説明

アスパラギン酸アセタールカスパーゼ阻害剤の製造のための方法および中間体

本発明は、アスパラギン酸アルデヒド基のような修飾アスパラギン酸誘導体を製造するのに有用な方法および化合物に関する。アスパラギン酸誘導体は、カスパーゼ阻害剤および/またはそのプロドラッグを製造するのに有用である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本出願は、2004年3月12日に出願された、米国特許出願番号第60/552,480号(その全体の内容は、参照により本明細書に包含される。)に、合衆国法典第35巻、第119条(e)に基づき優先権を主張する
【0002】
発明の分野
本発明は、カスパーゼ阻害剤ならびのその中間体である誘導体を製造するための方法に関する。
【0003】
発明の背景
カスパーゼは、アポトーシスおよび細胞分解のシグナル伝達経路において重要な伝達物質であるシステインプロテアーゼ酵素群である(Thornberry, Chem. Biol., 1998, 5, R97 R103)。アポトーシスまたはプログラムされた細胞死は、生物が不要な細胞を除去する主な機構である。過度のアポトーシスまたはそれを経ないことのどちらかのアポトーシスの脱制御は、癌、急性炎症性疾患および自己免疫性疾患、ならびにある種の神経変性障害のような多くの疾患に関係している(一般的には、Science, 1998, 281, 1283 1312; Ellis et al., Ann. Rev. Cell. Biol., 1991, 7, 663を参照のこと)。最初に同定されたカスパーゼであるカスパーゼ1は、インターロイキン−1β変換酵素または“ICE”としても公知である。カスパーゼ−1は、前駆体インターロイキン1β(“pIL−1β”)を、pIL−1βのAsp−116とAla−117の間で特異的に切断することにより、炎症誘発性活性体に変換する。カスパーゼ−1の他に、11個の他の公知のヒトカスパーゼがあり、それらはその生物学的機能を基に群に分類されている。
【0004】
多くの現在報告されているカスパーゼ阻害剤を製造するための合成経路は、高価な出発物質、ジアステレオマーのクロマトグラフィー分離、および/または不利な合成工程を必要とする。
【0005】
大規模合成に適し、上記の欠点を克服するかまたは現在の方法に他の改良を加えたカスパーゼ阻害剤またはそのプロドラッグの合成経路が望まれている。
【0006】
発明の概要
本明細書に記載の方法および化合物は、アスパラギン酸アルデヒド基のような修飾アスパラギン酸誘導体を製造するのに有用である。アスパラギン酸誘導体は、カスパーゼ阻害剤および/またはそのプロドラッグを製造するのに有用である。
【0007】
1つの局面において、本発明は、式GIAまたはGIB:
【化1】

の化合物を製造するための方法であって、
(a)所望により相間移動触媒および水を含んでいて良い溶媒中、パラジウム触媒、パラジウムリガンド、および塩基の存在下で、式GIIAまたはGIIB:
【化2】

の化合物と、式GIII:
【化3】

の化合物を反応させる工程;
【0008】
[式中:
Xは、脱離基であり;
は、H、所望により置換されていて良いアルキル、所望により置換されていて良いアリール、−CN、−C(O)−Oアルキルまたはハロゲンであり;
は、有機基であり;
は、所望により置換されていて良いアルキル、ヘテロ環式、アルキルアリール、またはアリールであり;
は、所望により置換されていて良い脂肪族、ヘテロ環、または芳香族であるか、またはRおよびRは、それらが結合する基と共に、所望により置換されていて良い5員から8員のヘテロ環式環を形成する]
を含む方法を特徴とする。この局面の態様には、相間移動触媒の使用が包含され得る。
【0009】
本発明の他の局面を以下に記載する。
【0010】
発明の詳しい説明
I.定義
パラジウム触媒およびパラジウムリガンドに関して本明細書で用いる塩基なる用語は、“無機塩基”または“有機塩基”を意味する。
【0011】
本明細書で用いる、本発明の方法に用い得る“無機塩基”なる用語には、炭酸塩、重炭酸塩、および/またはリン酸塩(ならびにそれらの混合物)が含まれるが、それらに限定されない。本発明のいくつかの態様において、無機塩基は、式MCO(式中、Mは、適当な対陽イオンである。)を有する炭酸塩であり得る。炭酸塩には、KCO、KPO、NaCO、LiCO、RbCO、およびCsCOが含まれるが、それらに限定されない。いくつかの特定の態様において、無機塩基は、KCOまたはCsCOである。
【0012】
本明細書で用いる、本発明の方法に用い得る“有機塩基”なる用語には、トリアルキルアミン、例えばジエチルイソプロピルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリンなど、ならびにヘテロアリールアミン、例えばピリジン、キノリンなどが含まれるが、それらに限定されない第三級有機塩基が含まれる。
【0013】
本明細書で用いる、本発明の方法に用い得る“パラジウム触媒”なる用語には、Pd(OAc)およびPddbaのようなパラジウムII塩が含まれるが、それらに限定されない。
【0014】
本明細書で用いる“パラジウムリガンド”および“パラジウムIIリガンド”なる用語は、パラジウム触媒と共に複合体を形成し得るリガンドを意味する。パラジウムリガンドには、ホスフィン、ビスホスフィン、XantPhos、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンおよびDPEPhos(Aldrichカタログを参照のこと)が含まれるが、それらに限定されない。また、WO95/30680およびUS5,817,848も参照のこと。
【0015】
本発明に用いる“溶媒”には、トルエン、ジオキサン、およびTHF、ならびにそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。
【0016】
“脱離基”なる用語は、RCONHにより置換される基を意味する。具体的な基には、クロロ、ブロモ、ヨード、偽ハロゲン、トリフレート、トシレート、メシレート、およびノシレートが含まれるが、それらに限定されない。
【0017】
本明細書中、可変基Rの定義において用いる“有機基”なる用語は、任意の化学基であるが、ただしパラジウム触媒を妨害し得る基を含まない基を意味する。かかる妨害基は、当業者に公知であり得、例えば、遊離スルフヒドリル基が含まれる。それ故、スルフィドまたはチオールのような基は、R有機基中に存在してはならない。さらに、R有機基は、式(GIIAまたはGIIB)のアミドよりも反応性が高いであろう第一級または第二級アミンのようなアミン基を含んではならない。Rは、保護アミンとパラジウム触媒の相互作用を減じる保護基でキャップされている第一級および第二級アミンを含み得る。
【0018】
本明細書で用いる“相間移動触媒”なる用語は、水溶性アニオンを有機層中に移し得る化合物を意味する。相間移動触媒には、テトラアルキルアンモニウム塩、ホスホニウム塩およびクラウンエーテルが含まれる。相間移動触媒の例には、四置換アンモニウム塩およびインサイチュウで四置換アンモニウム塩を形成し得る三置換アミンが含まれるが、それらに限定されない。四置換アンモニウム塩には、テトラブチルアンモニウム塩、ベンジルトリメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩が含まれるが、それらに限定されず、それらの対イオンは、臭化物、塩化物、またはヨウ化物塩であり得る。いくつかの例において、相間移動触媒は、セチルトリメチルアンモニウムブロミドである。三置換アミンには、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ベンジルジエチルアミン、およびジイソプロピルエチルアミンが含まれるが、それらに限定されない。
【0019】
本明細書で用いる“ラクトン”および“フラノン”なる用語は、当業者により理解され得るように、同義的に用いられ得る。
【0020】
本明細書で用いる“脂肪族”なる用語は、完全に飽和か、または1個あるいはそれ以上の不飽和単位を含む、直鎖、分岐鎖または環状C−C12炭化水素を意味する。例えば、好適な脂肪族基には、置換または非置換の、直鎖、分岐鎖または環状アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ならびに(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキルまたは(シクロアルキル)アルケニルのようなそれらの複合型(hybrid)が含まれる。
【0021】
単独で、またはより大きな基の一部として用いる“アルキル”および“アルコキシ”なる用語は、1個から12個の炭素原子を含む直鎖および分岐鎖の両方を意味する。単独で、またはより大きな基の一部として用いる“アルケニル”および“アルキニル”なる用語は、2個から12個の炭素原子を含む直鎖および分岐鎖の両方を含み得る。
【0022】
単独で、または“アラルキル”のようなより大きな基の一部として用いる“アリール”なる用語は、フェニル、ベンジル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントラシルおよび2−アントラシルのような5員から14員の芳香環基、ならびに2−フラニル、3−フラニル、N−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、2−オキサジアゾリル、5−オキサジアゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ピリミジル、3−ピリダジニル、2−チアジアゾリル、5−チアジアゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、5−テトラゾリル、2−トリアゾリル、5−トリアゾリル、2−チエニル、または3−チエニルのようなヘテロ環式芳香族基またはヘテロアリール基を示す。“アリール環”なる用語はまた、所望により置換されていて良い環を意味する。アリール基にはまた、縮合多環式芳香環系が含まれ、それは、炭素環式芳香環またはヘテロアリール環が、1個またはそれ以上の他の環と縮合している。例としては、テトラヒドロナフチル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、インドリル、キノリニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、イソキノリニル、イソインドリル、アクリジニル、ベンゾイソオキサゾリルなどが含まれる。また、1個またはそれ以上の炭素環式芳香環および/またはヘテロアリール環が、シクロアルキルまたは非芳香族性ヘテロ環式環と縮合している基、例えば、インダニルまたはテトラヒドロベンゾピラニルも、本明細書で用いる“アリール”なる用語の範囲内に含まれる。“芳香環”または“芳香族基”なる用語は、アリール基を示す。
【0023】
“ヘテロ環式”なる用語は、1個またはそれ以上のヘテロ原子を含む飽和および部分的に不飽和の単環式または多環式環系であって、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニルなどのような3個から8個の環サイズのものを意味する。
【0024】
本明細書で用いる“二環式縮合環系”または“二環式環系”なる用語は、2個の原子を共有する2個の環を意味する。どちらの環も、飽和、部分的に不飽和、または芳香族性であり得る。各環はまた、1個から3個のヘテロ原子を含み得る。二環式縮合環系の例には、表1に示す化合物g、j、k、lおよびm、ならびに表2に示す化合物g−1、j−1、l−1、l−2、k−1、m−1およびm−2が含まれるが、それらに限定されない。
【0025】
本明細書で用いる“三環式縮合環系”または“三環式環系”なる用語は、例えば、第三の環が、二環式環系と共に少なくとも2個の原子を共有するように、第三の環が二環式環系と縮合している二環式環系を意味する。いくつかの態様において、すべての3個の環は、少なくとも1個の共有原子を共有する。三環式環系の環のいずれかは、飽和、部分的に不飽和、または芳香族であり得る。各環には、1個から3個のヘテロ原子が含まれ得る。三環式環系の例には、表1に示す化合物eおよびq、ならびに表2に示す化合物e−1およびq−1が含まれるが、それらに限定されない。
【0026】
本明細書で化学基の前に用いる“所望により置換されていて良い”なる用語(例えば、所望により置換されていて良い脂肪族)は、その化学基が、1個またはそれ以上(例えば、1−4個)の置換基で置換され得ることを意味する。いくつかの態様において、脂肪族基、アルキル基、アリール基、ヘテロ環式基、炭素環式基、および二環式または三環式環系は、1個またはそれ以上の置換基を含む。その置換基は、一般的に、当業者に公知であり得るように、本方法の反応条件下で安定であり得るものから選択される。置換基の例には、ハロゲン、Q、OQ、OH、保護OH(アシルオキシなど)、フェニル(Ph)、置換PH、OPH、置換OPH、NO、CN、NHQ、N(Q、NHCOQ、NHCONHQ、−NQCONHQ、NHCON(Q、NQCON(Q、NQCOQ、NHCO、NQCO、CO、COQ、CONHQ、CON(Q、S(O)、SONH、S(O)Q、SONHQ、SON(Q、NHS(O)、NQS(O)、=O、=S、=NNHQ、=NN(Q、=N−OQ、=NNHCOQ、=NNQCOQ、=NNHCO、=NNQCO、=NNHSO、=NNQSO、または=NQ〔ここで、Qは、脂肪族、アリールまたはアラルキル基であり、各Q、置換フェニルおよび置換−OPhは、ハロゲン、Q、OQ、OH、保護OH(例えばアシルオキシなど)、フェニル(Ph)、OPH、NO、CN、NHQ、N(Q、NHCOQ、NHCONHQ、−NQCONHQ、NHCON(Q、NQCON(Q、NQCOQ、NHCO、NQCO、CO、COQ、CONHQ、CON(Q、S(O)、SONH、S(O)Q、SONHQ、SON(Q、NHS(O)、NQS(O)、=O、=S、=NNHQ、=NN(Q、=N−OQ、=NNHCOQ、=NNQCOQ、=NNHCO、=NNQCO、=NNHSO、=NNQSO、または=NQ(ここで、Qは、脂肪族またはアリールである。)のうち1個から4個で置換され得る。〕が含まれる。
【0027】
本明細書で用いる、ヘテロ環式環の窒素原子は、所望により置換されていて良い。窒素原子の好適な置換基には、Q、COQ、S(O)、およびCO(ここで、Qは、脂肪族基または置換脂肪族基である。)が含まれる。
【0028】
特に明記しない限り、本明細書に示した構造は、その構造のすべての立体化学配置;すなわち、各不斉中心についてRおよびS配置を含むことも意味する。故に、本発明の化合物の単一の立体化学異性体ならびにエナンチオマー混合物およびジアステレオマー混合物は、本発明の範囲内である。
【0029】
“実質的に純粋”なる用語は、化合物の立体化学的純度が90%以上であることを意味する。いくつかの態様において、化合物の立体化学的純度は95%以上である。そして、さらに他には、化合物の立体化学的純度は99%またはそれ以上である。
【0030】
“選択的結晶化”なる用語は、異性体の混合物を含む溶媒からの実質的に純粋な異性体の結晶化を意味する。
【0031】
“動的結晶化”なる用語は、異性体の混合物を1個の異性体に異性化させる(選択的に結晶化する)条件下での、異性体の混合物を含む溶媒からの実質的に純粋な異性体の結晶化を意味する。例えば、エナンチオマーを分解する場合、より可溶性のエナンチオマーからより不溶性の異性体への異性化は、その異性体間の平衡が、より不溶性のエナンチオマーの結晶化により達成されるため、より不溶性の異性体の結晶化をもたらす。動的結晶化の特定の例には、1個の実質的に純粋なエナンチオマーを選択的に結晶化する条件下で、溶媒中、芳香族炭素のエピマー化が含まれ得る。
【0032】
特に明記しない場合、本明細書に示す構造は、1個またはそれ以上の同位体に富む原子の存在という点でのみ異なる化合物も含むことを意味する。例えば、重水素または三重水素による水素の置換、または13C−または14C−に富む炭素による炭素の置換を除く、本構造を有する化合物は、本発明の範囲内である。
【0033】
様々な“保護基”、“キャッピング基”または“アミンキャッピング基”は、本発明の方法で用いられ得る(例えば、T.W. Greene & P.G.M. Wutz, “Protective Groups in Organic Synthesis,” 3rd Edition, John Wiley & Sons, Inc. (1999)ならびにこの本の前のおよび後の版を参照のこと)。アミンキャッピング基または保護基の例には、R、−C(O)R、C(O)OR、SOR、SO、SO、SON(R、C(O)C(O)R、C(O)C(O)OR、C(O)CHC(O)R、C(O)N(R、(CH0−2NHC(O)R、C(=NH)N(R、C(O)N(OR)R、C(=NOR)R、P(O)(R、およびP(O)(OR〔ここで、Rは、水素、所望により置換されていて良い脂肪族基、所望により置換されていて良いアリール基、または所望により置換されていて良いヘテロ環式基である。〕が含まれるが、それらに限定されない。好ましくは、Rは、(C1−C12)−脂肪族−、(C3−C10)−シクロ脂肪族−、(C3−C10)−シクロ脂肪族]−(C1−C12)−脂肪族−、(C6−C10)−アリール−、(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、(C3−C10)−ヘテロシクリル−、(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、(C5−C10)−ヘテロアリール−、または(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−である。
【0034】
本明細書で用いる“ルイス酸”なる用語は、電子対を共有し得るかまたは受容し得る基を示す。ルイス酸の例には、BF−エーテルおよびハロゲン化金属、アルコキシド、ならびにハロゲン化物/アルコキシド混合物(例えば、Al(Oアルキル)Cl、Al(Oアルキル)Cl)が含まれるが、それらに限定されない。金属は、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、マグネシウム、銅、亜鉛、鉄、錫、ホウ素、イッテルビウム、ランタンおよびサマリウムであり得る。
【0035】
EDCは、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドである。HOBtは、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールである。THFは、テトラヒドロフランである。TFAは、トリフルオロ酢酸である。DCMは、ジクロロメタンである。DMAPは、4−ジメチルアミノピリジンである。DIPEAは、ジイソプロピルエチルアミンである。DMFは、ジメチルホルムアミドである。TFAは、トリフルオロ酢酸である。CBZは、ベンジルオキシカルボニルである。H NMRは、核磁気共鳴である。TLCは、薄層クロマトグラフィーである。
【0036】
II.方法
本明細書に記載の方法および化合物は、アスパラギン酸アルデヒド基のような修飾アスパラギン酸誘導体を含む、カスパーゼ阻害剤および/またはそのプロドラッグの製造に有用である。アスパラギン酸アルデヒド基は、下記の通りその環状ヘミアセタール型と平衡に存在する:
【化4】

