説明

アスファルト混合物製造装置

【課題】脱臭炉から排気される高温排ガスの一部を燃焼用空気供給ダクトへ導入させ、バーナの燃焼用空気として循環供給させて有効利用することで省エネを図る。
【解決手段】新材ドライヤ2、廃材ドライヤ3、及び脱臭炉4の各バーナ6、25、46に燃焼用空気を供給する燃焼用空気供給ダクト60を配設し、この燃焼用空気供給ダクト60には燃焼用空気供給用の送風機62を介在させ、送風機62上流の燃焼用空気供給ダクト60には脱臭炉4の排気ダクト47から分岐させた循環ダクト63を連結すると共に、外気取り込み量を調整する外気量調整ダンパー61を配設する。また、循環ダクト63との合流部よりも下流側に酸素濃度計64を備え、検出される酸素濃度値と予め設定した目標酸素濃度値との差値量に基づいて外気量調整ダンパー61の開度制御を行い、各バーナへ供給する燃焼用空気中の酸素濃度を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新材加熱用のバーナを有した新材ドライヤと、廃材加熱用のバーナを有した廃材ドライヤと、廃材ドライヤの排ガス中の臭気成分を加熱分解するバーナを有した脱臭炉とを備えたアスファルト混合物製造装置に関し、特に、脱臭炉から排気される高温排ガスの一部を前記バーナに燃焼用空気として循環供給することで省エネを図るようにしたアスファルト混合物製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アスファルト混合物製造工場には、新規骨材(以下「新材」という)を加熱する新材ドライヤと、アスファルト舗装廃材(以下「廃材」という)を加熱再生する廃材ドライヤとを併設したアスファルト混合物製造装置が設置される場合がある。前記廃材ドライヤにて廃材を加熱するときには、加熱条件により悪臭の排ガスが発生することがあり、この悪臭処理のために脱臭炉を設置し、排ガス中の臭気成分を約800℃前後で加熱分解して脱臭することが行われる。
【0003】
このとき、脱臭炉から排気される排ガスは高温であって、大気中にそのまま放出すると経済的損失が大きいため、例えば、特許文献1(特開2009−179935号公報)の装置では、脱臭炉から排気される高温排ガスとバーナの燃焼用空気(外気)とを熱交換器にて熱交換させ、この予熱した燃焼用空気を新材ドライヤ、廃材ドライヤ、及び脱臭炉の各バーナに分配供給するようにして、脱臭炉の排ガス保有熱をできるだけ多く回収して省エネを図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−179935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、脱臭炉から排気される排ガスは相当に高温であるため、上記従来例のように、バーナの燃焼用空気として供給される外気と熱交換器にて熱交換させて熱回収した後も、排ガスが保有する熱量にはまだ回収利用できる余地が残っていると考えられる。
【0006】
本発明は上記の点に鑑み、脱臭炉から排気される高温排ガスの一部を燃焼用空気供給ダクトへ導入させ、バーナの燃焼用空気として循環供給させて有効利用することで省エネを図るようにしたアスファルト混合物製造装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明に係る請求項1記載のアスファルト混合物製造装置では、新材を加熱するバーナを有した新材ドライヤと、廃材を加熱再生するバーナを有した廃材ドライヤと、該廃材ドライヤの排ガス中の臭気成分を加熱分解するバーナを有した脱臭炉とを備えたアスファルト混合物製造装置において、前記新材ドライヤ、廃材ドライヤ、及び脱臭炉の各バーナのうち、少なくとも何れか一つのバーナに燃焼用空気を供給する燃焼用空気供給ダクトを配設し、該燃焼用空気供給ダクトには燃焼用空気供給用の送風機を介在させ、該送風機上流の燃焼用空気供給ダクトには前記脱臭炉の排気ダクトを途中で分岐して高温排ガスの一部を燃焼用空気として循環させる循環ダクトを連結すると共に、外気取り込み量を調整する外気量調整ダンパーを配設する一方、前記循環ダクトとの合流部よりも下流側における燃焼用空気供給ダクト内の酸素濃度を検出する酸素濃度計を備え、該酸素濃度計にて検出される燃焼用空気供給ダクト内の酸素濃度値と予め設定した目標酸素濃度値との差値量に基づいて前記外気量調整ダンパーの開度を制御する外気量調整ダンパー開度制御器を備えて前記バーナへ供給する燃焼用空気中の酸素濃度を調整するように構成したことを特徴としている。
【0008】
また、請求項2記載のアスファルト混合物製造装置では、前記燃焼用空気供給ダクト内の静圧を検出する静圧計を備え、該静圧計にて検出される燃焼用空気供給ダクト内の静圧値と予め設定した目標静圧値との差値量に基づいて前記送風機の送風量を制御する送風量制御器を備え、前記バーナが要する燃焼用空気量の変動に対し即座に不足なく供給可能な静圧値を維持させるように構成したことを特徴としている。
