アダプタカバー、アダプタ組立体、及び光ファイバコネクタ組立体
【課題】光ファイバコネクタに強い引張力が作用する環境に使用される場合に、光ファイバコネクタのロック機構を有するアダプタに対して後付けが可能な、光ファイバコネクタをロックするロック部を有するアダプタカバー、アダプタ組立体、及び光ファイバコネクタ組立体を提供する。
【解決手段】アダプタカバー10は、光ファイバコネクタ40のロック機構25を有するアダプタ20に取り付けられる。アダプタカバー10は、アダプタ20に対して固着される固着部11と、アダプタ20に嵌合されてロック機構25によりロックされた光ファイバコネクタ40をロックするロック部14とを具備する。アダプタ組立体30は、アダプタカバー10と、アダプタカバーが取り付けられたアダプタ20とを具備する。光ファイバコネクタ組立体50は、アダプタ組立体30と、光ファイバコネクタ40とを具備する。
【解決手段】アダプタカバー10は、光ファイバコネクタ40のロック機構25を有するアダプタ20に取り付けられる。アダプタカバー10は、アダプタ20に対して固着される固着部11と、アダプタ20に嵌合されてロック機構25によりロックされた光ファイバコネクタ40をロックするロック部14とを具備する。アダプタ組立体30は、アダプタカバー10と、アダプタカバーが取り付けられたアダプタ20とを具備する。光ファイバコネクタ組立体50は、アダプタ組立体30と、光ファイバコネクタ40とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバコネクタのロック機構を有するアダプタに取り付けられるアダプタカバー、アダプタ組立体、及び光ファイバコネクタ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバを有する光ファイバケーブルは、高速通信及びデータ通信に使用され、対向する光ファイバケーブルの端部には、1対の光ファイバコネクタが設けられる。これら1対の光ファイバコネクタは、アダプタを介して相互接続される。
従来、この種の1対の光ファイバコネクタを相互接続するアダプタとして、例えば、図13に示すものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
図13に示すアダプタ100は、アダプタハウジング110と、アダプタハウジング110に取り付けられるインサート120とを備えている。
アダプタハウジング110は、軸方向両端間を貫通するように延びる空洞111を有している。アダプタハウジング110の軸方向一端には、第1の光ファイバコネクタ(図示せず)が嵌合し、その嵌合された第1の光ファイバコネクタが接続される第1光コネクタ接続部112が設けられている。第1光コネクタ接続部112は、図示の例では、第1の光ファイバコネクタを構成するFC形光ファイバコネクタが螺合する雄ねじ部となっている。
【0004】
また、インサート120は、アダプタハウジング110の軸方向他端側から空洞111内に挿入され、アダプタハウジング110にラッチ係合する。インサート120には、アダプタハウジング110の軸方向他端側から空洞111内に挿入された第2の光ファイバコネクタ(図示せず)をロックするロック機構121が設けられている。ロック機構121は、図示の例では、第2の光ファイバコネクタを構成するSC形光ファイバコネクタをロックする上下一対の片持ち梁状のロックアームで構成されている(上側のロックアームのみ図示)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−105836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、図13に示すような従来のアダプタ100により接続された一対の光ファイバコネクタは、光ファイバコネクタに強い引張力が作用する環境と、光ファイバコネクタに弱い引張力が作用する環境とにおいて使用されるのが一般的である。
前者は、例えば、図13に示す従来のアダプタ100により接続された一対の光ファイバコネクタにおいて、アダプタ100に嵌合された第2の光ファイバコネクタにロック機構121によるロック力より強い引張力が作用する環境である。この環境は、例えば、第2の光ファイバコネクタに接続された光ファイバケーブルに必要以上に強い引張力が作用する場合である。
【0007】
ここで、図13に示す従来のアダプタ100に嵌合された第2の光ファイバコネクタにロック機構121によるロック力より強い引張力が作用すると、第2の光ファイバコネクタがアダプタ100から抜け出てしまう。
一方、図13に示す従来のアダプタ100において、この第2の光ファイバコネクタの抜け出しを防止するために、ロック機構121を構成するロックアームの肉厚を厚くしたりしてロック機構121のロック力を高めることが考えられる。しかし、このようにすると、光ファイバコネクタに弱い引張力が作用する環境に使用される場合には、過剰な構成となってしまう。
【0008】
従って、本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、光ファイバコネクタに強い引張力が作用する環境に使用される場合に、光ファイバコネクタのロック機構を有するアダプタに対して後付けが可能な、光ファイバコネクタをロックするロック部を有するアダプタカバー、アダプタ組立体、及び光ファイバコネクタ組立体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に係るアダプタカバーは、光ファイバコネクタのロック機構を有するアダプタに取り付けられるアダプタカバーであって、前記アダプタに対して固着される固着部と、前記アダプタに嵌合されて前記ロック機構によりロックされた光ファイバコネクタをロックするロック部とを具備することを特徴としている。
【0010】
また、本発明のうち請求項2に係るアダプタカバーは、請求項1記載のアダプタカバーにおいて、前記固着部は、前記アダプタに対して着脱可能に固着されることを特徴としている。
更に、本発明のうち請求項3に係るアダプタカバーは、請求項1又は2記載のアダプタカバーにおいて、前記ロック部は、前記固着部から片持ち梁状に延びる弾性ロックアームで構成され、該弾性ロックアームの先端に、前記アダプタに嵌合された前記光ファイバコネクタをロックするロック突起を設けることを特徴としている。
【0011】
また、本発明のうち請求項4に係るアダプタカバーは、請求項3記載のアダプタカバーにおいて、前記弾性ロックアームは、前記光ファイバコネクタが前記アダプタに嵌合される際に、前記光ファイバコネクタが前記ロック突起に当接することによって前記光ファイバコネクタの嵌合が進行可能なように弾性変形することを特徴としている。
また、本発明のうち請求項5に係るアダプタカバーは、請求項4記載のアダプタカバーにおいて、前記ロック突起に、前記光ファイバコネクタが当接した際に、前記弾性ロックアームの弾性変形を容易にする傾斜面を形成したことを特徴としている。
【0012】
また、本発明のうち請求項6に係るアダプタ組立体は、請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載のアダプタカバーと、該アダプタカバーが取り付けられた、光ファイバコネクタのロック機構を有するアダプタとを具備することを特徴としている。
