説明

アトマイザ及び流体を噴霧化する方法

【課題】特に正確な計量が簡単な手段で、及び、容易な操作で可能であり、特に、プライミングが全く不要であるようにするアトマイザ、方法、及び、かかるアトマイザの使用を提供する。
【解決手段】流体(2)をノズル(12)から個々の容器内に計量小出しして噴霧化するアトマイザ(1)及び方法が開示される。投与精度を向上させるため、ノズル(12)を洗い流した予備量の流体(2)を小出しし、その後に各投与分を小出しする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載された方法及びアトマイザの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第91/14468(A1)号パンフレットに全般的に開示され、特に国際公開第97/12687(A1)号パンフレット(図6a及び図6b)、並びに、本明細書に添付された図面の図1及び図2に示されている吸入器の形態をした“Respimat”という商標名で市販されているアトマイザが知られている。アトマイザは、噴霧化されるべき流体のリザーバとしての挿入可能な容器、駆動ばねを備えた圧力発生器及び流体を噴出させて噴霧化するノズルを有する。
【0003】
容器を先ず最初に使用し、又は、任意の期間にわたって未使用状態のままであった後、流体を次に噴出させて噴霧化したとき、圧力発生器、又は、ノズルシステム内の空気により計量精度に悪影響が生じる場合がある。これは、次の噴出及び噴霧化の際にはそうはならない。というのは、存在していた空気が流体によって置き換えられるからである。したがって、アトマイザを最初に使用する前、及び、長い未使用期間後においては、少なくとも1回の流体投与分を吸入しないで放出することが推奨される。この予備作動は、「プライミング」とも呼ばれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第91/14468(A1)号パンフレット
【特許文献2】国際公開第97/12687(A1)号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
プライミングにより、流体の消費量が増大し、しかも、ユーザの側において、特定の注意が必要である。
【0006】
本発明の目的は、特に正確な計量が簡単な手段で、及び、容易な操作で可能であり、特に、プライミングが全く不要であるようにするアトマイザ、方法、及び、かかるアトマイザの使用を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1記載の方法によって達成される。有利な別の特徴は、引用形式(従属形式)の請求項に記載されている内容である。
本発明の基本的な技術的思想は、各場合において、問題のアトマイザのノズル、及び、任意他の送出手段をすすぎ洗いする予備量(かかる予備量は、投与量と比較して非常に少ない)の流体が、1回の投与分の意図した送出のたびの前に又はアトマイザを引張り操作するたびに好ましくは自動的に放出さるべきであるということにある。「意図した」という用語は、アトマイザのまさに最初のプライミング、いわゆるドライプライミング(dry priming)中、投与分を送出することが意図されておらず、投与分が全く送出されることがなく、しかも、特に最初に空気だけがアトマイザの送出システムから追い出されるとき予備量が放出されることもないことが明確になる。プレスプレー(pre-spray)の送出又は生成には、多くの利点がある。
【0008】
予備量によるすすぎ洗いは、アトマイザの計量精度を一段と向上させることができる。
【0009】
圧力発生器等に入っている空気及び他のガスは、予備量により置き換えられ、又は、少なくとも実質的に減少する。これにより、次の送出の際の投与精度が向上する。
【0010】
予備量により、例えば、弁、特に圧力発生器の明確な閉鎖、又は、その規定された位置の他の仮定を達成してアトマイザの実際の使用中及び特に吸入が意図された流体の投与中、より規定された状態を達成することができるようにすることが可能である。
【0011】
さらに、予備量によりノズルのところでの流体の規定された途切れを達成することができ、このことは、その直後に起こる流体の放出の際に生じる途切れと実質的に一致しており、その結果、この場合も又、計量精度が一段と向上する。
【0012】
予備量によるノズルのすすぎ洗いは、付着物、汚染又は微生物による不純物を無くし、又は、洗い落とすことができる。
【0013】
また、例えば非使用中における蒸発の結果としての濃度の増大を減少させ、又は、阻止することができる。
【0014】
本発明においては、「ノズルをすすぎ洗いする」という表現は、好ましくは、アトマイザのノズル又はノズルシステムだけでなく、代替的に、又は、追加的に、流体を運搬し、放出し、そして噴霧化するアトマイザの圧力発生器又は他の部品、例えば、任意のフィルタ、圧力チャンバ、弁、吸入ライン、圧力ライン、又は、設けられる場合のあるその他のものにも関する。
【0015】
微量作用銀化合物又は他のイオン放出化合物がアトマイザに用いられる場合、予備量により銀イオン又は他のイオンを放出して少ないイオンが放出されて実際の使用中に吸入されるようにすることができる。
【0016】
予備量による提案されたすすぎ洗いは、好ましくは、特にアトマイザ又はアトマイザの中に設けられている任意のばねが張力下に置かれるたびに、自動的に、即ち、ユーザによる別個の操作又は作動なしに、起こる。したがって、非常に簡単な作動が達成される。特に好ましくは、上述のプライミングを全く省くことができ、又は、少なくとも減少させることができる。
【0017】
驚くべきことに、僅かな予備量が、特に、上述した利点を達成することが十分であることが判明した。たとえノズルをアトマイザの毎回の作動又は使用時に予備量ですすぎ洗いする場合であっても、見込まれる全体的な流体の消費量は少ない。その理由は、流体の丸々1回投与分の放出がアトマイザの毎回の使用前に行われない場合であってもプライミングによりかかる放出が行われるからである。
【0018】
予備量の流体は、特にノズルを通る圧力に応じて、スプレーミスト、及び(又は)、小滴として送出される。予備量によるノズルのすすぎ洗い及びノズルを通る予備量の送出は、かかる予備量の流体がスプレーミスト、又は、小滴の形をしているかどうかとは関係なく、「プレスプレー」とも呼ばれる。
本発明の別の利点、特徴、性状及び観点は、特許請求の範囲の記載及び図面の参照による好ましい実施形態の以下の説明から明らかになろう。
【発明の効果】
【0019】
特に正確な計量が簡単な手段で、及び、容易な操作で可能であり、特に、プライミングが全く不要であるようにするアトマイザ、方法、及び、かかるアトマイザの使用を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】非引張り操作状態にある公知のアトマイザの概略断面図である。
【図2】公知のアトマイザを図1に関して90°回転させた後の引張り操作状態で示す概略断面図である。
【図3】本発明により提案されたアトマイザの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図中、同一の参照符号は、同一又は類似の部品について用いられ、対応の又は同等な性質及び利点は、関連の説明を繰り返さない場合でも達成されている。
【0022】
図1及び図2は、流体2、特に、効能の高い薬剤等を噴霧化する公知のアトマイザ1を示しており、このアトマイザは、非引張り操作状態(図1)、及び、引張り操作状態(図2)で概略的に示されている。アトマイザ1は、特に、携帯可能な吸入器として具体化され、好ましくは、推進ガス無しに動作する。
【0023】
流体2、好ましくは液体、より具体的に言えば、薬剤の噴霧化により、ユーザ(図示せず)により吸気され、又は、吸入できるエーロゾルが形成される。通常、薬剤は、患者がかかっている病気に応じて1日に少なくとも1回、特に1日に数回、好ましくは、所定の間隔で吸入される。
【0024】
公知のアトマイザ1は、流体2を収容した挿入可能な、好ましくは、交換可能な容器3を有する。かくして、この容器は、噴霧化されるべき流体2のリザーバを形成し、このリザーバは、特に、容器3内の押しつぶし可能な袋によって形成される流体チャンバ4内に保持される。
【0025】
好ましくは、容器3は、最高200回の投与ユニット又は投与分をもたらし、即ち、最高200回のスプレー又は塗布を可能にするのに十分な量の流体2又は有効物質を収容している。国際公開第96/06011(A2)号パンフレットに開示されているような典型的な容器3は、約2ml(ミリリットル)から10ml(ミリリットル)の量を収容する。
【0026】
アトマイザ1は、流体2を特にあらかじめ設定され、又は、調節可能な投与量の状態で送出して噴霧化する圧力発生器5を更に有している。かくして、流体2を特に約5ml(ミリリットル)から30ml(ミリリットル)の個々の投与量で噴出させて噴霧化することができる。
