説明

アドレス変換テーブルを保持するための方法およびデバイス

本発明は、端末と電気通信ネットワークにおける第三者エンティティとの間のフローにわたって配置された、アドレス変換テーブルを保持するためのデバイスに関する。本発明によれば、このデバイスは、アドレス変換テーブルにおいて、端末と第三者エンティティとの間のプロトコルによって適用可能なシグナリングメッセージの交換に固有の入力の存在を検査する手段を実装し、端末と第三者エンティティの間の前記プロトコルによる適用可能なシグナリングメッセージの交換に固有の入力がない場合に、電気通信ネットワークにおける端末のパブリックアドレス、パブリックポートおよび入力有効性指示を、アドレス変換テーブルを前記デバイスに接続するプライベートネットワークにおける端末のプライベートアドレスおよびプライベートポートと関連付ける固有の入力をアドレス変換テーブルの中に作成することが可能であり、前記有効性指示は第1の受信日を考慮に入れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、電気通信ネットワークの分野である。
【0002】
本発明は、ボイスオーバインターネットプロトコル(VoIP)電気通信ネットワークにおいて、限定されない好ましい応用例を見出す。
【背景技術】
【0003】
ボイスオーバIPネットワークでは特に、ユーザは、その存在をネットワークに通知するために周期的に登録し、それにより、ユーザがコンタクトされうるアドレスにおいてそれを提供する。このようなネットワークでは特に、ユーザ端末が、ホームゲートウェイを介してネットワークにアクセスするのが通常である。本質的に知られているように、このゲートウェイはテーブルを含み、その中でゲートウェイが、ホームネットワークの端末の各々に関連付けられたIPアドレスおよびポートを、パブリックネットワーク上のその同じゲートウェイのアドレスおよびポートと関連付ける。
【0004】
このテーブルは、当業者にはネットワークアドレス変換(NAT)テーブルとして知られている。ここでは、用語NATは、より広い概念であるネットワークアドレスおよびポート変換(NAPT)を包含するように、広義において理解されたい。
【0005】
当技術分野で知られているように、ゲートウェイは、更新されない場合に、アドレス変換テーブルの中身を定期的に削除する。アドレス変換テーブルを最新に保つための知られている方法の1つが、図1を参照して以下に説明されるように、ユーザ端末とネットワークとの間で、人為的なシグナリングの交換を強制的に行うことである。
【0006】
図1は、このメカニズムによる4つのメッセージの交換L1からL4を示す。図1において、
・参照番号10は、端末を示す、
・参照番号20は、NATテーブルを含むホームゲートウェイまたはルータモデムを示す、
・参照番号30は、ホームゲートウェイと通信することができるユーザ収集ユニットを示す、および
・参照番号40は、たとえばボイスオーバIPの所与のサービスのためのユーザ登録を管理することができるネットワークコアユニット、たとえばセッション開始プロトコル(SIP)サーバを示す。
【0007】
メッセージの交換L1を参照すると、端末10は、1時間の登録をするための要求REG(3600)を、ネットワークコアエンティティ40に送信する。
【0008】
これらのメッセージは、そのどちらもが端末10とSIPサーバ40との間に直列しているホームゲートウェイ20およびユーザ収集ユニット30を通過する。
【0009】
このメッセージを受信すると、SIPサーバ40は、メッセージOK(3600)を送信することによって、ユーザの登録をそのデータベースに1時間保持することを認証する。
【0010】
先行技術では、SIPサーバによって提供されるサブスクリプションの値は、その後1時間である。
【0011】
アドレス変換テーブルに情報が継続して記憶されるように、端末10のユーザの登録にリンクしたシグナリングの交換を強制的に行うには、ユーザ収集ユニット30が、この例では5分(300秒)に設定されたサブスクリプション値の認証メッセージを、ホームゲートウェイ20を介して端末10に送信することにより、ネットワークにより提供されたサブスクリプションの値を意図的に下げる。
【0012】
結果的に、メッセージの交換L2について示すように、実質上、ユーザ収集ユニット30によって修正されたメッセージの受信後に300秒となり、端末10は、SIPサーバ40に300秒間の登録を要求する。当技術分野では、ボイスオーバIP端末10は、ネットワークコアにより提供される認証に適合することが知られている。
【0013】
当然ながら、ユーザ収集ユニット30がこの登録要求をネットワークコア40にルーティングする必要はない。というのは、ここで説明される例では、前記コアは、端末10のサブスクリプションを1時間のサブスクリプション期間保持することを、既に承諾しているからである。
【0014】
結果的に、ユーザ収集ユニット30は、単にさらなる300秒間の新たなサブスクリプション認証を端末10に送信するにすぎない。
【0015】
