アスファルト用の添加物、アスファルト乳剤、及びアスファルト混合物の製造方法
【課題】 耐流動性、耐磨耗性などの必要特性をさらに改良させるようにしたアスファルト用の添加物と、アスファルト乳剤と、添加物を使用したアスファルト混合物の製造方法を提供する。
【解決手段】 鉱油を基礎にしたベースオイルAと、植物油を基礎にした付加オイルBと、熱可塑性エラストマーCと、オレフィン系樹脂Dと、を含む添加物であって、該添加物は、その全重量に対してベースオイルAを60〜80重量部、付加オイルBを2〜12重量部、熱可塑性エラストマーCを2〜10重量部、オレフィン系樹脂Dを2〜10重量部含有し、当該添加物を加熱下のストレートアスファルト7に投入して用いることを特徴とする。
【解決手段】 鉱油を基礎にしたベースオイルAと、植物油を基礎にした付加オイルBと、熱可塑性エラストマーCと、オレフィン系樹脂Dと、を含む添加物であって、該添加物は、その全重量に対してベースオイルAを60〜80重量部、付加オイルBを2〜12重量部、熱可塑性エラストマーCを2〜10重量部、オレフィン系樹脂Dを2〜10重量部含有し、当該添加物を加熱下のストレートアスファルト7に投入して用いることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物油などを含むアスファルト用の添加物、アスファルト乳剤、及び添加物を使用したアスファルト混合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
道路の舗装に使用されるアスファルトは、砕石、砂及び石粉などの骨材と混合され、加熱下の柔らかい状態で路上に敷き詰められてアスファルト道路を形成する。
アスファルト舗装は、車両走行によって、磨耗等の劣化が早期に生じるため、アスファルト中に補強材又は改質剤を混合して、アスファルトの機械的強度及び耐久性の向上を図っている。
【0003】
例えば特許文献1には、ポリオレフィン系の強化繊維をアスファルトに混合して、耐久性、可撓性及び剪断耐性を向上させる舗装用組成物が開示されているも、この技術では、アスファルト中で強化繊維が均一に分散せず、舗装されたアスファルトの機械的強度が均一にならない。これはポリオレフィン系繊維が静電気等により帯電して繊維間で互いに引きつけ合うため、アスファルト中で分散せずにポリオレフィン系繊維に塊ができた状態で固化するため、舗装されたアスファルト中で強化繊維の濃度が不均一となり、交通量の多い道路や高温等の悪条件下では、アスファルトの流動化、磨耗及びクラックが発生する。
【0004】
そして、本発明者は、アスファルト中での繊維の均一分散を可能にして、耐流動性、耐磨耗性などの必要特性のバランスがとりやすいアスファルト用添加物を提案した(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−98165号公報
【特許文献2】特開2009−29839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
その後、さらに本発明者は鋭意研究を重ねた結果、アスファルト混合物には、植物油が有益であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
そこで、本発明は耐流動性、耐磨耗性などの必要特性をさらに改良させるようにしたアスファルト用の添加物と、アスファルト乳剤と、その添加物を使用したアスファルト混合物の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のアスファルト用の添加物は、鉱油を基礎にしたベースオイルと、植物油を基礎にした付加オイルと、熱可塑性エラストマーと、オレフィン系樹脂と、を含む添加物であって、該添加物は、その全重量に対して前記ベースオイルを60〜80重量部、前記付加オイルを2〜12重量部、前記熱可塑性エラストマーを2〜10重量部、前記オレフィン系樹脂を2〜10重量部含有し、当該添加物を加熱下のストレートアスファルトに投入して用いることを特徴とする。
【0008】
上記構成とすることで、ベースオイルの含有率によって、ストレートアスファルトとの相溶性または親和性が向上し、含有率が60重量部未満では、ストレートアスファルトとの親和性が必ずしも十分に向上せず、80重量部を超えると他の成分(付加オイル、熱可塑性エラストマーと、オレフィン系樹脂)の含有率が少なくなり、全体の特性のバランスがとりにくくなる。また、付加オイルの含有率によって、骨材とストレートアスファルトの接着性が上がりアスファルト混合物をしようしたアスファルト舗装の耐磨耗性や動的安定度(DS)の向上ができ、含有率が2重量部未満では、強度がなくなる問題が生じやすくなり、12重量部を超えると他の成分の含有率が少なくなる問題が生じる。また、熱可塑性エラストマーの含有率によって、耐低温性の向上ができ、含有率が2重量部未満では、低温において硬くなりやすくなり、10重量部を超えると他の成分の含有率が少なくなる問題が生じる。一方、オレフィン系樹脂の含有率によって、耐磨耗性の向上ができ、含有率が2重量部未満では耐磨耗性が必ずしも十分に向上しない。10重量部を超えると、他の成分の含有率が少なくなりやすい。
【0009】
また、本発明のアスファルト用の添加物は、疎水化処理された短繊維からなる繊維物に、添加物を含浸させて含浸混合物とし、この含浸混合物は、該含浸混合物の全重量に対して、添加物が60〜85重量部、繊維物が15〜40重量部とされる配合であることを特徴とすることにより、上記と同様な効果に加え、短繊維は、植物繊維からなるので、植物繊維はセルロースを含み、該セルロースは水酸基を多く含み、分子間で互いに水素結合して凝集することが多いも、疎水化と添加材の含浸によって繊維間の滑りがさらによくなり、塊になり難く分散性が良好であるため、短繊維の濃度が均一となり、耐流動性、耐摩耗性及び耐クラック性の向上を図ることができる。また、添加物の含有率によって、ストレートアスファルトとの相溶性または親和性が向上し、含有率が60重量部未満では、ストレートアスファルトとの親和性が必ずしも十分に向上せず、85重量部を超えると他の成分(付加オイル、熱可塑性エラストマーと、オレフィン系樹脂)の含有率が少なくなり、全体の特性のバランスがとりにくくなる。また、繊維物の含有率によって、耐低温性の向上ができ、含有率が20重量部未満では、耐磨耗性が必ずしも十分に向上しなく、40重量部を超えると他の成分の含有率が少なくなる問題が生じる。
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のアスファルト用の添加物は、含浸混合物を合成樹脂製の包装袋内に収容し、該包装袋を加熱下のストレートアスファルトに投入して用いるようしたことを特徴とすることにより、上記と同様な効果に加え、アスファルト混合物の製造時における材料投入時には、包装袋から含浸混合物を取出す必要がないため取り扱いが容易、かつ含浸混合物が投入作業中に飛散しないため作業環境が良好であり、保管時には吸湿が抑えられるため保存期間を長くでき、繊維物に含浸した添加材の外部への漏れを防止できる。また、含浸混合物は繊維間での滑りがよく塊になり難く分散性が良好であるため、繊維物の濃度が均一となり、耐流動性、耐摩耗性及び耐クラック性の向上を図ることができる。
