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アゴメラチンのバッカル投与用の固形医薬組成物
説明

アゴメラチンのバッカル投与用の固形医薬組成物

【課題】全身作用を意図した、アゴメラチンを含む固形バッカル医薬組成物の提供。
【解決手段】アゴメラチン、又はその水和物、複合体、共結晶、結晶形、薬学的に許容しうる酸若しくは塩基との付加塩の1つ、並びに希釈剤、結合剤、流動剤、滑沢剤、コーティング剤、可塑剤、香味料、反対刺激剤及び甘味料から選択される1種以上の賦形剤を含む、全身作用を意図した固形バッカル医薬組成物活性であり、成分の徐放及び25%を超える絶対的バイオアベイラビリティの獲得を可能にすることを特徴とする組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッカル(頬側)経路によるアゴメラチンの投与用の新しい固形医薬品剤形に関する。
【背景技術】
【0002】
アゴメラチン、即ち、式(I):
【0003】
【化1】


で示されるN−[2−(7−メトキシ−1−ナフチル)エチル]アセトアミド、並びにその水和物、結晶形、複合体、共結晶、及び薬学的に許容しうる酸又は塩基との付加塩は、価値ある薬理学的特性を有する:これは、メラトニン作動系の受容体の選択的アゴニストであり、他方では、5−HT2C受容体のアンタゴニストである。これらの特性により、中枢神経系において、そして特に大鬱病、季節性情動障害、全般性不安障害、強迫性障害、双極性障害、睡眠障害、心血管病変、消化器系の病変、時差ぼけに起因する不眠症及び疲労、食欲障害及び肥満症の処置において活性がある。
【0004】
アゴメラチン、その結晶形、その複合体、その共結晶、薬学的に許容しうる酸又は塩基とのその付加塩、その製造法及び治療におけるその使用が、とりわけ特許出願EP0447285、WO2005/077887、WO2007/015003、WO2007/015002、WO2007/015004、WO2010/097052、WO2010/102554、CN101955440、WO2011/050742、CN102050756、WO2011/006387、WO2011/075943、CN101774937、CN101870662、CN102030673、WO2012/046253、WO2011/113362、WO2011/113363、CN102206864、CN102503886、及びCN102432490に報告されている。
【0005】
本明細書に後述の全てにおいて、「アゴメラチン」は、アゴメラチン、その水和物、その複合体、その共結晶、その結晶形及び薬学的に許容しうる酸又は塩基とのその付加塩を意味すると理解される。
【0006】
アゴメラチンは、特にII型結晶であってよい。
【0007】
アゴメラチンは、経口経路により、更に具体的には経腸経路によりコップ半分の水で飲み込む即放性錠剤の剤形で投与することができる。これらのアゴメラチン錠剤は、特に大鬱病、季節性情動障害、全般性不安障害、強迫性障害、双極性障害、睡眠障害、心血管病変、消化器系の病変、時差ぼけに起因する不眠症及び疲労、食欲障害及び肥満症、並びに概日リズムの調節解除に伴うあらゆる病変の処置において有用である。
【0008】
ヒトでの薬物動態試験により、経口経路によるアゴメラチンのバイオアベイラビリティは、非経口経路に比較して低く、かつ全く同一の個人についても、それぞれ個人ごとにも変動することが証明されている。
【0009】
よってアゴメラチンの低いバイオアベイラビリティ、並びに個人間及び個人内濃度の変動が、これらの欠点を克服できる新しい製剤の検索につながった。アゴメラチンと、共微粒子化(共噴霧)により乾燥された乳糖及びデンプンよりなり、かつSTARLAC(登録商標)の名称の下で市販されている顆粒とを含有する、特許出願EP1427724に記載されたアゴメラチンの固形口腔分散性医薬組成物は、そのために開発された。この医薬組成物により、口腔分散性の基準を満たす、口腔で、更に具体的には舌下腔で崩壊する非常に良好な性能を有する錠剤を得ることができる。この口腔分散性錠剤は、活性成分を口腔に、更に具体的には舌下腔に、3分未満で送達することを可能にする。唾液への活性成分の溶解、次いで口腔の粘膜、更に具体的には舌下粘膜を介しての吸収、及び血中への迅速な移行は、前全身性分解及び肝臓の初回通過効果を回避することを可能にする。したがって、大幅に低い変動性及び活性成分の血中への迅速な出現によって、バイオアベイラビリティは非常に明らかに改善する。