また、本発明のうち請求項7に係る光ファイバコネクタ組立体は、請求項6記載のアダプタ組立体と、前記アダプタに嵌合された光ファイバコネクタとを具備することを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るアダプタカバー、アダプタ組立体、及び光ファイバコネクタ組立体によれば、アダプタに対して固着される固着部と、アダプタに嵌合されてロック機構によりロックされた光ファイバコネクタをロックするロック部とを具備する。このため、光ファイバコネクタに強い引張力、アダプタのロック機構によるロック力よりも強い引張力が作用する環境に使用される場合に、アダプタカバーをアダプタに取り付けることにより、アダプタのロック機構によるロック力の他に、アダプタカバーのロック部によるロック力を付加することができる。このため、光ファイバコネクタにアダプタのロック機構によるロック力よりも強い引張力が作用しても光ファイバコネクタの抜け出しを防止することができる。従って、光ファイバコネクタのロック機構を有するアダプタに対して後付けが可能な、光ファイバコネクタをロックするロック部を有するアダプタカバーを提供することができる。
一方、光ファイバコネクタにアダプタのロック機構によるロック力よりも弱い引張力が作用する環境に使用される場合には、アダプタカバーをアダプタに取り付けずに、アダプタのロック機構によるロック力のみで光ファイバケーブルをロックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る光ファイバコネクタ組立体の第1実施形態の分解斜視図である。
【図2】本発明に係るアダプタ組立体の第1実施形態と、光ファイバコネクタとを分解して示す斜視図である。
【図3】図2に示すアダプタ組立体に光ファイバコネクタを嵌合した状態の斜視図である。
【図4】図2に示すアダプタ組立体に光ファイバコネクタを嵌合した状態の縦断面図である。
【図5】本発明に係るアダプタカバーの第1実施形態を除いて、アダプタと、光ファイバコネクタとを分解して示す斜視図である。
【図6】図5に示すアダプタに光ファイバコネクタを嵌合した状態の斜視図である。
【図7】図5に示すアダプタに光ファイバコネクタを嵌合した状態の縦断面図である。
【図8】本発明に係るアダプタの第1実施形態を示し、(A)は平面図、(B)は左側面図、(C)は正面図、(D)は(C)における8D−8D線に沿う断面図である。
【図9】図8に示すアダプタカバーが取り付けられるアダプタを示し、(A)は平面図、(B)は左側面図、(C)は正面図、(D)は(C)における9D−9D線に沿う断面図である。
【図10】本発明に係るアダプタ組立体の第2実施形態と、光ファイバコネクタとを分解して示す斜視図である。
【図11】本発明に係るアダプタ組立体の第2実施形態の斜視図である。
【図12】図11に示すアダプタ組立体の分解斜視図である。
【図13】従来例のアダプタの一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るアダプタカバー、アダプタ組立体、及び光ファイバコネクタ組立体の第1実施形態を図1乃至図9を参照して説明する。
図1乃至図4において、アダプタカバー10は、光ファイバコネクタ40に強い引張力が作用する環境に使用される場合にアダプタ20に取り付けられてアダプタ組立体30を構成する。そして、光ファイバコネクタ40が、アダプタ組立体30の一端側(アダプタカバー10を取り付けた側、前側、図4における右側)からアダプタ20内に嵌合し、光ファイバコネクタ組立体50を構成する。一方、アダプタ組立体30の他端側(後側)には、アダプタ20とは別個の図示しないアダプタがアダプタ20に取り付けられる。そして、光ファイバコネクタ40とは別個の光ファイバコネクタが、アダプタ組立体30の他端側から前記別個のアダプタ内に嵌合し、光ファイバコネクタ40に相互接続される。
【0016】
なお、光ファイバコネクタ40に弱い引張力が作用する環境に使用される場合には、図5乃至図7に示すように、アダプタカバー10をアダプタ20に取り付けない。そして、光ファイバコネクタ40をアダプタ20の一端側からアダプタ20内に嵌合し、光ファイバコネクタ40とは別個の光ファイバコネクタをアダプタ20の他端側から別個のアダプタ内に嵌合することができる。
ここで、アダプタカバー10は、図1及び図8(A)、(B)、(C)、(D)に示すように、アダプタ20の前側に固着される固着部11と、フード部13と、ロック部14とを備えている。アダプタカバー10は、合成樹脂を成形することによって一体に形成される。
【0017】
固着部11は、略矩形の平板状に形成され、図1及び図4に示すように、略中央に矩形状の開口12を備えている。開口12は、アダプタ20の後述する突出部22が挿通可能になっている。開口12を挟んだ固着部11の上下両側には、固着部11をアダプタ20に対して固着するための取付ねじ(図示せず)が挿通される1対の取付ねじ用貫通孔11aが形成されている。固着部11は、取付ねじによりアダプタ20に対して固着され、取付ねじを外すことによりアダプタ20から取り外し可能である。従って、固着部11は、アダプタ20に対して着脱可能に固着される。
また、フード部13は、固着部11の開口12の周囲から前方に延びる四角筒状に形成され、後方からアダプタ20の突出部22を受容可能になっている。また、フード部13は、前方から光ファイバコネクタ40を受容可能となっている。
【0018】
更に、ロック部14は、固着部11の開口12の上端縁から前方、即ちフード部13内に片持ち梁状に延びる弾性ロックアームで構成される。ロック部14は、図4に示すように、アダプタ20に嵌合されて後述するロック用開口(ロック機構)25によりロックされた光ファイバコネクタ40をロックする機能を有する。ロック部14を構成する弾性ロックアームの先端(前端)には、アダプタ20に嵌合された光ファイバコネクタ40をロックするロック突起15が設けられている。ロック突起15は、図4に示すように、光ファイバコネクタ40のコネクタハウジング41に形成された肩部41aをロックする。また、ロック部14を構成する弾性ロックアームは、光ファイバコネクタ40がアダプタ20に嵌合される際に、光ファイバコネクタ40がロック突起15に当接する。これにより、光ファイバコネクタ40の嵌合が進行可能なように弾性ロックアームが上方(外方)へ弾性変形する。そして、ロック突起15の光ファイバコネクタ40が嵌合する側の面(前面)には、光ファイバコネクタ40が当接した際に、弾性ロックアームの上方への弾性変形を容易にする傾斜面16が形成されている。傾斜面16は、ロック突起15の当該面の上下方向略中央部から下面に向けて斜め後方に傾斜している。
【0019】
また、アダプタカバー10が取り付けられるアダプタ20は、略直方体状のアダプタ本体部21と、アダプタ本体部21の前面上下方向略中央部から前方に延びる略四角筒状の突出部22とを備えている。アダプタ20は、合成樹脂を成形することによって形成される。そして、アダプタ本体部21の後面から突出部22の前面にかけて光ファイバコネクタ受容孔23が貫通している。アダプタ本体部21の上端部及び下端部には、固着部11をアダプタ20に対して固着するための取付ねじが螺合される1対の溝24が設けられている。各溝24は、アダプタ本体部21の前面から後面にかけて貫通している。更に、突出部22の上壁及び下壁には、光ファイバコネクタ40に形成されたディテント部45が係合する1対のロック用開口(ロック機構)25が形成されている。各ロック用開口25は、図9(D)に示すように、突出部22の上壁あるいは下壁を上下に貫通し、その前端面が図4に示すようにディテント部45が係合する係合部25aを構成している。なお、アダプタ本体部21の後端面には、図示しない別個のアダプタが取り付けられる。