[式中、Wは、カスパーゼ阻害剤分子の残りの部分を示す。]。経口で使用可能なカスパーゼ阻害剤のプロドラッグが、環状ヘミアセタールを基に開発されている。例えば、環状ヘミアセタールを含むICE阻害剤2は、リウマチ性関節炎の処置用に開発されたプロドラッグである(US特許第5,716,929号)。
【化5】

【0037】
スキーム1に示す一般的な合成方法は、医薬の製造において用いられ得る多様な化学種の作製に有用である。
【0038】
【化6】

【0039】
スキーム1に示す方法は、所望により相間移動触媒および水を含んでいて良い溶媒中で、パラジウム触媒、パラジウムリガンドおよび塩基の存在下、式GIIの化合物とアミドGIIIを反応させ、アミド・カルボニル化合物GIを得ることを含む。
【0040】
基X、R、R、RおよびRは、上記に定義される。図示の通り、GIIは、Xが、Raに対してシスまたはトランスであり得る化合物を示し、それは、例えば、Rが、Raに対してシスまたはトランスであり得る、GIのシスおよびトランス化合物の両方を提供する。
【0041】
いくつかの態様において、前記方法を、スキーム1に示す基RおよびRが、置換ヘテロ環式環を形成するとき、式XIV:
【化7】

[式中、RおよびRaは、上記に定義の通りであり、Rは、所望により置換されていて良い脂肪族、所望により置換されていて良いアラルキル、所望により置換されていて良いヘテロシクリルアルキルまたは所望により置換されていて良いアリールである。]
の化合物の製造に用いることができる。
【0042】
特に、化合物XIVを、パラジウム触媒、パラジウムIIリガンド、塩基、溶媒、および所望により相間移動触媒の存在下で、式XV:
【化8】

の化合物と、式XIII:
【化9】

[式中、X、R、およびRは上記に定義の通りである。]
の化合物を反応させることにより製造することができる。
【0043】
スキーム1に示す反応の実行において、反応物および試薬を、所望の生成物が得られる任意のモル量で用いることができる。いくつかの態様において、パラジウムII塩対パラジウムリガンドのモル量の比は、1:1から約1:5である。パラジウムII塩対反応物GIIIのモル量の比は、約1:200から約1:1、約1:100から約1:25、または約1:50から約1:10であり得る。GIIIに対する塩基のモル量の比は、約1:2から約10:1である。2個の反応物、GIIおよびGIII、ならびに塩基を、ほぼ同じモル量で用いることができる。いくつかの態様において、GIIとGIIIの比は、約1:3から約3:1であり得る。
【0044】
スキーム1の反応を、パラジウム触媒、パラジウムリガンド、および反応物を不利に妨害しない溶媒中、25℃から120℃、例えば約50℃の温度で行うことができる。適する溶媒の例は、本明細書に記載され、それには、トルエン、ジオキサン、THF、およびそれらの混合物が含まれる。いくつかの態様において、溶媒には水が含まれ得る。
【0045】
化合物XIVを得た後、式XVI:
【化10】

の化合物を、フラノン環の二重結合を還元することにより得ることができる。
【0046】
フラノン環の二重結合の還元は、ヒドリド還元剤、とりわけ水素化ホウ素で行われ得る。そのような水素化ホウ素の例には、水素化ホウ素ナトリウムまたはリチウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムまたはリチウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウムまたはリチウム、シアノ水素化ホウ素テトラブチルアンモニウム、トリアルキル水素化ホウ素ナトリウムまたはリチウムが含まれ、好ましくはシアノ水素化ホウ素ナトリウムである。典型的には、反応混合物は、HCl、HBr、酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、BF・OEt、三塩化アルミニウム、塩化亜鉛、または四塩化チタンのような酸で、弱酸性、好ましくはpH3.0から6.0に調整される。所望により、前記反応を、酢酸ナトリウムの1.0−5.0当量で緩衝化しても良い。所望により、前記反応を、1−5%CoCl/セミコリン、ZnCl、または1−2当量のクロロトリメチルシランの添加により触媒することができる。R−またはS−Alpine Hydride(登録商標)(リチウムB−イソピノカンフェイル−9−ボラ−ビシクロ[3.3.1]ノニルヒドリド)のようなキラルヒドリド還元剤は、不斉還元を供することが知られている。
【0047】
例えば、XIVの環二重結合の還元を、水素化により行うことができる。これは、例えばRがアルキルであるときのように、Rが水素化条件に安定なときに有用である。典型的な水素化条件には、約1から100気圧、通常約1から約20、または1から約10気圧の範囲の圧力の水素ガス、および(例えば)1当量のXIV当たり約0.01から0.5当量の範囲で存在する触媒が含まれる。好適な触媒には、Pd/C、Pd(OH)2、PdO、Pt/C、PtOが含まれ、選択的にはPt/CまたはPd/Cである。好適な溶媒には、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロパノールのようなアルコール、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素、THF、DME、ジオキサンのようなエーテル溶液が含まれ、選択的にはエタノールまたはTHFである。Rがアルキルまたはアラルキルであるとき、ベンジル、ロジウム(I)またはルテニウム(II)のような触媒が、立体選択的還元に好ましい。そのような触媒は、前記金属をそれらの複合体の1個として、メチル−またはエチル−DuPHOS(1,1−ビス−2,5−ジアルキルホスホラノ)ベンゼン、DIOP(2,3−O−イソプロピリデン−2,3−ジヒドロキシ−1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン)、BINAP(2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル)、CHIRAPHOS(ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン)、BPPM(N−t−ブトキシカルボニル−2−(ジフェニルホスフィノ)メチル−4−(ジフェニルホスフィノ)ピロリジン)、BPPFA(N,N−ジメチル−1−[1’,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルアミン)、DEGPHOS(N−ベンジル−3,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ピロリジン)、またはアルキル−BPE(ビスホスホラノエタン)のようなリガンドのキラル型と反応させることにより形成される。多くの他の好適なリガンドは、当技術分野で公知である。好ましい触媒は、1,2−ビス(2,5−ジアルキル−ホスホラノ)ベンゼン(シクロオクタジエン)ロジウム(I)トリフルオロメタンスルホン酸(ここで、アルキルは、1−8個の炭素の直鎖または分岐鎖アルキル基であり、所望によりフェニルのような芳香族炭化水素で置換されていて良い。
【0048】
これらのリガンドの(R,R)異性体の使用は、生成物のα−アミノ炭素の(S)配置をもたらし得、そして(S,S)異性体の使用は、(R)配置をもたらし得る。好適な溶媒には、酢酸エチル、メタノール、エタノール、またはイソプロパノールのようなアルコール、ベンゼン、トルエン、またはキシレンのような芳香族炭化水素、THF、DME、またはジオキサンのようなエーテルが含まれる。好ましい溶媒は、トルエンまたはメタノールである。XIVの反応濃度は、典型的には約0.01Mから1.0M、好ましくは約0.1Mから1.0Mの範囲であり得る。反応温度は、通常、約0℃から約60℃、好ましくは約20℃から約40℃の範囲である。(ロジウム触媒の使用に関しては下記を参照のこと:G. Zhu, Z. Chen, X. Zhang; J. Org. Chem. (1999) 64, 6907-6910; M.J. Burk, J.G. Allen, W.F. Kiesman; J. Amer. Chem. Soc., (1998), 120, 657-663; M.J. Burk, J.E. Feaster, W.A. Nugent, R.L. Harlow; J. Amer. Chem. Soc.,(1993), 115, 10125-10138;ルテニウム触媒の使用に関しては下記を参照のこと:J.M. Brown, M. Rose, F.I. Knight, A. Wienand; Recl Trav Chim Pays-Bas, (1995), 114, 242-251; M. Saburi, M. Ohnuki, M. Ogasawara, T. Takahashi, Y. Uchida; Tetrahedron Lett.(1992), 33, 5783-5786; U. Matteoli, V. Beghetto, A. Scrivanti; J Molecular Catalysis A: Chemical 140 (1999) 131-137)。
【0049】
ある態様において、基Rが、アミドのカルボニルと結合するキラル炭素を含むとき、GIIIは、下記
【化11】

