説明

アセタール系化合物を用いるポリオレフィン組成物の造核方法

造核剤、ゲル化剤、増粘剤または清澄剤として有用なアセタール系組成物を開示する。該組成物は、炭水化物から形成された複数の炭素ジアセタールを含む多くの異なる形態で合成または提供され得る。一旦合成されると、該化合物は、(例えば)ポリプロピレンコポリマーなどのプラスチック組成物中の添加剤として用いることができる。共添加剤も用いることができる。幾つかのアリール構造は、炭化水素鎖骨格上に残留し得る。このようなアセタール系組成物の一つの構造は、該鎖中の末端炭素上に1以上のアリール基および少なくとも1つの置換された基を有する変性ソルビトールである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アセタール系化合物を用いるポリオレフィン組成物の造核方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多価アルコールのアセタール誘導体は、例えば、ポリマー樹脂用の造核剤、および有機液体用のゲル化剤および増粘剤を含む幾つかの用途に有用である。ジベンジリデンソルビトール型(DBS)化合物は、このような用途における使用に関して既知である。
【0003】
結晶性ポリオレフィン樹脂から製造された物品中のヘーズを低減するために造核剤を使用することは、当該分野において既知である。代表的なソルビトールおよびキシリトールのアセタール(これらは清澄剤として用いられている)は、例えば、Hamadaら、米国特許第4,016,118号、ジベンジリデンソルビトール;Kawaiら、米国特許第4,314,039号、ジ(アルキルベンジリデン)ソルビトール;Mahaffey, Jr.、米国特許第4,371,645号、少なくとも1つの塩素または臭素置換基を有するソルビトールのジ-アセタール;Kobayashiら、米国特許第4,954,291号、ジメチルまたはトリメチル置換ベンズアルデヒドおよび非置換ベンズアルデヒドの混合物から製造されたソルビトールおよびキシリトールのジアセタールの分布を含む幾つかの特許に記載されている。別の文献、Rekersらの米国特許第5,049,605号は、カルボ環式環を形成する置換基を含むビス(3,4-ジアルキルベンジリデン)ソルビトールを開示する。
【0004】
DBS系化合物のベンジル環部分上の種々の基の置換は、造核剤または清澄剤としてのこのような化合物の適合性にかなりの衝撃を与え得る。過去のかなりの量の仕事がベンジリデン環置換基の置換を改変することに向けられていた。しかしながら、ポリマー組成物中のプラスチック添加剤として使用される場合、ヘーズの低減(および対応するより大きい透明度)を与える可能性がある他の化合物を開発する取り組みは、未だ進行している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
化学分野は、しばしば予期することができない。これらの特定のタイプの化合物において任意の部分または置換基を変化させることは、化合物の性能および有用性にかなりの衝撃を有し得る。本発明は、以前は知られておらず、および、プラスチック添加剤として、またはゲル化剤、増粘剤として、あるいは他の目的に非常に有用であり得る重要な新規組成物を認める。
【0006】
本発明の実施態様に対して参照がなされる。その1以上の実施例を以下に記載する。各実施例は、本発明を限定するものではなく、本発明を説明するものとして与えられる。本発明の範囲または精神から逸脱することなく、本発明において種々の修飾および変形がなされ得ることは当業者には明らかであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ポリオレフィン添加剤組成物が本明細書中に開示される。幾つかの用途において、ポリオレフィン添加剤組成物は、このような組成物に添加された場合、プラスチックポリマー組成物に対して改善された透明度を与える。他のポリマーに関連した種々の用途も本発明の範囲内であるが、幾つかの用途においてポリプロピレンに関連して使用される場合、添加剤組成物は有利であり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
このような組成物によって造核され得る(および本発明の実施によってその透明度が改善され得る)オレフィンポリマーとしては、約10,000〜約2,000,000、好適には約30,000〜約300,000の平均分子量を有する、2個〜約6個の炭素原子を含有する脂肪族モノオレフィンのポリマーおよびコポリマーが挙げられる。例えば、ポリエチレン(直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンおよび高密度ポリエチレンを含む)、ポリプロピレン、結晶性エチレン/プロピレンコポリマー(ランダムまたはブロック)、ポリ(1-ブテン)およびポリメチルペンテンが挙げられる。
開示されたアセタール化合物によって造核され得る他の熱可塑性ポリマー樹脂の例としては、ポリエステル、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)およびポリ(ブチレンテレフタレート)およびポリアミド(ナイロン6およびナイロン6,6を含む)、ポリ(フェニレンスルフィド)、それらの骨格中にカルボニル基を有するシンジオタクチックポリスチレンおよびポリケトンが挙げられる。
当該組成物は、少なくとも1つの脂肪族オレフィンおよび1以上のエチレン性不飽和コモノマーを含有する脂肪族ポリオレフィンおよびコポリマーおよび少なくとも1つの置換アルジトール(例えば、アリル-ソルビトール、プロピル-ソルビトール、アリル-キシリトール、プロピル-キシリトールなど)のモノ、ジ-、またはトリ-アセタールから選択されるポリマーを含んでなり得る。
【0009】
当該置換アルジトールのモノ、ジ-、またはトリ-アセタールは、以下のような組成物を含み得る。例えば、および、限定されないが、以下に示される式(II)を有する化合物から選択される少なくとも1モルのベンズアルデヒドと組み合わされる、式(I)で示される置換アルジトールが挙げられる。
【0010】
【化1】

【0011】
式(I)に関して、nは、0、1または2であり、および
Rは、アルケニル基(例えばアリル)、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシルアルキル基、ハロゲン化アルキル基を含む非水素基から独立して選択される。
【0012】
【化2】

【0013】
式(II)に関して、R、R、R、R、およびRは、独立して、水素、フルオロ炭素、アルケニル、アルキル基、アルキニル基、アルコキシ基、カルボキシ基、ハライド、およびフェニルからなる群から選択され、または、本発明の幾つかの実施態様において、任意の二つの隣接基は、組み合わさって環式基を形成し得る。ここで上記環式基は、メチレンジオキシ、シクロペンチル、シクロヘキシル、または他の類似環式基を含んでなり得る。
【0014】
アセタール化合物は、(a)多価アルコールとアルケニル基を反応させて第一化合物を形成する工程と、(b)上記第一化合物と芳香族アルデヒドを縮合反応で反応させてアセタール化合物を形成する工程を含む方法によって、本発明の特定の一実施態様において形成され得る。しかしながら、本発明は、同様に、他の方法においても実施できる。かくして形成されるアセタール化合物は、モノ、ジ-、またはトリ-アセタールであり得るが、多くの場合、ジ-アセタールが特に有用であることがわかった。アセタール化合物は、本明細書中にさらに記載するように、本発明の特定の一実施態様においてアリルを含み得る。
【0015】
幾つかの用途において、このような反応生成物または得られる組成物は、ジ-アセタール(したがって、アルジトールとベンズアルデヒドの間のモル比1:2の反応の結果物)である。組成物は、以下の式(III)で示される構造を有するように与えられ得る。また、単一のアセタール、またはトリアセタールは、本発明の実施において与えられ得るが、一つの特定のジ-アセタール組成物を以下に示す。
【0016】
【化3】

