説明

アスタキサンチン結晶の製造方法

【課題】ファフィア属酵母から、簡易な製造工程で、アスタキサンチンを高含有し夾雑物の少ないアスタキサンチン結晶を製造する方法を提供する。
【解決手段】ファフィア属酵母の乾燥菌体をアセトンで抽出する工程と、得られた抽出液のアスタキサンチン濃度が1.5〜3質量%となるように濃縮する工程と、得られた濃縮液と、乾燥菌体質量の0.3〜0.8倍質量のn−ヘキサンとを接触させて、アスタキサンチンを晶析させる工程とを包含することを特徴とするアスタキサンチン結晶の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファフィア属酵母から得られるアスタキサンチン結晶の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アスタキサンチンは、マダイ、サケ、マスなどの魚類、カニ、エビ、オキアミなどの甲殻類に存在し、また、アグロバクテリウム属、ブレビバクテリウム属、パラコッカス属などの細菌類、ヘマトコッカス属緑藻類、ファフィア属酵母などの微生物により産生されるカロテノイドの一種である。アスタキサンチンは、飼料添加物として養殖サケ、マス等の色調強化、鶏卵の色調改善等に広く使用されている。アスタキサンチンは、また食品添加物としても認められており、油脂加工食品、蛋白質性食品、水性液状食品、健康食品などに幅広く使用されている。さらに、アスタキサンチンは、抗酸化活性、抗癌活性、抗炎症活性などの様々な生理的作用が確認され、医薬品、機能性食品、化粧品等として有用である。
【0003】
アスタキサンチンは、化学合成により工業的に製造され得るが、原料に臭素および塩素を含むハロゲン系化合物や重金属類を必要とするため(例えば特許文献1参照)、安全面の不安から化学合成によらないアスタキサンチンの製造が求められている。
【0004】
甲殻類からアスタキサンチンを分離する方法としては、カニ・エビ・オキアミ殻等を適当な前処理後、有機溶剤で抽出するのが一般的である。
細菌、藻類、酵母などの微生物からアスタキサンチンを得る方法としては、当該微生物体の細胞壁を適当な手段で破壊した後、有機溶剤で抽出する方法が一般的であるが、ヘマトコッカス藻体のシスト細胞を熱アセトン処理し、夾雑物であるクロロフィルを溶出させた後、エタノールでアスタキサンチン類を抽出する方法によれば、細胞壁破壊の操作が不要であることが報告されている(特許文献2参照)。
また、ファフィア属酵母からアスタキサンチンを得る方法としては、当該乾燥菌体をロールミルや振動ボールミル処理する方法、当該菌体にトリコデルマリーセイATCC1361由来の細胞壁分解酵素を作用させる方法などが知られている。
【0005】
このようにして得られたアスタキサンチン含有物には、それぞれの原料由来の夾雑物が多量に含まれており、アスタキサンチン含量が低いので、魚類や鶏卵の色調強化にはこのまま用いることも可能であるが、医薬品、食品、化粧品等の用途には、より高含量かつ低夾雑物のアスタキサンチン含有物が求められている。
【0006】
夾雑物を減じ、アスタキサンチン含量を高める方法として、例えば、甲殼類由来のアスタキサンチンの場合は、カニ殻のアセトン抽出液の上澄みに当量のエーテル、ヘキサンを加えた後、脱水、濾過、乾燥を経て得られたカロテノイド結晶をベンゼンに溶解し、カラムクロマトグラフィーによりアスタキサンチン部分を分取する方法(例えば、特許文献3参照)などがある。
例えば、藻類由来のアスタキサンチンの場合は、ヘマトコッカスのシスト細胞を熱アセトン処理後、アセトン−メタノール(7:3(v/v))混合液で抽出して粗アスタキサンチンを得、これをさらにTLCによりアスタキサンチン部分を分画し、アスタキサンチン含有画分からアスタキサンチンを取得する方法などが知られている。
【0007】
ファフィア属酵母由来のアスタキサンチンの場合は、菌体をn−ヘキサン−エタノール(85:15(v/v))の混合溶媒中、圧縮粉砕機で粉砕しつつ抽出し、抽出物を濃縮して得られた油状物質を−50℃で濾過することによりトリグリセリド、ステロール、リン脂質を除き、さらにエタノール中遊離脂肪酸を金属セッケン化して除くことによりアスタキサンチンの濃度を約3倍とし、必要に応じて水蒸気蒸留することにより特異な発酵臭を除いてアスタキサンチン色素油を得る方法(例えば特許文献4参照)、同じく乾燥菌体をアセトン中機械粉砕しながら抽出し、抽出液を濃縮後一旦−50℃に冷却して不純物を析出させ、これを濾別した後エタノール中硝酸銀を添加することにより更に不純物を除き、最後にエタノールを助溶媒とする超臨界二酸化炭素抽出にかけて高純度アスタキサンチンを得る方法(例えば特許文献5参照)、破砕菌体を有機溶媒で抽出し、抽出液を濃縮して得られた油状の粗抽出エキスをイオン交換クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー等の精製手段でアスタキサンチンまたはそのエステルを得る方法(例えば特許文献6参照)などがある。
