アッセイ試験診断分析装置
【課題】複数のキャリアを受け入れ且つ保持するためのローディングベイを有するハンドリングシステムを有する、改良された診断システムを提供する。
【解決手段】同定装置は、各キャリアにロードされる内容物のタイプを決定するために、キャリアの同定特徴を同定するように構成されている。搬送装置は、ローディングベイから、各キャリアの内容物の決定されたタイプに応じた第1または第2の位置へキャリアを搬送する。搬送装置は、ローディングベイにおける複数のキャリアにランダムにアクセスする。診断プロセスは、内容物を用いて行われる。
【解決手段】同定装置は、各キャリアにロードされる内容物のタイプを決定するために、キャリアの同定特徴を同定するように構成されている。搬送装置は、ローディングベイから、各キャリアの内容物の決定されたタイプに応じた第1または第2の位置へキャリアを搬送する。搬送装置は、ローディングベイにおける複数のキャリアにランダムにアクセスする。診断プロセスは、内容物を用いて行われる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、診断モジュールを用いてサンプルを自動的に試験するための、サンプルおよび試薬ハンドリングシステムに関する。より詳細には、本発明は、サンプルおよび試薬キャリアがローディングベイに配置され、搬送装置によってキャリアの内容物に依存して異なる位置に搬送される、サンプルハンドリングシステムに関する。本発明は、また、キャリアを吸引位置に位置させるための機構を有する、診断モジュールにも関する。
【背景技術】
【0002】
従来においては、サンプルハンドリングシステムは、試験のために所望されるような、指定された位置に停止するシングルパスキャリアを有していた。これらのシングルパスシステムにおいては、もしもサンプルの再試験または先取り権の優先順位決定が要求されると、試験管は、試験されまたは再試験されるモジュールシステム全体にわたって、ずっと移動しなければならないであろう。このことは、結果として、試験および再試験における重大な遅れ、または非常に複雑で高価なキャリアルーチング機構を生ずる。
【0003】
シングルパスサンプルハンドリング装置の例は、Mitsumakiに対する米国特許第5,876,670号明細書に開示されている。Mitsumakiにおいて、複数の試験管を保持するサンプルキャリアが、モータによって駆動される搬送用ベルトにより分析装置モジュールへ移送される。搬送用ベルト上の全てのサンプルキャリアは、第1の分析装置モジュールについてはサンプリング位置を通過し、且つ第2の分析装置モジュールについては、好ましくは、サンプリング位置へ到達すべく受け入れ位置へ移送されなければならない。サンプルが再試験されることが必要であるとき、操作者は、サンプルキャリアを搬送用ベルトの発端まで戻す。緊急サンプル供給部分は、緊急サンプルラックが通常のラックの前に処理されることを可能として、サンプル供給部分の近傍のベルトの一端部に設けられる。Mitsumakiにおいては、サンプルハンドリングシステムは、搬送用ベルトに沿ってシーケンシャルにサンプルを処理する。そして、サンプルを自動的に再試験することはない。
【0004】
従来のサンプルハンドリングシステムの他の例は、Champseixらに対する米国特許第5,665,309号明細書に開示されている。Champseixらの装置は、複数の試験管についての保持用ラックと、管の内容物をサンプリングするためのサンプリングステーションと、ラック上の選択された位置から管を引き出し、管をサンプリングステーションへ持って行き、その管をその選択された位置へ戻す把持装置と、を備える。把持装置は、個々の管をラックからサンプリングステーションへ移動させる。しかしながら、Champseixらのサンプルハンドリング装置は、サンプルを自動的に再試験し、あるいは急ぎのサンプルを処理するための方法を開示してはいない。
【0005】
Copelandに対する米国特許第5,260,872号明細書は、生産物サンプルの品質試験のための自動化された試験システムであって、複数の試験管を収容する試験管ラックを受け入れるためのローディングステーションと、ピペッティングステーションと、滴下ステーションと、コンピュータプログラムに従って、ローディングステーションから試験管ラックをピックアップし、流体が試験管内にピペット注入され得るようにラックをピペッティングステーションに移動させ、ラックを滴下ステーションに移動させ、そしてラックをローディングステーションに戻すべく適合させられたアームを有するロボット装置と、を備える試験システムを開示している。Copelandの試験管ラックがローディングステーションに戻されたとき、管は取り外され且つ処理され、次にラックには試験管の新たなセットがロードされる。Copelandのシステムは、自動的な再試験または緊急サンプルの試験のために適応しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,876,670号明細書
【特許文献2】米国特許第5,665,309号明細書
【特許文献3】米国特許第5,260,872号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来においては、試薬は、診断モジュールを有する自動化された試験システムにおいて、手動操作によってロードされている。試薬の交換は、しばしば、用具一式における試薬の消耗または試薬の使用期限満了によって、試験の途中で要求される。加えて、試薬は、一日に、システムが、分析装置内にある試薬位置よりもさらに多くの試験タイプ、検体で動作する必要があるときに、必要とされるかもしれない。試薬の手動操作によるローディングは、しばしば、結果的に、プロセスにおける試験の中断または少なくともスループットの損失を生じる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、アッセイ試験診断分析装置および、それのハンドリングシステムに関するものである。好ましい実施形態においては、ハンドリングシステムは、複数のキャリアを受け入れ且つ保持するためのローディングベイを含む。同定装置は、各キャリアにロードされる内容物のタイプを決定するための、キャリアすなわち容器の同定特徴を同定するように構成されている。搬送装置は、ローディングベイから、各キャリアの内容物の決定されたタイプに応じて第1または第2の位置へ、キャリアを搬送するように構成されている。診断プロセスは、内容物を用いて行われる。搬送装置は、好ましくは、ローディングベイにおける複数のキャリアに対するランダムアクセスを有する。
【0009】
この実施形態において、同定装置は、少なくともサンプルかまたは試薬であるようなキャリアの内容物を同定するように構成される。同定装置は、搬送装置がサンプルを第1の位置にそして試薬を第2の位置に搬送し得るように、搬送装置に関連付けられている。ローディングベイは、サンプルローディングエリアおよび分離された試薬ローディングエリアを有することができるが、しかしながら、より好ましい実施形態においては、試薬キャリア内のサンプルが、いかなる順序にでも配置され得る単一のローディングエリアが設けられている。同定装置は、好ましくは、ローディングベイ内にキャリアがロードされている場所とは無関係に、内容物のタイプを同定するように構成されている。さらに好ましくは、搬送装置は、実質的にローディングベイおよび/またはそれぞれ第1または第2の位置におけるどの位置からも、および/またはどの位置へも、キャリアを搬送することができる。
【0010】
本ハンドリングシステムの利点は、試薬が消耗されまたは期限満了となったときに、自動化された試験の動作を停止することまたはシステムのスループットを引き下げることなしに、試薬が、ロードされ且つアンロードされ得ることである。さらに、本ハンドリングシステムは、試験の動作を停止することまたはシステムのスループットを引き下げることなしに、試験が要求する通りに、一つの検体を他のものと交換する能力を含む。
【0011】
好ましい実施形態の第1のキャリア支持部材、例えば、吸引プラットフォームは、第1の位置を含み、且つ診断プロセスを実行するように構成された診断モジュールによってアクセスするために配置されている。搬送装置は、ローディングベイから第1のキャリア支持部材へキャリアを搬送するために、且つそれに加えて第1のキャリア支持部材上の異なる位置の間でキャリアを移動させるように、構成され得る。搬送装置は、好ましくは、キャリアを、キャリア支持体上の複数の第1の位置へ、およびそれらの位置から、例えば、いつでも支持部材上に2つ以上のキャリアを配置させるべく、移動させ得る。代替の実施形態において、第1のキャリア支持部材は、キャリアの複数の容器のうち少なくとも1つの内容物を試験するための診断モジュールによるアクセスのために、キャリアを受け入れ且つ移動させるように構成され得る、位置決め装置を含み得る。
【0012】
好ましくは、同定特徴は、光学的に読み取り可能な特徴を有する。同定装置は、それゆえ、この特徴を読み取ることができる光学的リーダを含み得る。キャリア上の同定特徴は、好ましくは、保持する試薬またはサンプルとしてそれらを同定する。好ましくは、個々のサンプルおよび試薬は、同定装置によって個々に同定されるようにしても良い。代替として、キャリアは、センサによって検出され得る他の物理的な相違によって識別され得るか、あるいは、異なるタイプのキャリアは、それらがキャリアの位置によって同定されるのを許容すべくわずかに異なる配向にあっても良い。他の実施形態においては、同定特徴は、キャリアの高さのような、同定可能な物理的特性である。
【0013】
プログラム可能な制御用コンピュータは、搬送装置および装置の他の移動部品の動作を、入力データおよびキャリアの内容物を処理するための予めプログラムされた優先順位に基づいて、制御し得る。好ましい実施形態においては、試験されるべきサンプルは、診断システムにロードされ、そして試薬を有する容器を保持する試薬キャリアも、システムにロードされる。試薬キャリアは、搬送装置によって自動的に、カルーセル上のような試薬支持部材へ搬送される。サンプルは、実施される試験に依存する適切な試薬によって試験される。
【0014】
キャリアの好ましい実施形態は、サンプルまたは試薬のような流体物質を有する容器を保持するように構成されている、少なくとも1つの容器保持部分を含む。好ましくは、キャリアは、試薬を運ぶように構成されており、キャリアの本体に対して少なくとも1つの保持部材を移動させるための攪拌部材を含んでいても良い。攪拌部材は、キャリアの本体に対して、保持部分によって保持された容器を移動させるために、診断分析装置の第2の係合部分に係合可能である、第1の係合部分を含み得る。この移動は、好ましくは、キャリア本体と第2の係合部分との間の相対的な運動に対応する。複数の保持部分は、キャリア上に設けられ得るとともに、好ましくは、決して全ての容器が本体に対して移動されることがないように、全てよりも少ない保持部分が、第1の係合部分と関連付けられる。この移動は、好ましくは、容器の内容物を混合または攪拌するために提供される。好ましい実施形態においては、第1の係合部材は、そこに結合されている容器を回転させるように構成される。係合部材は、回転可能であり、且つ第2の係合部材に対して転動するように構成され得る。一実施形態において、第1の係合部材は、第2の係合部材の歯に噛合させるように構成されている歯車、または第2の部材に摩擦係合状態にある摩擦車を含む。キャリアがカルーセル上に搭載されるある実施形態においては、第2の係合部材は、キャリアの歯車と噛合させまたは摩擦車と接触させるべくカルーセルの可動部分に近接して配置される、リング歯車または摩擦車を含んでいても良い。したがって、カルーセルは、リング歯車または摩擦車のまわりを回転するので、キャリア歯車または摩擦車は、そこに搭載された容器の回転を生じさせる。リング歯車とキャリア歯車との間の比は、試薬キャリアが試薬カルーセルから取り外されたときに試薬ビン上に配置されたバーコードの読み取りを容易にすべく、整数にされ得る。
【0015】
好ましい保持部分は、そこに配置される容器を把持するように構成されている。また、本体は、手によってロードされたキャリアを把持するのを容易にすべくハンドル部分を有していても良い。その上、搬送装置結合部分は、装置における異なる位置の間のキャリアの搬送を可能とすべく、搬送装置に結合するために設けられていても良い。
【0016】
好ましい実施形態においては、位置決め装置は、診断モジュールによるアクセスのためにキャリアを受け入れ且つ位置決めするように構成されている。この位置決め装置は、好ましくは、試薬キャリアを受け入れるために設けられ、そして第2の位置を含み且つ第2のキャリア支持部材である。位置決め装置に関連付けられた保持部材は、位置決め装置にキャリアをロックするように構成されている。保持部材は、好ましくは、搬送装置に位置決め装置からキャリアを搬送させるべく、キャリアを解放し且つ包含するために搬送装置に操作可能に結合される。この操作可能な結合は、それらの間の、電気的接続である、接触によって付勢される機械的結合によって提供され得るか、または、それは、搬送装置と位置決め装置の位置を追跡する、制御コンピュータによって提供され得る。
【0017】
好ましい位置決め装置は、回転可能に駆動されるカルーセルであって、診断モジュールによってキャリアの内容物へのアクセスを提供すべく駆動される。好ましい実施形態の付勢部材は、搬送装置と付勢部材との間の接触時にキャリアを解放するために搬送装置に操作可能に結合される。キャリアロック用部材は、好ましくは、キャリアをロックすべくおよびロック解除すべく、キャリアに関連付けてカルーセルに対して移動するように構成されている。付勢部材は、好ましくは、キャリアのロック動作および/またはロック解除動作を生じさせるためにキャリアロック用部材を移動させるべく、搬送装置によって変位させられる。好ましくは、ロック用部材は、キャリアをロックされる位置に移動させるべくカルーセルに対してキャリアを変位させる。カルーセルは、好ましくは、回転可能であるかまたはさもなければ付勢部材に対して移動可能であり、そしてロック用部材は、好ましくは、カルーセルに搭載される。付勢部材およびロック用部材は、不活性休止位置における付勢部材が、カルーセル回転の間に、ロック用部材に干渉することがないように配置される。
【0018】
保持部材は、また、好ましくは、ラッチ用部材とラッチ可能部分の間の好ましくは相対的な運動における、ロックされる位置においてキャリアのラッチ可能部分にラッチするように構成されるラッチ用部材をも備える。ロック用部材は、好ましくは、カルーセルに対して移動可能であり、且つキャリアをロックするためにおよびロック解除するためにラッチ用部材に対して少なくともキャリアの一部を移動させるべく、キャリアに関連付けられている。加えて、ロック用部材は、ラッチ用部材に対してキャリアをスライドさせるべく、キャリアの凹所に受け入れられるタブを有していても良い。
【0019】
キャリアセンサが、位置決め装置上におけるキャリアの存在を検出するために設けられていても良い。このキャリアセンサは、例えば、ホール効果、光学的または容量的センサであっても良い。
【0020】
本発明の付加的な利点は、添付図面からだけでなく、記載された説明および本明細書の特許請求の範囲に特に指摘された装置および方法によって、実現され且つ達成されるであろう。上述の一般的な記述および以下の詳細な説明の両方が、例示的であり、且つ特許請求の範囲で請求された発明のさらなる説明を提供すべく意図されていることが、理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のサンプルハンドリングシステムの好ましい実施形態の斜視図である。
【図2】アクセス扉が取り除かれた、図1のサンプルハンドリングシステムの平面図である。
【図3】2つの診断モジュールを有するサンプリングハンドリングシステムの好ましい実施形態の斜視図である。
【図4】アクセス扉が取り除かれた図3のサンプルハンドリングシステムの平面図である。
【図5】キャリア位置決め装置の好ましい実施形態の斜視図である。
【図6】搬送装置の好ましい実施形態の斜視図である。
【図7】本発明に従った診断分析装置システムの他の実施形態の上面図である。
【図8】サンプル受け入れトレイを含むその吸引プラットフォームの斜視図である。
【図9】試薬キャリアの好ましい実施形態の斜視図である。
【図10】図10に断面にて示され、明確化のために図11からは隠されたカルーセルを有する、ロック解除位置における図7の実施形態の試薬位置決めおよびロック用システムの上面斜視図である。
【図11】図10に断面にて示され、明確化のために図11からは隠されたカルーセルを有する、ロック解除位置における図7の実施形態の試薬位置決めおよびロック用システムの底面斜視図である。
【図12】ロックされた位置における試薬キャリアの上面斜視図である。
【図13】ロックされた位置における試薬キャリアの底面斜視図である。
【図14】ローディングラックの他の好ましい実施形態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、自動試験および再試験のための診断モジュールへおよび診断モジュールからサンプルおよび試薬を移動させるための、ランダムサンプルおよび試薬ハンドリングシステムに関する。ランダムハンドリングシステムは、複数のキャリアを受け入れるためのローディングラックを含む。キャリアは、サンプルで満たされたいくつかの管を含み得る。好ましい実施形態においては、サンプルキャリアは、診断モジュールの前方に配置されたローディングラック上の固定リニアアレイに配置される。オペレータは、キャリアを個別的に、または多数のキャリアの便利な取り扱いのためにトレイ内に、ロードしてよい。個別的キャリアスロットは、即時処理を必要とする高い優先順位のまたは緊急のサンプルをロードするために設けられている。
【0023】
ロボット装置は、ローディングラックへおよびローディングラックから、ならびに診断モジュール近傍のキャリア位置決め装置へおよびキャリア位置決め装置から、キャリアを搬送すべく設けられている。ロボット装置は、プログラム可能なコンピュータによって制御され、試験および再試験のために要求に応じてキャリアを移動させる、アームを有する。システムは、ユーザにサンプルを再試験するための規則または基準をユーザが柔軟に設定することを可能とする、ソフトウェアを含む。これらの規則は、また、先の試験の結果に応じて他のタイプの試験に変更するためにも利用され得る。これは、利用されたときにリアルタイムでオペレータの関与を最小化する、非常にコスト効率が良いアプローチであり得る。システムは、また、キャリアをロードした後に特定のサンプルのために試験要求を変化させることをユーザが決定する場合におけるサンプラハンドラの操作を、一時停止することを可能とするソフトウェア能力をも含む。
