説明

アシルオキシアルキルカルバメートプロドラッグ及びの中間体の合成

【課題】1−(アシルオキシ)−アルキルカルバメートの新規な合成方法などの提供。
【解決手段】1−(アシルオキシ)−アルキルカルバメートの合成方法、特に第1又は第2アミン−含有薬剤の1−(アシルオキシ)−アルキルカルボメートプロドラッグの合成が記載されている。1−(アシルオキシ)−アルキルカルバメートの合成において有用な中間体である1−(アシルオキシ)−アルキルN−ヒドロキシスクシンイミジルカーボネートの合成方法がまた記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.分野
1−(アシルオキシ)−アルキルカルバメートの合成方法が提供される。より特定には、第1又は第2アミン−含有薬剤の1−(アシルオキシ)−アルキルカルボメートプロドラッグの合成が記載されている。1−(アシルオキシ)−アルキルN−ヒドロキシスクシンイミジルカーボネートの合成方法がまた記載される。
【背景技術】
【0002】
2.背景
医薬開発における薬物供給及び/又は生物学的利用能問題に対する1つの解決法は、既知薬物をプロドラッグに転換することである。典型的には、プロドラッグにおいては、極性官能基(例えば、カルボン酸、アミノ基、ヒドロキシル基、等)は、生理学的条件下で不安定であるプロ成分により遮断される。従って、プロドラッグは通常、疎水性生物学的バリヤー、例えば膜を通して輸送され、そして典型的には、親薬剤よりも卓越した生理学的性質を有する。
【0003】
アシルオキシアルコキシカルボニル官能基は、医薬の生理化学性質を調節するために使用され得るプロ成分の例である(Alexander, アメリカ特許第4,916,230号;Alexander, アメリカ特許第5,733,907号;Alexanderなど、アメリカ特許第4,426,391号)。典型的には、医薬の1−(アシルオキシ)−アルキル誘導体は、卓越した生物学的利用能を有し、そして局部及び/又は胃粘膜に対してほとんど刺激性ではなく、そして通常、親薬剤に比較して、そのような膜を通過性である。
【0004】
しかしながら、1−(アシルオキシ)−アルキルカルボメート誘導体は時折、医薬におけるアミン基を遮断するために使用されて来たが、それらの所望する誘導体を調製するための存在する合成方法は、不適切である。アシルオキシアルキルカルバメートの成分について当業界において開示される方法は、典型的には、不安定な中間体及び/又は毒性化合物又は塩を使用する複数−段階路であり、そして従って、大規模で及び高い収率で実施するのには困難である(Alexander, アメリカ特許第4,760, 057号; Lund, アメリカ特許第5,401, 868号; Alexander, アメリカ特許第4,760, 057号; Saariなど., ヨーロッパ特許第0416689B1号 ; Mulvihill など., Tetrahedron Lett. 2001,7751-7754 ; Sun など.,Bioorg. Med. Claem. Lett. 2001,11, 1875-1879; Sun など., Bioorg. Med. Claem. Lett. 2001,11,3055-3059; Chen など.,国際出願番号WO 01/オ5813号;Mulvihill など., Synthesis 2002, 3, 365-370)。
【0005】
従って、大規模に実施でき、且つ容易に入手できる合成前駆体を通して進行する、急速且つ効果的に進行する1−(アシルオキシ)−アルキルカルバメートの新規合成のための連続した必要性がある。
【発明の概要】
【0006】
3.要約
第1の観点においては、下記式(I):
【化1】

で表される1−(アシルアオキシ)−アルキルN−ヒドロキシスクシンイミジルカーボネートの合成方法が提供され、ここで前記方法は、
(i)下記式(IV)の化合物と下記式(V)の化合物とを接触し、下記式(VI)の化合物を得;
(ii)下記式(VI)の化合物と下記式(VII )のカルボキシレート化合物とを接触し、下記式(VIII)のアシルオキシアルキルチオカーボネート化合物を得;そして
(iii)下記式(VIII)のチオカーボネート化合物と下記酸化剤(IX)とを、下記式(X)のN−ヒドロキシスクシンイミド化合物の存在下で接触し、下記式(I)の化合物を得ることを含んで成り:
【0007】
【化2】

【0008】
ここで、上記式中、Xは、Cl、Br又はIであり;
B1+は、アルカリ金属カチオン、四級アンモニウムカチオン、又は有機塩基の共役酸であり;
B2+は、四級アンモニウムカチオン、有機塩基の共役酸、アルカリ金属カチオン、又はアルカリ土類金属カチオンであり;
【0009】
R1は、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアルキル、置換されたヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル又は置換されたヘテロアリールアルキルであり;
【0010】
R2及びR3は独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシカルボニル、置換されたアルコキシカルボニル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、カルバモイル、置換されたカルバモイル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換されたヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル又は置換されたヘテロアリールアルキルであり、あるいは任意には、R2及びR3は、それらが結合している原子と一緒になって、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル又は置換されたシクロヘテロアルキル環を形成し;
【0011】
R4は、C1-4アルキル、フェニル、置換されたフェニル又はC7-9フェニルアルキルであり;そして
R5及びR6は独立して、水素、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、カルバモイルオキシ、ジアルキルアミノ、ヘテロアリール、ヒドロキシ、スルホンアミド、あるいは任意には、R5及びR6は、それらが結合している原子と一緒になって、置換されたシクロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル又は置換されたアリール環を形成する。
【0012】
第2の観点においては、
(i)下記式(IV)の化合物と下記式(V)の化合物とを接触し、下記式(VI)の化合物を得;
(ii)下記式(VI)の化合物と下記式(VII )のカルボキシレート化合物とを接触し、下記式(VIII)のアシルオキシアルキルチオカーボネート化合物を得;
(iii)下記式(VIII)のチオカーボネート化合物と下記酸化剤(IX)とを、下記式(X)のN−ヒドロキシスクシンイミド化合物の存在下で接触し、下記式(I)の化合物を得;そして
(iv)下記式(I)の化合物と、式(II)の第1又は第2アミン−含有薬剤とを接触し、式(III )の化合物、又は医薬的に許容できるその塩、水和物又は溶媒和物を得ることを含んで成る、式(III )の1−(アシルオキシ)−アルキルカルボメート化合物の合成方法が提供される:
【0013】
【化3】

【0014】
ここで、HNR7R8は、第1又は第2アミン−含有薬剤であり、そしてX、B1+、B2+、及びR1〜R6の個々は、上記に記載される通りである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
4.特定の記載
4.1定義
化合物”とは、本明細書に開示される構造式により包含される化合物を意味し、そしてそれらの構造が本明細書に開示されるそれらの式内のいずれかの特定の化合物を包含する。化合物は、それらの化学構造及び/又は化学名称のいずれかにより同定され得る。化学構造及び化学名称が矛盾する場合、化学構造が化合物の本体の決定因子である。本明細書に記載される化合物は、1又は複数のキラル中心及び/又は二重結合を含むことができ、そして従って、立体異性体、例えば二重結合異性体(すなわち、幾何学的異性体)、鏡像異性体又はジアステレオマーとして存在することができる。
【0016】
従って、本明細書に示される化学構造は、立体化学構造的に純粋な形(例えば、幾何学的に純粋な、鏡像異性体的に純粋な又はジアステレオマー的に純粋な)を包含する、例示される化合物のすべての可能性ある鏡像性異性体及び立体異性体、及び鏡像異性体及び立体異性他の混合物を包含する。鏡像異性体及び立体異性体の混合物は、当業者に良く知られている分離技法又はキラル合成技法を用いて、それらの成分の鏡像異性体に分解され得る。化合物はまた、いくつかの互変異形、例えばエノール形、ケト形及びそれらの混合物の形で存在することができる。
【0017】
従って、本明細書に示される化合物構造は、例示される化合物のすべての可能性ある互変異形を包含する。記載される化合物はまた、同位体的にラベルされた化合物を包含し、ここで1又は複数の原子が、自然において従来見出される原子質量とは異なる原子質量を有する。本明細書に開示される化合物中に組込まれ得る同位体の例は、2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、などを包含が、但しそれらだけには限定されない。
【0018】
化学物は、分解されていない形、及び分解された形、例えば水和化された形で及びN−酸化物として存在することができる。一般的に、化合物は、水和化され、溶媒和されるか、又はN−酸化物であり得る。ある化合物は、複数の結晶形又は非結晶形で存在することができる。一般的に、すべての物理学的形は、本明細書において企画される使用のために等しく、そして本発明の開示の範囲内であることが意図される。さらに、化合物の一部の構造が示される場合、括弧が分子の残りへのその一部の構造の結合の点を示すことが理解されるべきである。
【0019】
1−アシルオキシ−アルキルカルバメート”とは、本明細書における構造式(III )により包含されるような第1又は第2アミン−含有薬剤のN−1−アシルオキシ−アルコキシカルボニル誘導体を意味する。
【0020】
アルキル”とは、単独で又は他の置換の一部として、親アルカン、アルケン又はアルキンの単一炭素原子からの1つの水素原子の除去により誘導される、飽和又は不飽和の、枝分れ鎖、直鎖又は環状の一価炭化水素基を意味する。典型的なアルキル基は、次のものを包含するが、但し、それらだけには限定されない:メチル;エチル、例えばエタニル、エテニル、エチニル;プロピル、例えばプロパン−1−イル、プロパン−2−イル、シクロプロパン−1−イル、プロプ−1−エン−1−イル、プロプ−1−エン−2−イル、プロプ−2−エン−1−イル(アリル)、シクロプロプ−1−エン−1−イル;シクロプロプ−2−エン−1−イル、プロプ−1−イン−1−イル、プロプ−2−イン−1−イル、等;ブチル、例えばブタン−1−イル、ブタン−2−イル、2−メチル−プロパン−1−イル、2−メチル−プロパン−2−イル、シクロブタン−1−イル、ブト−1−エン−1−イル、ブト−1−エン−2−イル、2−メチル−プロプ−1−エン−1−イル、ブト−2−エン−1−イル、ブト−2−エン−2−イル、ブタ−1、3−ジエン−1−イル、ブタ−1,3−ジエン−2−イル、シクロブト−1−エン−1−イル、シクロブト−1−エン−3−イル、シクロブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブト−1−イン−1−イル、ブト−1−イン−3−イル、ブト−3−イン−1−イル、等;及び同様のもの。
【0021】
用語“アルキル”とは、特にいずれかの程度又はレベルの飽和を有する基、すなわち独占的に炭素−炭素単結合を有する基、1又は複数の炭素−炭素二重結合を有する基、1又は複数の炭素−炭素三重結合を有する基、及び炭素−炭素単、二重及び三重結合を有する基を包含することが意図される。特定レベルの飽和が意図される場合、表現“アルカニル”、“アルケニル”及び“アルキニル”が使用される。いくつかの態様においては、アルキル基は、1〜20個の炭素原子を含んで成る。他の態様においては、アルキル基は、1〜10個の炭素原子を含んで成る。さらに他の態様においては、アルキル基は1〜6個の炭素原子を含んで成る。
【0022】
アルカニル”とは、単独で又は他の置換基の一部として、親アルカンの単一の炭素原子からの1つの水素原子の除去により誘導される、飽和の枝分れ鎖、直鎖又は環状アルキル基を意味する。典型的なアルカニル基は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:メタニル;エタニル;プロパニル、例えばプロパン−1−イル、プロパン−2−イル(イソプロピル)、シクロプロパン−1−イル、等;ブタニル、例えばブタン−1−イル、ブタン−2−イル(sec−ブチル)、2−メチル−プロパン−1−イル(イソブチル)、2−メチル−プロパン−2−イル(t−ブチル)、シクロブタン−2−イル、等;及び同様のもの。
【0023】
アルケニル”とは、単独で又は他の置換基の一部として、親アルケンの単一炭素原子からの1つの水素原子の除去により誘導され得る少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する、不飽和の枝分れ鎖、直鎖又は環状アルキル基を意味する。基は、二重結合に関して、シス又はトランスのいずれかの配座で存在することができる。典型的なアルケニル基は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:エテニル;プロペニル、例えばプロプ−1−エン−1−イル、プロプ−1−エン−2−イル、プロプ−2−エン−1−イル(アリル)、プロプ−2−エン−2−イル、シクロプロプ−1−エン−1−イル;シクロプロプ−2−エン−1−イル;ブテニル、例えばブト−1−エン−1−イル、ブト−1−エン−2−イル、2−メチル−プロプ−1−エン−1−イル、ブト−2−エン−1−イル、ブト−2−エン−1−イル、ブト−2−エン−2−イル、ブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブタ−1,3−ジエン−2−イル、シクロブト−1−エン−1−イル、シクロブト−1−エン−3−イル、シクロブタ−1,3−ジエン−1−イル、等;及び同様のもの。
【0024】
アルキニル”とは、単独で又は他の置換基の一部として、親アルキンの単一の炭素原子からの1つの水素原子の除去により誘導される少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する、不飽和の枝分れ鎖、直鎖又は環状アルキル基を意味する。典型的なアルキニル基は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:エチニル;プロピニル、例えばプロプ−1−イン−1−イル、プロプ−2−イン−1−イル、等;ブチニル、例えばブト−1−イン−1−イル、ブト−1−イン−3−イル、ブト−3−イン−1−イル、等;及び同様のもの。
【0025】
アシル”とは、単独で又は他の置換基の一部として、基-C(O)R30を意味し、ここでR30は、本明細書において定義されるような、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリールアルキルである。代表的な例は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:ホルミル、アセチル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘキシルメチルカルボニル、ベンゾイル、ベンジルカルボニル及び同様のもの。
【0026】
アシルアミノ”とは、単独で又は他の置換基の一部として、基-NR31C(O)R32を意味し、ここでR31及びR32は独立して、本明細書において定義されるような、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリールアルキルである。代表的な例は、ホルムアミド、アセトアミド及びベンズアミドを包含するが、但しそれらだけには限定されない。
【0027】
アシルオキシ”とは、単独で又は他の置換基の一部として、基-OC(O)R33を意味し,ここでR33は、本明細書において定義されるような、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリールアルキルである。代表的な例は、アセトキシ、イソブチロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、フェニルアセトキシ及び同様のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない。
【0028】
アルカリ金属”とは、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム又はセシウムを意味する。
【0029】
アルカリ土類金属”とは、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム又はバリウムを意味する。
【0030】
アルコキシ”とは、単独で又は他の置換基の一部として、基-OR34(ここで、R34は、本明細書において定義されるようなアルキル又はシクロアルキル基を表わす)を意味する。代表的な例は、次のものを包含するが、但しそれらだけには言及されない:メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシ及び同様のもの。
【0031】
アルコキシカルボニル”とは、単独で又は他の置換基の一部として、基-C(O)OR35(ここで、R35は本明細書に定義されるようなアルキル又はシクロアルキル基を表わす)を意味する。代表的な例は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル及び同様のもの。
【0032】
アルコキシカルボニルアミノ”とは、単独で又は他の置換基の一部として、基-NR36C(O)OR37を意味し、ここでR36はアルキル又はシクロアルキル基を表わし、そしてR37はアルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルである。代表的な例は、メトキシカルボニルアミノ、tert−ブトキシカルボニルアミノ及びベンジルオキシカルボニルアミノを包含するが、但しそれらだけには限定されない。
【0033】
アルコキシカルボニルオキシ”とは、単独で又は他の置換基の一部として、基-OC(O)OR38(ここで、R38は本明細書に定義されるようなアルキル又はシクロアルキル基を表わす)を意味する。代表的な例は、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ及びシクロヘキシルオキシカルボニルオキシを包含するが、但しそれらだけには限定されない。
【0034】
アリール”とは、単独で又は他の置換基の一部として、親芳香族環系の単一の炭素原子からの1つの水素原子の除去により誘導される単価の芳香族炭化水素基を意味する。典型的なアリール基は次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナンチレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン、as−インダセン、s−インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ−2,4−ジエン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、プレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレン、トリナフタレン及び同様のものに由来する基。いくつかの態様においては、アリール基は6〜20個の炭素原子である。他の態様においては、アリール基は、6〜12個の炭素原子である。
【0035】
アリールアルキル”とは、単独で又は他の置換基の一部として、炭素原子、典型的には、末端又はsp3炭素原子に結合している水素原子の1つがアリール基により置換されているアクリルアルキル基を意味する。典型的なアリールアルキル基は次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:ベンジル、2−フェニルエタン−1−イル、2−フェニルエタン−1−イル、ナフチルメチル、2−ナフチルエタン−1−イル、ナフトベンジル、2−ナフトフェニルエタン−1−イル及び同様のもの。特定のアルキル成分が意図される場合、名称アリールアルカニル、アリールアルケニル及び/又はアリールアルキニルが使用される。
【0036】
いくつかの態様においては、アリールアルキル基は、(C6-C30)アリールアルキルであり、例えばアリールアルキル基のアルカニル、アルケニル又はアルキニル成分は(C1-C10)であり、そしてアリール成分は(C6-C20)である。他の態様においては、アリールアルキル基は、(C6-C20)アリールアルキルであり、例えばアリールアルキル基のアルカニル、アルケニル又はアルキニル成分は(C1-C8)であり、そしてアリール成分は(C6-C12)である。
【0037】
カルバモイル”とは、単独で又は他の置換基の一部として、基-C(O)NR39R40(ここで、R39及びR40は独立して、本明細書に定義されるような、水素、アルキル、シクロアルキル又はアリールである)を意味する。
【0038】
カルバモイルオキシ”とは、単独で、又は他の置換基の一部として、基-OC(O)NR41R42(ここで、R41及びR42は独立して、水素、アルキル、シクロアルキル又はアリールである)を意味する。
【0039】
有機塩基の共役酸”とは、第1、第2又は第3アミン又は複素芳香族窒素塩基の陽子化された形を意味する。代表的な例は、トリエチルアンモニウム、モルホリニウム及びピリジニウムを包含するが、但しそれらだけには限定されない。
【0040】
シクロアルキル”とは、単独で、又は他の置換基の一部として、飽和又は不飽和環状アルキル基を意味する。特定レベルの飽和が意図される場合、名称“シクロアルカニル”又は“シクロアルケニル”が使用される。典型的なシクロアルキル基は、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン及び同様のもの由来の基を包含するが、但しそれらだけには限定されない。いくつかの態様においては、シクロアルキル基は、(C3-C10)シクロアルキルである。他の態様においては、シクロアルキル基は(C3-C7)シクロアルキルである。
【0041】
シクロヘテロアルキル”とは、単独で、又は他の置換基の一部として、1又は複数の炭素原子(及びいずれかの関連する水素原子)が独立して同じか又は異なったヘテロ原子により置換されている、飽和又は不飽和の環状アルキル基を意味する。炭素原子を置換するための典型的なヘテロ原子は、N, P, O, S, Si、等を包含するが、但しそれらだけには限定されない。特定レベルの飽和が意図される場合、名称“シクロヘテロアルカニル”又は“シクロヘテロアルケニル”使用される。典型的なシクロヘテロアルキル基は、エポキシド、アジリン、チイラン、イミダゾリジン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ピラゾリジン、ピロリジン、キヌクリジン及び同様のものに由来する基を包含するが、但しそれらだけには限定されない。
【0042】
ジアルキルアミノ”とは、単独で又は他の置換基の一部として、基-NR43R44(ここで、R43及びR44は独立して、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールアルキル、ヘテロアルキル又はヘテロアリールアルキルであり、又は任意には、R43及びR44は、それらが結合される窒素と一緒に、シクロヘテロアルキル環を形成する)を意味する。
【0043】
GABA類似体”とは、特に断らない限り、次の構造:
【化4】