このように、アスタキサンチン製品において夾雑物を減じ、アスタキサンチン含量を高めるためには、上記のような複雑な工程を経るか、あるいはカラムクロマトグラフィーのような非工業的手段に頼らざるを得ないというのが現状である。
【0008】
非工業的手段を用いずに簡易な工程でアスタキサンチンを製造する方法としては、ファフィア属酵母をアセトンで抽出し、得られた抽出液を水の存在下濃縮して得られる粗油状物に炭化水素系溶剤を加えて晶析させる方法が知られている(特許文献7参照)。しかしながら、製品中のアスタキサンチン含量は36〜42質量%程度であり、満足できるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第4283559号
【特許文献2】特開平11−56346号公報
【特許文献3】特開平11−49972号公報
【特許文献4】特開平7−101827号公報
【特許文献5】特開平8−140695号公報
【特許文献6】特開平10−276721号公報
【特許文献7】特開2004−208504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、ファフィア属酵母から、簡易な製造工程で、アスタキサンチンを高含有し夾雑物の少ないアスタキサンチン結晶を製造する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の各発明を包含する。
[1]ファフィア属酵母の乾燥菌体をアセトンで抽出する工程と、得られた抽出液のアスタキサンチン濃度が1.5〜3質量%となるように濃縮する工程と、得られた濃縮液と、乾燥菌体質量の0.3〜0.8倍質量のn−ヘキサンとを接触させて、アスタキサンチンを晶析させる工程とを包含することを特徴とするアスタキサンチン結晶の製造方法。
[2]アセトン量が、乾燥菌体質量の3〜8倍質量である前記[1]に記載のアスタキサンチン結晶の製造方法。
[3]抽出時間が、5〜60分間である前記[1]または[2]に記載のアスタキサンチン結晶の製造方法。
[4]アスタキサンチン結晶中のアスタキサンチン含量が45質量%以上である前記[1]〜[3]のいずれかに記載のアスタキサンチン結晶の製造方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ファフィア属酵母から、簡易な製造工程で、アスタキサンチンを高含有し夾雑物の少ないアスタキサンチン結晶を製造する方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のアスタキサンチン結晶の製造方法(以下、「本発明の製造方法」という。)は、以下の工程(A)〜(C)を包含するものであればよい。本発明の目的を損なわない限り工程(A)〜(C)以外の工程を包含してもよく、その内容は限定されない。
(A)ファフィア属酵母の乾燥菌体をアセトンで抽出する工程
(B)得られた抽出液のアスタキサンチン濃度が約1.5〜3質量%となるように濃縮する工程
(C)得られた濃縮液と、乾燥菌体質量の約0.3〜0.8倍質量のn−ヘキサンとを接触させて、アスタキサンチンを晶析させる工程
【0014】
本発明の製造方法において原料に用いられるファフィア属酵母(Phaffia rhodozyma)は、アスタキサンチンを多く含む赤色色素を生産する微生物として知られている。ファフィア属酵母が産生する赤色色素は種々のカロテノイドからなり、全カロテノイドの約65〜70質量%をアスタキサンチンが占める場合が多い。また、ファフィア属酵母は、通常乾燥菌体1g当たり約25質量%程度の油脂分を含むことが知られている。
【0015】
本発明の製造方法には、公知の培養方法で増殖させたファフィア属酵母の乾燥菌体を好適に用いることができる。乾燥菌体は、ファフィア属酵母を噴霧乾燥、ドラム乾燥、凍結乾燥、減圧乾燥等の公知の手段に付することにより得ることができる。また、ファフィア属酵母を、アルカリ試薬や界面活性剤などを用いた化学的処理、タンパク質分解酵素などを用いた生化学処理、超音波処理や粉砕などの物理的処理等に付することによって細胞壁を破壊した後に、乾燥処理して得られる乾燥菌体を用いることが好ましい。
【0016】
工程(A)は、ファフィア属酵母の乾燥菌体をアセトンで抽出する工程である。ファフィア属酵母からアスタキサンチンを抽出する際に使用可能な溶媒は種々知られているが、本発明者らは、試行錯誤の結果、抽出溶媒にアセトンを選択することにより、アスタキサンチン含量の高いアスタキサンチン結晶が得られることを見出した。抽出に用いるアセトン量は特に限定されないが、抽出効率の観点から乾燥菌体質量の約3〜8倍質量が好ましく、より好ましくは約3〜5倍質量である。抽出温度は特に限定されないが、室温〜アセトンの沸点以下が好ましく、より好ましくは室温〜約50℃以下である。抽出時間は1時間以下で十分であり、好ましくは約5〜60分間、より好ましくは約30〜60分間である。