【0024】
キャリア位置決め装置は、キャリアを位置決めするために診断モジュールの近傍に配置され、それゆえ試験のために選択されたサンプルは、プローブによって吸引される。位置決め装置は、プログラム可能なコンピュータからのコマンドに応答してステッピングモータによって駆動される、リードスクリューに結合されるキャリッジを含む。好ましい実施形態においては、キャリア位置決め装置は、システムスループットを維持すべく、搬送装置が他のキャリアを位置決め装置にロードする間に、処理モジュールが一つのキャリアを試験することを可能として、少なくとも2つのキャリアを適応させ得る。
【0025】
バーコードリーダは、キャリアおよび容器同定を読み取るために設けられる。システムにおけるバーコードリーダは、ロボット装置がキャリアをリーダに通すときに、キャリアおよびサンプル管または試薬ビンに貼付された、バーコードが付されたラベルを読み取る。
【0026】
ただ一つのロボット装置およびバーコードリーダが、好ましくは、サイズにかかわらず、本システムのために使用される。本発明は、ユーザの特定の作業量に依存する可変待ち行列サイズ設定のために動的に形成され得る。加えて、システムの全容量は、試験所における試験セグメントの全域で変動するピークローディング要求に基づいて変化され得る。
【0027】
運転中に、ロボットアームは、ローディングラックからキャリアをピックアップし、且つキャリアおよびサンプルを同定すべくバーコードリーダを通り過ぎて移動する。コンピュータにおいて以前にプログラムされた試験は、キャリアにおける各管に割り当てられる。ロボットアームは、試験されるべきキャリアをキャリア位置決め装置へ届ける。位置決め装置は、診断モジュール上のピペッタ近傍の予め決定された位置にキャリアを移動させるべくコンピュータによって制御される。ピペッタは、試験のための管からサンプルを吸引する。試験がキャリアにおける全ての管について完了されたとき、ロボットアームは、キャリアをロードし、且つローディングラック内のその指示された位置へキャリアを戻す。1つのキャリアの管が吸引されている間に、第2のキャリアはキャリッジに移動され得る。
【0028】
キャリアハンドリングシステムは、1つより多くの診断モジュールを含み得る。例えば、好ましい一実施形態においては、キャリアハンドリングシステムは、2つの診断モジュール、臨床化学試験モジュール、および免疫アッセイモジュールを含む。キャリア位置決め装置は、システムにおける各診断モジュールについて設けられる。
【0029】
本発明は、種々の診断モジュールに適合され得るモジュール方式ランダムサンプリングシステムを提供する。本キャリアハンドリングシステムは、モジュール方式であり、且つ種々のサイズの処理モジュールに拡張可能であり、そして単一または多重モジュールシステムのために使用されても良い。システムは、ローディングラック上のキャリアにランダムアクセスを提供する。このランダムアクセス能力は、システムが、高い優先順位のサンプルに迅速にアクセスし且つこれを処理することを可能とする。この能力は、また、システムが、異なるスループット性能を有する多重処理モジュールの作業量のバランスをとることをも可能とする。サンプルが、最初に処理された後に、サンプルキャリアはローディングエリア内のそれらのスロットに戻され、次に自動化された再試験能力を提供するために、初期試験が完了したときに再びアクセスされる。この自動化された再試験能力は、オペレータによるいかなる付加的な介入をも必要としていない。ランダムアクセスは、再試験されるべきサンプルが、可能な最も短い時間内に処理され得ることを確実にする。システムは、機械的に単純であり、システムコストを最小化し且つシステム信頼性を最大化する。本システムは、それだけで完備しており、且つ製造および現地における据え付けの容易性のために、処理モジュールとは無関係に組み立てられ且つ試験され得る。
【0030】
システムは、また、以前のハンドリングシステムよりもより早い時間で、且つより信頼性をもって試験および再試験をするために、サンプルを処理することも提供される。本発明のサンプルハンドリングシステムは、ルーチン試験サンプルのスループットを維持しつつ、高い優先順位のサンプルのより早い処理を付加的に提供することができる。
【0031】
システムは、複数の試験サンプルを有するキャリアを、ローディングラックからサンプル試験エリアへ移動させ、且つキャリアをローディングラックへ戻すためのロボットアッセンブリを有し、そして(1)ロボットアッセンブリを制御し、(2)予め決定された優先順位に基づいて試験するためのキャリアを選択し、(3)キャリアおよびサンプルの実際的な同定を達成し、そして(4)アクセス扉が開いており、またはキャリアが早期的に除去されているときに、実際的な同定の不履行を識別するためのプログラム可能なコンピュータを有して、提供され得る。
【0032】
本発明の好ましい実施形態は、キャリアハンドリングシステムであり、概して参照符号10によって示されている。図1および図2に示されるように、本ハンドリングシステム10は、複数のキャリア40を受け入れるための複数のスロット32を有するローディングラック30を含む。各キャリア40は、サンプルで満たされた、管またはカップのような、複数の容器42を保持することができる。この例においては、各キャリア40は、5つの管42を保持することができる。しかしながら、キャリア40は、システムの要求に応じて、程度の差はあるが管42のいずれかを保持するように構成され得る。
【0033】
サンプルキャリア40は、処理モジュール20の近傍の固定リニアアレイにおけるローディングラック30上に配置される。オペレータは、キャリア40を、多重キャリアの容易なハンドリングのためにローディングラック上、またはローディングベイのプラットフォーム30上の、スロット32内またはトレイ35に個別にロードすることができる。ローディングラック30は、円形トレイの回りに配列されたスロットを有する、円形のような他の形状に構成されることができる。ローディングラック30は、ルーチンローディングエリア31および緊急または急ぎのサンプルエリア33を含む。本発明の好ましい実施形態においては、ルーチンローディングエリア31は、複数のベイ36を備え、各ベイ36は、トレイ35に適応している。各ベイ36は、ローディングラック30に取り付けられた扉38を含む。各扉38は、トレイ35の挿入によって自動的に解放されるラッチを含む。このラッチは、好ましくは、オペレータがキャリア40の操作に影響することを防止すべく、手によって作動させることが困難である。
【0034】
キャリア40は、ハンドリングシステム10の前部12からローディングラック30内にトレイ35をロードする前に、トレイ35にロードされても良い。その代わりに、キャリアは、ローディングラック30に予めロードされたトレイにロードされても良い。この例においては、トレイ35は5つのキャリアまで適応し、且つローディングラックは、各々最大25サンプルまで保持する7つの急ぎのキャリア40および4つのルーチントレイ35に適応する。しかしながら、ローディングラック30は、試験所における検査セグメント全体にわたって変動するピークロード要求に適応するように異なって構成されてもよい。
【0035】
キャリア40は、試験または再試験のために選択されるまでトレイスロット内に配置される。キャリア40は、再試験直後、またはキャリア40における全ての試験が完了した後で、且つ再試験が全く要求されないときに、アンロードするために解放される。トレイ35は、トレイ35における全てのキャリア40がアンロードするために解放されるときに、アンロードするために解放される。高い優先順位のまたは急ぎのキャリア40は、高優先順位サンプルエリア33内にロードされる。高優先順位エリア33に配置されたキャリア40は、吸引のためにキャリア位置決め装置80へ移送され、且つそれから再試験が必要とされるかどうかをプログラム可能なコンピュータ60が決定するまで、急ぎエリア33へ戻される。急ぎのキャリア40は、全ての試験が完了し且つあらゆる再試験要求が吸引された後に、アンロードするために解放される。
【0036】
複数の状態インジケータ74は、高優先順位エリア33における完了したトレイ35または個々のキャリア40が取り除かれたときに、オペレータに指示すべく設けられている。例えば、状態インジケータ74は、対応するトレイ35またはキャリア40がアクセス可能であることを示すために緑色になり、または状態インジケータ74は、トレイ35またはキャリア40が処理中であり且つ完了するまで適正位置に残しておくべきであることを示すために黄色になる。
【0037】
本サンプルハンドリングシステム10は、高優先順位エリアに新たなトレイ35または新たなキャリア40がロードされていることを検出するための手段を含む。ローディングラックセンサ98(図示せず)は、トレイまたはキャリアそれぞれの存在を検出すべく、各ベイまたは急ぎスロットに配置される。もしも新たなトレイが検出されたならば、トレイ35の内容物は、トレイ内に何らかのキャリアがあるかどうかを決定すべく、キャリア搬送装置50上の第1のセンサ102によってスキャンされる。
【0038】
好ましい実施形態においては、サンプルハンドリングシステム10は、試験および再試験(図6を参照されたい)に要求されるように、キャリア40を移動させるためのロボットアーム52を有するロボット装置からなる、キャリア搬送装置50を含む。ロボットアーム52は、指示タブ48によってキャリア40をピックアップする把持器装置54を有する。ロボット搬送装置50は、プログラム可能なコンピュータ60によって制御される駆動モータ58を含む。好ましい実施形態において、ロボットアーム52は、タイミングベルト56によってローディングプラットフォーム30の長さを横切っている。しかしながら、ロボットアーム52を移動させるために他の手段が使用され得ることは、当業者によって理解される。
【0039】
搬送装置50は、キャリア40を、ローディングラック30内に管42を保持するキャリア40の全体の高さよりもほんのわずかだけ高く上昇させることが可能である。搬送装置50の垂直運動は、ステッピングモータ92によって駆動されるリードスクリュー90によって生起される。ロボット搬送装置50は、また、バーコード読み取り、キャリアスロットへのアクセス、キャリア位置決め装置80へのアクセス、および試薬格納位置へのアクセスのための位置の間の運動の210度の範囲を通して、キャリア40を回転させる。搬送装置50の回転運動は、ステッピングモータ97に結合されたスプラインシャフト96によって提供される。スプラインシャフト96は、ロボットアーム52が、正確な角度位置を維持している間に、垂直に移動することを可能とする。好ましい実施形態は、ロボット搬送装置を動かすための特別な手段を含むが、搬送装置50を移動するために他の手段が使用され得ることは当業者によって理解される。
【0040】
本サンプルハンドリングシステム10は、また、試験管42(図5を参照されたい)内のサンプルの試験を主導するために診断モジュール20の近傍に配置された、キャリア位置決め装置80も含む。好ましい実施形態においては、キャリア位置決め装置80は、キャリアを受け入れるための複数の開口部86を有する。位置決め装置80は、処理モジュールの試験ポイントの直下に少なくとも2つの完了キャリアを位置決めして、システムスループットを維持すべく搬送装置50が位置決め装置80上の他のキャリア40をロードする間に、処理モジュールが一つのキャリア40から吸引するのを可能とすることができる。キャリア位置決め装置80は、コンピュータ60のコマンドに応答してステッピングモータ84によって駆動されるリードスクリュー82上に、キャリッジ81を含む。好ましい実施形態においては、位置決め装置80はリードスクリュー88によって駆動されるが、位置決め装置80は、ベルト、チェーン、エアシリンダまたはリニアモータのような、他の既知の駆動手段によって駆動されても良い。位置決め装置80は、ルーチンキャリアおよび高優先順位キャリアのために多重開口86を含む、種々の形態であっても良い。
【0041】
好ましい実施形態において、キャリア位置決め装置80は、システムの全体の製造コストを低減すべく共通のハードウェアを用いて、いくつかの異なるタイプの処理モジュールの必要性に適応すべく4つの開口86を有する(図5を参照されたい)。位置決め装置80は、種々の診断モジュール20に適合させるように構成される。例えば、1つのピペッタに2つの開口が使用され、同一の診断モジュール20における異なるピペッタについての他の2つの開口が使用されても良い。その代わりとして、他の2つの開口がルーチンサンプルキャリアに適応していると同時に、2つの開口が、単独で高優先順位サンプルキャリアに適応しても良い。
【0042】
ロボット搬送装置50は、次の6つの基本的なキャリアハンドリング操作、1)ローディングラック30からキャリア40をピックアップし、2)キャリア40をローディングラック30内に配置し、3)キャリア40を位置決め装置80上に配置し、4)位置決め装置80からキャリア40をピックアップし、5)キャリア40をバーコードリーダ70に提示し、そして6)キャリア40についてトレイ35をスキャンする、各操作を実行する。
【0043】
本発明の好ましい実施形態において、ロボット搬送装置50は、システムの正確な操作を監視するために9つのセンサを含む。特有の値および搬送される生物学的なサンプルの事故によって、搬送装置50の操作を監視し且つ検証することの高い程度の能力が重要である。搬送装置50上の第1の反射センサ102は、トレイ35またはスロット32におけるキャリア40の存在を決定するのに使用される。第2の(キャリアスロット位置合わせ)センサ104は、キャリアのピックアップおよび配置のためのローディングラック上の、搬送装置50とキャリアスロットとの間の正確な位置合わせを検証するために使用される。第3の(キャリア位置決め装置位置合わせ)センサ106は、搬送装置と位置決め装置80における開口86との間の位置合わせを検証するために使用される。第4の反射センサ107は、キャリア40が位置合わせ装置80上にあるかどうかを決定するために使用される。搬送装置50の水平、回転、および垂直運動は、第5、第6、そして第7のセンサ108、110、112によって監視される。回転運動センサ110とともに配置される、第8のセンサ114は、ロボットアーム52の正確な回転位置を検証するために使用される。ロボットアーム52上に配置されるのは、キャリア40が安全な搬送のためにアーム52に適切に係合されていることを検証するために使用される、第9のセンサ116である。好ましい実施形態は上述された9つのセンサを含むが、搬送装置50およびロボットアーム52の操作を監視し且つ検証するために他の手段が使用され得ることは、当業者によって理解される。
【0044】
バーコードリーダ70は、キャリアおよびサンプル同定を読み取るために本サンプルハンドリングシステムに含まれる。バーコードラベルが、キャリア40および、任意にはサンプル管42上に、貼付される。キャリア40は、キャリア40が最初に選択されたとき、バーコードリーダ70で一回スキャンされる。スキャンされた後、キャリア40は、搬送装置50またはリニア位置決め装置80のみによって移動される。この時点で、キャリア40の全ての運動は、コンピュータ60への位置および位置合わせフィードバックを生成し、それゆえキャリア同定は、バーコードリーダ70によって一回読み取られることのみが必要である。
【0045】
多くのタイプの診断モジュール20が、免疫アッセイモジュールまたは臨床化学試験モジュールを含む、本ランダムサンプリングハンドリングシステム10に採用され得る。適切な診断モジュールの例は、イリノイ州アボットパーク(Abbott Park,Illinois)のアボットラボラトリー(Abbott Laboratories)で製造されるARCHITECT.RTM.i1000、i2000、およびc8000処理モジュールを含む。
【0046】
サンプルハンドリングシステム10の好ましい実施形態において、複数のアクセスカバー94が、ローディングラック30上に配置されている。アクセス扉94が開かれているとき、アクセスカバー94に結合されているインターロックは、好ましくは、実際的な同定の不履行、好ましくはバーコードリーダ70でキャリア40を再スキャンする必要があることを示すであろう。
【0047】
本キャリアハンドリングシステム10の動作の間に、オペレータは、トレイ30または個別のキャリア40をローディングラック30にロードする。オペレータが、コンピュータへ患者サンプル同定および試験順序を入力するか、またはこの情報が、ラボ(研究室)情報システムからコンピュータ60内へダウンロードされる。試験順序は、複数の分離されたアッセイを要求する場合がある。一旦サンプルがロードされると、プログラム可能なコンピュータ60は、事前にプログラムされた優先順位に基づいて種々のサンプル試験の順序を決定する。システムは、キャリア40の存在を検出し且つサンプリングのための一つを選択する。コンピュータ60は、ローディングラック30から選択されたキャリア40をピックアップし、且つキャリア40およびサンプル管42を同定するためにバーコードリーダ70を通ってキャリア40を搬送すべく、ロボット搬送装置50を付勢し、バーコードデータは、プログラム可能なコンピュータ60に送られる。コンピュータ60において先にプログラムされた試験は、キャリア40における各チューブ42に割り当てられる。搬送装置50は、それから、キャリア40を位置決め装置80へ届ける。コンピュータ60におけるソフトウェアは、位置決め装置80の移動を制御し、試験現場または診断モジュール20のピペッタの近傍の予め決定された位置に、キャリア40を移動させる。ピペッタは、試験のために管42からサンプルを引き抜く。
【0048】
