説明

アゾ顔料、着色組成物、およびカラーフィルタ

【課題】カラーフィルタ用着色組成物、インクジェット用着色組成物、印刷インキ、樹脂着色剤、および塗料等に用いることができるアゾ顔料を提供する。
【解決手段】アゾ顔料の具体例は以下の化合物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なアゾ顔料、該アゾ顔料を含有する着色組成物、並びにこれを用いて形成されるフィルタセグメントを具備するカラーフィルタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
有機顔料はさまざまな化学構造のものがあり、粒子径も様々であるが、カラーフィルタ用着色組成物やインクジェット用着色組成物、塗料など各種コーティングまたはインキ組成物中において、鮮明な色調、高い明度、高い着色力、優れたコントラストを発揮する実用上有用な顔料は、微細な粒子からなっている。しかしながら、顔料の微細な粒子は、オフセットインキ、グラビアインキ、カラーフィルタ用着色組成物、インクジェット用着色組成物、塗料のような非水系バインダー樹脂溶液に分散する場合、安定な分散組成物を得るのは難しく、製造作業上および得られる製品の価値に重大な影響を及ぼす種々の問題を引き起こすことが知られている。
【0003】
特に、液晶表示装置に使用されるカラーフィルタにおいて、明度向上を狙った顔料の微細化に対する要求が非常に高まっているが、顔料の微細化を進めると、安定な分散組成物を得ることが難しくなり、さらには耐熱性および耐光性が悪化するという問題が知られている。
【0004】
カラーフィルタの赤色フィルタセグメントには、主顔料としてジケトピロロピロール系顔料であるC.I.ピグメントレッド254、およびアントラキノン系顔料であるC.I.ピグメントレッド177を単独または組み合わせて用いる手法が一般的である。
【0005】
C.I.ピグメントレッド254は特に明度に優れる顔料であるが、微細化後の耐熱性に不安があり、微細化顔料を用いてカラーフィルタを形成した場合に、明度低下するという欠点を有する。また、C.I.ピグメントレッド177は、耐熱性および耐光性は良好であるが、明度が低いという問題があった。
【0006】
特許文献1〜3には、赤色フィルタセグメントの更なる明度向上を図るべく、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド242、およびC.I.ピグメントオレンジ38などのアゾ顔料を主顔料として使用することが提案されているが、明度は十分ではなく、更なる改善が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−237462号公報
【特許文献2】特開平11−14824号公報
【特許文献3】特開平10−115709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、カラーフィルタ用着色組成物、インクジェット用着色組成物、印刷インキ、樹脂着色剤、および塗料等に用いることができ、特にカラーフィルタ用着色組成物に用いた場合に、塗膜の明度に優れ、その他物性(耐熱性、耐光性、塗膜異物)に問題のないアゾ顔料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、ある特定の構造を有するナフトールアゾ顔料が、上記した課題を解決し得ることを見出し、本発明に至った。
【0010】
即ち、本発明は、下記一般式(1)で表されるアゾ顔料に関する。
一般式(1)
【0011】
【化2】


[一般式(1)中、Aは、それぞれ独立して、水素原子、ベンズイミダゾロン基、置換基を有してもよいフェニル基、または置換基を有してもよい複素環基を表す。R1は、水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR7、または−COOR8を表す。R2〜R6は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR9、−COOR10、−CONHR11、または−SO2NHR12を表す。R7〜R12は、それぞれ独立して、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基を表す。ただし、AおよびR2〜R6が水素原子、およびR1がハロゲン原子の場合は除く。]
また、本発明は、Aが、置換基を有してもよいフェニル基であることを特徴とする上記アゾ顔料に関する。
【0012】
また、本発明は、少なくとも顔料とバインダー樹脂とからなる着色組成物において、該顔料が、上記アゾ顔料をを含有することを特徴とする着色組成物に関する。
【0013】
また、本発明は、さらに光重合性単量体を含有することを特徴とする上記着色組成物に関する。
【0014】
また、本発明は、基板上に、上記着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタに関する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の上記一般式(1)で表されるアゾ顔料を使用することにより、明度に優れ、かつ耐熱性、および耐光性が良好なカラーフィルタを提供することができる。また、インクジェット用着色組成物、印刷インキ、樹脂着色剤、および塗料等に展開しても、同様の効果を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0017】
なお、以下に挙げる「C.I.」とは、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
(アゾ顔料)
まず、本発明のアゾ顔料について説明する。本発明のアゾ顔料は、一般式(1)で表される。
【0018】
一般式(1)中、Aにおいて、置換基を有してもよいフェニル基の「置換基」としては、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、水酸基、カルバモイル基、N−置換カルバモイル基、スルファモイル基、N−置換スルファモイル基、カルボキシル基、スルホ基、カルボキシル基またはスルホ基から選ばれる酸性基の1価〜3価の金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アルミニウム塩等)などが挙げられる。したがって、置換基を有してもよいフェニル基の具体例としては、フェニル基、p-メチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−メトキシフェニル基、o−トリフルオロメチルフェニル基、p−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、3−カルバモイルフェニル基、2−クロロ−4−カルバモイルフェニル基、2−メチル−4−カルバモイルフェニル基、2−メトキシ−4−カルバモイルフェニル基、2−メトキシ−4−メチル−3−スルファモイルフェニル基、4−スルホフェニル基、4−カルボキシフェニル基、2−メチル−4−スルホフェニル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
また、Aにおいて、置換基を有しても複素環基の「置換基」としては、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、水酸基、カルバモイル基、N−置換カルバモイル基、スルファモイル基、N−置換スルファモイル基、カルボキシル基、スルホ基、カルボキシル基またはスルホ基から選ばれる酸性基の1価〜3価の金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アルミニウム塩等)などが挙げられる。また、「複素環」とは、環系を構成する原子の中に、炭素原子以外のヘテロ原子が1個以上含まれるものを意味し、飽和環であっても不飽和環であっても良く、更に単環であっても縮合環であっても良い。したがって、複素環としては、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、イソオキサゾール環、イソチアゾール環、トリアゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、キノリン環、ベンゾフラン環、インドール環、モルホリン環、ピロリジン環、ピペリジン環、テトラヒドロフラン環などが挙げられる。ゆえに、複素環基とは、これら複素環から水素原子を除いて誘導される一価の基を意味し、したがって、置換基を有してもよい複素環基の具体例としては、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピローリル基、3−ピローリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−イミダゾリル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、ピペリジノ基、4−ピペリジル基、モルホリノ基、2−モルホリニル基、N−インドリル基、2−インドリル基、2−ベンゾフリル基、2−ベンゾチエニル基、2−キノリノ基、N−カルバゾリル基などが挙げられる。
【0020】
また、R1〜R6におけるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
【0021】
また、R1〜R12における炭素数1〜4のアルキル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
【0022】
本発明のアゾ顔料としては、明度の観点から、Aが、置換基を有してもよいフェニル基であることが好ましい。さらに、明度および分散性の観点から、R1が炭素数1〜4のアルキル基または−OR7であることが好ましく、R1がメチル基またはメトキシ基であることがより好ましい。
【0023】
本発明のアゾ顔料は、化学構造が一般式(1)、またはその互変異性体であっても良く、あらゆる結晶形態を持った顔料であっても良く、いわゆる多形と呼称されるあらゆる結晶形態を持った顔料同士の混晶であっても良い。これら顔料の結晶形態は、粉末X線回折測定やX線結晶構造解析により確認できる。
【0024】
本発明のアゾ顔料の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0025】
【化3】

