【0020】
また、光ファイバコネクタ40は、レンズ多心光ファイバコネクタと呼ばれるもので、図1及び図4に示すように、コネクタハウジング41と、コネクタハウジング41内に設けられたレンズ多心フェルール42と、光ファイバケーブル43とを備えている。コネクタハウジング41の上下両面には、アダプタ20の突出部22に形成されたロック用開口25に係合する1対のディテント部45が突出形成されている。また、レンズ多心フェルール42は、コネクタハウジング41内に設けられたばね(図示せず)により前方側(図4における左方側)に弱いばね力で付勢され、その前端面がコネクタハウジング41の前端面から若干突出する。光ファイバケーブル43は、図4に示すように、多数の光ファイバ44がレンズ多心フェルール42に接続されてコネクタハウジング41から後方に導出される。
【0021】
次に、光ファイバコネクタ40にアダプタ10のロック用開口(ロック機構)25によるロック力よりも強い引張力が作用する環境に使用される場合の、光ファイバコネクタ40の接続方法を図1乃至図4を参照して説明する。
この場合、先ず、図2に示すように、アダプタ20の前側にアダプタカバー10を取り付ける。この作業に際しては、アダプタカバー10の開口12からアダプタ20の突出部22を挿通し、当該突出部22をアダプタカバー10のフード部13内に位置させる。そして、アダプタカバー10の固着部11をアダプタ本体部21の前面に取付ねじにより固着する。
【0022】
その後、図3に示すように、光ファイバコネクタ40をアダプタ20に嵌合する。この嵌合作業に際しては、光ファイバコネクタ40のコネクタハウジング41を、アダプタ20の光ファイバコネクタ受容孔23内にアダプタ20の前側から挿入する。これにより、図4に示すように、コネクタハウジング41に設けられたディテント部45がアダプタ20のロック用開口25に係合し、光ファイバコネクタ40がアダプタ20に対してロックされる。また、このとき同時に、アダプタカバー10に設けられたロック部14のロック突起15がコネクタハウジング41に形成された肩部41aをロックする。これにより、光ファイバコネクタ40はアダプタ20に接続される。
【0023】
このように、光ファイバコネクタ40にアダプタ20のロック機構によるロック力よりも強い引張力が作用する環境に使用される場合に、アダプタカバー10をアダプタ20に取り付ける。これにより、アダプタ20のロック用開口(ロック機構)25によるロック力の他に、アダプタカバー10のロック部14によるロック力を付加することができる。このため、光ファイバコネクタ40にアダプタ20のロック機構によるロック力よりも強い引張力が作用しても、光ファイバコネクタ40の抜け出しを防止することができる。これにより、アダプタ20に対して後付けが可能な、光ファイバコネクタ40をロックするロック部14を有するアダプタカバー10を提供できる。
【0024】
なお、光ファイバコネクタ40をアダプタ20に嵌合する際に、コネクタハウジング41がロック突起15の前面に当接し、ロック部14を構成する弾性ロックアームが光ファイバコネクタ40の嵌合が進行可能なように上方に弾性変形する。このため、アダプタカバー10をアダプタ20に取り付けた状態で、アダプタカバー10のロック部14が光ファイバコネクタ40をロックすることができる。
また、アダプタカバー10のロック突起15の前面には、傾斜面16が形成され、光ファイバコネクタ40をアダプタ20に嵌合する際に、コネクタハウジング41がその傾斜面16に当接する。これにより、ロック部14を構成する弾性ロックアームの上方への弾性変形が容易になる。
【0025】
一方、アダプタ20の後側には、アダプタ20とは別個の図示しないアダプタがアダプタ20に取り付けられている。そして、光ファイバコネクタ40とは別個の光ファイバコネクタを、アダプタ20の後側から前記別個のアダプタ内に嵌合させると、この光ファイバコネクタが光ファイバコネクタ40に相互接続される。
【0026】
なお、ファイバコネクタ40にアダプタ20のロック機構によるロック力よりも弱い引張力が作用する環境に使用される場合には、図5乃至図7に示すように、アダプタカバー10をアダプタ20に取り付けずに、光ファイバコネクタ40をアダプタ20の前側からアダプタ20内に嵌合する。この嵌合作業に際しては、光ファイバコネクタ40のコネクタハウジング41を、アダプタ20の光ファイバコネクタ受容孔23内にアダプタ20の前側から挿入する。これにより、図7に示すように、コネクタハウジング41に設けられたディテント部45がアダプタ20のロック用開口25に係合し、光ファイバコネクタ40がアダプタ20に対してロックされる。ファイバコネクタ40にアダプタ20のロック機構によるロック力よりも弱い引張力が作用する環境に使用される場合には、コネクタハウジング41に設けられたディテント部45のアダプタ20のロック用開口25に対するロック力のみで足りる。従って、ロック機構の過剰な構成にはならない。但し、ファイバコネクタ40に弱い引張力が作用する環境に使用される場合であっても、アダプタカバー10をアダプタ20に取り付けてもよい。
【0027】
次に、本発明に係るアダプタカバー、アダプタ組立体、及び光ファイバコネクタ組立体の第2実施形態を図10乃至図12を参照して説明する。
図10に示す光ファイバコネクタ組立体50においては、図1に示す光ファイバコネクタ組立体50と異なり、複数の光ファイバコネクタ40がアダプタ20に嵌合するようになっている。このため、図10乃至図12に示すアダプタカバー10の構成及びアダプタ20の構成が、図1乃至図4に示すアダプタカバー10の構成及びアダプタ20の構成と異なっている。
従って、図10乃至図12に示すアダプタカバー10は、図1乃至図4に示すアダプタカバー10と同様に、アダプタ20の前側に固着される固着部11と、フード部13とを備えている。しかし、図10乃至図12に示すアダプタカバー10は、図1乃至図4に示すアダプタカバー10と異なり、単数ではなく、複数のロック部14を備えている。
【0028】
ここで、固着部11は、図1乃至図4に示すアダプタカバー10の固着部11と同様に、略矩形の平板状に形成され、略中央に矩形状の開口12を備えている。開口12は、アダプタ20の突出部22が挿通可能になっている。開口12を挟んだ固着部11の上下両側には、固着部11をアダプタ20に対して固着するための取付ねじ(図示せず)が挿通される複数対の取付ねじ用貫通孔11aが形成されている。固着部11は、取付ねじによりアダプタ20に対して固着され、取付ねじを外すことによりアダプタ20から取り外し可能である。従って、固着部11は、アダプタ20に対して着脱可能に固着される。
また、フード部13は、固着部11の開口12の周囲から前方に延びる四角筒状に形成され、後方からアダプタ20の突出部22を受容可能になっている。また、フード部13は、前方から複数の光ファイバコネクタ40を受容可能となっている。
【0029】
