説明

アゾ化合物

【課題】半合成および好ましくは合成疎水性繊維材料、特に織物材料を染色し印刷するために用いることができる新しい染料を提供する。
【解決手段】式中の置換基が定義される意味を有する式(I)


で表される新規な染料、このような染料の製造、これら染料の使用およびこのような染料により染色されるかまたは印刷される材料。半合成および好ましくは合成疎水性繊維材料、特に織物材料を染色し印刷するために用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な分散染料、それらの調製、および染色用および印刷用の再生または合成疎水性材料および/または再生または合成疎水性材料を含む混紡のためのそれらの使用に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明は式(I)で表される新規な染料、
【化1】

(式中、
XはH;ハロゲン、好ましくはClまたはBr;−CNまたは−NOを表し、
はC〜C−アルキル;好ましくはハロゲン、−CN、−OC〜C−アルキル、−OCOC〜C−アルキル、−OCおよび−Cからなる群の1以上の置換基により置換された、置換C〜C−アルキル;C〜C−アルケニル;好ましくは−Clまたは−Brにより置換された、置換C〜C−アルケニル;C〜C−アルキニル、好ましくはプロパルギル;C〜C−アルキレン−OCO−C〜C−アルキル;C〜C−アルキレン−O(CO)O−C〜C−アルキル;C〜Cアルキレン−COO−R;−C〜C−アルキレン−COO−C〜Cアルキレン−N−フタルイミド;C〜Cアルキレン−COOCHCOORまたはC〜C−アルキレン−COOCHCOR基を表し、
式中、
はC〜C−アルキル;C〜C−アルコキシエチル;C〜C−アルケニル;C〜C−アルキニル;シンナミル;フェノキシエチル;フェニル−C〜Cアルキル;テトラヒドロフルフリル−2;フェニルまたは−CH、−OCH、−COOCH、または−COOC基により置換されたフェニル基を表し、
はC〜C−アルキル;フェニルまたは好ましくは−CH、−OCH、−OC、ハロゲンおよび−OH基からなる群の1以上の基により置換された置換フェニル基を表し、
Xが−NO、Hまたはハロゲンである場合、次にRはC〜C
アルキル基でないという条件付きで、
はH;C〜C−アルキル;好ましくはハロゲン、−CN、−OH、−OC〜C−アルキル、−OCOC〜C−アルキル、−OCおよび−Cからなる群の1以上の置換基により置換された、置換C〜C−アルキル;好ましくは−Clまたは−Brにより置換された、置換C〜C−アルケニル;C〜C−アルキニル、好ましくはプロパルギル;C〜C−アルキレン−OCO−C〜C−アルキル;C〜C−アルキレン−O(CO)O−C〜C−アルキル;C〜Cアルキレン−COO−R;C〜Cアルキレン−COOCHCOORまたはC〜C−アルキレン−COOCHCOR基を表し、
式中、RおよびRは上で定義したものと同じ意味を有し、
がC〜C−アルコキシを示す場合、次にRはC〜Cアルキレ
ン−COO−R基でないという条件付きで;
およびR両方がHを示す場合、次にRはC〜Cアルキレン
−COO−R基でないという条件付きで;
はH;−NHCO−A;−NHCOO−Aまたは−NHCO
NH−Aを表し、
式中、
はH;C〜C−アルキル;C〜C−アルケニル;フェニルまたは、好ましくは−OH、−Cl、−OCHおよび−C基からなる群の1以上の置換基により置換された、置換C〜C−アルキル基を表し、
はC〜C−アルキルまたは、好ましくは−Cl、−OCHおよび−OC基からなる群の1以上の置換基により置換された、置換C〜C−アルキル基を表し、
はHまたはC〜C−アルキル基を表し、および
はH;ハロゲンまたはC〜Cアルコキシ基を表す)
ならびにそれらの混合物。
【0003】
存在するあらゆるアルキル基は、そうでないとの指示がない限り直鎖または分岐鎖である。
【0004】
存在するあらゆる置換アルキル基は場合により1以上の同一または異なる置換基により置換することができる。
【0005】
ハロゲン原子は、好ましくは塩素または臭素である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
式Iにおいて、好ましくは、
XはH;−CNまたは−NOを表し、
はC〜C−アルキル;好ましくはハロゲン、−CN、−OC〜C−アルキル、−OCOC〜C−アルキルおよび−OC;C〜C−アルケニル;ベンジル;プロパルギル;−C〜C−アルキレン−O(CO)−C〜C−アルキル;−C〜C−アルキレンO(CO)O−C〜C−アルキル;C〜C−アルキレン−COO−R;−C〜C−アルキレン−COO−C〜C−アルキレン−N−フタルイミド;C〜Cアルキレン−COOCHCOORまたはC〜C−アルキレン−COOCHCOR基を表し、