【0044】
〔上記式中、R10及びR13は、独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル又は置換されたヘテロアリールアルキルから成る群から選択され;
【0045】
R11及びR12は、独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アシル、置換されたアシル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル及び置換されたヘテロアリールアルキルから成る群から選択され、あるいは任意には、R11及びR12は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル又は置換されたシクロヘテロアルキル環を形成する。
【0046】
ヘテロアルキル、ヘテロアルカニル、ヘテロアルケニル及びヘテロアルキニル”とは、単独で又は他の置換基の一部として、それぞれアルキル、アルカニル、アルケニル及びアルキニル基を意味し、ここで1又は複数の炭素原子(及びいずれかの関連する水素原子)は独立して、同じか又は異なったヘテロ原子基により置換される。それらの基に含まれ得る典型的なヘテロ原子基は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:-O-、-S-、-O-O-、-S-S-、-O-S-、-NR45R46、=N-N=、-N=N-、-N=N-NR47R48、‐PR49-、-P(0)2-、-POR50-、-O-P(0)2-、-SO-、-SO2-、-SnR5lR52-及び同様のもの、ここでR45、 R46、 R47、 R48、 R49、 R50、 R51 及びR52は独立して、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアルキル、置換されたヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル又は置換されたヘテロアリールアルキルである。
【0047】
ヘテロアリール”とは、単独で又は他の置換基の一部として、親複素芳香族環系の単一の原子からの1つの水素原子の除去により誘導される単価の複素芳香族基を意味する。典型的なヘテロアリール基は次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:アクリジン、アルシンドール、カルバゾール、β−カルボリン、クロマン、クロメン、シンノリン、フラン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、イソベンゾフラン、イソクロメン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、ペリミジン; フェナントリジン、フェナントロリン、フェナジン、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアゾール、キサンテン及び同様のものに由来する基。
【0048】
好ましくは、ヘテロアリール基は、5〜20員のヘテロアリール、より好ましくは5〜10員のヘテロアリールである。好ましくは、ヘテロアリール基は、チオフェン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ピリジン、キノリン、イミダゾール、オキサゾール及びピラジンに由来するそれらである。
【0049】
ヘテロアリールアルキル”とは、単独で又は他の置換基の一部として、アクリルアルキル基を意味し、ここで炭素原子、典型的には末端又はsp3炭素原子に結合している水素原子の1つが、ヘテロアリール基により置換される。特定のアルキル成分が意図される場合、名称へテロアリールアルカニル、ヘテロアリールアルケニル及び/又はヘテロアルキニルが使用される。いくつかの態様においては、ヘテロアリルアルキル基は、6〜30員のヘテロアリールアルキルであり、例えばヘテロアリールアルキルのアルカニル、アルケニル又はアルキニル成分は1〜10員であり、そしてヘテロアリール成分は5〜20員のヘテロアリールである。他の態様においては、ヘテロアリールアルキル基は6〜20員のヘテロアリールアルキルであり、例えばヘテロアリールアルキルのアルカニル、アルケニル又はアルキニル成分は1〜8員であり、そしてヘテロアリール成分は5〜12員のヘテロアリールである。
【0050】
親芳香族環系”とは、単独で又は他の置換基の一部として、共役π電子系を有する不飽和の環状又は多環式の環系を意味する。1又は複数の環が芳香族であり、そして1又は複数の環が飽和又は不飽和である融合された環系、例えばフルオレン、インダン、インデン、フェナレン、等が、“親芳香族環系”の定義内に特に包含される。典型的な親芳香族環系は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:アセアナフチレン、アセナフチレン、アセフェナンチレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランセン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン、as-インダセン、s-インダセン、インダン、インデン、ナフタリン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ-2、4-ジエン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレン、トリナフタリン及び同様のもの。
【0051】
親複素芳香族環系”とは、単独で、又は他の置換基の一部として、1又は複数の炭素原子(及びいずれかの関連する水素原子)が独立して同じか又は異なったヘテロ原子により置換されている、親複素芳香族環系を意味する。炭素原子を置換するための典型的なヘテロ原子は、N, P, O, S, Si、等を包含するが、但しそれらだけには限定されない。1又は複数の環が芳香族であり、そして1又は複数の環が飽和又は不飽和である融合された環系、例えばアルシンドール、ベンゾジオキサン、ベンゾフラン、クロマン、クロメン、インドール、インドリン、キサンテン、等が、“親芳香族環系”の定義内に特に包含される。
【0052】
典型的な親複素芳香族環系は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:アルシンドール、カルバゾール、パラーカルボリン、クロマン、クロメン、シンノリン、フラン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、イソベンゾフラン、イソクロメン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、ペリミジン; フェナントリジン、フェナントロリン、フェナジン、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、キノリジン類、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアゾール、キサンテン及び同様のもの。
【0053】
プロドラッグ”とは、活性薬剤を開放するために身体内での転換を必要とする薬物分子の誘導体を意味する。プロドラッグは時折、必ずそも必要ではないが、親薬剤に転換されるまで、薬理学的に不活性である。ヒドロキシル含有薬剤は、ヒドロキシル化合物を供給するために、インビボで加水分解され得る、スルホネート、エステル又はカーボネートプロドラッグに転換され得る。アミノ含有薬剤は、例えばアミノ化合物を供給するために、インビボで加水分解され得る、カルバメート、アミド、エナミン、イミン、N−ホスホニル、N−ホスホリル又はN−スルフェニルプロドラッグに転換され得る。カルボン酸薬剤は、カルボン酸化合物を供給するために、インビボで加水分解され得る、エステル(例えば、シリルエステル及びチオエステル)、アミド又はヒドラジドプロドラッグに転換され得る。上記に列挙されるそれらの基とは異なる官能基を有する薬剤のためのプロドラッグは、当業者に良く知られている。
【0054】
プロ成分”とは、薬剤分子内の官能基を遮断するために使用される場合、薬剤をプロドラッグに転換する保護基の形を意味する。典型的には、プロ成分は、インビボで酵素又は非酵素手段により分解される結合を通して薬剤に結合されるであろう。
【0055】
保護基”とは、分子マスクにおける反応性官能基に結合される場合、官能基の反応性を低めるか又は妨げる原子の群を意味する。保護基の例は、Green など.,"Protective Groups in Organic Chemistry", (Wiley,2 ed. 1991)及びHarrison など.,"Compendium of
Synthetic Organic Methods", Vols. 1-8 (John Wiley and Sons, 1971-1996)に見出され得る。
【0056】
代表的なアミノ保護基は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル(“CBZ”)、tert−ブトキシカルボニル(“Boc”)、トリメチルシリル、(“TMS”)、2−トリメチルシリル−エタンスルホニル(“SES”)、トリチル及び置換されたトリチル基、アリルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(“FMOC”)、ニトロ−ベラトリルオキシカルボニル(“NVOC”)及び同様のもの。代表的なヒドロキシ保護基は、ヒドロキシ基がアシル化されているか又はアルキル化されているそれらの基、例えばベンジル、及びトリエチルエーテル、並びにアルキルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、トリアルキルシリルエーテル及びアリルエーテルを包含するが、但しそれらだけには限定されない。
【0057】
実質的に1つのジアステレオマー”とは、化合物のジアステレオマー過剰率(d.e.)が少なくとも90%、好ましくは95%以上、より好ましくは98%以上、及び最も好ましくは99%以上であるよう、2又はそれ以上の立体構造形成中心を含む化合物を意味する。
【0058】
置換された”とは、1又は複数の水素原子が独立して、同じか又は異なった置換基により置換される基を意味する。いくつかの態様においては、置換基は、次のものを包含する:-M、-R60、-O-、=O、-OR60、-SR60、-S-、=S、-NR60R6l、=NR60、-CF3、-CN、-OCN、-SCN、-NO、-NO2、 =N2、-N3、-S(O)2O-、-S(O)2OH、-S(O)2R60、-OS(O2)O-、-OS(O)2R60、 -P(O)(O-)2、 -P(O)(OR60)(O-)、 -OP(O)(OR60)(OR61)、 -C(O)R60、 -C(S)R60、 -C(O)OR60、 -C(O)NR60R61、 -C(O)O-、 -C(S)OR60、 -NR62C(O)NR60R61、 -NR62C(S)NR60R61、 -NR62C(NR63)NR60R61及び -C(NR62)NR60R61;、ここでMは独立して、ハロゲンであり;R60, R61, R62及びR63は独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール又は置換されたヘテロアリールであるか、
【0059】
あるいは任意には、R60及びR61は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、シクロヘテロアルキル又は置換されたシクロヘテロアルキル環を形成し;そしてR64及びR65は独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール又は置換されたアリールであるか、又は任意には、R64及びR65は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、シクロヘテロアルキル又は置換されたシクロヘテロアルキル環を形成する。
【0060】
他の態様においては、置換基は次のものを包含する:-M、-R60、 =O、 -OR60、 -SR60、 -S-、 =S、 -NR60R61、 =NR60、 -CF3、 -CN、 -OCN、 -SCN、 -NO、 -NO2、 =N2、 -N3、 -S(O)2R60、 -OS(O2)O-、 -OS(O)2R60、 -P(O)(O-)2、 -P(O)(OR60)(O-)、 -OP(O)(OR60)(OR61)、-C(O)R60、 -C(S)R60、 -C(O)OR60、 -C(O)NR60R61、 -C(O)O-、 -NR62C(O)NR60R61。さらに他の態様においては、置換基は次のものを包含する:-M、 -R60、 =O、 -OR60、 -SR60、 -NR60R61、 -CF3、 -CN、 -NO2、 -S(O)2R60、 -P(O)(OR60)(O-)、 -OP(O)(OR60)(OR61)、 -C(O)R60、 -C(O)OR60、 -C(O)NR60R61、 -C(O)O-。さらに他の態様においては、置換基は次のものを包含する:-M、 -R60、 =O、 -OR60、 -SR60、 -NR60R61、 -CF3、 -CN、 -NO2、 -S(O)2R60、 -OP(O)(OR60)(OR61)、 -C(O)R60、 -C(O)OR60、 -C(O)O-、ここでR60, R61 及び R62 は上記に定義される通りである。
【0061】
スルホンアミド”とは、単独で又は他の置換基の一部として、基-NR53S(O)2R54を意味し、ここでR53はアルキル、置換されたアルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリールアルキルであり、そしてR54は水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリールアルキルである。代表的な例は、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド及びp−トルエンスルホンアミドを包含するが、但しそれらだけには限定されない。
ここで、本発明の態様を詳細に言及する。本発明は、それらの態様に関して記載されているが、それらの態様により本発明を制限するものではないことは理解されるであろう。対照的に、本発明の範囲内で変更、修飾及び同等のことを行うことができる。
【0062】
4.2.1−(アシルオキシ)−アルキルN−ヒドロキシスクシンイミジルカーボネートの合成方法
第1の観点においては、下記式(I):
【化5】

【0063】
で表される1−(アシルアオキシ)−アルキルN−ヒドロキシスクシンイミジルカーボネートの合成方法が提供され、ここで前記方法は、
(i)下記式(IV)の化合物と下記式(V)の化合物とを接触し、下記式(VI)の化合物を得;
(ii)下記式(VI)の化合物と下記式(VII )のカルボキシレート化合物とを接触し、下記式(VIII)のアシルオキシアルキルチオカーボネート化合物を得;そして
(iii)下記式(VIII)のチオカーボネート化合物と下記酸化剤(IX)とを、下記式(X)のN−ヒドロキシスクシンイミド化合物の存在下で接触し、下記式(I)の化合物を得ることを含んで成り:
【0064】
【化6】

