説明

アセトアミノフェンおよびトラマドールを持続的に放出するための二層組成物

本発明は、投与後少なくとも12時間という期間に渡り、アセトアミノフェンおよびトラマドール送達するための二層組成物に関するものである。該二層組成物の一回の投与は、その投与後半時間〜約1時間なる時点において開始し、最初の投与後少なくとも12時間持続する、鎮痛作用を与えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件特許出願は、2007年10月16日付で出願された米国特許出願第60/980,203号に基く優先権を主張し、またその利益を請求するものであり、その開示事項全体を、参考としてここに組み入れる。
【0002】
本発明は、一般的には、トラマドールおよびアセトアミノフェン含有組成物に係り、より詳しくはトラマドールおよびアセトアミノフェンを制御放出するための、二層組成物に関するものである。
【背景技術】
【0003】
アセトアミノフェンおよびトラマドールは、通常使用されている鎮痛剤であり、何年にも渡って、単独でまたは組合せとして利用されている。トラマドールおよびアセトアミノフェンを含む、迅速放出型錠剤組成物、およびその使用は、例えば米国特許第5,336,691号(これは米国特許第RE39,221号として再発行されている)に記載されている。迅速放出型組成物は、商品名ウルトラセット(UltracetTM)の下に市販品として入手でき、この組成物は、通常成人に対して4時間〜6時間毎に投与される。ウルトラセットは、長年に渡り、急性の痛みの治療技術において、首尾よく利用されている。
【0004】
それにも拘らず、より良好な痛みの管理を簡略化し、また患者の利便性並びに生活の質を改善するために、トラマドールおよびアセトアミノフェン両者を含む持続放出型処方物の製造が望まれている。持続放出型の製品は、12時間という期間に渡り、多数の用量を摂取すべきことを記憶し、次いでこれを摂取するという必要性がないことから、該製品が、改善された患者の利便性をもたらすであろうことが予想される。この特徴は、迅速放出型製品の反復的投与が省かれ、あるいはその摂取時点を誤った場合に起り得る、急激に高まる痛みの発生を回避するという、付随的な利点をも持つ。更に、持続放出型の製品は、一般的に血漿内濃度における揺らぎを減じ、より堅実な鎮痛作用をもたらす可能性があるので、該製品は、生活の質を改善するであろうと考えられる。
【0005】
一般に、アセトアミノフェンは、効果的かつ持続的な鎮痛処置を目的として投与するためには、多量の服用量を必要とする、効能の低い薬物であり、しかも胃腸管の遠位領域、例えば結腸は、隣接する小腸と比較して、吸収に対して小さな表面積しか持たないので、単一用量でアセトアミノフェンを投与して、十分に高い血漿内濃度を達成し、また8時間を越える期間に渡り、持続的な鎮痛作用を得ることは困難であると思われる。アセトアミノフェンおよびトラマドールの組合せを送達するための、幾つかの持続放出型製剤が、例えば米国特許第7,374,781号および米国特許出願第US2003/0092724 A1に記載されている。しかし、トラマドールおよびアセトアミノフェン両者を含有する、如何なる持続放出型製剤も、米国および欧州において、現在のところ認可されていない。
【0006】
結果として、長期間、例えば少なくとも約12時間なる長い期間に渡る、アセトアミノフェンおよびトラマドールの送達を可能とし、このような期間に渡る痛みの管理を簡略化する組成物に対する必要性が、依然として存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、投与後少なくとも12時間に渡り、トラマドールおよびアセトアミノフェンを送達するための二層組成物を提供する。このような組成物の投与は、即座に、例えば投与後約半時間〜約1時間以内に、鎮痛作用を発現し、また投与後少なくとも約12時間持続する、鎮痛の持続期間をもたらす。該組成物は、該アセトアミノフェンおよびトラマドールを、これら両活性成分が、インビボにて相互に相乗的に作用して、12時間という期間に渡り痛みを軽減することができるように、放出するものと予想される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一局面において、本発明は、アセトアミノフェンおよびトラマドールを放出するための二層組成物を提供する。この二層組成物は、アセトアミノフェンを含有する、迅速放出型部分を画成する第一層を含む。該二層組成物は、また活性成分としてのアセトアミノフェンおよびトラマドール、および制御放出性賦形剤としての架橋された高アミロースデンプンを含有する持続放出型部分を画成する、該第一層に隣接する第二層をも含む。該組成物は、インビトロにおいて、pH 6.8の一塩基性リン酸カリウム溶液250mL中で、37℃にて1時間に渡り、20回/分なる浸漬回数にて、U.S.P.タイプIII装置(U.S.P. Type III Apparatus)内でテストし、その後該溶液を除き、新たなpH 6.8の一塩基性リン酸カリウム溶液250mLで置換した場合に、該アセトアミノフェンおよびトラマドールが、以下の表1に記載した通りの放出の動力学的特性を持つ:
【0009】
【表1】

【0010】
一態様において、該第一層は、約70質量%〜約90質量%のアセトアミノフェンを含み、一方で該第二層は、約40質量%〜約60質量%のアセトアミノフェンおよび約5質量%〜約15質量%のトラマドールを含む。
【0011】
もう一つの局面において、本発明は、トラマドールおよびアセトアミノフェンを送達するための二層組成物を提供する。該二層組成物は、アセトアミノフェンを含有する該組成物の、迅速放出型部分を画成する第一層を含む。該二層組成物は、アセトアミノフェン、トラマドール、および架橋された高アミロースデンプンを含有する該組成物の、持続的放出型部分を画成する第二層を含む。該二層組成物は、哺乳動物(例えば、ヒト)に投与した場合に、該哺乳動物への最初の投与後少なくとも12時間に渡り、該哺乳動物の血漿におけるアセトアミノフェン:トラマドールの質量基準の比が少なくとも6:1となるように、該アセトアミノフェンおよびトラマドールを放出する。
【0012】
本発明の二層組成物は、単一の巨丸剤として哺乳動物(例えば、ヒト)に投与した場合に、その接種後の約半時間〜約1時間以内に鎮痛作用をもたらすことができ、該鎮痛作用は、該接種後少なくとも12時間に渡り持続する。従って、本発明の組成物は、必要に応じて、患者に対して、迅速および持続的な鎮痛軽減作用両者を達成する目的で使用することができる。
【0013】
本発明を、添付図面によって例示するが、本発明は、これらによって限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の二層組成物の一例を、模式的に示すものである。10・・二層組成物;20・・迅速放出型層;30・・持続放出型層;40・・アセトアミノフェン;50・・トラマドール
【図2】図2は、原型の(intact)二層組成物の一例(実施例1の組成物1)に関する、インビトロでの溶解プロフィールを示すグラフであり、U.S.P.タイプIII装置を用いて12時間という期間に渡り測定した、アセトアミノフェン(●)またはトラマドール(△)の放出量を示す図である。
