アゾ化合物、アゾ色素、および該アゾ化合物又は該アゾ色素を含む着色組成物及び着色物
【課題】着色力、色相等の色彩的特性に優れたアゾ化合物、アゾ色素を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるアゾ色素。一般式(1)
(一般式(1)中、X1〜X10はH等を表すが、X1〜X5の1つは、パーフルオロアルキル基を表す。)
【解決手段】下記一般式(1)で表されるアゾ色素。一般式(1)
(一般式(1)中、X1〜X10はH等を表すが、X1〜X5の1つは、パーフルオロアルキル基を表す。)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アゾ化合物、アゾ色素および該アゾ化合物又は該アゾ色素を含む着色組成物、及び着色物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像記録材料としては、特にカラー画像を形成するための材料が主流であり、具体的には、インクジェット方式の記録材料、感熱転写方式の記録材料、電子写真方式の記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インキ、記録ペン等が盛んに利用されている。また、撮影機器ではCCDなどの撮像素子において、ディスプレーではLCDやPDP、有機エレクトロルミネッセンス、電子紙(電子ペーパー)におけるカラー画像を記録・再現するためにカラーフィルタが使用されている。これらのカラー画像記録材料やカラーフィルタでは、フルカラー画像を表示あるいは記録するために、いわゆる加法混色法や減法混色法の3原色の色素(染料や顔料)が使用されているが、好ましい色再現域を実現できる吸収特性や色彩的特性を有し、様々な使用条件に適合する色素が無いのが実情であり、改善が強く望まれている。
【0003】
上記の各用途で使用する色素としては、その用途によって求められる色彩的特性や各用途に対する要求品質が異なるが、記録物の耐光性や耐熱性の観点から色素としては主に顔料が使用されており、例えば、カラーフィルタ用途では、C.I.ピグメント・レッド254、同242等が、オフセット印刷インキ用途では、C.I.ピグメント・レッド57:1等が、インクジェット用インク用途では、C.I.ピグメント・レッド122、同146、同147、同150、同176、同184、同269、C.I.ピグメント・バイオレット19等が、トナー用途では、C.I.ピグメント・レッド146、同147、同150、同176、同184、同269等が使用されている。これらは、望まれる吸収特性や色彩的特性、各用途に対する要求品質を満足させるために、純度を向上させたり(例えば、特許文献1〜3)、製造方法を工夫したり(特許文献4)といった提案がなされている。しかしながら、このように改良された顔料に置いても、依然として充分な色彩的特性を満たしているとはいえないのが実情であり、その理由として、顔料自身を構成する化合物の化学構造そのものが、所望とする色彩的特性を満たすことができないためと推察される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−45523号公報
【特許文献2】特開2004−123866号公報
【特許文献3】特開2003−149869号公報
【特許文献4】特開2004−269607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、着色力、色相等の色彩的特性に優れたアゾ化合物、アゾ色素を提供することを目的とする。更には、該アゾ化合物又は該アゾ色素を含む分散物、着色組成物、並びに、色彩的特性に優れる記録物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、上記した実情に鑑みて鋭意検討した結果、新規なアゾ色素を得、これが色彩的特性に優れるものであることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
即ち、本発明は、下記一般式(1)で表されるアゾ色素に関する。
【0008】
一般式(1)
【化1】
【0009】
(一般式(1)中、X1〜X10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、カルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基、スルホ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、スルファイモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基、ウレイド基、スルファイモイルアミノ基、メルカプト基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基、または、アルキル基、アリール基、脂肪族複素環基、もしくは芳香族複素環基で置換されたアミノ基を表し、X1〜X5のうち少なくとも1つは、パーフルオロアルキル基を表す。X6とX7、X7とX8、X8とX9、およびX9とX10は、それぞれ互いに結合して環を形成しても良い。)
【0010】
また、本発明は、X4がパーフルオロアルキル基、X7がカルバモイル基またはアリールアミノカルボニル基、X10がアルコキシル基である上記アゾ色素に関する。
【0011】
また、本発明は、X1、X2、X3、X5、X6、X8、X9が水素原子である上記アゾ色素に関する。
【0012】
また、本発明は、X1が塩素原子、X4がパーフルオロアルキル基である上記アゾ色素に関する。
【0013】
また、本発明は、X7がカルバモイル基またはアリールアミノカルボニル基、X10がアルコキシル基である上記アゾ色素に関する。
【0014】
また、本発明は、X2、X3、X5、X6、X8、X9が水素原子である上記アゾ色素に関する。
【0015】
また、本発明は、下記一般式(2)で表されるアゾ化合物に関する。
【0016】
一般式(2)
【化2】
【0017】
(一般式(2)中、X11〜X20は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、カルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基、スルホ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、スルファイモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基、ウレイド基、スルファイモイルアミノ基、メルカプト基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基、または、アルキル基、アリール基、脂肪族複素環基、もしくは芳香族複素環基で置換されたアミノ基を表し、X11〜X15のうち少なくとも1つは、パーフルオロアルキル基を表す。X16とX17、X17とX18、X18とX19、およびX19とX20は、それぞれ互いに結合して環を形成しても良い。)
【0018】
また、本発明は、X14がパーフルオロアルキル基、X17がカルバモイル基またはアリールアミノカルボニル基、X20がアルコキシル基である上記アゾ化合物に関する。
【0019】
また、本発明は、X11、X12、X13、X15、X16、X18、X19が水素原子である上記アゾ化合物に関する。
【0020】
また、本発明は、X11が塩素原子、X14がパーフルオロアルキル基である上記アゾ化合物に関する。
【0021】
また、本発明は、X17がカルバモイル基またはアリールアミノカルボニル基、X20がアルコキシル基である上記アゾ化合物に関する。
【0022】
また、本発明は、X12、X13、X15、X16、X18、X19が水素原子である上記アゾ化合物に関する。
【0023】
また、本発明は、下記一般式(3)で表されるナフトール化合物と、下記一般式(4)で表される芳香族アミンのジアゾ化合物とを反応することを特徴とする上記アゾ化合物の製造方法に関する。
【0024】
一般式(3)
【化3】
【0025】
(一般式(3)中、X11〜X15は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、カルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基、スルホ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、スルファイモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基、ウレイド基、スルファイモイルアミノ基、メルカプト基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基、または、アルキル基、アリール基、脂肪族複素環基、もしくは芳香族複素環基で置換されたアミノ基を表し、X11〜X15のうち少なくとも1つは、パーフルオロアルキル基を表す。)
【0026】
一般式(4)
【化4】
【0027】
(一般式(4)中、X16〜X20は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、カルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基、スルホ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、スルファイモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基、ウレイド基、スルファイモイルアミノ基、メルカプト基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基、または、アルキル基、アリール基、脂肪族複素環基、もしくは芳香族複素環基で置換されたアミノ基を表す。X16とX17、X17とX18、X18とX19、およびX19とX20は、それぞれ互いに結合して環を形成しても良い。)
【0028】
また、本発明は、下記一般式(3)で表されるナフトール化合物に関する。
一般式(3)
【化5】
【0029】
(一般式(3)中、X11〜X15は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、カルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基、スルホ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、スルファイモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基、ウレイド基、スルファイモイルアミノ基、メルカプト基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基、または、アルキル基、アリール基、脂肪族複素環基、もしくは芳香族複素環基で置換されたアミノ基を表し、X11〜X15のうち少なくとも1つは、パーフルオロアルキル基を表す。)
【0030】
また、本発明は、上記アゾ色素を少なくとも1種を媒体に分散されてなることを特徴とする分散物に関する。
【0031】
また、本発明は、上記アゾ色素を少なくとも1種と樹脂とを含有することを特徴とする着色組成物に関する。
【発明の効果】
【0032】
本発明のアゾ化合物、アゾ色素および該アゾ化合物又は該アゾ色素を用いることで、色彩的特性に優れる着色組成物とそれを用いた着色物を提供することが可能である。ゆえに、本発明のアゾ色素を種々の媒体に分散、あるいは種々の樹脂と混合して着色組成物とすることにより、色彩的特性に優れる着色プラスチック、樹脂、塗料、ペイント、電子写真用トナー、LCD、PDP、有機エレクトロルミネッセンス、電子紙などのディスプレーやCCDなどの撮像素子で用いられるカラーフィルタや、オフセット、グラビア、フレキソ、スクリーン、インクジェットなどの各種印刷インキとして好適に使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】実施例1で得た化合物(B)の赤外吸収スペクトルである。
【図2】実施例1で得たアゾ色素1の赤外吸収スペクトルである。
【図3】実施例2で得たアゾ色素2の赤外吸収スペクトルである。
【図4】実施例3で得たアゾ色素3の赤外吸収スペクトルである。
【図5】実施例4で得たアゾ色素4の赤外吸収スペクトルである。
【図6】実施例5で得たアゾ色素5の赤外吸収スペクトルである。
【図7】実施例6で得たアゾ色素6の赤外吸収スペクトルである。
【図8】実施例7で得たアゾ色素7の赤外吸収スペクトルである。
【図9】実施例8で得たアゾ色素8の赤外吸収スペクトルである。
【図10】実施例9で得たアゾ色素9の赤外吸収スペクトルである。
【図11】実施例10で得たアゾ色素10の赤外吸収スペクトルである。
【図12】実施例12で得たアゾ色素12の赤外吸収スペクトルである。
【図13】実施例13で得たアゾ色素13の赤外吸収スペクトルである。
【図14】実施例14で得たアゾ色素14の赤外吸収スペクトルである。
【図15】実施例15で得たアゾ色素15の赤外吸収スペクトルである。
【図16】実施例61で得たアゾ色素61の赤外吸収スペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0035】
〔アゾ色素およびアゾ化合物〕
まず、一般式(1)により表されるアゾ色素について詳細に説明する。
【0036】
一般式(1)
【化6】
【0037】
(一般式(1)中、X1〜X10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、カルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基、スルホ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、スルファイモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基、ウレイド基、スルファイモイルアミノ基、メルカプト基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基、または、アルキル基、アリール基、脂肪族複素環基、もしくは芳香族複素環基で置換されたアミノ基を表し、X1〜X5のうち少なくとも1つは、パーフルオロアルキル基を表す。X6とX7、X7とX8、X8とX9、およびX9とX10は、それぞれ互いに結合して環を形成しても良い。)
【0038】
ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。これらの内、フッ素原子もしくは塩素原子が好ましく、塩素原子がさらに好ましい。
【0039】
また、置換基を有していてもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等の炭素数1〜8のアルキル基や、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘキサフルオロプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ノナフルオロブチル基、ノナフルオロイソブチル基等の炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基、さらにはクロロメチル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、カルボキシルメチル基等の炭素数1〜8の置換基を有していてもアルキル基が挙げられる。これらの内、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基ないしエチル基がさらに好ましく、メチル基が特に好ましい。
【0040】
また、置換基を有していてもよいアルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−オクテニル基といった置換基を有していてもよい炭素数2〜8のアルケニル基が挙げられる。
【0041】
また、置換基を有していてもよいアルキニル基としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−オクチニル基といった炭素数2〜8の置換基を有していてもよいアルキニル基が挙げられる。
【0042】
また、置換基を有していてもよいシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基といった炭素数3〜8の置換基を有していてもよいシクロアルキル基が挙げられる。
【0043】
また、置換基を有していてもよいアリール基としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,4−キシリル基、p−クメニル基、メシチル基等の炭素数6〜18の置換基を有していてもよい1価の単環芳香族炭化水素基や、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アンスリル基、2−アンスリル基、5−アンスリル基、1−フェナンスリル基、9−フェナンスリル基、1−アセナフチル基、2−アズレニル基、1−ピレニル基、2−トリフェニレル基等の炭素数10〜18の置換基を有していてもよい1価の縮合環炭化水素基、さらにo−ビフェニリル基、m−ビフェニリル基、p−ビフェニリル基等の炭素数12〜18の置換基を有していてもよい1価の環集合炭化水素基が挙げられる。これらの内、炭素数6〜12のアリール基が好ましく、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、m−ビフェニリル基、p−ビフェニリル基がさらに好ましい。
【0044】
また、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基としては、2−ピラゾリノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、2−モルホリニル基といった炭素数3〜18の置換基を有していてもよい1価の脂肪族複素環基が挙げられる。
【0045】
また、置換基を有していてもよい芳香族複素環基としては、トリアゾリル基、3−オキサジアゾリル基、2−フラニル基、3−フラニル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、1−ピロ−リル基、2−ピロ−リル基、3−ピロ−リル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピラジル基、2−オキサゾリル基、3−イソオキサゾリル基、2−チアゾリル基、3−イソチアゾリル基、2−イミダゾリル基、3−ピラゾリル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、2−ベンゾフリル基、2−ベンゾチエニル基、N−インドリル基、3−カルバゾリル基、N−カルバゾリル基、N−アクリジニル基、2−チオフェニル基、3−チオフェニル基、ビピリジル基、フェナントロリル基といった炭素数2〜18の置換基を有していてもよい芳香族複素環基が挙げられる。これらの内、炭素数2〜12の芳香族複素環基が好ましく、2−チエニル基、2−ピリジル基、4−ピリジル基、2−イミダゾリル基、3−カルバゾリル基、N−カルバゾリル基がさらに好ましい。
【0046】
また、置換基を有していてもよいアルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基といった炭素数1〜8の置換基を有していてもよいアルコキシル基があげられる。これらの内、炭素数1〜4のアルコキシル基が好ましく、メトキシ基もしくはエトキシ基がさらに好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
【0047】
また、置換基を有していてもよいアリールオキシ基としては、フェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、9−アンスリルオキシ基といった炭素数6〜14の置換基を有していてもよいアリールオキシ基があげられる。
【0048】
また、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等の炭素数2〜14の置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基があげられる。
【0049】
また、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等の炭素数7〜14の置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基があげられる。
【0050】
また、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ピバロイル基、シクロヘキシルカルボニル基等の炭素数2〜14の置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基があげられる。
【0051】
また、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基としては、ベンゾイル基、トルオイル基、アニソイル基、シンナモイル基等の炭素数7〜14の置換基を有していてもよいアリールカルボニル基があげられる。
【0052】
また、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基としては、N−メチルアミノカルボニル基、N−エチルアミノカルボニル基、N,N−ジメチルアミノカルボニル基、N,N−ジエチルアミノカルボニル基等の炭素数2〜16の置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基があげられる。
【0053】
また、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基としては、N−フェニルアミノカルボニル基、N−(p−トリル)アミノカルボニル基、N−(2,4−キシリル)アミノカルボニル基、N,N−ジフェニルアミノカルボニル基、N,N−ジ(p−トリル)アミノカルボニル基、N,N−ジ(2,4−キシリル)アミノカルボニル基等の炭素数7〜18の置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基が挙げられる。これらの内、炭素数1〜4のアリールアミノカルボニル基が好ましく、N−フェニルアミノカルボニル基もしくはN−(p−トリル)アミノカルボニル基がさらに好ましく、N−フェニルアミノカルボニル基が特に好ましい。
【0054】
また、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基としては、メシル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基等の炭素数1〜8の置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基があげられる。
【0055】
また、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基としては、フェニルスルホニル基、o−トリルスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等の炭素数6〜14の置換基を有していてもよいアリールスルホニル基があげられる。
【0056】
また、置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基、としては、N−メチルアミノスルホニル基、N−エチルアミノスルホニル基、N,N−ジメチルアミノスルホニル基、N,N−ジエチルアミノスルホニル基等の炭素数1〜8の置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基があげられる。
【0057】
また、置換基を有していてもよいアリールアミノスルホニル基としては、N−フェニルアミノスルホニル基、N−(p−トリル)アミノスルホニル基、N−(2,4−キシリル)アミノスルホニル基、N,N−ジフェニルアミノスルホニル基、N,N−ジ(p−トリル)アミノスルホニル基、N,N−ジ(2,4−キシリル)アミノスルホニル基等の炭素数12〜16の置換基を有していてもよいアリールスルホニル基があげられる。
【0058】
また、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、としては、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィリル基等の炭素数1〜8の置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基があげられる。
【0059】
また、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、としては、フェニルスルフィニル基、o−トリルスルフィニル基、p−トリルスルフィニル基等の炭素数6〜14の置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基があげられる。
【0060】
また、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基としては、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ピバロイルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基等の炭素数2〜14の置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基があげられる。
【0061】
また、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基としては、ベンゾイルアミノ基、トルオイルアミノ基、アニソイルアミノ基等の炭素数7〜14の置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基があげられる。
【0062】
また、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基としては、N−メトキシカルボニルアミノ基、N−エトキシカルボニルアミノ基、N−ベンジルオキシカルボニルアミノ基等の炭素数2〜14の置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基があげられる。
【0063】
また、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルアミノ基としては、N−フェノキシカルボニルアミノ基、N−ナフチルオキシカルボニルアミノ基等の炭素数7〜14の置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基があげられる。
【0064】
また、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基としては、メチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基、プロピルスルホニルアミノ基等の炭素数1〜8の置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基があげられる。
【0065】
また、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基としては、フェニルスルホニルアミノ基、o−トリルスルホニルアミノ基、p−トリルスルホニルアミノ基等の炭素数6〜14の置換基を有していてもよいアリールスルホニル基があげられる。
【0066】
また、置換基を有していてもよいアルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基といった炭素数1〜8の置換基を有していてもよいアルキルチオ基があげられる。
【0067】
また、置換基を有していてもよいアリールチオ基としては、フェニルチオ基、2−メチルフェニルチオ基、4−tert−ブチルフェニルチオ基といった炭素数6〜14の置換基を有していてもよいアリールチオ基があげられる。
【0068】
また、置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリブチルシリル基、トリオクチルシリル基等の炭素数3〜24の置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基が挙げられる。
【0069】
また、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基としては、ジメチルフェニルシリル基、ジエチルフェニルシリル基、ジメチルトリルシリル基等の炭素数8〜24の置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基が挙げられる。
【0070】
また、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基としては、メチルジフェニルシリル基、エチルジフェニルシリル基、メチルジトリルシリル基等の炭素数13〜24の置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基が挙げられる。
【0071】
また、置換基を有していてもよいトリアリールシリル基としては、トリフェニルシリル基、トリトリルシリル基、トリキシリルシリル基等の炭素数18〜24の置換基を有していてもよいトリアリールシリルが挙げられる。
【0072】
また、置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基、ジメチルエチルシロキシ基、トリイソプロピルシロキシ基、トリブチルシロキシ基、トリオクチルシロキシ基等の炭素数3〜24の置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基が挙げられる。
【0073】
また、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基としては、ジメチルフェニルシロキシ基、ジエチルフェニルシロキシ基、ジメチルトリルシロキシ基等の炭素数8〜24の置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基が挙げられる。
【0074】
また、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基としては、メチルジフェニルシロキシ基、エチルジフェニルシロキシ基、メチルジトリルシロキシ基等の炭素数13〜24の置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基が挙げられる。
【0075】
また、置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基としては、トリフェニルシロキシ基、トリトリルシロキシ基、トリキシリルシロキシ基等の炭素数18〜24の置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基が挙げられる。
【0076】
さらに、アルキル基、アリール基、脂肪族複素環基、もしくは芳香族複素環基で置換されたアミノ基としては、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジイソプロピルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、N−ベンジルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基、N−フェニルアミノ基、N−フェニル−N−メチルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ビス(m−トリル)アミノ基、N,N−ビス(p−トリル)アミノ基、N,N−ビス(p−ビフェニリル)アミノ基、ビス[4−(4−メチル)ビフェニリル]アミノ基、N−α−ナフチル−N−フェニルアミノ基、N−β−ナフチル−N−フェニルアミノ基等の炭素数1〜26の置換アミノ基が挙げられる。
【0077】
上述した置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基、および、置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基が有しても良い置換基としては、
【0078】
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、カルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基、スルホ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、スルファイモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基、ウレイド基、スルファイモイルアミノ基、メルカプト基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基、または、アルキル基、アリール基、脂肪族複素環基、もしくは芳香族複素環基で置換されたアミノ基が挙げられる。
【0079】
これらのうち置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基、および、置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基は、
【0080】
X1〜X10における、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基、および、置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基と同義である。
【0081】
さらに、一般式(1)において、X6とX7、X7とX8、X8とX9、およびX9とX10は、それぞれ互いに結合して環を形成しても良い。
【0082】
また、一般式(1)において、X1〜X5のうち少なくとも1つは、パーフルオロアルキル基を表す。詳細な理由は不明であるが、これらX1〜X5のうち少なくとも1つがパーフルオロアルキル基である場合、着色力、色相等の色彩的特性に優れた効果を示すことが本発明で明らかになったためである。ここでいうパーフルオロアルキル基とは、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘキサフルオロプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ノナフルオロブチル基、ノナフルオロイソブチル基等の炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基があげられる。
【0083】
これらX1〜X5のパーフルオロアルキル基は、中でも、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基であることが好ましく、トリフルオロメチル基もしくはペンタフルオロエチル基であることが更に好ましく、トリフルオロメチル基であることが特に好ましい。また、置換位置としては、X4がパーフルオロアルキル基の場合が、特に色彩的特性に優れた効果を示すため好ましい。
