説明

アデノウイルス血清型24ベクター、核酸およびそれにより製造されたウイルス

アデノウイルス血清型はそれらの天然指向性において異なる。アデノウイルスの種々の血清型は、少なくともそれらのキャプシドタンパク質(例えば、ペントンベースおよびヘキソンタンパク質)、細胞結合をもたらすタンパク質(例えば、ファイバータンパク質)およびアデノウイルスの複製に関与するタンパク質において異なることが判明している。指向性およびキャプシドタンパク質における血清型間のこの相違は、キャプシドタンパク質の修飾によりアデノウイルス指向性を改変することを目的とした多くの研究努力につながっている。本発明は、キャプシドタンパク質の修飾のそのような要件を回避するものであり、本発明は、希有アデノウイルス血清型である血清型24の組換え複製欠損型アデノウイルス、および該代替的組換えアデノウイルスの製造方法を提供する。また、外因性遺伝子の運搬および発現のために組換えアデノウイルスを使用する手段を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アデノウイルス血清型24ベクター、核酸およびそれにより製造されたウイルスに関する。
【背景技術】
【0002】
アデノウイルスは、いくつかの鳥類および哺乳類宿主において同定されている非外包性正二十面体ウイルスである(Homeら,1959 J.Mol.Biol.1:84−86;Horwitz,1990 In Virology,B.N.FieldsおよびD.M.Knipe編,pps.1679−1721)。最初のヒトアデノウイルス(Ad)は100年以上前に分離された。それ以来、種々の哺乳類種に感染する100を超える異なるアデノウイルス血清型が分離されており、それらのうちの51個はヒト由来である(Straus,1984,In The Adenoviruses,H.Ginsberg編,pps.451−498,New York:Plenus Press;Hierholzerら,1988 J.Infect.Dis.158:804−813;SchnurおよびDondero,1993,Intervirology;36:79−83;Jongら,l999 J Clin Microbiol.,37:3940−5)。ラットおよびアカゲザル赤血球の赤血球凝集特性、DNA相同性、制限酵素切断パターン、G+C含量比および腫瘍原性を含む多数の生化学的、化学的、免疫学的および構造的基準に基づき、ヒト血清型は6つの亜属(A〜F)に分類されている(Straus,前掲;Horwitz,前掲)。
【0003】
アデノウイルスゲノムは非常に詳細に特徴づけられている。それは約36,000塩基対の直鎖状二本鎖DNA分子よりなり、いくつかの異なる血清型が存在するにもかかわらず、同様に位置した特異的機能を有するアデノウイルスゲノムの全体的な体制においては或る程度の全般的保存性が認められる。
【0004】
アデノウイルスは外因性遺伝子の運搬のための非常に魅力的な標的である。アデノウイルスの生物学は非常に詳細に理解されている。アデノウイルスが免疫適格性個体における重篤なヒト病理に関連していることは見出されていない。該ウイルスはそのDNAを宿主細胞内に非常に効率的に導入し、多種多様な細胞に感染しうる。さらに、該ウイルスは、高いウイルス力価で大量に生産されうる。また、該ウイルスは、ウイルスゲノムの必須初期領域1(E1)の欠失により、複製欠損型にされうる(Brodyら,1994 Ann N Y Acad Sci.,716:90−101)。
【0005】
複製欠損型アデノウイルスベクターはワクチン用および遺伝子治療用の遺伝子導入ベクターとして広範に使用されている。これらのベクターは、E1遺伝子産物をトランスで付与する細胞系内で増殖する。該ベクターが、同じ又は非常に類似した血清型からのものである場合、トランスでの必須E1遺伝子産物の相補は非常に有効である。例えば、E1欠失C群血清型(Ad1、Ad2、Ad5およびAd6)は、Ad5 E1領域を含有し発現する293またはPER.C6細胞内で良く増殖する。しかし、293またはPER.C6細胞内のAd5 E1配列はC群以外のすべての血清型の複製を完全に相補するわけではない。これは恐らく、Ad5(C群)E1B 55K遺伝子産物が非C群血清型のE4遺伝子産物と機能的に相互作用し得ないからであろう。該相互作用は同一血清群のメンバーにおいては保存されているが、亜群間では良く保存されていることは見出されていない。別の非C群血清型の組換えアデノウイルスを成功裏かつ効率的にレスキューするためには、関心のある血清型のE1領域を発現する細胞系を作製しなければならないであろう。あるいは、入手可能なAd5E1発現細胞系を修飾して、Ad5E1の他にAd5E4(またはOrf6)を発現させることが可能であろう。これらの追加的な、時には面倒でやる気を失わせるような作業は、組換え非C群アデノウイルスベクターの製造の障害となった。
【0006】
Ad5 E1発現細胞系(例えば、PER.C6または293)における別の血清型の増殖およびレスキューのための効率的な手段は、係属中の米国仮特許出願(2002年8月22日付け出願の第60/405,182号)に開示されている。この方法は、決定的に重要なE4領域を、増殖させるアデノウイルス内に取り込ませることを含む。その決定的に重要なE4領域は、相補する細胞系のE1遺伝子産物(特に、E1B 55K領域)のものと同じ又は非常に類似した血清型のウイルスに固有のものであり、少なくとも、E4 Orf6をコードする核酸を含む。
【0007】
現在のところ、C亜群からの2つの良く特徴づけられたアデノウイルス血清型であるAd5およびAd2が、もっとも広く使用されている遺伝子運搬用ベクターである。一般集団における中和抗体が、同じ血清型での初回投与または再投与を制限しうるため、遺伝子導入用ベクターとしての代替的Ad血清型を開発することが必要とされている。中和抗体の保有率は血清型によって様々でありうる。Ad5のような幾つかの血清型に対する中和抗体が一般的であり、他の血清型に対する抗体は比較的稀である。さらに、血清型が異なれば、それが有する指向性も異なり、したがって、代替的血清型がワクチンまたは遺伝子治療に用いられた場合には、より優れた免疫応答が惹起されうる。
【0008】
アデノウイルス血清型24(D亜群アデノウイルス)は1960年に最初に分離され(S.D.Bellら,1960 Am.J.Trop.Hyg.9:523)、1963年に、認められた参考株として確立された(H.G.Pereiraら,1963 Virology 20:613)。参考ウマ抗血清において決定された46個の他のヒトアデノウイルスに対するその抗原関連性が考察されている(J.C.Hierholzerら,1991 Arch.Virol.121:179−197)。Ad24ヘキソンの部分配列(2838bpのうちの1091)がTakeuchiら,1999 J.Clin.Microbiol.37:3392−3394に開示されており、Gen Bankに寄託されている(アクセッション番号AB023553)。Ad24のウイルス付随RNA(VA RNA)の配列ならびに前末端(pre−terminal)タンパク質および52/55Kタンパク質の部分配列(521bp)がMa&Matthews,1993 J.Virol.67:6605−6617およびGen Bank(アクセッション番号HAU52544)に開示されている。
【0009】
ワクチンおよび遺伝子治療の分野は、代替的アデノウイルス血清型、特に、ヒト集団においては十分に示されていないAd24のような血清型に関する更なる知見から大きな利益を得るであろう。特に関心が持たれるのは、代替的アデノウイルス血清型に基づく組換えアデノウイルスベクター、およびそのような組換えアデノウイルスベクターの入手手段である。当技術分野におけるこの要求は、アデノウイルス血清型24に基づく組換えアデノウイルスベクターに関する本出願の開示により満たされる。
【発明の開示】
【0010】
発明の概要
本発明は、希有(rare)アデノウイルス血清型である血清型24の組換え複製欠損型アデノウイルスベクター、および該代替的血清型に基づく組換えアデノウイルスの製造方法に関する。また、外因性遺伝子の運搬および発現のために組換えアデノウイルスを使用する手段を提供する。したがって、本発明は、それぞれのトランスジーンの有効な発現を促進する調節配列に機能しうる形で連結された1以上のトランスジーンを含む血清型24の組換え複製欠損型アデノウイルスベクターを含む。そのような組換えアデノウイルス血清型24ベクターの、宿主への投与は、単独での投与であるか或いは組合せ法および/または初回−追加抗原刺激法であるかには無関係に、取り込まれたトランスジーンの効率的な発現をもたらし、投与された特定の抗原(例えば、HIV)を特異的に認識する免疫応答を効果的に誘導する。さらに、該組換えウイルスは、より頻繁にヒト集団において見出されるアデノウイルス血清型(例えば、Ad5およびAd2)に対する既存免疫を逃れるはずである。したがって、開示されている方法は、関心のある特定の抗原(例えば、HIV)に対する免疫応答を誘導するための改良手段を提供するものである。したがって、得られる免疫応答は、未感染個体には予防上の利点をもたらし、および/または、感染個体においてはウイルス負荷レベルを減少させて感染の無症候期を延長させることにより治療効果をもたらすはずである。
【0011】
発明の詳細な説明
希有アデノウイルス血清型は、より一般に用いられるアデノウイルス血清型(例えば、アデノウイルス血清型2および5)と比較して固有の利点を有する。なぜなら、それによる外因性遺伝子の効率的な標的部位運搬および発現は既存免疫によっては制限されないと考えられるからである。また、異なるアデノウイルス血清型は、異なるキャプシド構造を有するため、異なる指向性を示し、したがって、異なる組織を標的化する可能性をもたらし、それがワクチンまたは遺伝子治療に用いられた場合には、おそらく、より優れた免疫応答の惹起をもたらすであろう。しかし、これらの希有アデノウイルス血清型は、複製欠損型にされると、現在入手可能なアデノウイルス増殖細胞系における増殖およびレスキューが困難となりうる。
【0012】
本出願人は、最近、1つのそのような希有複製欠損型代替的血清型であるアデノウイルス血清型24(亜群Dアデノウイルス)をレスキューし増殖させることに成功した。本出願人は、本明細書中に、外因性トランスジーンの運搬および発現において該アデノウイルスが有効に機能することを示す。
【0013】
したがって、本発明は、遺伝子治療またはワクチン接種プロトコールにおける使用に適した血清型24の組換えアデノウイルスベクターに関する。野生型アデノウイルス血清型24の核酸配列(配列番号1)が図5A〜5Jに示されているが、当業者に理解されるとおり、アデノウイルス血清型24の任意の機能的ホモログまたは異なる株を本発明の方法において使用することが可能である。アデノウイルス血清型は、ラットおよびアカゲザル赤血球の赤血球凝集特性、DNA相同性、制限酵素切断パターン、G+C含量比および腫瘍原性を含む当技術分野において認識されている多数の生物学的、化学的、免疫学的および構造的基準により区別されている(Straus,前掲;Horwitz,前掲)。与えられた血清型は、ウイルスDNAの制限マッピング、ウイルスDNAの移動度、電気泳動後のSDSポリアクリルアミドゲル上のビリオンポリペプチドの移動度の分析、血清型を定める配列を含有する特にキャプシド遺伝子(例えば、ヘキソン)からの既知配列との配列情報の比較、およびATCCから入手可能な特定の血清型に関する参考血清との配列の比較を含む多数の方法により同定されうる。SDS−PAGEによるアデノウイルス血清型の分類はWadellら,1980 Ann.N.Y.Acad.Sci.354:16−42において考察されている。制限マッピングによるアデノウイルス血清型の分類はWadellら,Current Topics in Microbiology and Immunology 110:191−220において考察されている。Ad24に関する参考血清はATCCから入手可能である(ATCC Product Nos.VR−1102AS/RBおよびVR−1102PI/RB)。アデノウイルス血清型24(亜群Dアデノウイルス)は1960年に最初に分離され(S.D.Bellら,1960 Am.J.Trop.Hyg.9:523)、1963年に、認められた参考株として確立された(H.G.Pereiraら,1963 Virology 20:613)。参考ウマ抗血清において決定された46個の他のヒトアデノウイルスに対するその抗原関連性が当技術分野において考察されている(J.C.Hierholzerら,1991 Arch.Virol.121:179−197)。
【0014】
本発明のアデノウイルス血清型24ベクターは、少なくとも部分的にE1において欠失しており、E1活性を欠き(または実質的に欠き)、意図される宿主において該ベクターは複製不能となる。好ましくは、E1領域は完全に欠失または不活性化している。該アデノウイルスはE3および他の初期領域における追加的な欠失を含有しうるが、E2および/またはE4が欠失している場合には、組換え複製欠損型アデノウイルスベクターを作製するためにはE2および/またはE4相補細胞系を要するかもしれない。
【0015】