【0009】
また、請求項3記載のアスファルト混合物製造装置では、前記廃材ドライヤの排ガスリターンダクトを接続した燃焼室の出口及び/または廃材ドライヤの排気ダクトを接続した脱臭炉の炉本体のバーナ火炎の終端付近には燃焼ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度計を備え、各バーナ燃焼制御器には、バーナを完全燃焼させたときの燃焼ガス中の残存酸素の目安濃度を目標酸素濃度値として予め設定しておき、前記酸素濃度計にて検出される燃焼ガス中の酸素濃度値が前記目標酸素濃度値に維持されるように燃焼用空気量を調整して燃焼用空気を余分に供給しない構成としたことを特徴としている。
【0010】
また、請求項4記載のアスファルト混合物製造装置では、前記バーナ燃焼制御器には、バーナを安定燃焼させるのに最低限必要な下限燃焼用空気量を燃焼量毎に設定しておき、供給する燃焼用空気量が下限燃焼用空気量を下回らないように制御する構成としたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る請求項1記載のアスファルト混合物製造装置によれば、新材ドライヤ、廃材ドライヤ、及び脱臭炉の各バーナのうち、少なくとも何れか一つのバーナに燃焼用空気を供給する燃焼用空気供給ダクトを配設し、該燃焼用空気供給ダクトには燃焼用空気供給用の送風機を介在させ、該送風機上流の燃焼用空気供給ダクトには前記脱臭炉の排気ダクトを途中で分岐して高温排ガスの一部を燃焼用空気として循環させる循環ダクトを連結すると共に、外気取り込み量を調整する外気量調整ダンパーを配設する一方、前記循環ダクトとの合流部よりも下流側における燃焼用空気供給ダクト内の酸素濃度を検出する酸素濃度計を備え、該酸素濃度計にて検出される燃焼用空気供給ダクト内の酸素濃度値と予め設定した目標酸素濃度値との差値量に基づいて前記外気量調整ダンパーの開度を制御する外気量調整ダンパー開度制御器を備えて前記バーナへ供給する燃焼用空気中の酸素濃度を調整するように構成したので、脱臭炉からの排ガスに外気を混入させて燃焼用空気中の酸素濃度をバーナ燃焼に適した、例えば18〜19%程度に調整した上でバーナに循環供給させることができ、脱臭炉から排気される高温排ガスをバーナの燃焼用空気として有効利用できると共に、高温排ガスの大気中への放出量を削減できて効果的に省エネが図れる。また、酸素濃度の低い燃焼用空気を使用することによって、バーナ燃焼時のサーマルNOxの生成量を抑制できて低NOx化が期待できる。
【0012】
また、請求項2記載のアスファルト混合物製造装置によれば、燃焼用空気供給ダクト内の静圧を検出する静圧計を備え、該静圧計にて検出される静圧値と予め設定した目標静圧値との差値量に基づいて前記送風機の送風量を制御する送風量制御器を備え、バーナが要する燃焼用空気量の変動に対して即座に不足なく供給できるだけの静圧値を維持させるように構成したので、各バーナの燃焼量の変動に伴って必要とされる燃焼用空気量に大きな変動が生じても各バーナへ燃焼量に応じた燃焼用空気を不足なく安定して供給でき、プラント運転に支障を来すようなおそれがない。
【0013】
また、請求項3記載のアスファルト混合物製造装置によれば、前記廃材ドライヤの排ガスリターンダクトを接続した燃焼室の出口及び/または廃材ドライヤの排気ダクトを接続した脱臭炉の炉本体のバーナ火炎の終端付近には燃焼ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度計を備え、各バーナ燃焼制御器には、バーナを完全燃焼させたときの燃焼ガス中の残存酸素の目安濃度を目標酸素濃度値として予め設定しておき、前記酸素濃度計にて検出される燃焼ガス中の酸素濃度値が前記目標酸素濃度値に維持されるように燃焼用空気量を調整して燃焼用空気を余分に供給しない構成としたので、廃材ドライヤから導出する排ガス中の残存酸素を二次燃焼用空気として利用するに際し、その排ガス中の残存酸素濃度が変動しても、また排ガス中の残存酸素が二次燃焼用空気としてどの程度有効に消費されているかが不明でも、燃焼室の出口及び/または脱臭炉の炉本体のバーナ火炎の終端付近の燃焼ガスの酸素濃度によって燃焼用空気量をフィードバック制御するために、バーナを安定燃焼させながらも燃焼用空気量を極力減じることができ、更なる燃費の向上と低NOx化を図ることができる。
【0014】
また、請求項4記載のアスファルト混合物製造装置によれば、前記バーナ燃焼制御器には、バーナを安定燃焼させるのに最低限必要な下限燃焼用空気量を燃焼量毎に設定しておき、供給する燃焼用空気量が下限燃焼用空気量を下回らないように制御する構成としたので、燃焼用空気量不足によるバーナの燃焼不良や失火等の不具合を確実に回避でき、安定したバーナ燃焼の維持ができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るアスファルト混合物製造装置の一実施例を示す概略説明図である。
