説明

アップデートシステム、アップデート方法及びパッチ提供装置

【課題】 複数のベンダがそれぞれユーザ端末に提供する複数のソフトウェアを、容易にアップデートすることができ、ユーザ端末が、バージョン比較のためのアプリケーションを持たずにソフトウェアのアップデートができる
【解決手段】 本発明によるアップデートシステムは、複数のベンダが提供するソフトウェアを使用するユーザ端末30と、各々のソフトウェアのパッチを保有するパッチ情報サーバと、パッチ提供装置10とが相互にインターネット40を介し接続され、パッチ提供装置10が、最新のパッチを各ベンダのパッチ情報サーバ20から収集し、ユーザ端末30のユーザ端末30が保有するパッチのバージョンと比較し、更新可能なパッチをユーザ端末30に送信し、ユーザ端末30はそのパッチを使用してソフトウェアのアップデートを行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オープンシステムにおける各種ソフトウェアの一括アップデートシステム、方法及びパッチ提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ソフトウェアベンダのオープンサーバ化に伴い、ユーザが使用するサーバ等のコンピュータ装置は、目的に応じて様々なソフトウェアベンダの様々なソフトウェアを導入している。サーバ管理者であるユーザはサーバで使用されている各種ソフトウェアを最新の状態にするため、各ソフトウェアベンダにより公開されている情報をソフトウェアベンダ毎のサイトに接続して確認し、使用されているソフトウェア製品毎に必要なモジュールを別々のサイトから入手することが必要である。このため、かなりの作業工数を費やしている。
【0003】
特開2002−259128にはアップデート方法が開示されている(特許文献1参照)。この従来例では、ソフトウェア製品を使用するユーザ端末が、ネットワークを介して接続されたバージョン管理サーバからソフトウェアのバージョン情報を受信し、端末自身の保有するバージョン情報と比較して、更新ファイルをバージョン管理サーバから取得している。
【0004】
しかし、この場合、ユーザ端末が、ユーザ端末自身で使用しているソフトウェア製品のバージョンの新旧を判定している。このため、バージョン管理サーバの使用者は、各ユーザ端末に対し、バージョン比較のためのアプリケーションを配布する必要がある。
【特許文献1】特開2002−259128
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、複数のベンダがそれぞれユーザ端末に提供する複数のソフトウェアを、容易にアップデートすることができるアップデートシステム、アップデート方法及びパッチ提供装置を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、ユーザ端末が、バージョン比較のためのアプリケーションを持たずに、ソフトウェアのアップデートができるアップデートシステム、アップデート方法及びパッチ提供装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、[発明を実施するための最良の形態]で使用される番号・符号を括弧付きで用いて、[課題を解決するための手段]を説明する。この番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されたものであるが、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0008】
本発明によるアップデートシステムは、複数のベンダのソフトウェアを使用するユーザ端末(30)と、各ソフトウェアの修正を行なうためのパッチ(PF)及びパッチを管理するためのベンダパッチ情報(VP)を保有する複数のパッチ情報サーバ(20)と、パッチ情報サーバ(20)からパッチ(PF)とベンダパッチ情報(VP)を取得し、取得したパッチ(PF)を、ユーザ端末(30)が保有していない場合、ユーザ端末(30)に対し保有していないパッチ(PF)を提供するパッチ提供装置(10)とを備え、それぞれがインターネット(40)を介して接続されている。
【0009】
このため、複数のベンダから提供されるソフトウェア製品の一括アップデートが可能となり、更に、パッチ提供装置(10)においてユーザ端末(30)の使用するソフトウェアの更新状況を判定するため、ユーザ端末(30)に対し、バージョン比較のためのアプリケーションを配布する必要がなくなる。
【0010】
又、パッチ提供装置(10)は、パッチ情報サーバ(20)取得したパッチ(PF)をユーザ端末(30)が保有していない場合、ユーザ端末(30)に保有していないパッチ(PF)の存在を通知する。
【0011】
パッチ提供装置(10)は、パッチ情報サーバ(20)のパッチ(PF)のバージョンとユーザ端末(30)が保有するパッチ(PF)のバージョンを比較し、パッチ情報サーバ(20)のパッチ(PF)のバージョンが新しい場合、ユーザ端末(30)に新しいパッチの存在を通知し、新しいパッチ(PF)を提供する。
【0012】
本発明におけるパッチ提供装置(10)は、複数のベンダのソフトウェア各々を修正するためのパッチを識別するためのベンダパッチ情報(VP)と、ソフトウェアを使用するユーザ端末(30)が使用するパッチを識別するためのパッチ管理ファイル(PM)とを比較するパッチ情報比較部(102)と、比較の結果、ユーザ端末(30)が保有していないパッチ(PF)がある場合、適用可能なパッチ(PF)の存在を示す通知をユーザ端末(30)に送信する更新情報通知部(104)とを備える。
【0013】
パッチ提供装置(10)は、ベンダパッチ情報(VP)を保持するパッチ情報データベース(105)と、ユーザ端末(30)から、パッチ管理ファイル(PM)を取得するパッチ情報収集部(101)とを更に備え、両者の比較を実施し、比較の結果、ユーザ端末(30)が保有していないパッチ(PF)をパッチ情報データベース(105)が保持している場合、適用可能なパッチ(PF)の存在を示す通知をするとともに、通知を受信するユーザ端末(30)の要請に応じ、適用可能なパッチ(PF)をユーザ端末(30)にパッチ情報送信部(103)から送信する。
【0014】
適用可能なパッチ(PF)を受信するユーザ端末(30)は、そのパッチ(PF)を使用して、使用しているソフトウェアのアップデートを実施する。