【0084】
一般式(1)で示される本発明のアゾ色素の構造として、X1〜X10の基として、特に好ましい組合せは、以下の(イ)および/または(ロ)の形態である。
【0085】
(イ)X4がパーフルオロアルキル基、X7がカルバモイル基またはアリールアミノカルボニル基、X10がアルコキシル基であることが好ましく、更に、X1、X2、X3、X5、X6、X8、X9が水素原子であることが特に好ましい。
【0086】
(ロ)X1が塩素原子、X4がパーフルオロアルキル基であることが好ましく、更に、X7がカルバモイル基またはアリールアミノカルボニル基、X10がアルコキシル基であることがより好ましく、更に、X2、X3、X5、X6、X8、X9が水素原子であることが特に好ましい。
【0087】
本発明は、一般式(1)で表されるアゾ色素の互変異性体もその範囲に含むものである。一般式(1)は、化学構造上取りうる数種の互変異性体の中から極限構造式の形で示しているが、記載された構造以外の互変異性体であってもよく、複数の互変異性体を含有した混合物として用いても良い。例えば、一般式(1)で表されるアゾ色素には、下記一般式(1')で表される互変異性体が考えられる。したがって、本発明は、一般式(1)で表されるアゾ色素の互変異性体である以下の一般式(1’)で表される化合物もその範囲に含むものである。
【0088】
一般式(1’)
【化7】
【0089】
(一般式(1’)中のX1〜X10は、一般式(1)中のX1〜X10と同義である。)
【0090】
本発明の一般式(1)で表されるアゾ色素は、その互変異性体も含んだ、多形とも呼ばれる、いかなる結晶形態の色素であっても良い。
【0091】
結晶多形とは、同じ化学組成を有するが、結晶中における分子又はイオンの配置が異なることを言う。結晶構造によって化学的及び物理的性質が決定され、各多形は、レオロジー、色、及び他の色特性によってそれぞれ区別することができる。また、異なる多形は、粉末X線回折測定(X-Ray Diffraction)やX線結晶構造解析(X-Ray Analysis)によって確認することが可能である。本発明の一般式(1)で表されるアゾ色素に結晶多形が存在する場合、どの多形であってもよく、また2種以上の多形の混合物であっても良いが、結晶型が単一のものを主成分とすることが好ましい。すなわち結晶多形が混入していないものが好ましく、単一の結晶型を有するアゾ色素の含有量はアゾ色素全体に対し70%〜100%、好ましくは80%〜100%、より好ましくは90%〜100%、更に好ましくは95%〜100、特に好ましくは100%である。単一の結晶型を有するアゾ色素を主成分とすることで、色素分子の配列に対して規則性が向上し、分子内・分子間相互作用が強まり、高次な三次元ネットワークを形成しやすくなる。その結果、色彩的特性の向上はもとより、光堅牢性、熱堅牢性、湿度堅牢性、酸化性ガス堅牢性及び耐溶剤性等の性能の点で好ましい。アゾ色素における結晶多形の混合比は、単結晶X線結晶構造解析、粉末X線回折(XRD)、結晶の顕微鏡写真(TEM)、IR(KBr法)等の固体の物理化学的測定値から確認できる。これらアゾ色素およびその互変異性、結晶多形の制御は、アゾ色素を製造する際の製造条件で制御することができる。
【0092】
また、本発明において一般式(1)で表されるアゾ色素は、スルホ基やカルボキシル基のような酸性基を有する場合には、これら酸性基の一部あるいは全部が塩型のものであってもよく、塩型の色素と遊離酸型の色素が混在していてもよい。上記の塩型の例としては、Na、Li、K等のアルカリ金属の塩、Mg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属の塩、含窒素化合物からなるカチオンが好ましい。酸性基としては、スルホ基もしくはカルボキシル基のいずれかが好ましく、スルホ基が特に好ましい。塩型の例としては、レーキ顔料の形態であればアルカリ土類金属との塩であることが好ましく、Mg、Ca、Sr、Baから選ばれるレーキ顔料の形態であることが特に好ましくい。一方、酸性染料の形態であれば含窒素化合物からなるカチオンとの塩であることが好ましく、吸光度、着色力の観点のみで選択した場合には、含窒素化合物としてはできくだけ分子量が低いものが好ましく、分子量400以下のものが好ましい。
【0093】
含窒素化合物からなるカチオンに用いられる窒素化合物の例としては、アシル基、アルキル基もしくはヒドロキシアルキル基で置換されていてもよいアンモニウム塩、又は有機アミンの塩が挙げられる。有機アミンの例としては、低級アルキルアミン、ヒドロキシ置換低級アルキルアミン、アシル置換低級アルキルアミン及び炭素数2〜4のアルキレンイミン単位を2〜10個有するポリアミン等が挙げられる。これらの塩型の場合、その種類は1種類に限られず複数種混在していてもよい。更に、本発明で使用するアゾ色素の構造において、その1分子中に酸性基が複数個含まれる場合は、その複数の酸性基は塩型あるいは酸型であり互いに同じであっても異なっていても良い。
【0094】
本発明において、前記一般式(1)で表されるアゾ色素は、結晶中に水分子を含む水和物であっても良い。
【0095】
本発明は一般式(2)で表されるアゾ化合物、その互変異性体、それらの塩または水和物にも関する。また、本発明の一般式(2)で表されるアゾ化合物の置換基の例および好ましい置換基の組み合わせは、一般式(1)で表されるアゾ色素で挙げたものと同じである。
【0096】
本発明の一般式(1)で表されるアゾ色素および一般式(2)で表されるアゾ化合物、その互変異性体、それらの塩または水和物は、色彩的特性の向上はもとより、光堅牢性、熱堅牢性、湿度堅牢性、酸化性ガス堅牢性及び耐溶剤性等の性能向上の観点から、その分子量としては、1500以下が好ましく、1200以下がより好ましく、1000以下がさらに好ましく、800以下が特に好ましい。
【0097】
以下に、本発明のアゾ色素の合成に関して詳細に説明する。
【0098】
本発明のアゾ色素およびアゾ化合物は、一般式(3)または下記一般式(5)で表されるカップリング成分(ナフトール化合物)と、一般式(4)または下記一般式(6)で表されるジアゾ成分(芳香族アミン)から既知の方法により調製したジアゾニウム塩(ジアゾ化合物)とのカップリング反応によって製造することができる。
【0099】
一般式(5)
【化8】
【0100】
(一般式(5)中、X1〜X5は、それぞれ一般式(1)中のX1〜X5と同義である。)
【0101】
一般式(6)
【化9】
【0102】
(一般式(6)中、X6〜X10は、それぞれ一般式(1)中のX6〜X10と同義である。)
【0103】
一般式(4)または一般式(6)の芳香族アミン(ジアゾ成分)は、市販品で入手することができるものもあるが、公知慣用の方法、例えば特許第4022271号公報に記載の方法で製造することができる。芳香族アミンのジアゾニウム塩化反応は、例えば、硫酸、リン酸、酢酸などの酸性溶媒中、亜硝酸ナトリウム、ニトロシル硫酸、亜硝酸イソアミル等の試薬と、15℃以下の温度で10分〜6時間程度反応させることで行うことができる。カップリング反応は、上述の方法で得られたジアゾニウム塩と上記一般式(3)または一般式(5)で表される化合物とを100℃以下、好ましくは40℃以下で、10分〜12時間程度反応させることで行うことができる。
【0104】
カップリング反応に用いる溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない限り特に制限は無いが、水の他、メタノールやエタノール、2−プロパノール、1−ブタノール等のアルコール系溶媒、エチレングリコールやジエチレングリコール等のグリコール系溶媒およびそのモノアルキルエーテル系溶媒、アセトン、2−ブタノン等のケトン系溶媒、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒、トルエンやキシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、クロロホルム、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、1−クロロナフタレン等のハロゲン系溶媒、氷酢酸、ピリジンなどがあげられる。これらは、ジアゾ成分やカップラー成分の性質によって適時選択して使用するが、上記溶媒を複数混合した混合溶媒を使用することもできる。また、カップリング反応の際に、ジアゾ成分やカップラー成分の溶解を促すために界面活性剤を添加しても良い。
【0105】
このようにして反応させたものは、反応液中でアゾ色素の結晶が析出する場合もあるが、アゾ色素が水やアルコール系溶媒に難溶である場合には、反応液に水、あるいはアルコール系溶媒等を添加し、結晶を析出させ、結晶を濾取しても良い。濾取した結晶を必要に応じて洗浄、乾燥することによって、一般式(1)で表されるアゾ色素ないし一般式(2)で表されるアゾ化合物を得ることができる。
【0106】
上記の製造方法によって得られる一般式(1)で表されるアゾ色素ないし一般式(2)で表されるアゾ化合物が、水や有機溶媒に難溶な顔料の性質を示す場合には、通常、反応終了後に粗顔料(クルード)として得られるが、後述する本発明の分散物や着色組成物として用いる場合、後処理を行うことが望ましい。この後処理の方法としては、例えば、ソルベントソルトミリング、ソルトミリング、ドライミリング、ソルベントミリング、アシッドペースティング等の摩砕処理、溶媒加熱処理などによる顔料粒子制御工程、樹脂、界面活性剤および分散剤等による表面処理工程が挙げられる。
【0107】
本発明の一般式(1)で表されるアゾ色素ないし一般式(2)で表されるアゾ化合物の後処理としては、溶媒加熱処理および/またはソルベントソルトミリングを行うことが好ましい。ここで、溶媒加熱処理に使用される溶媒としては、例えば、水、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭水素系溶媒、イソプロパノール、イソブタノール、ブトキシエタノール等のアルコール系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒、氷酢酸、ピリジン、またはこれらの混合物等が挙げられる。上記で挙げた溶媒に、さらに無機または有機の酸または塩基を加えても良い。溶媒加熱処理の温度は所望する顔料の一次粒子径の大きさによって異なるが、40〜150℃が好ましく、60〜100℃がさらに好ましい。また、処理時間は、30分〜24時間が好ましい。ソルベントソルトミリングとしては、例えば、粗顔料と、無機塩と、それを溶解しない有機溶剤とを混練機に仕込み、その中で混練磨砕を行うことが挙げられる。上記無機塩としては、水溶性無機塩が好適に使用でき、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を用いることが好ましい。また、平均粒子径0.5〜50μmの無機塩を用いることがより好ましい。当該無機塩の使用量は、粗顔料に対して3〜20質量倍とするのが好ましく、5〜15質量倍とするのがより好ましい。有機溶剤としては、水溶性有機溶剤が好適に使用でき、混練時の温度上昇により溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から高沸点溶剤が好ましい。このような有機溶剤としては、例えばジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングルコール、液体ポリプロピレングリコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2ー(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールまたはこれらの混合物が挙げられる。当該水溶性有機溶剤の使用量は、粗顔料に対して0.1〜5質量倍が好ましい。混練温度は、20〜130℃が好ましく、40〜110℃が特に好ましい。混練機としては、例えばニーダーやミックスマーラー等が使用できる。これら後処理によって顔料の平均粒子形を0.01μm〜1μmに調整することが好ましい。
【0108】
また、本発明の一般式(1)で表されるアゾ色素ないし一般式(2)で表されるアゾ化合物の製造方法としては、アゾ色素ないしアゾ化合物可溶体の有機溶媒溶液を流通式反応装置に導入し、流通過程で色素可溶体を顔料に変換する方法により製造しても良い。具体的には流通式反応装置としてマイクロリアクターを用い、ナノメートルサイズのアゾ色素ないしアゾ化合物の分散液を製造する方法であり、例えば、国際公開第2005/105928号パンフレット、特開2007−284665号公報、特開2009−203286号公報記載の方法があげられる。
【0109】
本発明の一般式(1)で表されるアゾ色素および一般式(2)で表されるアゾ化合物、その互変異性体、それらの塩または水和物は、できるだけ高純度であることが望ましい。具体的には、純度が90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上である。純度が低いと、例えば、分散物やインクジェット記録用インクの分散安定性や保存安定性、印字性、着色力が損なわれたり、トナー等の着色組成物の分散安定性、透明性、着色力、色再現性、階調性、耐光性、帯電特性などが損なわれる懸念があるためである。
【0110】
また、本発明の一般式(1)で表されるアゾ色素および一般式(2)で表されるアゾ化合物、その互変異性体、それらの塩または水和物は、その製造に際して、原料である一般式(3)で表されるナフトール化合物や、一般式(4)で表される芳香族アミン、その他、製造中に副反応によって生成する下記一般式(7)で表される芳香族アミン、下記一般式(8)および(9)で表されるトリアゼン誘導体などの不純物の含有量ができるだけ少ないことが望ましい。
【0111】
一般式(7)
【化10】
【0112】
(一般式(7)中、X1〜X5は、それぞれ一般式(1)中のX1〜X5と同義である。)
【0113】
一般式(8)
【化11】
【0114】
(一般式(8)中、X6〜X10は、それぞれ一般式(1)中のX6〜X10と同義である。)
【0115】
一般式(9)
【化12】
【0116】
(一般式(9)中、X1〜X10は、それぞれ一般式(1)中のX1〜X10と同義である。)
【0117】
これら不純物の含有量は、具体的には、一般式(3)で表されるナフトール化合物の含有量は400ppm以下、好ましくは200ppm以下、さらに好ましくは100ppm以下である。また、一般式(4)で表される芳香族アミンの含有量は100ppm以下、好ましくは80ppm以下、さらに好ましくは60ppm以下である。また、一般式(5)〜(7)で表される芳香族アミンやトリアゼン誘導体などの不純物の含有量は100ppm以下、好ましくは50ppm以下である。
【0118】
これらの不純物の含有量が多いと、アゾ色素そのものの粒径や粒径分布、色彩的特性に悪影響を及ぼしやすく、分散物やインクジェット記録用インクの分散安定性や保存安定性、印字性、着色力が損なわれたり、トナー等の着色組成物の分散安定性、透明性、着色力、色再現性、階調性、耐光性、帯電特性などが損なわれる懸念がある。また安全衛生性の面からも、特に芳香族アミンの含有量は少ないことが望ましい。
【0119】
さらに、本発明の一般式(1)で表されるアゾ色素および一般式(2)で表されるアゾ化合物、その互変異性体、それらの塩または水和物は、特にインクジェット記録用インクに使用する場合、含有される多価金属イオンができるだけ少ないことが望ましい。ここで多価金属イオンとは二価以上の金属イオンを指し、具体的には、Ca、Mg、Fe、Cr、Ni、Zr等を指すが、各イオン量の含有量は200ppm以下、好ましくは100ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下である。これら多価金属イオンの含有量が多いと、インクジェット方式による印字に際して、インクジェットのヘッドの目詰まりや、吐出安定性が低下する懸念があるためである。
【0120】
以上述べた一般式(1)で表されるアゾ色素および一般式(2)で表されるアゾ化合物の具体例を以下に示すが、本発明は下記の例に限定されるものではない。
【0121】
【表1】
【0122】
【表1】
【0123】
【表1】
【0124】
【表1】
【0125】
【表1】
【0126】
【表1】
【0127】
【表1】
【0128】
【表1】
【0129】
【表1】
【0130】
【表1】
【0131】
【表1】
【0132】
【表1】
【0133】
【表1】
【0134】
〔分散物〕
本発明の分散物は、前記一般式(1)で表されるアゾ色素ないし一般式(2)で表されるアゾ化合物、互変異性体、その塩または水和物の少なくとも1種を含むことを特徴とする。これにより、色彩的特性および分散安定性に優れた分散物とすることができる。
【0135】
本発明の分散物は、水系であっても非水系であっても良い。本発明の分散物において色素を分散する媒体としては、水、有機溶剤、重合性モノマー等が使用できる。本発明の分散物が水性分散物の場合には、水を主成分とし、所望により親水性有機溶剤を添加した混合物を用いることができる。親水性有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、イソブチルアルコール、2−ブタノール、イソブタノール、tert−ブチルアルコール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、1、5−ペンタンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートトリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等のグリコール誘導体、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン等のアミン類、その他、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の水溶性溶媒が挙げられる。
【0136】
さらに、本発明の水系分散物には水性樹脂を含んでいても良い。水性樹脂としては、水に溶解する水溶解性の樹脂、水に分散する水分散性の樹脂、コロイダルディスバーション樹脂、またはそれらの混合物が挙げられる。水性樹脂としては具体的には、アクリル系、スチレン−アクリル系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、フッ素系等の樹脂が挙げられる。
【0137】
さらに、色素の分散および画質の品質を向上させるため、界面活性剤および分散剤を用いてもよい。界面活性剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、両イオン性の界面活性剤が挙げられ、いずれの界面活性剤を用いても良いが、アニオン性、または非イオン性の界面活性剤を用いるのが好ましい。アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0138】
ノニオン性界面活性剤としては,例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、フッ素系、シリコン系等が挙げられる。
【0139】
非水系分散物は、前記一般式(1)で表されるアゾ色素ないし一般式(2)で表されるアゾ化合物、互変異性体、その塩または水和物を、媒体として非水系ビヒクルに分散してなるものである。非水系ビヒクルに使用される樹脂は、例えば、石油系樹脂、カゼイン、セラック、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、環化ゴム、塩化ゴム、酸化ゴム、塩酸ゴム、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、乾性油、合成乾性油、スチレン/マレイン酸樹脂、スチレン/アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂塩素化ポリプロピレン、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂等が挙げられる。非水系ビヒクルとして、光硬化性樹脂を用いてもよい。
【0140】
また、非水系ビヒクルに使用される溶剤としては、例えば、トルエンやキシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤、エトキシエチルプロピオネート等のプロピオネート系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、アニリン、ピリジン等の窒素化合物系溶剤、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤、カルバミン酸メチルとカルバミン酸エチルの48:52の混合物のようなカルバミン酸エステル等が挙げられる。
【0141】
本発明の分散物は、上記のアゾ色素ないしアゾ化合物および水系もしくは非水径の媒体を分散装置により分散することで得られる。色素を分散する方法は特に制限は無い。分散には、アンカー翼等の一般に用いられている混合撹拌装置を用いることができる。混合撹拌装置の中では、ウルトラディスパー〔浅田鉄鋼株式会社、商品名〕、エバラマイルダー〔株式会社荏原製作所、商品名〕、TKホモミクサー、TKパイプラインミクサー、TKホモジェッター、TKホモミックラインフロー、フィルミックス〔以上、特殊機化工業株式会社、商品名〕、クリアミックス〔エム・テクニック株式会社、商品名〕、ケイディーミル〔キネティック・ディスパージョン社、商品名〕等の高速攪拌混合装置が好ましい。その他、ロールミル、ビーズミル、ニーダー、エクストルーダ等の混練機、高圧ホモゲナイザー〔株式会社イズミフードマシナリ、商品名〕、ミニラボ8.3H型〔Rannie社、商品名〕に代表されるホモバルブ式の高圧ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー〔Microfluidics 社、商品名〕、ナノマイザー〔ナノマイザー株式会社、商品名〕、アルティマイザー〔スギノマシン株式会社、商品名〕、ジーナスPY〔白水化学株式会社、商品名〕、DeBEE2000 〔日本ビーイーイー株式会社、商品名〕等のチャンバー式の高圧ホモジナイザー等を用いて分散する方法が挙げられる。これらの中では、小粒子径化の観点から、ロールミル、ビーズミル、ニーダー及び高圧ホモジナイザーが好ましい。これらの装置は複数を組み合わせることもできる。
【0142】
このような方法で分散物を得た後、沈殿物や粗大粒子を除去するために、更に遠心分離して、沈殿物を分離する工程を含んでも良い。遠心分離に使用する装置としては、一般に、無孔の回転ボウルを高速回転させることによって懸濁物質を遠心沈降させる遠心沈降機、及び側壁に細孔又はスリットを有する回転バスケットが用いられた遠心濾過・脱水機が知られている。本発明では、これらのうち、遠心沈降機を好適に用いることができる〔例えば、化学工学会編「化学装置便覧」、改訂二版第2刷、丸善株式会社、平成8年4月5日、798頁参照〕。遠心沈降機としては、例えば、遠心沈降管型、円筒型、分離板型、バスケット型、スクリデカンター型等の遠心沈降機が挙げられる。
【0143】
本発明において、分散物に含まれる色素の体積平均粒子径は10nm以上250nm以下であることが好ましい。なお、色素粒子の体積平均粒子径とは、色素そのものの粒子径、または色素に分散剤等の添加物が付着している場合には、添加物が付着した粒子径をいう。より好ましい体積平均粒子径は、20nm以上250nm以下であり、更に好ましくは20nm以上230nm以下である。分散物中の粒子の数平均粒子径が10nm未満である場合には、保存安定性が確保できない場合が存在し、一方、250nmを超える場合には、光学濃度が低くなる場合が存在する。ここで、体積平均粒子径は、粒度分布計(日機装社製レーザードップラー式粒度分布計「マイクロトラックUPA−150」)を用いて測定した値である。
【0144】
本発明の分散物に含まれる色素の濃度は、1〜35質量%の範囲であることが好ましく、2〜25質量%の範囲であることがより好ましい。濃度が1質量%に満たないと、インクとして分散物を単独で用いるときに十分な画像濃度が得られない場合がある。濃度が35質量%を超えると、分散安定性が低下する場合がある。
【0145】
本発明のアゾ化合物を含有する分散物も、分散物を構成する上述の成分を同様に含むことができ、分散物に含まれるアゾ化合物の好ましい濃度も色素分散物で記載したものと同様である。
【0146】
本発明のアゾ色素及びアゾ化合物の用途としては、画像、特にカラー画像を形成するための画像記録材料が挙げられ、具体的には、以下に詳述するインクジェット方式記録材料を始めとして、感熱記録材料、感圧記録材料、電子写真方式を用いる記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク、記録ペン等があり、好ましくは、インクジェット方式記録材料、感熱記録材料、電子写真方式を用いる記録材料であり、更に好ましくは、インクジェット方式記録材料である。インクジェット方式記録材料としては、水性インクジェット記録用インク、油性インクジェット記録用インク、活性エネルギー線(紫外線、可視光、赤外線、電子線)硬化性インクジェット記録用インク、ホットメルトインクジェット記録用インクなどがあげられる。また、CCDなどの固体撮像素子やLCD、PDP等のディスプレーで用いられるカラー画像を記録・再現するためのカラーフィルタ、各種繊維の染色のための染色液にも適用できる。
【0147】
〔着色組成物〕
本発明の着色組成物は、少なくとも一種の本発明のアゾ色素またはアゾ化合物と樹脂とを含有する着色組成物を意味する。ここで用いられる樹脂は、その用途によって異なるが、例えばカラーフィルタ用途では、アルカリ溶解性を有する樹脂が好ましい。その場合の樹脂は、色素の分散媒として作用し、不飽和カルボン酸から導かれる構成単位からなる共重合体であることが好ましい。
【0148】
前記の不飽和カルボン酸から導かれる構成単位としては、具体的には、アクリル酸から導かれる構成単位及びメタクリル酸から導かれる構成単位が挙げられる。アクリル酸及びメタクリル酸は、それぞれ単独で、又は両者を組み合わせて用いることができる。また、これらのアクリル酸やメタクリル酸に加えて、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸など、他の不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種のカルボン酸を併用することもできる。また、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキシル基を含有するモノマーを併用することもできる。
【0149】
前記の樹脂は、以上のような不飽和カルボン酸から導かれる構成単位と、前記の不飽和カルボン酸から導かれる構成単位と共重合可能な構成単位とからなる共重合体であることが好ましい。前記の不飽和カルボン酸から導かれる構成単位と共重合可能な構成単位としては、好ましくは(メタ)アクリル酸エステルから導かれる構成単位が挙げられる。
【0150】
(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリレート化合物が挙げられ、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びアミノエチル(メタ)アクリレートのような不飽和カルボン酸の無置換又は置換アルキルエステル;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、メンチル(メタ)アクリレート、シクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキセニル(メタ)アクリレート、シクロヘプテニル(メタ)アクリレート、シクロオクテニル(メタ)アクリレート、メンタジエニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ピナニル(メタ)アクリレート、トリシクロデシル(メタ)アクリレート、トリシクロデシルオキシエチル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ノルボルネニル(メタ)アクリレート、ピネニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート及びジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートのような不飽和カルボン酸の脂環式基を含むエステル;グリシジル(メタ)アクリレートのような不飽和カルボン酸グリシジルエステル;オキセタン(メタ)アクリレートのような不飽和カルボン酸オキセタンエステル;オリゴエチレングリコールモノアルキル(メタ)アクリレートのようなグリコール類のモノ飽和カルボン酸エステルなどが挙げられ、好ましくは、メチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートが挙げられる。ここで、(メタ)アクリレートはアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを示す。
【0151】
樹脂は、さらに、不飽和カルボン酸及びアクリル酸エステルと共重合が可能な他の構成単位を含んでいてもよい。不飽和カルボン酸及びアクリル酸エステルと共重合が可能な他の構成単位としては、スチレン、α−メチルスチレン及びビニルトルエンのような芳香族ビニル化合物;酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニルのようなカルボン酸ビニルエステル;(メタ)アクリロニトリル及びα−クロロアクリロニトリルのようなシアン化ビニル化合物;N−フェニルマレイミドのようなマレイミド化合物;から導かれる構成単位などが挙げられる。
【0152】
上述したこれらの化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0153】
不飽和カルボン酸から導かれる構成単位と共重合可能な構成単位としては、(メタ)アクリル酸エステルから導かれる構成単位が好ましく、特に(メタ)アクリル酸の無置換又は置換アルキルエステルや(メタ)アクリル酸の脂環式炭化水素基を含むエステルから導かれる構成単位が好ましい。
【0154】
樹脂において、不飽和カルボン酸から導かれる構成単位は、前記共重合体の全構成単位のうち、質量分率で、通常10〜50質量%、好ましくは15〜40質量%で存在させるのが好ましい。不飽和カルボン酸から導かれる構成単位が前記の基準で10〜50質量%であると、現像液への溶解性が十分であるので、未露光部の基板上に残渣が発生することなく、また現像時に露光部の画素部分の膜減りが生じることがなく画素全体が剥離することがない傾向にあり、好ましい。
【0155】
共重合は一般に、重合開始剤を用いて、溶媒中で行われる。重合開始剤としては、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリルや2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオン酸メチル)のようなアゾ化合物、過酸化ベンゾイルや過酸化−tert−ブチルのような過酸化物などが挙げられる。また溶媒は、各モノマーを溶解するものであればよく、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類などが挙げられる。反応温度は、重合開始剤の分解温度や溶剤及びモノマーの沸点などを考慮して決定すればよい。なお、このようにして得られる共重合体の側鎖を、感光性基を有する化合物で変成して、感光性の樹脂とすることもできる。この際、樹脂に感光性基を導入するための触媒を加えてもよい。触媒としては、たとえばトリスジメチルアミノメチルフェノールが挙げられる。また、副反応を防ぐための添加剤を加えてもよい。添加剤としては、たとえばハイドロキノンが挙げられる。
【0156】
また、本発明の着色組成物を各種レジストなどの光重合組成物や光硬化性組成物として用いる場合には、分高感度を高め、光硬化後の膜特性を向上させる目的で、増感剤や光重合開始剤と併用することが可能である。
【0157】
本発明の着色組成物に使用可能な増感剤としては、ベンゾフェノン類、カルコン誘導体やジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノンなどに代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体などが挙げられ、その他さらに具体例には大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられ、これらは必要に応じて任意の比率で二種以上用いてもかまわない。上記、増感剤の中でチオキサントン誘導体としては、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等を挙げることができ、ベンゾフェノン類としては、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4,4'−ジメチルベンゾフェノン、4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等を挙げることができ、クマリン類としては、クマリン1、クマリン338、クマリン102等を挙げることができ、ケトクマリン類としては、3,3'−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの増感剤は着色組成物中、0.1〜10%、好ましくは1〜5%の範囲で含有されるのが好ましい。
【0158】
