説明

アジスロマイシン類を有効成分とする帯電防止作用を有する組成物

【課題】帯電することのないアジスロマイシン類を含む医薬組成物の提供、および、当該アジスロマイシン類を含む組成物製剤の製造方法の提供。
【解決手段】含水二酸化ケイ素、アジスロマイシン類、および薬剤学的に許容される添加剤を含む、帯電を防止する医薬組成物である。有効成分としてのアジスロマイシン類含有組成物に含水二酸化ケイ素を加えることにより、組成物の帯電を防止することを達成する。含水二酸化ケイ素は、コーティング層、顆粒等製剤表面にあっても良く、顆粒等表面にあることがより好ましい。また、含水二酸化ケイ素を加えることにより、静電気が抑制され、分包機への付着等が抑制された、新規なアジスロマイシン類を有効成分とする顆粒等製剤の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電防止作用を有するアジスロマイシン類を有効成分とする組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
顆粒剤、散剤またはドライシロップ剤は薬局において、患者の必要量に合わせて処方する必要があり、瓶詰めの容器から、一回用量の薬包に小分けされることが多い。薬局においては、分包機を用いてこの分包を行うことが通常行われている。
これら製剤を薬局において分包機で分包する際、顆粒剤、散剤またはドライシロップ剤が静電気を帯びることにより、分包機へ付着し均等な量での分包を行うことが困難なことがある。
【0003】
分包機への付着は、「回転R円盤タイプ」の分包機使用時に多く見られる。「回転R円盤タイプ」の分包機は、回転するR円盤上に均一に散剤を広げ、ローターと呼ばれる仕切り板にて等間隔に散剤を掻きとる機構を持つ。
ローターは金属であるため、R円盤とのメタルタッチを防ぐために、ローターの円周部には高分子様ラバーがはめ込まれている。ラバーの材質としては、テフロン、ネオプレン、フッ素ゴム、ウレタン、シリコンが通常用いられる。分包機で使われている高分子様ラバーの材質はシリコンが用いられることが多い。
【0004】
これまでの調査から、顆粒剤、散剤またはドライシロップ剤は、このローター部ラバーの周辺で特に付着、飛散していることが確認された。これら顆粒等製剤の分包機への付着は、機械または製剤の帯電により、静電気が発生することにより起こるものと考えられる。
【0005】
静電気の発生を防止するために、機械に対して除電器、静電気防止剤の使用が考えられる。除電器を用いて、各々の薬局で除電作業を行うことは、小規模薬局では過度の負担になると考えられる。
【0006】
静電気防止剤としては、エレクトロニクス業界をはじめ多種多様な業種にわたって界面活性剤、シロキサン系、ポリマー系、透明通電塗料などが用いられている。しかしながら、医薬品の分包機に用いることとなると、医薬品と接触することとなるので、安全性の担保が必要になる。
【0007】
特許文献1は、薬効成分、帯電防止剤および賦形剤を含有する錠剤硬度および徐放性に優れる徐放性錠剤を開示している。特許文献1に記載の錠剤は錠剤硬度および徐放性に優れることを目的としているものであり、顆粒剤等分包時の帯電防止という課題及び解決手段を示唆するものではない。
【0008】
【特許文献1】特開2004−224754号公報
【0009】
特許文献2は、粉末吸入製剤に関する発明であって、超微粉砕等した薬物の表面を脂肪酸、脂肪酸アルコール等による修飾により、帯電能力を減少させることにより、乾燥粉末吸入器における使用に可能にしている。また、特許文献3は、平均粒子サイズが1ミクロンから10ミクロンの間の薬物に関して、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシレンソルビタン脂肪酸エステル、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の帯電防止剤を用いた吸入のための粉末組成物を開示している。
【0010】
【特許文献2】特表2004−523594号公報
【0011】
【特許文献3】特表平8−500109号公報
【0012】