更に、複数のロック部14は、アダプタ20に設けられた複数の光ファイバコネクタ受容孔23に対応して配置される。各ロック部14は、図1乃至図4に示すアダプタカバー10のロック部14と同様に、固着部11の開口12の上端縁から前方、フード部13内に片持ち梁状に延びる弾性ロックアームで構成される。各ロック部14は、図10に示すように、アダプタ20に嵌合されてロック用開口(ロック機構)25によりロックされた光ファイバコネクタ40をロックする機能を有する。各ロック部14を構成する弾性ロックアームの先端(前端)には、アダプタ20に嵌合された光ファイバコネクタ40をロックするロック突起15が設けられている。ロック突起15は、図10に示すように、光ファイバコネクタ40のコネクタハウジング41に形成された肩部41aをロックする。また、ロック部14を構成する弾性ロックアームは、光ファイバコネクタ40がアダプタ20に嵌合される際に、光ファイバコネクタ40がロック突起15に当接する。これにより、光ファイバコネクタ40の嵌合が進行可能なように弾性ロックアームが上方(外方)へ弾性変形する。そして、ロック突起15の光ファイバコネクタ40が嵌合する側の面(前面)には、光ファイバコネクタ40が当接した際に、弾性ロックアームの上方への弾性変形を容易にする傾斜面16が形成されている。傾斜面16は、ロック突起15の当該面の上下方向略中央部から下面に向けて斜め後方に傾斜している。
【0030】
また、アダプタカバー10が取り付けられるアダプタ20は、図1乃至図4に示すアダプタ20と同様に、略直方体状のアダプタ本体部21と、アダプタ本体部21の前面上下方向略中央部から前方に延びる略四角筒状の突出部22とを備えている。そして、アダプタ本体部21の後面から突出部22の前面にかけて複数の光ファイバコネクタ受容孔23が貫通している。アダプタ本体部21の上端部及び下端部には、固着部11をアダプタ20に対して固着するための取付ねじが螺合される複数対の溝24が設けられている。各溝24は、アダプタ本体部21の前面から後面にかけて貫通している。更に、突出部22の上壁及び下壁であって各光ファイバコネクタ受容孔23に対応する位置には、複数の光ファイバコネクタ40に形成された複数のディテント部45が係合する複数対のロック用開口(ロック機構)25が形成されている。各ロック用開口25は、突出部22の上壁あるいは下壁を上下に貫通し、その前端面がディテント部45が係合する係合部を構成している。なお、アダプタ本体部21の後端面には、図示しない別個のアダプタが取り付けられる。
【0031】
また、各光ファイバコネクタ40は、レンズ多心光ファイバコネクタと呼ばれるもので、図1乃至図4に示す光ファイバコネクタ40と同様の構成を有する。従って、その説明は省略する。
そして、各光ファイバコネクタ40にアダプタ20のロック機構によるロック力よりも強い引張力が作用する環境に使用される場合に、アダプタカバー10をアダプタ20に取り付ける。これにより、アダプタ20のロック用開口(ロック機構)25によるロック力の他に、アダプタカバー10のロック部14によるロック力を付加することができる。このため、各光ファイバコネクタ40にアダプタ20のロック機構によるロック力よりも強い引張力が作用しても、光ファイバコネクタ40の抜け出しを防止することができる。これにより、アダプタ20に対して後付けが可能な、光ファイバコネクタ40をロックするロック部14を有するアダプタカバー10を提供できる。
【0032】
なお、各光ファイバコネクタ40をアダプタ20に嵌合する際に、コネクタハウジング41がロック突起15の前面に当接し、ロック部14を構成する弾性ロックアームが光ファイバコネクタ40の嵌合が進行可能なように上方に弾性変形する。このため、アダプタカバー10をアダプタ20に取り付けた状態で、アダプタカバー10のロック部14が光ファイバコネクタ40をロックすることができる。
【0033】
また、アダプタカバー10のロック突起15の前面には、傾斜面16が形成され、光ファイバコネクタ40をアダプタ20に嵌合する際に、コネクタハウジング41がその傾斜面16に当接する。これにより、ロック部14を構成する弾性ロックアームの上方への弾性変形が容易になる。
一方、アダプタ20の後側には、アダプタ20とは別個の図示しないアダプタがアダプタ20に取り付けられている。そして、各光ファイバコネクタ40とは別個の複数の光ファイバコネクタを、アダプタ20の後側から前記別個のアダプタ内に嵌合させる。これにより、これら光ファイバコネクタが複数の光ファイバコネクタ40に相互接続される。
【0034】
また、光ファイバコネクタ40にアダプタ20のロック機構によるロック力よりも弱い引張力が作用する環境に使用される場合には、図5乃至図7に示す場合と同様に、アダプタカバー10をアダプタ20に取り付けずに、各光ファイバコネクタ40をアダプタ20の前側からアダプタ20内に嵌合すればよい。
なお、アダプタ20にアダプタカバー10を取り付けた場合において、光ファイバコネクタ40をロック解除するには、例えば図示していない治具によりロック部14を外方へ弾性変形させる。或いは、プルタブ(図示せず)を有する光ファイバコネクタ40のプルタブにより、ロック部14を外方へ弾性変形させてもよい。
【0035】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに、種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、アダプタカバー10の固着部11は、アダプタ20に対して必ずしも着脱可能に固着される必要はなく、熱溶着やピン止め等によって着脱不能に固着してもよい。
また、アダプタ20に嵌合される光ファイバコネクタ40は、レンズ多心光ファイバコネクタに限らず、SC形等の他の光ファイバコネクタであってもよい。一方、アダプタ20に嵌合する別個の光ファイバコネクタは、SC形、FC形、MPO形等種々の光ファイバコネクタを適用できる。
【符号の説明】
【0036】
10 アダプタカバー
11 固着部
14 ロック部
15 ロック突起
16 傾斜面
20 アダプタ
25 ロック用開口(ロック機構)
30 アダプタ組立体
40 光ファイバコネクタ
50 光ファイバコネクタ組立体
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバコネクタのロック機構を有するアダプタに取り付けられるアダプタカバー、アダプタ組立体、及び光ファイバコネクタ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバを有する光ファイバケーブルは、高速通信及びデータ通信に使用され、対向する光ファイバケーブルの端部には、1対の光ファイバコネクタが設けられる。これら1対の光ファイバコネクタは、アダプタを介して相互接続される。
従来、この種の1対の光ファイバコネクタを相互接続するアダプタとして、例えば、図13に示すものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
図13に示すアダプタ100は、アダプタハウジング110と、アダプタハウジング110に取り付けられるインサート120とを備えている。
アダプタハウジング110は、軸方向両端間を貫通するように延びる空洞111を有している。アダプタハウジング110の軸方向一端には、第1の光ファイバコネクタ(図示せず)が嵌合し、その嵌合された第1の光ファイバコネクタが接続される第1光コネクタ接続部112が設けられている。第1光コネクタ接続部112は、図示の例では、第1の光ファイバコネクタを構成するFC形光ファイバコネクタが螺合する雄ねじ部となっている。