【0065】
ここで、上記式中、Xは、Cl、Br又はIであり;
B1+は、アルカリ金属カチオン、四級アンモニウムカチオン、又は有機塩基の共役酸であり;
B2+は、四級アンモニウムカチオン、有機塩基の共役酸、アルカリ金属カチオン、又はアルカリ土類金属カチオンであり;
R1は、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアルキル、置換されたヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル又は置換されたヘテロアリールアルキルであり;
【0066】
R2及びR3は独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシカルボニル、置換されたアルコキシカルボニル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、カルバモイル、置換されたカルバモイル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換されたヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル又は置換されたヘテロアリールアルキルであり、あるいは任意には、R2及びR3は、それらが結合している原子と一緒になって、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル又は置換されたシクロヘテロアルキル環を形成し;
【0067】
R4は、C1-4アルキル、フェニル、置換されたフェニル又はC7-9フェニルアルキルであり;そして
R5及びR6は独立して、水素、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、カルバモイルオキシ、ジアルキルアミノ、ヘテロアリール、ヒドロキシ、スルホンアミド、あるいは任意には、R5及びR6は、それらが結合している原子と一緒になって、置換されたシクロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル又は置換されたアリール環を形成する。
いくつかの態様においては、XはClである。
【0068】
いくつかの他の態様においては、R1は、C1-6アルキル、置換されたC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル、置換されたフェニル及びC7-9フェニルアルキルから成る群から選択される。他の態様においては、R1は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,1−ジメトキシエチル、1,1−ジエトキシエチル、フェニル、4−メトキシフェニル、ベンジル、フェネチル、スチリル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルである。さらに他の態様においては、R1は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,1−ジエトキシエチル、フェニル又はシクロヘキシルである。
【0069】
さらに他の態様においては、R2及びR3は、水素、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシカルボニル、置換されたアルコキシカルボニル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、カルバモイル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロアルコキシカルボニル、置換されたシクロアルコキシカルボニル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル及び置換されたヘテロアリールアルキルから成る群から独立して選択される。
【0070】
さらに他の態様においては、R2及びR3は独立して、水素、C1-4アルキル、置換されたC1-4アルキル、C1-4アルコキシカルボニル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルコキシカルボニル、フェニル、置換されたフェニル及びC7-9フェニルアルキルから成る群から選択される。
さらに他の態様においては、R2及びR3は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、フェニル、ベンジル及びフェネチルから成る群から独立して選択される。
【0071】
さらにもう1つの態様においては、R2は、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、フェニル又はシクロヘキシルであり、そしてR3は水素である。
さらに他の態様においては、R2は、メチル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル又はシクロヘキシルオキシカルボニルであり、そしてR3はメチルである。
【0072】
さらに他の態様においては、R2及びR3は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル又は置換されたシクロヘテロアルキル環を形成する。
さらに他の態様においては、R2及びR3は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル環を形成する。
【0073】
さらに他の態様においては、R4は、C1-4アルキル、フェニル、置換されたフェニル、又はC7-9フェニルアルキルである。さらに他の態様においては、R4は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、フェニル、4−メトキシフェニル、4−メチルフェニル又はベンジルである。
【0074】
さらに他の態様においては、R5及びR6は独立して、水素、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルコキシ、置換されたアルコキシ、カルバモイルオキシ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、スルホンアミドであるか、あるいは任意には、R5及びR6は、それらが結合している原子と一緒になって、置換されるシクロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル又は置換されたアリール環を形成する。
さらに他の態様においては、R5及びR6は両者と共に水素である。
【0075】
さらに他の態様においては、R5及びR6は、それぞれアシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アルコキシ、カルバモイルオキシ又はヒドロキシである。
さらに他の態様においては、R5及びR6は、それぞれアセトキシ、イソブチロイルオキシ、ピバロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、C1-4アルキル−置換されたベンゾイルオキシ、メトキシ又はベンジルオキシである。
さらに他の態様においては、R5及びR6は両者とも、ベンゾイルオキシである。
さらに他の態様においては、R5はアシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルコキシ、置換されたアルコキシ、カルバモイルオキシ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ又はスルホンアミドであり、そしてR6は水素である。
さらに他の態様においては、R5及びR6は、それらが結合している原子と一緒になって、1,2−二置換されたシクロヘキシル又は1,2−二置換されたフェニル環を形成する。
【0076】
さらに他の態様においては、R1は、C1-6アルキル、置換されたC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル、置換されたフェニル及びC7-9フェニルアルキルから成る群から選択され、R2及びR3は、水素、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシカルボニル、置換されたアルコキシカルボニル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、カルバモイル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロアルコキシカルボニル、置換されたシクロアルコキシカルボニル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル及び置換されたヘテロアリールアルキルから成る群から独立して選択され、R4は、C1-4アルキル、フェニル、置換されたフェニル、又はC7-9フェニルアルキルであり、そしてR5及びR6は独立して、水素、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルコキシ、置換されたアルコキシ、カルバモイルオキシ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ、スルホンアミドであるか、又は任意には、R5及びR6は、それらが結合している原子と一緒になって、置換されるシクロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル又は置換されたアリール環を形成する。
【0077】
さらに他の態様においては、R1は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,1−ジメトキシエチル、1,1−ジエトキシエチル、フェニル、4−メトキシフェニル、ベンジル、フェネチル、スチリル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルであり、R2は、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、フェニル又はシクロヘキシルであり、そしてR3は水素であり、R4は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、フェニル、4−メトキシフェニル、4−メチルフェニル又はベンジルであり、そしてR5及びR6はそれぞれ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アルコキシ、カルバモイルオキシ又はヒドロキシである。
【0078】
さらに他の態様においては、R1は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,1−ジメトキシエチル、1,1−ジエトキシエチル、フェニル、4−メトキシフェニル、ベンジル、フェネチル、スチリル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルであり、R2は、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、フェニル又はシクロヘキシルであり、そしてR3は水素であり、R4は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、フェニル、4−メトキシフェニル、4−メチルフェニル又はベンジルであり、そして、及びR5及びR6は両者とも、水素、アセトキシ、イソブチロイルオキシ、ピバロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、C1-4アルキル−置換されたベンゾイルオキシ、メトキシ又はベンジルオキシである。
【0079】
さらに他の態様においては、R1は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,1−ジメトキシエチル、1,1−ジエトキシエチル、フェニル、4−メトキシフェニル、ベンジル、フェネチル、スチリル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルであり、R2は、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、フェニル又はシクロヘキシルであり、そしてR3は水素であり、R4は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、フェニル、4−メトキシフェニル、4−メチルフェニル又はベンジルであり、R5はアシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルコキシ、置換されたアルコキシ、カルバモイルオキシ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシ又はスルホンアミドであり、そしてR6は水素である。
【0080】
さらに他の態様においては、R1は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,1−ジメトキシエチル、1,1−ジエトキシエチル、フェニル、4−メトキシフェニル、ベンジル、フェネチル、スチリル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルであり、R2は、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、フェニル又はシクロヘキシルであり、そしてR3は水素であり、R4は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、フェニル、4−メトキシフェニル、4−メチルフェニル又はベンジルであり、そしてR5及びR6は、それらが結合している原子と一緒になって、1,2−二置換されたシクロヘキシル又は1,2−二置換されたフェニル環を形成する。
【0081】
いくつかの態様においては、R1はイソプロピルであり、R2はメチルであり、R3は水素であり、R4はメチル、エチル又はtert−ブチルであり、そしてR5及びR6はそれぞれ水素である。
他の態様においては、R1はイソプロピルであり、R2はイソプロピルであり、R3は水素であり、R4はメチル、エチル又はtert−ブチルであり、そしてR5及びR6はそれぞれベンゾイルオキシである。
さらに他の態様においては、R1はイソプロピルであり、R2はイソプロピルであり、R3は水素であり、R4はメチル、エチル又はtert−ブチルであり、そしてR5及びR6はそれぞれイソブチロイルオキシである。
【0082】
さらに他の態様においては、R1はイソプロピルであり、R2はイソプロピルであり、R3は水素であり、R4はメチル、エチル又はtert−ブチルであり、そしてR5及びR6はそれぞれピバロイルオキシである。
さらに他の態様においては、R1はイソプロピルであり、R2はイソプロピルであり、R3は水素であり、R4はメチル、エチル又はtert−ブチルであり、そしてR5及びR6はそれぞれC1-4アルキル−置換されたベンゾイルオキシである。
【0083】
いくつかの態様においては、式(I)の化合物におけるR2及びR3は異なり、その結果、R2及びR3が結合している炭素原子は立体構造形成中心である。他の態様においては、式(X)の化合物は、キラル及び非ラセミ性である。
【0084】
いくつかの態様においては、式(X)の化合物におけるR5及びR6はそれぞれ、ベンゾイルオキシであり、R5は結合している炭素での立体化学構造はR−配置であり、そしてR6は結合している炭素での立体化学構造はR−配置である。他の態様においては、式(X)の化合物におけるR5及びR6はそれぞれ、ベンゾイルオキシであり、R5は結合している炭素での立体化学構造はS−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造はS−配置である。
【0085】
いくつかの態様においては、式(X)の化合物におけるR5及びR6はそれぞれ、イソブチロイルオキシであり、R5は結合している炭素での立体化学構造はR−配置であり、そしてR6は結合している炭素での立体化学構造はR−配置である。他の態様においては、式(X)の化合物におけるR5及びR6はそれぞれ、イソブチロイルオキシであり、R5は結合している炭素での立体化学構造はS−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造はS−配置である。
【0086】
いくつかの態様においては、式(X)の化合物におけるR5及びR6はそれぞれ、ピバロイルオキシであり、R5は結合している炭素での立体化学構造はR−配置であり、そしてR6は結合している炭素での立体化学構造はR−配置である。式(I)の化合物を合成するための方法の他の態様においては、式(X)の化合物におけるR5及びR6はそれぞれ、ピバロイルオキシであり、R5は結合している炭素での立体化学構造はS−配置であり、そしてR6は結合している炭素での立体化学構造はS−配置である。
【0087】
いくつかの態様においては、式(X)の化合物におけるR5及びR6はそれぞれ、C1-4アルキル−置換されたベンゾイルオキシであり、R5は結合している炭素での立体化学構造はR−配置であり、そしてR6は結合している炭素での立体化学構造はR−配置である。他の態様においては、式(X)の化合物におけるR5及びR6はそれぞれ、C1-4アルキル−置換されたベンゾイルオキシであり、R5は結合している炭素での立体化学構造はS−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造はS−配置である。
【0088】
いくつかの態様においては、式(I)の化合物におけるR2及びR3は異なり、そして前記化合物は実質的に1つのジアステレオマーを含んで成る。
【0089】
いくつかの態様においては、式(I)の化合物は実質的に1つのジアステレオマーであり、ここでR1がイソプロピルであり、R2がイソプロピルであり、R3が水素であり、R4がメチル、エチル又はtert−ブチルであり、そしてR5及びR6がそれぞれベンゾイルオキシであり、R2及びR3が結合している炭素での立体化学構造はS−配置であり、R5が結合している炭素での立体化学構造はR−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造はR−配置である。
【0090】
他の態様においては、式(I)の化合物は実質的に1つのジアステレオマーであり、ここでR1がイソプロピルであり、R2がイソプロピルであり、R3が水素であり、R4がメチル、エチル又はtert−ブチルであり、そしてR5及びR6がそれぞれベンゾイルオキシであり、R2及びR3が結合している炭素での立体化学構造はR−配置であり、R5が結合している炭素での立体化学構造はS−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造はS−配置である。
【0091】
いくつかの態様においては、式(I)の化合物は実質的に1つのジアステレオマーであり、ここでR1がイソプロピルであり、R2がイソプロピルであり、R3が水素であり、R4がメチル、エチル又はtert−ブチルであり、そしてR5及びR6がそれぞれイソブチロイルオキシであり、R2及びR3が結合している炭素での立体化学構造はS−配置であり、R5が結合している炭素での立体化学構造はS−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造はS−配置である。
【0092】
他の態様においては、式(I)の化合物は実質的に1つのジアステレオマーであり、ここでR1がイソプロピルであり、R2がイソプロピルであり、R3が水素であり、R4がメチル、エチル又はtert−ブチルであり、そしてR5及びR6がそれぞれイソブチロイルオキシであり、R2及びR3が結合している炭素での立体化学構造はR−配置であり、R5が結合している炭素での立体化学構造はR−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造はR−配置である。
【0093】
いくつかの態様においては、式(V)のB1+は、アルカリ金属カチオンである。他の態様においては、B1+は、リチウム、ナトリウム又はカリウムイオンである。さらに他の態様においては、B1+はナトリウムイオンである。
【0094】
いくつかの態様においては、B1+は四級アンモニウムカチオンである。他の態様においては、B1+はテトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム又はテトラブチルアンモニウム又はテトラブチルアンモニウムカチオンである。さらに他の態様においては、B1+は有機酸の共役酸である。
【0095】
さらに他の態様においては、B1+は、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルモルホリン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、ピリジン、2−メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン、又は1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ウンデク−7−エンの共役酸であり、より好ましくは、B1+は、トリエチルアンモニウム、ジイソプロピルエチルアンモニウム、N−メチルモルホリニウム又はピリジニウムカチオンである。
【0096】
いくつかの態様においては、溶媒は、上記方法の第1段階において使用される。段階(i)において有用な溶媒は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ピリジン、酢酸エチル、アセトニトリル、メチルtert−ブチルエーテル、水及びそれらの組合せ。
【0097】
いくつかの態様においては、溶媒は、ジクロロメタン、トルエン、テトラヒドロフラン、ピリジン、メチルtert−ブチルエーテル、水又はそれらの組合せである。
他の態様においては、溶媒は、ジクロロメタン、水又はそれらの組合せである。
さらに他の態様においては、溶媒は、ジクロロメタン、及び水の二相混合物である。
さらに他の態様においては、溶媒は、ジクロロメタン、及び約0.001当量〜約0.1当量のテトラアルキルアンモニウム塩相転移触媒を含む水の二相混合物である。
さらに他の態様においては、相転移触媒は、テトラアルキルアンモニウム塩、より好ましくはテトラブチルアンモニウム塩である。
【0098】
いくつかの態様においては、段階(i)は、約−20℃〜約25℃の温度で行われる。他の態様においては、段階(i)は、約0℃〜約25℃の温度で行われる。
【0099】
いくつかの態様においては、式(VII )のカルボキシレート塩におけるB2+は、四級アンモニウム塩である。他の態様においては、B2+は、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム又はテトラブチルアンモニウム塩である。
【0100】
いくつかの態様においては、B2+は有機塩基の共役酸である。他の態様においては、B2+はトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルモルホリン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、ピリジン、2−メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン、又は1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ウンデク−7−エンの共役酸である。さらに他の態様においては、B2+はトリエチルアンモニウム、ジイソプロピルエチルアンモニウム、N−メチルモルホリニウム又はピリジニウムカチオンである。
【0101】
いくつかの態様においては、B2+はアルカリ金属カチオンである。他の態様においては、B2+は、リチウム、ナトリウム又はカリウムイオンである。
【0102】
いくつかの態様においては、溶媒は、上記方法の段階(ii)に使用される。第2段階において有用な溶媒は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、トルエン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ピリジン、酢酸エチル、アセトニトリル、メチルtert−ブチルエーテル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、水及びそれらの組合せ。
【0103】
いくつかの態様においては、溶媒は、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、トルエン、ピリジン、メチルtert−ブチルエーテル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、水又はそれらの組合せである。他の態様においては、溶媒はテトラヒドロフランである。
さらに他の態様においては、上記方法の段階(ii)に使用される溶媒は、第(VII )の化合物の共役酸である。
【0104】
いくつかの態様においては、段階(ii)は、約−20℃〜約100℃の温度で行われる。他の態様においては、段階(ii)は、約0℃〜約25℃の温度で行われる。さらに他の態様においては、段階(ii)は、約25℃〜約80℃の温度で行われる。
【0105】
いくつかの態様においては、酸化剤(IX)はペルオキシ酸、過酸化物、オゾン又は酸素である。他の態様においては、酸化剤(IX)は、理論量又は触媒量の遷移金属化合物である。さらに他の態様においては、酸化剤(IX)は、ペルオキシ酸、過酸化物、オゾン又は酸素、及び触媒量の遷移金属化合物である。
【0106】
適切なペルオキシ酸は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:ペルオキシ酢酸、m-クロロペルオキシ安息香酸、ペルオキシトリフルオロ酢酸、ペルオキシジフルオロ酢酸、 ペルオキシフルオロ酢酸、 ペルオキシトリクロロ酢酸、 ペルオキシジトリクロロ酢酸、 ペルオキシクロロ酢酸、 ペルオキシトリブロモ酢酸、 ペルオキシジブロモ酢酸、 ペルオキシブロモ酢酸、 ペルオキシクロロジフルオロ酢酸、ペルオキシペンタフルオロプロピオン酸、 ペルオキシ安息香酸、p-フルオロペルオキシ安息香酸、 ペンタフルオロペルオキシ安息香酸、p-トリフルオロペルオキシ安息香酸、o-ニトロペルオキシ安息香酸、m-ニトロペルオキシ安息香酸、 p-ニトロペルオキシ安息香酸、3,5-ジニトロペルオキシ安息香酸、モノペルオキシ琥珀酸、 モノペルオキシマレイン酸、 モノペルオキシ-o-フタル酸、 ペルオキシトリフルオロメタンスルホン酸、ペルオキシメタンスルホン酸、p-トルエンペルオキシスルホン酸、 ペルオキシベンゼンスルホン酸、又はそれらの塩。
【0107】
いくつかの態様においては、ペルオキシ酸は、ペルオキシ酢酸、m-クロロペルオキシ安息香酸、 モノペルオキシ-o-フタル酸,、 モノペルオキシマレイン酸、 ペルオキシトリフルオロ酢酸 又はそれらの塩。
いくつかの態様においては、ペルオキシ酸は、ペルオキシ酢酸、m-クロロペルオキシ安息香酸、 モノペルオキシ-o-フタル酸、モノペルオキシマレイン酸、ペルオキシトリフルオロ酢酸又はそれらの塩である。
他の態様においては、ペルオキシ酸は、ペルオキシ酢酸、m−クロロペルオキシ安息香酸、モノペルオキシ−o−フタル酸、又はそれらの塩である。
【0108】
いくつかの態様においては、ペルオキシ酸は、ウレア−過酸化水素複合体と無水酸とを接触することにより合成される。他の態様においては、ペルオキシ酸は、ウレア−過酸化水素複合体と無水マレイン酸とを接触することにより合成される。
【0109】
いくつかの態様においては、酸化剤(IX):チオカーボネート(VIII)のモル比は、約10:1〜約1:1である。他の態様においては、酸化剤(IX):チオカーボネート(VIII)のモル比は、約3:1〜約1:1である。さらに他の態様においては、無水酸:ウレア−過酸化水素のモル比は、約6:1〜約1:1である。
【0110】
いくつかの態様においては、溶媒が、上記方法の第3段階において使用される。段階(iii)において有用な溶媒は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:酢酸、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、酢酸エチル、トルエン、クロロベンゼン、キシレン、アセトニトリル、メチルtert−ブチルエーテル、シクロヘキサン又はそれらの組合せ。いくつかの態様においては、溶媒は、酢酸、ジクロロメタン、ジクロロエタン又はそれらの組合せである。
【0111】
いくつかの態様においては、段階(iii)は、約−20℃〜約80℃の温度で行われる。他の態様においては、段階(iii)は、約−20℃〜約25℃の温度で行われる。さらに他の態様においては、段階(iii)は、約25℃〜約60℃の温度で行われる。
【0112】
段階(iii)のいくつかの態様においては、反応は、無機塩基の存在下で行われる。いくつかの態様においては、無機塩基は、アルカリ金属の炭酸水素塩又はアルカリ金属の炭酸塩である。他の態様においては、無機塩基は、炭酸水素ナトリウムである。
【0113】
段階(iii)のいくつかの態様においては、反応は有機塩基の存在下で行われる。いくつかの態様においては、有機塩基は、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルモルホリン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、ピリジン、2−メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン、又は1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ウンデク−7−エンである。他の態様においては、有機塩基は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン又はピリジンである。
段階(iii)の他の態様においては、反応は、塩基の不在下で行われる。
【0114】
4.3.1−(アシルオキシ)−アルキルカルバメートの合成方法
もう1つの観点においては、下記式(III):
【化7】

【0115】
で表される1−(アシルアオキシ)−アルキルN−ヒドロキシスクシンイミジルカーボネートの合成方法が提供され、ここで前記方法は、
(i)下記式(IV)の化合物と下記式(V)の化合物とを接触し、下記式(VI)の化合物を得;
(ii)下記式(VI)の化合物と下記式(VII )のカルボキシレート化合物とを接触し、下記式(VIII)のアシルオキシアルキルチオカーボネート化合物を得;
(iii)下記式(VIII)のチオカーボネート化合物と下記酸化剤(IX)とを、下記式(X)のN−ヒドロキシスクシンイミド化合物の存在下で接触し、下記式(I)の化合物を得;そして
(iv)下記式(I)の化合物と、式(II)の第1又は第2アミン−含有薬剤とを接触し、式(III )の化合物、又は医薬的に許容できるその塩、水和物又は溶媒和物を得ることを含んで成る、式(III )の1−(アシルオキシ)−アルキルカルボメート化合物の合成方法が提供される:
【0116】
【化8】