医薬品として用いることが添加可能な添加剤により製剤自体が帯電しない顆粒剤、散剤およびドライシロップ剤製剤のニーズがある。特にアジスロマイシン類を含有する細粒剤においては、分包時における静電気による不具合が生じることが知られており、帯電しないアジスロマイシン類を含有する細粒剤への高いニーズがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、帯電することのないアジスロマイシン類を含む医薬組成物の提供をすることを目的とする。本発明はまた、当該アジスロマイシン類を含む組成物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
すなわち本発明は、含水二酸化ケイ素、アジスロマイシン類、および薬剤学的に許容される添加剤を含む、帯電を防止する医薬組成物である。さらに本発明は、当該医薬組成物の製造法である。
【0015】
本発明は、含水二酸化ケイ素を組成物に加えることにより、帯電を抑制するアジスロマイシン類を含む組成物を提供する。アジスロマイシンは、9−デオキソ−9a−アザ−9a−メチル−9a−ホモエリスロマイシンAの一般名であり、もっとも強力な抗菌作用の一つを有するものとして知られている広範囲スペクトルの抗生物質である。
【0016】
本発明において、「アジスロマイシン類」とは、アジスロマイシン又はアジスロマイシンの水和物(非限定的に、1水和物、2水和物を含む)又はアジスロマイシンの溶媒和物(非限定的に1溶媒和物を含む)。ここで「水和物」には、意図して製造された水和物も、大気中での水分の吸収により生じた水和物も包含される。また、溶媒和物は結晶化の際にある種の溶媒を吸収して製造される。
【0017】
「顆粒剤」とは、医薬品を粒状に製したものである。通例、医薬品をそのまま、又は医薬品に賦形剤、結合剤、崩壊剤またはその他の適当な添加剤を加えて均等に混和した後、適当な方法で粒状としたものである。
【0018】
「散剤」とは、医薬品を粉末状に製したもので、細粒も含まれる。通例、医薬品をそのまま、又は医薬品に賦形剤、結合剤、崩壊剤またはその他の適当な添加剤を加えて均等に混和した後、適当な方法で粉末、又は微粒状としたものである。
【0019】
「ドライシロップ剤」とは、白糖またはその他の糖類若しくは甘味剤を含む医薬品を乾燥したものであり、用時溶解または懸濁して用いる製剤である。
【0020】
「帯電」とは、物体に電荷を帯びさせること、又は電荷を持った状態をいう。
【0021】
「静電気」とは、電荷の分布が時間的に変化しないときの電気現象をいう。この場合電荷の間に働く力はクーロン力である。クーロン力というのは、静電気を帯びているもの同士が、同一の極性同士なら反発し合い、異なる極性なら引き合う力のことを言う。
【0022】
医薬品製剤の製造工程においては、製剤機械と製剤原料の間で摩擦や剥離が繰り返されているため、製造された顆粒剤、散剤およびドライシロップ剤は静電気を帯びる可能性がある。薬局等においては、常時、分包機による顆粒剤等の薬剤の分包が行われており、環境条件にもよるが、分包機が静電気を帯びる可能性がある。帯電した顆粒剤、細粒剤、散剤、ドライシロップ剤を帯電した分包機により分包しようとしたとき、クーロン力の影響により、均等に分包を行うことができないことのトラブルが発生する。薬局等での分包の環境は様々な環境因子が働くことから顆粒等の製剤の帯電を防止することが望ましい。
発明者らは、驚くべきことに含水二酸化ケイ素がアジスロマイシン類含有医薬品に帯電防止効果に優れることを見出した。
【0023】
製剤処方
本発明の組成物には、含水二酸化ケイ素、アジスロマイシン類、および薬学的に許容される添加剤を含む。含水二酸化ケイ素は組成物のコーティング層または組成物表面に加えることができる。含水二酸化ケイ素は、顆粒等の表面に分布することがより好ましい。
【0024】
本発明の帯電防止効果を得るためには、含水二酸化ケイ素を含むことを要する。前記含水二酸化ケイ素の含量は、アジスロマイシン類を含む医薬組成物全量に対し0.01%〜5%(w/w)含むことが好ましい。さらに好適には、0.1%から0.5%である。用いられる含水二酸化ケイ素の平均粒子径は1μmから10μmまでのものが好ましい。さらに、平均粒子径は5μmから7μmまでのものがより好ましい。用いられる含水二酸化ケイ素の比表面積は100m/gから700m/gのものが好ましい。さらに、比表面積は400m/gから500m/gであることがより好ましい。用いられる含水二酸化ケイ素の含水量は1重量%から10重量%までのものが好ましい。さらに、含水量は6重量%から8重量%までのものがより好ましい。