【0027】
圧力発生器5は、容器3のホルダ6と、部分的にしか示されていない駆動ばね7と、好ましくは手動操作で解除できるロック要素8と、可動運搬又は送出要素、特に運搬又は送出管9と、逆止弁10と、圧力チャンバ11と、マウスピース13の付近に設けられた放出ノズル12とを有している。容器3は、ホルダ6を介してラッチ留めによりアトマイザ1内に固定されていて、運搬管9が、容器3内に入り込むようになっている。ホルダ6は、容器3を取り外して交換することができるよう構成されたものであるのが良い。
【0028】
駆動ばね7を軸方向に引っ張ると、ホルダ6は、容器3及び運搬管9と共に図面において下方に移動し、流体2は、容器3から吸い出され、逆止弁10を通って圧力発生器5の圧力チャンバ11内に吸い込まれる。
【0029】
ホルダ6を解除するためのロック要素8の作動後における、その後の張力の解除中、駆動ばね7を解除することにより今や閉鎖状態にある逆止弁10を備えた運搬管9を再び上方に戻し(主運動)、即ち、プランジャとして働くようにすることによって、圧力チャンバ11内の流体2を圧力下に置く。この圧力により、流体2は、放出ノズル12中に送り進められ、その間に流体は、図1に示すようにエーロゾル14の状態に噴霧される。
【0030】
ユーザ(図示せず)は、エーロゾル14を吸入することができ、その間、少なくとも1つの空気入口開口部15を通って供給空気をマウスピース13内に吸い込むことができる。
【0031】
アトマイザ1は、上側ハウジング部品16、及び、この上側ハウジング部品に対して回転可能な内側部品17を有し(図2)、内側部品は、上側部分17a及び下側部分17bを有し(図1)、特に手動操作可能なハウジング部品18が、好ましくは保持要素19によって内側部品17に取り外し可能に取り付けられ、特にこれに押しつけて嵌められる。容器3を挿入すると共に、(或いは)、交換するために、ハウジング部分18をアトマイザ1から取り外すことができる。
【0032】
内側部品17を支持した状態でハウジング部品18を上側ハウジング部品16に対して回転させることができる。上側部品17aは、ホルダ6と対応して係合することによりホルダ6を回転させ、その結果、このホルダを図2に示されているに過ぎない歯車20によって駆動ばね7の力に抗して軸方向に動かされ、駆動ばね7が引っ張られるようになる。
引張り中、容器3は、軸方向下方に動く。最後に、容器3は、図2に示すような端位置を取る。この端位置では、駆動ばね7は、張力下にある。すると、ロック要素8は、ホルダ6及びそれ故に運搬管9及び容器3を図示の上向きの方向における運動に抗して固定することができ、即ち、駆動ばね7が弛緩するのを阻止する。図2では、ホルダ6は、運搬管9、容器3及び駆動ばね7と一緒に、引張り操作状態、又は、引張り操作位置にあるが、ロック要素8は、ホルダ6を妨害するその横方向又は半径方向にずれたロック位置には無い。
【0033】
ホルダ6をロック要素8により解除した後、即ち、図2に示すクランプ位置から始まり、図2に示すロック要素8の位置にあるとき、噴霧化プロセスが起こる。ホルダ6は、運搬管9及び容器3と一緒に、駆動ばね7の力によって図1に示す開始位置に戻される。この運動を以下において、短く言って主運動Hともいう。主運動中、弁は、閉鎖され、運搬管9は、圧力チャンバ11内に入っている流体2を圧力下に置き、したがって、この流体は、ノズル12を通って放出された噴霧化される。
【0034】
かくして、容器3は、好ましくは、クランププロセス中、又は、流体の取り出し中、及び、噴霧化プロセス中、上昇運動を行う。
【0035】
図示の実施形態では、アトマイザ1又は駆動ばね7をクランプし、ホルダ6を引張り操作方向に軸方向に動かす歯車20は、好ましくは、上側ハウジング部品18及び(又は)ホルダ6に設けられた摺動面21,22を有し、これら摺動面は、特に螺旋形態で延び、それにより、ホルダ6を上側ハウジング部品16に対して回転させると、ホルダ6の所望の軸方向運動が得られる。
【0036】
ホルダ6が図2に示すクランプ位置に達すると、摺動面21,22は、互いに離脱し、歯車20は、ホルダ6を軸方向における逆の運動、特に主運動可能に解除する。それと同時に、ロック要素8は、軸方向運動又は軸方向に対して横方向に、特に半径方向にそのロック位置(図3に示されている)にずらされ、その結果、ホルダ6並びにそれ故に運搬管9及び容器3は、妨害され又は引張り操作位置に固定される。特に、ロック要素8は、環状構造のものであり、そのロック位置では、半径方向にずらされて、ホルダ6との通常の同心配置状態から離脱し、その結果、ホルダ6は、その端面がロック要素8の一部分に当接し、それにより妨害される。
【0037】
噴霧化プロセスを開始するため、特にボタン23又は他の作動要素を備えたロック要素8を作動させ、それにより図2に示すようなその同心位置に半径方向に戻し、その結果、ホルダ6の妨害が解かれ、ホルダは、矢印Hの方向に主運動を行うことができる。この場合、圧力チャンバ11内に入っている流体2は、ノズル12を通って放出されて噴霧化される。
【0038】
以下において、本発明のアトマイザの構造及び動作モードを図3の概略断面図を参照して説明するが、図3は、縮尺通りではなく、図2に実質的に一致している。特に図1及び図2に関する上述の説明は、依然として当てはまり又は補完的な価値を有する。
【0039】
本発明のアトマイザ1は、1回投与分の流体2の各送出及び噴霧化の前に、特定の予備量の流体2を放出する。この予備量は、アトマイザ1のノズル12又は他の送出手段、コンポーネント等、特に運搬管9、弁10、圧力チャンバ11、ノズル12に通じるチャネル、オプションとして、ノズル12の前に配置されたフィルタ、ノズル12等をすすぎ洗いする。予備量によるすすぎ洗いは、アトマイザ1の各作動時に、特に、アトマイザ1の各引張り操作時に特に自動的に起こり、その結果、プレスプレーが生じ、上述の利点が得られる。
【0040】
予備量は、好ましくは非常に僅かであるが、所望の利点を達成するために或る特定の最小量を必要とする。予備量は、好ましくは、少なくとも0.5μl(マイクロリットル)であり、特に0.5μlから3μlであり、最も好ましくは、約1μlから2μlである。これは、各噴霧化時に送出される流体2の通常の投与量(具体的に言えば、約15μlから20μl)と比較して非常に少ない。好ましくは、予備量は、通常の噴霧化プロセス中に送出される流体2の1回の投与量の少なくとも1%であり、特に少なくとも2%、最も好ましくは約3%から10%である。
【0041】
特に好ましくは、予備量は、ノズル12又はノズル12を形成するノズルブロックの容積の少なくとも5倍である。これはそれ自体、ノズル12の有効なすすぎ洗いを保証する。
【0042】
以下は、流体2の予備量をどのようにして得るか、及び、流体2の予備量によるすすぎ洗いをどのようにして行うかについての説明である。
【0043】
アトマイザ1又は駆動ばね7の引張り操作方向Sにおける引張り操作中、ホルダ6及びそれ故に運搬要素9を図3に示すような過剰引張り操作位置に動かす。この過剰引張り操作位置では、歯車20は、ホルダ6を解除し、その結果、通常の噴霧化プロセスの場合と同様に、逆の運動がばね力の結果として起こることができる。本発明は、以下において予備運動と称する最初の運動が、図示の実施形態では、この方向Hに起こるが、当初は引張り操作位置(通常の引張り操作位置)に達するまで、即ち、ホルダ6がロック位置にあるロック要素8に当接するまでのみである。図3は、ボタン23を伸長させた状態でロック要素8をロック位置で示している。図2は、ロック要素8を非ロック位置で、即ち、ボタン23が押し込められ又は同心位置にある状態でホルダ6が妨害されない位置にある状態で示している。
【0044】
ホルダ6及びそれ故に運搬要素又は運搬管9は、図3に示す過剰引張り操作位置から、即ちロック要素8によって妨害されるまで、引張り操作位置への予備運動を自動的に行う。好ましくは通常の噴霧化プロセス中、上述した主運動Hと同じ方向に起こるこの予備運動により、流体2の所望の予備量の生成及び送出が行われる。
【0045】
この予備運動は、主運動と比較すると非常に短時間である。具体的に言えば、その行程d、即ち、過剰引張り操作位置から引張り操作位置までの距離は、約0.2mmから1mmであり、特に約0.4mmから0.8mmに過ぎない。
【0046】
必要ならば、ノズル12、圧力発生器5等に合わせて、且つ(或いは)、特定の流体2に合わせて行程dを調節し又は一定にすることができる。したがって、予備量の大きさは、行程dを変化させることにより変化させることができる。
【0047】
予備量の大きさ及び圧力の増加、特に、過剰引張り操作位置からクランプ位置への運搬要素又は運搬管9の戻り速度に応じて、更に、流体2の性状に応じて、予備量は、小滴の形態で、且つ(或いは)、スプレーミスト又はスプレージェットとして放出される。ユーザは、必要ならば、アトマイザ1の通常の使用中、ノズル12に付着残存する小滴及びオプションとしての他の残留量の流体2を拭い取ることができ又は振り落とすことができる。代替的に又は追加的に、小滴又は残留量は又、マウスピース13を閉鎖する覆いキャップ(図示せず)、特に、覆いキャップ内に納められたワイパ又は吸収手段、例えば不織布片等によって拭い去ることができ、又は、吸い取ることができる。