点線の双頭矢印で示すように、メッセージの交換L2について説明したメカニズムは、メッセージの交換L3について全く同様に繰り返される。
【0016】
当技術分野で知られているように、ユーザ収集ユニット30は、上記のプロセスと並行して、SIPサーバ40によって提供されたサブスクリプション(本例では1時間)が、その失効に近づいているかどうかをモニタする。
【0017】
ユーザ収集ユニット30がメッセージの交換L4の間に5分間の登録のための要求を受信する時に、サブスクリプションが失効に近づいているものと仮定する。
【0018】
ユーザ収集ユニット30は次いで、SIPサーバ40の1時間による端末10の新たなサブスクリプションを要請するために、この登録メッセージにおいて300秒を引いたサブスクリプションの値を、元のサブスクリプション値の3600秒に置き換える。
【0019】
メッセージの交換L1を参照して上記で説明したように、SIPサーバ40は1時間のサブスクリプションを承諾し、ユーザ収集ユニット30はこのメッセージにおいて、端末10によるシグナリングの交換を人為的に強制的に行ってホームゲートウェイ20のアドレス変換テーブルを最新に保持するために、ネットワークコアによって提供されたサブスクリプションの値の代わりに、300秒に設定された削減された値を使う。
【0020】
先行技術の欠点
上記のメカニズムの第1の欠点は、アクセスネットワークにおいて余分なアプリケーションシグナリングメッセージのトラフィックを人為的に生成することであり、これにより、オペレータはボイスオーバIPサービスのユーザ収集ユニットの能力を倍にせざるを得ない。
【0021】
このメカニズムの第2の欠点は、この人為的なトラフィックを生成するのに特定の機能を収集ユニットに導入する必要があることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
したがって、特に、アクセスネットワークにおいて余分なメッセージを生成せずに、ホームゲートウェイまたはルータモデムのアドレス変換テーブルを保持するための、より単純でより効果的なソリューションを提案する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
これは、ユーザ端末と電気通信ネットワークの第三者エンティティとの間に直列に位置する、アドレス変換テーブルを保持するためのデバイスによって実現される。デバイスは、
・アプリケーションシグナリングプロトコルを使用して端末によって前記第三者エンティティに送信される登録要求メッセージであって、前記プロトコルを使用するメッセージの交換に専用の受信ポートにおいて第1の受信時間に前記デバイスによって受信される、メッセージを途中で止め、
・端末と第三者エンティティとの間で前記プロトコルを使用するアプリケーションシグナリングメッセージの交換に固有のエントリの存在を、アドレス変換テーブルにおいて検証し、
・端末と第三者エンティティとの間で前記プロトコルを使用するアプリケーションシグナリングメッセージの交換に固有のエントリがない場合に、アドレス変換テーブルを前記デバイスに接続するプライベートネットワークにおける端末のプライベートアドレスおよびプライベートポートを、電気通信ネットワークにおける端末のパブリックアドレスおよびパブリックポートならびにエントリの有効性指示と関連付ける固有のエントリであって、この有効性指示が第1の受信時間および第1の有効期間を考慮に入れる、エントリを、アドレス変換テーブルの中に作成する
ようになされたことを特徴とする。
【0024】
アプリケーションシグナリングメッセージに専用の入力ポートのうちの1つを支援することにより、アドレス変換テーブルを保持するための本発明のデバイスは、端末によって第三者エンティティに送信されるメッセージが、特定のアプリケーションシグナリングプロトコルに準拠している要求メッセージであると認識する。このプロトコルは、エントリが、そのエントリに固有の有効性指示を関連付けるアドレス変換テーブルの中の固有のエントリのタイプに対応する。
【0025】
したがって、本発明は、アドレス変換テーブルの保持に対して完全に新規かつ発明性のある手法に基づいており、その手法は、端末と第三者エンティティとの間のメッセージの交換に使用されるアプリケーションシグナリングプロトコルを認識し、そのプロトコルに準拠しているメッセージの交換と関係しそのエントリのタイプに適した有効性指示を含む固有のエントリをアドレス変換テーブルの中に作成する、デバイスの能力に依拠する。
【0026】
本発明の第1の態様によれば、第1の有効期間は、前記アプリケーションシグナリングプロトコルに固有である所定の値を有する。たとえば、この第1の有効期間は、第三者エンティティによって配信される登録サブスクリプションの通常期間に対して構成される。このことによる効果は、通常、第1の有効性指示が第三者エンティティによって承諾された登録期間に対応し、それにより先行技術の余分なメッセージに対するリソースを制限することである。
【0027】
本発明の第2の態様によれば、ユーザ端末によって送信される登録要求は、所要の登録有効期間を含み、第1の有効期間は、前記所要の登録有効期間と等しくなるように選択される。
