説明

アスベスト含有成型品波形スレ−ト製品等の経済的な無害化処理方法。

【課題】 固形アスベスト廃棄物を、効率的かつ経済的に、短時間で多量に無害化できる手段を提供する。
【解決手段】 含有量50%以内のアスベスト入りスレートを、陶製またはステンレス製円筒型ボールミルで粉体化した後、熔融助剤としてNa2B4O7、またはMg2B4O7を20〜35%混合し、V型アーク・プラズマ式バーナ4、スラグ排出5、排気洗浄管6、集塵機7を備えたガス化熔融炉3において約860℃で3〜5時間熔融する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアスベストの熔融点1520℃を熔融助材の混入で大幅に熔融点を引き下げ短時間に連続して大量のスレ−ト等のアスベスト含有成形品を低温800℃〜900℃で熔融無害化する。
【背景技術】
【0002】
本発明工法はアスベスト含有スレ−ト等を荒割りしスチ−ルドラム又は陶製ドラム中にステンレス球体φ30mm〜50mm入りのボ−ルミルでアスベスト成形品を微粉化し短時間で電気炉又はガス化熔融炉等を用い熔融助材を混合し比較的短時間で3〜4時間で熔融無害化する。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は成形アスベストをボ−ルミルで粉砕化した粉末に熔融助材20〜30%を混合し約800℃で完全に粉体化した成形アスベスト入りスレ−トは熔融する。
熔融化物は炉外へ排出冷却固形化したものは酸化マグネシュ−ム等を主体とする無害化物質となっている。
尚、比較的低温処理の為、炉壁の消耗が少なく炉材のメンテナンスも少なく極めて経済的な処理法である。
【背景技術】
【0004】
アスベストの処理時に成形アスベストの処理は従来の処理法はなく廃棄処理は特別産業廃棄物とし管理型最終処分場でポリエチレン包装材に格納埋立処分しか方法がなかった。
しかし、全国で4700万トンとも言われる成形アスベスト入りスレ−ト等の廃棄物が今後10年以内の発生に対応する管理型最終処分場は無く新設処分場は膨大な資金、用地費に加え近隣住民の同意が必要で実現は不可能である。
アスベスト入り加工品の熔融処理にはアスベスト融点1520℃の高温処理が必要となり熔融設備は限られ膨大な処分費用が必要となる。
【効果】
【0005】
本発明は固形アスベスト成形廃棄物を最も効率的且つ経済的に短時間で多量を無害化処理可能な技術である。
【実施例】
【0006】
アスベスト入りスレ−ト(アスベスト含有量50%以内)を陶製円筒型又はステンレス円筒型の中に直径Φ30mmのステンレス球のボ−ルミルで約10分間粉体化した粉体に熔融助材を30%混入、ガス化熔融炉で約700℃(温度測定ゼ−ゲル錐使用)約2時間で完全に熔融、加温中の排気は低圧バキュ−ムポンプを利用濾過瓶での水中に排気を導き、水中のアスベストを定性分析した結果アスベスト繊維は0.005未満(繊維/ml)であり、熔融固形分中のアスベスト繊維は0であった。熔融物の固形物中アスベスト繊維は全く認められなかった。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】アスベスト成形品粉末熔融無害化装置炉を示す図である。
【符号の説明】
【0008】
▲1▼ バケットコンベア−
▲2▼ ロ−ラ−コンベア−
▲3▼ 熔融炉 (最高温度1600℃、到達時間 点火後30分)
▲4▼ V型ア−ク・プラズマ式バ−ナ−
▲5▼ スラグ排出
▲6▼ 排気洗浄管
▲7▼ 集塵機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスベスト廃棄物特に今後大量に発生する成型品波型スレ−ト製品を経済的、短時間に大量無害化処理する為、安価な熔融助材の混合、比較的低温度(約860℃)3〜5時間以内で熔融無害化する技術で且つ処理中廃棄中にアスベスト繊維が全く飛散しない安全な処理法である。
即ちアスベスト成型品(主に波形スレ−ト)を粉砕し粉状アスベストとし熔融助材を20〜35%混合約860℃に加熱熔融無害化な固形物とする。
【請求項2】
熔融助材 Na又は Mgを粉末アスベストに20〜35%混合使用する事を特徴とする技術。
波形スレ−トの粉状化にはスチ−ル製密閉円筒型容器にφ20〜30mmのステンレス製18x8Ni球を入れ短時間(10〜30分)に安全に粉状賭する技術。

【図1】
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【公開番号】特開2008−272559(P2008−272559A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−283069(P2006−283069)
【出願日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【出願人】(505357834)環境開発株式会社 (3)
【出願人】(505357373)
【出願人】(506349212)
【Fターム(参考)】