説明

アスベストを検出する方法

【課題】アスベストを簡単且つ確実に検出する方法を提供する。
【解決手段】偏光観察において、コンペンセータを用いて、試料で生じるリタデーションに対して観察されるリタデーションを変化させること(S2)で、アスベストを検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料からアスベストを検出する方法に関し、特に、コンペンセータを含む顕微鏡を用いて、試料からアスベストを検出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、試料中のアスベストを検出する方法として、分散染色法が急速に普及している。分散染色法は、試料と試料に近い屈折率を有する浸液との境界で生じた分散光を検出して、その分散色を確認することで試料を同定する方法である。
【0003】
分散染色法では、位相差顕微鏡の位相差対物レンズを分散染色対物レンズに置き換えた顕微鏡が使用される。位相差対物レンズは、位相差コンデンサレンズに設けられたリングスリットと共役な位置に位相膜を配置しているのに対して、分散染色対物レンズは、リングスリットと共役な位置に遮光膜を配置している。
【0004】
このため、試料と浸液の境界を直進した光は、遮光膜で遮断されて検出されず、境界で分散した分散光のみが検出される。検出される分散光は、浸液とアスベストの種類に応じた特定の分散色を有することから、分散染色法を用いることで、アスベストを特定して同定することができる。
【0005】
また、特許文献1では、分散染色法とともに、アスベストの複屈折性を利用した偏光分散方法が開示されている。特許文献1で開示される光学顕微鏡は、光軸周りに回転可能なアナライザを含んでいる。
【0006】
分散染色法では、分散色は屈折率によって定まるため、アスベストと同じような屈折率を有する物質とアスベストとを判別することが難しい。
しかし、特許文献1に開示される光学顕微鏡では、アナライザまたはステージを光軸周りに回転させることで、アスベストの複屈折性に起因して分散光の強度や分散色が変化するため、アスベストと同じような屈折率を有する物質とアスベストとを判別して、アスベストを特定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−338567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、特許文献1に開示される光学顕微鏡は、アナライザまたはステージを回転させることでアスベストが特定されるが、ステージを回転させる場合には、画像も一緒に回転することになる。このため、試料中の物質は、回転前後の画像では、観察者の視野内の異なる箇所に表示されることになる。
【0009】
従って、観察者がアスベストを特定するためには、視野内の異なる箇所を比較する必要があり、アスベストの特定作業の負担が大きい。また、アスベストの定量分析では、アスベストの特定(及び同定)後に試料中のアスベストの計数が行われるが、ステージを回転させる場合には、計数作業の負担も大きくなる。
【0010】
また、分散染色法では、小さなアスベストからは弱い分散光しか生じないことが経験的に知られている。このため、アナライザまたはステージの回転より生じる分散光の強度や分散色の変化も小さい。
【0011】
従って、特許文献1で開示される光学顕微鏡では、比較的高倍率でしか検出できない小さなアスベストを特定することは難しく、アスベストの同定はさらに困難である。
以上のような実情を踏まえ、本発明では、アスベストを簡単且つ確実に検出する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様は、試料からアスベストを検出する方法であって、偏光観察でコンペンセータを用いて、試料で生じる第1のリタデーションに対して観察される第2のリタデーションを変化させる工程と、を含むアスベストを検出する方法を提供する。
【0013】
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載のアスベストを検出する方法において、さらに、第2のリタデーションの変化によって生じる試料の画像の変化により、アスベストを特定する工程を含むアスベストを検出する方法を提供する。
【0014】