【0028】
このことによる効果は、有効性指示がユーザ端末登録要求にはっきり限定して適合されることである。したがって、所要の登録期間のための要求が受け入れられた場合、エントリの有効期間は登録サブスクリプションの持続時間に対応する。このような状況下では、したがって、余分なメッセージを送信するための先行技術メカニズムに対するリソースを有することはもはや必要ない。
【0029】
本発明の第3の態様によれば、アドレス変換テーブルを保持するためのデバイスは、
・前記要求に応答して第三者エンティティによってユーザ端末のパブリックポートに送信される認証メッセージを待ち、
・第三者エンティティから端末への認証メッセージを第2の受信時間に受信すると、登録有効期間がある場合にはそれを抽出し、
・有効期間があり、それがゼロでない場合に、第2の受信時間および抽出された登録有効期間に基づいて、エントリの有効性指示を更新する
ようになされる。
【0030】
本発明のこの第3の態様によれば、特定のプロトコルに従った端末と第三者エンティティとの間のアプリケーションシグナリングの交換に固有のエントリの有効性指示は、2段階において生じる。
・第一に、エントリの作成時において、および第1の有効期間に基づいて;この第1の有効期間は、たとえば数分の所定の値、または上記で言及したようにユーザ端末により要求された登録の有効期間の値の、任意の値を有することができる。
・第二に、第三者エンティティ、好ましくは、たとえばIPマルチメディアサブシステム(IMS)アーキテクチャのプロキシ呼セッション制御機能(P-CSCF)タイプのアプリケーションサーバなどのネットワーク入力エンティティによって送信される認証メッセージをデバイスが途中で止めるとき、本発明のデバイスはそこから登録の有効期間を抽出する;デバイスは、この登録有効期間を使用して、テーブルの中のエントリの有効性指示を更新する。
【0031】
その結果、アプリケーションサーバによって実際に供給された登録期間またはサブスクリプション期間に基づいて、アドレス変換テーブルの中のエントリの有効性指示が更新される。このことによる効果は、本発明のこの第3の態様によるデバイスが、アドレス変換テーブルの中にエントリを保持することが正常な登録と一致することを保証することである。
【0032】
別の効果は、サブスクリプションの終了に至るまで、アドレス変換テーブルを保持するための余分なシグナリングメッセージをユーザ端末が送信するのを回避するのと同時に、短い、たとえば数分の第1の有効期間が選択されうることを意味することである。登録サブスクリプション期間(少なくとも1時間)ではなく、数分の第1の有効期間を選択する1つの利点は、第三者エンティティがユーザ端末からの要求を拒否する場合に、アドレス変換テーブルからエントリをより早く削除することを確実にすることである。
【0033】
結果的に、および先行技術とは対照的に、収集エンティティは、もはやアドレス変換テーブルを保持する役割を担うことがない。特に、収集エンティティは、もはやネットワークアドレス変換状況(NAT状況)を検出する、または登録有効期間値の代わりに通常アドレス変換テーブルの標準エントリに割り当てられる数分の有効期間に相当するより低い値を使う必要がない。
【0034】
本発明の別の態様によれば、エントリの有効性指示は、登録の有効期間を第2の受信時間に加えることによって更新される。
【0035】
このことによる効果は、端末と電気通信ネットワークとの間のアプリケーションシグナリングプロトコルに従ったメッセージの交換に固有のエントリが、単一の値を用いてエントリの失効時間を示すことである。
【0036】
あるいは、有効性指示は、認証の有効期間および有効期間が適用されてからの時間(たとえば第2の受信時間)に等しいエントリの有効期間を含むことができる。
【0037】
本発明の別の態様によれば、前記端末と電気通信ネットワークとの間でこのプロトコルを使用するアプリケーションシグナリングメッセージの交換に固有のエントリが既にアドレス変換テーブルに存在する場合、前記デバイスは、アプリケーションシグナリングメッセージを直接第三者エンティティに中継し、認証メッセージを待つ。
【0038】
本発明の別の態様によれば、ゼロ登録有効期間または登録有効期間なしを含む認証メッセージを受信すると、アドレス変換テーブルを保持するためのデバイスは、アドレス変換テーブルからエントリを削除することができる。
【0039】
このことによる1つの効果は、本発明に従ったアプリケーションシグナリングメッセージの交換に固有の、変換テーブルのエントリが、可能な限り素早く解放され、これによりアドレス変換テーブルのリソースの最適化が可能になることである。
【0040】
相互に関連して、本発明は、プライベートネットワークのユーザ端末と電気通信ネットワークの第三者エンティティとの間に直列に位置するデバイスによって実装されるようになされたアドレスおよびポート変換テーブルを保持する方法を提供する。方法は、
・アプリケーションシグナリングプロトコルを使用して端末によって前記第三者エンティティに送信される登録要求メッセージであって、前記プロトコルを使用するメッセージの交換に専用の受信ポートにおいて第1の受信時間に前記デバイスによって受信される、メッセージを途中で止めるステップと、