【0011】
上記課題を解決するために、本発明のアスファルト用の添加物は、包装袋の厚みを、0.03〜0.06mmとなしたので、上記と同様な効果に加え、この厚みによって内容物の品質低下が防止され、かつアスファルト混合物の製造時、包装袋の溶けが良好であるため、繊維物の分散性が損なわれない。包装袋の厚みが0.03mm未満では、含浸した添加材が包装袋から滲み出てしまい、0.06mmを越えると包装袋が混合時に溶け難くなり、アスファルトへの繊維状物の分散性が悪化するので、上記範囲が望ましいと言える。
【0012】
上記課題を解決するために、アスファルト用の添加物をストレートアスファルトと混合させて乳剤となしたことを特徴とすることにより、このアスファルト乳剤によってタックコートであれば、表層アスファルトと基層アスファルトとの接着性が向上され、表層滑りを防止するように強固に結合され、安定した舗装が得られる。また、これをさらに水で希釈したアスファルト乳剤とすれば、簡単な散布式表面処理工法にも適用でき、小さいヒビ割れや表面の空隙を充填し、老化したアスファルト舗装の路面を若返らせるなどの効果を発揮する。また、本発明のアスファルト混合物の製造方法は、骨材と、ストレートアスファルトとが混合されたアスファルト混合物の製造方法において、骨材と、ストレートアスファルトとを150〜180℃で混合した後に、アスファルト用の添加物を添加し、さらに5〜60秒混合するが、180℃を超えると添加材と、ストレートアスファルトとが混ざりすぎ、必ずしも2層構造とならないため、加熱温度は180℃以下が望ましい。また、150℃未満では必ずしも十分に混合しないので150℃以上が望ましい。一方、アスファルト用の添加物を添加した後の混合時間が5〜60秒であるのは、60秒を超えると2層構造となりにくく、5秒未満では必ずしも十分に混合しないため、上記範囲が好ましいと言える。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るアスファルト用の第一の添加物の製造工程を示す図。
【図2】アスファルト用の第二の添加物の製造工程を示す図。
【図3】アスファルト用の第三の添加物の製造工程を示す図。
【図4】第一の添加物によるアスファルト混合物の製造工程を示す図。
【図5】第二の添加物によるアスファルト混合物の製造工程を示す図。
【図6】第三の添加物によるアスファルト混合物の製造工程を示す図。
【図7】第一の添加物を用いたアスファルト混合物を示す図。
【図8】第一の添加物によるアスファルト舗装を示す図。
【図9】第二、又は第三の添加物を用いたアスファルト混合物を示す図。
【図10】第二、又は第三の添加物によるアスファルト舗装を示す図。
【図11】タックコートによるアスファルト舗装を示す図。
【図12】同上他のアスファルト舗装を示す図。
【0014】
以下、本発明の実施の形態につき図面に示す実施例を参照して説明する。図1は本発明に係るアスファルト用の第一の添加物の製造工程を示す図である。図1において、加熱冷却できる攪拌機付き溶解槽M1に原料Aおよび原料Bを規定量投入する。加熱攪拌して、内容物温度が60〜70℃になったところで原料Cの規定量の三分の一程度を投入する。さらに原料Cを加熱攪拌続けながら溶解し、120〜130℃で温度を維持し、原料Cの規定量の残り三分の一程度づつ2回分と原料Dを投入し、溶解する。完全に溶解した後、70〜80℃まで冷却しオープンドラムODに移しとることによってアスファルト用の第一の添加物1が製造される。
【0015】
この例による原料Aとしてのベースオイルは、潤滑油に使用される鉱油を基礎とするものであり、このベースオイルは、第一の添加物1の全重量に対して、60〜80重量部含有させている。好適には65〜75重量部とするのがよい。このベースオイルについては、特に制限はなく、例えば、ISO・VG10〜ISO・VG460の精製鉱油が好ましく、パラフィン系、ナフテン系の何れでもよい。
【0016】
また、原料Bとしての付加オイルは植物油を基礎とするものであり、ストレートアスファルトと原料Cと原料Dを均一混合し易くし、アスファルトを可塑化するためのものであり、この植物油は、第一の添加物1の全重量に対して、2〜12重量部含有させている。好適には4〜10重量部とするのがよい。この植物油としては、例えば、大豆油、トウゴマ油、桐油、亜麻仁(亜麻子)油、オリーブ油、ひまわり油、菜種油、ゴマ油、べにばな油、ココヤシ油、コーン油、綿実油、パーム油およびグランドナッツ油などが挙げられる。
【0017】
また、原料Cとしての熱可塑性エラストマーは、アスファルトの強度を向上させるためのものであり、第一の添加物1の全重量に対して、2〜10重量部含有させている。好適には4〜8重量部とするのがよい。この熱可塑性エラストマーは、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)が挙げられ、特に、スチレンとブタジエンの重量比が、スチレン1重量部に対してブタジエンが1.6〜3.0重量部が好ましい。
【0018】
また、原料Dとしてのオレフィン系樹脂は、アスファルトと骨材の接着性を強くするためのものであり、第一の添加物1の全重量に対して、2〜10重量部含有させている。好適には4〜8重量部とするのがよい。このオレフィン系樹脂は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。その一例であるポリプロピレンの平均分子量は、ストレートアスファルトとの相溶性または親和性の向上の点から、1000〜10000であることが好ましい。より好ましくは1000〜8000であり、さらに好ましくは2000〜5000である。
【0019】
そして、この第一の添加物1によるアスファルト混合物を製造するには、図4に示すように、骨材6と、ストレートアスファルト7とをミキサーM2に投入して150〜180℃で混合した後に、第一の添加物1を投入し、さらに5〜60秒混合する。その後、図8に示すように、アスファルト混合物を舗装してアスファルト道路Rを形成する。この骨材6の全重量に対してストレートアスファルト7が例えば6.5〜8.5重量部、第一の添加物1が例えば0.2〜0.6重量部の配合で添加される。このアスファルト混合物は、図7に示すように、骨材6の表面がストレートアスファルト7に覆われ、さらに第一の添加物1の被膜で覆われる形態となる。
【0020】
この結果、骨材6の表面を、第一の添加物1の薄膜が保護し、かつ骨材6とストレートアスファルト7との境界個所に介在して機械的補強材として機能するため、耐磨耗性や耐久性などの諸特性をバランスよく向上させることができる。また、骨材6の粒度分布が後述(表2参照)のようにされているので、強度、空隙率、表面粗さが優れている。骨材6の全重量に対してストレートアスファルト7が6.5重量部未満では接着強度が低く、8.5重量部を超えるとコストアップになりやすい。また、第一の添加物1が0.2重量部未満では耐低温性や耐劣化性などの諸特性を必ずしも十分に向上できず、0.6重量部を超えるとコストアップになりやすい。一方、上記ストレートアスファルト7の針入れ度は60/80または80/100であることが好ましい。
【0021】
