説明

アテローム性疾患の治療に適用できる、電子及び電磁波の複合フラックスの放射装置

特にアテローム性疾患の治療に適用できる、電子及び電磁波の複合フラックスの放射装置であって、各々が4,000〜80,000Vの電圧及び0.05〜0.5mAの強度の直流電流を供給するような反極性を有する2つの電気回路(2、2´)と、2つの出力(8、8´)と、各々(9、9´)が少なくとも1つの先の細いワイヤエレメントの束(11、11´)を具える2枚の平面ターミナルワイヤ(9、9´)と、狭窄もしくは病巣のある冠状血管を識別することのできる手段と、放射した電子及び電磁波の複合フラックスを前記冠状血管の方へ集中的にかつ正確に照準を合わせるように方向付ける、前記平面ターミナルワイヤを制御し駆動する手段とを具える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にアテローム性疾患の治療に適用できる、電子及び電磁波の複合フラックスの放射装置に関する。
【0002】
本発明は特に、狭窄又は動脈の狭小化が75%以下であるアテローム性疾患の治療適用できる、電子及び電磁波の複合フラックスの放射装置に関する。
【背景技術】
【0003】
既知の通り、アテローム性疾患又はアテロマシア(atheromasia)は先進工業国における第一の死因である。本疾患は、多数の変性病巣又は動脈のアテローマが動脈内腔を狭くすることによる。この血管の内皮中のアテローマは、潰瘍化し事後血栓被膜へと進展する脂肪性変形斑から成る。
【0004】
既知の通り、アテロームプラーク(粥腫斑)は患部器官の虚血を引き起こす。
【0005】
アテロマシアを伴う患者のアテロームプラークに対し統合的で広範な試験を行い、薬のみで治療することができる、アテロマシアにおける狭窄の限度を規定した。
【0006】
その規定された限度は75%である。従って、75%以下の狭窄を伴うアテロマシアは
薬で治療することができる。一方で、狭窄の割合が75%より高いアテロマシアは、ステント移植を伴う、あるいは伴わない血管形成術、及びバイパスを伴う外科的な血管再開通手術のような侵襲的な方法により治療することができる。
【0007】
本発明で利用するために、カラードップラー検査による心エコー検査、及びTC血管造影検査などの非侵襲的な方法と動脈造影検査のような侵襲的な方法とにより、狭窄の割合と狭窄の限度を測定する。動脈造影検査は以下に説明されている。
1)冠動脈インターベーションのためのACC/AHAガイドライン(1993年版PTCAガイドラインの改訂版)
2)冠動脈バイパス手術のためのACC/AHAガイドライン
3)慢性安定狭心症を伴う患者の取扱いのためのACC/AHA2002年版ガイドライン最新版
【0008】
75%以下の狭窄を伴うアテローム性疾患の薬事療法では多量の投薬を要し、現在服用するものが満足する結果を伴うとしても問題がある。
【0009】
それらの問題の1つは、効果が場合によって持続しないということである。治療したプラークが再び形成して、再度血流を減じてしまう(最狭窄)。この問題は薬を継続して服用することで解決できるが、それは同じ薬への依存が途切れないことを意味する。
【0010】
他の問題は、患者の健康のためのこれらの薬が、特に長期間服用した場合に、消化管に対しては有害な副作用をおよぼすことである。
【0011】
さらに言えば、薬事療法は全てのアテローム性疾患を満足に治療する訳ではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、75%以下の狭窄を伴うアテローム性疾患の治療における上述した問題を解消することである。
【0013】
特に本発明の目的は、薬事療法を用いずに非侵襲的な方法で、75%以下の狭窄を伴うアテローム性疾患を効果的に予防、及び/又は治療することにある。
【0014】
本発明のさらなる目的は、アテローム性疾患の患者の狭窄のうち、その値が40%未満のものを調整できる、薬事的及び侵襲的なものとは異なる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
これらの又は他の目的は、以下に説明するものを用いた、より一般的な態様の結果として達成できる。すなわち、一方は回路の正極(+)に接続し、他方は回路の負極(−)に接続した先の細いワイヤエレメントの2つの束(たば、bundle)に、4,000〜80,000Vの電圧及び0.05〜0.5mAの強度の直流電流を給電して得られる、電子及び電磁波の複合フラックスであって、前記フラックスを、身体のうち狭窄もしくは病巣がある部位の方を狙い照準を合わせるように位置付けた前記複合フラックスを用いる。
【0016】