【0017】
当該組成物において、nは、0、1、または2であり得る。ArおよびArは、置換または非置換アリール含有基から独立して選択される。さらに、Rは、アルケニル、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシルアルキル、およびハロゲン化アルキルからなる群から選択することができる。Rは、アルケニルを含んでなり得、および本発明の幾つかの特定の実施態様において、アリルは、R基に非常に適当であることがわかった。
【0018】
当然のことながら、本明細書中に与えられた全ての化学構造は、Rが結合した炭素原子の立体異性体に依存して生じる任意の異性体を包含すべきであるように、R基の立体化学は規定されず、および本発明は、任意の特定のR基の立体化学に限定されない。
【0019】
当然のことながら、上記組成物に関して、1,3;2:4異性体のみが表されているが(すなわち、2つのアセタールを形成するソルビトール鎖上の番号が付された炭素)、この構造は、便宜および例示のみの目的で与えられており、および本発明は、1,3:2,4タイプの異性体のみに限定されず、同様に、例えば、1:3;4:6および2,4:3,5タイプの異性体も含む、任意のおよび全ての他の異性体を含み得る。
本発明のジアセタール、トリアセタール、およびモノアセタールは、置換アルジトールの縮合生成物であり得、例えば(限定されないが)、アリル-ソルビトール、プロピル-ソルビトール、1-メチル-2-プロペニルソルビトール、アリル-キシリトール、プロピル-キシリトール、および(置換)ベンズアルデヒドが挙げられる。適当な(置換)ベンズアルデヒドの例としては、ベンズアルデヒド、4-エチルベンズアルデヒド、4-イソブチルベンズアルデヒド、4-フルオロ-3-メチルベンズアルデヒド、5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフトアルデヒドベンジリデン、3-メチルベンズアルデヒド、4-プロピルベンズアルデヒド、4-ブチルベンズアルデヒド、4-メトキシベンズアルデヒド、3-クロロベンズアルデヒド、3,4-ジメチルベンズアルデヒド、3,5-ジフルオロベンズアルデヒド、3-フルオロベンズアルデヒド、4-フルオロベンズアルデヒド、3-ブロモ-4-フルオロベンズアルデヒド、3-メチル-4-メトキシベンズアルデヒド、2,4,5-トリメチルベンズアルデヒド、4-クロロ-3-フルオロベンズアルデヒド、4-メチルベンズアルデヒド、3-ブロモベンズアルデヒド、4-メトキシベンズアルデヒド、3,4-ジクロロベンズアルデヒド、4-フルオロ-3,5-ジメチルベンズアルデヒド、2,4-ジメチルベンズアルデヒド、4-ブロモベンズアルデヒド、3-エトキシベンズアルデヒド、4-アリルオキシベンズアルデヒド、3,5-ジメチルベンズアルデヒド、4-クロロベンズアルデヒド、3-メトキシベンズアルデヒド、4-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド、2-ナフトアルデヒド、4-イソプロピルベンズアルデヒド、3,4-ジエトキシベンズアルデヒド、3-ブロモ-4-エトキシベンズアルデヒド、ピペロナール、3,4-ジメトキシベンズアルデヒド、4-カルボキシベンズアルデヒド、3-ヘキシ-1-イニルベンズアルデヒド、および2-クロロベンズアルデヒドが挙げられる。
好適な本発明のジ-アセタールとしては、1,3:2,4-ビス(4-エチルベンジリデン)-1-アリル-ソルビトール、1,3,2,4-ビス(3'-メチル-4'-フルオロ-ベンジリデン)-1-プロピル-ソルビトール、1,3,2,4-ビス(5',6',7',8'-テトラヒドロ-2-ナフトアルデヒドベンジリデン)-1-アリル-キシリトール、ビス-1,3,2-4-(3',4'-ジメチルベンジリデン)-1''-メチル-2''-プロピル-ソルビトール、1,3,2,4-ビス(3',4'-ジメチルベンジリデン)-1-プロピル-キシリトールが挙げられる。
【0020】
本発明のジ-アセタールおよびモノアセタールは、種々の技術(その幾つかは当該分野で既知)によって製造することができる。一般に、このような手順は、酸触媒(無機酸、例えば塩酸、または有機酸、例えばp-トルエンスルホン酸(pTSA))の存在下での、1モルの置換アルジトール(例えばアリル-ソルビトール、プロピル-ソルビトール、アリル-キシリトール、プロピル-キシリトールなど)と、2モルのアルデヒドとの反応(ジアセタール目的)、1モルのアルデヒドとの反応(モノアセタール目的)、または3モルのアルデヒドとの反応(トリアセタール目的)を用いる。さらに、室温で水と混和性である有機溶媒(例えば、低アルキルアルコール、N-N-ジメチルホルムアミド、または酢酸)が用いられる。
【0021】
本発明の実施において、当該構造上に任意の数のDBS部分を有することができる。炭化水素骨格上に1個、2個、または3個のDBS(すなわちアリール含有)部分を有することが一般的である。以下のものは、ポリオレフィン組成物の造核方法に用いられ得る幾つかの例である。すなわち、一つの例は、以下の
【0022】
【化4】

【0023】
〔式中、
Ar、ArおよびArは、置換または非置換アリール含有基から独立して選択され、および
Rは、アルケニル、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシルアルキル、ハロゲン化アルキルおよびそれらの誘導体からなる群から選択される〕
で示されるものを1以上用い得る。
【0024】
また、共添加剤は、上記ポリオレフィン組成物と組み合わせることができる。使用され得る共添加剤の例は、以下の(1)〜(3)に記載される。以下の実施例21は、用いられ得る共添加剤のさらに別の例、ラウリル硫酸Naを示す。多くの他の例が用いられ得、および以下の共添加剤は、本明細書中に開示される任意の造核剤構造または組成物と本質的に使用され得る。また、以下に記載される1より多くの共添加剤が用いられ得、および使用量または濃度は、所定の用途に関して変化するであろう。
【0025】
(1)臭気および風味の移動阻害用共添加剤
アミノ酸(以下から選択される少なくとも1つのアミノ酸:グリシン、L-アラニン、L-フェニル-アラニン、L-イソロイシン、L-バリン、L-ロイシン、L-プロリン、L-アルギニン、L-アスパラギン酸、L-シスチン、L-グルタミン酸、L-セリン、L-ヒスチジン、L-トリプトファン、L-リシン、L-トレオニン、L-メチオニン、DL-エチオニン、L-システイン、L-チロシン、L-アスパラギン、L-グルタミン、L-ノルバリン、およびL-a-アミノ酪酸)のアルカリ金属塩および0.1〜100重量部の8〜32個の炭素原子を有する少なくとも1つの脂肪酸(オクタン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸、オレイン酸、リノール酸、エレオ-ステアリン酸、リシノール酸、およびエルカ酸)。
(2)臭気および風味の移動阻害用およびDBSの融点低下用共添加剤
A:少なくとも、6〜32個の炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪族アルコール(例えば:ラウリンアルコール)、B:少なくとも、分子内に少なくとも1つのヒドロキシ基を有する8〜32個の炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪族カルボン酸(例えば:12-ヒドロキシステアリン酸)、C:以下の群から選択される少なくとも1つのタイプ:分子内に少なくとも1つのヒドロキシル基を有し得る8〜32個の炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪酸のリチウム塩、ナトリウム塩、またはカリウム塩、またはD:以下の群から選択される少なくとも1つのタイプの硫酸エステル塩:ラウリル硫酸塩、ステアリル硫酸塩、オレイル硫酸塩、およびポリオキシエチレンステアリルエーテル硫酸塩。
(3)粒状または粉末状ジアセタール組成物を有する共添加剤
ここで結合剤は、モノカルボン酸、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸の部分塩、リン酸とC1〜C30一価脂肪族アルコールおよびC2〜C30多価脂肪族アルコールからなる群から選択される少なくとも1つのアルコールとのエステル、亜リン酸とC1〜C30一価脂肪族アルコールおよびC2〜C30多価脂肪族アルコールからなる群から選択される少なくとも1つのアルコールとのエステル、リン酸とC6〜C30一価芳香族アルコールおよびC6〜C30多価芳香族アルコールからなる群から選択される少なくとも1つのアルコールとのエステル、亜リン酸とC6〜C30一価芳香族アルコールおよびC6〜C30多価芳香族アルコールからなる群から選択される少なくとも1つのアルコールとのエステル、タウリン、硫酸エステルの塩、スルホン酸塩、リン酸エステルの塩およびモノ、ジ-およびトリ(C6〜C30脂肪酸)アルミニウム塩からなる群から選択される。これらの各々は、分子中、エーテル結合、エステル結合、チオエーテル結合、アミド結合、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシル基、ヘテロ環式基およびカルボニル基からなる群から選択される少なくとも1つの結合基または官能性基を有し得る。
【0026】
〔ジ-アセタールの合成方法〕
本発明のジ-アセタールを製造するために用いられ得る一つの方法は、Gardlikらの米国特許第5,106,999号(これは参照により本明細書中に組み込まれる)中に記載されている。
変動する鎖長の炭水化物を製造および合成するための方法は、Kim、Gordon、Schmid、およびWhitesidesの、Tin and Indium Mediated Allylation in Aqueous Media: Application to Unprotected Carbohydrates、J. Org. Chem、5500-5507、58(1993)およびWhitesideの、Journal of the American Chemical Society、113、6674-6675(1991)に開示されている。Whitesideは、グルコースと臭化アリル/スズとの反応を提案している。
本発明の実施に必要な組成物の合成のための出発材料を製造するのに用いられ得る一つの反応方法を以下に示す。ここでアリル基は、炭水化物に添加され得る。図示される反応スキームは単なる一例であり、および、鎖中により多くまたはより少ない炭素基を有する炭水化物に関して、同様の反応を行うことができる。
【0027】
【化5】