【発明の効果】
【0015】
本発明のアップデートシステム、アップデート方法及びパッチ提供装置によれば、複数のベンダがそれぞれ、ユーザ端末に提供する複数のソフトウェアを、容易にアップデートすることができる。
【0016】
又、ユーザ端末が、バージョン比較のためのアプリケーションを持たずに、ソフトウェアのアップデートをすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明によるアップデートシステムの実施の形態を説明する。
【0018】
図1から図7を参照して本発明によるアップデートシステムの第1の実施の形態を説明する。
【0019】
図1に、本発明によるアップデートシステムの構成を示す。
【0020】
本発明によるアップデートシステムは、複数のソフトウェアベンダがそれぞれ提供するソフトウェア製品をアップデートするためのパッチPFの一括提供サービスを行なう業者が管理するパッチ提供装置10と、複数のソフトウェアベンダがそれぞれ管理するパッチ情報サーバ20と、複数のソフトウェアベンダの各種ソフトウェア製品を使用する複数のユーザ端末30とを具備し、それぞれの装置は、インターネット40を介して相互に接続されている。
【0021】
尚、複数のパッチ情報サーバ20は、それぞれ、パッチ情報サーバ20−1、パッチ情報サーバ20−2・・パッチ情報サーバ20−nと表記するが、区別して使用しない場合は、パッチ情報サーバ20と表記する。又、ユーザ端末30も同様である。
【0022】
本発明によるアップデートシステムは、様々なソフトウェアベンダがユーザ端末30に提供するソフトウェア向けパッチPFを、パッチ提供装置10で一括管理し、ユーザ端末30を使用する契約ユーザからの要求に対して適用可能なパッチを提供することで、ユーザ端末30が使用中のソフトウェアを容易に最新の状態にすることができる。
【0023】
パッチ提供装置10は、パッチ情報収集部101と、パッチ情報比較部102と、パッチ情報送信部103と、更新情報通知部104とを具備し、これらの機能を実現する処理を行なうCPU107と、各種処理のために必要な信号やパッチPFに関するデータ等を一時記憶するメモリ108を備える。更に、パッチ提供サービスの契約をしたパッチ情報サーバ20からそれぞれのソフトウェア製品に対応するパッチPFと、パッチPFを管理するための情報から構成されるベンダパッチ情報VPを保持するパッチ情報データベース105とを備える。
【0024】
パッチ情報収集部101は、定時に、あるいは、任意の時間、各ソフトウェアベンダのパッチ情報サーバ20から現在最新のベンダパッチ情報VPを収集し、図3に示すようにパッチ情報データベース105に登録する。パッチ情報データベース105は、パッチfFと、パッチPFを提供する(ソフトウェアを提供する)ベンダ情報と、パッチが修復する対象プログラムであるソフトウェア製品の製品名と、前記製品のバージョンと、パッチPFのバージョンと、パッチ名とを関連付けてパッチ情報PIとして記憶する。
【0025】
ベンダパッチ情報VPの収集のタイミングは、ベンダ毎に異なるか、同時に行なうかは、パッチ情報提供装置の処理能力や各ベンダまでの回線要領あるいは、必要頻度に応じて使用者により任意に設定できる。
【0026】
ベンダパッチ情報を定時に収集することで、漏れなくパッチの更新を確認でき、又、任意の時間に収集することで、ユーザからの要求に柔軟に対応してパッチを提供することができる。
【0027】
又、パッチ情報収集部101は、収集したベンダパッチ情報VPのパッチバージョンが、パッチ情報データベース105内のパッチバージョンより新しいベンダパッチ情報VPであれば、パッチ情報データベース105の同じソフトウェア製品に対応するパッチ情報PIを更新する。
【0028】
更にパッチ情報収集部101は、ユーザ端末30から接続を受けた時、ユーザ端末30が使用するパッチのパッチバージョンを含むパッチ管理ファイルPMを収集する。
【0029】
パッチ情報比較部102は、パッチ情報収集部101がユーザ端末30から収集したパッチ管理ファイルPMとパッチ情報データベース105内にあるのパッチ情報PIと比較し、パッチ情報データベース105に新しいパッチPFが保存されているかどうかを判定する。
【0030】
パッチ情報送信部103は、ユーザ端末30からの要請信号を受付け、パッチ情報比較部102において判定されたパッチ情報データベース105中からユーザ端末30が保有していない新しいバージョンのパッチ情報PIを抽出し、ユーザ端末30に提供する。
【0031】
更新情報通知部104は、パッチ情報比較部102における判定結果をユーザ端末30に送信する。この際、ユーザ端末30が新しいバージョンのパッチPFを保有していない場合、パッチPF取得を促すテキストデータを送信し、新しいパッチPFが無い場合は、ユーザ端末30の使用するソフトウェアが最新であることを伝えるテキストデータを送信する。尚、更新情報通知部104からユーザ端末30に通知されるデータは、上記の内容が通知できればどのような音声でも、画像データでも構わない。
【0032】
パッチ情報収集部101、パッチ情報比較部102、パッチ情報送信部103、更新情報部104は、装置でもプログラムでも装置とプログラムの組合せでも構わなく、CPU107は、各部におけるそれぞれの処理を実行する。
【0033】
メモリ108は、CPU107における各種処理のために必要な信号や、パッチ比較部102が比較処理の際に抽出するベンダパッチ情報VPや、パッチ情報収集部101が収集するパッチ管理ファイルPMを一時的に記憶する。
【0034】
ソフトウェアベンダが管理するパッチ情報サーバ20は、ユーザ端末30が使用する様々なソフトウェア製品の修正プログラムであるパッチPFとパッチPFの管理情報を関連付けてベンダパッチ情報VPとして保持している。
【0035】
ベンダパッチ情報VPの構成を図4に示す。ベンダパッチ情報VPは、ベンダ情報(自社情報)と、パッチが修復する対象プログラムであるソフトウェア製品の製品名と、前記製品のバージョンと、パッチPFのバージョンと、パッチ名とから構成されている。
【0036】
パッチ情報サーバ20は、インターネット40に接続されたオープンサーバであり、パッチ提供装置10から、パッチの要求信号を受信すると、保有している最新のベンダパッチ情報VPとパッチPFをパッチ提供装置10に送信する。
【0037】