【図3】図3は、原型の二層組成物の一例(実施例1の組成物2)に関する、インビトロでの溶解プロフィールを示すグラフであり、U.S.P.タイプIII装置を用いて12時間という期間に渡り測定した、アセトアミノフェン(●)またはトラマドール(△)の放出量を示す図である。
【図4】図4は、U.S.P.タイプIII装置を用いて測定した、時間の関数としての、実施例1の組成物1(-△-)または実施例2の組成物2(-●-)から放出される、アセトアミノフェン対トラマドールの比を示すグラフである。図中の破線は、アセトアミノフェン対トラマドールの比(予備的臨床研究に基けば、約5.7:1)を表し、該破線の上部領域においては、これら活性成分の効果は、相乗的であると考えられ、またその下部領域においては、該活性成分の効果は、相加的であると考えられる。
【図5】図5A-5Cは、絶食条件の下で、組成物1を、一回、2-錠投与(各錠剤は、75mgのトラマドールおよび650mgのアセトアミノフェンを含む)した後の、トラマドール(図5A)、O-デスメチルトラマドール(M1)(図5B)、およびアセトアミノフェン(APAP)(図5C)の、インビボにおける平均血漿内濃度(+SD)を示すグラフである。
【図6】図6A-6Cは、(i) 絶食条件の下で、組成物1を、一回、2-錠投与(各錠剤は、75mgのトラマドールおよび650mgのアセトアミノフェンを含む)した後(●);または(ii) 絶食条件の下で、ウルトラセット(UltracetTM)錠剤(各錠剤は、37.5mgのトラマドールHClおよび325mgのアセトアミノフェンを含む)を、二回に渡り、2-錠投与(各投与は6時間間隔で行う)した後(▲)の何れかにおける、トラマドール(図6A)、O-デスメチルトラマドール(M1)(図6B)、およびアセトアミノフェン(APAP)(図6C)の、インビボにおける平均血漿内濃度(±SD)を示すグラフである。
【図7】図7A-7Cは、絶食条件の下で、組成物2を、一回、2-錠投与(各錠剤は、75mgのトラマドールおよび650mgのアセトアミノフェンを含む)した後の、トラマドール(図7A)、O-デスメチルトラマドール(M1)(図7B)、およびアセトアミノフェン(APAP)(図7C)の、インビボにおける平均血漿内濃度(±SD)を示すグラフである。
【図8】図8A-8Cは、(i) 絶食条件の下で、組成物2を、一回、2-錠投与(各錠剤は、75mgのトラマドールおよび650mgのアセトアミノフェンを含む)した後(●);または(ii) 絶食条件の下で、ウルトラセット(UltracetTM)錠剤(各錠剤は、37.5mgのトラマドールHClおよび325mgのアセトアミノフェンを含む)を、二回に渡り、2-錠投与(各投与は6時間間隔で行う)した後(▲)の何れかにおけるトラマドール(図8A)、O-デスメチルトラマドール(M1)(図8B)、およびアセトアミノフェン(APAP)(図8C)の、インビボにおける平均血漿内濃度(+SD)を示すグラフである。
【図9】図9は、組成物1(-◆-)または組成物2(-■-)の投与後の、血漿中の、アセトアミノフェン対トラマドールの質量比を、投与後の時間の関数として示すグラフである。
【図10】図10A-10Bは、タイプIII装置を用いて測定した、実施例1の組成物2からの、アセトアミノフェン(図10A)またはトラマドール(図10B)の放出量を示すグラフであり、ここで該原型の錠剤からの該活性成分の放出動力学特性は、-×-で示されており、また該原型の錠剤を破壊することにより生成した半-錠剤からの該活性成分の放出動力学特性は、-▲-で示されている。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、部分的には、単一の投与剤形から、12時間という期間に渡り、トラマドールおよびアセトアミノフェンを独立に放出し、結果として該12時間という期間全体に渡り、鎮痛作用を与え得る、製剤の製造が可能であるという発見に基くものである。特に、この製剤は、以下のように設計されている。即ち、投与後の約半時間〜約1時間以内の時点から、アセトアミノフェンの治療上有効な血漿濃度を与え、その後のトラマドールおよび残りの該アセトアミノフェン両者の同時の放出が、鎮痛作用の相乗効果を達成するのに十分な各活性薬剤の血漿内濃度を与え、その結果として、少なくとも12時間に渡る連続的で効果的な鎮痛作用をもたらすように設計されている。従って、鎮痛作用を開始するに十分なアセトアミノフェンの初期の迅速な放出の後に、本発明の組成物は、インビボにおける相乗効果にとって適した、腸内吸収速度およびその後の血漿濃度の達成両者を可能とし、これによって12時間という期間に渡り鎮痛作用を与えるように、アセトアミノフェンおよびトラマドールを、一緒ではあるが異なる割合で放出する。本願の発明者が知る限りにおいて、これまでは、アセトアミノフェンおよびトラマドールを含む単一の投与剤形が、上記の如き適当な放出並びに取込みの動力学特性を達成し、結果として該投与剤形が、対象の胃、上部消化管および下部消化管を通過する際に、12時間に渡り、迅速でしかも持続性のある鎮痛作用の達成を容易にするような、製剤を製造することは不可能であった。
【0016】
図1は、本発明の製剤の一例を、模式的に図解したものである。特に、図1に示したように、二層組成物10は、迅速放出型層20および持続放出型層30を含む。迅速放出型層20は、アセトアミノフェン40を含む。持続放出型層30は、制御放出性を持つ賦形剤、例えば架橋された高アミロースデンプン内に、アセトアミノフェン40およびトラマドール50両者を含む。しかし、幾つかの製剤については、迅速放出型層20は、また幾分かの量のトラマドール50を含むこともできる。
【0017】
一局面において、本発明の二層組成物は、アセトアミノフェンを含有する、迅速放出型部分を画成する第一層を含む。該二層組成物は、また活性成分としてアセトアミノフェンおよびトラマドール、および制御放出性を持つ賦形剤としての架橋された高アミロースデンプンを含有する、持続放出型部分を画成し、該第一層と隣接する第二層を含む。該組成物は、インビトロにおいて、pH 6.8の一塩基性リン酸カリウム溶液250mL中で、37℃にて1時間に渡り、20回/分なる浸漬回数にて、U.S.P.タイプIII装置(U.S.P. Type III Apparatus)内でテストし、その後該最初のリン酸カリウム溶液を除き、新たなpH 6.8の一塩基性リン酸カリウム溶液250mLで置き換えて、更に11時間に渡り該装置内でテストした際に、該アセトアミノフェンおよびトラマドールが、上記の表1に記載した動力学に従って放出されるような、放出の動力学的特性を持つ。
【0018】
本発明の二層組成物は、(例えば、迅速放出性マトリックスを介して)迅速放出型部分を画成する第一層を含み、ここで該迅速放出型部分における該アセトアミノフェンの少なくとも50質量%(場合によっては、少なくとも60または70質量%)が、上記した条件下で、U.S.P.タイプIII装置で測定した場合に、30分以内に放出される。更に、該二層組成物は、(例えば、制御放出性マトリックスを介して)持続放出型部分を画成する第二層を含み、ここで該持続放出型部分における該アセトアミノフェンの50質量%以下(場合によっては、40または30質量%以下)が、上記した条件下で、U.S.P.タイプIII装置で測定した場合に、30分以内に放出される。この放出の動力学的特性は、原型の二層組成物について、例えば実施例1等において論じられる該放出プロフィールを解析することによって、あるいは標識された(例えば、放射性標識または蛍光標識された)アセトアミノフェンの放出性を決定することにより測定できることが理解される。あるいはまた、各層の放出の動力学的特性は、別々に測定することも可能である。例えば、該放出の動力学的特性は、迅速放出型部分と同一の処方を持つ組成物を用いて測定し、次いで別の実験において、該持続放出型部分と同一の処方を持つ組成物を用いて測定することができる。