【0028】
【化6】

【0029】
本発明の実施において、アセタール化合物は、(a)炭水化物をアルケニル基と反応させて第一化合物を形成する工程と、(b)上記第一化合物と芳香族アルデヒドを縮合反応で反応させてアセタール化合物を形成する工程を含む方法によって形成される。幾つかの用途において、アルケニル基はアリルを含んでなる。
【0030】
ここで、本発明の一実施態様を導く仕事の過程において、上記に図示した臭化アリル/スズ化学は、一連の反応における一工程として使用されて予想外にかなり有利なおよび価値ある組成物を与え得る、炭水化物炭化水素鎖の一合成方法であることを発見した。この一般反応経路は、本発明の組成物の製造において、種々の形態で使用されて炭水化物を合成し得る。本発明の一実施態様は、本発明の組成物を製造するための他のアセタール形成反応と組み合わせての炭水化物合成反応の使用に関する。
【0031】
置換ソルビトールジアセタール、トリアセタール、およびモノアセタールを製造することができる。これらの構造は、任意の相関タイプのアセタールの混合物(例えば、標的アセタールの関連ジ-、トリ-、および/またはモノアセタール)を含有する。通常、標的ポリオレフィン中にジ-アセタール、トリアセタールまたはモノアセタールを組み込む前に、これらの不純物を除去する必要はないけれども(特にそれらが非常に低い割合で存在する場合)、そうすることが所望され得る。そして、このような精製は、それにより製造される樹脂の透明度を高めるために役立ち得る。
【0032】
ジ-アセタールの精製は、本発明の一実施態様において、比較的非極性の溶媒を用いる抽出による任意に存在するトリ-アセタールの除去によって達成され得る。限定されない一例として、不純物の除去によって生成物は精製され得る。その結果、添加剤組成物中のジ-アセタール量は、用途に応じて、少なくとも約95%、および98%までさえのジ-アセタール、またはそれ以上のジ-アセタールを含有し得る。
【0033】
より完全な合成経路を以下に示す。これは単なる例示であり、示される種または反応のみに限定されない。
〔合成経路〕
【0034】
【化7】

【0035】
〔合成されたアセタール系組成物の一般構造〕
【0036】
【化8】

【0037】
本発明の実施において、表1中の幾つかの代表例により示されるように、多くの異なる置換ベンジル基がArおよびArに用いられ得る。これらは、本明細書中に挙げた実施例中に示されるように合成され、試験された。Arおよび/またはArについての置換基は、表1中に見られるもののみに限定されない。例えば、表1は、n=0およびn=1である場合の種々の置換ArおよびAr基についての種々の組成物を示す。n=0である場合、キシリトール部分が用いられる。n=1である場合、ソルビトール部分が用いられる。n=2の化合物は表1中に示されていないが、このような化合物は本発明の範囲内であり、および本明細書中に与えた教示の範囲内である。このような組成物において、それらが化学的に可能である限り、置換され得るものに対する実際的な限界はない。しかしながら、この化合物上の特定の置換基が高められた特性を与えることがわかった。
【0038】
本発明の実施において、Rは、広範囲の化合物から選択され得る。その例としては、限定されないが、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CHCHCHCH、-CHCH=CH、-CH(CH)CH=CH、-CHCH-X-CH-X'、-CHCH-X''-CH-CH、-CHCH-X'''-CHOH、-CH-OH-CH-OH-CH-OHが挙げられる。
【0039】
上記化合物に関して、X、X'、X''、およびX'''は、それらが用いられる場合、それらの選択された化合物における独立して選択されたハライド基を含んでなる。
【0040】
アリル種(-CHCH=CH)は、時々特に有利である。幾つかのこのような種を合成し、他のものと一緒に表1中に示した。
【0041】