前記含水二酸化ケイ素は、アジスロマイシン類を含む医薬組成物全量に対し0.01%〜5%(w/w)含み、平均粒子径は1μmから10μmまでであり、比表面積は100m/gから700m/gのものであり、かつ、含水量は1重量%から10重量%までのものであることが好ましい。
更に好ましくは、前記含水二酸化ケイ素は、アジスロマイシン類を含む医薬組成物全量に対し0.1%から0.5%(w/w)含み、平均粒子径は5μmから7μmまでであり、比表面積は400m/gから500m/gのものであり、かつ、含水量は6重量%から8重量%までのものであることがより好ましい。
【0025】
本発明の組成物は、例えば、顆粒剤、散剤またはドライシロップ剤よる経口投与剤として使用することができる。上述の経口投与剤は、本発明の帯電抑制効果を有する。経口投与製剤を調製するために、しばしば、賦形剤、滑沢剤、崩壊剤、安定剤、矯味矯臭剤、希釈剤等を添加することが望ましい。
【0026】
賦形剤とは、製剤処方のかさを増加させる、または、圧縮性を改善する場合に用いられるものである。賦形剤の例には、有機系賦形剤;すなわち、乳糖、白糖、葡萄糖、マンニトールまたはソルビトールのような糖誘導体、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、α澱粉またはデキストリンのような澱粉誘導体、結晶セルロースのようなセルロース誘導体、アラビアゴム、デキストラン、プルランなど:及び、無機系賦形剤;すなわち、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウムまたはメタケイ酸アルミン酸マグネシウムのようなケイ酸塩誘導体、リン酸水素カルシウムのようなリン酸塩、炭酸カルシウムのような炭酸塩、硫酸カルシウムのような硫酸塩などを含む。なかでも、結晶セルロースが好ましい。
【0027】
滑沢剤とは、重量偏差を少なくするためと製剤表面を美しくする目的で添加するものである。 滑沢剤の例には、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムのようなステアリン酸金属塩、タルク、コロイドシリカ、ビーガムまたはゲイ蝋のようなワックス類、硼酸、アジピン酸、硫酸ナトリウムのような硫酸塩、グリコール、フマル酸、安息香酸ナトリウム、DL−ロイシン、脂肪酸ナトリウム塩、ラウリル硫酸ナトリウムまたはラウリル硫酸マグネシウムのようなラウリル硫酸塩;及び、上記澱粉誘導体などを含む。なかでも、ステアリン酸マグネシウム、タルクが好ましい。
【0028】
結合剤とは、成分粉末の混合物に結合力を与え、安定な顆粒を製するために用いられる添加剤である。結合剤の例には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール(マクロゴール)、前記賦形剤と同様の化合物などを含む。なかでも、ヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。
【0029】
崩壊剤は製剤を服用したときに水にぬれ、薬物の粒子まで崩壊・分散させ、吸収を容易にする目的で加える添加剤である。崩壊剤の例には、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウムまたは内部架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース誘導体、カルボキシメチルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウムまたは架橋ポリビニルピロリドンのような化学修飾されたデンプン・セルロース類などを含む。なかでも、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。
【0030】
安定剤の例には、メチルパラベンまたはプロピルパラベンのようなパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコールまたはフェニルエチルアルコールのようなアルコール類、塩化ベンザルコニウム、フェノールまたはクレゾールのようなフェノール類、チメロサール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などを含む。
