該細胞表面レセプターを該二量体と接触させる15項または16項に記載の方法。
18. 該細胞表面レセプターがEPO−Rである15項または16項に記載の方法。
19. 該細胞表面アゴニストが、GHアゴニスト、PDGFアゴニスト、EGFアゴニスト、G−CSFアゴニスト、TPOアゴニスト、VEGFアゴニスト、FGFアゴニスト、インシュリンアゴニスト、IL−3アゴニスト、IL−5アゴニスト、IL−6アゴニスト、またはIL−2アゴニストである15項または16項に記載の方法。
20. 該アゴニストが、アミノ酸配列
YXGPXTWX(SEQ ID NO:2)
式中、X及びXの各々が独立して遺伝的にコードされた20個のL−アミノ酸のいずれかから選択され;XがCであり;XがR、H、LまたはWであり;XがM、FまたはIであり;XがD、E、I、LまたはVであり;そしてXがCである、
15項または16項に記載の方法。
21. 該アゴニストが、アミノ酸配列
YXGPXTWX1011
(SEQ ID NO:3)
式中、X、X、X、X、X10及びX11の各々が独立して遺伝的にコードされた20個のL−アミノ酸のいずれかから選択され;XがCであり;XはR、H、LまたはWであり;XがM、FまたはIであり;XがD、E、I、LまたはVであり;そしてXがCである、
15項または16項に記載の方法。
22. 該アゴニストが、アミノ酸配列
YXGPXTWX1011
(SEQ ID NO:3)
式中、X、X及びX11の各々が独立して遺伝的にコードされた20個のL−アミノ酸のいずれかから選択され;XがCであり;XがRまたはHであり;XがFまたはMであり;XがI、L、T、MまたはVであり;XがDまたはVであり;そしてXがG、K、L、Q、R、SまたはTであり;X10がA、G、P、RまたはYである、15項または16項に記載の方法。
23. 該アゴニストが、アミノ酸配列
YXGPXTWX1011
(SEQ ID NO:3)
式中、XがD、E、L、N、S、TまたはVであり;XがA、H、K、L、M、SまたはTであり;XがCであり;XがRまたはHであり;XがM、FまたはIであり;X及びX11が独立して遺伝的にコードされた20個のL−アミノ酸のいずれかから選択され;XがD、E、I、LまたはVであり;XがCであり;そしてXがK、R、SまたはTであり;X10がPである、
15項または16項に記載の方法。
24. 該アゴニストが
GGLYLCRFGPVTWDCGYKGG (SEQ ID NO:7);
GGTYSCHFGPLTWVCKPQGG (SEQ ID NO:8);
GGDYHCRMGPLTWVCKPLGG (SEQ ID NO:9);
VGNYMCHFGPITWVCRPGGG (SEQ ID NO:10);
GGVYACRMGPITWVCSPLGG (SEQ ID NO:11);
VGNYMAHMGPITWVCRPGG (SEQ ID NO:12);
GGTYSCHFGPLTWVCKPQ (SEQ ID NO:13);
GGLYACHMGPMTWVCQPLRG (SEQ ID NO:14);
TIAQYICYMGPETWECRPSPKA(SEQ ID NO:15);
YSCHFGPLTWVCK (SEQ ID NO:16);及び
YCHFGPLTWVC (SEQ ID NO:17)
よりなる群から選択される、15項または16項に記載の方法。
25. 該ペプチド二量体が共有結合を介してポリエチレングリコールリンカーにより形成されたものである15項または16項に記載の方法。
26. 細胞表面アンタゴニストの二量化を含んでなる細胞表面レセプターのアゴニストの調製方法。
27. 該細胞表面アンタゴニストが、GHアンタゴニスト、PDGFアンタゴニスト、EGFアンタゴニスト、G−CSFアンタゴニスト、EGFアンタゴニスト、GM−CSFアンタゴニスト、TPOアンタゴニスト、VEGFアンタゴニスト、FGFアンタゴニスト、インシュリンアンタゴニスト、IL−3アンタゴニスト、IL−5アンタゴニスト、IL−6アンタゴニスト、またはIL−2アンタゴニストである26項に記載の方法。28. 該細胞表面レセプターのアンタゴニストが、EPO−Rアンタゴニストである26項記載の方法。
29. 該アンタゴニストが、アミノ酸配列
(AXGPXTWX
(SEQ ID NO:19)