【0004】
また、インサート120は、アダプタハウジング110の軸方向他端側から空洞111内に挿入され、アダプタハウジング110にラッチ係合する。インサート120には、アダプタハウジング110の軸方向他端側から空洞111内に挿入された第2の光ファイバコネクタ(図示せず)をロックするロック機構121が設けられている。ロック機構121は、図示の例では、第2の光ファイバコネクタを構成するSC形光ファイバコネクタをロックする上下一対の片持ち梁状のロックアームで構成されている(上側のロックアームのみ図示)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−105836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、図13に示すような従来のアダプタ100により接続された一対の光ファイバコネクタは、光ファイバコネクタに強い引張力が作用する環境と、光ファイバコネクタに弱い引張力が作用する環境とにおいて使用されるのが一般的である。
前者は、例えば、図13に示す従来のアダプタ100により接続された一対の光ファイバコネクタにおいて、アダプタ100に嵌合された第2の光ファイバコネクタにロック機構121によるロック力より強い引張力が作用する環境である。この環境は、例えば、第2の光ファイバコネクタに接続された光ファイバケーブルに必要以上に強い引張力が作用する場合である。
【0007】
ここで、図13に示す従来のアダプタ100に嵌合された第2の光ファイバコネクタにロック機構121によるロック力より強い引張力が作用すると、第2の光ファイバコネクタがアダプタ100から抜け出てしまう。
一方、図13に示す従来のアダプタ100において、この第2の光ファイバコネクタの抜け出しを防止するために、ロック機構121を構成するロックアームの肉厚を厚くしたりしてロック機構121のロック力を高めることが考えられる。しかし、このようにすると、光ファイバコネクタに弱い引張力が作用する環境に使用される場合には、過剰な構成となってしまう。
【0008】
従って、本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、光ファイバコネクタに強い引張力が作用する環境に使用される場合に、光ファイバコネクタのロック機構を有するアダプタに対して後付けが可能な、光ファイバコネクタをロックするロック部を有するアダプタカバー、アダプタ組立体、及び光ファイバコネクタ組立体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に係るアダプタカバーは、光ファイバコネクタのロック機構を有するアダプタに取り付けられるアダプタカバーであって、前記アダプタに対して固着される固着部と、前記アダプタに嵌合されて前記ロック機構によりロックされた光ファイバコネクタをロックするロック部とを具備することを特徴としている。
【0010】
また、本発明のうち請求項2に係るアダプタカバーは、請求項1記載のアダプタカバーにおいて、前記固着部は、前記アダプタに対して着脱可能に固着されることを特徴としている。
更に、本発明のうち請求項3に係るアダプタカバーは、請求項1又は2記載のアダプタカバーにおいて、前記ロック部は、前記固着部から片持ち梁状に延びる弾性ロックアームで構成され、該弾性ロックアームの先端に、前記アダプタに嵌合された前記光ファイバコネクタをロックするロック突起を設けることを特徴としている。
【0011】
また、本発明のうち請求項4に係るアダプタカバーは、請求項3記載のアダプタカバーにおいて、前記弾性ロックアームは、前記光ファイバコネクタが前記アダプタに嵌合される際に、前記光ファイバコネクタが前記ロック突起に当接することによって前記光ファイバコネクタの嵌合が進行可能なように弾性変形することを特徴としている。
また、本発明のうち請求項5に係るアダプタカバーは、請求項4記載のアダプタカバーにおいて、前記ロック突起に、前記光ファイバコネクタが当接した際に、前記弾性ロックアームの弾性変形を容易にする傾斜面を形成したことを特徴としている。
【0012】
また、本発明のうち請求項6に係るアダプタ組立体は、請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載のアダプタカバーと、該アダプタカバーが取り付けられた、光ファイバコネクタのロック機構を有するアダプタとを具備することを特徴としている。
また、本発明のうち請求項7に係る光ファイバコネクタ組立体は、請求項6記載のアダプタ組立体と、前記アダプタに嵌合された光ファイバコネクタとを具備することを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るアダプタカバー、アダプタ組立体、及び光ファイバコネクタ組立体によれば、アダプタに対して固着される固着部と、アダプタに嵌合されてロック機構によりロックされた光ファイバコネクタをロックするロック部とを具備する。このため、光ファイバコネクタに強い引張力、アダプタのロック機構によるロック力よりも強い引張力が作用する環境に使用される場合に、アダプタカバーをアダプタに取り付けることにより、アダプタのロック機構によるロック力の他に、アダプタカバーのロック部によるロック力を付加することができる。このため、光ファイバコネクタにアダプタのロック機構によるロック力よりも強い引張力が作用しても光ファイバコネクタの抜け出しを防止することができる。従って、光ファイバコネクタのロック機構を有するアダプタに対して後付けが可能な、光ファイバコネクタをロックするロック部を有するアダプタカバーを提供することができる。
一方、光ファイバコネクタにアダプタのロック機構によるロック力よりも弱い引張力が作用する環境に使用される場合には、アダプタカバーをアダプタに取り付けずに、アダプタのロック機構によるロック力のみで光ファイバケーブルをロックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る光ファイバコネクタ組立体の第1実施形態の分解斜視図である。
【図2】本発明に係るアダプタ組立体の第1実施形態と、光ファイバコネクタとを分解して示す斜視図である。
【図3】図2に示すアダプタ組立体に光ファイバコネクタを嵌合した状態の斜視図である。
【図4】図2に示すアダプタ組立体に光ファイバコネクタを嵌合した状態の縦断面図である。
【図5】本発明に係るアダプタカバーの第1実施形態を除いて、アダプタと、光ファイバコネクタとを分解して示す斜視図である。
【図6】図5に示すアダプタに光ファイバコネクタを嵌合した状態の斜視図である。
【図7】図5に示すアダプタに光ファイバコネクタを嵌合した状態の縦断面図である。
【図8】本発明に係るアダプタの第1実施形態を示し、(A)は平面図、(B)は左側面図、(C)は正面図、(D)は(C)における8D−8D線に沿う断面図である。
【図9】図8に示すアダプタカバーが取り付けられるアダプタを示し、(A)は平面図、(B)は左側面図、(C)は正面図、(D)は(C)における9D−9D線に沿う断面図である。
【図10】本発明に係るアダプタ組立体の第2実施形態と、光ファイバコネクタとを分解して示す斜視図である。
【図11】本発明に係るアダプタ組立体の第2実施形態の斜視図である。
【図12】図11に示すアダプタ組立体の分解斜視図である。