【0031】
矯味矯臭剤の例には、通常使用される甘味料、酸味料、香料等を含む。
【0032】
組成物の製造方法
本発明の組成物は、従来公知の製造方法により製造できる。アジスロマイシン類を含有する中核粒子を製造するためには、通常の顆粒剤の製造方法を用いることができる。そのような製造方法の例としては、押出造粒法、転動造粒法、解砕造粒法、流動層造粒法、噴霧造粒法、破砕造粒法等がある。コーティング層に含水二酸化ケイ素を含有させる場合には、アジスロマイシンを含有する中核粒子の上に、通常のコーティング方法を用いて、含水二酸化ケイ素を含有するコーティング剤でコーティングすることにより、そのようなコーティング層を製造できる。
【0033】
フィルムコーティングの方法としては、具体的には、中核粒子に、フィルムコーティング液を噴霧し、必要に応じ乾燥する。「フィルムコーティング液」は、例えばフィルムコーティング用高分子を溶媒に溶解または懸濁させることにより調製される。該フィルムコーティング液には、さらに、例えば着色剤(好ましくは、黄色三二酸化鉄)、遮光剤(好ましくは、酸化チタン)などを配合してもよい。コーティングの際の乾燥工程において、含水二酸化ケイ素を添加することができる。
【0034】
該「フィルムコーティング用高分子」には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、アクリル樹脂(メタアクリル酸、アクリル酸コポリマー、アミノアルキルメタアクリレートコポリマー等)、シェラック、ポリビニルアセテートフタレート、アラビアゴム、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、カルボキシメチルエチルセルロースなどを含む。該「溶媒」には、水、アルコール類(例、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、メタノールなど)、アセトン、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム、ヘキサン、トルエン、ヘプタンなどを含む。
【0035】
該「フィルムコーティング用高分子」の使用量は、固形製剤の種類に応じ選択すればよく、例えば固形製剤が顆粒剤等の場合、約0.5〜10重量%である。噴霧温度は、通常25〜80℃である。噴霧時間は、通常5分〜24時間である。乾燥温度は、通常30〜80℃である。乾燥時間は、通常1分〜24時間である。
【0036】
シュガーコーティングの方法は、常法に従って行う。シュガーコーティング後に含水二酸化ケイ素の添加をすることもできる。
【発明の効果】
【0037】
本発明のアジスロマイシン類含有医薬組成物は、帯電することなく、分包機にかけても静電気による弊害がなく均一な量の適切な分包を行うことができるという効果を奏する。
【0038】
以下に、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0039】
実施例1
含水二酸化ケイ素を含有するアジスロマイシン細粒剤を(バッチサイズ1000g)を調製した。調製方法を以下に示す。
(1)中核粒子の調製
アジスロマイシン2水和物104.8g、微結晶セルロース(賦形剤)270g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(崩壊剤)4g及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(結合剤)2.5gを造粒機内で混合し、精製水をスプレーしながら造粒した。造粒終点は水分値のモニターと目視確認により行われた。造粒物を乾燥し、篩にかけ、目的とする粒度(105μm−420μm)を有する粒子を得た。得られた粒子を中核粒子として以下のプロセスにおいて用いた。
(2)フィルムコート粒子の調製
水に不溶性であるポリマー(アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE(商品名:オイドラギッドE100))40gを54.5%濃度の希釈エタノールに溶解し、被覆用溶液を得た。造粒機内で、上記(1)にて調製した中核粒子に、当該被覆用溶液を噴霧することにより、フィルムコート層で中核粒子を被覆した。得られた粒子を乾燥し、篩にかけて、目的とする粒度(444μm以下)を有するフィルムコート粒子を得た。