式中、
はC〜C−アルキル;C〜C−アルコキシエチル;C〜C−アルケニル;C〜C−アルキニル;シンナミル;フェノキシエチル;フェニル−C〜Cアルキル;テトラヒドロフルフリル−2;フェニルまたは−CH、−OCH、−COOCH、または−COOC基により置換されたフェニル基を表し、
はC〜C−アルキル;フェニルまたは好ましくは−CH、−OCH、−OC、ハロゲンおよび−OH基からなる群の1以上の基により置換された置換フェニル基を表し、
XがHまたは−NOである場合、次にRはC〜C−アルキル基
でないという条件付きで、
はH、C〜C−アルキル;好ましくはハロゲン、−CN、−OC〜C−アルキル、−OCOC〜C−アルキルおよび−OCからなる群の1以上の置換基により置換された、置換C〜C−アルキル;C〜C−アルケニル;ベンジル;プロパルギル;−C〜C−アルキレン−OCO−C〜C−アルキル;−C〜C−アルキレンO(CO)O−C〜C−アルキル;C〜C−アルキレン−COO−R;C〜C−アルキレン−COOCHCOORまたはC〜C−アルキレン−COOCHCOR基を表し、
式中、
はC〜C−アルキル;C〜C−アルコキシエチル;C〜C−アルケニル;C〜C−アルキニル;シンナミル;フェノキシエチル;フェニル−C〜Cアルキル;テトラヒドロフルフリル−2;フェニルまたは−CH、−OCH、−COOCH、または−COOC基により置換されたフェニル基を表し、
はC〜C−アルキル;フェニルまたは好ましくは−CH、−OCH、−OC、ハロゲンおよび−OH基からなる群の1以上の置換基により置換された、置換フェニル基を表し、
がC〜C−アルコキシ基を示す場合、次にRはC〜Cアルキ
レン−COO−R基でないという条件付きで;
およびR両方がHを示す場合、次にRはC〜Cアルキレン
−COO−R基でないという条件付きで;
はH;NHCO−C〜C−アルキル;−OH、−Clまたは−OCHにより置換されたNHCO−C〜C−アルキル基を表し、および
はHまたはC〜C−アルコキシ基を表し、
ならびにそれらの混合物を表す。
【0007】
特に好ましいものは式(I)で表される染料およびそれらの混合物であって、式中、
XはH;−CNまたは−NOを表し、
はC〜C−アルキル;好ましくは−Cl、−CN、−OC〜C−アルキル、−OCOC〜C−アルキルおよび−OCからなる群の1以上の置換基により置換された、置換C〜C−アルキル;アリル;ベンジル;プロパルギル;−C−OCO−C〜C−アルキル;−CO(CO)O−C〜C−アルキル;C〜Cアルキレン−COO−RまたはC〜C−アルキレン−COO−C−N−フタルイミド基を表し、
XがHまたは−NOである場合、次にRはC〜C−アルキル基
でないという条件付きで、
はH;C〜C−アルキル;アリル;プロパルギル;−COCO−C〜C−アルキル;C〜Cアルキレン−COO−R;−CCOOCHCOORまたは−CCOOCHCOR基を表し、
式中、
はC〜C−アルキル;C〜C−アルコキシエチル;アリル;ベンジル;プロパルギル;シンナミル;フェノキシエチルまたはテトラヒドロフルフリル−2基を表し、
はC〜C−アルキルまたはフェニル基を表し、
が−OCHを示す場合、次にRはC〜Cアルキレン−COO
−R基でないという条件付きで;
およびR両方がHを示す場合、次にRはC〜Cアルキレン
−COO−R基でないという条件付きで;
は−NHCO−C〜C−アルキル基を表し、および
はHまたは−OCH基を表し、
ならびにそれらの混合物を表す。
【0008】
最も好ましいものは、式(I)で表される染料およびそれらの混合物であって、式中、
XはHを表し、
はCH;−C;アリル;ベンジル;プロパルギル;−CCN;COCO−C〜C−アルキル;−C〜C−アルキレン−COO−C−N−フタルイミドまたは−C−COO−R基を表し、
はH、−CH、−CHCH、−COCO−C〜C−アルキルまたは−C−COO−R基を表し、
式中、
はC〜C−アルキル;C〜C−アルコキシエチル;アリル;ベンジル;プロパルギル;フェノキシエチルまたはテトラヒドロフルフリル−2基を表し、
およびR両方がHを示す場合、次にRはC〜Cアルキレン
−COO−R基でないという条件付きで;
は−NHCOCH基を表し、および
はHを表し、
ならびにそれらの混合物を表す。
【0009】
上述の新規な化合物およびそれらの混合物は、極めて有用な分散染料である。
【0010】
これらの染料の製造は式(II)で表されるジアゾ化アミンを
【化2】