前記フラックスは治療すべき狭窄もしくは病巣のある冠状血管に向けて集中させており、このフラックスは連続的、断続的もしくはパルス状のフラックスとすることができる。好適なものは断続的なフラックスで、これはアテローム性疾患の治療に最も効果的なことが試験により証明されている。
【0017】
従って、本発明の目的はまず第一に、電子と電磁波の複合フラックスの放射装置を提供することにあり、その放射装置は以下のものを具える。
a.反極性を有する2つの電気回路であって、(例えば220Vの)同じ交流電流分配回路から給電される一方は正極(+)の回路及び他方は負極(−)の回路であり、各回路は、前記分配回路からの交流電流を直流電流に変換し、4,000〜80,000Vの電圧及び0.05〜0.5mAの強度の直流電流を供給する、電気的もしくは電子的なデバイスを具える電気回路。
b.一方を前記正極(+)の回路に接続させ、他方を負極(−)の回路に接続させる2つの出力。
c.2枚の平面ターミナルワイヤであって、各々は少なくとも1つの先の細いワイヤエレメントの束を具え、一方のワイヤは前記回路の正極(+)に接続し、他方のワイヤは前記回路の負極(−)に接続している平面ターミナルワイヤ。
d.狭窄もしくは病巣のある冠状血管を識別する手段。
e.放射した電子及び電磁波の複合フラックスを、前記冠状血管の方へ集中的にかつ正確に照準を合わせるように方向付ける、前記平面ターミナルワイヤを制御し駆動する手段。
【0018】
前記治療すべき冠状血管を識別する手段は、胸部X線写真と冠状動脈造影検査により得る冠状動脈図を配置した格子状の胸郭サポートを具えることができる。前記胸郭サポートを所要の位置に置いて、患者の身体に固定する。角度測定を行うためのx軸およびy軸座標と共に表示させた治療すべき血管の寸法をとって、各患者個人の冠状動脈図を前記胸郭サポートに配置させる。
【0019】
平面ターミナルワイヤを制御し駆動する手段は、治療すべき部位を照らすような向きづけ及び調整ができ、治療を行う範囲を目で見ながら操作できるようなありきたりの照明手段で、前記平面ワイヤターミナル上に取り付けたものでよい。または、治療すべき部位の周囲に配置させた少なくとも3つの、複数のLEDもしくはナノエミッタでよく、必要に応じ、2枚の平面ターミナルワイヤに取付けた特別なカメラであって、前記ターミナルワイヤの位置を制御し調節する前記カメラに前記LEDもしくはナノメミッタを取付ける。
【0020】
本発明の目的とする電子及び電磁波の複合フラックスの放射装置はさらに、断続的なフラックスをプログラムで調節した間隔で放射するために、プログラム制御可能なタイマーを少なくとも2つの電気回路のうち一方に具えることができる。
【0021】
前述したa)〜c)の特徴を具える電子及び電磁波の複合フラックスの放射装置は、米国国際特許第6397103号公報に記載され、褥瘡性潰瘍、瘢痕形成欠乏症、皮膚及び静脈潰瘍の治療及びスポーツ外傷の治療に用いられている。
【0022】
第2の目的によれば、本発明の目的は前述した装置をアテローム性疾患の治療及び/又は予防に用いることであり、前記装置は、接地点から絶縁させた身体の治療すべき病巣のある部位に照準を合わせ集中させるように位置付けた先の細いワイヤの束を2つ具え、前記先の細いワイヤ間に4,000〜80,000Vの電圧及び0.05〜0.5mAの強度の直流電流を給電する。
【0023】
本発明による装置を用いてアテローム性疾患を治療するために、以下の操作を行う。
‐患者の胸部X線写真を撮影し、冠状動脈造影検査により測った治療すべき血管をその上に表示している冠状動脈図を、胸郭サポートの上に配置する。
‐表示された治療すべき血管が患者のものと対応するように、胸郭サポートを患者の身体に固定する。
‐治療すべき病巣のある身体を接地面から絶縁し、一方の束を直流電流回路の正極(+)出力に接続し、他方の束を直流電流回路の負極(−)出力に接続した先の細いターミナルワイヤの束の2つに対して露出させる。
‐2つの先の細いターミナルワイヤの束を、それらの内部のフラックスが同時に、治療すべき血管に照準を合わせて集中するように位置づける。
‐前記先の細いワイヤエレメントの束の位置と向きを制御して、必要であれば、内部のフラックスが治療すべき病巣に照準を合わせ集中するような向きづけを行うために調節する。
‐身体の前記部位に、前記電気回路に4,000〜80,000Vの電圧及び0.05〜0.5mAの強度の直流電流を給電して得られる、電子及び電磁波の複合フラックスを照射する。
【0024】
各々の先の細いワイヤエレメントの束は0.1〜100mmの、より好適には1〜10mmの断面積を有することができ、100〜10,000本の無数のワイヤエレメントから構成される。各束は、先の細いワイヤエレメントの1つ以上の群に分けることができ、束の群は総計100個にもなり得る。
【0025】