【図2】図1の新材ドライヤの詳細図である。
【図3】図1の廃材ドライヤの詳細図である。
【図4】図1の脱臭炉の詳細図である。
【図5】バーナ燃焼量(%)に対する燃料供給量、燃焼用空気量及び目標酸素濃度の関係を表した制御マップである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係るアスファルト混合物製造装置にあっては、新材ドライヤ、廃材ドライヤ、及び脱臭炉の各バーナに燃焼用空気を供給する燃焼用空気供給ダクトを配設し、該燃焼用空気供給ダクトには燃焼用空気供給用の送風機を介在させ、該送風機上流の燃焼用空気供給ダクトには前記脱臭炉の排気ダクトを途中で分岐して高温排ガスの一部を燃焼用空気として循環させる循環ダクトを連結すると共に、外気取り込み量を調整する外気量調整ダンパーを配設した構成とし、排ガス中に外気を混入することによって酸素濃度を調整して燃焼用空気として利用できるようにしている。
【0017】
また、前記循環ダクトとの合流部よりも下流の燃焼用空気供給ダクトには酸素濃度を検出する酸素濃度計を備えており、該酸素濃度計にて検出される燃焼用空気中の酸素濃度値と予め設定した目標酸素濃度値との差値量に基づいて前記外気量調整ダンパーの開度を制御する外気量調整ダンパー開度制御器を備えている。前記外気量調整ダンパー開度制御器に設定する目標酸素濃度値としては、例えば、16〜20%程度、好ましくは18〜19%程度に設定し、燃焼用空気として取り込まれる高温排ガスに対して外気を混入させてバーナの燃焼用空気として適した酸素濃度値に調整するようにしている。なお、前記目標酸素濃度値は、各バーナにてそれぞれ燃焼実験を行い、火炎形状の適正度等から適宜決定すると良い。
【0018】
また、前記燃焼用空気供給ダクトにはダクト内部の静圧を検出する静圧計を備えていると共に、該静圧計にて検出される静圧値と予め設定した目標静圧値との差値量に基づいて前記送風機の送風量を制御する送風量制御器を備えている。前記送風量制御器に設定する目標静圧値としては、各バーナの燃焼量の変動に伴って必要とされる燃焼用空気量に急激かつ大きな変動が生じても、各バーナへそれぞれの燃焼量に応じた燃焼用空気を即座にかつ不足なく安定供給可能な程度の所定圧に設定している。
【0019】
そして、上記構成にて、燃焼用空気供給ダクトに介在させた送風機によって脱臭炉の高温排ガスの一部を燃焼用空気供給ダクトへと循環させ、酸素濃度値を逐次検出しながら目標酸素濃度値となるように、外気量調整ダンパーの開度制御を行い、燃焼用空気中の酸素濃度をバーナ燃焼に適した状態に調整する。また、燃焼用空気供給ダクト内の静圧を逐次検出しながら目標静圧値となるように送風機の回転数制御を行い、燃焼用空気供給ダクトを圧力溜めとして、新材ドライヤ、廃材ドライヤ、及び脱臭炉の各バーナに対して燃焼量の変動にかかわらず適正なバーナ燃焼を維持するように燃焼用空気を供給する。
【0020】
前記燃焼用空気が供給されるバーナを備えた新材ドライヤでは、バーナ燃焼制御器によって、燃焼用空気中の酸素濃度及び燃焼用空気の温度を参照しながら燃焼用空気量調整ダンパーの開度制御を行い、バーナ燃焼量に必要な酸素量を含む燃焼用空気量を取り込んでバーナに供給し、これによって、酸素量の過不足のない適正なバーナ燃焼を維持している。
【0021】
また、燃焼用空気が供給されるバーナを備えた廃材ドライヤでは、バーナ火炎を形成する燃焼室の入口側に廃材ドライヤの排気ダクトを途中で分岐したリターンダクトを接続し、排ガスの保有熱の有効利用と共に、排ガス中の残存酸素をバーナの火炎根本に吹き込んで二次燃焼用空気として利用する。なお、排ガス中には、回転体であるドラムの両端部の隙間や廃材投入口の開口部等から吸い込む外気の混入によって、約10〜15%程度の残存酸素を含んでおり、これはバーナ燃焼の二次燃焼用空気として十分に利用できる数値となっている。
【0022】
そして、前記燃焼室の出口側のバーナの火炎終端付近には、燃焼ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度計を備えると共に、廃材ドライヤのバーナ燃焼制御器には、燃焼室内でバーナを完全燃焼させたときの燃焼ガス中の残存酸素の目安濃度を目標酸素濃度値として予め設定しておく。そして、前記酸素濃度計にて検出される燃焼ガス中の酸素濃度値が前記目標酸素濃度値に維持されるように燃焼用空気量調整ダンパーの開度制御を行い、燃焼用空気を余分に供給しないようにする。なお、前記目標酸素濃度値は、排ガス中の残存酸素量が変動すること、また排ガス中の残存酸素が二次燃焼用空気としてどの程度有効に消費されているかが不明なこと、等の不確定な要素を考慮し、燃焼テスト等を参考にしながら適宜決定すれば良く、例えば約7〜9%程度に設定すると良い。