式(III)で表されるアミンと、
【化3】

カップリングさせることにより達成される。式中すべての置換基は上記定義と同じ意味を有する。
【0011】
ジアゾ化およびカップリングは一般的に知られた方法により達成される。
ジアゾ化は、例えば、酸性水媒体中の亜硝酸ナトリウムを用いて行われる。ジアゾ化は、また、他のジアゾ化剤、例えばニトロ硫酸を用いて行うことができる。追加の酸、例えば、リン酸、硫酸、酢酸、プロピオン酸、塩酸またはこれらの酸の混合物、例えば、リン酸と酢酸の混合物は、ジアゾ化時反応媒体中に存在することが可能である。ジアゾ化は、−10〜10℃、好ましくは0℃〜5℃範囲の温度内で都合よく行われる。
【0012】
式(II)で表されるジアゾ化化合物の式(III)で表されるカップリング成分へのカップリングは、公知のやり方、例えば、好ましくは0℃〜50℃、更に好ましくは20℃〜40℃の温度範囲内で酸、水または水−有機媒体中で行われる。用いられる酸は、例えば、塩酸、酢酸、硫酸またはリン酸である。例えば、ジアゾ化およびカップリングは同じ反応媒体中で行うことができる。
【0013】
固形物形態の、または水溶液として、またはニトロシル硫酸中の、例えば亜硝酸ナトリウムなどの亜硝酸アルカリ金属は、ニトロソ化剤として用いられる。
一般に求電子性イオン・アリール−Nを形成するための低温におけるニトロシル硫酸などの過剰亜硝酸等との反応を通してジアゾニウム・イオンを調製することは、文献、例えば、Advanced Organic Chemistry, Fieser & Fieser、第736〜740頁、またはOrganische Chemie, K. Peter C. Vollhardt, 第154〜1157頁、l.Auflage 1988に開示されている。
【0014】
式(II)および式(III)で表される化合物は公知であるか、または当業者によく知られたやり方で容易に製造することが可能である。
【0015】
式(I)で表される新しい染料およびそれらの混合物は、半合成および好ましくは合成疎水性繊維材料、特に織物材料を染色し印刷するために用いることができる。このような半合成疎水性繊維材料を含有する混紡からなる織物材料は、また、本発明の染料によって染色するかまたは印刷することができる。
【0016】
適する半合成織物材料は、主として、セルロース−2・1/2アセテート、セルロース・トリアセテート・ポリアミドおよび高分子量ポリエステルならびにそれらのセルロースとの混合物である。
【0017】
合成疎水性織物材料は、主として、例えば、テレフタル酸およびグリコール、特にエチレングリコールからなるもの、またはテレフタル酸および1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンの縮合物の線形芳香族ポリエステル;ポリカーボネート、例えば、α、α−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタンおよびホスゲンからなるもの、およびポリ塩化ビニルおよびポリアミドに基づく繊維からなる。
【0018】
疎水性合成材料は、シート様または糸様構造の形態をとることができると共に、例えば、糸または綿、ニットまたはループ織布に加工することができる。新規な染料は、また、超極細繊維の形態をとる疎水性合成材料を染色するために適する。
【0019】
式(I)による新規な染料を、使用前に、染料配合物に変換することは好都合である。これは染料を平均粒径0.1〜10μm(ミクロン)に製粉することにより行われる。製粉は分散剤の存在下で行うことができる。一般に、湿った染料は分散剤により製粉化され、その後真空下または噴霧乾燥により乾燥される。捺染糊および染浴は、そうして得られる配合物に水を添加することにより調製することができる。
【0020】
式(I)による新規な染料は、公知の染色または印刷法、例えば、フランス特許出願第1.445.371号に記載されているものにより織物材料に適用される。
一般に、ポリエステル繊維材料は、通例の陰イオンまたは非イオン性分散液の存在下で、および65℃〜140℃の温度範囲における通例の膨潤剤(担体)の存在または不在下でエグゾースト(exhaust)法により水性分散液から染色される。
セルロース−2・1/2−アセテートは、好ましくは、65℃〜85℃の温度で、およびセルロース・トリアセテートは115℃以下の温度で染色される。
新規な染料は、サーモゾル法による染色、エグゾースト法、連続法および最近の画像化法、例えば、熱転移印刷、インクジェット印刷、ホットメルト・インクジェット印刷に関する印刷または従来型の印刷法による印刷に適する。
【0021】
サーモゾル法、エグゾースト法および連続法は周知の染色法であり、例えば、M. Peter and H. K. Rouette:「Grundlagen der Textilveredelung; Handbuch der Technologie, Verfahren und Maschinen」,13threvised Edition, 1989, Deutcher Fachverlag Gmbh, Frankfurt am Main, Germany,ISBN 3−87150−277−4に記載されていて、中でも以下のページが特に興味深い:ページ460〜461、482〜495、556〜566および574〜587。
【0022】
インクジェット印刷法において、インクの個々の液滴はノズルから基板上に制御されたやり方で噴霧される。連続インクジェット法およびドロップ・オン・デマンド法は、主にこの目的のために用いられる。連続インクジェット法の場合に、液滴は連続的に製造され、印刷用に必要とされない液滴は収集槽中に転送され再循環される。不連続ドロップ・オン・デマンド法の場合には、対照的に、液滴は要望どおりに生成され印刷される、すなわち、液滴はこれが印刷用に必要であるという場合のみに生成される。液滴は、例えば、ピエゾ型インクジェット・ヘッドによって、または熱エネルギーによって生成する(バブルジェット(登録商標))ことが可能である。
【0023】
ホットメルト・インクジェット印刷機において、固形のホットメルト・インクはインクジェット印刷機ヘッド中のインクを融解することができる印刷機に搭載され、基板に衝突するとすぐさま再固形化する液体インクを排出する。従来型のホットメルト・インクジェット印刷機は印刷用ヘッドおよびインクジェット温度約120〜約150℃で運転する。それらの温度で、固形インクは、一般に、排出温度で測定した約8〜25cPの低粘度液体に融解する。
【0024】