の立体化学を有し、
例えば、構造GIV’
【化12】

におけるのと同様である。
【0050】
GIVの反応により、式
【化13】

の化合物が得られる。
GVの立体異性体を、選択的結晶化、動的結晶化またはクロマトグラフィーにより精製することができる。
【0051】
本明細書で記載されるRは、任意の有機基である。特に、R基は、本明細書に記載の条件のような、スキームIで示されるカップリング反応の条件に安定である、任意の有機基から選択され得ることが理解され得る。
【0052】
具体的態様において、スキーム1に示される一般法は、カスパーゼ阻害剤のプロドラッグのようなカスパーゼ阻害剤、例えばICE阻害剤、ならびにその中間体の製造に有用である。これらの態様において、Rは好ましくは、分子の残りと共に全体として考えて、そのような阻害剤を提供する任意の基である。典型的に、カスパーゼ阻害剤について、R基は特に、P、P、P基または部位、またはそれらの組合せとして当技術分野で称される。P、P、P基の例は、下記により詳しく記載する。
【0053】
基なる用語は、特定のカスパーゼ基質のアスパルチル切断部位の隣のアミノ酸配列を示す。Pは、基質のアスパルチル残基を示し、この場所で、カスパーゼにより誘導される切断が天然基質において起こる。新しい、非ペプチド性カスパーゼ阻害剤の設計において、P記号はしばしば、アミノ酸配列の一部が非ペプチド性基で置換されていることを示すために用いられている。本明細書で用いる“P−P”基なる用語は、上記のアミノ酸配列またはカスパーゼ基質、特にICE基質となることを目的とするそのような配列を置換することが公知の化学基のどちらかを示す。
【0054】
非ペプチド性であるP−P基の例は、US5,919,790(Allen et al.);US5,874,424(Batchelor et al.);US5,847,135(Bemis et al.);US5,843,904(Bemis et al.);US5,756,466(Bemis et al.);US5,716,929(Bemis et al.);US5,656,627(Bemis et al.);WO99/36426(Warner-Lambert);Dolle et al., J. Med. Chem., 40, 1941 (1997);WO98/10778(Idun);WO98/11109(Idun);WO98/11129(Idun)およびWO98/16502(Warner Lambert)に記載されており、それらは全て、参照により本明細書に包含される。
【0055】
当業者に理解され得るように、P基は、アミノ酸残基を必要としない。例えば、P4基は、アミノキャッピング基(例えば、フェニル−C(O)−)と称され得る。かかるP4基は、本明細書中に例示される。
【0056】
他の態様において、本発明は、式XVI:
【化14】

[式中、Rは、カスパーゼ阻害剤のP−P−P基、またはその一部である。]
の化合物を製造するための方法を提供する。各P、P、およびP基は、XVI中に、個別にまたは一緒に挿入され得る。例えば、RがP基(例えば、保護基)以外であるとき、RC=O基が除去され、遊離アミン基を有する化合物が提供され得る。アミン基および適当なP基が、例えば標準的カップリング条件下で、カップリングされ得るとき、Rがカスパーゼ阻害剤のP基である化合物が提供される。PおよびP基が、同様に、一緒にまたは個別に付加され得る。例えば、P基が保護されているとき、前記保護基は除去され得、そしてPまたはP−P−基(所望により保護されていて良い)が、組み込まれ得る。典型的な保護基以外のカップリング基が、末端P、P、またはP残基のいずれかに望ましいとき、かかる基は、当業者に公知の方法により常套的に付加される。
【0057】
従って、1つの態様は、Rがカスパーゼ阻害剤のP−基である方法を提供する。
【0058】
他の態様は、Rがカスパーゼ阻害剤のP−P−基である方法を提供する。
【0059】
さらに他の態様は、Rがカスパーゼ阻害剤のP−P−P−基である方法を提供する。
【0060】
他の態様は、Rがカスパーゼ阻害剤のP−P−P−基であり、該基が下記の表1に列記の基の1個であるか;または、該基が、下記の表2に列記の基の1個である方法を提供する。
【0061】
他の態様によれば、Rは、P−P−P−基(ここで、そのP部分は、R−CO、ROC=O、RNHC=O、RC(O)C=OまたはRSOから選択され、Rは、表3に列記の基の1個である)である。
【0062】
さらに他の態様によれば、Rは、表4に列記される基の1個から選択されるP−P−P−基である。
【0063】
本明細書の任意の態様において、Rは、選択的に、脂肪族基、アラルキル基、ヘテロシクリルアルキル基およびアリール基から選択される、所望により置換されていて良い基である。より特定の態様において、Rは、メチル、エチル、プロピル、2−プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、4−メチルペンチル、2−メチルプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、フェニルエチル、フェニルプロピル、フェニルブチル、(d)−メンチル、(l)−メンチル、1−アダマンチル、2−アダマンチル、1−インダニル、2−インダニル、ボルニル、3−テトラヒドロフラニル、ベンジル、α−メチルベンジル、4−クロロベンジル、4−フルオロベンジル、4−メチルベンジル、4−(2−プロピル)ベンジル、または4−トリフルオロメチルベンジルである。より具体的には、Rは、エチルまたは所望により置換されていて良いベンジルであるか;または、Rは、エチルまたはベンジルである。
【0064】
本明細書の任意の態様において、Xは、好ましくはBrである。
【0065】
特定の態様において、本発明は、式I:
【化15】

の化合物を製造するための方法であって、
(a)パラジウム触媒、パラジウムリガンド、塩基、所望により相間移動触媒および溶媒の存在下で、式II:
【化16】

の化合物と、式III:
【化17】

の化合物を反応させ、式Iの化合物を得る工程を含む方法を提供する。
【0066】
他の態様によれば、本発明は、式IV:
【化18】

の化合物を製造するための方法であって、式I:
【化19】

の化合物を還元および脱保護し、式V:
【化20】

の化合物を得て、
【0067】
適当なカップリング条件下で、式Vの化合物とcbz−tert−ロイシンを反応させ、式VI:
【化21】

の化合物を得て、
【0068】
cbz基を除去するための条件下で、式VIの化合物を反応させ;適当な条件は、アミン(または、アミン塩)を提供する条件であり得る(すなわち、tert−ロイシンのcbz−保護アミンを脱保護するための条件下、例えば、H、Pd/C、クエン酸((COH)));脱保護後、得られたアミンを、4−アミノ−3−クロロ安息香酸、またはアミンとカップリングするのに適するその誘導体(例えば、4−アミノ−3−クロロベンゾイルクロライド)と、適当なカップリング条件下で反応させ、式IVの化合物を得ることを含む、方法を提供する。
【0069】
他の態様によれば、本発明は、式IV:
【化22】

の化合物を製造するための方法であって、脱保護条件下、すなわちプロリン残基のcbz基を除去するのに適する条件下で、式I:
【化23】

の化合物を反応させ、式VII:
【化24】

の化合物を得て、
【0070】
適当なカップリング条件下で、式VIIの化合物とcbz−tert−ロイシンを反応させ、式VIII:
【化25】

の化合物を得て、
【0071】
式VIIIの化合物を還元および脱保護し、式IX:
【化26】

の化合物を得て;そして
【0072】
適当なカップリング条件下で、式IXの化合物および4−アミノ−3−クロロ安息香酸、またはアミンとのカップリングに適するその誘導体(例えば、4−アミノ−3−クロロ安息香酸の4,6−ジメトキシ−2−ヒドロキシピラジンエステル)を反応させ、式IVの化合物を得ることを含む、方法を提供する。
【0073】
本発明はまた、本発明の方法に従い製造される式Xの化合物を提供する:
【化27】

[式中、
は、脂肪族基、アラルキル基、ヘテロシクリルアルキル基またはアリール基から選択される所望により置換されていて良い基であり;そして
は、Hまたはアミンキャッピング基である。]。
【0074】
本明細書に記載の方法は、式I:
【化28】

の化合物を製造するために有用である。
【0075】
方法はまた、式IA、IB、IC、およびID:
【化29】

で示される、実質的に純粋な、化合物Iのジアステレオマーを製造するために用いられ得る。
【0076】
スキーム1はまた、ジアステレオマーIAおよびICの混合物:
【化30】

を製造し得る。
【0077】
他の態様によれば、本発明は、式IA:
【化31】

の化合物を製造するための方法であって、式:
【化32】

の化合物をトルエンから選択的に結晶化する工程を含む方法を提供する。
【0078】
この選択的結晶化工程には、式IA/Cの化合物(すなわち、IAおよびICの混合物)およびトルエンを(室温またはそれ以上で)結合させ、式IA/Cの化合物を溶解するために撹拌しながら結合物を温め、撹拌しながら冷却することが含まれる。冷却し、式IAの化合物を結晶固体として得る(約96:4から約97:3混合物)。
【0079】
さらに他の態様によれば、本発明は、式IA:
【化33】

の化合物を製造するための方法であって、ルイス酸および所望によりプロトン酸を含んでいて良い溶媒の存在下で、式:
【化34】

の化合物を動的結晶化する工程を含む方法を提供する。任意の態様において、動的結晶化を、トルエン中、Al(Oアルキル)で行う。他の態様において、動的結晶化を、HCl、HBr、トリフルオロメタンスルホン酸、硫酸、リン酸、またはそれらの組合せのようなプロトン酸を含む溶媒中、ルイス酸で行う。
【0080】
さらに他の態様において、異性体IAおよびICは、公知のクロマトグラフィー法により精製および分離され得る。
【0081】
式Iの化合物に関する本発明の任意の態様において、Iの一形態は、下記の構造:
【化35】