【0010】
しかし、この製剤は、使用される活性成分である、アゴメラチンに起因する欠点を有することが直ぐに明らかになったが、アゴメラチンは、口腔の粘膜に顕著な刺激感を引き起こすのである。
【0011】
舌下経路が具体的に標的とされるとき、この刺激性作用は、アゴメラチンの高い局所濃度のため悪化し、そしてこの結末は、患者の許容性が非常に低くなることである。この状況において、口腔分散性及び患者の許容性に対する要求を満たす、舌下錠型の製剤が開発され、そして特許出願WO2007/068829に報告された。有利な方策は、アゴメラチン、及び口腔分散性製剤が得られる賦形剤を含有する中心コア又は中心層、並びに場合により反対刺激剤を含有する口腔分散性コーティングからなる、固形医薬組成物を得ることであった。これらの口腔分散性錠剤は、3分未満の迅速崩壊を獲得することを可能にし、そして活性成分の刺激性を限定する優れた性能を示した。
【0012】
出願人は今や、バッカル口腔でのアゴメラチンの徐放が可能な医薬製剤を開発するという新しい方策を採っている。この新しい製剤の重要な点は、活性成分の放出の間中、刺激感を限定するため、及び患者が許容できる剤形を得るために充分に低い局所濃度を維持することである。
【0013】
したがって、全身作用を目的としたバッカル口腔への活性成分の送達(その効果は、経口経路により投与される錠剤のバイオアベイラビリティ並びに個人内及び個人間変動の問題を改善するために探索された)を支持しながらも、アゴメラチンによる刺激の問題を矯正することができる、新しい医薬製剤が開発された。驚くべきことにかつ全く予想外に、この新しい製剤は、経口(経腸)錠剤に比較した場合だけでなく、全身作用を目的として先行技術において開発された口腔分散性口腔粘膜製剤(活性成分が同じ用量であり、活性成分が同じ形態を持つ製剤)に比較しても、活性成分のバイオアベイラビリティを増大させた。「同じ形態」とは、ここで、及び本明細書で以降に使用されるたびに、この活性成分が、同じ結晶形を持つか、又は同じ水和物、複合体、塩若しくは共結晶形の下にあると理解され、そして活性成分の粒度が同じであると理解される。
【0014】
よって本発明は、口腔における活性成分の制御放出が可能になるため、味に関しての良好な許容性、及び先行技術で報告された口腔粘膜吸収される口腔分散性錠剤(活性成分が同じ用量であり、活性成分が同じ形態下にある製剤)に比較してより良好な絶対的バイオアベイラビリティが得られる、全身作用を意図した固形バッカル製剤に関する。
【0015】
本発明のバッカル製剤は、アゴメラチンを含有する、特にドロップ剤(lozenges)、舐めるトローチ剤(pastilles)、舐める錠剤、舌下錠、歯肉用錠剤、ホットメルト押出成形又は射出成形により得られる固体、あるいはまた口腔で溶解することを意図した医薬品含有球体に関する。
【0016】
本発明のバッカル製剤は、希釈剤、結合剤、流動剤、滑沢剤、コーティング剤、可塑剤、香味料、反対刺激剤及び甘味料を含有してもよい。
【0017】
本発明のバッカル製剤は、崩壊剤の非存在を特徴とするが、このため、高圧縮強度と相まって、崩壊はしないが、表面の成分の溶解によりゆっくり摩滅する錠剤を提供することができる。
【0018】
本発明の全身作用バッカル製剤は、30分未満の、そして更に好ましくは15分未満の活性成分放出時間を有する。活性成分放出時間は、例えば、3分と30分の間、そして更に好ましくは3分と15分の間であろう。
【0019】
舐めるドロップ剤及びトローチ剤は、舐めて、口内でゆっくり溶解又は崩壊することを意図した固形単位用量製剤である。舐めるドロップ剤は、型での成形により得られる硬い製剤である。これらは、通常香りをつけた甘い賦形剤中に活性成分を含有する。これらは、場合により反対刺激剤を含有してもよい。舐めるトローチ剤は、ガム又は天然若しくは合成ポリマーと甘味料とを含有する混合物を型で成形することにより得られる、軟らかく展性のある製剤である。これらは、場合により、香味料及び反対刺激剤を含有してもよい。
【0020】
本発明の舐めるドロップ剤及びトローチ剤は、例えば、アゴメラチン、アラビアゴム、単糖類若しくは二糖類(ブドウ糖又はショ糖など)、多糖類、イソマルト、マルトデキストリン又はポリオール類(マルチトールなど)を含む。
【0021】
舐める錠剤は、局所又は全身作用を発揮するために舐めることを意図した固形単位用量製剤である。これらは、直接圧縮によるか、又は圧縮後の造粒により得られる。
【0022】