骨材6は砕石、スクリーニングス、粗砂、石粉からなる。骨材6の全重量に対して、砕石が22〜42重量部、スクリーニングスが18〜38重量部、粗砂が24〜44重量部、石粉が2〜10重量部の組成とされている。
【0022】
このアスファルト混合物の製造方法では、例えば150〜180℃程度の高温で混合するが、その理由は、180℃を超えると第一の添加物1と、ストレートアスファルト7とが混ざりすぎ、必ずしも2層構造とならないためである。また、150℃未満では必ずしも十分に混合しない。一方、第一の添加物1を添加した後の混合時間が5〜60秒であるのは、60秒を超えると2層構造となりにくく、5秒未満では必ずしも十分に混合しないためである。より望ましい混合時間は5〜50秒であり、さらに望ましくは10〜30秒である。
【0023】
次に、本発明の他の実施形態としては、上述の原料A、原料B、原料C、原料Dを配合したアスファルト用の第一の添加物1を、原料Eである繊維物3に含浸させるようにした含浸混合物4を、アスファルト用の第二の添加物1aとすることもできる。
【0024】
この第二の添加物1aに使用する原料Eとしての繊維物3は、疎水化処理される短繊維3aであり、主成分がセルロースによって構成される樹木、作物などから得られる繊維や、古紙、食品廃棄物から得られる再生繊維が挙げられる。短繊維3aの一般性状は、一例としてαセルロース含有量が約80%、灰分量が10%以下、水分量が7%以下、酸性度(pH)が6〜8、かさ密度が32g/Lであり、最長繊維長が約5mm、平均繊維長が約1.1mmのものが挙げられる。また、ストレートアスファルト7の全重量部に対して繊維物3を0.05〜5.0重量部混合する。好ましくは0.1〜1.0重量部である。0.05重量部未満であると、セルロースの含有量が少なすぎて、舗装されたアスファルトの耐流動性、耐摩耗性の効果が得られない。5.0重量部を超えても前記効果は変わらない。また、繊維物3の疎水化は、シリコン樹脂、フッソ樹脂系の撥水剤などを用いて処理している。
【0025】
この第二の添加物1aによるアスファルト混合物を製造するには、図5に示すように、骨材6と、ストレートアスファルト7とをミキサーM2に投入して150〜180℃で混合した後に、第二の添加物1aを投入し、さらに5〜60秒混合する。その後、図10に示すように、アスファルト混合物を舗装してアスファルト道路Rを形成する。この骨材6の全重量に対してストレートアスファルト7が例えば6.5〜8.5重量部、第二の添加物1aが例えば0.2〜0.6重量部の配合で添加される。このアスファルト混合物は、図9に示すように、骨材6の表面がストレートアスファルト7に覆われ、さらに短繊維3aが均一分散された第二の添加物1aの被膜で覆われる形態となる。
【0026】
この結果、ストレートアスファルト7の表面を、短繊維3aが分散した第二の添加物1aの薄膜が保護し、かつ短繊維3aが骨材6とストレートアスファルト7との境界個所や、ストレートアスファルト7と第二の添加物1aとの境界個所に介在して機械的補強材として機能するため、耐磨耗性や耐久性などの諸特性をバランスよく向上させることができる。また、骨材6の粒度分布が後述(表2参照)のようにされているので、強度、空隙率、表面粗さが優れている。骨材6の全重量に対してストレートアスファルト7が6.5重量部未満では接着強度が低く、8.5重量部を超えるとコストアップになりやすい。また、第二の添加物1aが0.2重量部未満では耐低温性や耐劣化性などの諸特性を必ずしも十分に向上できず、0.6重量部を超えるとコストアップになりやすい。一方、上記ストレートアスファルト7の針入れ度は60/80または80/100であることが好ましい。
【0027】
この例の骨材6は砕石、スクリーニングス、粗砂、石粉からなる。骨材6の全重量に対して、砕石が22〜42重量部、スクリーニングスが18〜38重量部、粗砂が24〜44重量部、石粉が2〜10重量部の組成とされている。
【0028】
このアスファルト混合物の製造方法では、例えば150〜180℃程度の高温で混合するが、その理由は、180℃を超えると第二の添加物1aと、ストレートアスファルト7とが混ざりすぎ、必ずしも2層構造とならないためである。また、150℃未満では必ずしも十分に混合しない。一方、第二の添加物1aを添加した後の混合時間が5〜60秒であるのは、60秒を超えると2層構造となりにくく、5秒未満では必ずしも十分に混合しないためである。より望ましい混合時間は5〜50秒であり、さらに望ましくは10〜30秒である。
【0029】
次に、本発明の他の実施形態としては、上述の原料A、原料B、原料C、原料D、原料Eを配合した第二の添加物1aを合成樹脂製の包装袋5内に収容し、この包装袋を加熱下のストレートアスファルト7に投入して用いる第三の添加物1bとすることもできる。
【0030】
この第三の添加物1bに用いる合成樹脂製の包装袋5は、一例として塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどが挙げられ、その厚みを0.03〜0.06mmとなしている。この厚みによって内容物の品質低下が防止され、かつアスファルト混合物の製造時、包装袋5の溶けが良好であるため、繊維物3における短繊維3aの分散性が損なわれない。包装袋5の厚みが0.03mm未満では、含浸させた含浸混合物4である第二の添加物1aが包装袋5から滲み出てしまい、0.06mmを越えると包装袋5が混合時に溶け難くなり、アスファルトへの短繊維3の分散性が悪化する。
【0031】
この第三の添加物1bによるアスファルト混合物を製造するには、図6に示すように、骨材6と、ストレートアスファルト7とをミキサーM2に投入して150〜180℃で混合した後に、第三の添加物1bを投入し、さらに5〜60秒混合する。その後、図10に示すように、アスファルト混合物を舗装してアスファルト道路Rを形成する。この骨材6の全重量に対してストレートアスファルト7が例えば6.5〜8.5重量部、第三の添加物1bが例えば0.2〜0.6重量部の配合で添加される。このアスファルト混合物は、図9に示すように、骨材6の表面がストレートアスファルト7に覆われ、さらに短繊維3aが均一分散された第三の添加物1bの被膜で覆われる形態となる。
【0032】
この結果、ストレートアスファルト7の表面を、短繊維3aが分散した第三の添加物1bの薄膜が保護し、かつ短繊維3aが骨材6とストレートアスファルト7との境界個所や、ストレートアスファルト7と第三の添加物1bとの境界個所に介在して機械的補強材として機能するため、耐磨耗性や耐久性などの諸特性をバランスよく向上させることができる。また、骨材6の粒度分布が後述(表2参照)のようにされているので、強度、空隙率、表面粗さが優れている。骨材6の全重量に対してストレートアスファルト7が6.5重量部未満では接着強度が低く、8.5重量部を超えるとコストアップになりやすい。また、第三の添加物1bが0.2重量部未満では耐低温性や耐劣化性などの諸特性を必ずしも十分に向上できず、0.6重量部を超えるとコストアップになりやすい。一方、上記ストレートアスファルト7の針入れ度は60/80または80/100であることが好ましい。
【0033】
この例の骨材6は砕石、スクリーニングス、粗砂、石粉からなる。骨材6の全重量に対して、砕石が22〜42重量部、スクリーニングスが18〜38重量部、粗砂が24〜44重量部、石粉が2〜10重量部の組成とされている。