ユーザ端末30は、複数のベンダが提供する複数のソフトウェア製品を使用し、前記ソフトウェアのバージョン情報等を管理するパッチ管理ファイルPMを保有している。パッチ管理ファイルPMは、図5に示されるように使用しているソフトウェア製品のベンダ情報と、パッチが修復する対象プログラムであるソフトウェア製品の製品名と、前記製品のバージョンと、パッチPFのバージョンと、パッチ名とから構成されている。
【0038】
以上のように、パッチ提供装置10は、各ユーザ端末30が保有するパッチ管理ファイルと、各パッチ情報サーバ20が保有する最新のベンダパッチ情報VPとを比較して、最新のパッチPFをユーザ端末30に提供する。このため、複数のベンダのソフトウェア製品を使用する複数のユーザ端末におけるソフトウェアのバージョン状況を一元的に管理することがでる。又、パッチ提供装置10においてパッチPFの更新状況を比較するため、ユーザ端末30は、バージョンを比較するためのソフトウェアを導入する必要がない。
【0039】
図6及び図7を参照して本発明によるアップデートシステムの動作の一例を説明する。
【0040】
図6に、本発明によるパッチ提供装置10が、ソフトウェアベンダAが運営するパッチ情報サーバ20からパッチPFとベンダパッチ情報VPを取得する動作の一例を示す。
【0041】
パッチ提供装置10のパッチ情報収集部101は、インターネットを経由してソフトウェアベンダAのパッチ情報サーバ20−1へ、契約に基づくID等の認証にて接続する(ステップS2)。パッチ情報収集部101は接続を完了すると、パッチ情報サーバ20−1に対し、ソフトウェアベンダAのソフトッウェア製品に関連する最新のパッチPFと、ベンダパッチ情報VPを取得するための要求信号を送信し、要求を受けたパッチ情報サーバ20−1は、最新のパッチPFとベンダパッチ情報VPをパッチ情報収集部101に送信する。パッチ情報収集部101は受信するパッチPFとベンダパッチ情報を取得する(ステップSA4)。この際、接続を検知したパッチ情報サーバ20−1によって自動的に最新のパッチPFとベンダパッチ情報VPを取得する方法でも構わない。
【0042】
ソフトウェアベンダAのパッチ情報サーバ20−1に保存されている、全てのパッチ管理ファイルPMを採取し終えたら、パッチ提供装置10のパッチ情報収集部101はパッチ情報サーバ20−1との接続を切断する。
【0043】
次に、パッチ情報比較部102において、パッチ情報収集部101が取得したベンダパッチ情報VPに含まれるベンダ情報と同じベンダ情報を持つパッチ情報PIをパッチ情報データベース105から抽出し、製品名と製品バージョンが同じパッチPFのバージョン情報を比較する(ステップSA6)。取得したベンダパッチ情報VPが現在保有しているパッチ情報PIより更新されている場合、取得したベンダパッチ情報VP及びパッチPFをパッチ情報データベース105に上書き保存する。又、パッチ情報データベース105に登録されていないパッチPFの情報を含むベンダパッチ情報VPを取得した場合もパッチ情報データベース105に新たに登録される(ステップSA8)。取得したベンダパッチ情報VPのバージョン情報がパッチ情報データベース105で保有するパッチPFより更新されていない場合、取得したベンダパッチ情報VP及びパッチPFを削除し、取得動作を終了する(ステップSA10)
【0044】
同様にして、他のソフトウェアベンダのパッチ情報サーバ20−2・・nからも最新のバージョン情報を持つパッチPFとベンダ情報を取得し、パッチ情報データベース105のパッチ情報PIを更新する。パッチ情報データベース105内のパッチ情報PIの構成は、図3に示すように、ソフトウェアベンダ毎にパッチPIの情報が登録される。このため、パッチ提供装置10は、様々なベンダの様々なソフトウェア製品を使用するユーザ端末30が保有するソフトウェアの最新のパッチ情報PIを一括管理することができる。
【0045】
又、パッチ提供装置10は、任意に設定した周期に(例:一日一回)定期的にパッチPF及びベンダパッチ情報VPを取得する。これにより、恒常的に各ソフトウェアベンダ
が更新する最新のパッチPFを保有することができる。
【0046】
図7を参照して、本発明に係るパッチ提供装置10の契約ユーザBが管理するユーザ端末30−1に対してパッチを提供する動作を説明する。
【0047】
パッチ提供装置10は、インターネット40上にパッチを提供するためのWebサイトを表示し、そこにアクセスしてくるユーザ端末に対し、必要なパッチPFを提供する。
【0048】
ユーザ端末30−1は、Webプラウザを使用してインターネット40上にある提携先であるパッチ提供装置10のWebサイトに接続する。その時、提携時に取り決めたパスワード等を使用して、ユーザ端末30−1の認証を行なう(ステップSB2)。接続を確認したパッチ提供装置10のパッチ情報収集部101は、パッチ管理ファイルPMを要求する要求信号をユーザ端末30−1に対し送信する(ステップSB4)。要求信号を受信したユーザ端末30−1は、自身が保有するソフトウェア製品のパッチ管理ファイルPMをパッチ提供装置10に送信する(ステップSB6)。
【0049】
送信されるパッチ管理ファイルPMは、図5に示されるように、ユーザ端末が使用しているソフトウェア製品のベンダ情報や製品名パッチ名やパッチのバージョン情報を含んでいる。パッチ管理ファイルPMには、パッチを使用していないソフトウェア製品の情報も含んでいる(例えば、図5におけるC社の製品)。
【0050】
ユーザ端末30−1から取得したパッチ管理ファイルPMは、一時的にパッチ情報収集部101に記録される(ステップSB8)。パッチ情報比較部102は、パッチ情報収集部101内のパッチ管理ファイルPMに含まれるソフトウェア製品情報であるベンダ情報、製品名、製品のバージョンと同じパッチ情報PIをパッチ情報データベース105から抽出し(ステップSB10)、パッチバージョンを比較する(ステップSB12)。
【0051】
パッチ情報データベース105に、取得したパッチ管理ファイルPMに含まれるソフトウェア製品向けのパッチPFが存在していない場合、又は、同じパッチバージョンのパッチPFしかない場合は、更新情報通知部104は、更新可能なパッチPFが無いことを告げるテキストデータをユーザ端末30−1へ送信し、接続を切断し処理を終了する(ステップSB14)。
【0052】
