説明

アスパラガスの若茎の誘引方法およびそれに用いる誘引具

【課題】アスパラガスの煩雑な収穫作業の効率化および収穫作業の身体的負荷の軽減を図るためのアスパラガス母茎の誘引方法とそれに用いる誘引具を提供すること。
【解決手段】アスパラガスの若茎(萌芽直後のものを含む)に、該アスパラガスが地際に押し倒されて生長するように誘導部材をあてがって固定し、立茎させることを含む、アスパラガスの若茎の誘引方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アスパラガスの若茎の誘引方法およびそれに用いる誘引具に関する。
【背景技術】
【0002】
アスパラガス栽培における収穫作業は、長時間にわたる中腰でのきつい作業を強いられており、軽労働化が求められている。
【0003】
また全期立茎栽培の場合、立茎管理により、株養成を行う母茎の立茎と若茎の収穫を同時に行うため、畦上に育成した母茎と若茎が混在する(図1)。このため、若茎の収穫の際、大きく茂った母茎を避けながら母茎の根元付近に生えている若茎を収穫しなければならず、アスパラガスの収穫は極めて煩雑で非効率的な作業となっている。
【0004】
野菜の栽培作業の省力化などを目的とした植物の誘引方法や誘引具などは、従来から種々開発されているが(例えば特許文献1、特許文献2など)、アスパラガスの収穫作業を軽労働化するための誘引方法や誘引具は開発されていなかった。
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3107339号
【特許文献2】特開2005−224204号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、アスパラガスの煩雑な収穫作業の効率化および収穫作業の身体的負荷の軽減を図るためのアスパラガス母茎の誘引方法とそれに用いる誘引具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、アスパラガスの母茎となる若茎を地際に押し倒して、一定の位置に立茎させることで、母茎位置と若茎発生位置を区分することにより、若茎の収穫の効率化が図れることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
本発明の特徴は、要約すると以下の通りである。
(1)アスパラガスの若茎(萌芽直後のものを含む)に、該アスパラガスが地際に押し倒されて生長するように誘導部材をあてがって固定し、立茎させることを含む、アスパラガスの若茎の誘引方法。
(2)アスパラガスの若茎が地面に対して約30〜60度の角度で押し倒されて生長するように誘導部材をあてがう、(1)に記載の方法。
(3)誘導部材をアスパラガスの若茎にあてがってから約1〜5日後に、該アスパラガスが地面と略平行になるように地際に押し倒して前記誘導部材を固定することをさらに含む、(1)または(2)に記載の方法。
(4)若茎が、茎長約50cmまでである、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)立茎させたアスパラガスの根元に、収穫する若茎が発生する、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6)誘導部材が、アスパラガスの若茎に荷重をかけて地際に押し倒されて生長するように誘導するための部材である、(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7)誘導部材の材質が、ポリマー、金属、木、ガラスまたは紙である、(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。
(8)誘導部材が、長さ約10〜50cmである、(1)〜(7)のいずれかに記載の方法。
(9)誘導部材を支持部材で固定する、(1)〜(8)のいずれかに記載の方法。
(10)支持部材が、長手方向に垂直な断面の直径が約5mm以下であって、高さ約5〜30cmになるように略V字状または略U字状に形成された部材である、(9)に記載の方法。
(11)アスパラガスの若茎(萌芽直後のものを含む)に荷重をかけて、地際に押し倒されて生長するように誘導するための、長さ約10〜50cmの誘導部材と、該誘導部材を固定するための、長手方向に垂直な断面の直径が約5mm以下であって、高さ約5〜30cmになるように略V字状または略U字状に形成された支持部材とからなる、アスパラガス若茎用誘引具。
(12)誘導部材の長手方向に垂直な断面形状が板状、略L字状、略V字状、略U字状、略半円形状、略C字状、円形状または楕円形状である、(11)に記載の誘引具。