【0019】
更に、単一の巨丸剤として哺乳動物、例えばヒトに投与する場合、該二層組成物は、(i) アセトアミノフェンの治療上有効な血漿内濃度を、最初の投与後約半時間以内に達成し、かつ(ii) トラマドールおよびアセトアミノフェンの、組合された治療上有効な血漿内濃度を、最初の投与後少なくとも約12時間に渡り維持できる。
【0020】
上記用語「治療効果」とは、当技術において認識されているものであり、また薬理的に活性な物質により引起される、動物、特に哺乳動物、およびより特定的にはヒトにおける、局所的または全身的な効果を指す。前記成句「治療上有効な量」とは、あらゆる治療に対して適用できる、妥当な利益率/危険率比にて、ある所望の局所的または全身的な効果を生み出す、このような物質の量を意味する。このような物質の治療上有効な量は、治療すべき対象およびその疾患状態、該対象の体重および年齢、該疾患状態の重篤度、投薬方法等に依存して変動するものであり、これは当業者が容易に決定できるものである。例えば、本発明の幾つかの組成物は、このような治療に対して適用し得る、妥当な利益率/危険率比を得るのに十分な血漿内濃度を達成するのに十分な量で投与することができる。
【0021】
もう一つの局面において、本発明は、トラマドールおよびアセトアミノフェンを送達するための二層組成物を提供する。該二層組成物は、アセトアミノフェンを含有する該組成物の迅速放出型部分を画成する第一層を含む。該二層組成物は、アセトアミノフェン、トラマドール、および架橋された高アミロースデンプンを含有する該組成物の持続放出型部分を画成する第二層を含む。該二層組成物は、哺乳動物(例えば、ヒト)に投与された場合に、該哺乳動物の血漿におけるアセトアミノフェン対トラマドールの質量比が、該哺乳動物に対する最初の投与後少なくとも12時間に渡り、5.7:1、好ましくは少なくとも6:1を越えるように、該アセトアミノフェンおよびトラマドールを放出する。
【0022】
ある条件の下で、該アセトアミノフェンおよびトラマドールの鎮痛特性は、相加的であり(例えば、アセトアミノフェン対トラマドールの質量比が、5.7:1未満である場合)、一方幾つかの条件の下で、該アセトアミノフェンおよびトラマドールの鎮痛特性は、相乗的である(例えば、予備的臨床試験のデータに基けば、該アセトアミノフェン対トラマドールの質量比が、5.7:1を越える場合)ものと理解される。実施例2において論じられ、また図4に示されるように、本発明の組成物は、互いに相乗的に相互作用して、12時間という期間に渡って鎮痛作用を及ぼし得るように、12時間に渡ってアセトアミノフェンおよびトラマドールを放出する。例えば、本発明の組成物は、該放出比が、約25:1〜約8:1となるように、アセトアミノフェンおよびトラマドールを放出する。更に、実施例4において論じられ、また図9に示されるように、アセトアミノフェンおよびトラマドールの血漿内濃度は、該アセトアミノフェン対トラマドールの質量比が、少なくとも12時間に渡り、約6:1を越えるような濃度である。
【0023】
本発明の二層組成物は、12時間という期間に渡って、該アセトアミノフェン対トラマドールの質量比が、少なくとも6:1、少なくとも7:1、少なくとも8:1、少なくとも9:1、あるいは少なくとも10:1となるように、アセトアミノフェンおよびトラマドールを放出する。幾つかの態様においては、放出されるアセトアミノフェン対トラマドールの質量比は、約30分〜1時間以内に測定した場合における約25:1なる値から、次いで、12時間に渡り、インビトロにてU.S.P.タイプIII装置で測定した場合の約8:1なる値まで徐々に減少するものと理解される。幾つかの態様においては、血漿内のアセトアミノフェン対トラマドールの質量比は、投与後約30分〜1時間以内の約200:1なる値から、その後、12時間に渡り、約6:1〜約10:1の値まで減衰するものと理解される。結果として、該二層組成物から放出されるアセトアミノフェンの量は、アセトアミノフェンおよびトラマドールが、長期間に渡り相互に相乗的に作用するのに十分な値であり、結果的に該二層組成物は、迅速な苦痛の緩和をもたらし、またこの緩和作用が12時間に渡り持続するものと予想される。
【0024】
実施例5において示すように、本発明の二層組成物は、破壊し、あるいはまたサブユニットに分割することができ、一方で各サブユニットは、このものが由来とする原型のまたは破壊されていない固体投与剤形と実質的に同一の放出特性を持つ。投与剤形は二分、例えば2つの実質的に等価な小片に分割することができ、あるいはその他の断片部分、例えば三分の一または四分の一の部分に分割することもできる。投与剤形は、また等価でない部分、例えば三分の一/三分の二の各部分に分割することもできる。
【0025】
本明細書に記載するような原型のおよび分離された二層組成物のインビトロでの溶解プロフィールは、適合係数(fit factor)を用いて比較し、あるいは他の数学的比較法により比較することができる。このような適合係数は当業者には公知であり、また様々な投与剤形の生物学的な等価性を予想するのに利用されている。この適合係数f1は、2つの曲線間の相対的な誤差、あるいは換言すれば全測定点に関する平均の相対的な差を表す。適合係数f1は、しばしば相違係数(difference factor)と呼ばれている。各サンプル点に関する該平均の相対的な差は、生物学的な等価性を満たすためには、約0〜約15%にあるべきである。幾つかの態様において、組成物および/または製剤は、約15%未満、約10%未満、または約7%未満という、原型の投与剤形と該原型の投与剤形のサブユニットとの間の相違係数持つことができる。適合係数f2は、2曲線間の差の二乗の平均を対数変換した値である。適合係数f2は、しばしば相似係数(similarity factor)と呼ばれている。この相似係数は、生物学的な等価性を満たすためには、例えば該サブユニット剤形と原型の投与剤形との間で、約50〜約100の値とすべきである。幾つかの態様において、組成物および/または製剤は、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85なる、原型の投与剤形と該原型の投与剤形由来のサブユニットとの間の相似係数を持つことができる。
【0026】
特定の持続放出性調剤は、ここで説明した投与剤形を用いて、該投与剤形を、実質的に類似する放出プロフィールを持つ、実質的に等価であるが、より小さな用量を持つ剤形に分割することによって、あつらえることができる。例えば、より小さな用量は、体重のより軽い患者にとって、および/または小児用の用途に対して有用であり得る。あるいはまた、より小さな剤形であるが、患者にとって一層満足な一用量を与えることもできる。例えば、患者は、調剤を嚥下のより容易な構成部分に分割することができ、ここで該構成部分は、依然として該投与剤形の放出特性を維持している。一投与剤形について、患者の基準によって患者が用量を変えることができることは、例えば医師または薬剤師にとっても好都合であり得る。