【0048】
覆いキャップは、少なくとも部分的に透明な構造のものであるのが良く、したがって、ユーザは、予備量の放出を監視することができるようになる。変形例として、ユーザは、予備量の放出を監視せず、特に、かかる放出に気づかなくても良い。事実、予備量の放出は、殆ど気づかないで非常に迅速に起こってかかる放出が通常の取り扱い及び流体2を送出して噴霧化するアトマイザ1の使用を邪魔しないようになっている。
【0049】
別の特徴(図示せず)によれば、追加のバリヤ又は遅延手段を設けるのが良く、その結果、予備量の流体2を放出し、又は、ホルダ6及び運搬管9が引張り操作位置に達したとき、即ち、ホルダ6がロック要素8に当接しているときにのみ引張り操作要素8又はこの実施形態ではボタン23を作動させることができるようになっている。これは、予備量が流体2の実際の投与分と一緒に放出されて噴霧化され、即ち、通常の投与量が予備量だけ増えて望ましくないのを阻止する一手法である。
【0050】
予備量を放出した後、ユーザは、特にボタン23を押してロック要素8をロック位置から離脱させてホルダ6を妨害しないこの実施形態では同心の位置に動かすことによりアトマイザ1を完全に通常通りに作動させることができる。かくして、ホルダ6は自由になり、通常の送出及び噴霧化が起こる。駆動ばね7のばね力の結果として、運搬管9は、主運動Hを行い、その間、圧力チャンバ11内に入っている流体2がノズル12を通って放出されて噴霧化される。
【0051】
驚くべきこととして、特にアトマイザ1の使用直前に、即ち、特に注入直前に、付着物、汚れ又は微生物による汚れを追い出し又は落とすために、慎重に選択された予備量を用いてノズル12又はノズル若しくは送出システム全体をすすぎ洗いすることができるということが判明した。本発明により提案される予備量によるすすぎ洗いは又、付着物、汚染、結晶化等により生じるノズルの閉塞の恐れを減少させる。
【0052】
加うるに、特にノズル領域における濃度の望ましくない増大を回避することができ又は少なくとも最小限に抑えることができる。かかる濃度の増大、例えば、有効物質又は他の物質中における望ましくない濃度の増大は、特に、溶剤を含んだ流体2、具体的には、エタノール系流体2又はエタノール含有流体2について生じる。ノズル領域における濃厚化の防止又は軽減は又、計量精度を高めるのに役立つ。
【0053】
また、圧力発生器5又はノズルシステムを実際に使用する前に予備量が圧力発生器5又はノズルシステムを部分的に湿らすことによっても計量精度を一段と向上させることができる。
【0054】
本発明によって提案される予備量によるすすぎ洗いの特定の利点は、かかるすすぎ洗いが、アトマイザ1の毎回の作動時に、特に、毎回の引張り操作時に、即ち、特に、自動的に起こり、ユーザによる影響を受けず又は必要としないことにある。
【0055】
また、本発明により提案されるすすぎ洗いを利用すると、吸入器の微生物学的条件を一段と向上させることができる。特に、生じる病原体は、追い出される。微量作用銀化合物がアトマイザ1内に用いられる場合、生じる銀イオンは、予備量によるすすぎ洗いによって追い出され、その結果、送出されて吸入される銀イオンが少なくなる。
【0056】
また、本発明によって提案される予備量によるすすぎ洗いによって、弁10は、規定された閉鎖位置に動かされ、その結果、次のアトマイザ1の実際の作動中、流体2は、直ちに圧力下に置かれて放出される。弁10の閉鎖時間は、事実、減少すると共に安定化される。その結果、送出される量の変動性が減少し、即ち、計量精度の一層の向上を達成することができる。
【0057】
驚くべきほど僅かな予備量、特に、上述した量又は割合で上述した効果及び利点を達成することができる。
【0058】
注目されるべきこととして、流体の実際の送出前の本発明により提案されるすすぎ洗いは、一般に、他のアトマイザでも実施することができる。特に、予備量の本発明により提案されるすすぎ洗い又は生成に関する他の構成上の解決策及び変形例も又使用することができる。引張り操作位置におけるロック及びロック解除に関する種々の構成上の解決策も可能である。一般に、駆動ばね7に代えて、これとは異なるばね又は駆動手段を用いることも可能である。運搬要素を主方向又は送出方向に手動で駆動する場合であっても、すすぎ洗い目的で予備量を生成してこれを放出することが可能である。
【0059】
自立型器具等とは対照的に、本発明により提案されるアトマイザ1は、好ましくは、携帯可能であるように設計され、特に、携帯可能な手持ち型器具である。
【0060】
しかしながら、本発明により提案される解決策は、本明細書において具体的に説明したアトマイザ1だけでなく、他のアトマイザ又は吸入器、例えば、粉末吸入器又はいわゆる「計量投与型吸入器」にも利用できる。
【0061】
アトマイザ1は、特に薬剤エアゾール療法のための吸入器として特に好ましくは具体化される。しかしながら、変形例として、アトマイザ1を他の目的に、好ましくは、化粧液を噴霧化するために、特に香水アトマイザとして設計されても良い。これに対応して、容器3は、例えば、医薬調合物又は化粧液、例えば香水等を収容する。
【0062】
好ましくは、流体2は、上述したような液体であり、特に、水性又はエタノール系医薬調合物である。しかしながら、流体は、他の何らかの医薬調合物、懸濁液等又は粒子若しくは粉末であっても良い。
【0063】
好ましくは医用の流体2の或る好ましい成分、及び(又は)、調合薬は、以下に列記されている。上述したように、これら成分、及び(又は)、調合薬は、水性又は非水性溶液、混合物、エタノール含有調合薬又は溶剤の入っていない調合薬であるのが良い。特に好ましくは、流体2に含有される化合物は、次の通りである。
【0064】
以下に一覧表示する化合物をこれら自体で、又は、組合せ状態で本発明の器具に用いることができる。以下に記載する化合物に関し、Wは、薬理学的に有効な物質であり、ベータミメティック(betamimetic)、抗コリン作用薬、コルチコステロイド、PDE4−阻害薬、LTD4−拮抗薬、EGFR−阻害薬、ドーパミン作用薬、H1−抗ヒスタミン薬、PAF−拮抗薬及びPI3−キナーゼ阻害薬の中から(例示として)選択される。さらに、Wの2つの組合せ又は3つの組合せを組み合わせて本発明の器具に用いることができる。Wの組合せは、例えば次のようなものが考えられる。
・Wは、抗コリン作用薬、コルチコステロイド、PDE4−阻害薬、EGFR−阻害薬又はLTD4−拮抗薬と組み合わせられるベータミメティックを意味する。
・Wは、ベータミメティック、コルチコステロイド、PDE4−阻害薬、EGFR−阻害薬又はLTD4−拮抗薬と組み合わせられる抗コリン作用薬を意味する。
・Wは、PDE4−阻害薬、EGFR−阻害薬又はLTD4−拮抗薬と組み合わせられるコルチコステロイドを意味する。
・Wは、EGFR−阻害薬又はLTD4−拮抗薬と組み合わせられるPDE4−阻害薬を意味する。
・Wは、LTD4−拮抗薬と組み合わせられるEGFR−阻害薬を意味する。
【0065】
ベータミメティックとして用いられる化合物は、好ましくは、アルブテロール、アルフォルモテロール、バンブテロール、ビトルテロール、ブロクサテロール、カルブテロール、クレンブテロール、フェノテロール、ホルモテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール、イソエタリン、イソプレナリン、レボサルブタモル、マブテロール、メルアドリン、メタプロテレノール、オルチプレナリン、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、リミテロール、リトドリン、サルメファモル、サルメテロール、ソテレノール、スルホンテロール、テルブタリン、チアラミド、トルブテロール、ジンテロール、CHF−1035、HOKU−81、KUL−1248、及び、
・3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシロキシ}−ブチル)−ベンジル−スルホナミド、 ・5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン、
・4−ヒドロキシ−7−[2−{[2−{[3−(2−フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル}エチル]−アミノ}エチル]−2(3H)−ベンゾチアゾロン、
・1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1−ベンジミダゾリル)−2−メチル−2−ブチルアミノ]エタノール、