【0117】
ここで、HNR7R8は、第1又は第2アミン−含有薬剤であり、そしてX、B1+、B2+、及びR1〜R6の個々は、セクション4.2に記載される通りである。
X, B1+、B2+、R1、R2、R3、R4、R5及びR6についての典型的な態様は、上記セクション4.2に記載されている。上記方法の最初の3段階についての典型的な反応条件(すなわち、反応体のモル比、反応温度、溶媒、等)は、上記セクション4.2に記載されている。
【0118】
当業者は、次の態様が、式(III )の1−(アシルオキシ)−アルキルカルバメート化合物を合成する方法を意味することを理解するであろう。
【0119】
第1又は第2アミン基を含む薬剤HNR7R8の例は、次のものを包含するが、但しそれらだけには制限されない:アセブタロール、アルブテロール、アルプレノロール、アテノロール、ブノロール、ブプロピオン、ブトパミン、ブトキサミン、カルブテロール、カルテロロール、コルテロール、デテロノール、デキシプロパノロール、ジアセトロール、ドブタミン、エキサプロロール、エキシプレノロール、フェノテロール、フェニリポール、ラボトロール、レボブノロール、メトロール、メタプロテレノール、メトプロロール、ナドロール、パマトロール、ペンブタロール、ピンドロール、ピルブテロール、プラクトロール、プレナルテロール、プリミドロール、 プリジジロール、プロカテロール、プロパノロール、キンテレノール、リミテロール、リトドリン、ソロトール、ソテレノール、スルフィニオロール、スルフィンテロール、スリクチジル、タザオロール、テルブタリン、チモロール、チプレノロール、チプリジル、トラモロール、チアベンダゾール、アルベンダゾール、アルブトイン、アレンドロネート、アリニジン、アリザプリド、アミロリド、アミノレックス、アプリノシド、カンベンダゾール、シメチジン、シサプリド、クロンジン、シクロベンザドール、デラビルジン、エフェガトリン、エチンチジン、フェンベンダゾール、フェンメタゾール、フルベンダゾール、フルドレックス、
【0120】
ガバペンチン、イカドロネート、ロベンダゾール、メベンダゾール、メタゾリン、メトクロプラミド、メチルフェニデート、メキシレチン、ネリドロネート、ノコダゾール、オキシフェンダゾール、オキシベンダゾール、オキシメチジン、パミドロネート、パルベンダゾール、プラミペキソール、プラゾジン、プレガバリン、プロカインアミド、ラニチジン、テトラヒドラゾリン、チアメニジン、チオチジン、トカイニド、トラゾリン、トラマゾリン、キシロメタゾリン、ジイトキシフェネチルアミン、n−[3(R)−[2−ピペリジン−4−イル)エチル]−2−ピペリドン−1−イル]アセチル−3(R)−メチル−β−アラニン、アドレノロン、アレタミン、アミデフィリン、アムフェダミン、アスパルタム、バメタン、ベタヒスチン、カルビドーパ、クロレプレナリン、クロルタミン、ドーパミン、L−ドーパ、エフェリネフィリン、エトリプタミン、フェンフルラミン、メチルドーパミン、ノルピネフィリン、エンビロキシム、ネフェジピン、ニモジピン、トリアムテレン、ピペデン酸及び類似する化合物、1−エチル−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−7−(1−ピペラジニル)−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸及び1−シクロプロピル−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−7−(ピペラジニル)−3−キノリンカルボン酸、
【0121】
テプルビシン、デオキシスペルグアリン、セグリチド、ネブラセタム、ペナノミシンB、エレモマイシン、トラザリン、トスフレキサシン、バオゴンゲテングA、アンギオペプチン、ボホルマイシン、ラビドマイシン、タゲフラル、オリエンチシン、アンホテリシンB、チアムジピン、ドキソルビシン、リソバクチン、モフェギリン、オクトレオチド、オキソリド、アミカシン、ホスホリン、ヌバニル、シスペンタシン、クロロテタイン、ネマセミド、ラモプラニン、ジャンチノマイシン、メルサシジン、ドロキシドーパ、ヘルベカルジンA、ヘルベカルジンB、リルマザフォン、ブガバトリン、アムロジピン、(R)−(+)−アムロジピン、ミデプラニン、ミルナシプラン、プラネジピン、オルラジピン、デオキシメチルスペルグアリン、フドステイン、トロバフロキサシン、セラナプリル、レストリクチシン、イダルビシン、アルベカシン、ギラコダゾール、ホストスタチン、パズフロキサシン、D−シクロセリン、オボチオールA、セフチゾキシム、イカチバント、p−ヨードルビダゾン、アラダプシン、ダラルギン、セプロキセチン、プラジミシンE、プラジミシン、FA−2、タフェノキンサムパトリラット、ルボキシル、デクチミシン、アラトリフロキサシン、ガラルビシン、メタラミノール、エキサデカン、スクアラミン、パロモマイシン、ロイストロダクシンA、ロイストロダクシンB、ロイストロダクシンC、
【0122】
ラニセミン、アゾキシバシリン、テトラフィブリシン、ピキサントロン、ジコノチド、ガロメフリン、スピノルフィン、ドリペネム、アレストラムスチン、セラスペニド、サフィンゴール、アミノレプリン酸、ペラギオマイシンC、スチログアニジン、L-4-オキサリシン、エグルメガド、ロードペプチン、マイセステリシンE、ミダキシフィリン、アニスペリマス、 ラガチド、イブタモレン、オリタバシン、エセノフロキサシン、メチロシン、メチルドーパ、バクロフェン、トラニルシプロミン、ミクロノマイシン、ゾルビシン、エピルビシン、ギラチド、エピタロン、シスタミン、プルラフラビンA、プルラフラビンB、パシレオチド、カプラザマイシン、バルシバン、スピスロイン、21-アミノエポチロンB、カプサバニル、オルセガパント、スルホスチン、ロボホリンA、パプアミドA、パプアミド B、 シストシン、デオキシネガマイシン、ガルノン、ピロリシジンB、ブラシリカルジンA、ネラメキサン、カイトセファリン、イコフンギペン、アリスキレン、カプロモレリン、ヒスタプロジフェン、ドニトリプタン、カンブレスシジン、チピファルニブ、タビモレリン、ベラクトシン、A、ベラクトシン C、シルシンアミド、タルギニン、スルファゾシン、ネピカスタット、オセルタミビル、ヒドロスタチンA、 ブタビンジド、ネタミフチド、メマンチン、フルボキサミン、鉄キレート剤、トラネキサム酸、ホーチマイシンA、
【0123】
セファクロル、リジノプリル、ウベスタチン、セフミノックス、アスポキシリン、セフカネル、カフカネル、ダロキセート、オラムフロキセシン、R−(+)−アミノインダン、ゲミフロキサシン、カハラリドF、パラウアミン、エキサモルクリン、ロイストロダクシンH、サバルビシン、アミホスチン、L−ホモチオシトルリン、L−チオシトルリン、インペンタミン、ネボグラミン、アムスクラミン、セテフロキサシン、シクロチアリジン、フルビルシンB2、ロラカルベフ、セフプロジル、スペラビリン、ミラカイミド、アビザオン、α−メチルトリプトファン、シタラミシン、ラノマイシン、デカプラミン、エフロルニチン、L−ヒスチジノール、ツフツシン、カナマイシン、アムタミン、シタフロキサシン、ロイルビシン、アマンタジン、イソドキソルビシン、グルドーパ、バクトボリン、エサフロキサシン、タビラウチド、ラザベミド、エナルキレン、アムルビシン、ダウモルビシン、ムレイドマイシン、ピリダゾマイシン、シマテロール、(+)−イサモルタン、N−デスメチルミラメリン、ノベラスチン、フォソパミン、アダプロロール、プラジミシンB、アモスラロール、キサモテロール、ボホルマイシン、リソチリド、インデロキサジン、
【0124】
デノパミン、パロジロール、ウチバプリル、ナルデテロール、ビエムニジン、スパルフロキサシン、シバノミシン、チアネプチン、オベラジロール、メトクトラミン、セゾラミド、アナバシン、ジルパテロール、ザビシアリラット、エンカスチン、ウリフロキサシン、(+)−ソタロール、ドオキシノジリマイシン、アルトロマイシンA、アルトロマイシンC、ドルゾラミド、フェプラジノール、デラプリル、シプロフロキサシン、バロフロキサシン、メピンドロール、バルラフェノン、ラミプリル、ドペキサミン、ジレバロール、ヒノ−ネビボロール、ダウラミシン、エナラプリル、メルアドリン、ゼランドパムボグリボース、セルトラリン、カルベジロール、パフェノロール、パロキセチン、フルオキセチン、フェンジオキサン、サルメチロール、ソルアカイノール、レプノタン、バムプテロール、サフィナミド、チリゾロール、7−オキソスタウロスポリン、カルダレット、セルトラリン、シラザプリル、ベナゼプリル、プリソチノール、ガチフロキサシン、オボチオールB、アダプロロール、チエノキソロール、フルパロキサン、アルプレノキシム、エフェガトラン、プラジミシン、サルボスタチン、エルセンチリド、(S)−ノレモパルミル、エスペラミシンA1、バトプラジン、エルセンチリド、オスチジン、キナプリル、
【0125】
ジヒドレキシジン、アルギオピン、プラジミシンD、フロバトリプタン、ヒスピドスペルミジン、シロドシン、ミケラミンB、シベナテット、テトリンドール、タリベグロン、トピキサントロン、ノルトピキサントロン、テカルセット、ブテラノール、α−メチルエピネフリン、ノルニコチン、チオフェドリン、レナペネム、イミダプリル、エピバチジン、プレマフロキサシン、ソコロマイシン、タンドラプリル、タムスロシン、ジリトロマイシン、イノガトラン、ビセニスタチン、イメピル、イメピプ、バラノール、オルビフロキサシン、マロピタント、デベロチン、レリセトン、エルタペネム、ノロミロール、モキシフロキサシン、ボフォピタント、ハロフギノン、メラガトラン、キシメラガトン、ファスジル、イソファゴミン、シュドエフェドリン、プロパフェノン、セリプロロール、カルテオロール、ペンブトロール、ラベタロール、アセブトロール、レプロテロール、リモテロール、アモキサピン、マプロチリン、ビロキサジン、プロトリプチリン、ノルトリプチリン、デシプラミン、オキシプレノロール、プロプラノロール、ケタミン、
【0126】
ブトフィロロール、フレカイニド、ツロブテロール、ベフノロール、イムシリン−H、ベスチピタント、シナカルセット、パラチニブ、デスロラタジン、ラドスチギル、ビルダグリプチン、ツラトロマイシンB、バカムパネル、サルブタモール、デルセミン、ソラベグロン、アルニジタン、チゲシクリン、ルバゾドン、メロパネム、テモカプリル、ナプサマイシン、(−)−シクロプロロール、エクテイナスシジン、アルプラフェノン、ランジオロール、チロフィバン、ノベラスチン、ラサギリン、セタジンドール、ピクメテロール、アルブタミン、メカミルアミン、デルファプラジン、イミダプリル、ミダフォテル、マンザミン、ビノスピロン、ダロキセチン、リトキセチン。他の第2又は第3アミン薬剤HNR7R8は、当業者に入手できる種々の概論、例えばMerck Index, 13th Edition, 2001又はPhysicians Desk Reference, 59th Edition, 2005に記載される。従って、上記例に記載される第2又は第3アミン薬剤HNR7R8は、本発明の範囲内である。
【0127】
いくつかの態様においては、NHR7R8は、、rac−バクロフェン、R-バクロフェン、カルビドパ、クロニジン、シプロフロキサシン、シサプリデ、ダウノルビシン、ドキソルビシン、フェノルドパム、フェノテロール、ガバペンチン、ゲンタマイシン、カナマイシン、レボドパ、メロペネム、メタゾリン、ネオマイシン、パミドロネート、プレガバリン、トブロマイシン、トロバフロカサシン又はビガバトリンである。他の態様においては、HNR7R8はガバペンチンである。さらに他の態様においては、HNR7R8はR−バクロフェンである。さらに他の態様においては、HNR7R8は、本明細書において定義されるようなGABA類似体である。
【0128】
いくつかの態様においては、式(III )の化合物におけるR2及びR3は異なっており、その結果、R2及びR3が結合している炭素原子は、立体構造形成中心である。
いくつかの態様においては、式(X)の化合物は、キラル性及び非ラセミ性である。
【0129】
いくつかの態様においては、式(X)の化合物におけるR5及びR6がそれぞれ、ベンゾイルオキシであり、R5が結合している炭素での立体化学構造はR−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造はR−配置である。他の態様においては、式(X)の化合物におけるR5及びR6がそれぞれ、ベンゾイルオキシであり、R5が結合している炭素での立体化学構造はS−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造はS−配置である。
【0130】
いくつかの態様においては、式(X)の化合物におけるR5及びR6がそれぞれ、イソブチロイルオキシであり、R5が結合している炭素での立体化学構造はR−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造はR−配置である。他の態様においては、式(X)の化合物におけるR5及びR6がそれぞれ、イソブチロイルオキシであり、R5が結合している炭素での立体化学構造はS−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造はS−配置である。
【0131】
いくつかの態様においては、式(X)の化合物におけるR5及びR6がそれぞれ、ピバロイルオキシであり、R5が結合している炭素での立体化学構造はR−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造はR−配置である。他の態様においては、式(X)の化合物におけるR5及びR6がそれぞれ、ピバロイルオキシであり、R5が結合している炭素での立体化学構造はS−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造はS−配置である。
【0132】
いくつかの態様においては、式(X)の化合物におけるR5及びR6がそれぞれ、C1-4アルキル−置換されたベンゾイルオキシであり、R5が結合している炭素での立体化学構造はR−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造はR−配置である。他の態様においては、式(X)の化合物におけるR5及びR6がそれぞれ、C1-4アルキル−置換されたベンゾイルオキシであり、R5が結合している炭素での立体化学構造はS−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造はS−配置である。
いくつかの態様においては、式(III )の化合物におけるR2及びR3は異なり、そして式(I)の化合物は実質的1つのジアステレオマーを含んで成る。
【0133】
いくつかの態様においては、薬剤HNR7R8は、下記式(XI):
【化9】

【0134】
で表されるGABA類似体であり、ここで、上記式中、
R10及びR13は、独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル又は置換されたヘテロアリールアルキルから成る群から選択され;
【0135】
R11及びR12は、独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アシル、置換されたアシル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル及び置換されたヘテロアリールアルキルから成る群から選択され、あるいは任意には、R11及びR12は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル又は置換されたシクロヘテロアルキル環を形成する。
【0136】
いくつかの態様においては、薬剤HNR7R8は、ガバペンチンであり、ここで式(XI)におけるR10及びR13はそれぞれ水素であり、そしてR11及びR12は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロヘキシル環を形成する。
いくつかの態様においては、R1はイソプロピルであり、R2はメチルであり、R3は水素であり、R4はメチル、エチル又はtert−ブチルであり、R5及びR6はそれぞれ水素であり、そしてHNR7R8はガバペンチンである。
【0137】
いくつかの態様においては、薬剤HNR7R8はバクロフェンであり、ここで式(XI)におけるR10, R12及びR13はそれぞれ水素であり、そしてR11は4−クロロフェニルである。他の態様においては、薬剤HNR7R8はR−バクロフェンであり、ここで式(XI)におけるR10, R12及びR13はそれぞれ水素であり、R11は4−クロロフェニルであり、そしてR11及びR12が結合している炭素での立体化学構造がR−配置である。
【0138】
いくつかの態様においては、R1はイソプロピルであり、R2はイソプロピルであり、R3は水素であり、R5及びR6はそれぞれベンゾイルオキシであり、そしてHNR7R8はR-バクロフェンである。他の態様においては、式(I)の化合物は、実質的に1つのジオステレオマーを含んで成り、ここでR1はイソプロピルであり、R2はイソプロピルであり、R3は水素であり、そしてR2及びR3が結合している炭素での立体化学構造はS−配置である。他の態様においては、式(I)の化合物は、実質的に1つのジオステレオマーを含んで成り、ここでR1はイソプロピルであり、R2はイソプロピルであり、R3は水素であり、そしてR2及びR3が結合している炭素での立体化学構造はR−配置である。
【0139】
いくつかの態様においては、R1はイソプロピルであり、R2はイソプロピルであり、R3は水素であり、R5及びR6はそれぞれイソブチロイルオキシであり、そしてHNR7R8はR-バクロフェンである。他の態様においては、式(I)の化合物は、実質的に1つのジオステレオマーを含んで成り、ここでR1はイソプロピルであり、R2はイソプロピルであり、R3は水素であり、そしてR2及びR3が結合している炭素での立体化学構造はS−配置である。他の態様においては、式(I)の化合物は、実質的に1つのジオステレオマーを含んで成り、ここでR1はイソプロピルであり、R2はイソプロピルであり、R3は水素であり、そしてR2及びR3が結合している炭素での立体化学構造はR−配置である。
【0140】
いくつかの態様においては、R1はイソプロピルであり、R2はイソプロピルであり、R3は水素であり、R5及びR6はそれぞれピバロイルオキシであり、そしてHNR7R8はR-バクロフェンである。他の態様においては、式(I)の化合物は、実質的に1つのジオステレオマーを含んで成り、ここでR1はイソプロピルであり、R2はイソプロピルであり、R3は水素であり、そしてR2及びR3が結合している炭素での立体化学構造はS−配置である。他の態様においては、式(I)の化合物は、実質的に1つのジオステレオマーを含んで成り、ここでR1はイソプロピルであり、R2はイソプロピルであり、R3は水素であり、そしてR2及びR3が結合している炭素での立体化学構造はR−配置である。
【0141】
いくつかの態様においては、R1はイソプロピルであり、R2はイソプロピルであり、R3は水素であり、R5及びR6はそれぞれC1-4アルキル−置換されたベンゾイルオキシであり、そしてHNR7R8はR-バクロフェンである。他の態様においては、式(I)の化合物は、実質的に1つのジオステレオマーを含んで成り、ここでR1はイソプロピルであり、R2はイソプロピルであり、R3は水素であり、そしてR2及びR3が結合している炭素での立体化学構造はS−配置である。他の態様においては、式(I)の化合物は、実質的に1つのジオステレオマーを含んで成り、ここでR1はイソプロピルであり、R2はイソプロピルであり、R3は水素であり、そしてR2及びR3が結合している炭素での立体化学構造はR−配置である。
【0142】
いくつかの態様においては、HNR7R8はR-バクロフェンであり、R4はメチル、エチル又はtert−ブチルであり、そして式(I)の化合物は実質的に1つのジアステレオマーを含んで成り、ここでR1はイソプロピルであり、R2はイソプロピルであり、R3は水素であり、R5及びR6はそれぞれベンゾイルオキシであり、R2及びR3が結合している炭素での立体化学構造はS−配置であり、R5が結合している炭素での立体化学構造はR−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造はR−配置である。他の態様においては、HNR7R8はR-バクロフェンであり、R4はメチル、エチル又はtert−ブチルであり、そして式(I)の化合物は実質的に1つのジアステレオマーを含んで成り、ここでR1はイソプロピルであり、R2はイソプロピルであり、R3は水素であり、R5及びR6はそれぞれベンゾイルオキシであり、R2及びR3が結合している炭素での立体化学構造はR−配置であり、R5が結合している炭素での立体化学構造はS−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造はS−配置である。
【0143】
いくつかの態様においては、HNR7R8はR-バクロフェンであり、R4はメチル、エチル又はtert−ブチルであり、そして式(I)の化合物は実質的に1つのジアステレオマーを含んで成り、ここでR1はイソプロピルであり、R2はイソプロピルであり、R3は水素であり、R5及びR6はそれぞれイソブチロイルオキシであり、R2及びR3が結合している炭素での立体化学構造はS−配置であり、R5が結合している炭素での立体化学構造はS−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造はS−配置である。
【0144】
他の態様においては、HNR7R8はR-バクロフェンであり、R4はメチル、エチル又はtert−ブチルであり、そして式(I)の化合物は実質的に1つのジアステレオマーを含んで成り、ここでR1はイソプロピルであり、R2はイソプロピルであり、R3は水素であり、R5及びR6はそれぞれイソブチロイルオキシであり、R2及びR3が結合している炭素での立体化学構造はR−配置であり、R5が結合している炭素での立体化学構造はR−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造はR−配置である。
【0145】
いくつかの態様においては、上記方法の第4段階は好ましくは、溶媒において行われる。段階(iv)において有用な溶媒は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:アセトン、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジクロルエタン、クロロホルム、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセタミド、ノルマルメチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ピリジン、酢酸エチル、メチルtert-ブチルエーテル、メタノール、無水エタノール、イソプロパノール、tert-ブタノール、水、又はそれらの組合せ。
【0146】
いくつかの態様においては、、溶媒は、アセトン、アセトニトリル、ジクロロメタン、トルエン、テトラヒドロフラン、ピリジン、メチルtert-ブチルエーテル、メタノール、無水エタノール、イソプロパノール、水又はそれらの組合せである。他の態様においては、溶媒は、アセトニトリル及び水の混合物である。さらに他の態様においては、アセトニトリル及び水が、約1:5〜約5:1の体積比のアセトニトリル:水で存在する。さらに他の態様においては、溶媒は、メチルtert−ブチルエーテル及び水の混合物である。さらに他の態様においては、メチルtert−ブチルエーテル及び水が、約20:1〜約2:1の体積比のメチルtert−ブチルエーテル:水で存在する。
【0147】
さらに他の態様においては、溶媒はメチルtert−ブチルエーテル及び水の混合物であり、ここでメチル‐ブチルエーテルは、約10〜約50体積%のアセトンを含む。さらに他の態様においては、溶媒は、ジクロロメタン、水又はそれらの組合せである。さらに他の態様においては、溶媒は、ジクロロメタン及び水の二相混合物である。さらに他の態様においては、溶媒は、約0.001〜約0.1当量の相転移触媒を含む、ジクロロメタン及び水の二相混合物である。いくつかの態様においては、相転移触媒は、テトラアルキルアンモニウム塩である。他の態様においては、相転移触媒は、テトラブチルアンモニウム塩である。
【0148】
いくつかの態様においては、段階(iv)は約−20℃〜約40℃の温度で行われる。他の態様においては、段階(iv)の温度は約−20℃〜約25℃の温度である。さらに他の態様においては、段階(iv)の温度は約0℃〜約25℃の温度である。さらに他の態様においては、段階(iv)の温度は約25℃〜約40℃の温度である。
段階(iv)のいくつかの態様においては、反応は、塩基の不在下で行われる。
他の態様においては、反応は、無機塩基の存在下で行われる。いくつかの態様においては、無機塩基は、アルカリ金属の炭酸水素塩又はアルカリ金属の炭酸塩である。他の態様においては、無機塩基は、炭酸水素ナトリウムである。
【0149】
段階(iv)のいくつかの態様においては、反応は、有機塩基の存在下で行われる。いくつかの態様においては、有機塩基は、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルモルホリン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、ピリジン、2−メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン、又は1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ウンデク−7−エンである。他の態様においては、有機塩基は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン又はピリジンである。
【0150】
もう1つの観点においては、下記式(III ):
【化10】