キャリア40内の全ての管42の試験が完了したとき、ロボットアーム52は、キャリア40をロードし、次にローディングラック30のその割り当てられた位置にキャリア40を移動させ且つ戻す。一つのキャリア40の管42が吸い込まれる間、第2のキャリア40は、試験のためにキャリッジ31上にロードされ得る。この点で、状態インジケータ74は、コンピュータ60が再試験を決定するまでキャリア40についての保持状態を示すであろう。もしも、再試験が必要であれば、キャリア40が、上述された同一のプロセスで、しかしバーコードスキャンなしに、再び選択される。ロボット50は、キャリア40のピックアップを継続し、必要に応じて、キャリア40をスキャンし且つ配置する。各トレイ35またはスロット32についての状態インジケータ74は、再試験が要求されないときには、キャリア35またはキャリア40の完了されたトレイを示すであろう。オペレータは、完了された40またはキャリア35のトレイを、それらがアンロードのために解放されたときに、取り除くべきである。
【0049】
キャリアの実際的な同定は、好ましくは、もしもサンプルハンドリングシステム10のアクセスカバー94が開かれているならば、侵害されたとみなされる。アクセス扉94が開いているときは、好ましくは、全てのキャリア40は、さらなる試験を行う前に、実際的な同定を提供させるべく、再スキャンされなければならない。さらに、キャリア40の実際的な同定は、もしもローディングラック30上のキャリア40またはトレイ35が時期尚早に取り外されたならば、侵害される。この点にて、時期尚早に取り外されたキャリア40またはトレイ35は、好ましくは、置き換えられ且つ再スキャンされなければならない。スロットおよびトレイセンサ98は、実際的な同定のそのような侵害を識別すべく連続的に監視される。プログラム可能なコンピュータ60は、各個別のトレイまたはキャリアセンサ98の状態を順次迅速にチェックする。もしもセンサ状態における変化が観測されたら、コンピュータ60は、キャリア40またはトレイ35が取り外されており、そして内容物の同一性が、問題のキャリア40が再スキャンされるまでもはや保証されないことを、決定することができる。
【0050】
好ましい実施形態において、ロボットアーム52は、それが動いている間は、リニア位置決め装置80をアクセスすることができない。例えば、もしも位置決め装置80が、2つのキャリア40を収容しており、そして2つのキャリア40は、既に位置決め装置80上にあるならば、高優先順位または急ぎのサンプルのための先取権は許可されない。高優先順位の試験は、好ましくは、処理中のキャリア40が完了するまで待たなければならない。この点について、完了されたキャリア40は、アンロードされ、急ぎのサンプルがロードされ且つ直ちに処理されるであろう。しかしながら、もしも、位置決め装置80内にただ1つのキャリア40があるならば、急ぎまたは優先キャリアが直ちにロードされ、そして現在のサンプルが完了した後に、急ぎまたは優先キャリアが、吸引のために位置決めされるであろう。急ぎキャリア上の全ての管サンプルが吸引された後に、残ったルーチンサンプルの吸引が再開されるであろう。
【0051】
好ましくは、コンピュータソフトウェアは、サンプル処理のための、予めプログラムされたまたはプログラム可能な優先順位を含む。例えば、キャリアは、次の優先順位に従って処理のために選択され得る、1−完了されたキャリアをアンロード、2−吸引されたキャリアをローディングラックへ移動、3−急ぎまたは優先再試験、4−急ぎまたは優先試験、5−急ぎまたは優先キャリアをピックし、スキャンし保持エリアへ移動、6−ルーチン再試験、7−ルーチン試験、8−ルーチンキャリアをピックし、スキャンしそして保持エリアへ移動。サンプル優先順位のこの順序は、高優先順位のサンプルに対する迅速な応答および高いシステムスループットの維持を結果として生じさせるべく示されている。他の優先順位スキームが、異なるレベルのパフォーマンスおよび応答性を達成すべくインプリメントされ得ることは、当業者によって理解される。
【0052】
キャリアハンドリングシステムの他の好ましい実施形態は、複数の診断モジュール20を有して図3および図4に示されている。この代替的実施形態は、図1および図2に描かれたものと非常に類似している。したがって、図3および図4における同様の参照符号は、図1および図2に関連して規定されたのと同一の要素を示している。
【0053】
図3および図4におけるキャリアハンドリングシステム10’は、少なくとも2つの診断モジュールを含む。診断モジュール20は、免疫アッセイ、臨床化学、血液学、または他の既知の診断モジュール、またはこれらのモジュールの組み合わせを含み得る。キャリア位置決め装置80は、各診断モジュール20について設けられる。複数の診断モジュール20を有するサンプルハンドリングシステム10’は、ラボにおける生産性を高める。さらなる多重モジュールシステムは、種々のシステムへの分配のためにサンプルを分離または分取することの必要性を低減する。本システムにおいて、サンプルは、システムからそれらを除去することなしに、種々のモジュールで試験され得る。この多重モジュールシステムは、また、ラボにおけるスペースの要求をも低減し且つ運転のためのコストを低下させ得る。
【0054】
図3に示されるように、キャリアハンドラシステム10’の好ましい実施形態は、7つの緊急または優先キャリアスロット32を有するローディングラック30と、各々5つのキャリア40を保持するルーチントレイ35を受け入れるための12個のベイ36とを含む。
【0055】
ただ一つのキャリア搬送装置50およびバーコードリーダ70が、好ましくは、サイズにかかわらず、本システムに使用される。適切な制御ソフトウェアが、予め決定された優先順位に基づいて試験および再試験するためにキャリア40を選択し、機構の操作を指示し、正しい操作のためにシステムを監視すべく、本システムに使用される。
【0056】
本サンプルハンドリングシステムは、モジュール方式で且つ処理モジュールの種々のサイズに拡張可能で、単一および二重モジュールシステムに使用され得る。システムは、ローディングプラットフォームにおけるサンプルキャリアに対するランダムなアクセスを提供する。このランダムアクセス能力は、システムが高い優先順位のサンプルに迅速にアクセスし且つこれを処理することを可能とする。この能力は、また、システムが異なるスループット能力を有する2つの処理モジュールの作業量のバランスをとることをも可能とする。サンプルが最初に処理された後、サンプルは、ローディングプラットフォームに戻されることが可能であり、それから初期試験が自動化された再試験能力を提供して完了するときに再度アクセスされ得る。この自動化された再試験能力は、好ましくは、オペレータによるいかなる付加的な介入も必要としない。ランダムアクセスは、再試験されるサンプルが可能な最も短時間で処理され得ることを保証する。システムは、機械的に単純であり、そのことはシステムコストを最小化し、且つシステムの信頼性を最大化する。本システムは、自蔵式であり、且つ製造および現場での据え付けを容易にするために、独立に処理モジュールが組み立てられ且つ試験され得る。
【0057】
不正なキャリア配置を防止するためのいくつかの特徴が、本サンプルハンドリングシステムに含まれる。まず、搬送装置50上の第2および第3のセンサ104および106は、それぞれ、リニア位置決め装置80およびローディングラック30によって、キャリア40の正しい位置合わせを検証する。加えて、第1のセンサ102は、ローディングラック30上のキャリア40の存在を検証し、且つ第4のセンサ107(図示せず)は、位置決め装置80上のキャリア40の存在を検証する。さらに、システムは、センサの動作の頻繁なソフトウェア検証を含む。
【0058】
図7を参照すると、診断分析システムの他の実施形態は、サンプルおよび試薬容器122、124の両方を受け入れるように構成されている、ローディングトレイを有するローディングベイ120を含む。サンプルおよび試薬の安定性を保証するために、冷却がローディングトレイエリアに含まれていても良い。好ましくは、サンプルおよび試薬容器122、124は、それぞれ、サンプルおよび試薬キャリア126、128に保持される。ロボット搬送装置130は、サンプルおよび試薬キャリア126、128の両方にリンクし且つ両方を搬送するように構成されている。ロボット搬送装置50は、バーコード読み取り、キャリアスロットに対するアクセス、キャリア位置決め装置80に対するアクセス、および試薬格納位置に対するアクセスのための位置の間の、210度の運動の範囲にわたってキャリア40を回転させ得る。搬送装置130は、好ましくは、それらがローディングベイ120内のどこに配置されているかにかかわらず、サンプルキャリア126または試薬キャリア128のいずれかに対するランダムアクセスを有している。図7において、試薬キャリア128は、サンプルキャリア126の右側にグループとして示されているが、好ましい搬送装置130およびローディングベイ120は、どのような位置においてもそしてどのような順序においても、サンプルキャリア120の間に試薬キャリア128が散在されていてさえも、キャリア126、128を収容し得る。その代わりの実施形態において、しかしながら、分離されたベイがサンプルキャリア126および試薬キャリア128のために設けられる。
【0059】
好ましい実施形態は、好ましくは、図8に示されるように、それに沿ってサンプルキャリアを移動させるためのいかなる機構にも制限されることなく、サンプル位置決めシェルフ132を有する吸引トレイを有している。搬送装置130は、好ましくは、診断モジュール136によるアクセスのために必要とされるように、シェルフ132に沿ってサンプルキャリア126を再配置するように構成されている。診断モジュール136のピペッタ134によってアクセスされるべきサンプル容器122は、好ましくは、シェルフ132の直立壁部における切欠部138の近傍である、ピペッティング位置に配置される。切欠部138は、それがサンプル容器122の内容物に向かって下向きに移動されるにつれて、ピペッタ134の端部を受け入れるように構成されている。他のサンプル容器122およびサンプルキャリア126に対するアクセスのために、搬送装置130は、シェルフ132に沿ってサンプルキャリア120を再配置する。シェルフ132は、好ましくは、各々がピペッタ134によるアクセスのための必要に応じて搬送装置によって再配置され得る、複数のサンプルキャリア126に適応するために充分に大きい。シェルフ132は、好ましくは、底部支持面142、およびサンプルキャリア126がシェルフから滑り落ちるのを防止すべく充分に高い前側直立壁部144、ならびに直立背面壁部146を有する。背面壁部146は、好ましくは、前側壁部144、キャリア126、およびキャリア126内に保持されるどの容器122よりも高く、そして好ましくは背面壁部146の後ろに配置される診断モジュール136における無菌性を促進する。
【0060】
好ましい実施形態においては、サンプルキャリア126は、サンプル容器122がその中に収容される、開口に対して軸方向に整列されたスロット140を有する。スロット140は、容器122上に存在するバーコードまたは他の同定特徴のスキャニングを許容する。代替的な実施形態において、他のバーコードまたは他の同定特徴は、さらにあるいは代替として、サンプルキャリア126それ自体の上に存在することも可能である。
【0061】
試薬キャリア128の好ましい実施形態は、図9に示されている。キャリア128は、保持部分152から154を含み、各々が試薬容器124を保持するように構成されている、キャリア本体150を有している。3つの保持部分152から154は、好ましくは、容器124のベースに対するスナップ嵌合式結合のための構造を有している。保持部分154は、付加的に、直立ポスト158上に支持され得るとともに、代わりの試薬容器(図示せず)のベースの拡大された直径部分のまわりをクリップするように構成され、他の試薬容器上に配置されるスナップ嵌合の特徴を有していない、ナブ156を含む。
【0062】
保持部分152は、一定の混合または攪拌効果のためにそこに付設される試薬容器124を移動させるべく、キャリア本体150に対して移動するように構成されている。例えば、試薬が、概して一様な浮遊物を維持すべく一定の運動を必要とする微粒子を含むとき、これは好ましい。この保持部分152は、この相対的運動を生じさせるべく本体150に対して移動可能である。
【0063】
歯車170のような係合部分は、歯車170が、保持部分152を回転させキャリア本体150の外部の部材によって駆動可能であるように、保持部分152に結合されまたはさもなければ関連付けられる。好ましくは、歯車170が、図10に示されるように、シャフト172によって回転可能保持部分152に結合されている。代替的な実施形態において、異なるタイプの係合部分が使用され、またはモータのようなオンボードの駆動装置が、試薬キャリア本体150に取り付けられ得る。好ましい実施形態において、一つの保持部分のみが、試薬容器124における攪拌を生じさせるためにキャリア128に対して回転可能または移動可能であるが、他の実施形態においては、1つよりも多い保持部分が回転可能であり、且つ1つよりも多くの保持部分がキャリア本体に対する運動を駆動するために歯車170に関連付けられ得る。
【0064】
歯車170は、好ましくは、キャリア本体150の一端部近傍、好ましくは、以下に述べるように、搬送装置カプリング162とは反対側に配置される。歯車170は、好ましくは、キャリア本体150の下側面で、容器124に接続するように構成された保持部分の一部とは反対側に露出される。保持部分152は、保持部分153、154に対して持ち上げられ得るとともに、好ましくは実質的に同一高さに容器124の上端を位置合わせすべく、好ましくは、他の保持部分153、154に配置された容器124よりも短い容器124に適応している。
【0065】
キャリア本体150の一端部は、ユーザの手によってロードされたキャリアを把持または保持するのを容易にするための、ハンドル部分160を含む。ハンドル部分150は、好ましくは、ユーザの少なくとも1本の指で安定して受け入れるのに充分に大きなスペースを有して逆フックに湾曲して構成されている。好ましくは、ハンドル部分160からキャリア本体150の反対の端部に、好ましくは、図8に示されたサンプルキャリア126の搬送装置カプリング145と同様の、搬送装置カプリング162が設けられる。好ましい実施形態の搬送装置カプリング162は、搬送装置が、キャリアを持ち上げ、誘導し、且つ搬送するために、診断システムの種々の部品に対して結合することが可能である、角張ったフック部分を含む。
【0066】
好ましい試薬キャリア128は、バーコード164のような同定特徴を付加的に有している。同定特徴は、コード128タイプバーコードのような、一次元または二次元バーコード、またはシステムによって同定され得る他の特徴であっても良い。図7を再度参照すれば、システムは、キャリア126および/または容器124上の同定特徴の情報を解釈し且つ同定すべく適合されたバーコードリーダ166、または他の同定装置を有し得る、同定装置を含む。他の実施形態においては、同定特徴は、容器124上に配置され、そして容器124がキャリア128上にロードされたときに、同定装置によってアクセスされまたは読み取られ得る。さらにその他の実施形態において、同定装置は、搬送装置130の動作が、各キャリア128上の容器124における内容物のタイプを同定し得るように、搬送装置130に関連付けられている。例えば、搬送装置130には、キャリア128または容器124上の同定特徴を検知し得るセンサが搭載され得る。代わりに、内容物のタイプの初期同定を提供すべく、搬送装置が、ピックアップしているキャリアの物理的寸法を検知しても良い。例えば、試薬キャリア128の垂直高さまたはその一部が、サンプルキャリア126の高さとは異なっていても良い。一実施形態において、ローディングベイ内においてサンプルおよび試薬容器がキャリアに保持される高さが異なっており、内容物が試薬かサンプルかを最初のうちに決定するための同定装置によって検知される。図14に示されるように、ローディングトレイポケット302は、より広い試薬容器ベース304を捕らえるが、より狭いサンプルキャリアベース306を捕らえない。それゆえ、試薬容器は、ローディングトレイ内でサンプルキャリアよりも高く配置される。それぞれのキャリア126、128を持ち上げるべく、搬送装置130が接触または係合する高さは、サンプルまたは試薬として内容物を同定すべく制御用コンピュータによって使用される。一実施形態において、例えば搬送されるキャリアの高さを決定することによって、内容物のタイプの初期決定がなされ、続いて、例えばバーコードリーダによって、内容物の付加的な実際的且つ個別の同定がなされる。
【0067】
好ましい実施形態において、使用されるバーコードリーダは、一次元および二次元バーコードの両方を読み取ることができ、好ましくは、一次元バーコードがサンプル容器に使用されるとき、同時に二次元バーコードが試薬キャリアに使用される。上述において議論されたように、他のタイプの同定特徴が使用され得るとともに、試薬容器124およびサンプルキャリア126は、同定特徴によって付加的にラベル付けすることもできる。
【0068】
搬送装置130が、キャリア126、128をピックアップすべく制御用コンピュータによって指示されているとき、それはバーコードリーダ166によってスキャニングするためにキャリア126、128を配置する。これは、システムが、キャリア上で運ばれる内容物のタイプを決定することを可能とさせる。もしも、システムが、搬送されるキャリアがサンプルキャリア126であると決定するならば、そのときは、搬送装置130は、キャリア126を吸引トレイシェルフ132上の適切な位置に配置するであろう。他方では、もしもシステムが、試薬キャリア128が搬送されていると決定するならば、そのときは、そのキャリア128が試薬配置エリアに配置され得る。
【0069】
好ましい試薬配置エリアは、ピペッタ134によって必要とされるときに、アクセスされ得る位置にその上の試薬を配置すべく、その軸線の回りで移動し且つ好ましくは回転するように構成される、カルーセル168を含む。好ましい実施形態のカルーセル168は、図10に示されるように、そこに試薬キャリア128が受け入れられるベイを形成する、一つ以上のプラットフォーム174を有する。ベイと関連付けられる第1の部分を含む、保持部材は、キャリア128をカルーセル168にロックさせ、且つそこの試薬が使い果たされたときのように、それらがもはやカルーセル168上で必要がなくなったときに、装置における異なる位置にキャリア128を回収し且つ搬送すべく搬送装置130についてそれらを解放するように、構成されている。カルーセル168上に配置されている保持部材の一部分は、好ましくは、カルーセル168に対してそれを通して半径方向に延びる開口を有してループを形成する、固定されたスターラップ(stirrup)176を備えている。スターラップ176は、好ましくは、図11に示されるように、本体150から下向きに延びて、キャリア本体150および脚部178に関連付けられている、保持部材の第2の部分の脚部178に対応すべき寸法で配置される。好ましい実施形態の脚部178は、好ましくは、下向きに延び、好ましい実施形態においてキャリア本体150の最下部分である、キャリア128の残った最下部分を超えない。これは、キャリア128が、装置内で使用されないとき、平らな面内に配置されることを可能とする。