(13)誘導部材の長手方向に垂直な断面の最大幅が約10〜50mmである、(12)に記載の誘引具。
【0009】
なお、本明細書において「若茎」とは、茎長約50cmまでで、萌芽直後のものを含み、また、萌芽後収穫を行う茎だけでなく、収穫せずに立茎させるための若茎も含むものとする。
【0010】
本明細書において「立茎」とは、株養成を行うため、若茎を収穫せずに生長させ、茎葉を繁茂させることをいう。
【0011】
本明細書において「母茎」とは、立茎させて株養成を行うため、茎葉を繁茂させた成茎をいう。
【0012】
本明細書において「地際に押し倒されて生長する」とは、通常、地面に対してほぼ垂直方向に生長するアスパラガスが、地面に対して90度未満の角度で傾斜して生長することをいう。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、アスパラガスの母茎の茎葉が繁茂する位置と収穫するための若茎が生える位置が水平方向で離れるため、若茎の収穫作業が軽労働化される。また、簡易な誘引具でアスパラガスを誘導することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明のアスパラガスの若茎の誘引方法は、アスパラガスの若茎(萌芽直後のものを含む)に、該アスパラガスが地際に押し倒されて生長するように誘導部材をあてがって固定し、立茎させることを含むことを特徴とする。
【0015】
誘引は、アスパラガスの萌芽から行うことができ、また若茎である間、好ましくは茎長約50cmの若茎に生長する間に行う。若茎の折れにくさから、茎長約10〜30cmのときに誘引を行うことがより好ましい。
【0016】
誘引の第一段階として、若茎が地面に対して好ましくは約30〜60度、より好ましくは約40〜50度の角度で傾斜するように誘導部材をあてがい固定して(図2(A))、好ましくは約1日〜5日、さらに好ましくは約1日〜2日たってから、第二段階としてアスパラガスが地面と略平行になるように地際に押し倒して誘導部材を固定することが好ましい(図2(B))。誘引の第一段階のまま立茎させてもよいし、最初からアスパラガスを地面と略平行に生長するように誘導部材を固定して立茎させてもよいが、後者の場合、若茎の生長度合いによっては若茎が折れることがあるので、生長度合いに応じて、最初からアスパラガスを地面と略平行に生長させるか、上記第一段階、第二段階に分けて(さらに第三段階以上に分けてもよい)若茎の曲がり癖を段階的につけながら誘引するかを選択することが好ましい。
【0017】
誘引後、アスパラガスを立茎させると、母茎の茎葉が繁茂する位置が母茎の根元の位置から水平方向に離れ(図2(C))、収穫する若茎は、母茎の根元に発生する(図3)。畝でアスパラガスを栽培する場合は、母茎となる若茎を畝間の方向に押し倒し、母茎を列状に形成させ、母茎の立茎位置を若茎の発生位置から遠ざけるようにすればよい(図2(C)、図2(D))。
【0018】
誘引には誘導部材を用い、該誘導部材はアスパラガスの若茎(萌芽直後のものを含む)に荷重をかけて、地際に押し倒されて生長するように誘導することができるものであれば、形状、大きさ、材質等は特に限定されない。
【0019】
誘導部材は、金属または被覆金属の針金、または棒、あるいは長手方向に垂直な断面形状が板状、略L字状、略V字状、略U字状、略半円形状、略C字状、円形状もしくは楕円形状等であって、好ましくは長さ約10〜50cm(図4)、より好ましくは約10〜40cmの長さを有するものが好適である。長手方向に垂直な断面の最大幅は特に限定されないが、アスパラガスが誘導部材の内側で生長することを阻害しない幅あるいは誘導部材をアスパラガスにあてがいやすい幅があればよく、例えば前記断面の最大幅が、好ましくは約10〜50mm(図4)、より好ましくは約20〜30mmである。また上記断面形状が略コ字状、四角形状などの角のある形状の誘導部材も利用可能である。
【0020】
なお、上記長手方向に垂直な断面の最大幅とは、板状の場合、板の幅をいい、略L字状、略V字状、略U字状、略半円形状および略C字状の場合は、開口幅をいい、円形状および楕円形状の場合は、最大内径をいう。
【0021】
誘導部材の材質は特に限定されないが、例えば、ポリマー、例えばポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリカーボネートなどの樹脂、金属、木、ガラス、紙などが挙げられ、色は限定されず、透明でも着色してあってもよい。
【0022】