・1−[3−(4−メトキシベンジル−アミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−[4−(1−ベンジミダゾリル)−2−メチル−2−ブチルアミノ]エタノール、
・1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、
・1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−メトキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、
・1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−n−ブチルオキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、
・1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン8−イル]−2−{4−[3−(4−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾル−3−イル]−2−メチル−2−ブチルアミノ}エタノール、
・5−ヒドロキシ−8−(1−ヒドロキシ−2−イソプロピルアミノブチル)−2H−1,4−ベンゾキサジン−3−(4H)−オン、
・1−(4−アミノ−3−クロロ−5−トリフルオルメチルフェニル)−2−t−ブチルアミノ)エタノール、
・6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−メトキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(エチル4−フェノキシ−アセテート)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−フェノキシ−酢酸)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・8−{2−[1,1−ジメチル−2−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−イソプロピル−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・8−{2−[2−(4−エチル−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・8−{2−[2−(4−エトキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・4−(4−{2−[2−ヒドロキシ−2−(6−ヒドロキシ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−8−イル)−エチルアミノ]−2−メチル−プロピル}−フェノキシ)−酪酸、
・8−{2−[2−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
・1−(4−エトキシ−カルボニルアミノ−3−シアノ−5−フルオロフェニル)−2−(t−ブチルアミノ)エタノール、
・2−ヒドロキシ−5−(1−ヒドロキシ−2−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチルアミノ)−フェニル]−エチルアミノ}−エチル)−ベンズアルデヒド、
・N−[2−ヒドロキシ−5−(1−ヒドロキシ−2−{2−[4−(2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチルアミノ)−フェニル]−エチルアミノ}−エチル)−フェニル]−ホルムアミド、
・8−ヒドロキシ−5−(1−ヒドロキシ−2−{2−[4−(6−メトキシ−ビフェニル−3−イルアミノ)−フェニル]−エチルアミノ}−エチル)−1H−キノリン−2−オン、
・8−ヒドロキシ−5−(1−ヒドロキシ−2−(6−フェネチルアミノ−ヘキシルアミノ)−エチル)−1H−キノリン−2−オン、
・5−[2−(2−{4−[4−(2−アミノ−2−メチル−プロポキシ)−フェニルアミノ]−フェニル}−エチルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン、
・[3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシルオキシ}−ブチル)−5−メチル−フェニル]−ウレア、
・4−(2−{6−[2−(2,6−ジクロロ−ベンジルオキソ)−エトキシ]−ヘキシルアミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−ヒドロキシメチル−フェノール、
・3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシルオキシ}−ブチル)−ベンジルスルホンアミド、
・3−(3−{7−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘプチルオキシ}−プロピル)−ベンジルスルホンアミド、
・4−(2−{6−[4−(3−シクロペンタンスルホニル−フェニル)−ブトキシ]−ヘキシルアミノ}−1−ヒドロキシ−エチル)−2−ヒドロキシメチル−フェノール、
・N−アダマンタン−2−イル−2−(3−{2−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−プロピル}−フェニル)−アセトアミドの中から選択された化合物であり、
オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー又はジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物又は水和物である。本発明によれば、ベータミメティックの酸添加塩は、好ましくは、ヒドロクロリド(塩酸塩)、ヒドロブロミド(臭化水素酸塩)、ヒドロイオジド(沃化水素酸)、ヒドロスルフェート(重硫酸塩)、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネートの中から選択される。
【0066】
用いられる抗コリン作用薬は、好ましくは、チオトロピウム塩、好ましくはブロミド塩、オキシトロピウム塩、好ましくはブロミド塩、フルトロピウム塩、好ましくはブロミド塩、イプラトロピウム塩、好ましくはブロミド塩、グリコピロニウム塩、好ましくはブロミド塩、トロスピウム塩、好ましくはクロリド塩、トルテロジンの中から選択された化合物である。好ましくはブロミド塩の中から選択された化合物である。上述の塩に関し、陽イオンは、薬理学的に有効な成分である。陰イオンとして、上述の塩は、好ましくは、クロリド、ブロミド、イオジド、スルフェート、ホスフェート、メタンスルホネート、ニトレート、マレエート、アセテート、シトレート、フマレート、タルトレート、オキサレート、スクシネート、ベンゾエート及びp−トルエンスルホネートを含むのが良く、クロリド、ブロミド、イオジド、スルヘート、メタンスルホネート、又はp−トルエンスルホネートが対イオンとして好ましい。全ての塩のうちで、クロリド、ブロミド、イオジド及びメタンスルホネートが特に好ましい。
【0067】
他の好ましい抗コリン作用薬は、次の化学式AC−1、即ち、
【化1】

の塩の中から選択され、この化学式において、X-は、単一の負の電荷を備えた陰イオン、好ましくは、フルオリド、クロリド、ブロミド、イオジド、スルフェート、ホスフェート、メタンスルホネート、ニトレート、マレエート、アセテート、シトレート、フマレート、タルトレート、オキサレート、スクシネート、ベンゾエート及びp−トルエンスルホネートの中から選択された陰イオン、好ましくは、単一の負の電荷を備えた陰イオン、特に好ましくは、フルオリド、クロリド、ブロミド、メタンスルホネート及びp−トルエンスルホネートの中から選択された陰イオン、特に好ましくはブロミドを意味し、オプションとしてこれらのラセミ化合物、エナンチオマー又は水和物を意味している。次の化学式AC−1−en、即ち、
【化2】

のエナンチオマーを含む薬理学的な組合せが特に重要であり、この化学式において、X-は、上述の意味を有するのが良い。他の好ましい抗コリン作用薬は、次の化学式AC−2、即ち、
【化3】

の塩から選択され、この化学式において、Rは、メチルかエチルかのいずれかを表し、X-は、上述の意味を有するのが良い。変形実施形態では、化学式AC−2の化合物は、次
の自由塩基AC−2−base、即ち、
【化4】

の形態で存在しても良い。
【0068】
他の特定される化合物は、次の通りである。
・トロペノール2,2−ジフェニルプロピオネートメトブロミド、
・スコピン2,2−ジフェニルプロピオネートメトブロミド、
・スコピン2,2−フルオロ−2,2−ジフェニルアセテートメトブロミド、
・トロペノール2−フルオロ−2,2−ジフェニルアセテートメトブロミド、
・トロペノール3,3′,4,4′−テトラフルオロベンジレートメトブロミド、