本発明の医薬組成物は、例えば、直接圧縮製法により調製することができる舐める錠剤であろう。本発明のこの舐める錠剤は、アゴメラチン、希釈剤、及び場合により、結合剤、滑沢剤及び/又は流動剤及び/又は1種以上の甘味剤、着香剤又は反対刺激剤を含む。これは、口腔におけるゆっくりした摩滅を特徴とする。本発明に使用できる希釈剤は、直接圧縮に使用できるよう、そして圧壊に対する高い抵抗性及び舐める口腔製剤に許容できる官能特性を持つ医薬品剤形を提供するように選択される。使用される希釈剤は、好ましくはポリオール若しくは糖(単糖、オリゴ糖又は多糖)又は例えば、ブドウ糖、ショ糖、マンニトール、デキストレーツ(dextrates)又はデキストリンのような種々の化合物の組合せである。
【0023】
本発明に使用できる結合剤としては、セルロース化合物及びデンプン化合物、クロスポビドン及びマルトデキストリンに言及することができる。
【0024】
場合により使用される反対刺激剤は、刺激及び疼痛の感覚に関与する、バニロイド受容体又はASIC(酸感受性イオンチャネル)受容体に作用する化合物である。好ましくは、使用される反対刺激剤はクエン酸である。
【0025】
使用される他の賦形剤は、例えば、Handbook of Pharmaceutical Excipients(Rowe, Sheskey and Owen, Pharmaceutical Press)のような参考文献のカテゴリーの各々について通常記載される賦形剤である。
【0026】
本発明に使用できる滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセロール、ショ糖エステル及びフマル酸ステアリルナトリウム、更に好ましくは、ステアリン酸マグネシウム又はフマル酸ステアリルナトリウムに言及することができる。
【0027】
場合により本発明に想定される甘味料としては、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース及びサッカリンに言及することができる。
【0028】
場合により本発明に想定される香味料は、味の記述子(塩味、甘味、苦味、酸味、うま味)に関して効果があることを意図した任意の化合物を含むことができる。
【0029】
舌下錠及び歯肉用錠剤は、全身作用を目的とする、それぞれ舌の下及び頬歯肉溝への適用を意図した固形単位用量製剤である。これらは、その意図した使用に合致した形状を有する錠剤が得られるように、粉末又は顆粒の混合物の圧縮により製造される。
【0030】
舌下錠及び本発明の歯肉用錠剤は、舐める錠剤と同じ成分を含む。これらは、同様の放出プロフィールを有する。これらは、舐める錠剤とはその投与経路のみが異なる。舐める錠剤は、口腔粘膜経路による投与を意図しており、即ち、活性成分の吸収は、口腔の粘膜全体を介して生じるが、一方舌下錠は、具体的には舌下経路により、即ち、舌の下に適用され、そして歯肉用錠剤は、具体的には歯肉経路により、即ち、歯肉(歯ぐき)を介して適用される。
【0031】
ホットメルト押出成形又は射出成形により得られる固体は、舐める錠剤と同じ成分を使用して調製されるが、高温状態で流動性を持つ成分の混合物を提供するために、特別に熱可塑性ポリマーが添加される。固体の成形は、ダイスを通した押出と続くカレンダー加工及び冷却により、又は冷却鋳型への材料の射出により得られる。本発明に使用される熱可塑性ポリマーは、例えば、Polymer Handbook(Brandrup, Immergut and Grulke, Wiley-Interscience)のような参考文献に通常記載される化合物である。例えば、セルロース化合物、ポリオキシエチレン類、ポリビニルピロリドン類又はポリメタクリレート類に言及することができる。材料の流動性及び成形を容易にするために、場合により可塑化化合物を使用することができる。本発明に使用される可塑剤は、例えば、Handbook of Pharmaceutical Excipients(Rowe, Sheskey and Owen, Pharmaceutical Press)のような参考文献に通常記載される可塑剤である。例えば、セバシン酸ジブチル、トリアセチン、グリセロール、ソルビトール及びポリエチレングリコール類に言及することができる。
【0032】
本発明の全身作用を意図した固形バッカル製剤は、投与後、患者に対する優れた活性成分の許容性を示した。本発明により開発された製剤は、確かにアゴメラチンの穏やかな溶解を許し、ひいては徐放及び放出制御が可能になるため、特に刺激性の非常に大量の活性物質の導入を回避できる。