誘導部材を固定するための支持部材は、誘導部材の固定に適していれば、形状、大きさ、材質等、特に限定されないが、針金、または、長手方向に垂直な断面の直径が好ましくは約5mm以下(図5)、より好ましくは約0.5〜5mm、さらに好ましくは約2〜4mmであって、高さが好ましくは約5〜30cm(図5)、より好ましくは約10〜30cm、さらに好ましくは約15〜25cmになるように略V字状〜略U字状に形成された支持部材が好適である。支持部材を、例えば逆V字または逆U字の方向にして、誘導部材を上から逆V字または逆U字に挟み込むようにして地面に刺しこめば、誘導部材を固定することができる。
【0023】
支持部材の材質は特に限定されないが、誘導部材と同様、例えば、ポリマー、例えばポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリカーボネートなどの樹脂、金属、木、ガラス、紙などが挙げられる。
【0024】
萌芽直後の若茎を地際に誘引する場合は、誘導部材を若茎にかぶせ(円形状、楕円形状、四角形状の誘導部材の場合は筒内部に若茎が入るようにかぶせ)、アスパラガスが地面に対して好ましくは約30〜60度、より好ましくは約40〜50度に傾斜して生長するように、または地面と略平行に生長するように誘導部材を固定する。
【0025】
若茎を地際に誘引する場合は、若茎の根元が折れないように、若茎の地際から上記誘導部材をあてがい、アスパラガスが地面に対して好ましくは約30〜60度、より好ましくは約40〜50度に傾斜して生長するように誘導部材を固定することが好ましい。なお、針金で若茎を誘引する場合は、針金のみで地際に押し倒して固定することも可能であるが若茎が折れることがあり、また、誘引処理(誘引作業)の簡便性や時間がかからないことなどから、特に長手方向に垂直な断面形状が略L字状、略V字状、略半円状、略U字状である誘導部材が好ましい。
【0026】
誘引処理を行う時間帯は、特に限定されないが、昼のほうが、朝または夜よりも若茎の体内水分が低くなって若茎が折れにくいので好ましい。また、土壌水分が高い状態で若茎の誘引を行うと、土壌の抵抗が小さく、土中の鱗芽の付け根部分が固持されないため、その部分が折れることがある。土壌水分は、特に限定されないが、例えばpF1.3以上、より好ましくはpF1.6以上、さらに好ましくはpF1.7以上である。さらに、土壌厚(土中の鱗芽から表土までの土壌の厚さ)は、厚いほうが若茎が折れにくいので好ましい。土壌厚は、例えば約3cm以上、より好ましくは約5cm以上、さらに好ましくは約6cm以上である。
【0027】
本発明のアスパラガス若茎用誘引具は、アスパラガスの若茎(萌芽直後のものを含む)に荷重をかけて、地際に押し倒されて生長するように誘導するための、長さ約10〜50cmの誘導部材と、該誘導部材を固定するための、長手方向に垂直な断面の直径が約5mm以下であって、高さ約5〜30cmになるように略V字状または略U字状に形成された支持部材とからなる。
【0028】
誘導部材は、長手方向に垂直な断面形状が、好ましくは板状、略L字状、略V字状、略U字状、略半円形状、略C字状、円形状または楕円形状、さらに好ましくは、略L字状、略V字状、略U字状、略半円形状であり、また、前記断面の最大幅が好ましくは約10〜50mm、さらに好ましくは約20〜30mmである。
【0029】
支持部材は、長手方向に垂直な断面の直径が、より好ましくは約0.5〜5mm以下、さらに好ましくは約2〜4mmであり、高さが、より好ましくは約10〜30cm、さらに好ましくは約15〜25cmになるように、略V字状または略U字状に形成される。
【0030】
以下の実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例によって制限されないものとする。
【実施例1】
【0031】
以下の実験は、2004年5月植付けのアスパラガス品種‘ウェルカム’の全期立茎露地栽培で行った。
【0032】
誘導部材の検討
2005年4月に2年生株について茎長5〜9、10〜14、15〜19及び20〜30cmの若茎を選び、針金、半円筒状、パイプの誘導部材を用いて、誘引処理にかかる時間、誘引処理により若茎が折れる率(以下、若茎折れ率とする)について調査した。
結果を表1に示す。
【0033】
【表1】

【0034】
どの誘導部材でも若茎を誘引することができたが、半円筒状誘導部材(開口幅25mm、長さ27cm)区が最も誘引処理にかかる時間が短く、かつ若茎折れ率が低かった。また、同区では誘引時の茎長が5〜9cmで折れ率が36.7%と高かったが、茎長10cm以上では6.7%と長さによる差はみられなかった。