本装置が放射する電子及び電磁波の複合フラックスは、各束を形成するワイヤエレメントの数が多いほどより多く、かつより良く分配される。
【0026】
先の細いワイヤエレメントにはカーボン繊維が好適である。いかなる種類のカーボン繊維も用いることができる。前記繊維は少なくとも90重量%のカーボンから作られ、それらは一般的に、例えばアクリル繊維のような糸状の有機ポリマーを炭化して得られる。
【0027】
本発明に係る電子及び電磁波の複合フラックスの放射装置は、添付の図面に示された、単に説明に役立つ実例であってこれに限定するものではない実施態様を参照して、以下の詳細な説明でより理解できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明に係る電子及び電磁場の複合フラックスの放射装置は、同じ交流分配回路(10)(例えば220Vの交流電圧)からコンセント(3)、プラグ(5)及びスイッチ(1)により給電される2つの電気回路(2、2´)を具える図1に示す電気配線を有する。
【0029】
各電気回路(2、2´)は、整流ダイオードを有する変成器のような電気もしくは電子デバイス(7、7´)を具え、このデバイスは反対の極性を有する各出力(8、8´)に、高電圧で非常に弱い強度の直流電流を一方から他方へ給電することができる。
【0030】
特に、前記電気もしくは電子デバイス(7、7´)は出力回路(8,8´)に4,000〜80,000Vの電圧及び0.05〜0.5mAの強さの直流電流を給電し、前記出力のうち1つはデバイス(7)内で正極(+)を有し、他方はもう1つのデバイス(7´)内で負極(−)を有する。
【0031】
前述した出力(8、8´)はそれぞれ2つの平面ワイヤ(9、9´)と接続させている。各平面ワイヤ(9、9´)には、先の細いワイヤエレメントとしての機能を果たすカーボン繊維の束を設けている。各束(11、11´)は例えば図1に示した3つの群のように、カーボン繊維の群に分割することができる。
【0032】
平面ワイヤ(9,9´)と付随するカーボン繊維(11,11´)を治療すべき部位に近接させて、プラグ(5)をコンセント(3)に差しこみスイッチ(1)を閉じると、負極(−)から正極(+)へ図1内の矢印Fの方向に循環する、電子及び電磁波のフラックスが発生する。
【0033】
この電子及び電磁波のフラックスは連続的にも断続的にもなりえる。断続的なフラックスの場合には、所定の間隔で回路を開放して電流の通過を止めるような、プログラム制御できるタイマー(14)をこの装置に設ける。
【0034】
平面ワイヤ(9、9´)は銅、アルミニウムその他の導電性材料で作られ、カーボン繊維の束(11、11´)は、平面ワイヤ(9、9´)と各繊維の束(11、11´)間の電気的接続を保証する任意の締結手段で各ワイヤーに固定する。前記平面ワイヤ(9、9´)は正方形、長方形、多角形、円形、楕円形、その他の任意の形状をとり得る。前記ワイヤ(9、9´)の表面は危険でなく、治療すべき損傷箇所の表面から離されている。
【0035】
カーボン繊維の束を有する各平面ワイヤ(9、9´)を、非導電性の絶縁材料製である取外し可能な覆い(16、16´)で保護できるように固定する。この取外し可能な覆い(16、16´)は、平面ワイヤ(9、9´)が成すその底面部に繊維の束を固定した、ベル型であることが好ましい。前記覆い(16、16´)の側面には穴を開けることができ、その自由端には十字サポートを具える。取り外し可能なスペーサ(18、18´)を、例えば溝およびその溝に対応する突部を含む結合構造などにより前記十字サポートに連結できる。
【0036】
覆い(16、16´)とスペーサ(18、18´)は両者ともプラスチック製が好適である。
【0037】
本装置を使用する際に患者もしくは操作者が接触しないように、覆い(16、16´)でカーボン繊維を保護する。スペーサ(18、18´)で、平面ワイヤ(9、9´)もしくはカーボン繊維が確実に肌に触れないようにする。
【0038】
前記平面ワイヤ(9、9´)と本装置を、プラグ付き接続ケーブル(20、20´)で連結する。
【0039】
さらに本装置は、操作者につなぐヘッドセット付きケーブル用の第1出力(21)、患者につなぐ取外し可能なヘッドセット付きケーブル用の第2出力(23)、各平面ワイヤ(9、9´)、電流レギュレータ(22、22´)及び電流計(24、24´)を具えることができる。さらに本装置は、操作時の制御用パイロットライト(25)、2つの回路の電源ボタン(26、26´)及びフラックスを断続的に放出するためのタイマー(14)を具えることができる。
【0040】
この覆い(16、16´)を具えた各平面ワイヤ(9、9´)は、人体の様々な部位へと容易に方向づけ及び適用ができ、身体の近傍に接触させないようにカーボン繊維を配置させるように、多関節のもしくは曲げやすいアームに固定できる。スペーサ(18、18´)により確実にこの接触を回避できる。