【0033】
出願人は更に、ヒトにおける薬物動態試験を行い、全く予想外にかつ驚くべきことに、本発明のバッカル投与用の固形医薬組成物に関して、先行技術において報告された口腔分散性錠剤(活性成分が同じ用量であり、活性成分が同じ形態を持つ製剤)と比較して、はるかに良好なバイオアベイラビリティであることを証明することができた。
【0034】
よって本発明の医薬組成物により、活性成分のバイオアベイラビリティを非常に有意に増大させることができ、そして結果として、患者に許容性の高い製剤を提供しながらも、個人内及び個人間変動を減少させることができた。
【0035】
よって本発明は、特に舌下又は口腔粘膜経路により投与される口腔分散性剤形に比較して活性成分のバイオアベイラビリティが増大した、全身作用を意図したアゴメラチンを含む固形バッカル医薬組成物に関する。特に、本発明の医薬組成物により、活性成分の絶対的バイオアベイラビリティが25%超、更に好ましくは30%超を達成できるが、これは、活性成分が同じ用量であり、活性成分が同じ形態を持つ製剤を比較するとき、先行技術の舌下又は口腔粘膜用の口腔分散性製剤と比較して1.5〜2倍近い増大に相当する。
【0036】
本発明の医薬組成物は、好ましくは組成物の総重量に対して、重量で0.01%〜20%、特に0.01%〜10%、そして更に好ましくは0.01%〜5%のアゴメラチンを含有することを特徴とする。
【0037】
本発明の医薬組成物は好ましくは、非常に良好な圧縮性能を有するが、一方製剤に摩滅性を与える希釈剤を含む。本発明の希釈剤としては、糖類及びポリオール類、更に好ましくはショ糖に言及することができる。
【0038】
有用な用量は、疾患の性質及び重症度、投与経路並びに患者の年齢及び体重により変化させることができる。用量は、1日に1回以上の投与で0.1mg〜25mgのアゴメラチン、そして好ましくは1日に1回以上の投与で0.1mg〜10mgのアゴメラチン、そして更に好ましくは1日に1回以上の投与で0.1mg〜5mgのアゴメラチンという幅がある。
【0039】
以下の実施例により本発明を例証するが、本発明を何ら限定するものではない。
【0040】
実施例1
製剤:500mgの重量を有する舐める錠剤
【0041】
【表1】

【0042】
舐める錠剤は、(予混合4工程により)成分を混合し、次に30kNの圧縮力で、1時間に30,000錠の速度で直接圧縮する。得られる錠剤は、50Nの硬度を有する。
【0043】
実施例2及び3は、同じ製法により得られる。
【0044】
実施例2
製剤:500mgの重量を有する舐める錠剤
【0045】
【表2】

【0046】
実施例3
製剤:500mgの重量を有する舐める錠剤
【0047】
【表3】

【0048】
実施例4
製剤:射出成形により得られる固体
【0049】
【表4】

【0050】
この固体は、成分を混合することにより調製する。次に混合物をArburg S250型射出成形機の供給ホッパーに注ぎ入れる。95℃から140℃まで徐々に調節される可塑化ユニットの5個の加熱帯により、混合物を140℃に加熱し、1500barで多数個取り金型中に射出する。
【0051】
実施例5
単回投与薬物動態試験は、健常男性ボランティア12名で実施した。3種の製剤、即ち、2種の口腔分散性錠剤及び1種の舐める錠剤を試験した。口腔分散性医薬品製剤は、口腔粘膜(舌の上)又は舌下に投与できるため、これら2つの投与方式も考慮及び評価した。したがって、ボランティア12名には以下のいずれかを投与した:
− 2mgのアゴメラチンを含有する中心コアを有する口腔分散性錠剤、舌下適用により投与(中心コアは、2mgのアゴメラチン、0.35mgのステアリン酸マグネシウム、67.65mgのStarlac(登録商標)を含有する;外層は、236.25mgのStarlac(登録商標)、2.5mgのアセスルファムカリウム、2.5mgのアスパルテーム、7.5mgのクエン酸及び1.25mgのステアリン酸マグネシウムを含有する);
− 2mgのアゴメラチンを含有する三層の口腔分散性錠剤、舌下適用により投与(中心コアは、2mgのアゴメラチン、0.35mgのステアリン酸マグネシウム、67.65mgのStarlac(登録商標)を含有する;それぞれ125mgの2つの外層は、238.75mgのStarlac(登録商標)、2.5mgのスクラロース、7.5mgのクエン酸及び1.25mgのステアリン酸マグネシウムを含有する);
− 2mgのアゴメラチンを含有する三層の口腔分散性錠剤、口腔粘膜適用により投与;