で示される。
【0082】
式IIの化合物に関する本発明の任意の態様において、IIの一形態は、下記の構造:
【化36】

で示される。
【0083】
式IIIの化合物に関する本発明の任意の態様において、IIIの一形態は、下記の構造:
【化37】

で示される。
【0084】
式IVの化合物に関する本発明の任意の態様において、IVの一形態は、下記の構造:
【化38】

で示される。
【0085】
式Vの化合物に関する本発明の任意の態様において、Vの一形態は、下記の構造:
【化39】

で示される。
【0086】
式VIの化合物に関する本発明の任意の態様において、VIの一形態は、下記の構造:
【化40】

で示される。
【0087】
式VIIの化合物に関する本発明の任意の態様において、VIIの一形態は、下記の構造:
【化41】

で示される。
【0088】
式VIIIの化合物に関する本発明の任意の態様において、VIIIの一形態は、下記の構造:
【化42】

で示される。
【0089】
式IXの化合物に関する本発明の任意の態様において、IXの一形態は、下記の構造:
【化43】

で示される。
【0090】
化合物式XA、XB、XC、またはXDも、本明細書に記載の方法により製造され、提供される:
【化44】

ここで:
は、所望により置換されていて良い脂肪族、アラルキルまたはアリールであり;そして
は、Hまたはアミンキャッピング基である。
【0091】
1つの態様において、Rは、脂肪族基、アラルキル基、ヘテロシクリルアルキル基およびアリール基から選択される所望により置換されていて良い基である。
【0092】
他の態様において、Rは、メチル、エチル、プロピル、2−プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、4−メチルペンチル、2−メチルプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、フェニルエチル、フェニルプロピル、フェニルブチル、(d)−メンチル、(l)−メンチル、1−アダマンチル、2−アダマンチル、1−インダニル、2−インダニル、ボルニル、3−テトラヒドロフラニル、ベンジル、α−メチルベンジル、4−クロロベンジル、4−フルオロベンジル、4−メチルベンジル、4−(2−プロピル)ベンジル、または4−トリフルオロメチルベンジルである。
【0093】
他の態様において、Rは、エチルまたは所望により置換されていて良いベンジルである。
【0094】
さらに他の態様において、Rは、エチルまたはベンジルである。
【0095】
本発明の1つの態様において、Rは、アミンキャッピング基であり、アミンキャッピング基は、−C(O)RまたはC(O)ORであり、Rは、(C6−C10)−アリール−または(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−(ここで、アリールは、所望により置換されていて良い。)である。この態様の一形態において、C(O)OR(ここで、Rは、所望により置換されていて良いベンジルである。)であり、好ましくはベンジルである。
【0096】
本明細書で記載の得られる全てのアミンは、反応混合物から単離してまたは単離せずに用い得る。所望のカスパーゼ阻害剤プロドラッグは、例えばV、VII、またはXIVの遊離アミン(記載の形態かまたは還元型のどちらか)から、適当なP、P−PまたはP−P−P基を結合することにより得られる。アミンとそのような基のカップリングを、標準的アミド結合形成条件またはカップリング条件下で、対応するカルボン酸、またはその反応等価物を用いて行うことができる。典型的なカップリング反応には、好適な溶媒、約0.01から10M、好ましくは約0.1から1.0Mの範囲の濃度のアミン、必要なカルボン酸、塩基およびペプチドカップリング試薬が含まれる。
【0097】
アミンを単離せずに用いるとき、そのカップリングを、アミンの製造に用いる反応混合物の溶媒中でその場で、または異なる溶媒中で、行うことができる。この反応混合物に、必要なカルボン酸を添加し得、反応温度を約0℃から100℃、好ましくは約20℃から約40℃の範囲に維持する。その後、塩基およびペプチドカップリング試薬を混合物に添加し、温度を約0℃から約60℃、好ましくは約20℃から約40℃の範囲に維持する。塩基は、典型的には、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、DBU、DBN、N−メチルイミダゾールのような第三級アミン塩基であり、好ましくはトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンである。用いる塩基の量は、一般的には、アミン(例えば、IV)1当量当たり約20当量まで、好ましくは塩基1当量当たり少なくとも約3当量である。ペプチドカップリング試薬の例には、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)、DIC(ジイソプロピルカルボジイミド)、ジ−p−トリオイルカルボジイミド、BDP(1−ベンゾトリアゾールジエチルホスフェート−1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリニルエチル)カルボジイミド)、EDC(1−(3−ジメチルアミノプロピル−3−エチル−カルボジイミドヒドロクロライド)、フッ化シアヌル、塩化シアヌル、TFFH(テトラメチルフルオロホルムアミジニウムヘキサフルオロホスホスフェート)、DPPA(ジフェニルホスホラジデート)、BOP(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート)、HBTU(O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)、TBTU(O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート)、TSTU(O−(N−スクシニミジル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート)、HATU(N−[(ジメチルアミノ)−1−H−1,2,3−トリアゾロ[4,5,6]−ピリジン−1−イルメチレン]−N−メチルメタンアミニウム・ヘキサフルオロホスフェート・N−オキシド)、BOP−Cl(ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィンクロライド)、PyBOP((1−H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)−トリス(ピロリジノ)ホスホニウム・テトラフルオロホスフェート)、BrOP(ブロモトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム・ヘキサフルオロホスフェート)、DEPBT(3−(ジエトキシホスホリルオキシ)−1,2,3−ベンゾトリアジン−4(3H)−オン)、PyBrOP(ブロモトリス(ピロリジノ)ホスホニウム・ヘキサフルオロホスフェート)が含まれる。EDC、HOAT、BOP−ClおよびPyBrOPが、ペプチドカップリング試薬として好ましい。ペプチドカップリング試薬の量は、約1.0から約10.0当量の範囲である。DMAP(4−ジメチルアミノピリジン)を含む所望の試薬またはHOBT(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)、HOAT(ヒドロキシアザベンゾトリアゾール)、HOSu(ヒドロキシスクシンイミド)、HONB(エンド−N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキサミド)のような活性エステル試薬を、約1.0から約10.0当量の範囲の量で、アミド結合形成反応に用いることができる。
【0098】
あるいは、1つには、アミンと、P−、P−P−、またはP−P−P−C(=O)X(ここで、C(=O)Xは、カップリング反応においてCOOHよりも反応性の基である。)のようなRCOOHカルボン酸の反応当量を処理し得る。C(=O)X基の例には、XがCl、F、OC(=O)R(R=脂肪族またはアリール)、SH、SR、SAr、またはSeArである基が含まれる。
【0099】
ICEまたはカスパーゼ阻害剤プロドラッグのP−P−部位として用い得る多数の化学基が公知である。このようなP−P−基の例を、P−P−P−基の一部として表1に示す。
【0100】
【化45】

【化46】

【化47】

【0101】
[式中、nは0から3であり;AAは、アミノ酸側鎖を示し;Xは、N、O、S、SO、SO、CHF、CF、C(R、C=O、またはC=NORであり;Aは、O、SまたはHであり;Yは、NまたはCHであり;Rは、水素、C1−12アルキル基、アリール基、またはヘテロアリール基であり、R基は、所望により1個またはそれ以上ハロゲンにより置換されていて良く;Rは、1個から6個の炭素を有するアルキルであり;Rは、R−CO、ROC=O、RNHC=O、RC(O)C=O、またはRSOであり;そして、Rは、水素、ハロ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、フェニル、フェノキシ、ヒドロキシ、アルコキシカルボニル、カルボキシル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホキシル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルカルボニルアルキルアミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノスルホニル、またはシアノであり;そして、RおよびRは、R、アリール、ヘテロアリール、(C1−12アルキル)アリール、(C1−12)ベンゾシクロアルキル、または(C1−12アルキル)ヘテロアリールから独立して選択される。]。
【0102】
好ましいP−P−P−基を、表2に示す。
【0103】
【化48】

【化49】

【0104】
[式中、Rは、下記の所望により置換されていて良いベンジルまたは2−インダニルであり、そしてP基は、R−T−(ここで、R−T−は、R−CO、ROC=O、RNHC=O、RC(O)C=O、またはRSOである)で示される。]。
【0105】
の好ましいR基を表3に示す。
【化50】

【0106】
【化51】

【化52】

【0107】
特定の態様において、R−T−は、R−CO(ここで、Rは、1−ナフチル、2−ナフチル、1−イソキノリニル、または
【化53】

[式中、Rの3位および5位は、独立して、ハロゲン、好ましくはクロロ、またはC1−3アルキルにより置換されていて良く、そして4位は、所望によりアミノ、アセタミド、ヒドロキシまたはメトキシにより置換されていて良い。]である。)である。
【0108】
最も好ましいP−P−P−基を、表4に示す。
【0109】
【化54】

【0110】
[式中、Rは、表3で記載の100、105、107、108、114、117、119、126、136、139、140、および141のうちの1個である。]。
【0111】
−P−P−基、またはその一部の結合において、前記基は、一塊で付加され得るか、または基のサブユニットが、上記の連続法で付加され得る。例えば、Cbz−保護プロリンは、XVとカップリングし得る(または、Rがエチルのとき、IIとカップリングし得る):
【化55】

【0112】
Cbz基の除去後、PまたはP−P基を、プロリン窒素のアルキル化またはアシル化により結合することができる。
【0113】
ある態様において、本工程の方法は、ブテノラクトンXV:
【化56】

(ここで、Xは、クロロ、ブロモまたはヨードである。)
を経る。
【0114】
好ましい出発ブテノラクトンは、ブロモフラノンXV(ここで、X=Brである)であり、それをEscobar et al., An. Quim., 1971, 67, 43に記載の通りに得ることができる。あるいは、式GIIAおよびGIIBの他の反応物は、商業的に利用可能であるか、または公知の方法により製造することができる。例えば、“Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations” 2nd Edition, by Richard C. Larock, pages 638, 659, 661, 724を参照のこと。
【0115】
−、P−P−、またはP−P−P−C(=O)X〔ここで、C(=O)Xは、上記に記載の通りである。〕のようなカルボン酸の反応性等価物を用いて、アミンのアニオンのアシル化を行う、アミンのカップリング反応の他の態様もまた、本発明の範囲内である。アミンのアニオンは、溶媒中で、アミンを何らかの好適な塩基と処理することにより最初に作製される。用い得る溶媒の例には、THF、DME、ジオキサン、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテルのようなエーテル溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素;ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素;または、アセトニトリルのような他の有機溶媒が含まれる。好ましい溶媒には、THF、DME、トルエンまたはジクロロメタンが含まれる。アニオンの作製に好適な塩基には、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属tert−ブトキシド、メチル−、ブチル−もしくはフェニルリチウムのようなアルキルまたはアリールリチウム;リチウム−、ナトリウム−もしくはカリウムビス(トリメチルシリル)アミド、ジイソプロピルアミド、もしくはテトラメチルピペリジンのようなアルカリ金属アミドのような有機塩基が含まれる。好ましい塩基には、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムジイソプロピルアミド、またはリチウムテトラメチルピペリジンが含まれる。アミンのアニオンを、約−78℃から120℃の範囲内であり得、好ましくは約0℃から60℃の反応温度で、カルボン酸等価物で処理する。
【0116】
フラノン環の二重結合を還元するための還元条件は、脱保護条件としても用いられ得る。例えば、(XIVの)Rまたは(Xの)Rがcbzであるとき、条件は、二重結合を還元するため、およびcbz基を除去するために用いられ得る。
【0117】
本明細書に記載の方法は、ブテノラクトンを、カスパーゼPまたはPx−y基に最初にカップリングし、その後、環二重結合を還元する工程を記載する。あるいは、還元およびカップリングを、逆の順序で行うことができる。
【0118】
さらに他の態様において、本発明は、式XVI:
【化57】

〔式中、Rは、カスパーゼ阻害剤のP−P−P基であり、P−P−Pは、表2のc−1であり、Pは、表3の108であり、Rは、本明細書で定義の通り(例えば、エチル)である〕
の化合物を製造するための方法であって、本明細書に記載の方法を提供する。
【0119】
本発明はまた、式IVA:
【化58】

の化合物を製造するための方法であって、式:
【化59】

の化合物のトルエンからの選択的結晶化を含む方法を提供する。
【0120】
あるいは、式IVA:
【化60】

の化合物を製造するための方法であって、所望によりプロトン酸を含んでいて良い溶媒中、IA/Cの混合物をルイス酸と接触させることにより、式:
【化61】

の化合物を動的結晶化することを含む方法を提供する。
【0121】
本発明はまた、式IVA:
【化62】

の化合物を製造するための方法であって、所望により相間移動触媒を含んでいて良い溶媒中、パラジウム触媒、パラジウムリガンド、および塩基の存在下で、式II:
【化63】

の化合物と、式III:
【化64】

の化合物を反応させることを含む方法を提供する。
【0122】
これらの方法により、対応するアルデヒド化合物(例えば、XVIの)を製造する方法も提供する。例えば、本発明により製造される化合物IVを、すなわちフラノンからアルデヒドに変換することにより、対応するアルデヒド化合物に変換し得る。
【0123】
他の態様において、本発明は、式XVI:
【化65】

[式中、Rは、カスパーゼ阻害剤のP−P−P基であり、P−P−Pは、表2のd−1であり、Pは、表3の141であり、Rは、本明細書に定義の通りである(例えば、エチル)。]
の化合物を製造するための方法であって、本明細書に記載の方法を提供する。
【0124】
故に、本化合物(参照により本明細書に包含されるWO97/22619に開示の化合物412fおよび/または対応する化合物412を参照のこと)を、パラジウム触媒、パラジウムリガンド、塩基、所望により相間移動触媒および適当な溶媒の存在下で、式II:
【化66】

の化合物と、適当なアミド化合物を反応させることにより製造する。適当なアミド化合物、すなわち、下記:
【化67】

〔式中、Rは、Hまたはイソキノリノイル(すなわち、化合物とイソキノリノイル基の間にカルボニルリンカーがある、表3の141のP4基)のどちらかである。〕
の化合物を、表4のd−1aのP4−P3−P2基から誘導することができる。
【0125】
よりさらなる態様において、本発明は、式XXX:
【化68】