【0042】
【表2】

【0043】
【化9】

【実施例】
【0044】
〔実施例1〕
1-アリルソルビトール
加熱マントル、攪拌機、窒素入口、および凝縮器を備えた3Lの三首丸底フラスコ中に、900mLのエタノール、150mLの水、180g(1.00モル)のD-グルコース、119g(1.00モル)のスズ粉末(-100メッシュ)、および121g(1.00モル)の臭化アリルを充填した。該混合物を攪拌し、ゆっくりと還流まで加熱した。60℃にてかなりの発熱およびガス発生が観察された。該灰色懸濁物を還流下2日間攪拌した。この間に該反応混合物は、オレンジ/茶色に変化した。熱を除去し、該混合物を室温に冷却した。該反応物を、5MのNaOH水溶液(約200ml)を添加することによりpH=7に中和した。該懸濁物をろ過して固体を除き、そして該黄色溶液を活性炭による複数回処理によって脱色した。該活性炭をろ過により除去し、そして該溶媒をロータリーエバポレーションにより除去して白色シロップを単離した。典型的な収率は、200gであり、GC-MSに基づくトレオ-エリトロ比は1:6であった。該シロップをさらなる精製を行わずに使用した。
【0045】
純エリトロ異性体は、実施例2〜8のいずれかの加水分解によって得ることができた。1H NMR (500 MHz, D2O, ppm): 2.34-2.37 (m, 2H), 3.63-3.95 (m, 7H), 5.13-5.20 (m, 2H), 5.88-5.89 (m, 1H).
13C NMR (125 MHz, D2O, ppm): 38.32, 63.69, 70.74, 71.14, 71.80, 71.92, 74.58, 118.60, 135.72.
【0046】
〔実施例2〕
ビス-1,3:2,4-(4'-エチルベンジリデン)1-アリルソルビトール
攪拌機および窒素入口を備えた2Lの反応ケトルに、6NのHCl溶液(100mL)中の111g(0.50モル)の1-アリルソルビトールシロップ(実施例1の生成物)を充填した。メタノール(800mL)中の134g(1.0モル)の4-エチルベンズアルデヒドを該反応容器に添加した。該透明溶液を48時間攪拌した。この間にかなりの量の白色沈澱が形成された。該粉末をろ過により単離し、そして1MのNaOH水溶液(250ml)で洗浄した。該粉末を水中に懸濁させ、さらに少量のNaOHでpH=7に中和した。該懸濁物を沸騰するまで加熱し、次いでろ過した。該白色粉末を7×500mlの沸騰水で洗浄した。該洗浄した粉末を終夜乾燥した。次いで、該粉末を500mLのシクロヘキサン中で攪拌し、沸騰するまで加熱し、ろ過し、および2×250mlの沸騰シクロヘキサンで洗浄した。該単離した白色粉末を真空オーブン中で乾燥して107gの生成物(融点244〜246℃)を得た。GC−MSに基づく純度は、99%超であった。
1H NMR(300 MHz, DMSO-d6, ppm): 1.14-1.19 (t, 6H), 2.39-2.44 (t, 2H), 2.56-2.63 (q, 4H), 3.41-4.10 (m, 7H), 4.38-4.42 (t, 1H), 4.81-4.83 (d, 1H), 5.07-5.19 (q, 2H), 5.60-5.64 (d, 2H), 5.84-5.89 (m, 1H), 7.19-7.23 (t, 4H), 7.34-7.38 (t, 4H).
【0047】
〔実施例3〜8〕
種々のアリル-置換ジベンジリデン系(DBS)分子を、上記実施例2に記載されたものと同様の手順を使用して合成した。該構造を融点の測定値と共に表1に示す。全ての誘導体は、示した構造と一致するNMRを有した。GC-MSに基づく純度は少なくとも95%であった。
【0048】
〔実施例9〕
1-アリルキシリトール
加熱マントル、攪拌機、窒素入口、および凝縮器を備えた5Lの三首丸底フラスコに、1.8Lのエタノール、0.3Lの水、300g(2.00モル)のD-キシロース、242g(2.04モル)のスズ粉末(-325メッシュ)、および242g(2.00モル)の臭化アリルを充填した。該混合物を攪拌し、ゆっくりと還流まで加熱した。60℃にてかなりの発熱およびガス発生が観察された。該灰色懸濁物を還流下3日間攪拌した。この間に該反応混合物は、オレンジ/茶色に変化した。熱を除去し、該混合物を室温に冷却した。該反応物を、5MのNaOH水溶液(約400ml)を添加することによりpH=7に中和した。該懸濁物をろ過して固体を除き、そして該黄色溶液を活性炭による複数回処理によって脱色した。該活性炭をろ過により除去し、そして該溶媒をロータリーエバポレーションにより除去して白色シロップを単離した。典型的な収率は、320gであった。
1H NMR(300 MHz, D2O, ppm): 2.33-2.39 (m, 2H), 3.55-3.89 (m, 6H), 5.14-5.23 (m, 2H), 5.89 (m, 1H).
該シロップをさらなる精製を行わずに使用した。
【0049】
〔実施例10〕
ビス-1,3:2,4-(5',6',7',8'-テトラヒドロ-2-ナフトアルデヒドベンジリデン)1-アリルキシリトール
攪拌機および窒素入口を備えた2Lの反応ケトルに、144g(0.75モル)の1-アリルキシリトールシロップ(実施例9の生成物)、300mLの水、および100mLの濃(12N)HClを充填した。該混合物を1-アリルキシリトールが完全に溶解するまで攪拌した。メタノール(400mL)中の240g(1.50モル)の5',6',7',8'-テトラヒドロ-2-ナフトアルデヒドを該反応容器に添加した。該溶液を2日間攪拌した。この間にかなりの量の白色沈澱が形成された。該粉末をろ過により単離し、そして1MのNaOH水溶液(250ml)で洗浄した。該粉末を水中に懸濁させ、さらに少量のNaOHでpH=8に中和した。該懸濁物を沸騰するまで加熱し、次いでろ過した。該白色粉末を7×500mlの沸騰水で洗浄した。該洗浄した粉末を終夜乾燥した。次いで、該粉末を0.5Lのシクロヘキサン中で攪拌し、沸騰するまで加熱し、ろ過し、そして2×250mlの沸騰シクロヘキサンで洗浄した。該単離した白色粉末を真空オーブン中で乾燥し、47.8gの生成物を得た。融点210〜212℃。GC-MSに基づく純度は99%であった。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6, ppm): 1.72 (m, 8H), 2.36-2.51 (t, 2H), 2.71 (m, 8H), 3.54-4.03 (m, 6H), 4.76-4.80 (t, 1H), 5.07-5.17 (q, 2H), 5.56-5.77 (d, 2H), 5.80-5.90 (m, 1H), 7.02-7.06 (m, 2H), 7.11-7.17 (m, 4H).
【0050】
〔実施例11および12〕
種々のアリルDBXを、上記実施例2に記載されたものと同様の手順を使用して合成した。実施例10および11の構造を表1に示す。全ての誘導体は、示した構造と一致するNMRを有した。GC-MSに基づく純度は少なくとも95%であった。
【0051】
〔実施例13〕
ビス-1,3:2,4-(3',4'-ジメチルベンジリデン)1-プロピルキシリトール
58g(0.3モル)の1-アリルキシリトールシロップ(実施例8)を60mlの水中に溶解した。約0.6gの白金(活性炭上5重量%)を添加し、そして該混合物を、室温で60psiの水素圧によって水素化した。該反応を水素圧低下が観察されなくなるのをまって停止した。該固体をろ過した。該溶液の該アリル基は、完全にプロピル基に変化した(NMRに基づく)。100g(0.6モル)の3,4-ジメチルベンズアルデヒド、500mlのエタノール、および50mLの濃HCl(12N)を該糖溶液中に添加した。該透明溶液を室温で終夜攪拌した。この間にかなりの量の白色沈澱が形成された。該粉末をろ過により単離し、そして1MのNaOH水溶液(100ml)で洗浄した。該粉末を水中に懸濁させ、さらに少量のNaOHでpH=7に中和した。該懸濁物を沸騰するまで加熱し、次いでろ過した。該白色粉末を7×500mlの沸騰水で洗浄した。該洗浄した粉末を終夜乾燥した。次いで、該粉末を500mLのシクロヘキサン中で攪拌し、沸騰するまで加熱し、ろ過し、および2×250mlの沸騰シクロヘキサンで洗浄した。該単離した白色粉末をメタノールで洗浄し、真空オーブン中で乾燥して21gの生成物を得た。融点255〜257℃。GC-MSに基づく純度は98%超であった。
1H NMR(300 MHz, DMSO-d6, ppm): 0.89-0.93 (t, 3H), 1.30-1.50 (m, 2H), 1.50-1.70 (m, 2H), 2.22 (12H), 3.50-4.05 (m, 6H), 4.78 (1H), 5.56-5.59 (d, 2H), 7.14-7.21 (m, 6H).
【0052】
〔実施例14〕
ビス-1,3:2,4-(3'-メチル-4'-フルオロ-ベンジリデン)1-プロピルソルビトール
約85g(0.38モル)の1-アリルソルビトールシロップ(実施例1の生成物)を85mlの水中に溶解した。0.8gの白金(活性炭上5重量%)を添加し、そして該混合物を、室温で60psiの水素圧によって水素化した。該反応を水素圧低下が観察されなくなるのをまって停止した。該固体をろ過した。該溶液の該アリル基は、完全にプロピル基に変化した(NMRに基づく)。
75g(0.54モル)の3-メチル-4-フルオロベンズアルデヒド、500mlのエタノール、および56mLの濃HCl(12N)を、該糖溶液中に添加した。該透明溶液を室温で終夜攪拌した。この間にかなりの量の白色沈澱が形成された。該粉末をろ過により単離し、そして1MのNaOH水溶液(100ml)で洗浄した。該粉末を水中に懸濁させ、さらに少量のNaOHでpH=7に中和した。該懸濁物を沸騰するまで加熱し、次いでろ過した。該白色粉末を7×500mlの沸騰水で洗浄した。該洗浄した粉末を終夜乾燥した。次いで、該粉末を500mLのシクロヘキサン中で攪拌し、沸騰するまで加熱し、ろ過し、および2×250mlの沸騰シクロヘキサンで洗浄した。該単離した白色粉末をメタノールで洗浄し、真空オーブン中で乾燥して21gの生成物を得た。融点253℃。GC-MSに基づく純度は98%超であった。
1H NMR(300 MHz, DMSO-d6, ppm): 0.91-0.95 (t, 3H), 1.40-1.48 (m, 2H), 1.54-1.67 (m, 2H), 2.13-2.25 (6H), 3.42-4.05 (m, 7H), 4.40 (t,1H), 4.82-4.84 (d, 1H), 5.60-5.62 (d, 2H), 7.11-7.16 (m, 2H), 7.30-7.37 (m, 4H).
【0053】
〔実施例15〕
ビス-1,3:2,4-(3',4'-ジメチルベンジリデン)1'-メチル-2'-プロペニルソルビトール
加熱マントル、攪拌機、窒素入口、および凝縮器を備えた2Lの三首丸底フラスコに、600mLのエタノール、100mLの水、126g(0.70モル)のD-グルコース、84g(0.7モル)のスズ粉末(-100メッシュ)、および131g(0.97モル)の臭化クロチルを充填した。該混合物を攪拌し、ゆっくりと還流まで加熱した。60℃にてかなりの発熱およびガス発生が観察された。該灰色懸濁物を還流下終夜攪拌した。この間に該反応混合物は、淡黄色に変化した。熱を除去し、該混合物を室温に冷却した。該反応物をろ過し、そして該溶液を188g(1.4モル)の3,4-ジメチルベンズアルデヒドと共に終夜攪拌した。この間にかなりの量の沈澱が形成された。黄色固体をろ過により単離し、メタノールで洗浄して白色粉末を得た。融点233〜235℃。GC-MSおよびNMRは、1-メチル-2-プロペニルの2つのジアステレオマー(2:1)の混合物として、所望の化合物を示した。
【0054】
〔実施例16〕
ビス-1,3,2,4-ジベンジリデン2',3'-ジブロモプロピルソルビトール/
ビス-1,3,2,4-ジベンジリデン2'-ブロモ-3'-ヒドロキシプロピルソルビトール
メタノール(110g)中の90gのアリルソルビトールシロップ(実施例1)の水性溶液を、淡黄色溶液になるまで臭素によって滴定した。少量のNaHSOを添加して無色溶液を得た。1.9gのp-トルエンスルホン酸一水和物を添加した。該透明溶液を終夜攪拌した。この間にかなりの量の白色沈澱が形成された。該粉末をろ過により単離し、そして1MのNaOH水溶液で洗浄した。該粉末を水中に懸濁させ、さらに少量のNaOHでpH=7に中和した。該懸濁物を沸騰するまで加熱し、次いでろ過した。該白色粉末を7×500mlの沸騰水で洗浄した。該洗浄した粉末を終夜乾燥した。次いで、該粉末を50mLのシクロヘキサン中で攪拌し、沸騰するまで加熱し、ろ過し、および2×25mlの沸騰シクロヘキサンで洗浄した。該生成物を真空オーブン中で乾燥して7.3gの白色粉末を得た。融点188〜190℃。GC-MSおよびNMRは、ビス-1,3:2,4-ジベンジリデン2',3'-ジブロモプロピルソルビトール(90%)とビス-1,3:2,4-ジベンジリデン2'-ブロモ-3'-ヒドロキシプロピルソルビトール(10%)の混合物を示した。
【0055】
〔実施例17〕
非対称ベンジリデン/2,4-ジメチルベンジリデン1-アリルソルビトール
攪拌機および窒素入口を備えた2Lの反応ケトルに、メタノール溶液(280ml)中の111g(0.50モル)の1-アリルソルビトールシロップ(実施例1の生成物)を充填した。9.5gのpTSA、53g(0.5モル)のベンズアルデヒドおよび67g(0.50モル)の2,4-ジメチルベンズアルデヒドを反応容器に添加した。該透明溶液を48時間攪拌した。この間にかなりの量の白色沈澱が形成された。該粉末をろ過により単離し、そして1MのNaOH水溶液(250ml)で洗浄した。該粉末を水中に懸濁させ、さらに少量のNaOHでpH=7に中和した。該懸濁物を沸騰するまで加熱し、次いでろ過した。該白色粉末を7×500mlの沸騰水で洗浄した。該洗浄した粉末を終夜乾燥した。次いで、該粉末を500mLのシクロヘキサン中で攪拌し、沸騰するまで加熱し、ろ過し、および2×250mlの沸騰シクロヘキサンで洗浄した。該単離した白色粉末を真空オーブン中で乾燥して38.4gの生成物を得た。融点234〜236℃。材料の標準分析は、それが1,3-O-(ベンジリデン):2,4-O-(2,4-ジメチルベンジリデン)1-アリルソルビトールおよび1,3-O-(2,4-ジメチルベンジリデン):2,4-O-ベンジリデン1-アリルソルビトール(85%)、1,3:2,4-ビス(ベンジリデン)1-アリルソルビトール(5%)および1,3:2,4-ビス(2,4-ジメチルベンジリデン)1-アリルソルビトール(10%)の混合物からなっていたことを示した。
【0056】
〔実施例18〕
トリ-1,3:2,4:5,6-ベンジリデン-1-アリルソルビトール
