説明

アゾカップリング反応に基づく時間−温度インジケータの基材への印刷方法

基材に印刷する方法であって、(a)キャップドジアゾニウム成分とカップリング成分とのアゾカップリング反応に基づくクロミック特性を持つ少なくとも1つの時間温度インジケータを基材に、印刷するステップを含む方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(a)安定化ジアゾニウムイオンとカップリング化合物との間のアゾカップリング反応に基づくクロミック特性を有する少なくとも1つのインジケータを含む、時間−温度インジケータ(TTI)を基材に印刷するステップを含む、基材に印刷する方法に関する。
【0002】
腐敗しやすい材料(perishable materials)を使用するとき、多くの場合、材料の製造後時間及び現在の使用可能状態を確認することが望ましい。以前は使用期限を包装に付すことで十分と考えられていたが、多くの製品では、そのような手順は、現在、改ざんの恐れをなくすためには不正確及び不十分である。特に腐敗しやすい製品の状態は、一般に、時間だけではなく、他の変数、例えば特に温度の関数である。
【0003】
米国特許第3,999,946号は、この問題に対処し、腐敗しやすい製品に時間/温度履歴を与えるインジケータを用意することを提案している。製品の貯蔵期間及び貯蔵温度により、当初は無色のアセチレンベースインジケータが、貯蔵された腐敗しやすい製品の品質を推測することができる特徴的で不可逆的な色変化を示す。
【0004】
欧州特許公開公報第117 390号にもジアセチレン材料に基づく時間−温度インジケータを記載しており、ここではジアセチレン材料の反射率の変化が測定され、ジアセチレン材料は、通例の印刷技法、例えばフレキソ印刷、凹版印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、又は活版印刷によって基材に塗布される。
【0005】
更に米国特許第5,053,339号は、インジケータを含む層と、インジケータに対して不浸透性であり、活性剤に対して浸透性であるバリア層と、活性剤を含む層とからなる時間−温度インジケータ(TTI)を記載する。活性剤は、温度に依存してバリア層を通じてインジケータ層内へ拡散し、そこで色の変化を提供する。
【0006】
原則として、さまざまな温度で反応を腐敗しやすい商品の分解速度に調整できる場合、ほぼすべての色形成反応は、時間温度インジケータ型の範囲内で適切である。例えば国際公開公報第99/39197号は、転位反応に基づくフォトクロミック特性を有する少なくとも1つの可逆性インジケータを含む、時間−温度インジケータを記載する。印刷に使用されるTTIの性質及び量は、腐敗しやすい製品に適合させることができる。TTIは、溶液及び水性分散物の両方の形で使用できる。
【0007】
アゾイック染料及び繊維表面又は繊維内で不溶性アゾ染料が直接生成される染色へのこれらの使用は、長い間知られている。例えばアリールアミンを、水溶液中で塩酸の存在下で溶解したアルカリ金属の亜硝酸塩と、あるいは有機溶媒中で有機亜硝酸塩、例えば亜硝酸t−ブチルと反応させるときに、ジアゾニウムイオンが生成される。ジアゾニウムイオンは、置換又はカップリング反応を受けることができる反応性中間体である。例えばハロゲン、シアニド、ヒドロキシル又は水素などの基は、アレーンに結合したジアゾ基(ArN)を置換する場合がある。ベンゼン環のオルト位及びパラ位を活性化する強電子供与基(例えば−OH及び−NH)を含有するアニリン及びフェノールなどの化合物は、ジアゾニウムイオンとのカップリング反応を受けることができる。カップリング反応の機構は、求電子芳香族置換反応である。
【0008】
従来技術において、時間温度インジケータ形式内でのアゾカップリング反応の使用は、記載も提案もされていない。これは主に、開始材料の1つであるジアゾ化アミンが不安定すぎてTTI内で扱えないという事実のためである。
【0009】
こうして、色形成アゾカップリングが、さまざまな温度で、腐敗しやすい商品の分解速度を制御及び十分に調整でき、したがって新規な時間温度インジケータ型の基礎成分を形成できる、アゾカップリング反応に基づいた時間温度インジケータに対する要求がある。
【0010】
本発明による問題は、経年劣化感受性及び温度感受性製品の品質を決定する方法であって、
(a)キャップドジアゾニウム成分とカップリング成分との間のアゾカップリング反応に基づいて、クロミック特性を備えた少なくとも1つの時間温度インジケータを基材に印刷するステップと、
(b)好ましくは光誘起酸性化で、時間温度インジケータを活性化するステップと、
(c)インジケータの光誘起酸性化が継続することを阻止するプロテクタを場合により塗布するステップと、
(d)時間又は温度誘起着色の度合を決定して、着色の度合から製品の品質を推定するステップと、
を含む方法によって、あるいは
基材に印刷する方法であって、
(a)キャップドジアゾニウム成分とカップリング成分との間のアゾカップリング反応に基づくクロミック特性を備えた少なくとも1つの時間温度インジケータを基材に、印刷するステップと、
を含む方法で解決される。
【0011】
好ましくは、印刷ステップ(a)は、キャップドジアゾニウム成分とカップリング成分との間のアゾカップリング反応に基づくクロミック特性を備えた少なくとも1つの時間温度インジケータが、微細ノズルからのインク液滴を基材に直接噴射することと、その上にインク液滴を沈着させることとで、適切な基材に転写されるインクジェット印刷技術を使用して実施される。アゾカップリング反応は、一般に、ジアゾニウム塩がカップリング化合物(例えば芳香族又はヘテロ芳香族化合物)と反応して安定なアゾ染料又は顔料を形成する反応であると理解されている。一般にジアゾ化合物は、水溶液中でのアルカリ金属亜硝酸塩及び塩酸、あるいは非水溶液中での有機亜硝酸塩のどちらかによる処理後の1級アリールアミンから得られる。ジアゾ化合物は、アゾ化合物でのように2個ではなく、1個のみの炭化水素基と化合するN集団を含有するとして説明できる。ジアゾ化合物の形成は、無機又は有機亜硝酸塩からの窒素によるアリール1級アミンの塩の水素原子3個の置換に依存しており、いわゆるジアゾニウム塩を形成する。例えばアゾ染料は、フェノール又はナフトールをジアゾニウム化合物にカップリングすることによって得られる。フェノール性ヒドロキシル基を持つ化合物、ナフトール及び類似物質、1級(及び一部の2級)アリールアミン、アセト酢酸エステル及びアリールアミンの誘導体を含む、エノール化が可能な反応性メチレン基を持つ芳香族化合物、フェノール及びナフトールエチルエーテル及びアセチルナフチルアミンを含む一部の複素環、例えばピロール、インドール及びイミダゾール、o−アルキルフェノール、ナフトール及びN−アシルアミン、脂肪族エノール、例えばエチルアセトアセテート、ならびに脂環式炭素を含有する化合物、例えばアスコルビン酸又はジメドンは、ジアゾニウム化合物とのカップリング成分であることが可能な化合物である。
【0012】
そのクロミック特性のために、インジケータはアゾ染料又は顔料の形成によって時間及び温度依存性着色を受けることができる。インジケータの着色プロセスは、定義した時点で、好ましくは例えば、特に腐敗しやすい材料のパッケージである基材の印刷直後に開始できる。したがって時間−温度時計は、定義した所望の時点で開始可能であり、必ずしもインジケータ合成の時間で作動を開始するわけではない。着色は本発明による考慮が好ましいが、開始化合物の少なくとも1つでも着色されたときに色変化プロセスが時間−温度時計の基礎を形成するインジケータの使用も考えられる。
【0013】
異なる時間ドメインを有する2つ以上のインジケータを使用することも可能であり;すなわち、例えば異なるアゾカップリング反応に基づく2つ以上のインジケータを場合により他のインジケータ、例えば非常に高温で腐敗しやすい製品の貯蔵を示すインジケータと組合せて使用することが可能である。
【0014】
経年劣化感受性又は温度感受性製品の品質の実際の決定は、時間温度インジケータの活性化が先行する。着色プロセスは、pHの値を6.5から1.5まで、好ましくは4から3まで低下させることで開始される。これは例えば活性酸触媒を形成するために、酸又は酸緩衝溶液を添加することで、あるいは反応溶媒中に存在する光潜在性酸の照射で達成できる。
【0015】
アゾカップリング反応の速度は、反応溶媒のpHに強く依存する。反応の各種時点において、既に形成されたアゾ製品の濃度に依存する各種の色合いを観察できる。本発明はしたがって、カップリング反応が異なるpH値で実施されるという点で、単一のアゾカップリング化学作用に基づく各種の異なる時間温度インジケータを提供する。当業者に周知である適切な緩衝系を選ぶことで、特定のpHを容易に調整できることが理解されるだろう。
【0016】
後の時点で、時間又は温度誘起着色の度合を次いで測定して、製品の品質をそこから推測する。ヒトの肉眼を用いて評価を行うとき、ある品質グレード、ある時点などをある脱色の度合に割り当てる参照スケールを例えば基材に沿って、又は基材の下に配置することが好都合であってもよい。
【0017】
本発明による方法は、腐敗しやすい製品、例えば食品(例えば冷凍食品)、医薬品、薬剤、移植臓器、及び腐敗しやすい原材料をマーキングするのに適切である。
【0018】
アゾカップリング反応の化学的性質に応じて、そして特にジアゾニウム塩及びカップリング化合物の両方の反応性ならびに反応溶媒のpH値にしたがって、異なる長さの脱色時間を達成できることが一般に認められている。
【0019】
好ましくは、本発明による基材に印刷する方法は、(a)キャップドジアゾニウム成分及びカップリング成分が、単一の溶液として基材に印刷される、基材にキャップドジアゾニウム成分とカップリング成分との間のアゾカップリング反応に基づくクロミック特性を備えた少なくとも1つの時間温度インジケータを印刷するステップを含む。その代わりに、キャップドジアゾニウム成分及びカップリング成分を別個の溶液として基材に印刷することも可能である。
【0020】
基材が、パッケージ材料又はパッケージ材料に塗布されるラベルである場合が好ましい。
【0021】
好ましいキャップドジアゾニウム成分の例は、式(1)、(2)、(3)、(4)及び(5)
【0022】
【化6】