また、本発明の着色組成物に使用可能な光重合開始剤としては、イルガキュアー651、イルガキュアー127、イルガキュアー184、ダロキュアー1173、イルガキュアー500、イルガキュアー1000、イルガキュアー2959、イルガキュアー907、イルガキュアー369、イルガキュアー379、イルガキュアー1700、イルガキュアー149、イルガキュアー1800、イルガキュアー1850、イルガキュアー819、イルガキュアー754、イルガキュアー784、イルガキュアー261、イルガキュアーOXE−01(CGI124)、CGI242(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社)、アデカオプトマーN1414、アデカオプトマーN1717(旭電化社)、EsacureKIPシリーズ、EsacureONE、Esacure1001M(Lamberti社)、特公昭59−1281号公報、特公昭61−9621号公報ならびに特開昭60−60104号公報記載のトリアジン誘導体、特開昭59−1504号公報ならびに特開昭61−243807号公報記載の有機過酸化物、特公昭43−23684号公報、特公昭44−6413号公報、特公昭47−1604号公報ならびにUSP第3567453号明細書記載のジアゾニウム化合物、USP第2848328号明細書、USP第2852379号明細書ならびにUSP第2940853号明細書記載の有機アジド化合物、特公昭36−22062号公報、特公昭37−13109号公報、特公昭38−18015号公報ならびに特公昭45−9610号公報記載のオルト−キノンジアジド類、特公昭55−39162号公報、特開昭59−140203号公報ならびに「マクロモレキュルス(MACROMOLECULES)」、第10巻、第1307頁(1977年)記載のヨードニウム化合物をはじめとする各種オニウム化合物、特開昭59−142205号公報記載のアゾ化合物、特開平1−54440号公報、ヨーロッパ特許第109851号明細書、ヨーロッパ特許第126712号明細書、「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(J.IMAG.SCI.)」、第30巻、第174頁(1986年)記載の金属アレン錯体、特開昭61−151197号公報記載のチタノセン類、「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(COORDINATION CHEMISTRY REVIEW)」、第84巻、第85〜第277頁(1988年)ならびに特開平2−182701号公報記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体、特開平3−209477号公報記載のアルミナート錯体、特開平2−157760号公報記載のホウ酸塩化合物、特開昭55−127550号公報ならびに特開昭60−202437号公報記載の2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、2,2'−ビス(o−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,1'−ビイミダゾール、四臭化炭素や特開昭59−107344号公報記載の有機ハロゲン化合物、特開平5−213861号公報、特開平5−255347号公報、特開平5−255421号公報、特開平6−157623号公報、特開2000−344812号公報、特開2002−265512号公報、特願2004−053009号公報、ならびに特願2004−263413号公報記載のスルホニウム錯体またはオキソスルホニウム錯体、特開2001−264530号公報、特開2001−261761号公報、特開2000−80068号公報、特開2001−233842号公報、USP3558309号明細書(1971年)、USP4202697号明細書(1980年)、特開昭61−24558号公報、特表2004−534797号公報、ならびに特開2004−359639号公報記載のオキシムエステル化合物、特表2002−530372号公報記載の2官能性重合開始剤等が挙げられ、これらの光重合開始剤は着色組成物中、0.1〜10%、好ましくは1〜5%の範囲で含有されるのが好ましい。
【0159】
本発明の着色組成物に使用可能な樹脂としては、ポリスチレン換算の重量平均分子量が5,000〜100,000であることが好ましく、より好ましくは7,000〜50,000である。樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量が、5,000〜100,000であると、現像時に膜減りが生じにくく、また現像時に非画素部分の抜け性が良好である傾向にあり、好ましい。樹脂は、着色感光性樹脂組成物中の全固形分量に対して、通常5〜90質量%、好ましくは10〜70質量%で含有される。前記の樹脂の含有量が、前記の基準で5〜90質量%であると、現像液への溶解性が十分であり、非画素部分の基板上に現像残渣が発生しにくく、また現像時に露光部の画素部分の膜減りが生じにくく、非画素部分の抜け性が良好な傾向にあり、好ましい。
【0160】
また、本発明の着色組成物に使用可能な樹脂の内、一般にトナーとして知られる電子写真方式を用いる記録材料として用いられる樹脂としては、公知のバインダー樹脂(結着樹脂)がいずれも使用でき、特に制限されない。重合法および凝集法トナーの製造におけるバインダー樹脂を構成する重合性単量体も同様である。バインダー樹脂の製造に使用される重合性単量体としては、例えば、スチレンあるいはスチレン誘導体、メタアクリル酸エステル類、アクリル酸エステル類、オレフィン類、ハロゲン系ビニル類、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、ビニル化合物類、アクリル酸、メタクリル酸等があり、これらは単独あるいは組み合わせて使用することができる。これらの重合性単量体は、ラジカル重合開始剤、例えば、アゾ系またはジアゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤、過硫酸塩系重合開始剤、過酸化水素等を用いて重合することができる。粉砕法用の樹脂として使用されるものは、例えば、スチレン・アクリル系樹脂、スチレン・メタアクリル系樹脂等の共重合体、必要ならば架橋成分を含有するポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等があり、これらを単独あるいは組み合わせて使用することができる。
【0161】
トナーの帯電制御は、バインダー樹脂、着色剤自体で行っても良いが、必要に応じて帯電制御剤を併用しても良い。トナーに適した帯電制御も同様に公知のものが全て使用できる。例えば正帯電制御剤として4級アンモニウム塩等が、負帯電制御剤としてサリチル酸系金属錯体等を用いることができる。
【0162】
トナー用途で使用されるバインダー樹脂の内、ワックス類としては、オレフィン系ワックスがあげられ、好ましくは低分子量ポリプロピレン、ポリエチレン、パラフィンワックス、高級脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、シリコン等があげられる。これら以外の成分として上記樹脂と着色剤を主成分とするトナー粒子に対して無機微粒子や有機微粒子等で構成される内添剤または外添加剤を添加したものであってもよい。
【0163】
トナーとしては、例えば、磁性体を含有させて一成分磁性トナーとして使用する場合、いわゆるキャリアと混合して二成分現像剤として使用する場合、非磁性トナーを単独で使用する場合等が挙げられる。
【0164】
本発明の着色組成物は、媒体を含有させることができるが、媒体として溶媒を用いた場合は、特にインクジェット記録用インクとして好適である。本発明の着色組成物は、媒体として、親油性媒体や水性媒体を用いて、それらの中に、本発明のアゾ色素を溶解もしくは分散させることによって作製することができる。好ましくは、水性媒体を用いる場合である。本発明の着色組成物には、媒体を除いたインク用組成物も含まれる。本発明の着色組成物は、必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有しうる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤(特開2003−306623号公報に記載)が挙げられる。これらの各種添加剤は、水系インクの場合にはインク液に直接添加する。油系インクの場合には、アゾ色素の分散物の調製後、分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
【0165】
〔インクジェット記録用インク〕
次に、インクジェット記録用インクについて説明する。
インクジェット記録用インク(以下、「インク」という場合がある)は、上記で説明した本発明の分散物を用いる。好ましくは、水溶性溶媒、水等を混合して調整される。ただし、特に問題が無い場合は、前記本発明の分散物をそのまま用いても良い。
【0166】
インク中の分散物の含有割合は、記録媒体上に形成した画像の色相、色濃度、再度、透明性等を考慮すると、1〜100質量%の範囲が好ましく3〜20質量%の範囲が特に好ましく、その中でも3〜10質量%の範囲が最も好ましい。
【0167】
インク100質量部中に、本発明のアゾ色素またはアゾ化合物を0.1質量部以上20質量部以下含有するのが好ましく、0.2質量部以上10質量部以下含有するのがより好ましく、1〜10質量部含有するのがさらに好ましい。また、インクには、本発明の色素とともに、他の色素(染料や顔料)を併用してもよい。2種類以上の色素を併用する場合は、色素の含有量の合計が前記範囲となっているのが好ましい。
【0168】
インクは、単色の画像形成のみならず、フルカラーの画像形成に用いることができる。フルカラー画像を形成するために、マゼンタ色調インク、シアン色調インク、及びイエロー色調インクを用いることができ、また、色調を整えるために、更にブラック色調インクを用いてもよい。
【0169】
さらに、インクは、上記本発明における色素の他に、以下に示す他の顔料や染料を同時に用いることが出来る。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれであってもよい。また、必要に応じて、それらと体質顔料を併用することもできる。
【0170】
無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、金属酸化物、金属硫化物、金属塩化物等が挙げられる。これらの中では、特に黒色水系インクにおいては、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。
【0171】
特に黒色水系インクとして使用されるカーボンブラックとしては、具体的には、三菱化学(株)製のNo.2300、No.900、HCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No2200B等が、コロンビア社製のRaven5750、Raven5250、Raven5000、Raven3500、Raven1255、Raven700等が、キャボット社製のRegal400R、Regal330R、Regal660R、Mogul L、Monarch700、Monarch800、Monarch880、Monarch900、Monarch1000、Monarch1100、Monarch1300、Monarch1400等が、デグッサ社製のColor Black FW1、Color Black FW2、ColorBlack FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color Black S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、SpecialBlack 4A、Special Black 4等が使用できるが、これらに限定されるものではない。
【0172】
その他の無機顔料の具体例としては、たとえばピグメント・イエロー42、ピグメント・ホワイト6、ピグメント・ブルー27、ピグメント・ブルー29、ピグメント・ブラック7等が挙げられる。
【0173】
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、ジアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アントラキノン顔料、キノフタロン顔料、レーキ顔料、ジケトピロロピロール顔料等が挙げられる。また、本発明に使用される有機顔料は、例えば、シアン顔料、イエロー顔料、マゼンタ顔料、バイオレット顔料、グリーン顔料、オレンジ顔料等の有彩色顔料を挙げることができる。尚、有彩色とは、白から灰色を経て黒に至る系列の色(無彩色)以外のすべての色をいう。
【0174】
適用できるイエロー顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・イエロー1、3、12、13、14、17、24、35、37、42、53、55、74、81、83、93、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、128、129、138、139、147、150、151、153、154、155、174、180、181、185、188、191、198、213等があげられる。
【0175】
適用できるマゼンタ顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・レッド1、3、5、8、9、16、17、19、22、31、38、48:1、48:2、48:3、48:4、53:2、57:1、57:2、57:3、81、81:1、81:2、81:3、81:4、81:5、90、112、122、123、127、146、147、149、150、176、177、179、184、185、188、202、206、207、209、222、242、245、254、256、269、C.I.ピグメント・バイオレット19、等があげられる。
【0176】
適用できるシアン顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・ブルー1、2、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、60、80、C.I.バット・ブルー4、60、アルミニウムフタロシアニン等があげられる。
【0177】
適用できるバイオレット顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・バイオレット1、3、5:1、16、23、27、37、38、42等があげられる。
【0178】
適用できるグリーン顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・グリーン4、7、36、58等があげられる。
【0179】
適用できるオレンジ顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・オレンジ5、13、16、34、36、43、48、61、71等があげられる。
【0180】
適用できるイエロー染料としては、例えば、C.I.アシッド・イエロー23、C.I.ダイレクト・イエロー86、132、C.I.ソルベント・イエロー29、30等があげられる。
【0181】
適用できるマゼンタ染料としては、例えば、C.I.アシッド・レッド52、92、289、249、254、C.I.ダイレクト・レッド227、C.I.ソルベント・レッド18、49等があげられる。
【0182】
適用できるシアン染料としては、例えば、C.I.アシッド・ブルー9、C.I.ダイレクト・ブルー86、87、199、C.I.ソルベント・ブルー70等があげられる。
【0183】
適用できるブラック染料としては、例えば、C.I.ソルベント・ブラック3、7、及びニグロシン系の黒色染料等があげられる。
【0184】
これらの顔料や染料は、単独でも、2種以上を任意の割合で混合して用いることができる。また上記有機顔料の固溶体も挙げられる。例えば、マゼンタ顔料の固溶体としては、色調の観点から、C.I.ピグメント・バイオレットとC.I.ピグメント・レッドの固溶体が好ましく、更にC.I.ピグメント・バイオレット19とC.I.ピグメント・レッド122の固溶体、もしくはC.I.ピグメント・バイオレット19とC.I.ピグメント・レッド202の固溶体が好ましく、特にγ型C.I.ピグメント・バイオレット19とC.I.ピグメント・レッド202の固溶体が好ましい。さらに、体質顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
【0185】
インクジェット記録用インクに用いられる水溶性溶媒としては、本発明の分散物において色素を分散する媒体として使用できるものと同じものを使用することができ、具体的には、前記のアルコール類、多価アルコール類、グリコール誘導体、アミン類、その他水溶性溶媒などを使用することができる。これらインクジェット記録用インクに用いられる水溶性溶媒は、単独で使用しても、2種類以上混合して使用しても構わない。これらの溶媒の中では、2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、N−メチル−2−ピロリドン等の水と任意の割合で混和可能な有機溶媒がより好ましい。
【0186】
水溶性溶媒の含有量としては、インク全体の1質量%以上60質量%以下、好ましくは、5質量%以上40質量%以下で使用される。インク中の水溶性溶媒量が1質量%よりも少ない場合には、十分な光学濃度が得られない場合があり、逆に、60質量%よりも多い場合には、インクの粘度が大きくなり、インクの噴射特性が不安定になる場合がある。
【0187】
インクジェット記録用インクの好ましい物性は以下の通りである。インクの表面張力は、20mN/m以上60mN/m以下であることが好ましい。より好ましくは、20mN以上45mN/m以下であり、更に好ましくは、25mN/m以上35mN/m以下である。表面張力が20mN/m未満となると、記録ヘッドのノズル面に液体が溢れ出し、正常に印字できない場合がある。一方、60mN/mを超えると、印字後の記録媒体への浸透性が遅くなり、乾燥時間が遅くなる場合がある。尚、上記表面張力は、ウイルヘルミー型表面張力計を用いて、23℃、55%RHの環境下で測定した。
【0188】
インクの粘度は、記録ヘッドの構造や特性によっても異なるが、1.2mPa・s以上20mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは1.5mPa・s以上15mPa・s未満、更に好ましくは2.5mPa・s以上9.5mPa・s未満である。特に記録ヘッドが、サーマル型の場合には、2.5mPa・s以上4.0mPa・s以下であることが好ましく、ピエゾ型の場合には、3.5mPa・s以上9.5mPa・s以下であることが好ましい。インクの粘度が20mPa・sより大きい場合には、吐出性が低下する場合がある。一方、1.2mPa・sより小さい場合には、長期噴射性が悪化する場合がある。なお、上記粘度(後述するものを含む)の測定は、回転粘度計レオマット115(Contraves社製)を用い、23℃でせん断速度を1400s-1として行った。
【0189】
インクには、前記各成分に加えて、上記の好ましい表面張力及び粘度となる範囲で、水が添加される。水の添加量は特に制限は無いが、好ましくは、インク全体に対して、10質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは、30質量%以上80質量%以下である。
【0190】
さらに必要に応じて、吐出性改善等の特性制御を目的とし、ポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、多糖類及びその誘導体、その他水溶性ポリマー、アクリル系ポリマーエマルション、ポリウレタン系エマルション、親水性ラテックス等のポリマーエマルション、親水性ポリマーゲル、シクロデキストリン、大環状アミン類、デンドリマー、クラウンエーテル類、尿素及びその誘導体、アセトアミド、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等を用いることができる。
【0191】
また、導電率、pHを調整するため、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属類の化合物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属類の化合物、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等の含窒素化合物、硫酸、塩酸、硝酸等の酸、硫酸アンモニウム等の強酸と弱アルカリの塩、酢酸、プロピオン酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グリセリン酸等の有機酸等を使用することができる。中和度は、特に限定はないが、通常、10〜200%であることが好ましく、さらに20〜150%、特に50〜150%であることが好ましい。その他必要に応じ、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤等も添加することができる。
【実施例】
【0192】
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例中、「部」とは質量部を表す。
【0193】
尚、本発明のアゾ色素およびアゾ化合物の構造決定および同定に際しては、元素分析および赤外吸収スペクトルを用いた。元素分析は、パーキン・エルマー社製 2400 CHN Element Analyzerを用いた。赤外吸収スペクトルは、日本分光(株)社製のフーリエ変換席外分光光度計FT/IR−410を使用して、分解能2cm-1、KBr錠剤法にて測定した。
【0194】
〔アゾ顔料およびアゾ化合物の製造方法〕
本発明において、前記一般式(3)ないし下記一般式(5)で表されるカップリング成分(ナフトール化合物)は公知の方法で合成することができる。また、本発明のアゾ色素およびアゾ化合物は、前記一般式(3)ないし下記一般式(5)で表されるカップリング成分(ナフトール化合物)と、前記一般式(4)ないし下記一般式(6)で表されるジアゾ成分(芳香族アミン)から、既知の方法により調製したジアゾニウム塩(ジアゾ化合物)とのカップリング反応によって製造(合成)することができる。本発明のアゾ色素およびアゾ化合物の具体的な製造方法(合成方法)を、以下、実施例にて具体的に記す。
【0195】
(実施例1)
以下に、前記アゾ色素1の具体的な合成方法をその反応スキーム(下記反応スキームA)とともに示す。本発明に係る他のアゾ色素およびアゾ化合物も同様のスキームで合成することができる。なお、アゾ色素およびアゾ化合物の製造方法(合成方法)は以下の方法に限定されるものではない。
【0196】
【化13】
【0197】
(1)化合物(B)の合成
トルエン57.3gに、2,3−ヒドロキシナフトエ酸9.0g(0.048mol)、およびN,N−ジメチルホルムアミド0.12gを加え、85℃に加熱後、塩化チオニル55.63g(0.468mol)を15分間で滴下した。滴下終了後、1時間還流した。別途調製した化合物(A)8.09g(0.050mol)とトルエン26.4gを85℃に加熱した溶液に、上記反応溶液を30分間かけて滴下し、2時間加熱還流した。この反応液を95℃に冷却後、28%アンモニア水溶液0.8gおよび水2.0gを加え、95〜100℃にて15分間攪拌後、トルエンおよび未反応の化合物(A)を水蒸気蒸留により除去した。析出した反応物をろ取し、熱湯で洗浄後、乾燥して化合物(B)を15.2g(収率:95.8%)得た。化合物(B)の赤外吸収スペクトルを図1に示す。
【0198】
(2)アゾ色素1の合成
水72gに化合物(C)3.63g(0.015mol)を加えた後、35%塩酸5.73gを加え、−2〜0℃になるよう冷却した。この溶液に25%亜硝酸ナトリウム水溶液4.22g(0.015mol)を加えた後、0〜5℃に保持しながら、30分間攪拌し、ジアゾニウム溶液を調製した。別途、前期の方法で得た化合物(B)5.60g(0.015mol)と、25%水酸化ナトリウム溶液8.81g、メチルアルコール62gからなるカップラー溶液を調製した。調製したジアゾニウム溶液とカップラー溶液を、同時にpH5.4の酢酸バッファー溶液45gとメチルアルコール50gからなる混合溶液に10分間で滴下した。滴下終了後、室温で30分間攪拌した後、さらに、60℃に保持しながら15分間攪拌し、析出した反応物をろ取し、熱湯およびメタノールの混合溶液で洗浄後、乾燥してアゾ色素1を8.59g(収率:98%)得た。アゾ色素1の赤外吸収スペクトルを図2に示す。
【0199】
(実施例2)
(アゾ色素2の合成)
実施例1で使用した化合物(A)のかわりに、3−アミノベンズトリフロリドを0.050mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素2を7.97g(収率98%)得た。アゾ色素2の赤外吸収スペクトルを図3に示す。
【0200】
(実施例3)
(アゾ色素3の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−4−メトキシベンズアミドを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素3を7.97g(収率97%)得た。アゾ色素3の赤外吸収スペクトルを図4に示す。
【0201】
(実施例4)
(アゾ色素4の合成)
実施例1で使用した化合物(A)のかわりに、3−アミノベンズトリフロリドを0.050mol量、および3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−4−メトキシベンズアミドを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素4を7.97g(収率97%)得た。アゾ色素4の赤外吸収スペクトルを図5に示す。
【0202】
(実施例5)
(アゾ色素5の合成)
実施例1で使用した化合物(A)のかわりに、2−アミノベンズトリフロリドを0.050mol量、および3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−4−メトキシベンズアミドを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素5を7.97g(収率95%)得た。アゾ色素5の赤外吸収スペクトルを図6に示す。
【0203】
(実施例6)
(アゾ色素6の合成)
実施例1で使用した化合物(A)のかわりに、5−クロロ−2−アミノベンズトリフロリドを0.050mol量、および3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−4−メトキシベンズアミドを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素6を7.97g(収率97%)得た。アゾ色素6の赤外吸収スペクトルを図7に示す。
【0204】
(実施例7)
(アゾ色素7の合成)
実施例1で使用した化合物(A)のかわりに、3,5−ビス(トリフロオロメチル)アニリンを0.050mol量、および3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−4−メトキシベンズアミドを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素7を7.97g(収率96%)得た。アゾ色素7の赤外吸収スペクトルを図8に示す。
【0205】
(実施例8)
(アゾ色素8の合成)
実施例1で使用した化合物(A)のかわりに、4−フルオロ−3−アミノベンズトリフロリドを0.050mol量、および3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−4−メトキシベンズアミドを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素8を7.97g(収率96%)得た。アゾ色素8の赤外吸収スペクトルを図9に示す。
【0206】
(実施例9)
(アゾ色素9の合成)
実施例1で使用した化合物(A)のかわりに、2−クロロ−5−アミノベンズトリフロリドを0.050mol量、および3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−4−メトキシベンズアミドを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素9を7.97g(収率97%)得た。アゾ色素9の赤外吸収スペクトルを図10に示す。
【0207】
(実施例10)
(アゾ色素10の合成)
実施例1で使用した化合物(A)のかわりに、4−アミノベンズトリフロリドを0.050mol量、および3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−4−メトキシベンズアミドを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素10を7.97g(収率95%)得た。アゾ色素10の赤外吸収スペクトルを図11に示す。
【0208】
(実施例11)
(アゾ色素11の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−4−メチルベンズアミドを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素11を7.97g(収率97%)得た。
【0209】
(実施例12)
(アゾ色素12の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−4−メトキシベンズ−(2’−クロロ−5’−トリフルオロメチル)アニリドを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素12を7.97g(収率96%)得た。アゾ色素12の赤外吸収スペクトルを図12に示す。
【0210】
(実施例13)
(アゾ色素13の合成)
実施例1で使用した化合物(A)のかわりに、3−アミノベンズトリフロリドを0.050mol量、および3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−4−メトキシベンズ−(3’−トリフルオロメチル)アニリドを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素13を7.97g(収率95%)得た。アゾ色素13の赤外吸収スペクトルを図13に示す。
【0211】
(実施例14)
(アゾ色素14の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、下記化合物(D)を0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素14を7.97g(収率95%)得た。アゾ色素14の赤外吸収スペクトルを図14に示す。
【0212】
化合物(D)
【化14】
【0213】
(実施例15)
(アゾ色素15の合成)
実施例1で使用した(A)のかわりに、3−アミノベンズトリフロリドを0.050mol量、および3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、化合物(D)を0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素15を7.97g(収率97%)得た。アゾ色素15の赤外吸収スペクトルを図15に示す。
【0214】
(実施例16)
(アゾ色素16の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4’−アミノ−2’−メトキシ−5’−メチルベンズアニリドを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素16を7.97g(収率96%)得た。
【0215】
(実施例17)
(アゾ色素17の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、2−アミノフェノールを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素17を6.78g(収率93%)得た。
【0216】
(実施例18)
(アゾ色素18の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、5−ニトロ−2−メトキシアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素18を7.85g(収率96%)得た。
【0217】
(実施例19)
(アゾ色素19の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、2−アミノベンズニトリルを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素19を7.05g(収率95%)得た。
【0218】
(実施例20)
(アゾ色素20の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、2−アミノスチレンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素20を6.84g(収率92%)得た。
【0219】
(実施例21)
(アゾ色素21の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−エチニルアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素21を6.74g(収率91%)得た。
【0220】
(実施例22)
(アゾ色素22の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4−シクロヘキシルアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素22を7.87g(収率95%)得た。
【0221】
(実施例23)
(アゾ色素23の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、2−(4’−アミノフェニル)ピリジンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素23を7.94g(収率97%)得た。
【0222】
(実施例24)
(アゾ色素24の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4−(4’−アミノフェニル)ピペリジンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素24を7.70g(収率93%)得た。
【0223】
(実施例25)
(アゾ色素25の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、2−フェノキシアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素25を8.09g(収率96%)得た。
【0224】
(実施例26)
(アゾ色素26の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、アミノテレフタル酸ジメチルを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素26を8.53g(収率97%)得た。
【0225】
(実施例27)
(アゾ色素27の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、2’−アミノアセトフェノンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素27を7.45g(収率97%)得た。
【0226】
(実施例28)
(アゾ色素28の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、2−アミノ安息香酸フェニルエステルを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素28を8.41g(収率95%)得た。
【0227】
(実施例29)
(アゾ色素29の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、2−アミノベンゾフェノンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素29を8.26g(収率96%)得た。
【0228】
(実施例30)
(アゾ色素30の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−N−メチルベンズアミドを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素30を7.67g(収率97%)得た。
【0229】
(実施例31)