・スコピン3,3′,4,4′−テトラフルオロベンジレートメトブロミド、
・トロペノール4,4′−ジフルオロベンジレートメトブロミド、
・スコピン4,4′−ジフルオロベンジレートメトブロミド、
・トロペノール3,3′−ジフルオロベンジレートメトブロミド、
・スコピン3,3′−ジフルオロベンジレートメトブロミド、
・トロペノール9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・トロペノール9−フルオロ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・スコピン9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・スコピン9−フルオロ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・トロペノール9−メチル−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・スコピン9−メチル−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・シクロプロピルトロピンベンジレートメトブロミド、
・シクロプロピルトロピン2,2−ジフェニルプロピオネートメトブロミド、
・シクロプロピルトロピン9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・シクロプロピルトロピン9−メチル−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド
・シクロプロピルトロピン9−メチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド
・シクロプロピルトロピン9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシレートメトブロミド
・シクロプロピルトロピンメチル4,4′−ジフルオロベンジレートメトブロミド、
・トロペノール9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・スコピン9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・トロペノール9−メチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・スコピン9−メチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・トロペノール9−エチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・トロペノール9−ジフルオロメチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド、
・スコピン9−ヒドロキシメチル−キサンテン−9−カルボキシレートメトブロミド。
【0069】
上述の化合物は、本発明の範囲内で塩としても使用でき、この場合、メトブロミドに代えて、塩メト−Xが用いられ、この場合、Xは、X-について上述した意味を有するのが良い。
【0070】
コルチコステロイドとして、ベクロメタソン(beclomethasone)、ベータメタソン(betamethasone)、ブデソニド(budesonide)、ブチキソコルテ(butixocorte)、シクレソニド(ciclesonide)、デフラザコルテ(deflazacorte)、デキサメタソン(dexamethasone)、エチプレドノル(etiprednole)、フルニソリド(flunisolide)、フルチカソン(fluticasone)、ロテプレドノル(loteprednole)、モメタソン(mometasone)、プレドニソロン(prednisolone)、プレドニソン(prednisone)、ロフレポニド(rofleponide)、トリアムシノロン(triamcinolone)、RPR−106541、NS−126、ST−26、及び
・(S)−フルオロメチル 6,9−ジフルオロ−17−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボチオネート、
・(S)−(2−オキソ−テトラヒドロ−フラン−3S−イル)6,9−ジフルオロ−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソ−17−プロピオニルオキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボチオネート、
・シアオメチル 6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−(2,2,3,3−テトラメチルシクロプロピルカルボニル)オキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボン酸シアノメチルエステルの中から選択された化合物を用いることが好ましく、
オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー又はジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる塩及びその誘導体、溶媒化合物及び(又は)水和物が用いられる。ステロイドと言った場合、これは、存在し得るステロイドの塩又はその誘導体、水和物又は溶媒化合物を含む。考えられるステロイドの塩及びその誘導体の例は、アルカリ金属、例えばナトリウム塩、カリウム塩、スルホベンゾエート、ホスフェート、イソニコチネート、アセテート、ジクロロアセテート、プロピオネート、ジヒドロゲンホスフェート、パルミテート、ピバレート又はフロエートである。
【0071】
使用できるPDE4−阻害薬は、好ましくは、エンプロフィリン、テオフィルリン、ロフルミラスト、アリフロ(チロミラスト)、トフィミラステ(tofimilaste)、プマフェントリン(pumafentrine)、リリミラステ(lirimilaste)、アロフィリン(arofylline)、アチゾラム(atizorame)、D−4418、ベイ(Bay)−198004、BY343、CP−325.366、D−4396(Sch−351591)、AWD−12−281(GW−842470)、NCS−613、CDP−840、D−4418、PD−168787、T−440、T2585、V−11294A、C1−1018、CDC−801、CDC−3052、D−22888、YM−58997、Z−15370及び、
・N−(3,5−ジクロル−1−オキソ−ピリジン−4−イル)−4−ジフルオロメトキシ−3−シクロプロピルメトキシベンザミド、
・(−)p−[(4aR*,10bS*)−9−エトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−8−メトキシ−2−メチルベンゾ[s][1,6]ナフチリジン−6−イル]−N,N−ジイソプロピルベンザミド、
・(R)−(+)−1−(4−ブロモベンジル)−4−[(3−シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−2−ピロリドン、
・3−(シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)−1−(4−N′−[N−2−シアノ−S−メチル−イソチオウレイド]ベンジル)−2−ピロリドン、
・シス[4−シアノ−4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)シクロヘキサン−1−カルボン酸]、
・2−カルボメトキシ−4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オン、
・シス[4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オル]、
・(R)−(+)−エチル[4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)ピロリジン−2−イリデン]アセテート、
・(S)−(−)−エチル[4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)ピロリジン−2−イリデン]アセテート、
・9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3(2−チエニル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン、
・9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(t−ブチル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジンの中から選択された化合物であり、
オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー又はジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物及び(又は)水和物である。本発明によれば、PDE4阻害薬の酸添加塩は、好ましくは、ヒドロクロリド(塩酸塩)、ヒドロブロミド(臭化水素酸塩)、ヒドロイオジド(沃化水素酸)、ヒドロスルフェート(重硫酸塩)、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネートの中から選択される。
【0072】
用いられるLTD4−拮抗薬は、好ましくは、モンテルカスト、プランルカスト、ザフィルルカスト、MCC−847(ZD−3523)、MN−001、MEN−91507(LM−1507)、VUF−5078、VUF−K−8707、L−733321、及び
・1−(((R)−(3−(2−(6,7−ジフルオロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)フェニル)チオ)メチルシクロプロパン−酢酸、
・1−(((1(R)−3(3−(2−(2,3−ジクロロチエノ[3,2−b]ピリジン−5−イル)−(E)−エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチレチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン−酢酸、
・[2−[[2−(4−t−ブチル−2−チアゾリル)−5−ベンゾフラニル]オキシメチル]フェニル]酢酸の中から選択された化合物であり、
オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー又はジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物及び(又は)水和物である。本発明によれば、これらの酸添加塩は、好ましくは、ヒドロクロリド(塩酸塩)、ヒドロブロミド(臭化水素酸塩)、ヒドロイオジド(沃化水素酸)、ヒドロスルフェート(重硫酸塩)、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネートの中から選択される。LTD4−拮抗薬がオプションとして形成できる塩又はその誘導体は、例えば、アルカリ金属、例えばナトリウム塩、カリウム塩、スルホベンゾエート、ホスフェート、イソニコチネート、アセテート、ジクロロアセテート、プロピオネート、ジヒドロゲンホスフェート、パルミテート、ピバレート又はフロエートを意味している。
【0073】
使用できるEGFR−阻害薬は、好ましくは、セツキマブ(cetuximab )、トラスツズマブ(trastuzumab )、ABX−EGF、マブ(Mab)ICR−62、及び
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジエチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−(モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{((R)−6−メチル−2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−2−メトキシメチル−6−オキソ−モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−((S)−6−メチル−2−オクソ−モルフォリン−4−イル)−エトキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N,N−ジメチルアミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N,N−ビス(−(2−メトキシ−エチル)−アミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(テトラヒドロピラン−4−イル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N,N−ジメチルアミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N,N−ジメチルアミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−(N−シクロプロピル−N−メチル−アミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロペンチルロキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(R)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6,7−ビス−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−7−モルフォリン−4−イル)−プロピルオキシ]−6−[ビニルカルボニル)アミノ]キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、
・3−シアノ−4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−エトキシ−キノリン、
・4−{[(3−クロロ−4−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−フェニル]アミノ}−6−(5−{[2−メタンスルホニル−エチル)アミノ]メチル}−フラン−2−イル)キナゾリン、
・4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N,N−ビス−(2−メトキシ−エチル)−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−[テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−{[4−(5,5−ジメチル−2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルフォリン−4−イル)エトキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルフォリン−4−イル)エトキシ]−7−[(R)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルフォリン−4−イル)エトキシ]−6−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{2−[4−(2−オキソ−モルフォリン−4−イル)−ピペリジン−1−イル]−エトキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(t−ブチルオキシカルボニル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−アミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−メタンスルホニルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−3−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルフォリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(メトキシメチル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−アセチルアミノ−エチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−エトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−((S)−テトラヒドロピラン−3−イルオキシ)−7−ヒドロキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{トランス−4[(ジメチルアミノ)スルホニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{トランス−4−[(モルフォリン−4−イル)カルボニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{トランス−4−[(モルフォリン−4−イル)スルホニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−(2−アセチルアミノ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロフラン−4−イルオキシ)−7−(2−メタンスルホニルアミノ−エトキシ)−キナゾリン、 ・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(ピペリジン−1−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−アミノカルボニルメチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N[(テトラヒドロピラン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(モルフォリン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(モルフォリン−4−イル)スルホニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−エタンスルホニルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−エトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、 ・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−メトキシ−アセチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−アセチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−4−フェニル)アミノ]−6−[1−(t−ブチルオキシカルボニル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(ピペリジン−1−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(4−メチル−ピペリジン−1−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{シス−4−[(モルフォリン−4−イル)カルボニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[2−(2−オキソピロリジン−1−イル)エチル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルフォリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−アセチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−イソプロピルオキシカルボニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−メチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−[N−(2−メトキシ−アセチル)−N−メチル−アミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−メトキシ−アセチル)−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルフォリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(シス−2,6−ジメチル−モルフォリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(2−メチル−モルフォリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(S,S)−(2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[N−メチル−N−2−メトキシエチル−アミノ]カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−エチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(2−メトキシエチル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(3−メトキシプロピル−アミノ)−カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[シス−4−(N−メタンスルホニル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[シス−4−(N−アセチル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−メチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[トランス−4−(N−メタンスルホニル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−ジメチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−{N−[(モルフォリン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルフォリン−4−イル)−エトキシ]−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、
・4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−シアノ−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリンの中から選択された化合物であり、
オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー又はジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物又は水和物である。本発明によれば、これらの酸添加塩は、好ましくは、ヒドロクロリド(塩酸塩)、ヒドロブロミド(臭化水素酸塩)、ヒドロイオジド(沃化水素酸)、ヒドロスルフェート(重硫酸塩)、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネートの中から選択される。
【0074】
用いられるドーパミン作用薬は、好ましくは、ブロモクリプチン(bromocriptine)、カベルゴリン(cabergoline)、アルファ−ジヒドロエルゴクリプチン(alpha-dihydroergocryptine)、リスリド(lisuride)、ペルゴリド(pergolide)、プラミペクソール(pramipexole)、ロキシンドール(roxindole)、ロピニロール(ropinirole)、タリペクソール(talipexole)、テルグリド(terguride)、ビオザン(viozane)の中から選択された化合物であり、オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物又は水和物である。本発明によれば、これらの酸添加塩は、好ましくは、ヒドロクロリド(塩酸塩)、ヒドロブロミド(臭化水素酸塩)、ヒドロイオジド(沃化水素酸)、ヒドロスルフェート(重硫酸塩)、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネートの中から選択される。
【0075】
使用できる抗ヒスタミン薬は、好ましくは、エピナスチン(epinastine)、セチリジン(Cetirizine)、アゼラスチン(azelastine)、フェクソフェンダジン(fexofenadine)、レボカバスチン(levocabastine)、ロラタジン(loratadine)、ミゾラスチン(mizolastine)、ケトチフェン(Ketotifene)、エメダスチン(emedastine)、ジメチンデン(dimetindene)、クレマスチン(Clemastine)、バミピン(Bamipine)、セクスクロルフェニラミン(Cexchlorpheniramine)、フェニラミン(pheniramine)、ドキシルアミン(doxylamine)、クロルフェノキサミン(Chlorphenoxamine)、ジメンヒドリネート(dimenhydrinate)、ジフェンヒドラミン(diphenhydramine)、プロメタジン(promethazine)、エバスチン(ebastine)、デスロラチジン(desloratidine)、メクロジン(meclozine)の中から選択された化合物であり、オプションとして上記化合物のラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物又は水和物である。本発明によれば、これらの酸添加塩は、好ましくは、ヒドロクロリド(塩酸塩)、ヒドロブロミド(臭化水素酸塩)、ヒドロイオジド(沃化水素酸)、ヒドロスルフェート(重硫酸塩)、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレエート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタルトレート、ヒドロオキサレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエート及びヒドロ−p−トルエンスルホネートの中から選択される。