本発明の方法で有用なアデノウイルスベクターは、Hittら,1997“Human Adenovirus Vectors for Gene Transfer into Mammalian Cells”Advances in Pharmacology 40:137−206(これを参照により本明細書に組み入れることとする)に概説されているような良く知られた技術を用いて構築することができる。関心のある特定のアデノウイルスに相同な配列を含む、関心のある異種核酸を含有するプラスミドまたはシャトルベクターを作製することが多い。ついで、相同組換えが生じて該ウイルス核酸内への該異種核酸の取り込みが生じる宿主細胞内に、クローン化ウイルスDNAを含有するウイルスDNAまたは第2プラスミドおよびシャトルベクターをコトランスフェクトする。好ましいシャトルベクターおよびクローン化ウイルスゲノムはアデノウイルス部分およびプラスミド部分を含有する。複製欠損型ベクターの構築において使用するシャトルベクターでは、アデノウイルス部分は、典型的には、非機能的な又は欠失したE1およびE3領域、ならびに簡便な制限部位に隣接した遺伝子発現カセットを含有する。シャトルベクターのプラスミド部分は、典型的には、原核生物プロモーターの転写制御下で抗生物質耐性マーカーを含有する。アンピシリン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子および他の薬学的に許容される耐性マーカーを使用することが可能である。原核生物における発酵による該核酸の高レベルの産生を補助するためには、シャトルベクターが原核生物複製起点を含有し高コピー数であるのが好都合である。多数の商業的に入手可能な原核生物クローニングベクターがこれらの利点をもたらす。非必須DNA配列は、好ましくは除去されている。また、該ベクターは真核細胞内で複製不能であることが好ましい。これは、核酸ワクチン配列が被投与者のゲノム内に組込まれるリスクを最小限にする。該核酸の発現を特定の組織型に限定するのが望ましい場合には、組織特異的プロモーターまたはエンハンサーを使用することが可能である。
【0016】
シャトルベクターおよび野生型アデノウイルス24ウイルスDNA(Ad24バックボーンベクター)の相同組換えはアデノウイルスプレプラスミド(例えば、pAd24ΔEl、pAd24ΔElAd5Orf6、pAd24ΔElgagΔE4Ad5Orf6、pAd24ΔElgagΔOrf6Ad5Orf6、pAd24ΔE1SEAPΔE4Ad5Orf6、pAd24ΔE1SEAPΔOrf6Ad5Orf6を参照されたい)の生成を引き起こす。線状化後、該プレプラスミドはPER.C6(登録商標)細胞または代替的E1相補性細胞系において複製しうる。ウイルスの複製が完了したら、感染細胞および培地を回収することが可能である。
【0017】
十分な量のアデノウイルスを産生させるためには、一般には、パッケージング細胞が必要である。パッケージング細胞は、関心のある特定のアデノウイルスの産生に必要な要素を含有すべきである。パッケージング細胞およびベクターは、組換えにより複製可能ウイルスを与えうる重複要素を含有しないのが好ましい。組換えAd24 E1欠失ベクターの増殖に適した細胞の具体例はアデノウイルス24または他のD群血清型の初期領域1(E1)を発現する。あるいは、同じ血清型に由来するがAd24以外の亜群に由来するアデノウイルスE1およびE4領域(特に、E4オープンリーディングフレーム6(「ORF6」))(例えば、Ad5 E1およびE4)を発現する増殖細胞系を使用することが可能である。例えば、Abrahamsenら,1997 J.Virol.8946−8951および米国特許第5,849,561号を参照されたい。また、Ad24からのE1Bを、異なる亜群の血清型からの(1)E1Aまたは(2)E1AおよびE1Bに加えて発現する細胞系を使用することが可能であろう。2002年8月22日付け出願の同時係属米国仮特許出願第60/405,182号には、代替的アデノウイルス血清型の効率的な増殖およびレスキューのための方法が開示されている。該方法は、E1遺伝子産物(特に、相補性細胞系により発現されるE1B)のものと同じ又は非常に類似した血清型のE4領域(またはE4 ORF6を含むその一部)をアデノウイルスベクターのゲノム内に取り込ませることに基づくものである。実施例1〜4は、Ad5E4領域の取り込みおよびPER.C6細胞(この細胞はAd5E1を発現する)におけるその増殖によるそのような方法の実施可能性を示している。野生型アデノウイルス血清型5配列は公知であり、当技術分野において記載されている(参照により本明細書に組み入れるChroboozekら,1992 J.Virol.186:280を参照されたい)。E4領域またはORF6含有部分の配置は決定的に重要なことではない。実施例1〜4を参照されたい。決定的に重要な工程は、プロモーターが供給されること、または該遺伝子が効果的に配置されて、それが、該ベクターに固有のプロモーター(例えば、E4プロモーター)を外す(run off)ことのいずれかを確認する工程である。該ベクターの天然E4領域は置換され、欠失し又は無傷で残されうる。したがって、この方法は、本発明のアデノウイルスベクターの増殖およびレスキューにおける使用に適している。
【0018】
典型的には、増殖細胞は、網膜または腎臓に由来するヒト細胞であるが、適当なE1および/またはE4領域を発現しうる任意の細胞系を本発明で使用することが可能である。胚性細胞、例えば羊膜細胞は、E1相補性細胞系の作製に特に適していることが示されている。いくつかの細胞系が入手可能である。これらには、PER.C6(ECACC寄託番号96022940)、911、293およびE1 A549が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
本発明は、血清型24の組換え複製欠損型アデノウイルスベクターをアデノウイルスE1相補性細胞内にトランスフェクトし、ウイルス粒子を産生させることを含んでなる、アデノウイルスE1相補性細胞系における血清型24の組換え複製欠損型アデノウイルスの製造方法を含む。このようにして産生されたウイルス粒子は本発明のもう1つの態様を構成する。本発明の組換え複製欠損型アデノウイルス血清型24ベクターを含む宿主細胞は本発明の更にもう1つの態様を構成し、細胞の集団として定義される宿主細胞はトランスジェニクヒトを含まない。本発明の方法に従い回収された組換え複製欠損型アデノウイルスも本発明に含まれる。この回収物質を精製し、製剤化し、宿主への投与まで保存することが可能である。
【0020】
より一般に使用されるアデノウイルス血清型の投与または再投与を個体の免疫応答が有効に妨げる場合に特に、本発明のアデノウイルスベクターは、所望のタンパク質の発現の実施に非常に好適である。したがって、本発明の特定の実施形態は、関心のある異種核酸を含む血清型24の組換え複製欠損型アデノウイルスベクターである。関心のある核酸は、遺伝子、または遺伝子の機能的部分でありうる。該核酸はDNAおよび/またはRNAであることが可能であり、二本鎖または一本鎖であることが可能であり、発現カセットの形態で存在することが可能である。該核酸は、E1と平行(5’から3’へ転写される)または逆平行(ベクターバックボーンに対して3’から5’方向へ転写される)の配向に挿入されうる。該核酸は、所望の宿主(例えば、哺乳類宿主)内での発現のためにコドンが最適化されうる。該異種核酸は発現カセットの形態でありうる。遺伝子発現カセットは、典型的には、(a)関心のあるタンパク質または抗原をコードする核酸、(b)該タンパク質をコードする核酸に機能しうる形で連結された異種プロモーター、および(c)転写終結シグナルを含有する。
【0021】
特定の実施形態においては、該異種プロモーターは真核生物RNAポリメラーゼにより認識される。本発明での使用に適したプロモーターの一例は、最初期ヒトサイトメガロウイルスプロモーターである(Chapmanら,1991 Nucl.Acids Res.19:3979−3986)。本発明で使用されうるプロモーターの更なる例としては、強力免疫グロブリンプロモーター、EF1αプロモーター、マウスCMVプロモーター、ラウス肉腫ウイルスプロモーター、SV40初期/後期プロモーターおよびβアクチンプロモーターが挙げられるが、意図される宿主内で発現を引き起こしうる任意のプロモーターが本発明の方法において使用されうると当業者に認識されうる。該プロモーターは、Tetオペレーター配列のような調節可能配列を含みうる。転写および発現の調節の可能性をもたらすこれらのような配列は、遺伝子転写の抑制が望まれる場合に有用である。アデノウイルス遺伝子発現カセットは転写終結配列を含むことが可能であり、その具体例としては、ウシ成長ホルモン終結/ポリアデニル化シグナル(bGHpA)または以下のとおりに定められる50ヌクレオチド長の短い合成ポリAシグナル(SPA)が挙げられる:AATAAAAGATCTTTATTTTCATTAGATCTGTGTGTT−GGTTTTTTGTGTG(配列番号2)。リーダーまたはシグナルペプチドをトランスジーン内に含有させることも可能である。特定の実施形態においては、リーダーは組織特異的プラスミノーゲンアクチベータータンパク質tPAに由来する。
【0022】
関心のある異種核酸は、免疫原性および/または治療用タンパク質をコードする遺伝子(またはその機能的対応物)である。好ましい治療用タンパク質としては、投与後に個々の宿主において何らかの測定可能な治療利益をもたらすものが挙げられる。好ましい免疫原性タンパク質は、個体において免疫応答を惹起しうる任意のタンパク質である。出願人は非ヒト霊長類(アカゲザル)における代表的な免疫原性タンパク質(HIV gag)の運搬を本明細書中に例示しているが、治療用または免疫原性タンパク質をコードする任意の遺伝子を、本明細書に開示されている方法において使用することが可能である。アデノウイルス血清型24ベクターは有意なレベルのgag特異的T細胞を誘導することが判明した(図6)。さらに、該結果は、開示されているベクターでの免疫化がHIV特異的CD4+およびCD8+ T細胞の両方を惹起しうることを示した(図7)。また、1011vpの用量の該ベクターの投与に応答して、検出可能なレベルの循環抗gag抗体が生成した(図8)。
【0023】
したがって、本発明の1つの態様は、HIVトランスジーンを保持するアデノウイルス血清型24に基づくベクターに関する。これらの実施形態においては、任意のHIV抗原をコードする核酸を使用することが可能である(それらの具体例には、gag、pol、nef、gpl60、gp41、gp120、tatおよびrevならびに前記遺伝子の誘導体が含まれる)。本明細書に例示されている実施形態は、コドン最適化p55gag抗原をコードする核酸を使用する(図12を参照されたい(配列番号3))。コドン最適化HIV−1 env遺伝子は、それぞれ1997年8月28日付け公開(WO 97/31115)および1997年12月24日付け公開のPCT国際出願PCT/US97/02294およびPCT/US97/10517に開示されている。コドン最適化HIV−1 pol遺伝子は、2000年12月21日付け出願の米国特許出願第09/745,221号および同様に2000年12月21日付け出願のPCT国際出願PCT/US00/34724に開示されている。コドン最適化HIV−1 nef遺伝子は、2000年12月15日付け出願の米国特許出願第09/738,782号および同様に2000年12月15日付け出願のPCT国際出願PCT/US00/34162に開示されている。
【0024】
HIV−1遺伝子を含む組換え複製欠損型Ad24ベクターのこの特定の実施形態においては、該遺伝子はHIV−1株CAM−1に由来しうる(参照により本明細書に組み入れるMyersら編,“Human Retroviruses and AIDS:1995,IIA3−IIA19)。この遺伝子はクレードB(北米/欧州)配列のコンセンサスアミノ酸配列に酷似している。HIV遺伝子配列は種々のクレードのHIV−1に基づくことが可能であり、その具体例としては、クレードBおよびCが挙げられる。多数のHIV株の遺伝子の配列がGenBankから公に入手可能であり、HIVの一次(primary)野外分離体は、これらの株を入手可能にするようQuality Biological(Gaithersburg,MD)に委託しているNational Institute of Allergy and Infectious Diseases(NIAID)から入手可能である。また、株は、World Health Organization(WHO),Geneva Switzerlandからも入手可能である。特異的HIV抗原またはその免疫学的に関連した部分もしくは修飾体をコードする適当なヌクレオチド配列を選択することは当業者の認識範囲内に十分に含まれる。本明細書中で定義されるとおり、「免疫学的に関連」は、(1)ウイルス抗原に関しては、該タンパク質が、投与されると、該ウイルスの増殖および/または広がりを遅延させるのに及び/又は個体内に存在するウイルス負荷を減少させるのに十分な個体内における測定可能な免疫応答を惹起しうること、または(2)ヌクレオチド配列に関しては、該配列が、前記の能力を有するタンパク質をコードしうることを意味する。
【0025】
本発明は、本発明の組換えアデノウイルス血清型24ベクターを個体に投与することを含んでなる、(1)個体において治療応答をもたらすための、および(2)免疫応答(細胞性免疫応答を含む)を生成させるための方法を含む。本発明の1つの態様は、関心のある抗原を発現する組換えアデノウイルス血清型24ビヒクルを投与することを含んでなる、1以上の抗原(細菌、ウイルス(例えば、HIV)またはその他(例えば、癌))に対する増強された免疫応答を生成させるための方法である。より頻繁に現れるアデノウイルス血清型(例えば、Ad2およびAd5)に対する既存免疫が、与えられた宿主において存在する場合に特に、この方法における組換えAd24ベクターの投与は細胞性免疫応答の改善をもたらす。この改善されたワクチン投与方法の効果は、これまでに未感染の個体に対する、より低い伝染率(または発生率)(すなわち、予防的用途)、および/または、感染個体内のウイルス/細菌/外来因子のレベルの減少(すなわち、治療的用途)にあるはずである。HIV適応症に関しては、この改善されたワクチン投与方法の効果は、これまでに未感染の個体に対する、より低い伝染率(すなわち、予防的用途)、および/または、感染個体内のウイルス負荷のレベルの減少によるHIV−1感染の無症候期の延長(すなわち、治療的用途)にあるはずである。該組換えAd24ベクターの投与、細胞内運搬および発現は宿主CTLおよびTh応答を惹起する。