従来型の印刷法は周知であり、印刷用インクまたは捺染糊を基板に転移する方法が異なる:例えば、インクまたは糊は、隆起型(例えば、凸板印刷、フレキソ印刷)により、平面(石版印刷)から、陥凹表面(沈み彫り)からまたは型紙(シルクスクリーン印刷)を通して適用することができる。各種方法の適用および各種基板はインクにおける各種特性を必要とする。
【0025】
染色はエグゾースト法による水溶液から行われ、溶液比(liquor ration)は広い範囲から、例えば、1:4〜1:100、好ましくは1:6〜1:50から選択することができる。
染色時間は20〜90分、好ましくは30〜60分である。
染料液は、追加的に他の添加剤、例えば染色補助剤、分散剤、湿潤剤および消泡剤を含むことができる。
【0026】
液は、また、硫酸またはリン酸などの無機酸、または都合よくまた有機酸、例えば蟻酸または酢酸、および/または酢酸アンモニウム、硫酸アンモニウムまたは硫酸ナトリウムなどの塩を含むことが可能である。酸は、主として、好ましくは4〜5の範囲にある染料液のpHを調整するために機能する。
【0027】
分散染料は、通常、微細な分散液の形態をとる染料液中に存在する。この分散液の調合のために適する分散剤は、例えば、芳香族スルホン酸/ホルムアルデヒド縮合物、スルホン化クレオゾール油/ホルムアルデヒド縮合物、リグニンスルホン酸塩またはアクリル酸誘導体のコポリマー、好ましくは芳香族スルホン酸/ホルムアルデヒド縮合物またはリグニンスルホン酸塩などの陰イオン分散剤、または例えば、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドからの重付加反応により利用可能なポリアルキレン酸化物に基づく非イオン性分散剤である。さらなる適する分散剤は米国特許第4,895,981号または米国特許第5,910,624号に一覧されている。
適するインクまたは糊は、a)少なくとも一つの式(I)で表される染料または式(I)で表される化合物の混合物、b)水または水および有機溶媒の混合物を含む媒体、無水有機溶媒または低融点を有する固形物、およびc)場合によりさらなる添加物を含む。
【0028】
インクまたは糊は、好ましくは、インクまたは糊の全重量に対して1〜35重量%の範囲、特に2〜35重量%の範囲、好ましくは2〜30重量%の範囲、更に好ましくは2.5〜20重量%の範囲にある上記式(I)で表される染料の合計量を含む。インクは、水または水および有機溶媒の混合物、無水有機溶媒または低融点を有する固形物を含む上述の媒体b)の、99〜65重量%、特に98〜65重量%、好ましくは98〜70重量、更に好ましくは97.5〜80重量%を含む。
【0029】
前記媒体b)が水および有機溶媒を含む混合物または無水有機溶媒である場合、次に、式(I)で表される染料またはそれらの混合物は、好ましくは、完全にこの媒体中に溶解する。
好ましくは、式(I)で表される染料またはそれらの混合物は、この媒体b)中に20℃で2.5重量%以上の溶解度を有する。
【0030】
本発明のインク組成物が、アセテート−、ポリエステル−、ポリアミド−、ポリアクリルニトリル−、ポリ塩化ビニル−またはポリウレタン−ポリマーおよびそれらの混合物から作製される印刷紙基板または疎水性基板用に用いられる場合、インクは、好ましくは、以下の組成物と一緒に用いられる。
【0031】
媒体が水および有機溶媒の混合物である場合、水対有機溶媒の重量比は、好ましくは99:1〜1:99の範囲、更に好ましくは99:1〜50:50の範囲、特に好ましくは95:5〜80:20の範囲内にある。
【0032】
水との混合物として含まれる有機溶媒が水溶性溶媒または種々の水溶性溶媒の混合物であることは好ましい。好ましい水溶性有機溶媒には、C〜C−アルコール、好ましくはメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、シクロペンタノールおよびシクロヘキサノール;直鎖アミド、好ましくはジメチルホルムアミドまたはジメチルアセトアミド;ケトンおよびケトアルコール、好ましくはアセトン、メチル・エチル・ケトン、シクロヘキサノンおよび4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン;水混和性エーテル、好ましくはテトラヒドロフランおよびジオキサン;ジオール、好ましくは2〜12個の炭素原子数を有するジオール、例えば、1,5−ペンタンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、チオジグリコールおよびオリゴ−およびポリ−アルキレングリコール、好ましくはジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール;トリオール、好ましくはグリセロールおよび1,2,6−ヘキサントリオール;ジオールのモノ−C〜C−アルキル・エーテル、好ましくは2〜12個の炭素原子数を有するジオールのモノ−C〜C−アルキル・エーテル、特に好ましくは2−メトキシエタノール、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エタノール、2−[2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ]エタノールおよびエチレングリコール・モノアリルエーテル;環式アミド、好ましくは2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、カプロラクタムおよび1,3−ジメチルイミダゾリドン;環式エステル、好ましくはカプロラクトン;スルホキシド、好ましくはジメチル・スルホキシドおよびスルホランが挙げられる。
【0033】
好ましい組成物において、b)による媒体は、水および少なくとも2以上、更に好ましくは2〜8の水溶性有機溶媒を含む。
特に好ましい水溶性溶媒には、環式アミド、特に、2−ピロリドン、N−メチルピロリドンおよびN−エチルピロリドン;ジオール、好ましくは1,5−ペンタンジオール、エチレングリコール、チオジグリコール、ジエチレングリコールおよびトリエチレングリコール;およびジオールのモノ−C〜C−アルキルおよびジ−C〜C−アルキル・エーテル、更に好ましくは2〜12個の炭素原子数を有するジオールのモノ−C〜C−アルキル・エーテル、特に好ましくは2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エタノールが挙げられる。
【0034】
b)による好ましい媒体には以下が含まれる:
(i)75〜95重量部の水、および
(ii)25〜5重量部の1以上の以下の溶媒:ジエチレングリコール、2−ピロリドン、チオジグリコール、N−メチルピロリドン、シクロヘキサノール、カプロラクトン、カプロラクタムおよび1,5−ペンタンジオールであり、