− 2mgのアゴメラチンを含有する本発明の舐める錠剤、バッカル口腔に投与(実施例1の錠剤)。
【0052】
血漿の試料は、処置の直前に、そして次に錠剤の投与の2分後から24時間後まで定期的に採って、以下の薬物動態パラメーターを測定した:Cmax(投与後観測された最大濃度)及びAUC(投与された活性成分の吸収−排出結果)。以下の結果を得た:
【0053】
【表5】

【0054】
得られた結果は、本発明により開発された製剤が、前記の口腔分散性製剤を使用して得られた薬物動態パラメーターを倍増させられることを示している。バイオアベイラビリティと直接相関しているAUCは、この新しい製剤が、口腔分散性錠剤に比較して、得られるバイオアベイラビリティを倍増させられることを示している。
【0055】
実施例6
第2の単回投与薬物動態試験は、健常男性ボランティア12名で実施した。4種の製剤、即ち、2種の口腔分散性錠剤及び2種の舐める錠剤を試験した。口腔分散性医薬品製剤は、舌下投与した。したがって、ボランティア12名には以下のいずれかを投与した:
− 0.5mgのアゴメラチンを含有する舐める錠剤、バッカル口腔に投与(実施例2の錠剤);
− 1mgのアゴメラチンを含有する舐める錠剤、バッカル口腔に投与(実施例3の錠剤);
− 0.5mgのアゴメラチンを含有する中心コアを有する口腔分散性錠剤、舌下適用により投与(中心コアは、0.5mgのアゴメラチン、0.35mgのステアリン酸マグネシウム、69.15mgのStarlac(登録商標)を含有する;外層は、236.25mgのStarlac(登録商標)、2.5mgのアセスルファムカリウム、2.5mgのアスパルテーム、7.5mgのクエン酸及び1.25mgのステアリン酸マグネシウムを含有する);
− 1mgのアゴメラチンを含有する中心コアを有する口腔分散性錠剤、舌下適用により投与(中心コアは、1mgのアゴメラチン、0.35mgのステアリン酸マグネシウム、68.65mgのStarlac(登録商標)を含有する;外層は、236.25mgのStarlac(登録商標)、2.5mgのアセスルファムカリウム、2.5mgのアスパルテーム、7.5mgのクエン酸及び1.25mgのステアリン酸マグネシウムを含有する)。
【0056】
血漿の試料は、処置の直前に、そして次に錠剤の投与の2分後から24時間後まで定期的に採って、以下の薬物動態パラメーターを測定した:Cmax(投与後観測された最大濃度)及びAUC(投与された活性成分の吸収−排出結果)。相対的バイオアベイラビリティ(AUC本発明の錠剤/AUC先行技術の口腔分散性錠剤)は、各個人について算出して、得られた結果を平均した。得られた全ての結果は、以下の表に提示した:
【0057】
【表6】

【0058】
得られた結果は、本発明により開発された製剤が、異なる用量(0.5及び1mgの活性成分)で、同じ用量の先行技術に報告された口腔分散性製剤(ここで、活性成分は同じ形態下にある)で得られた薬物動態パラメーターに比較して、有意にこれらを増大させることができることを示している。したがって、本発明の新しい製剤の相対的バイオアベイラビリティは、先行技術の口腔分散性製剤に比較して、1.5〜1.8倍の範囲で改善を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アゴメラチン、又はその水和物、複合体、共結晶、結晶形、薬学的に許容しうる酸若しくは塩基との付加塩の1つ、並びに希釈剤、結合剤、流動剤、滑沢剤、コーティング剤、可塑剤、香味料、反対刺激剤及び甘味料から選択される1種以上の賦形剤を含む、全身作用を意図した固形バッカル医薬組成物であって、活性成分の徐放及び25%を超える絶対的バイオアベイラビリティの獲得を可能にすることを特徴とする組成物。
【請求項2】
アゴメラチン、又はその水和物、複合体、共結晶、結晶形、薬学的に許容しうる酸若しくは塩基との付加塩の1つ、並びに希釈剤、結合剤、流動剤、滑沢剤、コーティング剤、可塑剤、香味料、反対刺激剤及び甘味料から選択される1種以上の賦形剤を含む、全身作用を意図した固形バッカル医薬組成物であって、活性成分の徐放、及び活性成分のアゴメラチンを同じ形態下でかつ同じ用量で含有する口腔粘膜吸収される口腔分散性錠剤について得られるバイオアベイラビリティより大きなバイオアベイラビリティの獲得を可能にすることを特徴とする組成物。
【請求項3】
非常に良好な圧縮性能を有しており、かつ摩滅性を与える、希釈剤を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