【0026】
【化4】

【0027】
【化5】











【0028】
【化6】


【0029】
(アゾ顔料の製造方法)
本発明のアゾ顔料は、顔料分野でよく知られているように、ジアゾニウム塩とβ−ナフトール類とをカップリング反応させることにより製造できる。
先ず、下記一般式(2)で表されるアミン類(ジアゾ成分)を、塩酸、硫酸、または酢酸などを加えた酸性水溶液中、亜硝酸、亜硝酸塩または亜硝酸エステルにより、ジアゾ化することによって得られる下記一般式(3)で表されるジアゾニウム塩を製造する。
一般式(2)
【0030】
【化7】



【0031】
一般式(3)
【0032】

【化8】

【0033】
[一般式(2)および(3)中、AおよびR1〜R2は、一般式(1)におけるものと同義である。X-は、無機または有機アニオンを表す。]
上記無機または有機アニオンとしては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、過塩素酸イオン、次亜塩素酸イオン、CH3COO-、C65COO-などが挙げられ、好ましくは塩化物イオン、臭化物イオン、CH3COO-が挙げられる。
【0034】
次いで、上記一般式(3)で表されるジアゾニウム塩と、下記一般式(4)で表されるβ−ナフトール類(カップリング成分)とを、通常、水性溶媒中5℃〜70℃で反応させ、常法による後処理を行って、一般式(1)のアゾ顔料を製造する。また、界面活性剤、樹脂、色素誘導体、または不活性溶剤の存在下で、カップリング反応を行っても良い。また、本発明のアゾ顔料の製造方法は、これらの方法に限定されるものではない。
【0035】
一般式(4)
【0036】
【化9】