【0076】
また、欧州特許出願公開第1,003,478(A1)号明細書及びカナダ国特許出願公開第2297174(A1)号明細書に開示されている吸入可能な高分子を使用することが可能である。
【0077】
さらに、化合物は、バッカクアルカロイド誘導体、トリプタン、CGRP−拮抗薬、ホスホジエストラーゼ−V阻害薬から成る群に由来するものであるのが良く、オプションとしてこれら化合物のラセミ化合物、エナンチオマー又はジアステレオマー及びオプションとして上記化合物の薬理学的に容認できる酸添加塩、溶媒化合物、及び(又は)、水和物である。
【0078】
バッカクアルカロイド誘導体の例は、ジヒドロエルゴタミン及びエルゴタミンである。
【符号の説明】
【0079】
1 アトマイザ(噴霧器)
2 流体
3 容器
4 流体チャンバ
5 圧力発生器
6 ホルダ
7 駆動ばね
8 ロック要素
9 運搬管
10 逆止弁
11 圧力チャンバ
12 ノズル
13 マウスピース
14 エーロゾル
15 空気入口開口部
16 上側ハウジング部品
17 内側部品
17a 内側部品の上側部分
17b 内側部品の上側部分
18 ハウジング部品(下側部品)
19 保持要素
20 歯車
21 摺動面
22 摺動面
23 ボタン
H 主運動
S 引張り運動
d 行程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体(2)のアトマイザ(1)であって、流体リザーバ、特に容器(3)を有すると共に前記流体(2)の送出及び噴霧化のためのノズル(12)を有し、前記流体(2)を計量された個々の投与分の状態で送出できるアトマイザにおいて、
前記アトマイザ(1)は、前記ノズル(12)をすすぎ洗いした予備量の前記流体(2)を投与分の意図した送出のたびの前に、又は、前記アトマイザ(1)の引張り操作のたびに送出するように構成されることを特徴とするアトマイザ。
【請求項2】
前記予備量は、少なくとも0.5μlであり、特に0.5μlから3μlであることを特徴とする、請求項1記載のアトマイザ。
【請求項3】
前記予備量は、1回の投与量の少なくとも1%であり、好ましくは、少なくとも2%であり、特に、約3%から10%であり、及び(又は)、前記ノズル(12)の容積の少なくとも5倍であることを特徴とする、請求項1又は2記載のアトマイザ。
【請求項4】
前記アトマイザ(1)は、運搬要素、特に、運搬管(9)を有し、前記運搬管は、流体を運搬するために動くことができ、前記運搬管は、先ず最初に、前記予備量を送出するための予備運動の状態で特に引張り操作位置まで動くことができ、次に、前記投与分を送出するための主運動の状態で、又は、前記流体(2)の実際の送出及び噴霧化のために動くことができることを特徴とする、請求項1〜3のうちいずれか一に記載のアトマイザ。
【請求項5】
前記予備運動、及び(又は)、主運動は、好ましくは、もっぱら、ばね力で行われることを特徴とする、請求項4記載のアトマイザ。
【請求項6】
前記運搬要素は、ばね力に対抗して、特に、歯車(20)、及び(又は)、前記アトマイザ(1)の手動による作動によって過剰引張り操作位置まで動くことができ、前記運搬要素をばね力により前記過剰引張り操作位置から前記引張り操作位置に動かすことができることを特徴とする、請求項4又は5記載のアトマイザ。
【請求項7】
前記予備運動の行程(d)は、0.2mmから1mmであり、特に0.4mmから0.8mmであることを特徴とする、請求項4〜6のうちいずれか一項に記載のアトマイザ。
【請求項8】
前記アトマイザ(1)は、ロック位置において、前記運搬要素を直接に、又は、間接的に前記引張り操作位置に固定するロック要素(8)を有し、前記運搬要素を解除するために、特に、前記ロック要素を手動で動かして前記ロック位置から離脱させることができることを特徴とする、請求項4〜7のうちいずれか一項に記載のアトマイザ。
【請求項9】
前記アトマイザ(1)は、溶剤、特にエタノールを含む流体(2)を収容していることを特徴とする、請求項1〜8のうちいずれか一項に記載のアトマイザ。
【請求項10】
前記アトマイザ(1)は、特に、抗コリン作用薬、ベータミメティック、ステロイド、ホスホジエストラーゼIV−阻害薬、LTD4−拮抗薬、EGFR−キナーゼ−阻害薬、抗アレルギー薬、バッカクアルカロイド誘導体、トリプタン、CGRP−拮抗薬、ホスホジエストラーゼ−V−阻害薬、及び、前記有効物質の組合せ、例えば、ベータミメティック+抗コリン作用薬、又は、ベータミメティック+抗アレルギー薬の中から選択された流体(2)の形態をしている吸入可能な調合薬又は薬剤を収容していることを特徴とする、請求項1〜9のうちいずれか一項に記載のアトマイザ。
【請求項11】
前記アトマイザ(1)は、特に薬剤エアゾール療法のための、好ましくは、携帯可能な吸入器として構成されていることを特徴とする、請求項1〜10のうちいずれか一に記載のアトマイザ。
【請求項12】
ノズル(12)を通って個々の計量投与分の状態で送出される流体(2)を送出して噴霧化する方法において、前記アトマイザ(1)は、前記ノズル(12)をすすぎ洗いした予備量の前記流体(2)を投与分の意図した送出のたびの前に、又は、前記アトマイザ(1)の引張り操作のたびに送出することを特徴とする方法。
【請求項13】
前記予備量は、少なくとも0.5μlであり、特に0.5μlから3μlであることを特徴とする、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記予備量は、1回の投与量の少なくとも1%であり、好ましくは、少なくとも2%であり、特に約3%から10%であり、及び(又は)、前記ノズル(12)の容積の少なくとも5倍であることを特徴とする、請求項12又は13記載の方法。
【請求項15】
流体を運搬するために動くことができる運搬要素、特に、運搬管(9)を先ず最初に、前記予備量を送出するための予備運動の状態で特に引張り操作位置まで動かし、次に、前記投与分を送出するための主運動の状態で又は前記流体(2)の実際の送出及び噴霧化のために動かすことを特徴とする、請求項12〜14のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記予備運動、及び(又は)、主運動は、好ましくは、もっぱらばね力で行われることを特徴とする、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記運搬要素をばね力に対抗して過剰引張り操作位置まで動かし、次に、ばね力により前記引張り操作位置に動かすことを特徴とする、請求項15又は16記載の方法。
【請求項18】
前記予備運動の行程(d)は、0.2mmから1mmであり、特に0.4mmから0.8mmであることを特徴とする、請求項15〜17のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記運搬要素を、特に、ロック要素(8)の手動操作により前記引張り操作位置で解除することを特徴とする、請求項15〜18のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
抗コリン作用薬、ベータミメティック、ステロイド、ホスホジエストラーゼIV−阻害薬、LTD4−拮抗薬、EGFR−キナーゼ−阻害薬、抗アレルギー薬、バッカクアルカロイド誘導体、トリプタン、CGRP−拮抗薬、ホスホジエストラーゼ−V−阻害薬、及びかかる有効物質の組合せ、例えば、ベータミメティック+抗コリン作用薬、又は、ベータミメティック+抗アレルギー薬の中から選択された薬剤の送出及び噴霧化のための請求項1〜11のうちいずれか一に記載のアトマイザ(1)の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−157733(P2012−157733A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−101603(P2012−101603)
【出願日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【分割の表示】特願2009−508154(P2009−508154)の分割
【原出願日】平成19年4月16日(2007.4.16)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】