【0017】
工程Bは、得られた抽出液のアスタキサンチン濃度が約1.5〜3質量%となるように濃縮する工程である。工程Bでは、まず、抽出液から菌体を分離する。抽出液から菌体を分離する方法は特に限定されず、例えば、遠心分離、濾過分離などの公知の方法を用いることができる。次に、菌体から分離した抽出液を濃縮する。濃縮方法は特に限定されず、公知の方法を好適に用いることができる。具体的には、例えば、公知の任意の蒸発装置を用いて行うことができる。ただし、アスタキサンチンは熱に対して不安定な物質であるため、操作中の熱履歴ができるだけ少なくなるように、装置および操作条件を選択することが好ましい。装置としては、例えば、ロータリーエバポレーター、薄膜蒸発装置等を好適に用いることができる。操作は、例えば、300mmHg程度の減圧下、約50℃以下の温度で行うことが好ましい。
また、濃縮の際に水を添加する方法が知られているが(例えば、特許文献7)、本発明の製造方法では、水の添加は必須ではなく、任意である。本発明者らは、濃縮時の水の添加の有無により得られるアスタキサンチン結晶に差がないこと確認している。したがって、簡便性の点で、水を添加しないことが好ましい。
【0018】
工程Bでは、濃縮により抽出液のアスタキサンチン濃度が約1.5〜3質量%となるようにアセトンを残存させることが重要である。アスタキサンチンの濃度は、例えば、高速液体クロマトグラフィーを用いて測定することができる。
【0019】
工程Cは、得られた濃縮液と、乾燥菌体質量の約0.3〜0.8倍質量のn−ヘキサンとを接触させて、アスタキサンチンを晶析させる工程である。濃縮液とn−ヘキサンとを接触させる方法は特に限定されない。濃縮液にn−ヘキサンを添加してもよく、n−ヘキサンに濃縮液を添加してもよい。接触の温度は特に限定されないが、室温〜50℃以下が好ましく、より好ましくは室温である。接触の時間も特に限定されず、約0.5〜2時間が好ましい。析出した結晶を濾過等の公知の方法を用いて分離し、必要に応じて結晶を乾燥させることにより、アスタキサンチン結晶を取得することができる。
【0020】
アスタキサンチンの晶析に使用可能な溶媒は種々知られているが、本発明者らは、試行錯誤の結果、n−ヘキサンを乾燥菌体質量の約0.3〜0.8倍質量、好ましくは約0.4〜0.6倍質量用いて晶析を行うことにより、アスタキサンチン含量の高いアスタキサンチン結晶が得られることを見出した。すなわち、アスタキサンチン濃度が約1.5〜3質量%となるように濃縮されたアセトン抽出液に対して、乾燥菌体質量の約0.3〜0.8倍質量のn−ヘキサンを接触させてアスタキサンチンを晶析させたときに、アスタキサンチン高含量のアスタキサンチン結晶が得られることを見出した。
濃縮アセトン抽出液のアセトン質量と晶析に用いるn−ヘキサン質量との関係は、n−ヘキサン質量/アセトン質量=約1〜40が好ましい。
【0021】
本発明の製造方法により得られるアスタキサンチン結晶は、通常アスタキサンチン含量が約45質量%以上であり、好ましくは約50質量%以上、より好ましくは約55質量%以上である。
本発明の製造方法により得られるアスタキサンチン結晶は、天然物(ファフィア属酵母)由来であり、アスタキサンチン含量が高いので、医薬品、飲食品、化粧品、飼料、食品添加剤、飼料添加剤等として好適に用いることができる。
【実施例】
【0022】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0023】
〔実施例1〕
(1)あらかじめ破砕処理を行ったファフィア属酵母の乾燥体(ケイ・アイ化成製、アスタキサンチン0.9質量%を含む)100.0gを、アセトン400.0gに投入し、窒素雰囲気、遮光下、室温で50分間攪拌した。内容物を、孔径0.2μmのメンブレンフィルターを装着した加圧濾過器に投入して濾過操作を行い、酵母菌体を除去し、濾液を得た。濾過器内に残ったケーキに保持された抽出成分を洗い出すために、濾過器内にアセトンを投入して再度濾過操作を行い、洗液を得た。得られた濾液と洗液とを合わせて最終的にアスタキサンチン0.10質量%を含む抽出液509.0gを得た。
(2)上記(1)で得られた抽出液を、圧力300mmHgの減圧下、50℃でアセトンを留去し、粘凋な濃縮液19.0gを得た。当該濃縮液のアスタキサンチン濃度は、2.7質量%であった。