のベータ−アミド・カルボニル化合物を製造するための方法であって、
a)所望により相間移動触媒を含んでいて良い溶媒中、パラジウム触媒、パラジウムリガンド、塩基の存在下で、式XII:
【化69】

の化合物を、式XIII:
【化70】

の化合物と反応させ、
【0126】
式XXXI
【化71】

[式中:
Xは、脱離基であり;
各Rは、H、所望により置換されていて良いアルキル、所望により置換されていて良いアリール、−CN、−C(O)−Oアルキルまたはハロゲンであり;
各Rは、独立して、所望により置換されていて良い脂肪族基、所望により置換されていて良いヘテロ環式基、および所望により置換されていて良いアリール基であり;
各Rは、独立して、所望により置換されていて良い脂肪族、所望により置換されていてヘテロ環、所望により置換されていて良いアリールであるか、またはRおよびRは、それらが結合する基と一緒になって、所望により置換されていて良い5員から8員のヘテロ環式環を形成し;
【0127】
各Rは、所望により置換されていて良い脂肪族、所望により置換されていて良いアリール、所望により置換されていて良いヘテロアルキル、保護基、P−、P−P−、またはP−P−P−;
〔ここで、P−は、
【化72】

であり、
−Pは、
【化73】

であり、
−P−P−は、
【化74】

であり、
は、R−Tであり;
Tは、−C(O)−、−O−C(O)−、−NHC(O)−、−C(O)C(O)または−SO−であり;
各Rは、独立して、所望により置換されていて良い脂肪族、所望により置換されていて良いアリールまたはPであり;
各Rは、独立して、H、所望により置換されていて良い脂肪族、所望により置換されていて良いヘテロアルキル、所望により置換されていて良いヘテロアリール、または所望により置換されていて良いフェニルであり;
各Rは、独立して、所望により置換されていて良い脂肪族、所望により置換されていて良いヘテロアルキル、所望により置換されていて良いヘテロアリール、所望により置換されていて良いフェニルであるか、またはRおよびRは、それらが結合する原子と共に、5から7員の所望により置換されていて良い単環式ヘテロ環、または6から12員の所望により置換されていて良い二環式ヘテロ環であり(ここで各ヘテロ環は、所望により、−O−、−S−または−NR50−から選択されるさらなるヘテロ原子を含んでいて良い。);
各Rは、独立して、H、所望により置換されていて良い脂肪族、所望により置換されていて良いヘテロアルキル、所望により置換されていて良いヘテロアリール、または所望により置換されていて良いフェニルであるか、または
およびRは、それらが結合する原子と共に、5から7員の所望により置換されていて良い単環式ヘテロ環もしくはアリール(例えば、表1に示す化合物f、H、i、n、およびo、ならびに表2に示す化合物o−1、o−2、およびo−3を参照のこと)、または6から12員の所望により置換されていて良い二環式縮合環系であるか(ここで、縮合環はそれぞれ、所望により、−O−、−S−または−NR50−から選択されるさらなるヘテロ原子を含んでいて良い。)(例えば、表1に示す化合物gおよびj、ならびに表2に示す化合物g−1およびj−1を参照のこと)、または
およびRが、それらが結合する原子と一緒になって環を形成するとき、RとRおよびRにより形成される環系は、8員から14員の所望により置換されていて良い二環式縮合環系を形成し(例えば、表1に示すg、k、l、およびm、ならびに表2に示す化合物d−1、d−2、k−1、l−1、l−2、m−1、およびm−2を参照のこと)、ここで、二環式縮合環系は、所望により置換されていて良いフェニルと所望によりさらに縮合し、所望により置換されていて良い10員から16員の三環式縮合環系を形成し(例えば、表1に示す化合物eおよびq、ならびに表2に示す化合物e−1およびq−1を参照のこと);
各Rは、独立して、Hまたは保護基であり;そして
各R50は、独立して、H、所望により置換されていて良い脂肪族、所望により置換されていて良いヘテロアルキル、所望により置換されていて良いヘテロアリール、または所望により置換されていて良いフェニルであり;そして
mは、0から2である。〕である。]
の化合物を得る工程を含む方法を提供する。
【0128】
いくつかの態様において、Rは有機基である。
【0129】
ある態様において、Pの可変基Rは、脂肪族、アリール、またはヘテロアリールであり得、それぞれ所望により、1から3個の脂肪族、ハロ、アルコキシ、−CN、−NO、−N(R50、−SON(R50、−NC(O)R50、−SO50またはヘテロシクロアルキルで置換されていて良い。
【0130】
式XXXIの化合物を還元し、式XXXの化合物を製造する方法が、さらに含まれる。
【0131】
いくつかの態様において、P−は、下記
【化75】

〔環Aは、5から7員の所望により置換されていて良い単環式ヘテロ環、または6員から12員の所望により置換されていて良い二環式ヘテロ環であり、ここで各ヘテロ環は、所望により、−O−、−S−または−NR50−(ここで、R50は、H、所望により置換されていて良い脂肪族、所望により置換されていて良いヘテロアルキル、所望により置換されていて良いヘテロアリール、または所望により置換されていて良いフェニルである。)から選択されるさらなるヘテロ原子を含んでいて良い。〕
の構造を有する。
【0132】
特定の態様において、環Aは、下記:
【化76】

の構造を有する。
【0133】
−は、下記:
【化77】

の構造を有する。
【0134】
ある態様において、環Aは、下記:
【化78】

の構造を有する。
【0135】
特定の態様において、P−は、下記:
【化79】

の構造を有する。
【0136】
他の態様において、式
【化80】

の化合物を製造するための方法は、
a)パラジウム触媒、パラジウムリガンド、塩基、所望により相間移動触媒および溶媒の存在下で、式:
【化81】

の化合物と、式:
【化82】

の化合物を反応させ、式;
【化83】

[式中、
Xは、Brのような脱離基であり;
各Rは、H、所望により置換されていて良いアルキル、所望により置換されていて良いアリール、−CN、−C(O)−Oアルキルまたはハロゲンであり;
各Rは、独立して、所望により置換されていて良い脂肪族基、所望により置換されていて良いヘテロ環式基、および所望により置換されていて良いアリール基であり;
各Rは、独立して、所望により置換されていて良い脂肪族、所望により置換されていてヘテロ環、所望により置換されていて良いアリールであるか、またはRおよびRは、それらが結合する基と共に、所望により置換されていて良い5員から8員のヘテロ環式環を形成し;
は、
【化84】

であり、
Tは、−C(O)−、−O−C(O)−、−NHC(O)−、−C(O)C(O)−または−SO−であり;
各Rは、独立して、脂肪族、またはアリールであり、それぞれ所望により1個から3個の脂肪族、ハロ、アルコキシ、−CN、−NO、−N(R50、−SON(R50、−NC(O)R50、−SO50またはヘテロシクロアルキルで置換されていて良く;
各Rは、独立して、H、所望により置換されていて良い脂肪族、所望により置換されていて良いヘテロアルキル、所望により置換されていて良いヘテロアリール、または所望により置換されていて良いフェニルであり;
各Rは、独立して、H、所望により置換されていて良い脂肪族、所望により置換されていて良いヘテロアルキル、所望により置換されていて良いヘテロアリール、所望により置換されていて良いフェニルであるか、またはRおよびRは、それらが結合する原子と共に、5員から7員の所望により置換されていて良い単環式ヘテロ環、または6員から12員の所望により置換されていて良い二環式ヘテロ環を形成し、ここで各ヘテロ環は、所望により−O−、−S−または−NR−から選択されるさらなるヘテロ原子を含んでいて良く;
各Rは、独立して、H、所望により置換されていて良い脂肪族、所望により置換されていて良いヘテロアルキル、所望により置換されていて良いヘテロアリール、または所望により置換されていて良いフェニルであり;
は、Hまたは保護基であり;そして
mは、0から2である。]
の化合物を製造する工程を含む。
【0137】
特定の態様において、式
【化85】

〔式中、Rは、C−Cアルキルである。〕
の化合物を、
【化86】

と反応させ、
【化87】

の化合物を製造する。
【0138】
前記方法には、有機溶媒中、所望によりプロトン酸の存在下で、式
【化88】

〔式中、Rは保護基である。〕
の混合物のラセミ混合物と、ルイス酸を接触させ、
【化89】

の構造を有する化合物を得る工程もさらに含まれる。
【0139】
いくつかの態様において、アルコキシフラノンの分解は、有機溶媒からの選択的再結晶により行われ得る。
【0140】
前記方法には、XXXIの二重結合を還元する工程が包含され得る。例えば、式
【化90】

の化合物を、本明細書に記載の条件下で還元させ、式
【化91】

の化合物を得る。
【0141】
この化合物を製造後、P−およびP−基を、上記の化合物とカップリングすることができる。
【0142】
さらに他の態様において、式
【化92】

の化合物を製造するための方法は、
(a)式
【化93】

の化合物を還元し、式
【化94】

[式中、
各Rは、H、所望により置換されていて良いアルキル、所望により置換されていて良いアリール、−CN、−C(O)−Oアルキルまたはハロゲンであり;
各Rは、独立して、所望により置換されていて良い脂肪族基、所望により置換されていて良いヘテロ環式基、および所望により置換されていて良いアリール基であり;
各Rは、独立して、所望により置換されていて良い脂肪族、所望により置換されていてヘテロ環、所望により置換されていて良いアリールであるか、またはRおよびRは、それらが結合する基と共に、所望により置換されていて良い5員から8員のヘテロ環式環を形成し;
は、
【化95】

であり、
Tは、−C(O)−、−O−C(O)−、−NHC(O)−、−C(O)C(O)−または−SO−であり;
各Rは、独立して、脂肪族、またはアリールであり、それぞれ所望により、1個から3個の脂肪族、ハロ、アルコキシ、−CN、−NO、−N(R50、−SON(R50、−NC(O)R50、−SO50またはヘテロシクロアルキルで置換されていて良く;
各Rは、独立して、H、所望により置換されていて良い脂肪族、所望により置換されていて良いヘテロアルキル、所望により置換されていて良いヘテロアリール、または所望により置換されていて良いフェニルであり;
各Rは、独立して、H、所望により置換されていて良い脂肪族、所望により置換されていて良いヘテロアルキル、所望により置換されていて良いヘテロアリール、所望により置換されていて良いフェニルであるか、またはRおよびRは、それらが結合する原子と共に、5員から7員の所望により置換されていて良い単環式ヘテロ環、または6員から12員の所望により置換されていて良い二環式ヘテロ環であり、ここで各ヘテロ環は、所望により、−O−、−S−または−NR50−から選択されるさらなるヘテロ原子を含んでいて良く;
各R50は、独立して、H、所望により置換されていて良い脂肪族、所望により置換されていて良いヘテロアルキル、所望により置換されていて良いヘテロアリール、または所望により置換されていて良いフェニルであり;
は、保護基であり;そして
mは、0から2である。]
の化合物を得る工程を含む。
【0143】

【化96】

の化合物を製造するための方法は、
a)所望によりプロトン酸を含んでいて良い有機溶媒中、式
【化97】

[式中、
環Aは、5員から7員の所望により置換されていて良い単環式ヘテロ環、または6員から12員の所望により置換されていて良い二環式ヘテロ環であり、ここで各ヘテロ環は、所望により、−O−、−S−または−NR50−から選択されるさらなるヘテロ原子を含んでいて良く;
各Rは、C−Cアルキルであり;
各R10は、H、保護基、P−またはP−P−;
〔ここで、Pは、
【化98】

であり、
は、R−Tであり;
Tは、−C(O)−、−O−C(O)−、−NHC(O)−、−C(O)C(O)−または−SO−であり;そして
各Rは、独立して、脂肪族、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ所望により、1個から3個の脂肪族、ハロ、アルコキシ、−N(R50、−SON(R50、−NC(O)R50、−SO50またはヘテロシクロアルキルで置換されていて良く;
各Rは、独立して、H、所望により置換されていて良い脂肪族、所望により置換されていて良いヘテロアルキル、所望により置換されていて良いヘテロアリール、または所望により置換されていて良いフェニルであるか、または
および環Aは、8員から14員の所望により置換されていて良い二環式縮合環系を形成し、ここで二環式縮合環系は、所望により置換されていて良いフェニルと所望によりさらに縮合し、所望により置換されていて良い10員から16員の三環式縮合環系を形成して良く;
各R50は、独立して、H、所望により置換されていて良い脂肪族、所望により置換されていて良いヘテロアルキル、所望により置換されていて良いヘテロアリール、または所望により置換されていて良いフェニルであり;
は、保護基であり;そして
mは、0から2である。〕である。]
で示される化合物のラセミ混合物とルイス酸を接触させる工程を含む。
【0144】
あるいは、下記
【化99】