(アゾ色素31の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−メチルスルホニルアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素31を7.97g(収率97%)得た。
【0230】
(実施例32)
(アゾ色素32の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−フェニルスルホニルアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素32を8.97g(収率98%)得た。
【0231】
(実施例33)
(アゾ色素33の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−スルファモイルアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素33を7.81g(収率95%)得た。
【0232】
(実施例34)
(アゾ色素34の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−(N,N−ジメチル)アミノスルホニルアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素34を8.24g(収率95%)得た。
【0233】
(実施例35)
(アゾ色素35の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−(N−フェニル)アミノスルホニルアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素35を9.46g(収率97%)得た。
【0234】
(実施例36)
(アゾ色素36の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−メチルスルフィニルアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素36を7.82g(収率98%)得た。
【0235】
(実施例37)
(アゾ色素37の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−フェニルスルフィニルアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素37を9.73g(収率98%)得た。
【0236】
(実施例38)
(アゾ色素38の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アセチルアミノアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素38を7.59g(収率96%)得た。
【0237】
(実施例39)
(アゾ色素39の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−ベンゾイルアミノアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素39を8.66g(収率98%)得た。
【0238】
(実施例40)
(アゾ色素40の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−(N−メトキシカルボニル)アミノアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素40を7.76g(収率95%)得た。
【0239】
(実施例41)
(アゾ色素41の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−(N−フェノキシカルボニル)アミノアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素41を8.71g(収率96%)得た。
【0240】
(実施例42)
(アゾ色素42の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−(N−メチルスルホニル)アミノアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素42を8.19g(収率97%)得た。
【0241】
(実施例43)
(アゾ色素43の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−(N−ベンゼンスルホニル)アミノアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素43を9.09g(収率97%)得た。
【0242】
(実施例44)
(アゾ色素44の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−ウレイドアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素44を7.44g(収率94%)得た。
【0243】
(実施例45)
(アゾ色素45の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−(N−スルファモイル)アミノアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素45を8.12g(収率96%)得た。
【0244】
(実施例46)
(アゾ色素46の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、2−メルカプトアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素46を7.15g(収率95%)得た。
【0245】
(実施例47)
(アゾ色素47の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4−メチルチオアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素47を7.35g(収率95%)得た。
【0246】
(実施例48)
(アゾ色素48の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4−フェニルチオアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素48を8.32g(収率96%)得た。
【0247】
(実施例49)
(アゾ色素49の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4−トリメチルシリルアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素49を7.81g(収率96%)得た。
【0248】
(実施例50)
(アゾ色素50の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4−ジメチルフェニルシリルアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素50を8.70g(収率96%)得た。
【0249】
(実施例51)
(アゾ色素51の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4−ジフェニルメチルシリルアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素51を9.59g(収率96%)得た。
【0250】
(実施例52)
(アゾ色素52の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4−トリフェニルシリルアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素52を10.6g(収率97%)得た。
【0251】
(実施例53)
(アゾ色素53の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4−トリメチルシロキシアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素53を8.12g(収率97%)得た。
【0252】
(実施例54)
(アゾ色素54の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4−ジメチルフェニルシロキシアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素54を9.02g(収率97%)得た。
【0253】
(実施例55)
(アゾ色素55の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4−ジフェニルメチルシロキシアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素55を9.92g(収率97%)得た。
【0254】
(実施例56)
(アゾ色素56の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4−トリフェニルシロキシアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素56を10.8g(収率97%)得た。
【0255】
(実施例57)
(アゾ色素57の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4−(N,N−ジメチル)アミノアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素57を7.46g(収率97%)得た。
【0256】
(実施例58)
(アゾ色素58の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4−(N−フェニル)アミノアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素58を8.16g(収率97%)得た。
【0257】
(実施例59)
(アゾ色素59の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4−[N−(4−ピペリジル)]アミノアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素59を8.18g(収率96%)得た。
【0258】
(実施例60)
(アゾ色素60の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4−[N−(チエニル)]アミノアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素60を8.16g(収率96%)得た。
【0259】
(実施例61)
以下に、前記アゾ色素61の具体的な合成方法をその反応スキーム(下記反応スキームA)とともに示す。本発明に係る他のアゾ色素およびアゾ化合物も同様のスキームで合成することができる。なお、アゾ色素およびアゾ化合物の製造方法(合成方法)は以下の方法に限定されるものではない。
【0260】
【化15】
【0261】
アゾ色素61の合成
25%水酸化ナトリウム溶液1.12g、水13.2gからなる混合溶液に、化合物(C)を1.42g(0.007mol)を加えた、−2〜0℃になるよう冷却した。この溶液に25%亜硝酸ナトリウム水溶液1.97g(0.007mol)を加えた後、0〜5℃に保持しながら、15分間攪拌した。この混合溶液を、35%塩酸2.28g、水10。0g、氷、10.0gからなる混合溶液に、−2〜0℃に保持しながら素早く加えた後、0〜5℃に保持しながら30分間攪拌した。別途調製した前期の方法で得た化合物(B)2.61g(0.07mol)と、25%水酸化ナトリウム溶液2.58g、メチルアルコール14.0gからなる混合溶液に、この反応溶液を5℃以下を保持しながら15分間で滴下した。滴下終了後、室温で一晩攪拌した後、塩化ナトリウム10gを加え、65℃に保持しながら1時間攪拌し、析出した反応物をろ取し、20%塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、乾燥してアゾ色素61を3.62g(収率:89.2%)得た。アゾ色素61の赤外吸収スペクトルを図16に示す。
【0262】
(実施例62)
(アゾ色素62の合成)
実施例61で使用した化合物(A)のかわりに、3−アミノベンズトリフロリドを0.050mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素62を3.58g(収率90%)得た。
【0263】
(実施例63)
(アゾ色素63の合成)
実施例61で使用した化合物(E):2−アニシジン−5−スルホン酸のかわりに、5−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸を0.007mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素63を3.57g(収率78%)得た。
【0264】
(実施例64)
(アゾ色素64の合成)
実施例61で使用した化合物(E):2−アニシジン−5−スルホン酸のかわりに、4−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸を0.007mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素64を3.40g(収率82%)得た。
【0265】
(実施例65)
(アゾ色素65の合成)
実施例61で使用した化合物(E):2−アニシジン−5−スルホン酸のかわりに、2−アニシジン−5−安息香酸を0.007mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素64を3.77g(収率95%)得た。
【0266】
(実施例66)
(アゾ色素66の合成)
実施例61で使用した化合物(A)のかわりに、3−アミノベンズトリフロリドを0.050mol量、および化合物(E):2−アニシジン−5−スルホン酸のかわりに、2−アニシジン−5−安息香酸を0.007mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素64を3.57g(収率96%)得た。
【0267】
以上、実施例1〜66で合成したアゾ色素の構造と元素分析結果を表2に示す。
【表2】
表2
【0268】
【表2】
【0269】
【表2】
【0270】
【表2】
【0271】
【表2】
【0272】
【表2】
【0273】
【表2】
【0274】
〔分散物およびインクジェット記録用インク〕
以下に、本発明の分散物およびそれを用いたインクジェット記録用インクの例を挙げる。
【0275】
(実施例67)
実施例1で製造したアゾ色素1を2.5部、オレイン酸ナトリウム0.5部、グリセリン5部、水42部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ100部とともに遊星型ボールミルを用いて毎分300回転、6時間分散を行った。分散終了後、ジルコニアビーズを分離し、分散物1を得た。
【0276】
(実施例68〜132)
実施例67で用いたアゾ色素1に変えて、本発明のアゾ色素2〜66を用いた以外は、実施例67と同様にして分散物2〜66を得た。
【0277】
(比較例1)
実施例1で用いたアゾ色素1に変えてC.I.ピグメント・レッド269(PR269、山陽色素(株)社製、商品名:Permanent Carmine 3810)を用いた以外は実施例1と同様にして比較分散物1を得た。
【0278】
(比較例2)
実施例1で用いたアゾ色素1に変えてC.I.ピグメント・レッド122(PR122、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製、商品名:CROMOPHTAL Jet Magenta DMQ)を用いた以外は実施例1と同様にして比較分散物2を得た。
【0279】
(比較例3)
実施例1で用いたアゾ色素1に変えてC.I.ピグメント・バイオレット19(PV19、クラリアントジャパン(株)社製、商品名:Hostaperm Red E5B02)を用いた以外は実施例1と同様にして比較分散物3を得た。
【0280】
(分散物の評価)
以下に、分散物の評価項目の評価方法と評価判断基準を示す。尚、分散物の粒径および粘度の測定は以下の方法に従った。
【0281】
〔粒径の測定方法〕
分散物の粒径を、粒度分布計(日機装社製レーザードップラー式粒度分布計「マイクロトラックUPA−150」)を用いて測定した。尚、本実施例および比較例における粒径とは、体積平均粒子径を意味する。
【0282】
〔粘度の測定方法〕
分散物の粘度を、低粘度領域では振動式粘度計(山一電機社製粘度計「VM−100A」)、中粘度領域以上についてはB型粘度計で25℃における粘度を測定した。
【0283】
<分散安定性>
前記分散物をポリプロピレン製密閉容器中で分散物の製造直後および70℃、7日間放置後の粒径及び粘度の変化率を測定した。以下に評価判断基準を示す。
A:粒径及び粘度の変化率が±10%以内。
B:粒径及び粘度の変化率が±10%以上±20%以内。
C:粒径及び粘度の変化率が±20%を超える。
結果を表1に示した。
【0284】
<着色力>
上記実施例および比較例で得られた分散物をNo.3のバーコーターを用いてセイコーエプソン(株)社製フォトマット紙<顔料専用>(型番:KA450MM)に塗布した。得られた塗布物の画像濃度を反射濃度計(X−Rite社製X−Rite938)を用いて測定し、「着色力(OD:Optical Density)」として結果を表1に示した。
【0285】
<色相>
色相については、上記で得られた塗布物の色度を目視にて評価した。以下に評価判断基準を示す。
A:黄味が少なく鮮やかさが大きい(良好)。
B:黄味が大きい、もしくは鮮やかさが小さい。
C:黄味が大きく鮮やかさが小さい(不良)。
【0286】
結果を表3に示した。表3の結果から明らかなように、本発明のアゾ色素を用いた分散物は、比較分散物に比べて、分散安定性、着色力、色相に優れていることが明らかである。
【0287】
【表3】
【0288】
(実施例133)
国際公開第2006/064193号パンフレットの22ページに記載されているDispersant 10で表される高分子分散剤を水酸化カリウム水溶液で中和した。得られた分散剤水溶液75質量部(固形分濃度20%)の中に、前記合成のアゾ色素1を30質量部及びイオン交換水95質量部を加えて、ディスパー攪拌翼にて混合・粗分散した。混合・粗分散した液に直径0.1mmのジルコニアビーズを600質量部を入れて、これを分散機(サンドグラインダミル)で4時間分散した後、ビーズと分散液に分離した。得られた混合物を攪拌しながら、25℃でポリエチレングリコールジグリシジルエ−テル2質量部をゆっくり加え、50℃で6時間攪拌した。更に、分画分子数300Kの限外濾過膜を使って不純物を除去し、これをポアサイズ5μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:25mm、富士フイルム(株)社製)を取り付けた容量20mlのシリンジで濾過し、粗大粒子を除去することにより固形分濃度10%の分散物67を得た。
【0289】
(実施例134〜198)
実施例133で用いたアゾ色素1に変えて、本発明のアゾ色素2〜66を用いた以外は、実施例67と同様にして分散物68〜132を得た。
【0290】
(比較例4)
実施例133で用いたアゾ色素1に変えてC.I.ピグメント・レッド269(PR269、山陽色素(株)社製、商品名:Permanent Carmine 3810)を用いた以外は実施例133と同様にして比較分散物4を得た。
【0291】
(比較例5)
実施例133で用いたアゾ色素1に変えてC.I.ピグメント・レッド122(PR122、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製、商品名:CROMOPHTAL Jet Magenta DMQ)を用いた以外は実施例133と同様にして比較分散物5を得た。
【0292】
(比較例6)
実施例133で用いたアゾ色素1に変えてC.I.ピグメント・バイオレット19(PV19、クラリアントジャパン(株)社製、商品名:Hostaperm Red E5B02)を用いた以外は実施例133と同様にして比較分散物6を得た。
【0293】
結果を表4に示した。表4の結果から明らかなように、本発明のアゾ色素を用いた分散物は、比較分散物に比べて、分散安定性、着色力、色相に優れていることが明らかである。
【0294】
【表4】
【0295】
(実施例199〜264)
実施例133〜198で得られた各分散物67〜132を固形分で5質量%、グリセリン10質量%、2−ピロリドン5質量%、1,2―ヘキサンジオール2質量%、トリエチレングリコールモノブチルエーテル2質量%、プロピレングリコール0.5質量%、イオン交換水75.5質量%になる様に各成分を加えて、得られた混合液をポアサイズ1μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:25mm、富士フイルム(株)社製)を取り付けた容量20mlのシリンジで濾過し、粗大粒子を除去することにより表5に示すインクジェット記録用インク1〜66(インク1〜66)を得た。
【0296】
(比較例7〜9)
実施例133〜198で得られた各分散物67〜132の代わりに、比較例4〜6で得られた比較分散物4〜6をそれぞれ用いた以外は、実施例199〜264と同様にして比較インクジェット記録用インク1〜3(比較インク1〜3)を得た。
【0297】
上記実施例133〜198及び比較例7〜9の各インクについて、下記評価を行った。その結果を表5に示した。
【0298】
(インクジェット記録用インクの評価)
<吐出安定性>
プリンターのカートリッジにインクジェット記録用インクを充填した後に、20〜25℃で40〜60%RHの環境下で、文字と塗り潰しとが混在する画像をA4版の普通紙に100ページ連続的に印刷した。得られた印刷物(印字物)を目視で観察し、以下の指標で評価した。
A:全く印刷乱れが認められない。
B:印刷乱れが認められたが10箇所未満である(実用レベル)。
C:10箇所以上100箇所未満の範囲で印刷乱れが認められた。
D:100箇所以上印刷乱れが認められた。
【0299】
<保存安定性>
インクジェット記録用インクをポリプロピレン製密閉容器中でインクジェット記録用インクの製造直後および7日間放置後の粒径及び粘度の変化率を測定した。下記表5に示した。以下に評価判断基準を示す。尚、粒径及び粘度は前記分散物と同様な方法で測定した。
A:粒径及び粘度の変化率が±10%以内。
B:粒径及び粘度の変化率が±10%以上±20%以内。
C:粒径及び粘度の変化率が±20%を超える。
【0300】
なお、表5において、「吐出安定性」、「保存安定性」は、各インクジェット記録用インクをセイコーエプソン(株)社製プリンター(型番:PX−101)のインク液のカートリッジに装填し、記録媒体はセイコーエプソン(株)社製フォトマット紙<顔料専用>(型番:KA450MM)に推奨モード「きれい」で階段状に濃度が変化した単色画像パターンを印画させ評価を行った。
【0301】
【表5】
【0302】
表5の結果から明らかなように、本発明の分散物を用いて製造したインクジェット記録用インクは吐出安定性、保存安定性に優れ、またいずれも色彩的特性にも優れていた。
【0303】
〔着色組成物およびトナー〕
以下に、本発明の着色組成物の一つであるトナーの例を挙げる。
【0304】
実施例265〜330、比較例10〜12
〔粉砕法トナー〕
実施例1〜66で製造した各アゾ色素を用い、ポリエステル樹脂100g、色素5gをボールミルにて攪拌混合後、溶融混練、冷却し、粉砕分級して粉砕法トナーを得た。比較例10〜12として、表6に示す公知の顔料を用いて同様に粉砕法トナーを得た。
【0305】
実施例331〜396、比較例13〜15
〔凝集法トナー〕
実施例1〜66で製造した各アゾ色素を用い、下記の方法により凝集法トナーを製造した。比較例13〜15として、表7に示す公知の顔料を用いて同様に凝集法トナーを得た。
【0306】
(1)着色剤分散液の製造
各アゾ色素20gのそれぞれにイオン交換水80g、アルキルベンゼンスルホン酸塩3gを添加し、機械式分散機にて分散処理して各色素の着色分散液を得た。
【0307】
(2)ポリマー乳化液の製造
反応器に、エステルワックスエマルジョン330g(固形分として)、イオン交換水13Kgを入れ90℃に昇温し、アルキルベンゼンスルホン酸塩3g、スチレン2.5Kg、n−ブチルアクリレート650g、メタクリル酸170g、8%過酸化水素水溶液330g、8%アスコルビン酸水溶液330gを添加した。90℃で7時間反応を継続してポリマー乳化液を得た。
【0308】
(3)トナーの製造
上記ポリマー乳化液150gに着色剤分散液9.5gを注入し混合攪拌した。この中に0.5%の硫酸アルミニウム溶液40gを攪拌しながら注入した。60℃に昇温し、2時間攪拌を継続し、ろ過、洗浄、乾燥し凝集法トナーを得た。
【0309】
実施例397〜462、比較例16〜18
〔懸濁重合法トナー〕
実施例1〜66で製造した各アゾ色素を用い、下記の方法により懸濁重合法トナーを製造した。比較例16〜18として、表8に示す公知の顔料を用いて同様に懸濁重合法トナーを得た。
【0310】
(1)水系分散媒体の製造
反応器にイオン交換水710gと0.1モル/リットルの燐酸三ナトリウム水溶液450gを加えて65℃に加温し、1.0モル/リットルの塩化カルシウム水溶液68gを徐々に加え、コロイド状燐酸カルシウムを含む分散液を含む水系分散媒体を調製した。
【0311】
(2)トナーの製造
スチレンモノマー165g、n−ブチルアクリレート35gに色素14gを加えてサンドグラインダーで分散させた分散液にエステルワックス30gを加え、80℃で溶解させた。ついでn−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステルを2g、重合開始剤として2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)11gを加えたものを前記水系分散媒体中に攪拌しながら徐々に加え、水中にモノマーを含む溶液を分散させた。ついで65℃、10時間重合反応を行った。pH調整、ろ過、洗浄、乾燥してトナーを得た。
【0312】
(トナーの評価)
上記各実施例、比較例で得られたトナーのそれぞれ50gに疎水性シリカ0.3gを外添し、電子写真プリンターで以下の方法で評価を行った。また、重合トナー法においては着色剤の分散性と分散液の安定性も併せて評価した。評価結果を表6〜8に示す。
【0313】
<透明性>
ベタ画像をOHPシート上にプリントし、画像の透明性を観察した。評価基準は下記の通りである。
A:良好、 B:やや悪い、 C:不良
【0314】
<着色力>
ベタ画像をOHPシート上にプリントし、画像の着色力を観察した。評価基準は下記の通りである。
A:良好、 B:やや悪い、 C:不良
【0315】
<分散性>
分散媒への色素の分散性を観察した。評価基準は下記の通りである。
A:良好、 B:やや悪い、 C:不良
【0316】
<分散液安定性>
色素の凝集や沈降が無く、経時で安定した分散状態を有するか否かを観察した。評価基準は下記の通りである。
A:良好、 B:やや悪い、 C:不良
【0317】
【表6】
【0318】
表6に示す通り、実施例と比較して、比較例では粉砕法トナー製造において分散性が悪く、透明性と着色力も劣る。
【0319】
【表7】
【0320】
表7に示す通り、実施例と比較して、比較例では凝集法トナー製造において分散性、分散液安定性が悪く、透明性と着色力も劣る。
【0321】
【表8】
【0322】
表8に示す通り、実施例と比較して、比較例では懸濁重合法トナー製造において分散性、分散液安定性が悪く、透明性と着色力も劣る。
【技術分野】
【0001】
本発明は、アゾ化合物、アゾ色素および該アゾ化合物又は該アゾ色素を含む着色組成物、及び着色物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像記録材料としては、特にカラー画像を形成するための材料が主流であり、具体的には、インクジェット方式の記録材料、感熱転写方式の記録材料、電子写真方式の記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インキ、記録ペン等が盛んに利用されている。また、撮影機器ではCCDなどの撮像素子において、ディスプレーではLCDやPDP、有機エレクトロルミネッセンス、電子紙(電子ペーパー)におけるカラー画像を記録・再現するためにカラーフィルタが使用されている。これらのカラー画像記録材料やカラーフィルタでは、フルカラー画像を表示あるいは記録するために、いわゆる加法混色法や減法混色法の3原色の色素(染料や顔料)が使用されているが、好ましい色再現域を実現できる吸収特性や色彩的特性を有し、様々な使用条件に適合する色素が無いのが実情であり、改善が強く望まれている。
【0003】
上記の各用途で使用する色素としては、その用途によって求められる色彩的特性や各用途に対する要求品質が異なるが、記録物の耐光性や耐熱性の観点から色素としては主に顔料が使用されており、例えば、カラーフィルタ用途では、C.I.ピグメント・レッド254、同242等が、オフセット印刷インキ用途では、C.I.ピグメント・レッド57:1等が、インクジェット用インク用途では、C.I.ピグメント・レッド122、同146、同147、同150、同176、同184、同269、C.I.ピグメント・バイオレット19等が、トナー用途では、C.I.ピグメント・レッド146、同147、同150、同176、同184、同269等が使用されている。これらは、望まれる吸収特性や色彩的特性、各用途に対する要求品質を満足させるために、純度を向上させたり(例えば、特許文献1〜3)、製造方法を工夫したり(特許文献4)といった提案がなされている。しかしながら、このように改良された顔料に置いても、依然として充分な色彩的特性を満たしているとはいえないのが実情であり、その理由として、顔料自身を構成する化合物の化学構造そのものが、所望とする色彩的特性を満たすことができないためと推察される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−45523号公報
【特許文献2】特開2004−123866号公報
【特許文献3】特開2003−149869号公報
【特許文献4】特開2004−269607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、着色力、色相等の色彩的特性に優れたアゾ化合物、アゾ色素を提供することを目的とする。更には、該アゾ化合物又は該アゾ色素を含む分散物、着色組成物、並びに、色彩的特性に優れる記録物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、上記した実情に鑑みて鋭意検討した結果、新規なアゾ色素を得、これが色彩的特性に優れるものであることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
即ち、本発明は、下記一般式(1)で表されるアゾ色素に関する。
【0008】
一般式(1)
【化1】
【0009】
(一般式(1)中、X1〜X10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、カルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基、スルホ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、スルファイモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基、ウレイド基、スルファイモイルアミノ基、メルカプト基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基、または、アルキル基、アリール基、脂肪族複素環基、もしくは芳香族複素環基で置換されたアミノ基を表し、X1〜X5のうち少なくとも1つは、パーフルオロアルキル基を表す。X6とX7、X7とX8、X8とX9、およびX9とX10は、それぞれ互いに結合して環を形成しても良い。)
【0010】
また、本発明は、X4がパーフルオロアルキル基、X7がカルバモイル基またはアリールアミノカルボニル基、X10がアルコキシル基である上記アゾ色素に関する。
【0011】
また、本発明は、X1、X2、X3、X5、X6、X8、X9が水素原子である上記アゾ色素に関する。
【0012】
また、本発明は、X1が塩素原子、X4がパーフルオロアルキル基である上記アゾ色素に関する。
【0013】
また、本発明は、X7がカルバモイル基またはアリールアミノカルボニル基、X10がアルコキシル基である上記アゾ色素に関する。
【0014】
また、本発明は、X2、X3、X5、X6、X8、X9が水素原子である上記アゾ色素に関する。
【0015】
また、本発明は、下記一般式(2)で表されるアゾ化合物に関する。
【0016】
一般式(2)
【化2】
【0017】
(一般式(2)中、X11〜X20は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、カルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基、スルホ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、スルファイモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基、ウレイド基、スルファイモイルアミノ基、メルカプト基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基、または、アルキル基、アリール基、脂肪族複素環基、もしくは芳香族複素環基で置換されたアミノ基を表し、X11〜X15のうち少なくとも1つは、パーフルオロアルキル基を表す。X16とX17、X17とX18、X18とX19、およびX19とX20は、それぞれ互いに結合して環を形成しても良い。)
【0018】
また、本発明は、X14がパーフルオロアルキル基、X17がカルバモイル基またはアリールアミノカルボニル基、X20がアルコキシル基である上記アゾ化合物に関する。
【0019】
また、本発明は、X11、X12、X13、X15、X16、X18、X19が水素原子である上記アゾ化合物に関する。
【0020】
また、本発明は、X11が塩素原子、X14がパーフルオロアルキル基である上記アゾ化合物に関する。
【0021】
また、本発明は、X17がカルバモイル基またはアリールアミノカルボニル基、X20がアルコキシル基である上記アゾ化合物に関する。
【0022】
また、本発明は、X12、X13、X15、X16、X18、X19が水素原子である上記アゾ化合物に関する。
【0023】
また、本発明は、下記一般式(3)で表されるナフトール化合物と、下記一般式(4)で表される芳香族アミンのジアゾ化合物とを反応することを特徴とする上記アゾ化合物の製造方法に関する。
【0024】
一般式(3)
【化3】
【0025】