該部は重量により、(i)および(ii)のすべての部は加算されて100となる。
【0035】
水および1以上の有機溶媒を含む更に有用なインク組成物の例は、特許明細書米国特許第4,963,189号、米国特許第4,703,113号、米国特許第4,626,284号およびEP第425150A号に見出される。
【0036】
b)による媒体が無水の(すなわち、水1重量%未満)有機溶媒を含む場合、この溶媒は、30〜200℃、更に好ましくは40〜150℃、特に好ましくは50〜125℃の沸点を有する。
有機溶媒は水不溶性、水溶性またはこのような溶媒の混合物であることができる。
好ましい水溶性有機溶媒は、すべての上述水溶性有機溶媒およびそれらの混合物である。
好ましい水不溶性溶媒には、とりわけ、脂肪族炭化水素;エステル、好ましくは酢酸エチル;塩素化炭化水素、好ましくはCHCl;およびエーテル、好ましくはジエチルエーテル;およびそれらの混合物が挙げられる。
【0037】
b)による液体媒体が水不溶性有機溶媒を含む場合、液体媒体中への染料の溶解度を増大するために極性溶媒を添加することは好ましい。
このような極性溶媒の例には、C〜C−アルコール、好ましくはエタノールまたはプロパノール;ケトン、好ましくはメチル・エチル・ケトンが挙げられる。
無水有機溶媒は、単一溶媒または2以上の各種溶媒の混合物からなることができる。
【0038】
それが各種溶媒の混合物である場合、2〜5の各種無水溶媒を含む混合物が好ましい。これは、乾燥特性および保存中インク組成物の安定性の良好な制御を許容するb)による媒体を提供することを可能とする。
【0039】
無水有機溶媒またはそれらの混合物を含むインク組成物は、急速な乾燥時間が必要とされる場合および特にそれらがプラスチック、金属およびガラスなどの疎水性および非吸収性基板上への印刷のために用いられる場合、特に興味のあるものである。
【0040】
好ましい低融点媒体は、60〜140℃の融点を有する。有用な低融点固形物には、長鎖脂肪酸またはアルコール、好ましくはC18〜C24−炭素鎖を有するもの、およびスルホンアミドが挙げられる。従来型低融点インク賦形剤は、一般に、種々の割合のワックス、樹脂、可塑剤、粘着付与剤、粘度調整剤および抗酸化剤を含む。
【0041】
本発明のインク組成物および捺染糊は、更に、通常インクジェット・インクまたは捺染糊において用いられる補助追加成分として、例えば、緩衝剤、増粘剤、表面張力向上剤、定着反応促進剤、殺菌剤、腐食防止剤、均染剤、乾燥剤、湿潤剤、インク浸透添加剤、光安定剤、UV吸収剤、蛍光漂白剤、凝集低減剤、イオン性または非イオン性界面活性剤および伝導塩を含むことが可能である。
これらの補助剤は、好ましくは、インクに対して0〜5重量%の量で添加される。捺染糊に対しては、捺染糊の全重量の70重量%以下、特に60重量%以下、好ましくは55重量%以下である。
【0042】
本発明のインク組成物中の沈殿を防ぐため、用いられる染料はきれいに精製されなければならない。これは一般的に知られる精製法により行うことができる。
【0043】
本発明の組成物が印刷用織物繊維材料のために用いられる場合、以下の組成物を用いることが好ましい。
【0044】
印刷用織物繊維材料の場合、水を含む溶媒のほかに有用な添加剤には、合成増粘剤、天然増粘剤または水溶性の非イオン性セルロース・エーテル、アルギン酸塩またはビーンガム・エーテルを含むことが可能である変性天然増粘剤が挙げられる。
【0045】
有用な水溶性の非イオン性セルロース・エーテルには、例えば、メチル−、エチル−、ヒドロキシエチル−、メチルヒドロキシエチル−、ヒドロキシプロピル−またはヒドロキシプロピルメチル−セルロースが挙げられる。好ましいものにはメチルセルロースまたは特にヒドロキシエチルセルロースがある。セルロース・エーテルは、通例、インク中でインク全重量に対し0.01〜2重量%、特に0.01〜1重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%の量で用いられる。
【0046】
有用なアルギン酸塩には、特にアルカリ金属アルギン酸塩、好ましくはアルギン酸ナトリウムが挙げられる。これらは、通例、インク中でインク全重量に対し0.01〜2重量%、特に0.01〜1重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%の量で用いられる。
【0047】
捺染糊は70重量%以下の増粘剤、好ましくは55重量%以下の増粘剤を含む。捺染糊において、増粘剤は、捺染糊全重量に対し3〜70重量%、特に5〜60重量%、好ましくは7〜55重量%の量で用いられる。
【0048】
インクジェット印刷法において、1〜40mPa.s、特に5〜40mPa.s、好ましくは10〜40mPa.sの粘度を有するインク組成物が好ましい。10〜35mPa.sの粘度を有するインク組成物が特に好ましい。
15〜73mN/m、特に20〜65mN/m、特に好ましくは30〜50mN/mの表面張力を有するインク組成物が好ましい。
0.1〜100mS/cm、特に0.5〜70mS/cm、特に好ましくは1.0〜60mS/cmの伝導度を有するインク組成物が好ましい。
【0049】
インクは、更に、緩衝物質、例えば、酢酸塩、リン酸塩、ボラックス、ホウ酸塩またはクエン酸塩を含むことが可能である。
【0050】
こうして得られる染色または印刷は、良好で多彩な耐性を有する;特に顕著なものは熱転移耐性、熱固定耐性、およびプリーツ加工耐性、ならびに優れた濡れ耐性である。
【実施例】
【0051】
以下の実施例において、部および百分率は重量による。温度は摂氏度で与えられる。
【0052】
実施例1
ジアゾ化:
2−アミノ−5−ニトロフェノール15.4部を低温30%水酸化ナトリウム溶液13.7部中に溶解する。30%HCl36.5部を添加し、後に1時間にわたり水溶液(40%)としての亜硝酸ナトリウム6.9部を0〜5℃の温度で添加する。溶液を0〜5℃で2時間にわたり攪拌し、アミノスルホン酸0.1部を添加して過剰の亜硝酸ナトリウムを壊滅させる。
【0053】
カップリング:
氷酢酸156部中の3−(N−メチル−N−フェニル)アミノ−プロピオン酸−2’−(N−フタルイミド)−エチルエステル55.6部の高温溶液(95℃)を連続的にジアゾニウム塩溶液に添加する。懸濁液を35℃で攪拌し、pHを酢酸ナトリウム3.5部および酢酸50部の添加により1.0に調整する。懸濁液を20時間にわたり攪拌し、沈殿染料を濾過分離し、水で洗浄し、真空中60℃で乾燥する。
【0054】
式(IV)で表される単離された染料は、
【化4】