の分解を、クロマトグラフィーまたは有機溶媒からの選択的結晶化により行うことができる。
【0145】

【化100】

の化合物を製造する方法は、
a)式
【化101】

[式中、
各R10は、H、保護基、P−またはP−P−;
〔ここで、P−は、
【化102】

であり、
−P−は、
【化103】

であり、
は、R−T−であり;
Tは、−C(O)−、−O−C(O)−、−NHC(O)−、−C(O)C(O)−または−SO−であり;
各Rは、独立して、脂肪族、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれ所望により、1個から3個の脂肪族、ハロ、アルコキシ、−CN、−NO、−N(R50、−SON(R50、−NC(O)R50、−SO50またはヘテロシクロアルキルで置換されていて良く;
各Rは、独立して、H、所望により置換されていて良い脂肪族、所望により置換されていて良いヘテロアルキル、所望により置換されていて良いヘテロアリール、または所望により置換されていて良いフェニルであるか、または
および環Aは、8員から14員の所望により置換されていて良い二環式縮合環系を形成し、ここで二環式縮合環系は、所望により置換されていて良いフェニルと所望によりさらに縮合し、10員から16員の所望により置換されていて良い三環式縮合環系を形成して良く;
各R50は、独立して、H、所望により置換されていて良い脂肪族、所望により置換されていて良いヘテロアルキル、所望により置換されていて良いヘテロアリール、または所望により置換されていて良いフェニルであり;
は、保護基であり;そして
mは、0から2である。〕である。]
の化合物を還元する工程を含む。
【0146】
本明細書に記載の方法を、アスパラギン酸アルデヒド基のようなアスパラギン酸誘導体を製造するために用いることができる。例えば、本明細書に記載の方法を、上記の表1、2、3、および4に示すP4−P3−P2−基を含む化合物、ならびに下記の表5および表6の特定の化合物を製造するために用いることができる。さらに、本明細書に記載の方法を、公知の化合物を製造するために用いることができる。特に、本方法は、WO95/35308、WO99/47545、WO04/058718、WO04/002961、WO04/106304、WO03/088917、WO03/068242、WO03/042169、WO98/16505、WO93/09135、WO00/55114、WO00/55127、WO00/61542、WO01/05772、WO01/10383、WO01/16093、WO01/42216、WO01/72707、WO01/90070、WO01/94351、WO02/094263、WO01/81331、WO02/42278、WO03/106460、WO03/103677、WO03/104231、US6,184,210、US6,184,244、US6,187,771、US6,197,750、US6,242,422、US6,235,899、April 2001 American Chemical Society (ACS) meeting in San Diego, California, USA、WO02/22611、US2002/0058630、WO02/085899、WO95/35308、US5,716,929、WO97/22619、US6,204,261、WO99/47545、WO01/90063、Bioorg. Med. Chem. Lett. 1992, 2(6), 613、およびWO99/03852(それらは全て、本明細書に記載される)に開示の化合物の製造に有用であり、これらは参照により本明細書に包含される。本発明での使用に好ましい化合物が、WO04/058718、WO04/002961、WO95/35308、US5,716,929、WO97/22619、US6,204,261、WO99/47545、およびWO01/90063に記載され(それらは全て、本明細書に記載される)、これらは参照により本明細書に包含される。
【0147】
【化104】

【化105】

【化106】

【化107】

【化108】

【化109】

【0148】
【化110】

【化111】

【化112】

【化113】

【0149】
本発明をより十分に理解するために、下記の実施例を記載する。これらの実施例は、説明のみを目的とし、いかなる場合も本発明の範囲を制限するものではない。
【0150】
実施例
本明細書で用いる略語は、当業者に公知である。スキーム2合成法を、下記に例示する。
【0151】
【化114】

【0152】
実施例1
【化115】

【0153】
4−ブロモ−5−エトキシ−5H−フラン−2−オンの製造
この方法を、C. Escobar, et al., Ann. Quim. (1971), 67, 43-57に記載の方法と同様に行うことができる。5−エトキシ−5H−フラン−2−オン(II、R=Et)(10.0g、78.0mmol)の四塩化炭素溶液(50mL)に、0℃で、臭素(4.05mL、78.2mmol)の四塩化炭素溶液(25mL)を0.5時間かけて添加する。反応を0℃で1時間撹拌し、その後、室温で2時間撹拌する。溶媒を減圧下で除去し、残渣を、ポンプ圧(約0.5mm)で短時間蒸留した。100℃−120℃で画分を集め、4−ブロモ−5−エトキシ−5H−フラン−2−オン(13.2g、82%収率)を黄色油として得る。1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 6.24 (s, 1H), 5.63 (s, 1H), 3.71 (m, 1H), 3.63 (m, 1H), 1.14 (t, J=7.1Hz, 3H) ppm。
【0154】
CBZ−Pro−NHおよびブロモエトキシフラノンのPdにより触媒されたカップリング
1Lの丸底フラスコに、CBZ−Pro−NH(20g、80.4mmol)、Pd(OAc)(0.36g、1.6mmol)、XANTPHOS(1.4g、2.4mmol)を入れた。その系を窒素ガスで10分間パージした。トルエンを加え(200mL)、反応物を50℃に温めながら撹拌した。50℃に達した後、反応物を30分間攪拌した。混合物は、アミドの溶解により黄色スラリーから赤れんが色溶液に変化し、(XANTPHOS)Pd(OAc)複合体が形成した。KCO(26.6g、192mmol)の水溶液(200mL)を加え、反応物を50℃まで温めた。
【0155】
ビーカーに、ブロモエトキシフラノン(18.3g、88.4mmol)およびトルエン(30mL)を入れた。反応を、溶液が形成されるまで撹拌する(溶解が吸熱反応であるため、わずかな加温が必要であり得る)。臭化物の溶液を、触媒/アミド溶液に、50℃で3−3.5時間かけてゆっくりと添加する。添加の完了後、反応混合物の撹拌を50℃まで4時間継続した。50℃に達した後、層が分離し、水層を捨てた。有機層を。50℃にて水(100mL)で洗浄した。層を分離させ、水層を捨てた、有機層を、1/2量まで濃縮し、周囲温度まで冷却した。結晶化が開始しなかったとき、種晶を加えた(50mg)。混合物を周囲温度で15時間(一晩)撹拌し、0℃に冷却し、3−5時間撹拌した。固体をろ過し、冷トルエンで洗浄した。固体を、40−50℃にて真空下で乾燥させ、白色結晶固体を得た(10.8g、36%収率)。
【0156】
別の合成法において、フラスコにPd(dba)(4.18g、4.6mmol)、Xantphos(7.90g、13.7mmol)、CBZ−プロリンアミド(50g、201mmol)、CsCO(65.5g、201mmol)およびトルエン(770mL)を入れた。混合物を35℃で3時間撹拌し、褐色/黄色混合物を得た。
【0157】
ブロモエトキシフラノン(41.7g、201mmol)のトルエン溶液30mLを、褐色/黄色混合物に添加した。溶液を80℃に温めた。15分後、HPLC分析により、反応の90%完了が示され(CBZ−プロリンアミドと生成物を比較して)、ブロモエトキシフラノンは残っていなかった。ブロモエトキシフラノン4.1を、85℃で反応混合物にさらに加えた。30分間撹拌後、HPLC分析により、反応の97%完了が示された。ブロモエトキシフラノン2.8gをさらに添加した。45分間攪拌後、HPLC分析により、CBZ−プロリンアミドは残っていないことが示された。混合物を20−25℃に冷却し、水(200mL)を添加し、次に、飽和硫酸水素ナトリウム水溶液(400mL)を添加した。ガス発生が観察された。層を分離させ、有機層を飽和硫酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、次に水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、そして溶媒を真空下で除去した。得られた粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(1:1 EtOAc:ヘキサン、その後3:1 EtOAc:ヘキサン)により精製し、所望の生成物を淡褐色油として55.7g(74%収率)得た。
1H-NMR (d6-DMSO): δ 10.20 (s, 0.5 H); 10.00 (s, 0.5 H); 7.55 (br s, 5H); 6.35 (s, 1H); 5.85 (s, 0.5H); 5.70 (s, 0.5H); 5.30 (m, 2H); 4.60 (br s, 1H); 4.05 (m, 1H); 3.85 (m, 1H); 3.65 (m, 1H); 3.55 (m, 1H); 2.05 (m, 4H); 1.40 (m, 3H)。
【0158】
実施例2
【化116】

フラスコに、上記で製造された粗生成物(37.36g、0.1mol)およびトルエン(187mL)を入れた。混合物を撹拌し、ベージュ色/褐色溶液を得た。化合物2の種晶(226mg)を加え、混合物を周囲温度で3日間撹拌し、0−5℃で8時間撹拌し、その後、周囲温度で7日間撹拌した。溶液を再び0−5℃まで冷却し、3時間撹拌し、ろ過し、そして固体をトルエンで洗浄した。固体を空気中で乾燥させ、表題化合物を97:3アノマー混合物として5.61g(15%収率)得た。
1H-NMR (d6-DMSO): δ 7.35-7.25 (m, 5H); 5.75 (d, 1H); 5.70 (d, 1H); 5.1-4.9 (m, 2H); 4.35 (m, 1H); 3.70 (m, 1H); 3.60 (m, 1H); 3.40 (m, 2H); 2.15 (m, 1H)1.80 (m, 2H); 1.20 (t, 1.5 H); 1.10 (t, 1.5H)。
【0159】
実施例3
【化117】

フラスコに、実施例2に記載の化合物(5.00g、13.3mmol)、20%Pd(OH)/C(1.00g、50%湿潤)、酢酸イソプロピル(30mL)、およびDMF(10mL)を入れた。混合物を0−5℃で5時間、50psig H下で水素化し、その後、周囲温度で21時間水素化した。HPLC分析により、反応が97%完了したことが示された。混合物をセライトを通してろ過し、固体を、3:1 酢酸イソプロピル:DMF溶液で洗浄し、保護されていない実施例2の化合物を得た。
【0160】
Cbz−t−leu−OH ジシクロヘキシルアミン塩に、酢酸イソプロピル(30mL)および1.0SO(30mL)を添加した。混合物を、2個の透明な層が得られるまで撹拌した。水層を捨て、有機層を水(30mL)で洗浄した。有機層を集めた。その有機層にDMF(10mL)を添加し、その後ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.2g、mmol)を添加した。EDC(2.8g)を添加し、混合物を1時間撹拌した。この混合物に、上記の水素化溶液を添加した。混合物を周囲温度で8.5時間撹拌した。水(100mL)を添加し、混合物を1時間撹拌した。層を分離させ、有機層を0.5 NaHSO水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液、および水で洗浄した。溶液を濃縮し、乾燥させ、表題化合物を4.04g(62%収率)得た。
【0161】
あるいは、Parr社の2リットル高圧リアクターに、実施例2に記載の化合物100.0g(0.267モル)、および10% Pd/C(50%湿潤)10.0gを入れた。そのリアクターを、窒素で10分間パージした。その後、酢酸エチル800.0mL、次いでトリフルオロ酢酸19.5mLを添加した。その後、リアクターを閉じ、水素で60psiに加圧し、次いで放出させた。このサイクルを2回繰り返した。反応を、水素(60psi)下で2時間撹拌した。パラジウム触媒をセライトパッドを通してろ過し、ろ液を次のカップリング工程に必要となるまで4℃で維持した。
【0162】
3リットルの、機械式撹拌器および熱電温度計を備えた3つ口丸底フラスコに、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール43.3g(無水、0.320モル)を入れた。このフラスコに、Cbz−t−ロイシン(EtOAc430mL中70.8g)の溶液を添加した。DMF(190mL)をこの懸濁液に入れ、透明な淡黄色溶液とした。この溶液に、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC、56.3g、0.294モル)を入れた。薄い懸濁液が形成され、22℃で2時間撹拌した。この懸濁液に、保護されていない実施例2の化合物(TFA塩)の溶液を入れた。トリエチルアミン(112mL、0.801モル)を30分かけて添加し、得られる懸濁液を22℃で2時間撹拌した。水(400mL)を加え、その二相性混合物を22℃で12時間撹拌した。その後、この二相性混合物を4リットルの分液漏斗に移し、水層を除去した。有機層を、飽和重炭酸ナトリウム溶液400mLで洗浄し、次いで水(2×400mL)で洗浄した。酢酸エチルを、約400mLの最終容量まで真空下で蒸留した。この粗溶液にペンタン200mLを入れ、次いで実施例3の化合物1.0gを種晶として入れた。その後、その濁った懸濁液を5℃まで冷却し、そうして分厚いスラリーが形成された。バッチを5℃に維持しながら、3時間かけてさらなるヘプタン(400mL)を入れた。固体を、真空ろ過により単離し、ろ過ケーキを2:3 EtOAc/ヘプタン混合物(2×100mL)で洗浄した。固体を、22℃にて真空オーブン中、窒素流で12時間乾燥させた(2工程で80%収率)。
1HNMR (CDCl3) δ 7.5 (d, 1H、J = 7.8 Hz); 7.4-7.3 (m, 5H); 5.5 (重複d, m, 2H、J = 5.3 Hz); 5.1 (d, 1H、J = 12.3 Hz); 5.1 (d , 1H、J = 12.2 Hz); 4.7-4.6 (m, 2H); 4.4 (d, 1H、J = 9.7 Hz); 3.9 (m, 1H); 3.8 (q, 1H、J = 8.4 Hz); 3.7-3.6 (m, 2H); 2.8 (dd, 1H、J = 17.2, 8.4 Hz); 2.4-2.3 (重複m, dd, 2H、J = 17.2, 10.4 Hz); 2.1 (m, 1H); 2.0 (m, 1H); 1.9 (m, 1H); 1.3 (t, 3H、J = 7.2 Hz); 1.0 (s, 9H)。
【0163】
実施例4:スキーム3および合成実施例
【化118】