【0034】
このアスファルト混合物の製造方法では、例えば150〜180℃程度の高温で混合するが、その理由は、180℃を超えると第三の添加物1bと、ストレートアスファルト7とが混ざりすぎ、必ずしも2層構造とならないためである。また、150℃未満では必ずしも十分に混合しない。一方、第三の添加物1bを添加した後の混合時間が5〜60秒であるのは、60秒を超えると2層構造となりにくく、5秒未満では必ずしも十分に混合しないためである。より望ましい混合時間は5〜50秒であり、さらに望ましくは10〜30秒である。
【実施例】
【0035】
以下、本発明の効果を確認するために行った実験について説明する。
まず、アスファルト用のそれぞれの第一の添加物1、第二の添加物1a、第三の添加物1bを得るために、ナフテン系オイル、熱可塑性エラストマー、ポリプロピレンを下記表1のように配合した。
【0036】
【表1】
【0037】
表1中の成分は、以下のものを用いた。
ナフテン系オイル:三興石油社製、レピアスオイル。
大豆油:日清オイリオグループ社製、三菱食油(食用油)。
SBS:スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、旭化成株式会社製、アサプレンT437、スチレン/ブタジエン比 30/70。
ポリプロピレン:三洋化成工業株式会社製、ビスコール660。
【0038】
また、第二の添加物1aを得るために、第一の添加物1を繊維物3の短繊維3aに含浸させて含浸混合物4となした。また、第三の添加物1bを得るために、第二の添加物1aを、厚みを0.05mmの塩化ビニル製の包装袋5内に収容した。
【0039】
繊維物3は、「商品名:トップセル、株式会社エムアイテック製」を使用した。また、第二の添加物1aは、当該第二の添加物1aの全重量に対して、第一の添加物1が75重量部、繊維物3が25重量部とされる配合にした。また、第三の添加物1bは、当該第三の添加物1bの全重量に対して、第一の添加物1が75重量部、繊維物3が25重量部、包装袋5が0.001重量部とされる配合にした。
【0040】
7号砕石、スクリーニングス、粗砂からなる骨材6を150℃において混合した後、針入れ度が60/80のストレートアスファルト7を添加して、骨材6の表面がストレートアスファルト7の薄膜で覆われている混合物を得た。その混合物にそれぞれの第一の添加物1、第二の添加物1a、第三の添加物1bを投入して添加した後、20秒攪拌した。このようにして、本発明に属する第一の添加物1、第二の添加物1a、第三の添加物1bのそれぞれを使用したアスファルト混合物のサンプルを作成した。
【0041】
また、各成分の配合割合として、7号砕石(岐阜県多治見市 日章産業製)が32重量部、スクリーニングス(岐阜県多治見市 日章産業製)が25重量部、粗砂(岐阜県中津川市 恵那峡サンド製)が34重量部、石粉(岐阜県武儀郡 尾花屋産業製)が6重量部、ストレートアスファルト60/80(昭和シェル石油製)が7.5重量部、アスファルト用の第一の添加物1、第二の添加物1a、第三の添加物1bのそれぞれが0.4重量部とされる配合にした。なお、骨材6の粒度および加算通過百分率は表2の通りであった。
【0042】
【表2】
【0043】
アスファルト混合物の物性として表3、表4、表5に示す。表3のものは第一の添加物1によるものであり、表4のものは、第二の添加物1aによるものであり、表5のものは、第三の添加物1bによるものであり、このように、アスファルトに求められる諸特性が優れ、高度にバランスがとれていることが確認できた。これらの物性の中でも特に、わだち掘れのしにくさを評価するホイールトラッキング試験に示す動的安定度(DS)が大きいことが分かる。
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
また、上記実施の形態にあっては、第一の添加物1から第三の添加物1bにより、アスファルト混合物(アスファルト合材)を製造するものであるも、他の実施の形態としては、図11に示すように、アスファルト混合物によって舗装される表層アスファルトSAと基層アスファルトBAとの間の介装するためのタックコートTCとして好適に用いることができる。このタックコ―トTCの一例としては、ストレートアスファルトが50重量部、水が50重量部とする全重量部に対して、第一の添加物1〜第三の添加物1bから選択された一種の添加物が1〜2重量部配合されるアスファルト乳剤である。このようにすると、表層アスファルトSAと基層アスファルトBAとの接着性が向上され、表層滑りを防止するように強固に結合され、安定した舗装が得られる。
【0048】
また、このタックコ―トTCは通常、0.4L/m2で散布されるものであるも、これをさらに水で希釈したアスファルト乳剤として、図12に示すようにアスファルト舗装R表面上に0.5〜0.9L/m2散布するだけの簡単な散布式表面処理工法にも適用できる。このようにすると、小さいヒビ割れや表面の空隙を充填し、老化したアスファルト舗装の路面を若返らせるなどの効果を発揮する。この場合、骨材の散布はなく、乳剤単体の撒きっぱなしである。
【符号の説明】
【0049】
1 第一の添加物
1a 第二の添加物
1b 第三の添加物
3a 短繊維
3 繊維物(原料E)
4 含浸混合物
5 包装袋
6 骨材
7 ストレートアスファルト
A 原料(ベースオイル)
B 原料(付加オイル)
C 原料(熱可塑性エラストマー)
D 原料(オレフィン系樹脂)
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物油などを含むアスファルト用の添加物、アスファルト乳剤、及び添加物を使用したアスファルト混合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
道路の舗装に使用されるアスファルトは、砕石、砂及び石粉などの骨材と混合され、加熱下の柔らかい状態で路上に敷き詰められてアスファルト道路を形成する。
アスファルト舗装は、車両走行によって、磨耗等の劣化が早期に生じるため、アスファルト中に補強材又は改質剤を混合して、アスファルトの機械的強度及び耐久性の向上を図っている。
【0003】
例えば特許文献1には、ポリオレフィン系の強化繊維をアスファルトに混合して、耐久性、可撓性及び剪断耐性を向上させる舗装用組成物が開示されているも、この技術では、アスファルト中で強化繊維が均一に分散せず、舗装されたアスファルトの機械的強度が均一にならない。これはポリオレフィン系繊維が静電気等により帯電して繊維間で互いに引きつけ合うため、アスファルト中で分散せずにポリオレフィン系繊維に塊ができた状態で固化するため、舗装されたアスファルト中で強化繊維の濃度が不均一となり、交通量の多い道路や高温等の悪条件下では、アスファルトの流動化、磨耗及びクラックが発生する。
【0004】
そして、本発明者は、アスファルト中での繊維の均一分散を可能にして、耐流動性、耐磨耗性などの必要特性のバランスがとりやすいアスファルト用添加物を提案した(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−98165号公報