λmax514nm(DMF中)を有し、ポリエステルを良好な定着力で赤い色調に染める。
【0055】
実施例2
ジアゾ化:
ジアゾ化を実施例1と同じように行う。
【0056】
カップリング:氷酢酸100部中の1−N,N−ジ−(2’−アセトキシエチル)−アミノ−3−アセチルアミノベンゼン32.9部の溶液を連続的にジアゾニウム塩溶液に添加し、次に、水300部を添加する。後に溶液の温度を30℃に上げ、pH値を酢酸ナトリウムの添加により2に調整する。溶液を30℃で24時間にわたり攪拌する。沈殿染料を濾過分離し、水で洗浄し、真空中60℃で乾燥する。
【0057】
式(V)で表される単離染料は、
【化5】

λmax519nm(DMF中)を有し、ポリエステルを良好な定着力で赤い色調に染める。
【0058】
実施例3
ジアゾ化:
ジアゾ化を実施例1と同じように行う。
【0059】
カップリング:氷酢酸100部中の1−[N,N−ジ−(2’−アセトキシエチル)−アミノ]−3−アセチルアミノベンゼンおよび1−[(N−アセトキシエチル−N−プロピオニルオキシエチル)−アミノ]−3−アセチルアミノ−ベンゼンの混合物33.6部の溶液を連続的にジアゾニウム塩溶液に添加し、次に、水300部を添加する。後に溶液の温度を30℃に上げ、pH値を酢酸ナトリウムの添加により2に調整する。溶液を30℃で24時間にわたり攪拌する。
沈殿染料を濾過分離し、水で洗浄し、真空中60℃で乾燥する。
【0060】
単離された染料は式(VIa)および(VIb)で表される化合物の混合物であり、
【化6】