【0026】
したがって、本発明は、ウイルス(例えば、HIV)、細菌または他の因子に対する暴露後の感染の確立を妨げるための有効な免疫予防をもたらすための、あるいは感染後治療用ワクチンとして、有益な長期的結果を伴って、より低いウイルス/細菌/その他の負荷の確立をもたらすための感染軽減のための、組換えAd24ウイルスベクター(または、本明細書中ではワクチンと称されるその免疫原性組成物)の投与に関する方法に関する。
【0027】
本発明の組換えアデノウイルス血清型24ベクターは、単独で又は初回/追加抗原刺激投与計画の一部として投与することが可能である。まず、初回用量の少なくとも1つの抗原(例えば、HIV抗原)を組換えアデノウイルスベクターで運搬する。この用量は免疫応答を有効に初回刺激して、後に循環免疫系において該抗原が同一のものと確認されると、該免疫応答は該宿主内の該抗原を直ちに認識し応答しうる。該初回用量の投与の後、該抗原をコードする少なくとも1つの遺伝子を含有する組換えアデノウイルスベクターを含む追加用量の投与を行う。混合様式の初回および追加接種法は、既存の抗ベクター免疫が存在する場合には特に、増強された免疫応答をもたらすであろう。初回−追加投与は、典型的には、(ウイルスベクター、プラスミド、タンパク質などにより)少なくとも1回、対象を初回抗原刺激し、所定の長さの時間を経過させ、ついで(ウイルスベクター、プラスミド、タンパク質などにより)追加抗原刺激することを含む。通常、複数の初回抗原刺激、典型的には1〜4回の初回抗原刺激を行うが、より多数の初回抗原刺激を行うことが可能である。初回抗原刺激と追加抗原刺激との間の時間の長さは、典型的には約4ヶ月〜1年と様々となりうるが、当業者に認識されるとおり他の時間枠を用いることも可能である。
【0028】
本発明の組換え複製欠損型アデノウイルス血清型24ベクターにより運搬される関心のある単一のタンパク質または抗原に加えて、2以上のタンパク質または抗原を別々のビヒクルまたは同一のビヒクルにより運搬することが可能である。複数の遺伝子/機能的等価体を適当なシャトルプラスミド内に連結して、複数のオープンリーディングフレームを含む前アデノウイルスプラスミドを作製することが可能である。複数の遺伝子/機能的等価体に関するオープンリーディングフレームは、異なるプロモーターおよび転写終結配列に機能しうる形で連結されうる。他の実施形態においては、該オープンリーディングフレームは、単一プロモーターに機能しうる形で連結されることが可能であり、該オープンリーーディングフレームは、内部リボソーム進入シグナル(IRES;WO 95/24485に開示されている)、または複数のオープンリーディングフレームの転写を単一プロモーターから外す(run off)適当な代替物に、機能しうる形で連結されうる。ある実施形態においては、該オープンリーディングフレームは、段階的(stepwise)PCR、または2つのオープンリーディングフレームを互いに融合させるために適当な代替法により、互いに融合されうる。しかし、該ウイルスビヒクルの有効なパッケージング限界には適切に配慮しなければならない。例えば、アデノウイルスは野生型Ad5配列の約105%のクローニング容量上限を示すことが判明している。
【0029】
初回−追加法は種々のアデノウイルス血清型を使用しうる。そのようなプロトコールの一例として、第1血清型の組換えアデノウイルスベクターを含む初回用量を投与し、ついで、第2および異なる血清型の組換えアデノウイルスベクターを含む追加用量を投与することが挙げられるであろう。例えば、実施例11ならびに図18、19および20を参照されたい。それらにおいては、第0、4および26週に、4匹のマカクのコホートに3用量の、Ad5またはAd6に基づくHIV gag保持ベクターを投与した。第56週に、HIV gagを保持する本発明のAd24に基づくベクターを含む追加用量を運搬した。Ad24に基づくベクターの投与は、追加抗原刺激の時点のレベルと比較して、T細胞応答における約13〜47倍の増強をもたらした。もう1つの実施形態においては、初回用量は、異なるタンパク質/抗原をコードする遺伝子をそれぞれが含む別々のアデノウイルスビヒクルの混合物を含みうる。そのような場合、追加用量も、別々のタンパク質/抗原をコードする遺伝子をそれぞれが含む複数のベクターの混合物を含むであろう。ただし、該追加投与においては、初回用量において運搬されたのと同じ又は類似した組合せの抗原をコードする遺伝的物質を含む組換えウイルスベクターが投与される。これらの複数の遺伝子/ベクターの投与法を更に組合せることが可能である。さらに、特異的抗原とは異なる複数の成分を含む組合せ法を行うことも、本発明の範囲内である。
【0030】
本発明のアデノウイルスベクターを含む組成物(ワクチン組成物を含む)は本発明の重要な態様である。これらの組成物は、予防または治療場面において、哺乳類宿主、好ましくはヒト宿主に投与されうる。可能な宿主/ワクチンには、霊長類ならびに特にヒトおよび非ヒト霊長類が含まれ、商業的または家畜獣医学的に重要な任意の非ヒト哺乳類が含まれる、これらに限定されるものではない。組換えアデノウイルス血清型24ベクターを含む組成物は、単独で又は他のウイルスもしくは非ウイルスに基づくDNA/タンパク質ワクチンと組合せて投与されうる。それらは、より広範な治療計画の一部としても投与されうる。本発明は、開示されている組換えアデノウイルス血清型24ベクターが他の療法、例えばHAART療法(組換えHIVベクターの場合)と組合せて投与される場合も含む。
【0031】
該組換えウイルスベクターを含む組成物は、バッファー、正常食塩水またはリン酸緩衝食塩水、スクロース、他の塩およびポリソルベートのような生理的に許容される成分を含有しうる。ある実施形態においては、該製剤は、2.5〜10mM TRISバッファー、好ましくは約5mM TRISバッファー;25〜100mM NaCl、好ましくは約75mM NaCl;2.5〜10% スクロース、好ましくは約5% スクロース;0.01〜2mM MgCl;および0.001%〜0.01% ポリソルベート80(植物由来)を含有する。pHは、約7.0〜9.0、好ましくは約8.0であるべきである。当業者は、他の通常のワクチン賦形剤も該製剤中で使用しうると理解するであろう。特定の実施形態においては、該製剤は、5mM TRIS、75mM NaCl、5% スクロース、1mM MgCl、0.005% ポリソルベート80をpH8.0で含有する。これは、ガラス表面へのウイルスの吸着の可能性を最小限に抑えAd5およびAd6の安定性にとって最適に近いpHおよび二価陽イオン組成を有する。それは、筋肉注射の際に組織刺激を引き起こさない。それは、好ましくは、使用まで凍結される。
【0032】
ワクチン受容者に導入されるワクチン組成物中のアデノウイルス粒子の量は、使用する転写および翻訳プロモーターの強度ならびに発現遺伝子産物の免疫原性に左右されるであろう。一般には、1×10〜1×1012粒子、好ましくは約1×1010〜1×1011粒子の免疫学的または予防的に有効な用量を筋肉組織内に直接投与する。皮下注射、皮内導入、皮膚を介した圧入(impression)および他の投与様式、例えば腹腔内、静脈内または吸入運搬も意図される。本発明のワクチン組成物の非経口的導入と同時またはその後のインターロイキン12タンパク質の非経口投与、例えば静脈内、筋肉内、皮下または他の手段の投与も有利である。
【0033】
以下の非限定的な実施例は本発明の実施を更に詳しく例示するために記載されている。
【実施例1】
【0034】
pAd24ΔE1の構築およびレスキュー
E1−Ad24ベクター(代表的なD群血清型)がAd5/C群E1相補性細胞系において増殖しうるかどうかを確認するために、E1−Ad24に基づく前アデノウイルスプラスミドを構築した。ベクター構築の開始時には、Ad24の完全配列は未知であったため、本発明者らはAd24とAd17との間のいくらかの配列相同性を利用した。細菌プラスミドとしてAd24を回収するために用いた一般的方法は図1に例示されており、後記で説明される。精製野生型Ad24ウイルスDNAおよびAd17 ITRカセットと称される第2DNA断片でのBJ5183細菌の共形質転換は、相同組換えによる該ウイルスゲノムの環化を引き起こした。ITRカセットは、細菌複製起点とアンピシリン耐性遺伝子とを含有するプラスミド配列により分離されたAd17ゲノムの右(bp34469〜35098)および左(bp4〜414およびbp3373〜4580)末端からの配列(図15A〜15Jを参照されたい)を含有する。ITRカセットは、Ad17のE1配列の欠失(bp415〜3372)を含有し、該欠失部分には唯一のSwaI部位が位置する。ITRカセット中のAd17配列は精製Ad24ウイルスDNAに対する相同性の領域を与え、ここで組換えが生じうる。ITRカセットは、消化によりプラスミド配列からAd24ゲノムを遊離するよう、ウイルスITRの末端に位置する唯一の制限酵素部位(PmeI)を含有することが示された。制限分析により潜在的クローンをスクリーニングし、1つのクローンをpAd24ΔE1として選択した。pAd24ΔE1は、bp4〜414にAd17配列を、bp3373〜4580にAd24を、bp4588〜34529にAd24を、そしてbp34469〜35098にAd17を含有する(bp番号は、Ad17およびAd24のどちらに関しても、野生型配列に基づく)。pAd24ΔE1は、Ad24の血清型特異性を構成するすべてのAd24ビリオン構造タンパク質のコード配列を含有する。このアプローチは、Ad17に対して十分な相同性を有するプラスミド形態に任意のD群血清型を環化するために用いることが可能である。
【0035】
前アデノウイルスプラスミドpAd24ΔE1がC群E1相補性細胞系においてウイルス内にレスキューされ増殖しうるかどうかを確認するために、該プラスミドをPmeIで消化し、リン酸カルシウム共沈技術を用いて6cmディッシュ内の293細胞内にトランスフェクトした。PmeI消化は該プラスミド配列から該ウイルスゲノムを遊離して、293細胞内への進入後にウイルス複製を引き起こした。ウイルスの複製および増幅が生じていることを示すウイルス細胞変性効果(CPE)の発生は非常に遅かった。複数回の試みの後、Ad24ΔE1をレスキューし増幅するのに成功したが、該ウイルスは、類似のAd5に基づくベクターより低い力価まで増幅したに過ぎず、増幅のためには、より多くの継代を要した。該ウイルスの遺伝的構造を確認するために、プロナーゼ処理およびそれに続くフェノールクロロホルム抽出およびエタノール沈殿により、ウイルスDNAを抽出した。ついでウイルスDNAをHindIIIで消化し、クレノウフラグメントで処理して、該制限断片をP33−dATPで末端標識した。ついで該末端標識制限断片をゲル電気泳動によりサイズ分画し、オートラジオグラフィーにより可視化した。該消化産物を、(標識前にPme1/HindIIIで消化された)前プラスミドからの消化産物と比較した。予想サイズが観察され、このことは、該ウイルスが成功裏にレスキューされたことを示している。
【実施例2】
【0036】
Ad24のE1領域内へのAd5 Orf6の挿入
Ad24ゲノム内へのAd5 E4 Orf6の挿入が、C群E1相補性細胞系における、より効率的な増殖を可能にするかどうかを確認するために、E1領域内にAd5 Orf6を含有する、Ad24に基づく前アデノウイルスプラスミドを構築した。pAd24ΔE1のE1領域内にAd5 Orf6を導入するために、細菌組換えを利用した。HCMVプロモーターおよびpAに隣接するAd5 Orf6コード領域よりなるAd5 Orf6トランスジーンをAd17シャトルベクター(Ad17 ITRカセットの前駆体)内のE1欠失内にクローニングした。Ad5 Orf6トランスジーンをE1逆平行配向でbp414と3373との間にクローニングした。Ad5 Orf6トランスジーンを含有するシャトルベクターを消化して、Ad17配列に隣接するトランスジーンよりなるDNA断片(bp4〜414およびbp3373〜4580)を得、アガロースゲル上の電気泳動の後で該断片を精製した。シャトルベクター断片およびpAd24ΔE1(これはSwaIでの消化によりE1領域において線状化されている)でのBJ5183細菌の共形質転換は、相同組換えによりpAd24ΔE1Ad5Orf6を与えた(図2)。潜在的クローンを制限分析によりスクリーニングし、1つのクローンを前アデノウイルスプラスミドpAd24ΔE1Ad5Orf6として選択した。
【0037】