比較した結果、パッチ情報データベース105から抽出したパッチ情報PIがパッチ管理ファイルにないパッチPFを含む場合、又は、パッチ管理ファイルPMのパッチバージョンがパッチ情報データベース105に保存されているパッチバージョンより古いパッチPFの場合は、更新情報通知部104は、ユーザ端末30−1のWebブラウザに対してパッチのダウンロード先と併せ、適用可能な新しいパッチが存在していることを送信する(ステップSB16)。
【0053】
例えば、ユーザ端末30−1から図5に示されるパッチ管理ファイルPMを取得し、図3に示されるパッチ情報データベース105内のパッチ情報PIと比較する場合について説明する。
【0054】
パッチ情報比較部102はパッチ管理ファイルPMに含まれるソフトウェア製品情報(A社、ソフトA、R1.0)と同じパッチ情報PIを、パッチ情報データベース105から抽出し(ステップSB10)、パッチバージョンを比較する(ステップSB12)。この場合、パッチ管理ファイルPMのパッチバージョンとパッチ情報データベース105のパッチ情報PIのパッチバージョンは、同じR1.5であるので、このソフトウェア製品に対する更新すべきパッチPFが無いことを更新情報通知部104に通知する。
【0055】
続いて、ベンダ情報がB社、製品名がソフトB、製品のバージョンがR4.0のソフトウェア製品についてのパッチバージョンの比較を実施する(ステップSB12)。パッチ管理ファイルのパッチバージョンR4.5に比べ、パッチ情報データベース105内にあるパッチバージョンはR4.7と更新されているので、更新情報通知部104に更新可能なパッチ情報PIの存在を通知する。
【0056】
最後に、ベンダ情報がC社、製品名がソフトB、製品のバージョンがR6.0のソフトウェア製品についてのパッチバージョンの比較を実施する(ステップSB12)。パッチ管理ファイルPMは、この製品に対応するパッチPFを保有していないことを示しており、パッチ情報データベース105は、この製品に対応するパッチPFであるC_B_6.4を含んでいるため、新規のパッチPFの存在を更新情報通知部104に通知する。
【0057】
パッチ管理ファイルPM内の全ての製品についての比較を終了すると、更新情報通知部104は、その結果に基づいた情報をユーザ端末30に送信する。一例では、A社のソフトAのパッチPFについては更新すべきパッチPFが無いことを、B社のソフトBのパッチPFについては、更新可能なパッチバージョンR4.7の存在とそのダウンロード先のWebアドレスを、C社のソフトBのパッチPFについては、新規のパッチPFの存在とそのダウンロード先のWebアドレスを送信する(ステップSB14、ステップSB16)。
【0058】
更新情報通知部104は、更新可能なパッチPFの存在を通知するのと併せて、ユーザ端末30−1がそのパッチPFを適用するか否かを確認する通知を行なう(ステップSB16)。
【0059】
ユーザ端末30−1はウェブブラウザによって前記内容を表示し、その内容から適用したいと考えたパッチを一覧から選択し、ダウンロードを行なう旨をパッチ提供装置10へ送信する(ステップSB18)。
【0060】
パッチ提供装置10のパッチ情報送信部103は、ユーザ端末30−1から受信する適用するか否かの情報を確認して(ステップSB20)、受信内容が「パッチ名がB_SoftB_patchのパッチPFをダウンロードする」の場合はパッチ情報データベース105からパッチ名がB_SoftB_patchのパッチ情報PIを読みとり、パッチ管理ファイルPMとパッチPFとに分けてユーザ端末30−1へ送信し(ステップSB24)、接続を切断し処理を終了する(ステップSB28)。
【0061】
又、ユーザ端末30−1から受信した内容に更新すべきパッチPFを適用しない内容が含まれている場合、すなわち「全てのパッチPFをダウンロードしない」や、「パッチ名がC_B_6.4のパッチPFのダウンロードは希望しない」だった場合、更新情報通知部104は、ユーザ端末30−1へパッチ適用を喚起して接続を切断し処理を終了する(ステップSB22)。
【0062】
パッチ提供装置10からパッチPFの提供を受けたユーザ端末30−1は、受信するパッチPFをインストールして更新するとともに、パッチ管理ファイルPMを更新する(ステップSB26)。
【0063】
以上のように、パッチ提供装置10は、その他のユーザ端末30−2・・ユーザ端末30−nについても同様にパッチPF提供し、パッチ提供装置10を扱う業者と提携している全てのユーザ端末30に様々なソフトウェアベンダの様々なソフトウェア製品に対応する最新のパッチPFを一元的に管理及び提供することができる。
【0064】
従って、ユーザ端末30を扱う契約ユーザは、一般的に普及しているWebブラウザにより指定された1カ所のパッチ提供装置10に接続すれば、その契約ユーザが現在使用している複数のソフトウェアベンダの多様なソフトウェア製品のバージョンと、必要なパッチの一覧を一括表示し、ダウンロード及びインストールが可能となる。このことにより、管理者の製品バージョン管理、確認、モジュール入手、アップデート作業を一度に実施でき、管理者の作業工数を大幅に削減できる。
【0065】
又、ユーザ端末30に一定のフォーマットで各ソフトウェアのバージョン情報、パッチ情報を用意しておき、サービス提供側のパッチ提供装置10のパッチ情報PIと比較する方法により、必要以上の個人情報をサービス提供者に送付する必要が無く、セキュリティ上の個人情報漏洩の不安を最小限に抑えることができる。
【0066】
更に、パッチ提供装置10を扱うアップデートサービス提供者としても、サービス利用者側でパッチPFの適用が加速されることが見込めることから、既に修正されている障害・問題の発生を未然に防止できるため、既に修正された障害・問題への対応作業工数を削減できる可能性が高くなる。
【0067】
次に図8から図10を参照して本発明によるアップデートシステムの第2の実施の形態の説明をする。
【0068】
本発明によるアップデートシステムの第2の実施の形態は、第1の実施の形態において各ユ−ザ端末30が保有するパッチ情報管理ファイルPMをパッチ提供装置10が保有し、ユーザ端末30毎のパッチの更新状況を管理し、各ユーザ端末毎のソフトウェアのアップデートを行なう。
【0069】
本発明によるアップデートシステムの第2の実施の形態における構成は、第1の実施の形態と同じく、図1に示されるようにパッチ提供装置10と、複数のソフトウェアベンダがそれぞれ管理するパッチ情報サーバ20と、複数のソフトウェアベンダの各種ソフトウェア製品を使用する複数のユーザ端末30とを具備し、それぞれの装置は、インターネット40を介して相互に接続されている。