(3)室温にて、n−ヘキサン50.0gを攪拌しながら、上記(2)で得られた濃縮液をn−ヘキサンに徐々に投入した。濃縮液の投入完了後、さらに室温で1時間攪拌を続けた。析出した固体を濾取し、少量のn−ヘキサンで洗浄後、40℃で減圧乾燥を行い、アスタキサンチン58.0質量%を含む赤褐色のアスタキサンチン結晶0.78gを得た。
【0024】
アスタキサンチン含量は、高速液体クロマトグラフィー分析により求めた。すなわち、まず、各アスタキサンチン結晶をそれぞれ精秤し、アセトンに溶かして定容とした試料溶液を調製し、文献(佐藤ら、食衛誌、39(6)、p368-74 (1998))に準じた条件で分析した。別途、精秤した市販のアスタキサンチン試薬(Alexis Biochem. Inc. 製)をアセトンに溶かして定容とした標準液についても同様の分析を行い、両者の波長480nmにおけるアスタキサンチンのピーク面積比により、各アスタキサンチン結晶中のアスタキサンチン含有量を求めた。
【0025】
〔実施例2〕
実施例1の(2)において、アスタキサンチン濃度2.1質量%を含む濃縮液24.3gを得た以外は、実施例1と同様にして、アスタキサンチン59.1質量%を含む赤褐色のアスタキサンチン結晶0.75gを得た。
【0026】
〔実施例3〕
実施例1の(3)において、n−ヘキサンの質量を40.0gとした以外は、実施例1と同様にして、アスタキサンチン54.0質量%を含む赤褐色のアスタキサンチン結晶0.86gを得た。
【0027】
〔実施例4〕
実施例1の(2)において、アスタキサンチン濃度1.7質量%を含む濃縮液30.1gを得た以外は、実施例1と同様にして、アスタキサンチン56.5質量%を含む赤褐色のアスタキサンチン結晶0.75gを得た。
【0028】
〔実施例5〕
実施例1の(3)において、n−ヘキサンの質量を80.0gとした以外は、実施例1と同様にして、アスタキサンチン57.2質量%を含む赤褐色のアスタキサンチン結晶0.78gを得た。
【0029】
〔比較例1〕
実施例1の(2)において、アスタキサンチン濃度3.5質量%を含む濃縮液14.7gを得た以外は、実施例1と同様にして、アスタキサンチン42.9質量%を含む赤褐色のアスタキサンチン結晶1.1gを得た。
【0030】
〔比較例2〕
実施例1の(3)において、n−ヘキサンの質量を20.0gとした以外は、実施例1と同様にして、アスタキサンチン40.6質量%を含む赤褐色のアスタキサンチン結晶1.1gを得た。
【0031】
〔比較例3〕
実施例1の(2)において、アスタキサンチン濃度1.2質量%を含む濃縮液42.5gを得た以外は、実施例1と同様にして、アスタキサンチン43.9質量%を含む赤褐色のアスタキサンチン結晶1.1gを得た。
【0032】
〔比較例4〕
実施例1の(3)において、n−ヘキサンの質量を120.0gとした以外は、実施例1と同様にして、アスタキサンチン44.3質量%を含む赤褐色のアスタキサンチン結晶0.96gを得た。
【0033】
結果を表1に示した。本発明の製造方法により、結晶中のアスタキサンチン含量を約50〜60質量%程度まで向上させることができた。それゆえ、本発明の製造方法により得られるファフィア属酵母由来のアスタキサンチン結晶を各種用途に用いることにより、効能の向上が期待できる。
【0034】
【表1】

【0035】
なお本発明は上述した各実施形態および実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の製造方法により得られるファフィア属酵母由来のアスタキサンチン結晶は、飼料添加物、食品添加物、機能性飲食品、化粧品、医薬品等に利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファフィア属酵母の乾燥菌体をアセトンで抽出する工程と、
得られた抽出液のアスタキサンチン濃度が1.5〜3質量%となるように濃縮する工程と、
得られた濃縮液と、乾燥菌体質量の0.3〜0.8倍質量のn−ヘキサンとを接触させて、アスタキサンチンを晶析させる工程と
を包含することを特徴とするアスタキサンチン結晶の製造方法。
【請求項2】
アセトン量が、乾燥菌体質量の3〜8倍質量である請求項1に記載のアスタキサンチン結晶の製造方法。
【請求項3】
抽出時間が、5〜60分間である請求項1または2に記載のアスタキサンチン結晶の製造方法。
【請求項4】
アスタキサンチン結晶中のアスタキサンチン含量が45質量%以上である請求項1〜3のいずれかに記載のアスタキサンチン結晶の製造方法。

【公開番号】特開2012−70717(P2012−70717A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−220208(P2010−220208)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000004628)株式会社日本触媒 (2,292)
【Fターム(参考)】