[一般式(4)中、R3〜R6は、一般式(1)におけるものと同義である。]
【0037】
(顔料の微細化)
本発明の顔料は、ソルトミリング処理等により微細化することができる。TEM(透過型電子顕微鏡)により求められる顔料の平均一次粒子径は10〜150nmの範囲であることが好ましい。10nmよりも小さくなると分散が難しく、耐熱性が悪化するため好ましくない。150nmよりも大きくなると、塗膜の明度、色相、およびコントラスト比などが悪化するため好ましくない。用途により最適な平均一次粒子径は異なるが、例えばカラーフィルタに用いる場合は、平均一次粒子径は10〜50nmの範囲が特に好ましい。
【0038】
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
【0039】
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100重量部に対し、50〜2000重量部用いることが好ましく、300〜1000重量部用いることが最も好ましい。
【0040】
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料100重量部に対し、5〜1000重量部用いることが好ましく、50〜500重量部用いることが最も好ましい。
【0041】
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料100重量部に対し、5〜200重量部の範囲であることが好ましい。
【0042】
(着色組成物)
本発明の着色組成物は、本発明のアゾ顔料とバインダー樹脂を含み、必要に応じて、有機溶剤、分散助剤、色素誘導体、樹脂型分散剤、界面活性剤、アゾ顔料以外のその他色素を含んでも良い。
【0043】
(バインダー樹脂)
本発明の着色組成物に含まれるバインダー樹脂は、顔料を分散するものであって、従来公知の熱可塑性樹脂、および熱硬化性樹脂等が挙げられる。
【0044】
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、およびポリイミド樹脂等が挙げられる。
【0045】
カラーフィルタ用途として用いる場合には、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。また、アルカリ現像型着色レジストの形態で用いる場合には、酸性基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂を用いることが好ましい。また、さらに光感度を向上させるために、エチレン性不飽和活性二重結合を有するエネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。
【0046】
酸性基含有エチレン性不飽和モノマーを共重合したアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂として具体的には、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、またはイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、およびスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
【0047】
エチレン性不飽和活性二重結合を有するエネルギー線硬化性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該高分子に導入した樹脂が用いられる。又、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
【0048】
熱可塑性樹脂として、アルカリ可溶性能とエネルギー線硬化性能とを併せもつものも、カラーフィルタ用途として好ましい。
【0049】
上記熱可塑性樹脂を構成するモノマーとして以下のものが挙げられる。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、またはエトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類、
あるいは、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、またはアクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類、スチレン、またはα−メチルスチレン等のスチレン類、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、又はイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、またはプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類が挙げられる。
【0050】
あるいは、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、1,2−ビスマレイミドエタン1,6−ビスマレイミドヘキサン、3−マレイミドプロピオン酸、6,7−メチレンジオキシ−4−メチル−3−マレイミドクマリン、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、N,N’−1,3−フェニレンジマレイミド、N,N’−1,4−フェニレンジマレイミド、N−(1−ピレニル)マレイミド、N−(2,4,6−トリクロロフェニル)マレイミド、N−(4−アミノフェニル)マレイミド、N−(4−ニトロフェニル)マレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−ブロモメチル−2,3−ジクロロマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオナート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチラート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドヘキサノアート、N−[4−(2−ベンゾイミダゾリル)フェニル]マレイミド、9−マレイミドアクリジン等のN-置換マレイミド類が挙げられる。
【0051】
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、およびフェノール樹脂等が挙げられる。中でも、耐熱性向上の観点から、エポキシ樹脂、メラミン樹脂がより好適に用いられる。
【0052】
バインダー樹脂の重量平均分子量(Mw)は、顔料を好ましく分散させるためには、5,000〜80,000の範囲が好ましく、より好ましくは7,000〜50,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は2,500〜40,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
【0053】
ここで重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、東ソー株式会社製ゲルパーミエイションクロマトグラフィー「HLC−8120GPC」において、分離カラムを4本直列に繋ぎ、充填剤には順に東ソー株式会社製「TSK−GEL SUPER H5000」、「H4000」、「H3000」、および「H2000」を用い、移動相にテトラヒドロフランを用いて測定したポリスチレン換算分子量である。
【0054】
バインダー樹脂をカラーフィルタ用途で使用する場合には、顔料吸着基及び現像時のアルカリ可溶基として働くカルボキシル基、顔料担体および溶剤に対する親和性基として働く脂肪族基および芳香族基のバランスが、顔料分散性、現像性、さらには耐久性にとって重要であり、酸価20〜300mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20mgKOH/g未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターン形成するのが困難である。300mgKOH/gを超えると、現像で微細パターンが残らなくなる。
【0055】
バインダー樹脂は、顔料の全質量を基準として、20〜500質量%の量で用いることができる。20質量%未満では、成膜性および諸耐性が不十分となり、500質量%より多いと顔料濃度が低く、色特性を発現できない。
【0056】
(有機溶剤)
本発明の着色組成物には、顔料を充分に顔料担体中に分散させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために有機溶剤を含有させることができる。有機溶剤は、着色組成物の塗布性が良好であることに加え、着色組成物の各成分の溶解性、さらには安全性を考慮して選定される。
【0057】
有機溶剤としては、例えば、乳酸エチル、ベンジルアルコール、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
【0058】
中でも、着色組成物各成分の溶解性、および塗布性が良好なことから、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール等の芳香族アルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類を用いることが好ましい。
【0059】
これら有機溶剤は、1種を単独で、若しくは2種以上を混合して用いることができる。また有機溶剤は、着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚のフィルタセグメントを形成できることから、顔料の全質量を基準(100質量%)にして、500〜4000質量%の量で用いることが好ましい。
【0060】
(分散助剤)
顔料を顔料担体中に分散する際には、適宜、色素誘導体、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を用いることができる。分散助剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて顔料を顔料担体中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、分光透過率(明度)の高いカラーフィルタが得られる。
【0061】
(色素誘導体)
色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられ、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独または2種類以上を混合して用いることができる。色素誘導体を使用する場合、アゾ骨格、ナフトールアゾ骨格、ジケトピロロピロール骨格、アントラキノン骨格、キノフタロン骨格、およびペリレン骨格を有するものが明度、分散性の観点から好ましい。
【0062】
色素誘導体の配合量は、添加顔料の分散性向上の観点から、添加顔料の全量を基準(100重量%)として、好ましくは0.5重量%以上、さらに好ましくは1重量%以上、最も好ましくは3重量%以上である。また、耐熱性、耐光性の観点から、添加顔料の全量を基準(100重量%)として、好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは35重量%以下である。
【0063】
(樹脂型分散剤)
樹脂型分散剤は、添加顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、顔料担体と相溶性のある部位とを有し、添加顔料に吸着して顔料担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が用いられ、これらは単独または2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0064】
上記分散剤のうち少量の添加量で着色組成物の粘度が低くなり、高い分光透過率を示すという理由から、塩基性官能基を有する高分子分散剤が好ましく、窒素原子含有グラフト共重合体や、側鎖に3級アミノ基、4級アンモニウム塩基、含窒素複素環などを含む官能基を有する、窒素原子含有アクリル系ブロック共重合体およびウレタン系高分子分散剤などが好ましい。樹脂型分散剤は、顔料全量に対して5〜200重量%程度使用することが好ましく、成膜性の観点から10〜100重量%程度使用することがより好ましい。
【0065】
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、チバ・ジャパン社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
【0066】
(界面活性剤)
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0067】
樹脂型分散剤、界面活性剤を添加する場合の配合量は、添加顔料の全量を基準(100重量%)として、好ましくは0.1〜55重量%、さらに好ましくは0.1〜45重量%である。樹脂型分散剤、界面活性剤の配合量が、0.1重量%未満の場合には、添加した効果が得られ難く、配合量が55重量%より多いと、過剰な分散剤により分散に悪影響を及ぼすことがある。
【0068】
(その他色素)
本発明の着色組成物には、色度を調製するため等に、本発明の効果を損なわない範囲で上記一般式(1)のアゾ顔料以外の顔料あるいは染料といったその他色素を併用してもよい。
【0069】
例えば、C.I.ピグメントレッド7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、146、168、169、176、177、178、179、184、185、187、200、202、208、210、242、246、254、255、264、270、272、273、274,276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、または287等の赤色顔料を挙げることができる。赤色染料としては、キサンテン系、アゾ系(ピリドン系、バルビツール酸系、金属錯体系など)、ジスアゾ系、アントラキノン系などが挙げられる。具体的には、C.I.アシッド レッド 52、87、92、289、338などのキサンテン系酸性染料の造塩化合物等が挙げられる。
【0070】
また、C.I.ピグメントオレンジ43、71、または73等の橙色顔料および/またはC.I.ピグメント イエロー 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、または221等の黄色顔料を併用することができる。また、橙色染料および/または黄色染料としては、キノリン系、アゾ系(ピリドン系、バルビツール酸系、金属錯体系など)、ジスアゾ系、メチン系などが挙げられる。
【0071】
併用する色素で好ましいものは、色特性の観点から、アゾ系、ナフトールアゾ系、ジケトピロロピロール系、アントラキノン系、キノフタロン系、およびペリレン系の色素が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド176、177、254、242、C.I.ピグメントイエロー138、139、150、185が挙げられる。
【0072】
本発明のアゾ顔料以外の色素を併用する場合、色素全量中(100重量%)、本発明のアゾ顔料は10重量%〜100重量%の範囲であることが好ましい。より好ましくは、30重量%〜100重量%の範囲である。本発明のアゾ顔料が10質量%以下の場合は、明度の優れた効果を十分に発揮できない。
【0073】
(着色組成物の製造法)
本発明の着色組成物は、上記一般式(1)のアゾ顔料を、上記バインダー樹脂と、必要に応じて、上記有機溶剤、分散助剤、および/またはその他色素等を混合した後、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、またはアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。また、本発明の着色組成物は、上記一般式(1)のアゾ顔料、とその他色素等を同時に顔料担体に分散しても良いし、別々に顔料担体に分散したものを混合しても良い。
【0074】
(感光性着色組成物)
本発明の着色組成物は、さらに光重合性単量体を添加し、感光性着色組成物として使用することができる。
【0075】
(光重合性単量体)
本発明の感光性着色組成物に添加しても良い光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれる。
【0076】
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0077】
これらの光重合性化合物は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
【0078】
光重合性単量体の配合量は、顔料100重量部に対し、5〜400重量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜300重量部であることがより好ましい。
【0079】
(光重合開始剤)
本発明の感光性着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成するために、必要に応じて光重合開始剤を加えて溶剤現像型あるいはアルカリ現像型感光性着色組成物の形態で調製することができる。
【0080】
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、または2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、またはベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、または3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、または2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、または2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、またはO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、または2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
【0081】
これらの光重合開始剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
【0082】
光重合開始剤の含有量は、顔料100重量部に対し、2〜200重量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から3〜150重量部であることがより好ましい。
【0083】
(増感剤)
さらに、本発明の感光性着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
【0084】
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,又は4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
【0085】
これらの増感剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
【0086】
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
【0087】
増感剤の含有量は、感光性着色組成物中に含まれる光重合開始剤100重量部に対し、3〜60重量部であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50重量部であることがより好ましい。
【0088】
(アミン系化合物)
また、本発明の感光性着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。
【0089】
このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、およびN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
【0090】
(レベリング剤)
本発明の感光性着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性をよくするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造またはポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、感光性着色組成物の全重量を基準(100重量%)として、0.003〜0.5重量%用いることが好ましい。
【0091】
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、感光性着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
【0092】
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0093】
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
【0094】
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
【0095】
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
【0096】
(硬化剤、硬化促進剤)
また本発明の感光性着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含んでいてもよい。硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。上記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物およびその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。上記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂100重量部に対し、0.01〜15重量部が好ましい。
【0097】
(その他の添加剤成分)
本発明の感光性着色組成物には、経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
【0098】
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤100重量部に対し、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
【0099】
密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、感光性着色組成物中の着色剤100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で用いることができる。
【0100】
(粗大粒子の除去)
本発明の着色組成物および感光性着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物および感光性着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
【0101】
(カラーフィルタ)
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および青色フィルタセグメントを具備するものであり、その中の赤色フィルタセグメントが、本発明のアゾ顔料を含有する着色組成物または感光性着色組成物から形成される。
【0102】
緑色フィルタセグメントは、緑色顔料と顔料担体を含む通常の緑色着色組成物あるいは緑色感光性着色組成物を用いて形成することができる。緑色顔料としては、例えばC.I.ピグメント グリーン7、10、36、37、58等が用いられる。また、アルミニウムフタロシアニンなどの青色顔料も使用することができる。
【0103】
また、緑色着色組成物あるいは緑色感光性着色組成物には、黄色顔料を併用することができる。併用可能な黄色顔料としては、C.I.ピグメント イエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、または221等の黄色顔料を挙げることができる。また黄色を呈する塩基性染料、酸性染料の造塩化合物を併用することもできる。
【0104】
青色フィルタセグメントは、青色顔料と顔料担体を含む通常の青色着色組成物あるいは青色感光性着色組成物を用いて形成することができる。青色顔料としては、例えばC.I.ピグメント ブルー 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等が用いられる。また青色着色組成物あるいは青色感光性着色組成物には、紫色顔料を併用することができる。併用可能な紫色顔料としては、C.I.ピグメント バイオレット 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を挙げることができる。また、青色や紫色を呈する塩基性染料、酸性染料の造塩化合物を使用することもできる。染料を使用する場合、キサンテン系染料が耐熱性と明度の点で好ましい。
【0105】
(カラーフィルタの製造方法)
本発明のカラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
【0106】
印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
【0107】
フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジスト材の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
【0108】
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジストを塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
【0109】
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法などにより製造することができるが、本発明の着色組成物または感光性着色組成物はいずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の基板に転写させる方法である。
【0110】
透明基板あるいは反射基板上に各色フィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成することができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、上記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後に各色フィルタセグメントを形成することもできる。また本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や透明導電膜などが形成される。
【実施例】
【0111】
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」および「%」は、「重量部」および「重量%」をそれぞれ表す。
【0112】
また、顔料の平均一次粒子径、樹脂の重量平均分子量(Mw)、および樹脂の酸価は以下の通りである。
【0113】
(顔料の平均一次粒子径)
顔料の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を使用して、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料一次粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とした。
【0114】
(アゾ顔料の同定方法)
本発明のアゾ顔料の同定は、ブルカー・ダルトニクス社製MALDI質量分析装置autoflexIII(以下、TOF−MSと称す)を用い、得られたマススペクトラムの分子
イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって同定した。
【0115】
(樹脂の重合平均分子量(Mw))
樹脂の重合平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
【0116】
(樹脂の酸価)
樹脂溶液0.5〜1.0部に、アセトン80mlおよび水10mlを加えて攪拌して均一に溶解させ、0.1mol/LのKOH水溶液を滴定液として、自動滴定装置(「COM−555」平沼産業製)を用いて滴定し、樹脂溶液の酸価を測定した。そして、樹脂溶液の酸価と樹脂溶液の固形分濃度から、樹脂の固形分あたりの酸価を算出した。
【0117】
(バインダー樹脂溶液の製造方法)
(アクリル樹脂溶液1の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン196部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、n−ブチルメタクリレート37.2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12.9部、メタクリル酸12.0部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)20.7部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにメトキシプロピルアセテートを添加してアクリル樹脂溶液1を調製した。重量平均分子量(Mw)は26000であった。
【0118】
(アクリル樹脂溶液2の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン207部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸20部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)20部、メタクリル酸メチル45部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート8.5部、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.33部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、共重合体樹脂溶液を得た。次に得られた共重合体溶液全量に対して、窒素ガスを停止し乾燥空気を1時間注入しながら攪拌したのちに、室温まで冷却した後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズMOI)6.5部、ラウリン酸ジブチル錫0.08部、シクロヘキサノン26部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液2を調製した。重量平均分子量(Mw)は18000であった。
【0119】
(アゾ顔料の製造方法)
[実施例1]
(アゾ顔料1(R−1)の製造)
3−アミノ−4−メチルベンズアミド39.3部を水900部に分散させ、氷を加えて温度5℃に調整し、35%塩酸水溶液104.0部を加えて1時間攪拌後、亜硝酸ナトリウム19.9部を水50部に加えて調整した水溶液を添加して3時間攪拌した。スルファミン酸3.2部を加えて過剰の亜硝酸ナトリウムを消去した後、80%酢酸水溶液192部、25%水酸化ナトリウム水溶液210部、および水180部からなる水溶液を加えて、ジアゾニウム塩水溶液とした。一方、N−[4−(アセチルアミノ)フェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド88.4部、25%水酸化ナトリウム水溶液174.0部を水1500部に50℃で溶解させ、カップラー溶液とした。
【0120】
このカップラー溶液を上記5℃のジアゾニウム塩水溶液に30分かけて注入し、カップリング反応を行った。この時のpHは4.4であった。3時間攪拌して、ジアゾニウム塩の消失を確認後、70℃に加熱し、濾過、水洗、および90℃で24時間乾燥させ、式(1−1)で表されるアゾ顔料118部を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、式(1−1)のアゾ顔料であることを同定した。
【0121】
次に、式(1−1)のアゾ顔料100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部のアゾ顔料1(R−1)を得た。平均一次粒子径は38nmであった。
【0122】
[実施例2]
(アゾ顔料2(R−2)の製造)
3−アミノ−4−メトキシベンズアミド43.5部を水900部に分散させ、氷を加えて温度5℃に調整し、35%塩酸水溶液104.0部を加えて1時間攪拌後、亜硝酸ナトリウム19.9部を水50部に加えて調整した水溶液を添加して3時間攪拌した。スルファミン酸3.2部を加えて過剰の亜硝酸ナトリウムを消去した後、80%酢酸水溶液192部、25%水酸化ナトリウム水溶液210部、および水180部からなる水溶液を加えて、ジアゾニウム塩水溶液とした。一方、N−[4−(アセチルアミノ)フェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド88.4部、25%水酸化ナトリウム水溶液174.0部を水1500部に50℃で溶解させ、カップラー溶液とした。
【0123】
このカップラー溶液を上記5℃のジアゾニウム塩水溶液に30分かけて注入し、カップリング反応を行った。この時のpHは4.2であった。3時間攪拌して、ジアゾニウム塩の消失を確認後、70℃に加熱し、濾過、水洗、および90℃で24時間乾燥させ、式(1−2)で表されるアゾ顔料123部を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、式(1−2)のアゾ顔料であることを同定した。
【0124】
次に、式(1−2)のアゾ顔料100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、97部のアゾ顔料2(R−2)を得た。平均一次粒子径は36nmであった。
【0125】
[実施例3]
(アゾ顔料3(R−3)の製造)
3−アミノ−4−メトキシベンズアニリド63.4部を水900部に分散させ、氷を加えて温度5℃に調整し、35%塩酸水溶液104.0部を加えて1時間攪拌後、亜硝酸ナトリウム19.9部を水50部に加えて調整した水溶液を添加して3時間攪拌した。スルファミン酸3.2部を加えて過剰の亜硝酸ナトリウムを消去した後、80%酢酸水溶液192部、25%水酸化ナトリウム水溶液210部、および水180部からなる水溶液を加えて、ジアゾニウム塩水溶液とした。一方、N−[4−(アセチルアミノ)フェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド88.4部、25%水酸化ナトリウム水溶液174.0部を水1500部に50℃で溶解させ、カップラー溶液とした。
【0126】
このカップラー溶液を上記5℃のジアゾニウム塩水溶液に30分かけて注入し、カップリング反応を行った。この時のpHは4.5であった。3時間攪拌して、ジアゾニウム塩の消失を確認後、70℃に加熱し、濾過、水洗、および90℃で24時間乾燥させ、式(1−4)で表されるアゾ顔料141部を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、式(1−4)のアゾ顔料であることを同定した。
【0127】
次に、式(1−4)のアゾ顔料100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、97部のアゾ顔料3(R−3)を得た。平均一次粒子径は39nmであった。
【0128】
[実施例4]
(アゾ顔料4(R−4)の製造)
下記式(2−a)のアミン化合物78.0部を水900部に分散させ、氷を加えて温度5℃に調整し、35%塩酸水溶液104.0部を加えて1時間攪拌後、亜硝酸ナトリウム19.9部を水50部に加えて調整した水溶液を添加して3時間攪拌した。スルファミン酸3.2部を加えて過剰の亜硝酸ナトリウムを消去した後、80%酢酸水溶液192部、25%水酸化ナトリウム水溶液210部、および水180部からなる水溶液を加えて、ジアゾニウム塩水溶液とした。一方、N−[4−(アセチルアミノ)フェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド88.4部、25%水酸化ナトリウム水溶液174.0部を水1500部に50℃で溶解させ、カップラー溶液とした。
【0129】
このカップラー溶液を上記5℃のジアゾニウム塩水溶液に30分かけて注入し、カップリング反応を行った。この時のpHは4.3であった。3時間攪拌して、ジアゾニウム塩の消失を確認後、70℃に加熱し、濾過、水洗、および90℃で24時間乾燥させ、式(1−6)で表されるアゾ顔料138部を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、式(1−6)のアゾ顔料であることを同定した。
【0130】
式(2−a)
【0131】
【化10】