【0070】
搬送装置130は、キャリア128を、好ましくはスターラップ176と半径方向に位置合わせされる脚部178と共に、カルーセル168上に下げるべく操作される。キャリア128が、カルーセル168の軸線に向かって半径方向にスライドされるとき、脚部は、スターラップ176が、カルーセル168からの軸方向または上方向への移動に対して脚部178を保持するようにするのに関連して、スターラップ176内の開口内で受け入れられる。脚部178およびスターラップ176は、共に、カルーセル168にキャリア128を実質的にロックするのを助けるべく共にラッチする、ラッチ可能部分を備えている。
【0071】
図10から図13を参照すれば、付勢部材180は、保持部材を制御すべく搬送装置130によって、操作のためにカルーセル168に近接して配置され且つ構成される。好ましい実施形態において、付勢部材180は、搬送装置130がカルーセル168の近傍に移動するとき、バー182がカルーセル168内に押し下げられるように、搬送装置130によってアクセス可能なバー182を含む。バー182は、好ましくは、軸線186のまわりで旋回可能なレバー184に旋回可能に取り付けられている。レバー184の他端にて、ロッド188が、ロック用部材190に概して軸方向に接触するために好ましくは突出している。付勢部材180およびロック用部材190は、好ましくは、キャリア128から反対の側でカルーセル168の下方に配置される。
【0072】
図10に示されるように、搬送装置130がカルーセル168に向かって移動するとき、搬送装置130の表面196がバー182を押圧し、レバー184が軸線186のまわりで旋回するようにさせる。バー182は、そのより下側でバー182の細長い溝200内に受け入れられるピン198によってガイドされる。レバー184が旋回するとき、ロッド188は、カルーセル168の軸線から半径方向に離れるように、ロック部材190を移動させる。
【0073】
ロック部材190は、好ましくは、プラットフォーム174を通って上方向きに延び且つカルーセル168の上側に突出する、タブ192を有する。搬送装置130は、キャリア128を下げ、タブ192がキャリア128の開口194に受け入れられるようにする。カルーセル168上に設置されるキャリア128、および開口194に受け入れられるタブ192によって、搬送装置130は、カルーセルから離れて、異なるキャリア126、128上で他の搬送操作を行うべく移動する。これが生じたとき、スプリング202は、レバー180を、キャリア128のカルーセルに対するロックを許容する位置へ弾性的に偏倚させる。加えて、ロック部材190は、そのまわりにスプリング206が搭載されるガイドシャフト204を有する。ロッド188が、カルーセル168の軸線に向かって半径方向に移動するとき、スプリング202は、レバー184を弾性的にその元の位置に戻し、且つタブ192がキャリア128をプラットフォーム174に沿って変位させ、それゆえ脚部178もカルーセル168の軸線に向かって変位する。この運動は、脚部178が、ラッチされてスターラップ176に入るようにさせ、且つロック用タブ194と共に、実質的にキャリア128をカルーセル168にロックさせる。
【0074】
好ましい実施形態において、付勢部材に対する搬送装置130の物理的接触は、キャリア128を、カルーセル168へまたはカルーセル168からロックしまたはロック解除すべく、付勢部材を機械的に変位させ、且つ付勢部材を操作する。他の実施形態において、搬送装置130と付勢部材との間の接触は、電気的にまたはさもなければ駆動される機構にキャリアをロックしまたはロック解除させ得る。一実施形態においては、ソレノイドまたはモータがロック用部材を操作し、そしてこれは、搬送装置130からのいかなる物理的接触によっても直接的にされることなしに、制御用コンピュータによって完全に制御される。
【0075】
ロック用部材190によって引き起こされる、キャリア128のロック位置に向かう同様の運動も、好ましくは、歯車170をカルーセル168に関連付けられている係合部分に噛合させる。この係合部分は、好ましくは、カルーセル168と関連付けられており、そして、好ましい実施形態においては、好ましくは固定されているリング歯車208を備えている。歯車170とリング歯車203が噛合されることによって、リング歯車208のまわりのカルーセル168の回転は、歯車170と保持部分152に取り付けられた容器124の両方をスピンさせる。図12に見られるように、好ましい容器124は、その中の内容物の攪拌および混合を改善する内部リブ210を含む。
【0076】
作動部分180は、好ましくは、カルーセル168と共に回転しない装置の固定部分に取り付けられる。ロック用部材190およびロッド188は、スプリング202、206によって、ロッド188がロック部材に近接するギャップと位置合わせされるようにして、カルーセル168に沿って円周上に配列される位置に、弾性的に偏倚される。それゆえ、カルーセル168が回転するにつれて、好ましくはそれと接触することなしに、且つ実質的に干渉することも、またはロック用部材190をそれらのロック位置から移動させることもなしに、ロッド188が、ロック用部材190の近傍を通過する。
【0077】
図10および図12に示されるように、キャリアセンサ212は、好ましくは、カルーセル168の内部における固定された部分に搭載される。キャリアセンサ212は、カルーセル168上におけるキャリア128の存在、またはカルーセル168上におけるロック位置におけるキャリア128の存在を検出するように、構成されている。好ましいキャリアセンサ212は、キャリア128のハンドル部分160に埋設されたマグネット213の存在を検出するように構成されている、ホール効果センサである。その代わりに、好ましくはプラスチックであるキャリア材料の存在を直接的に検出するための容量センサのような、他の種類のセンサも使用され得る。センサ212は、好ましくは、搬送装置130が試薬キャリア128をカルーセル168上にロードすることが可能な、ローディング位置でのカルーセル168上のロック位置におけるキャリア128の存在または不存在を示すべく、信号を制御用コンピュータへ送信する。
【0078】
装置の動作において、制御用コンピュータは、試薬容器124における各試薬を保持するカルーセル128上の位置の軌跡を維持する。ピペッタ134は、好ましくは、アーク216に沿って旋回し得る旋回アーム214を有する。カルーセル168および旋回アーム214の回転位置は、ピペッタ134の軌跡で、選択された試薬容器を横切らせるべく、制御用コンピュータによって制御される。したがって、ピペッタは、所望される量の試薬を吸引し、診断モジュールの診断試験エリア218に送ることができる。旋回アーム214は、また、そこからサンプルが吸引され、吸引されたサンプルがまた診断試験エリア218へも届けられるサンプル容器122上に、ピペッタを配置させるべく移動することが可能である。
【0079】
上述した詳細な説明および付随する例は、単に説明的なものであり、そして、添付された特許請求の範囲およびそれらの等価物によってのみ定義される、発明の範囲についての限定として採られるべきでないことが理解される。開示された実施形態に対する種々の変形および修正は、当業者には明らかであろう。例えば、カルーセル以外の試薬位置決め装置が、試薬およびピペッタによってアクセスするための所望される位置の位置決めに使用され得るとともに、ホルダの一つを回転させるべくキャリア上の歯車を駆動するリング歯車も、微粒子または貯蔵容器内の他のあらゆる物質を混合するために、カルーセルからのいかなる運動も要求することなしに回転させるべく、駆動されることもできる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、診断モジュールを用いてサンプルを自動的に試験するための、サンプルおよび試薬ハンドリングシステムに関する。より詳細には、本発明は、サンプルおよび試薬キャリアがローディングベイに配置され、搬送装置によってキャリアの内容物に依存して異なる位置に搬送される、サンプルハンドリングシステムに関する。本発明は、また、キャリアを吸引位置に位置させるための機構を有する、診断モジュールにも関する。
【背景技術】
【0002】
従来においては、サンプルハンドリングシステムは、試験のために所望されるような、指定された位置に停止するシングルパスキャリアを有していた。これらのシングルパスシステムにおいては、もしもサンプルの再試験または先取り権の優先順位決定が要求されると、試験管は、試験されまたは再試験されるモジュールシステム全体にわたって、ずっと移動しなければならないであろう。このことは、結果として、試験および再試験における重大な遅れ、または非常に複雑で高価なキャリアルーチング機構を生ずる。
【0003】
シングルパスサンプルハンドリング装置の例は、Mitsumakiに対する米国特許第5,876,670号明細書に開示されている。Mitsumakiにおいて、複数の試験管を保持するサンプルキャリアが、モータによって駆動される搬送用ベルトにより分析装置モジュールへ移送される。搬送用ベルト上の全てのサンプルキャリアは、第1の分析装置モジュールについてはサンプリング位置を通過し、且つ第2の分析装置モジュールについては、好ましくは、サンプリング位置へ到達すべく受け入れ位置へ移送されなければならない。サンプルが再試験されることが必要であるとき、操作者は、サンプルキャリアを搬送用ベルトの発端まで戻す。緊急サンプル供給部分は、緊急サンプルラックが通常のラックの前に処理されることを可能として、サンプル供給部分の近傍のベルトの一端部に設けられる。Mitsumakiにおいては、サンプルハンドリングシステムは、搬送用ベルトに沿ってシーケンシャルにサンプルを処理する。そして、サンプルを自動的に再試験することはない。
【0004】
従来のサンプルハンドリングシステムの他の例は、Champseixらに対する米国特許第5,665,309号明細書に開示されている。Champseixらの装置は、複数の試験管についての保持用ラックと、管の内容物をサンプリングするためのサンプリングステーションと、ラック上の選択された位置から管を引き出し、管をサンプリングステーションへ持って行き、その管をその選択された位置へ戻す把持装置と、を備える。把持装置は、個々の管をラックからサンプリングステーションへ移動させる。しかしながら、Champseixらのサンプルハンドリング装置は、サンプルを自動的に再試験し、あるいは急ぎのサンプルを処理するための方法を開示してはいない。
【0005】
Copelandに対する米国特許第5,260,872号明細書は、生産物サンプルの品質試験のための自動化された試験システムであって、複数の試験管を収容する試験管ラックを受け入れるためのローディングステーションと、ピペッティングステーションと、滴下ステーションと、コンピュータプログラムに従って、ローディングステーションから試験管ラックをピックアップし、流体が試験管内にピペット注入され得るようにラックをピペッティングステーションに移動させ、ラックを滴下ステーションに移動させ、そしてラックをローディングステーションに戻すべく適合させられたアームを有するロボット装置と、を備える試験システムを開示している。Copelandの試験管ラックがローディングステーションに戻されたとき、管は取り外され且つ処理され、次にラックには試験管の新たなセットがロードされる。Copelandのシステムは、自動的な再試験または緊急サンプルの試験のために適応しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,876,670号明細書
【特許文献2】米国特許第5,665,309号明細書
【特許文献3】米国特許第5,260,872号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来においては、試薬は、診断モジュールを有する自動化された試験システムにおいて、手動操作によってロードされている。試薬の交換は、しばしば、用具一式における試薬の消耗または試薬の使用期限満了によって、試験の途中で要求される。加えて、試薬は、一日に、システムが、分析装置内にある試薬位置よりもさらに多くの試験タイプ、検体で動作する必要があるときに、必要とされるかもしれない。試薬の手動操作によるローディングは、しばしば、結果的に、プロセスにおける試験の中断または少なくともスループットの損失を生じる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、アッセイ試験診断分析装置および、それのハンドリングシステムに関するものである。好ましい実施形態においては、ハンドリングシステムは、複数のキャリアを受け入れ且つ保持するためのローディングベイを含む。同定装置は、各キャリアにロードされる内容物のタイプを決定するための、キャリアすなわち容器の同定特徴を同定するように構成されている。搬送装置は、ローディングベイから、各キャリアの内容物の決定されたタイプに応じて第1または第2の位置へ、キャリアを搬送するように構成されている。診断プロセスは、内容物を用いて行われる。搬送装置は、好ましくは、ローディングベイにおける複数のキャリアに対するランダムアクセスを有する。
【0009】
この実施形態において、同定装置は、少なくともサンプルかまたは試薬であるようなキャリアの内容物を同定するように構成される。同定装置は、搬送装置がサンプルを第1の位置にそして試薬を第2の位置に搬送し得るように、搬送装置に関連付けられている。ローディングベイは、サンプルローディングエリアおよび分離された試薬ローディングエリアを有することができるが、しかしながら、より好ましい実施形態においては、試薬キャリア内のサンプルが、いかなる順序にでも配置され得る単一のローディングエリアが設けられている。同定装置は、好ましくは、ローディングベイ内にキャリアがロードされている場所とは無関係に、内容物のタイプを同定するように構成されている。さらに好ましくは、搬送装置は、実質的にローディングベイおよび/またはそれぞれ第1または第2の位置におけるどの位置からも、および/またはどの位置へも、キャリアを搬送することができる。
【0010】
本ハンドリングシステムの利点は、試薬が消耗されまたは期限満了となったときに、自動化された試験の動作を停止することまたはシステムのスループットを引き下げることなしに、試薬が、ロードされ且つアンロードされ得ることである。さらに、本ハンドリングシステムは、試験の動作を停止することまたはシステムのスループットを引き下げることなしに、試験が要求する通りに、一つの検体を他のものと交換する能力を含む。
【0011】
好ましい実施形態の第1のキャリア支持部材、例えば、吸引プラットフォームは、第1の位置を含み、且つ診断プロセスを実行するように構成された診断モジュールによってアクセスするために配置されている。搬送装置は、ローディングベイから第1のキャリア支持部材へキャリアを搬送するために、且つそれに加えて第1のキャリア支持部材上の異なる位置の間でキャリアを移動させるように、構成され得る。搬送装置は、好ましくは、キャリアを、キャリア支持体上の複数の第1の位置へ、およびそれらの位置から、例えば、いつでも支持部材上に2つ以上のキャリアを配置させるべく、移動させ得る。代替の実施形態において、第1のキャリア支持部材は、キャリアの複数の容器のうち少なくとも1つの内容物を試験するための診断モジュールによるアクセスのために、キャリアを受け入れ且つ移動させるように構成され得る、位置決め装置を含み得る。
【0012】
好ましくは、同定特徴は、光学的に読み取り可能な特徴を有する。同定装置は、それゆえ、この特徴を読み取ることができる光学的リーダを含み得る。キャリア上の同定特徴は、好ましくは、保持する試薬またはサンプルとしてそれらを同定する。好ましくは、個々のサンプルおよび試薬は、同定装置によって個々に同定されるようにしても良い。代替として、キャリアは、センサによって検出され得る他の物理的な相違によって識別され得るか、あるいは、異なるタイプのキャリアは、それらがキャリアの位置によって同定されるのを許容すべくわずかに異なる配向にあっても良い。他の実施形態においては、同定特徴は、キャリアの高さのような、同定可能な物理的特性である。
【0013】
プログラム可能な制御用コンピュータは、搬送装置および装置の他の移動部品の動作を、入力データおよびキャリアの内容物を処理するための予めプログラムされた優先順位に基づいて、制御し得る。好ましい実施形態においては、試験されるべきサンプルは、診断システムにロードされ、そして試薬を有する容器を保持する試薬キャリアも、システムにロードされる。試薬キャリアは、搬送装置によって自動的に、カルーセル上のような試薬支持部材へ搬送される。サンプルは、実施される試験に依存する適切な試薬によって試験される。
【0014】
キャリアの好ましい実施形態は、サンプルまたは試薬のような流体物質を有する容器を保持するように構成されている、少なくとも1つの容器保持部分を含む。好ましくは、キャリアは、試薬を運ぶように構成されており、キャリアの本体に対して少なくとも1つの保持部材を移動させるための攪拌部材を含んでいても良い。攪拌部材は、キャリアの本体に対して、保持部分によって保持された容器を移動させるために、診断分析装置の第2の係合部分に係合可能である、第1の係合部分を含み得る。この移動は、好ましくは、キャリア本体と第2の係合部分との間の相対的な運動に対応する。複数の保持部分は、キャリア上に設けられ得るとともに、好ましくは、決して全ての容器が本体に対して移動されることがないように、全てよりも少ない保持部分が、第1の係合部分と関連付けられる。この移動は、好ましくは、容器の内容物を混合または攪拌するために提供される。好ましい実施形態においては、第1の係合部材は、そこに結合されている容器を回転させるように構成される。係合部材は、回転可能であり、且つ第2の係合部材に対して転動するように構成され得る。一実施形態において、第1の係合部材は、第2の係合部材の歯に噛合させるように構成されている歯車、または第2の部材に摩擦係合状態にある摩擦車を含む。キャリアがカルーセル上に搭載されるある実施形態においては、第2の係合部材は、キャリアの歯車と噛合させまたは摩擦車と接触させるべくカルーセルの可動部分に近接して配置される、リング歯車または摩擦車を含んでいても良い。したがって、カルーセルは、リング歯車または摩擦車のまわりを回転するので、キャリア歯車または摩擦車は、そこに搭載された容器の回転を生じさせる。リング歯車とキャリア歯車との間の比は、試薬キャリアが試薬カルーセルから取り外されたときに試薬ビン上に配置されたバーコードの読み取りを容易にすべく、整数にされ得る。