【0151】
で表される1−(アシルオキシ)−アルキルカルバメート化合物の合成方法が提供され、ここで前記方法は、下記式(I)の化合物と、下記式(II)の第1又は第2アミン−含有薬剤とを接触し、下記式(III )の化合物、又は医薬的に許容できるその塩、水和物又は溶媒和物を得ることを含んで成り:
【0152】
【化11】

【0153】
上記式中、HNR7R8は、上記のような第1又は第2アミン−含有薬剤であり、そしてR1〜R6はセクション4.2に記載の通りである。
【0154】
HNR7R8、R1、R2、R3、R4、R5及びR6についての典型的な態様は、上記セクション4.2に記載されている。上記方法についての典型的な反応条件(すなわち、反応体のモル比、反応温度、溶媒、等)はまた、上記に記載されている。
いくつかの態様においては、HNR7R8は、Chenなど., 国際出願番号WO001/05183号に開示されるような偽マイシン又は偽マイシン類似体又は誘導体ではない。
【実施例】
【0155】
5.例:
本発明はさらに、1−(アシルオキシ)−アルキルN−ヒドロキシスクシンイミジルカーボネートの調製を詳細に記載し、そして1−(アシルオキシ)−アルキルカルバメートプロドラッグの合成方法を例示する、次の例により定義される。材料及び方法の両者における多くの修飾が本発明の範囲内で実施できることは、当業者に明らかであろう。
下記例においては、次の略語は、次の意味を有する。略語が定義されていない場合、それは一般的に許容される意味を有する。
【0156】
Atm =大気
Boc =tert−ブチルオキシカルボニル
Cbz =カルボベンジルオキシ
DCC =ジシクロヘキシルカルボジイミド
DMAP =4−N, N−ジメチルアミノピリジン
DMF =N, N−ジメチルホルムアミド
DMSO =ジメチルスルホキシド
g =グラム
h =時間
HPLC =高圧液体クロマトグラフィー
L =リッター
LC/MS =液体クロマトグラフィー/質量分光法
M =モル濃度
min =分
mL =ミリリッター
mmol =ミリモル
NHS =N−ヒドロキシスクシンイミド
THF =テトラヒドロフラン
TFA =トリフルオロ酢酸
TLC =薄層クロマトグラフィー
TMS =トリメチルシリル
μL =マイクロリッター
μM =マイクロモル濃度
v/v =体積/体積
【0157】
5.1例10−(1−クロロエチル)S−メチルチオカーボネート(1)
CH2Cl2(1L)中、メタンチオール(170g、3.5モル)及び1−クロロエチルクロロホルメート(386ml、502g、3.5モル)の溶液を、氷−水浴において0℃に冷却した。N−メチルモルホリン(388ml、357g、3.53モル)を、1時間にわたって滴下し、そしてその反応混合物を室温で16時間、攪拌した。反応混合物を、CH2Cl2(2L)により希釈し、水(1L)、飽和炭酸水素溶液(1L)及びブライン(IL)により洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして真空下で濃縮した。残渣を、真空蒸留(95℃/20トル)により精製し、標記化合物(1)を、無色の液体として得た(510g、94%の収率)。1H NMR (CDC13, 400 MHz): δ 1.82 (d, J= 5.6 Hz, 3H), 2.38 (s, 3H), 6.57 (q, J= 5.2 Hz, 1H)。
【0158】
(1)の他の合成においては、CH2Cl2(1L)中、メタンチオール(170g、3.53モル)及び1−クロロエチルクロロホルメート(505g、3.53モル)の溶液を、氷−水浴において0〜4℃に冷却した。その混合物に、CH2Cl2(1L)中、トリエチルアミン(357.6g、3.53モル)の溶液を、2時間にわたって滴下した。反応を、氷浴から除去し、そして周囲温度で2時間、攪拌した。反応物を水(3×1L)により洗浄し、有機相を分離し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして真空下で濃縮した。残留物を、真空蒸留により精製し、生成物を無色の液体として得た(500g、91.5%)。
【0159】
(1)のもう1つの他の合成においては、ナトリウムメチルチオレート(580.7g、1.74モル)の21%(w/w)水溶液を、CH2Cl2(450ml)中、1−クロロエチルクロロホルメート(250g、1.74mモル)及び硫酸水素四ブチルアンモニウム(5.9g、17mモル)の溶液に、2時間にわたって滴下した。その反応混合物を、さらに1時間、攪拌し、次に水性相を分離し、そしてブライン(2×250ml)により有機相を抽出した。有機相を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空下で濃縮した。残渣を、真空蒸留により精製し、生成物を無色の液体として得た(277.3g、97%)。
【0160】
5.2例2O−(1−クロロエチル)S−エチルチオカーボネート(2)
ジエチルエーテル(600ml)中、1−クロロエチルクロロホルメート(71.5g、0.5モル)の溶液を、氷−水浴において0〜4℃に冷却し、そしてジエチルエーテル(200ml)中、エタンチオール(37ml、0.5モル)及びトリエチルアミン(69.3ml、0.5モル)の溶液を、1時間にわたって滴下した。反応混合物を氷浴から除去し、そして周囲温度で4時間、攪拌した。トリエチルアミン塩酸塩を、濾過により除去し、濾液を減圧下で濃縮し、そして残渣を真空蒸留(240mトルで67〜68℃)により精製し、標記化合物(2)を無色の液体として得た(75g、89%)。1H NMR(CDC13, 400 MHz) :δ 1.35 (t, 3H), 1.8 (d, 3H), 2.9 (dq, 2H), 6.6 (q, 1H)。
【0161】
5.3例3O−(1−クロロエチル)S−tert−ブチルチオカーボネート(3)
CH2Cl2(1L)中、tert−ブチルチオール(180g、2モル)及び1−クロロエチルクロロホルメート(284ml、2モル)の溶液を、氷−水浴において0℃に冷却した。N−メチルモルホリン(212.1ml、2.1モル)を、1時間にわたって滴下し、そしてその反応混合物を室温で16時間、攪拌した。反応混合物を、過剰のCH2Cl2(2L)により希釈し、水(2×1L)、飽和炭酸水素溶液(1L)及びブライン(IL)により洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして真空下で濃縮した。残渣を、真空蒸留(135℃/20トル)により精製し、標記化合物(3)を、無色の液体として得た(350g、89%の収率)。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) : δ1.50 (s, 9H), 1.79 (d, J= 6 Hz, 3H), 6.57 (q, J= 5.6 Hz, 1H)。
【0162】
5.4例4O−(1−クロロエチル)S−フェニルチオカーボネート(4)
CH2Cl2(300ml)中、ベンゼンチオール(50g、450mモル)及び1−クロロエチルクロロホルメート(65g、450mモル)の溶液を、氷−水浴において0〜4℃に冷却した。その混合物に、ジクロロメタン(200ml)中、トリエチルアミン(450mモル)の溶液を、30分間にわたって滴下した。反応を、氷浴から除去し、そして周囲温度で12時間、攪拌した。反応物を水(3×500ml)により洗浄し、有機相を分離し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして真空下で濃縮し、生成物を淡黄色の液体として得た(96g、98.5%)。1H NMR(CDC13, 400 MHz) :δ 1.82 (d, 3H), 6.6 (q,1H), 7.2-7. 4 (m,5H)。
【0163】
5.5例5テトラブチルアンモニウムイソブチレート(5)
水中、水酸化四ブチルアンモニウムの40重量%溶液(250ml、99g、382mモル)、水(300ml)及びイソ酪酸(33.8g、382mモル)を、周囲温度で30分間、攪拌した。溶媒を真空下で除去し、標記化合物(5)を、ロウ状の固形物として得、これを、さらに精製しないで使用した。
他方では、メタノール中、水酸化四ブチルアンモニウムの1M溶液(1L、1モル)及びイソ酪酸(88.5g、1モル)を、周囲温度で30分間、攪拌した。溶媒を真空下で除去し、標記化合物(5)を、ロウ状の固形物として得、これを、さらに精製しないで使用した。
【0164】
5.6例6O−(1−イソブタノイルオキシエチル)S−メチルチオカーボネート(6
化合物(1)(308mg、2mモル)を、イソ酪酸(264mg、3mモル)に溶解した。この混合物を、イソ酪酸(264mg、3mモル)及びジイソプロピルエチルアミン(387mg、3mモル)の予備混合された溶液にゆっくりと添加し、そしてその反応混合物を55℃に16時間、加熱し、エーテル(50ml)により希釈し、水(2×10ml)、飽和炭酸水素塩溶液(2×10ml)及びブライン(10ml)により洗浄し、次に、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして真空下で濃縮し、標記化合物(6)を無色の液体として得た(400mg、97%)。生成物を、さらに真空蒸留により精製した(135℃/20トル)。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) :δ1.17 (d,J=6.8Hz, 6H), 1.49 (d, J=5.6Hz, 3H), 2.33 (s, 3H), 2.54 (m, 1H), 6.91 (q, J=5.2Hz, 1H)。
【0165】
(6)の他の合成においては、化合物(1)(154.6g、1モル)、イソ酪酸(1.53モル)、40重量%の水性水酸化四ブチルアンモニウム(1L、1.53モル)及びテトラヒドロフラン(500モル)の溶液を、周囲温度で48時間、攪拌した。その反応混合物を、ジエチルエーテル(1L)により希釈し、そして水(2×3L)により洗浄した。有機相を分離し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、そして真空下で濃縮した。残渣を、真空蒸留により精製し(135℃/20トル)、生成物を無色の液体として得た(150g、73.5%)。
【0166】
5.7例7O−(1−イソブタノイルオキシエチル)S−エチルチオカーボネート(7)
テトラヒドロフラン(500ml)中、テトラブチルアンモニウムイソブチレート(5)(382mモル)の溶液に、化合物(2)(49g、288mモル)を添加した。その混合物を、周囲温度で16時間、攪拌し、次に溶媒を真空下で除去した。残渣を、ジエチルエーテル(600ml)に溶解し、水(3×300ml)により洗浄し、そして有機相を分離し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、そして真空下で濃縮した。残渣を、真空蒸留により精製し(60℃/240トル)、生成物(7)を無色の液体として得た(40g、63%)。1H NMR(CDC13, 400 MHz):δ 1.2 (d, 6H), 1.35 (t, 3H), 1.5 (d, 3H), 1.55 (m, 1H), 2.85 (dq, 2H), 6.95 (q, 1H)。
【0167】
5.8例8O−(1−イソブタノイルオキシエチル)S−tert−ブチルチオカーボネート(8)
化合物(3)(392mg、2mモル)を、イソ酪酸(264mg、3mモル)に溶解し、そしてこの溶液を、イソ酪酸(264mg、3mモル)及びジイソプロピルエチルアミン(387mg、3mモル)の予備混合された溶液にゆっくりと添加した。その反応混合物を55℃に16時間、加熱し、エーテル(50ml)により希釈し、水(2×10ml)、飽和炭酸水素塩溶液(2×10ml)及びブライン(10ml)により洗浄し無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして真空下で濃縮し、標記化合物(8)を無色の液体として得た(450mg、90%)。生成物を、さらに真空蒸留により精製した(170℃/20トル)。1H NMR (CDC13, 400 MHz): δ 1.16 (d, J= 7.2 Hz, 6H), 1.47 (s, 9H), 1.48(d, J= 5.6 Hz, 3H), 2.53 (m, 1H), 6.90 (q, J= 5.2 Hz, 1H)。
【0168】
5.9例9O−(1−イソブタノイルオキシエチル)S−フェニルチオカーボネート(9)
化合物(4)(10g、46mモル)、イソ酪酸(30ml)、トリエチルアミン(30ml)及びヨウ化ナトリウム(2g)の混合物を、攪拌し、そして油浴において50℃で3日間、加熱した。反応混合物を、ジエチルエーテル(200ml)により希釈し、そして水(3×100ml)、飽和水性炭酸水素ナトリウム(2×100ml)及び0.1Mの水性硫酸水素カリウム(2×100ml)により連続的に洗浄した。有機相を分離し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、そして真空下で濃縮し、標記化合物(9)を淡黄色の液体として得た(12g、97%)。1H NMR(CDC13, 400 MHz):δ 1.2 (d, 6H), 1.5 (d, 3H), 2.55 (m, 1H), 6.95 (q,1H), 7.4-7. 5 (m,5H)。
【0169】
5.10例10[(1−イソブタノイルオキシエトキシ)カルボニルオキシ]スクシンイミド(10)
CH2Cl2(10ml)中、化合物(6)(1g、4.8mモル)の溶液に、N−ヒドロキシスクシンイミド(1.1g、9.5mモル)を添加し、そしてその反応混合物を0℃に冷却した。酢酸(3.4ml、1.1g、14.4mモル)中、32%(v/v)過酢酸の溶液を、10分間にわたって滴下し、次にその溶液を室温で3時間、攪拌した。反応混合物を、エーテル(50ml)により希釈し、そして水(2×10ml)、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(10ml)及びブライン(10ml)により洗浄し、次に無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして真空下で濃縮し、標記化合物(10)を無色の油状物として得た(1g、77%)。ヘキサン(20ml)による粉砕の後、生成物を白色固形物に固化した、m.p.: 50〜54℃。1H NMR(CDC13, 400 MHz):δ 1.17 (d, J=6.8Hz, 6H), 1.56 (d, J=5.6Hz, 3H), 2.55 (m, 1H), 2.82(s, 4H), 6.80 (q, J=5.6Hz, 1H)。MS(ESI)m/z 296.4(M+Na)+
【0170】
(10)の他の合成においては、N−ヒドロキシスクシンイミド(558mg、4.8mモル)を、CH2Cl2(10ml)中、化合物(6)(500mg、2.4mモル)の溶液に添加し、そしてその反応混合物を0℃に冷却した。m−クロロペル安息香酸(1.62g、7.2mモル、商品:水中、77%)を、10分間にわたって添加し、そしてその混合物を室温で16時間、攪拌した。反応混合物を、エーテル(50ml)により希釈し、そして水(2×10ml)、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(10ml)及びブライン(10ml)により洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして真空下で濃縮し、標記化合物(10)を、m−クロロ安息香酸と共に得た。粗生成物の混合物を、EtOAc:ヘキサン(4:6)により溶出する、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製した。残渣m−クロロ安息香酸を、tert−ブチルメチルエーテル及びヘキサンの混合物からの反復した結晶化により除去し、分析的に純粋な生成物(66mg、10%)をもたらした。
【0171】
(10)の他の化合物においては、機械攪拌機、テフロン(登録商標)被覆されたサーモカップル及び窒素入口を備えた、500mlの三ツ首フラスコを、化合物(6)(16.6g、0.08モル)、N−ヒドロキシスクシンイミド(11.04g、0.096モル)、マグネシウムモノペルオキシフタレート(80%の技術的品種;110g、約2.3当量の活性酸化剤)及びCH2Cl2(180ml)により充填した。得られる白色懸濁液を、20〜25℃で5時間、攪拌した。その反応混合物を濾過し、そしてフィルターケークをスラリーし、そしてCH2Cl2(3×300ml)により洗浄した。スラリーを濾過し、そして有機相を水(300ml)により洗浄した。次に、有機層を、20%K2CO3水溶液(2×300ml)と共に10分間、攪拌し、フタル酸を除去し、そして最終的に、ブライン(300ml)と共に攪拌した。有機層を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして濃縮し、標記化合物(10)を、粘性生成物(18.0、82%)として得、これを放置することにより固化した。
【0172】
(10)のもう1つの合成においては、CH2Cl2(10ml)中、無水トリフルオロ酢酸(2ml、14.5mモル)の溶液を、無水CH2Cl2(80ml)中、ウレア−過酸化水素複合体(2.74g、29.1mモル)及び炭酸水素ナトリウム(4g、48.5mモル)の攪拌懸濁液に、0℃で窒素雰囲気下で添加した。得られる混合物を、0℃で30分間、攪拌した。N−ヒドロキシスクシンイミド(1.1g、9.7mモル)を、0℃で反応混合物に添加し、続いて、CH2Cl2(10ml)中、化合物(6)(1g、4.85mモル)の溶液を添加し、次に反応混合物を、攪拌しながら、16時間、周囲温度に暖めた。反応混合物をデカントし、そして溶媒を真空下で除去した。無色の残渣を酢酸エチル(100ml)に溶解し、そして水(1×50ml)及びブライン(1×50ml)により洗浄した。有機層をプールし、そして無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして溶媒を真空下で除去し、標記化合物(10)を、透明な油状物(1g、75%)として得、これを、高い真空下でのポンピングの後、固化した。
【0173】
(10)のもう1つの合成においては、CH2Cl2(10ml)中、無水酢酸(2ml)の溶液を、無水CH2Cl2(80ml)中、ウレア−過酸化水素複合体(2.74g、29.1mモル)及び炭酸水素ナトリウム(4g、48.5mモル)の攪拌懸濁液に、0℃で窒素雰囲気下で添加した。得られる混合物を、0℃で30分間、攪拌した。N−ヒドロキシスクシンイミド(1.1g、9.7mモル)を、0℃で反応混合物に添加し、続いて、CH2Cl2(10ml)中、化合物(6)(1g、4.85mモル)の溶液を添加し、次に反応混合物を、40℃で16時間、攪拌した。反応混合物をデカントし、そして溶媒を真空下で除去した。無色の残渣を酢酸エチル(100ml)に溶解し、そして水(1×50ml)及びブライン(1×50ml)により洗浄した。有機層をプールし、そして無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして溶媒を真空下で除去し、標記化合物(10)を、透明な油状物として得、これを、高い真空下でのポンピングの後、固化した。