【特許文献2】特開2009−29839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
その後、さらに本発明者は鋭意研究を重ねた結果、アスファルト混合物には、植物油が有益であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
そこで、本発明は耐流動性、耐磨耗性などの必要特性をさらに改良させるようにしたアスファルト用の添加物と、アスファルト乳剤と、その添加物を使用したアスファルト混合物の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のアスファルト用の添加物は、鉱油を基礎にしたベースオイルと、植物油を基礎にした付加オイルと、熱可塑性エラストマーと、オレフィン系樹脂と、を含む添加物であって、該添加物は、その全重量に対して前記ベースオイルを60〜80重量部、前記付加オイルを2〜12重量部、前記熱可塑性エラストマーを2〜10重量部、前記オレフィン系樹脂を2〜10重量部含有し、当該添加物を加熱下のストレートアスファルトに投入して用いることを特徴とする。
【0008】
上記構成とすることで、ベースオイルの含有率によって、ストレートアスファルトとの相溶性または親和性が向上し、含有率が60重量部未満では、ストレートアスファルトとの親和性が必ずしも十分に向上せず、80重量部を超えると他の成分(付加オイル、熱可塑性エラストマーと、オレフィン系樹脂)の含有率が少なくなり、全体の特性のバランスがとりにくくなる。また、付加オイルの含有率によって、骨材とストレートアスファルトの接着性が上がりアスファルト混合物をしようしたアスファルト舗装の耐磨耗性や動的安定度(DS)の向上ができ、含有率が2重量部未満では、強度がなくなる問題が生じやすくなり、12重量部を超えると他の成分の含有率が少なくなる問題が生じる。また、熱可塑性エラストマーの含有率によって、耐低温性の向上ができ、含有率が2重量部未満では、低温において硬くなりやすくなり、10重量部を超えると他の成分の含有率が少なくなる問題が生じる。一方、オレフィン系樹脂の含有率によって、耐磨耗性の向上ができ、含有率が2重量部未満では耐磨耗性が必ずしも十分に向上しない。10重量部を超えると、他の成分の含有率が少なくなりやすい。
【0009】
また、本発明のアスファルト用の添加物は、疎水化処理された短繊維からなる繊維物に、添加物を含浸させて含浸混合物とし、この含浸混合物は、該含浸混合物の全重量に対して、添加物が60〜85重量部、繊維物が15〜40重量部とされる配合であることを特徴とすることにより、上記と同様な効果に加え、短繊維は、植物繊維からなるので、植物繊維はセルロースを含み、該セルロースは水酸基を多く含み、分子間で互いに水素結合して凝集することが多いも、疎水化と添加材の含浸によって繊維間の滑りがさらによくなり、塊になり難く分散性が良好であるため、短繊維の濃度が均一となり、耐流動性、耐摩耗性及び耐クラック性の向上を図ることができる。また、添加物の含有率によって、ストレートアスファルトとの相溶性または親和性が向上し、含有率が60重量部未満では、ストレートアスファルトとの親和性が必ずしも十分に向上せず、85重量部を超えると他の成分(付加オイル、熱可塑性エラストマーと、オレフィン系樹脂)の含有率が少なくなり、全体の特性のバランスがとりにくくなる。また、繊維物の含有率によって、耐低温性の向上ができ、含有率が20重量部未満では、耐磨耗性が必ずしも十分に向上しなく、40重量部を超えると他の成分の含有率が少なくなる問題が生じる。
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のアスファルト用の添加物は、含浸混合物を合成樹脂製の包装袋内に収容し、該包装袋を加熱下のストレートアスファルトに投入して用いるようしたことを特徴とすることにより、上記と同様な効果に加え、アスファルト混合物の製造時における材料投入時には、包装袋から含浸混合物を取出す必要がないため取り扱いが容易、かつ含浸混合物が投入作業中に飛散しないため作業環境が良好であり、保管時には吸湿が抑えられるため保存期間を長くでき、繊維物に含浸した添加材の外部への漏れを防止できる。また、含浸混合物は繊維間での滑りがよく塊になり難く分散性が良好であるため、繊維物の濃度が均一となり、耐流動性、耐摩耗性及び耐クラック性の向上を図ることができる。
【0011】
上記課題を解決するために、本発明のアスファルト用の添加物は、包装袋の厚みを、0.03〜0.06mmとなしたので、上記と同様な効果に加え、この厚みによって内容物の品質低下が防止され、かつアスファルト混合物の製造時、包装袋の溶けが良好であるため、繊維物の分散性が損なわれない。包装袋の厚みが0.03mm未満では、含浸した添加材が包装袋から滲み出てしまい、0.06mmを越えると包装袋が混合時に溶け難くなり、アスファルトへの繊維状物の分散性が悪化するので、上記範囲が望ましいと言える。
【0012】
上記課題を解決するために、アスファルト用の添加物をストレートアスファルトと混合させて乳剤となしたことを特徴とすることにより、このアスファルト乳剤によってタックコートであれば、表層アスファルトと基層アスファルトとの接着性が向上され、表層滑りを防止するように強固に結合され、安定した舗装が得られる。また、これをさらに水で希釈したアスファルト乳剤とすれば、簡単な散布式表面処理工法にも適用でき、小さいヒビ割れや表面の空隙を充填し、老化したアスファルト舗装の路面を若返らせるなどの効果を発揮する。また、本発明のアスファルト混合物の製造方法は、骨材と、ストレートアスファルトとが混合されたアスファルト混合物の製造方法において、骨材と、ストレートアスファルトとを150〜180℃で混合した後に、アスファルト用の添加物を添加し、さらに5〜60秒混合するが、180℃を超えると添加材と、ストレートアスファルトとが混ざりすぎ、必ずしも2層構造とならないため、加熱温度は180℃以下が望ましい。また、150℃未満では必ずしも十分に混合しないので150℃以上が望ましい。一方、アスファルト用の添加物を添加した後の混合時間が5〜60秒であるのは、60秒を超えると2層構造となりにくく、5秒未満では必ずしも十分に混合しないため、上記範囲が好ましいと言える。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るアスファルト用の第一の添加物の製造工程を示す図。
【図2】アスファルト用の第二の添加物の製造工程を示す図。
【図3】アスファルト用の第三の添加物の製造工程を示す図。
【図4】第一の添加物によるアスファルト混合物の製造工程を示す図。
【図5】第二の添加物によるアスファルト混合物の製造工程を示す図。
【図6】第三の添加物によるアスファルト混合物の製造工程を示す図。
【図7】第一の添加物を用いたアスファルト混合物を示す図。
【図8】第一の添加物によるアスファルト舗装を示す図。
【図9】第二、又は第三の添加物を用いたアスファルト混合物を示す図。
【図10】第二、又は第三の添加物によるアスファルト舗装を示す図。
【図11】タックコートによるアスファルト舗装を示す図。
【図12】同上他のアスファルト舗装を示す図。
【0014】