【0015】
好ましい保持部分は、そこに配置される容器を把持するように構成されている。また、本体は、手によってロードされたキャリアを把持するのを容易にすべくハンドル部分を有していても良い。その上、搬送装置結合部分は、装置における異なる位置の間のキャリアの搬送を可能とすべく、搬送装置に結合するために設けられていても良い。
【0016】
好ましい実施形態においては、位置決め装置は、診断モジュールによるアクセスのためにキャリアを受け入れ且つ位置決めするように構成されている。この位置決め装置は、好ましくは、試薬キャリアを受け入れるために設けられ、そして第2の位置を含み且つ第2のキャリア支持部材である。位置決め装置に関連付けられた保持部材は、位置決め装置にキャリアをロックするように構成されている。保持部材は、好ましくは、搬送装置に位置決め装置からキャリアを搬送させるべく、キャリアを解放し且つ包含するために搬送装置に操作可能に結合される。この操作可能な結合は、それらの間の、電気的接続である、接触によって付勢される機械的結合によって提供され得るか、または、それは、搬送装置と位置決め装置の位置を追跡する、制御コンピュータによって提供され得る。
【0017】
好ましい位置決め装置は、回転可能に駆動されるカルーセルであって、診断モジュールによってキャリアの内容物へのアクセスを提供すべく駆動される。好ましい実施形態の付勢部材は、搬送装置と付勢部材との間の接触時にキャリアを解放するために搬送装置に操作可能に結合される。キャリアロック用部材は、好ましくは、キャリアをロックすべくおよびロック解除すべく、キャリアに関連付けてカルーセルに対して移動するように構成されている。付勢部材は、好ましくは、キャリアのロック動作および/またはロック解除動作を生じさせるためにキャリアロック用部材を移動させるべく、搬送装置によって変位させられる。好ましくは、ロック用部材は、キャリアをロックされる位置に移動させるべくカルーセルに対してキャリアを変位させる。カルーセルは、好ましくは、回転可能であるかまたはさもなければ付勢部材に対して移動可能であり、そしてロック用部材は、好ましくは、カルーセルに搭載される。付勢部材およびロック用部材は、不活性休止位置における付勢部材が、カルーセル回転の間に、ロック用部材に干渉することがないように配置される。
【0018】
保持部材は、また、好ましくは、ラッチ用部材とラッチ可能部分の間の好ましくは相対的な運動における、ロックされる位置においてキャリアのラッチ可能部分にラッチするように構成されるラッチ用部材をも備える。ロック用部材は、好ましくは、カルーセルに対して移動可能であり、且つキャリアをロックするためにおよびロック解除するためにラッチ用部材に対して少なくともキャリアの一部を移動させるべく、キャリアに関連付けられている。加えて、ロック用部材は、ラッチ用部材に対してキャリアをスライドさせるべく、キャリアの凹所に受け入れられるタブを有していても良い。
【0019】
キャリアセンサが、位置決め装置上におけるキャリアの存在を検出するために設けられていても良い。このキャリアセンサは、例えば、ホール効果、光学的または容量的センサであっても良い。
【0020】
本発明の付加的な利点は、添付図面からだけでなく、記載された説明および本明細書の特許請求の範囲に特に指摘された装置および方法によって、実現され且つ達成されるであろう。上述の一般的な記述および以下の詳細な説明の両方が、例示的であり、且つ特許請求の範囲で請求された発明のさらなる説明を提供すべく意図されていることが、理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のサンプルハンドリングシステムの好ましい実施形態の斜視図である。
【図2】アクセス扉が取り除かれた、図1のサンプルハンドリングシステムの平面図である。
【図3】2つの診断モジュールを有するサンプリングハンドリングシステムの好ましい実施形態の斜視図である。
【図4】アクセス扉が取り除かれた図3のサンプルハンドリングシステムの平面図である。
【図5】キャリア位置決め装置の好ましい実施形態の斜視図である。
【図6】搬送装置の好ましい実施形態の斜視図である。
【図7】本発明に従った診断分析装置システムの他の実施形態の上面図である。
【図8】サンプル受け入れトレイを含むその吸引プラットフォームの斜視図である。
【図9】試薬キャリアの好ましい実施形態の斜視図である。
【図10】図10に断面にて示され、明確化のために図11からは隠されたカルーセルを有する、ロック解除位置における図7の実施形態の試薬位置決めおよびロック用システムの上面斜視図である。
【図11】図10に断面にて示され、明確化のために図11からは隠されたカルーセルを有する、ロック解除位置における図7の実施形態の試薬位置決めおよびロック用システムの底面斜視図である。
【図12】ロックされた位置における試薬キャリアの上面斜視図である。
【図13】ロックされた位置における試薬キャリアの底面斜視図である。
【図14】ローディングラックの他の好ましい実施形態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、自動試験および再試験のための診断モジュールへおよび診断モジュールからサンプルおよび試薬を移動させるための、ランダムサンプルおよび試薬ハンドリングシステムに関する。ランダムハンドリングシステムは、複数のキャリアを受け入れるためのローディングラックを含む。キャリアは、サンプルで満たされたいくつかの管を含み得る。好ましい実施形態においては、サンプルキャリアは、診断モジュールの前方に配置されたローディングラック上の固定リニアアレイに配置される。オペレータは、キャリアを個別的に、または多数のキャリアの便利な取り扱いのためにトレイ内に、ロードしてよい。個別的キャリアスロットは、即時処理を必要とする高い優先順位のまたは緊急のサンプルをロードするために設けられている。
【0023】
ロボット装置は、ローディングラックへおよびローディングラックから、ならびに診断モジュール近傍のキャリア位置決め装置へおよびキャリア位置決め装置から、キャリアを搬送すべく設けられている。ロボット装置は、プログラム可能なコンピュータによって制御され、試験および再試験のために要求に応じてキャリアを移動させる、アームを有する。システムは、ユーザにサンプルを再試験するための規則または基準をユーザが柔軟に設定することを可能とする、ソフトウェアを含む。これらの規則は、また、先の試験の結果に応じて他のタイプの試験に変更するためにも利用され得る。これは、利用されたときにリアルタイムでオペレータの関与を最小化する、非常にコスト効率が良いアプローチであり得る。システムは、また、キャリアをロードした後に特定のサンプルのために試験要求を変化させることをユーザが決定する場合におけるサンプラハンドラの操作を、一時停止することを可能とするソフトウェア能力をも含む。
【0024】
キャリア位置決め装置は、キャリアを位置決めするために診断モジュールの近傍に配置され、それゆえ試験のために選択されたサンプルは、プローブによって吸引される。位置決め装置は、プログラム可能なコンピュータからのコマンドに応答してステッピングモータによって駆動される、リードスクリューに結合されるキャリッジを含む。好ましい実施形態においては、キャリア位置決め装置は、システムスループットを維持すべく、搬送装置が他のキャリアを位置決め装置にロードする間に、処理モジュールが一つのキャリアを試験することを可能として、少なくとも2つのキャリアを適応させ得る。
【0025】
バーコードリーダは、キャリアおよび容器同定を読み取るために設けられる。システムにおけるバーコードリーダは、ロボット装置がキャリアをリーダに通すときに、キャリアおよびサンプル管または試薬ビンに貼付された、バーコードが付されたラベルを読み取る。
【0026】
ただ一つのロボット装置およびバーコードリーダが、好ましくは、サイズにかかわらず、本システムのために使用される。本発明は、ユーザの特定の作業量に依存する可変待ち行列サイズ設定のために動的に形成され得る。加えて、システムの全容量は、試験所における試験セグメントの全域で変動するピークローディング要求に基づいて変化され得る。
【0027】
運転中に、ロボットアームは、ローディングラックからキャリアをピックアップし、且つキャリアおよびサンプルを同定すべくバーコードリーダを通り過ぎて移動する。コンピュータにおいて以前にプログラムされた試験は、キャリアにおける各管に割り当てられる。ロボットアームは、試験されるべきキャリアをキャリア位置決め装置へ届ける。位置決め装置は、診断モジュール上のピペッタ近傍の予め決定された位置にキャリアを移動させるべくコンピュータによって制御される。ピペッタは、試験のための管からサンプルを吸引する。試験がキャリアにおける全ての管について完了されたとき、ロボットアームは、キャリアをロードし、且つローディングラック内のその指示された位置へキャリアを戻す。1つのキャリアの管が吸引されている間に、第2のキャリアはキャリッジに移動され得る。
【0028】
キャリアハンドリングシステムは、1つより多くの診断モジュールを含み得る。例えば、好ましい一実施形態においては、キャリアハンドリングシステムは、2つの診断モジュール、臨床化学試験モジュール、および免疫アッセイモジュールを含む。キャリア位置決め装置は、システムにおける各診断モジュールについて設けられる。
【0029】
本発明は、種々の診断モジュールに適合され得るモジュール方式ランダムサンプリングシステムを提供する。本キャリアハンドリングシステムは、モジュール方式であり、且つ種々のサイズの処理モジュールに拡張可能であり、そして単一または多重モジュールシステムのために使用されても良い。システムは、ローディングラック上のキャリアにランダムアクセスを提供する。このランダムアクセス能力は、システムが、高い優先順位のサンプルに迅速にアクセスし且つこれを処理することを可能とする。この能力は、また、システムが、異なるスループット性能を有する多重処理モジュールの作業量のバランスをとることをも可能とする。サンプルが、最初に処理された後に、サンプルキャリアはローディングエリア内のそれらのスロットに戻され、次に自動化された再試験能力を提供するために、初期試験が完了したときに再びアクセスされる。この自動化された再試験能力は、オペレータによるいかなる付加的な介入をも必要としていない。ランダムアクセスは、再試験されるべきサンプルが、可能な最も短い時間内に処理され得ることを確実にする。システムは、機械的に単純であり、システムコストを最小化し且つシステム信頼性を最大化する。本システムは、それだけで完備しており、且つ製造および現地における据え付けの容易性のために、処理モジュールとは無関係に組み立てられ且つ試験され得る。
【0030】
システムは、また、以前のハンドリングシステムよりもより早い時間で、且つより信頼性をもって試験および再試験をするために、サンプルを処理することも提供される。本発明のサンプルハンドリングシステムは、ルーチン試験サンプルのスループットを維持しつつ、高い優先順位のサンプルのより早い処理を付加的に提供することができる。
【0031】
システムは、複数の試験サンプルを有するキャリアを、ローディングラックからサンプル試験エリアへ移動させ、且つキャリアをローディングラックへ戻すためのロボットアッセンブリを有し、そして(1)ロボットアッセンブリを制御し、(2)予め決定された優先順位に基づいて試験するためのキャリアを選択し、(3)キャリアおよびサンプルの実際的な同定を達成し、そして(4)アクセス扉が開いており、またはキャリアが早期的に除去されているときに、実際的な同定の不履行を識別するためのプログラム可能なコンピュータを有して、提供され得る。
【0032】
本発明の好ましい実施形態は、キャリアハンドリングシステムであり、概して参照符号10によって示されている。図1および図2に示されるように、本ハンドリングシステム10は、複数のキャリア40を受け入れるための複数のスロット32を有するローディングラック30を含む。各キャリア40は、サンプルで満たされた、管またはカップのような、複数の容器42を保持することができる。この例においては、各キャリア40は、5つの管42を保持することができる。しかしながら、キャリア40は、システムの要求に応じて、程度の差はあるが管42のいずれかを保持するように構成され得る。
【0033】
サンプルキャリア40は、処理モジュール20の近傍の固定リニアアレイにおけるローディングラック30上に配置される。オペレータは、キャリア40を、多重キャリアの容易なハンドリングのためにローディングラック上、またはローディングベイのプラットフォーム30上の、スロット32内またはトレイ35に個別にロードすることができる。ローディングラック30は、円形トレイの回りに配列されたスロットを有する、円形のような他の形状に構成されることができる。ローディングラック30は、ルーチンローディングエリア31および緊急または急ぎのサンプルエリア33を含む。本発明の好ましい実施形態においては、ルーチンローディングエリア31は、複数のベイ36を備え、各ベイ36は、トレイ35に適応している。各ベイ36は、ローディングラック30に取り付けられた扉38を含む。各扉38は、トレイ35の挿入によって自動的に解放されるラッチを含む。このラッチは、好ましくは、オペレータがキャリア40の操作に影響することを防止すべく、手によって作動させることが困難である。
【0034】
キャリア40は、ハンドリングシステム10の前部12からローディングラック30内にトレイ35をロードする前に、トレイ35にロードされても良い。その代わりに、キャリアは、ローディングラック30に予めロードされたトレイにロードされても良い。この例においては、トレイ35は5つのキャリアまで適応し、且つローディングラックは、各々最大25サンプルまで保持する7つの急ぎのキャリア40および4つのルーチントレイ35に適応する。しかしながら、ローディングラック30は、試験所における検査セグメント全体にわたって変動するピークロード要求に適応するように異なって構成されてもよい。
【0035】
キャリア40は、試験または再試験のために選択されるまでトレイスロット内に配置される。キャリア40は、再試験直後、またはキャリア40における全ての試験が完了した後で、且つ再試験が全く要求されないときに、アンロードするために解放される。トレイ35は、トレイ35における全てのキャリア40がアンロードするために解放されるときに、アンロードするために解放される。高い優先順位のまたは急ぎのキャリア40は、高優先順位サンプルエリア33内にロードされる。高優先順位エリア33に配置されたキャリア40は、吸引のためにキャリア位置決め装置80へ移送され、且つそれから再試験が必要とされるかどうかをプログラム可能なコンピュータ60が決定するまで、急ぎエリア33へ戻される。急ぎのキャリア40は、全ての試験が完了し且つあらゆる再試験要求が吸引された後に、アンロードするために解放される。
【0036】
複数の状態インジケータ74は、高優先順位エリア33における完了したトレイ35または個々のキャリア40が取り除かれたときに、オペレータに指示すべく設けられている。例えば、状態インジケータ74は、対応するトレイ35またはキャリア40がアクセス可能であることを示すために緑色になり、または状態インジケータ74は、トレイ35またはキャリア40が処理中であり且つ完了するまで適正位置に残しておくべきであることを示すために黄色になる。
【0037】
本サンプルハンドリングシステム10は、高優先順位エリアに新たなトレイ35または新たなキャリア40がロードされていることを検出するための手段を含む。ローディングラックセンサ98(図示せず)は、トレイまたはキャリアそれぞれの存在を検出すべく、各ベイまたは急ぎスロットに配置される。もしも新たなトレイが検出されたならば、トレイ35の内容物は、トレイ内に何らかのキャリアがあるかどうかを決定すべく、キャリア搬送装置50上の第1のセンサ102によってスキャンされる。
【0038】
好ましい実施形態においては、サンプルハンドリングシステム10は、試験および再試験(図6を参照されたい)に要求されるように、キャリア40を移動させるためのロボットアーム52を有するロボット装置からなる、キャリア搬送装置50を含む。ロボットアーム52は、指示タブ48によってキャリア40をピックアップする把持器装置54を有する。ロボット搬送装置50は、プログラム可能なコンピュータ60によって制御される駆動モータ58を含む。好ましい実施形態において、ロボットアーム52は、タイミングベルト56によってローディングプラットフォーム30の長さを横切っている。しかしながら、ロボットアーム52を移動させるために他の手段が使用され得ることは、当業者によって理解される。
【0039】
搬送装置50は、キャリア40を、ローディングラック30内に管42を保持するキャリア40の全体の高さよりもほんのわずかだけ高く上昇させることが可能である。搬送装置50の垂直運動は、ステッピングモータ92によって駆動されるリードスクリュー90によって生起される。ロボット搬送装置50は、また、バーコード読み取り、キャリアスロットへのアクセス、キャリア位置決め装置80へのアクセス、および試薬格納位置へのアクセスのための位置の間の運動の210度の範囲を通して、キャリア40を回転させる。搬送装置50の回転運動は、ステッピングモータ97に結合されたスプラインシャフト96によって提供される。スプラインシャフト96は、ロボットアーム52が、正確な角度位置を維持している間に、垂直に移動することを可能とする。好ましい実施形態は、ロボット搬送装置を動かすための特別な手段を含むが、搬送装置50を移動するために他の手段が使用され得ることは当業者によって理解される。
【0040】