【0164】
実施例3に記載の化合物を、保護基を除去し、さらなる基をロイシンアミンとカップリングすることによりさらに修飾し得る。
【0165】
実施例5:スキーム4および物の製造方法
【化119】

【0166】
1リットルの、機械的撹拌および窒素吸入口を備えた3つ口丸底フラスコに、実施例2の化合物(0.134モル)50.0g、および10%Pd/C(50%湿潤)10.0gを入れた。その容器を、窒素で10分間パージした。ギ酸(500mL)を添加し、懸濁液を22℃にて16時間窒素下で撹拌した。反応混合物を、セライトを通してろ過し、ろ液にトリフルオロ酢酸20.6mLを添加した。ギ酸を真空下で蒸留し、残ったギ酸を、トルエンで共沸蒸留することにより除去した。得られた粗油を、酢酸エチル150mL中に溶解し、そしてメチル−tert−ブチルエーテル(100mL)を2時間かけて滴下し、トリフルオロ酢酸塩が結晶化した。懸濁液を5℃まで冷却し、固体を真空ろ過により集め、3:2 EtOAc/MTBE溶液(2×50mL)で洗浄し、所望の生成物をTFA塩として55%収率で得た。
【0167】
【化120】

1HNMR (d6-DMSO δ 11.6 (br. s, 1H); 9.1 (br. s, 2H); 6.15 (s, 1H); 6.05 (s, 1H); 4.5 (m, 1H); 3.75 (m, 2H); 3.3 (m, 2H); 2.35 (m, 1H); 1.95 (m, 3H); 1.2 (t, 3H、J = 6.7 Hz)。
【0168】
1リットルの、機械的撹拌、添加用漏斗および窒素吸入口を備えた3つ口丸底フラスコに、Z−tert−ロイシン(20.6g、0.0776モル)のジクロロメタン溶液(250mL)を入れた。無水1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(10.5g、0.0776モル)をこの溶液に添加し、次いで1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド(EDC、0.0776モル)14.9gを添加した。均一な溶液とし、22℃で2時間撹拌した。この反応に、保護されていないプロリン類似体(TFA塩、0.0706モル)25.0gを入れ、次いで4−メチルモルホリン(15.5mL、0.141モル)を入れた。溶液を22℃で3時間撹拌した。反応混合物を、分液漏斗に移し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、次いで10%クエン酸水溶液(100mL)で洗浄した。有機層を、シリカゲルクロマトグラフィー(50% EtOAc/ヘキサン)により精製し、所望の生成物を60%収率で得た。
1HNMR (d6-DMSO) δ 11.0 (s, 1H); 7.35 (m, 5H); 7.25 (d, 1H); 6.0 (br. s, 2H); 5.1 (d(ab), 1H); 5.0 (d(ab), 1H); 4.5 (br. s, 1H); 4.2 (d, 1H); 3.8 (m, 3H); 3.65 (m, 1H); 2.15 (m, 1H); 1.9 (m, 2H); 1,8 (m, 1H); 1.2 (t, 3H); 1.0 (s, 9H)。
【0169】
スキーム6および合成実施例
【化121】

【0170】
工程1:
【化122】

【0171】
水21.7mlを、CBZ−プロリンアミド100.0g、酢酸パラジウム0.92g、Xantphos3.47g、炭酸カリウム111.2gおよび臭化セチルトリメチルアンモニウム2.93gのトルエン混合物(1000ml)に、温度をT=20−25℃に維持しながら添加した。全ての容器充填および添加を、パラジウム触媒の酸化を回避/制限するために窒素下で行った。その後、反応をT=50−55℃まで温め、約2時間撹拌した。独立して、ブロモエトキシフラノン(91.5g)およびトルエン(100ml)を、別々のフラスコに入れ、溶解が完全に起こるまで20−25℃で撹拌した。その後、ブロモエトキシフラノン溶液を、50−55℃で3−3.5時間かけて最初の反応混合物に添加し、その後、反応を、約1時間で定量的収率において完了するまで撹拌した。反応混合物をT=50−55℃でろ過し、固体をトルエン(500ml)で洗浄した。ろ液を水(500ml)で洗浄した。水層を捨て、有機層を真空下で<50℃にて約500mlまで濃縮した。溶液を5℃−10℃まで冷却し、アンモニウムトリエトキシド9.8gを添加した。
【0172】
分離フラスコ中、塩化アセチル11.3mlを、温度をT=5−10℃に維持しながらトルエン100mlおよびエタノール9.7mlからなる溶液に添加し(無水HClのインサイチュウ作製)、その後、混合物をT=5−10℃で約1時間撹拌した。その後、トルエン/エタノール/HCl溶液をT=5−10℃で15分かけて前記反応混合物に添加し、その後、生成物を種晶とし、T=5−10℃で12時間、T=20−25℃で48時間、T=5−10℃で12時間撹拌した。生成物をT=5−10℃でろ過し、トルエン100mlで洗浄した。湿潤物質を70℃−75℃でトルエン1500ml中に溶解し、溶液をDicalite(ろ過補助剤)を通して75℃でろ過した。固体をトルエン100mlで洗浄した。有機溶液を500mlに真空濃縮した。得られたスラリーを20−25℃まで1時間かけて冷却し、3−4時間撹拌し、ろ過し、そして生成物をトルエン100mlで洗浄した。生成物を35−40℃にて真空下で乾燥させた。
【0173】
工程2:
【化123】

【0174】
工程1のフラノン100gを、5%パラジウム炭素20g(約50%湿潤)と共にオートクレーブしたステンレススチール(3lt)中に入れ、次いで酢酸エチル800mlおよびトリフルオロ酢酸19.5mlを添加した。オートクレーブは、水素(4バール)で加圧し、温度をT=20−25℃に設定した。水素添加分解を、水素の吸収がなくなるまで、水素吸収が進行している限り定期的に4バールまで再加圧しながら2−3時間行った。触媒をろ過により除去し、酢酸エチル100mlで2回洗浄し、脱保護されたプロリン化合物の溶液を得た。
【0175】
別に、硫酸(14.6ml)の水溶液(330ml)を、Cbz−t−ロイシンジシクロヘキシルアミン塩119.2gおよび酢酸エチル430mlの混合物に添加した。得られた溶液をT=20−25℃で30分間撹拌した。有機層を分離し、水500mlで2回洗浄し、ヒドロキシベンゾトリアゾール43.3gを添加した。DMF(190ml)を、この混合物に添加し、次いでEDC56.3gを添加し、そうして透明な黄色がかった溶液から濁った反応混合物を作製した。反応を、T=20−25℃にて30−60分間撹拌した。前記オートクレーブから脱保護されたプロリン化合物の溶液を、反応混合物に入れ、その後、トリエチルアミン81.1gを滴下し(20−30分かけて)、得られた濁った混合物をT=20−25℃で1.5−2時間撹拌した。水400mlを添加し、反応を12時間20−25℃で撹拌した。有機層を分離し、重炭酸ナトリウム水溶液(7.5%)400mLで洗浄し、水400mlで2回洗浄した。これらの洗浄を、45−50℃で行った。有機層を、40−45℃で400mL用量に濃縮した。酢酸エチル300mlを添加し、混合物を350mlに濃縮し、残りの水を除去した。溶液を20−25℃まで冷却し、20−25℃で1時間かけてN−ヘプタン200mlを添加し、混合物を、上記実施例3に示した化合物を種晶として、T=20−25℃で1時間撹拌した。得られたスラリーをT=5−10℃まで冷却し、さらに1時間同じ温度で撹拌した。N−ヘプタン400mlを、T=5−10℃にて2−3時間かけて添加し、スラリーをろ過し、酢酸エチル/N−ヘプタン(それぞれ40ml、60ml)で2回洗浄した。結晶を、T=35−40℃で少なくとも8時間、真空下で乾燥させた。
【0176】
工程3:
【化124】

【0177】
工程2の生成物(100g)、5%パラジウム炭素(約50%湿潤、20g)、DMF100ml、酢酸エチル600mlおよびクエン酸一水和物43.1gを、オートクレーブしたステンレススチール(3lt)に入れた。ステンレススチールのオートクレーブを、水素(4バール)で、温度を−2℃から+2℃に設定して行った。反応を、水素吸収が進行している限り定期的に4バールまで再加圧しながら2−3時間行った。触媒をろ過により除去し、酢酸エチル85mlおよびDMF15mlの混合物で洗浄した。
【0178】
別に、N−メチルモルホリン23.5gを、4−アミノ−クロロ−安息香酸33.1g、2−クロロ−4,6−ジメトキシトリアジン(DMT−Cl)34.4gの酢酸エチル混合物300mlに周囲温度で20−30分、23−27℃で2−3時間かけて添加し、4−アミノ−3−クロロ安息香酸のDMT活性エステルを得た。混合物を0℃から+5℃まで冷却し、精製水300mlを、温度を同じ範囲に維持しながら前記溶液に添加する。クエン酸塩として脱保護したt−ロイシン生成物の溶液を、0℃から+5℃で30−60分かけて添加し、その後、反応混合物を30%水酸化ナトリウム(約71ml量)を添加してpH6.5−7.5に調整し、20℃から25℃で6−7時間撹拌した。反応の完了後、層を分離し、有機層を硫酸水素ナトリウム溶液(水235ml中、硫酸水素ナトリウム15g)に添加し、20℃から25℃で3時間撹拌した。層を分離し、有機層を水で4回洗浄し(各150ml)、重炭酸ナトリウム溶液(全量:水400ml中、重炭酸ナトリウム20g)で2回洗浄し、水150mlで1回洗浄した。前記溶液に活性炭素10gおよびDicalite10gを添加し、ろ過し、そして固体を酢酸エチル100mlで洗浄した。ろ液を、<40℃で200ml用量まで真空下で蒸留し、その時、混合物が結晶化した。酢酸エチル(150ml)を、全量350mlに添加した。N−ヘプタン(300ml)を2時間かけて添加し、スラリーを20℃から25℃で3時間撹拌後、固体をろ過し、酢酸エチル/N−ヘプタン(100ml、1:1)で洗浄し、そして60℃で真空下に乾燥させた。
【0179】
本明細書に記載のすべての文献は、参照により本明細書に包含される。
【0180】
本発明者らは、本発明の多くの態様を記載したが、それらの基本的実施例は、本発明の化合物および方法を利用する他の態様を提供するために変形され得ることは明らかである。例えば、CBZ以外の保護基を、1回またはそれ以上の上記の合成工程においてアミンの保護に用いることができる。故に、当然ながら、本発明の範囲は、実施例の方法により示される特定の態様によるよりも、添付の特許請求の範囲により定義されるべきであり得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式XXX:
【化1】