式中、Xが遺伝的にコードされた20個のL−アミノ酸のいずれかから選択され;XがCであり;XがR、H、LまたはWであり;XがM、FまたはIであり;XがD、E、I、LまたはVであり;XがCであり;Xが遺伝的にコードされた20個のL−アミノ酸のいずれかから選択され;nが0または1であり;そしてAがY(チロシン)を除く、遺伝的にコードされた20個のL−アミノ酸のいずれかから選択される、
28項記載の方法。
30. 該アンタゴニストがSCHFGPLTWVCK(SEQ ID NO:18)である21項記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】保持時間37分での二量化EPOペプチド、GGTYSCHFGPLTWVCKPQGG(SEQ ID NO: 8)の主要ピークを示す。
【図2】二量化EPOペプチド(SEQ ID NO: 8)の精製後の、保持時間48分での主要ピークを示す。
【図3】ペプチド(SEQ ID NO: 8)、GGTYSCHFGPLTWVCKPQ(SEQ ID NO: 13)及びSCHFGPLTWVCK(SEQ ID NO: 18)を含む二量化ペプチドのMALDI-TOF質量スペクトル分析を示す。
【図4】EPOアゴニストペプチドの存在下または不存在下でのEPO結合タンパク質(EBP)のDPDPB架橋のSDS-PAGE分析を示す。
【図5】平衡EPO結合対固定化EPO結合タンパク質を示す。パネルAは平衡結合データを示し、そしてパネルB(挿入部)はパネルAのデータを線形変換(スキャッチャード)したものである。
【図6】EBPビーズに対しての[125I]EPOとの競合的結合についての、EPOアゴニストペプチド(SEQ ID NO: 8)上で行った競合的結合測定の結果(パネルA);並びにヒト(パネルB)またはネズミ(パネルC)EPOレセプターのいずれかを含むFDC-P1由来の細胞系におけるEPO応答性細胞増殖研究の結果を示す。
【図7】ペプチド RWJ 61177の不活性から活性への変換を確認した結果を示す。
【図8】過低酸素症(exhypoxic)マウスのバイオアッセイ;EPOによる新生赤血球内への[59Fe]の取り込みの刺激の結果[ペプチド(SEQ ID NO: 8)(パネルA)及びペプチド(SEQ ID NO: 8)二量体(パネルB)]を示すグラフである。
【図9】ヒトのEPOレセプターを含むFDC-P1由来細胞系での、EPO応答性細胞増殖研究におけるペプチド(SEQ ID NO: 18)のPEG二量化の効果を示す。
【図10】典型的な本発明の単量体ペプチドの配列を示す。
【図11】典型的な本発明の単量体ペプチドの配列を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
EPO−Rを二量化しそして活性化するインビトロの方法であって、該EPO−Rを該EPO−Rと結合する10〜40のアミノ酸長の2つの単量体ペプチドを含んでなるペプチド二量体と接触させることを含んでなり、各単量体ペプチドが配列番号1(XGPXTWX)のアミノ酸配列を含んでなり、ここで、
a.Xは、C、Aまたはα-アミノ-γ-ブロモ酪酸、またはホモシステイン(Hoc)であり;
b.Xは、R、H、LまたはWであり;
c.Xは、M、FまたはIであり;
d.Xは、遺伝的にコードされた20個のL-アミノ酸または立体異性D-アミノ酸のいずれか1つから独立して選択され;
e.Xは、D、E、I、LまたはVであり;
f.Xは、C、Aまたはα-アミノ-γ-ブロモ酪酸、またはHocであるが、但し、XまたはXのいずれかはCまたはHocであり;そして、
g.いずれかのトリプトファン残基が任意にナフチルアラニン残基で置換されており;
そしてここで該ペプチド二量体が該EPO−Rに結合しそして活性化する、上記方法。
【請求項2】
該単量体ペプチドの各々が、配列番号2(YXGPXTWX)のアミノ酸配列を含んでなり、ここで、
a.X、X、X、XおよびXは、請求項1で定義したとおりであり;そして、b.X及びXは、各々独立して遺伝的にコードされた20個のL-アミノ酸のいずれか1つから選択され、但し、XまたはXのいずれかはCまたはHocである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