【0132】
次に、式(1−6)のアゾ顔料100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部のアゾ顔料4(R−4)を得た。平均一次粒子径は34nmであった。
【0133】
[実施例5]
(アゾ顔料5(R−5)の製造)
下記式(2−b)のアミン化合物74.6部を水900部に分散させ、氷を加えて温度5℃に調整し、35%塩酸水溶液104.0部を加えて1時間攪拌後、亜硝酸ナトリウム19.9部を水50部に加えて調整した水溶液を添加して3時間攪拌した。スルファミン酸3.2部を加えて過剰の亜硝酸ナトリウムを消去した後、80%酢酸水溶液192部、25%水酸化ナトリウム水溶液210部、および水180部からなる水溶液を加えて、ジアゾニウム塩水溶液とした。一方、N−[4−(アセチルアミノ)フェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド88.4部、25%水酸化ナトリウム水溶液174.0部を水1500部に50℃で溶解させ、カップラー溶液とした。
【0134】
このカップラー溶液を上記5℃のジアゾニウム塩水溶液に30分かけて注入し、カップリング反応を行った。この時のpHは4.5であった。3時間攪拌して、ジアゾニウム塩の消失を確認後、70℃に加熱し、濾過、水洗、および90℃で24時間乾燥させ、式(1−8)で表されるアゾ顔料145部を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、式(1−8)のアゾ顔料であることを同定した。
【0135】
式(2−b)
【0136】
【化11】