【実施例2】
【0035】
誘引角度及び誘引時間帯の検討
2006年4月に茎長20〜30cmの若茎を選び、半円筒状誘導部材(開口幅25mm、長さ27cm)を用いて10:00、13:00及び16:00の各時間帯に45度及び60度(地面に対して30度)誘引区を設け、若茎折れ率を調査した。
結果を表2および表3に示す。
【0036】
【表2】

【0037】
【表3】

【0038】
表2から、45度、60度誘引区のいずれでも、またいずれの時間帯でも誘引は可能であることがわかったが、45度誘引区では誘引時間帯に関わらず、若茎折れ率は10%であり、60度区ではどの時間帯も45度区に比べ高かった。
【0039】
また表3から、誘引処理を行う時間帯は、朝および夜よりも昼に行うことが好ましいことがわかった。
【0040】
以上の結果より、一度に若茎を地際部まで誘引すると若茎が折れる確率が高まるため、1段階目に45度まで誘引し、その後さらに地際部まで誘引する2段階誘引がより好ましいと判断された。また、誘引は昼に行い、1段階誘引における若茎の曲がり癖は誘引後1日以上、好ましくは2日間つけておくことがよいと考えられた。
【実施例3】
【0041】
折れ部位と土壌水分の検討
降雨後の2006年4月27日(晴天)の10:00、13:00及び16:00に茎長20〜30cmの若茎を選び、45度の角度で誘引し、折れた若茎について折れ部位を確認した。また、各誘引若茎の鱗芽から表土までの土壌の厚さについても測定した。同時に、テンシオメーターにより、各時間帯の土壌水分を測定した。
結果を図6に示す。
【0042】
土壌水分が高い状態では若茎が折れ易く、誘引による茎折れ部位は土中の鱗芽の付け根部分であった。土壌水分pF1.3では、若茎の地下部分を固定している鱗芽から表土までの土壌の厚みが約6cm以下の条件で茎折れが生じ、pF1.6では約5cm以下、pF1.7では約3cm以下と土壌の乾燥により、若茎を保持する土壌厚が薄い条件での茎折れ率が低下した。
【実施例4】
【0043】
土壌水分の違いによる誘引時の土壌抵抗
プラスチックコンテナ(52×36.5×16cm)に鉄パイプ(40×1.3cm)の基部を可動出来るよう固定した装置を作成した。鉄パイプの基部から5cmの厚さまで土壌を入れた後、十分かん水した。その後、自然条件下でpF1.5、1.7及び2.0の各土壌水分まで乾燥させ、鉄パイプの地際部から20cmの高さにばねばかりを取り付け、鉄パイプを45度の角度まで誘引した際の誘引負荷(土壌抵抗)を測定した。
結果を図7に示す。
【0044】
土壌水分の違いによる誘引時の土壌抵抗は、土壌水分の低下と共に増加した。
以上から、土壌水分が低い状態で若茎誘引を行うと、土壌の抵抗が大きいため、鱗芽の付け根部分が固持され、鱗芽部分の茎折れが生じにくく、好ましいことが明らかとなった。
【実施例5】
【0045】
アスパラガス若茎の茎径日変化特性
アスパラガス若茎の体内水分と茎折れ率との関係について調べるため、歪みゲージ式変位計を用いて若茎の茎径の日変化を測定した。測定は、2006年7月13日20:00〜14日20:00の間で、10分間隔の測定値を記録した。供試した若茎は、平均的なもの(茎長20cm、茎径12.6mm×14.3mm)を選定し、測定部位は、地際部から5cmの高さとした。
結果を図8に示す。
【0046】
茎径は20:00から翌朝の6:00まで徐々に肥大し、日の出後から急激な収縮に転じ、9:00過ぎまで収縮が認められた。12:00以降は日射強度の変化に伴い、大きく収縮・回復の変化を示し、日没により日射強度が急激に減少する17:00から18:00にかけて茎径は急激に回復した。アスパラガスの体内水分は、日射強度の増加により減少し、日射強度の低下により回復することが明らかとなった。
【0047】
以上の結果より、誘引によるアスパラガス若茎の茎折れは、体内水分が高い状態では頻度が高まることが明らかとなった。すなわち、日の出直後の早朝及び日射強度が低下する夕方以降では、茎折れ率が高くなるため、昼間に誘引処理を行うことが好ましいと判断した。
【0048】
なお、いずれの実施例においても、アスパラガスの誘引処理により、茎枯れ病の増加は認められなかった。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明のアスパラガスの若茎の誘引方法およびそれに用いる誘引具は、収穫作業の効率化技術として、既存のアスパラガス生産者および新規参入者への普及が期待でき、さらに効率・軽労働化により産地の拡大も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】従来の栽培方法による母茎と若茎が混在している様子を示す。