【0023】
なお、前記燃焼用空気量の調整時に、燃焼用空気量が絞られてバーナ燃焼に必要な酸素は供給されるものの、燃焼用空気量が少なくてバーナ火炎が適正に維持されなくなる可能性があることを考慮し、前記バーナ燃焼制御器には、バーナを安定燃焼させるのに最低限必要な下限燃焼用空気量を燃焼量毎に予め設定しておく。そして、燃焼用空気量を絞る方向に制御するとき、予め設定した下限燃焼用空気量に到達すると、それ以上に送風量を絞らずに下限送風量を維持するように制御してバーナを安定燃焼させる。
【0024】
更に、燃焼用空気が供給されるバーナを備えた脱臭炉では、バーナ火炎を形成する炉本体に廃材ドライヤの排気ダクトを接続しており、排ガス中の残存酸素を二次燃焼用空気として利用する。そこで、前記廃材ドライヤと同様に、炉本体のバーナ火炎終端付近に、燃焼ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度計を備え、脱臭炉のバーナ燃焼制御器には、炉本体内でバーナを完全燃焼させたときの燃焼ガス中の残存酸素の目安濃度を目標酸素濃度値として予め設定しておく。そして、前記酸素濃度計にて検出される燃焼ガス中の酸素濃度値が前記目標酸素濃度値に維持されるように燃焼用空気量調整ダンパーの開度制御を行い、燃焼用空気を余分に供給しないようにする。なお、脱臭炉のバーナ燃焼制御器にも、バーナを安定燃焼させるのに最低限必要な下限燃焼用空気量を燃焼量毎に予め設定しておく。そして、燃焼用空気量を絞る方向に制御するとき、予め設定した下限燃焼用空気量に到達すると、それ以上に送風量を絞らずに下限送風量を維持するように制御する。
【0025】
このように、脱臭炉から導出される高温排ガスの一部を燃焼用空気供給ダクトへと循環させ、外気を混入して燃焼用空気として使用できる酸素濃度に調整し、この調整した排ガスを燃焼用空気供給ダクトを介して新材ドライヤ、廃材ドライヤ、及び脱臭炉の各バーナに燃焼用空気として供給するようにしたので、排ガス保有熱の有効利用による燃費の向上と、排ガス量の削減等が図れる。更には低酸素濃度の燃焼用空気の使用によって、バーナ燃焼時のサーマルNOxの生成量を抑制できて低NOx化も期待できる。
【実施例】
【0026】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
【0027】
図中の1は本発明に係るアスファルト混合物製造装置であって、新材を加熱する新材ドライヤ2と、廃材を加熱する廃材ドライヤ3とを併設していると共に、廃材ドライヤ3の排ガス中の臭気成分を燃焼分解させて脱臭処理する脱臭炉4を配設している。なお、図1において図示しているのは骨材の加熱乾燥系統の装置のみで、加熱した新材と廃材を所定割合で混合してアスファルト混合物を製造するプラント本体等については省略している。
【0028】
新材ドライヤ2は、内周部に多数の掻き上げ羽根(図示せず)を周設した円筒状のドラム5を機台(図示せず)上に回転自在に傾斜支持し、駆動装置(図示せず)にて所定の回転速度で回転させるようにしている。また、ドラム5の一端部にはバーナ6を配設し、該バーナ6を燃焼させてドラム5内に熱風を送り込むと共に、ドラム5の他端部の排気ダクト7下流の風量調整ダンパー8の開度調整を行いながら排風機9によって燃焼ガスをほぼ過不足なしに吸引排気する一方、骨材ホッパ(図示せず)から払い出される新材をベルトコンベヤ10を介してドラム5内に供給し、新材がドラム5内を転動流下する間に熱風に晒して所望の温度まで加熱する。また、前記排気ダクト7の途中には集塵機11を配設し、排ガス中のダストを捕捉して清浄となった排ガスを煙突12から大気中に放出する。
【0029】
前記バーナ6には、図2に示すように、燃料供給量と燃焼用空気量とを調節することによってバーナ燃焼量を制御するバーナ燃焼制御器13を備えており、各種センサ類からの検出値や各機器への制御信号等を入出力する入出力部14と、制御用の各種設定値を登録する設定記憶部15と、これら各種の検出値や設定値等を基に各種制御を実行する制御部16とを主体に構成している。そして、新材ドライヤ2のホットホッパ17出口に備えた骨材温度計18にて検出される加熱骨材温度に基づいて、コントロールモータ19を介して燃料供給弁20の開度を調整すると共に、コントロールモータ21を介して燃焼用空気量調整ダンパー22の開度を調整して必要な燃焼用空気量を取り込んでいる。なお、前記バーナ燃焼制御器13では、後述する酸素濃度計にて検出する燃焼用空気中の酸素濃度値や燃焼用空気の温度値を参照して燃焼用空気量調整ダンパー22の開度を調整制御して燃焼用空気を取り込み、バーナ燃焼量に必要な酸素量を含む燃焼用空気量をバーナ6に供給し、酸素量の過不足のない適正なバーナ燃焼を維持するようにしている。
【0030】