【0023】
(式中、
Qは、有機化合物の基であり、
Rは、非置換又は置換された、脂肪族又は芳香族アミンの基であり、
Tは、非置換又は置換された、脂肪族又は芳香族残基である)
の化合物である。
【0024】
更に好ましいキャップドジアゾニウム成分の例は、式(1)、(2)、(3)、(4)及び(5)
(式中
Qは、非置換フェニル;ナフチル;チオフェニル;1,3−チアゾリル;1,2−チアゾリル;1,3−ベンゾチアゾリル;2,3−ベンゾチアゾリル;イミダゾリル;1,3,4−チアジアゾリル;1,3,5−チアジアゾリル;1,3,4−トリアゾリル;ピラゾリル;ベンズイミダゾリル;ベンゾピラゾリル;ピリジニル;キノリニル;ピリミジニル;イソキサゾリル;アミノジフェニル;アミノジフェニルエーテル及びアゾベンゼニルであり;あるいは
Qは、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、ハロゲン、例えばフッ素、臭素又は塩素、ニトロ、トリフルオロメチル、CN、SCN、C〜Cアルキルスルホニル、フェニルスルホニル、ベンジルスルホニル、ジ−C〜Cアルキルアミノスルホニル、C〜Cアルキル−カルボニルアミノ、C〜Cアルコキシスルホニルによって、又はジ−(ヒドロキシ−C〜Cアルキル)−アミノスルホニルによって一置換又は多置換された、フェニル、ナフチル、チオフェニル、1,3−チアゾリル、1,2−チアゾリル、1,3−ベンゾチアゾリル、2,3−ベンゾチアゾリル、イミダゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,3,5−チアジアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、ピラゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、ピリジニル、キノリニル、ピリミジニル及びイソキサゾリル、アミノジフェニル、アミノジフェニルエーテル及びアゾベンゼニルであり;
あるいはQは、有機化合物のカチオン性基であり;そして
Rは、式−NR1617の基であり、式中、R16は、水素;非置換直鎖若しくは分岐C〜Cアルキル又は、OC〜Cアルキル、COOH、COOC〜Cアルキル、SOH、NH、CN、ハロゲン、若しくはOHからなる群より選択される1つ以上の同一若しくは異なる置換基で置換された、直鎖若しくは分岐C〜Cアルキルであり、R17は、非置換直鎖若しくは分岐C〜Cアルキル又は、OC〜Cアルキル、COOH、COOC〜Cアルキル、SOH、NH、CN、ハロゲン、及びOHからなる群より選択される1つ以上の同一若しくは異なる置換基で置換された、直鎖若しくは分岐C〜Cアルキルであり;あるいは
Rは、非置換アニリンの基;非置換アミノナフタレンの基;アニリン又はアミノナフタレンの基であり、フェニル又はナフチル環が、COOH、SOH、CN、ハロゲン、SO〜Cアルキル、非置換直鎖若しくは分岐C〜Cアルキル、OH、カルボキシ、COC〜Cアルキル若しくはSO−N(C〜Cアルキル)−(CH1〜4SOHで置換された直鎖若しくは分岐C〜Cアルキルからなる群より選択される1つ以上の同一又は異なる置換基で置換され、ここでアミノ基が水素、非置換直鎖若しくは分岐C〜Cアルキル又は、OH若しくはカルボキシで置換された直鎖若しくは分岐C〜Cアルキルで置換され;そして
Tは、直鎖若しくは分岐非置換C〜Cアルキル又は、OC〜Cアルキル、COOH、COOC〜Cアルキル、SOH、NH、NH(C〜Cアルキル)、N(C〜Cアルキル)、CN、ハロゲン、及びOHからなる群より選択される1つ以上の同一若しくは異なる置換基で置換された直鎖若しくは分岐C〜Cアルキルであり;あるいは
Tは、非置換フェニル;非置換ナフチル;OC〜Cアルキル、COOH、COOC〜Cアルキル、SOH、NH、NH(C〜Cアルキル)、N(C〜Cアルキル)、CN、ハロゲン、及びOHからなる群より選択される1つ以上の同一若しくは異なる置換基で置換された、フェニル又はナフチルである)
の化合物である。
【0025】
キャップドジアゾニウム成分のなお更に好ましい例は、式(1)、(2)、(3)、(4)及び(5)
(式中
Qは、非置換フェニル;ナフチル;チオフェニル;1,3−チアゾリル;1,2−チアゾリル;1,3−ベンゾチアゾリル;2,3−ベンゾチアゾリル;イミダゾリル;1,3,4−チアジアゾリル;1,3,5−チアジアゾリル;1,3,4−トリアゾリル;ピラゾリル;ベンズイミダゾリル;ベンゾピラゾリル;ピリジニル;キノリニル;ピリミジニル;イソキサゾリル;アミノジフェニル;アミノジフェニルエーテル及びアゾベンゼニルであり;あるいは
Qは、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、ハロゲン、例えばフッ素、臭素又は塩素、ニトロ、トリフルオロメチル、CN、SCN、C〜Cアルキルスルホニル、フェニルスルホニル、ベンジルスルホニル、ジ−C〜Cアルキルアミノスルホニル、C〜Cアルキル−カルボニルアミノ、C〜Cアルコキシスルホニルで、又はジ−(ヒドロキシ−C〜Cアルキル)−アミノスルホニルで一置換又は多置換された、フェニル、ナフチル、チオフェニル、1,3−チアゾリル、1,2−チアゾリル、1,3−ベンゾチアゾリル、2,3−ベンゾチアゾリル、イミダゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,3,5−チアジアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、ピラゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、ピリジニル、キノリニル、ピリミジニル及びイソキサゾリル、アミノジフェニル、アミノジフェニルエーテル及びアゾベンゼニルであり;
あるいはQは、有機化合物のカチオン性基であり;そして
Rは、式−NR1617の基であり、式中、R16は、水素;非置換直鎖又は分岐C〜Cアルキル又は、OC〜Cアルキル、COOH、COOC〜Cアルキル、SOH、NH、CN、ハロゲン、及びOHからなる群より選択される1つ以上の同一若しくは異なる置換基で置換された、直鎖若しくは分岐C〜Cアルキルであり、R17は、非置換直鎖若しくは分岐C〜Cアルキル又は、OC〜Cアルキル、COOH、COOC〜Cアルキル、SOH、NH、CN、ハロゲン、及びOHからなる群より選択される1つ以上の同一若しくは異なる置換基で置換された直鎖若しくは分岐C〜Cアルキルであり;そして
Tは、COOH、SOH、NH、NH(C〜Cアルキル)及びN(C〜Cアルキル)からなる群より選択される1つ又は2つの同一又は異なる置換基で置換された、直鎖又は分岐C〜Cアルキルであり;あるいは
Tは、非置換フェニル;非置換ナフチル;OC〜Cアルキル、COOH、COOC〜Cアルキル、SOH、NH、NH(C〜Cアルキル)、N(C〜Cアルキル)、CN、ハロゲン、及びOHからなる群より選択される1つ以上の同一又は異なる置換基で置換された、フェニル又はナフチルである)
の化合物である。
【0026】
式(1)のキャップドジアゾニウム成分の特に好ましい例は、化合物
(式中
Qは、非置換フェニル;ナフチル;チオフェニル;1,3−チアゾリル;1,2−チアゾリル;1,3−ベンゾチアゾリル;2,3−ベンゾチアゾリル;イミダゾリル;1,3,4−チアジアゾリル;1,3,5−チアジアゾリル;1,3,4−トリアゾリル;ピラゾリル;ベンズイミダゾリル;ベンゾピラゾリル;ピリジニル;キノリニル;ピリミジニル;イソキサゾリル;アミノジフェニル;アミノジフェニルエーテル及びアゾベンゼニルであり;あるいは
Qは、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、ハロゲン、例えばフッ素、臭素又は塩素、ニトロ、トリフルオロメチル、CN、SCN、C〜Cアルキルスルホニル、フェニルスルホニル、ベンジルスルホニル、ジ−C〜Cアルキルアミノスルホニル、C〜Cアルキル−カルボニルアミノ、C〜Cアルコキシスルホニルで、又はジ−(ヒドロキシ−C〜Cアルキル)−アミノスルホニルで一置換又は多置換された、フェニル、ナフチル、チオフェニル、1,3−チアゾリル、1,2−チアゾリル、1,3−ベンゾチアゾリル、2,3−ベンゾチアゾリル、イミダゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,3,5−チアジアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、ピラゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、ピリジニル、キノリニル、ピリミジニル及びイソキサゾリル、アミノジフェニル、アミノジフェニルエーテル及びアゾベンゼニルであり、
あるいはQは、有機化合物のカチオン性基であり、そして
Rは、式−NR1617の基であり、式中、R16は、水素;非置換直鎖若しくは分岐C〜Cアルキル又は、OC〜Cアルキル、COOH、COOC〜Cアルキル、SOH、NH、CN、ハロゲン、及びOHからなる群より選択される1つ以上の同一若しくは異なる置換基で置換された、直鎖若しくは分岐C〜Cアルキルであり、R17は、非置換直鎖若しくは分岐C〜Cアルキル又は、OC〜Cアルキル、COOH、COOC〜Cアルキル、SOH、NH、CN、ハロゲン、及びOHからなる群より選択される1つ以上の若しくは異なる置換基で置換された、直鎖若しくは分岐C〜Cアルキルである)
を含む。
【0027】
式(1)のキャップドジアゾニウム成分の更に好ましい例は、化合物であり、
式中
Qは、有機化合物のカチオン性基であり;
Rは、式−NR1617の基であり、式中、R16は、H;非置換直鎖若しくは分岐C〜Cアルキル又は、OC〜Cアルキル、COOH、COOC〜Cアルキル、SOH、NH、CN、ハロゲン、及びOHからなる群より選択される1つ以上の同一若しくは異なる置換基で置換された、直鎖若しくは分岐C〜Cアルキルであり、R17は、非置換直鎖若しくは分岐C〜Cアルキル又は、OC〜Cアルキル、COOH、COOC〜Cアルキル、SOH、NH、CN、ハロゲン、及びOHからなる群より選択される1つ以上の同一若しくは異なる置換基で置換された、直鎖若しくは分岐C〜Cアルキルである。
【0028】
式(1)のキャップドジアゾニウム成分の最も好ましい例は、化合物であり、式中、
Qは、式
【0029】
【化7】

【0030】
の基であり、
式中、R80及びR81は、互いに独立して、水素;非置換若しくは置換された直鎖又は分岐C〜Cアルキル、OC〜Cアルキル、COOH、COOC〜Cアルキル、SOH、NH、CN、ハロゲン、及びOHであり;そして
Rは、式−NR1617の基であり、式中、R16は、非置換直鎖又は分岐C〜Cアルキルであり、R17は、非置換直鎖若しくは分岐C〜Cアルキル又は、OC〜Cアルキル、COOH、COOC〜Cアルキル、SOH、NH、CN、ハロゲン、及びOHからなる群より選択される1つ以上の同一若しくは異なる置換基で置換された、直鎖若しくは分岐C〜Cアルキルである。
【0031】
キャップドジアゾニウム成分の特に好ましい例は、次の一般式:
【0032】
【化8】

【0033】
(式中、Arは、場合により置換されたアリール又はヘテロアリール残基、特に場合により置換されたフェニル、ナフチル、ピロリル、フリル、チオフェニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、及びピリジニルを表し;そして
式中、R’及びR”は、互いに独立して、COOH、OH、ハロゲン、SOH、NH、NH(C〜Cアルキル)及びN(C〜Cアルキル)からなる群より選択される1つ又は2つの同一又は異なる置換基で場合により置換された、直鎖又は分岐C〜Cアルキルを表し、特にR’及びR”は、互いに独立して
メチル、
【0034】
【化9】

【0035】
を表す)の化合物を含む。
【0036】
キャップドジアゾニウム成分が、次の式の化合物であるときが最も好ましい。
【0037】
【化10】

【0038】
それぞれ−SOHスルホン酸基は、任意の相当する塩、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属又はそのアンモニア塩も表すことが理解されるだろう。
【0039】
適切なカップリング成分は、非置換若しくは置換されたベンゼン又はナフタレン化合物、開鎖メチレン活性化合物、及び非置換又は置換された複素環式化合物である。
【0040】
カップリング化合物が、アシルアセトアリールアミド、フェノール、ナフトール、ピリドン、キノロン、ピラゾール、インドール、ジフェニルアミン、アニリン、アミノピリジン、ピリミドン、ナフチルアミン、アミノチアゾール、チオフェン、及びヒドロキシピリジンからなる群より選択されるときが好ましい。
【0041】
更に好ましくは、カップリング成分は、アセトアセトアニリド、フェノール、アニリン、ジフェニルアミン、ナフチルアミン、インドール、キノリン、ピリドン、ピラゾール、及びアミノピリジンからなる群より選択される。
【0042】
場合により、カップリング成分は、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アリール、好ましくはフェニル又はナフチル、アリールオキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、スルホ、及び4級化アンモニウム基からなる群より選択される1つ以上の置換基を持つことができる。
【0043】
カップリング成分の好ましい例は、次の式:
【0044】
【化11】



【0045】
(式中、X、X’、及びX”は、互いに独立して、OH及びNHを表す)
【0046】
【化12】

【0047】
の化合物を含む。
【0048】
特に好ましいカップリング成分は、
【0049】
【化13】

【0050】
からなる群より選択され、式中、X’は、C〜C−アルキル又は−O−C〜C−アルキルを表す。
【0051】
本発明の別の実施形態において、キャップドジアゾニウム成分及びカップリング成分は、単一化合物の部分である。
【0052】
キャップドジアゾニウム成分を表す部分及びカップリング成分部分の両方を有する好ましい化合物は、式(6)
【0053】
【化14】

【0054】
(式中、Lは、ヒドロキシ又はNHLであり、Lは、水素又はC〜Cアルキルであり、そしてBは、芳香族又は複素環式環である)の化合物である。
【0055】
更に好ましくは、キャップドジアゾニウム成分及びカップリング成分部分の両方を表す単一化合物は、
【0056】
【化15】

【0057】
(式中、Lは、ヒドロキシ又はNHLであり、Lは、水素又はC〜Cアルキルであり、Lは、C〜Cアルキル又はスルホであり、Lは、ヒドロキシ又はスルホであり、Lは、水素、C〜Cアルキル、−COOH又はCOOC〜Cアルキルであり、L及びLは、互いに独立して、水素又はC〜Cアルコキシであり、nは、数0、1又は2であり、そしてmは、数0、1又は2である)からなる群より選択される。
【0058】
キャップドジアゾニウム成分部分及びカップリング成分部分を有する特に好ましい化合物は、次の式:
【0059】
【化16】