本サンプルハンドリングシステム10は、また、試験管42(図5を参照されたい)内のサンプルの試験を主導するために診断モジュール20の近傍に配置された、キャリア位置決め装置80も含む。好ましい実施形態においては、キャリア位置決め装置80は、キャリアを受け入れるための複数の開口部86を有する。位置決め装置80は、処理モジュールの試験ポイントの直下に少なくとも2つの完了キャリアを位置決めして、システムスループットを維持すべく搬送装置50が位置決め装置80上の他のキャリア40をロードする間に、処理モジュールが一つのキャリア40から吸引するのを可能とすることができる。キャリア位置決め装置80は、コンピュータ60のコマンドに応答してステッピングモータ84によって駆動されるリードスクリュー82上に、キャリッジ81を含む。好ましい実施形態においては、位置決め装置80はリードスクリュー88によって駆動されるが、位置決め装置80は、ベルト、チェーン、エアシリンダまたはリニアモータのような、他の既知の駆動手段によって駆動されても良い。位置決め装置80は、ルーチンキャリアおよび高優先順位キャリアのために多重開口86を含む、種々の形態であっても良い。
【0041】
好ましい実施形態において、キャリア位置決め装置80は、システムの全体の製造コストを低減すべく共通のハードウェアを用いて、いくつかの異なるタイプの処理モジュールの必要性に適応すべく4つの開口86を有する(図5を参照されたい)。位置決め装置80は、種々の診断モジュール20に適合させるように構成される。例えば、1つのピペッタに2つの開口が使用され、同一の診断モジュール20における異なるピペッタについての他の2つの開口が使用されても良い。その代わりとして、他の2つの開口がルーチンサンプルキャリアに適応していると同時に、2つの開口が、単独で高優先順位サンプルキャリアに適応しても良い。
【0042】
ロボット搬送装置50は、次の6つの基本的なキャリアハンドリング操作、1)ローディングラック30からキャリア40をピックアップし、2)キャリア40をローディングラック30内に配置し、3)キャリア40を位置決め装置80上に配置し、4)位置決め装置80からキャリア40をピックアップし、5)キャリア40をバーコードリーダ70に提示し、そして6)キャリア40についてトレイ35をスキャンする、各操作を実行する。
【0043】
本発明の好ましい実施形態において、ロボット搬送装置50は、システムの正確な操作を監視するために9つのセンサを含む。特有の値および搬送される生物学的なサンプルの事故によって、搬送装置50の操作を監視し且つ検証することの高い程度の能力が重要である。搬送装置50上の第1の反射センサ102は、トレイ35またはスロット32におけるキャリア40の存在を決定するのに使用される。第2の(キャリアスロット位置合わせ)センサ104は、キャリアのピックアップおよび配置のためのローディングラック上の、搬送装置50とキャリアスロットとの間の正確な位置合わせを検証するために使用される。第3の(キャリア位置決め装置位置合わせ)センサ106は、搬送装置と位置決め装置80における開口86との間の位置合わせを検証するために使用される。第4の反射センサ107は、キャリア40が位置合わせ装置80上にあるかどうかを決定するために使用される。搬送装置50の水平、回転、および垂直運動は、第5、第6、そして第7のセンサ108、110、112によって監視される。回転運動センサ110とともに配置される、第8のセンサ114は、ロボットアーム52の正確な回転位置を検証するために使用される。ロボットアーム52上に配置されるのは、キャリア40が安全な搬送のためにアーム52に適切に係合されていることを検証するために使用される、第9のセンサ116である。好ましい実施形態は上述された9つのセンサを含むが、搬送装置50およびロボットアーム52の操作を監視し且つ検証するために他の手段が使用され得ることは、当業者によって理解される。
【0044】
バーコードリーダ70は、キャリアおよびサンプル同定を読み取るために本サンプルハンドリングシステムに含まれる。バーコードラベルが、キャリア40および、任意にはサンプル管42上に、貼付される。キャリア40は、キャリア40が最初に選択されたとき、バーコードリーダ70で一回スキャンされる。スキャンされた後、キャリア40は、搬送装置50またはリニア位置決め装置80のみによって移動される。この時点で、キャリア40の全ての運動は、コンピュータ60への位置および位置合わせフィードバックを生成し、それゆえキャリア同定は、バーコードリーダ70によって一回読み取られることのみが必要である。
【0045】
多くのタイプの診断モジュール20が、免疫アッセイモジュールまたは臨床化学試験モジュールを含む、本ランダムサンプリングハンドリングシステム10に採用され得る。適切な診断モジュールの例は、イリノイ州アボットパーク(Abbott Park,Illinois)のアボットラボラトリー(Abbott Laboratories)で製造されるARCHITECT.RTM.i1000、i2000、およびc8000処理モジュールを含む。
【0046】
サンプルハンドリングシステム10の好ましい実施形態において、複数のアクセスカバー94が、ローディングラック30上に配置されている。アクセス扉94が開かれているとき、アクセスカバー94に結合されているインターロックは、好ましくは、実際的な同定の不履行、好ましくはバーコードリーダ70でキャリア40を再スキャンする必要があることを示すであろう。
【0047】
本キャリアハンドリングシステム10の動作の間に、オペレータは、トレイ30または個別のキャリア40をローディングラック30にロードする。オペレータが、コンピュータへ患者サンプル同定および試験順序を入力するか、またはこの情報が、ラボ(研究室)情報システムからコンピュータ60内へダウンロードされる。試験順序は、複数の分離されたアッセイを要求する場合がある。一旦サンプルがロードされると、プログラム可能なコンピュータ60は、事前にプログラムされた優先順位に基づいて種々のサンプル試験の順序を決定する。システムは、キャリア40の存在を検出し且つサンプリングのための一つを選択する。コンピュータ60は、ローディングラック30から選択されたキャリア40をピックアップし、且つキャリア40およびサンプル管42を同定するためにバーコードリーダ70を通ってキャリア40を搬送すべく、ロボット搬送装置50を付勢し、バーコードデータは、プログラム可能なコンピュータ60に送られる。コンピュータ60において先にプログラムされた試験は、キャリア40における各チューブ42に割り当てられる。搬送装置50は、それから、キャリア40を位置決め装置80へ届ける。コンピュータ60におけるソフトウェアは、位置決め装置80の移動を制御し、試験現場または診断モジュール20のピペッタの近傍の予め決定された位置に、キャリア40を移動させる。ピペッタは、試験のために管42からサンプルを引き抜く。
【0048】
キャリア40内の全ての管42の試験が完了したとき、ロボットアーム52は、キャリア40をロードし、次にローディングラック30のその割り当てられた位置にキャリア40を移動させ且つ戻す。一つのキャリア40の管42が吸い込まれる間、第2のキャリア40は、試験のためにキャリッジ31上にロードされ得る。この点で、状態インジケータ74は、コンピュータ60が再試験を決定するまでキャリア40についての保持状態を示すであろう。もしも、再試験が必要であれば、キャリア40が、上述された同一のプロセスで、しかしバーコードスキャンなしに、再び選択される。ロボット50は、キャリア40のピックアップを継続し、必要に応じて、キャリア40をスキャンし且つ配置する。各トレイ35またはスロット32についての状態インジケータ74は、再試験が要求されないときには、キャリア35またはキャリア40の完了されたトレイを示すであろう。オペレータは、完了された40またはキャリア35のトレイを、それらがアンロードのために解放されたときに、取り除くべきである。
【0049】
キャリアの実際的な同定は、好ましくは、もしもサンプルハンドリングシステム10のアクセスカバー94が開かれているならば、侵害されたとみなされる。アクセス扉94が開いているときは、好ましくは、全てのキャリア40は、さらなる試験を行う前に、実際的な同定を提供させるべく、再スキャンされなければならない。さらに、キャリア40の実際的な同定は、もしもローディングラック30上のキャリア40またはトレイ35が時期尚早に取り外されたならば、侵害される。この点にて、時期尚早に取り外されたキャリア40またはトレイ35は、好ましくは、置き換えられ且つ再スキャンされなければならない。スロットおよびトレイセンサ98は、実際的な同定のそのような侵害を識別すべく連続的に監視される。プログラム可能なコンピュータ60は、各個別のトレイまたはキャリアセンサ98の状態を順次迅速にチェックする。もしもセンサ状態における変化が観測されたら、コンピュータ60は、キャリア40またはトレイ35が取り外されており、そして内容物の同一性が、問題のキャリア40が再スキャンされるまでもはや保証されないことを、決定することができる。
【0050】
好ましい実施形態において、ロボットアーム52は、それが動いている間は、リニア位置決め装置80をアクセスすることができない。例えば、もしも位置決め装置80が、2つのキャリア40を収容しており、そして2つのキャリア40は、既に位置決め装置80上にあるならば、高優先順位または急ぎのサンプルのための先取権は許可されない。高優先順位の試験は、好ましくは、処理中のキャリア40が完了するまで待たなければならない。この点について、完了されたキャリア40は、アンロードされ、急ぎのサンプルがロードされ且つ直ちに処理されるであろう。しかしながら、もしも、位置決め装置80内にただ1つのキャリア40があるならば、急ぎまたは優先キャリアが直ちにロードされ、そして現在のサンプルが完了した後に、急ぎまたは優先キャリアが、吸引のために位置決めされるであろう。急ぎキャリア上の全ての管サンプルが吸引された後に、残ったルーチンサンプルの吸引が再開されるであろう。
【0051】
好ましくは、コンピュータソフトウェアは、サンプル処理のための、予めプログラムされたまたはプログラム可能な優先順位を含む。例えば、キャリアは、次の優先順位に従って処理のために選択され得る、1−完了されたキャリアをアンロード、2−吸引されたキャリアをローディングラックへ移動、3−急ぎまたは優先再試験、4−急ぎまたは優先試験、5−急ぎまたは優先キャリアをピックし、スキャンし保持エリアへ移動、6−ルーチン再試験、7−ルーチン試験、8−ルーチンキャリアをピックし、スキャンしそして保持エリアへ移動。サンプル優先順位のこの順序は、高優先順位のサンプルに対する迅速な応答および高いシステムスループットの維持を結果として生じさせるべく示されている。他の優先順位スキームが、異なるレベルのパフォーマンスおよび応答性を達成すべくインプリメントされ得ることは、当業者によって理解される。
【0052】
キャリアハンドリングシステムの他の好ましい実施形態は、複数の診断モジュール20を有して図3および図4に示されている。この代替的実施形態は、図1および図2に描かれたものと非常に類似している。したがって、図3および図4における同様の参照符号は、図1および図2に関連して規定されたのと同一の要素を示している。
【0053】
図3および図4におけるキャリアハンドリングシステム10’は、少なくとも2つの診断モジュールを含む。診断モジュール20は、免疫アッセイ、臨床化学、血液学、または他の既知の診断モジュール、またはこれらのモジュールの組み合わせを含み得る。キャリア位置決め装置80は、各診断モジュール20について設けられる。複数の診断モジュール20を有するサンプルハンドリングシステム10’は、ラボにおける生産性を高める。さらなる多重モジュールシステムは、種々のシステムへの分配のためにサンプルを分離または分取することの必要性を低減する。本システムにおいて、サンプルは、システムからそれらを除去することなしに、種々のモジュールで試験され得る。この多重モジュールシステムは、また、ラボにおけるスペースの要求をも低減し且つ運転のためのコストを低下させ得る。
【0054】
図3に示されるように、キャリアハンドラシステム10’の好ましい実施形態は、7つの緊急または優先キャリアスロット32を有するローディングラック30と、各々5つのキャリア40を保持するルーチントレイ35を受け入れるための12個のベイ36とを含む。
【0055】
ただ一つのキャリア搬送装置50およびバーコードリーダ70が、好ましくは、サイズにかかわらず、本システムに使用される。適切な制御ソフトウェアが、予め決定された優先順位に基づいて試験および再試験するためにキャリア40を選択し、機構の操作を指示し、正しい操作のためにシステムを監視すべく、本システムに使用される。
【0056】
本サンプルハンドリングシステムは、モジュール方式で且つ処理モジュールの種々のサイズに拡張可能で、単一および二重モジュールシステムに使用され得る。システムは、ローディングプラットフォームにおけるサンプルキャリアに対するランダムなアクセスを提供する。このランダムアクセス能力は、システムが高い優先順位のサンプルに迅速にアクセスし且つこれを処理することを可能とする。この能力は、また、システムが異なるスループット能力を有する2つの処理モジュールの作業量のバランスをとることをも可能とする。サンプルが最初に処理された後、サンプルは、ローディングプラットフォームに戻されることが可能であり、それから初期試験が自動化された再試験能力を提供して完了するときに再度アクセスされ得る。この自動化された再試験能力は、好ましくは、オペレータによるいかなる付加的な介入も必要としない。ランダムアクセスは、再試験されるサンプルが可能な最も短時間で処理され得ることを保証する。システムは、機械的に単純であり、そのことはシステムコストを最小化し、且つシステムの信頼性を最大化する。本システムは、自蔵式であり、且つ製造および現場での据え付けを容易にするために、独立に処理モジュールが組み立てられ且つ試験され得る。
【0057】
不正なキャリア配置を防止するためのいくつかの特徴が、本サンプルハンドリングシステムに含まれる。まず、搬送装置50上の第2および第3のセンサ104および106は、それぞれ、リニア位置決め装置80およびローディングラック30によって、キャリア40の正しい位置合わせを検証する。加えて、第1のセンサ102は、ローディングラック30上のキャリア40の存在を検証し、且つ第4のセンサ107(図示せず)は、位置決め装置80上のキャリア40の存在を検証する。さらに、システムは、センサの動作の頻繁なソフトウェア検証を含む。
【0058】
図7を参照すると、診断分析システムの他の実施形態は、サンプルおよび試薬容器122、124の両方を受け入れるように構成されている、ローディングトレイを有するローディングベイ120を含む。サンプルおよび試薬の安定性を保証するために、冷却がローディングトレイエリアに含まれていても良い。好ましくは、サンプルおよび試薬容器122、124は、それぞれ、サンプルおよび試薬キャリア126、128に保持される。ロボット搬送装置130は、サンプルおよび試薬キャリア126、128の両方にリンクし且つ両方を搬送するように構成されている。ロボット搬送装置50は、バーコード読み取り、キャリアスロットに対するアクセス、キャリア位置決め装置80に対するアクセス、および試薬格納位置に対するアクセスのための位置の間の、210度の運動の範囲にわたってキャリア40を回転させ得る。搬送装置130は、好ましくは、それらがローディングベイ120内のどこに配置されているかにかかわらず、サンプルキャリア126または試薬キャリア128のいずれかに対するランダムアクセスを有している。図7において、試薬キャリア128は、サンプルキャリア126の右側にグループとして示されているが、好ましい搬送装置130およびローディングベイ120は、どのような位置においてもそしてどのような順序においても、サンプルキャリア120の間に試薬キャリア128が散在されていてさえも、キャリア126、128を収容し得る。その代わりの実施形態において、しかしながら、分離されたベイがサンプルキャリア126および試薬キャリア128のために設けられる。
【0059】
好ましい実施形態は、好ましくは、図8に示されるように、それに沿ってサンプルキャリアを移動させるためのいかなる機構にも制限されることなく、サンプル位置決めシェルフ132を有する吸引トレイを有している。搬送装置130は、好ましくは、診断モジュール136によるアクセスのために必要とされるように、シェルフ132に沿ってサンプルキャリア126を再配置するように構成されている。診断モジュール136のピペッタ134によってアクセスされるべきサンプル容器122は、好ましくは、シェルフ132の直立壁部における切欠部138の近傍である、ピペッティング位置に配置される。切欠部138は、それがサンプル容器122の内容物に向かって下向きに移動されるにつれて、ピペッタ134の端部を受け入れるように構成されている。他のサンプル容器122およびサンプルキャリア126に対するアクセスのために、搬送装置130は、シェルフ132に沿ってサンプルキャリア120を再配置する。シェルフ132は、好ましくは、各々がピペッタ134によるアクセスのための必要に応じて搬送装置によって再配置され得る、複数のサンプルキャリア126に適応するために充分に大きい。シェルフ132は、好ましくは、底部支持面142、およびサンプルキャリア126がシェルフから滑り落ちるのを防止すべく充分に高い前側直立壁部144、ならびに直立背面壁部146を有する。背面壁部146は、好ましくは、前側壁部144、キャリア126、およびキャリア126内に保持されるどの容器122よりも高く、そして好ましくは背面壁部146の後ろに配置される診断モジュール136における無菌性を促進する。
【0060】
好ましい実施形態においては、サンプルキャリア126は、サンプル容器122がその中に収容される、開口に対して軸方向に整列されたスロット140を有する。スロット140は、容器122上に存在するバーコードまたは他の同定特徴のスキャニングを許容する。代替的な実施形態において、他のバーコードまたは他の同定特徴は、さらにあるいは代替として、サンプルキャリア126それ自体の上に存在することも可能である。
【0061】
試薬キャリア128の好ましい実施形態は、図9に示されている。キャリア128は、保持部分152から154を含み、各々が試薬容器124を保持するように構成されている、キャリア本体150を有している。3つの保持部分152から154は、好ましくは、容器124のベースに対するスナップ嵌合式結合のための構造を有している。保持部分154は、付加的に、直立ポスト158上に支持され得るとともに、代わりの試薬容器(図示せず)のベースの拡大された直径部分のまわりをクリップするように構成され、他の試薬容器上に配置されるスナップ嵌合の特徴を有していない、ナブ156を含む。