(一般式(3)中、X11〜X15は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、カルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基、スルホ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、スルファイモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基、ウレイド基、スルファイモイルアミノ基、メルカプト基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基、または、アルキル基、アリール基、脂肪族複素環基、もしくは芳香族複素環基で置換されたアミノ基を表し、X11〜X15のうち少なくとも1つは、パーフルオロアルキル基を表す。)
【0026】
一般式(4)
【化4】
【0027】
(一般式(4)中、X16〜X20は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、カルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基、スルホ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、スルファイモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基、ウレイド基、スルファイモイルアミノ基、メルカプト基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基、または、アルキル基、アリール基、脂肪族複素環基、もしくは芳香族複素環基で置換されたアミノ基を表す。X16とX17、X17とX18、X18とX19、およびX19とX20は、それぞれ互いに結合して環を形成しても良い。)
【0028】
また、本発明は、下記一般式(3)で表されるナフトール化合物に関する。
一般式(3)
【化5】
【0029】
(一般式(3)中、X11〜X15は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、カルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基、スルホ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、スルファイモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基、ウレイド基、スルファイモイルアミノ基、メルカプト基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基、または、アルキル基、アリール基、脂肪族複素環基、もしくは芳香族複素環基で置換されたアミノ基を表し、X11〜X15のうち少なくとも1つは、パーフルオロアルキル基を表す。)
【0030】
また、本発明は、上記アゾ色素を少なくとも1種を媒体に分散されてなることを特徴とする分散物に関する。
【0031】
また、本発明は、上記アゾ色素を少なくとも1種と樹脂とを含有することを特徴とする着色組成物に関する。
【発明の効果】
【0032】
本発明のアゾ化合物、アゾ色素および該アゾ化合物又は該アゾ色素を用いることで、色彩的特性に優れる着色組成物とそれを用いた着色物を提供することが可能である。ゆえに、本発明のアゾ色素を種々の媒体に分散、あるいは種々の樹脂と混合して着色組成物とすることにより、色彩的特性に優れる着色プラスチック、樹脂、塗料、ペイント、電子写真用トナー、LCD、PDP、有機エレクトロルミネッセンス、電子紙などのディスプレーやCCDなどの撮像素子で用いられるカラーフィルタや、オフセット、グラビア、フレキソ、スクリーン、インクジェットなどの各種印刷インキとして好適に使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】実施例1で得た化合物(B)の赤外吸収スペクトルである。
【図2】実施例1で得たアゾ色素1の赤外吸収スペクトルである。
【図3】実施例2で得たアゾ色素2の赤外吸収スペクトルである。
【図4】実施例3で得たアゾ色素3の赤外吸収スペクトルである。
【図5】実施例4で得たアゾ色素4の赤外吸収スペクトルである。
【図6】実施例5で得たアゾ色素5の赤外吸収スペクトルである。
【図7】実施例6で得たアゾ色素6の赤外吸収スペクトルである。
【図8】実施例7で得たアゾ色素7の赤外吸収スペクトルである。
【図9】実施例8で得たアゾ色素8の赤外吸収スペクトルである。
【図10】実施例9で得たアゾ色素9の赤外吸収スペクトルである。
【図11】実施例10で得たアゾ色素10の赤外吸収スペクトルである。
【図12】実施例12で得たアゾ色素12の赤外吸収スペクトルである。
【図13】実施例13で得たアゾ色素13の赤外吸収スペクトルである。
【図14】実施例14で得たアゾ色素14の赤外吸収スペクトルである。
【図15】実施例15で得たアゾ色素15の赤外吸収スペクトルである。
【図16】実施例61で得たアゾ色素61の赤外吸収スペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0035】
〔アゾ色素およびアゾ化合物〕
まず、一般式(1)により表されるアゾ色素について詳細に説明する。
【0036】
一般式(1)
【化6】
【0037】
(一般式(1)中、X1〜X10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、カルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基、スルホ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、スルファイモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基、ウレイド基、スルファイモイルアミノ基、メルカプト基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基、または、アルキル基、アリール基、脂肪族複素環基、もしくは芳香族複素環基で置換されたアミノ基を表し、X1〜X5のうち少なくとも1つは、パーフルオロアルキル基を表す。X6とX7、X7とX8、X8とX9、およびX9とX10は、それぞれ互いに結合して環を形成しても良い。)
【0038】
ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。これらの内、フッ素原子もしくは塩素原子が好ましく、塩素原子がさらに好ましい。
【0039】
また、置換基を有していてもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等の炭素数1〜8のアルキル基や、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘキサフルオロプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ノナフルオロブチル基、ノナフルオロイソブチル基等の炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基、さらにはクロロメチル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、カルボキシルメチル基等の炭素数1〜8の置換基を有していてもアルキル基が挙げられる。これらの内、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基ないしエチル基がさらに好ましく、メチル基が特に好ましい。
【0040】
また、置換基を有していてもよいアルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−オクテニル基といった置換基を有していてもよい炭素数2〜8のアルケニル基が挙げられる。
【0041】
また、置換基を有していてもよいアルキニル基としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−オクチニル基といった炭素数2〜8の置換基を有していてもよいアルキニル基が挙げられる。
【0042】
また、置換基を有していてもよいシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基といった炭素数3〜8の置換基を有していてもよいシクロアルキル基が挙げられる。
【0043】
また、置換基を有していてもよいアリール基としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,4−キシリル基、p−クメニル基、メシチル基等の炭素数6〜18の置換基を有していてもよい1価の単環芳香族炭化水素基や、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アンスリル基、2−アンスリル基、5−アンスリル基、1−フェナンスリル基、9−フェナンスリル基、1−アセナフチル基、2−アズレニル基、1−ピレニル基、2−トリフェニレル基等の炭素数10〜18の置換基を有していてもよい1価の縮合環炭化水素基、さらにo−ビフェニリル基、m−ビフェニリル基、p−ビフェニリル基等の炭素数12〜18の置換基を有していてもよい1価の環集合炭化水素基が挙げられる。これらの内、炭素数6〜12のアリール基が好ましく、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、m−ビフェニリル基、p−ビフェニリル基がさらに好ましい。
【0044】
また、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基としては、2−ピラゾリノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、2−モルホリニル基といった炭素数3〜18の置換基を有していてもよい1価の脂肪族複素環基が挙げられる。
【0045】
また、置換基を有していてもよい芳香族複素環基としては、トリアゾリル基、3−オキサジアゾリル基、2−フラニル基、3−フラニル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、1−ピロ−リル基、2−ピロ−リル基、3−ピロ−リル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピラジル基、2−オキサゾリル基、3−イソオキサゾリル基、2−チアゾリル基、3−イソチアゾリル基、2−イミダゾリル基、3−ピラゾリル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、2−ベンゾフリル基、2−ベンゾチエニル基、N−インドリル基、3−カルバゾリル基、N−カルバゾリル基、N−アクリジニル基、2−チオフェニル基、3−チオフェニル基、ビピリジル基、フェナントロリル基といった炭素数2〜18の置換基を有していてもよい芳香族複素環基が挙げられる。これらの内、炭素数2〜12の芳香族複素環基が好ましく、2−チエニル基、2−ピリジル基、4−ピリジル基、2−イミダゾリル基、3−カルバゾリル基、N−カルバゾリル基がさらに好ましい。
【0046】
また、置換基を有していてもよいアルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基といった炭素数1〜8の置換基を有していてもよいアルコキシル基があげられる。これらの内、炭素数1〜4のアルコキシル基が好ましく、メトキシ基もしくはエトキシ基がさらに好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
【0047】
また、置換基を有していてもよいアリールオキシ基としては、フェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、9−アンスリルオキシ基といった炭素数6〜14の置換基を有していてもよいアリールオキシ基があげられる。
【0048】
また、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等の炭素数2〜14の置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基があげられる。
【0049】
また、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等の炭素数7〜14の置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基があげられる。
【0050】
また、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ピバロイル基、シクロヘキシルカルボニル基等の炭素数2〜14の置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基があげられる。
【0051】
また、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基としては、ベンゾイル基、トルオイル基、アニソイル基、シンナモイル基等の炭素数7〜14の置換基を有していてもよいアリールカルボニル基があげられる。
【0052】
また、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基としては、N−メチルアミノカルボニル基、N−エチルアミノカルボニル基、N,N−ジメチルアミノカルボニル基、N,N−ジエチルアミノカルボニル基等の炭素数2〜16の置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基があげられる。
【0053】
また、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基としては、N−フェニルアミノカルボニル基、N−(p−トリル)アミノカルボニル基、N−(2,4−キシリル)アミノカルボニル基、N,N−ジフェニルアミノカルボニル基、N,N−ジ(p−トリル)アミノカルボニル基、N,N−ジ(2,4−キシリル)アミノカルボニル基等の炭素数7〜18の置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基が挙げられる。これらの内、炭素数1〜4のアリールアミノカルボニル基が好ましく、N−フェニルアミノカルボニル基もしくはN−(p−トリル)アミノカルボニル基がさらに好ましく、N−フェニルアミノカルボニル基が特に好ましい。
【0054】
また、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基としては、メシル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基等の炭素数1〜8の置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基があげられる。
【0055】
また、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基としては、フェニルスルホニル基、o−トリルスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等の炭素数6〜14の置換基を有していてもよいアリールスルホニル基があげられる。
【0056】
また、置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基、としては、N−メチルアミノスルホニル基、N−エチルアミノスルホニル基、N,N−ジメチルアミノスルホニル基、N,N−ジエチルアミノスルホニル基等の炭素数1〜8の置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基があげられる。
【0057】
また、置換基を有していてもよいアリールアミノスルホニル基としては、N−フェニルアミノスルホニル基、N−(p−トリル)アミノスルホニル基、N−(2,4−キシリル)アミノスルホニル基、N,N−ジフェニルアミノスルホニル基、N,N−ジ(p−トリル)アミノスルホニル基、N,N−ジ(2,4−キシリル)アミノスルホニル基等の炭素数12〜16の置換基を有していてもよいアリールスルホニル基があげられる。
【0058】
また、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、としては、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィリル基等の炭素数1〜8の置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基があげられる。
【0059】
また、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、としては、フェニルスルフィニル基、o−トリルスルフィニル基、p−トリルスルフィニル基等の炭素数6〜14の置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基があげられる。
【0060】
また、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基としては、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ピバロイルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基等の炭素数2〜14の置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基があげられる。
【0061】
また、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基としては、ベンゾイルアミノ基、トルオイルアミノ基、アニソイルアミノ基等の炭素数7〜14の置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基があげられる。
【0062】
また、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基としては、N−メトキシカルボニルアミノ基、N−エトキシカルボニルアミノ基、N−ベンジルオキシカルボニルアミノ基等の炭素数2〜14の置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基があげられる。
【0063】
また、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルアミノ基としては、N−フェノキシカルボニルアミノ基、N−ナフチルオキシカルボニルアミノ基等の炭素数7〜14の置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基があげられる。
【0064】
また、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基としては、メチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基、プロピルスルホニルアミノ基等の炭素数1〜8の置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基があげられる。
【0065】
また、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基としては、フェニルスルホニルアミノ基、o−トリルスルホニルアミノ基、p−トリルスルホニルアミノ基等の炭素数6〜14の置換基を有していてもよいアリールスルホニル基があげられる。
【0066】
また、置換基を有していてもよいアルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基といった炭素数1〜8の置換基を有していてもよいアルキルチオ基があげられる。
【0067】
また、置換基を有していてもよいアリールチオ基としては、フェニルチオ基、2−メチルフェニルチオ基、4−tert−ブチルフェニルチオ基といった炭素数6〜14の置換基を有していてもよいアリールチオ基があげられる。
【0068】
また、置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリブチルシリル基、トリオクチルシリル基等の炭素数3〜24の置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基が挙げられる。
【0069】
また、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基としては、ジメチルフェニルシリル基、ジエチルフェニルシリル基、ジメチルトリルシリル基等の炭素数8〜24の置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基が挙げられる。
【0070】
また、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基としては、メチルジフェニルシリル基、エチルジフェニルシリル基、メチルジトリルシリル基等の炭素数13〜24の置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基が挙げられる。
【0071】
また、置換基を有していてもよいトリアリールシリル基としては、トリフェニルシリル基、トリトリルシリル基、トリキシリルシリル基等の炭素数18〜24の置換基を有していてもよいトリアリールシリルが挙げられる。
【0072】
また、置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基、ジメチルエチルシロキシ基、トリイソプロピルシロキシ基、トリブチルシロキシ基、トリオクチルシロキシ基等の炭素数3〜24の置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基が挙げられる。
【0073】
また、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基としては、ジメチルフェニルシロキシ基、ジエチルフェニルシロキシ基、ジメチルトリルシロキシ基等の炭素数8〜24の置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基が挙げられる。
【0074】
また、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基としては、メチルジフェニルシロキシ基、エチルジフェニルシロキシ基、メチルジトリルシロキシ基等の炭素数13〜24の置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基が挙げられる。
【0075】
また、置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基としては、トリフェニルシロキシ基、トリトリルシロキシ基、トリキシリルシロキシ基等の炭素数18〜24の置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基が挙げられる。
【0076】
さらに、アルキル基、アリール基、脂肪族複素環基、もしくは芳香族複素環基で置換されたアミノ基としては、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジイソプロピルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、N−ベンジルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基、N−フェニルアミノ基、N−フェニル−N−メチルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ビス(m−トリル)アミノ基、N,N−ビス(p−トリル)アミノ基、N,N−ビス(p−ビフェニリル)アミノ基、ビス[4−(4−メチル)ビフェニリル]アミノ基、N−α−ナフチル−N−フェニルアミノ基、N−β−ナフチル−N−フェニルアミノ基等の炭素数1〜26の置換アミノ基が挙げられる。
【0077】
上述した置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基、および、置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基が有しても良い置換基としては、
【0078】
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、カルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基、スルホ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、スルファイモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基、ウレイド基、スルファイモイルアミノ基、メルカプト基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基、または、アルキル基、アリール基、脂肪族複素環基、もしくは芳香族複素環基で置換されたアミノ基が挙げられる。
【0079】
これらのうち置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基、および、置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基は、
【0080】
X1〜X10における、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基、および、置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基と同義である。
【0081】
さらに、一般式(1)において、X6とX7、X7とX8、X8とX9、およびX9とX10は、それぞれ互いに結合して環を形成しても良い。
【0082】
また、一般式(1)において、X1〜X5のうち少なくとも1つは、パーフルオロアルキル基を表す。詳細な理由は不明であるが、これらX1〜X5のうち少なくとも1つがパーフルオロアルキル基である場合、着色力、色相等の色彩的特性に優れた効果を示すことが本発明で明らかになったためである。ここでいうパーフルオロアルキル基とは、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘキサフルオロプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ノナフルオロブチル基、ノナフルオロイソブチル基等の炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基があげられる。
【0083】
これらX1〜X5のパーフルオロアルキル基は、中でも、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基であることが好ましく、トリフルオロメチル基もしくはペンタフルオロエチル基であることが更に好ましく、トリフルオロメチル基であることが特に好ましい。また、置換位置としては、X4がパーフルオロアルキル基の場合が、特に色彩的特性に優れた効果を示すため好ましい。
【0084】
一般式(1)で示される本発明のアゾ色素の構造として、X1〜X10の基として、特に好ましい組合せは、以下の(イ)および/または(ロ)の形態である。
【0085】
(イ)X4がパーフルオロアルキル基、X7がカルバモイル基またはアリールアミノカルボニル基、X10がアルコキシル基であることが好ましく、更に、X1、X2、X3、X5、X6、X8、X9が水素原子であることが特に好ましい。
【0086】
(ロ)X1が塩素原子、X4がパーフルオロアルキル基であることが好ましく、更に、X7がカルバモイル基またはアリールアミノカルボニル基、X10がアルコキシル基であることがより好ましく、更に、X2、X3、X5、X6、X8、X9が水素原子であることが特に好ましい。
【0087】
本発明は、一般式(1)で表されるアゾ色素の互変異性体もその範囲に含むものである。一般式(1)は、化学構造上取りうる数種の互変異性体の中から極限構造式の形で示しているが、記載された構造以外の互変異性体であってもよく、複数の互変異性体を含有した混合物として用いても良い。例えば、一般式(1)で表されるアゾ色素には、下記一般式(1')で表される互変異性体が考えられる。したがって、本発明は、一般式(1)で表されるアゾ色素の互変異性体である以下の一般式(1’)で表される化合物もその範囲に含むものである。
【0088】
一般式(1’)
【化7】
【0089】
(一般式(1’)中のX1〜X10は、一般式(1)中のX1〜X10と同義である。)
【0090】
本発明の一般式(1)で表されるアゾ色素は、その互変異性体も含んだ、多形とも呼ばれる、いかなる結晶形態の色素であっても良い。
【0091】
結晶多形とは、同じ化学組成を有するが、結晶中における分子又はイオンの配置が異なることを言う。結晶構造によって化学的及び物理的性質が決定され、各多形は、レオロジー、色、及び他の色特性によってそれぞれ区別することができる。また、異なる多形は、粉末X線回折測定(X-Ray Diffraction)やX線結晶構造解析(X-Ray Analysis)によって確認することが可能である。本発明の一般式(1)で表されるアゾ色素に結晶多形が存在する場合、どの多形であってもよく、また2種以上の多形の混合物であっても良いが、結晶型が単一のものを主成分とすることが好ましい。すなわち結晶多形が混入していないものが好ましく、単一の結晶型を有するアゾ色素の含有量はアゾ色素全体に対し70%〜100%、好ましくは80%〜100%、より好ましくは90%〜100%、更に好ましくは95%〜100、特に好ましくは100%である。単一の結晶型を有するアゾ色素を主成分とすることで、色素分子の配列に対して規則性が向上し、分子内・分子間相互作用が強まり、高次な三次元ネットワークを形成しやすくなる。その結果、色彩的特性の向上はもとより、光堅牢性、熱堅牢性、湿度堅牢性、酸化性ガス堅牢性及び耐溶剤性等の性能の点で好ましい。アゾ色素における結晶多形の混合比は、単結晶X線結晶構造解析、粉末X線回折(XRD)、結晶の顕微鏡写真(TEM)、IR(KBr法)等の固体の物理化学的測定値から確認できる。これらアゾ色素およびその互変異性、結晶多形の制御は、アゾ色素を製造する際の製造条件で制御することができる。
【0092】
また、本発明において一般式(1)で表されるアゾ色素は、スルホ基やカルボキシル基のような酸性基を有する場合には、これら酸性基の一部あるいは全部が塩型のものであってもよく、塩型の色素と遊離酸型の色素が混在していてもよい。上記の塩型の例としては、Na、Li、K等のアルカリ金属の塩、Mg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属の塩、含窒素化合物からなるカチオンが好ましい。酸性基としては、スルホ基もしくはカルボキシル基のいずれかが好ましく、スルホ基が特に好ましい。塩型の例としては、レーキ顔料の形態であればアルカリ土類金属との塩であることが好ましく、Mg、Ca、Sr、Baから選ばれるレーキ顔料の形態であることが特に好ましくい。一方、酸性染料の形態であれば含窒素化合物からなるカチオンとの塩であることが好ましく、吸光度、着色力の観点のみで選択した場合には、含窒素化合物としてはできくだけ分子量が低いものが好ましく、分子量400以下のものが好ましい。
【0093】
含窒素化合物からなるカチオンに用いられる窒素化合物の例としては、アシル基、アルキル基もしくはヒドロキシアルキル基で置換されていてもよいアンモニウム塩、又は有機アミンの塩が挙げられる。有機アミンの例としては、低級アルキルアミン、ヒドロキシ置換低級アルキルアミン、アシル置換低級アルキルアミン及び炭素数2〜4のアルキレンイミン単位を2〜10個有するポリアミン等が挙げられる。これらの塩型の場合、その種類は1種類に限られず複数種混在していてもよい。更に、本発明で使用するアゾ色素の構造において、その1分子中に酸性基が複数個含まれる場合は、その複数の酸性基は塩型あるいは酸型であり互いに同じであっても異なっていても良い。
【0094】
本発明において、前記一般式(1)で表されるアゾ色素は、結晶中に水分子を含む水和物であっても良い。
【0095】
本発明は一般式(2)で表されるアゾ化合物、その互変異性体、それらの塩または水和物にも関する。また、本発明の一般式(2)で表されるアゾ化合物の置換基の例および好ましい置換基の組み合わせは、一般式(1)で表されるアゾ色素で挙げたものと同じである。
【0096】
本発明の一般式(1)で表されるアゾ色素および一般式(2)で表されるアゾ化合物、その互変異性体、それらの塩または水和物は、色彩的特性の向上はもとより、光堅牢性、熱堅牢性、湿度堅牢性、酸化性ガス堅牢性及び耐溶剤性等の性能向上の観点から、その分子量としては、1500以下が好ましく、1200以下がより好ましく、1000以下がさらに好ましく、800以下が特に好ましい。
【0097】
以下に、本発明のアゾ色素の合成に関して詳細に説明する。
【0098】
本発明のアゾ色素およびアゾ化合物は、一般式(3)または下記一般式(5)で表されるカップリング成分(ナフトール化合物)と、一般式(4)または下記一般式(6)で表されるジアゾ成分(芳香族アミン)から既知の方法により調製したジアゾニウム塩(ジアゾ化合物)とのカップリング反応によって製造することができる。
【0099】
一般式(5)
【化8】
【0100】
(一般式(5)中、X1〜X5は、それぞれ一般式(1)中のX1〜X5と同義である。)
【0101】
一般式(6)
【化9】
【0102】
(一般式(6)中、X6〜X10は、それぞれ一般式(1)中のX6〜X10と同義である。)
【0103】
一般式(4)または一般式(6)の芳香族アミン(ジアゾ成分)は、市販品で入手することができるものもあるが、公知慣用の方法、例えば特許第4022271号公報に記載の方法で製造することができる。芳香族アミンのジアゾニウム塩化反応は、例えば、硫酸、リン酸、酢酸などの酸性溶媒中、亜硝酸ナトリウム、ニトロシル硫酸、亜硝酸イソアミル等の試薬と、15℃以下の温度で10分〜6時間程度反応させることで行うことができる。カップリング反応は、上述の方法で得られたジアゾニウム塩と上記一般式(3)または一般式(5)で表される化合物とを100℃以下、好ましくは40℃以下で、10分〜12時間程度反応させることで行うことができる。
【0104】
カップリング反応に用いる溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない限り特に制限は無いが、水の他、メタノールやエタノール、2−プロパノール、1−ブタノール等のアルコール系溶媒、エチレングリコールやジエチレングリコール等のグリコール系溶媒およびそのモノアルキルエーテル系溶媒、アセトン、2−ブタノン等のケトン系溶媒、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒、トルエンやキシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、クロロホルム、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、1−クロロナフタレン等のハロゲン系溶媒、氷酢酸、ピリジンなどがあげられる。これらは、ジアゾ成分やカップラー成分の性質によって適時選択して使用するが、上記溶媒を複数混合した混合溶媒を使用することもできる。また、カップリング反応の際に、ジアゾ成分やカップラー成分の溶解を促すために界面活性剤を添加しても良い。