111g(0.50モル)の1-アリルソルビトールシロップ(実施例1の生成物)を111gの水中に溶解した。該溶液を50gの氷と混合した。氷冷却槽を用いて、90mLの93%硫酸をゆっくりと、該温度が20℃未満になるように添加した。106g(1.0モル)のベンズアルデヒドを添加した。暗桃色懸濁物が形成された。該反応物を室温にて終夜放置した。得られた黄色固体をろ過により収集し、10%のNaOH溶液で中和した。該固体を沸騰水で洗浄し、次いで、冷メタノールで洗浄して白色固体を得た。融点216〜218℃。24:76の比を有する2つのジアステレオマー(アリルソルビトール部分の炭素5および6上の酸素原子に結合したメタン炭素においてのみ異なる。該メタン炭素はRまたはS構造のいずれかであり得る)をGC-MSによって検出した。
1H NMR(500 MHz, DMSO-d6, ppm): 2.43-2.45 (t, 2H), 3.95-4.52 (m, 7H), 5.10-5.20 (dd, 2H), 5.72 (s, 1H), 5.79 (s, 1H), 5.89 (s, 1H), 5.86-5.92 (m, 1H), 7.36-7.50 (m, 15H).
13C NMR(125 MHz, DMSO-d6, ppm): 34.2, 67.0, 69.6, 70.3, 73.3, 76.9, 77.6, 99.0, 99.1, 102.8, 109.3, 117.6, 126.0, 126.6, 128.0, 128.1, 128.2, 128.6, 128.7, 129.2, 134.0, 137.8, 138.2, 138.4.
【0057】
〔実施例19〕
ビス-1,3:2,4-(3'-ブロモ-4'-エチルベンジリデン)-1-アリルソルビトール/
モノ2,4-(3'-ブロモ-4'-エチルベンジリデン)-1-アリルソルビトール
機械式攪拌モーター、ガラス栓、およびガス入口を備えた1Lの三首フラスコを、アルゴンを用いて10分間パージした。この容器に対して、1-アリルソルビトール(30.07g、134.1mmol)(実施例1の生成物)の0.4Mのメタノール性溶液(335.2mL)および60.00g(281.6mmol)の3-ブロモ-4-エチルベンズアルデヒドを添加した。反応体を10分間攪拌後、42mLのHCl(12M)を添加し、該反応を触媒した。HCl添加後2分以内に沈澱の形成が起こり、そして該溶液はピンクがかった色になり始めた。反応3時間後、該ピンクがかった色は、大きく消散し、そしてピンクがかった白色固体の量は増加した。内容物を迅速に攪拌し、そして反応の進行を8〜12時間毎にGC/MSによって追跡した。48時間後、その間にかなりの量の灰色がかった白色沈澱が形成された。該反応を54.00g(962.5mmol)の水酸化カリウム[脱イオン水中に予め溶解]によって停止させ、これにより、該混合物に最終pH12〜13を与えた。粗固体をブフナー漏斗真空ろ過によって単離し、そして800mlの沸騰脱イオン水で洗浄した。未反応糖を除去するため、該材料を終夜乾燥させ、微粉に挽き、および1000mLの脱イオン水中に懸濁させた。該スラリー状混合物を沸騰させ、そして30分間攪拌した。該固体をブフナー漏斗ろ過を介して捕捉し、さらに沸騰脱イオン水(3×1000mL)で洗浄した。残留アルデヒドを除去するために、沸騰メタノールを洗浄溶媒として利用して上記手順を繰り返した。終夜乾燥後、固体材料のGC/MSは、モノ:ジベンジリデンソルビトールの混合物[36.85g、44.5%粗収率]を示した。この混合物を単離するために、粗白色固体を微粉に挽き、沸騰した50:50溶媒混合物(CHOH:脱イオン水)中で1時間攪拌し、ブフナー漏斗ろ過を介して熱ろ過し、および真空乾燥して27.99gの軟質白色粉末[DBSの単離した収率33.8%]を得た。解析的試験は、この材料が(19a)ビス-1,3,2,4-(3'-ブロモ-4'-エチルベンジリデン)-1-アリルソルビトール[以下参照]であることを示した。終夜放置した際、ゲル化した白色沈澱がDBSの最終精製の間に利用した洗浄溶媒[50:50、CHOH:脱イオン水]中に観察された。この沈澱をブフナー漏斗真空ろ過を介して単離し、真空乾燥して7.48gの白色固体[MBS]を得た。解析的分析は、この材料が(19b)モノ2,4-(3'-ブロモ-4'-エチルベンジリデン)-1-アリルソルビトールであると明らかにした[以下参照]。
【0058】
(19a)分析結果は、ビス-1,3,2,4-(3'-ブロモ-4'-エチルベンジリデン)-1-アリルソルビトール[C2732Br]であると見出した:該単離した白色粉末を真空オーブン(<10-1mmHg)中、90℃で18時間乾燥して27.99gの軟質白色粉末(融点268.2〜268.6℃)を得た[アルゴン下]。GC−MSに基づく純度は>98.3%であった。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6, δ ppm): 1.15 (dt, 6H, -CH2CH3); 2.42 (tdd, 2H, -アリル性メチレン); 2.70 (dq, 4H, -CH2CH3); 3.44 (b, m, 1H); 3.61 (b, dq, 1H); 3.74 (b, m, 1H); 3.84 (b, d, 2H); 4.10 (b, m, 2H); 4.43 (t, 1H, 2° -OH); 4.90 (d, 1H, 1° -OH); 5.14 (b, qm, 2H, -CH=CH2); 5.63 (s, 1H, アセタール); 5.67 (s, 1H, アセタール) 5.88 (m, 1H, -CH=CH2); 7.38 (b, m, 4H, 芳香族); 7.58 (b, s, 1H, 芳香族) 7.62 (b, d, 1H, 芳香族).
13C NMR (500 MHz, DMSO-d6, δ ppm): 14.25 (-CH2CH3); 28.50 (-CH2CH3); 34.29 (-アリル性); 62.60; 67.73; 68.86; 70.84; 77.03; 77.53; 97.83 (アセタール); 97.94 (アセタール); 117.49 (-CH=CH2); 122.81; 122.88; 125.64; 125.78; 129.49; 129.62; 129.72; 129.89; 134.13 (-CH=CH2); 138.33; 138.45; 142.91; 142.97.
【0059】
(19b)分析結果は、モノ2,4-(3'-ブロモ-4'-エチルベンジリデン)-1-アリルソルビトール[C1825Br]であると見出した:該単離した白色粉末を、真空オーブン(<10−1mmHg)中70℃にて18時間乾燥させ、7.58gの軟質白色粉末(融点199.8〜200.5℃)を得た[アルゴン下]。GC-MSに基づく純度は>96%であった[<4%のDBS含有]。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6, δ ppm): 1.16 (t, 3H, -CH2CH3); 2.10 (m, 1H, -アリル性メチレン); 2.40 (b, m, 1H, -アリル性メチレン); 2.70 (q, 2H, -CH2CH3); 3.41 (m, 1H); 3.47 (b, d, 1H); 3.57 (b, m, 1H); 3.62 (b, d, 1H); 3.74 (b, dm, 2H); 3.88 (b, d, 1H); 4.34 (d, 1H, 1° -OH); 4.40 (t, 1H, 2° -OH); 4.70 (d, 1H, 1° -OH); 4.78 (d, 1H, 1° -OH); 5.03 (b, m, 2H, -CH=CH2); 5.50 (s, 1H, アセタール); 5.91 (b, m, 1H, -CH=CH2); 7.36 (b, m, 2H, 芳香族); 7.67 (b, d, 1H, 芳香族).
13C NMR (500 MHz, DMSO-d6, δ ppm): 14.26 (-CH2CH3); 28.49 (-CH2CH3); 37.89 (-アリル性); 60.51; 62.70; 67.15; 69.15; 79.54; 82.33; 98.84 (アセタール); 116.33 (-CH=CH2); 122.88; 125.99; 129.42; 130.10; 135.92 (-CH=CH2); 138.56; 142.87.
【0060】
〔実施例20〕
ビス-1,3:2,4-(4'-エチルベンジリデン)1-アリルソルビトール、12-ヒドロキシステアリン酸、およびラウリル硫酸Naの混合物
攪拌棒を有するきれいな250mlの一首フラスコ中に、9.50gのビス-1,3;2,4-(4'-エチルベンジリデン)1-アリルソルビトール(実施例2)、0.250gの12-ヒドロキシステアリン酸、0.250gのラウリル硫酸Na、および60gのメタノールを充填した。該混合物を攪拌しながら還流するまで1時間加熱した。該反応物を室温まで冷却させた。メタノールをロータリーエバポレーションさせ、次いで、真空オーブン中80℃で2時間乾燥し、白色固体として9.62gの生成物を得た。融点203〜204℃。
【0061】
〔実施例21〕
ビス-1,3:2,4-(3',4'-ジメチルベンジリデン)1-メチルソルビトール
2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-D-グルコノ-1,5-ラクトン(21a)
27gの2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-D-グルコピラノース(50mmol)を153mLのDMSO中に溶解して透明溶液を形成した。102mLの無水酢酸を滴下した。得られた透明溶液を室温にて終夜攪拌した。17時間後、GC-MSは、ラクトンが消失し、新規化合物が観察されたことを示した。黄色溶液を600mLの水中に注ぎ、および分液漏斗中に終夜置いた。沈澱した油を、シリカゲルカラムを通過させ、最初にシクロヘキサンで溶出し、次いで、アセトンを添加することによって、最終溶出液がシクロヘキサン:アセトン=2:1になるまで極性を徐々に高めた。適切な部分を収集し、そしてエバポレーションして青白色シロップを得た(25.2g、収率:94%)。
IR (ν cm-1) 2867, 1752.
【0062】
3,4,5,7-テトラ-O-ベンジル-1-デオキシ-D-グルコ-ヘプツロピラノース(21b)
18g(33mmol)の21aを、窒素下、200mLの無水THF中に溶解した。−78℃に冷却した。45mLのMeLi(1.6M、72mmol)をシリンジによって添加した。1時間後、−78℃にて、該反応を、HO(200mL)中の7gのNHClの溶液によって停止させた。TLCは、出発材料は残らず、その一方、該生成物に対応する新規スポットが現れたことを示した。該混合物を3×150mLの酢酸エチルで抽出し、食塩水によって洗浄し、NaSOで乾燥した。エバポレーション後、濃厚な淡黄色油を得た。これは92〜93℃の融点を有する白色固体に変化した(17.6g、95%収率)。
300 MHz 1H NMR(CDCl3) δ: 1.41 (s, 3H, CH3); 2.58 (s, 1H, OH); 3.35-3.38 (d, 1H); 3.65-3.72 (m, 3H); 3.93-3.99 (m, 2H); 4.50-4.95 (m, 8H, 4-CH2), 7.14-7.36 (m, 20H).
13C NMR (CDCl3) δ: 26.59, 68.81, 71.55, 73.42, 74.85, 75.58, 75.68, 78.42, 83.18, 83.63, 97.36, 127.58, 127.65, 127.74, 127.82, 127.84, 127.91, 128.28, 128.32, 128.36, 128.41, 137.87, 138.21, 138.25, 138.64.
【0063】
1,3,4,5-テトラキス-ベンジルオキシ-ヘプタン-2,6-ジオール(21c+21c')
THF(60mL)中の5.54g(10mmol)の21bの透明溶液に、0.5g(12.5mmol)の95%LiAlHを添加した。該混合物を冷浴下4時間攪拌させた。TLCは、2つの非常に接近した新規スポットが現れると共に、全ての出発材料が消失したことを示した。該反応を2NのHClで注意深く停止させ、次いで、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を、水性NaHCO、次いで食塩水で洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒をエバポレーションした後、無色シロップ(5.5g、99%収率)を得た。1.048-1.069 ppm(ダブレット、21c):1.170-1.191 ppm(ダブレット、21c')の比は、NMRに基づいて45%:55%であった。
【0064】
ヘプタン-1,2,3,4,5,6-ヘキサノール(21d+21d')
エタノール(100mL)中の2.4g(4.3mmol)の21cの溶液に、0.6gの5%Pd-Cを添加した。該混合物を初期水素圧63psiにて水素化した。6時間後、触媒をろ去し、そしてメタノール-水で洗浄した。組み合わせた溶液をエバポレーションして白色固体を得た(0.80g、収率:95%)。
300 MHz H NMR(D2O) δ:1.186-1.237 (2つのダブレット, 3H), 3.537-3.988 (m, 7H).
【0065】
ビス-1,3:2,4-(3',4'-ジメチルベンジリデン)1-メチルソルビトール(21)
酢酸(100mL)中の4.65g(24mmol)の21d+21d'の溶液に、4.77g(36mmol)の3,4-ジメチルベンズアルデヒドを添加した。該混合物を室温にて終夜攪拌させた。得られたゲルをKOH-HOによって中和した。該白色固体(4.2g)をろ過によって収集し、そして沸騰水中に懸濁させた。該懸濁物を熱ろ過し、そして該固体を7×100mlの沸騰水で洗浄した。次いで、該固体を50mLの沸騰メタノール中に懸濁させ、そして再度ろ過した。2.30gの乾燥白色固体を収率25%で得た。
GC-MSは、純度が98.3%であったことを示した。
融点:259〜261℃。
300 MHz 1H NMR(DMSO-d6) δ: 1.23-1.25 (ダブレット, 3H), 2.21-2.23 (m, 12 H), 3.40-4.80 (m, 9H), 5.55-5.59 (ダブレット, 2H), 7.10-7.22 (m, 6H).
【0066】
〔実施例22〕
種々のレベルの実施例2〜21のアセタール、共添加剤(0.05重量%のIrganox 1010、0.1重量%のIrgafos 168、および0.08重量%のステアリン酸カルシウム)およびバランスポリプロピレンホモポリマーまたはポリプロペンランダムコポリマー(エチレン含量3%)を含有する組成物を、機械式混合機中で乾燥混合し、単軸スクリュー押出機を通じて240℃で押し出し、そしてペレット化した。該ペレットを220℃にて射出成形することによって、プラークを製造した(1.27mm厚)。
【0067】
Tcおよびヘーズを測定し、その結果を表2に示す。Millad 3988(登録商標)は、サウスカロライナ州スパータンバーグのミリケン・アンド・カンパニーの登録商標である。Millad 3988(登録商標)は、米国特許第5,049,605号に示され、記載されているように、ビス(3,4-ジメチルベンジリデンソルビトール)(「DMDBS」)を用いる市販の清澄剤製品である。
【0068】
【表3】