【0062】
保持部分152は、一定の混合または攪拌効果のためにそこに付設される試薬容器124を移動させるべく、キャリア本体150に対して移動するように構成されている。例えば、試薬が、概して一様な浮遊物を維持すべく一定の運動を必要とする微粒子を含むとき、これは好ましい。この保持部分152は、この相対的運動を生じさせるべく本体150に対して移動可能である。
【0063】
歯車170のような係合部分は、歯車170が、保持部分152を回転させキャリア本体150の外部の部材によって駆動可能であるように、保持部分152に結合されまたはさもなければ関連付けられる。好ましくは、歯車170が、図10に示されるように、シャフト172によって回転可能保持部分152に結合されている。代替的な実施形態において、異なるタイプの係合部分が使用され、またはモータのようなオンボードの駆動装置が、試薬キャリア本体150に取り付けられ得る。好ましい実施形態において、一つの保持部分のみが、試薬容器124における攪拌を生じさせるためにキャリア128に対して回転可能または移動可能であるが、他の実施形態においては、1つよりも多い保持部分が回転可能であり、且つ1つよりも多くの保持部分がキャリア本体に対する運動を駆動するために歯車170に関連付けられ得る。
【0064】
歯車170は、好ましくは、キャリア本体150の一端部近傍、好ましくは、以下に述べるように、搬送装置カプリング162とは反対側に配置される。歯車170は、好ましくは、キャリア本体150の下側面で、容器124に接続するように構成された保持部分の一部とは反対側に露出される。保持部分152は、保持部分153、154に対して持ち上げられ得るとともに、好ましくは実質的に同一高さに容器124の上端を位置合わせすべく、好ましくは、他の保持部分153、154に配置された容器124よりも短い容器124に適応している。
【0065】
キャリア本体150の一端部は、ユーザの手によってロードされたキャリアを把持または保持するのを容易にするための、ハンドル部分160を含む。ハンドル部分150は、好ましくは、ユーザの少なくとも1本の指で安定して受け入れるのに充分に大きなスペースを有して逆フックに湾曲して構成されている。好ましくは、ハンドル部分160からキャリア本体150の反対の端部に、好ましくは、図8に示されたサンプルキャリア126の搬送装置カプリング145と同様の、搬送装置カプリング162が設けられる。好ましい実施形態の搬送装置カプリング162は、搬送装置が、キャリアを持ち上げ、誘導し、且つ搬送するために、診断システムの種々の部品に対して結合することが可能である、角張ったフック部分を含む。
【0066】
好ましい試薬キャリア128は、バーコード164のような同定特徴を付加的に有している。同定特徴は、コード128タイプバーコードのような、一次元または二次元バーコード、またはシステムによって同定され得る他の特徴であっても良い。図7を再度参照すれば、システムは、キャリア126および/または容器124上の同定特徴の情報を解釈し且つ同定すべく適合されたバーコードリーダ166、または他の同定装置を有し得る、同定装置を含む。他の実施形態においては、同定特徴は、容器124上に配置され、そして容器124がキャリア128上にロードされたときに、同定装置によってアクセスされまたは読み取られ得る。さらにその他の実施形態において、同定装置は、搬送装置130の動作が、各キャリア128上の容器124における内容物のタイプを同定し得るように、搬送装置130に関連付けられている。例えば、搬送装置130には、キャリア128または容器124上の同定特徴を検知し得るセンサが搭載され得る。代わりに、内容物のタイプの初期同定を提供すべく、搬送装置が、ピックアップしているキャリアの物理的寸法を検知しても良い。例えば、試薬キャリア128の垂直高さまたはその一部が、サンプルキャリア126の高さとは異なっていても良い。一実施形態において、ローディングベイ内においてサンプルおよび試薬容器がキャリアに保持される高さが異なっており、内容物が試薬かサンプルかを最初のうちに決定するための同定装置によって検知される。図14に示されるように、ローディングトレイポケット302は、より広い試薬容器ベース304を捕らえるが、より狭いサンプルキャリアベース306を捕らえない。それゆえ、試薬容器は、ローディングトレイ内でサンプルキャリアよりも高く配置される。それぞれのキャリア126、128を持ち上げるべく、搬送装置130が接触または係合する高さは、サンプルまたは試薬として内容物を同定すべく制御用コンピュータによって使用される。一実施形態において、例えば搬送されるキャリアの高さを決定することによって、内容物のタイプの初期決定がなされ、続いて、例えばバーコードリーダによって、内容物の付加的な実際的且つ個別の同定がなされる。
【0067】
好ましい実施形態において、使用されるバーコードリーダは、一次元および二次元バーコードの両方を読み取ることができ、好ましくは、一次元バーコードがサンプル容器に使用されるとき、同時に二次元バーコードが試薬キャリアに使用される。上述において議論されたように、他のタイプの同定特徴が使用され得るとともに、試薬容器124およびサンプルキャリア126は、同定特徴によって付加的にラベル付けすることもできる。
【0068】
搬送装置130が、キャリア126、128をピックアップすべく制御用コンピュータによって指示されているとき、それはバーコードリーダ166によってスキャニングするためにキャリア126、128を配置する。これは、システムが、キャリア上で運ばれる内容物のタイプを決定することを可能とさせる。もしも、システムが、搬送されるキャリアがサンプルキャリア126であると決定するならば、そのときは、搬送装置130は、キャリア126を吸引トレイシェルフ132上の適切な位置に配置するであろう。他方では、もしもシステムが、試薬キャリア128が搬送されていると決定するならば、そのときは、そのキャリア128が試薬配置エリアに配置され得る。
【0069】
好ましい試薬配置エリアは、ピペッタ134によって必要とされるときに、アクセスされ得る位置にその上の試薬を配置すべく、その軸線の回りで移動し且つ好ましくは回転するように構成される、カルーセル168を含む。好ましい実施形態のカルーセル168は、図10に示されるように、そこに試薬キャリア128が受け入れられるベイを形成する、一つ以上のプラットフォーム174を有する。ベイと関連付けられる第1の部分を含む、保持部材は、キャリア128をカルーセル168にロックさせ、且つそこの試薬が使い果たされたときのように、それらがもはやカルーセル168上で必要がなくなったときに、装置における異なる位置にキャリア128を回収し且つ搬送すべく搬送装置130についてそれらを解放するように、構成されている。カルーセル168上に配置されている保持部材の一部分は、好ましくは、カルーセル168に対してそれを通して半径方向に延びる開口を有してループを形成する、固定されたスターラップ(stirrup)176を備えている。スターラップ176は、好ましくは、図11に示されるように、本体150から下向きに延びて、キャリア本体150および脚部178に関連付けられている、保持部材の第2の部分の脚部178に対応すべき寸法で配置される。好ましい実施形態の脚部178は、好ましくは、下向きに延び、好ましい実施形態においてキャリア本体150の最下部分である、キャリア128の残った最下部分を超えない。これは、キャリア128が、装置内で使用されないとき、平らな面内に配置されることを可能とする。
【0070】
搬送装置130は、キャリア128を、好ましくはスターラップ176と半径方向に位置合わせされる脚部178と共に、カルーセル168上に下げるべく操作される。キャリア128が、カルーセル168の軸線に向かって半径方向にスライドされるとき、脚部は、スターラップ176が、カルーセル168からの軸方向または上方向への移動に対して脚部178を保持するようにするのに関連して、スターラップ176内の開口内で受け入れられる。脚部178およびスターラップ176は、共に、カルーセル168にキャリア128を実質的にロックするのを助けるべく共にラッチする、ラッチ可能部分を備えている。
【0071】
図10から図13を参照すれば、付勢部材180は、保持部材を制御すべく搬送装置130によって、操作のためにカルーセル168に近接して配置され且つ構成される。好ましい実施形態において、付勢部材180は、搬送装置130がカルーセル168の近傍に移動するとき、バー182がカルーセル168内に押し下げられるように、搬送装置130によってアクセス可能なバー182を含む。バー182は、好ましくは、軸線186のまわりで旋回可能なレバー184に旋回可能に取り付けられている。レバー184の他端にて、ロッド188が、ロック用部材190に概して軸方向に接触するために好ましくは突出している。付勢部材180およびロック用部材190は、好ましくは、キャリア128から反対の側でカルーセル168の下方に配置される。
【0072】
図10に示されるように、搬送装置130がカルーセル168に向かって移動するとき、搬送装置130の表面196がバー182を押圧し、レバー184が軸線186のまわりで旋回するようにさせる。バー182は、そのより下側でバー182の細長い溝200内に受け入れられるピン198によってガイドされる。レバー184が旋回するとき、ロッド188は、カルーセル168の軸線から半径方向に離れるように、ロック部材190を移動させる。
【0073】
ロック部材190は、好ましくは、プラットフォーム174を通って上方向きに延び且つカルーセル168の上側に突出する、タブ192を有する。搬送装置130は、キャリア128を下げ、タブ192がキャリア128の開口194に受け入れられるようにする。カルーセル168上に設置されるキャリア128、および開口194に受け入れられるタブ192によって、搬送装置130は、カルーセルから離れて、異なるキャリア126、128上で他の搬送操作を行うべく移動する。これが生じたとき、スプリング202は、レバー180を、キャリア128のカルーセルに対するロックを許容する位置へ弾性的に偏倚させる。加えて、ロック部材190は、そのまわりにスプリング206が搭載されるガイドシャフト204を有する。ロッド188が、カルーセル168の軸線に向かって半径方向に移動するとき、スプリング202は、レバー184を弾性的にその元の位置に戻し、且つタブ192がキャリア128をプラットフォーム174に沿って変位させ、それゆえ脚部178もカルーセル168の軸線に向かって変位する。この運動は、脚部178が、ラッチされてスターラップ176に入るようにさせ、且つロック用タブ194と共に、実質的にキャリア128をカルーセル168にロックさせる。
【0074】
好ましい実施形態において、付勢部材に対する搬送装置130の物理的接触は、キャリア128を、カルーセル168へまたはカルーセル168からロックしまたはロック解除すべく、付勢部材を機械的に変位させ、且つ付勢部材を操作する。他の実施形態において、搬送装置130と付勢部材との間の接触は、電気的にまたはさもなければ駆動される機構にキャリアをロックしまたはロック解除させ得る。一実施形態においては、ソレノイドまたはモータがロック用部材を操作し、そしてこれは、搬送装置130からのいかなる物理的接触によっても直接的にされることなしに、制御用コンピュータによって完全に制御される。
【0075】
ロック用部材190によって引き起こされる、キャリア128のロック位置に向かう同様の運動も、好ましくは、歯車170をカルーセル168に関連付けられている係合部分に噛合させる。この係合部分は、好ましくは、カルーセル168と関連付けられており、そして、好ましい実施形態においては、好ましくは固定されているリング歯車208を備えている。歯車170とリング歯車203が噛合されることによって、リング歯車208のまわりのカルーセル168の回転は、歯車170と保持部分152に取り付けられた容器124の両方をスピンさせる。図12に見られるように、好ましい容器124は、その中の内容物の攪拌および混合を改善する内部リブ210を含む。
【0076】
作動部分180は、好ましくは、カルーセル168と共に回転しない装置の固定部分に取り付けられる。ロック用部材190およびロッド188は、スプリング202、206によって、ロッド188がロック部材に近接するギャップと位置合わせされるようにして、カルーセル168に沿って円周上に配列される位置に、弾性的に偏倚される。それゆえ、カルーセル168が回転するにつれて、好ましくはそれと接触することなしに、且つ実質的に干渉することも、またはロック用部材190をそれらのロック位置から移動させることもなしに、ロッド188が、ロック用部材190の近傍を通過する。
【0077】
図10および図12に示されるように、キャリアセンサ212は、好ましくは、カルーセル168の内部における固定された部分に搭載される。キャリアセンサ212は、カルーセル168上におけるキャリア128の存在、またはカルーセル168上におけるロック位置におけるキャリア128の存在を検出するように、構成されている。好ましいキャリアセンサ212は、キャリア128のハンドル部分160に埋設されたマグネット213の存在を検出するように構成されている、ホール効果センサである。その代わりに、好ましくはプラスチックであるキャリア材料の存在を直接的に検出するための容量センサのような、他の種類のセンサも使用され得る。センサ212は、好ましくは、搬送装置130が試薬キャリア128をカルーセル168上にロードすることが可能な、ローディング位置でのカルーセル168上のロック位置におけるキャリア128の存在または不存在を示すべく、信号を制御用コンピュータへ送信する。
【0078】
装置の動作において、制御用コンピュータは、試薬容器124における各試薬を保持するカルーセル128上の位置の軌跡を維持する。ピペッタ134は、好ましくは、アーク216に沿って旋回し得る旋回アーム214を有する。カルーセル168および旋回アーム214の回転位置は、ピペッタ134の軌跡で、選択された試薬容器を横切らせるべく、制御用コンピュータによって制御される。したがって、ピペッタは、所望される量の試薬を吸引し、診断モジュールの診断試験エリア218に送ることができる。旋回アーム214は、また、そこからサンプルが吸引され、吸引されたサンプルがまた診断試験エリア218へも届けられるサンプル容器122上に、ピペッタを配置させるべく移動することが可能である。
【0079】
上述した詳細な説明および付随する例は、単に説明的なものであり、そして、添付された特許請求の範囲およびそれらの等価物によってのみ定義される、発明の範囲についての限定として採られるべきでないことが理解される。開示された実施形態に対する種々の変形および修正は、当業者には明らかであろう。例えば、カルーセル以外の試薬位置決め装置が、試薬およびピペッタによってアクセスするための所望される位置の位置決めに使用され得るとともに、ホルダの一つを回転させるべくキャリア上の歯車を駆動するリング歯車も、微粒子または貯蔵容器内の他のあらゆる物質を混合するために、カルーセルからのいかなる運動も要求することなしに回転させるべく、駆動されることもできる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アッセイ試験診断分析装置のためのキャリアハンドリングシステムであって、
複数のキャリアを受け入れ且つ保持するためのローディングベイと、
各キャリアにロードされる内容物のタイプを決定するためにキャリアに関連付けられた同定特徴を同定するように構成されている同定装置と、
内容物を用いて診断プロセスを行うために各キャリアの内容物の決定されたタイプに応じて、ローディングベイから第1または第2の位置へキャリアを搬送するように構成された搬送装置であって、ローディングベイにおける複数のキャリアにランダムにアクセスする搬送装置と、
を備える、キャリアハンドリングシステム。
【請求項2】
同定装置は、少なくとも診断プロセスにおいて使用されるべきサンプルおよび試薬であるような内容物を同定するように構成され、同定装置は、搬送装置がサンプルを第1の位置にそして試薬を第2の位置に搬送するように搬送装置に関連付けられている、請求項1に記載のキャリアハンドリングシステム。
【請求項3】
同定装置は、ローディングベイ内でキャリアが配置されている位置の情報とは無関係に内容物のタイプを同定するように構成されている、請求項2に記載のキャリアハンドリングシステム。
【請求項4】
搬送装置は、実質的にローディングベイ内のあらゆる位置から第1または第2の位置それぞれへキャリアを搬送するように構成されている、請求項3に記載のキャリアハンドリングシステム。
【請求項5】
第1の位置を備え且つ診断プロセスを実行するように構成された診断モジュールによってアクセスするために配置されている、第1のキャリア支持部材をさらに備え、搬送装置は、ローディングベイから第1のキャリア支持体へキャリアを搬送するように構成されている、請求項1に記載のキャリアハンドリングシステム。
【請求項6】
搬送装置は、第1の位置から第1のキャリア支持体上の他の位置へキャリアを搬送するように構成されている、請求項5に記載のキャリアハンドリングシステム。
【請求項7】
第1の位置は、複数のキャリアがキャリア支持体上に同時に配置され得るように、第1のキャリア支持体上の複数の第1の位置を備える、請求項6に記載のキャリアハンドリングシステム。
【請求項8】
第1のキャリア支持体は、診断モジュールがキャリアにおける内容物を試験し得るように、キャリアを受け入れ且つ移動させるように構成されている位置決め装置を備える、請求項5に記載のキャリアハンドリングシステム。
【請求項9】
同定特徴は、光学的に読み取り可能な特徴からなり、且つ同定装置は、光学的に読み取り可能な特徴を読み取ることが可能な光学的読取機を備える、請求項1に記載のキャリアハンドリングシステム。
【請求項10】
同定特徴は、キャリアの物理的特性からなる、請求項1に記載のキャリアハンドリングシステム。
【請求項11】
請求項1に記載のキャリアハンドリングシステムと、
診断操作を主導するように構成された診断モジュールと、
を備える、診断システム。
【請求項12】
入力データおよび複数のサンプルを処理するための予めプログラムされた優先順位に基づいて搬送装置の移動を制御するためのプログラム可能なコンピュータをさらに備える、請求項1に記載のキャリアハンドリング装置。