【図13】従来例のアダプタの一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るアダプタカバー、アダプタ組立体、及び光ファイバコネクタ組立体の第1実施形態を図1乃至図9を参照して説明する。
図1乃至図4において、アダプタカバー10は、光ファイバコネクタ40に強い引張力が作用する環境に使用される場合にアダプタ20に取り付けられてアダプタ組立体30を構成する。そして、光ファイバコネクタ40が、アダプタ組立体30の一端側(アダプタカバー10を取り付けた側、前側、図4における右側)からアダプタ20内に嵌合し、光ファイバコネクタ組立体50を構成する。一方、アダプタ組立体30の他端側(後側)には、アダプタ20とは別個の図示しないアダプタがアダプタ20に取り付けられる。そして、光ファイバコネクタ40とは別個の光ファイバコネクタが、アダプタ組立体30の他端側から前記別個のアダプタ内に嵌合し、光ファイバコネクタ40に相互接続される。
【0016】
なお、光ファイバコネクタ40に弱い引張力が作用する環境に使用される場合には、図5乃至図7に示すように、アダプタカバー10をアダプタ20に取り付けない。そして、光ファイバコネクタ40をアダプタ20の一端側からアダプタ20内に嵌合し、光ファイバコネクタ40とは別個の光ファイバコネクタをアダプタ20の他端側から別個のアダプタ内に嵌合することができる。
ここで、アダプタカバー10は、図1及び図8(A)、(B)、(C)、(D)に示すように、アダプタ20の前側に固着される固着部11と、フード部13と、ロック部14とを備えている。アダプタカバー10は、合成樹脂を成形することによって一体に形成される。
【0017】
固着部11は、略矩形の平板状に形成され、図1及び図4に示すように、略中央に矩形状の開口12を備えている。開口12は、アダプタ20の後述する突出部22が挿通可能になっている。開口12を挟んだ固着部11の上下両側には、固着部11をアダプタ20に対して固着するための取付ねじ(図示せず)が挿通される1対の取付ねじ用貫通孔11aが形成されている。固着部11は、取付ねじによりアダプタ20に対して固着され、取付ねじを外すことによりアダプタ20から取り外し可能である。従って、固着部11は、アダプタ20に対して着脱可能に固着される。
また、フード部13は、固着部11の開口12の周囲から前方に延びる四角筒状に形成され、後方からアダプタ20の突出部22を受容可能になっている。また、フード部13は、前方から光ファイバコネクタ40を受容可能となっている。
【0018】
更に、ロック部14は、固着部11の開口12の上端縁から前方、即ちフード部13内に片持ち梁状に延びる弾性ロックアームで構成される。ロック部14は、図4に示すように、アダプタ20に嵌合されて後述するロック用開口(ロック機構)25によりロックされた光ファイバコネクタ40をロックする機能を有する。ロック部14を構成する弾性ロックアームの先端(前端)には、アダプタ20に嵌合された光ファイバコネクタ40をロックするロック突起15が設けられている。ロック突起15は、図4に示すように、光ファイバコネクタ40のコネクタハウジング41に形成された肩部41aをロックする。また、ロック部14を構成する弾性ロックアームは、光ファイバコネクタ40がアダプタ20に嵌合される際に、光ファイバコネクタ40がロック突起15に当接する。これにより、光ファイバコネクタ40の嵌合が進行可能なように弾性ロックアームが上方(外方)へ弾性変形する。そして、ロック突起15の光ファイバコネクタ40が嵌合する側の面(前面)には、光ファイバコネクタ40が当接した際に、弾性ロックアームの上方への弾性変形を容易にする傾斜面16が形成されている。傾斜面16は、ロック突起15の当該面の上下方向略中央部から下面に向けて斜め後方に傾斜している。
【0019】
また、アダプタカバー10が取り付けられるアダプタ20は、略直方体状のアダプタ本体部21と、アダプタ本体部21の前面上下方向略中央部から前方に延びる略四角筒状の突出部22とを備えている。アダプタ20は、合成樹脂を成形することによって形成される。そして、アダプタ本体部21の後面から突出部22の前面にかけて光ファイバコネクタ受容孔23が貫通している。アダプタ本体部21の上端部及び下端部には、固着部11をアダプタ20に対して固着するための取付ねじが螺合される1対の溝24が設けられている。各溝24は、アダプタ本体部21の前面から後面にかけて貫通している。更に、突出部22の上壁及び下壁には、光ファイバコネクタ40に形成されたディテント部45が係合する1対のロック用開口(ロック機構)25が形成されている。各ロック用開口25は、図9(D)に示すように、突出部22の上壁あるいは下壁を上下に貫通し、その前端面が図4に示すようにディテント部45が係合する係合部25aを構成している。なお、アダプタ本体部21の後端面には、図示しない別個のアダプタが取り付けられる。
【0020】
また、光ファイバコネクタ40は、レンズ多心光ファイバコネクタと呼ばれるもので、図1及び図4に示すように、コネクタハウジング41と、コネクタハウジング41内に設けられたレンズ多心フェルール42と、光ファイバケーブル43とを備えている。コネクタハウジング41の上下両面には、アダプタ20の突出部22に形成されたロック用開口25に係合する1対のディテント部45が突出形成されている。また、レンズ多心フェルール42は、コネクタハウジング41内に設けられたばね(図示せず)により前方側(図4における左方側)に弱いばね力で付勢され、その前端面がコネクタハウジング41の前端面から若干突出する。光ファイバケーブル43は、図4に示すように、多数の光ファイバ44がレンズ多心フェルール42に接続されてコネクタハウジング41から後方に導出される。
【0021】
次に、光ファイバコネクタ40にアダプタ10のロック用開口(ロック機構)25によるロック力よりも強い引張力が作用する環境に使用される場合の、光ファイバコネクタ40の接続方法を図1乃至図4を参照して説明する。
この場合、先ず、図2に示すように、アダプタ20の前側にアダプタカバー10を取り付ける。この作業に際しては、アダプタカバー10の開口12からアダプタ20の突出部22を挿通し、当該突出部22をアダプタカバー10のフード部13内に位置させる。そして、アダプタカバー10の固着部11をアダプタ本体部21の前面に取付ねじにより固着する。
【0022】
その後、図3に示すように、光ファイバコネクタ40をアダプタ20に嵌合する。この嵌合作業に際しては、光ファイバコネクタ40のコネクタハウジング41を、アダプタ20の光ファイバコネクタ受容孔23内にアダプタ20の前側から挿入する。これにより、図4に示すように、コネクタハウジング41に設けられたディテント部45がアダプタ20のロック用開口25に係合し、光ファイバコネクタ40がアダプタ20に対してロックされる。また、このとき同時に、アダプタカバー10に設けられたロック部14のロック突起15がコネクタハウジング41に形成された肩部41aをロックする。これにより、光ファイバコネクタ40はアダプタ20に接続される。
【0023】