【0027】
幾つかの態様において、錠剤等の該投与剤形には、切込み(score)を付すことが可能である。好ましくは、切込みのある錠剤または切込みのない錠剤は、高い破壊精度にて破壊することができ、これによって得られる各小分割物の整合性のあるあるいは釣合の取れた放出プロフィールが保証される。破壊精度は、例えば同一の錠剤の分離された、例えば二分された部分に関する、質量の均一性を評価することによって決定することができる。該錠剤の質量の均一性は、錠剤部分の平均質量からの相対的標準偏差(RSD)によって決定することができ、ここでは均一性に関するU.S.P.テスト限界(RSD:6%以下)を利用する。切込みは、様々な深さ、例えば該錠剤の厚みの約0%(例えば、切込みなし)〜約50%の深さを持つことができる。各錠剤は、1、2または多数の切込みを持つことができ、および/または該錠剤の一方の側または両側に切込みを持つことができる。
幾つかの態様において、該アセトアミノフェンは、以下の表2に記載したように、第一層と第二層との間で分割することができる。
【0028】
【表2】

【0029】
同様に、幾つかの態様において、該トラマドールは、以下の表3におけるように、その第一層と第二層との間で分割することができる。
【0030】
【表3】

【0031】
一態様において、該第一層(上記迅速放出型部分)は、該二層組成物の全アセトアミノフェン含有率の約30-40%を含み、また該第二層(上記持続放出型部分)は、該二層組成物の全アセトアミノフェン含有率の約60-70%および該二層組成物中の該トラマドールの100%を含む。もう一つの態様において、該第一層は、該二層組成物の全アセトアミノフェン含有率の約40%を含み、また該第二層は、該二層組成物の全アセトアミノフェン含有率の60%および該二層組成物中の該トラマドールの100%を含む。別の態様において、該第一層は、該二層組成物の全アセトアミノフェン含有率の約30%を含み、また該第二層は、該二層組成物の全アセトアミノフェン含有率の約70%および該二層組成物中の該トラマドールの100%を含む。
【0032】
幾つかの状況の下では、該第一層は、アセトアミノフェンを約70質量%〜約90質量%の量で含む。該第二層は、約40〜約60質量%の量のアセトアミノフェンおよび約5〜約15質量%の量のトラマドールを含む。
【0033】
上記架橋された高アミロースデンプンは、制御放出性賦形剤として作用する。幾つかの態様において、該第二層は、架橋された高アミロースデンプンを、約5質量%〜約30質量%の量で、およびより好ましくは架橋された高アミロースデンプンを、約10質量%〜約20質量%の量で含む。幾つかの態様において、該第二層は、約5質量%、6質量%、7質量%、8質量%、9質量%、10質量%、11質量%、12質量%、13質量%、14質量%、15質量%、16質量%、17質量%、18質量%、19質量%、20質量%、21質量%、22質量%、23質量%、24質量%または25質量%なる量で、架橋された高アミロースデンプンを含む。
【0034】
一態様において、該架橋された高アミロースデンプンは、オキシ塩化リンで架橋されておりおよび/またはヒドロキシプロピル側鎖を含む。適当な賦形剤が、カナダ、ラーバル(Laval)のラボファーム社(Labopharm Inc.)により開発され、またこの製造元から商品名コントラミド(CONTRAMIDTM)の下で市販品として入手できる。このコントラミド賦形剤の合成は、例えば米国特許第6,607,748号に記載されており、この特許を、あらゆる目的のために、その全体を参考としてここに組入れる。本明細書において意図している組成物は、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース等の、1種またはそれ以上の追加の制御放出性賦形剤と共に、架橋された高アミロースデンプンを含むことができる。
【0035】
デンプンの架橋は、デンプンを変性するための強力な方法に相当する。通常、デンプンの顆粒を架橋して、デンプンペーストの剪断または熱に対する抵抗性を高める。このように化学的に架橋されたデンプンは、望ましい滑らかな肌を与え、またその加工操作全体に渡る粘度の安定性および正常な保存寿命を持つ。幾つかの態様において、本発明において意図する架橋された高アミロースデンプンは、架橋後ゲル化処理に付すことができる。好ましい一態様において、高アミロースデンプンの架橋は、ゲル化の前に、付随的な化学的変性操作(例えば、ヒドロキシプロピル化)を含むことができる。
【0036】
高アミロースデンプンの架橋は、当技術において説明されている手順に従って実施することができる。例えば、アミロースの架橋は、Mateescu [BIOCHEMIE, 60: 535-537 (1978)]に記載されている方法で、アルカリ性媒体中で、アミロースとエピクロルヒドリンとを反応させることにより実施することができる。同様な方法で、デンプンも、エピクロルヒドリン、無水アジピン酸、トリメタリン酸ナトリウムおよびオキシ塩化リンからなる群から選択される試薬、または2,3-ジブロモプロパノール、酢酸および二塩基性または三塩基性カルボン酸の混合直鎖酸無水物、ビニルスルホン、ジエポキサイド、シアヌル酸クロリド、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリスアクリロイル-s-トリアジン、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエン2,4-ジイソシアネート、N,N-メチレンビスアクリルアミド、N,N'-ビス(ヒドロキシメチル)エチレンウレア、混合炭酸-カルボン酸無水物、炭酸および多塩基性カルボン酸のイミダゾリド(imidazolides)、多塩基性カルボン酸のイミダゾリウム塩、およびポリカルボン酸のグアニジン誘導体を含むが、これらに限定されないその他の架橋剤で架橋することができる。使用する反応条件は、使用する該架橋剤の型およびその量、並びに塩基濃度、デンプンの量およびその型に依存して変動するであろう。
【0037】
約40質量%を越えるアミロースを含むデンプンを使用して、架橋された高アミロースデンプン、例えばエンドウおよび縮咲き性(wrinkled)エンドウ由来のデンプン、豆由来のデンプン、ハイブリッドまたは遺伝的に変性されたタピオカまたは馬鈴薯デンプン、あるいは任意の他の根、塊茎または穀類デンプンを製造できるものと予想される。好ましくは、約70質量%のアミロースを含有する高アミロースデンプンを、基礎材料として使用する。例えば、高アミロースデンプン:セレスターアミロゲル(Cerestar AmyloGel) 03003(セレスターU.S.A.社(Cerestar U.S.A. Inc.))を使用することができる。幾つかの処方物において、この賦形剤は、オキシ塩化リンで架橋された、約65%〜約75質量%のアミロースを含む、架橋高アミロースデンプンを含有する。
【0038】