【0137】
次に、式(1−8)のアゾ顔料100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部のアゾ顔料5(R−5)を得た。平均一次粒子径は38nmであった。
【0138】
[実施例6]
(アゾ顔料6(R−6)の製造)
下記式(2−c)のアミン化合物78.3部を水900部に分散させ、氷を加えて温度5℃に調整し、35%塩酸水溶液104.0部を加えて1時間攪拌後、亜硝酸ナトリウム19.9部を水50部に加えて調整した水溶液を添加して3時間攪拌した。スルファミン酸3.2部を加えて過剰の亜硝酸ナトリウムを消去した後、80%酢酸水溶液192部、25%水酸化ナトリウム水溶液210部、および水180部からなる水溶液を加えて、ジアゾニウム塩水溶液とした。一方、N−[4−(アセチルアミノ)フェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド88.4部、25%水酸化ナトリウム水溶液174.0部を水1500部に50℃で溶解させ、カップラー溶液とした。
【0139】
このカップラー溶液を上記5℃のジアゾニウム塩水溶液に30分かけて注入し、カップリング反応を行った。この時のpHは4.5であった。3時間攪拌して、ジアゾニウム塩の消失を確認後、70℃に加熱し、濾過、水洗、および90℃で24時間乾燥させ、式(1−15)で表されるアゾ顔料146部を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、式(1−15)のアゾ顔料であることを同定した。
【0140】
式(2−c)
【0141】
【化12】