【図2】(A)は、半円筒状誘導部材を若茎にあてがい、約45度の角度まで誘引し、支持部材で固定した様子(1段階目誘引)を示す。(B)は、誘引2日後に地際部まで押し倒して固定した様子(2段階目誘引)を示す。(C)は、母茎を列状に形成させ、母茎の茎葉が繁茂する位置を若茎の発生位置から遠ざけた様子を示す。(D)は、母茎となる若茎を畝間の方向へ押し倒し、母茎を列状に形成させた様子を示す。
【図3】母茎の根元に発生した収穫する若茎を示す。
【図4】断面が略半円形状(半円筒状)の誘導部材を示す。
【図5】略U字状の支持部材を示す。
【図6】土壌水分および土壌厚とアスパラガスの若茎折れとの関係を示す。
【図7】土壌水分と誘引負荷との関係を示す。
【図8】アスパラガスの若茎の経日的茎径変化を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスパラガスの若茎(萌芽直後のものを含む)に、該アスパラガスが地際に押し倒されて生長するように誘導部材をあてがって固定し、立茎させることを含む、アスパラガスの若茎の誘引方法。
【請求項2】
アスパラガスの若茎が地面に対して約30〜60度の角度で押し倒されて生長するように誘導部材をあてがう、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
誘導部材をアスパラガスの若茎にあてがってから約1〜5日後に、該アスパラガスが地面と略平行になるように地際に押し倒して前記誘導部材を固定することをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
若茎が、茎長約50cmまでである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
立茎させたアスパラガスの根元に、収穫する若茎が発生する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
誘導部材が、アスパラガスの若茎に荷重をかけて地際に押し倒されて生長するように誘導するための部材である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
誘導部材の材質が、ポリマー、金属、木、ガラスまたは紙である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
誘導部材が、長さ約10〜50cmである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
誘導部材を支持部材で固定する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
支持部材が、長手方向に垂直な断面の直径が約5mm以下であって、高さ約5〜30cmになるように略V字状または略U字状に形成された部材である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
アスパラガスの若茎(萌芽直後のものを含む)に荷重をかけて、地際に押し倒されて生長するように誘導するための、長さ約10〜50cmの誘導部材と、該誘導部材を固定するための、長手方向に垂直な断面の直径が約5mm以下であって、高さ約5〜30cmになるように略V字状または略U字状に形成された支持部材とからなる、アスパラガス若茎用誘引具。
【請求項12】
誘導部材の長手方向に垂直な断面形状が板状、略L字状、略V字状、略U字状、略半円形状、略C字状、円形状または楕円形状である、請求項11に記載の誘引具。
【請求項13】
誘導部材の長手方向に垂直な断面の最大幅が約10〜50mmである、請求項12に記載の誘引具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−220330(P2008−220330A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−66973(P2007−66973)
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 発行者:園芸学会 会長 杉山信男 刊行物名:園芸学会雑誌 第75巻 別冊2 −2006− 園芸学会平成18年度秋季大会研究発表およびシンポジウム講演要旨 刊行物発行年月日:2006年9月23日
【出願人】(591079487)広島県 (101)
【Fターム(参考)】