【0060】
の化合物を含む。
【0061】
本発明による時間温度インジケータの基礎を成す、キャップドジアゾニウム成分とカップリング成分との間のアゾカップリング反応は、好ましくは、
【0062】
【化17】



【0063】
からなる群より選択されるアゾ染料を形成する。
【0064】
本発明のなお別の実施形態において、キャップドジアゾニウム成分及び/又はカップリング成分は、1つを超えるアゾ部分を含有するアゾ染料をもたらす、複数のアゾカップリング反応を実行することができる。第2の、そして任意の更なるアゾカップリング反応は、キャップドジアゾニウム成分を既に存在するアゾ化合物とカップリングすることで、あるいはアゾ化合物をジアゾ化し、続いて普通のカップリング成分にカップリングすることでのどちらかで行われる。複数のアゾ基を含有するカップリング生成物は、その異なる吸収極大で識別できる。それぞれ追加のアゾカップリングは、一般に顕著な色変化を伴うため、反応の進行は目視により追跡できる。好ましくは、本発明によるTTI反応中に形成された染料は、2つのアゾ基を含有する。
【0065】
本発明による基材に印刷する方法において、時間温度インジケータは、好ましくは水溶液である反応溶媒を酸性化することで、ステップ(a)にしたがって活性化される。更に好ましくは、活性化はpHを6.5から1.5、更に好ましくは4から3の値に低下させることで達成される。酸性化は、基材に印刷する方法が、基材に(i)酸及び/若しくは酸性緩衝溶液、又は(ii)光潜在性酸溶液を印刷することを含むステップ(b)を含むという点で実現できる。
【0066】
好ましくは、酸及び/若しくは酸性緩衝溶液(i)、又は光潜在性酸溶液(ii)は、ステップ(a)で基材に、単一溶液の一部としてのキャップドジアゾニウム成分及び/又はカップリング成分と一緒に印刷される。酸性化に適切な酸は、塩酸、リン酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、及びクエン酸からなる群より選択される。
【0067】
光潜在性酸の例は、オキシムスルホナート化合物、α−スルホニルオキシカルボニル化合物、N−スルホニルオキシイミド化合物、o−ニトロベンジルスルホナート化合物、及びピロガロールスルホナート化合物を含む。
【0068】
好ましい光潜在性酸は、式Ia、Ib、IIa、IIb、IIIa、IIIb、IVa、IVb、Va、Vb、又はVIa:
【0069】
【化18】

【0070】
の化合物であり、
式中
nは、1又は2であり;
mは、0又は1であり;
は、−[CH−X又は−CH=CHであり;
hは、2、3、4、5又は6であり;
は、nが1であるとき、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、又はヘテロアリールであり、そのすべてが1つ以上のC〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル;1つ以上の−O−、−S−、−NM23−、−O(CO)−、若しくは−NM23(CO)−で中断されているC〜C30シクロアルキルで場合により置換され;あるいはハロゲン、−NO、−CN、−Ar、−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19、及び/又は−OSO19で置換され、場合により置換基−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19、及び/又は−OSO19が、基M19、M20、M21、M22、及び/又はM23を介して、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、又はヘテロアリール環の更なる置換基と共に、あるいはフェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、又はヘテロアリール環の炭素原子の1つと共に5、6又は7員環を形成し;
あるいはMは水素であるが、但しMが同時に水素でなく;
あるいはMは、C〜C18アルキルであり;あるいは1つ以上のC〜C30シクロアルキレン、−O−、−S−、−NM23−、−(CO)−、−O(CO)−、−S(CO)−、−NM23(CO)−、−SO−、−SO−又は−OSO−で中断されているC〜C18アルキルであり;場合により基C〜C18アルキルならびにC〜C18アルキルは、1つ以上のC〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル、ハロゲン、−NO、−CN、−Ar、−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19、及び/又は−OSO19で置換され;
あるいはMは、1つ以上の−O−、−S−、−NM23−、−(CO)−、−O(CO)−、又は−NM23(CO)−で場合により中断され、そして1つ以上のC〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル、ハロゲン、−NO、−CN、−Ar、−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19、及び/又は−OSO19で置換されたC〜C30シクロアルキルであり;
あるいはMは、C〜Cハロアルキル、C〜C12アルケニル、C〜C30シクロアルケニル、カンファリルであり;
あるいはmが0の場合、Mは、更に、CN、C〜Cアルコキシカルボニル又はフェノキシカルボニルであり、ここでC〜Cアルコキシカルボニル及びフェノキシカルボニルは、場合により1つ以上のC〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキルで置換され;1つ以上の−O−、−S−、−NM23−、−O(CO)−又は−NM23(CO)−で中断されているC〜C30シクロアルキルであり;あるいはハロゲン、−NO、−CN、−Ar、−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19、及び/又は−OSO19で置換され;
は、nが2であるとき、フェニレン、ナフチレン、
【0071】
【化19】

【0072】
、ジフェニレン、オキシジフェニレン、又は
【0073】
【化20】

【0074】
であり、これらの基は、非置換であるか、又は1つ以上のC〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル、ハロゲン、−NO、−CN、−Ar、−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19、及び/又は−OSO19で置換され、
あるいはMは、直接結合、
【0075】
【化21】

【0076】
であり、式中、すべての基Mは、水素及び直接結合を除いて、酸の作用時に開裂する−O−C−結合又は−O−Si−結合を有する基で更に置換されることができ、
は、直接結合、C〜C18アルキレン、−O−、−S−、−NM23−、−O(CO)−、−S(CO)−、−NM23(CO)−、−SO−、−SO−又は−OSO−であり;
は、直接結合、C〜C18アルキレンであり;あるいは1つ以上のC〜C30シクロアルキレン、−O−、−S−、−NM23−、−(CO)−、−O(CO)−、−S(CO)−、−NM23(CO)−、−SO−、−SO−、−OSO−又は−Ar−で中断されているC〜C18アルキレンであり;場合により基C〜C18アルキレン及びC〜C18アルキレンは、1つ以上のC〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル、ハロゲン、−NO、−CN、−Ar、−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19、及び/又は−OSO19で置換され;
あるいはAは、1つ以上の−O−、−S−、−NM23−、−(CO)−、−O(CO)−、又は−NM23(CO)−で場合により中断され、そして非置換であるか、又は1つ以上のC〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル、ハロゲン、−NO、−CN、−Ar、−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19、及び/若しくは−OSO19で置換されたC〜C30シクロアルキレンであり;
あるいはAは、フェニレン、ナフチレンであり、ここでこれらの基は、場合により1つ以上のC〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル、ハロゲン、−NO、−CN、−Ar、−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19、及び/又は−OSO19で置換され;
は、Mの意味の1つを有するか、あるいはC〜C18アルカノイルであり;非置換であるか、又は1つ以上のC〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル、ハロゲン、−NO、−CN、−Ar、−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19、及び/又は−OSO19で置換されたベンゾイルであり;
あるいはMは、NOであり;あるいはMは、S(O)〜C18アルキル、S(O)−C〜C12アリール、SOO−C〜C18アルキル、SOO−C〜C10アリール、ジフェニル−ホスフィノイルであり、そのすべてが場合により1つ以上のC〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル;1つ以上の−O−、−S−、−NM23−、−O(CO)−、又は−NM23(CO)−で中断されているC〜C30シクロアルキルで置換され;あるいはハロゲン、−NO、−CN、−Ar、−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19、及び/又は−OSO19によって置換され;
あるいはM及びMは、一緒になって、非置換であるか、又は1つ以上のC〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル;1つ以上の−O−、−S−、−NM23−、−O(CO)−、又は−NM23(CO)−で中断されているC〜C30シクロアルキルで置換され;あるいはハロゲン、−NO、−CN、−Ar、−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19、及び/又は−OSO19によって置換された、5、6又は7員環を形成し;そして前記5、6又は7員環は更に、C〜C18アルキレン、C〜C30シクロアルキレン、C〜Cハロアルキレン、C〜C12アルキレン、C〜C30シクロアルケニレン、フェニレン、ナフタレン、−O−、−S−、−NM23−、−(CO)−、−O(CO)−、−NM23(CO)−、−S(CO)−、−SO−、−SO−、又は−OSO−で中断され、そして前記5、6、又は7員環には場合により、1つ以上のベンゾ基が結合し;
pは、1又は2であり;
Xは、−O(CO)M24、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M24、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122
【0077】
【化22】

【0078】
−SM23、−SOM19、−SO19、−OSO19、又は基
【0079】
【化23】

【0080】
であり;
X’は、
【0081】
【化24】

【0082】
であり;
及びXは、互いに独立して、−O(CO)−、−O(CO)O−、−O(CO)NM23−、−NM23(CO)−、−NM23(CO)O−、−O−、−NM23−、−S−、−SO−、−SO−、−OSO−、
【0083】
【化25】

【0084】
であり;
あるいはX及びXは、直接結合であるが、但し、X及びXが両方とも同時に直接結合ではなく;
は、フェニレン、ナフチレン、
【0085】
【化26】

【0086】
、ジフェニレン、オキシジフェニレン又は
【0087】
【化27】

【0088】
であり、式中、これらの基は、非置換であるか、又は1つ以上のC〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル、ハロゲン、−NO、−CN、−Ar、−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19及び/又は−OSO19で置換され、
あるいはAは、直接結合、
【0089】
【化28】

【0090】
であり;
は、Mに与えた意味の1つを有するか;あるいはMは、C〜C18アルカノイル;場合により1つ以上のC〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル、ハロゲン、−NO、−CN、−Ar、−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19及び/又は−OSO19で置換されたベンゾイルであり、
あるいはMは、NOであり;あるいはMは、S(O)〜C18アルキル、S(O)−C〜C12アリール、SOO−C〜C18アルキル、SOO−C〜C10アリール、ジフェニル−ホスフィノイルであり、そのすべてが場合により1つ以上のC〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル,C〜C30シクロアルキル;1つ以上の−O−、−S−、−NM23−、−O(CO)−、又は−NM23(CO)−で中断されているC〜C30シクロアルキルで置換され;あるいはハロゲン、−NO、−CN、−Ar、−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19及び/又は−OSO19で置換され;
は、Mに与えた意味の1つを有し、あるいはM及びMは、一緒になって、1つ以上のC〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル;1つ以上の−O−、−S−、−NM23−、−O(CO)−、又は−NM23(CO)−で中断されているC〜C30シクロアルキルで場合により置換された5、6又は7員環を形成し;あるいは前記5、6又は7員環は、ハロゲン、−NO、−CN、−Ar、−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19及び/又は−OSO19で置換され;そして前記5、6又は7員環は、場合により更にC18アルキレン、C〜C30シクロアルキレン、C〜Cハロアルキレン、C〜C12アルケニレン、C〜C30シクロアルケニレン、フェニレン、ナフタレン、−O−、−S−、−NM23−、−(CO)−、−O(CO)−、−NM23(CO)−、−S(CO)−、−SO−、−SO−、又は−OSO−で中断され;そして場合により1つ以上のベンゾ基が、前記5、6又は7員環に結合し;
及びMは、互いに独立して、水素、C〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル;1つ以上の−O−、−S−、−NM23−、−O(CO)−、又は−NM23(CO)−で中断されているC〜C30シクロアルキルであり、あるいはM及びMは、ハロゲン、−NO、−CN、−Ar、−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19及び/又は−OSO19であり;
あるいはM及びMは、一緒になって、−C(M30)=C(M31)−C(M32)=C(M33)−又は−(CO)NM23(CO)−であり;
Gは、−S−、−O−、−NM23−、又は式Z、Z、Z又はZ
【0091】
【化29】