前アデノウイルスプラスミドpAd24ΔE1Ad5Orf6がAd5/C群E1相補性細胞系においてウイルス内にレスキューされ増殖しうるかどうかを確認するために、pAd24ΔE1Ad5Orf6をPmeIで消化し、リン酸カルシウム共沈技術を用いて6cmディッシュ内の293細胞内にトランスフェクトした。PmeI消化は該プラスミド配列から該ウイルスゲノムを遊離して、293細胞内への進入後にウイルス複製を引き起こした。完全なウイルス細胞変性効果(CPE)がトランスフェクションの約7〜10日後に観察されたら、該感染細胞および培地を3回、凍結/解凍し、細胞残渣をペレット化した。該ウイルスを293細胞内で更に2回継代して増幅し、ついで、CsCl密度勾配上の超遠心分離により、最終的な感染から精製した。該ウイルスの遺伝的構造を確認するために、プロナーゼ処理およびそれに続くフェノールクロロホルム抽出およびエタノール沈殿により、ウイルスDNAを抽出した。ついでウイルスDNAをHindIIIで消化し、クレノウフラグメントで処理して、該制限断片をP33−dATPで末端標識した。ついで該末端標識制限断片をゲル電気泳動によりサイズ分画し、オートラジオグラフィーにより可視化した。該消化産物を、(標識前にPme1/HindIIIで消化された)前プラスミドからの消化産物と比較した。予想サイズが観察され、このことは、該ウイルスが成功裏にレスキューされたことを示している。
【実施例3】
【0038】
Ad24のE4領域内へのAd5 Orf6の挿入
Ad5/C群相補性細胞系において増殖が生じうるよう、代替的血清型のゲノム内にAd5 Orf6を含有させるための方法を改良するために、2つの追加的な方法を開発した。第1の方法においては、全代替的血清型E4領域(E4プロモーターを含まない)を欠失させ、Ad5 Orf6で置換した。第2の方法においては、代替的血清型Orf6遺伝子のみを欠失させ、Ad5 Orf6で置換した。それらの2つの方法により得られたE4領域の配置を図3に図示する。これらの方法のそれぞれについて、所望の前アデノウイルスプラスミドを細菌組換えにより作製した。pAd24ΔOrf6BstZ17Iおよび適切に構築されたAd24E4シャトルプラスミドでのBJ5183細菌の共形質転換は、所望のAd24に基づく前Adプラスミドを与えた。Ad24前Adプラスミド内のE4領域が細菌組換えにより容易に修飾されうるよう、pAd24ΔE1の誘導体であるpAd24ΔOrf6BstZ17Iを構築した。pAd24ΔOrf6BstZ17IはAd24 bp32373〜bp33328のE4領域内に欠失を含有し、該欠失の位置に唯一のBstZ17I部位が位置する。pAd24ΔOrf6BstZ17Iの完全配列はbp4〜414およびbp3373〜4580のAd17配列、bp4588〜32372および33329〜34529のAd24、ならびにbp34469〜35098のAd17よりなる(bp番号は、Ad17およびAd24のどちらに関しても、野生型配列に基づく)。
【0039】
pAd24ΔElΔE4Ad5Orf6(E1欠失、およびAd5 Orf6で置換されたE4の欠失を含有するAd24前Adプラスミド)を構築するために、pAd24ΔE1をPmeIおよびBsrGIで消化し、E4領域を表す制限断片(bp31559〜bp35164)をpNEB193内にクローニングしてpNEBAd24E4を得ることにより、Ad24E4シャトルプラスミドを構築した。ついでpNEBAd24E4をAccIおよびEcoNIで消化してE4コード配列を除去し、BslIIおよびXhoI部位(下線部)を含有するように設計されたオリゴ(5’ACTCGAGATGTATAGATCT(配列番号10);5’CTAGATCTATACATCTCGAG(配列番号11))に連結して、pNEBAd24ΔE4を得た。ついでpNEBAd24ΔE4をBglIIおよびXhoIで消化し、Ad5 Orf6遺伝子(これはPCR増幅された)に連結してpNEBAd24ΔE4Ad5Orf6を得た。Ad5 Orf6遺伝子を増幅するために使用したPCRプライマー(5’GCACAGATCTTTGCTTCAGGAATATG(配列番号12);5’GAGAACTCGAGGCCTACATGGGGGTAGAG(配列番号13))は、pNEBAd24DE4断片との連結のためのBglIIおよびXhoI部位(前記下線部)を含有するように設計した。最終工程で、pNEBAd24ΔE4Ad5Orf6E4シャトルプラスミドをPvuIおよびPmeIで消化し、アガロースゲル電気泳動により制限断片をサイズ分画し、Ad24配列に隣接するAd5Orf6を含有する所望の断片をゲル精製した。E4シャトル断片およびpAd24ΔOrf6BstZ17I(これはBstZ17Iでの消化によりE4領域において線状化されている)でのBJ5183細菌の共形質転換は、相同組換えによりpAd24ΔE1ΔE4Ad5Orf6を与えた。潜在的クローンを制限分析によりスクリーニングし、1つのクローンを前アデノウイルスプラスミドpAd24ΔE1ΔE4Ad5Orf6として選択した。
【0040】
pAd24ΔE1ΔOrf6Ad5Orf6(E1欠失、およびAd5 Orf6で置換されたE4 Orf6の欠失を含有するAd24前Adプラスミド)を構築するために、Ad24 Orf6遺伝子がAd5 Orf6により置換されたAd24E4シャトルプラスミドを構築した。これを行うために、Ad24ゲノムのbp32126〜bp33442に相当するEcoRI制限断片(E4 Orf6コード領域を含む)をpNEB193内のEcoRI部位内にサブクローニングしてpNEBAd24Orf6を得た。pNEBAd24Orf6内のE4 Orf6遺伝子を欠失させ、それをAd5 Orf6で置換するために、pNEBAd24Orf6をStyIで消化し、クレノウで処理して末端を平滑化し、ついでEagIで消化した。ついで所望のpNEBAd24Orf6断片を、Ad5 bp33193〜bp24125のAd5 Orf6遺伝子に相当するPCR産物に連結して、pNEBAd24ΔOrf6Ad5Orf6を得た。Ad5 Orf6断片を作製するために使用したPCRプライマー(5’CGAGACGGCCGACGCAGATCTGTTTG(配列番号14);5’GAAGTCCCGGGCTACATGGGGGTAG(配列番号15))は、pNEBAd24Orf6断片との連結のためのEagIおよびSmaI部位(前記下線部)を含有するように設計した。最終工程で、pNEBAd24ΔOrf6Ad5Orf6をEcoRIで消化し、アガロースゲル電気泳動により制限断片をサイズ分画し、Ad24配列に隣接するAd5Orf6を含有する所望の断片をゲル精製した。EcoRI断片およびpAd24ΔOrf6BstZ17I(これはBstZ17Iでの消化によりE4領域において線状化されている)でのBJ5183細菌の共形質転換は、相同組換えによりpAd24ΔE1ΔOrf6Ad5Orf6を与えた。潜在的クローンを制限分析によりスクリーニングし、1つのクローンを前アデノウイルスプラスミドpAd24ΔE1ΔOrf6Ad5Orf6として選択した。
【実施例4】
【0041】
pAd24ΔE1ΔE4Ad5Orf6、pAd24ΔE1ΔOrf6Ad5Orf6のウイルス内へのレスキュー
前アデノウイルスプラスミドpAd24ΔE1ΔE4Ad5Orf6、pAd24ΔE1ΔOrf6Ad5Orf6がC群E1相補性細胞系においてウイルス内にレスキューされ増殖しうるかどうかを確認するために、該プラスミドをそれぞれPmeIで消化し、リン酸カルシウム共沈技術(Cell Phect Transfection Kit,Amersham Pharmacia Biotech Inc.)を用いてT−25フラスコ内のPER.C6細胞内にトランスフェクトした。PmeI消化は該プラスミド配列から該ウイルスゲノムを遊離して、細胞進入後にウイルス複製を引き起こした。ウイルスの複製および増幅が生じていることを示すウイルス細胞変性効果(CPE)が両方の構築物で観察された。トランスフェクションの約7〜10日後に完全なCPEが認められたら、感染細胞および培地を回収し、3回、凍結/解凍し、遠心分離により細胞残渣をペレット化した。約1mlの該細胞ライセートを使用して、T−225フラスコ内のPER.C6細胞に80〜90%のコンフルエンスで感染させた。CPEが生じたら、感染細胞および培地を回収し、3回、凍結/解凍し、遠心分離により細胞残渣をペレット化した。ついで清澄化細胞ライセートを使用して、2層のNUNC細胞ファクトリー(factory)のPER.C6細胞に感染させた。完全なCPEの後、該ウイルスをCsCl密度勾配上の超遠心分離により精製した。レスキューされたウイルスの遺伝的構造を確認するために、プロナーゼ処理およびそれに続くフェノールクロロホルム抽出およびエタノール沈殿により、ウイルスDNAを抽出した。ついでウイルスDNAをHindIIIで消化し、クレノウフラグメントで処理して、該制限断片をP33−dATPで末端標識した。ついで該末端標識制限断片をゲル電気泳動によりサイズ分画し、オートラジオグラフィーにより可視化した。該消化産物を、それが由来する(標識前にPme1/HindIIIで消化された)対応する前アデノウイルスプラスミドの消化産物と比較した。予想サイズが観察され、このことは、該ウイルスが成功裏にレスキューされたことを示している。
【実施例5】
【0042】
Ad24に基づくベクターの増殖動力学の比較
Ad24ΔE1、Ad24ΔE1Ad5Orf6、Ad24ΔE1ΔE4Ad5Orf6およびAd24ΔE1ΔOrf6Ad5Orf6の増殖動力学を比較するために、1工程増殖曲線を作製した(図4)。60mmディッシュ内のPER.C6細胞にAd24ΔE1、Ad24ΔE1Ad5Orf6、Ad24ΔE1ΔE4Ad5Orf6およびAd24ΔE1ΔOrf6Ad5Orf6を1vp/細胞で感染させた。ついで細胞および培地を種々の感染後時点で回収し、3回、凍結解凍し、遠心分離により清澄化した。サンプル内に存在するウイルスの量を定量的PCRにより測定した。それを図4に示す。この研究は、Ad25Orf6を含むAd24ベクターが、Ad24ΔE1と比較して、PER.C6細胞において、顕著な増殖上の利点を有することを示している。E1相補性細胞系がAd24 E1領域を発現する場合または同じ血清型のE1およびE4領域を発現する場合(例えば、Ad5 E1/E4発現細胞系)には、本発明は、異種Orf6領域を伴わない組換えAd24ベクターで実施することが可能である。
【実施例6】
【0043】
pAd24ΔE1ΔE4Ad5Orf6、pAd24ΔE1ΔOrf6Ad5Orf6内への発現カセットの挿入
gagまたはSEAP発現カセット(それぞれ図13および14を参照されたい)を前記Ad24前アデノウイルスプラスミド(pAd24ΔE1ΔE4Ad5Orf6、pAd24ΔE1ΔOrf6Ad5Orf6)のE1領域内に導入するために、細菌組換えを利用した。1)ヒトサイトメガロウイルスの最初期遺伝子プロモーター、2)ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV−1)gag(株CAM−1;1526bp)遺伝子のコード配列、および3)ウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナル配列よりなるgag発現カセットを、Ad17シャトルプラスミドpABSAd17−3内のE1欠失内にクローニングして、pABSAd17HCMVgagBGHpAを得た。ITRカセットは、細菌複製起点とアンピシリン耐性遺伝子とを含有するプラスミド配列により分離されたAd17ゲノムの右(bp34469〜35098)および左(bp4〜414およびbp3373〜4580)末端からの配列(図15A〜15Jを参照されたい)を含有する。ITRカセットは、Ad17のE1配列の欠失(bp415〜3372)を含有し、該欠失部分には唯一のSwaI部位が位置する。gag発現カセットは、EcoRI消化により、予め構築されたシャトルプラスミドから得た。該消化後、所望の断片をゲル精製し、クレノウで処理して平滑末端を得、pABSAd17−3内のSwaI部位内にクローニングした。このクローニング工程は、E1平行配向でbp414〜3373のE1欠失内にクローニングされるgag発現カセットを与えた。gagトランスジーンを含有するシャトルベクターを消化して、Ad17 bp4〜414およびbp3373〜4580に隣接するgag発現カセットよりなるDNA断片を得、該断片をアガロースゲル上の電気泳動後に精製した。該シャトルベクター断片とAd24前Adプラスミド(pAd24ΔE1ΔE4Ad5Orf6、pAd24ΔE1ΔOrf6Ad5Orf6)(SwaIでの消化によりE1領域において線状化されている)の1つとでのBJ5183細菌の共形質転換は、相同組換えにより、対応するAd24 gag含有前アデノウイルスプラスミド(pAd24ΔE1gagΔE4Ad5Orf6、pAd24ΔE1gagΔOrf6Ad5Orf6)を与えた。潜在的クローンを制限分析によりスクリーニングした。
【0044】
同様の方法を用いて、SEAP発現カセットを含有するAd24前Adプラスミドを作製した。この場合、1)ヒトサイトメガロウイルスの最初期遺伝子プロモーター、2)ヒト胎盤SEAP遺伝子のコード配列、および3)ウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナル配列よりなるSEAP発現カセットを、Ad17シャトルプラスミドpABSAd17−3内のE1欠失内にクローニングして、pABSAd17HCMVSEAPBGHを得た。SEAP発現カセットは、EcoRI消化により、予め構築されたシャトルプラスミドから得た。該消化後、所望の断片をゲル精製し、クレノウで処理して平滑末端を得、pABSAd17−3内のSwaI部位内にクローニングした。SEAPトランスジーンを含有するシャトルベクターを消化して、Ad17 bp4〜414およびbp3373〜4580に隣接するSEAP発現カセットよりなるDNA断片を得、該断片をアガロースゲル上の電気泳動後に精製した。該シャトルベクター断片とAd24前Adプラスミド(pAd24ΔE1ΔE4Ad5Orf6、pAd24ΔE1ΔOrf6Ad5Orf6)(SwaIでの消化によりE1領域において線状化されている)の1つとでのBJ5183細菌の共形質転換は、相同組換えにより、対応するAd24 SEAP含有前アデノウイルスプラスミド(pAd24ΔE1SEAPΔE4Ad5Orf6、pAd24ΔE1SEAPΔOrf6Ad5Orf6)を与えた。潜在的クローンを制限分析によりスクリーニングした。前記のとおり、CsCl精製ストックを得るために、すべての前Adプラスミドをウイルス内にレスキューし、増殖させた。