このように、光ファイバコネクタ40にアダプタ20のロック機構によるロック力よりも強い引張力が作用する環境に使用される場合に、アダプタカバー10をアダプタ20に取り付ける。これにより、アダプタ20のロック用開口(ロック機構)25によるロック力の他に、アダプタカバー10のロック部14によるロック力を付加することができる。このため、光ファイバコネクタ40にアダプタ20のロック機構によるロック力よりも強い引張力が作用しても、光ファイバコネクタ40の抜け出しを防止することができる。これにより、アダプタ20に対して後付けが可能な、光ファイバコネクタ40をロックするロック部14を有するアダプタカバー10を提供できる。
【0024】
なお、光ファイバコネクタ40をアダプタ20に嵌合する際に、コネクタハウジング41がロック突起15の前面に当接し、ロック部14を構成する弾性ロックアームが光ファイバコネクタ40の嵌合が進行可能なように上方に弾性変形する。このため、アダプタカバー10をアダプタ20に取り付けた状態で、アダプタカバー10のロック部14が光ファイバコネクタ40をロックすることができる。
また、アダプタカバー10のロック突起15の前面には、傾斜面16が形成され、光ファイバコネクタ40をアダプタ20に嵌合する際に、コネクタハウジング41がその傾斜面16に当接する。これにより、ロック部14を構成する弾性ロックアームの上方への弾性変形が容易になる。
【0025】
一方、アダプタ20の後側には、アダプタ20とは別個の図示しないアダプタがアダプタ20に取り付けられている。そして、光ファイバコネクタ40とは別個の光ファイバコネクタを、アダプタ20の後側から前記別個のアダプタ内に嵌合させると、この光ファイバコネクタが光ファイバコネクタ40に相互接続される。
【0026】
なお、ファイバコネクタ40にアダプタ20のロック機構によるロック力よりも弱い引張力が作用する環境に使用される場合には、図5乃至図7に示すように、アダプタカバー10をアダプタ20に取り付けずに、光ファイバコネクタ40をアダプタ20の前側からアダプタ20内に嵌合する。この嵌合作業に際しては、光ファイバコネクタ40のコネクタハウジング41を、アダプタ20の光ファイバコネクタ受容孔23内にアダプタ20の前側から挿入する。これにより、図7に示すように、コネクタハウジング41に設けられたディテント部45がアダプタ20のロック用開口25に係合し、光ファイバコネクタ40がアダプタ20に対してロックされる。ファイバコネクタ40にアダプタ20のロック機構によるロック力よりも弱い引張力が作用する環境に使用される場合には、コネクタハウジング41に設けられたディテント部45のアダプタ20のロック用開口25に対するロック力のみで足りる。従って、ロック機構の過剰な構成にはならない。但し、ファイバコネクタ40に弱い引張力が作用する環境に使用される場合であっても、アダプタカバー10をアダプタ20に取り付けてもよい。
【0027】
次に、本発明に係るアダプタカバー、アダプタ組立体、及び光ファイバコネクタ組立体の第2実施形態を図10乃至図12を参照して説明する。
図10に示す光ファイバコネクタ組立体50においては、図1に示す光ファイバコネクタ組立体50と異なり、複数の光ファイバコネクタ40がアダプタ20に嵌合するようになっている。このため、図10乃至図12に示すアダプタカバー10の構成及びアダプタ20の構成が、図1乃至図4に示すアダプタカバー10の構成及びアダプタ20の構成と異なっている。
従って、図10乃至図12に示すアダプタカバー10は、図1乃至図4に示すアダプタカバー10と同様に、アダプタ20の前側に固着される固着部11と、フード部13とを備えている。しかし、図10乃至図12に示すアダプタカバー10は、図1乃至図4に示すアダプタカバー10と異なり、単数ではなく、複数のロック部14を備えている。
【0028】
ここで、固着部11は、図1乃至図4に示すアダプタカバー10の固着部11と同様に、略矩形の平板状に形成され、略中央に矩形状の開口12を備えている。開口12は、アダプタ20の突出部22が挿通可能になっている。開口12を挟んだ固着部11の上下両側には、固着部11をアダプタ20に対して固着するための取付ねじ(図示せず)が挿通される複数対の取付ねじ用貫通孔11aが形成されている。固着部11は、取付ねじによりアダプタ20に対して固着され、取付ねじを外すことによりアダプタ20から取り外し可能である。従って、固着部11は、アダプタ20に対して着脱可能に固着される。
また、フード部13は、固着部11の開口12の周囲から前方に延びる四角筒状に形成され、後方からアダプタ20の突出部22を受容可能になっている。また、フード部13は、前方から複数の光ファイバコネクタ40を受容可能となっている。
【0029】
更に、複数のロック部14は、アダプタ20に設けられた複数の光ファイバコネクタ受容孔23に対応して配置される。各ロック部14は、図1乃至図4に示すアダプタカバー10のロック部14と同様に、固着部11の開口12の上端縁から前方、フード部13内に片持ち梁状に延びる弾性ロックアームで構成される。各ロック部14は、図10に示すように、アダプタ20に嵌合されてロック用開口(ロック機構)25によりロックされた光ファイバコネクタ40をロックする機能を有する。各ロック部14を構成する弾性ロックアームの先端(前端)には、アダプタ20に嵌合された光ファイバコネクタ40をロックするロック突起15が設けられている。ロック突起15は、図10に示すように、光ファイバコネクタ40のコネクタハウジング41に形成された肩部41aをロックする。また、ロック部14を構成する弾性ロックアームは、光ファイバコネクタ40がアダプタ20に嵌合される際に、光ファイバコネクタ40がロック突起15に当接する。これにより、光ファイバコネクタ40の嵌合が進行可能なように弾性ロックアームが上方(外方)へ弾性変形する。そして、ロック突起15の光ファイバコネクタ40が嵌合する側の面(前面)には、光ファイバコネクタ40が当接した際に、弾性ロックアームの上方への弾性変形を容易にする傾斜面16が形成されている。傾斜面16は、ロック突起15の当該面の上下方向略中央部から下面に向けて斜め後方に傾斜している。
【0030】
また、アダプタカバー10が取り付けられるアダプタ20は、図1乃至図4に示すアダプタ20と同様に、略直方体状のアダプタ本体部21と、アダプタ本体部21の前面上下方向略中央部から前方に延びる略四角筒状の突出部22とを備えている。そして、アダプタ本体部21の後面から突出部22の前面にかけて複数の光ファイバコネクタ受容孔23が貫通している。アダプタ本体部21の上端部及び下端部には、固着部11をアダプタ20に対して固着するための取付ねじが螺合される複数対の溝24が設けられている。各溝24は、アダプタ本体部21の前面から後面にかけて貫通している。更に、突出部22の上壁及び下壁であって各光ファイバコネクタ受容孔23に対応する位置には、複数の光ファイバコネクタ40に形成された複数のディテント部45が係合する複数対のロック用開口(ロック機構)25が形成されている。各ロック用開口25は、突出部22の上壁あるいは下壁を上下に貫通し、その前端面がディテント部45が係合する係合部を構成している。なお、アダプタ本体部21の後端面には、図示しない別個のアダプタが取り付けられる。
【0031】
また、各光ファイバコネクタ40は、レンズ多心光ファイバコネクタと呼ばれるもので、図1乃至図4に示す光ファイバコネクタ40と同様の構成を有する。従って、その説明は省略する。