幾つかの他の態様において、上記第二層は、その持続的放出特性を高める目的で、場合によりヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。幾つかの態様において、該第二層は、約5〜約20質量%の量のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。幾つかの態様において、該第二層は、6質量%、7質量%、8質量%、9質量%、10質量%、11質量%、12質量%、13質量%、14質量%または15質量%なる量のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。
【0039】
幾つかの態様において、該第一層は、場合により更に造粒剤、フィラー、崩壊剤、潤滑剤、およびグリダント(glidant)の1種またはそれ以上を含む。更に、幾つかの態様において、該第二層は、場合により更に造粒剤、フィラー、結合剤、潤滑剤、およびグリダントの1種またはそれ以上を含む。
【0040】
該第一層および/または該第二層において使用するための例示的な造粒剤は、コポビドン(copovidone)およびデンプンからなる群から選択することができる。しかし、デンプンが好ましい。該第一層および/または該第二層において使用するための例示的なフィラーは、噴霧乾燥ラクトース、α-化デンプン、デキストリン、マルトースおよびマイクロクリスタリンセルロースからなる群から選択することができる。しかし、マイクロクリスタリンセルロースが好ましい。該第一層および/または該第二層において使用するための例示的な潤滑剤は、ナトリウムステアリルフマレート、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、水添植物油等からなる群から選択することができる。しかし、ナトリウムステアリルフマレートが好ましい。該第一層および/または該第二層において使用するための例示的なグリダントは、コロイド状二酸化ケイ素、タルク等からなる群から選択することができる。しかし、コロイド状二酸化ケイ素が好ましい。該第一層において使用するための例示的な崩壊剤は、クロスポビドン(crospovidone)、ナトリウムデンプングリコレート、アルギン酸ナトリウムおよびクロスカルメロースナトリウムからなる群から選択することができる。しかし、クロスカルメロースナトリウムが好ましい。該第二層において使用するための例示的な結合剤は、ポリエチレンオキサイド、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリカルボフィルおよびコポビドンからなる群から選択することができる。しかし、コポビドンが好ましい。勿論、当業者にとって周知の他の添加剤も、本発明の範囲並びに精神から逸脱することなしに、本発明の二層組成物中に含めることができるものと理解すべきである。
【0041】
一態様において、該第一層および該第二層は、以下の組成を持つ:該第一層(迅速放出型層)は、約70質量%〜約90質量%のアセトアミノフェン、約5質量%〜約15質量%のデンプン、約1質量%〜約4質量%のマイクロクリスタリンセルロース、約1質量%〜約3質量%のクロスカルメロースナトリウム、約0.5質量%〜約2質量%のナトリウムステアリルフマレート、および約0.1質量%〜約1質量%のコロイド状二酸化ケイ素を含む。該第二層(持続放出型層)は、約40質量%〜約60質量%のアセトアミノフェン、約5質量%〜約15質量%のトラマドール、約5質量%〜約10質量%のデンプン、約1質量%〜約6質量%のマイクロクリスタリンセルロース、約5質量%〜約25質量%の架橋された高アミロースデンプン、約5質量%〜約15質量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、約0質量%〜約5質量%のコポビドン、約0.5質量%〜約2質量%のナトリウムステアリルフマレート、および約0.1質量%〜約1質量%のコロイド状二酸化ケイ素を含有する。
【0042】
本発明の二層組成物が、様々な形状および形態、例えば錠剤、キャプレッツまたはオボイドをとることができ、また被覆されていても未被覆であってもよいことを理解すべきである。しかし、錠剤であることが好ましい。
【0043】
本発明の二層組成物を製造するための調剤プロトコールの一例は、以下の通りである。該第一層(迅速放出型層)用の組成物を、コンパップ(COMPAPTM)-L[マリンクロットケミカル社(Mallinckrodt Chemical Inc.)から入手](アセトアミノフェンとデンプンとの混合物)、コロイド状二酸化ケイ素、マイクロクリスタリンセルロース、およびナトリウムステアリルフマレートを混合することにより製造する。該第二層(持続放出型層)用の組成物を、コンパップ(COMPAPTM)-L、コロイド状二酸化ケイ素、マイクロクリスタリンセルロース、コントラミド(ContramidTM)[カナダ、ラーバルのラボファーム社(Labopharm Inc.)製]、トラマドールHCl、プラスドン(plasdone) S-630、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびナトリウムステアリルフマレートを混合することにより製造する。上記二層錠剤は、上記第一および第二層用の組成物を使用して、ピッコラ(PiccolaTM)二層錠剤プレス機[USA, NJのSMI社(SMI Inc.)製]を用いて製造する。該二層錠剤は、好ましくは190〜250ニュートンの硬さを持つ。
【0044】
これら組成物は、鎮痛処置の必要に応じて、哺乳動物、例えばヒトを治療するために使用することができる。該組成物は、例えば急性の痛みの治療技術において使用することができる。該方法は、本明細書に記載した該組成物の一つを投与することを含み、該組成物は、有効量のトラマドールおよびアセトアミノフェンを含んでいる。哺乳動物、例えばヒトに、例えば単一の錠剤または複数の錠剤を含むことのできる、単一の巨丸剤として投与する場合、該二層組成物は、(i) 最初の投与後約半時間以内に、最初の投与後少なくとも約12時間に渡り持続する、有効血漿内濃度を達成し、かつ(ii) 最初の投与後少なくとも約12時間に渡り、トラマドールの有効血漿内濃度を達成する。
【実施例】
【0045】
以下、本発明を下記の実施例により例証するが、これらの実施例は、単に本発明を例証するために与えられるものであり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
実施例1
【0046】
本例においては、組成物1および組成物2と呼ぶ、二種の二層組成物を製造し、そのインビトロ放出特性を以下のようにして特徴付けした:即ち、pH 6.8の一塩基性リン酸カリウム溶液250mL中で、37±0.5℃にて1時間に渡り、20回/分なる浸漬回数にて、U.S.P.30に記載されているU.S.P.タイプIII装置内で処理し、次いで、該最初のリン酸カリウム溶液を除去し、新たなpH 6.8の一塩基性リン酸カリウム溶液250mLで置換した後、該処理を更に11時間に渡り継続することにより特徴付けした。
【0047】
