説明

アジスロマイシン投与法

【目的】 アジスロマイシンを、食物摂取したばかりの患者に投与することができる剤形を提供する。
【構成】 食物摂取した哺乳類に投与することができるアジスロマイシンの経口剤形であって、アジスロマイシンを含有し、実質的に不利な食物の影響を現わさず、該剤形は、少なくとも以下と同じ位厳密な条件下:900mlの燐酸緩衝液、pH6.0、100rpmで回転するパドル付の37℃のUSP−2溶解装置内で、USP試験<711>に示された通りに、250mgのアジスロマイシンに相当する量の剤形を試験した場合、約30分以内に少なくとも約90%のアジスロマイシンの溶解を成し遂げる。但し、該剤形はカプセル剤ではなく、味覚遮蔽量未満のアルカリ土類金属酸化物もしくは水酸化物を含有することを特徴とする、食物の悪影響を現わさないアジスロマイシンの経口剤形。

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用可能性】
【0001】
本発明は、アジスロマイシンの剤形および、微生物感染の治療を必要とする,ヒト患者を含む哺乳類に食物摂取下でアジスロマイシンを投与することを含む感染の治療法に関する。
【背景技術】
【0002】
アジスロマイシンは、エリスロマイシンAから誘導される広いスペクトルの抗菌化合物である9a−アザ−9a−メチル−9−デオキソ−9a−ホモエリスロマイシンのU.S.A.N.(属名)である。アジスロマイシンは、Bright ,米国特許第4,474,768および
Kobrehel等, 米国特許第4,517,359により独立に開示された。これらの特許は、アジスロマイシン及びその特定の誘導体が抗菌特性を有し、よって抗生物質として有用であることを開示している。
【0003】
一般に、特定の治療薬の吸収および生物学的利用能は、いずれも、経口的に服用した場合、多数の因子により影響を受けることは公知である。このような因子としては、一般に、薬物の胃滞留時間は、通常、食物未摂取状態に比し食物が存在する方が著しく長いことから、胃腸(GI)管内の食物の存在が挙げられる。薬物の生物学的利用能がGI管内の食物の存在により一定の線を超えて影響される場合、薬物は、″食物の影響″を受けると言われる。食物の影響は、薬物が食物の悪影響を受ける場合、食物摂取したばかりの患者にこれを投与することによる危険があるのと同じくらい重要である。血流中への吸収は、患者が、薬物を投与する症状を治療するのに不十分な吸収という危険を冒すほど不利に影響される可能性があり、これが危険である。
【0004】
また、他の因子は、薬物の生物学的利用能に関連し、以下は網羅しているわけではないがリストアップする:(1)特定の剤形は、生物学的利用能に影響することができる。例えば、錠剤またはカプセル剤の胃滞留時間は、懸濁剤のそれに比し顕著に長く、相違は、患者が食物摂取したか又は摂取していないかによって変わる。(2)胃のpHは、その中の食物の量と共に、食物摂取状態から未摂取状態の間で変化し、よって、分解がpHに感受性のある薬物は影響される。(3)吸収される薬物を代謝する肝臓の能力(いわゆる″初回通過″代謝)は摂取した食事の型と共に変化する。例えば、特定の野菜(芽キャベツのような)は、特定の薬物の初回通過代謝を刺激するが、他のものには効果がない。他方、グレープフルーツ果汁は、特定の薬物の初回通過代謝を阻害する。(4)食事を摂取する際、胆嚢から小腸に放出される担汁は、難溶性薬物を溶解する能力を有し、従って生物学的利用能(bioavailability)が増加する。また、更なる因子も、特定の薬物の吸収および生物学的利用能に関連し、吸収は、実際、減少するのと同様に増加もする。これらの更なる因子としては、例えばpHに依存した溶解性、部位特異的な腸の透過率、腸の酵素に対する不安定性、初期通過代謝に対する感受性、および大腸菌に対する不安定性が挙げられる。生物学的利用能に影響する多くの因子が存在するならば、特定の薬物が食物の影響を現わすかどうかを実際に検査しない限り、一般的に予想できない。例えば、Toothaker and Welling, Ann. Rev. Pharmacol. Toxicol., 1980, 173 - 99は、食物の存在により吸収が遅延する(セファレキシン、セファクロル、メトロニダゾール、アスピリン、アルクロフェナク、インドプロフェン、ジゴキシン、シメチジン)、吸収が食物により影響されない(アンピシリン、エリスロマイシン、エストレート、スピラマイシン、プロピルチオウラシル、オキサゼパム、ベンドロフルメチアジド)、および食物の存在により吸収が増加する(エリスロマイシン、エチルスクシネート、ニトロフラントイン、8−メトキサレン、プロプラノロール、メトプロロール、ジクマロール、ジアゼパム、ヒドロクロロチアジド)種々の薬物について考察している。更なる例として、錠剤がカプセル剤に比し食物の影響の現われかたが小さい、又はその逆であるという提議を支持する明確な又は決定的なものはなさそうである。Toothaker and Wellingは、エリスロマイシンステアレート、アスピリン、ナフシリンおよびソタロールの錠剤剤形の吸収が、食物が関連して減少したことを示す研究について概説している。
【0005】
アジスロマイシンの場合、少なくとも1つ(未発表)の研究は、患者が食物摂取状態である場合、アジスロマイシンの吸収は不利に影響されることを示しており、アジスロマイシンカプセル剤形が、いわゆる不利な″食物の影響″を現わすということは従前の常識であった。よって、アジスロマイシンが、現在、ヒト患者の治療に使用するのに入手可能である国では、この製品は、食物未摂取(断食)状態、即ち、食事の少なくとも1時間前または2時間後にのみ投与するという詳細な指示書と共に販売されている。よって、アジスロマイシンを、食物摂取したばかりの患者に投与することができるならば、また、食物未摂取状態にある患者と同様に食物摂取した患者に投与することができるアジスロマイシンの剤形が入手可能であるならば有用である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かなりの量のアルカリ土類金属酸化物もしくは水酸化物を含有するいずれの剤形も除いた、食物摂取した哺乳類(ヒトを含む)に投与することができ、実質的に不利な食物の影響を現わさないアジスロマイシンの経口剤形を提供する。剤形は、平均(AUCfed)/(AUCfst)が少なくとも0.80であり、下限の90%信頼限界が少なくとも0.75である。″(AUCfed)/(AUCfst)″および″90%の信頼限界″については、下記で詳細に定義する。
【0007】
更なる態様において、本発明は、不利な食物の影響を現わさない特定のアジスロマイシン経口剤形を提供する。剤形は、これから更に詳細に述べるように、アジスロマイシンおよび薬学的に許容される担体を含む。剤形は、錠剤形態(嚥下のみ可能(swallowable)および咀嚼可能な(chewable)型の両方を含む)、1回服用量包装形態(当業界では時に″サシェイ″と称する)、1回服用量包装から調製した懸濁剤の形態、経口懸濁剤用の散剤形態、および経口懸濁剤のままの形態である。1回服用量包装を構成する場合、指示書により再構成するならば、溶液に対する懸濁液の程度はpHのような多数の因子に依存するが、多分、主として懸濁剤の形態であることを付け加えておく。本明細書で用いた″懸濁剤″とは、部分的に懸濁液および部分的に溶液ならびに全体的に溶液中のアジスロマイシンを含有する液体を含むものとする。
【0008】
更なる態様において、本発明は、微生物感染の治療を必要とする食物摂取した哺乳類に、実質的に不利な食物の影響を現わさない経口剤形の抗菌に効果的な量のアジスロマイシンを投与することを含む、哺乳類におけるこのような感染の治療法を提供する。用いる剤形は、平均(AUCfed)/(AUCfst)が少なくとも0.80であり、下限の90%信頼限界が少なくとも0.75である。
【0009】
本明細書および特許請求の範囲で述べた″食物摂取″した哺乳類(ヒトを含む)とは、服用の1時間前ないし服用後2時間以内にいずれかの種類の食物を摂取した哺乳類を意味する。更なる態様において、本発明は、市販に適した治療用パッケージであって、容器、その中に入っている、不利な食物の影響を現わさないアジスロマイシンの経口剤形および、このパッケージと関連した、剤形を食物と共にまたは関係なく摂取することができるかどうかに関して非制限的な説明書から成る前記パッケージを提供する。
【0010】
経口懸濁剤および1回服用量包装用の散剤は、当然のことながら、直接患者に摂取されず、むしろ、好適な賦形剤中で再構成されることを述べておく。それでもなお、これらの用語は、本発明の目的の″剤形″の意味の境界領域内にあるものと考えられる。剤形としてのカプセル剤は、本発明の一部を形成しない。本発明の目的のために、アジスロマイシンは、単独で、または他の治療薬と組み合わせて投与することができる。
【0011】
食物の影響は、例えば、上述のToothaker and Welling の文献に示されるように、横座標(X−軸)に沿った時間に対し縦座標(Y−軸)に沿ったアジスロマイシンの血清濃度(例えばμg/ml)をプロットする曲線下領域(AUC)を決定することにより検出および定量化することができる。通常、AUC値は、患者試験集団の全被験者からとった多数の値を表わし、従って、全試験集団にわたって平均した平均値である。患者の食物摂取集団の曲線下領域(AUCfed)を測定し、同患者の断食集団の領域(AUCfst)と比較することにより、所定の薬物が不利な食物の影響を現わすかどうかを決定することができる。
【0012】
本発明の定義目的にとって、詳しくはアジスロマイシン剤形のみに関しては、アジスロマイシンの剤形は、1回は断食した、1回は食物摂取した集団に服用させた後、平均(AUCfed)/(AUCfst)値が、0.80以下であり及び/又はこの比率の下限の90%信頼限界が、0.75以下であるならば、不利な食物の影響を現わす。逆に、食物の悪影響を現わさないアジスロマイシンの剤形は、試験集団で試験した場合、(AUCfed)/(AUCfst)値が、少なくとも0.80であり、この値の下限の90%信頼限界が、少なくとも0.75である。平均(AUCfed)/(AUCfst)値は、0.80以上のいかなる値を有してもよく、それでもなお本発明の範囲内であるが、上限(平均)が1.25で上限の90%信頼限界が1.40又はそれ以下であることが好ましい。
【0013】
定義目的およびAUCfedの測定のための″食物摂取″した患者の集団は、食品医薬品庁(FDA)推奨の標準高脂肪朝食を20分以内に摂取し、次いで、実質的にその直後に試験剤形を摂取した(即ち、飲み込んだ)個々の患者から構成されているものである。標準高脂肪朝食は、例えば、テーブルスプーン1ぱいのバターで炒めた卵2個、ベーコン2切れ、ハッシュブラウンポテト6オンス、ティースプーン2はいのバターと2塊のゼリージャムを付けたトースト2切れ、および全乳8オンスから成る。この標準高脂肪朝食は、米国農務省ホームアンドガーデン公報第72のモノグラフ″食品の栄養価″を用いて算定した、脂肪(58g)として54%供給され蛋白質として12%供給された約964カロリーを含有する。更なる食物も20分以内に摂取し、患者は″食物摂取″した資格を得た。定義目的およびAUCfstの測定のための″断食した患者″は、剤形摂取前少なくとも8時間、代表的には一晩食物摂取していない患者である。
【0014】
特定の集団、この場合食物摂取した又は断食した集団のいずれかの(AUCfed)/(AUCfst)に関する90%信頼限界は、Schuirman の2回片側検定手順を用い、以下の通りに算定することができる(及びした)。対数を変換したAUCを、2期間、2治療の交配法に適した分散分析の手段により分析した。分析は、ノースキャロライナのキャリーの統計分析システム学会から入手したスタティスティカルアナリシスシステム(SAS)ソフトウェアーを用いて行った。PROC
GLMとしてSAS中で述べられたSAS手法を用いて、系列、系列内の事項、期間および治療(食物摂取/断食)の影響を決定した。系列の影響は、誤差事項として分散分析(ANOVA)から得た[系列内の事項]の平均平方を用いて試験した。他の全影響は、ANOVAから得た見逃し誤差(誤差平均平方)に対して試験した。SASのLSMEANS計算書を用いて最小平方平均並びにその標準誤差および共分散を算定した。これらを用いて、治療方法および、これらの差分(対数変換した)と関連した標準誤差間の調整した差分の推定値を得た。二方向の交配法の90%信頼間隔を、差分プラス(またはマイナス)差分の標準誤差かける自由度を有するt−分布の95番目の百分位数(試料サイズ−2の2倍)として、これらの推定値に基づいて構築した。限界に関して逆対数をとって比率の相当する信頼を得た。不利な食物の影響を現わさない本発明による剤形は、アジスロマイシンが、胃酸のpHで遭遇する酸度のような低(酸)pHで不安定であるという事実から見て驚くべきことである。本発明者等は、本質的に酸性のpHを示す胃汁に露出した場合、アジスロマイシンが分解することを示した。従って、いずれかの作用のメカニズムと結び付くことなく、GI管内の急速な崩壊が本発明にとって重要であると考えられることは驚くべきことである。
【0015】
1992年7月30日に出願され、普通に譲渡された米国特許第07/922,262号は、味覚遮蔽成分のような、アルカリ土類酸化物および水酸化物から成る群から選ばれる塩基性化合物を含有する、アザリド抗生物質のような苦味薬剤の味覚遮蔽組成物を開示している。本発明の組成物は、少しでも酸化または水酸化アルカリ土類を含有しているとすれば、味覚遮蔽量以下の味覚遮蔽成分を含有する。従って、本発明の組成物は、好ましくは約1%以下のアルカリ土類金属酸化物又は水酸化物を含有し、このような味覚遮蔽成分を全く含有していなくてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0016】
アジスロマイシンは、代表的には、ヒトの治療のために、本発明による処方物中に約25mgから約3g、好ましくは250mgから2gの量で存在する。剤形を動物/家畜の用途に用いようとするならば、その量は、当然のことながら、例えば、治療しようとする動物患者(例えば、ウマ)の大きさに依存してこれらの制限を超えて調整することができる。″アジスロマイシン″の意味には、薬学的に許容されるその塩および無水物ならびに含水物も含まれる。アジスロマイシンは、好ましくは、例えば、ヨーロッパ特許出願0
298 650
A2に開示された二水和物として存在する。
【0017】
特定のアジスロマイシン剤形が不利な食物の影響を現わすかどうかを検査するための最も信頼できる方法は、実際に、1回は食物摂取した、1回は断食した患者集団に対しインビボでその剤形を試し、時間の経過に伴う血清(または血漿)アジスロマイシン水準を測定し、上記のように(食物摂取および断食した)各患者における時間の経過に伴う血清(または血漿)アジスロマイシンの濃度の曲線をプロットし、各曲線下領域(通常、例えば単純積分により)を決定し、最後に平均(AUCfed)/(AUCfst)比率が0.80を超えるかどうか及び、下限90%信頼限界が0.75に等しいか又はそれを超えるかどうかを決定することである。
【0018】
本発明のアジスロマイシン剤形は、実質的に、摂取直後にGI管内で溶解が容易なアジスロマイシン(懸濁剤)を提供するか又は、摂取後急速に崩壊する(錠剤)ことにより急速に溶解するアジスロマイシンを提供することから、食物の影響を大きく現わさないと考えられる。理論に裏付けされていることを願うわけではないが、アジスロマイシン剤形が、摂取直後GI管内で溶解するアジスロマイシンを提供するか又は、少なくとも摂取後所定時間内で溶解するアジスロマイシンを提供するならば、アジスロマイシンは、実質的に何ら不利な食物の影響に帰さない速度で血流中に吸収されると考えられる。適切な吸収速度にするために、剤形は、アジスロマイシンの少なくとも約90%が、摂取後約30分以内、好ましくは摂取後約15分以内に溶解するような速度のアジスロマイシンを提供すべきであると考えられる。アジスロマイシンから成る非カプセル剤形も、本明細書で列挙したインビトロ溶解試験の要件を満たすならば付記した特許請求の範囲内に入ると考えられる。200mgのアジスロマイシンに相当する量の剤形を、少なくとも以下と同じ位厳密な条件下:900mlの約0.1M第二燐酸ナトリウム緩衝液、pH6.0、100rpmで回転するパドル付の37℃のUSP−2溶解装置内で、USP試験<711>に示された通りに試験した場合、本発明によるアジスロマイシン剤形は、約30分以内、好ましくは15分以内に少なくとも約90%のアジスロマイシンの溶解を示す。この試験については、米国薬局法XXII、1578−1579ページに述べられている。更に厳密な条件(より小さい容量の緩衝液、より大きい量の剤形、より低い温度、より高いpH、より遅いパドル速度)下でこの試験に合格した剤形も、上記の定義に含まれる。この試験のいずれかの改変も、本明細書で述べる。このインビトロ試験における特定のアジスロマイシン剤形の溶解に要する時間は、GI環境における剤形の溶解に要する時間の指標であると考えられる。以下の考察は、この点で適切であると考えられる。
【0019】
剤形のインビトロ溶解速度は、特に、組成物中で系統的に変化する単一剤形型、例えば錠剤のインビボ溶解と順位相関を示すと、通常、考えられ観察されている。従って、インビトロ溶解の評価は、製造した剤形の品質管理に重要な役割を果たす。インビトロ溶解速度が、インビボ溶解速度と正確に同じであるということは、必ずしも真実ではない。これは、インビトロ溶解試験の人工的条件(例えば、容器幾何学、攪拌速度、攪拌方法等)が、剤形がGI管内で崩壊および溶解する条件と同一ではないことから驚くにはあたらない。
【0020】
異なる型の剤形、例えば、カプセル剤および錠剤を比較した場合、インビトロ溶解速度は、インビボ溶解速度とおおよそ相関するはずである。しかしながら、カプセル剤と錠剤の崩壊のメカニズムの間に微妙な差が存在する。カプセル剤では、囲い込まれた薬物の完全な溶解の前にゼラチン殻の少なくとも部分的な溶解が起こる必要がある。更に、カプセル殻は、通常、まずカプセル末端で、その後カプセル中央で溶解する。他方、錠剤は、均質に崩壊する。従って、カプセル剤と錠剤を比較した場合インビトロ/インビボ溶解の関係に微妙な差が存在する。例えば、類似のインビトロ溶解速度を示すカプセル剤および錠剤は、インビボ溶解速度において微妙な差を示す。このような微妙な差は、経口的に服用した薬物の全身の生物学的利用能に対し治療的に顕著な影響を及ぼさないが、顕著な影響が生じるかもしれない状況がある。例えば、薬物が不利な食物の影響を現わす可能性を有するとしたら、類似のインビトロ溶解速度を示す薬物含有カプセル剤および錠剤は、剤形を経口的に服用する場合、不利な食物の影響が観察されるかどうかに関して実際に異なる。事実、これは、本明細書の実施例で例示したようにアジスロマイシンで観察された。
【0021】
本明細書で開示したインビトロ溶解研究のため、5ミクロンのアルミナ系炭化水素様球状粒子のクロマトグラフィカラム(15cmx0.4cm)および5ミクロンのアルミナ系炭化水素様球状粒子プレカラム(5cmx0.4cm)(両方ともES工業, Marlton, NJから入手可能)を用い、HPLCによりアジスロマイシンをアッセイした。71%の燐酸緩衝液/29%のアセトニトリル(pH11)から成る移動相を用い、電気化学検出(例えば、二連のガラス状炭素電極がついたBioanalytical Systems, West lafayette, IN, LC-4B 電流検出器)を行った。インビボの食物の影響の研究のために、電流電気化学検出によりR. M. Shepard (1991) , J. Chromatog. Biomed. Appl. 565, 321 - 337 によって述べられたHPLCアッセイ法を用いて、血清アジスロマイシンをアッセイする。あるいは、等しい結果をもたらすいずれのアッセイ法、例えばバイオアッセイ、も用いることができる。
【0022】