廃材ドライヤ3は、前記新材ドライヤ2とほぼ同様の構造を採用しており、内周部に多数の掻き上げ羽根(図示せず)を周設した円筒状のドラム23を機台(図示せず)上に回転自在に傾斜支持し、駆動装置(図示せず)にて所定の回転速度で回転させるようにしている。また、ドラム23の一端部には燃焼室24を介してバーナ25を配設し、該バーナ25の火炎を燃焼室24内に形成してドラム23内に熱風を送り込むと共に、ドラム23の他端部の排気ダクト26下流の風量調整ダンパー27の開度調整を行いながら排風機28によって燃焼ガスをほぼ過不足なしに吸引排気する一方、排気ダクト26から分岐したリターンダクト29を燃焼室24の入口側に接続し、風量調整ダンパー30の開度を調整しながら排風機31によって排ガスの一部を燃焼室24に形成されるバーナ火炎の根本付近へ循環供給させて二次燃焼用空気として利用するようにしている。
【0031】
そして、骨材ホッパ(図示せず)から廃材を払い出してベルトコンベヤ32を介して廃材をドラム23内に投入し、ドラム23内を転動流下する間に熱風に晒して廃材を所定温度まで加熱する。また、図3に示すように、燃焼室24の出口側のバーナ火炎の終端付近には燃焼ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度計33を備えている。なお、燃焼室24とバーナ25の連結部は密閉されていて燃焼室24内への外気の侵入がないので、燃焼室24の出口側の燃焼ガス中の酸素濃度を測定することで、バーナ燃焼に要する酸素量の過不足等の燃焼状況を比較的正確に把握することができる。
【0032】
前記バーナ25には、新材ドライヤ2のバーナ燃焼制御器13とほぼ同様のバーナ燃焼制御器34を備えており、入出力部35と、設定記憶部36と、制御部37とを主体に構成している。そして、廃材ドライヤ3のコールドホッパ38出口に備えた骨材温度計39にて検出される加熱廃材温度や、排気ダクト26に備えた排ガス温度計40にて検出される排ガス温度を取り込み、それら各検出値に基づいてコントロールモータ41を介して燃料供給弁42の開度を調整すると共に、コントロールモータ43を介して燃焼用空気量調整ダンパー44の開度を調整してバーナ燃焼量を制御している。
【0033】
また、バーナ燃焼制御器34の設定記憶部36には、燃焼室24内にリターンダクト29から排ガスを二次燃焼用空気として循環供給しながら、バーナ25を完全燃焼させたときの燃焼ガス中の残存酸素の目安濃度を目標酸素濃度値として予め設定しておく。この目標酸素濃度値は、バーナ燃焼量毎に設定しておくと良く、例えば、約7〜9%程度とすると良い。そして、バーナ燃焼制御器34では、酸素濃度計33にて検出される燃焼ガス中の酸素濃度値が前記目標酸素濃度値に維持されるように燃焼用空気量調整ダンパー44の開度を調整制御する構成としており、バーナ25が完全燃焼するのに必要な酸素量を確保して安定燃焼を維持しつつ、リターンダクト29から循環供給される排ガス中の残存酸素を二次燃焼用空気として利用することで燃焼用空気量を極力減じ、燃費の削減と低NOx化が期待できるものとしている。
【0034】
また、前記設定記憶部36には、図5中の二点鎖線で示すように、バーナ燃焼量毎にバーナ25を安定燃焼させるのに最低限必要な下限燃焼用空気量を予め設定している。また、図5中の一点鎖線で示すように、バーナ燃焼量に連動して供給する基準燃焼用空気量(例えば、空気比1.2)が設定されている。そして、バーナ燃焼制御器34では、図5中の横軸のバーナ燃焼量(%)に対し、その垂直線上の交点となる基準燃焼用空気量を上限とし、下限燃焼用空気量を下限とする範囲内で、燃焼用空気量が調整制御される。例えば、バーナ燃焼量(%)がa位置であれば、燃焼用空気量は、基準燃焼用空気量b0から下限燃焼用空気量b1の間にて調整制御されることとなる。
【0035】
また、脱臭炉4には、炉本体45の一端部に炉内温度を所定値に維持するためのバーナ46を配設し、該バーナ46を燃焼させて炉本体45内に熱風を送り込み、炉本体45内部の温度が約800℃程度の高温を維持するように燃焼量を制御し、廃材ドライヤ3からの排ガスを炉本体45内部に1乃至2秒程度留めるようにして排ガス中の臭気成分を加熱分解した後、排気ダクト47より排気して下流の煙突12より大気中へ放出するようにしている。また、炉本体45内に形成されるバーナ火炎の終端付近には燃焼ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度計48を備えている。なお、前記廃材ドライヤ3の場合と同様に、炉本体45とバーナ46との連結部は密閉されていて炉本体45内への外気の侵入がないので、炉本体45内の燃焼ガス中の酸素濃度を測定することで、バーナ燃焼に要する酸素量の過不足等の燃焼状況を比較的正確に把握することができる。
【0036】