λmax519nm(DMF中)を有し、ポリエステルを良好な定着力で赤い色調に染める。
【0061】
以下の表1は、先行実施例に示される手順と同じように製造される式(Ia)で表されるさらなる染料を与える。
【0062】
すべての染料はポリエステル繊維材料を良好な定着力で赤い色調に染める。
【0063】
【化7】

表1/実施例4〜25
【表1】

【表2】

【表3】

【0064】
実施例49
酢酸カリウム7.5部および酢酸銅5.0部を、室温でN−メチルピロリドン50部中の3−アセチルアミノ−4−(2’−ブロモ−4’−ニトロ−6’−シアノフェニルアゾ)−N,N−ジエチルアニリン11.8部の溶液に添加する。溶液の温度を100℃に上げると共に、溶液を100℃で3時間にわたり攪拌する。水200部を添加して銅錯体中間物の懸濁液を得る。濾過後、湿った残留物を2N塩酸200部に添加する。懸濁液を攪拌して中間物を60℃で3時間内に最終2−ヒドロキシ誘導体に加水分解する。
染料を濾過分離し、水で洗浄し、真空中60℃で乾燥する。
【0065】
式(VII)で表される単離染料は、
【化8】

λmax582nm(DMF中)を有し、ポリエステルを良好な定着力で鮮やかなスミレ色に染める。
【0066】
実施例50
酢酸カリウム7.5部および酢酸銅5.0部を、室温でジメチル・スルホキシド50部中の3−アセチルアミノ−4−(2’−ブロモ−4’,6’−ジニトロフェニルアゾ)−6−メトキシ−1−N,N−ジアリル−アニリン11.83部の溶液に添加する。溶液の温度を75℃に上げると共に、溶液を75℃で3時間にわたり攪拌する。水200部を添加して銅錯体中間物の懸濁液を得る。濾過後、湿った残留物を2N塩酸200部に添加する。懸濁液を攪拌して中間物を60℃で3時間内に最終2−ヒドロキシ誘導体に加水分解する。沈殿染料を濾過分離し、水で洗浄し、真空中60℃で乾燥する。
【0067】
式(VIII)で表される単離染料は、
【化9】

λmax588nm(DMF中)を有し、ポリエステルを良好な定着力で濃紺色に染める。
【0068】
以下の表2は、先行実施例に示される手順と同じように製造される式Iで表されるさらなる染料を与える。
【0069】
【化10】