本発明による錠剤は、必要な成分としてアジスロマイシンおよび崩壊剤を含有する。錠剤崩壊剤の例としては、デンプン、予め糊化したデンプン、デンプングリコール酸エステルナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋したカルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカメロースナトリウム;登録商標 Ac-Di-Sol として FMC 社、Philadelphia, PAから入手可能な架橋デンプン)、粘土(例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム)、微結晶セルロース(Avicelの登録商標で FMC社から、または Emcocelの登録商標で Mendell社 Carmel, NYから入手可能な型の)、アルギン酸塩、ゴム類、表面活性剤、飽和剤、含水ケイ酸アルミニウム、架橋ポリビニルピロリドン(登録商標PVP-XL としてInternational Specialty Products社から市販的に入手可能)、及び業界で公知のその他のものがある。アジスロマイシン錠剤にとって好ましい崩壊剤は、クロスカメロースナトリウム(Ac-Di-Sol)、デンプングリコール酸エステルナトリウム(登録商標Primojel としてAvebe (Union, NJ) またはGenerichem (Little Falls, NJ) から、およびExplotab としてMendell社から市販的に入手可能)、微結晶セルロース(Avicel)、ならびに架橋ポリビニルピロリドン(PVP-XL)である。本発明のアジスロマイシン錠剤は、アジスロマイシンおよび全錠剤重量に基づき1−25%の崩壊剤、好ましくは3−15%の崩壊剤から成る。例えば、463.5mgの錠剤(活性アジスロマイシン250mg)は、9mgのクロスカメロースナトリウムおよび27mgの予め糊化したデンプンを含有する。
【0023】
有効成分アジスロマイシンおよび崩壊剤に加え、本発明による錠剤は、任意に、正確な処方に依存して、結合剤、着香剤、緩衝剤、希釈剤、着色剤、滑沢剤、甘味剤、粘稠化剤、およびグライダントのような種々の従来の医薬品添加物を含むように処方することができる。特定の医薬品添加物は、例えば結合剤および崩壊剤の両方として複数の機能に役立つことができる。結合剤の例としては、アラビアゴム、セルロース誘導体(メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースのような)、ゼラチン、ブドウ糖、デキストロース、キシリトール、ポリメタクリレート類、ポリビニルピロリドン、ペーストデンプン、庶糖、ソルビトール、予め糊化したデンプン、トラガカントゴム、アルギン酸およびアルギン酸ナトリウムのようなその塩、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ポリエチレングリコール、グアガム、ベントナイト等がある。アジスロマイシン錠剤にとって好ましい結合剤は、予め糊化したデンプン(例えば、登録商標Starch 1500として Colorcon社, West Poit PAから入手可能)である。
【0024】
組成物中に含まれる着香剤は、合成着香油および着香芳香剤および/または天然油、植物の葉、花、果実等由来の抽出物ならびにその組み合わせから選ぶことができる。これらとしては、シナモン油、ウィンターグリーン油、ペパーミント油、クローブ油、月桂樹油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、スギの葉油、ナツメッグ油、セージ油、クヘントウ油、およびカッシア油が挙げられる。また、着香剤として有用なものは、バニラ、レモン、オレンジ、ブドウ、ライムおよびグレープフルーツを含む柑橘類油、ならびにリンゴ、バナナ、梨、桃、イチゴ、ラズベリー、サクランボ、プラム、パイナップル、アンズ等を含む果実エッセンスである。着香剤の量は、所望の官能効果を含む多数の因子に依存する。着香剤を用いる場合、通常、着香剤は、全錠剤重量に基づき0.5から約3.0重量%の量で存在する。
【0025】
種々の材料を賦形剤または希釈剤として用いることができる。例としては、噴霧乾燥した又は無水乳糖、庶糖、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、デンプン(例えば、starch 1500)、セルロース(例えば、微結晶セルロース;Avicel)、二水和または無水第二燐酸カルシウム(登録商標Emcompress としてMendell から又はA-Tabおよび Di-Tabとして Rhone-Phone-Poulenc社, Monmouth Junction, NJから市販的に入手可能)、炭酸カルシウム、硫酸カルシウムおよび当業者に公知のその他のものがある。
【0026】
滑沢剤は、特定の剤形の製造にここで用いることができ、錠剤を製造する場合、通常用いる。滑沢剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、グリセリルビハプテート、ポリエチレングリコール、エチレンオキサイドポリマー類(例えば、登録商標CarbowaxとしてUnion Carbide社 Danbury, CTから入手可能)、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、オレイン酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、DL−ロイシン、コロイド珪酸および当業者に公知のその他のものがある。好ましい滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムとの混合物である。滑沢剤は、通常、全錠剤重量の0.5から7.0%含まれる。
【0027】
グライダントおよび着色剤のような他の医薬品添加物も、アジスロマイシン錠剤に加えることができる。着色剤としては、二酸化チタニウムおよび/またはF.D. & C.染料として知られているような食品に適した染料および、ブドウ皮の抽出物、ビート赤色粉末、ベータカロチン、アンナットー、カーミン、ターメリック、パプリカ等のような天然着色剤を挙げることができる。着色剤は、本発明の組成物において任意の成分であるが、用いる場合、通常、全錠剤重量に基づき約3.5%までの量で存在する。
【0028】
当業者に公知のように、錠剤配合物は、錠剤化前に乾燥顆粒化してもよいし又は湿潤顆粒化してもよい。あるいは、錠剤配合物は、直接圧縮してもよい。処理方法の選択は、薬物および選択した医薬品添加物の性質、例えば、粒子サイズ、配合相容性、密度および流動性に依存する。アジスロマイシン錠剤には、顆粒化が好ましく、湿潤顆粒化が最も好ましい。アジスロマイシンを湿潤顆粒化し、次いで、他の医薬品添加物を別に顆粒状にして加えることができる。あるいは、アジスロマイシンおよび1種以上の医薬品添加物を湿潤顆粒化することができる。更に、錠剤は、嚥下の容易さを保証する又は上品な外観を提供するために、錠剤の溶解にわずかしか又は全く影響もしくは妨害を示さないコーティング剤でコートしてもよい。
【0029】
好ましい態様において、本発明の錠剤は、嚥下の容易さおよび上品な外観を提供するためにフィルムコートする。多数の高分子フィルムコーティング材が当業者に公知である。好ましいフィルムコーティング材は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)である。HPMCは、コーティング補助剤として役立つ医薬品添加物を含有するコーティング処方物の形で、例えば、登録商標Opadryとして Colorcon社から市販的に入手することができる。Opadry 処方物は、乳糖、ポリデキストロース、トリアセチン、ポリエチレングリコール、ポリソルベート80、二酸化チタニウム、および1種以上の染料またはレーキ顔料を含有する。また、他の適切なフィルム形成ポリマーもここで用いることができ、それとしては、ヒドロキシプロピルセルロースおよびアクリレート−メタクリレートコポリマーが挙げられる。錠剤化処理自体は、どちらかといえば標準であり、成分の所望の配合物または混合物から従来の錠剤圧搾機を用いて適切な形状に錠剤を形成することにより容易に実施する。錠剤処方および従来の処理技法は、例えば、Marcel Dekker 社により発行されたLieberman, Lachman, and Schwartz編 Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets; 第二編, Copyright 1989に幅広く述べられており、その本文を参照により本明細書に含めるものとする。
【0030】
また、本発明のアジスロマイシン剤形としては、経口懸濁剤を調製するための散剤および経口懸濁剤自体が挙げられる。通常、散剤は、薬局または他の小売店に直接販売され、次いで薬剤師によって実際の懸濁剤に調合される非粘結性の自由な流れの散剤である。従って、経口懸濁剤が、患者により摂取される実際の剤形である。懸濁剤の代表的貯蔵寿命は、アジスロマイシン治療が通常5日間継続することから約5日である。本発明によるアジスロマイシン懸濁剤は、アジスロマイシンに加え、必要な成分として、乾燥粉末処方物の重量に基づくパーセンテージで、1種以上の粘稠化剤全量で0.1から2%、緩衝液またはpH−改変剤0.1から2.5%の量を含有する。また、分散剤も0.05から2%の量で用いることができる。保存剤も0.1から2%量で用いることができる。
【0031】
適切な粘稠化剤は、懸濁化剤として機能し、それとしては、例えば、このような目的で知られているヒドロコロイドガムが挙げられ、その例としてはキサンタンガム、グアガム、イナゴマメガム、トラガカントガム等が挙げられる。あるいは、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース等のような合成懸濁化剤を用いることができる。分散剤としては、商標名Cab-O-Sil としてCabot社, Boston, MA から入手可能なコロイダルシリコンジオキサイドが挙げられる。経口懸濁剤用散剤の処方物の調製目的には、約10のpHを提供する塩基性緩衝液またはpH−改変剤を、構成された懸濁剤中に含むことにより、アジスロマイシンの苦味は遮蔽することができる。10付近でのpHの維持は、液剤中のアジスロマイシンの量を最小にし、従って、薬物の苦味を遮蔽する。アジスロマイシンの苦味遮蔽に加え、多くの組み合わせの着香剤または着香システムを用いることができる。好ましい着香剤は、構成後の処方物の高pHで約5日間一定した香を提供するものである。好ましい着香システムは、Bush Boake Allen 社, Chicago, ILから市販的に入手可能な噴霧乾燥したcherry # 11929、人工のcreme devanilla # 11489および噴霧乾燥した人工の banana # 15223から成る。人工甘味料も用いることができる。
【0032】
また、ここで懸濁剤を調製するのに用いる散剤は、(1)ソルビタンモノラウレート、ポリソルベート80およびラウリル硫酸ナトリウムのような湿潤化剤;(2)消泡剤ならびに(3)ブドウ糖のような甘味料および賦形剤のような従来の任意の成分も含有することができる。また、散剤は、上記で考察したような再構成後の高pHを維持するバッファーを含有することができる。適切なバッファーおよびpH−改変剤としては、無水第三燐酸ナトリウム、無水炭酸ナトリウム、グリシン等が挙げられる。適切な保存剤は、周知であり、例えば、安息香酸ナトリウム等がある。嚥下後、懸濁剤のアジスロマイシンは、素早く溶解する。経口懸濁剤処方物用のアジスロマイシン散剤の調製において、当業者に公知のように全成分を一緒に混合し非凝集化することができる。好ましくは、アジスロマイシンおよび着香剤を混合し、他の成分を別々に混合する。最後に、これらの2つの混合物を混合し、非凝集化する。好ましい経口懸濁剤は、水性媒体で構成後容易に再懸濁し、構成後貯蔵中に塊にならないものである。好ましい懸濁剤は、構成後の容易な懸濁を保証するために、庶糖を用いる場合庶糖NFおよび、入手可能ならば無水医薬品添加物を含有する。薬物を含有する散剤は、通常、水で再構成する。
【0033】
本発明の懸濁剤は、インビトロで約15分後に約90%のアジスロマイシンの溶解を示す。検査法は、以下の通りに要約することができる:アジスロマイシンが入っている瓶を振って粉末をほぐし、ラベルの指示通り、例えば実施例12で述べるようにサンプルを構成して40mg/mlアジスロマイシン懸濁液を得る。瓶を2分間激しく振蕩し、次いで、瓶を30分間静置する。再度15秒間激しく振蕩する。空気の泡を慎重に除きながら、瓶から5ml(代表的には200mgのアジスロマイシンに相当する)採取する。パドルが容器の底部から2.5cmの位置にあるUSP装置2内の溶解媒体(0.10M燐酸ナトリウム緩衝液、pH6.0)の表面上約10cmに5mlのアジスロマイシン懸濁液を慎重に分散させる。経口懸濁剤サンプルを容器の底部に沈めた後、パドルを25rpmで回転させ始める。各サンプル採取時間に溶解容器から約10mlを採取し、濾過し、前述のHPLCアッセイ法を用いて濾液のアジスロマイシンをアッセイする。アジスロマイシン1回服用量包装剤形(本明細書において″サシェイ″とも称する)は、水性賦形剤、例えば水または天然もしくは人工の果汁飲料中に全部を入れるように設計された1回量包装から成る。包装内には、アジスロマイシンおよび医薬品添加物の混合物が入っており、これをこのように再構成する。包装内には、必要な成分としてアジスロマイシンおよび、サシェイ粉末を流動性のあるものにする分散剤、例えば、Cabot 社のCab-O-Sil のようなコロイダルシリコンジオキサイドが入っている。通常、分散剤は、市販されているような乾燥サシェイ重量に基づき約0.2から2.0%重量の量で存在する。分散剤は、グライダントとしても役立つ。処方物は、任意に、(1)賦形剤または甘味料(例えばブドウ糖);(2)バッファー(例えば、燐酸ナトリウム);(3)表面活性剤のような湿潤剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、および(4)本明細書で例を挙げたいずれかのもののような着香剤等を含む成分を含有する。包装内の散剤は、自由に流動し、再構成した場合迅速に、実質的に攪拌直後に分散する。アジスロマイシン1回服用量包装剤形は、当業者に公知のように、全成分を混合し、非凝集化することにより調製することができる。好ましくは、賦形剤(例えば、庶糖)、バッファー(例えば、無水第三燐酸ナトリウム)、およびグライデント(例えば、コロイダルシリコンジオキサイド)を混合し非凝集化し、続いてアジスロマイシンおよび着香剤を混合し、次いで非凝集化する。包装内のアジスロマイシンは、以下の通りに評価した場合迅速に溶解する。Millipore 社のMilli-Q Plus systmeで処理した60mlの水 (>18メグオームの比抵抗)が入った250mlのビーカーに、包装の中味を加える。ビーカーの中味を、均質な懸濁液が得られるまでスプーンで攪拌する(1−2分)。パドルを上げた状態で、懸濁液を、900mlの0.1M燐酸ナトリウム緩衝液、pH6.0が入ったUSP−2溶解装置の溶解容器の中央に注ぐ。次いで、パドルを容器内に降ろし、50rpmで回転を開始する。採取時間毎に10mlを採取し、濾過し、濾液は、前述の通りのHPLCを用い溶液中のアジスロマイシンをアッセイする。この方法を用い、1gのアジスロマイシン包装剤の90%以上の溶解が5分以内に観察される。従って、包装剤は、不利な食物の影響を現わさない。
【0034】
以上述べたように、上記し開示した経口アジスロマイシン剤形は、哺乳類が食物摂取した場合、摂取した時間、食物の性質および量に関わらず、不利な食物の影響を現わすことなく、このような治療を必要とするヒトを含む哺乳類に投与することができる。これを目的として、本発明の更なる特徴として、本発明は、市販に適した治療用パッケージであって、容器、その中に入っている、不利な食物の影響を現わさないアジスロマイシンの経口剤形および、このパッケージと関連した、剤形を食物と共にまたは関係なく摂取することができるかどうかに関して非制限的な説明書(即ち、印刷物)から成る前記パッケージを提供する。説明書は、医師、薬剤師または患者のための情報および/または指示を含むものである。説明書は、剤形を食物と共にまたは関係なく摂取することができるかどうかに関して何ら述べられていない、即ち、陳述が食物の影響に関して沈黙していることにより″剤形を食物と共にまたは関係なく摂取することができるかどうかに関して非制限的″であってもよい。あるいは、説明書は、患者が食物摂取した又は食物を吸収したかどうかに関わらずこの経口剤形を患者に摂取もしくは投与することができるということをユーザー(即ち、患者、薬剤師または医師)に肯定的に知らせる1つ以上の陳述(また、任意に、例えば、″食物の型または量に関わらず″というような陳述)を載せることにより非制限的であってもよい。説明書は、食物に関して制限的な言葉、例えば、″この剤形は、食物と共に摂取することはできない″とか又は″この剤形は、患者が断食した後にのみ与えてもよい″という言葉を記載することはできない。
【0035】
容器は、薬学的に許容される材料、例えば、紙もしくはボール箱、ガラスもしくはプラスチックの瓶又はつぼ、再密封可能な袋(例えば、別の容器に入れるための錠剤の″レフィール″を保持するため)、または治療計画によりパックから絞り取るための個々の投与量が入ったブリスターパックでできている、当業者に公知の従来のいずれかの形状または形であってもよい。用いる容器は、入れようとする正確な剤形に依存し、例えば、従来のボール箱は、通常、液体の懸濁剤を保持するのに用いることはできないであろう。単一の剤形を市場に出すために単一のパッケージ内で1つ以上の容器を同時に用いることは、可能である。例えば、順番に、箱の中に入った瓶に錠剤を入れてもよい。印刷物またはどちからといえば説明書は、アジスロマイシンを市販するパッケージと関連している。″関連した″とは、指示または情報の資料のような説明書が、従来より当業者に公知のように、医薬と関連することができるあらゆる様式を含むことを意図している。従って、説明書は、例えば、アジスロマイシン懸濁剤が入った瓶に接着剤で貼り付けたラベル(例えば、用法紙または別のラベル)に記載する;1回服用量包装を入れた箱の中のような記載したパッケージ挿入物として容器の中に入れる;箱の壁に印刷するというように容器に直接適用する;または例えば、紐、細綱もしくは他の糸、首紐またはつなぎなわ型のものを介して瓶の首に添付した指示書として結ぶまたは貼るというようなことにより取り付けることにより容器と関連することができる。説明書きは、1回服用量パックまたはブリスターパックまたはブリスターカード上に直接印刷することができる。説明書が非制限的な陳述を肯定的に記載しているとすれば、説明書は、更に他の情報を記載することができる。肯定的な非制限的な陳述は、例えば、以下に例示した陳述:この製品は、不利な食物の影響を現わさず、よって、食物摂取したかどうか及び食物の型または量に関わらず患者に投与することができる。または″食物に関係なく摂取することができる″というような類似の文面のように理解してもよい。
【0036】
以下の実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これにより制限されるものではない。概して、実施例は、(1)アジスロマイシンカプセル剤が不利な食物の影響を現わし、より緩慢に溶解するカプセル剤は、より大きな食物の影響を現わすこと、ならびに(2)アジスロマイシンが素早く溶解する錠剤、経口懸濁剤用散剤および1回服用量包装剤形は、不利な食物の影響を現わさないことを示す。
【実施例】
【0037】
実施例1 この実施例は、比較例であり、中くらいの溶解速度を有するカプセル剤形に含まれるアジスロマイシンの全身性露出に対する高脂肪朝食の影響を示す。250mgの活性アジスロマイシンを含有するカプセル剤を調製した。これらのカプセル剤の配合組成を表Iに示す。100rpmで回転するパドル、900mlのpH6.0の燐酸緩衝液を用い、37℃で、既に考察した方法により、これらのカプセル剤の溶解挙動を評価した。15分で溶解したアジスロマイシンの平均%は、25%、30分では76%であった。アジスロマイシンの生物学的利用能に対する食物摂取の影響を、以下の通りに測定した。11人の健康な男性ボランティアに、各々2つの場合に関し、500mgのアジスロマイシン(2x250mgカプセル剤)を経口的に投与した。1つの場合では、患者は、12時間の一晩の断食(食物および飲み物)後、服用した。投与量を150mlの水と共に嚥下し、服用の1時間後、更に150mlの水をとった。他方の場合、患者は、牛乳、パンおよびバター、ベーコン、2個のフライドエッグ、およびコーヒーから成る食事を摂取した。食事終了の30分以内に150mlの水と共に投与量を投与した。投与前ならびに、投与後0.5、1、2、3、4、6、8、12および24時間に、血液サンプルを採取した。血清アジスロマイシン濃度を、高性能液体クロマトグラフィーアッセイ法を用いて測定した。各投与条件下における各患者の薬物血清濃度対時間曲線下領域(AUC)を各食物摂取条件で測定した。AUC食物摂取/AUC断食比を、経口生物学的利用能に対する食物影響の尺度として用いた。AUC食物摂取/AUC断食の平均値は、0.22であり、下限および上限の90%信頼水準は、各々0.06および0.84であった。
表I 250mgアジスロマイシンカプセル剤の配合組成。#0の白色不透明のロッキングタイプカプセル剤中に調製した。
【表1】