組成物1と呼ぶ第一の例示的な二層組成物は、以下の表4に記載した成分を用いて調製した。表4Aは、迅速放出型層の処方を記載したものであり、また表4Bは、持続放出型層の処方を記載したものであり、また表4Cは、各成分の量を、原型の錠剤に対する百分率として記載するものである。
【0048】
【表4】

【0049】
【表5】

【0050】
【表6】

【0051】
組成物1を、以下のように、各層の製造用成分を混合することにより調製し、次いでピッコラ(PiccolaTM)二層錠剤プレス機[USA, NJのSMI社(SMI Inc.)製]を用いて、二層錠剤を製造した。この得られた二層錠剤は、190〜250ニュートンなる範囲内の硬さを有していた。
【0052】
製造後、アセトアミノフェンおよびトラマドールに関するインビトロ放出プロフィールを、U.S.P.(タイプIII装置)を用いて、上に記載した条件の下で測定した。得られた結果を図2にまとめた。アセトアミノフェンの放出は、黒丸で示されており、またトラマドールの放出は白抜きの三角によって示されている。図2によれば、該アセトアミノフェンの少なくとも50%が、最初の1時間以内に放出され、一方該アセトアミノフェンの残部は、残りの11時間に渡り放出された。最初の約30分間に渡り、該アセトアミノフェンは、爆発的な放出動力学的挙動で放出され、その後ほぼゼロ次の放出動力学的挙動で放出された。トラマドールは、一次放出動力学的挙動で12時間という期間全体に渡り放出された。
【0053】
組成物2と呼ぶ第二の二層組成物は、以下の表5に記載する成分を用いて調製した。表5Aは、迅速放出型層用の処方を表示しており、表5Bは、組成物2を含む持続放出型層用の処方を表示しており、表5Cは、各成分の量を、原型の錠剤に対する百分率を表示している。
【0054】
【表7】

【0055】
【表8】

【0056】
【表9】

【0057】
組成物2は、組成物1に関して記載したようにして製造した。アセトアミノフェンおよびトラマドールに関するインビトロ放出プロフィールは、組成物1について上記したように測定し、またその結果を図3にまとめた。アセトアミノフェンの放出を黒丸で示し、またトラマドールの放出を白抜きの三角で示した。図3によれば、少なくとも40%のアセトアミノフェンが、最初の1時間以内に放出され、一方で該アセトアミノフェンの残部は、残りの11時間〜11.5時間に渡り放出された。この組成物を使用すると、該アセトアミノフェンは、該最初の30分以内に爆発的な放出の動力学的挙動で放出され、次いで残りの期間中は、ほぼゼロ次の放出の動力学的挙動で放出された。トラマドールは、一次の放出の動力学的挙動で12時間という期間全体に渡り放出された。
実施例2
【0058】
本例では、該二層組成物からの、アセトアミノフェンおよびトラマドールの相対的な放出を、時間の関数として示す。特に、実施例1由来の組成物2の相対的なインビトロ放出の動力学的挙動を研究して、該活性成分両者が、相互に相乗的に作用し得るように放出されるか否かを決定した。
【0059】
5.7:1未満なるアセトアミノフェン対トラマドールの質量比における、予備的臨床研究に基けば、各活性成分によって与えられる治療上の救済は、相加的であると考えられることが理解される。しかし、5.7:1を越えるアセトアミノフェン対トラマドールの質量比においては、各活性成分によって与えられる治療上の救済は、相乗的であると考えられる。
【0060】
図4は、12時間という期間に及ぶ組成物2から放出されるアセトアミノフェン対トラマドールの比を示す図である。最初の30分以内では、放出されるアセトアミノフェン対トラマドールの比は約25:1であった。12時間後において、この比は約8:1まで低下した。
【0061】
これら放出の動力学的挙動は、アセトアミノフェンが迅速に放出されることを示しており、これは、哺乳動物に投与した場合に、該活性成分が迅速な鎮痛作用を与え得ることを示唆している。更に、アセトアミノフェンおよびトラマドール両者の放出の動力学的挙動は、一回分の用量を投与した後においてさえ、これら活性成分が、12時間という期間全体に渡る持続的軽減作用を与え得ることを示唆している。
実施例3
【0062】
本例は、多数の個体に対する組成物1の投与に伴う、トラマドール、O-デスメチルトラマドール(M1)およびアセトアミノフェン(APAP)の、インビボ血漿内濃度レベルを説明するものである。結果を図5に示す。
【0063】
特に、ラベル開示、無作為抽出、三方向交差研究(open-label, randomized, three-way crossover study)を、17名の健康な男性および女性の対象について実施した。絶食条件下で、組成物1の一回の、2錠-投与(各錠剤は、75mgのトラマドールHClおよび650mgのアセトアミノフェンを含んでいた)に伴う、該17名の個体から得られた血漿中の、トラマドール(図5A参照)、M1(図5B参照)およびAPAP(図5C参照)の平均濃度(±SD)を、一定期間に渡り測定した。図4に示したように、これらのインビボにおける研究は、アセトアミノフェンが、約30分〜約1時間のTmaxを持つことを示している。その後、アセトアミノフェンの血漿内濃度は、後の23時間に渡り徐々に減衰する。トラマドールおよびM1は、約4〜約6時間のTmaxを持つ。その後、該トラマドールおよびM1の血漿内濃度は、その後の30〜32時間の期間に渡り徐々に減衰する。
【0064】
図6は、絶食条件下で、(i) 組成物1の一回の、2錠-投与(各錠剤は、75mgのトラマドールHClおよび650mgのアセトアミノフェンを含む)に伴う(黒丸)、あるいは(ii) 6時間間隔での、ウルトラセット(UltracetTM)錠剤の二回に渡る、2-錠投与(各錠剤は、37.5mgのトラマドールおよび325mgのアセトアミノフェンを含む)に伴う(黒三角)、トラマドール(図6A参照)、M1(図6B参照)およびAPAP(図6C参照)の、インビボ血漿内濃度レベルをプロットしたものである。組成物1を用いて達成された血漿濃度を示す同様なデータは、図5及び6にプロットされている。これらの結果は、6時間間隔での、ウルトラセット(UltracetTM)錠剤の二回に渡る投与と比較して、組成物1を一回投与することによって、12時間という期間に渡り、トラマドールおよびアセトアミノフェンの治療上有効な血漿内濃度が達成可能となることを立証している。
実施例4
【0065】
本例は、多数の個人に対して、組成物2を一回投与することに伴う、トラマドール、M1およびAPAPのインビボ血漿内濃度について説明する。結果を図7に示す。
【0066】
絶食条件下で、組成物2の一回の、2錠-投与(各錠剤は、75mgのトラマドールHClおよび650mgのアセトアミノフェンを含む)に伴う、17名の個体から得た血漿中の、トラマドール(図’A参照)、M1(図7B参照)およびAPAP(図7C参照)の平均濃度(±SD)を、時間の経過に従って測定した。図7に示したように、このインビボでの研究は、アセトアミノフェンが、約30分〜約1時間のTmaxを持つことを示している。その後、アセトアミノフェンの血漿内濃度は、後の23時間に渡り徐々に減衰する。トラマドールおよびM1は、約4〜約6時間のTmaxを持つ。その後、該トラマドールおよびM1の血漿内濃度は、その後の30〜32時間の期間に渡り徐々に減衰する。
【0067】