該単量体ペプチドの各々が、配列番号3(XYXGPXTWX1011)のアミノ酸配列を含んでなり、ここで、
a.X、XおよびXは、請求項1で定義したとおりであり;
b.X、X、XおよびXは、請求項2で定義したとおりであり;
c.X、X、X10及びX11の各々は、独立して遺伝的にコードされた20個のL−アミノ酸のいずれか1つであり;そして、
d.いずれかのトリプトファン残基が任意にナフチルアラニン残基で置換されている;
請求項2記載の方法。
【請求項4】
はRまたはHであり;XはFまたはMであり;XはI、L、T、MまたはVであり;XはDまたはVであり;XはG、K、L、Q、R、SまたはTであり;そしてX10はA、G、P、RまたはYである;請求項3記載の方法。
【請求項5】
はD、E、L、N、S、TまたはVであり;XはA、H、K、L、M、S及びTであり;XはK、R、SまたはTであり;そしてX10はPである、請求項4記載の方法。
【請求項6】
該単量体ペプチドの各々が、配列番号7から17のいずれかのアミノ酸配列を含んでなり、いずれかのトリプトファン残基が任意にナフチルアラニン残基で置換されている、請求項1記載の方法。
【請求項7】
とXの両方がCである、請求項1から5のいずれかの方法。
【請求項8】
該二量体が、共有結合を介するポリエチレングリコールリンカーによって形成される、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
該ペプチド二量体中の該単量体ペプチドが、活性化されたベノジアゼピン、オキサゾロン、アザラクトン、アミニミドまたはジケトピペラジン上で二量化される、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
該ペプチド二量体中の該単量体ペプチドが、N-末端対C-末端共有結合している、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
該単量体ペプチドの各々が、配列番号19((AXGPXTWX)のアミノ酸配列を含んでなり、ここで、
a.Xは、遺伝的にコードされた20個のL-アミノ酸のいずれかから選択され;
b.Xは、Cであり;
c.Xは、R、H、LまたはWであり;
d.Xは、M、FまたはIであり;
e.Xは、D、E、I、LまたはVであり;
f.Xは、Cであり;
g.Xは、遺伝的にコードされた20個のL-アミノ酸のいずれかから選択され、
nは0または1であり、AはY(チロシン)を除く遺伝的にコードされた20個のL-アミノ酸のいずれかであり;そして、
h.いずれかのトリプトファン残基が任意にナフチルアラニン残基で置換されている;
請求項1記載の方法。
【請求項12】
該単量体ペプチドがSCHFGPLTWVCK(配列番号18)であり、いずれかのトリプトファン残基が任意にナフチルアラニン残基で置換されている、請求項1記載の方法。
【請求項13】
該単量体ペプチドの各々がEPO−Rアンタゴニストである、請求項1記載の方法。
【請求項14】
ペプチド二量体を含んでなるEPO−Rに結合しそして活性化するための医薬組成物であって、ここで該ペプチド二量体が該EPO−Rと結合する10〜40のアミノ酸長の2つの単量体ペプチドを含んでなり、各単量体ペプチドが配列番号1(XGPXTWX)のアミノ酸配列を含んでなり、ここで、
a.Xは、C、Aまたはα-アミノ-γ-ブロモ酪酸、またはホモシステイン(Hoc)であり;
b.Xは、R、H、LまたはWであり;
c.Xは、M、FまたはIであり;
d.Xは、遺伝的にコードされた20個のL-アミノ酸または立体異性D-アミノ酸のいずれか1つから独立して選択され;
e.Xは、D、E、I、LまたはVであり;
f.Xは、C、Aまたはα-アミノ-γ-ブロモ酪酸、またはHocであるが、但し、XまたはXのいずれかはCまたはHocであり;そして、
g.いずれかのトリプトファン残基が任意にナフチルアラニン残基で置換されている;
上記医薬組成物。
【請求項15】
該単量体ペプチドの各々が、配列番号2(YXGPXTWX)のアミノ酸配列を含んでなり、ここで、
a.X、X、X、XおよびXは、請求項14で定義したとおりであり;
b.X及びXは、各々独立して遺伝的にコードされた20個のL-アミノ酸のいずれか1つであり;そして、
c.いずれかのトリプトファン残基が任意にナフチルアラニン残基で置換されており;