【0069】
本発明の幾つかの用途において、該造核剤組成物は、約0.005〜約3重量%の濃度にてポリマー樹脂に添加することができる。他の用途において、約0.01重量%と約1重量%の間の濃度が用いられ得る。他の用途において、約0.025重量%と約0.5重量%の間の濃度の組成物が有用である。
樹脂中50重量%までの造核剤の濃縮物も、成形前にさらなる樹脂と混合するために製造することができる。典型的に、樹脂中33重量%以下の造核剤を含有する濃縮物が商業的に使用される。
該樹脂は、例えば、射出成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、延伸ブロー成形、圧縮成形、回転成形、異形押出成形、シート押出成形、熱成形、フィルム押出成形およびフィルム配向押出成形によって、完成品に加工される直前に二度押し出すことができる。
【0070】
〔ゲル形成および試験〕
また、本発明の置換アルジトール誘導体を含んでなる固体ゲルを、認識された簡単な方法を通じて製造した。より詳細には、特定の有機溶媒を特定の濃度で添加剤と組合せ、そして徹底的に混合した。次いで、得られた混合物を、以下に示されるように、撹拌下、5分と120分の間の時間、約170°F(77℃)と300°F(149℃)の間の温度に加熱した。次いで、得られた溶液を型に注ぎ、ゲル棒を製造した。列挙した溶媒は、本発明の置換アルジトール誘導体とゲルを形成するのに利用し得る可能性のある種類を網羅することを意図せず、単にこのような目的に好適な溶媒として列挙している。以下の実施例では、実験的におよび手によって分析して、ゲルが実際に形成されたかどうか、および硬度特性並びに任意に形成されたゲルを決定した。結果を表3に示す。
【0071】
【表4】