【0092】
の基であり、
は、nが1であるとき、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、又はヘテロアリールであり、そのすべてが1つ以上のC〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル;1つ以上の−O−、−S−、−NM23−、−O(CO)−又は−NM23(CO)−で中断されているC〜C30シクロアルキルで場合により置換され;あるいはハロゲン、−NO、−CN、−Ar、−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19及び/又は−OSO19で置換され、場合により置換基−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19ならびに/又は−OSO19が、基M19、M20、M21、M22及び/若しくはM23を介して、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、若しくはヘテロアリール環の更なる置換基と共に、若しくはフェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、又はヘテロアリール環の炭素原子の1つと共に5、6、又は7員環を形成し;
あるいはMは、C〜C18アルキルであり;あるいは1つ以上のC〜C30シクロアルキレン、−O−、−S−、−NM23−、−(CO)−、−O(CO)−、−S(CO)−、−NM23(CO)−、−SO−、−SO−、又は−OSO−で中断されているC〜C18アルキルであり;場合により基C〜C18アルキルならびにC〜C18アルキルは、1つ以上のC〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル、ハロゲン、−NO、−CN、−Ar、−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19、及び/又は−OSO19で置換され;
あるいはMは、1つ以上の−O−、−S−、−NM23−、−(CO)−、−O(CO)−、又は−NM23(CO)−で場合により中断され、そして1つ以上のC〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル、ハロゲン、−NO、−CN、−Ar、−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19、及び/又は−OSO19で場合により置換されたC〜C30シクロアルキルであり;
あるいはMは水素、C〜Cハロアルキル、−OM20、−NM2122、−NM23(CO)M19、−SM23、C〜C12アルケニル、C〜C30シクロアルケニル、カンファリルであり;そして
は、nが2であるとき、フェニレン、ナフチレン、
【0093】
【化30】

【0094】
、ジフェニレン、オキシジフェニレン又は
【0095】
【化31】

【0096】
であり、式中、これらの基は、1つ以上のC〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル、ハロゲン、−NO、−CN、−Ar、−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19、及び/又は−OSO19で場合により置換され、
あるいはMは、直接結合、
【0097】
【化32】

【0098】
であり、
式中、すべての基Mは、水素及び直接結合を除いて、酸の作用時に開裂する−O−C−結合又は−O−Si−結合を有する基で場合により更に置換され;
は、直接結合、C〜C18アルキレン、−O−、−S−又は−NM23−であり;
及びMは、互いに独立して、C〜C18アルキルであり;あるいは1つ以上のC〜C30シクロアルキレン、−O−、−S−、−NM23−、−(CO)−、−O(CO)−、−S(CO)−、−NM23(CO)−、−SO−、−SO−、−OSO−又は−Ar−で中断されているC〜C18アルキルであり;場合により基C〜C18アルキルならびにC〜C18アルキルは、1つ以上のC〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル、ハロゲン、−NO、−CN、−Ar、−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19及び/又は−OSO19で置換され;
あるいはM及びMは、1つ以上の−O−、−S−、−NM23−、−(CO)−、−O(CO)−、又は−NM23(CO)−で場合により中断され、そして1つ以上のC〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル,C〜C30シクロアルキル、ハロゲン、−NO、−CN、−Ar、−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19及び/又は−OSO19で場合により置換されたC〜C30シクロアルキルであり;
あるいはM及びMは、水素、ハロゲン、C〜Cハロアルキル、−NO、−CN、−Ar、−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19及び/又は−OSO19であり;
あるいはM及びMは、適切ならば、C〜Cアルキレン、−O−、−S−、−NM23−、−(CO)−、−O(CO)−、−NM23(CO)−と一緒になって5、6又は7員環を形成し;
あるいはM及びMは、適切ならば、C〜Cアルキレン、−O−、−S−、−NM23−、−(CO)−,−O(CO)−、−NM23(CO)−と一緒になって5、6又は7員環を形成し;
10は、Mに与えた意味の1つを有し;
11は、C〜C18アルキル;あるいは1つ以上のC〜C30シクロアルキレン、−O−、−S−、−NM23−、−(CO)−、−O(CO)−、−S(CO)−、−NM23(CO)−、−SO−、−SO−、−OSO−又は−Ar−で中断されたC〜C18アルキルであり;場合により基C〜C18アルキルならびにC〜C18アルキルは、1つ以上のC〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル、ハロゲン、−NO、−CN、−Ar、−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19、及び/又は−OSO19で置換され;
あるいはM11は、1つ以上の−O−、−S−、−NM23−、−(CO)−、−O(CO)−、又は−NM23(CO)−で場合により中断され、そして1つ以上のC〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル、ハロゲン、−NO、−CN、−Ar、−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19及び/又は−OSO19で場合により置換されたC〜C30シクロアルキルであり;
あるいはM11は、水素、C〜Cハロアルキル、−Ar、−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122又は−SO19であり;
あるいはM10及びM11は、1つ以上のC〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル,C〜C30シクロアルキル;1つ以上の−O−、−S−、−NM23−、−O(CO)−、又は−NM23(CO)−で中断されているC〜C30シクロアルキルで場合により置換された、5、6又は7員環を一緒になって形成し;あるいは前記5、6又は7員環は、ハロゲン、−NO、−CN、−Ar、−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19及び/又は−OSO19で置換され;そして前記5、6又は7員環は、C〜C12アルキレン、C〜C30シクロアルキレン、C〜Cハロアルキレン、C〜C12アルケニレン、C〜C30シクロアルケニレン、フェニレン、ナフタレン、−O−、−S−、−NM23−、−(CO)−、−O(CO)−、−NM23(CO)−、−S(CO)−、−SO−、−SO−、又は−OSO−によって場合により更に中断され;そして前記5、6又は7員環には、場合により1つ以上のベンゾ基が結合し;
12、M13、M14及びM15は、互いに独立して、水素、C〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル;1つ以上の−O−、−S−、−NM23−、−O(CO)−、又は−NM23(CO)−で中断されているC〜C30シクロアルキルであり;あるいはM12、M13、M14及びM15は、ハロゲン、−NO、−CN、−Ar、−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19及び/又は−OSO19であり;場合により置換基M12、M13、M14及び/又はM15は、基M12、M13、M14及び/又はM15を介して、M12、M13、M14及びM15が結合するフェニルの更なる置換基と一緒になって、又は前記フェニル環の炭素原子の1つと一緒になって5、6又は7員環又は縮合環を形成し;
式中、すべての基M12、M13、M14及び/又はM15は、水素を除いて、酸の作用時に開裂する−O−C−結合又は−O−Si−結合を有する基で場合により更に置換され;
16、M17及びM18は、互いに独立して、水素、C〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル;1つ以上の−O−、−S−、−NM23−、−O(CO)−、又は−NM23(CO)−で中断されているC〜C30シクロアルキルであり;あるいはM16、M17及びM18は、ハロゲン、−NO、−CN、−Ar、−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19及び/又は−OSO19であり、場合により置換基M16、M17、及び/又はM18は、基M16、M17、及び/又はM18を介して、M16、M17及びM18が結合するフェニル環の更なる置換基と一緒になって、又は前記フェニル環の炭素原子の1つと一緒になって、5、6又は7員環あるいは縮合環を形成し;
式中、すべての基M16、M17、及び/又はM18は、水素を除いて、酸の作用時に開裂する−O−C−結合又は−O−Si−結合を有する基で場合により更に置換され;
19は、フェニル、ナフチル、C〜C30シクロアルキル、C〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C12アルケニル、C〜C30シクロアルケニルであり;あるいは1つ以上の−O−で中断されているC〜C18アルキルであり;あるいは1つ以上の−O−、−S−、−NM23−、−O(CO)−、又は−NM23(CO)−で中断されているC〜C30シクロアルキルであり;
そのすべてが1つ以上のAr、OH、C〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル、ハロゲン、−NO、−CN、C〜C12アルコキシ、フェノキシ、フェノキシ−カルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、−NM2122、C〜C12アルキルチオ、C〜C12アルコキシ−カルボニル、C〜Cハロアルカノイル、ハロベンゾイル、C〜C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル、C〜C12アルキルスルホニルオキシ、フェニルスルホニルオキシ、(4−メチルフェニル)スルホニルオキシ、C〜C12アルカノイル、C〜C12アルカノイルオキシ、ベンゾイルで、及び/又はベンゾイルオキシで場合により置換され;
あるいはM19は、水素であり、
20は、フェニル、ナフチル、C〜C30シクロアルキル、C〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C12アルケニル、C〜C30シクロアルケニルであり;あるいは1つ以上の−O−で中断されているC〜C18アルキルであり;あるいは1つ以上の−O−、−S−、−NM23−、−O(CO)−又は−NM23(CO)−で中断されているC〜C30シクロアルキルであり;あるいはC〜C18アルカノイルであり、あるいはベンゾイルであり、あるいはC〜C18アルキルスルホニルであり、そのすべてが1つ以上のAr、OH、C〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル、ハロゲン、−NO、−CN、C〜C12アルコキシ、フェノキシ、フェノキシ−カルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、−NM2122、C〜C12アルキルチオ、C〜C12アルコキシ−カルボニル、C〜Cハロアルカノイル、ハロベンゾイル、C〜C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル、C〜C12アルキルスルホニルオキシ、フェニルスルホニルオキシ、(4−メチルフェニル)スルホニルオキシ、C〜C12アルカノイル、C〜C12アルカノイルオキシ、ベンゾイルで、及び/又はベンゾイルオキシで場合により置換され;
あるいはM20は、水素、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル、ナフチルスルホニル、アントラシルスルホニル又はフェナントリルスルホニルであり;
21、M22及びM23は、互いに独立して、フェニル、ナフチル、C〜C30シクロアルキル、C〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C12アルケニル、C〜C30シクロアルケニルであり;あるいは1つ以上の−O−で中断されているC〜C18アルキルであり;あるいは1つ以上の−O−、−S−、−NM23−、−O(CO)−、又は−NM23(CO)−で中断されているC〜C30シクロアルキルであり;あるいはC〜C18アルカノイル、ベンゾイル、又はC〜C18アルキルスルホニルであり、
そのすべてが1つ以上のAr、OH、C〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル、ハロゲン、−NO、−CN、C〜C12アルコキシ、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、−NM2122、C〜C12アルキルチオ、C〜C12アルコキシカルボニル、C〜Cハロアルカノイル、ハロベンゾイル、C〜C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル、C〜C12アルキルスルホニルオキシ、フェニルスルホニルオキシ、(4−メチルフェニル)スルホニルオキシ、C〜C12アルカノイル、C〜C12アルカノイルオキシ、ベンゾイルで及び/又はベンゾイルオキシで場合により置換され;
あるいはM21、M22及びM23は、互いに独立して、水素、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル、ナフチルスルホニル、アントラシルスルホニル、又はフェナントリルスルホニルであり;
あるいはM21及びM22は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、−O−で、又は−NM23−で場合により中断されている5、6、又は7員環を形成し;
24は、フェニル、ナフチル、C〜C30シクロアルキル、C〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルケニルであり;あるいは1つ以上の−O−で中断されているC〜C18アルキルであり、あるいは1つ以上の−O−、−S−、−NM23−、−O(CO)−、又は−NM23(CO)−で中断されているC〜C30シクロアルキルであり;
そのすべてが非置換又は1つ以上のAr、OH、C〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル、ハロゲン、−NO、−CN、C〜C12アルコキシ、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、−NM2122、C〜C12アルキルチオ、C〜C12アルコキシカルボニル、C〜Cハロアルカノイル、ハロベンゾイル、C〜C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル、C〜C12アルキルスルホニルオキシ、フェニルスルホニルオキシ、(4−メチルフェニル)スルホニルオキシ、C〜C12アルカノイル、C〜C12アルカノイルオキシ、ベンゾイルによって、及び/若しくはベンゾイルオキシで置換され;
あるいはM24は、水素であり;
あるいはM23及びM24は、それらが結合するN原子と一緒になって、−O−で場合により中断され、そして1つ以上のベンゾ環によって更に場合により結合される5、6又は7員環を形成し;
25、M26及びM27は、互いに独立して、水素であり;あるいはフェニル又はナフチルであり、その両方が1つ以上のAr、OH、C〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル、ハロゲン、−NO、−CN、C〜C12アルコキシ、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、−NM2122、C〜C12アルキルチオ、C〜C12アルコキシカルボニル、C〜Cハロアルカノイル、ハロベンゾイル、C〜C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル、C〜C12アルキルスルホニルオキシ、フェニルスルホニルオキシ、(4−メチルフェニル)スルホニルオキシ、C〜C12アルカノイル、C〜C12アルカノイルオキシ、ベンゾイルで及び/又はベンゾイルオキシで場合により置換され;あるいはM25、M26及びM27は、C〜C18アルケニル又はC〜C18アルキニルであり;あるいはM25、M26及びM27は、C〜C18アルキル、1つ以上の−O−で中断されているC〜C18アルキルであり、ここで基C〜C18アルキル及びC〜C18アルキルは、1つ以上のAr、OH、C〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル、ハロゲン、−NO、−CN、C〜C12アルコキシ、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、−NM2122、C〜C12アルキルチオ、C〜C12アルコキシカルボニル、C〜Cハロアルカノイル、ハロベンゾイル、C〜C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)−スルホニル、C〜C12アルキルスルホニルオキシ、フェニルスルホニルオキシ、(4−メチルフェニル)スルホニルオキシ、C〜C12アルカノイル、C〜C12アルカノイルオキシ、ベンゾイルで、及び/又はベンゾイルオキシで場合により置換され;あるいはM25及びM26は、適切ならばC〜Cアルキレン、−O−、−S−、又は−CO−と一緒になって縮合環を形成し;あるいはM25、M26及びM27は、適切ならばC〜Cアルキレン、−O−、−S−、又は−CO−と一緒になって、5、6、又は7員環を形成し;あるいはM25、M26及びM27は、それらが結合するN原子と一緒になって、基
【0099】
【化33】