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載のアスベストを検出する方法において、さらに、試料中の繊維状物質を特定する工程を含み、アスベストを特定する工程は、第2のリタデーションの変化によって生じる、試料の画像中の繊維状物質の明暗の変化により、アスベストを特定する工程を含むアスベストを検出する方法を提供する。
【0015】
本発明の第4の態様は、第1の態様乃至第3の態様のいずれか1つに記載のアスベストを検出する方法において、第2のリタデーションを変化させる工程は、第2のリタデーションを増加させる工程と、第2のリタデーションを減少させる工程と、を含むアスベストを検出する方法を提供する。
【0016】
本発明の第5の態様は、第1の態様乃至第4の態様のいずれか1つに記載のアスベストを検出する方法において、コンペンセータは、セナルモンコンペンセータであり、第2のリタデーションを変化させる工程では、セナルモンコンペンセータに対してアナライザを回転させることにより、第2のリタデーションを変化させるアスベストを検出する方法を提供する。
【0017】
本発明の第6の態様は、第1の態様乃至第4の態様のいずれか1つに記載のアスベストを検出する方法において、コンペンセータは、ブレースケーラコンペンセータであり、第2のリタデーションを変化させる工程では、ブレースケーラコンペンセータを回転させることにより、第2のリタデーションを変化させるアスベストを検出する方法を提供する。
【0018】
本発明の第7の態様は、第1の態様乃至第6の態様のいずれか1項に記載のアスベストを検出する方法において、さらに、偏光観察で、アナライザまたはポラライザを回転させる工程と、アナライザまたはポラライザの回転前後の画像を比較して、試料中のクロシドライトを特定する工程と、を含むアスベストを検出する方法を提供する。
【0019】
本発明の第8の態様は、第7の態様に記載のアスベストを検出する方法において、さらに、位相差観察の画像と偏光観察の画像とを比較して、試料中のアモサイトとクリソタイルとを特定する工程と、を含むアスベストを検出する方法を提供する。
【0020】
本発明の第9の態様は、第8の態様に記載のアスベストを検出する方法において、試料中のアモサイトとクリソタイルとを特定する工程は、位相差観察の画像と偏光観察の画像との比較に加えて、屈折率の異なる液浸で取得された複数の位相差画像を比較して、試料中のアモサイトとクリソタイルとを特定するアスベストを検出する方法を提供する。
【0021】
本発明の第10の態様は、第3の態様に記載のアスベストを検出する方法において、試料中の繊維状物質を特定する工程は、位相差観察で試料中の繊維状物質を特定する
アスベストを検出する方法を提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、アスベストを簡単且つ確実に検出する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施例1に係る顕微鏡の構成を例示する断面図である。
【図2】実施例1に係る顕微鏡を用いてアスベストを検出する方法を例示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、各実施例について説明する。
【実施例1】
【0025】
図1は、本実施例に係る顕微鏡の構成を例示する断面図である。図1に例示される顕微鏡1は、照明光を射出する光源2と、コレクタレンズ3と、照明光を試料に向けて反射するミラー4と、特定の偏光方向の光のみを透過するポラライザ5と、位相差用リングスリット6と、コンデンサレンズ7と、試料Sが配置されるステージ8と、レボルバ9に装着される位相差対物レンズ10a及び偏光対物レンズ10bと、リタデーションを増減させるコンペンセータ11と、特定の偏光方向の光のみを透過するアナライザ12と、結像レンズ13と、撮像素子14と、を含んでいる。コンデンサレンズ7は、レンズ自体の歪の少ないものを用いることにより、位相差観察と偏光観察の両方に対応する。
なお、例えば、撮像素子14の代わりに接眼レンズを配置することにより、または、観察光路を途中で分岐して分岐した光路中に接眼レンズを配置することにより、目視観察を可能な構成としてもよい。
【0026】
顕微鏡1は、位相差顕微鏡としても偏光顕微鏡としても使用することができる。
顕微鏡1を位相差顕微鏡として使用する場合には、図1に例示されるように、位相差対物レンズ10aとともに、位相差用リングスリット6が光軸AX上に配置される。