【0072】
したがって、本発明の置換アルジトール誘導体は、標的溶媒ではなくそれらの濃度に応じて、溶媒に対する優れたゲル化能力を与える。
当業者は、本議論が例となる実施態様のみの説明であり、本発明の広範な局面を制限することを意図せず、該広範な局面は例示的な構成中に体現されることを理解する。本発明は、添付の請求の範囲中に例示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオレフィン組成物と、構造:
【化1】

〔式中、
nは、0、1または2であり、
ArおよびArは、置換または非置換アリール含有基から独立して選択され、および
Rは、アルケニル、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシルアルキル、ハロゲン化アルキルおよびそれらの誘導体からなる群から選択される〕
を有する化合物を組み合わせることを部分的に含む、ポリオレフィン組成物の造核方法。
【請求項2】
nは0である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
nは1である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
nは2である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
Rはアリルを含んでなる、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
請求項1に記載の化合物を含有するポリマー。
【請求項7】
請求項6に記載のポリマーから製造された物品。
【請求項8】
上記ポリオレフィン組成物と、構造:
【化2】

〔式中、
nは、0、1または2であり、
ArおよびArは、置換または非置換アリール含有基から独立して選択され、および
Rは、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CHCHCHCH、-CHCH=CH、-CH(CH)CH=CH、-CHCH-X-CH-X'、CHCH-X''-CH-CH、CHCH-X'''-CHOH、-CH-OH-CH-OH-CH-OHからなる群から選択され、
ここでX、X'、X''、およびX'''は、独立して選択されたハライド基を含んでなる〕
を有する化合物を組み合わせることを部分的に含む、ポリオレフィン組成物の造核方法。
【請求項9】
ArおよびArは、ベンズアルデヒド、4-エチルベンズアルデヒド、4-イソブチルベンズアルデヒド、4-フルオロ-3-メチルベンズアルデヒド、5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフトアルデヒド、3-メチルベンズアルデヒド、4-プロピルベンズアルデヒド、4-ブチルベンズアルデヒド、4-メトキシベンズアルデヒド、3-クロロベンズアルデヒド、3,4-ジメチルベンズアルデヒド、3,5-ジフルオロベンズアルデヒド、3-フルオロベンズアルデヒド、4-フルオロベンズアルデヒド、3-ブロモ-4-フルオロベンズアルデヒド、3-メチル-4-メトキシベンズアルデヒド、2,4,5-トリメチルベンズアルデヒド、4-クロロ-3-フルオロベンズアルデヒド、4-メチルベンズアルデヒド、3-ブロモベンズアルデヒド、4-メトキシベンズアルデヒド、3,4-ジクロロベンズアルデヒド、4-フルオロ-3,5-ジメチルベンズアルデヒド、2,4-ジメチルベンズアルデヒド、4-ブロモベンズアルデヒド、3-エトキシベンズアルデヒド、4-アリルオキシベンズアルデヒド、3,5-ジメチルベンズアルデヒド、4-クロロベンズアルデヒド、3-メトキシベンズアルデヒド、4-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド、2-ナフトアルデヒド、4-イソプロピルベンズアルデヒド、3,4-ジエトキシベンズアルデヒド、3-ブロモ-4-エトキシベンズアルデヒド、ピペロナール、3,4-ジメトキシベンズアルデヒド、4-カルボキシベンズアルデヒド、3-ヘキシ-1-イニルベンズアルデヒド、および2-クロロベンズアルデヒドを含む置換ベンズアルデヒドの群から独立して選択され、
好適な本発明のジ-アセタールは、1,3:2,4-ビス(4-エチルベンジリデン)-1-アリル-ソルビトール、1,3,2,4-ビス(3'-メチル-4'-フルオロ-ベンジリデン)-1-プロピル-ソルビトール、1,3,2,4-ビス(5',6',7',8'-テトラヒドロ-2-ナフトアルデヒドベンジリデン)-1-アリル-キシリトール、ビス-1,3,2-4-(3',4'-ジメチルベンジリデン)-1''-メチル-2''-プロピル-ソルビトール、および1,3,2,4-ビス(3',4'-ジメチルベンジリデン)-1-プロピル-キシリトールを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ポリオレフィンと、構造:
【化3】