* 原薬有効性94.8%に基づく;非化学量論的水和物。
【0038】
実施例2 この実施例は、比較例であり、実施例1のカプセル剤に比しより迅速に溶解するカプセル剤形に含まれるアジスロマイシンの全身性露出(systemic exposure)に対する高脂肪朝食の影響を示す。表IIの配合組成によりアジスロマイシンカプセル剤(250mg強度)を調製した。これらのカプセル剤からのアジスロマイシンの溶解は、実施例Iと同様にして評価した。カプセル化アジスロマイシンの97%が、15分以内に溶解した。この剤形のアジスロマイシンの生物学的利用能に対する食物摂取の影響を、以下の通りに測定した。12人の健康な男性ボランティアに、各々2つの場合に関し、500mgのアジスロマイシン(2x250mgカプセル剤)を経口的に投与した。1つの場合では、患者は、一晩の断食(食物および飲み物)後、服用し、他方の場合、患者は、テーブルスプーン1ぱいのバターで炒めた卵2個、ベーコン2切れ、ハム2オンス、ティースプーン2はいのバターと2塊のゼリージャムを付けたトースト2枚、および全脂乳8オンスから成る食事を摂取した後服用した。経口投与量を250mlの水と共に投与した。投与前ならびに、投与後0.5、1、2、3、4、6、8、12、18、24、48、72および96時間に、血液サンプルを採取した。血清アジスロマイシン濃度を、高性能液体クロマトグラフィーアッセイ法を用いて測定した。各投与条件下における各患者の薬物血清濃度対時間曲線下領域(AUC)を各食物摂取条件で測定した。AUC食物摂取/AUC断食比を、アジスロマイシンの経口生物学的利用能に対する食物影響の尺度として用いた。AUC食物摂取/AUC断食の平均値は、0.80であり、下限および上限の90%信頼水準は、各々0.67および0.96であった。
表II アジスロマイシンカプセル剤の配合組成。この処方物は、乾燥顆粒状として調製し、#0の不透明のロッキングカプセル剤中に充填した。
【表2】