【0027】
位相差対物レンズ10aは、位相差対物レンズ10aの瞳位置に不図示の位相膜を有している。また、位相差用リングスリット6は、位相差対物レンズ10aに含まれる位相膜と光学的に共役な位置に配置されている。位相差観察では、ポラライザ5、コンペンセータ11、アナライザ12は不要であるので、顕微鏡1を位相差顕微鏡として使用する場合には、これらを光軸AX上から取り外す。
【0028】
一方、偏光顕微鏡として使用する場合には、偏光対物レンズ10bが光軸AX上に配置され、位相差用リングスリット6が光軸AX上から取り除かれる。また、ポラライザ5、コンペンセータ11、アナライザ12が光路に配置される。
偏光対物レンズ10b及びコンデンサレンズ7は、レンズ面での屈折やレンズのひずみにより生じる偏光の乱れが小さい無ひずみレンズとして構成されている。また、ポラライザ5、コンペンセータ11、及び、アナライザ12は、光軸周りに回転可能に構成されている。コンペンセータ11は、セナルモンコンペンセータであってもよく、ブレースケーラコンペンセータであってもよい。なお、アスベストで生じるリタデーションは比較的大きいため、リタデーションをより広い範囲で調整することができるセナルモンコンペンセータがより好ましい。
【0029】
図2は、本実施例に係る顕微鏡を用いてアスベストを検出する方法を例示したフローチャートである。以下、図2を参照しながら、本実施例に係るアスベストを検出する方法を具体的に説明する。
【0030】
なお、本明細書では、「アスベストを特定する」とは、アスベストの種類によらず、他の物質からアスベストを識別することをいう。「アスベストを同定する」とは、アスベストの種類(クロシドライト、アモサイト、クリソタイル)を識別することをいう。これに対して、「アスベストを検出する」とは、「アスベストを特定する」ことと、「アスベストを同定する」ことと、を含むものとする。
【0031】
まず、ステップS1では、試料Sをステージ8に配置する。このとき、試料Sは、クリソタイルまたはアモサイトの屈折率に近い屈折率を有する浸液に浸されていることが望ましい。
【0032】
ステップS2では、ステージ8に配置された試料Sを、明視野観察または位相差観察で観察し、試料S中の繊維状物質を特定する。アスベストは繊維状物質であるので、特定された繊維状物質はアスベストである可能性がある。
【0033】
なお、位相差観察を行う場合には、上述したように、顕微鏡1を位相差顕微鏡として使用すればよい。一方、明視野観察を行う場合には、偏光対物レンズ10bを光軸AXに配置し、さらに、ポラライザ5、位相差用リングスリット6、コンペンセータ11、アナライザ12を光軸から取り外して、顕微鏡1を使用すればよい。
【0034】
次に、顕微鏡1を偏光顕微鏡として使用して、偏光観察を行う。このとき、ポラライザ5とアナライザ12は、クロスニコルの状態に設定する。
ステップS3では、コンペンセータ11を用いて、試料Sで生じるリタデーション(以降、第1のリタデーションと記す。)に対して観察されるリタデーション(以降、第2のリタデーション)を変化させる。
【0035】
具体的には、コンペンセータ11がセナルモンコンペンセータである場合には、セナルモンコンペンセータに対してアナライザを回転させることにより、第2のリタデーションを変化させる。また、コンペンセータ11がブレースケーラコンペンセータである場合には、ブレースケーラコンペンセータ自体を回転させることにより、第2のリタデーションを変化させる。
【0036】
ステップS4では、第2のリタデーションの変化によって生じる試料Sの画像の変化により、アスベストを特定する。
リタデーションは複屈折性を有する異方体に入射することで生じるが、アスベストは複屈折性を有する異方体であるので、試料Sにアスベストが含まれている場合には、試料S中のアスベストでリタデーション(第1のリタデーション)が生じる。一方、アスベストでない繊維状物質は通常、複屈折性を有しない。このため、試料S中のアスベストでない繊維状物質ではリタデーションは生じない。
【0037】
また、クロスニコルの状態では、異方体であるアスベストから生じる光がアナライザ12を通過する光量は、リタデーションに依存している。
このため、コンペンセータを用いて、第1のリタデーションに対して第2のリタデーションを変化させると、画像中のアスベストの明るさが変化する。従って、第2のリタデーションの変化によって生じる試料Sの画像の変化により、より具体的には、画像中の繊維状物質の明暗の変化により、アスベストを特定することができる。