前記バーナ46には、図4に示すように、新材ドライヤ2や廃材ドライヤ3とほぼ同様のバーナ燃焼制御器49を備えており、入出力部50と、設定記憶部51と、制御部52とを主体に構成している。そして、脱臭炉4の炉本体45に備えた炉内温度計53にて検出される炉内温度を取り込み、該炉内温度に基づいてコントロールモータ54を介して燃料供給弁55の開度を調整すると共に、コントロールモータ56を介して燃焼用空気量調整ダンパー57の開度を調整してバーナ燃焼量を制御している。
【0037】
また、バーナ燃焼制御器49の設定記憶部51には、炉本体45内に形成されるバーナ火炎の根本付近に廃材ドライヤ3からの排ガスを導入して脱臭処理を行う際、排ガスを二次燃焼用空気として利用しながら、バーナ46を完全燃焼させたときの燃焼ガス中の残存酸素の目安濃度を目標酸素濃度値として予め設定しておく。この目標酸素濃度値についても、廃材ドライヤ3のバーナ燃焼制御器34と同様に、バーナ燃焼量毎に設定しておくと良く、例えば、約7〜9%程度とすると良い。そして、バーナ燃焼制御器49では、酸素濃度計48にて検出される燃焼ガス中の酸素濃度が前記目標酸素濃度値に維持されるように燃焼用空気量調整ダンパー57の開度制御を行う構成としており、バーナ46が完全燃焼するのに必要な酸素量を確保して安定燃焼を維持しつつ、廃材ドライヤ3の排気ダクト26から導入される排ガス中の残存酸素を二次燃焼用空気として利用することで燃焼用空気量を極力減じ、燃費の削減と低NOx化が期待できるものとしている。
【0038】
なお、バーナ燃焼制御器49の設定記憶部51には、前記した廃材ドライヤ3のバーナ燃焼制御器34と同様に、図5中の二点鎖線で示すように、バーナ燃焼量毎にバーナ46を安定燃焼させるのに最低限必要な下限燃焼用空気量を予め設定しておき、供給する燃焼用空気量が下限燃焼用空気量を下回らないように調整制御する。
【0039】
また、図1中の58、59は熱交換器であって、脱臭炉4の排気ダクト47から排気される高温排ガスの保有熱を回収するためのものであり、上流側の熱交換器58は廃材ドライヤ3の排気ダクト26から脱臭炉4に導入される排ガスを昇温させて脱臭炉4のバーナ46の燃費削減を図るものであり、また下流側の熱交換器59は燃焼用空気供給ダクト60を通過する燃焼用空気を予熱して新材ドライヤ2、廃材ドライヤ3、脱臭炉4の各バーナ6、25、46に供給することで各バーナ6、25、46の燃費削減を図るものである。
【0040】
前記燃焼用空気供給ダクト60には、外気取り込み量を調整する外気量調整ダンパー61と、燃焼用空気供給用の送風機62とを備えている一方、脱臭炉4の排気ダクト47を途中で分岐した循環ダクト63の他端部を前記送風機62の上流の燃焼用空気供給ダクト60に連結している。また、循環ダクト63との合流部よりも下流側における燃焼用空気供給ダクト60内の酸素濃度を検出する酸素濃度計64を備えている。
【0041】
前記外気量調整ダンパー61の開度制御を行う外気量調整ダンパー開度制御器65は、各種の検出値や制御信号を入出力する入出力部66と、制御用の各種設定値を登録する設定記憶部67と、これら各種の検出値や設定値等を基に各種制御を実行する制御部68とを主体に構成している。そして、前記設定記憶部67には、各バーナ6、25、46にて適正なバーナ燃焼を維持するために必要な酸素濃度である目標酸素濃度値(例えば、16〜20%程度、好ましくは18〜19%程度)を予め設定しておき、該目標酸素濃度値と前記酸素濃度計64にて検出される燃焼用空気供給ダクト60内の酸素濃度値との差値量に基づいて外気量調整ダンパー61の開度をコントロールモータ69を介して調整し、高温排ガスに対して外気を所定量混入させ、各バーナ6、25、46の燃焼用空気として適した酸素濃度値に調整するようにしている。
【0042】
また、前記燃焼用空気供給ダクト60にはダクト内部の静圧を検出する静圧計70を備えていると共に、前記送風機62の送風量を制御する送風量制御器71を備えている。前記送風量制御器71は、各種の検出値や制御信号を入出力する入出力部72と、制御用の各種設定値を登録する設定記憶部73と、これら各種の検出値や設定値等を基に各種制御を実行する制御部74とを主体に構成している。そして、前記設定記憶部73には、燃焼用空気を供給する各バーナ6、25、46の燃焼量の変動に伴って必要とされる燃焼用空気量に変動が生じても、各バーナ6、25、46へそれぞれの燃焼量に応じた燃焼用空気を即座にかつ不足なく安定供給可能な程度の圧力値である目標静圧値を予め設定しておき、該目標静圧値と前記静圧計70にて検出される燃焼用空気供給ダクト60内の静圧値との差値量に基づいて送風機62の回転数をインバータ75を介して調整し、燃焼用空気供給ダクト60を圧力溜めとして各バーナ6、25、46に対して常に一定の静圧が掛かった状態で維持されるようにしている。
【0043】