〔式中、
nは、0、1または2であり、
Rは非水素基であり、
、R、R、R、およびRは、互いに独立して、水素、アルキル、アルキニル、アルコキシ、カルボキシ、ハロゲン、およびフェニルからなる群から選択される〕
を有する化合物を組み合わせることを部分的に含む、ポリオレフィン組成物の造核方法。
【請求項11】
非水素基Rは、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CHCHCHCH、-CHCH=CH、-CH(CH)CH=CH、-CHCH-X-CH-X'、CHCH-X''-CH-CH、-CHCH-X'''-CHOH、および-CH-OH-CH-OH-CH-OHから選択され、
ここでX、X'、X''、およびX'''は、独立して選択されたハロゲン基を含んでなる、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
Rは-CHCH=CHを含んでなる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
nは0である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
nは1である、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
上記ポリオレフィン組成物はポリプロピレンを含んでなる、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
Rは-CHCHCHを含んでなる、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
nは0である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
nは1である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
Rは-CH(CH)CH=CHを含んでなる、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
nは1である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
Rは-CHCHBrCHBrを含んでなる、請求項11に記載の方法。
【請求項22】
nは1である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
Rは-CHCHBrCHOHを含んでなる、請求項11に記載の方法。
【請求項24】
nは1である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
、R、R、およびRは水素を含んでなり、および
はアルキルを含んでなる、
請求項16に記載の方法。
【請求項26】
上記アルキルは-Cを含んでなる、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
式中、
は水素を含んでなり、
は-CHを含んでなり、
は-Fを含んでなり、
およびRは、各々水素を含んでなる、
請求項16に記載の方法。
【請求項28】
脂肪族ポリオレフィンおよび少なくとも1つの脂肪族オレフィンと1以上のエチレン性不飽和コモノマーから製造されたコポリマーから選択される少なくとも1つのポリマーを含んでなる、ポリオレフィンプラスチック組成物の造核方法であって、
上記ポリオレフィンプラスチック組成物に対して、
(a)少なくとも1つの、
【化4】

〔式中、
nは、0、1または2であり、
Rは、アルケニル、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、およびハロゲン化アルキルから独立して選択される〕
で示される置換アルジトール化合物のモノ、ジ-、またはトリ-アセタールと、
(b)上記置換アルジトールと組み合わせて、1モルの置換アルジトール当たり少なくとも1モルの、
【化5】

〔式中、
、R、R、R、およびRは、互いに独立して、水素、アルキル、フルオロ炭素、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、カルボキシ、ハロゲン、環式基、およびフェニルからなる群から選択される〕
で示される置換または非置換ベンズアルデヒドを提供することにより形成される化合物
を付与することをさらに含む、方法。
【請求項29】
上記ベンズアルデヒドは、ベンズアルデヒド、4-エチルベンズアルデヒド、4-イソブチルベンズアルデヒド、4-フルオロ-3-メチルベンズアルデヒド、5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフトアルデヒド、3-メチルベンズアルデヒド、4-プロピルベンズアルデヒド、4-ブチルベンズアルデヒド、4-メトキシベンズアルデヒド、3-クロロベンズアルデヒド、3,4-ジメチルベンズアルデヒド、3,5-ジフルオロベンズアルデヒド、3-フルオロベンズアルデヒド、4-フルオロベンズアルデヒド、3-ブロモ-4-フルオロベンズアルデヒド、3-メチル-4-メトキシベンズアルデヒド、2,4,5-トリメチルベンズアルデヒド、4-クロロ-3-フルオロベンズアルデヒド、4-メチルベンズアルデヒド、3-ブロモベンズアルデヒド、4-メトキシベンズアルデヒド、3,4-ジクロロベンズアルデヒド、4-フルオロ-3,5-ジメチルベンズアルデヒド、2,4-ジメチルベンズアルデヒド、4-ブロモベンズアルデヒド、3-エトキシベンズアルデヒド、4-アリルオキシベンズアルデヒド、3,5-ジメチルベンズアルデヒド、4-クロロベンズアルデヒド、3-メトキシベンズアルデヒド、4-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド、2-ナフトアルデヒド、4-イソプロピルベンズアルデヒド、3,4-ジエトキシベンズアルデヒド、3-ブロモ-4-エトキシベンズアルデヒド、ピペロナール、3,4-ジメトキシベンズアルデヒド、4-カルボキシベンズアルデヒド、3-ヘキシ-1-イニルベンズアルデヒド、および2-クロロベンズアルデヒドを含むベンズアルデヒドの群から独立して選択され、
好適な本発明のジ-アセタールは、1,3:2,4-ビス(4-エチルベンジリデン)-1-アリル-ソルビトール、1,3,2,4-ビス(3'-メチル-4'-フルオロ-ベンジリデン)-1-プロピル-ソルビトール、1,3,2,4-ビス(5',6',7',8'-テトラヒドロ-2-ナフトアルデヒドベンジリデン)-1-アリル-キシリトール、ビス-1,3,2-4-(3',4'-ジメチルベンジリデン)-1''-メチル-2''-プロピル-ソルビトール、および1,3,2,4-ビス(3',4'-ジメチルベンジリデン)-1-プロピル-キシリトールを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
Rはアルケニルである、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
上記アルケニルはアリル基である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
(a)多価アルコールとアルケニル基を反応させて第一化合物を形成する工程と、
(b)上記第一化合物と芳香族アルデヒドを縮合反応で反応させてアセタール系造核剤を形成する工程
を含む、アセタール系造核剤の製造方法。
【請求項33】
(c)上記アセタール系造核剤と共添加剤を組み合わせる工程をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
上記アルケニル基はアリルを含んでなる、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
ポリオレフィンを部分的に含んでなり、
(a)多価アルコールとアルケニル基を反応させて第一化合物を形成する工程と、
(b)上記第一化合物と芳香族アルデヒドを縮合反応で反応させてアセタール化合物を形成する工程
を含む方法により形成されたアセタール化合物をさらに含んでなる成形品の製造方法。
【請求項36】
造核化合物を含んでなるポリオレフィン成形品の製造方法であって、該物品を、ポリオレフィン樹脂と、
【化6】

〔式中、
nは、0、1または2であり、
ArおよびArは、置換または非置換アリール含有基から独立して選択され、および
Rは、アルケニル、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシルアルキル、およびハロゲン化アルキルからなる群から選択される〕
を含んでなる造核化合物を組み合わせてまたは混合して、混合ポリオレフィン材料を形成することによって製造する、方法。
【請求項37】
請求項36に記載の造核化合物を含有するポリオレフィン物品。
【請求項38】
ポリプロピレンを含んでなる、請求項37に記載のポリオレフィン物品。
【請求項39】
ポリオレフィンと、以下の(I):
【化7】

〔式中、
Ar、ArおよびArは、置換または非置換アリール含有基から独立して選択され、および
Rは、アルケニル、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシルアルキル、ハロゲン化アルキルおよびそれらの誘導体からなる群から選択される〕
で示される構造の群から選択される構造を有する化合物を組み合わせることにより製造される造核剤を含有するポリオレフィン組成物。
【請求項40】
上記方法は、上記ポリオレフィン組成物と共添加剤を組み合わせることをさらに含む、請求項39に記載の組成物。
【請求項41】
上記共添加剤はラウリル硫酸Naを含んでなる、請求項40に記載の組成物。
【請求項42】
上記共添加剤はアミノ酸のアルカリ塩を含んでなる、請求項40に記載の組成物。
【請求項43】
上記共添加剤は脂肪族アルコールを含んでなる、請求項40に記載の組成物。
【請求項44】
上記共添加剤は酸含有化合物を含んでなる、請求項40に記載の組成物。

【公表番号】特表2007−534827(P2007−534827A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−510753(P2007−510753)
【出願日】平成17年4月5日(2005.4.5)
【国際出願番号】PCT/US2005/011686
【国際公開番号】WO2005/111134
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(599060788)ミリケン・アンド・カンパニー (65)
【氏名又は名称原語表記】Milliken & Company
【Fターム(参考)】