以下、本発明の実施の形態につき図面に示す実施例を参照して説明する。図1は本発明に係るアスファルト用の第一の添加物の製造工程を示す図である。図1において、加熱冷却できる攪拌機付き溶解槽M1に原料Aおよび原料Bを規定量投入する。加熱攪拌して、内容物温度が60〜70℃になったところで原料Cの規定量の三分の一程度を投入する。さらに原料Cを加熱攪拌続けながら溶解し、120〜130℃で温度を維持し、原料Cの規定量の残り三分の一程度づつ2回分と原料Dを投入し、溶解する。完全に溶解した後、70〜80℃まで冷却しオープンドラムODに移しとることによってアスファルト用の第一の添加物1が製造される。
【0015】
この例による原料Aとしてのベースオイルは、潤滑油に使用される鉱油を基礎とするものであり、このベースオイルは、第一の添加物1の全重量に対して、60〜80重量部含有させている。好適には65〜75重量部とするのがよい。このベースオイルについては、特に制限はなく、例えば、ISO・VG10〜ISO・VG460の精製鉱油が好ましく、パラフィン系、ナフテン系の何れでもよい。
【0016】
また、原料Bとしての付加オイルは植物油を基礎とするものであり、ストレートアスファルトと原料Cと原料Dを均一混合し易くし、アスファルトを可塑化するためのものであり、この植物油は、第一の添加物1の全重量に対して、2〜12重量部含有させている。好適には4〜10重量部とするのがよい。この植物油としては、例えば、大豆油、トウゴマ油、桐油、亜麻仁(亜麻子)油、オリーブ油、ひまわり油、菜種油、ゴマ油、べにばな油、ココヤシ油、コーン油、綿実油、パーム油およびグランドナッツ油などが挙げられる。
【0017】
また、原料Cとしての熱可塑性エラストマーは、アスファルトの強度を向上させるためのものであり、第一の添加物1の全重量に対して、2〜10重量部含有させている。好適には4〜8重量部とするのがよい。この熱可塑性エラストマーは、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)が挙げられ、特に、スチレンとブタジエンの重量比が、スチレン1重量部に対してブタジエンが1.6〜3.0重量部が好ましい。
【0018】
また、原料Dとしてのオレフィン系樹脂は、アスファルトと骨材の接着性を強くするためのものであり、第一の添加物1の全重量に対して、2〜10重量部含有させている。好適には4〜8重量部とするのがよい。このオレフィン系樹脂は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。その一例であるポリプロピレンの平均分子量は、ストレートアスファルトとの相溶性または親和性の向上の点から、1000〜10000であることが好ましい。より好ましくは1000〜8000であり、さらに好ましくは2000〜5000である。
【0019】
そして、この第一の添加物1によるアスファルト混合物を製造するには、図4に示すように、骨材6と、ストレートアスファルト7とをミキサーM2に投入して150〜180℃で混合した後に、第一の添加物1を投入し、さらに5〜60秒混合する。その後、図8に示すように、アスファルト混合物を舗装してアスファルト道路Rを形成する。この骨材6の全重量に対してストレートアスファルト7が例えば6.5〜8.5重量部、第一の添加物1が例えば0.2〜0.6重量部の配合で添加される。このアスファルト混合物は、図7に示すように、骨材6の表面がストレートアスファルト7に覆われ、さらに第一の添加物1の被膜で覆われる形態となる。
【0020】
この結果、骨材6の表面を、第一の添加物1の薄膜が保護し、かつ骨材6とストレートアスファルト7との境界個所に介在して機械的補強材として機能するため、耐磨耗性や耐久性などの諸特性をバランスよく向上させることができる。また、骨材6の粒度分布が後述(表2参照)のようにされているので、強度、空隙率、表面粗さが優れている。骨材6の全重量に対してストレートアスファルト7が6.5重量部未満では接着強度が低く、8.5重量部を超えるとコストアップになりやすい。また、第一の添加物1が0.2重量部未満では耐低温性や耐劣化性などの諸特性を必ずしも十分に向上できず、0.6重量部を超えるとコストアップになりやすい。一方、上記ストレートアスファルト7の針入れ度は60/80または80/100であることが好ましい。
【0021】
骨材6は砕石、スクリーニングス、粗砂、石粉からなる。骨材6の全重量に対して、砕石が22〜42重量部、スクリーニングスが18〜38重量部、粗砂が24〜44重量部、石粉が2〜10重量部の組成とされている。
【0022】
このアスファルト混合物の製造方法では、例えば150〜180℃程度の高温で混合するが、その理由は、180℃を超えると第一の添加物1と、ストレートアスファルト7とが混ざりすぎ、必ずしも2層構造とならないためである。また、150℃未満では必ずしも十分に混合しない。一方、第一の添加物1を添加した後の混合時間が5〜60秒であるのは、60秒を超えると2層構造となりにくく、5秒未満では必ずしも十分に混合しないためである。より望ましい混合時間は5〜50秒であり、さらに望ましくは10〜30秒である。
【0023】
次に、本発明の他の実施形態としては、上述の原料A、原料B、原料C、原料Dを配合したアスファルト用の第一の添加物1を、原料Eである繊維物3に含浸させるようにした含浸混合物4を、アスファルト用の第二の添加物1aとすることもできる。
【0024】
この第二の添加物1aに使用する原料Eとしての繊維物3は、疎水化処理される短繊維3aであり、主成分がセルロースによって構成される樹木、作物などから得られる繊維や、古紙、食品廃棄物から得られる再生繊維が挙げられる。短繊維3aの一般性状は、一例としてαセルロース含有量が約80%、灰分量が10%以下、水分量が7%以下、酸性度(pH)が6〜8、かさ密度が32g/Lであり、最長繊維長が約5mm、平均繊維長が約1.1mmのものが挙げられる。また、ストレートアスファルト7の全重量部に対して繊維物3を0.05〜5.0重量部混合する。好ましくは0.1〜1.0重量部である。0.05重量部未満であると、セルロースの含有量が少なすぎて、舗装されたアスファルトの耐流動性、耐摩耗性の効果が得られない。5.0重量部を超えても前記効果は変わらない。また、繊維物3の疎水化は、シリコン樹脂、フッソ樹脂系の撥水剤などを用いて処理している。
【0025】
この第二の添加物1aによるアスファルト混合物を製造するには、図5に示すように、骨材6と、ストレートアスファルト7とをミキサーM2に投入して150〜180℃で混合した後に、第二の添加物1aを投入し、さらに5〜60秒混合する。その後、図10に示すように、アスファルト混合物を舗装してアスファルト道路Rを形成する。この骨材6の全重量に対してストレートアスファルト7が例えば6.5〜8.5重量部、第二の添加物1aが例えば0.2〜0.6重量部の配合で添加される。このアスファルト混合物は、図9に示すように、骨材6の表面がストレートアスファルト7に覆われ、さらに短繊維3aが均一分散された第二の添加物1aの被膜で覆われる形態となる。
【0026】