【実施例7】
【0045】
インビボ免疫原性
A.免疫化
3〜6匹の動物のコホートに、第0週および第4週に、以下の構築物のいずれかの筋肉内注射を行った:(1)1011vp MRKAd5−HIVl gag、(2)1010vp MRKAd5−HIV1 gag、(3)1011vpのAd24ΔElgagΔOrf6Ad5Orf6、(4)1010vpのAd24ΔElgagΔOrf6Ad5Orf6、または(5)1010vpのAd24ΔElgagΔE4Ad5Orf6。アカゲザルは体重3〜10kgであった。すべての場合において、各ワクチンの全用量を1mLのバッファーに懸濁させた。該サルを麻酔(ケタミン/キシラジン)し、ツベルクリンシリンジ(Becton−Dickinson,Franklin Lakes,NJ)を使用して該ワクチンを0.5mLのアリコートで両方の三角筋に筋肉内投与した。該免疫化計画中のいくつかの時点(典型的には4週間隔)で集めた血液サンプルから末梢血単核細胞(PBMC)を調製した。すべての動物の世話および扱いは、Guide for Care and Use of Laboratory Animals,Institute of Laboratory Animal Resources,National Research Councilに記載されている原則に従いInstitutional Animal Care and Use Committeeにより承認されている基準に従い行った。
【0046】
B.ELISPOTアッセイ
アカゲザルに対するIFNγELISPOTアッセイを、いくつかの修飾を伴う既に記載されているプロトコール(Allenら,2001 J.Virol.75(2):738−749;Casimiroら,2002 J.Virol.76:185−94)に従い行った。抗原特異的刺激のために、10−aaの重複を伴う全HIV−1 gag配列を含む20−aaペプチド(Synpep Corp.,Dublin,CA)からペプチドプールを調製した。各ウェルに、50μLの2〜4×10個の末梢血単核細胞(PBMC)を加え、80フェムトリットル(「fL」)に設定された下方(lower)サイズカットオフを有するBeckman Coulter Z2粒子分析装置を使用して、該細胞を計数した。50μLの培地または該gagペプチドプール(8μg/mL濃度/ペプチド)を該PBMCに加えた。該サンプルを37℃、5% COで20〜24時間インキュベートした。相応してスポットを展開し、特製イメージャー、およびImageProプラットフォーム(Silver Spring,MD)に基づく自動計数サブルーチーンを使用して、該プレートを加工した。該計数を10細胞投入に対して正規化した。
【0047】
C.細胞内サイトカイン染色
完全RPMI培地(17×100mm丸底ポリプロピレンチューブ(Sarstedt,Newton,NC)中)内の1mlの2×10 PBMC/mlに、抗hCD28(クローンL293、Becton−Dickinson)および抗hCD49d(クローンL25、Becton−Dickinson)モノクローナル抗体を1μg/mLの最終濃度まで加えた。gag特異的刺激のために、10μLの該ペプチドプール(0.4mg/mL/ペプチド)を加えた。該チューブを37℃で1時間インキュベートし、ついで20μLの5mg/ml ブレフェルジンA(Sigma)を加えた。該細胞を37℃、5% CO、湿度90%で16時間インキュベートした。4mLの冷PBS/2% FBSを各チューブに加え、該細胞を1200rpmで10分間ペレット化した。該細胞をPBS/2% FBSに再懸濁させ、いくつかの蛍光タグ付きmAb:20μL/チューブ 抗hCD3−APC、クローンFN−18(Biosource);20μL 抗hCD8−PerCP、クローンSK1(Becton Dickinson);および20μL 抗hCD4−PE、クローンSK3(Becton Dickinson)を使用して、表面マーカーに関して染色した(30分間、4℃)。この段階からのサンプルの取扱いは暗所で行った。該細胞を洗浄し、750μLの1×FACS Permバッファー(Becton Dickinson)中、室温で10分間インキュベートした。該細胞をペレット化し、PBS/2% FBSに再懸濁させ、0.1μgのFITC抗hIFNγ、クローンMD−1(Biosource)を加えた。30分間のインキュベーションの後、該細胞を洗浄し、PBSに再懸濁させた。Becton Dickinson FACSCalibur装置の全4色チャンネルを使用して、サンプルを分析した。該データを分析するために、低側および前方散乱(low side−and forward−scatter)リンパ球集団をまずゲーティング(gate)した。サイトカイン陽性事象に関する一般的な蛍光カットオフを、CD4およびCD8の両方の集団に対して並びにサンプルの模擬およびgagペプチド反応チューブに対して用いた。
【0048】
D.抗p24 ELISA
Coulter p24 Antigen Assayキット(Beckman Coulter,Fullerton,CA)の試薬を使用する修飾された競合抗p24アッセイを開発した。簡潔に説明すると、250μLの血清サンプル、20μLのLyse Bufferおよび15μLのp24抗原(9.375pg)(Coulterキットのもの)を加えた。混合後、200μLの各サンプルを、Coulterキットのマウス抗p24 mAbでコートされたウェルに加え、37℃で1.5時間インキュベートした。ついで該ウェルを洗浄し、Coulterキットの200μLのBiotin Reagent(ポリクローナル抗p24−ビオチン)を各ウェルに加えた。37℃で1時間のインキュベーション後、Coulter Kitに記載されているとおりにストレプトアビジン結合ホースラディッシュペルオキシダーゼおよびTMB基質を使用して、検出を行った。OD450nm値を記録した。HIV血清陽性個体からの血清の系列2倍希釈物を用いて、7点標準曲線を作成した。該アッセイの下方(lower)カットオフは、血清陽性ヒト血清の希釈度により定められる10ミリメルク単位/mL(mMU/mL)で任意に設定される。このカットオフは、希釈剤対照のみ及び非陽性アナライトで得られるものに対応する最大結合対照シグナルの65%に相当する。
【0049】
E.結果
一定の4週間隔で集めたPBMCをELISPOTアッセイにおいて分析した(図6)。Ad24ΔE1gagΔOrf6Ad5Orf6およびAd24ΔE1gagΔE4Ad5Orf6の両方は、非ヒト霊長類において有意なレベルのgag特異的T細胞を誘導することが可能であった。1011vp用量レベルでは、Ad24誘導性応答はMRKAd5−HIV1 gagの場合の2〜3倍以内であった。また、どちらのAd24ベクターも、1010vpで、検出可能なレベルのgag特異的T細胞を誘導することが可能であったが、それは、同じ用量のMRKad5gagを使用した場合に観察されたものより低かった。
【0050】
第12週にワクチン被接種者から集めたPBMCを、初回免疫後の細胞内IFNγ染色に関して分析した。該アッセイ結果は末梢血中のCD4およびCD8 gag特異的T細胞の相対量に関する情報を提供した(図7)。該結果は、該初回−追加免疫アプローチがHIV特異的CD4およびCD8 T細胞の両方をアカゲザルにおいて惹起しうることを示した。
【0051】
F.体液性免疫応答
Ad24に基づくワクチンベクターは、合理的に高い用量レベルで、検出可能なレベルの循環抗gag抗体を生成することが可能であった(図8)。1010vp以下では、検出可能な力価は観察されなかったが、このことは用量依存的応答の存在を示唆している。
【実施例8】
【0052】
インビボでのトランスジーンの発現
A.免疫化
5匹のC3H/HeNマウスのコホートに以下のベクターの1つの1回の筋肉内注射を行った:(1)1010vp Ad24ΔElSEAPΔE4Ad5Orf6、(2)1010vp Ad24ΔElSEAPΔOrf6Ad5Orf6、(3)1010vp MRKAd5SEAP、および(4)109vp MRKAd5SEAP。雌マウスは4〜10週齢であった。各ワクチンの全用量を0.1mLのバッファーに懸濁させた。該ベクターを該動物のそれぞれの四頭筋に、50μL/四頭筋(quad)の容量で、0.3mL 28G1/2インスリンシリンジ(Becton−Dickinson,Franklin Lakes,NJ)を使用して投与した。霊長類の場合には、各ワクチンの全用量を1mLのバッファーに懸濁させた。該サルを麻酔し(ケタミン/キシラジン混合物)、ツベルクリンシリンジ(Becton−Dickinson,Franklin Lakes,NJ)を使用して該ワクチンを0.5mLのアリコートで2つの筋肉部位に筋肉内投与した。血液サンプルを一定間隔で集め、アッセイ日まで凍結保存した。すべての動物の世話および扱いは、Guide for Care and Use of Laboratory Animals,Institute of Laboratory Animal Resources,National Research Councilに記載されている原則に従いInstitutional Animal Care and Use Committeeにより承認されている基準に従い行った。
【0053】
B.SEAPアッセイ
TROPIXホスファ−光化学発光キット(Applied Biosystems Inc)を使用して、循環SEAPレベルに関して血清サンプルを分析した。各血清の二重の5μLアリコートを、96ウェル白色DYNEXプレート中、45μLのキット供給希釈バッファーと混合した。10% ナイーブサル血清中のヒト胎盤アルカリホスファターゼ(カタログ番号M5905,Sigma,St.Louis,MO)の系列希釈溶液を標準曲線の作成に使用した。サンプル中の内因性SEAP活性を、該ウェルを65℃で30分間加熱することにより不活性化した。サンプル中の酵素SEAP活性を、該キットに記載されている方法に従い測定した。DYNEXルミノメーターを使用して、化学発光読取値(単位は相対光単位)を記録した。log−log回帰分析を用いて、RLU読取値はng/mL SEAPに変換される。
【0054】
C.げっ歯類における結果
該注射前および後の血清サンプルを循環SEAP活性に関して分析した。結果を図9に示す。結果は、(1)両方のAd24構築物がすべて、比較しうるレベルまで、SEAPトランスジーンをインビボで発現しうること、および(2)該Ad24ベクターを使用して達成された発現のレベルが、10倍低い用量のAd5の場合と比較しうることを示している。血清中のSEAPのレベルは第2日以降に劇的に低下し、第12日までにバックグラウンドレベルに達した。
【0055】
D.霊長類における結果
3匹のアカゲザルのコホートに以下のベクターの1つの1回の筋肉内注射を行った:(1)1011vp MRKAd5−SEAP、(2)109vp MRKAd5−SEAP、(3)1011vp Ad24ΔElSEAPΔOrf6Ad5Orf6、または(4)1011vp Ad24ΔElSEAPΔE4Ad5Orf6。雌マウスは4〜10週齢であった。該注射前および後の血清サンプルを循環SEAP活性に関して分析した。結果を図10に示す。
【0056】
結果は、アデノウイルス血清型24により産生されたSEAP産物のピークレベルが、1011vpの同じ高用量レベルで、MRKAd5の場合より低いが、MRKAd5の場合の3倍以内であったことを示している(図10)。アデノウイルス血清型24で観察されたレベルは、一般には、109vpのMRKAd5を使用して観察されたものより50倍高い。血清中のSEAPのレベルは第10日以降に劇的に低下し、早くも第15日にはバックグラウンド付近であった。これらの観察は、アデノウイルス血清型24が、霊長類における筋肉内投与後に、トランスジーンの発現を非常に効率的にもたらすことを強く示している。
【実施例9】
【0057】
pMRKAd24ΔE1ΔE4Ad5Orf6の構築