【0039】
実施例3 この実施例は、比較例であり、迅速に溶解するカプセル剤形に含まれるアジスロマイシンの全身性露出に対する軽い朝食の影響を示す。表IIの配合組成によりアジスロマイシンカプセル剤(250mg強度)を調製した。これらのカプセル剤からのアジスロマイシンの溶解は、実施例Iと同様にして評価した。カプセル化アジスロマイシンの99%が、15分以内に溶解した。この剤形のアジスロマイシンの生物学的利用能に対する軽い(コンチネンタル)朝食の影響を、以下の通りに測定した。12人の健康な男性ボランティアに、各々2つの場合に関し、1000mgのアジスロマイシン(4x250mgカプセル剤)を経口的に投与した。1つの場合では、患者は、12時間の断食後、服用し、他方の場合、患者は、バターとジャムを付けたロールパン2個、および牛乳付の約300mlのコーヒーもしくは紅茶から成る軽い朝食を摂取した後、服用した。経口投与量を240mlの水と共に投与した。投与前ならびに、投与後0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、5、6、8、12、24、および46.5時間に、血液サンプルを採取した。血清アジスロマイシン濃度を、高性能液体クロマトグラフィーアッセイ法を用いて測定した。各投与条件下における各患者の薬物血清濃度対時間曲線下領域(AUC)を各食物摂取条件で測定した。AUC食物摂取/AUC断食比を、経口生物学的利用能に対する食物影響の尺度として用いた。AUC食物摂取/AUC断食の平均値は、0.71であり、下限および上限の90%信頼水準は、各々0.53および0.95であった。
【0040】
実施例4 この実施例は、迅速に溶解する錠剤剤形に含まれるアジスロマイシンの全身性露出に対する高脂肪朝食の影響を示す。表IIIに示した配合組成によりアジスロマイシン錠剤を調製した。溶解の評価は、実施例Iと同様に行った。30分後に、100%のアジスロマイシンが溶解した。これらの錠剤のアジスロマイシンの生物学的利用能に対する食物摂取の影響を、以下の通りに測定した。12人の健康な男性ボランティアに、各々2つの場合に関し、500mgのアジスロマイシン(2x250mg錠剤)を経口的に投与した。1つの場合では、患者は、一晩の断食後、服用し、他方の場合、患者は、テーブルスプーン1ぱいのバターで炒めた卵2個、ベーコン2切れ、ティースプーン2はいのバターと2塊のゼリージャムを付けたトースト2枚、8オンスの全脂乳および6オンスのハッシュ−ブラウンポテトから成る食事を20分にわたって摂取した後服用した。経口投与量を240mlの水と共に投与した。投与前ならびに、投与後0.5、1、2、3、4、6、8、12、18、24、48、72および96時間に、血液サンプルを採取した。血清アジスロマイシン濃度を、高性能液体クロマトグラフィーアッセイ法を用いて測定した。各投与条件下における各患者の薬物血清濃度対時間曲線下領域(AUC)を各食物摂取条件で測定した。AUC食物摂取/AUC断食比を、経口生物学的利用能に対する食物影響の尺度として用いた。AUC食物摂取/AUC断食の平均値は、0.97であり、下限および上限の90%信頼水準は、各々0.82および1.13であった。
表III アジスロマイシンフィルムコーティング錠剤の配合組成。この処方物を圧縮して0.262″x 0.5312″に改造したカプセル状の上部に″Pfizer″と刻印し下部に刻み目を入れた錠剤を形成し、″Pink Opadry″でコートした。
【表3】