【0174】
(10)のもう1つの合成においては、ジクロロメタン(100ml)中、ウレア−過酸化水素複合体(47g、0.5モル)及びN−ヒドロキシスクシンイミド(13.8g、0.12モル)の十分に攪拌された懸濁液に、固体無水マレイン酸(29.4g、0.3モル)を添加した。その混合物を室温で15分間、攪拌し、そして次に、ジクロロメタン(50ml)中、化合物(6)(20.6g、0.1モル)の溶液を、15分間にわたってゆっくり添加した。反応は、冷却のために水浴を用いることにより調節され得る発熱反応を伴って進行した。反応混合物を20〜25℃で4時間、攪拌し、この間、白色沈殿物が形成した。反応混合物を、水(200ml)により希釈し、そして相を分離した。水性層を、ジクロロメタン(200ml)により抽出し、組合された有機層を、ブライン(200ml)により洗浄し、そして無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶液を真空下で除去し、標記化合物(10)を、白色結晶固形物として得た(20.0g、73%の収率)。
【0175】
(10)のさらにもう1つの合成においては、N−ヒドロキシスクシンイミド(2.3g、20mモル)を、CH2Cl2(10ml)中、化合物(8)(1g、4mモル)の溶液に添加し、そしてその反応混合物を0℃に冷却した。酢酸(0.92g、12mモル)中、32%(v/v)過酢酸の溶液を、10分間にわたって滴下し、次にその室温で3時間、攪拌する。反応混合物を、エーテル(50ml)により希釈し、そして水(2×10ml)、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(10ml)及びブライン(10ml)により洗浄し、次に無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして真空下で濃縮し、標記化合物(10)を無色の油状物として得た(0.9g、81%)。ヘキサン(20ml)による粉砕の後、生成物を白色固形物に固化した。
【0176】
(10)のさらなるもう1つの合成においては、N−ヒドロキシスクシンイミド(230mg、20mモル)を、CH2Cl2(10ml)中、化合物(8)(248mg、1mモル)の溶液に添加し、そしてその反応混合物を0℃に冷却した。m−クロロペル安息香酸(670mg、3mモル、市販の品種:水中、77%)を、10分間にわたって添加し、そしてその混合物を室温で16時間、攪拌した。反応混合物を、エーテル(50ml)により希釈し、そして水(2×10ml)、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(10ml)及びブライン(10ml)により洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして真空下で濃縮し、標記化合物(10)を、m−クロロ安息香酸と共に得た。粗生成物の混合物を、EtOAc:ヘキサン(4:6)により溶出する、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製した。残渣m−クロロ安息香酸を、tert−ブチルメチルエーテル及びヘキサンの混合物からの反復した結晶化により除去し、分析的に純粋な生成物(30mg、11%)をもたらした。
【0177】
(10)のさらにもう1つの合成のおいては、機械攪拌機、テフロン(登録商標)被覆されたサーモカップル及び追加の漏斗を備えた、500mlの三ツ首フラスコを、化合物(8)(20.6g、0.1モル)、N−ヒドロキシスクシンイミド(23.0g、0.2モル)、及びCH2Cl2(80ml)により充填した。反応混合物を0℃に冷却し、そして過酢酸(酢酸中、32%溶液、16.7g、55ml、0.22モル)を、反応混合物に、温度が5℃以下に維持されるような速度で滴下した。添加の完結の後、反応混合物を、15℃又はそれ以下で温度を維持しながら、4.5時間、攪拌した。
【0178】
次に、反応混合物を、0℃に冷却し、そして反応混合物のpHが約7になるまで、10%水性炭酸カリウムにより中和した。次に、その混合物を、CH2Cl2(2×100ml)により抽出し、そして組合されたCH2Cl2相を、ブラインにより洗浄し、そして無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。次に、有機相を濃縮し、粗生成物を白色固形物(20.2g、75%)として得た。この固形物を、イソプロパノール(41ml)に溶解することにより再結晶化し、その混合物を40℃に暖め、均質溶液を得た。その溶液を、2時間にわたって0℃に冷却し、そして生成物を濾過し、そして乾燥し、54〜56℃の融点を有する標記化合物(10)を、白色固形物(16g、79%)として得た。
【0179】
5.11例11テトラブチルアンモニウム1−アミノメチル−1−シクロヘキサンアセテート(11)
ガバペンチン(34.4g、200mモル)、メタノール(200ml、200mモル)中、水酸化四ブチルアンモニウムの1M溶液、及び追加のメタノール(200ml)を含む溶液を、周囲温度で14時間、攪拌した。溶媒を、真空下で除去し、次にトルエン(200ml)を添加し、そして減圧下で2度、蒸発した。標記化合物(11)を、濃シロップ状物として得、そして高い真空下でさらに乾燥し、そしてさらに精製しないで使用した。
【0180】
5.12例12{[(1−イソブタノイルオキシエトキシ)カルボニル]アミノメチル}−1−シクロヘキサン酢酸(12)
水(40ml)中、ガバペンチン(1.7g、10mモル)及び炭酸水素ナトリウム(20mモル)の溶液に、アセトニトリル(20ml)中、化合物(10)(2.73g、10mモル)の溶液を、1分間にわたって添加した。反応混合物を、周囲温度で16時間、攪拌した。反応混合物を、ジエチルエーテル(100ml)により希釈し、そして0.1Mの水性硫酸水素カリウム(3×100ml)により洗浄した。
【0181】
有機相を分離し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、そして真空下で濃縮し、標記化合物(12)を白色固形物(2.9g、96%)として得た。合成物を、60℃で酢酸エチル:ヘプタン(1:10)(10ml)に溶解することにより再結晶化し、続いて4℃にゆっくりと冷却した。白色の結晶性生成物を、濾過により単離した。融点:63〜64℃。1H NMR (CDC13, 400MHz) : 1.15 (d, 6H), 1.40-1. 55 (m, 10H), 1.45 (d, 3H), 2.32 (s, 2H), 2.49-2. 56 (m, 1H), 3.23 (d, 2H), 5.41 (t, 1H), 6.75 (q, 1H)。 MS (ESI) m/z 330.29 (M+H+)。
【0182】
(12)の他の合成においては、機械攪拌機、窒素入口及び温度プローブを備えた、1Lの三ツ首フラスコを、化合物(10)(100g、0.36モル)、ガパペンチン(68.9g、0.40モル)、メチルtert−ブチルエーテル(300ml)及び水(300ml)により充填した。その懸濁液を室温で攪拌し、そして1.5時間後、透明な二相混合物になった。6時間後、相を分離し、そして水性相を、追加のメチルtert−ブチルエーテル(400ml)により抽出した。有機相を組合し、そして飽和ブライン溶液(3×100ml)により洗浄した。透明な有機相を、真空下で濃縮し、油状物を得、これを、高い真空下で一晩、結晶化した。標記化合物(12)を、白色固形物として集めた(120g、99.5%の収率)。
【0183】
(12)の他の合成においては、トルエン(40ml)中、化合物(11)(4.1g、10mモル)及び化合物(10)(2.73g、10mモル)の溶液を、周囲温度で1時間、攪拌した。反応混合物を、ジエチルエーテル(100ml)により希釈し、そして0.1Mの水性硫酸水素カリウム(3×100ml)により洗浄した。有機相を分離し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、そして真空下で濃縮し、標記化合物(12)を、白色形物(2.6g、93%)として得た。
【0184】
5.13例13O−(1−イソブタノイルオキシイソブトキシ)S−メチルチオカーボネート(13)の合成
段階A:O−(1−クロロイソブトキシ)S−メチルチオカーボネート(14)
機械攪拌機、温度プローブ及び追加の漏斗を備えた、ジャケット付の10L反応器におけるジクロロメタン(1500ml)中、1−クロロ−2−メチルプロピルクロロホルメート(1026g、6.0モル)及び硫酸水素四ブチルアンモニウム(20g、60mモル)の溶液を、10℃に冷却した。この反応混合物に、ナトリウムメチルチオレートの15%水溶液(3L、6.4モル)を、4時間にわたって徐々に添加した。反応は軽い発熱性であり、そして内部温度を、追加の間、10〜20℃に維持した。水性相を分離し、そして有機相を、ブライン(2×2L)及び水(2L)により洗浄した。有機層を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮し、標記化合物(14)(1050g、5.76モル、96%)を、無色の液体として得た。1H NMR(CDC13, 400 MHz):δ1.1 (dd, 6H), 2.2 (m,1H), 2.4 (s, 3H), 6.35 (d, 1H)。
【0185】
段階B:テトラメチルアンモニウムイソブチレート(15)
20Lの丸底フラスコに、メソ酪酸(1300ml、14モル)、及び25%の水酸化四メチルアンモニウムの25%水溶液(5L、14モル)を添加した。水を減圧下で除去し、そしてトリエン(2×2L)と共に共沸し、生成物(15)を、琥珀色の液体として得、これを、さらに精製しないで使用した。
【0186】
段階C:O−(1−イソブタノイルオキシイソブトキシ)S-メチルチオカーボネート(13)
機械攪拌機及びテフロン(登録商標)−被覆されたサーモカップルを備えた、3Lの三ツ首丸底フラスコに、(15)(1672g、9モル)、イソ酪酸(264g、1.5モル)及び(14)(1050g、5.76モル)を添加した。反応混合物を80℃に12時間、加熱し、1H NMRにより反応の進行をモニターした。反応混合物を20℃に冷却し、EtOAc(1L)により希釈し、そして水(2×1L)、飽和炭酸水素ナトリウム(1×2L)及び水(1L)により洗浄した。有機相を分離し、そして減圧下で濃縮し、生成物(13)(905g、3.9モル、65%)を、無色の液体として得た。1H NMR(CDC13, 400 MHz):δ1.0 (d, 6H), 1.2 (dd, 6H), 2.05 (m, 1H), 2.35 (s, 3H), 2.6 (m, 1H), 6.7 (d, 1H)。
【0187】
5.14例14(1R)−1−[((3S,4S)−2,5−ジオキソ−3,4−ジベンゾイルオキシピロリジニル)−オキシカルボニルオキシ]−2−メチルプロピル2−メチルプロパノエート(16)の合成
段階A:(3S,4S)−2,5−ジオキソ−3,4−ジベンゾイルオキシ−3,4−ジヒドロフラン(17)
無水酢酸(300ml)中、2,3−ジベンゾイル−1)−酒石酸(100g、279mモル)の懸濁液を、85℃で2時間、攪拌し、次に反応混合物を、室温に冷却した。結晶性生成物を、濾過により集め、エーテル及びヘキサン(1:1)の混合物により洗浄し、そして真空下で乾燥し、標記化合物(17)を得た。1H NMR(CDC13, 400 MHz) : δ5.99 (s, 2H), 7.50 (m, 4H), 7.66 (m, 2H), 8. 07 (m, 4H)。
【0188】
段階B:1−ヒドロキシ−(3S,4S)−2,5−ジオキソ−3,4−ジベンゾイルオキシピロリジン(18
0℃でのアセトニトリル及び水の混合物(8:1、400ml)中、(17)(60g、176mモル)の懸濁液に、ヒドロキシアミン(13.0ml、211mモル)の50%水溶液を添加した。その得られる懸濁液を室温で一晩、攪拌し透明な溶液を得た。多量のアセトニトリルを、回転蒸発により除去し、そして残渣を酢酸エチルと水との間に分けた。有機相を、水及びブラインにより連続的に洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空下で濃縮し、中間体2,3−ジベンゾイルオキシ−D−酒石酸モノヒドロキサメートを得た。
【0189】
この化合物を、トルエンに懸濁し、2時間、還流下で加熱し、次に、室温に冷却し、結晶性固形物を形成した。生成物を濾過により集め、エーテル及びヘキサンの混合物(1:1)により洗浄し、そして真空下で乾燥し、標記化合物(1g)を得た(58g、93%)。1H NMR (CDC13, 400 MHz) :δ6.06 (s, 2H), 7.50 (t, 4H), 7.65 (dt, 2H), 8.06 (m, 4H). MS (ESI)m/z 354.00 (M-H)-
【0190】
段階C:(1R)−1−[((3S,4S)−2,5−ジオキソ−3,4−ジベンゾイルオキシピロリジニル)−オキシカルボニルオキシ]−2−メチルプロピル2−メチルプロパノエート(16
0℃でのジクロロメタン中、化合物(18)(35g、98.6mモル)及びチオカーボネート(13)(34.6g、148mモル)の攪拌溶液に、酢酸中、過酢酸(300mモル)の32%溶液を2時間にわたって滴下した。反応温度は、過酢酸の添加の間、35℃以下に維持された。添加の完結の後、反応混合物を室温で一晩、攪拌した。得られる白色沈殿物を濾過し、そして水、及びエーテル及びヘキサンの混合物(1:2)により連続的に洗浄し、次に真空下で乾燥し、粗標記化合物を得た。
【0191】
この生成物を、酢酸エチル及びヘキサンの混合物(1:1)から1度、結晶化し、標記化合物(16)を得た(13.7g、25%)。生成物のジアステレオマー純度を、キラルカラムを用いてHPLCにより決定し、98.4%d.e.であることがわかった。1H NMR(CDC13, 400 MHz):δ 1.06 (d, 6H), 1.22 (d, 3H), 1.22 (d, 3H), 2.20 (m, 1H), 2.64 (hept. 1H), 6.01 (br. s, 2H), 6.64 (d, 1H), 7.47 (m, 4H), 7.63 (m, 2H), 8.07 (m, 4H)。
【0192】
5.15例154−{[(1R)−イソブタノイルオキシイソブトキシ]カルボニルアミノ}−(3R)−(4−クロロフェニル)−ブタン酸(19)の合成
室温でのTHF及び水の混合物(10:1)(220ml)中、(16)(11.7g、21.7mモル)の攪拌懸濁液に、R−バクロフェン(4.78g、22.5mモル)を添加した。得られる反応混合物を、その懸濁液が透明な溶液になるまで、攪拌し(約2時間)、次に真空下で濃縮し、溶媒のほとんどを除去した。残渣をエーテルと水との間に分け、エーテル層を水及びブラインにより洗浄し、そして無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。濾過及び真空下での濃縮の後、粗生成物を得、そして次に、ヘキサン中、10〜20%のアセトンのグラジエントにより溶出する、シリカゲル上でのフラッシュ−クロマトグラフィーにより精製した。
【0193】
アセトン/ヘキサン混合物からの結晶化により、標記化合物(19)を得た(8.22g、95%の収率)。生成物のジアステレオマー純度を、キラルカラムを用いてHPLCにより決定し、99.9%d.e.であることがわかった。1H NMR(CDC13, 400 MHz):δ0.95 (d, 6H), 1.17 (d, 3H), 1.18 (d, 3H), 1.99 (m,1H), 2.55 (hept. 1H), 2.64 (dd, 1H), 2.76 (dd, 1H), 3.40 (m, 3H), 4.73 (br. t, 1H), 6.51 (d, 1H), 7.13 (d, 2H), 7.27 (m, 2H). MS (ESI)m/z 398.50(M-H)-
【0194】
5.16例16ナトリウム4−{[(1R)−イソブタノイルオキシイソブトキシ]カルボニルアミノ}−(3R)−(4−クロロフェニル)−ブタノエート(20)の合成
カルボン酸(19)を、MeCN(0.5ml)への溶解、及び15分間の音波処理を伴っての水性炭酸水素ナトリウム(1当量)の添加により、ナトリウム塩に転換した。溶媒を、凍結乾燥により除去し、標記化合物(20)を得た。1H NMR (CD30D, 400 MHz) :δ 0.93 (d, 3H), 0.94 (d, 3H), 1.94 (m, 1H), 1.08 (d, 3H), 1.10 (d, 3H), 2.37-2. 54 (m, 3H), 3.31 (m, 3H), 6.43 (d, 1H), 7.23 (s, 4H). MS(ESI) m/z 398.57 (M-Na)-
【0195】
5.17例17(1S)−1−[((3R,4R)−2,5−ジオキソ−3,4−ジベンゾイルオキシピロリジニル)−オキシカルボニルオキシ]−2−メチルプロピル2−メチルプロパノエート(21)の合成
段階A:(3R,4R)−2,5−ジオキソ−3,4−ジベンゾイルオキシ−3,4−ジヒドロフラン(22)
機械攪拌機及びテフロン(登録商標)−被覆されたサーモカップルを備えた、5Lの三ツ首丸底フラスコにに、(−)−2,3−ジベンゾイル−L−酒石酸(1000g、2.79モル)、続いて無水酢酸(2L)を添加した。
【0196】
懸濁液を攪拌し、そして85℃に2時間、加熱し、その間、出発材料は徐々に溶解された。この後、すぐに生成物は、反応混合物において結晶化し始め、そして次に、その懸濁液を25℃に冷却した。生成物を濾過により集め、ヘキサン中、10%アセトン(2×1L)により洗浄し、そして真空オーブンにおいて50℃で一晩、乾燥し、標記化合物(22)を白色の固形物として得た。1H NMR(CDC13, 400 MHz):δ 6.0 (s, 2H), 7.45 (app. t, 4H), 7.65 (app. t, 2H), 8.05 (d, 4H)。
【0197】
段階B:1−ヒドロキシ−(3R,4R)−2,5−ジオキソ−3,4−ジベンゾイルオキシピロリジン(23)
機械攪拌機及びテフロン(登録商標)−被覆された温度プローブを備えた、5Lの三ツ首丸底フラスコに、(22)(2.79モル)、続いてアセトニトリル(2L)を添加した。懸濁液を、氷浴において4℃に冷却し、続いて、50%水性ヒドロキシアミン(180ml、2.93モル)を1時間にわたって添加した。出発材料を、添加の間、徐々に溶解し、そして反応混合物を20℃に暖め、そして1時間、攪拌した。反応混合物を、真空下で濃縮し、EtOAc(1L)により希釈し、そして1NのHCl(2×1L)により洗浄した。