【0041】
平面ワイヤ(9、9´)とそれに付随した先の細いワイヤエレメント(11、11´)を治療すべき血管の方へ正確に方向付けて置くために、患者の身体に固定する胸郭サポート(30)を用いることができる。束(11、11´)の間で発生している電子及び電磁波のフラックスが治療すべき冠状動脈を狙うように正確に測り、2つの平面ワイヤ(9、9´)を方向付け、胸郭サポート(30)に固定する。
【0042】
角度測定を行うためにx軸とy軸座標と共に表示させた治療すべき血管の寸法をとって、胸部X線写真と冠状動脈造影検査により得られる各患者個人の冠状動脈図を前記胸郭サポート(30)に配置する。
【0043】
絶縁性であるプラスチック製の脚を具えた椅子、肘掛け椅子もしくはベッドでありうる、誘電体のエレメント(13)で患者を接地面から絶縁する。
【0044】
治療を始める前に、電子及び電磁波の複合フラックスが確実に治療すべき部位を狙い集中するように操作しなければならない。この目的ため、各平面ワイヤ(9、9´)は照明手段(4)を具え、アーム(27)を調節して、この照明手段が放射する照明ビームが治療すべき範囲を照らすように方向付ける。このようにすれば、治療すべき身体の範囲を目で見ながら操作できる。
【0045】
各平面ワイヤ(9、9´)に締結したカーボン繊維の束(11、11´)は、0.1〜100mm、より好適には1〜10mmの断面積を有することができ、100〜10,000本の無数のカーボン繊維から構成される。各束は、先の細いワイヤエレメントの1つ以上の群に分けることができ、束の群は総計100個にもなり得る。
【0046】
本装置は、石灰化指数の定量化ができる多層スパイラルコンピュータ断層撮影法(CT)のような非侵襲性の診断技術で判定する、75%以下の狭窄又は動脈の狭小化を伴うアテローム性疾患の患者を治療するために用いられている。
【0047】
臨床医学により、患者を病状に従い次のように分類した。
1.アテローム性疾患のうち1本、2本の血管で60%以下の狭窄を有する冠疾患の患者40人(男性38人、女性2人で平均43歳)
2.アテローム性疾患のうち1本、2本の血管で60%以上75%以下の狭窄を有する冠疾患の患者38人(男性37人、女性1人で平均53歳)
【0048】
患者は全員、日曜日を除いて連続して78日間、本装置の最大強度且つ40,000Vの電圧で、疾患に冒された冠状血管に毎日45分間の治療をうけた。
【0049】
その結果、以下の事を得た。
‐シンチグラフィー検査において筋組織の低灌流(hypoperfusion)を呈す(60%以下の)ソフトプラークを特徴とする狭窄は、陰性であった最後の評価結果の後、全て退行していた。
‐60〜75%の石灰化した狭窄は、特に抹消血管の病状の場合に、血流が明らかに改善していた。
【0050】
以上1つの実施態様を参照にして本発明を説明したが、当業者には前述の説明による幾多の改良及び変更が明らかであると解される。
【0051】
従って本発明は、以下の請求項の趣旨及び保護範囲内の種々の変更を全て含める。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本装置の電気配線図である。
【図2】本装置の正面の略図である。
【図3】24.3倍で拡大したスキャン電子顕微鏡で得たカーボン繊維の束の正面図である。
【図4】一方の束は正極(+)の直流を給電され、他方の束は負極(−)の直流を給電されるような2つの先の細いターミナルワイヤの束を具えた、治療すべき病巣に方向づけ及びセンタリングを行うための、格子状の胸郭サポートの斜視略図である。
【図5】平面ターミナルワイヤを支持するための、多関節の、もしくは曲げやすいアームの斜視略図である。
【図6】平面ターミナルワイヤを具えた前記アームの斜視略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アテローム性疾患の治療に適用できる、電子及び電磁波の複合フラックスの放射装置であって、
a.同じ交流電流分配回路(10)から給電される、反極性を有する2つの電気回路(2、2´)、すなわち正極(+)の電気回路及び負極(−)の電気回路を有し、各電気回路は、前記分配回路(10)からの交流電流を直流電流に変換し、4,000〜80,000Vの電圧及び0.05〜0.5mAの強度の直流電流を供給する、電気的もしくは電子的なデバイス(7、7´)を具え、さらに、
b.一方(8)を前記正極(+)の回路に、他方(8´)を前記負極(−)の回路に接続させる2つの出力(8、8´)と、