・端末と第三者エンティティとの間で前記プロトコルを使用するアプリケーションシグナリングメッセージの交換に固有のエントリの存在を、アドレス変換テーブルにおいて検証するステップと、
・端末と第三者エンティティとの間で前記プロトコルを使用するアプリケーションシグナリングメッセージの交換に固有のエントリがない場合に、アドレス変換テーブルを前記デバイスに接続するプライベートネットワークにおける端末のプライベートアドレスおよびプライベートポートを、電気通信ネットワークにおける端末のパブリックアドレスおよびパブリックポートならびにエントリの有効性指示と関連付ける固有のエントリであって、この有効性指示が第1の受信時間を考慮に入れる、エントリを、アドレス変換テーブルの中に作成するステップと
を含むことを特徴とする。
【0041】
本発明の一態様によれば、本方法は、
・前記要求に応答して第三者エンティティによってユーザ端末に送信される認証メッセージを待つステップと、
・第三者エンティティから端末への認証メッセージを第2の受信時間に受信すると、登録有効期間がある場合にはそれを抽出するステップと、
・有効期間があり、それがゼロでない場合に、第2の受信時間および登録有効期間に基づいて、エントリの有効性指示を更新するステップと
をさらに含む。
【0042】
特定の一実装形態において、アドレス変換テーブルを保持する本方法のステップは、コンピュータプログラム命令によって決定される。
【0043】
結果的に、本発明は、情報媒体上のコンピュータプログラムも提供し、そのプログラムは、アドレス変換テーブルを保持するためのデバイス、またはより一般的にはコンピュータにおいて実行されるようになされ、アドレス変換テーブルを保持するための上述した方法のステップを実行するようになされた命令を含む。
【0044】
このプログラムは、任意のプログラミング言語を使用することができ、ソースコード、オブジェクトコード、もしくは部分的にコンパイルされた形式などのソースコードとオブジェクトコードとの間の中間コードの形式、または他の任意の所望の形式を取ることができる。
【0045】
本発明はまた、上記で言及したコンピュータプログラムの命令を含むコンピュータ可読情報媒体を提供する。
【0046】
情報媒体は、プログラムを記憶することができる任意のエンティティまたはデバイスであってよい。たとえば媒体には、ROM(たとえばCD ROMもしくは超小型電子回路ROM)、または磁気記憶手段(たとえばフロッピー(登録商標)ディスクもしくハードディスク)などの記憶媒体を含むことができる。
【0047】
さらに、情報媒体は、無線または他の手段によって、電気的または光学的なケーブルを介してルーティングされることに適した、電気的または光学的信号などの伝送可能な媒体であってよい。本発明のプログラムは、特に、インターネットタイプのネットワークを通じてダウンロードすることができる。
【0048】
あるいは、情報媒体は、当該方法を実行するよう、またはその実行に使用されるようになされた、プログラムを組み込む集積回路であってよい。
【0049】
本発明のデバイスおよび方法は、特に、ホームゲートウェイまたはルータモデムによって実行されてよい。
【0050】
結果的に、本発明は、プライベートネットワークのユーザ端末を、電気通信ネットワークの第三者エンティティに接続するためのホームゲートウェイまたはルータモデムをさらに提供し、ゲートウェイまたはモデムは、
・アプリケーションシグナリングプロトコルを使用する、ユーザ端末と電気通信ネットワークの第三者エンティティとの間のアプリケーションシグナリングメッセージの交換に固有のエントリであって、プライベートネットワークにおける端末のプライベートアドレスおよびプライベートポートを、電気通信ネットワークにおける端末のパブリックアドレスおよびパブリックポートならびに前記エントリの有効性指示と関連付けるエントリを、記憶することが可能なアドレス変換テーブルと、
・上記で説明した、アドレス変換テーブルを保持するためのデバイスと
を含むことを特徴とする。
【0051】
本発明は最後に、エントリにおいて、プライベートネットワークにおける端末のプライベートアドレスおよびプライベートポートを、電気通信ネットワークにおけるその端末のパブリックアドレスおよびパブリックポートと関連付けるようになされたアドレス変換テーブルを提供し、テーブルは、アプリケーションシグナリングプロトコルを使用する、ユーザ端末と電気通信ネットワークの第三者エンティティとの間のアプリケーションシグナリングの交換に固有のエントリであって、前記エントリの有効性指示をさらに含むエントリを含むことを特徴とする。
【0052】
本発明の他の効果および特徴は、本発明の特定の一実施形態の、例示的かつ限定されない例のみを目的とした以下の説明を読むと同時に、添付の図面からよりはっきりと明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】アドレス変換テーブルを保持するための、先行技術のメカニズムを概略的に示す図である。