図8は、絶食条件下で、(i) 組成物2の一回の、2錠-投与(各錠剤は、75mgのトラマドールHClおよび650mgのアセトアミノフェンを含む)に伴う(黒丸)、あるいは(ii) 6時間間隔での、ウルトラセット(UltracetTM)錠剤の二回に渡る、2-錠投与(各錠剤は、37.5mgのトラマドールおよび325mgのアセトアミノフェンを含む)に伴う(黒三角)、トラマドール(図8A参照)、M1(図8B参照)およびAPAP(図8C参照)の血漿内濃度をプロットしたものである。組成物2を用いて達成された血漿内濃度を示す同様なデータは、図7及び8にプロットされている。
【0068】
実施例2におけると同様に、これらの結果は、6時間間隔での、ウルトラセット(UltracetTM)錠剤の二回に渡る別々の投与と比較して、組成物2を一回投与することによって、12時間という期間に渡り、トラマドールおよびアセトアミノフェンの治療上有効な血漿内濃度が達成可能となることを立証している。
【0069】
図9は、組成物1(実施例3参照)および組成物2(本例)の投与を受けた個体由来の血漿における、アセトアミノフェン対トラマドールの質量比を示すものである。これらの比は、投与の30分〜1時間後に、約200:1において最大となり、その後これらの比は、その後の5〜6時間に渡り減衰する。血漿における該アセトアミノフェン対トラマドールの質量比は、投与後少なくとも12時間に渡り約6:1を越える値を持つ。インビトロ放出プロフィールの異なる(図3参照)、組成物1および組成物2両者が、投与後12時間に渡り、依然として極めて類似する血漿内濃度プロフィールを与えることは明らかである。
実施例5
【0070】
本例では、本発明の二層組成物が、より小さなサブユニットに分割された場合においてさえ、得られるサブユニットが、これらが由来する原型の錠剤と同一の、放出の動力学的挙動を持つことを示す。
【0071】
実施例1の組成物2で作成した3つの二層錠剤を半分に切断して、等価な2つのサブユニットを生成した。各サブユニットは、両者共に該原型の錠剤の第一層(迅速放出型の層)および第二層(制御放出型の層)を持つ。薬物放出の動力学的挙動を、実施例1において説明したU.S.P.タイプIII装置で測定し、該放出の動力学的挙動を、原型の錠剤により達成されたものと比較した。結果を図10に示す。ここで、図10Aはアセトアミノフェンの放出の動力学的挙動を示し、また図10Bはトラマドールの放出の動力学的挙動を示す。各半分の錠剤に関する放出率(%)を、該原型の錠剤に対して、質量基準で規格化した。
【0072】
これらの結果は、アセトアミノフェン放出の動力学的挙動(図10A)が、該原型の錠剤および該半分の錠剤両者に関して本質的に同一であることを明らかにしている。同様に、トラマドール放出の動力学的挙動(図10B)は、該原型の錠剤および該半分の錠剤両者に関して、本質的に同一であった。これら曲線の相似係数は、少なくとも50であった。該原型の投与剤形と該原型の投与剤形のサブユニットとの間の相違係数は、約15%未満であった。これらの結果は、本発明の二層組成物を、何れの活性成分の放出の動力学的挙動に影響を及ぼすことなしに、より小さな投与剤形に二分することが可能であることを示している。
【0073】
本明細書において言及された特許および科学文献各々の全開示事項を、あらゆる目的のために、ここに参考として組入れる。
【0074】
等価な事項
以上、本発明をその好ましい態様によって例証してきたが、本発明は、添付した特許請求の範囲において規定した如き、本発明の精神並びに範囲を逸脱することなしに、その広い局面を網羅するものであると理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラマドールおよびアセトアミノフェンを送達するための二層組成物であって、該二層組成物が、
a. 該組成物の迅速放出型部分を画成し、かつアセトアミノフェンを含む第一層;および
b. 該組成物の持続放出型部分を画成し、かつアセトアミノフェン、トラマドール、および架橋された高アミロースデンプンを含む第二層を含み、
ここで、pH 6.8の一塩基性リン酸カリウム溶液250mL中で、37℃にて1時間に渡り、20回/分なる浸漬回数にて、U.S.P.タイプIII装置内でテストし、その後該溶液を除き、新たなpH 6.8の一塩基性リン酸カリウム溶液250mLで置換した場合に、該アセトアミノフェンおよびトラマドールが、以下の表に記載した通りの動力学的特性にて放出されることを特徴とする、前記二層組成物:

【請求項2】
前記二層組成物の巨丸剤の1回の投与が、(i) 最初の投与後約半時間以内に、アセトアミノフェンの有効血漿内濃度を達成し、また最初の投与後少なくとも約12時間に渡り該有効濃度を持続し、かつ(ii) 最初の投与後少なくとも約12時間に渡り、トラマドールの有効血漿内濃度を達成する、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
トラマドールおよびアセトアミノフェンを送達するための二層組成物であって、該二層組成物が、
a. 該組成物の迅速放出型部分を画成し、かつアセトアミノフェンを含む第一層;および
b. 該組成物の持続放出型部分を画成し、かつアセトアミノフェン、トラマドール、および架橋された高アミロースデンプンを含む第二層を含み、
ここで、該二層組成物は、哺乳動物に投与した場合に、該哺乳動物に投与した後少なくとも12時間に渡り、該哺乳動物の血漿におけるアセトアミノフェン:トラマドールの質量基準の比が少なくとも6:1となるように、該アセトアミノフェンおよびトラマドールを放出することを特徴とする、前記二層組成物。
【請求項4】
前記第二層が、更にヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む、請求項1〜3の何れか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記第一層が、造粒剤、フィラー、崩壊剤、潤滑剤、およびグリダントの1種またはそれ以上を含む、請求項1〜4の何れか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記第二層が、造粒剤、フィラー、結合剤、潤滑剤、およびグリダントの1種またはそれ以上を含む、請求項1〜5の何れか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記造粒剤が、コポビドンおよびデンプンからなる群から選択される、請求項5または6記載の組成物。
【請求項8】
前記フィラーが、ラクトース、α-化デンプン、デキストリン、マルトースおよびマイクロクリスタリンセルロースからなる群から選択される、請求項5または6記載の組成物。
【請求項9】
前記潤滑剤が、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ナトリウムステアリルフマレート、および水添植物油からなる群から選択される、請求項5または6記載の組成物。
【請求項10】
前記グリダントが、タルクおよびコロイド状二酸化ケイ素からなる群から選択される、請求項5または6記載の組成物。
【請求項11】
前記崩壊剤が、クロスポビドン、ナトリウムデンプングリコレート、アルギン酸ナトリウムおよびクロスカルメロースナトリウムからなる群から選択される、請求項5記載の組成物。