【0041】
実施例5 この実施例は、迅速に溶解する錠剤剤形に含まれるアジスロマイシンの全身性露出(systemic exposure)に対する日本食の影響を示す。表IVに記した配合組成によりアジスロマイシンの錠剤剤形を調製した。この剤形の溶解は、実施例Iと同様にして評価した。15分後に、100%のアジスロマイシン投与量が溶解した。これらの錠剤のアジスロマイシンの生物学的利用能に対する食物摂取の影響を、以下の通りに測定した。8人の健康な男性ボランティアに、各々2つの場合に関し、500mgのアジスロマイシン(2x250mg錠剤)を経口的に投与した。1つの場合では、患者は、12時間の断食後、服用し、他方の場合、患者は、ご飯、味噌汁、フライドエッグ、海草、ホウレンソウおよびピクルスから成る日本食を摂取した30分後服用した。経口投与量を200mlの水と共に投与した。投与前ならびに、投与後0.5、1、2、3、4、6、9、12、24、48、72、96、120、144および168時間に、血液サンプルを採取した。血清アジスロマイシン濃度を、高性能液体クロマトグラフィーアッセイ法を用いて測定した。各投与条件下における各患者の薬物血清濃度対時間曲線下領域(AUC)を各食物摂取条件で測定した。AUC食物摂取/AUC断食比を、経口生物学的利用能に対する食物の影響の尺度として用いた。AUC食物摂取/AUC断食の平均値は、1.00であり、下限および上限の90%信頼水準は、各々0.87および1.15であった。
表IV アジスロマイシンフィルムコーティング錠剤の配合組成。カプセル状の平らな白色フィルムでコートした錠剤(0.262″x 0.5312″)を圧縮し、次いで、″White Opadry″および″Clear Opadry″でコートした。
【表4】