表2/実施例51〜63
【表4】

【0070】
応用実施例A
湿った圧縮塊の形態をとる実施例1による染料17.5部を、リグニン・スルホネート系の市販分散剤32.5部を用いて公知の方法により湿式研削し、粉末に砕く。この染料調製物1.2部を、硫酸アンモニウム40部を含有する70℃の脱塩水2000部に添加する;染浴のpH値を85%蟻酸により5に設定する。洗浄ポリエステル繊維布地100部をこの染浴中に入れ、容器を閉め、20分間にわたって130℃に加熱し、この温度で更に60分間にわたり染色を継続する。冷却後、ポリエステル繊維布地を染浴から取り出し、すすぎ洗いし、石鹸で洗い、通常のやり方でヒドロ亜硫酸ナトリウムによる還元によって洗浄する。熱固定(180℃、30秒)後、鮮やかな赤色染色が、極めて良好で多彩な耐性、特に光および昇華に対する耐性、特に優れた濡れ耐性を伴って得られる。実施例2〜63の染料は同じようなやり方で用いることが可能であり、極めて良好で多彩な耐性を有する染色が得られる。
【0071】
染色ポリエステル糸は実施例2〜63と同じように行うことが可能である。
【0072】
応用実施例B
実施例1において得られた染料2.5部を、ジエチレングリコール20部および水77.5部の混合物中に25℃で攪拌しながら溶解して、インクジェット印刷に適する印刷用インクを得る。
【0073】
実施例2〜63の染料または実施例1〜63の染料混合物は、また、応用実施例Bに記載されているものと同じようなやり方で用いることができる。
【0074】
応用実施例C
本発明による捺染糊は、
500gの増粘剤(ビーンガム・エーテル、例えばインダルカ(Indalca)(商標))、
10g の定着促進剤(例えばプリントゲン(Printogen)HDN(商標))、
10g の均染剤(例えばサンドゲン(Sandogen)CN(商標))、
10g の染色用緩衝剤および分散剤システム(例えばサンドアシッド(Sandacid)PB(商標;1:2))、および
10g の実施例1の染料
からなり、1000gまで水を加える。
(インダルカをイタリアのセサルピニア(Cesalpinia)S.p.Aから購入し;サンドゲン、プリントゲンおよびサンドアシッドはスイス/ムッテンツ(Muttenz)のクラリアント(Clariant)AGの商品名である)
【0075】
この捺染糊は印刷紙基板、織物繊維材料およびプラスチック・フィルムおよびプラスチック透過原稿用に用いられる。
【0076】
実施例2〜63の染料または実施例1〜63の染料混合物は、また、応用実施例Cに記載されているものと同じようなやり方で用いることができる。
【0077】
応用実施例D
ポリエステルスムース生地を、応用実施例Cの捺染糊を用いて従来型の印刷機により印刷した。得られる印刷された生地を110℃で3分間にわたり乾燥し、次に、175℃で7分間にわたり熱蒸気により処理する。生地を5分間にわたり低温水道水ですすぎ洗いをし、次に、5分間にわたり脱塩水ですすぎ洗いをした。そのように処理した生地を、NaCO4g/l、ヒドロ亜硫酸ナトリウム塩(85%)2g/lおよびリオゲン(Lyogen)DFT(商標)(スイス、ムッテンツのクラリアントAGの商品名)を含む浴中で還元的に洗浄した。水道水で更に15分間にわたりすすぎ洗いをし、次に、最終乾燥段階に続けた。これは、極めて良好で多彩な耐性、特に光および昇華に対する耐性、特に優れた濡れ耐性を伴う鮮やかな赤色印刷を有するポリエステル生地を残す。
【0078】
実施例2〜63の染料または実施例1〜63の染料混合物は、また、応用実施例Dに記載されているものと同じようなやり方で用いることができる。
【0079】
応用実施例E
インクジェット印刷組成物を、好ましくは、媒体を40℃に加熱し、次に実施例1の染料を添加することにより調製する。混合物を染料が溶解するまで攪拌する。次に、組成物を室温に冷却し、さらなる成分を添加する。
【0080】
インク組成物個々の成分の割合:
6部 の実施例1の染料、
20部のグリセロールおよび
74部の水。
このインク組成物は印刷紙基板、織物繊維材料およびプラスチックフィルムおよびプラスチック透過原稿用に用いられる。
【0081】
実施例2〜63の染料または実施例1〜63の染料混合物は、また、応用実施例Eに記載されているものと同じようなやり方で用いることができる。
【0082】
応用実施例F
ポリエステルスムース生地を、応用実施例Eの印刷用インクを用いてインクジェット印刷した。印刷された生地を応用実施例Dの印刷後処理と同じように処理した。これは、極めて良好で多彩な耐性、特に光および昇華に対する耐性、特に優れた濡れ耐性を伴う鮮やかな赤色印刷を有するポリエステル生地を残す。
【0083】
実施例2〜63の染料または実施例1〜63の染料混合物は、また、応用実施例Fに記載されているものと同じようなやり方で用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式で表される染料(dyestuff)。
【化1】

【請求項2】
式中すべての置換基が請求項1で与えられる意味を有する式(II)
【化2】

で表されるジアゾ化アミンが、式中すべての置換基が請求項1で与えられる意味を有する式(III)
【化3】

で表されるアミンとカップリングされることを特徴とする、請求項1に記載の染料の製造方法。
【請求項3】
完全なまたは半合成の疎水性有機材料を含む、繊維または糸またはそれらから製造される材料の染色用または印刷用の、請求項1に記載の分散染料の使用。
【請求項4】
インクジェット印刷法またはホットメルト・インクジェット法のための、請求項1に記載の分散染料の使用。
【請求項5】
請求項1に記載の染料を含む組成物。
【請求項6】
前記組成物が、捺染糊(printing paste)または印刷用インクまたはインクジェット印刷用インクまたはホットメルト・インクジェット印刷用インクである請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の染料により染色されまたは印刷された、完全なまたは半合成の疎水性有機材料を含む繊維または糸またはそれらから製造される材料。

【公開番号】特開2009−197228(P2009−197228A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−30519(P2009−30519)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【分割の表示】特願2002−579944(P2002−579944)の分割
【原出願日】平成14年4月2日(2002.4.2)
【出願人】(596033657)クラリアント インターナショナル リミティド (48)
【Fターム(参考)】