但し、XまたはXのいずれかはCまたはHocである、請求項14記載の医薬組成物。
【請求項16】
該単量体ペプチドの各々が、配列番号3(XYXGPXTWX1011)のアミノ酸配列を含んでなり、ここで、
a.X、XおよびXは、請求項14で定義したとおりであり;
b.X、X、XおよびXは、請求項15で定義したとおりであり;そして、
c.X、X、X10及びX11の各々は、独立して遺伝的にコードされた20個のL−アミノ酸のいずれか1つであり;
d.いずれかのトリプトファン残基が任意にナフチルアラニン残基で置換されている、請求項15記載の医薬組成物。
【請求項17】
はRまたはHであり;XはFまたはMであり;XはI、L、T、MまたはVであり;XはDまたはVであり;XはG、K、L、Q、R、SまたはTであり;X10はA、G、P、RまたはYである、請求項16記載の医薬組成物。
【請求項18】
はD、E、L、N、S、TまたはVであり;XはA、H、K、L、M、S及びTであり;XはK、R、SまたはTであり;そしてX10はPである;請求項17記載の医薬組成物。
【請求項19】
該単量体ペプチドの各々が、配列番号7から17のいずれかのアミノ酸配列を含んでなる、請求項14記載の医薬組成物。
【請求項20】
とXの両方がCである、請求項14から18のいずれかの方法。
【請求項21】
該二量体が、共有結合を介するポリエチレングリコールリンカーによって形成される、請求項14から19のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項22】
該ペプチド二量体中の該単量体ペプチドが、活性化されたベノジアゼピン、オキサゾロン、アザラクトン、アミニミドまたはジケトピペラジン上で二量化される、請求項14から19のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項23】
該ペプチド二量体中の該単量体ペプチドが、N-末端対C-末端共有結合している、請求項14から19のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項24】
該単量体ペプチドの各々が、配列番号19((AXGPXTWX)のアミノ酸配列を含んでなり、ここで、
a.Xは、遺伝的にコードされた20個のL-アミノ酸のいずれかから選択され;
b.Xは、Cであり;
c.Xは、R、H、LまたはWであり;
d.Xは、M、FまたはIであり;
e.Xは、D、E、I、LまたはVであり;
f.Xは、Cであり;
g.Xは、遺伝的にコードされた20個のL-アミノ酸のいずれかから選択され、
nは0または1であり、AはY(チロシン)を除く遺伝的にコードされた20個のL-アミノ酸のいずれかであり;そして、
h.いずれかのトリプトファン残基が任意にナフチルアラニン残基で置換されている;
請求項14記載の医薬組成物。
【請求項25】
該単量体ペプチドがSCHFGPLTWVCK(配列番号18)であり、いずれかのト
リプトファン残基が任意にナフチルアラニン残基で置換されている、請求項14記載の医薬組成物。
【請求項26】
該単量体ペプチドの各々がEPO−Rアンタゴニストである、請求項14記載の医薬組成物。
【請求項27】
単量体ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号7から17から成る群から選択される、請求項6記載の方法。
【請求項28】
単量体ペプチドのアミノ酸配列が、配列番号8、13、14及び20から成る群から選択される、請求項27記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−97118(P2012−97118A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−20921(P2012−20921)
【出願日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【分割の表示】特願2007−2704(P2007−2704)の分割
【原出願日】平成8年6月6日(1996.6.6)
【出願人】(598093026)オーソ−マクニール・フアーマシユーチカル・インコーポレーテツド (25)
【Fターム(参考)】