【図2】アドレス変換テーブルを保持するための本発明の一実施形態のデバイスを、概略的にその環境において示す図である。
【図3】アドレス変換テーブルを保持するための本発明の方法のステップをフローチャート形式で示す図である。
【図4】図3を参照して説明される本発明のコンテキストにおける、交換されるメッセージを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本発明の一般的な原理は、アドレス変換テーブルを保持するためのメカニズムであって、プライベートネットワークのユーザ端末と電気通信ネットワークの第三者エンティティとの間でアプリケーションシグナリングメッセージを交換するためのアプリケーションシグナリングプロトコルを使用することに関連する、テーブルの中のエントリに固有であるメカニズムを使用することである。
【0055】
以下では、IMSネットワークを介してボイスオーバIP(VoIP)サービスにアクセスしようとするユーザ端末の例を検討する。したがって、ユーザ端末は、アプリケーションシグナリングプロトコル、たとえばセッション開始プロトコル(SIP)を使用して、IMSネットワークのアクセスエンティティにサービス登録要求を送信する。
【0056】
本発明はこの例に限定されないことに留意されたい。しかしながら、アドレス変換テーブルを保持するための本発明のメカニズムは、ユーザ端末が、任意の他のアプリケーションシグナリングプロトコル、たとえば、H.323プロトコル、H.248プロトコル、またはメディアゲートウェイ制御プロトコル(MGCP)を使用して登録要求を送信することに続いてトリガされてよいことにも留意されたい。
【0057】
以下で、表現「登録要求」は、広義において、すなわち最初の登録要求に限定されず、登録更新要求または登録解除要求も含むものとしてもまた解釈されなければならない。いくつかのアプリケーションシグナリングプロトコルは、他のタイプの登録要求を指定することに留意されたい。本例はSIPによる状況であり、たとえば、ここではユーザ端末は、コンタクトアドレスごとに有効期間または残存サブスクリプション期間を応答において取得可能にする、登録要求を列挙するアクティブなサブスクリプションを送信する。
【0058】
図2は、プライベートネットワーク(ホームネットワーク)1に接続されたユーザ端末10を示す。このユーザのプライベートネットワークはまた、別のユーザ端末11およびコンピュータ12を含む。カスタマインストレーションが、ホームゲートウェイまたはルータモデム200を介して、オペレータの収集ネットワーク2に接続される。単純化するために、以下ではこれら両方のデバイスを指すのに、表現「ホームゲートウェイ」を使用する。それにもかかわらず、本発明の方法は、ルータモデム機能を有するいかなる装置によっても実装できることに留意すべきである。
【0059】
収集ユニット30は、ユーザ端末10によってSIPを使用してIMSアーキテクチャを実装するコアネットワーク3のアプリケーションサーバ40に送信される登録要求を中継する。表現「アプリケーションサーバ」は、ユーザ端末10とアプリケーションシグナリングメッセージを直接交換することができる、電気通信ネットワークの任意のエンティティを指し、たとえばそれは、P-CSCFタイプのIMSネットワークSIPアクセスエンティティである。登録要求はしたがって、REGISTRAR機能をホストする、IMSネットワークの別のエンティティ、たとえば、サービング呼セッション制御機能(S-CSCF)エンティティに中継される。
【0060】
ホームゲートウェイ200は、アドレス変換テーブル26を含む。
【0061】
アドレス変換テーブルの標準機能は、ユーザ端末10の組合せ(プライベートアドレス@LAN10、プライベートポートP10)を、組合せ(パブリックアドレス@PU20、パブリックポートP20)に変換することである。
【0062】
本発明によれば、エントリ27は、端末10と、アプリケーションサーバ40などの第三者エンティティとの間で所与のシグナリングプロトコルを使用する、一連のアプリケーションシグナリングメッセージの交換に固有である。エントリ27は、ユーザ端末がシグナリングプロトコルを使用して登録要求をIMSネットワークに送信することにより、アプリケーションサーバ40と通信することを要求するや否や、作成される。本発明によれば、エントリ27は、プライベートおよびパブリック(アドレス、ポート)の組合せに加えて、有効性指示EDを含む。本発明のエントリ27は、したがって、先行技術にあるような四つ組ではなく、五つ組である。
【0063】
ホームゲートウェイ200は、アドレス変換テーブル26を保持するための本発明のデバイスをさらに含む。
【0064】
最後にホームゲートウェイ200は、ユーザのプライベートネットワークの端末10、11、12のうちの1つから来る、所与のプロトコルを使用するアプリケーションシグナリングメッセージの受信に専用である、少なくとも1つの受信機ポート201を含む。
【0065】