pMRKAd24ΔElΔE4Ad5Orf6(全体的にAd24配列から構成され、E1欠失と、Ad5 Orf6で置換されたE4欠失とを含有するAd24前Adプラスミド)を構築するために、細菌複製起点とアンピシリン耐性遺伝子とを含有するプラスミド配列により分離されたAd24ゲノムの右(bp31978〜32264およびbp34713〜35164)および左(bp4〜450およびbp3364〜3799)末端からの配列を含有するAd24 ITRカセットを構築した。これらの4つのセグメントは、PCRにより作製し、pNEB193内に連続的にクローニングしてpNEBAd24−4を得た。つぎに、Ad5 Orf6オープンリーディングフレーム(Ad5 bp31192〜bp34078)をPCRにより作製し、Ad24 bp32264と34713との間にクローニングしてpNEBAd24E−Ad5Orf6(ITRカセット)を得た。PNEB193は、細菌複製起点、アンピシリン耐性遺伝子、および該PCR産物が導入されるマルチクローニング部位を含有する一般に使用されている商業的に入手可能なクローニングプラスミド(New England Biolabs cat# N3051S)である。該ITRカセットは、Ad24 bp451〜3363のE1配列の欠失(該欠失部分には唯一のSwaI部位が位置する)およびAd24 bp32265〜34712のE4欠失(この欠失内にはAd5 Orf6がE4平行配向で導入されている)を含有する。この構築物においては、Ad5 Orf6発現はAd24 E4プロモーターにより駆動される。該ITRカセット内のAd24配列(bp31978〜32264およびbp3464〜3799)は精製Ad24ウイルスDNAに対する相同領域を与え、BJ5183細菌内への共形質転換後、この領域内で細菌組換えが生じうる(図11)。また、該ITRカセットは、消化によりプラスミド配列から組換えAd24ゲノムが遊離されるよう、該ウイルスITRの末端に位置する唯一の制限酵素部位(PmeI)を含有するように設計した。潜在的なクローンを制限分析によりスクリーニングし、1つのクローンをpMRKAd24ΔElΔE4Ad5Orf6として選択した。前アデノウイルスプラスミドpMRKAd24ΔElΔE4Ad5Orf6は、bp32264とbp34713との間にクローニングされたAd5Orf6と共に、bp4〜450、bp3364〜bp32264およびbp34713〜bp35164のAd24配列を含有すべきである。前記におけるbpの番号付けは、Ad24およびAd5のどちらに関しても、野生型配列に基づく。
【実施例10】
【0058】
pAd24ΔE1ΔE4Ad5Orf6内へのHIV−1 gagおよびSEAPトランスジーンの挿入
gagまたはSEAP発現カセットをpMRKAd24ΔE1ΔE4Ad5Orf6のE1領域内に導入するために、細菌組換えを利用する。HIV−1 gag発現カセットは以下のものよりなる:1)ヒトサイトメガロウイルスの最初期遺伝子プロモーター、2)ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV−1)gag(株CAM−1;1526bp)遺伝子のコード配列、および3)ウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナル配列。これをAd24シャトルプラスミドpNEBAd24−2(前記Ad24 ITRカセットの前駆体)内のE1欠失内にクローニングして、pNEBAd24CMVgagBGHpAを得る。pNEBAd24−2は、E1欠失を定める、該ゲノムの左末端からのAd24配列(bp4〜450およびbp3364〜3799)を含有する。gag発現カセットは、予め構築されたプラスミドから得られ、bp450〜3364のE1欠失内にE1平行配向でクローニングされる。gagトランスジーンを含有するシャトルベクターを消化して、Ad24 bp4〜450およびbp3364〜3799に隣接するgag発現カセットよりなるDNA断片を得、該断片をアガロースゲル上の電気泳動後に精製する。該シャトルベクター断片およびpMRKAd24ΔE1ΔE4Ad5Orf6(SwaIでの消化によりE1領域において線状化されている)でのBJ5183細菌の共形質転換は、相同組換えにより、Ad24 gag含有前アデノウイルスプラスミドpMRKAd24ΔE1gagΔE4Ad5Orf6を与えるはずである。潜在的クローンを制限分析によりスクリーニングする。
【0059】
同様の方法を用いて、SEAP発現カセットを含有するAd24前Adプラスミドを作製する。この場合、SEAP発現カセットは、1)ヒトサイトメガロウイルスの最初期遺伝子プロモーター、2)ヒト胎盤SEAP遺伝子のコード配列、および3)ウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナル配列よりなる。これを、Ad24シャトルプラスミドpNEBAd24−2内のE1欠失内にクローニングして、pNEBAd24CMVSEAPBGHpAを得る。ついで、gagトランスジーンに関して前記されているとおりに、該トランスジーンをpMRKAd24ΔE1ΔE4Ad5Orf6内に組換える。
【実施例11】
【0060】
インビボ免疫原性
A.免疫化
アカゲザルは体重3〜10kgであった。すべての場合において、各ワクチンの全用量を1mLのバッファーに懸濁させた。該マカクを麻酔(ケタミン/キシラジン)し、ツベルクリンシリンジ(Becton−Dickinson,Franklin Lakes,NJ)を使用して該ワクチンを0.5mLのアリコートで両方の三角筋に筋肉内投与した。該免疫化計画中のいくつかの時点で集めた血液サンプルから末梢血単核細胞(PBMC)を調製した。すべての動物の世話および扱いは、Guide for Care and Use of Laboratory Animals,Institute of Laboratory Animal Resources,National Research Councilに記載されている原則に従いInstitutional Animal Care and Use Committeeにより承認されている基準に従い行った。
【0061】
B.T細胞応答
異種追加刺激抗原としてのAd24ワクチンベクター
まず、4匹のアカゲザルのコホートを10または10 vpのMRKAd5−gag(図16A〜16AXを参照されたい)またはMRKAd6−gag(図17A〜17Nを参照されたい)の3回の投与(第0、4、26週)で免疫した。第56週に、1011vpのAd24ΔE1gagΔOrf6Ad5Orf6の追加抗原刺激ワクチンを該動物に投与した。ナイーブ動物の別のコホートには、1回量の該追加抗原刺激ワクチンを投与した。該研究の経過中に集めたPBMCのIFNγ ELISPOT分析の結果を図18に示す。Ad24 HIVベクターは、HIV特異的T細胞の既存プールを増幅するために使用可能であることが明らかである。追加抗原刺激前のレベルから、追加抗原刺激の4週間後に測定したレベルへの、gag特異的T細胞のレベルの増加は、該ナイーブ動物において同じ追加抗原刺激ワクチンにより誘導されたレベルより一貫して大きかった。異種MRKAd5/MRKAd6−Ad24追加抗原刺激計画のワクチン被接種動物からのPBMCを、初回免疫後の細胞内IFNγ染色に関して分析した(第60週)。該アッセイ結果は末梢血中のCD4およびCD8 gag特異的T細胞の相対量に関する情報を提供した(図19)。該結果は、異種初回−追加免疫アプローチがHIV特異的CD4およびCD8 T細胞の両方をアカゲザルにおいて惹起しうることを示した。
【0062】
異種初回刺激抗原としてのAd24ワクチンベクター
別の研究において、まず、3匹のアカゲザルのコホートを1011 vpのAd24ΔElgagΔOrf6Ad5Orf6の2回の投与(第0および4週)で免疫し、第24週に10 vpのMRKAd5−gagで追加抗原刺激した。MRKAd5−gagのこの低い用量は、対象における該ベクターに対する既存中和免疫の効果を模擬するために選択される。ナイーブ動物の別のコホートには1回量の10 vp MRKAd5−gagを投与した。該研究の経過中に集めたPBMCのIFNγ ELISPOT分析の結果を図20に示す。
【0063】
Ad24に基づくワクチンは、マカクにおけるHIV特異的T細胞応答に対して有効に初回抗原刺激することが可能であった。低用量のMRKAd5−gagでの追加抗原刺激はgag特異的T細胞のレベルにおける有意な増加をもたらした。3匹中2匹の動物における増加は、同じ低い用量のMRKAd5−gagでのナイーブ動物の処理の後に典型的に観察されるレベルを上回った。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1は、pAd24ΔE1を回収するために用いる相同組換え法を示す。
【図2】図2は、pAd24ΔE1Ad5Orf6を回収するために用いる相同組換え法を示す。
【図3】図3は、作製したAd24組換え体におけるE4領域の配置を示す。
【図4】図4は、PER.C6細胞における、Ad24に基づくベクターの増殖動力学を示す。
【図5A−1】図5A−1〜5A−10は、野生型アデノウイルス血清型24の核酸配列(配列番号1)を示す。Ad24のATCC産物番号はVR−259である。
【図5A−2】図5A−1〜5A−10は、野生型アデノウイルス血清型24の核酸配列(配列番号1)を示す。Ad24のATCC産物番号はVR−259である。
【図5A−3】図5A−1〜5A−10は、野生型アデノウイルス血清型24の核酸配列(配列番号1)を示す。Ad24のATCC産物番号はVR−259である。
【図5A−4】図5A−1〜5A−10は、野生型アデノウイルス血清型24の核酸配列(配列番号1)を示す。Ad24のATCC産物番号はVR−259である。
【図5A−5】図5A−1〜5A−10は、野生型アデノウイルス血清型24の核酸配列(配列番号1)を示す。Ad24のATCC産物番号はVR−259である。
【図5A−6】図5A−1〜5A−10は、野生型アデノウイルス血清型24の核酸配列(配列番号1)を示す。Ad24のATCC産物番号はVR−259である。
【図5A−7】図5A−1〜5A−10は、野生型アデノウイルス血清型24の核酸配列(配列番号1)を示す。Ad24のATCC産物番号はVR−259である。
【図5A−8】図5A−1〜5A−10は、野生型アデノウイルス血清型24の核酸配列(配列番号1)を示す。Ad24のATCC産物番号はVR−259である。
【図5A−9】図5A−1〜5A−10は、野生型アデノウイルス血清型24の核酸配列(配列番号1)を示す。Ad24のATCC産物番号はVR−259である。
【図5A−10】図5A−1〜5A−10は、野生型アデノウイルス血清型24の核酸配列(配列番号1)を示す。Ad24のATCC産物番号はVR−259である。
【図6】図6は、MRKAd5−HIVgagおよびAd24 HIVベクターで免疫されたサルにおけるgag特異的T細胞応答を表形式で示す。Gagペプチドプールの非存在下(模擬)または存在下でインキュベートした後の百万個のPBMC当たりのスポット形成細胞の数が示されている。
【図7】図7は、1011vpのMRKAd5−HIV1gagおよびAd24ΔE1gagΔOrf6Ad5Orf6で免疫されたサルにおけるgag特異的T細胞の特徴づけを表形式で示す。gag特異的CD4+またはgag特異的CD8+であるCD3+ T細胞の比率(%)が示されている。これらの値は模擬値(<0.03%)に対して補正した。
【図8】図8は、gagを発現するアデノウイルスベクターで免疫されたマカクにおける個々の抗p24力価(mMU/mL単位)を示す。
【図9】図9は、1010vp用量のAd24ベクターを使用した場合のC3H/HeNマウスにおけるSEAPのインビボ発現を示す。該ベクターを筋肉内に注射し、SEAP発現レベルを血清サンプルから測定した。2つの追加的なコホートには1010vpおよび109vpのAd5ベクターを投与した。5匹のマウスの各コホートについての相乗平均が示されている。
【図10】図10は、アカゲザルにおいてMRKAd5およびAd24ベクターを使用した場合のインビボSEAP発現を示す。3匹のサルのコホートについてのSEAPレベルの相乗平均が示されている。棒線には、相乗平均の標準誤差が示されている。
【図11】図11は、pAd24ΔE1ΔE4Ad5Orf6を回収するために用いる相同組換え法を示す。
【図12】図12は、最適化ヒトHIV−1 gagオープンリーディングフレームの核酸配列(配列番号3)を示す。
【図13】図13は、gag発現カセットをコードする核酸配列(配列番号4)を示す。この図の種々の領域は以下のとおりである。(1)ヒトサイトメガロウイルスの最初期遺伝子プロモーター領域をコードする核酸配列の第1の下線付きセグメント。(2)下線無しの小文字の第1のセグメント。このDNAセグメントは簡便な制限酵素部位を含有する。(3)HIV−1 gagのコード配列を含有する大文字の領域。(4)下線無しの小文字の第2のセグメント。このDNAセグメントは簡便な制限酵素部位を含有する。(5)第2の下線付きセグメント。このセグメントは、ウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナル配列をコードする核酸配列を含有する。
【図14】図14は、SEAP発現カセットをコードする核酸配列(配列番号5)を示す。この図の種々の領域は以下のとおりである。(1)ヒトサイトメガロウイルスの最初期遺伝子プロモーター領域をコードする核酸配列の第1の下線付きセグメント。(2)下線無しの小文字の第1のセグメント。このDNAセグメントは簡便な制限酵素部位を含有する。(3)ヒト胎盤SEAP遺伝子のコード配列を含有する大文字の領域。(4)下線無しの小文字の第2のセグメント。このDNAセグメントは簡便な制限酵素部位を含有する。(5)第2の下線付きセグメント。このセグメントは、ウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナル配列をコードする核酸配列を含有する。
【図15A−1】図15A−1〜15A−10は野生型アデノウイルス血清型17の核酸配列(配列番号6;アクセッション番号AF108105)を示す。
【図15A−2】図15A−1〜15A−10は野生型アデノウイルス血清型17の核酸配列(配列番号6;アクセッション番号AF108105)を示す。
【図15A−3】図15A−1〜15A−10は野生型アデノウイルス血清型17の核酸配列(配列番号6;アクセッション番号AF108105)を示す。
【図15A−4】図15A−1〜15A−10は野生型アデノウイルス血清型17の核酸配列(配列番号6;アクセッション番号AF108105)を示す。