【0105】
このようにして反応させたものは、反応液中でアゾ色素の結晶が析出する場合もあるが、アゾ色素が水やアルコール系溶媒に難溶である場合には、反応液に水、あるいはアルコール系溶媒等を添加し、結晶を析出させ、結晶を濾取しても良い。濾取した結晶を必要に応じて洗浄、乾燥することによって、一般式(1)で表されるアゾ色素ないし一般式(2)で表されるアゾ化合物を得ることができる。
【0106】
上記の製造方法によって得られる一般式(1)で表されるアゾ色素ないし一般式(2)で表されるアゾ化合物が、水や有機溶媒に難溶な顔料の性質を示す場合には、通常、反応終了後に粗顔料(クルード)として得られるが、後述する本発明の分散物や着色組成物として用いる場合、後処理を行うことが望ましい。この後処理の方法としては、例えば、ソルベントソルトミリング、ソルトミリング、ドライミリング、ソルベントミリング、アシッドペースティング等の摩砕処理、溶媒加熱処理などによる顔料粒子制御工程、樹脂、界面活性剤および分散剤等による表面処理工程が挙げられる。
【0107】
本発明の一般式(1)で表されるアゾ色素ないし一般式(2)で表されるアゾ化合物の後処理としては、溶媒加熱処理および/またはソルベントソルトミリングを行うことが好ましい。ここで、溶媒加熱処理に使用される溶媒としては、例えば、水、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭水素系溶媒、イソプロパノール、イソブタノール、ブトキシエタノール等のアルコール系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒、氷酢酸、ピリジン、またはこれらの混合物等が挙げられる。上記で挙げた溶媒に、さらに無機または有機の酸または塩基を加えても良い。溶媒加熱処理の温度は所望する顔料の一次粒子径の大きさによって異なるが、40〜150℃が好ましく、60〜100℃がさらに好ましい。また、処理時間は、30分〜24時間が好ましい。ソルベントソルトミリングとしては、例えば、粗顔料と、無機塩と、それを溶解しない有機溶剤とを混練機に仕込み、その中で混練磨砕を行うことが挙げられる。上記無機塩としては、水溶性無機塩が好適に使用でき、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を用いることが好ましい。また、平均粒子径0.5〜50μmの無機塩を用いることがより好ましい。当該無機塩の使用量は、粗顔料に対して3〜20質量倍とするのが好ましく、5〜15質量倍とするのがより好ましい。有機溶剤としては、水溶性有機溶剤が好適に使用でき、混練時の温度上昇により溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から高沸点溶剤が好ましい。このような有機溶剤としては、例えばジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングルコール、液体ポリプロピレングリコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2ー(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールまたはこれらの混合物が挙げられる。当該水溶性有機溶剤の使用量は、粗顔料に対して0.1〜5質量倍が好ましい。混練温度は、20〜130℃が好ましく、40〜110℃が特に好ましい。混練機としては、例えばニーダーやミックスマーラー等が使用できる。これら後処理によって顔料の平均粒子形を0.01μm〜1μmに調整することが好ましい。
【0108】
また、本発明の一般式(1)で表されるアゾ色素ないし一般式(2)で表されるアゾ化合物の製造方法としては、アゾ色素ないしアゾ化合物可溶体の有機溶媒溶液を流通式反応装置に導入し、流通過程で色素可溶体を顔料に変換する方法により製造しても良い。具体的には流通式反応装置としてマイクロリアクターを用い、ナノメートルサイズのアゾ色素ないしアゾ化合物の分散液を製造する方法であり、例えば、国際公開第2005/105928号パンフレット、特開2007−284665号公報、特開2009−203286号公報記載の方法があげられる。
【0109】
本発明の一般式(1)で表されるアゾ色素および一般式(2)で表されるアゾ化合物、その互変異性体、それらの塩または水和物は、できるだけ高純度であることが望ましい。具体的には、純度が90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上である。純度が低いと、例えば、分散物やインクジェット記録用インクの分散安定性や保存安定性、印字性、着色力が損なわれたり、トナー等の着色組成物の分散安定性、透明性、着色力、色再現性、階調性、耐光性、帯電特性などが損なわれる懸念があるためである。
【0110】
また、本発明の一般式(1)で表されるアゾ色素および一般式(2)で表されるアゾ化合物、その互変異性体、それらの塩または水和物は、その製造に際して、原料である一般式(3)で表されるナフトール化合物や、一般式(4)で表される芳香族アミン、その他、製造中に副反応によって生成する下記一般式(7)で表される芳香族アミン、下記一般式(8)および(9)で表されるトリアゼン誘導体などの不純物の含有量ができるだけ少ないことが望ましい。
【0111】
一般式(7)
【化10】
【0112】
(一般式(7)中、X1〜X5は、それぞれ一般式(1)中のX1〜X5と同義である。)
【0113】
一般式(8)
【化11】
【0114】
(一般式(8)中、X6〜X10は、それぞれ一般式(1)中のX6〜X10と同義である。)
【0115】
一般式(9)
【化12】
【0116】
(一般式(9)中、X1〜X10は、それぞれ一般式(1)中のX1〜X10と同義である。)
【0117】
これら不純物の含有量は、具体的には、一般式(3)で表されるナフトール化合物の含有量は400ppm以下、好ましくは200ppm以下、さらに好ましくは100ppm以下である。また、一般式(4)で表される芳香族アミンの含有量は100ppm以下、好ましくは80ppm以下、さらに好ましくは60ppm以下である。また、一般式(5)〜(7)で表される芳香族アミンやトリアゼン誘導体などの不純物の含有量は100ppm以下、好ましくは50ppm以下である。
【0118】
これらの不純物の含有量が多いと、アゾ色素そのものの粒径や粒径分布、色彩的特性に悪影響を及ぼしやすく、分散物やインクジェット記録用インクの分散安定性や保存安定性、印字性、着色力が損なわれたり、トナー等の着色組成物の分散安定性、透明性、着色力、色再現性、階調性、耐光性、帯電特性などが損なわれる懸念がある。また安全衛生性の面からも、特に芳香族アミンの含有量は少ないことが望ましい。
【0119】
さらに、本発明の一般式(1)で表されるアゾ色素および一般式(2)で表されるアゾ化合物、その互変異性体、それらの塩または水和物は、特にインクジェット記録用インクに使用する場合、含有される多価金属イオンができるだけ少ないことが望ましい。ここで多価金属イオンとは二価以上の金属イオンを指し、具体的には、Ca、Mg、Fe、Cr、Ni、Zr等を指すが、各イオン量の含有量は200ppm以下、好ましくは100ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下である。これら多価金属イオンの含有量が多いと、インクジェット方式による印字に際して、インクジェットのヘッドの目詰まりや、吐出安定性が低下する懸念があるためである。
【0120】
以上述べた一般式(1)で表されるアゾ色素および一般式(2)で表されるアゾ化合物の具体例を以下に示すが、本発明は下記の例に限定されるものではない。
【0121】
【表1】
【0122】
【表1】
【0123】
【表1】
【0124】
【表1】
【0125】
【表1】
【0126】
【表1】
【0127】
【表1】
【0128】
【表1】
【0129】
【表1】
【0130】
【表1】
【0131】
【表1】
【0132】
【表1】
【0133】
【表1】
【0134】
〔分散物〕
本発明の分散物は、前記一般式(1)で表されるアゾ色素ないし一般式(2)で表されるアゾ化合物、互変異性体、その塩または水和物の少なくとも1種を含むことを特徴とする。これにより、色彩的特性および分散安定性に優れた分散物とすることができる。
【0135】
本発明の分散物は、水系であっても非水系であっても良い。本発明の分散物において色素を分散する媒体としては、水、有機溶剤、重合性モノマー等が使用できる。本発明の分散物が水性分散物の場合には、水を主成分とし、所望により親水性有機溶剤を添加した混合物を用いることができる。親水性有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、イソブチルアルコール、2−ブタノール、イソブタノール、tert−ブチルアルコール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、1、5−ペンタンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートトリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等のグリコール誘導体、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン等のアミン類、その他、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の水溶性溶媒が挙げられる。
【0136】
さらに、本発明の水系分散物には水性樹脂を含んでいても良い。水性樹脂としては、水に溶解する水溶解性の樹脂、水に分散する水分散性の樹脂、コロイダルディスバーション樹脂、またはそれらの混合物が挙げられる。水性樹脂としては具体的には、アクリル系、スチレン−アクリル系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、フッ素系等の樹脂が挙げられる。
【0137】
さらに、色素の分散および画質の品質を向上させるため、界面活性剤および分散剤を用いてもよい。界面活性剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、両イオン性の界面活性剤が挙げられ、いずれの界面活性剤を用いても良いが、アニオン性、または非イオン性の界面活性剤を用いるのが好ましい。アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0138】
ノニオン性界面活性剤としては,例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、フッ素系、シリコン系等が挙げられる。
【0139】
非水系分散物は、前記一般式(1)で表されるアゾ色素ないし一般式(2)で表されるアゾ化合物、互変異性体、その塩または水和物を、媒体として非水系ビヒクルに分散してなるものである。非水系ビヒクルに使用される樹脂は、例えば、石油系樹脂、カゼイン、セラック、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、環化ゴム、塩化ゴム、酸化ゴム、塩酸ゴム、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、乾性油、合成乾性油、スチレン/マレイン酸樹脂、スチレン/アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂塩素化ポリプロピレン、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂等が挙げられる。非水系ビヒクルとして、光硬化性樹脂を用いてもよい。
【0140】
また、非水系ビヒクルに使用される溶剤としては、例えば、トルエンやキシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤、エトキシエチルプロピオネート等のプロピオネート系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、アニリン、ピリジン等の窒素化合物系溶剤、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤、カルバミン酸メチルとカルバミン酸エチルの48:52の混合物のようなカルバミン酸エステル等が挙げられる。
【0141】
本発明の分散物は、上記のアゾ色素ないしアゾ化合物および水系もしくは非水径の媒体を分散装置により分散することで得られる。色素を分散する方法は特に制限は無い。分散には、アンカー翼等の一般に用いられている混合撹拌装置を用いることができる。混合撹拌装置の中では、ウルトラディスパー〔浅田鉄鋼株式会社、商品名〕、エバラマイルダー〔株式会社荏原製作所、商品名〕、TKホモミクサー、TKパイプラインミクサー、TKホモジェッター、TKホモミックラインフロー、フィルミックス〔以上、特殊機化工業株式会社、商品名〕、クリアミックス〔エム・テクニック株式会社、商品名〕、ケイディーミル〔キネティック・ディスパージョン社、商品名〕等の高速攪拌混合装置が好ましい。その他、ロールミル、ビーズミル、ニーダー、エクストルーダ等の混練機、高圧ホモゲナイザー〔株式会社イズミフードマシナリ、商品名〕、ミニラボ8.3H型〔Rannie社、商品名〕に代表されるホモバルブ式の高圧ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー〔Microfluidics 社、商品名〕、ナノマイザー〔ナノマイザー株式会社、商品名〕、アルティマイザー〔スギノマシン株式会社、商品名〕、ジーナスPY〔白水化学株式会社、商品名〕、DeBEE2000 〔日本ビーイーイー株式会社、商品名〕等のチャンバー式の高圧ホモジナイザー等を用いて分散する方法が挙げられる。これらの中では、小粒子径化の観点から、ロールミル、ビーズミル、ニーダー及び高圧ホモジナイザーが好ましい。これらの装置は複数を組み合わせることもできる。
【0142】
このような方法で分散物を得た後、沈殿物や粗大粒子を除去するために、更に遠心分離して、沈殿物を分離する工程を含んでも良い。遠心分離に使用する装置としては、一般に、無孔の回転ボウルを高速回転させることによって懸濁物質を遠心沈降させる遠心沈降機、及び側壁に細孔又はスリットを有する回転バスケットが用いられた遠心濾過・脱水機が知られている。本発明では、これらのうち、遠心沈降機を好適に用いることができる〔例えば、化学工学会編「化学装置便覧」、改訂二版第2刷、丸善株式会社、平成8年4月5日、798頁参照〕。遠心沈降機としては、例えば、遠心沈降管型、円筒型、分離板型、バスケット型、スクリデカンター型等の遠心沈降機が挙げられる。
【0143】
本発明において、分散物に含まれる色素の体積平均粒子径は10nm以上250nm以下であることが好ましい。なお、色素粒子の体積平均粒子径とは、色素そのものの粒子径、または色素に分散剤等の添加物が付着している場合には、添加物が付着した粒子径をいう。より好ましい体積平均粒子径は、20nm以上250nm以下であり、更に好ましくは20nm以上230nm以下である。分散物中の粒子の数平均粒子径が10nm未満である場合には、保存安定性が確保できない場合が存在し、一方、250nmを超える場合には、光学濃度が低くなる場合が存在する。ここで、体積平均粒子径は、粒度分布計(日機装社製レーザードップラー式粒度分布計「マイクロトラックUPA−150」)を用いて測定した値である。
【0144】
本発明の分散物に含まれる色素の濃度は、1〜35質量%の範囲であることが好ましく、2〜25質量%の範囲であることがより好ましい。濃度が1質量%に満たないと、インクとして分散物を単独で用いるときに十分な画像濃度が得られない場合がある。濃度が35質量%を超えると、分散安定性が低下する場合がある。
【0145】
本発明のアゾ化合物を含有する分散物も、分散物を構成する上述の成分を同様に含むことができ、分散物に含まれるアゾ化合物の好ましい濃度も色素分散物で記載したものと同様である。
【0146】
本発明のアゾ色素及びアゾ化合物の用途としては、画像、特にカラー画像を形成するための画像記録材料が挙げられ、具体的には、以下に詳述するインクジェット方式記録材料を始めとして、感熱記録材料、感圧記録材料、電子写真方式を用いる記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク、記録ペン等があり、好ましくは、インクジェット方式記録材料、感熱記録材料、電子写真方式を用いる記録材料であり、更に好ましくは、インクジェット方式記録材料である。インクジェット方式記録材料としては、水性インクジェット記録用インク、油性インクジェット記録用インク、活性エネルギー線(紫外線、可視光、赤外線、電子線)硬化性インクジェット記録用インク、ホットメルトインクジェット記録用インクなどがあげられる。また、CCDなどの固体撮像素子やLCD、PDP等のディスプレーで用いられるカラー画像を記録・再現するためのカラーフィルタ、各種繊維の染色のための染色液にも適用できる。
【0147】
〔着色組成物〕
本発明の着色組成物は、少なくとも一種の本発明のアゾ色素またはアゾ化合物と樹脂とを含有する着色組成物を意味する。ここで用いられる樹脂は、その用途によって異なるが、例えばカラーフィルタ用途では、アルカリ溶解性を有する樹脂が好ましい。その場合の樹脂は、色素の分散媒として作用し、不飽和カルボン酸から導かれる構成単位からなる共重合体であることが好ましい。
【0148】
前記の不飽和カルボン酸から導かれる構成単位としては、具体的には、アクリル酸から導かれる構成単位及びメタクリル酸から導かれる構成単位が挙げられる。アクリル酸及びメタクリル酸は、それぞれ単独で、又は両者を組み合わせて用いることができる。また、これらのアクリル酸やメタクリル酸に加えて、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸など、他の不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種のカルボン酸を併用することもできる。また、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキシル基を含有するモノマーを併用することもできる。
【0149】
前記の樹脂は、以上のような不飽和カルボン酸から導かれる構成単位と、前記の不飽和カルボン酸から導かれる構成単位と共重合可能な構成単位とからなる共重合体であることが好ましい。前記の不飽和カルボン酸から導かれる構成単位と共重合可能な構成単位としては、好ましくは(メタ)アクリル酸エステルから導かれる構成単位が挙げられる。
【0150】
(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリレート化合物が挙げられ、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びアミノエチル(メタ)アクリレートのような不飽和カルボン酸の無置換又は置換アルキルエステル;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、メンチル(メタ)アクリレート、シクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキセニル(メタ)アクリレート、シクロヘプテニル(メタ)アクリレート、シクロオクテニル(メタ)アクリレート、メンタジエニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ピナニル(メタ)アクリレート、トリシクロデシル(メタ)アクリレート、トリシクロデシルオキシエチル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ノルボルネニル(メタ)アクリレート、ピネニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート及びジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートのような不飽和カルボン酸の脂環式基を含むエステル;グリシジル(メタ)アクリレートのような不飽和カルボン酸グリシジルエステル;オキセタン(メタ)アクリレートのような不飽和カルボン酸オキセタンエステル;オリゴエチレングリコールモノアルキル(メタ)アクリレートのようなグリコール類のモノ飽和カルボン酸エステルなどが挙げられ、好ましくは、メチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートが挙げられる。ここで、(メタ)アクリレートはアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを示す。
【0151】
樹脂は、さらに、不飽和カルボン酸及びアクリル酸エステルと共重合が可能な他の構成単位を含んでいてもよい。不飽和カルボン酸及びアクリル酸エステルと共重合が可能な他の構成単位としては、スチレン、α−メチルスチレン及びビニルトルエンのような芳香族ビニル化合物;酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニルのようなカルボン酸ビニルエステル;(メタ)アクリロニトリル及びα−クロロアクリロニトリルのようなシアン化ビニル化合物;N−フェニルマレイミドのようなマレイミド化合物;から導かれる構成単位などが挙げられる。
【0152】
上述したこれらの化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0153】
不飽和カルボン酸から導かれる構成単位と共重合可能な構成単位としては、(メタ)アクリル酸エステルから導かれる構成単位が好ましく、特に(メタ)アクリル酸の無置換又は置換アルキルエステルや(メタ)アクリル酸の脂環式炭化水素基を含むエステルから導かれる構成単位が好ましい。
【0154】
樹脂において、不飽和カルボン酸から導かれる構成単位は、前記共重合体の全構成単位のうち、質量分率で、通常10〜50質量%、好ましくは15〜40質量%で存在させるのが好ましい。不飽和カルボン酸から導かれる構成単位が前記の基準で10〜50質量%であると、現像液への溶解性が十分であるので、未露光部の基板上に残渣が発生することなく、また現像時に露光部の画素部分の膜減りが生じることがなく画素全体が剥離することがない傾向にあり、好ましい。
【0155】
共重合は一般に、重合開始剤を用いて、溶媒中で行われる。重合開始剤としては、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリルや2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオン酸メチル)のようなアゾ化合物、過酸化ベンゾイルや過酸化−tert−ブチルのような過酸化物などが挙げられる。また溶媒は、各モノマーを溶解するものであればよく、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類などが挙げられる。反応温度は、重合開始剤の分解温度や溶剤及びモノマーの沸点などを考慮して決定すればよい。なお、このようにして得られる共重合体の側鎖を、感光性基を有する化合物で変成して、感光性の樹脂とすることもできる。この際、樹脂に感光性基を導入するための触媒を加えてもよい。触媒としては、たとえばトリスジメチルアミノメチルフェノールが挙げられる。また、副反応を防ぐための添加剤を加えてもよい。添加剤としては、たとえばハイドロキノンが挙げられる。
【0156】
また、本発明の着色組成物を各種レジストなどの光重合組成物や光硬化性組成物として用いる場合には、分高感度を高め、光硬化後の膜特性を向上させる目的で、増感剤や光重合開始剤と併用することが可能である。
【0157】
本発明の着色組成物に使用可能な増感剤としては、ベンゾフェノン類、カルコン誘導体やジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノンなどに代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体などが挙げられ、その他さらに具体例には大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられ、これらは必要に応じて任意の比率で二種以上用いてもかまわない。上記、増感剤の中でチオキサントン誘導体としては、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等を挙げることができ、ベンゾフェノン類としては、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4,4'−ジメチルベンゾフェノン、4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等を挙げることができ、クマリン類としては、クマリン1、クマリン338、クマリン102等を挙げることができ、ケトクマリン類としては、3,3'−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの増感剤は着色組成物中、0.1〜10%、好ましくは1〜5%の範囲で含有されるのが好ましい。
【0158】
また、本発明の着色組成物に使用可能な光重合開始剤としては、イルガキュアー651、イルガキュアー127、イルガキュアー184、ダロキュアー1173、イルガキュアー500、イルガキュアー1000、イルガキュアー2959、イルガキュアー907、イルガキュアー369、イルガキュアー379、イルガキュアー1700、イルガキュアー149、イルガキュアー1800、イルガキュアー1850、イルガキュアー819、イルガキュアー754、イルガキュアー784、イルガキュアー261、イルガキュアーOXE−01(CGI124)、CGI242(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社)、アデカオプトマーN1414、アデカオプトマーN1717(旭電化社)、EsacureKIPシリーズ、EsacureONE、Esacure1001M(Lamberti社)、特公昭59−1281号公報、特公昭61−9621号公報ならびに特開昭60−60104号公報記載のトリアジン誘導体、特開昭59−1504号公報ならびに特開昭61−243807号公報記載の有機過酸化物、特公昭43−23684号公報、特公昭44−6413号公報、特公昭47−1604号公報ならびにUSP第3567453号明細書記載のジアゾニウム化合物、USP第2848328号明細書、USP第2852379号明細書ならびにUSP第2940853号明細書記載の有機アジド化合物、特公昭36−22062号公報、特公昭37−13109号公報、特公昭38−18015号公報ならびに特公昭45−9610号公報記載のオルト−キノンジアジド類、特公昭55−39162号公報、特開昭59−140203号公報ならびに「マクロモレキュルス(MACROMOLECULES)」、第10巻、第1307頁(1977年)記載のヨードニウム化合物をはじめとする各種オニウム化合物、特開昭59−142205号公報記載のアゾ化合物、特開平1−54440号公報、ヨーロッパ特許第109851号明細書、ヨーロッパ特許第126712号明細書、「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(J.IMAG.SCI.)」、第30巻、第174頁(1986年)記載の金属アレン錯体、特開昭61−151197号公報記載のチタノセン類、「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(COORDINATION CHEMISTRY REVIEW)」、第84巻、第85〜第277頁(1988年)ならびに特開平2−182701号公報記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体、特開平3−209477号公報記載のアルミナート錯体、特開平2−157760号公報記載のホウ酸塩化合物、特開昭55−127550号公報ならびに特開昭60−202437号公報記載の2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、2,2'−ビス(o−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,1'−ビイミダゾール、四臭化炭素や特開昭59−107344号公報記載の有機ハロゲン化合物、特開平5−213861号公報、特開平5−255347号公報、特開平5−255421号公報、特開平6−157623号公報、特開2000−344812号公報、特開2002−265512号公報、特願2004−053009号公報、ならびに特願2004−263413号公報記載のスルホニウム錯体またはオキソスルホニウム錯体、特開2001−264530号公報、特開2001−261761号公報、特開2000−80068号公報、特開2001−233842号公報、USP3558309号明細書(1971年)、USP4202697号明細書(1980年)、特開昭61−24558号公報、特表2004−534797号公報、ならびに特開2004−359639号公報記載のオキシムエステル化合物、特表2002−530372号公報記載の2官能性重合開始剤等が挙げられ、これらの光重合開始剤は着色組成物中、0.1〜10%、好ましくは1〜5%の範囲で含有されるのが好ましい。
【0159】
本発明の着色組成物に使用可能な樹脂としては、ポリスチレン換算の重量平均分子量が5,000〜100,000であることが好ましく、より好ましくは7,000〜50,000である。樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量が、5,000〜100,000であると、現像時に膜減りが生じにくく、また現像時に非画素部分の抜け性が良好である傾向にあり、好ましい。樹脂は、着色感光性樹脂組成物中の全固形分量に対して、通常5〜90質量%、好ましくは10〜70質量%で含有される。前記の樹脂の含有量が、前記の基準で5〜90質量%であると、現像液への溶解性が十分であり、非画素部分の基板上に現像残渣が発生しにくく、また現像時に露光部の画素部分の膜減りが生じにくく、非画素部分の抜け性が良好な傾向にあり、好ましい。
【0160】
また、本発明の着色組成物に使用可能な樹脂の内、一般にトナーとして知られる電子写真方式を用いる記録材料として用いられる樹脂としては、公知のバインダー樹脂(結着樹脂)がいずれも使用でき、特に制限されない。重合法および凝集法トナーの製造におけるバインダー樹脂を構成する重合性単量体も同様である。バインダー樹脂の製造に使用される重合性単量体としては、例えば、スチレンあるいはスチレン誘導体、メタアクリル酸エステル類、アクリル酸エステル類、オレフィン類、ハロゲン系ビニル類、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、ビニル化合物類、アクリル酸、メタクリル酸等があり、これらは単独あるいは組み合わせて使用することができる。これらの重合性単量体は、ラジカル重合開始剤、例えば、アゾ系またはジアゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤、過硫酸塩系重合開始剤、過酸化水素等を用いて重合することができる。粉砕法用の樹脂として使用されるものは、例えば、スチレン・アクリル系樹脂、スチレン・メタアクリル系樹脂等の共重合体、必要ならば架橋成分を含有するポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等があり、これらを単独あるいは組み合わせて使用することができる。
【0161】
トナーの帯電制御は、バインダー樹脂、着色剤自体で行っても良いが、必要に応じて帯電制御剤を併用しても良い。トナーに適した帯電制御も同様に公知のものが全て使用できる。例えば正帯電制御剤として4級アンモニウム塩等が、負帯電制御剤としてサリチル酸系金属錯体等を用いることができる。
【0162】
トナー用途で使用されるバインダー樹脂の内、ワックス類としては、オレフィン系ワックスがあげられ、好ましくは低分子量ポリプロピレン、ポリエチレン、パラフィンワックス、高級脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、シリコン等があげられる。これら以外の成分として上記樹脂と着色剤を主成分とするトナー粒子に対して無機微粒子や有機微粒子等で構成される内添剤または外添加剤を添加したものであってもよい。
【0163】
トナーとしては、例えば、磁性体を含有させて一成分磁性トナーとして使用する場合、いわゆるキャリアと混合して二成分現像剤として使用する場合、非磁性トナーを単独で使用する場合等が挙げられる。
【0164】
本発明の着色組成物は、媒体を含有させることができるが、媒体として溶媒を用いた場合は、特にインクジェット記録用インクとして好適である。本発明の着色組成物は、媒体として、親油性媒体や水性媒体を用いて、それらの中に、本発明のアゾ色素を溶解もしくは分散させることによって作製することができる。好ましくは、水性媒体を用いる場合である。本発明の着色組成物には、媒体を除いたインク用組成物も含まれる。本発明の着色組成物は、必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有しうる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤(特開2003−306623号公報に記載)が挙げられる。これらの各種添加剤は、水系インクの場合にはインク液に直接添加する。油系インクの場合には、アゾ色素の分散物の調製後、分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
【0165】
〔インクジェット記録用インク〕
次に、インクジェット記録用インクについて説明する。
インクジェット記録用インク(以下、「インク」という場合がある)は、上記で説明した本発明の分散物を用いる。好ましくは、水溶性溶媒、水等を混合して調整される。ただし、特に問題が無い場合は、前記本発明の分散物をそのまま用いても良い。
【0166】
インク中の分散物の含有割合は、記録媒体上に形成した画像の色相、色濃度、再度、透明性等を考慮すると、1〜100質量%の範囲が好ましく3〜20質量%の範囲が特に好ましく、その中でも3〜10質量%の範囲が最も好ましい。
【0167】
インク100質量部中に、本発明のアゾ色素またはアゾ化合物を0.1質量部以上20質量部以下含有するのが好ましく、0.2質量部以上10質量部以下含有するのがより好ましく、1〜10質量部含有するのがさらに好ましい。また、インクには、本発明の色素とともに、他の色素(染料や顔料)を併用してもよい。2種類以上の色素を併用する場合は、色素の含有量の合計が前記範囲となっているのが好ましい。
【0168】
インクは、単色の画像形成のみならず、フルカラーの画像形成に用いることができる。フルカラー画像を形成するために、マゼンタ色調インク、シアン色調インク、及びイエロー色調インクを用いることができ、また、色調を整えるために、更にブラック色調インクを用いてもよい。
【0169】