【0038】
また、リタデーションの変化によって画像自体が回転することはない。このため、ステージを回転させてアスベストを検出するよりも画像間の比較が簡単であり、アスベストを特定する作業の負担も小さい。
なお、ステップS3では、第1のリタデーションに対して第2のリタデーションを増加させる操作と、第1のリタデーションに対して第2のリタデーションを減少させる操作を行うことが望ましい。第2のリタデーションが増加した画像と第2のリタデーションが減少した画像とでは、リタデーションが変化していない画像に対して、アスベストの明るさの変化が反対に生じる。つまり、一方の画像ではアスベストの明るさが増加し、他方の画像ではアスベストの明るさが減少する。このため、アスベストの特定が容易となり、アスベストをより確実に特定することができる。
【0039】
ステップS5以降では、ステップS4で特定されたアスベストを同定する。
まず、顕微鏡1を引き続き偏光顕微鏡として使用して、偏光観察を行う。このとき、コンペンセータ11は、光軸AXから取り除かれる。
【0040】
ステップS5では、偏光観察下で、アナライザまたはポラライザを回転させる。そして、ステップS6では、アナライザまたはポラライザの回転前後で取得された画像を比較して、ステップ4で特定されたアスベストから、クロシドライトを特定する。
【0041】
複屈折性を有する異方体には、多色性を有する物質がある。多色性とは、複屈折により生じる偏光方向が直交する2つの直線偏光で、吸収スペクトルの吸収率が異なる特性のことである。アスベストでは、クロシドライトが強い多色性を有するのに対して、アモサイトは微弱な多色性しか有さず、クリソタイルは多色性を有しない。
【0042】
このため、強い多色性を有するクロシドライトからの光は、ポラライザ5またはアナライザ12の回転により、アナライザ12を通過する光量が大きく変化することになる。従って、アナライザまたはポラライザの回転前後で取得された画像を比較してコントラストが大きく異なるアスベストを見つけることで、試料S中のクロシドライトを特定することができる。
【0043】
ステップS7では、顕微鏡1にて位相差観察を行い、位相差画像を取得する。なお、ステップS2ですでに位相差観察像を取得している場合には、ステップS7を省略してもよい。その後、ステップS3からステップS6ですでに取得されている偏光画像とステップS7(またはステップS2)で取得された位相差画像とを比較して(ステップS8)、クロシドライト以外のアスベストから、試料S中のアモサイトとクリソタイルを特定する(ステップS9)。
【0044】
位相差観察では、物質の表面で生じる回折光と物質を透過した直接光が干渉して強め合った光を検出することで画像が形成されるが、屈折率の等しい浸液と物質の間では回折が生じないため、位相差画像では、浸液の屈折率と近い屈折率を有する物質は見えにくい。
【0045】
このため、クリソタイルの屈折率に近い屈折率の浸液で試料Sが浸されている場合には、クロシドライト以外のアスベストのうち、偏光画像に比べて位相差画像で見えにくいアスベストはクリソタイルであり、それ以外のアスベストはアモサイトである。また、アモサイトの屈折率に近い屈折率の浸液で試料Sが浸されている場合には、反対に、偏光画像に比べて位相差画像で見えにくいアスベストはアモサイトであり、それ以外のアスベストはクリソタイルである。
【0046】
なお、浸液の屈折率により位相差画像が変化するため、ステップS7では、屈折率の異なる複数の液浸で、それぞれ位相差画像を取得してもよい。さらに、ステップS8及びステップS9では、偏光画像と位相差画像との比較に加えて、異なる液浸を用いて取得された複数の位相差画像間を比較して、試料S中のアモサイトとクリソタイルを特定してもよい。
【0047】
以上、本実施例によれば、コンペンセータ11を用いてリタデーションを変化させることで、偏光画像中のアスベストの明るさを変化させることができる。このため、画像を回転させることなく、簡単にアスベストを特定することができる。また、偏光観察でアスベストを特定しているため、分散染色法よりも小さなアスベストを特定することができる。このため、より確実にアスベストを特定することができる。従って、アスベストを簡単且つ確実に検出することができる。
【符号の説明】