【図15A−5】図15A−1〜15A−10は野生型アデノウイルス血清型17の核酸配列(配列番号6;アクセッション番号AF108105)を示す。
【図15A−6】図15A−1〜15A−10は野生型アデノウイルス血清型17の核酸配列(配列番号6;アクセッション番号AF108105)を示す。
【図15A−7】図15A−1〜15A−10は野生型アデノウイルス血清型17の核酸配列(配列番号6;アクセッション番号AF108105)を示す。
【図15A−8】図15A−1〜15A−10は野生型アデノウイルス血清型17の核酸配列(配列番号6;アクセッション番号AF108105)を示す。
【図15A−9】図15A−1〜15A−10は野生型アデノウイルス血清型17の核酸配列(配列番号6;アクセッション番号AF108105)を示す。
【図15A−10】図15A−1〜15A−10は野生型アデノウイルス血清型17の核酸配列(配列番号6;アクセッション番号AF108105)を示す。
【図16A−1】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−2】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−3】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−4】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−5】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−6】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−7】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−8】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−9】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−10】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−11】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−12】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−13】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−14】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−15】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−16】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−17】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−18】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−19】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−20】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−21】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−22】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−23】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−24】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−25】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−26】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−27】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−28】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−29】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−30】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−31】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−32】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−33】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−34】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−35】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−36】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−37】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−38】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−39】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−40】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−41】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−42】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−43】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−44】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−45】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−46】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図16A−47】図16A−1〜16A−47はpMRKAd5HIV−1 gagベクターのヌクレオチド配列(配列番号7[コード]および配列番号8[非コード])を示す。
【図17A−1】図17A−1〜17−A−14はAd6ゲノムの核酸配列(配列番号9)を示す。
【図17A−2】図17A−1〜17−A−14はAd6ゲノムの核酸配列(配列番号9)を示す。
【図17A−3】図17A−1〜17−A−14はAd6ゲノムの核酸配列(配列番号9)を示す。
【図17A−4】図17A−1〜17−A−14はAd6ゲノムの核酸配列(配列番号9)を示す。
【図17A−5】図17A−1〜17−A−14はAd6ゲノムの核酸配列(配列番号9)を示す。
【図17A−6】図17A−1〜17−A−14はAd6ゲノムの核酸配列(配列番号9)を示す。
【図17A−7】図17A−1〜17−A−14はAd6ゲノムの核酸配列(配列番号9)を示す。
【図17A−8】図17A−1〜17−A−14はAd6ゲノムの核酸配列(配列番号9)を示す。
【図17A−9】図17A−1〜17−A−14はAd6ゲノムの核酸配列(配列番号9)を示す。
【図17A−10】図17A−1〜17−A−14はAd6ゲノムの核酸配列(配列番号9)を示す。
【図17A−11】図17A−1〜17−A−14はAd6ゲノムの核酸配列(配列番号9)を示す。
【図17A−12】図17A−1〜17−A−14はAd6ゲノムの核酸配列(配列番号9)を示す。
【図17A−13】図17A−1〜17−A−14はAd6ゲノムの核酸配列(配列番号9)を示す。
【図17A−14】図17A−1〜17−A−14はAd6ゲノムの核酸配列(配列番号9)を示す。
【図18】図18は、異種Ad5/Ad6初回−Ad24追加抗原刺激計画に従い免疫されたアカゲザルにおけるgag特異的T細胞応答を示す。a.模擬、ペプチド無し:gag、全gag配列を含む20マーペプチドプール;b:2または3用量の該初回ワクチンの投与後のピーク応答;c:追加抗原刺激の3週間前;d:追加抗原刺激の4週間後;e:ND,測定せず。
【図19】図19は、Ad24追加免疫(第60週)後に測定したgag特異的CD8細胞またはgag特異的CD4細胞であるCD3Tリンパ球の比率(%)を表形式で示す。数字は、gag特異的CD4+またはgag特異的CD8+細胞である循環CD3+Tリンパ球の比率(%)を表す。模擬値(0.01%以下)が差し引かれている。
【図20】図20は、異種Ad24初回−Ad5追加抗原刺激法に従い免疫されたアカゲザルにおけるgag特異的T細胞応答を示す。a.模擬、ペプチド無し:gag、全gag配列を含む20マーペプチドプール;b:2用量の該初回ワクチンの投与後のピーク応答;c:第24週;d:追加抗原刺激の4週間後;e:ND,測定せず。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的にE1において欠失しておりE1活性を欠く血清型24の組換えアデノウイルスベクター。
【請求項2】
請求項1記載の組換えアデノウイルスベクターを含んでなる細胞の集団。
【請求項3】
(a)請求項1記載の組換えアデノウイルスベクターを細胞の集団内にトランスフェクトし、
(b)生じた組換え複製欠損型アデノウイルスを回収することを含んでなる、組換え複製欠損型アデノウイルス粒子の製造方法。
【請求項4】
請求項3記載の製造方法により回収された、精製された組換え複製欠損型アデノウイルス粒子。
【請求項5】
請求項4記載の精製された組換えアデノウイルス粒子を含んでなる組成物。
【請求項6】
生理的に許容される担体を含む、請求項5記載の組成物。
【請求項7】
異種核酸を含んでなる、少なくとも部分的にE1において欠失しておりE1活性を欠く血清型24の組換えアデノウイルスベクター。
【請求項8】
請求項7記載の組換えアデノウイルスベクターを含んでなる細胞の集団。
【請求項9】
(a)請求項7記載の組換えアデノウイルスベクターを細胞の集団内にトランスフェクトし、
(b)生じた組換え複製欠損型アデノウイルスを回収することを含んでなる、組換え複製欠損型アデノウイルス粒子の製造方法。
【請求項10】
該ベクターが、
(a)タンパク質をコードする核酸、
(b)該タンパク質をコードする核酸に機能しうる形で連結された異種プロモーター、および
(c)転写終結配列
を含む遺伝子発現カセットを含む、請求項7記載の組換えベクター。
【請求項11】
遺伝子発現カセットがE1領域内に挿入されている、請求項10記載の組換えベクター。
【請求項12】
異種核酸が、ヒト宿主における発現に関して最適化されたコドンを含む、請求項7記載の組換えベクター。
【請求項13】
E1欠失内に異種核酸を含む、請求項7記載の組換えベクター。
【請求項14】
少なくとも部分的にE3において欠失している、請求項7記載の組換えベクター。
【請求項15】
請求項9記載の製造方法により回収された、精製された組換え複製欠損型アデノウイルス粒子。
【請求項16】
請求項9記載の精製された組換えアデノウイルス粒子を含んでなる組成物。
【請求項17】
生理的に許容される担体を含む、請求項16記載の組成物。
【請求項18】
異種核酸の投与の前または後に、請求項16記載の組成物を、同じ又は異なるベクターで投与することを含んでなる、該異種核酸の運搬および発現を行うための方法。
【請求項19】
該組成物の投与の前または後に、異なる血清型のアデノウイルスで異種核酸を投与する、請求項18記載の方法。
【請求項20】
異種核酸がHIV抗原をコードする、請求項16記載の組成物。
【請求項21】
請求項20記載の組成物を個体に投与することを含んでなる、該個体においてHIVに対する細胞性免疫応答を生成させるための方法。
【請求項22】
HIV抗原がHIV−1 gagまたはその免疫学的に関連した修飾体である、請求項21記載の組成物。
【請求項23】
HIV抗原がHIV−1 nefまたはその免疫学的に関連した修飾体である、請求項21記載の組成物。
【請求項24】
HIV抗原がHIV−1 polまたはその免疫学的に関連した修飾体である、請求項21記載の組成物。
【請求項25】
HIV−1遺伝子を含んでなる、少なくとも部分的にE1において欠失しておりE1活性を欠く血清型24の組換えアデノウイルスベクター。
【請求項26】
請求項25記載の組換えアデノウイルスベクターを含んでなる細胞の集団。
【請求項27】
(a)請求項25記載の組換えアデノウイルスベクターを細胞の集団内にトランスフェクトし、
(b)生じた組換え複製欠損型アデノウイルスを回収することを含んでなる、組換え複製欠損型アデノウイルス粒子の製造方法。
【請求項28】
請求項27記載の製造方法により回収された、精製された組換え複製欠損型アデノウイルス粒子。
【請求項29】
請求項28記載の精製された組換えアデノウイルス粒子を含んでなる組成物。
【請求項30】