この結果、ストレートアスファルト7の表面を、短繊維3aが分散した第二の添加物1aの薄膜が保護し、かつ短繊維3aが骨材6とストレートアスファルト7との境界個所や、ストレートアスファルト7と第二の添加物1aとの境界個所に介在して機械的補強材として機能するため、耐磨耗性や耐久性などの諸特性をバランスよく向上させることができる。また、骨材6の粒度分布が後述(表2参照)のようにされているので、強度、空隙率、表面粗さが優れている。骨材6の全重量に対してストレートアスファルト7が6.5重量部未満では接着強度が低く、8.5重量部を超えるとコストアップになりやすい。また、第二の添加物1aが0.2重量部未満では耐低温性や耐劣化性などの諸特性を必ずしも十分に向上できず、0.6重量部を超えるとコストアップになりやすい。一方、上記ストレートアスファルト7の針入れ度は60/80または80/100であることが好ましい。
【0027】
この例の骨材6は砕石、スクリーニングス、粗砂、石粉からなる。骨材6の全重量に対して、砕石が22〜42重量部、スクリーニングスが18〜38重量部、粗砂が24〜44重量部、石粉が2〜10重量部の組成とされている。
【0028】
このアスファルト混合物の製造方法では、例えば150〜180℃程度の高温で混合するが、その理由は、180℃を超えると第二の添加物1aと、ストレートアスファルト7とが混ざりすぎ、必ずしも2層構造とならないためである。また、150℃未満では必ずしも十分に混合しない。一方、第二の添加物1aを添加した後の混合時間が5〜60秒であるのは、60秒を超えると2層構造となりにくく、5秒未満では必ずしも十分に混合しないためである。より望ましい混合時間は5〜50秒であり、さらに望ましくは10〜30秒である。
【0029】
次に、本発明の他の実施形態としては、上述の原料A、原料B、原料C、原料D、原料Eを配合した第二の添加物1aを合成樹脂製の包装袋5内に収容し、この包装袋を加熱下のストレートアスファルト7に投入して用いる第三の添加物1bとすることもできる。
【0030】
この第三の添加物1bに用いる合成樹脂製の包装袋5は、一例として塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどが挙げられ、その厚みを0.03〜0.06mmとなしている。この厚みによって内容物の品質低下が防止され、かつアスファルト混合物の製造時、包装袋5の溶けが良好であるため、繊維物3における短繊維3aの分散性が損なわれない。包装袋5の厚みが0.03mm未満では、含浸させた含浸混合物4である第二の添加物1aが包装袋5から滲み出てしまい、0.06mmを越えると包装袋5が混合時に溶け難くなり、アスファルトへの短繊維3の分散性が悪化する。
【0031】
この第三の添加物1bによるアスファルト混合物を製造するには、図6に示すように、骨材6と、ストレートアスファルト7とをミキサーM2に投入して150〜180℃で混合した後に、第三の添加物1bを投入し、さらに5〜60秒混合する。その後、図10に示すように、アスファルト混合物を舗装してアスファルト道路Rを形成する。この骨材6の全重量に対してストレートアスファルト7が例えば6.5〜8.5重量部、第三の添加物1bが例えば0.2〜0.6重量部の配合で添加される。このアスファルト混合物は、図9に示すように、骨材6の表面がストレートアスファルト7に覆われ、さらに短繊維3aが均一分散された第三の添加物1bの被膜で覆われる形態となる。
【0032】
この結果、ストレートアスファルト7の表面を、短繊維3aが分散した第三の添加物1bの薄膜が保護し、かつ短繊維3aが骨材6とストレートアスファルト7との境界個所や、ストレートアスファルト7と第三の添加物1bとの境界個所に介在して機械的補強材として機能するため、耐磨耗性や耐久性などの諸特性をバランスよく向上させることができる。また、骨材6の粒度分布が後述(表2参照)のようにされているので、強度、空隙率、表面粗さが優れている。骨材6の全重量に対してストレートアスファルト7が6.5重量部未満では接着強度が低く、8.5重量部を超えるとコストアップになりやすい。また、第三の添加物1bが0.2重量部未満では耐低温性や耐劣化性などの諸特性を必ずしも十分に向上できず、0.6重量部を超えるとコストアップになりやすい。一方、上記ストレートアスファルト7の針入れ度は60/80または80/100であることが好ましい。
【0033】
この例の骨材6は砕石、スクリーニングス、粗砂、石粉からなる。骨材6の全重量に対して、砕石が22〜42重量部、スクリーニングスが18〜38重量部、粗砂が24〜44重量部、石粉が2〜10重量部の組成とされている。
【0034】
このアスファルト混合物の製造方法では、例えば150〜180℃程度の高温で混合するが、その理由は、180℃を超えると第三の添加物1bと、ストレートアスファルト7とが混ざりすぎ、必ずしも2層構造とならないためである。また、150℃未満では必ずしも十分に混合しない。一方、第三の添加物1bを添加した後の混合時間が5〜60秒であるのは、60秒を超えると2層構造となりにくく、5秒未満では必ずしも十分に混合しないためである。より望ましい混合時間は5〜50秒であり、さらに望ましくは10〜30秒である。
【実施例】
【0035】
以下、本発明の効果を確認するために行った実験について説明する。
まず、アスファルト用のそれぞれの第一の添加物1、第二の添加物1a、第三の添加物1bを得るために、ナフテン系オイル、熱可塑性エラストマー、ポリプロピレンを下記表1のように配合した。
【0036】
【表1】
【0037】
表1中の成分は、以下のものを用いた。
ナフテン系オイル:三興石油社製、レピアスオイル。
大豆油:日清オイリオグループ社製、三菱食油(食用油)。
SBS:スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、旭化成株式会社製、アサプレンT437、スチレン/ブタジエン比 30/70。
ポリプロピレン:三洋化成工業株式会社製、ビスコール660。
【0038】
また、第二の添加物1aを得るために、第一の添加物1を繊維物3の短繊維3aに含浸させて含浸混合物4となした。また、第三の添加物1bを得るために、第二の添加物1aを、厚みを0.05mmの塩化ビニル製の包装袋5内に収容した。
【0039】
繊維物3は、「商品名:トップセル、株式会社エムアイテック製」を使用した。また、第二の添加物1aは、当該第二の添加物1aの全重量に対して、第一の添加物1が75重量部、繊維物3が25重量部とされる配合にした。また、第三の添加物1bは、当該第三の添加物1bの全重量に対して、第一の添加物1が75重量部、繊維物3が25重量部、包装袋5が0.001重量部とされる配合にした。
【0040】
7号砕石、スクリーニングス、粗砂からなる骨材6を150℃において混合した後、針入れ度が60/80のストレートアスファルト7を添加して、骨材6の表面がストレートアスファルト7の薄膜で覆われている混合物を得た。その混合物にそれぞれの第一の添加物1、第二の添加物1a、第三の添加物1bを投入して添加した後、20秒攪拌した。このようにして、本発明に属する第一の添加物1、第二の添加物1a、第三の添加物1bのそれぞれを使用したアスファルト混合物のサンプルを作成した。
【0041】