【請求項12】
前記結合剤が、ポリエチレンオキサイド、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリカルボフィルおよびコポビドンからなる群から選択される、請求項6記載の組成物。
【請求項13】
前記第二層が、約5質量%〜約30質量%の架橋された高アミロースデンプンを含む、請求項1〜12の何れか1項に記載の組成物。
【請求項14】
(i) 前記第一層がアセトアミノフェンの約10%を含み、かつ前記第二層がアセトアミノフェンの約90%を含み;(ii) 該第一層がアセトアミノフェンの約15%を含み、かつ該第二層がアセトアミノフェンの約85%を含み;(iii) 該第一層がアセトアミノフェンの約20%を含み、かつ該第二層がアセトアミノフェンの約80%を含み;(iv) 該第一層がアセトアミノフェンの約25%を含み、かつ該第二層がアセトアミノフェンの約75%を含み;(v) 該第一層がアセトアミノフェンの約30%を含み、かつ該第二層がアセトアミノフェンの約70%を含み;(vi) 該第一層がアセトアミノフェンの約35%を含み、かつ該第二層がアセトアミノフェンの約65%を含み;(vii) 該第一層がアセトアミノフェンの約40%を含み、かつ該第二層がアセトアミノフェンの約60%を含み;(viii) 該第一層がアセトアミノフェンの約45%を含み、かつ該第二層がアセトアミノフェンの約55%を含み;(ix) 該第一層がアセトアミノフェンの約50%を含み、かつ該第二層がアセトアミノフェンの約50%を含み;(x) 該第一層がアセトアミノフェンの約55%を含み、かつ該第二層がアセトアミノフェンの約45%を含み;(xi) 該第一層がアセトアミノフェンの約60%を含み、かつ該第二層がアセトアミノフェンの約40%を含み;(xii) 該第一層がアセトアミノフェンの約65%を含み、かつ該第二層がアセトアミノフェンの約35%を含み;または(xiii) 該第一層がアセトアミノフェンの約70%を含み、かつ該第二層がアセトアミノフェンの約30%を含む、請求項1〜13の何れか1項に記載の組成物。
【請求項15】
(i) 前記第一層がトラマドールの約50%を含み、かつ前記第二層がトラマドールの約50%を含み;(ii) 該第一層がトラマドールの約45%を含み、かつ該第二層がトラマドールの約55%を含み;(iii) 該第一層がトラマドールの約40%を含み、かつ該第二層がトラマドールの約60%を含み;(iv) 該第一層がトラマドールの約35%を含み、かつ該第二層がトラマドールの約65%を含み;(v) 該第一層がトラマドールの約30%を含み、かつ該第二層がトラマドールの約70%を含み;(vi) 該第一層がトラマドールの約25%を含み、かつ該第二層がトラマドールの約75%を含み;(vii) 該第一層がトラマドールの約20%を含み、かつ該第二層がトラマドールの約80%を含み;(viii) 該第一層がトラマドールの約15%を含み、かつ該第二層がトラマドールの約85%を含み;(ix) 該第一層がトラマドールの約10%を含み、かつ該第二層がアセトアミノフェンの約90%を含み;(x) 該第一層がトラマドールの約5%を含み、かつ該第二層がトラマドールの約95%を含み;または(xi) 該第一層がトラマドールの約0%を含み、かつ該第二層がトラマドールの約100%を含む、請求項1〜14の何れか1項に記載の組成物。
【請求項16】
前記第一層が約70質量%〜約90質量%のアセトアミノフェンを含み、かつ前記第二層が約40質量%〜約60質量%のアセトアミノフェンおよび約5質量%〜約15質量%のトラマドールを含む、請求項1〜15の何れか1項に記載の組成物。
【請求項17】
トラマドールおよびアセトアミノフェンを送達するための二層組成物であって、該二層組成物が、
a. 該組成物の迅速放出型部分を画成し、かつ約70質量%〜約90質量%のアセトアミノフェン、約5質量%〜約15質量%のデンプン、約1質量%〜約4質量%のマイクロクリスタリンセルロース、約1質量%〜約3質量%のクロスカルメロースナトリウム、約0.5質量%〜約2質量%のナトリウムステアリルフマレート、および約0.1質量%〜約1質量%のコロイド状二酸化ケイ素を含む第一層;および
b. 該第一層と隣接し、該組成物の持続放出型部分を画成し、かつ約40質量%〜約60質量%のアセトアミノフェン、約5質量%〜約15質量%のトラマドール、約5質量%〜約25質量%の架橋された高アミロースデンプン、約5質量%〜約10質量%のデンプン、約1質量%〜約6質量%のマイクロクリスタリンセルロース、約5質量%〜約15質量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、約0質量%〜約5質量%のコポビドン、約0.5質量%〜約2質量%のナトリウムステアリルフマレート、および約0.1質量%〜約1質量%のコロイド状二酸化ケイ素を含有する第二層を含むことを特徴とする、前記組成物。
【請求項18】
前記二層組成物の溶媒と接触可能な表面が切込みを画成し、該切込みが、該組成物を該切込みに沿って分割して2つのサブユニットを生成することを可能とする、請求項1〜17の何れか1項に記載の組成物。
【請求項19】
少なくとも一つの前記サブユニットが、前記アセトアミノフェンおよび前記トラマドール両者に関して、該サブユニットが由来する原型の組成物と実質的に同一の、放出の動力学的特性を持つ、請求項18記載の組成物。
【請求項20】
少なくとも一つの前記サブユニットおよび該サブユニットが由来する前記組成物の溶解プロフィールが、少なくとも50の相似係数を持つ、請求項19記載の組成物。
【請求項21】
12時間の期間に渡り、前記二層組成物から放出されるアセトアミノフェン対トラマドールの質量比が、約6:1よりも大きい、請求項1〜20の何れか1項に記載の組成物。
【請求項22】
鎮痛処置を必要とする哺乳動物を治療する方法であって、該方法が、該哺乳動物に、請求項1〜21の何れか1項に記載の組成物を投与して、少なくとも12時間に渡り、該動物に鎮痛作用を及ぼすことを含むことを特徴とする、前記治療方法。
【請求項23】
少なくとも12時間に渡り、哺乳動物に鎮痛作用を及ぼすために使用するための、請求項1〜21の何れか1項に記載の組成物。
【請求項24】
少なくとも12時間に渡り、哺乳動物に鎮痛作用を及ぼすための医薬の製造における、請求項1〜21の何れか1項に記載の組成物の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【公表番号】特表2011−500607(P2011−500607A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−529201(P2010−529201)
【出願日】平成20年10月15日(2008.10.15)
【国際出願番号】PCT/CA2008/001799
【国際公開番号】WO2009/049405
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(507176404)ラボファーム インコーポレイテッド (8)
【出願人】(507175050)ラボファーム ユーロープ リミテッド (8)
【出願人】(507175142)ラボファーム (バルバドス) リミテッド (6)
【Fターム(参考)】