ここで説明される本発明の実施形態では、本発明のデバイス20は、従来標準コンピュータにおいて見られるハードウエアコンポーネント、すなわちプロセッサ22と、ランダムアクセスメモリ(RAM)23と、読出し専用メモリ(ROM)24と、プライベートネットワーク1と通信するための通信手段21と、パブリックネットワーク2と通信するための通信手段25とを含む。
【0066】
本発明のデバイス20は、その中でエントリを作成または削除できる、アドレス変換テーブル26に接続される。
【0067】
読出し専用メモリ24は、図3および図4を参照して以下で説明される、アドレス変換テーブルを保持するための本発明の方法のステップを実行するための命令を含む、本発明のコンピュータプログラムを記憶する記憶媒体を構成する。
【0068】
デバイス20によって使用されるアドレス変換テーブルを保持する方法は、端末10によってアプリケーションサーバ40に送信され、SIPアプリケーションシグナリングプロトコルに専用のホームゲートウェイ受信機ポート201において、第1の受信時間DRに受信される、ボイスオーバIP(VoIP)サービスに登録するための要求を途中で止めるステップE1を含む。
【0069】
ステップE2において、デバイス20は、SIPを使用する、前記端末10とネットワーク3との間のシグナリングメッセージの交換に固有のエントリ27の存在を、アドレス変換テーブル26において検証する。
【0070】
アドレス変換テーブル26の中にこのタイプのアプリケーションシグナリングメッセージ交換に固有のエントリがない場合に、本発明の方法は、ステップE3において、そのプライベートネットワーク1における端末10のプライベートアドレスおよびプライベートポート(@LAN10、P10)を、収集ネットワーク2における端末のパブリックアドレスおよびパブリックポート(@PUB20、P20)ならびに有効性指示(たとえば、エントリの第1の失効時間EDは第1の受信時間DRから開始される)と関連付ける固有のエントリ27を、アドレス変換テーブル26の中に作成する。本方法は、たとえば第1の有効期間を加えることによって、第1の失効時間EDを計算する。あるいは、有効性指示は、開始時間および第1の有効期間を含む。
【0071】
本発明の第1の態様によれば、この第1の有効期間は所定の値を有することができ、本発明の第2の態様によれば、ユーザ端末からの要求がそれを特定する場合には、第1の有効期間は要求された登録有効期間であってよい。
【0072】
本発明の第3の態様によれば、第1の有効期間は2段階において更新される。第一に、アドレス変換テーブルを保持するためのデバイスが、受信時間DRにおいて、第1の有効期間に数分の値、たとえば300秒を代入する。
【0073】
第二に、ステップE4において、デバイスは、アプリケーションシグナリングメッセージを収集ユニット30に中継し、次いでアプリケーションサーバ40から端末10への応答メッセージを待つ。
【0074】
VoIPタイプのアプリケーションシグナリングメッセージの交換に固有のエントリが、アドレス変換テーブル26の中にユーザ端末10について存在する場合、本発明のデバイスは、直接ステップE4に進む。
【0075】
ステップE5において、第2の受信時間に、本発明のデバイスは、SIPサーバ40から来てホームゲートウェイ200のポートP20で受信される応答メッセージを途中で止める。
【0076】
そのメッセージが認証メッセージの場合、それはアプリケーションサーバ40によって端末に対して許可された登録有効期間、たとえばSIP登録のための有効期間を示す。たとえば、SIP標準(RFC3261)は、1時間のデフォルト有効期間を指定する。一方で、3GPP標準は、IMSシステムに対して1週間のデフォルト値を指定する。本発明はこれらの例には限定されないことに留意されたい。しかしながら、本発明は、電気通信ネットワークオペレータによって選択された任意の他の値に適用されることにも留意されたい。
【0077】
ステップE5において、本発明のデバイスは、受信された認証メッセージから登録有効期間を抽出する。
【0078】
メッセージが拒絶メッセージの場合、第1の失効時間EDは更新されない。エントリ27は、失効時間EDに達した時に、アドレス変換テーブル26から削除される。
【0079】
メッセージが明示的な登録解除要求に対する応答メッセージの場合、それはゼロ有効期間または期間なしのどちらかを示す。
【0080】
メッセージが登録要求を列挙するアクティブなサブスクリプションに対する応答メッセージの場合、それは1つまたは複数のゼロでない有効期間、または期間なしを示すことがある。
【0081】
ステップE6において、本発明のデバイスは、抽出された有効期間の値をテストする。値がゼロでない場合、デバイスは、ステップE7において、有効期間を第2の受信時間に加えることによって、アドレス変換テーブルからエントリの新しい失効時間E7を計算する。デバイスは次いで、古い失効時間を計算された失効時間に置き換えて、固有のエントリ27の五つ組を更新する。
【0082】
受信した応答メッセージにおける有効期間がゼロ、または期間がない場合、本発明のデバイスは、ステップE8の間に、アドレス変換テーブル26からエントリ27を削除する。