【0048】
1・・・顕微鏡
2・・・光源
3・・・コレクタレンズ
4・・・ミラー
5・・・ポラライザ
6・・・位相差用リングスリット
7・・・コンデンサレンズ
8・・・ステージ
9・・・レボルバ
10a・・・位相差対物レンズ
10b・・・偏光対物レンズ
11・・・コンペンセータ
12・・・アナライザ
13・・・結像レンズ
14・・・撮像素子
S・・・試料
AX・・・光軸


【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料からアスベストを検出する方法であって、
偏光観察でコンペンセータを用いて、前記試料で生じる第1のリタデーションに対して観察される第2のリタデーションを変化させる工程と、を含む
ことを特徴とするアスベストを検出する方法。
【請求項2】
請求項1に記載のアスベストを検出する方法において、さらに、
前記第2のリタデーションの変化によって生じる前記試料の画像の変化により、アスベストを特定する工程を含む
ことを特徴とするアスベストを検出する方法。
【請求項3】
請求項2に記載のアスベストを検出する方法において、さらに、
前記試料中の繊維状物質を特定する工程を含み、
前記アスベストを特定する工程は、前記第2のリタデーションの変化によって生じる、前記試料の画像中の前記繊維状物質の明暗の変化により、アスベストを特定する工程を含む
ことを特徴とするアスベストを検出する方法。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のアスベストを検出する方法において、
前記第2のリタデーションを変化させる工程は、
前記第2のリタデーションを増加させる工程と、
前記第2のリタデーションを減少させる工程と、を含む
ことを特徴とするアスベストを検出する方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のアスベストを検出する方法において、
前記コンペンセータは、セナルモンコンペンセータであり、
前記第2のリタデーションを変化させる工程では、前記セナルモンコンペンセータに対してアナライザを回転させることにより、前記第2のリタデーションを変化させる
ことを特徴とするアスベストを検出する方法。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のアスベストを検出する方法において、
前記コンペンセータは、ブレースケーラコンペンセータであり、
前記第2のリタデーションを変化させる工程では、前記ブレースケーラコンペンセータを回転させることにより、前記第2のリタデーションを変化させる
ことを特徴とするアスベストを検出する方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のアスベストを検出する方法において、さらに、
偏光観察で、アナライザまたはポラライザを回転させる工程と、
前記アナライザまたは前記ポラライザの回転前後の画像を比較して、前記試料中のクロシドライトを特定する工程と、を含む
ことを特徴とするアスベストを検出する方法。
【請求項8】
請求項7に記載のアスベストを検出する方法において、さらに、
位相差観察の画像と偏光観察の画像とを比較して、前記試料中のアモサイトとクリソタイルとを特定する工程と、を含む
ことを特徴とするアスベストを検出する方法。
【請求項9】
請求項8に記載のアスベストを検出する方法において、
前記試料中のアモサイトとクリソタイルとを特定する工程は、位相差観察の画像と偏光観察の画像との比較に加えて、屈折率の異なる液浸で取得された複数の位相差画像を比較して、前記試料中のアモサイトとクリソタイルとを特定する
ことを特徴とするアスベストを検出する方法。
【請求項10】
請求項3に記載のアスベストを検出する方法において、
前記試料中の繊維状物質を特定する工程は、位相差観察で前記試料中の繊維状物質を特定する
ことを特徴とするアスベストを検出する方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−242212(P2011−242212A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−113367(P2010−113367)
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】