【請求項13】
キャリアをさらに備え、少なくともいくつかのキャリアは、試薬を収容する容器を保持するように構成されていて、キャリアまたは容器は、内容物が試薬であることを同定するための同定特徴を有する、請求項1に記載のキャリアハンドリング装置。
【請求項14】
アッセイ試験診断分析装置にロードするための方法であって、
試験されるべきサンプルをシステム内にロードすることと、
試薬の容器を保持する試薬キャリアを分析装置内にロードすることと、
自動化された搬送装置によって、試薬キャリアを試薬保持位置へ搬送することと、
分析装置によって、試薬を用いてサンプルを試験することと、
を有する、方法。
【請求項15】
アッセイ試験診断分析装置の物質キャリアであって、
試薬を用いてサンプルを検査するように構成されたアッセイ試験診断分析装置内で、ハンドリングされ且つ受け入れられるように構成されたキャリア本体と、
流体物質を収容する容器を保持するように構成された少なくとも1つの容器保持部分であって、容器の内容物を攪拌しまたは混合すべく容器を移動させるように構成されている容器保持部分と、
を備える、キャリア。
【請求項16】
保持部分は、複数の保持部分を備える、請求項15に記載のキャリア。
【請求項17】
全数よりも少ない数の保持部分は、本体に対して保持される容器の移動のための第1の係合部分に関連付けられている本体に対して、保持容器を移動させるように構成されている、請求項16に記載のキャリア。
【請求項18】
少なくとも1つの保持部分は、本体に対して保持される容器を回転させるように構成されている、請求項15に記載のキャリア。
【請求項19】
第1と第2の係合部分の間の相対的な移動に応答して、本体に対して保持部分によって保持される容器を移動させるために、診断分析装置の第2の部分に係合し得る第1の係合部分をさらに備える、請求項15に記載のキャリア。
【請求項20】
第1の係合部材は、回転可能であり、且つ第2の係合部材に対して回転するように構成されている、請求項19に記載のキャリア。
【請求項21】
アッセイ試験診断分析装置システムであって、
請求項20に記載のキャリアと、
物質を用いて診断プロセスを主導するように構成されている診断モジュールを含む診断分析装置と、
そこに搭載されるキャリアを受け入れるように構成されている回転カルーセルと、
カルーセルに隣接して配置され、且つカルーセルとリング歯車の間の相対的な回転時に、第1の係合部材に関連付けられた容器を回転させるための、カルーセルに搭載された第1の係合部材の歯車と噛合可能な、リング歯車を備える第2の係合部材と、
を備える、診断システム。
【請求項22】
診断分析装置内にキャリアをロードするためのローディングベイと、
ローディングベイからカルーセルにキャリアを搬送するように構成されている搬送装置と、をさらに備え、
カルーセルは、カルーセルをそこにロックするようにキャリアと関連し得る保持部材を備える、請求項21に記載の診断システム。
【請求項23】
保持部分は、容器を把持するように構成されている、請求項15に記載のキャリア。
【請求項24】
本体は、
ロードされたキャリアを手によって把持することを容易にするためのハンドル部分と、
キャリアの搬送を可能とすべく搬送装置に結合するための搬送装置結合部分と、
を備える、請求項15に記載のキャリア。
【請求項25】
アッセイ試験診断分析装置システムであって、
診断プロセスにて使用するための流体物質を収容する容器を保持するように構成されている、複数のキャリアをロードするためのローディングベイと、
診断プロセスを実行すべく診断モジュールによってアクセスするために、キャリアを受け入れ且つ位置決めするように構成されている位置決め装置と、
ローディングベイから位置決め装置へキャリアを搬送するように構成されている搬送装置と、
位置決め装置と関連付けられ且つキャリアを位置決め装置にロックするように構成されている保持部材であって、搬送装置が位置決め装置からキャリアを搬送することを可能とさせるべく、そこからキャリアを解放するように搬送装置に動作可能に関連付けられている保持部材と、
を備える、診断システム。
【請求項26】
位置決め装置は、診断モジュールによってアクセスするためにキャリアを適切に位置決めするべく駆動される、請求項25に記載の診断システム。
【請求項27】
位置決め装置は、回転カルーセルを備える、請求項26に記載の診断システム。
【請求項28】
容器のうち1つからの物質にアクセスし且つそれを化合させることによって診断プロセスを実行させ、且つ他の物質も診断プロセスを実行させるように構成されている診断モジュールをさらに備える、請求項25に記載の診断システム。
【請求項29】
容器内の物質は、試薬からなり、その他の物質はサンプルからなる、請求項28に記載の診断システム。
【請求項30】
搬送装置が付勢部材に接触するとき、キャリアのうち少なくとも1つを解放するように搬送装置に操作可能に関連付けられた付勢部材をさらに備える、請求項25に記載の診断システム。
【請求項31】
位置決め装置に対してキャリアをロックするためにおよびロック解除するために、キャリアに関連付けてカルーセルに対して移動させるように構成されたキャリアロック用部材をさらに備え、付勢部材は、キャリアのロックおよびロック解除のためにロック用部材を移動させるべく搬送装置によって変位されるように構成されている、請求項30に記載の診断システム。
【請求項32】
保持部材は、位置決め装置にキャリアをロックするために、少なくとも1つのキャリアの第2のラッチ用部材にロックするようにラッチさせるように構成される第1のラッチ用部材を備え、保持部材は、キャリアをロックするためにおよびロック解除するためにラッチ用部材を相対的に移動させるように構成されている、請求項25に記載の診断システム。
【請求項33】
位置決め装置に対して移動可能であり、且つキャリアをロックするためにおよびロック解除するために、第1のラッチ用部材に対して第2のラッチ用部材を移動させるようにキャリアに関連付けられている、ロック用部材をさらに備える、請求項32に記載の診断システム。
【請求項34】
搬送装置が付勢部材に接触しているときに、キャリアを解放するように搬送装置と動作可能に関連付けられた付勢部材をさらに備え、ロック用部材は、キャリアの凹所内に受け入れられ且つラッチ用部材に対してキャリアをスライドさせるように構成されているタブを備える、請求項33に記載の診断システム。
【請求項35】
複数のキャリアと、
複数の保持部材と、
位置決め装置上のキャリアの存在を検出するように構成されているキャリアセンサと、
をさらに備える、請求項25に記載の診断システム。
【請求項36】
キャリアは同定特徴を有し、診断システムは、
キャリアの同定特徴を同定するように構成された同定装置と、
入力データと、同定された同定特徴に基づいてキャリアの内容物を処理するための予めプログラムされた優先順位とに基づいて、搬送装置および位置決め装置の移動を制御するためのプログラム可能なコンピュータと、
をさらに備える、請求項35に記載の診断システム。
【請求項1】
アッセイ試験診断分析装置のためのキャリアハンドリングシステムであって、
複数のキャリアを受け入れ且つ保持するためのローディングベイと、
各キャリアにロードされる内容物のタイプを決定するためにキャリアに関連付けられた同定特徴を同定するように構成されている同定装置と、
内容物を用いて診断プロセスを行うために各キャリアの内容物の決定されたタイプに応じて、ローディングベイから第1または第2の位置へキャリアを搬送するように構成された搬送装置であって、ローディングベイにおける複数のキャリアにランダムにアクセスする搬送装置と、
を備える、キャリアハンドリングシステム。
【請求項2】
同定装置は、少なくとも診断プロセスにおいて使用されるべきサンプルおよび試薬であるような内容物を同定するように構成され、同定装置は、搬送装置がサンプルを第1の位置にそして試薬を第2の位置に搬送するように搬送装置に関連付けられている、請求項1に記載のキャリアハンドリングシステム。
【請求項3】
同定装置は、ローディングベイ内でキャリアが配置されている位置の情報とは無関係に内容物のタイプを同定するように構成されている、請求項2に記載のキャリアハンドリングシステム。
【請求項4】
搬送装置は、実質的にローディングベイ内のあらゆる位置から第1または第2の位置それぞれへキャリアを搬送するように構成されている、請求項3に記載のキャリアハンドリングシステム。
【請求項5】
第1の位置を備え且つ診断プロセスを実行するように構成された診断モジュールによってアクセスするために配置されている、第1のキャリア支持部材をさらに備え、搬送装置は、ローディングベイから第1のキャリア支持体へキャリアを搬送するように構成されている、請求項1に記載のキャリアハンドリングシステム。
【請求項6】
搬送装置は、第1の位置から第1のキャリア支持体上の他の位置へキャリアを搬送するように構成されている、請求項5に記載のキャリアハンドリングシステム。
【請求項7】
第1の位置は、複数のキャリアがキャリア支持体上に同時に配置され得るように、第1のキャリア支持体上の複数の第1の位置を備える、請求項6に記載のキャリアハンドリングシステム。
【請求項8】
第1のキャリア支持体は、診断モジュールがキャリアにおける内容物を試験し得るように、キャリアを受け入れ且つ移動させるように構成されている位置決め装置を備える、請求項5に記載のキャリアハンドリングシステム。
【請求項9】
同定特徴は、光学的に読み取り可能な特徴からなり、且つ同定装置は、光学的に読み取り可能な特徴を読み取ることが可能な光学的読取機を備える、請求項1に記載のキャリアハンドリングシステム。
【請求項10】
同定特徴は、キャリアの物理的特性からなる、請求項1に記載のキャリアハンドリングシステム。
【請求項11】
請求項1に記載のキャリアハンドリングシステムと、
診断操作を主導するように構成された診断モジュールと、
を備える、診断システム。
【請求項12】
入力データおよび複数のサンプルを処理するための予めプログラムされた優先順位に基づいて搬送装置の移動を制御するためのプログラム可能なコンピュータをさらに備える、請求項1に記載のキャリアハンドリング装置。
【請求項13】
キャリアをさらに備え、少なくともいくつかのキャリアは、試薬を収容する容器を保持するように構成されていて、キャリアまたは容器は、内容物が試薬であることを同定するための同定特徴を有する、請求項1に記載のキャリアハンドリング装置。
【請求項14】
アッセイ試験診断分析装置にロードするための方法であって、
試験されるべきサンプルをシステム内にロードすることと、
試薬の容器を保持する試薬キャリアを分析装置内にロードすることと、
自動化された搬送装置によって、試薬キャリアを試薬保持位置へ搬送することと、
分析装置によって、試薬を用いてサンプルを試験することと、
を有する、方法。
【請求項15】
アッセイ試験診断分析装置の物質キャリアであって、
試薬を用いてサンプルを検査するように構成されたアッセイ試験診断分析装置内で、ハンドリングされ且つ受け入れられるように構成されたキャリア本体と、
流体物質を収容する容器を保持するように構成された少なくとも1つの容器保持部分であって、容器の内容物を攪拌しまたは混合すべく容器を移動させるように構成されている容器保持部分と、
を備える、キャリア。
【請求項16】
保持部分は、複数の保持部分を備える、請求項15に記載のキャリア。
【請求項17】
全数よりも少ない数の保持部分は、本体に対して保持される容器の移動のための第1の係合部分に関連付けられている本体に対して、保持容器を移動させるように構成されている、請求項16に記載のキャリア。
【請求項18】
少なくとも1つの保持部分は、本体に対して保持される容器を回転させるように構成されている、請求項15に記載のキャリア。
【請求項19】
第1と第2の係合部分の間の相対的な移動に応答して、本体に対して保持部分によって保持される容器を移動させるために、診断分析装置の第2の部分に係合し得る第1の係合部分をさらに備える、請求項15に記載のキャリア。
【請求項20】
第1の係合部材は、回転可能であり、且つ第2の係合部材に対して回転するように構成されている、請求項19に記載のキャリア。
【請求項21】
アッセイ試験診断分析装置システムであって、
請求項20に記載のキャリアと、
物質を用いて診断プロセスを主導するように構成されている診断モジュールを含む診断分析装置と、
そこに搭載されるキャリアを受け入れるように構成されている回転カルーセルと、
カルーセルに隣接して配置され、且つカルーセルとリング歯車の間の相対的な回転時に、第1の係合部材に関連付けられた容器を回転させるための、カルーセルに搭載された第1の係合部材の歯車と噛合可能な、リング歯車を備える第2の係合部材と、
を備える、診断システム。
【請求項22】
診断分析装置内にキャリアをロードするためのローディングベイと、
ローディングベイからカルーセルにキャリアを搬送するように構成されている搬送装置と、をさらに備え、
カルーセルは、カルーセルをそこにロックするようにキャリアと関連し得る保持部材を備える、請求項21に記載の診断システム。
【請求項23】
保持部分は、容器を把持するように構成されている、請求項15に記載のキャリア。
【請求項24】
本体は、
ロードされたキャリアを手によって把持することを容易にするためのハンドル部分と、
キャリアの搬送を可能とすべく搬送装置に結合するための搬送装置結合部分と、
を備える、請求項15に記載のキャリア。
【請求項25】
アッセイ試験診断分析装置システムであって、
診断プロセスにて使用するための流体物質を収容する容器を保持するように構成されている、複数のキャリアをロードするためのローディングベイと、
診断プロセスを実行すべく診断モジュールによってアクセスするために、キャリアを受け入れ且つ位置決めするように構成されている位置決め装置と、
ローディングベイから位置決め装置へキャリアを搬送するように構成されている搬送装置と、
位置決め装置と関連付けられ且つキャリアを位置決め装置にロックするように構成されている保持部材であって、搬送装置が位置決め装置からキャリアを搬送することを可能とさせるべく、そこからキャリアを解放するように搬送装置に動作可能に関連付けられている保持部材と、
を備える、診断システム。
【請求項26】
位置決め装置は、診断モジュールによってアクセスするためにキャリアを適切に位置決めするべく駆動される、請求項25に記載の診断システム。
【請求項27】
位置決め装置は、回転カルーセルを備える、請求項26に記載の診断システム。
【請求項28】
容器のうち1つからの物質にアクセスし且つそれを化合させることによって診断プロセスを実行させ、且つ他の物質も診断プロセスを実行させるように構成されている診断モジュールをさらに備える、請求項25に記載の診断システム。
【請求項29】
容器内の物質は、試薬からなり、その他の物質はサンプルからなる、請求項28に記載の診断システム。
【請求項30】
搬送装置が付勢部材に接触するとき、キャリアのうち少なくとも1つを解放するように搬送装置に操作可能に関連付けられた付勢部材をさらに備える、請求項25に記載の診断システム。
【請求項31】
位置決め装置に対してキャリアをロックするためにおよびロック解除するために、キャリアに関連付けてカルーセルに対して移動させるように構成されたキャリアロック用部材をさらに備え、付勢部材は、キャリアのロックおよびロック解除のためにロック用部材を移動させるべく搬送装置によって変位されるように構成されている、請求項30に記載の診断システム。
【請求項32】
保持部材は、位置決め装置にキャリアをロックするために、少なくとも1つのキャリアの第2のラッチ用部材にロックするようにラッチさせるように構成される第1のラッチ用部材を備え、保持部材は、キャリアをロックするためにおよびロック解除するためにラッチ用部材を相対的に移動させるように構成されている、請求項25に記載の診断システム。
【請求項33】
位置決め装置に対して移動可能であり、且つキャリアをロックするためにおよびロック解除するために、第1のラッチ用部材に対して第2のラッチ用部材を移動させるようにキャリアに関連付けられている、ロック用部材をさらに備える、請求項32に記載の診断システム。
【請求項34】
搬送装置が付勢部材に接触しているときに、キャリアを解放するように搬送装置と動作可能に関連付けられた付勢部材をさらに備え、ロック用部材は、キャリアの凹所内に受け入れられ且つラッチ用部材に対してキャリアをスライドさせるように構成されているタブを備える、請求項33に記載の診断システム。
【請求項35】
複数のキャリアと、
複数の保持部材と、
位置決め装置上のキャリアの存在を検出するように構成されているキャリアセンサと、
をさらに備える、請求項25に記載の診断システム。
【請求項36】
キャリアは同定特徴を有し、診断システムは、
キャリアの同定特徴を同定するように構成された同定装置と、
入力データと、同定された同定特徴に基づいてキャリアの内容物を処理するための予めプログラムされた優先順位とに基づいて、搬送装置および位置決め装置の移動を制御するためのプログラム可能なコンピュータと、
をさらに備える、請求項35に記載の診断システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−230127(P2012−230127A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−175121(P2012−175121)
【出願日】平成24年8月7日(2012.8.7)
【分割の表示】特願2010−91079(P2010−91079)の分割
【原出願日】平成16年7月7日(2004.7.7)
【出願人】(391008788)アボット・ラボラトリーズ (650)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−175121(P2012−175121)
【出願日】平成24年8月7日(2012.8.7)
【分割の表示】特願2010−91079(P2010−91079)の分割
【原出願日】平成16年7月7日(2004.7.7)
【出願人】(391008788)アボット・ラボラトリーズ (650)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
【Fターム(参考)】
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