【0142】
次に、式(1−15)のアゾ顔料100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、96部のアゾ顔料6(R−6)を得た。平均一次粒子径は39nmであった。
【0143】
[実施例7]
(アゾ顔料7(R−7)の製造)
下記式(2−d)のアミン化合物63.2部を水900部に分散させ、氷を加えて温度5℃に調整し、35%塩酸水溶液104.0部を加えて1時間攪拌後、亜硝酸ナトリウム19.9部を水50部に加えて調整した水溶液を添加して3時間攪拌した。スルファミン酸3.2部を加えて過剰の亜硝酸ナトリウムを消去した後、80%酢酸水溶液192部、25%水酸化ナトリウム水溶液210部、および水180部からなる水溶液を加えて、ジアゾニウム塩水溶液とした。一方、N−[4−(アセチルアミノ)フェニル]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボアミド88.4部、25%水酸化ナトリウム水溶液174.0部を水1500部に50℃で溶解させ、カップラー溶液とした。
【0144】
このカップラー溶液を上記5℃のジアゾニウム塩水溶液に30分かけて注入し、カップリング反応を行った。この時のpHは4.7であった。3時間攪拌して、ジアゾニウム塩の消失を確認後、70℃に加熱し、濾過、水洗、および90℃で24時間乾燥させ、式(1−17)で表されるアゾ顔料137部を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、式(1−17)のアゾ顔料であることを同定した。
【0145】
式(2−d)
【0146】
【化13】