【0042】
実施例6 この実施例は、″経口懸濁剤用散剤″剤形に含まれるアジスロマイシンの全身性露出に対する高脂肪朝食および低脂肪朝食の影響を比較している。表Vの配合組成によりアジスロマイシンの″経口懸濁剤用散剤″を調製した。この処方は、水性賦形剤を用いて再構成した場合、迅速に湿り分散するように設計した。この懸濁剤の溶解は、″詳細な説明″で述べたのと同様にして評価した。15分後に、97%のアジスロマイシン投与量が溶解し、30分後に99.6%のアジスロマイシン投与量が溶解した。この懸濁剤剤形のアジスロマイシンの生物学的利用能に対する高脂肪食および低脂肪食の影響を、以下の通りに測定した。6人の健康な男性篤志奉仕家に、各々3つの場合に関し、500mgのアジスロマイシン(40mg/mlの経口懸濁剤12.5ml)を経口的に投与した。1つの場合では、患者は、10−12時間の一晩の断食後、服用した。もう一方の場合、患者は、テーブルスプーン1ぱいのバターで炒めた卵2個、ベーコン2切れ、2塊のバターを付けたトースト2枚、8オンスの全脂乳および6オンスのハッシュ−ブラウンポテトから成る高脂肪食を20分にわたって摂取した後、服用した。三番目の場合、患者は、1オンスのCheerios( General Mlls社の登録商標)穀類および8オンスの全乳から成る低脂肪食を摂取した後、服用した。経口投与量を240mlの水と共に投与した(経口用スポイトを用い60mlずつ2回ゆすぎ、更に120ml)。投与前ならびに、投与後0.5、1、2、3、4、6、8、12、18、24、48、72、および96時間に、血液サンプルを採取した。血清アジスロマイシン濃度を、高性能液体クロマトグラフィーアッセイ法を用いて測定した。各投与条件下における各患者の薬物血清濃度対時間曲線下領域(AUC)を各食物摂取条件で測定した。AUC食物摂取/AUC断食比を、経口生物学的利用能に対する食物の影響の尺度として用いた。高脂肪食のAUC食物摂取/AUC断食の平均値は、1.01であり、下限および上限の90%信頼水準は、各々0.79および1.28であった。低脂肪食のAUC食物摂取/AUC断食の平均値は、1.04であり、下限および上限の90%信頼水準は、各々0.82および1.33であった。
表V アジスロマイシン″経口懸濁剤用散剤″の配合組成。この処方物を再構成するために乾燥処方物gあたり0.52mlの水を加えた。
【表5】