そして、上記構成のアスファルト混合物製造装置1の新材ドライヤ2と廃材ドライヤ3を同時に運転してバーナ制御を行うときには、送風機62を駆動して脱臭炉4から排気される高温排ガスの一部を循環ダクト63を介して燃焼用空気供給ダクト60に導入し、酸素濃度計64にて逐次検出する酸素濃度値を外気量調整ダンパー開度制御器65に取り込み、予め設定した目標酸素濃度値と比較して、その差値量に基づいて外気量調整ダンパー61の開度の調整制御を行って所定量の外気を混入し、バーナ燃焼に適した燃焼用空気、例えば16〜20%程度、好ましくは18〜19%程度の酸素濃度に調整する。
【0044】
また、静圧計70にて逐次検出する燃焼用空気供給ダクト60内の静圧値を送風量制御器71に取り込み、予め設定した目標静圧値と比較して、その差値量に基づいて送風機62の回転数制御を行い、燃焼用空気供給ダクト60内の静圧を目標静圧値とする。これによって、燃焼用空気供給ダクト60が圧力溜めとなり、複数のバーナ6、25、46に対して燃焼用空気を供給可能な状態とする。
【0045】
そして、新材ドライヤ2では、バーナ燃焼制御器13によって、骨材温度計18にて検出される加熱骨材温度に基づいてコントロールモータ19を介して燃料供給弁20の開度を調整制御すると同時に、コントロールモータ21を介して燃焼用空気量調整ダンパー22の開度を調整制御し、燃焼用空気供給ダクト60を介して必要な燃焼用空気量を取り込む。このとき、バーナ燃焼制御器13では、燃焼用空気中の酸素濃度や燃焼用空気の温度を参照し、取り込む燃焼用空気量を調整し、バーナ燃焼量に必要な酸素量を含む燃焼用空気量をバーナ6に供給し、酸素量の過不足のないバーナ燃焼を行う。
【0046】
また、廃材ドライヤ3では、バーナ燃焼制御器34には、燃焼室24内でバーナ25を完全燃焼させたときの燃焼ガス中の残存酸素の目安濃度を目標酸素濃度値として予め設定すると共に、バーナ25を安定燃焼させるのに最低限必要な下限燃焼用空気量を燃焼量毎に予め設定しておく。そして、バーナ燃焼制御器34によって、骨材温度計39にて検出される加熱廃材温度、及び排ガス温度計40にて検出される排ガス温度に基づいてコントロールモータ41を介して燃料供給弁42の開度制御を行うと共に、燃焼用空気中の酸素濃度値や燃焼用空気の温度を参照しながら、コントロールモータ43を介して燃焼用空気量調整ダンパー44の開度制御を行い、燃焼用空気供給ダクト60を介して必要な燃焼用空気量を取り込んでバーナ燃焼を行う。このとき、リターンダクト29から循環される排ガス中の残存酸素の一部が二次燃焼用空気として消費されるため、酸素濃度計33にて検出される燃焼ガス中の酸素濃度値が前記目標酸素濃度値に維持されるように燃焼用空気量調整ダンパー44の開度を調整し、燃焼用空気を余分に供給しないようにしてバーナ燃焼を行う。なお、燃焼用空気量を絞る方向に調整するとき、予め設定した下限燃焼用空気量に到達すると、それ以上に送風量を絞らずに下限送風量を維持するように制御し、バーナ燃焼が不安定にならないようにする。
【0047】
また、脱臭炉4では、バーナ燃焼制御器49には、炉本体45内でバーナ46を完全燃焼させたときの燃焼ガス中の残存酸素の目安濃度を目標酸素濃度値として予め設定しておくと共に、バーナ46を安定燃焼させるのに最低限必要な下限燃焼用空気量を燃焼量毎に予め設定しておく。そして、バーナ燃焼制御器49によって、炉内温度計53にて検出される炉内温度に基づいてコントロールモータ54を介して燃料供給弁55の開度制御を行うと共に、コントロールモータ56を介して燃焼用空気中の酸素濃度値や燃焼空気の温度を参照しながら、燃焼用空気量調整ダンパー57の開度制御を行い、燃焼用空気供給ダクト60を介して必要な燃焼用空気量を取り込む。このとき、排気ダクト26から導入される排ガス中の残存酸素が二次燃焼用空気として消費されるため、酸素濃度計48にて検出される燃焼ガス中の酸素濃度値が前記目標酸素濃度値に維持されるように燃焼用空気量調整ダンパー57の開度を調整し、燃焼用空気を余分に供給しないようにしてバーナ燃焼を行う。なお、燃焼用空気量を絞る方向に調整するとき、予め設定した下限燃焼用空気量に到達すると、それ以上に送風量を絞らずに下限送風量を維持するように制御する。
【0048】
このように、脱臭炉4の排ガスの一部を燃焼用空気供給ダクト60へと循環させ、外気を混入して燃焼用空気として使用できる酸素濃度に調整し、この調整した排ガスを燃焼用空気供給ダクト60を介して新材ドライヤ2、廃材ドライヤ3、及び脱臭炉4の各バーナ6、25、46に燃焼用空気として供給するようにしたので、排ガス保有熱の有効利用による燃費の向上と、排ガス量の削減等が図れる。更には低酸素濃度の燃焼用空気の使用によって、バーナ燃焼時のサーマルNOxの生成量を抑制できて低NOx化も期待できる。
【0049】
なお、本実施例においては、脱臭炉4の排ガスを燃焼用空気として、新材ドライヤ2、廃材ドライヤ3、及び脱臭炉4の全てのバーナ6、25、46へ供給するようにしているが、何れか一つのバーナに燃焼用空気供給ダクト60を連結して燃焼用空気を供給するようにしても良く、また、少なくとも二つ以上のバーナに焼用空気供給ダクト60を連結して燃焼用空気を供給する場合には、燃焼用空気供給ダクト60内の静圧を所定値に維持して燃焼用空気供給ダクト60を圧力溜めとし、各バーナが要する燃焼用空気量の変動に対し即座に不足なく供給できるようにすると良い。