【0070】
パッチ提供装置10は、図8に示すように第1の実施の形態で示した構成にパッチ管理ファイル記憶部106を更に具備する。
【0071】
パッチ提供装置10を保有するパッチ提供サービス業者によって、各ユーザ端末30のソフトウェア製品の使用状況を管理するため、パッチ管理ファイル記憶部は、図9に示すように各ユーザ端末30のユーザ端末名とパッチ管理ファイルPM(ユーザ端末30が使用しているソフトウェア製品のベンダ情報、製品名、製品のバージョン情報、パッチバージョン)を関連付けて記憶している。パッチ管理ファイルPMは、パッチPFを使用していないソフトウェア製品の情報も含んでいる(例えば、図9におけるC社の製品)。
【0072】
第2の実施の形態におけるパッチ提供装置10が複数のベンダのパッチ情報サーバ20からベンダパッチ情報VPを取得する動作は、第1の実施の形態と同じである(図6、ステップSA2からステップSA10に相当)。
【0073】
図10を参照して、第2の実施の形態における本発明に係るパッチ提供装置10がユーザ端末30−1に対してパッチを提供する動作を説明する。
【0074】
ユーザ端末30−1は、Webプラウザを使用してインターネット40上にある提携先であるパッチ提供装置10のWebサイトに接続する。その時、ユーザ端末名及び提携時に取り決めたパスワードを使用して、ユーザ端末30−1の認証を行なう(ステップSC2)。接続を確認したパッチ提供装置10のパッチ情報比較部102は、取得したユーザ端末名に関連するパッチ管理ファイルPMを、パッチ管理ファイル記憶部106から抽出する(ステップSC4)。
【0075】
パッチ情報比較部102は、抽出したパッチ管理ファイルPMに含まれるソフトウェア製品に関連するベンダ情報、製品名、製品のバージョンと同じパッチ情報PIをパッチ情報データベース105から抽出し(ステップSC6)、両者のパッチバージョンを比較する(ステップSC8)。
【0076】
パッチ情報データベース105に、抽出したパッチ管理ファイルPMに含まれるソフトウェア製品に対応するパッチPFが存在していない場合、又は、同じパッチバージョンのパッチPFしかない場合は、更新情報通知部104は、更新可能なパッチPFが無いことを告げるテキストデータをユーザ端末30−1へ送信し、接続を切断し処理を終了する(ステップSC10)。
【0077】
比較した結果、パッチ情報データベース105から抽出したパッチ情報PIがパッチ管理ファイルにないパッチPFを含む場合、又は、パッチ管理ファイルPMのパッチバージョンがパッチ情報データベース105に保存されているパッチバージョンより古いパッチPFの場合は、更新情報通知部104は、ユーザ端末30−1のWebブラウザに対してパッチのダウンロード先と併せ、適用可能な新しいパッチが存在していることを送信する(SC12)。
【0078】
例えば、パッチ管理ファイル記憶部106から図9に示されるユーザ端末Bに対応するパッチ管理ファイルPMを取得し、図3に示されるパッチ情報データベース105内のパッチ情報PIと比較する場合について説明する。
【0079】
パッチ情報比較部102はパッチ管理ファイルPMに含まれるソフトウェア製品情報(A社、ソフトA、R1.0)と同じパッチ情報PIを、パッチ情報データベース105から抽出し(ステップSC6)、パッチバージョンを比較する(ステップSC8)。この場合、パッチ管理ファイルPMのパッチバージョンとパッチ情報データベース105のパッチ情報PIのパッチバージョンは、同じR1.5であるので、このソフトウェア製品に対する更新すべきパッチPFが無いことを更新情報通知部104に通知する。
【0080】
続いて、ベンダ情報がB社、製品名がソフトB、製品のバージョンがR4.0のソフトウェア製品についてのパッチバージョンの比較を実施する(ステップSC8)。パッチ管理ファイルのパッチバージョンR4.5に比べ、パッチ情報データベース105内にあるパッチバージョンはR4.7と更新されているので、更新情報通知部104に更新可能なパッチ情報PIの存在を通知する。
【0081】
最後に、ベンダ情報がC社、製品名がソフトB、製品のバージョンがR6.0のソフトウェア製品についてのパッチバージョンの比較を実施する(ステップSC8)。パッチ管理ファイルPMは、この製品に対応するパッチPFを保有していないことを示しており、パッチ情報データベース105は、この製品に対応するパッチPFであるC_B_6.4を含んでいるため、新規のパッチPFの存在を更新情報通知部104に通知する。
【0082】
パッチ管理ファイルPM内の全ての製品についての比較を終了すると、その結果に基づいた情報を更新情報通知部104からユーザ端末30に送信する。一例では、A社のソフトAのパッチPFについては更新すべきパッチPFが無いことを、B社のソフトBのパッチPFについては、更新可能なパッチバージョンR4.7の存在とそのダウンロード先のWebアドレスを、C社のソフトBのパッチPFについては、新規のパッチPFの存在とそのダウンロード先のWebアドレスを送信する(ステップSC10、ステップSC12)。
【0083】
更新情報通知部104は、更新可能なパッチPFの存在を通知するのと併せて、ユーザ端末30−1がそのパッチPFを適用するか否かを確認するための通知を行なう(ステップSC12)。
【0084】
ユーザ端末30−1はウェブブラウザによって前記内容を表示し、その内容から適用したいと考えたパッチを一覧から選択し、ダウンロードを行なう旨をパッチ提供装置10へ送信する(ステップSC14)。
【0085】
パッチ提供装置10のパッチ情報送信部103は、ユーザ端末30−1から受信する適用するか否かの情報を確認して(ステップSC16)、受信内容が「パッチ名がB_SoftB_patchのパッチPFをダウンロードする」の場合はパッチ情報データベース105からパッチ名がB_SoftB_patchのパッチ情報PIを抽出し、ユーザ端
末30−1へ送信する(ステップSC20)。
【0086】
パッチ管理ファイル記憶部106は、送信したパッチPFのパッチ管理ファイルPMを更新し(ステップSC22)、接続を切断し処理を終了する(ステップSC26)。
【0087】