【0100】
を形成し、
28及びM29は、互いに独立して、1つ以上のAr、OH、C〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル、ハロゲン、−NO、−CN、C〜C12アルコキシ、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、−NM2122、C〜C12アルキルチオ、C〜C12アルコキシカルボニル、C〜Cハロアルカノイル、ハロベンゾイル、C〜C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル、C〜C12アルキルスルホニルオキシ、フェニルスルホニルオキシ、(4−メチルフェニル)スルホニルオキシ、C〜C12アルカノイル、C〜C12アルカノイルオキシ、ベンゾイルで、及び/又はベンゾイルオキシで場合により置換されるフェニルであり;あるいはM28及びM29は、互いに独立して、C〜C18アルキル、1つ以上の−O−で中断されているC〜C18アルキルであり、式中、基C〜C18アルキル及びC〜C18アルキルは、1つ以上のAr、OH、C〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル、ハロゲン、−NO、−CN、C〜C12アルコキシ、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、−NM2122、C〜C12アルキルチオ、C〜C12アルコキシカルボニル、C〜Cハロアルカノイル、ハロベンゾイル、C〜C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル、C〜C12アルキルスルホニルオキシ、フェニルスルホニルオキシ、(4−メチルフェニル)スルホニルオキシ、C〜C12アルカノイル、C〜C12アルカノイルオキシ、ベンゾイルで、及び/又はベンゾイルオキシで場合により置換され;あるいはM28及びM29は、適切ならばC〜Cアルキレン、−O−、−S−、又は−CO−と一緒になって縮合環を形成し;あるいはM28及びM29は、適切ならばC〜Cアルキレン、−O−、−S−、又は−CO−と一緒になって5、6又は7員環を形成し;
30、M31、M32及びM33は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C〜C18アルキル、C〜C18アルコキシ、C〜Cハロアルキル、CN、NO、C〜C18アルカノイル、ベンゾイル、フェニル、−S−フェニル、OM20、SM23、NM2122、C〜Cアルコキシカルボニル、フェノキシカルボニル、S(O)〜C18アルキル、非置換又はC〜C18アルキル置換S(O)−C〜C12アリール、SOO−C〜C18アルキル、SOO−C〜C10アリール又はNHCONHであり;
34及びM35は、互いに独立して、Mに与えた意味の1つを有し;
あるいはM34及びM35は、一緒になってCO−NM23CO−であり;あるいはM34及びM35は、一緒になって、−C(M30)=C(M31)−C(M32)=C(M33)−であり;
Arは、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、又はヘテロアリールであり、
そのすべては、1つ以上のC〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル;1つ以上の−O−、−S−、−NM23−、−O(CO)−、又は−NM23(CO)−で中断されているC〜C30シクロアルキルで場合により置換され;あるいはハロゲン、−NO、−CN、フェニル、−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19、及び/又は−OSO19で置換され、場合により置換基−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19、及び/又は−OSO19は、基M19、M20、M21、M22、及び/又はM23を介して、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、又はヘテロアリール環の更なる置換基と共に、あるいはフェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントリル、又はヘテロアリール環の炭素環の1つと共に5、6又は7員環を形成し;
Arは、フェニレン、ナフチレン、
【0101】
【化34】

【0102】
、ジフェニレン、オキシジフェニレン又は
【0103】
【化35】

【0104】
であり、式中、これらの基は場合により1つ以上のC〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル、ハロゲン、−NO、−CN、−Ar、−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19、及び/又は−OSO19によって場合により置換され、場合により置換基−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19、及び/又は−OSO19は、基M19、M20、M21、M22及び/又はM23を介して、これらの基の更なる置換基と共に、あるいはこれらの基の炭素原子の1つと共に5、6又は7員環を形成し;
は、
【0105】
【化36】

【0106】
Li、Na、K、Cs、1/2Mg2+、1/2Ca2+又は1/2Ba2+であり;
は、F、Cl、Br、I、HSO、1/2SO2−、NO
【0107】
【化37】

【0108】
ClO、BF、PF、AsF、SbF、(M50SO又は(M50SOであり;
36、M37、M38及びM39は、M25、M26及びM27に与えた意味の1つを有し;
40、M41及びM42は、M28及びM29に与えた意味の1つを有し;
43及びM44は、互いに独立して、1つ以上のAr、OH、C〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C30シクロアルキル、ハロゲン、−NO、−CN、C〜C12アルコキシ、フェノキシ、フェノキシカルボニル、フェニルチオ、フェニルチオカルボニル、−NM2122、C〜C12アルキルチオ、C〜C12アルコキシカルボニル、C〜Cハロアルカノイル、ハロベンゾイル、C〜C12アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、(4−メチルフェニル)スルホニル、C〜C12アルキルスルホニルオキシ、フェニルスルホニルオキシ、(4−メチルフェニル)スルホニルオキシ、C〜C12アルカノイル、C〜C12アルカノイルオキシ、ベンゾイルで、及び/又はベンゾイルオキシで場合により置換されたフェニルであり;あるいはM43及びM44は、適切ならばC〜Cアルキレン、−O−、−S−、又は−CO−と一緒になって縮合環を形成し;
45は、C〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル、カンファリル、フェニル−C〜Cアルキル、C〜C30シクロアルキル、C〜C30シクロアルケニル、フェニル、ナフチル、アントラシル又はフェナントリルであり;そのすべては、1つ以上のC〜C18アルキル、C〜Cハロアルキル,C〜C30シクロアルキル、ハロゲン、−NO、−CN、−Ar、−(CO)M19、−(CO)OM20、−(CO)NM2122、−O(CO)M19、−O(CO)OM20、−O(CO)NM2122、−NM23(CO)M19、−NM23(CO)OM20、−OM20、−NM2122、−SM23、−SOM19、−SO19、及び/又は−OSO19で場合により置換され;
46及びM47は、互いに独立して、Mに与えた意味の1つを有し;
あるいはM46及びM47は、一緒になって、−CO−NM23−CO−又は−C(M30)=C(M31)−C(M32)=C(M33)−であり;
48及びM49は、互いに独立して、Mに与えた意味の1つを有し、
あるいはM48及びM49は、一緒になって、−CO−NM23−CO−又は−C(M30)=C(M31)−C(M32)=C(M33)−であり;
50は、C〜C−ペルフルオロアルキルであり;
は、−CM35−又は−N−であり;そして
は、−CH−、−S−、−O−又は−NM23−である。
【0109】
光潜在性酸が
【0110】
【化38】

【0111】
2,2,2−トリフルオロ−1−p−トリル−エタノンオキシム2−メトキシエタンスルホナート
【0112】
【化39】

【0113】
2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム2−メトキシエタンスルホナート
【0114】
【化40】

【0115】
2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム2−(2−メトキシ−エトキシ)−エタンスルホナート
【0116】
【化41】

【0117】
2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム2−{2−(2−エトキシ−エトキシ)−エトキシ}−エタンスルホナート
【0118】
【化42】

【0119】
2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム2−(n−ブチルチオ)−エタンスルホナート
【0120】
【化43】

【0121】
2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム2−(3−ヒドロキシプロピルチオ)−エタンスルホナート
【0122】
【化44】

【0123】
2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム2−(p−ヒドロキシフェニルチオ)−エタンスルホナート
【0124】
【化45】

【0125】
2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム2−(p−トルエンスルホニル)−エタンスルホナート
【0126】
【化46】

【0127】
2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−エタンスルホナート
【0128】
【化47】

【0129】
2,2,2−トリフルオロ−1−(4−{3−[4−(2,2,2−トリフルオロ−1−ビニルスルホニルオキシイミノ−エチル)−フェノキシ]−プロポキシ}−フェニル)−エタノンオキシムビニルスルホナート
【0130】
【化48】

【0131】
2,2,2−トリフルオロ−1−p−トリル−エタノンオキシムビニルスルホナート
【0132】
【化49】

【0133】
ビス[2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム]3,7−ジチアノナン−1,9−ジスルホナート
【0134】
【化50】

【0135】
5−{2−(メタンスルホニル)−エタンスルホキシ}−イミノ−5H−チオフェン−2−イリデン−o−トリル−アセトニトリル
【0136】
【化51】

【0137】
5−{2−(p−トルエンスルホニル)−エタンスルホキシ}−イミノ−5H−チオフェン−2−イリデン−o−トリル−アセトニトリル
【0138】
【化52】

【0139】
N−(エテンスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシミド
【0140】
【化53】

【0141】
N−(2−シクロヘキシルスルファニル−エタンスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシミド
【0142】
【化54】

【0143】
N−(2−ヘキシルスルファニル−エタンスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシミド
【0144】
【化55】

【0145】
N−(2−ジ−n−ヘキシルアミノ−エタンスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシミド
【0146】
【化56】