【0147】
次に、式(1−17)のアゾ顔料100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部のアゾ顔料7(R−7)を得た。平均一次粒子径は40nmであった。
【0148】
(その他の赤色および橙色顔料の製造方法)
[製造例1]
(赤色顔料1(RC−1)の製造)
市販のC.I.ピグメント レッド 254(PR254)(チバスペシャリティケミカルズ社製「イルガフォアレッドB−CF」)100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の赤色顔料1(RC−1)を得た。平均一次粒子径は33nmであった。
【0149】
[製造例2]
(赤色顔料2(RC−2)の製造)
C.I.ピグメント レッド 254(チバスペシャリティケミカルズ社製「イルガフォアレッドB−CF」)を、C.I.ピグメントレッド177(PR177)(BASF社製「CROMOPHTAL RED A2B」)に変更した以外は、赤色顔料1(RC−1)の製造と同様に行い、赤色顔料2(RC−2)97部を得た。平均一次粒子径は37nmであった。
【0150】
[製造例3]
(赤色顔料3(RC−3)の製造)
C.I.ピグメント レッド 254(チバスペシャリティケミカルズ社製「イルガフォアレッドB−CF」)を、C.I.ピグメントレッド242(PR242)( Clariant 社製のSandorinScarlet4RF)に変更した以外は、赤色顔料1(RC−1)の製造と同様に行い、赤色顔料3(RC−3)98部を得た。平均一次粒子径は39nmであった。
【0151】
[製造例4]
(赤色顔料4(RC−4)の製造)
C.I.ピグメント レッド 254(チバスペシャリティケミカルズ社製「イルガフォアレッドB−CF」)を、C.I.ピグメントレッド176(PR176)(クラリアント社製「Novoperm Carmine HF3C」)に変更した以外は、赤色顔料1(RC−1)の製造と同様に行い、赤色顔料4(RC−4)98部を得た。平均一次粒子径は35nmであった。
【0152】
[製造例5]
(赤色顔料5(RC−5)の製造)
C.I.ピグメント レッド 254(チバスペシャリティケミカルズ社製「イルガフォアレッドB−CF」)を、C.I.ピグメントオレンジ38(PO38)(クラリアント社製「Novoperm Red HFG」)に変更した以外は、赤色顔料1(RC−1)の製造と同様に行い、赤色顔料5(RC−5)97部を得た。平均一次粒子径は39nmであった。
【0153】
(着色組成物の作製方法)
[実施例8]
(着色組成物1(RP−1)の作製)
下記の組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)にて5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、着色組成物1(RP−1)を作製した。
【0154】
アゾ顔料1(R−1) 10.0部
樹脂型分散剤(味の素ファインテクノ社製「PB821」) 3.0部
アクリル樹脂溶液1 35.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 52.0部
【0155】
[実施例9〜14、比較例1〜5]
(着色組成物2〜12(RP−2〜12)の作製)
アゾ顔料1(R−1)を表1に記載の顔料に変更した以外は着色組成物1(RP−1)と同様にして着色組成物2〜12(RP−2〜12)を作製した。
【0156】
(着色組成物の塗膜評価)
得られた着色組成物(RP−1〜12)を用いて作製した塗膜の耐熱性、耐光性、および異物評価を下記方法で行った。また、着色組成物(RP−1〜12)の初期粘度評価も行った。表1に評価結果を示す。
【0157】
(耐熱性評価)
着色組成物(RP−1〜12)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて乾燥膜厚が2.0μmになるように塗布し、次に70℃で20分乾燥し、ついで230℃で60分間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。得られた塗膜のC光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。さらにその後、耐熱性試験として250℃で1時間加熱し、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求め、下記の3段階で評価した。
【0158】
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)- a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1)) 2)
○:ΔEab*が2.5未満
△:ΔEab*が2.5以上、5.0未満
×:ΔEab*が5.0以上
【0159】
(耐光性評価)
耐熱性評価のときと同様の方法で塗膜基板を作製し、C光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。続いて、その基板上に紫外線カットフィルター(ホヤ社製「COLORED OPTICAL GLASS L38」)を貼り、470W/m2のキセノンランプを用いて紫外線を100時間照射した後、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、上記計算式により、色差ΔEab*を求め、耐熱性のときと同様の基準で評価した。
【0160】
(塗膜異物評価)
着色組成物(RP−1〜12)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて乾燥膜厚が2.0μmになるように塗布し、次に70℃で20分乾燥し、ついで230℃で60分間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。評価はオリンパスシステム社製金属顕微鏡「BX60」)を用いて表面観察を行った。倍率は500倍とし、透過にて任意の5視野で観測可能な粒子の数をカウントした。下記の3段階で評価した。○は異物数が少なく良好であり、△は異物数が多いものの使用上問題ないレベル、×は異物による塗工ムラ(斑)が発生するため使用することはできない状態に相当する。
【0161】
○:異物の数が10個未満
△:異物の数が10個以上、60個未満
×:異物の数が60個以上
【0162】
(初期粘度評価)
着色組成物の粘度は、調整当日25℃において、E型粘度計(東機産業社製「ELD型粘度計」)を用いて回転数20rpmにおける粘度(初期粘度)を測定した。下記の3段階で評価した。
【0163】
○:20.0未満[mPa・s]
△:20.0以上〜40.0未満[mPa・s]
×:40.0以上[mPa・s]
【0164】
【表1】