で示されるベータ−アミド・カルボニル化合物を製造する方法であって:
a)パラジウム触媒、パラジウムリガンド、塩基、ならびに所望により相間移動触媒および水を含んでいて良い溶媒の存在下で、式XII:
【化2】

の化合物と、式XIII:
【化3】

の化合物を反応させ、式XXXI
【化4】

の化合物を製造する工程を含む、方法
[上記式中:
Xは、脱離基であり;
各Rは、H、所望により置換されていて良いアルキル、所望により置換されていて良いアリール、−CN、−C(O)−Oアルキルまたはハロゲンであり;
各Rは、独立して、所望により置換されていて良い脂肪族基、所望により置換されていて良いヘテロ環式基、または所望により置換されていて良いアリール基であり;
各Rは、独立して、所望により置換されていて良い脂肪族、所望により置換されていてヘテロ環、所望により置換されていて良いアリールであるか、またはRおよびRは、それらが結合する基と共に、所望により置換されていて良い5員から8員のヘテロ環式環を形成し;そして
各Rは、有機基である。]。
【請求項2】
前記パラジウム触媒が、Pd(OAc)またはPddbaである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パラジウムリガンドが、ホスフィン、ビスホスフィン、XantPhos、DPEPhosまたはビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記パラジウムリガンドが、XantPhosである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記溶媒が、トルエン、ジオキサン、THF、またはその混合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記塩基が、KCOまたはCsCOである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記反応混合物が、相間移動触媒および所望により水を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記パラジウム触媒が、Pd(OAc)またはPddbaであり;前記パラジウムリガンドが、ホスフィン、ビスホスフィン、XantPhos、DPEPhos、またはビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンであり;前記溶媒が、トルエン、ジオキサン、THF、またはその混合物であり;そして、前記塩基が、KCOまたはCsCOである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
が、所望により置換されていて良い脂肪族、所望により置換されていて良いアリール、所望により置換されていて良いヘテロアルキル、保護基、P−、P−P−、またはP−P−P−;
[式中、P−は、
【化5】

であり;
−Pは、
【化6】

であり;
−P−Pは、
【化7】

であり;
Tは、−C(O)−、−O−C(O)−、−NHC(O)−、−C(O)C(O)−または−SO−であり;
各Rは、独立して、所望により置換されていて良い脂肪族、または所望により置換されていて良いアリールであり;
各Rは、独立して、H、所望により置換されていて良い脂肪族、所望により置換されていて良いヘテロアルキル、所望により置換されていて良いヘテロアリール、または所望により置換されていて良いフェニルであり;
各Rは、独立して、所望により置換されていて良い脂肪族、所望により置換されていて良いヘテロアルキル、所望により置換されていて良いヘテロアリール、所望により置換されていて良いフェニルであるか、またはRおよびRは、それらが結合する原子と共に、5員から7員の所望により置換されていて良い単環式ヘテロ環、または6員から12員の所望により置換されていて良い二環式ヘテロ環(ここで、各ヘテロ環式環は、所望により−O−、−S−または−NR50−から選択されるさらなるヘテロ原子を含んでいて良い。)であり;そして
各Rは、独立して、H、所望により置換されていて良い脂肪族、所望により置換されていて良いヘテロアルキル、所望により置換されていて良いヘテロアリール、または所望により置換されていて良いフェニルであるか、または
およびRは、それらが結合する原子と共に、5員から7員の所望により置換されていて良い単環式ヘテロ環、5員から7員の所望により置換されていて良い単環式アリール、6員から12員の所望により置換されていて良い二環式ヘテロ環、または6員から12員の所望により置換されていて良い二環式アリール(ここで、各ヘテロ環式環またはアリール環は、所望により−O−、−S−または−NR50−から選択されるさらなるヘテロ原子を含んでいて良い。)であるか、または
およびRが、それらが結合する原子と共に環を形成するとき、RおよびRとRにより形成される環系は、8員から14員の所望により置換されていて良い二環式縮合環系(ここで、二環式縮合環系は、所望によりさらに、所望により置換されていて良いフェニルと縮合してよく、所望により置換されていて良い10員から16員の三環式縮合環系を形成する。)を形成し;
各Rは、独立して、Hまたは保護基であり;そして、
各R50は、独立して、H、所望により置換されていて良い脂肪族、所望により置換されていて良いヘテロアルキル、所望により置換されていて良いヘテロアリール、または所望により置換されていて良いフェニルであり;そして
mは、0から2である。]
である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
Rが、脂肪族またはアリール(それぞれ、所望により1個から3個のアルキル、ハロ、アルコキシ、−CN、−NO、−N(R50、−SON(R50、−NC(O)R50、−SO50またはヘテロシクロアルキルで置換されていて良い)である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
式XXXIの化合物を還元し、式XXXの化合物を製造することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
およびRが、それらが結合する原子と共に、式
【化8】

[式中、RはC−Cアルキルである。]
の置換ベータ−アミド・ラクトンを形成する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
が、下記
【化9】

[式中、Rは、独立して、H、所望により置換されていて良い脂肪族、所望により置換されていて良いヘテロアルキル、所望により置換されていて良いヘテロアリール、または所望により置換されていて良いフェニルであり;
各Rは、独立して、所望により置換されていて良い脂肪族、所望により置換されていて良いヘテロアルキル、所望により置換されていて良いヘテロアリール、所望により置換されていて良いフェニルであるか、またはRおよびRは、それらが結合する原子と共に、5員から7員の所望により置換されていて良い単環式ヘテロ環、または6員から12員の所望により置換されていて良い二環式ヘテロ環(ここで、各ヘテロ環は、所望により、−O−、−S−または−NR50−から選択されるさらなるヘテロ原子を含んでいて良い。)であり;
各Rは、独立して、Hまたは保護基であり;
各R50は、独立して、H、所望により置換されていて良い脂肪族、所望により置換されていて良いヘテロアルキル、所望により置換されていて良いヘテロアリール、または所望により置換されていて良いフェニルであり;そして
mは、0から2である。]
の構造を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
が、
【化10】

[式中、環Aは、5員から7員の所望により置換されていて良い単環式ヘテロ環、または6員から12員の所望により置換されていて良い二環式ヘテロ環(ここで、各ヘテロ環は、所望により、−O−、−S−または−NR50−から選択されるさらなるヘテロ原子を含んでいて良い。)である。]
の構造を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
環Aが、
【化11】

の構造を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
が、
【化12】

の構造を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
が、
【化13】

の構造を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
が、
【化14】

の構造を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
式XIIの化合物が、
【化15】

(ここで、Rは、C−Cアルキルである。)
の構造を有し、式XXXIの化合物が、
【化16】

の構造を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
が−CHCHである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
が保護基である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
保護基がCBZである、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
下記
【化17】

の化合物を製造する方法であって、
【化18】

の混合物を精製する工程(精製は、混合物のクロマトグラフィー、選択的結晶化、または動的結晶化を含む。)を含む、方法
〔上記式中、Rは保護基である。〕。
【請求項24】
混合物の精製工程が、クロマトグラフィーにより異性体を分離することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
混合物の精製工程が、有機溶媒で混合物を選択的に結晶化することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記精製工程が、前記混合物をルイス酸および所望によりプロトン酸を含んでいて良い溶媒と接触させることを含む、動的結晶化である、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記精製工程が、酸性条件下で、溶媒中、前記混合物をAl(Oアルキル)と接触させることを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記混合物を、HClの存在下、トルエン中、Al(OEt)と接触させる、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
式I:
【化19】

の化合物。
【請求項30】
式I−A/C:
【化20】

の化合物。
【請求項31】
式:
【化21】

の化合物。
【請求項32】
式IA:
【化22】

の化合物。
【請求項33】
式IA:
【化23】

の化合物を製造する方法であって、
式:
【化24】

の化合物を精製する工程(ここで、精製工程は、混合物のクロマトグラフィー、選択的結晶化、または動的結晶化を含む。)を含む、方法。
【請求項34】
前記混合物を精製する工程が、クロマトグラフィーにより異性体を分離することを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記混合物を精製する工程が、前記混合物を有機溶媒で選択的に結晶化することを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記溶媒がトルエンである、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記精製工程が、前記混合物をルイス酸および所望によりプロトン酸を含んでいて良い溶媒と接触させることを含む、動的結晶化である、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記精製工程が、前記混合物を、酸性条件下、溶媒中でAl(Oアルキル)と接触させることを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記混合物を、HCl存在下、トルエン中でAl(OEt)と接触させる、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
式I:
【化25】

の化合物を製造する方法であって、
下記:
a)所望により相間移動触媒を含んでいて良い溶媒中、パラジウム触媒、パラジウムリガンドおよび塩基の存在下で、式II:
【化26】

の化合物と、
式III:
【化27】

の化合物を反応させ、式Iの化合物を得る工程を含む、方法。
【請求項41】
前記パラジウム触媒が、Pd(OAc)またはPddbaである、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記パラジウムリガンドが、ホスフィン、ビスホスフィン、XantPhos、DPEPhos、またはビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記パラジウムリガンドがXantPhosである、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記溶媒が、トルエン、ジオキサン、またはTHFのいずれか1個または組合せである、請求項40に記載の方法。
【請求項45】
前記塩基が、KCOまたはCsCOである、請求項40に記載の方法。
【請求項46】
前記溶媒が相間移動触媒を含む、請求項40に記載の方法。
【請求項47】
式IV:
【化28】

の化合物を製造するための方法であって、
式I:
【化29】

の化合物を還元および脱保護して、式V:
【化30】

の化合物を得る工程;および
カップリング条件下で、式Vの化合物とcbz−tert−ロイシンを反応させ、式VI:
【化31】

の化合物を得る工程、
脱保護条件下で、式VIの化合物を反応させアミンを得る工程、ならびにアミンと4−アミノ−3−クロロ安息香酸を反応させ、式IVの化合物を得る工程を含む、方法。
【請求項48】
前記式IVの化合物が、下記:
【化32】

の構造で示され、式Iの化合物が、下記:
【化33】

の構造で示され、式Vの化合物が、下記:
【化34】

の構造で示され;および/または
式VIの化合物が、下記:
【化35】

の構造で示される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
式IV:
【化36】

の化合物を製造するための方法であって、脱保護条件下で、式I:
【化37】

の化合物を反応させて、式VII:
【化38】

の化合物を得て、カップリング条件下で、式VIIの化合物とcbz−tert−ロイシンを反応させ、式VIII:
【化39】

の化合物を得て、式VIIIの化合物を還元および脱保護し、式IX:
【化40】

の化合物を得て、そしてカップリング条件下で、式IXの化合物と4−アミノ−3−クロロ安息香酸、またはアミンとのカップリングに好適なその誘導体を反応させ、式IVの化合物を得ることを含む、方法。
【請求項50】
前記式IVの化合物が、下記:
【化41】

の構造で示され;式Iの化合物が、下記:
【化42】

の構造で示され;式VIIの化合物が、下記:
【化43】

の構造で示され;式VIIIの化合物が、下記:
【化44】

の構造で示され;および/または、式IXの化合物が、下記:
【化45】

の構造で示される、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
下記:
【化46】

の化合物を、下記の式:
【化47】

の化合物を精製することにより得る(ここで、精製工程には、混合物のクロマトグラフィー、選択的結晶化、または動的結晶化が含まれる。)、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
パラジウム触媒、パラジウムリガンド、塩基、所望により相間移動触媒、所望により水、および溶媒の存在下で、式II:
【化48】

の化合物と、式III:
【化49】

の化合物を反応させる工程をさらに含む、請求項49に記載の方法。

【公表番号】特表2007−528904(P2007−528904A)
【公表日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−503066(P2007−503066)
【出願日】平成17年3月11日(2005.3.11)
【国際出願番号】PCT/US2005/008251
【国際公開番号】WO2005/090334
【国際公開日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(598032106)バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (414)
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】130 Waverly Street, Camridge, Massachusetts 02139−4242, U.S.A.
【Fターム(参考)】