c.一方(9)を前記回路の正極(+)、及び他方(9´)を前記回路の負極(−)に接続する、先の細いワイヤエレメントの束を少なくとも1つ有する2枚の平面ターミナルワイヤ(9、9´)とを有する前記装置において、
狭窄もしくは病巣のある冠状血管を識別することのできる手段と、
放射した電子及び電磁波の複合フラックスを、前記冠状血管の方へ集中的にかつ正確に照準を合わせるように方向付けるような、前記平面ターミナルワイヤを制御し駆動する手段と
を具えることを特徴とする放射装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、
治療すべき冠状血管を識別することのできる手段は、胸部X線写真及び冠状動脈造影検査により、ならびに角度測定を行うためのx軸、y軸座標及び治療すべき血管の測定により得る冠状動脈図を配置した胸郭サポート(30)を具える
ことを特徴とする放射装置。
【請求項3】
請求項1または2のいずれかに記載の装置において、
前記平面ターミナルワイヤを制御し駆動する手段は、治療すべき部位を照らすように向きづき、治療を行う範囲を目で見ながら操作できる照明手段(40)であり、前記平面ワイヤターミナル上に取付けた前記照明手段である
ことを特徴とする放射装置。
【請求項4】
請求項1または2のいずれかに記載の装置において、
前記平面ターミナルワイヤを制御し駆動する手段は、
治療すべき部位の周囲に配置させた少なくとも3つの、複数のLEDもしくはナノエミッタであって、必要に応じ、2枚の平面ターミナルワイヤに取付けた特別カメラに前記LEDもしくはナノエミッタを取付けた
ことを特徴とする放射装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の装置において、
断続的なフラックスをプログラム調節した間隔で放射するために、プログラム制御可能なタイマーを少なくとも2つの電気回路のうち一方に具える
ことを特徴とする放射装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の装置において、
各々の先の細いワイヤエレメントの束(11、11´)は0.1〜100mmの断面積を有する
ことを特徴とする放射装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置において、
各々の先の細いワイヤエレメントの束(11、11´)は1〜10mmの断面積を有する
ことを特徴とする放射装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の装置において、
各々の先の細いワイヤエレメントの束(11、11´)は100〜10,000本の無数のワイヤエレメントから構成される
ことを特徴とする放射装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の装置において、
各々の先の細いワイヤエレメントの束(11、11´)は、1つ以上の先の細いワイヤエレメントの群に分けることができ、前記束の群は総計100個にもなり得る
ことを特徴とする放射装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の装置において、
先の細いワイヤエレメントはカーボン繊維である
ことを特徴とする放射装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の装置において、
75%以下の狭窄を伴うアテローム性疾患の治療、及び/又は予防に用い、
接地点から絶縁させた身体の治療すべき病巣のある部位に照準を合わせ集中させるように位置付けた2つの先の細いワイヤの束(11、11´)を具え、
前記先の細いワイヤ(11、11´)間に4,000〜80,000Vの電圧及び0.05〜0.5mAの強度の直流電流を提供する
ことを特徴とする放射装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置において、
前記提供する直流が断続的である
ことを特徴とする放射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−509728(P2007−509728A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538693(P2006−538693)
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【国際出願番号】PCT/EP2004/012072
【国際公開番号】WO2005/044377
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(506153664)ウェルサー エス アール エル (1)
【Fターム(参考)】