【0043】
実施例7 この実施例は、″1回服用量包装″(サシェイ)剤形に含まれるアジスロマイシンの全身性露出に対する高脂肪朝食の影響を示す。表VIに記した配合組成によりアジスロマイシンの″1回服用量包装″(サシェイ)剤形を調製した。この剤形の溶解を、上記の″詳細な説明″で述べた通りに評価した。15分後、99%のアジスロマイシンが溶解した。このサシェイ剤形のアジスロマイシンの生物学的利用能に対する食物摂取の影響を、以下の通りに測定した。12人の健康な男性篤志奉仕家に、各々2つの場合に関し、1000mgのアジスロマイシン(1gサシェイ)を経口的に投与した。1つの場合では、患者は、少なくとも12時間の一晩の断食後、服用し、他方の場合、患者は、テーブルスプーン1ぱいのバターで炒めた卵2個、ベーコン2切れ、ティースプーン2はいのバターと2塊のゼリージャムを付けたトースト2枚、8オンスの全脂乳および6オンスのハッシュ−ブラウンポテトから成る高脂肪食を摂取した後服用した。経口投与量を240mlの水と共に投与した(経口用スポイトを用い60mlずつ2回ゆすぎ、更に120ml)。投与前ならびに、投与後0.25、0.5、1、1.5、2、2.5、3、4、6、8、12、18、24、48、72、96および120時間に、血液サンプルを採取した。血清アジスロマイシン濃度を、高性能液体クロマトグラフィーアッセイ法を用いて測定した。各投与条件下における各患者の薬物血清濃度対時間曲線下領域(AUC)を各食物摂取条件で測定した。AUC食物摂取/AUC断食比を、経口生物学的利用能に対する食物影響の尺度として用いた。AUC食物摂取/AUC断食の平均値は、1.12であり、下限および上限の90%信頼水準は、各々0.99および1.27であった。
表VI アジスロマイシン″1回服用量包装″剤形の配合組成。この配合物を調製し、3.25″x4″のホワイトペーパー/アルミニウム/ポリエチレン積層品サシェイ中に充填した。投与用に再構成するため、サシェイの中味を60mlの水に加え、十分攪拌した。
【表6】

【0044】
実施例8 本発明のアジスロマイシン錠剤を、150、200、250、300、500および600mg量強度で調製した。錠剤核は、全錠剤核成分(ステアリン酸マグネシウム/ラウリル硫酸ナトリウムを除く)の湿潤顆粒化により調製した。乾燥顆粒を、滑沢剤混合物ステアリン酸マグネシウム/ラウリル硫酸ナトリウムと混合し、続いて錠剤圧縮機上で錠剤化した。錠剤を、着色したおよび/または透明な Opadry を含む水性フィルムコートでコートした。これらの錠剤処方物は、不利な食物の影響を現わさない。錠剤の配合組成は、表VIIに記載したとおりである。