【0147】
1−[2−(3,5−ジオキソ−4−アザ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン−4−イルオキシスルホニル)−エチル]−ピリジニウムノナフルオロブタン−1−スルホナート
からなる群より選択されるときに特に好ましい。
【0148】
前述のスルホナート誘導体は、他の既知の光潜在性酸、例えばオニウム塩、6−ニトロベンジルスルホナート、ビス−スルホニルジアゾメタン化合物、シアノ基含有オキシムスルホナート化合物などと一緒になって使用することもできる。これらの光潜在性酸は、前述のスルホナート誘導体の代わりに使用することもできる。知られている光潜在性酸の例は、米国特許第5731364号、米国特許第5800964号、欧州特許第704762号、米国特許第5468589号、米国特許第5558971号、米国特許第5558976号、米国特許第6004724号、英国特許第2348644号、及び特に欧州特許第794457号、及び欧州特許第795786号に記載されている。光潜在性酸の混合物を本発明によるTTIで使用する場合、混合物中での式Ia、Ib、IIa、IIb、IIIa、IIIb、IVa、IVb、Va、Vb、又はVIaのスルホナート誘導体の、他の光潜在性酸に対する重量比は、好ましくは1:99〜99:1である。
【0149】
式Ia、Ib、IIa、IIb、IIIa、IIIb、IVa、IVb、Va、Vb、又はVIaの化合物と混合して使用するのに適切な光潜在性酸の例は、
(1)オニウム塩化合物、例えば
ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩である。好ましくは、ジフェニルヨードニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホナート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホナート,トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモナート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモナート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホナート、(ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムトルエンスルホナートなどである。特に好ましいのは、トリフェニルスルホニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモナートである。
(2)ハロゲン含有化合物
ハロアルキル基含有複素環式化合物、ハロアルキル基含有炭化水素化合物などである。好ましくは、(トリクロロメチル)−s−トリアジン誘導体、例えばフェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、メトジフェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、ナフチル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなど;1.1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタンなどである。
(3)スルホン化合物、例えばβ−ケトスルホン、β−スルホニルスルホン、及びそのα−ジアゾ誘導体などである。好ましくは、フェナシルフェニルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタンである。
(4)スルホナート化合物、例えばアルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホナート、イミドスルホナートなどである。好ましいイミドスルホナート化合物は、例えばN−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−ビシクロ−[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ−[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)7−オキサビシクロ−[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−ビシクロ−[2,2,1]−ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)ビシクロ−[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ−[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ−[2,2,1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)−ビシクロ−[2,2,1]−ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)−ビシクロ−[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ−[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)−ビシクロ−[2,2,1]−ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)−ビシクロ−[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ−[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)−ビシクロ−[2,2,1]−ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシミドなどである。
他の適切なスルホナート化合物は、好ましくは、例えばベンゾイントシラート、ピロガロールトリストリフレート、ピロガロールメタンスルホン酸トリエステル、ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホナート、o−(4−トルエン−スルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、o−(4−トルエン−スルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、o−(4−トルエン−スルホニルオキシイミノ)−2−チエニルメチルシアニド、o−(メタンスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、o−(ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、(4−メチルスルホニルオキシイミノ−シクロヘキサ−2,5−ジエニリデン)−フェニル−アセトニトリル、(5−メチルスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−フェニル−アセトニトリル、(5−メチルスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)−アセトニトリル、(5−プロピルスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)−アセトニトリル、(5−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)−アセトニトリル、(5−(10−カンファースルホニルオキシイミノ)−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)−アセトニトリル、(5−メチルスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−クロロフェニル)−アセトニトリル、2,2,2−トリフルオロ−1−{4−(3−[4−{2,2,2−トリフルオロ−1−(1−プロパンスルホニルオキシイミノ)−エチル}−フェノキシ]−プロポキシ)−フェニル}−エタノンオキシム1−プロパンスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−{4−(3−[4−{2,2,2−トリフルオロ−1−(1−p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−エチル}−フェノキシ]−プロポキシ)−フェニル}−エタノンオキシム1−p−トルエンスルホナートなどである。
(5)キノンジアジド化合物、例えばポリヒドロキシ化合物の1,2−キノンジアジドスルホン酸エステル化合物である。好ましくは、1,2−キノンジアジドスルホニル基、例えば1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホニル基、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基、1,2−ナフトキノンジアジド−6−スルホニル基又は同種のものを有する化合物である。特に好ましくは、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基又は1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基を有する化合物である。特に適切なのは、(ポリ)ヒドロキシフェニルアリールケトンの1,2−キノンジアジドスルホン酸エステル、例えば2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,4’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,2’3,2,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,3,3’,4,4’5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、2,3’,4,4’,5’6−ヘキサヒドロキシベンゾフェノンなど;ビス−[(ポリ)ヒドロキシフェニル]アルカンの1,2−キノンジアジドスルホン酸エステル、例えばビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパンなど;(ポリ)ヒドロキシフェニルアルカンの1,2−キノンジアジドスルホン酸エステル、例えば4,4’−ジヒドロキシトリフェニルメタン、4,4’4”−トリヒドロキシトリフェニルメタン、4,4’5,5’−テトラメチル−2,2’2”−トリヒドロキシトリフェニルメタン、2,2,5,5’−テトラメチル−4,4’,4”−トリヒドロキシトリフェニルメタン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−[1−(ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル)エタンなど;(ポリ)ヒドロキシフェニルフラバンの1,2−キノンジアジドスルホン酸エステル、例えば2,4,4−トリメチル−2’,4’,7−トリヒドロキシ−2−フェニルフラバン、2,4,4−トリメチル−2’,4’,5’,6,7−ペンタヒドロキシ−2−フェニルフラバンなどである。
【0150】
通常、基材への塗布(好ましくはインクジェットによる)では、組成物を適切な溶媒に溶解させる。これらの溶媒の好ましい例は、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−エトキシエタノール、ジエチルグリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、エチルアセテート、メチルラクテート、エチルラクテート、メチルメトキシプロピオナート、エチルエトキシプロピオナート、メチルピルベート、エチルピルベート、プロピルピルベート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、及びテトラヒドロフランを含む。これらの溶媒は単独で、又は混合物として使用してもよい。溶媒の好ましい例は、エステル、例えば2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルメトキシプロピオナート、エチルエトキシプロピオナート、及びエチルラクテートである。そのような溶媒の使用は、式Ia、Ib、IIa、IIb、IIIa、IIIb、IVa、IVb、Va、Vb、又はVIaで表されるスルホナート誘導体が、それとの良好な親和性と、それへのより優れた溶解性を有するために好都合である。
【0151】
光潜在性酸がアゾカップリングベース時間温度インジケータを活性化するための酸性化に用いられるとき、光潜在性酸を活性酸触媒に変換することが必要である。したがって基材に印刷する方法は場合により、150nmと1500nmの間の、好ましくは250nmと450nmの間の波長の短波光の照射で光潜在性酸の活性酸触媒への変換を更に含む修飾ステップ(b)を含む。
【0152】
印刷及び/又は活性化の後、時間温度インジケータは必要ならば、光潜在性酸の活性酸触媒への更新又は継続された光誘起変換を防止するプロテクタを装備する。そのようなプロテクタは、保護コーティング(オーバープリントワニス)、又はある波長範囲をフィルタ除去することで、時間−温度時計が開始した後に上述のように望ましくない更新された、若しくは進行する活性化を阻止することを目的とするフィルタを含む薄層であってもよい。
【0153】
別の実施形態において、本発明は、キャップドジアゾニウム成分、カップリング成分及び光潜在性酸からなる群より選択される上述の時間温度インジケータの少なくとも1つの成分を、印刷インク又は印刷インク濃縮物の全重量に基づいて、好都合には0.01〜75重量%、好ましくは1〜50重量%、特に5〜40重量%、更に特に10〜25重量%の濃度で含む、印刷インク、印刷インク濃縮物又はインクジェットインクにも関する。それは例えば電子写真、凹版印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷又は活版印刷に使用できる。
【0154】
印刷インクは例えば、着色剤(インジケータ)、バインダ及び場合により溶媒及び/又は場合により水及び添加剤を含む液体又はペースト形分散物である。液体印刷インクでは、バインダ及び、適切な場合は、添加剤は一般に溶媒に溶解される。Brookfield粘度計での慣習的な粘度は、液体印刷インクには、例えば20〜5000mPa・s、例えば20〜1000mPa・sである。ペースト形印刷インクでは、値は例えば1〜100Pa・s、好ましくは5〜50Pa・sの範囲である。当業者は、印刷インクの原料及び組成物の精通するであろう。
【0155】
印刷インクは例えば、電子写真、凹版印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、リソグラフィー又は活版印刷に使用できる。適切な印刷インクは、溶媒ベース印刷インク及び水ベース印刷インクの両方である。
【0156】
興味深いのは例えば水性アクリレートをベースとする印刷インクである。そのようなインクは、基
【0157】
【化57】