【0198】
有機相を分離し、そして真空下で濃縮し、粘性の赤色シロップ状物を得た。次に、そのシロップ状物を、水の共沸除去を伴って、100℃でトルエンにおいて2時間、加熱した。そのシロップ状物は徐々に溶解し、そして次に、生成物が結晶化した。室温での冷却の後、固形物を、濾過により集め、ヘキサン中、10%アセトン(2×1L)により洗浄し、そして真空オーブンにおいて乾燥し、標記化合物(23)(862g、2.43モル、87%)を、白色固形物として得た。1H NMR (CDC13, 400 MHz):δ 5.85 (s, 2H), 7.45 (app. t, 4H), 7.65 (app t, 2H), 8.05 (m, 4H)。
【0199】
段階C:(1S)−1−[((3R,4R)−2,5−ジオキソ−3,4−ジベンゾイルオキシピロリジニル)−オキシカルボニルオキシ]−2−メチルプロピル2−メチルプロパノエート(21)
機械攪拌機、テフロン(登録商標)−被覆された温度プローブ及び追加の漏斗を備えた、3Lの三ツ首丸底フラスコを、(13)(234g、1モル)、(23)(330g、0.95モル)及び1,2−ジクロロエタン(2200ml)により充填した。その反応混合物を、氷水浴において窒素雰囲気下で15℃に冷却した。この攪拌された反応混合物に、15〜22℃の温度を維持しながら、希酢酸(500ml、2.94モル)中、過酢酸の39%溶液を添加した。
【0200】
この温度を、さらに12時間、維持し、この間、白色沈殿物が形成された。反応混合物をさらに、3〜4℃に冷却し、生成物を濾過により集め、そしてヘキサン(2×1L)により洗浄した。生成物を真空下で乾燥し、標記化合物(21)を得た(128g、0.24モル、25%)。生成物のジアステレオマー純度を、キラルカラムを用いて、HPLCにより決定し、99% d.e.以上であることを見出した。1H NMR (CDC13, 400 MHz):δ 1.0 (d, 6H), 1.2 (dd, 6H), 2.1 (m, 1H), 2.65 (m, 1H), 6.0 (br. s, 2H), 6.6 (d, 1H), 7.45 (app. t, 4H), 7.65 (app. t, 2H), 8.05 (d, 4H)。
【0201】
化合物(21)の他の合成においては、機械攪拌機、テフロン(登録商標)−被覆された温度プローブ及び追加の漏斗を備えた、5Lの三ツ首丸底フラスコを、(13)(350g、1.5モル)、(23)(530g、1.5モル)及びジクロロメタン(2L)により充填した。その反応混合物を、氷水浴において窒素雰囲気下で15℃に冷却した。この攪拌された反応混合物に、15〜20℃の温度を維持しながら、希酢酸(914ml、4.35モル)中、過酢酸の32%溶液を添加した。この溶液を、さらに16時間、この温度で維持し、次に22Lの分離用漏斗に移し、そして少量の水性層を除去した。
【0202】
有機相を、酢酸エチル(2L)により希釈し、そして水(6×1L)、0.2Mの水性メタ重亜硫酸ナトリウム(2×1L)及び飽和水性塩化ナトリウム(2×1L)により洗浄した。有機相を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして真空下で濃縮し、白色固形物を得た。この固形物を50℃で酢酸エチル(2L)に溶解し、そしてその溶液を周囲温度に2時間にわたって冷却し、次にさらに、0〜2℃に1時間、冷却した。得られる結果材料を、ガラス漏斗上で集め、冷酢酸エチルにより洗浄し、そして真空下で乾燥し、標記化合物(21)を、白色固形物として得た(103g、140mモル、12.7%)、m.p.=138.5〜139.5℃。生成物のジアステレオマー純度を、キラルカラムを用いてHPLCにより決定し、約89%d.e.であることを見出した。
【0203】
5.18例184−{[(1S)−イソブタノイルオキシイソブトキシ]カルボニルアミノ}−(3R)−(4−クロロフェニル)−ブタン酸(24)の合成
機械攪拌機、温度プローブ及び窒素入口を備えた、3Lの三ツ首丸底フラスコに、(21)(75g、139mモル)、R−バクロフェン(31.2g、146mモル)、THF(100ml)及び水(100ml)を添加した。この懸濁液を、18〜20℃で窒素雰囲気下で4時間、攪拌した。反応は、30分で均質になった。溶媒を真空下で除去し、そして反応混合物を、メチルtert−ブチルエーテル(250ml)により希釈し、そして1NのHCl(1×500ml)及び水(2×100ml)により洗浄した。
【0204】
有機相を分離し、そして真空下で濃縮し、白色固形物を得た。固形物を、フラッシュクロマトグラフィー(800gのシリカゲル;ヘキサン中、20%アセトンにより溶出する)により精製し、生成物(50g、125mモル、90%の収率)を、白色固形物として得た。アセトン/ヘキサン混合物又は酢酸エチル/ヘプタン混合物のいずれかからの結晶化により、標記化合物(24)(50g、125mモル、90%の収率)を、白色固形物として得た。生成物のジアステレオマー純度を、キラルカラムを用いてのHPLCにより決定し、99% d.e.以上であることを見出した。1H NMR (CDC13,400 MHz):δ0. 89 (m, 6H), 1.15 (m, 6H), 1.94 (m, 1H), 2.52 (m, 1H), 2.58 (dd, 1H), 2.78 (dd, 1H), 3.28 (m, 2H), 3.49 (m, 1H), 4. 68 (t, 1H), 6.48 (d, 1H), 7.10 (d, 2H), 7.24 (d, 2H)。
【0205】
(24)の他の合成においては、機械攪拌機を備えた、1Lの丸底フラスコに、R−バクロフェン(40.3g、189mモル)、化合物(21)(99.3g、184mモル、d.e.=98%)、アセトン(225ml)、メチルtert−ブチルエーテル(525ml)及び水(75ml)を添加した。この懸濁液を、20〜22℃で2.5時間、攪拌した。1.5時間後、LC/MSによる反応混合物の分析は、出発材料(21)が完全に消費されたことを示した。反応混合物を、2%HCl(30ml)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(3×200ml)により洗浄した。有機相を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして真空下で濃縮し、オレンジ色の油状物(160g)を得た。その油状物を、ジクロロメタン(120ml)に溶解し、そしてBiotage Flash 75 Radial Compression Moduleにおける800gのBiotage 75Lシリカゲルクロマトグラフィーカートリッジに適用した。
【0206】
ジクロロメタンを、カラムを20分間、真空化することにより除去した。所望する生成物を、ヘキサン中、14%(v/v)のアセトン(20Lの合成体積)によりカラムから溶出した。溶離剤を最初に、TLCにより溶出する生成物が観察されるまで、500mlの画分に集め、この時点で、生成物を2×4Lの画分に集め、次に、副産物(23)が溶離剤に観察されるまで(TLCによる)、400mlの画分に集めた。TLCにより可視できる不純物を含まない画分を組合し、減圧下で濃縮し、そして真空下で乾燥し、標記化合物(24)(70g、175mモル、95%の収率)を得た。生成物の化学純度は、約98.2%AUC(LC−UVによる)であることが決定され、そしてジアステレオマー純度は、キラルカラムを用いてのHPLCによれば、約88.4% d.e. であることが決定された。
【0207】
生成物を、水浴において53℃に暖め、続いて、ヘキサンを45分間にわたって徐々に添加し、内部温度を47〜52℃に維持することにより、アセトン(175ml)に固形物を溶解することにより再結晶化した。透明な溶液を、周囲温度に2時間にわたって冷却し、続いて0〜2℃に1時間、さらに冷却した。生成物を濾過により集め、そして冷アセトン/ヘキサン(25ml/225ml)により洗浄し、そして真空オーブンにおいて45℃で24時間、乾燥し、標記化合物(24)(59.5g、149mモル)を、白色の結晶固形物として得た。生成物の化学純度は約99.9% AUC (LC-UVによる)であることが決定され、そしてジアステレオマー純度は、キラルカラムを用いての HPLCによれば、約98.7% d.e. であることが決定された。
【0208】
5.19例19ナトリウム4−{[(1S)−イソブタノイルオキシイソブトキシ]カルボニルアミノ}−(3R)−(4−クロロフェニル)−ブタノエート(25)の合成
カルボン酸(24)を、15分間、音波処理しながら、MeCNに溶解し、そして次に水性炭酸水素ナトリウム(1当量)を添加することによりナトリウム塩に転換した。アセトン/ヘキサン、酢酸エチル/ヘプタン、THF/ヘプタン、又は1,2−ジメトキシエタン/ヘキサンのいずれかの混合物からの結晶化により、標記化合物(25)を、白色の結晶性固形物として得た。1H NMR (CD30D, 400 MHz) : δ 0.90 (d, 6H), 1.14 (d, 3H), 1.15 (d, 3H), 1.91 (m, 1H), 2.40 (m, 1H), 2.52 (m, 2H), 3.30 (m, 3H), 6.41 (d, 1H), 7.22 (s, 4H)。 MS (ESI)m/z 398.08(M-Na)-
【0209】
5.20例20(1R)−1−[((3R,4R)−2,5−ジオキソ−3,4−ジイソブチロイルオキシピロリジニル)−オキシカルボニルオキシ]−2−メチルプロピル2−メチルプロパノエート(26)の合成
段階A:(3R,4R)−2,5−ジオキソ−3,4−ジイソブチロイルオキシ−3,4−ジヒドロフラン(27)
トルエン(60ml)中、L−酒石酸(5.0g、33.3mモル)の懸濁液に、塩化イソブチリル(11.3ml、107mモル)を添加した。得られる懸濁液を、加熱還流し、そして還流温度で22時間、攪拌した。次に、反応混合物を真空下で濃縮し、結晶性固形物を得、これを、エーテル及びヘキサンの混合物(1:3)に懸濁し、濾過し、ヘキサンにより洗浄し、そして乾燥し、所望する化合物(27)を、白色の結晶性固形物として得た(6.4g、71%)。1H-NMR (400 MHz,CDC13) :δ1.25 (d,J = 6.8 Hz, 12H), 2.72 (hept,J = 6.8 Hz, 2H), 5.63 (s, 2H)。
【0210】
段階B:1−ヒドロキシ−(3R,4R)−2,5−ジオキソ−3,4−ジイソブチロイルオキシピロリジン(28)
0℃での酢酸エチル(50ml)中、化合物(27)(5.48g、22mモル)の攪拌溶液に、ヒドロキシルアミン(1.75g、26.4mモル)の50%水溶液を添加した。得られる混合物を室温で3時間、攪拌し、そしてクエン酸水溶液及びブラインにより連続的に洗浄し、次に、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。濾過及び真空下での濃縮の後、残渣をトルエンに懸濁し、そして反応混合物を還流下で5時間、加熱し、そして共沸的に発生される水を、Dean−Stark装置により集めた。トルエンを真空下で除去し、標記化合物(28)(6.3g、定量的収率)を得た。1H-NMR (400 MHz, CDC13) :δ 1.22 (d,J = 6.8 Hz, 12H), 2.69 (hept, J = 6.8 Hz, 2H), 5.48 (s, 2H)。
【0211】
段階C:(1R)−1−[((3R、4R)−2,5−ジオキソ−3,4−ジイソブチロイルオキシピロリジニル)−オキシカルボニルオキシ]−2−メチルプロピル2−メチルプロパノエート(26)
0℃でのCH2Cl2中、化合物(28)(4.89g、17.0mモル)及びチオカーボネート(13)(4.39g、18.7mモル)の攪拌溶液に、酢酸中、過酢酸の32%溶液(10.7ml、51.1mモル)を滴下した。得られる反応混合物を、0℃室温で21時間、攪拌し、そして反応の進行をNMRによりモニターした。反応混合物を、水及びブラインにより洗浄し、次に無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。
【0212】
真空下での溶媒の除去の後、粗生成物をヘキサン中、20%酢酸エチルにより溶出する短いシリカゲルカラムを通して濾過し、所望する化合物を、ジアステレオマーの混合物として得た。その混合物を、ヘキサン中、5%エーテルから注意して結晶化し、標記化合物(26)(320mg)を得た。生成物のジアステレオマー純度を、キラルカラムを用いてのHPLCにより決定し、約82% d.e. であることを見出した。1H-NMR (CDC13, 400 MHz): δ 1.03 (d, J = 6.8 Hz, 6H), 1.19 (d, J =6.8 Hz, 6H), 1.22 (d, J = 6. 8 Hz, 12H), 2.15 (m, 1H), 2.61 (hept, J = 6.8 Hz, 1H), 2.69 (hept, J = 6.8 Hz, 2H), 5.61 (br. s, 2H), 6.59 (d, J = 5.2 Hz, 1H)。
【0213】
5.21例214−{[(1R)−イソブタノイルオキシイソブトキシ]カルボニルアミノ}−(3R)−(4−クロロフェニル)−ブタン酸(19)の合成
10%(v/v)水−アセトニトリル中、化合物(26)及びR−バクロフェンの懸濁液を、室温で4時間、攪拌した。アセトニトリルを真空下で除去し、粗生成物を得、これを、水と酢酸エチルとの間に分けた。有機層を水(3×)及びブラインにより洗浄し、次に無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。真空下での溶媒の除去の後、生成物を20%酢酸エチル−ヘキサンから結晶化し、標記化合物(19)を得た。生成物のジアステレオマー純度を、キラルカラムを用いてのHPLCにより決定し、約92% d.e. であることを見出した。
【0214】
5.22例22(1S)−1−[((3S,4S)−2,5−ジオキソ−3,4−ジイソブチロイルオキシピロリジニル)−オキシカルボニルオキシ]−2−メチルプロピル2−メチルプロパノエート(29)の合成
段階A:(3S,4S)−2,5−ジオキソ−3,4−ジイソブチロイルオキシ−3,4−ジヒドロフラン(30)
トルエン(60ml)中、D−酒石酸(5.0g、33.3mモル)の懸濁液に、塩化イソブチリル(11.3ml、107mモル)を添加した。得られる懸濁液を、加熱還流し、そして還流温度で22時間、攪拌した。次に、反応混合物を真空下で濃縮し、結晶性固形物を得、これを、エーテル及びヘキサンの混合物(1:3)に懸濁し、濾過し、ヘキサンにより洗浄し、そして乾燥し、所望する化合物(30)を、白色の結晶性固形物として得た(6.4g、71%)。1H-NMR (400 MHz,CDC13) :δ1.25 (d,J = 6.8 Hz, 12H), 2.72 (hept,J = 6.8 Hz, 2H), 5.63 (s, 2H)。
【0215】
段階B:1−ヒドロキシ−(3S,4S)−2,5−ジオキソ−3,4−ジイソブチロイルオキシピロリジン(31)
0℃での酢酸エチル(50ml)中、化合物(30)(5.98g、22mモル)の攪拌溶液に、ヒドロキシルアミン(1.75g、26.4mモル)の50%水溶液を添加した。得られる混合物を室温で3時間、攪拌し、そしてクエン酸水溶液及びブラインにより連続的に洗浄し、次に、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。濾過及び真空下での濃縮の後、残渣をトルエンに懸濁し、そして反応混合物を還流下で5時間、加熱し、そして共沸的に発生される水を、Dean−Stark装置により集めた。トルエンを真空下で除去し、標記化合物(28)(6.3g、定量的収率)を得た。1H-NMR (400 MHz, CDC13) :δ 1.22 (d,J = 6.8 Hz, 12H), 2.69 (hept, J = 6.8 Hz, 2H), 5.48 (s, 2H)。
【0216】
段階C:(1S)−1−[((3S,4S)−2,5−ジオキソ−3,4−ジイソブチロイルオキシピロリジニル)−オキシカルボニルオキシ]−2−メチルプロピル2−メチルプロパノエート(29)
0℃でのCH2Cl2中、化合物(31)(4.89g、17.0mモル)及びチオカーボネート(13)(4.39g、18.7mモル)の攪拌溶液に、酢酸中、過酢酸の32%溶液(10.47ml、51.06mモル)を滴下した。得られる反応混合物を、0℃室温で21時間、攪拌し、そして反応の進行をNMRによりモニターした。反応混合物を、水及びブラインにより洗浄し、次に無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。
【0217】
真空下での溶媒の除去の後、粗生成物をヘキサン中、20%酢酸エチルにより溶出する短いシリカゲルカラムを通して濾過し、所望する化合物を、ジアステレオマーの混合物として得た。その混合物を、ヘキサン中、5%エーテルから注意して結晶化し、標記化合物(29)を得た。生成物のジアステレオマー純度を、キラルカラムを用いてのHPLCにより決定し、約84% d.e. であることを見出した。追加の再結晶化により、より高いジアステレオマー純度を有する生成物を得た。1H-NMR (400 MHz, CDC13) :δ 1.04 (d, J = 6.8 Hz, 6H), 1.20 (d, J =6.8 Hz, 6H), 1.24 (d, J = 6.8 Hz, 6H), 1.26 (d, J = 6.8 Hz, 6H), 2.17 (m, 1H), 2.62 (hept, J = 6.8 Hz, 1H), 2.70(hept,J = 6.8 Hz, 2H), 5.63 (br. s, 2H), 6.60 (d, J = 5.2 Hz, 1H)。
【0218】
5.23例234−{[(1S)−イソブタノイルオキシイソブトキシ]カルボニルアミノ}−(3R)−(4−クロロフェニル)−ブタン酸(24)の合成
標記化合物をまた、化合物(26)を、(1S)−1−[((3S、4S)−2,5−ジオキソ−3,4−ジイソブチロイルオキシピロリジニル)−オキシカルボニルオキシ]−2−メチルプロピル2−メチルプロパノエート(29)により置換することにより、例21におけるのと同じ方法に従って調製することができる。
最終的に、本発明を実施する他の手段が存在することは注目されるべきである。従って、本発明の態様は、例示的であり、限定的でないものとして考慮され、そして本発明は本明細書に与えられる詳細に限定されないが、しかし本発明の範囲内で修飾され得る。本明細書に引用されるすべての出版物及び特許は、それらのすべてを引用により本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I):
【化1】