さらに、インクは、上記本発明における色素の他に、以下に示す他の顔料や染料を同時に用いることが出来る。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれであってもよい。また、必要に応じて、それらと体質顔料を併用することもできる。
【0170】
無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、金属酸化物、金属硫化物、金属塩化物等が挙げられる。これらの中では、特に黒色水系インクにおいては、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。
【0171】
特に黒色水系インクとして使用されるカーボンブラックとしては、具体的には、三菱化学(株)製のNo.2300、No.900、HCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No2200B等が、コロンビア社製のRaven5750、Raven5250、Raven5000、Raven3500、Raven1255、Raven700等が、キャボット社製のRegal400R、Regal330R、Regal660R、Mogul L、Monarch700、Monarch800、Monarch880、Monarch900、Monarch1000、Monarch1100、Monarch1300、Monarch1400等が、デグッサ社製のColor Black FW1、Color Black FW2、ColorBlack FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color Black S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、SpecialBlack 4A、Special Black 4等が使用できるが、これらに限定されるものではない。
【0172】
その他の無機顔料の具体例としては、たとえばピグメント・イエロー42、ピグメント・ホワイト6、ピグメント・ブルー27、ピグメント・ブルー29、ピグメント・ブラック7等が挙げられる。
【0173】
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、ジアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アントラキノン顔料、キノフタロン顔料、レーキ顔料、ジケトピロロピロール顔料等が挙げられる。また、本発明に使用される有機顔料は、例えば、シアン顔料、イエロー顔料、マゼンタ顔料、バイオレット顔料、グリーン顔料、オレンジ顔料等の有彩色顔料を挙げることができる。尚、有彩色とは、白から灰色を経て黒に至る系列の色(無彩色)以外のすべての色をいう。
【0174】
適用できるイエロー顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・イエロー1、3、12、13、14、17、24、35、37、42、53、55、74、81、83、93、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、128、129、138、139、147、150、151、153、154、155、174、180、181、185、188、191、198、213等があげられる。
【0175】
適用できるマゼンタ顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・レッド1、3、5、8、9、16、17、19、22、31、38、48:1、48:2、48:3、48:4、53:2、57:1、57:2、57:3、81、81:1、81:2、81:3、81:4、81:5、90、112、122、123、127、146、147、149、150、176、177、179、184、185、188、202、206、207、209、222、242、245、254、256、269、C.I.ピグメント・バイオレット19、等があげられる。
【0176】
適用できるシアン顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・ブルー1、2、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、60、80、C.I.バット・ブルー4、60、アルミニウムフタロシアニン等があげられる。
【0177】
適用できるバイオレット顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・バイオレット1、3、5:1、16、23、27、37、38、42等があげられる。
【0178】
適用できるグリーン顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・グリーン4、7、36、58等があげられる。
【0179】
適用できるオレンジ顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・オレンジ5、13、16、34、36、43、48、61、71等があげられる。
【0180】
適用できるイエロー染料としては、例えば、C.I.アシッド・イエロー23、C.I.ダイレクト・イエロー86、132、C.I.ソルベント・イエロー29、30等があげられる。
【0181】
適用できるマゼンタ染料としては、例えば、C.I.アシッド・レッド52、92、289、249、254、C.I.ダイレクト・レッド227、C.I.ソルベント・レッド18、49等があげられる。
【0182】
適用できるシアン染料としては、例えば、C.I.アシッド・ブルー9、C.I.ダイレクト・ブルー86、87、199、C.I.ソルベント・ブルー70等があげられる。
【0183】
適用できるブラック染料としては、例えば、C.I.ソルベント・ブラック3、7、及びニグロシン系の黒色染料等があげられる。
【0184】
これらの顔料や染料は、単独でも、2種以上を任意の割合で混合して用いることができる。また上記有機顔料の固溶体も挙げられる。例えば、マゼンタ顔料の固溶体としては、色調の観点から、C.I.ピグメント・バイオレットとC.I.ピグメント・レッドの固溶体が好ましく、更にC.I.ピグメント・バイオレット19とC.I.ピグメント・レッド122の固溶体、もしくはC.I.ピグメント・バイオレット19とC.I.ピグメント・レッド202の固溶体が好ましく、特にγ型C.I.ピグメント・バイオレット19とC.I.ピグメント・レッド202の固溶体が好ましい。さらに、体質顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
【0185】
インクジェット記録用インクに用いられる水溶性溶媒としては、本発明の分散物において色素を分散する媒体として使用できるものと同じものを使用することができ、具体的には、前記のアルコール類、多価アルコール類、グリコール誘導体、アミン類、その他水溶性溶媒などを使用することができる。これらインクジェット記録用インクに用いられる水溶性溶媒は、単独で使用しても、2種類以上混合して使用しても構わない。これらの溶媒の中では、2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、N−メチル−2−ピロリドン等の水と任意の割合で混和可能な有機溶媒がより好ましい。
【0186】
水溶性溶媒の含有量としては、インク全体の1質量%以上60質量%以下、好ましくは、5質量%以上40質量%以下で使用される。インク中の水溶性溶媒量が1質量%よりも少ない場合には、十分な光学濃度が得られない場合があり、逆に、60質量%よりも多い場合には、インクの粘度が大きくなり、インクの噴射特性が不安定になる場合がある。
【0187】
インクジェット記録用インクの好ましい物性は以下の通りである。インクの表面張力は、20mN/m以上60mN/m以下であることが好ましい。より好ましくは、20mN以上45mN/m以下であり、更に好ましくは、25mN/m以上35mN/m以下である。表面張力が20mN/m未満となると、記録ヘッドのノズル面に液体が溢れ出し、正常に印字できない場合がある。一方、60mN/mを超えると、印字後の記録媒体への浸透性が遅くなり、乾燥時間が遅くなる場合がある。尚、上記表面張力は、ウイルヘルミー型表面張力計を用いて、23℃、55%RHの環境下で測定した。
【0188】
インクの粘度は、記録ヘッドの構造や特性によっても異なるが、1.2mPa・s以上20mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは1.5mPa・s以上15mPa・s未満、更に好ましくは2.5mPa・s以上9.5mPa・s未満である。特に記録ヘッドが、サーマル型の場合には、2.5mPa・s以上4.0mPa・s以下であることが好ましく、ピエゾ型の場合には、3.5mPa・s以上9.5mPa・s以下であることが好ましい。インクの粘度が20mPa・sより大きい場合には、吐出性が低下する場合がある。一方、1.2mPa・sより小さい場合には、長期噴射性が悪化する場合がある。なお、上記粘度(後述するものを含む)の測定は、回転粘度計レオマット115(Contraves社製)を用い、23℃でせん断速度を1400s-1として行った。
【0189】
インクには、前記各成分に加えて、上記の好ましい表面張力及び粘度となる範囲で、水が添加される。水の添加量は特に制限は無いが、好ましくは、インク全体に対して、10質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは、30質量%以上80質量%以下である。
【0190】
さらに必要に応じて、吐出性改善等の特性制御を目的とし、ポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、多糖類及びその誘導体、その他水溶性ポリマー、アクリル系ポリマーエマルション、ポリウレタン系エマルション、親水性ラテックス等のポリマーエマルション、親水性ポリマーゲル、シクロデキストリン、大環状アミン類、デンドリマー、クラウンエーテル類、尿素及びその誘導体、アセトアミド、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等を用いることができる。
【0191】
また、導電率、pHを調整するため、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属類の化合物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属類の化合物、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等の含窒素化合物、硫酸、塩酸、硝酸等の酸、硫酸アンモニウム等の強酸と弱アルカリの塩、酢酸、プロピオン酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グリセリン酸等の有機酸等を使用することができる。中和度は、特に限定はないが、通常、10〜200%であることが好ましく、さらに20〜150%、特に50〜150%であることが好ましい。その他必要に応じ、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤等も添加することができる。
【実施例】
【0192】
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例中、「部」とは質量部を表す。
【0193】
尚、本発明のアゾ色素およびアゾ化合物の構造決定および同定に際しては、元素分析および赤外吸収スペクトルを用いた。元素分析は、パーキン・エルマー社製 2400 CHN Element Analyzerを用いた。赤外吸収スペクトルは、日本分光(株)社製のフーリエ変換席外分光光度計FT/IR−410を使用して、分解能2cm-1、KBr錠剤法にて測定した。
【0194】
〔アゾ顔料およびアゾ化合物の製造方法〕
本発明において、前記一般式(3)ないし下記一般式(5)で表されるカップリング成分(ナフトール化合物)は公知の方法で合成することができる。また、本発明のアゾ色素およびアゾ化合物は、前記一般式(3)ないし下記一般式(5)で表されるカップリング成分(ナフトール化合物)と、前記一般式(4)ないし下記一般式(6)で表されるジアゾ成分(芳香族アミン)から、既知の方法により調製したジアゾニウム塩(ジアゾ化合物)とのカップリング反応によって製造(合成)することができる。本発明のアゾ色素およびアゾ化合物の具体的な製造方法(合成方法)を、以下、実施例にて具体的に記す。
【0195】
(実施例1)
以下に、前記アゾ色素1の具体的な合成方法をその反応スキーム(下記反応スキームA)とともに示す。本発明に係る他のアゾ色素およびアゾ化合物も同様のスキームで合成することができる。なお、アゾ色素およびアゾ化合物の製造方法(合成方法)は以下の方法に限定されるものではない。
【0196】
【化13】
【0197】
(1)化合物(B)の合成
トルエン57.3gに、2,3−ヒドロキシナフトエ酸9.0g(0.048mol)、およびN,N−ジメチルホルムアミド0.12gを加え、85℃に加熱後、塩化チオニル55.63g(0.468mol)を15分間で滴下した。滴下終了後、1時間還流した。別途調製した化合物(A)8.09g(0.050mol)とトルエン26.4gを85℃に加熱した溶液に、上記反応溶液を30分間かけて滴下し、2時間加熱還流した。この反応液を95℃に冷却後、28%アンモニア水溶液0.8gおよび水2.0gを加え、95〜100℃にて15分間攪拌後、トルエンおよび未反応の化合物(A)を水蒸気蒸留により除去した。析出した反応物をろ取し、熱湯で洗浄後、乾燥して化合物(B)を15.2g(収率:95.8%)得た。化合物(B)の赤外吸収スペクトルを図1に示す。
【0198】
(2)アゾ色素1の合成
水72gに化合物(C)3.63g(0.015mol)を加えた後、35%塩酸5.73gを加え、−2〜0℃になるよう冷却した。この溶液に25%亜硝酸ナトリウム水溶液4.22g(0.015mol)を加えた後、0〜5℃に保持しながら、30分間攪拌し、ジアゾニウム溶液を調製した。別途、前期の方法で得た化合物(B)5.60g(0.015mol)と、25%水酸化ナトリウム溶液8.81g、メチルアルコール62gからなるカップラー溶液を調製した。調製したジアゾニウム溶液とカップラー溶液を、同時にpH5.4の酢酸バッファー溶液45gとメチルアルコール50gからなる混合溶液に10分間で滴下した。滴下終了後、室温で30分間攪拌した後、さらに、60℃に保持しながら15分間攪拌し、析出した反応物をろ取し、熱湯およびメタノールの混合溶液で洗浄後、乾燥してアゾ色素1を8.59g(収率:98%)得た。アゾ色素1の赤外吸収スペクトルを図2に示す。
【0199】
(実施例2)
(アゾ色素2の合成)
実施例1で使用した化合物(A)のかわりに、3−アミノベンズトリフロリドを0.050mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素2を7.97g(収率98%)得た。アゾ色素2の赤外吸収スペクトルを図3に示す。
【0200】
(実施例3)
(アゾ色素3の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−4−メトキシベンズアミドを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素3を7.97g(収率97%)得た。アゾ色素3の赤外吸収スペクトルを図4に示す。
【0201】
(実施例4)
(アゾ色素4の合成)
実施例1で使用した化合物(A)のかわりに、3−アミノベンズトリフロリドを0.050mol量、および3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−4−メトキシベンズアミドを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素4を7.97g(収率97%)得た。アゾ色素4の赤外吸収スペクトルを図5に示す。
【0202】
(実施例5)
(アゾ色素5の合成)
実施例1で使用した化合物(A)のかわりに、2−アミノベンズトリフロリドを0.050mol量、および3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−4−メトキシベンズアミドを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素5を7.97g(収率95%)得た。アゾ色素5の赤外吸収スペクトルを図6に示す。
【0203】
(実施例6)
(アゾ色素6の合成)
実施例1で使用した化合物(A)のかわりに、5−クロロ−2−アミノベンズトリフロリドを0.050mol量、および3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−4−メトキシベンズアミドを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素6を7.97g(収率97%)得た。アゾ色素6の赤外吸収スペクトルを図7に示す。
【0204】
(実施例7)
(アゾ色素7の合成)
実施例1で使用した化合物(A)のかわりに、3,5−ビス(トリフロオロメチル)アニリンを0.050mol量、および3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−4−メトキシベンズアミドを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素7を7.97g(収率96%)得た。アゾ色素7の赤外吸収スペクトルを図8に示す。
【0205】
(実施例8)
(アゾ色素8の合成)
実施例1で使用した化合物(A)のかわりに、4−フルオロ−3−アミノベンズトリフロリドを0.050mol量、および3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−4−メトキシベンズアミドを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素8を7.97g(収率96%)得た。アゾ色素8の赤外吸収スペクトルを図9に示す。
【0206】
(実施例9)
(アゾ色素9の合成)
実施例1で使用した化合物(A)のかわりに、2−クロロ−5−アミノベンズトリフロリドを0.050mol量、および3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−4−メトキシベンズアミドを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素9を7.97g(収率97%)得た。アゾ色素9の赤外吸収スペクトルを図10に示す。
【0207】
(実施例10)
(アゾ色素10の合成)
実施例1で使用した化合物(A)のかわりに、4−アミノベンズトリフロリドを0.050mol量、および3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−4−メトキシベンズアミドを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素10を7.97g(収率95%)得た。アゾ色素10の赤外吸収スペクトルを図11に示す。
【0208】
(実施例11)
(アゾ色素11の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−4−メチルベンズアミドを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素11を7.97g(収率97%)得た。
【0209】
(実施例12)
(アゾ色素12の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−4−メトキシベンズ−(2’−クロロ−5’−トリフルオロメチル)アニリドを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素12を7.97g(収率96%)得た。アゾ色素12の赤外吸収スペクトルを図12に示す。
【0210】
(実施例13)
(アゾ色素13の合成)
実施例1で使用した化合物(A)のかわりに、3−アミノベンズトリフロリドを0.050mol量、および3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−4−メトキシベンズ−(3’−トリフルオロメチル)アニリドを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素13を7.97g(収率95%)得た。アゾ色素13の赤外吸収スペクトルを図13に示す。
【0211】
(実施例14)
(アゾ色素14の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、下記化合物(D)を0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素14を7.97g(収率95%)得た。アゾ色素14の赤外吸収スペクトルを図14に示す。
【0212】
化合物(D)
【化14】
【0213】
(実施例15)
(アゾ色素15の合成)
実施例1で使用した(A)のかわりに、3−アミノベンズトリフロリドを0.050mol量、および3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、化合物(D)を0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素15を7.97g(収率97%)得た。アゾ色素15の赤外吸収スペクトルを図15に示す。
【0214】
(実施例16)
(アゾ色素16の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4’−アミノ−2’−メトキシ−5’−メチルベンズアニリドを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素16を7.97g(収率96%)得た。
【0215】
(実施例17)
(アゾ色素17の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、2−アミノフェノールを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素17を6.78g(収率93%)得た。
【0216】
(実施例18)
(アゾ色素18の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、5−ニトロ−2−メトキシアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素18を7.85g(収率96%)得た。
【0217】
(実施例19)
(アゾ色素19の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、2−アミノベンズニトリルを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素19を7.05g(収率95%)得た。
【0218】
(実施例20)
(アゾ色素20の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、2−アミノスチレンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素20を6.84g(収率92%)得た。
【0219】
(実施例21)
(アゾ色素21の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−エチニルアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素21を6.74g(収率91%)得た。
【0220】
(実施例22)
(アゾ色素22の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4−シクロヘキシルアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素22を7.87g(収率95%)得た。
【0221】
(実施例23)
(アゾ色素23の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、2−(4’−アミノフェニル)ピリジンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素23を7.94g(収率97%)得た。
【0222】
(実施例24)
(アゾ色素24の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4−(4’−アミノフェニル)ピペリジンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素24を7.70g(収率93%)得た。
【0223】
(実施例25)
(アゾ色素25の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、2−フェノキシアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素25を8.09g(収率96%)得た。
【0224】
(実施例26)
(アゾ色素26の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、アミノテレフタル酸ジメチルを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素26を8.53g(収率97%)得た。
【0225】
(実施例27)
(アゾ色素27の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、2’−アミノアセトフェノンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素27を7.45g(収率97%)得た。
【0226】
(実施例28)
(アゾ色素28の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、2−アミノ安息香酸フェニルエステルを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素28を8.41g(収率95%)得た。
【0227】
(実施例29)
(アゾ色素29の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、2−アミノベンゾフェノンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素29を8.26g(収率96%)得た。
【0228】
(実施例30)
(アゾ色素30の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アミノ−N−メチルベンズアミドを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素30を7.67g(収率97%)得た。
【0229】
(実施例31)
(アゾ色素31の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−メチルスルホニルアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素31を7.97g(収率97%)得た。
【0230】
(実施例32)
(アゾ色素32の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−フェニルスルホニルアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素32を8.97g(収率98%)得た。
【0231】
(実施例33)
(アゾ色素33の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−スルファモイルアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素33を7.81g(収率95%)得た。
【0232】
(実施例34)
(アゾ色素34の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−(N,N−ジメチル)アミノスルホニルアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素34を8.24g(収率95%)得た。
【0233】
(実施例35)
(アゾ色素35の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−(N−フェニル)アミノスルホニルアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素35を9.46g(収率97%)得た。
【0234】
(実施例36)
(アゾ色素36の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−メチルスルフィニルアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素36を7.82g(収率98%)得た。
【0235】
(実施例37)
(アゾ色素37の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−フェニルスルフィニルアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素37を9.73g(収率98%)得た。
【0236】
(実施例38)
(アゾ色素38の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−アセチルアミノアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素38を7.59g(収率96%)得た。
【0237】
(実施例39)
(アゾ色素39の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−ベンゾイルアミノアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素39を8.66g(収率98%)得た。
【0238】
(実施例40)
(アゾ色素40の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−(N−メトキシカルボニル)アミノアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素40を7.76g(収率95%)得た。
【0239】
(実施例41)
(アゾ色素41の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−(N−フェノキシカルボニル)アミノアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素41を8.71g(収率96%)得た。
【0240】
(実施例42)
(アゾ色素42の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−(N−メチルスルホニル)アミノアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素42を8.19g(収率97%)得た。
【0241】
(実施例43)
(アゾ色素43の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−(N−ベンゼンスルホニル)アミノアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素43を9.09g(収率97%)得た。
【0242】
(実施例44)
(アゾ色素44の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−ウレイドアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素44を7.44g(収率94%)得た。
【0243】
(実施例45)
(アゾ色素45の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、3−(N−スルファモイル)アミノアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素45を8.12g(収率96%)得た。
【0244】
(実施例46)
(アゾ色素46の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、2−メルカプトアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素46を7.15g(収率95%)得た。
【0245】
(実施例47)
(アゾ色素47の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4−メチルチオアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素47を7.35g(収率95%)得た。
【0246】
(実施例48)
(アゾ色素48の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4−フェニルチオアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素48を8.32g(収率96%)得た。
【0247】
(実施例49)
(アゾ色素49の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4−トリメチルシリルアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素49を7.81g(収率96%)得た。
【0248】
(実施例50)
(アゾ色素50の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4−ジメチルフェニルシリルアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素50を8.70g(収率96%)得た。
【0249】
(実施例51)
(アゾ色素51の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4−ジフェニルメチルシリルアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素51を9.59g(収率96%)得た。
【0250】
(実施例52)
(アゾ色素52の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4−トリフェニルシリルアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素52を10.6g(収率97%)得た。
【0251】
(実施例53)
(アゾ色素53の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4−トリメチルシロキシアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素53を8.12g(収率97%)得た。