【0083】
本発明の一実装形態におけるメッセージ交換L1からL3が、図4を参照して以下に説明される。
【0084】
たとえば、第1のアプリケーションシグナリングメッセージ交換L1において、ユーザ端末10がサービスを登録するために、アプリケーションサーバ40にSIP登録要求REG(3600)を送信すると仮定する。この要求は、本発明のデバイスを含むホームゲートウェイ200、およびユーザ収集ユニット30により引き継がれて、アプリケーションサーバ40に伝えられる。
【0085】
この要求は、場合によっては所要の登録有効期間、たとえば3600秒を指定する。
【0086】
この要求が、アドレス変換テーブルを保持するための本発明のメカニズムをトリガする。
【0087】
ホームゲートウェイ200中の本発明のデバイス20は、受信時間T1に、専用ポート201において受信されたメッセージを途中で止める。デバイス20は、ホームゲートウェイのアドレス変換テーブル26を参照して、端末10について、VoIPプロトコルを使用するアプリケーションシグナリングメッセージを交換することに固有のメッセージが存在するかどうかを検証する。存在する場合、デバイス20は、メッセージREG(3600)を収集ユニット30に中継する。存在しない場合、デバイス20は、上記で説明した本発明のメカニズムを使用して、五つ組(@LAN10、P10、@PUB20、P20、ED)をアドレス変換テーブル26の中に書きこむエントリ27を、アドレス変換テーブル26の中に作成する。デバイス20が要求REGを受信した時間、および所定の値または要求された登録有効期間の値を有することができる第1の有効期間から、有効性指示が計算される。
【0088】
本発明の一態様によれば、デバイス20は次いで、第三者エンティティからの応答メッセージを待ち始める。
【0089】
受信時間T2に、ユーザ端末10とパブリックネットワークとのやり取りのためにホームゲートウェイ200によって作成されたパブリックポートP20においてデバイスが応答メッセージOK(3600)を受信するとき、デバイス20は、そのメッセージを途中で止め、有効期間DVがある場合には、メッセージからそれを抽出する。
【0090】
この期間がゼロでない場合に、デバイス20は、アドレス変換テーブルのエントリ27の失効時間をT2+DVによって更新し、次いで応答OK(3600)を端末10へ中継する。
【0091】
第2のメッセージ交換L2の間、端末10は、失効時間T2+3600に達する前に、新たな要求RRE(3600)をアプリケーションサーバ40に送信する。
【0092】
この要求をホームゲートウェイ200の専用ポート201において受信すると、本発明のデバイス20は、ユーザ端末10についてのエントリがアドレス変換テーブル26の中に存在するかどうかを検証する。存在する場合、複数の選択肢が開かれる。
【0093】
本発明の一態様によれば、デバイス20は、所定の有効期間の値、好ましくは通常登録サブスクリプション値を使用して、エントリの有効性指示を更新する。
【0094】
本発明の別の態様によれば、デバイス20は、新たな要求から要求された登録有効期間がある場合にはそれを抽出し、新たな要求が受信された時間および要求された登録有効期間に基づいて、エントリの有効性指示を更新する。
【0095】
本発明のさらなる態様によれば、デバイス20は、要求RRE(3600)を直接収集ユニット30に中継し、応答メッセージを待つ。応答メッセージOK(3600)が受信時間T3に到着すると、デバイス20は、古い有効性指示を、T3から取得された更新値および応答メッセージに示された有効期間DVに置き換えることによって、アドレス変換テーブルのエントリ27を更新し、次いでこの応答メッセージを端末10に中継する。
【0096】
第3のメッセージ交換L3の間、端末10は、失効時間T3+DVに達する前に、SIPサーバ40に明示的な登録解除要求RDEを送信する。
【0097】
本発明の一態様によれば、エントリがアドレス変換テーブル26の中に存在するので、本発明のデバイスは、この要求を直接中継する。SIPサーバ40からの認証応答を受信時間T4に受信すると、デバイスは、メッセージからゼロ有効期間を抽出する、または有効期間がないことに気付き、アドレス変換テーブルからエントリ27を削除する。
【符号の説明】
【0098】
1 プライベートネットワーク
2 パブリックネットワーク、収集ネットワーク
3 コアネットワーク
10 端末
11 端末
12 端末、コンピュータ
20 デバイス
21 通信手段
22 プロセッサ
23 ランダムアクセスメモリ
24 読出し専用メモリ
25 通信手段
26 アドレス変換テーブル
27 エントリ
30 ユーザ収集ユニット
40 アプリケーションサーバ、SIPサーバ
200 ホームゲートウェイまたはルータモデム
201 ホームゲートウェイ受信機ポート
ED 有効性指示、失効時間
DV 有効期間
L1 メッセージの交換
L2 メッセージの交換
L3 メッセージの交換
L4 メッセージの交換
T1 受信時間
T2 受信時間
T3 受信時間