【0165】
表1に示すように、本発明のアゾ顔料を使用した着色組成物は、塗膜の耐熱性、耐光性、塗膜異物、および初期粘度において良好な結果であった。
(感光性着色組成物の作製方法)
【0166】
[実施例15]
(感光性着色組成物1(RR−1)の作製)
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過し、感光性着色組成物1(RR−1)を作製した。
【0167】
着色組成物1(RP−1) 30.5部
着色組成物3(RP−3) 12.5部
アクリル樹脂溶液2 8.2部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM402」) 2.8部
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」) 2.0部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 0.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 43.6部
【0168】
[実施例16〜27、比較例6〜11]
(感光性着色組成物2〜19(RR−2〜19))
着色組成物1(RP−1)および着色組成物3(RP−3)を、表2に示す着色組成物の組合せおよび比率(着色組成物の全量43部内の比率)に変更する以外は、実施例15と同様にして感光性着色組成物2〜19(RR−2〜19)を得た。尚、比率変更については、塗膜評価の際にC光源でx=0.640、y=0.330の色度に合うようにした。
【0169】
(感光性着色組成物の塗膜評価)
得られた感光性着色組成物1〜19(RR−1〜19)を用いて作製した赤色塗膜の明度(色特性)の評価を下記方法で行った。表2に評価結果を示す。
【0170】
(明度評価)
感光性着色組成物1〜19(RR−1〜19)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、超高圧水銀ランプを用いて、積算光量150mJ/cm2で紫外線露光を行い、23℃のアルカリ現像液で現像を行い、塗膜基板を得た。ついで230℃で60分間加熱、放冷後、得られた塗膜基板の明度Y(C)を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用い、測定した。作製した塗膜基板は、230℃での熱処理後で、C光源でx=0.640、y=0.330の色度に合うようにした。アルカリ現像液としては、炭酸ナトリウム1.5質量%炭酸水素ナトリウム0.5質量% 陰イオン系界面活性剤(花王社製「ペリレックスNBL」)8.0質量%および水90質量%からなるものを用いた。明度Y(C)に関しては、0.1ポイント以上であれば、明らかに差があるといえる。
【0171】
【表2】


【0172】
表2の結果より、カラーフィルタ形成において、本発明のアゾ顔料を使用した実施例は、明度に優れていることが明らかとなった。青味の顔料として従来使用されているC.I.ピグメントレッド177やC.I.ピグメントレッド176の代わりに使用することで、明度向上の効果が確認された。
【0173】
(カラーフィルタの作製)
カラーフィルタの作製に使用する緑色感光性着色組成物と青色感光性着色組成物の作製を行った。尚、赤色については本発明の感光性着色組成物1(RR−1)を使用した。
【0174】
(緑色着色組成物1(GP−1)の作製)
下記に示す配合組成の混合物を均一に撹拌混合し、直径0.5mmジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)にて5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、緑色着色組成物1(GP−1)を作製した。
【0175】
緑色顔料(C.I.ピグメント グリーン 36) 6.8部
黄色顔料(C.I.ピグメント イエロー 150) 5.2部
樹脂型分散剤(チバ・ジャパン社製「EFKA4300」) 1.0部
アクリル樹脂溶液1 35.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 52.0部
【0176】
(緑色感光性着色組成物1(GR−1)の調製)
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過し、緑色感光性着色組成物1(GR−1)を作製した。
【0177】
緑色着色組成物1(GP−1) 42.0部
アクリル樹脂溶液2 13.2部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM402」) 2.8部
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」) 2.0部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 0.4部
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート 39.6部
【0178】
(青色着色組成物1(BP−1)の調製)
下記に示す配合組成の混合物を均一に撹拌混合し、直径0.5mmジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)にて5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、青色着色組成物1(BP−1)を作製した。
【0179】
青色顔料(C.I.ピグメント ブルー 15:6) 7.2部
紫色顔料(C.I.ピグメント バイオレット 23) 4.8部
樹脂型分散剤(チバ・ジャパン社製「EFKA4300」) 1.0部
アクリル樹脂溶液1 35.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 52.0部
【0180】
(青色感光性着色組成物1(BR−1)の調製)
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過し、青色感光性着色組成物1(BR−1)を作製した。
【0181】
青色着色組成物1(BP−1) 34.0部
アクリル樹脂溶液2 15.2部
光重合性単量体(東亞合成社製「アロニックスM400」) 3.3部
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」) 2.0部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 0.4部
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート 45.1部
【0182】
ガラス基板上にブラックマトリクスをパターン加工し、該基板上にスピンコーターで本発明の感光性着色組成物1(RR−1)を塗布し着色被膜を形成した。該被膜にフォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて300mJ/cm2の紫外線を照射した。次いで0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で20分加熱して、赤色フィルタセグメントを形成した。形成された赤色フィルタセグメントは、C光源でx=0.640、y=0.330であった。同様の方法により、緑色感光性着色組成物1(GR−1)をx=0.300、y=0.600、青色感光性着色組成物1(BR―1)をx=0.150、y=0.060になるように、緑色フィルタセグメント、青色フィルタセグメントを形成して、カラーフィルタを得た。
【0183】
本発明の感光性着色組成物1(RR−1)を用いることにより、高明度なカラーフィルタを作製することが可能であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるアゾ顔料。
一般式(1)
【化1】



[一般式(1)中、Aは、それぞれ独立して、水素原子、ベンズイミダゾロン基、置換基を有してもよいフェニル基、または置換基を有してもよい複素環基を表す。
1は、水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR7、または−COOR8を表す。R2〜R6は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜4のアルキル基、−OR9、−COOR10、−CONHR11、または−SO2NHR12を表す。R7〜R12は、それぞれ独立して、水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基を表す。
ただし、AおよびR2〜R6が水素原子、およびR1がハロゲン原子の場合は除く。]
【請求項2】
Aが、置換基を有してもよいフェニル基であることを特徴とする請求項1に記載のアゾ顔料。
【請求項3】
少なくとも顔料とバインダー樹脂とからなる着色組成物において、該顔料が、請求項1または2記載のアゾ顔料を含有することを特徴とする着色組成物。
【請求項4】
さらに光重合性単量体を含有することを特徴とする請求項3記載の着色組成物。
【請求項5】
基板上に、請求項3または4記載の着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。

【公開番号】特開2012−229344(P2012−229344A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98759(P2011−98759)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000222118)東洋インキSCホールディングス株式会社 (2,229)
【Fターム(参考)】