又、ユーザ端末30−1から受信した内容に更新すべきパッチPFを適用しない内容が含まれている場合、すなわち「全てのパッチPFをダウンロードしない」や、「パッチ名がC_B_6.4のパッチPFのダウンロードは希望しない」だった場合、更新情報通知部104は、ユーザ端末30−1へパッチ適用を喚起して接続を切断し処理を終了する(ステップSC18)。
【0088】
パッチ提供装置10からパッチPFの提供を受けたユーザ端末30−1は、受信するパッチPFをインストールして更新する(ステップSC24)。
【0089】
以上のように、パッチ提供装置10は、その他のユーザ端末30−2・・ユーザ端末30−nについても同様にパッチPF提供し、パッチ提供装置10を扱う業者と提携している全てのユーザ端末30に様々なソフトウェアベンダの様々なソフトウェア製品に対応する最新のパッチPFを一元的に管理及び提供することができる。
【0090】
又、ユーザ端末30が保有するパッチ管理ファイルPM、すなわちソフトウェアの更新情報をパッチ提供装置10で一括管理することにより、ユーザ端末のソフトウェアの使用状況を一元管理できるとともに、ユーザ端末30がパッチ管理ファイルPMを管理し、パッチ提供装置10に送信する作業を省くことができる。更に、ユーザ端末30からパッチ管理ファイルPMをパッチ提供装置10に送信することがないため、不必要な情報の流出を避け、よりセキュリティの高いアップデートシステムとすることができる。
【0091】
次に図8、図9及び図11を参照して本発明によるアップデートシステムの第3の実施の形態の説明をする。
【0092】
本発明によるアップデートシステムの第3の実施の形態における構成は、第1の実施の形態と同じく、図1に示されるようにパッチ提供装置10と、複数のソフトウェアベンダがそれぞれ管理するパッチ情報サーバ20と、複数のソフトウェアベンダの各種ソフトウェア製品を使用する複数のユーザ端末30とを具備し、それぞれの装置は、インターネット40を介して相互に接続されている。
【0093】
パッチ提供装置10は、図8に示すように第2の実施の形態で示した構成と同じ構成である。
【0094】
パッチ提供装置10を保有するパッチ提供サービス業者によって、各ユーザ端末30のソフトウェア製品の使用状況を管理するため、パッチ管理ファイル記憶部106は、図9に示すように各ユーザ端末30のユーザ端末名とパッチ管理ファイルPM(ユーザ端末30が使用しているソフトウェア製品のベンダ情報、製品名、製品のバージョン情報、パッチバージョン)を関連付けて記憶している。パッチ管理ファイルPMは、パッチPFを使用していないソフトウェア製品の情報も含んでいる(例えば、図9におけるC社の製品)。
【0095】
第3の実施の形態におけるパッチ提供装置10が複数のベンダのパッチ情報サーバ20からベンダパッチ情報VPを取得する動作は、第1の実施の形態と同じである(図6、ステップSA2からステップSA10に相当)。
【0096】
図11を参照して、第3の実施の形態における本発明に係るパッチ提供装置10がユーザ端末30−1に対してパッチを提供する動作を説明する。
【0097】
パッチ情報比較部102は、任意に設定した周期に(例:一日一回)定期的にパッチ管理ファイル記憶部106からパッチ管理ファイルPMを抽出し(ステップSD2)、同じソフトウェア製品情報に対応するパッチ情報PIをパッチ情報データベース105から抽出し(ステップSD4)、両者のパッチバージョンを比較する(ステップSD6)。
【0098】
パッチ情報データベース105に、抽出したパッチ管理ファイルPMに含まれるソフトウェア製品に対応するパッチPFが存在していない場合、又は、同じパッチバージョンのパッチPFしかない場合は、処理を終了する(ステップSD24)。
【0099】
比較した結果、パッチ情報データベース105のパッチ情報PIが、パッチ管理ファイルPMにないパッチPFを含む場合、又は、パッチ管理ファイルPMのパッチバージョンがパッチ情報データベース105に保存されているパッチバージョンより古いパッチPFの場合は、更新情報通知部104は、該当するユーザ端末30のWebブラウザに接続し(ステップSD8)、パッチPFのダウンロード先と併せ、適用可能な新しいパッチPFが存在していることを送信する(ステップSD10)。
【0100】
例えば、パッチの更新状況を比較する際、パッチ情報データベース105が図3で示されるパッチ情報PIを持ち、パッチ管理ファイル記憶部106が図9で示されるパッチ管理ファイルPMを保有している場合について説明する。
【0101】
パッチ情報比較部102はパッチ管理ファイル記憶部106からパッチ管理ファイルPMを抽出し(ステップSD2)、ソフトウェア製品情報(A社、ソフトA、R1.0)と同じパッチ情報PIを、パッチ情報データベース105から抽出し(ステップSD4)、パッチバージョンを比較する(ステップSD6)。この場合、パッチ管理ファイルPMのパッチバージョンとパッチ情報データベース105のパッチ情報PIのパッチバージョンは、同じR1.5であるので、このソフトウェア製品に対する更新すべきパッチPFが無いことを更新情報通知部104に通知する。
【0102】
続いて、ベンダ情報がB社、製品名がソフトB、製品のバージョンがR4.0のソフトウェア製品についてのパッチバージョンの比較を実施する(ステップSD6)。パッチ管理ファイルのパッチバージョンR4.5に比べ、パッチ情報データベース105内にあるパッチバージョンはR4.7と更新されているので、更新情報通知部104に更新可能なパッチ情報PIの存在を通知する。
【0103】
最後に、ベンダ情報がC社、製品名がソフトB、製品のバージョンがR6.0のソフトウェア製品についてのパッチバージョンの比較を実施する(ステップSD6)。パッチ管理ファイルPMは、この製品に対応するパッチPFを保有していないことを示しており、パッチ情報データベース105は、この製品に対応するパッチPFであるC_B_6.4を含んでいるため、新規のパッチPFの存在を更新情報通知部104に通知する。
【0104】
パッチ管理ファイルPM内の全ての製品についての比較を終了すると、更新情報通知部104は、その結果に基づいた情報を各ユーザ端末30に送信する。一例では、B社のソフトBのパッチPFについて、更新可能なパッチバージョンR4.7の存在とそのダウンロード先のWebアドレスを、C社のソフトBのパッチPFについて、新規のパッチPFの存在とそのダウンロード先のWebアドレスをユーザ端末名がユーザBのユーザ端末30−1に送信する(ステップSD10)。