【0050】
また、本実施例では、廃材ドライヤ3、及び脱臭炉4のバーナ燃焼制御では、排ガス中の残存酸素が二次燃焼用空気として消費されることを前提とし、バーナ25、46の火炎終端付近にて検出される酸素濃度値が完全燃焼の目安濃度となる目標酸素濃度値を維持するように燃焼用空気量調整ダンパー44、57の開度制御を行うようにしたが、何らこの制御に限定するものではなく、排ガス中の残存酸素が二次燃焼用空気として消費されることを考慮せずに、バーナ燃焼量に対して必要な酸素量を含む燃焼用空気量を供給するように燃焼用空気量調整ダンパー44、57の開度制御を行うようにしても良いことは勿論である。
【0051】
また、本実施例では、脱臭炉4から排気される排ガスを循環ダクト63を介して各バーナ6、25、46へ循環供給させるようにしているが、もし新材ドライヤ2のバーナ6へ循環供給することによって燃焼用空気量が不足するようであれば、例えば、新材ドライヤ2から排気される排ガスを脱臭炉4の排ガスに合流させ、その合流させた排ガスを循環供給させるようにすると良い。
【符号の説明】
【0052】
1…アスファルト混合物製造装置 2…新材ドライヤ
3…廃材ドライヤ 4…脱臭炉
6、25、46…バーナ 7、26、47…排気ダクト
60…燃焼用空気供給ダクト 61…外気量調整ダンパー
62…送風機 63…循環ダクト
64…酸素濃度計 65…外気量調整ダンパー開度制御器
70…静圧計 71…送風量制御器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
新材を加熱するバーナを有した新材ドライヤと、廃材を加熱再生するバーナを有した廃材ドライヤと、該廃材ドライヤの排ガス中の臭気成分を加熱分解するバーナを有した脱臭炉とを備えたアスファルト混合物製造装置において、前記新材ドライヤ、廃材ドライヤ、及び脱臭炉の各バーナのうち、少なくとも何れか一つのバーナに燃焼用空気を供給する燃焼用空気供給ダクトを配設し、該燃焼用空気供給ダクトには燃焼用空気供給用の送風機を介在させ、該送風機上流の燃焼用空気供給ダクトには前記脱臭炉の排気ダクトを途中で分岐して高温排ガスの一部を燃焼用空気として循環させる循環ダクトを連結すると共に、外気取り込み量を調整する外気量調整ダンパーを配設する一方、前記循環ダクトとの合流部よりも下流側における燃焼用空気供給ダクト内の酸素濃度を検出する酸素濃度計を備え、該酸素濃度計にて検出される燃焼用空気供給ダクト内の酸素濃度値と予め設定した目標酸素濃度値との差値量に基づいて前記外気量調整ダンパーの開度を制御する外気量調整ダンパー開度制御器を備えて前記バーナへ供給する燃焼用空気中の酸素濃度を調整するように構成したことを特徴とするアスファルト混合物製造装置。
【請求項2】
前記燃焼用空気供給ダクト内の静圧を検出する静圧計を備え、該静圧計にて検出される燃焼用空気供給ダクト内の静圧値と予め設定した目標静圧値との差値量に基づいて前記送風機の送風量を制御する送風量制御器を備え、前記バーナが要する燃焼用空気量の変動に対し即座に不足なく供給可能な静圧値を維持させるように構成したことを特徴とする請求項1記載のアスファルト混合物製造装置。
【請求項3】
前記廃材ドライヤの排ガスリターンダクトを接続した燃焼室の出口及び/または廃材ドライヤの排気ダクトを接続した脱臭炉の炉本体のバーナ火炎の終端付近には燃焼ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度計を備え、各バーナ燃焼制御器には、バーナを完全燃焼させたときの燃焼ガス中の残存酸素の目安濃度を目標酸素濃度値として予め設定しておき、前記酸素濃度計にて検出される燃焼ガス中の酸素濃度値が前記目標酸素濃度値に維持されるように燃焼用空気量を調整して燃焼用空気を余分に供給しない構成としたことを特徴とする請求項1または2記載のアスファルト混合物製造装置。
【請求項4】
前記バーナ燃焼制御器には、バーナを安定燃焼させるのに最低限必要な下限燃焼用空気量を燃焼量毎に設定しておき、供給する燃焼用空気量が下限燃焼用空気量を下回らないように制御する構成としたことを特徴とする請求項3記載のアスファルト混合物製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−104257(P2013−104257A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250202(P2011−250202)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000226482)日工株式会社 (177)
【Fターム(参考)】