生理的に許容される担体を含む、請求項29記載の組成物。
【請求項31】
HIV−1遺伝子の投与の前または後に、請求項30記載の組成物を、同じ又は異なるベクターで投与することを含んでなる、HIV−1遺伝子の運搬および発現を行うための方法。
【請求項32】
該組成物の投与の前または後に、異なる血清型のアデノウイルスでHIV−1遺伝子を投与する、請求項31記載の方法。
【請求項33】
請求項29記載の組成物を個体に投与することを含んでなる、該個体においてHIVに対する細胞性免疫応答を生成させるための方法。
【請求項34】
HIV抗原がHIV−1 gagまたはその免疫学的に関連した修飾体である、請求項29記載の組成物。
【請求項35】
HIV抗原がHIV−1 nefまたはその免疫学的に関連した修飾体である、請求項29記載の組成物。
【請求項36】
HIV抗原がHIV−1 polまたはその免疫学的に関連した修飾体である、請求項29記載の組成物。
【請求項37】
(a)HIV−1 gag抗原またはその免疫学的に関連した修飾体をコードする遺伝子を含み少なくとも部分的にE1において欠失しておりE1活性を欠く血清型5の組換えアデノウイルスベクターを哺乳類宿主に接種し、ついで
(b)HIV−1 gag抗原またはその免疫学的に関連した修飾体をコードする遺伝子を含み少なくとも部分的にE1において欠失しておりE1活性を欠く血清型24の組換えアデノウイルスベクターを含む追加抗原を該哺乳類宿主に接種する工程を含んでなる、HIV−1 gagに対する増強された免疫応答を哺乳類宿主において誘導するための方法。
【請求項38】
(a)HIV−1 gag抗原またはその免疫学的に関連した修飾体をコードする遺伝子を含み少なくとも部分的にE1において欠失しておりE1活性を欠く血清型6の組換えアデノウイルスベクターを哺乳類宿主に接種し、ついで
(b)HIV−1 gag抗原またはその免疫学的に関連した修飾体をコードする遺伝子を含み少なくとも部分的にE1において欠失しておりE1活性を欠く血清型24の組換えアデノウイルスベクターを含む追加抗原を該哺乳類宿主に接種する工程を含んでなる、HIV−1 gagに対する増強された免疫応答を哺乳類宿主において誘導するための方法。
【請求項39】
(a)HIV−1 gag抗原またはその免疫学的に関連した修飾体をコードする遺伝子を含み少なくとも部分的にE1において欠失しておりE1活性を欠く血清型24の組換えアデノウイルスベクターを哺乳類宿主に接種し、ついで
(b)HIV−1 gag抗原またはその免疫学的に関連した修飾体をコードする遺伝子を含み少なくとも部分的にE1において欠失しておりE1活性を欠く血清型5の組換えアデノウイルスベクターを含む追加抗原を該哺乳類宿主に接種する工程を含んでなる、HIV−1 gagに対する増強された免疫応答を哺乳類宿主において誘導するための方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A−1】
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【図5A−2】
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【図5A−3】
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【図5A−4】
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【図5A−5】
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【図5A−6】
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【図5A−7】
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【図5A−8】
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【図5A−9】
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【図5A−10】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A−1】
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【図15A−2】
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【図15A−3】
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【図15A−4】
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【図15A−5】
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【図15A−6】
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【図15A−7】
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【図15A−8】
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【図15A−9】
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【図15A−10】
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【図16A−1】
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【図16A−2】
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【図16A−9】
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【図16A−11】
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【図16A−12】
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【図16A−13】
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【図16A−14】
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【図16A−15】
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【図16A−18】
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【図16A−19】
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【図16A−20】
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【図16A−21】
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【図16A−22】
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【図16A−23】
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【図16A−24】
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【図16A−25】
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【図16A−26】
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【図16A−27】
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【図16A−28】
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【図16A−29】
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【図16A−30】
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【図16A−31】
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【図16A−32】
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【図16A−33】
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【図16A−34】
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【図16A−35】
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【図16A−36】
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【図16A−37】
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【図16A−38】
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【図16A−39】
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【図16A−40】
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【図16A−41】
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【図16A−42】
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【図16A−43】
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【図16A−44】
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【図16A−45】
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【図16A−46】
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【図16A−47】
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【図17A−1】
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【図17A−2】
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【図17A−3】
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【図17A−4】
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【図17A−5】
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【図17A−6】
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【図17A−7】
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【図17A−8】
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【図17A−9】
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【図17A−10】
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【図17A−11】
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【図17A−12】
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【図17A−13】
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【図17A−14】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2006−513714(P2006−513714A)
【公表日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−569674(P2004−569674)
【出願日】平成15年8月21日(2003.8.21)
【国際出願番号】PCT/US2003/026338
【国際公開番号】WO2004/083418
【国際公開日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】