【0105】
更新情報通知部104は、更新可能なパッチPFの存在を通知するのと併せて、ユーザ端末30−1がそのパッチPFを適用するか否かを確認するための通知を行なう(ステップSD10)。
【0106】
パッチの更新状況を比較する周期を、各ベンダのパッチ情報サーバ20からベンダパッチ情報VPを取得する周期と同じにすることで、パッチ情報データベース105の更新と同時に新しいパッチPFの存在を通知することができる。
【0107】
ユーザ端末30−1はWebブラウザによって更新通知の内容を表示し、その内容から適用したいと考えたパッチを一覧から選択し、ダウンロードを行なう旨をユーザ端末30−1からパッチ提供装置10へ送信する(ステップSD12)。
【0108】
パッチ提供装置10のパッチ情報送信部103は、ユーザ端末30−1から受信する適用するか否かの情報を確認して(ステップSD14)、受信内容が「パッチ名がB_SoftB_patchのパッチPFをダウンロードする」の場合はパッチ情報データベース105からパッチ名がB_SoftB_patchのパッチ情報PIを抽出し、ユーザ端末30−1へ送信する(ステップSD18)。
【0109】
パッチ管理ファイル記憶部106は、送信したパッチPFのパッチ管理ファイルPMを更新し(ステップSD20)、接続を切断し処理を終了する(ステップSD24)。
【0110】
又、ユーザ端末30−1から受信した内容に更新すべきパッチPFを適用しない内容が含まれている場合、すなわち「全てのパッチPFをダウンロードしない」や、「パッチ名がC_B_6.4のパッチPFのダウンロードは希望しない」だった場合、更新情報通知部104は、ユーザ端末30−1へパッチ適用を喚起して接続を切断し処理を終了する(ステップSD16)。
【0111】
パッチ提供装置10からパッチPFの提供を受けたユーザ端末30−1は、受信するパッチPFをインストールして更新する(ステップSD22)。
【0112】
以上のように、パッチ提供装置10は、各ベンダのパッチ情報サーバ20のパッチPF更新されると、自動的にユーザ端末30にその更新情報を通知し、ユーザ端末30のソフトウェア製品をアップデートさせることができる。又、アップデートの喚起を定期的に行なうことで、確実にユーザ端末30が使用するソフトウェアを最新の状態に維持できる。
【0113】
又、ユーザ端末30からのパッチ提供装置10への接続の手間が省け、ユーザ情報(ユーザ端末名や、パッチ管理ファイルPM等)をパッチ提供装置10に送信する必要がなくなり、セキュリティも更に向上する。
【0114】
本発明によるアップデートシステムにより、契約ユーザは、一般的に普及しているインターネットブラウザにより指定された1カ所のサーバに接続すれば、その契約ユーザが現在使用している複数のソフトウェアベンダの多様なソフトウェア製品のバージョンと、サービス公開側の情報を比較し、必要なパッチの一覧を一括表示し、ダウンロード及びインストールが可能となる。このことにより、管理者の製品バージョン管理、確認、モジュール入手、アップデート作業を一度に実施でき、管理者の作業工数を大幅に削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】図1は、本発明によるアップデートシステムの構成図である。
【図2】図2は、本発明によるパッチ提供装置の第1の実施の実施の形態における構成図である。
【図3】図3は、パッチ情報データベースにおけるパッチ情報の構造例である。
【図4】図4は、ベンダパッチ情報の構造例である。
【図5】図5は、パッチ管理ファイルの構造例である。
【図6】図6は、本発明によるアップデートシステムの第1の実施の形態において、パッチ提供装置がパッチ情報サーバからパッチ及びベンダパッチ情報を取得する動作の流れ図である。
【図7】図7は、本発明によるアップデートシステムの第1の実施の形態において、ユーザ端末が一括アップデートを実施する動作の流れ図である。
【図8】図8は、本発明によるパッチ提供装置の第2及び第3の実施の実施の形態における構成である。
【図9】図9は、本発明によるパッチ管理ファイル記憶部の構造例である。
【図10】図10は、本発明によるアップデートシステムの第2の実施の形態において、ユーザ端末が一括アップデートを実施する動作の流れ図である。
【図11】図11は、本発明によるアップデートシステムの第3の実施の形態において、ユーザ端末が一括アップデートを実施する動作の流れ図である。
【符号の説明】
【0116】
10:パッチ提供装置
101:パッチ情報収集部
102:パッチ情報比較部
103:パッチ情報送信部
104:更新情報通知部
105:パッチ情報データベース
106:パッチ管理ファイル記憶部
107:CPU
108:メモリ
20:パッチ情報サーバ
30:ユーザ端末
40:インターネット
PF:パッチ
PI:パッチ情報
VP:ベンダパッチ情報
PM:パッチ管理ファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のベンダのソフトウェアを使用するユーザ端末と、
前記各ソフトウェアを修正するためのパッチを保有する複数のパッチ情報サーバと、
前記パッチ情報サーバから前記パッチを取得し、前記取得したパッチを前記ユーザ端末が保有していない場合、前記保有していないパッチを、前記ユーザ端末に提供するパッチ提供装置とを備え、
前記ユーザ端末と、前記パッチ情報サーバと、前記パッチ提供装置とは、それぞれインターネットを介して接続される
アップデートシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のアップデートシステムにおいて、
前記パッチ提供装置は、前記取得したパッチを前記ユーザ端末が保有していない場合、前記ユーザ端末に前記保有していないパッチの存在を通知する
アップデートシステム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のアップデートシステムにおいて、
前記パッチ提供装置は、前記パッチ情報サーバのパッチのバージョンと前記ユーザ端末が保有するパッチのバージョンを比較し、前記パッチ情報サーバのパッチのバージョンが新しい場合、前記ユーザ端末に前記新しいパッチを提供する
アップデートシステム。
【請求項4】
請求項1から3いずれか1項記載のアップデートシステムにおいて、