【0158】
を含有する少なくとも1つのモノマーの重合で得られ、水又は水含有有機溶媒に溶解されるポリマー又はコポリマーを含むとして理解される。適切な有機溶媒は、当業者によって慣習的に使用される水混和性溶媒、例えばアルコール、例えばメタノール、エタノールならびにプロパノール、ブタノール、及びペンタノールの異性体、エチレングリコールならびにそのエーテル、例えばエチレングリコールメチルエーテル及びエチレングリコールエチルエーテル、ならびにケトン、例えばアセトン、エチルメチルケトン又はシクロヘキサノン、例えばイソプロパノールである。水及びアルコールが好ましい。
【0159】
適切な印刷インクは例えば、バインダとして主にアクリレートポリマー又はコポリマー及び例えば水、C〜Cアルコール、エチレングリコール、2−(C〜Cアルコキシ)−エタノール、アセトン、エチルメチルケトン、及びその混合物からなる群より選択される溶媒を含む。
【0160】
バインダに加え、印刷インクは、当業者に知られている添加剤も慣習的な濃度で含んでいてもよい。
【0161】
凹版又はフレキソ印刷では、印刷インクは通常、印刷インク濃縮物の希釈で調製され、次いでそれ自体既知の方法にしたがって使用できる。
【0162】
印刷インクは、例えば、酸化によって乾燥するアルキド系を含んでいてもよい。
【0163】
印刷インクは、当技術分野において慣習的な知られている方法、場合によりコーティングの加熱によって乾燥させる。
【0164】
適切な水性印刷インク組成物は、例えばインジケータ、分散剤、及びバインダを含む。
【0165】
考慮される分散剤は、例えば慣習的な分散剤、例えば1つ以上のアリールスルホン酸/ホルムアルデヒド縮合生成物を、又は1つ以上の水溶性オキシアルキル化フェノールをベースとする水溶性分散剤、非イオン性分散剤あるいはポリマー酸を含む。
【0166】
アリールスルホン酸/ホルムアルデヒド縮合生成物は、例えば芳香族化合物、例えばナフタレン自体又はナフタレン含有混合物のスルホン化と、続いて得られたアリールスルホン酸のホルムアルデヒドによる縮合とによって得られる。そのような分散剤は知られており、例えば米国特許第5,186,846号及び独国特許第197 27 767号に記載されている。適切なオキサルキル化フェノールは同様に知られており、例えば米国特許第4,218,218号及び独国特許第197 27 767号に記載されている。適切な非イオン性分散剤は例えば、アルキレンオキシド付加体、ビニルピロリドン、ビニルアセテート又はビニルアルコールの重合生成物及びビニルピロリドンとビニルアセテート及び/又はビニルアルコールとのコポリマー又はターポリマーである。例えば分散剤及びバインダの両方として作用するポリマー酸を使用することも可能である。
【0167】
言及してもよい適切なバインダ成分の例は、アクリレート基含有、ビニル基含有及び/又はエポキシ基含有モノマー、プレポリマー及びポリマー及びその混合物を含む。更なる例は、メラミンアクリレート及びシリコーンアクリレートである。アクリレート化合物は、非イオン的に修飾(例えばアミノ基を備えた)又はイオン的に修飾(例えば酸基又はアンモニウム基を備えた)されていてもよく、水性分散物又はエマルジョンの形で使用してもよい(例えば欧州特許第704 469号、欧州特許第12 339号)。更に所望の粘度を得るために、無溶媒アクリレートポリマーをいわゆる反応性希釈剤、例えばビニル基含有モノマーと混合できる。更に適切なバインダ成分は、エポキシ基含有化合物である。
【0168】
印刷インク組成物は、更なる成分として、例えば組成物を、特にインクジェット印刷に適切にさせる、水保持作用を持つ薬剤(湿潤剤)、例えば多価アルコール、ポリアルキレングリコールも含むことができる。
【0169】
印刷インクは、印刷及びコーティング業界で慣習的であるような助剤、例えば保存料(例えばグルタルジアルデヒド及び/又はテトラメチロールアセチレン尿素、抗酸化剤、脱気剤/消泡剤、粘度調節剤、流動改良剤、沈降防止剤、光沢改良剤、潤滑剤、接着促進剤、皮張り防止剤、つや消し剤、乳化剤、安定剤、疎水性剤、光安定剤、取り扱い改良剤及び静電気防止剤を更に含んでいてもよいと理解されるだろう。そのような薬剤が組成物中に存在するとき、その全量は一般に、調製物の重量に基づいて≦1重量%である。
【0170】
印刷インクは、例えば可溶化剤、例えばε−カプロラクタムも含んでいてもよい。
【0171】
印刷インクは、特に粘度を調整する目的で、天然又は合成起源の増粘剤を含む。増粘剤の例は、市販のアルギナート増粘剤、デンプンエーテル又はイナゴマメ粉エーテルを含む。印刷インクは、このような増粘剤を、印刷インクの全重量に基づいて例えば0.01〜2重量%の量で含む。
【0172】
例えばpHを、4〜9、特に5〜8.5の値で安定させるために、印刷インクは緩衝物質、例えばホウ砂、ボラート、ホスフェート、ポリホスフェート又はシトレートを例えば0.1〜3重量%の量で含むことも可能である。
【0173】
更なる添加剤として、このような印刷インクは界面活性剤又は湿潤剤を含むことができる。考慮される界面活性剤は、市販のアニオン性及び非イオン性界面活性剤を含む。考慮される湿潤剤は例えば、尿素又はナトリウムラクテート(好都合には、50〜60%水溶液の形の)及びグリセロール及び/又はプロピレングリコールの混合物を、印刷インク中で例えば0.1〜30重量%、特に2〜30重量%の量で含む。
【0174】
更に印刷インクは、慣習的な添加剤、例えば泡減量剤又は特に菌類及び/又は細菌の成長を阻害する物質も含んでいてもよい。そのような添加剤は通常、印刷インクの全重量に基づいて0.01〜1重量%の量で使用される。
【0175】
印刷インクは、慣習的な方法で個々の成分を一緒に、例えば所望の量の水中で混合することによっても調製されてもよい。
【0176】
既に言及したように、使用の性質に応じて、例えば印刷インクの粘度又は他の物理的特性、特に印刷インクの問題になっている基材への親和性に影響を及ぼす特性を適合させることが必要であってもよい。
【0177】
言及されてもよい基材材料は、例えば、
−セルロース性材料、例えばニス塗りもされていてもよいか、又は他のコーティングを有していてもよい紙、板紙、ボール紙、
−金属材料、例えばニス塗りされていてもよいか、又は他のコーティングを有していてもよい、例えばアルミニウム、鉄、銅、銀、金、亜鉛、又はこのような金属の合金の箔、シート、ワークピース、
−シリケート材料、例えば同様にコーティングされていてもよいガラス、磁器、及びセラミックス、
−あらゆる種類のポリマー材料、例えばポリスチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、メラミン樹脂、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリビニルクロリド及び相当するコポリマー及びブロックコポリマー、
−ポリエステル、修飾ポリエステル、ポリエステルブレンド、セルロース性材料、例えばコットン、コットンブレンド、ジュート、亜麻、ヘンプ及びラミー、ビスコース、ウール、絹、ポリアミドブレンド、ポリアクリロニトリル、トリアセテート、アセテート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリビニルクロリド、ポリエステルマイクロファイバー及びガラスファイバーファブリックの織物材料、編物品、織物品、不織品、及び作成品、
−食品及び化粧品
を含む。
【0178】
特に適切な基材は例えば、紙、コート紙、ボール紙及びプラスチック又は金属箔、例えばアルミニウム箔である。
【0179】
好ましくは、水性印刷インクが使用される印刷プロセスが与えられることである。
【0180】
基材の印刷は、好ましくは、連続又は滴状インクジェット印刷によってもたらされる。本発明は、キャップドジアゾニウム成分とカップリング成分との間のアゾカップリング反応に基づくクロミック特性を備えた上述の時間温度インジケータの少なくとも1つの成分を含む非水性又は水性インクジェットインクにも関する。
【0181】
インクは、有機溶媒又は有機溶媒の混合物中のTTIの溶液からなる非水性インクでもよい。この目的に使用できる溶媒の例は、アルキルカルビトール、アルキルセロソルブ、ジアルキルホルムアミド、ジアルキルアセトアミド、アルコール、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、ジブチルケトン、ジオキサン、エチルブチラート、エチルイソバレラート、ジエチルマロナート、ジエチルスクシナート、ブチルアセテート、トリエチルホスフェート、エチルグリコールアセテート、トルエン、キシレン、テトラリン又は石油エーテル留分である。インクビヒクルなどのように最初に加熱する必要のある、溶媒としての固体ワックスの例は、ステアリン酸又はパルミチン酸である。
【0182】
インクは、好ましくは、インクの全重量に基づいて1〜35重量%、特に1〜30重量%及び好ましくは1〜20重量%のインジケータの全含有量を含む。下限として、1.5重量%,特に2重量%、そして更に特に3重量%の限度が好ましい。
【0183】
インクは、水混和性有機溶媒、例えばC〜Cアルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール又はイソブタノール;アミド、例えばジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミド;ケトン又はケトンアルコール、例えばアセトン、ジアセトンアルコール;エーテル、例えばテトラヒドロフラン又はジオキサン;窒素含有複素環式化合物、例えばN−メチル−2−ピロリドン又は1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン、ポリアルキレングリコール、例えばポリエチレングリコール、又はポリプロピレングリコール;C〜Cアルキレングリコール及びチオグリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール及びジエチレングリコール;更なるポリオール、例えばグリセロール又は1,2,6−ヘキサントリオール;ならびに多価アルコールのC〜Cアルキルエーテル、例えば2−メトキシエタノール、2−(2−メトキシ−エトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]−エタノール又は2−[2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ]エタノール;好ましくはN−メチル−2−ピロリドン、ジエチレングリコール、グリセロール又は特に1,2−プロピレングリコールを、インクの全重量に基づいて通常2〜30重量%、特に5〜30重量%及び好ましくは10〜25重量%の量で含んでいてもよい。
【0184】
インクは、可溶化剤、例えばε−カプロラクタムも含んでいてもよい。
【0185】
印刷インクは、特に、粘度を調整する目的で、天然又は合成起源の増粘剤を含んでいてもよい。
【0186】
更に本発明による顔料調製物は、特にバインダ硬化がUV照射によってもたらされるとき、重合を開始する光開始剤を含んでいてもよい。
【0187】
遊離基光重合、すなわちアクリレート、及び所望ならばビニル化合物の重合のための適切な光開始剤は、例えばベンゾフェノン及びベンゾフェノン誘導体、例えば4−フェニルベンゾフェノン及び4−クロロベンゾフェノン、アセトフェノン誘導体、例えば1−ベンゾイルシクロヘキサン−1−オール、2−ヒドロキシ−2,2−ジメチルアセトフェノン及び2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンゾイン及びベンゾインエーテル、例えばメチル、エチル及びブチルベンゾインエーテル、ベンジルケタール、例えばベンジルジメチルケタール、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、アシルホスフィンオキシド、例えば2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド及びビスアシルホスフィンオキシドである。
【0188】
カチオン重合、すなわちビニル化合物又はエポキシ基含有化合物の重合のための適切な光開始剤は例えば、アリールジアゾニウム塩、例えば4−メトキシベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゼンジアゾニウムテトラフルオロボラート及びトルエンジアゾニウムテトラフルオロアルセナート、アリールヨードニウム塩、例えばジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセナート、アリールスルホニウム塩、例えばトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゼン−及びトルエン−スルホニウムヘキサフルオロホスフェート及びビス[4−ジフェニルスルホニオ−フェニル]スルフィド−ビス−ヘキサフルオロホスフェート、ジスルホン、例えばジフェニルジスルホン及びフェニル−4−トリルジスルホン、ジアゾジスルホン、イミドトリフレート、ベンゾイントシラート、イソキノリウム塩、例えばN−エトキシイソキノリウムヘキサフルオロホスフェート、フェニル−ピリジニウム塩、例えばN−エトキシ−4−フェニルピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、ピコリニウム塩、例えばN−エトキシ−2−ピコリニウムヘキサフルオロホスフェート、フェロセニウム塩、及びチタノセンである。
【0189】
一般にUV照射によるバインダ硬化のために必要である光開始剤が、本発明によるインク組成物中に存在するとき、その含有率は一般に0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜8重量%である。
【0190】
言及されてもよい増粘剤の例は、市販のアルギネート増粘剤、デンプンエーテル又はイナゴマメ粉エーテル、特にナトリウムアルギネートを単独で又は修飾セルロース、例えばメチル−、エチル−、カルボキシメチル−、ヒドロキシエチル−、メチルヒドロキシエチル−、ヒドロキシプロピル−又はヒドロキシプロピルメチル−セルロースとの混合剤を含み、特に好ましくは20〜25重量%のカルボキシメチルセルロースを有する。言及されてもい合成増粘剤は、例えばポリ(メタ)アクリル酸又はポリ(メタ)アクリルアミドをベースとする増粘剤である。
【0191】
インクは、そのような増粘剤をインクの全重量に基づいて例えば0.01〜2重量%、特に0.01〜1重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%の量で含む。
【0192】
インクが緩衝物質、例えばホウ砂、ボラート、ホスフェート、ポリホスフェート又はシトレートを含むことも可能である。例は、ホウ砂、ナトリウムボラート、ナトリウムテトラボラート、ナトリウム二水素ホスフェート、ジナトリウム水素ホスフェート、ナトリウムトリポリホスフェート、ナトリウムペンタポリホスフェート及びナトリウムシトレートを含む。それらは例えばpHを、4〜9、特に5〜8.5の値に達成させるために、インクの全重量に基づいて特に0.1〜3重量%、好ましくは0.1〜1重量%の量で使用される。
【0193】
更なる添加剤として、インクは界面活性剤又は湿潤剤を含んでいてもよい。
【0194】
界面活性剤として、市販のアニオン性又は非イオン性界面活性剤が考慮される。本発明によるインク中の適切な湿潤剤は例えば、尿素又はナトリウムラクテート(好都合には50〜60%水溶液の形で)及びグリセロール及び/又はプロピレングリコールの混合物を好ましくは0.1〜30重量%、特に2〜30重量%の量で含む。
【0195】
更にインクは、慣習的な添加剤、例えば保存料(例えばグルタルジアルデヒド及び/又はテトラメチロールアセチレン尿素)、抗酸化剤、脱気剤/消泡剤、粘度調節剤、流動改良剤、沈降防止剤、光沢改良剤、潤滑剤、接着促進剤、皮張り防止剤、つや消し剤、乳化剤、安定剤、疎水性剤、光安定剤、取り扱い改良剤及び静電気防止剤も含んでいてもよい。そのような薬剤は通常、インクの全重量に基づいて0.01〜1重量%の量で使用される。
【0196】
インクは慣習的な方法で個々の構成要素を所望の水の量と一緒に混合することによって調製できる。
【0197】
本発明によるインクは、インクが小さい開口から液滴の形で絞り出されて、画像が形成される基材へ送られる種類の記録システムでの使用に特に適切である。適切な基材は例えば紙、織物繊維材料、金属箔又はプラスチック箔である。適切な記録システムは例えば、紙又は織物印刷で使用するための市販のインクジェットプリンタである。
【0198】
使用の性質に応じて、例えばインクの粘度又は他の物理的特性、特に印刷インクの問題になっている基材への親和性に影響を及ぼす特性をそれ相応に適合させることが必要であってもよい。
【0199】
インクジェット印刷では、インクの個々の液滴がノズルから制御された方法で基材にスプレーされる。この目的で、主に連続インクジェット方法及びドロップオンデマンド方法が使用される。連続インクジェット方法では、液滴が連続的に生成され、印刷に必要とされない液滴は収集容器に送られてリサイクルされる。しかしながらドロップオンデマンド方法では、液滴が生成されて、必要に応じて印刷される;すなわち液滴は印刷に必要とされるときにのみ生成される。液滴の生成は例えば圧電−インクジェットヘッドによって、又は熱エネルギー(バブルジェット)によってもたらされる。
【0200】
その後のバインダの硬化、すなわちプリントの固定は慣習的な方法で熱又は高エネルギー放射を用いてもたらすことができる。この目的のために、プリントは、不活性ガス雰囲気(例えば窒素)下での電子(電気ビーム硬化)、又は好ましくは220〜450nmの波長での高エネルギー電磁放射のどちらかによって照射される。そのような手順では、選択される光強度は、インジケータの分解を回避するために硬化速度に適合させるべきである。
【0201】
インクジェット印刷を使用するとき、手順は、好都合には次のとおりである。
ステップa)において、キャップドジアゾニウム成分、カップリング成分、及び光潜在性酸からなる群より選択される上述の時間温度インジケータの少なくとも1つの成分を含む時間−温度インジケータが、インクジェット印刷によって基材に、特に老化及び温度感受性製品のパッケージに、又はパッケージに貼り付けられるラベルに塗布される。
【0202】
好ましい実施形態において、ステップa)では、更にインクジェット印刷によって、時間の関数としてインジケータの色変化を再現する参照スケールを塗布することが可能であり、そして好ましくは黒色インクで、更なる文字(又は情報)、例えば使用期限、製品識別情報、重量、内容などを塗布することが可能である。
【0203】
ステップa)には、ステップb)アゾカップリング反応を開始するためのインジケータの活性化、特に光誘起酸性化が続く。バインダの光誘起硬化は、好都合に、インジケータの光誘起開始を含む。
【0204】
ステップc)には、インジケータの光誘起酸性化が更新すること又は進行することを阻止するプロテクタ、特にカラーフィルタの塗布が続く。UV感受性光潜在性酸を使用する場合、430nmを超える代表的な波長を有する光のみを透過できる黄色フィルタが考慮される。好都合には、保護フィルム、すなわちカラーフィルタは同様にインクジェット印刷によって塗布できる。
【0205】
時間−温度インジケータと共に印刷された参照スケールによって、品質グレードの絶対的な決定が可能である。時間−温度インジケータ及び参照スケールは、読み取りしやすくするために、明色の基材上に好都合に配列される。
【0206】
適切な基材材料は、無機及び有機材料の両方、好ましくは従来の層及びパッケージ技法から既知の材料である。例としてポリマー、ガラス、金属、紙、ボール紙などが言及されてもよい。
【0207】
基材は、腐敗しやすい製品用のパッケージ材料を同時に形成できるか、又はパッケージ材料に例えばラベルの形で貼り付けることができる。
【0208】
例えばステップa)では、上述の時間−温度インジケータを含む印刷インク、印刷インク濃縮物及び/又はインクジェットインクを老化及び温度感受性製品のパッケージにバーコードの形で塗布できる。インジケータの時間及び/又は温度誘起着色は、好都合に調整できるので、いったん使用期限が経過すると、バーコードはもはやスキャナによって読み取ることができない。その代わりにインジケータの時間及び/又は温度依存性着色は、なお読み取り可能であるが、読み取られるときに使用期限に関する情報を与えるように、バーコードの変化を引き起こすこともできる。
【0209】
しかしながらバーコードの上述の時間及び/又は温度依存性視覚化のための前提条件は、インジケータの塗布及び照射によるその可能な活性化には、インジケータの光誘起酸性化が更新すること又は継続することを阻止するプロテクタ、例えばカラーフィルタの塗布が続くということである。
【0210】
更なる用途においては、本発明による方法は、文書の原本としての偽造防止マーキングを各種の方法で可能にする。例えば身分証明書、パスポート、紙幣、小切手及び株券に原本としてマーキングできる。本発明による方法は、偽造防止製品識別ラベルを作成するためにも同様に使用できる。製品著作権侵害及び偽造品によって世界経済に引き起こされた経済的損失は莫大である。製薬製品の場合に偽造を防止することが特に必要である。本発明による方法は、例えばブリスターパックの偽造防止マーキングを可能にするため、粗悪な調製物が純正品として出回るのを防止するために決定的な効果を有することができる。本発明による方法に基づくマーキング技術の使用に対し、極めて広い範囲がある。効果的なブランド保護を行うための大量消費のためのブランド製品のラベル付けに加えて、偽造の危機に瀕している高価値品、例えば紙幣又はチップカードを、比較的低いコストで単純及び容易な自動化方式で偽造防止することも可能である。特に製品著作権侵害に影響される製品、例えば自動車部品、玩具、及びCDの場合、これまで達成できなかったコピープロテクションを加えて達成することができる。
【0211】
例えば正常な状況下では見えないインジケータ片を、偽造から保護される製品又は文書の適切な基材に塗布することができる。そして製品の真偽の確認は、照射によって(例えば適切な波長の光を放出するランプによる)非常に簡単にもたらすことができるので、インジケータ片は観察者に見え、又は偽造品の場合には観察者に見えない。ブランド製品の真偽もこの方法で確認できる。ある強度及び/又はある波長スペクトルの光の作用の下でそのように変化する、パッケージ上のマークの再現が可能であるため、消費者は商品の起源について疑うことはないであろう。それゆえブランド及び/又は製品著作権侵害に制限が設けられるであろう。
【0212】
本発明による方法による偽造防止の上述の原理は、原本がコピー機、スキャナなどを使用した光の照射によって複製される海賊版コピーからの保護にも使用できる。例えば紙幣に、コピー操作中に光の作用で見えるようになり、それゆえそのようにコピーであることを明らかに示す、不可視インジケータ片を装備することができる。
【0213】
したがって本発明は、製品への、又は製品のパッケージへの、キャップドジアゾニウム成分とカップリング成分との間のアゾカップリング反応に基づくクロミック特性を持つ少なくとも1つの時間温度インジケータを印刷するステップを含む製品を偽造防止ラベリングする方法にも関し、ここで製品ラベルはインジケータの活性化、特に光誘起酸性化によって視覚化することができる。
【実施例】
【0214】
(1)ジアゾニウム塩の調製
新たに蒸留した化合物1 9.3重量部を水84重量部中で乳化した。エマルジョンを撹拌下で0℃まで冷却して、NaNO 8.5重量部及び塩酸(w=0.32)29重量部を添加した。混合物を0℃<T<5℃にて更に1時間撹拌した。その後、少量のスルファミド酸の添加後に、依然として存在する任意の過剰な亜硝酸塩が破壊された。フェニルジアゾニウムクロリド14.1重量部を含有する水溶液を得た。
【0215】
表1によるアミン化合物を反応させるときに、更なるジアゾニウム塩溶液を類似の方式で得ることができる。
【0216】
【表1】