で表される1−(アシルアオキシ)−アルキルN−ヒドロキシスクシンイミジルカーボネートの合成方法であって、
(i)下記式(IV)の化合物と下記式(V)の化合物とを接触し、下記式(VI)の化合物を得;
(ii)下記式(VI)の化合物と下記式(VII )のカルボキシレート化合物とを接触し、下記式(VIII)のアシルオキシアルキルチオカーボネート化合物を得;そして
(iii)下記式(VIII)のチオカーボネート化合物と下記酸化剤(IX)とを、下記式(X)のN−ヒドロキシスクシンイミド化合物の存在下で接触し、下記式(I)の化合物を得ることを含んで成り:
【化2】

ここで、上記式中、Xは、Cl、Br又はIであり;
B1+は、アルカリ金属カチオン、四級アンモニウムカチオン、又は有機塩基の共役酸であり;
B2+は、四級アンモニウムカチオン、有機塩基の共役酸、アルカリ金属カチオン、又はアルカリ土類金属カチオンであり;
R1は、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアルキル、置換されたヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル又は置換されたヘテロアリールアルキルであり;
R2及びR3は独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシカルボニル、置換されたアルコキシカルボニル、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、カルバモイル、置換されたカルバモイル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換されたヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、又は置換されたヘテロアリールアルキルであり、あるいは任意には、R2及びR3は、それらが結合している原子と一緒になって、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、又は置換されたシクロヘテロアルキル環を形成し;
R4は、C1-4アルキル、フェニル、置換されたフェニル、又はC7-9フェニルアルキルであり;そして
R5及びR6は独立して、水素、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキル、置換されたアルキル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アリール、置換されたアリール、アリールアルキル、カルバモイルオキシ、ジアルキルアミノ、ヘテロアリール、ヒドロキシ、スルホンアミド、あるいは任意には、R5及びR6は、それらが結合している原子と一緒になって、置換されたシクロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル又は置換されたアリール環を形成する、方法。
【請求項2】
XがClである請求項1記載の方法。
【請求項3】
R1が、C1-6アルキル、置換されたC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル、置換されたフェニル及びC7-9フェニルアルキルから成る群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項4】
R1が、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、1,1−ジエトキシエチル、フェニル又はシクロヘキシルである、請求項3記載の方法。
【請求項5】
R2及びR3が独立して、水素、C1-4アルキル、置換されたC1-4アルキル、C1-4アルコキシカルボニル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルコキシカルボニル、フェニル、置換されたフェニル及びC7-9フェニルアルキルから成る群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項6】
R2が、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、フェニル又はシクロヘキシルであり、そしてR3が水素である、請求項5記載の方法。
【請求項7】
R2が、メチル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル又はシクロヘキシルオキシカルボニルであり、そしてR3がメチルである、請求項5記載の方法。
【請求項8】
R2及びR3が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル環を形成する、請求項1記載の方法。
【請求項9】
R4が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、フェニル、4−メトキシフェニル、4−メチルフェニル又はベンジルである、請求項1記載の方法。
【請求項10】
R5及びR6が両者と共に水素である請求項1記載の方法。
【請求項11】
R5及びR6が、それぞれアシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アルコキシ、カルバモイルオキシ又はヒドロキシである、請求項1記載の方法。
【請求項12】
R5及びR6が、それぞれアセトキシ、イソブチロイルオキシ、ピバロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、C1-4アルキル−置換されたベンゾイルオキシ、メトキシ又はベンジルオキシである、請求項11記載の方法。
【請求項13】
R5及びR6が、それぞれイソブチロイルオキシ又はベンゾイルオキシである、請求項12記載の方法。
【請求項14】
R1がイソプロピルであり、R2がメチルであり、R3が水素であり、R4がメチル、エチル又はtert−ブチルであり、そしてR5及びR6がそれぞれ水素である、請求項1記載の方法。
【請求項15】
R1がイソプロピルであり、R2がイソプロピルであり、R3が水素であり、R4がメチル、エチル又はtert−ブチルであり、そしてR5及びR6がそれぞれベンゾイルオキシである、請求項1記載の方法。
【請求項16】
R1がイソプロピルであり、R2がイソプロピルであり、R3が水素であり、R4がメチル、エチル又はtert−ブチルであり、そしてR5及びR6がそれぞれイソブチロイルオキシである、請求項1記載の方法。
【請求項17】
R1がイソプロピルであり、R2がイソプロピルであり、R3が水素であり、R4がメチル、エチル又はtert−ブチルであり、そしてR5及びR6がそれぞれピバロイルオキシである、請求項1記載の方法。
【請求項18】
R1がイソプロピルであり、R2がイソプロピルであり、R3が水素であり、R4がメチル、エチル又はtert−ブチルであり、そしてR5及びR6がそれぞれC1-4アルキル−置換されたベンゾイルオキシである、請求項1記載の方法。
【請求項19】
式(I)の化合物におけるR2及びR3が異なり、その結果、R2及びR3が結合している炭素原子が立体構造形成中心である、請求項1記載の方法。
【請求項20】
式(X)の化合物が、キラル及び非ラセミ性である請求項19記載の方法。
【請求項21】
式(X)の化合物におけるR5及びR6がそれぞれ、イソブチリルオキシ又はベンゾイルオキシであり、R5が結合している炭素での立体化学構造はR−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造はR−配置である、請求項20記載の方法。
【請求項22】
式(X)の化合物におけるR5及びR6がそれぞれ、イソブチリルオキシ又はベンゾイルオキシであり、R5が結合している炭素での立体化学構造はS−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造はS−配置である、請求項20記載の方法。
【請求項23】
式(I)の化合物が、実質的に1つのジアステレオマーを含んで成る、請求項20記載の方法。
【請求項24】
R1がイソプロピルであり、R2がイソプロピルであり、R3が水素であり、R4がメチル、エチル又はtert−ブチルであり、そしてR5及びR6がそれぞれベンゾイルオキシであり、R2及びR3が結合している炭素での立体化学構造はS−配置であり、R5が結合している炭素での立体化学構造はR−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造はR−配置である請求項23記載の方法。
【請求項25】
R1がイソプロピルであり、R2がイソプロピルであり、R3が水素であり、R4がメチル、エチル又はtert−ブチルであり、そしてR5及びR6がそれぞれベンゾイルオキシであり、R2及びR3が結合している炭素での立体化学構造はR−配置であり、R5が結合している炭素での立体化学構造はS−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造はS−配置である、請求項23記載の方法。
【請求項26】
R1がイソプロピルであり、R2がイソプロピルであり、R3が水素であり、R4がメチル、エチル又はtert−ブチルであり、そしてR5及びR6がそれぞれイソブチロイルオキシであり、R2及びR3が結合している炭素での立体化学構造はR−配置であり、R5が結合している炭素での立体化学構造はR−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造はR−配置である、請求項23記載の方法。
【請求項27】
R1がイソプロピルであり、R2がイソプロピルであり、R3が水素であり、R4がメチル、エチル又はtert−ブチルであり、そしてR5及びR6がそれぞれイソブチロイルオキシであり、R2及びR3が結合している炭素での立体化学構造はS−配置であり、R5が結合している炭素での立体化学構造はS−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造はS−配置である、請求項23記載の方法。
【請求項28】
式(V)のB1+が、アルカリ金属カチオンを含んで成る、請求項1記載の方法。
【請求項29】
式(V)のB1+が、ナトリウムイオンを含んで成る、請求項28記載の方法。
【請求項30】
式(V)のB1+が、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ジイソプロピルエチルアンモニウム、N−メチルモルホリニウム及びピリジニウムから成る群から選択されたカチオンを含んで成る、請求項1記載の方法。
【請求項31】
段階(iii)が、塩基の存在下で行われる、請求項1記載の方法。
【請求項32】
段階(i)が、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ピリジン、酢酸エチル、アセトニトリル、メチルtert−ブチルエーテル、水及びそれらの組合せから成る群から選択された溶媒の存在下で行われる、請求項1記載の方法。
【請求項33】
前記溶媒が、ジクロロメタン、水又はそれらの組合せを含んで成る、請求項32記載の方法。
【請求項34】
前記溶媒が、約0.001当量〜約0.1当量のテトラアルキルアンモニウム塩相転移触媒を含む水及びジクロロメタンの二相混合物を含んで成る、請求項33記載の方法。
【請求項35】
段階(i)が、約−20℃〜約25℃の温度で行われる、請求項32記載の方法。
【請求項36】
段階(i)が、約0℃〜約25℃の温度で行われる、請求項35記載の方法。
【請求項37】
式(VII)のB2+が、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ジイソプロピルエチルアンモニウム、N−メチルモルホリニウム及びピリジニウムから成る群から選択されたカチオンである、請求項1記載の方法。
【請求項38】
式(VII )のB2+が、リチウム、ナトリウム又はカリウムイオンを含んで成る、請求項1記載の方法。
【請求項39】
段階(ii)が、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、トルエン、ピリジン、メチルtert−ブチルエーテル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、水、式(VII )の化合物の共役酸、及びそれらの組合せから成る群から選択された溶媒の存在下で行われる、請求項1記載の方法。
【請求項40】
段階(ii)が、約−20℃〜約100℃の温度で行われる、請求項39記載の方法。
【請求項41】
酸化剤(IX)が、ペルオキシ酸、過酸化物、オゾン及び酸素から成る群から選択された組成物を含んで成る請求項1記載の方法。
【請求項42】
前記ペルオキシ酸が、ペルオキシ酢酸、m−クロロペルオキシ安息香酸、モノペルオキシ−o−フタル酸、モノペルオキシマレイン酸、ペルオキシトリフルオロ酢酸及びそれらの塩から成る群から選択される、請求項41記載の方法。
【請求項43】
前記ペルオキシ酸が、ペルオキシ酢酸を含んで成る請求項42記載の方法。
【請求項44】
前記酸化剤(IX)及びチオカーボネート(VIII)が、約10:1〜約1:1のモル比の酸化剤(IX):チオカーボネート(VIII)で存在する、請求項41記載の方法。
【請求項45】
前記モル比が、約3:1〜約1:1である、請求項44記載の方法。
【請求項46】
段階(iii)が、酢酸、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、酢酸エチル、トルエン、クロロベンゼン、キシレン、アセトニトリル、メチルtert−ブチルエーテル、シクロヘキサン又はそれらの組合せから成る群から選択された溶媒の存在下で行われる、請求項1記載の方法。
【請求項47】
前記溶媒が、酢酸、ジクロロメタン又はそれらの組合せを含んで成る、請求項46記載の方法。
【請求項48】
段階(iii)が、約−20℃〜約80℃の温度で行われる、請求項46記載の方法。
【請求項49】
段階(iii)が、約−20℃〜約25℃の温度で行われる、請求項48記載の方法。
【請求項50】
段階(iii)が、約25℃〜約60℃の温度で行われる、請求項48記載の方法。
【請求項51】
段階(iii)が、塩基の不在下で行われる、請求項1記載の方法。
【請求項52】
下記式(I):
【化3】

[式中、R1はイソプロピルであり;
R2はメチルであり;
R3は水素であり;そして
R5及びR6はそれぞれ水素である]
で表される化合物、及びその塩及び溶媒和物。
【請求項53】
下記式(I):
【化4】

[式中、R1はイソプロピルであり;
R2はイソプロピルであり;
R3は水素であり;そして
R5及びR6はそれぞれベンゾイルオキシである]
で表される化合物、及びその塩及び溶媒和物。
【請求項54】
下記式(I):
【化5】

[式中、R1はイソプロピルであり;
R2はイソプロピルであり;
R3は水素であり;そして
R5及びR6はそれぞれイソブチロイルオキシである]
で表される化合物、及びその塩及び溶媒和物。
【請求項55】
R2及びR3が結合している炭素での立体化学構造がS−配置であり、R5が結合している炭素での立体化学構造がR−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造がR−配置である、請求項53記載の化合物。
【請求項56】
R2及びR3が結合している炭素での立体化学構造がR−配置であり、R5が結合している炭素での立体化学構造がS−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造がS−配置である、請求項53記載の化合物。
【請求項57】
R2及びR3が結合している炭素での立体化学構造がS−配置であり、R5が結合している炭素での立体化学構造がS−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造がS−配置である、請求項54記載の化合物。
【請求項58】
R2及びR3が結合している炭素での立体化学構造がR−配置であり、R5が結合している炭素での立体化学構造がR−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造がR−配置である、請求項54記載の化合物。
【請求項59】
(iv)下記式(I)の化合物と、下記式(II)の第1又は第2アミン−含有薬剤とを接触し、下記式(III )の化合物、又は医薬的に許容できるその塩、水和物又は溶媒和物を得ることをさらに含んで成り:
【化6】

ここで、上記式中、HNR7R8は第1又は第2アミン−含有薬剤である、請求項1記載の方法。
【請求項60】
HNR7R8が、ガバペンチン(gabapentin)である、請求項59記載の方法。
【請求項61】
R1がイソプロピルであり、R2がメチルであり、R3が水素であり、R4がメチル、エチル又はtert−ブチルであり、そしてR5及びR6がそれぞれ水素である、請求項60記載の方法。
【請求項62】
HNR7R8が、R-バクロフェン(baclofen)である、請求項59記載の方法。
【請求項63】
R1がイソプロピルであり、R2がイソプロピルであり、R3が水素であり、R4がメチル、エチル又はtert−ブチルであり、そしてR5及びR6がそれぞれベンゾイルオキシである、請求項62記載の方法。
【請求項64】
R2及びR3が結合している炭素での立体化学構造がS−配置であり、R5が結合している炭素での立体化学構造がR−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造がR−配置である、請求項63記載の方法。
【請求項65】
R2及びR3が結合している炭素での立体化学構造がR−配置であり、R5が結合している炭素での立体化学構造がS−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造がS−配置である、請求項63記載の方法。
【請求項66】
R1がイソプロピルであり、R2がイソプロピルであり、R3が水素であり、R4がメチル、エチル又はtert−ブチルであり、そしてR5及びR6がそれぞれイソブチロイルオキシである、請求項62記載の方法。
【請求項67】
R2及びR3が結合している炭素での立体化学構造がS−配置であり、R5が結合している炭素での立体化学構造がS−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造がS−配置である、請求項66記載の方法。
【請求項68】
R2及びR3が結合している炭素での立体化学構造がR−配置であり、R5が結合している炭素での立体化学構造がR−配置であり、そしてR6が結合している炭素での立体化学構造がR−配置である、請求項66記載の方法。
【請求項69】
段階(iv)が、アセトン、アセトニトリル、ジクロロメタン、トルエン、テトラヒドロフラン、ピリジン、メチルtert−ブチルエーテル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、水及びそれらの組合せから成る群から選択された溶媒の存在下で行われる、請求項59記載の方法。
【請求項70】
前記溶媒が、アセトニトリル及び水の混合物を含んで成る、請求項69記載の方法。
【請求項71】
前記アセトニトリル及び水が、約1:5〜約5:1の体積比のアセトニトリル:水で存在する、請求項70記載の方法。
【請求項72】
前記溶媒が、メチルtert−ブチルエーテル及び水の混合物を含んで成る、請求項69記載の方法。
【請求項73】
前記メチルtert−ブチルエーテル及び水が、約20:1〜約2:1の体積比のメチルtert−ブチルエーテル:水で存在する、請求項72記載の方法。
【請求項74】
前記メチルtert−ブチルエーテルが、約10〜約50体積%のアセトンを含む、請求項73記載の方法。
【請求項75】
段階(iv)が、約−20℃〜約40℃の温度で行われる、請求項59記載の方法。
【請求項76】
段階(iv)が、約0℃〜約25℃の温度で行われる、請求項75記載の方法。
【請求項77】
段階(iv)が、約25℃の温度で行われる、請求項75記載の方法。
【請求項78】
段階(iv)が、塩基の不在下で行われる、請求項59記載の方法。
【請求項79】
段階(iv)が、塩基の存在下で行われる、請求項59記載の方法。
【請求項80】
前記塩基が、アルカリ金属の炭素水素塩又はアルカリ金属の炭酸塩である、請求項79記載の方法。
【請求項81】
前記塩基が、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン及びピリジンから成る群から選択される有機塩基である、請求項79記載の方法。
【請求項82】
下記式(XI):
【化7】

[式中、R1, R2、及びR3は、請求項1に定義される通りである]で表される1−(アシルオキシ)−アルキルカルバメート化合物の合成方法であって、下記式(I):
【化8】

[式中、R1, R2, R3, R5及びR6は、請求項1に定義される通りである]
で表される化合物と、ガバペンチン又はその塩又は溶媒和物とを接触する、ことを含んで成る方法。
【請求項83】
下記式(XII):
【化9】

[式中、R1, R2、及びR3は、請求項1に定義される通りである]
で表される1−(アシルオキシ)−アルキルカルバメート化合物の合成方法であって、下記式(I):
【化10】

[式中、R1, R2, R3, R5及びR6は、請求項1に定義される通りである]
で表される化合物と、バクロフェン又はその塩又は溶媒和物とを接触する、ことを含んで成る方法。
【請求項84】
下記式(XIII):
【化11】

[式中、R1, R2、及びR3は、請求項1に定義される通りである]
で表される1−(アシルオキシ)−アルキルカルバメート化合物の合成方法であって、下記式(I):
【化12】

[式中、R1, R2, R3, R5及びR6は、請求項1に定義される通りである]
で表される化合物と、R-(-)-バクロフェン(baclofen)又はその塩又は溶媒和物とを接触する、ことを含んで成る方法。

【公開番号】特開2011−236247(P2011−236247A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−175796(P2011−175796)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【分割の表示】特願2006−547532(P2006−547532)の分割
【原出願日】平成16年12月30日(2004.12.30)
【出願人】(503455503)ゼノポート,インコーポレイティド (22)
【Fターム(参考)】