【0252】
(実施例54)
(アゾ色素54の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4−ジメチルフェニルシロキシアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素54を9.02g(収率97%)得た。
【0253】
(実施例55)
(アゾ色素55の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4−ジフェニルメチルシロキシアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素55を9.92g(収率97%)得た。
【0254】
(実施例56)
(アゾ色素56の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4−トリフェニルシロキシアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素56を10.8g(収率97%)得た。
【0255】
(実施例57)
(アゾ色素57の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4−(N,N−ジメチル)アミノアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素57を7.46g(収率97%)得た。
【0256】
(実施例58)
(アゾ色素58の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4−(N−フェニル)アミノアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素58を8.16g(収率97%)得た。
【0257】
(実施例59)
(アゾ色素59の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4−[N−(4−ピペリジル)]アミノアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素59を8.18g(収率96%)得た。
【0258】
(実施例60)
(アゾ色素60の合成)
実施例1で使用した3−アミノ−4−メトキシベンズアニリドのかわりに、4−[N−(チエニル)]アミノアニリンを0.015mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素60を8.16g(収率96%)得た。
【0259】
(実施例61)
以下に、前記アゾ色素61の具体的な合成方法をその反応スキーム(下記反応スキームA)とともに示す。本発明に係る他のアゾ色素およびアゾ化合物も同様のスキームで合成することができる。なお、アゾ色素およびアゾ化合物の製造方法(合成方法)は以下の方法に限定されるものではない。
【0260】
【化15】
【0261】
アゾ色素61の合成
25%水酸化ナトリウム溶液1.12g、水13.2gからなる混合溶液に、化合物(C)を1.42g(0.007mol)を加えた、−2〜0℃になるよう冷却した。この溶液に25%亜硝酸ナトリウム水溶液1.97g(0.007mol)を加えた後、0〜5℃に保持しながら、15分間攪拌した。この混合溶液を、35%塩酸2.28g、水10。0g、氷、10.0gからなる混合溶液に、−2〜0℃に保持しながら素早く加えた後、0〜5℃に保持しながら30分間攪拌した。別途調製した前期の方法で得た化合物(B)2.61g(0.07mol)と、25%水酸化ナトリウム溶液2.58g、メチルアルコール14.0gからなる混合溶液に、この反応溶液を5℃以下を保持しながら15分間で滴下した。滴下終了後、室温で一晩攪拌した後、塩化ナトリウム10gを加え、65℃に保持しながら1時間攪拌し、析出した反応物をろ取し、20%塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、乾燥してアゾ色素61を3.62g(収率:89.2%)得た。アゾ色素61の赤外吸収スペクトルを図16に示す。
【0262】
(実施例62)
(アゾ色素62の合成)
実施例61で使用した化合物(A)のかわりに、3−アミノベンズトリフロリドを0.050mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素62を3.58g(収率90%)得た。
【0263】
(実施例63)
(アゾ色素63の合成)
実施例61で使用した化合物(E):2−アニシジン−5−スルホン酸のかわりに、5−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸を0.007mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素63を3.57g(収率78%)得た。
【0264】
(実施例64)
(アゾ色素64の合成)
実施例61で使用した化合物(E):2−アニシジン−5−スルホン酸のかわりに、4−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸を0.007mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素64を3.40g(収率82%)得た。
【0265】
(実施例65)
(アゾ色素65の合成)
実施例61で使用した化合物(E):2−アニシジン−5−スルホン酸のかわりに、2−アニシジン−5−安息香酸を0.007mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素64を3.77g(収率95%)得た。
【0266】
(実施例66)
(アゾ色素66の合成)
実施例61で使用した化合物(A)のかわりに、3−アミノベンズトリフロリドを0.050mol量、および化合物(E):2−アニシジン−5−スルホン酸のかわりに、2−アニシジン−5−安息香酸を0.007mol量使用した以外は、実施例1と同様の操作を行い、アゾ色素64を3.57g(収率96%)得た。
【0267】
以上、実施例1〜66で合成したアゾ色素の構造と元素分析結果を表2に示す。
【表2】
表2
【0268】
【表2】
【0269】
【表2】
【0270】
【表2】
【0271】
【表2】
【0272】
【表2】
【0273】
【表2】
【0274】
〔分散物およびインクジェット記録用インク〕
以下に、本発明の分散物およびそれを用いたインクジェット記録用インクの例を挙げる。
【0275】
(実施例67)
実施例1で製造したアゾ色素1を2.5部、オレイン酸ナトリウム0.5部、グリセリン5部、水42部を混合し、直径0.1mmのジルコニアビーズ100部とともに遊星型ボールミルを用いて毎分300回転、6時間分散を行った。分散終了後、ジルコニアビーズを分離し、分散物1を得た。
【0276】
(実施例68〜132)
実施例67で用いたアゾ色素1に変えて、本発明のアゾ色素2〜66を用いた以外は、実施例67と同様にして分散物2〜66を得た。
【0277】
(比較例1)
実施例1で用いたアゾ色素1に変えてC.I.ピグメント・レッド269(PR269、山陽色素(株)社製、商品名:Permanent Carmine 3810)を用いた以外は実施例1と同様にして比較分散物1を得た。
【0278】
(比較例2)
実施例1で用いたアゾ色素1に変えてC.I.ピグメント・レッド122(PR122、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製、商品名:CROMOPHTAL Jet Magenta DMQ)を用いた以外は実施例1と同様にして比較分散物2を得た。
【0279】
(比較例3)
実施例1で用いたアゾ色素1に変えてC.I.ピグメント・バイオレット19(PV19、クラリアントジャパン(株)社製、商品名:Hostaperm Red E5B02)を用いた以外は実施例1と同様にして比較分散物3を得た。
【0280】
(分散物の評価)
以下に、分散物の評価項目の評価方法と評価判断基準を示す。尚、分散物の粒径および粘度の測定は以下の方法に従った。
【0281】
〔粒径の測定方法〕
分散物の粒径を、粒度分布計(日機装社製レーザードップラー式粒度分布計「マイクロトラックUPA−150」)を用いて測定した。尚、本実施例および比較例における粒径とは、体積平均粒子径を意味する。
【0282】
〔粘度の測定方法〕
分散物の粘度を、低粘度領域では振動式粘度計(山一電機社製粘度計「VM−100A」)、中粘度領域以上についてはB型粘度計で25℃における粘度を測定した。
【0283】
<分散安定性>
前記分散物をポリプロピレン製密閉容器中で分散物の製造直後および70℃、7日間放置後の粒径及び粘度の変化率を測定した。以下に評価判断基準を示す。
A:粒径及び粘度の変化率が±10%以内。
B:粒径及び粘度の変化率が±10%以上±20%以内。
C:粒径及び粘度の変化率が±20%を超える。
結果を表1に示した。
【0284】
<着色力>
上記実施例および比較例で得られた分散物をNo.3のバーコーターを用いてセイコーエプソン(株)社製フォトマット紙<顔料専用>(型番:KA450MM)に塗布した。得られた塗布物の画像濃度を反射濃度計(X−Rite社製X−Rite938)を用いて測定し、「着色力(OD:Optical Density)」として結果を表1に示した。
【0285】
<色相>
色相については、上記で得られた塗布物の色度を目視にて評価した。以下に評価判断基準を示す。
A:黄味が少なく鮮やかさが大きい(良好)。
B:黄味が大きい、もしくは鮮やかさが小さい。
C:黄味が大きく鮮やかさが小さい(不良)。
【0286】
結果を表3に示した。表3の結果から明らかなように、本発明のアゾ色素を用いた分散物は、比較分散物に比べて、分散安定性、着色力、色相に優れていることが明らかである。
【0287】
【表3】
【0288】
(実施例133)
国際公開第2006/064193号パンフレットの22ページに記載されているDispersant 10で表される高分子分散剤を水酸化カリウム水溶液で中和した。得られた分散剤水溶液75質量部(固形分濃度20%)の中に、前記合成のアゾ色素1を30質量部及びイオン交換水95質量部を加えて、ディスパー攪拌翼にて混合・粗分散した。混合・粗分散した液に直径0.1mmのジルコニアビーズを600質量部を入れて、これを分散機(サンドグラインダミル)で4時間分散した後、ビーズと分散液に分離した。得られた混合物を攪拌しながら、25℃でポリエチレングリコールジグリシジルエ−テル2質量部をゆっくり加え、50℃で6時間攪拌した。更に、分画分子数300Kの限外濾過膜を使って不純物を除去し、これをポアサイズ5μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:25mm、富士フイルム(株)社製)を取り付けた容量20mlのシリンジで濾過し、粗大粒子を除去することにより固形分濃度10%の分散物67を得た。
【0289】
(実施例134〜198)
実施例133で用いたアゾ色素1に変えて、本発明のアゾ色素2〜66を用いた以外は、実施例67と同様にして分散物68〜132を得た。
【0290】
(比較例4)
実施例133で用いたアゾ色素1に変えてC.I.ピグメント・レッド269(PR269、山陽色素(株)社製、商品名:Permanent Carmine 3810)を用いた以外は実施例133と同様にして比較分散物4を得た。
【0291】
(比較例5)
実施例133で用いたアゾ色素1に変えてC.I.ピグメント・レッド122(PR122、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製、商品名:CROMOPHTAL Jet Magenta DMQ)を用いた以外は実施例133と同様にして比較分散物5を得た。
【0292】
(比較例6)
実施例133で用いたアゾ色素1に変えてC.I.ピグメント・バイオレット19(PV19、クラリアントジャパン(株)社製、商品名:Hostaperm Red E5B02)を用いた以外は実施例133と同様にして比較分散物6を得た。
【0293】
結果を表4に示した。表4の結果から明らかなように、本発明のアゾ色素を用いた分散物は、比較分散物に比べて、分散安定性、着色力、色相に優れていることが明らかである。
【0294】
【表4】
【0295】
(実施例199〜264)
実施例133〜198で得られた各分散物67〜132を固形分で5質量%、グリセリン10質量%、2−ピロリドン5質量%、1,2―ヘキサンジオール2質量%、トリエチレングリコールモノブチルエーテル2質量%、プロピレングリコール0.5質量%、イオン交換水75.5質量%になる様に各成分を加えて、得られた混合液をポアサイズ1μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:25mm、富士フイルム(株)社製)を取り付けた容量20mlのシリンジで濾過し、粗大粒子を除去することにより表5に示すインクジェット記録用インク1〜66(インク1〜66)を得た。
【0296】
(比較例7〜9)
実施例133〜198で得られた各分散物67〜132の代わりに、比較例4〜6で得られた比較分散物4〜6をそれぞれ用いた以外は、実施例199〜264と同様にして比較インクジェット記録用インク1〜3(比較インク1〜3)を得た。
【0297】
上記実施例133〜198及び比較例7〜9の各インクについて、下記評価を行った。その結果を表5に示した。
【0298】
(インクジェット記録用インクの評価)
<吐出安定性>
プリンターのカートリッジにインクジェット記録用インクを充填した後に、20〜25℃で40〜60%RHの環境下で、文字と塗り潰しとが混在する画像をA4版の普通紙に100ページ連続的に印刷した。得られた印刷物(印字物)を目視で観察し、以下の指標で評価した。
A:全く印刷乱れが認められない。
B:印刷乱れが認められたが10箇所未満である(実用レベル)。
C:10箇所以上100箇所未満の範囲で印刷乱れが認められた。
D:100箇所以上印刷乱れが認められた。
【0299】
<保存安定性>
インクジェット記録用インクをポリプロピレン製密閉容器中でインクジェット記録用インクの製造直後および7日間放置後の粒径及び粘度の変化率を測定した。下記表5に示した。以下に評価判断基準を示す。尚、粒径及び粘度は前記分散物と同様な方法で測定した。
A:粒径及び粘度の変化率が±10%以内。
B:粒径及び粘度の変化率が±10%以上±20%以内。
C:粒径及び粘度の変化率が±20%を超える。
【0300】
なお、表5において、「吐出安定性」、「保存安定性」は、各インクジェット記録用インクをセイコーエプソン(株)社製プリンター(型番:PX−101)のインク液のカートリッジに装填し、記録媒体はセイコーエプソン(株)社製フォトマット紙<顔料専用>(型番:KA450MM)に推奨モード「きれい」で階段状に濃度が変化した単色画像パターンを印画させ評価を行った。
【0301】
【表5】
【0302】
表5の結果から明らかなように、本発明の分散物を用いて製造したインクジェット記録用インクは吐出安定性、保存安定性に優れ、またいずれも色彩的特性にも優れていた。
【0303】
〔着色組成物およびトナー〕
以下に、本発明の着色組成物の一つであるトナーの例を挙げる。
【0304】
実施例265〜330、比較例10〜12
〔粉砕法トナー〕
実施例1〜66で製造した各アゾ色素を用い、ポリエステル樹脂100g、色素5gをボールミルにて攪拌混合後、溶融混練、冷却し、粉砕分級して粉砕法トナーを得た。比較例10〜12として、表6に示す公知の顔料を用いて同様に粉砕法トナーを得た。
【0305】
実施例331〜396、比較例13〜15
〔凝集法トナー〕
実施例1〜66で製造した各アゾ色素を用い、下記の方法により凝集法トナーを製造した。比較例13〜15として、表7に示す公知の顔料を用いて同様に凝集法トナーを得た。
【0306】
(1)着色剤分散液の製造
各アゾ色素20gのそれぞれにイオン交換水80g、アルキルベンゼンスルホン酸塩3gを添加し、機械式分散機にて分散処理して各色素の着色分散液を得た。
【0307】
(2)ポリマー乳化液の製造
反応器に、エステルワックスエマルジョン330g(固形分として)、イオン交換水13Kgを入れ90℃に昇温し、アルキルベンゼンスルホン酸塩3g、スチレン2.5Kg、n−ブチルアクリレート650g、メタクリル酸170g、8%過酸化水素水溶液330g、8%アスコルビン酸水溶液330gを添加した。90℃で7時間反応を継続してポリマー乳化液を得た。
【0308】
(3)トナーの製造
上記ポリマー乳化液150gに着色剤分散液9.5gを注入し混合攪拌した。この中に0.5%の硫酸アルミニウム溶液40gを攪拌しながら注入した。60℃に昇温し、2時間攪拌を継続し、ろ過、洗浄、乾燥し凝集法トナーを得た。
【0309】
実施例397〜462、比較例16〜18
〔懸濁重合法トナー〕
実施例1〜66で製造した各アゾ色素を用い、下記の方法により懸濁重合法トナーを製造した。比較例16〜18として、表8に示す公知の顔料を用いて同様に懸濁重合法トナーを得た。
【0310】
(1)水系分散媒体の製造
反応器にイオン交換水710gと0.1モル/リットルの燐酸三ナトリウム水溶液450gを加えて65℃に加温し、1.0モル/リットルの塩化カルシウム水溶液68gを徐々に加え、コロイド状燐酸カルシウムを含む分散液を含む水系分散媒体を調製した。
【0311】
(2)トナーの製造
スチレンモノマー165g、n−ブチルアクリレート35gに色素14gを加えてサンドグラインダーで分散させた分散液にエステルワックス30gを加え、80℃で溶解させた。ついでn−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステルを2g、重合開始剤として2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)11gを加えたものを前記水系分散媒体中に攪拌しながら徐々に加え、水中にモノマーを含む溶液を分散させた。ついで65℃、10時間重合反応を行った。pH調整、ろ過、洗浄、乾燥してトナーを得た。
【0312】
(トナーの評価)
上記各実施例、比較例で得られたトナーのそれぞれ50gに疎水性シリカ0.3gを外添し、電子写真プリンターで以下の方法で評価を行った。また、重合トナー法においては着色剤の分散性と分散液の安定性も併せて評価した。評価結果を表6〜8に示す。
【0313】
<透明性>
ベタ画像をOHPシート上にプリントし、画像の透明性を観察した。評価基準は下記の通りである。
A:良好、 B:やや悪い、 C:不良
【0314】
<着色力>
ベタ画像をOHPシート上にプリントし、画像の着色力を観察した。評価基準は下記の通りである。
A:良好、 B:やや悪い、 C:不良
【0315】
<分散性>
分散媒への色素の分散性を観察した。評価基準は下記の通りである。
A:良好、 B:やや悪い、 C:不良
【0316】
<分散液安定性>
色素の凝集や沈降が無く、経時で安定した分散状態を有するか否かを観察した。評価基準は下記の通りである。
A:良好、 B:やや悪い、 C:不良
【0317】
【表6】
【0318】
表6に示す通り、実施例と比較して、比較例では粉砕法トナー製造において分散性が悪く、透明性と着色力も劣る。
【0319】
【表7】
【0320】
表7に示す通り、実施例と比較して、比較例では凝集法トナー製造において分散性、分散液安定性が悪く、透明性と着色力も劣る。
【0321】
【表8】
【0322】
表8に示す通り、実施例と比較して、比較例では懸濁重合法トナー製造において分散性、分散液安定性が悪く、透明性と着色力も劣る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるアゾ色素。
一般式(1)
【化1】
(一般式(1)中、X1〜X10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、カルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基、スルホ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、スルファイモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基、ウレイド基、スルファイモイルアミノ基、メルカプト基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基、または、アルキル基、アリール基、脂肪族複素環基、もしくは芳香族複素環基で置換されたアミノ基を表し、X1〜X5のうち少なくとも1つは、パーフルオロアルキル基を表す。X6とX7、X7とX8、X8とX9、およびX9とX10は、それぞれ互いに結合して環を形成しても良い。)
【請求項2】
X4がパーフルオロアルキル基、X7がカルバモイル基またはアリールアミノカルボニル基、X10がアルコキシル基である請求項1記載のアゾ色素。
【請求項3】
X1、X2、X3、X5、X6、X8、X9が水素原子である請求項1または2記載のアゾ色素。
【請求項4】
X1が塩素原子、X4がパーフルオロアルキル基である請求項1記載のアゾ色素。
【請求項5】
X7がカルバモイル基またはアリールアミノカルボニル基、X10がアルコキシル基である請求項4記載のアゾ色素。
【請求項6】
X2、X3、X5、X6、X8、X9が水素原子である請求項4または5記載のアゾ色素。
【請求項7】
下記一般式(2)で表されるアゾ化合物。
一般式(2)
【化2】
(一般式(2)中、X11〜X20は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、カルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基、スルホ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、スルファイモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基、ウレイド基、スルファイモイルアミノ基、メルカプト基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基、または、アルキル基、アリール基、脂肪族複素環基、もしくは芳香族複素環基で置換されたアミノ基を表し、X11〜X15のうち少なくとも1つは、パーフルオロアルキル基を表す。X16とX17、X17とX18、X18とX19、およびX19とX20は、それぞれ互いに結合して環を形成しても良い。)
【請求項8】
X14がパーフルオロアルキル基、X17がカルバモイル基またはアリールアミノカルボニル基、X20がアルコキシル基である請求項7記載のアゾ化合物。
【請求項9】
X11、X12、X13、X15、X16、X18、X19が水素原子である請求項7または8記載のアゾ化合物。
【請求項10】
X11が塩素原子、X14がパーフルオロアルキル基である請求項7記載のアゾ化合物。
【請求項11】
X17がカルバモイル基またはアリールアミノカルボニル基、X20がアルコキシル基である請求項10記載のアゾ化合物。
【請求項12】
X12、X13、X15、X16、X18、X19が水素原子である請求項10または11記載のアゾ化合物。
【請求項13】
下記一般式(3)で表されるナフトール化合物と、下記一般式(4)で表される芳香族アミンのジアゾ化合物とを反応することを特徴とする請求項7〜12いずれか記載のアゾ化合物の製造方法。
一般式(3)
【化3】
(一般式(3)中、X11〜X15は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、カルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基、スルホ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、スルファイモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基、ウレイド基、スルファイモイルアミノ基、メルカプト基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基、または、アルキル基、アリール基、脂肪族複素環基、もしくは芳香族複素環基で置換されたアミノ基を表し、X11〜X15のうち少なくとも1つは、パーフルオロアルキル基を表す。)
一般式(4)
【化4】
(一般式(4)中、X16〜X20は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、カルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基、スルホ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、スルファイモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基、ウレイド基、スルファイモイルアミノ基、メルカプト基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基、または、アルキル基、アリール基、脂肪族複素環基、もしくは芳香族複素環基で置換されたアミノ基を表す。X16とX17、X17とX18、X18とX19、およびX19とX20は、それぞれ互いに結合して環を形成しても良い。)
【請求項14】
下記一般式(3)で表されるナフトール化合物。
一般式(3)
【化5】
(一般式(3)中、X11〜X15は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、カルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基、スルホ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、スルファイモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基、ウレイド基、スルファイモイルアミノ基、メルカプト基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基、または、アルキル基、アリール基、脂肪族複素環基、もしくは芳香族複素環基で置換されたアミノ基を表し、X11〜X15のうち少なくとも1つは、パーフルオロアルキル基を表す。)
【請求項15】
請求項1〜6のいずれかに記載のアゾ色素を少なくとも1種を媒体に分散されてなることを特徴とする分散物。
【請求項16】
請求項1〜6のいずれかに記載のアゾ色素を少なくとも1種と樹脂とを含有することを特徴とする着色組成物。
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるアゾ色素。
一般式(1)
【化1】
(一般式(1)中、X1〜X10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、カルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基、スルホ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、スルファイモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基、ウレイド基、スルファイモイルアミノ基、メルカプト基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基、または、アルキル基、アリール基、脂肪族複素環基、もしくは芳香族複素環基で置換されたアミノ基を表し、X1〜X5のうち少なくとも1つは、パーフルオロアルキル基を表す。X6とX7、X7とX8、X8とX9、およびX9とX10は、それぞれ互いに結合して環を形成しても良い。)
【請求項2】
X4がパーフルオロアルキル基、X7がカルバモイル基またはアリールアミノカルボニル基、X10がアルコキシル基である請求項1記載のアゾ色素。
【請求項3】
X1、X2、X3、X5、X6、X8、X9が水素原子である請求項1または2記載のアゾ色素。
【請求項4】
X1が塩素原子、X4がパーフルオロアルキル基である請求項1記載のアゾ色素。
【請求項5】
X7がカルバモイル基またはアリールアミノカルボニル基、X10がアルコキシル基である請求項4記載のアゾ色素。
【請求項6】
X2、X3、X5、X6、X8、X9が水素原子である請求項4または5記載のアゾ色素。
【請求項7】
下記一般式(2)で表されるアゾ化合物。
一般式(2)
【化2】
(一般式(2)中、X11〜X20は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、カルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基、スルホ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、スルファイモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基、ウレイド基、スルファイモイルアミノ基、メルカプト基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基、または、アルキル基、アリール基、脂肪族複素環基、もしくは芳香族複素環基で置換されたアミノ基を表し、X11〜X15のうち少なくとも1つは、パーフルオロアルキル基を表す。X16とX17、X17とX18、X18とX19、およびX19とX20は、それぞれ互いに結合して環を形成しても良い。)
【請求項8】
X14がパーフルオロアルキル基、X17がカルバモイル基またはアリールアミノカルボニル基、X20がアルコキシル基である請求項7記載のアゾ化合物。
【請求項9】
X11、X12、X13、X15、X16、X18、X19が水素原子である請求項7または8記載のアゾ化合物。
【請求項10】
X11が塩素原子、X14がパーフルオロアルキル基である請求項7記載のアゾ化合物。
【請求項11】
X17がカルバモイル基またはアリールアミノカルボニル基、X20がアルコキシル基である請求項10記載のアゾ化合物。
【請求項12】
X12、X13、X15、X16、X18、X19が水素原子である請求項10または11記載のアゾ化合物。
【請求項13】
下記一般式(3)で表されるナフトール化合物と、下記一般式(4)で表される芳香族アミンのジアゾ化合物とを反応することを特徴とする請求項7〜12いずれか記載のアゾ化合物の製造方法。
一般式(3)
【化3】
(一般式(3)中、X11〜X15は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、カルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基、スルホ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、スルファイモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基、ウレイド基、スルファイモイルアミノ基、メルカプト基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基、または、アルキル基、アリール基、脂肪族複素環基、もしくは芳香族複素環基で置換されたアミノ基を表し、X11〜X15のうち少なくとも1つは、パーフルオロアルキル基を表す。)
一般式(4)
【化4】
(一般式(4)中、X16〜X20は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、カルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基、スルホ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、スルファイモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基、ウレイド基、スルファイモイルアミノ基、メルカプト基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基、または、アルキル基、アリール基、脂肪族複素環基、もしくは芳香族複素環基で置換されたアミノ基を表す。X16とX17、X17とX18、X18とX19、およびX19とX20は、それぞれ互いに結合して環を形成しても良い。)
【請求項14】
下記一般式(3)で表されるナフトール化合物。
一般式(3)
【化5】
(一般式(3)中、X11〜X15は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい脂肪族複素環基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシル基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、カルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノカルボニル基、スルホ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、スルファイモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルアミノ基、ウレイド基、スルファイモイルアミノ基、メルカプト基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいトリアルキルシリル基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシリル基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアリールシリル基、置換基を有していてもよいトリアルキルシロキシ基、置換基を有していてもよいジアルキルアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいアルキルジアリールシロキシ基、置換基を有していてもよいトリアリールシロキシ基、または、アルキル基、アリール基、脂肪族複素環基、もしくは芳香族複素環基で置換されたアミノ基を表し、X11〜X15のうち少なくとも1つは、パーフルオロアルキル基を表す。)
【請求項15】
請求項1〜6のいずれかに記載のアゾ色素を少なくとも1種を媒体に分散されてなることを特徴とする分散物。
【請求項16】
請求項1〜6のいずれかに記載のアゾ色素を少なくとも1種と樹脂とを含有することを特徴とする着色組成物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−173971(P2011−173971A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−38047(P2010−38047)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000222118)東洋インキSCホールディングス株式会社 (2,229)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000222118)東洋インキSCホールディングス株式会社 (2,229)
【Fターム(参考)】
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