【0217】
亜硝酸ナトリウムとジアゾ化できる他の任意の芳香族アミンも使用できることが理解されるだろう。
【0218】
(2)トリアジン中間体の調製
A 11.1重量部をpH9〜11の水100重量部に溶解させた。溶液を撹拌下で0℃まで冷却した。(1)によって調製したジアゾニウム塩溶液を滴状方式でゆっくり添加した。水酸化ナトリウムを添加することによって、溶液のpHを9<pH<11に維持した。溶液を0℃<T<5℃で更に1時間撹拌して、次いで氷冷水で全体積215mlまで希釈した。1−フェニル−3−(カルボキシメタン)−トリアゼンのナトリウム塩21.5重量部を含有する水溶液を得た。
【0219】
表2によるアミン化合物を反応させるときに、更なるトリアゼン溶液も類似の方式で得ることができる。
【0220】
【表2】

【0221】
更なるトリアゼン溶液NM(表1中N=2〜11、表2中M=A−F)は、ジアゾニウム塩溶液2〜9を表3によるアミンA〜Fと反応させることによって得られる。
【0222】
【表3】





【0223】
トリアゼンの形成下でジアゾニウム塩溶液と反応できる他の任意の2級アミンも使用できることが理解されるだろう。
【0224】
(3)時間温度インジケータの調製
ナトリウムトリポリホスフェート5g及びエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)1gを温水1.2lに溶解させて、室温まで冷却して、10mlの部分に分けて、塩酸及び/又は水酸化ナトリウムを用いて4<pH<10の所望のpHに調整した。場合により、所望通りに十分に安定したpHを維持することができる別の緩衝系を用いてもよい。
【0225】
4<pH<10のpHを有する緩衝溶液10mlを(2)によって調製した1−フェニル−3−(2−カルボキシメタン)−トリアゼンのナトリウム塩21.5重量部を含有する溶液1mlに添加した。6−ヒドロキシ−ナフタレン−2−スルホン酸(I)のナトリウム塩0.11重量部を得られた溶液に添加して、次いで溶液を適切な担体上へ印刷した。
【0226】
選択したpH値、時間、及び周囲温度に応じて、担体は6−ヒドロキシ−5−フェニルアゾ−ナフタレン−2−スルホン酸のナトリウム塩の形成のために光沢のあるオレンジ色を呈する(=Food Orange 1;C.I.F OR 001):
【0227】
【化58】

【0228】
更なる時間−温度インジケータNMI(表1中N=1〜11、表2中M=A〜F、表4中I=I〜V)は、表2及び3に記載したトリアゼン溶液を表4によるカップリング成分と反応させることによって得られる。
【0229】
【表4】

【0230】
アゾ基の形成下でジアゾニウムカチオンによる求電子反応を受けることができる他の任意の有機カップリング成分も使用できることが理解されるだろう。
【0231】
上述したナトリウム塩の代わりに、他の任意のカチオン塩も用いてもよいことが更に理解されるだろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材に印刷する方法であって、
(a)キャップドジアゾニウム成分とカップリング成分とのアゾカップリング反応に基づくクロミック特性を持つ少なくとも1つの時間温度インジケータを基材に、印刷するステップを含む、方法。
【請求項2】
キャップドジアゾニウム成分が、式(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)
【化1】


(式中、
Qは、有機化合物の基であり、
Rは、非置換又は置換された、脂肪族又は芳香族アミンの基であり、
Tは、非置換又は置換された、脂肪族又は芳香族残基である)
の化合物である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
キャップドジアゾニウム成分が、一般式:
【化2】


(式中、Arは、場合により置換されたアリール又はヘテロアリール残基、好ましくは場合により置換されたフェニル、ナフチル、ピロリル、フリル、チオフェニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、及びピリジニルを表し、そして
式中、R’及びR”は、互いに独立して、COOH、OH、ハロゲン、SOH、NH、NH(C〜Cアルキル)、及びN(C〜Cアルキル)からなる群より選択される1つ又は2つの同一又は異なる置換基で場合により置換された、直鎖又は分岐C〜Cアルキルを表し、好ましくはR’及びR”は、互いに独立して
メチル、
【化3】


を表す)
の化合物である、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
カップリング成分が、非置換若しくは置換されたベンゼン又はナフタレン、開鎖メチレン活性化合物、あるいは非置換又は置換された複素環式化合物である、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
キャップドジアゾニウム成分及びカップリング成分が、単一化合物の部分である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
単一化合物が、式(6)
【化4】


(式中、Lは、ヒドロキシ又はNHLであり、Lは、水素又はC〜Cアルキルであり、そしてBは、芳香族又は複素環式環である)
の化合物である、請求項5記載の方法。
【請求項7】
単一化合物が、
【化5】


(式中
は、ヒドロキシ又はNHLであり、Lは、水素又はC〜Cアルキルであり、Lは、C〜Cアルキル又はスルホであり、Lは、ヒドロキシ又はスルホであり、Lは、水素、C〜Cアルキル、−COOH又はCOOC〜Cアルキルであり、L及びLは、互いに独立して、水素又はC〜Cアルコキシであり、nは、数0、1又は2であり、そしてmは、数0、1又は2である)
からなる群より選択される、請求項6記載の方法。
【請求項8】
キャップドジアゾニウム成分及びカップリング成分が、1つを超えるアゾ部分を含有するアゾ染料をもたらす複数のアゾカップリング反応を実行できる、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
ステップ(a)の後に
(b)pHを、6.5から1.5の、好ましくは4から3の値に低下させることで時間温度インジケータを活性化するステップを更に含む、請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
ステップ(b)が、基材に(i)酸及び/若しくは酸性緩衝溶液、又は(ii)光潜在性酸溶液を印刷することを含む、請求項9記載の方法。
【請求項11】
光潜在性酸が、オキシムスルホナート化合物、アルファ−スルホニルオキシカルボニル化合物、N−スルホニルオキシイミド化合物、o−ニトロベンジルスルホナート化合物、及びピロガロールスルホナート化合物からなる群より選択される、請求項9又は10記載の方法。
【請求項12】
ステップ(b)が、150nmと1500nmの間、好ましくは250nmと450nmの間の波長の短波光の照射で光潜在性酸の活性酸触媒への変換を更に含む、請求項9〜11のいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
キャップドジアゾニウム成分、カップリング成分、及び光潜在性酸からなる群より選択される、アゾカップリング反応に基づくクロミック特性を持つ時間温度インジケータの少なくとも1つの成分を含む、印刷インク又は印刷インク濃縮物。
【請求項14】
経年劣化感受性及び温度感受性製品の品質を決定する方法であって、
a)キャップドジアゾニウム成分とカップリング成分との間のアゾカップリング反応に基づくクロミック特性を持つ少なくとも1つの時間温度インジケータを基材に印刷するステップと、
b)好ましくは光誘起酸性化でインジケータを活性化するステップと、
c)インジケータの光誘起酸性化が継続することを阻止するプロテクタを場合により塗布するステップと、
d)時間又は温度誘起着色の度合を決定して、着色の度合から製品の品質を推定するステップと、
を含む、方法。
【請求項15】
製品を偽造防止ラベリングするための方法であって、
キャップドジアゾニウム成分とカップリング成分との間のアゾカップリング反応に基づくクロミック特性を持つ少なくとも1つの時間温度インジケータを、製品へ又は製品のパッケージへ印刷するステップを含み、製品ラベルをインジケータの活性化、特に光誘起酸性化で可視化させることができる、方法。

【公表番号】特表2008−509415(P2008−509415A)
【公表日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525286(P2007−525286)
【出願日】平成17年8月3日(2005.8.3)
【国際出願番号】PCT/EP2005/053786
【国際公開番号】WO2006/015962
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.バブルジェット
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】