希釈剤が、ポリオール又は糖であることを特徴とする、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
アゴメラチン、又はその水和物、複合体、共結晶、結晶形、薬学的に許容しうる酸若しくは塩基との付加塩の1つ、並びに希釈剤、結合剤、流動剤、滑沢剤、コーティング剤、可塑剤、香味料、反対刺激剤及び甘味料から選択される1種以上の賦形剤を含む、全身作用を意図した固形バッカル医薬組成物であって、舐める錠剤であることを特徴とする組成物。
【請求項6】
舐める錠剤である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
アゴメラチン、又はその水和物、複合体、共結晶、結晶形、薬学的に許容しうる酸若しくは塩基との付加塩の1つ、並びに希釈剤、結合剤、流動剤、滑沢剤、コーティング剤、可塑剤、香味料、反対刺激剤及び甘味料から選択される1種以上の賦形剤を含む、全身作用を意図した固形バッカル医薬組成物であって、舐めるドロップ剤であることを特徴とする組成物。
【請求項8】
舐めるドロップ剤である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
アゴメラチン、又はその水和物、複合体、共結晶、結晶形、薬学的に許容しうる酸若しくは塩基との付加塩の1つ、並びに希釈剤、結合剤、流動剤、滑沢剤、コーティング剤、可塑剤、香味料、反対刺激剤及び甘味料から選択される1種以上の賦形剤を含む、全身作用を意図した固形バッカル医薬組成物であって、ホットメルト押出成形又は射出成形により得られる固体であることを特徴とする組成物。
【請求項10】
ホットメルト押出成形又は射出成形により得られる固体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
アゴメラチン、又はその水和物、複合体、共結晶、結晶形、薬学的に許容しうる酸若しくは塩基との付加塩の1つ、並びに希釈剤、結合剤、流動剤、滑沢剤、コーティング剤、可塑剤、香味料、反対刺激剤及び甘味料から選択される1種以上の賦形剤を含む、全身作用を意図した固形バッカル医薬組成物であって、舐めるトローチ剤であることを特徴とする組成物。
【請求項12】
舐めるトローチ剤である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
その製剤中に使用される活性成分が、II型結晶で得られることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
0.1〜25mgのアゴメラチンを含むことを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
0.1〜10mgのアゴメラチンを含むことを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
0.1〜5mgのアゴメラチンを含むことを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項17】
0.1〜3mgのアゴメラチンを含むことを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
30%を超える絶対的バイオアベイラビリティの獲得を可能にすることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項19】
同じ用量を有しており、かつ活性成分をまさに同じ形態下で含有する、口腔粘膜吸収される口腔分散性錠剤に比較した、舐める錠剤の相対的バイオアベイラビリティが、少なくとも1.5倍であることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項20】
大鬱病、季節性情動障害、全般性不安障害、強迫性障害、双極性障害、睡眠障害、心血管病変、消化器系の病変、時差ぼけに起因する不眠症及び疲労、食欲障害及び肥満症、並びに概日リズムの調節解除に伴うあらゆる病変の処置に使用するための、請求項1〜19のいずれか1項に記載の医薬組成物。

【公開番号】特開2013−40170(P2013−40170A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−177789(P2012−177789)
【出願日】平成24年8月10日(2012.8.10)
【出願人】(500287019)レ ラボラトワール セルヴィエ (166)
【Fターム(参考)】