また、各成分の配合割合として、7号砕石(岐阜県多治見市 日章産業製)が32重量部、スクリーニングス(岐阜県多治見市 日章産業製)が25重量部、粗砂(岐阜県中津川市 恵那峡サンド製)が34重量部、石粉(岐阜県武儀郡 尾花屋産業製)が6重量部、ストレートアスファルト60/80(昭和シェル石油製)が7.5重量部、アスファルト用の第一の添加物1、第二の添加物1a、第三の添加物1bのそれぞれが0.4重量部とされる配合にした。なお、骨材6の粒度および加算通過百分率は表2の通りであった。
【0042】
【表2】
【0043】
アスファルト混合物の物性として表3、表4、表5に示す。表3のものは第一の添加物1によるものであり、表4のものは、第二の添加物1aによるものであり、表5のものは、第三の添加物1bによるものであり、このように、アスファルトに求められる諸特性が優れ、高度にバランスがとれていることが確認できた。これらの物性の中でも特に、わだち掘れのしにくさを評価するホイールトラッキング試験に示す動的安定度(DS)が大きいことが分かる。
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
また、上記実施の形態にあっては、第一の添加物1から第三の添加物1bにより、アスファルト混合物(アスファルト合材)を製造するものであるも、他の実施の形態としては、図11に示すように、アスファルト混合物によって舗装される表層アスファルトSAと基層アスファルトBAとの間の介装するためのタックコートTCとして好適に用いることができる。このタックコ―トTCの一例としては、ストレートアスファルトが50重量部、水が50重量部とする全重量部に対して、第一の添加物1〜第三の添加物1bから選択された一種の添加物が1〜2重量部配合されるアスファルト乳剤である。このようにすると、表層アスファルトSAと基層アスファルトBAとの接着性が向上され、表層滑りを防止するように強固に結合され、安定した舗装が得られる。
【0048】
また、このタックコ―トTCは通常、0.4L/m2で散布されるものであるも、これをさらに水で希釈したアスファルト乳剤として、図12に示すようにアスファルト舗装R表面上に0.5〜0.9L/m2散布するだけの簡単な散布式表面処理工法にも適用できる。このようにすると、小さいヒビ割れや表面の空隙を充填し、老化したアスファルト舗装の路面を若返らせるなどの効果を発揮する。この場合、骨材の散布はなく、乳剤単体の撒きっぱなしである。
【符号の説明】
【0049】
1 第一の添加物
1a 第二の添加物
1b 第三の添加物
3a 短繊維
3 繊維物(原料E)
4 含浸混合物
5 包装袋
6 骨材
7 ストレートアスファルト
A 原料(ベースオイル)
B 原料(付加オイル)
C 原料(熱可塑性エラストマー)
D 原料(オレフィン系樹脂)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉱油を基礎にしたベースオイルと、植物油を基礎にした付加オイルと、熱可塑性エラストマーと、オレフィン系樹脂と、を含む添加物であって、
該添加物は、その全重量に対して前記ベースオイルを60〜80重量部、前記付加オイルを2〜12重量部、前記熱可塑性エラストマーを2〜10重量部、前記オレフィン系樹脂を2〜10重量部含有し、当該添加物を加熱下のストレートアスファルトに投入して用いることを特徴とするアスファルト用の添加物。
【請求項2】
疎水化処理された短繊維からなる繊維物に、請求項1に記載の添加物を含浸させて含浸混合物とし、この含浸混合物は、該含浸混合物の全重量に対して、前記添加物が60〜85重量部、前記繊維物が15〜40重量部とされる配合であることを特徴とするアスファルト用の添加物。
【請求項3】
前記含浸混合物を合成樹脂製の包装袋内に収容し、該包装袋を加熱下のストレートアスファルトに投入して用いるようしたことを特徴とする請求項2に記載のアスファルト用の添加物。
【請求項4】
前記包装袋の厚みを、0.03〜0.06mmとなしたことを特徴とする請求項3に記載のアスファルト用の添加物。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載のアスファルト用の添加物をストレートアスファルトと混合させて乳剤となしたことを特徴とするアスファルト乳剤。
【請求項6】
骨材と、ストレートアスファルトとが混合されたアスファルト混合物の製造方法において、前記骨材と、前記ストレートアスファルトとを150〜180℃で混合した後に、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のアスファルト用の添加物を添加し、さらに5〜60秒混合することを特徴とするアスファルト混合物の製造方法。
【請求項1】
鉱油を基礎にしたベースオイルと、植物油を基礎にした付加オイルと、熱可塑性エラストマーと、オレフィン系樹脂と、を含む添加物であって、
該添加物は、その全重量に対して前記ベースオイルを60〜80重量部、前記付加オイルを2〜12重量部、前記熱可塑性エラストマーを2〜10重量部、前記オレフィン系樹脂を2〜10重量部含有し、当該添加物を加熱下のストレートアスファルトに投入して用いることを特徴とするアスファルト用の添加物。
【請求項2】
疎水化処理された短繊維からなる繊維物に、請求項1に記載の添加物を含浸させて含浸混合物とし、この含浸混合物は、該含浸混合物の全重量に対して、前記添加物が60〜85重量部、前記繊維物が15〜40重量部とされる配合であることを特徴とするアスファルト用の添加物。
【請求項3】
前記含浸混合物を合成樹脂製の包装袋内に収容し、該包装袋を加熱下のストレートアスファルトに投入して用いるようしたことを特徴とする請求項2に記載のアスファルト用の添加物。
【請求項4】
前記包装袋の厚みを、0.03〜0.06mmとなしたことを特徴とする請求項3に記載のアスファルト用の添加物。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載のアスファルト用の添加物をストレートアスファルトと混合させて乳剤となしたことを特徴とするアスファルト乳剤。
【請求項6】
骨材と、ストレートアスファルトとが混合されたアスファルト混合物の製造方法において、前記骨材と、前記ストレートアスファルトとを150〜180℃で混合した後に、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のアスファルト用の添加物を添加し、さらに5〜60秒混合することを特徴とするアスファルト混合物の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−46641(P2012−46641A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−190275(P2010−190275)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(592217967)三野道路株式会社 (3)
【出願人】(000232508)日本道路株式会社 (48)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(592217967)三野道路株式会社 (3)
【出願人】(000232508)日本道路株式会社 (48)
【Fターム(参考)】
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