(3)シュガーコート粒子の調製
上記(2)で調製したフィルムコート粒子にシュガーコート層を形成した。詳しくは、精製水に白糖を溶解して調製した濃度約50%の白糖溶液を得た。この溶液に、黄色三二酸化鉄(色素)0.3gを分散させた。さらに、この溶液に酸化チタン(遮光剤)20gを分散させ、造粒機内で、(2)にて調製したフィルムコート粒子に、この懸濁溶液を噴霧した。噴霧中、L−アルギニン20gを供給し、パイナップル香料3gとキサンタンガム(粘稠剤)5gも供給した。得られた粒子を乾燥し、含水二酸化ケイ素1gを混合した。篩にかけて、目的とする粒度(708μm以下)を有するシュガーコート粒子を得た。
【0040】
実施例2 帯電防止剤の種類の検討
帯電防止剤の有効性を判別するため、アジスロマイシン細粒の帯電防止剤未添加品の付着量をコントロール(100%)として各種帯電防止剤の添加品の付着率を比較した。アジスロマイシン細粒の帯電防止剤未添加品は、水分量1.5%のものを用い、温度22℃湿度60%の測定条件で、実験した。
試験方法:100mmx100mmx1mm(厚さ)のシリコンゴム板に10gのアジスロマイシン細粒を均一に散布し、シリコンゴム板に静電気で付着したアジスロマイシン細粒の量を比較した。試験はN=3で行った。下表に平均値を示す。
【0041】
表1各種帯電防止剤の添加品の付着率

【0042】
以上のように、含水二酸化ケイ素をアジスロマイシン細粒剤に使用することにより、優れた帯電抑制効果を奏することを見出した。含水二酸化ケイ素の帯電防止剤としてアジスロマイシン類を含む医薬組成物への有用性が確認された。
【0043】
実施例3 含水二酸化ケイ素添加量と帯電防止効果の関係
含水二酸化ケイ素帯電防止剤の添加量が帯電防止効果に影響を与えるか各種帯電防止剤の添加量を振って評価を行った。試験はN=5で行った。含水二酸化ケイ素は、平均粒子径6.4μm、比表面積429m/g、及び乾燥減量(水分量)7.1%のものを用いた。
【0044】
表2 帯電防止剤の添加量の評価

【0045】
添加量を増やす事により帯電防止効果は向上した。
【0046】
実施例4 加速安定性試験
含水二酸化ケイ素添加品の安定性について、帯電防止剤未添加品と比較することによ
り評価した。安定性試験は温度40度、湿度75%の加速条件下で行った。安定性試験では保存容器にプラスチック容器(HDPEボトル)を用いた。
【0047】
表3 加速安定性試験結果



【0048】
試験の結果、含水二酸化ケイ素添加品は全ての試験項目において、安定であることが示された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
含水二酸化ケイ素、アジスロマイシン類、および薬剤学的に許容される添加剤を含む、帯電を防止する医薬組成物。
【請求項2】
前記組成物が散剤、顆粒剤またはドライシロップ剤である請求項1に記載の該医薬組成物。
【請求項3】
前記含水二酸化ケイ素の含量が医薬組成物の0.01重量%から5重量%である請求項1または2に記載の該医薬組成物。
【請求項4】
前記含水二酸化ケイ素の含量が医薬組成物の0.1重量%から0.5重量%である請求項1から3のいずれか一項に記載の該医薬組成物。
【請求項5】
前記含水二酸化ケイ素の平均粒子径が1μmから10μmである請求項1から4のいずれか一項に記載の該医薬組成物。
【請求項6】
前記含水二酸化ケイ素の比表面積が100m/gから700m/gである請求項1から5のいずれか一項に記載の該医薬組成物。
【請求項7】
前記含水二酸化ケイ素の含水量が1重量%から10重量%である請求項1から6のいずれか一項に記載の該医薬組成物。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の該医薬組成物の製造法

【公開番号】特開2007−197375(P2007−197375A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−18465(P2006−18465)
【出願日】平成18年1月27日(2006.1.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(000204343)ファイザー株式会社 (38)
【Fターム(参考)】