そして、各光ファイバコネクタ40にアダプタ20のロック機構によるロック力よりも強い引張力が作用する環境に使用される場合に、アダプタカバー10をアダプタ20に取り付ける。これにより、アダプタ20のロック用開口(ロック機構)25によるロック力の他に、アダプタカバー10のロック部14によるロック力を付加することができる。このため、各光ファイバコネクタ40にアダプタ20のロック機構によるロック力よりも強い引張力が作用しても、光ファイバコネクタ40の抜け出しを防止することができる。これにより、アダプタ20に対して後付けが可能な、光ファイバコネクタ40をロックするロック部14を有するアダプタカバー10を提供できる。
【0032】
なお、各光ファイバコネクタ40をアダプタ20に嵌合する際に、コネクタハウジング41がロック突起15の前面に当接し、ロック部14を構成する弾性ロックアームが光ファイバコネクタ40の嵌合が進行可能なように上方に弾性変形する。このため、アダプタカバー10をアダプタ20に取り付けた状態で、アダプタカバー10のロック部14が光ファイバコネクタ40をロックすることができる。
【0033】
また、アダプタカバー10のロック突起15の前面には、傾斜面16が形成され、光ファイバコネクタ40をアダプタ20に嵌合する際に、コネクタハウジング41がその傾斜面16に当接する。これにより、ロック部14を構成する弾性ロックアームの上方への弾性変形が容易になる。
一方、アダプタ20の後側には、アダプタ20とは別個の図示しないアダプタがアダプタ20に取り付けられている。そして、各光ファイバコネクタ40とは別個の複数の光ファイバコネクタを、アダプタ20の後側から前記別個のアダプタ内に嵌合させる。これにより、これら光ファイバコネクタが複数の光ファイバコネクタ40に相互接続される。
【0034】
また、光ファイバコネクタ40にアダプタ20のロック機構によるロック力よりも弱い引張力が作用する環境に使用される場合には、図5乃至図7に示す場合と同様に、アダプタカバー10をアダプタ20に取り付けずに、各光ファイバコネクタ40をアダプタ20の前側からアダプタ20内に嵌合すればよい。
なお、アダプタ20にアダプタカバー10を取り付けた場合において、光ファイバコネクタ40をロック解除するには、例えば図示していない治具によりロック部14を外方へ弾性変形させる。或いは、プルタブ(図示せず)を有する光ファイバコネクタ40のプルタブにより、ロック部14を外方へ弾性変形させてもよい。
【0035】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに、種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、アダプタカバー10の固着部11は、アダプタ20に対して必ずしも着脱可能に固着される必要はなく、熱溶着やピン止め等によって着脱不能に固着してもよい。
また、アダプタ20に嵌合される光ファイバコネクタ40は、レンズ多心光ファイバコネクタに限らず、SC形等の他の光ファイバコネクタであってもよい。一方、アダプタ20に嵌合する別個の光ファイバコネクタは、SC形、FC形、MPO形等種々の光ファイバコネクタを適用できる。
【符号の説明】
【0036】
10 アダプタカバー
11 固着部
14 ロック部
15 ロック突起
16 傾斜面
20 アダプタ
25 ロック用開口(ロック機構)
30 アダプタ組立体
40 光ファイバコネクタ
50 光ファイバコネクタ組立体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバコネクタのロック機構を有するアダプタに取り付けられるアダプタカバーであって、
前記アダプタに対して固着される固着部と、前記アダプタに嵌合されて前記ロック機構によりロックされた光ファイバコネクタをロックするロック部とを具備することを特徴とするアダプタカバー。
【請求項2】
前記固着部は、前記アダプタに対して着脱可能に固着されることを特徴とする請求項1記載のアダプタカバー。
【請求項3】
前記ロック部は、前記固着部から片持ち梁状に延びる弾性ロックアームで構成され、該弾性ロックアームの先端に、前記アダプタに嵌合された前記光ファイバコネクタをロックするロック突起を設けることを特徴とする請求項1又は2に記載のアダプタカバー。
【請求項4】
前記弾性ロックアームは、前記光ファイバコネクタが前記アダプタに嵌合される際に、前記光ファイバコネクタが前記ロック突起に当接することによって前記光ファイバコネクタの嵌合が進行可能なように弾性変形することを特徴とする請求項3記載のアダプタカバー。
【請求項5】
前記ロック突起に、前記光ファイバコネクタが当接した際に、前記光弾性ロックアームの弾性変形を容易にする傾斜面を形成したことを特徴とする請求項4記載のアダプタカバー。
【請求項6】
請求項1至5のうちいずれか一項に記載のアダプタカバーと、該アダプタカバーが取り付けられた、光ファイバコネクタのロック機構を有するアダプタとを具備することを特徴とするアダプタ組立体。
【請求項7】
請求項6記載のアダプタ組立体と、前記アダプタに嵌合された光ファイバコネクタとを具備することを特徴とする光ファイバコネクタ組立体。
【請求項1】
光ファイバコネクタのロック機構を有するアダプタに取り付けられるアダプタカバーであって、
前記アダプタに対して固着される固着部と、前記アダプタに嵌合されて前記ロック機構によりロックされた光ファイバコネクタをロックするロック部とを具備することを特徴とするアダプタカバー。
【請求項2】
前記固着部は、前記アダプタに対して着脱可能に固着されることを特徴とする請求項1記載のアダプタカバー。
【請求項3】
前記ロック部は、前記固着部から片持ち梁状に延びる弾性ロックアームで構成され、該弾性ロックアームの先端に、前記アダプタに嵌合された前記光ファイバコネクタをロックするロック突起を設けることを特徴とする請求項1又は2に記載のアダプタカバー。
【請求項4】
前記弾性ロックアームは、前記光ファイバコネクタが前記アダプタに嵌合される際に、前記光ファイバコネクタが前記ロック突起に当接することによって前記光ファイバコネクタの嵌合が進行可能なように弾性変形することを特徴とする請求項3記載のアダプタカバー。
【請求項5】
前記ロック突起に、前記光ファイバコネクタが当接した際に、前記光弾性ロックアームの弾性変形を容易にする傾斜面を形成したことを特徴とする請求項4記載のアダプタカバー。
【請求項6】
請求項1至5のうちいずれか一項に記載のアダプタカバーと、該アダプタカバーが取り付けられた、光ファイバコネクタのロック機構を有するアダプタとを具備することを特徴とするアダプタ組立体。
【請求項7】
請求項6記載のアダプタ組立体と、前記アダプタに嵌合された光ファイバコネクタとを具備することを特徴とする光ファイバコネクタ組立体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−114221(P2013−114221A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262723(P2011−262723)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000227995)タイコエレクトロニクスジャパン合同会社 (340)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000227995)タイコエレクトロニクスジャパン合同会社 (340)
【Fターム(参考)】
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