前記パッチ提供装置は、前記パッチ情報サーバのパッチのバージョンと前記ユーザ端末が保有するパッチのバージョンを比較し、前記パッチ情報サーバのパッチのバージョンが新しい場合、前記ユーザ端末に前記新しいパッチの存在を通知する
アップデートシステム。
【請求項5】
ソフトウェアの修正を行なうためのパッチを取得するステップと、
複数のベンダの前記ソフトウェアを使用するユーザ端末の保有するパッチと、前記取得したパッチを比較するステップと
前記取得したパッチを前記ユーザ端末が保有していない場合、前記ユーザ端末が適用可能なパッチの存在を、前記ユーザ端末に通知するステップとを備える
アップデート方法。
【請求項6】
請求項5に記載のアップデート方法において、
前記パッチを取得するステップと、
前記取得したパッチを前記ユーザ端末が保有していない場合、前記通知の後、前記ユーザ端末が保有していないパッチを前記ユーザ端末に送信するステップとを更に備える
アップデート方法。
【請求項7】
ソフトウェアの修正を行なうためのパッチのバージョン情報を取得するステップと、
複数のベンダの前記ソフトウェアを使用するユーザ端末の保有するパッチのバージョン情報と前記取得したバージョン情報の新旧を比較するステップと、
前記取得したバージョン情報が前記ユーザの保有するパッチのバージョンより新しい場合、前記ユーザ端末が更新可能なパッチの存在を前記ユーザ端末に通知するステップとを備える
アップデート方法。
【請求項8】
請求項7に記載のアップデート方法において、
前記パッチを取得するステップと、
前記取得したバージョン情報が前記ユーザの保有するパッチのバージョンより新しい場合、前記通知の後、前記新しいパッチを前記ユーザ端末に送信するステップとを更に備える
アップデート方法。
【請求項9】
ベンダが提供する複数のベンダのソフトウェア各々を修正するパッチであって、前記ベンダが保有する前記パッチと、前記ソフトウェアを使用するユーザ端末が保有する前記パッチとを比較し、前記ユーザ端末が適用可能なパッチを保有しているか否かを判定する情報比較部と、
前記比較の結果、前記ユーザ端末が適用可能なパッチを保有していない場合、前記適用可能なパッチの存在を前記ユーザ端末に通知する更新情報通知部とを備える
パッチ提供装置。
【請求項10】
請求項9に記載のパッチ提供装置において、
前記ベンダが保有するパッチの識別情報であるベンダパッチ情報を保持するパッチ情報データベースと、
前記ユーザ端末が保有するパッチの識別情報であるパッチ管理ファイルを、前記ユーザ端末から取得するパッチ情報収集部とを更に備え、
前記パッチ情報比較部は、前記ベンダパッチ情報と、前記パッチ管理ファイルを比較し前記ユーザ端末が適用可能なパッチを保有しているか否かを判定する
パッチ提供装置。
【請求項11】
請求項9に記載のパッチ提供装置において、
前記ベンダが保有するパッチの識別情報であるベンダパッチ情報を保持するパッチ情報データベースと、
前記ユーザ端末が使用するパッチの識別情報であるパッチ管理ファイルを、保持するパッチ管理ファイル記憶部とを更に備え、
前記パッチ情報比較部は、前記ベンダパッチ情報と、前記パッチ管理ファイルを比較し前記ユーザ端末が適用可能なパッチを保有しているか否かを判定する
パッチ提供装置。
【請求項12】
請求項9から11いずれか1項に記載のパッチ提供装置において、
前記ユーザ端末の要請に応じ、前記適用可能なパッチを前記ユーザ端末に送信するパッチ情報送信部を更に備える
パッチ提供装置。
【請求項13】
請求項12に記載のパッチ提供装置において
前記パッチ情報送信部は、前記ユーザ端末に送信するパッチに対応するパッチ管理ファイルを前記ユーザ端末に送信する
パッチ提供装置。
【請求項14】
請求項10から13いずれか1項に記載のパッチ提供装置において
前記パッチ管理ファイルと前記ベンダパッチ情報は、それぞれに対応するパッチのバージョン情報を含み、
前記パッチ情報比較部は、前記パッチ管理ファイルと前記ベンダパッチ情報のバージョン情報を比較し、前記ベンダパッチ情報のバージョンが新しい場合、前記ベンダパッチ情報に対応するパッチを前記ユーザ端末が適用可能なパッチと判定する
パッチ提供装置。
【請求項15】
複数のベンダのソフトウェア各々を修正するパッチであって、前記ベンダが保有する前記パッチの識別情報であるベンダパッチ情報と、前記ソフトウェアを使用するユーザ端末の保有する前記パッチの識別情報であるパッチ管理ファイルとを比較するステップと、
前記ベンダパッチ情報と同じパッチ管理ファイルがない場合、前記ユーザ端末に、前記ユーザ端末が適用可能なパッチの存在を通知するステップとをコンピュータに実行させる
アップデートプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のアップデートプログラムにおいて、
前記ベンダパッチ情報と同じパッチ管理ファイルがない場合、前記通知の後、前記パッチを前記ユーザ端末に送信するステップとをコンピュータに実行させる
アップデートプログラム。
【請求項17】
請求項15又は16に記載のアップデートプログラムにおいて、
複数のベンダから前記ベンダパッチ情報を取得するステップと、
前記ユーザ端末から前記パッチ管理ファイルを取得するステップとをコンピュータに実行させる
アップデートプログラム。
【請求項18】
請求項15から17いずれか1項に記載のアップデートプログラムにおいて、
前記ベンダパッチ情報に対応するパッチを前記複数のベンダから取得するステップと、
前記ベンダパッチ情報と同じ前記パッチ管理ファイルがない場合、前記通知の後、前記パッチを前記ユーザ端末に送信するステップをコンピュータに実行させる
アップデートプログラム。
【請求項19】
請求項15又は18に記載のアップデートプログラムにおいて、
前記複数のベンダからパッチのバージョン情報を更に取得するステップと、
前記ユーザ端末から前記ユーザ端末が保有するパッチのバージョン情報を取得するステップと、
前記ベンダから取得したバージョン情報と前記ユーザ端末から取得したバージョン情報の新旧を比較するステップと、
前記ベンダから取得したバージョン情報が新しい場合、前記ユーザ端末に更新可能なパッチが存在することを通知するステップとをコンピュータに実行させる
アップデートプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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