【表7】

【0045】
実施例9 不利な食物の影響を現わさない、表VIIIに示すアジスロマイシンの更なる錠剤処方物(250mg)を調製する。これらの処方物中の希釈剤(第二燐酸カルシウム、無水)は、第二燐酸カルシウム二水和物、微結晶セルロース、乳糖NF/BP/EP/JPまたは他の適切な希釈剤と代えることができる。これらの錠剤中の滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム/ラウリル硫酸ナトリウム、90/10)は、ステアリン酸マグネシウムおよび/またはコロイド珪酸またはステアリルフマル酸ナトリウムと代えることができる。ステアリン酸マグネシウムおよびステアリルフマル酸ナトリウムは、通常、全錠剤重量の0.5−7%を構成する量で用いる。コロイド珪酸は、通常、全錠剤重量の0.1−1%を構成する量で用いる。相対的な医薬品添加物比は、かなりの範囲が可能であるが、燐酸カルシウム/予め糊化したデンプン比は、2:1付近またはそれ以上にすべきである。Opadryフィルムコートは、食物から独立した薬物の露出を達成するのに必ずしも必要ではないが、嚥下の容易さおよび錠剤の外観を改善するのに役立ち、強度の差を生じさせるのに役立つ。Opadry コートは、全錠剤重量の2−6%含むことができる。他の効力の錠剤は、表VIIIに記載したおよそのアジスロマイシン/医薬品添加物比を維持し、全錠剤重量を増加または減少させることにより得ることができる。
【表8】

【0046】
実施例10 不利な食物の影響を現わさない、表IXおよびXに示す更なる250mgのアジスロマイシン錠剤処方物を調製する。これらの処方物において、トウモロコシデンプン、デンプングリコール酸エステルナトリウム、および架橋したポリビニルピロリドンは、崩壊剤として役立つ。第二燐酸カルシウム、乳糖NF/BP/EP、および微結晶セルロースは、希釈剤として役立つ。ステアリン酸マグネシウム/ラウリル硫酸ナトリウ
ムは滑沢剤として役立つ。ステアリン酸マグネシウム/ラウリル硫酸ナトリウムは、ステ
アリン酸マグネシウムおよび/またはコロイド珪酸またはステアリルフマル酸ナトリウムと代えることができる。ステアリン酸マグネシウムおよびステアリルフマル酸ナトリウムは、通常、全錠剤重量の0.5−7%を構成する量で用いる。コロイド珪酸は、通常、全錠剤重量の0.1−1%を構成する量で用いる。相対的な医薬品添加物比は、かなりの範囲が可能であるが、希釈剤/崩壊剤比は、2:1付近またはそれ以上にすべきである。Opadry フィルムコートは、食物から独立した薬物の露出を達成するのに必ずしも必要ではないが、嚥下の容易さおよび錠剤の外観を改善するのに役立つ。Opadry コートは、全錠剤重量の2−6%含むことができる。他の効力の錠剤は、表IXおよびXに記載したおよそのアジスロマイシン/医薬品添加物比を維持し、全錠剤重量を増加または減少させることにより得ることができる。これらの処方物は、具体例であり、当業者に公知のように、他の崩壊剤、希釈剤および滑沢剤の代用が可能である。

【表9】

【表10】

【0047】
実施例11 表XIに記載した″経口懸濁剤用散剤″処方物を調製した。この処方物は、不利な食物の影響を現わさない。
【表11】

【0048】
実施例12 アジスロマイシン″経口懸濁剤用散剤″処方物を、表XIIおよびXIIIに示した通りに調製する。これらの処方物の単位量有効性は、600mgアジスロマイシン/瓶であり、水で構成した後の使用有効性は、40mg/mlである。構成するために、配合物1gにつき0.52mlの水を加える。9mlの水および16.74gの配合物で約20mlの懸濁液ができる。これらの処方物には、200mgアジスロマイシン/満たした瓶が含まれる。表に挙げた″着香システム″は、快い味わいを提供し、構成した懸濁剤の貯蔵寿命(約5日)にわたってpH10で安定である他の着香剤と自由に代えることができる。また、染料も自由に代えることができる。この実施例の処方は、具体例であり、これに限定するものではない。これらの処方物は、不利な食物の影響を現わさない。

【表12】

【表13】

【0049】
実施例14 以下のアジスロマイシンの1回服用量包装処方物を例示する(表XIVおよびXV)通りに調製するが、本発明は、これらによって制限されるわけではない。これらの剤形の着香システムは、包装内容物を水または水性飲料中で再構成する際、快い味わいを提供するいずれの着香システムとも自由に代えることができる。水または水性飲料中で構成する場合、これらの剤形は、不利な食物の影響を現わさない。
【表14】


【表15】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
食物摂取した哺乳類に投与することができるアジスロマイシンの経口剤形であって、アジスロマイシンを含有し、実質的に不利な食物の影響を現わさず、該剤形は、少なくとも以下と同じ位厳密な条件下:900mlの燐酸緩衝液、pH6.0、100rpmで回転するパドル付の37℃のUSP−2溶解装置内で、USP試験<711>に示された通りに、250mgのアジスロマイシンに相当する量の剤形を試験した場合、約30分以内に少なくとも約90%のアジスロマイシンの溶解を成し遂げ、但し、該剤形は錠剤、カプセル剤ではなく、味覚遮蔽量未満のアルカリ土類金属酸化物もしくは水酸化物を含有することを特徴とする前記剤形。
【請求項2】
該哺乳類がヒトである、請求項1に記載の剤形。
【請求項3】
経口懸濁剤用の散剤形態の請求項2に記載の剤形。
【請求項4】
該散剤から調製した懸濁剤の形態の請求項3に記載の剤形。
【請求項5】
1回服用量包装の形態の請求項2に記載の剤形。
【請求項6】
該1回服用量包装から調製した懸濁剤の形態の請求項5に記載の剤形。
【請求項7】
食物摂取した哺乳類に投与することができるアジスロマイシンの経口剤形であって、アジスロマイシンから成り、実質的に不利な食物の影響を現わさず、該剤形は、(AUCfed)/(AUCfst)値が少なくとも0.80であり、下限の90%信頼限界が少なくとも0.75であることを示し、但し、該剤形は錠剤、カプセル剤ではなく、味覚遮蔽量以下の酸化もしくは水酸化アルカリ土類金属を含有する前記剤形。
【請求項8】
該哺乳類がヒトである、請求項8に記載の剤形。
【請求項9】
経口懸濁剤用の散剤形態の請求項8に記載の剤形。
【請求項10】
該散剤から調製した、懸濁剤の形態の請求項9に記載の剤形。
【請求項11】
1回服用量包装の形態の請求項8に記載の剤形。
【請求項12】
該1回服用量包装から調製した懸濁剤の形態の請求項11に記載の剤形。
【請求項13】
市販に適した治療用パッケージであって、容器、その中に入っている、不利な食物の影響を現わさないアジスロマイシンの経口剤形および、該パッケージと関連した、剤形を食物と共にまたは関係なく摂取することができるかどうかに関して非制限的な説明書から成ることを特徴とする前記治療用パッケージ。
【請求項14】
該剤形が、経口懸濁剤用の散剤形態であるところの請求項13に記載の治療用パッケージ。
【請求項15】
該剤形が、該散剤から調製した懸濁剤の形態であるところの請求項14に記載の治療用パッケージ。
【請求項16】
該剤形が、1回服用量包装の形態であるところの請求項13に記載の治療用パッケージ。
【請求項17】
該剤形が、該1回服用量包装から調製した懸濁剤の形態であるところの請求項16に記載の治療用パッケージ。
【請求項18】
微生物感染の治療における、食物摂取した患者への投与に不利な食物の影響を現わさない医薬剤形の調製のための治療に効果的な量のアジスロマイシンの使用法。
【請求項19】
不利な食物の影響を現わさない医薬剤形が、該剤形を食物と共にまたは関係なく摂取することができるかどうかに関して非制限的である指示書と関連している該剤形の調製のためのアジスロマイシンの使用法。


【公開番号】特開2008−231120(P2008−231120A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−139689(P2008−139689)
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【分割の表示】特願2004−128641(P2004−128641)の分割
【原出願日】平成7年4月20日(1995.4.20)
【出願人】(593141953)ファイザー・インク (302)
【Fターム(参考)】