T4 受信時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末と電気通信ネットワークの第三者エンティティとの間に直列に位置する、アドレス変換テーブルを保持するためのデバイスであって、
アプリケーションシグナリングプロトコルを使用して前記端末によって前記第三者エンティティに送信される登録要求メッセージであって、前記プロトコルを使用するメッセージの交換に専用の受信ポートにおいて第1の受信時間に前記デバイスによって受信される、メッセージを途中で止め、
前記端末と前記第三者エンティティとの間で前記プロトコルを使用するアプリケーションシグナリングメッセージの交換に固有のエントリの存在を、前記アドレス変換テーブルにおいて検証し、
前記端末と前記第三者エンティティとの間で前記プロトコルを使用する前記アプリケーションシグナリングメッセージの交換に固有のエントリがない場合に、前記アドレス変換テーブルを前記デバイスに接続するプライベートネットワークにおける前記端末のプライベートアドレスおよびプライベートポートを、前記電気通信ネットワークにおける前記端末のパブリックアドレスおよびパブリックポートならびにエントリの有効性指示と関連付ける固有のエントリであって、前記有効性指示が前記第1の受信時間および第1の有効期間を考慮に入れる、エントリを、前記アドレス変換テーブルの中に作成する
ようになされたことを特徴とするデバイス。
【請求項2】
前記第1の有効期間が、前記アプリケーションシグナリングプロトコルに固有である所定の値を有することを特徴とする、アドレス変換テーブルを保持するための請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記ユーザ端末によって送信される前記登録要求が要求された登録有効期間を含み、前記第1の有効期間が前記要求された登録有効期間と等しくなるように選択されることを特徴とする、アドレス変換テーブルを保持するための請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記要求に応答して前記第三者エンティティによって前記ユーザ端末の前記パブリックポートに送信される認証メッセージを待ち、
前記第三者エンティティから前記端末への認証メッセージを第2の受信時間に受信すると、登録有効期間がある場合にはそれを抽出し、
有効期間があり、それがゼロでない場合に、前記第2の受信時間および前記抽出された登録有効期間に基づいて、前記エントリの前記有効性指示を更新する
ようにさらになされたことを特徴とする、アドレス変換テーブルを保持するための請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記更新されたエントリの前記有効性指示が、前記登録有効期間を前記第2の受信時間に加えることによって計算されることを特徴とする、アドレス変換テーブルを保持するための請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記端末に関連するエントリが前記アドレス変換テーブルの中に既に存在する場合に、前記デバイスが、前記要求メッセージを前記第三者エンティティに直接中継し、前記要求に応答する認証メッセージを待つことを特徴とする、アドレス変換テーブルを保持するための請求項4に記載のデバイス。
【請求項7】
ゼロ登録有効期間または登録有効期間なしを含む認証メッセージを受信すると、前記デバイスが前記アドレス変換テーブルから前記エントリを削除することができることを特徴とする、アドレス変換テーブルを保持するための請求項4に記載のデバイス。
【請求項8】
プライベートネットワークの端末を電気通信ネットワークの第三者エンティティと接続するためのホームゲートウェイまたはルータモデムであって、
アプリケーションシグナリングプロトコルを使用する、ユーザ端末と前記電気通信ネットワークの前記第三者エンティティとの間のアプリケーションシグナリングメッセージの交換に固有のエントリであって、前記プライベートネットワークにおける前記端末のプライベートアドレスおよびプライベートポートを、前記電気通信ネットワークにおける前記端末のパブリックアドレスおよびパブリックポートならびに前記エントリの有効性指示と関連付けるエントリを、記憶することができるアドレス変換テーブルと、
前記アドレス変換テーブルを保持するためのデバイスであって、
アプリケーションシグナリングプロトコルを使用して前記端末によって前記第三者エンティティに送信される登録要求メッセージであって、前記プロトコルを使用するメッセージの交換に専用の受信ポートにおいて第1の受信時間に前記デバイスによって受信される、メッセージを途中で止め、
前記端末と前記第三者エンティティとの間で前記プロトコルを使用する前記アプリケーションシグナリングメッセージの交換に固有のエントリの存在を、前記アドレス変換テーブルにおいて検証し、
前記端末と前記第三者エンティティとの間で前記プロトコルを使用する前記アプリケーションシグナリングメッセージの交換に固有のエントリがない場合に、前記アドレス変換テーブルを前記デバイスに接続するプライベートネットワークにおける前記端末のプライベートアドレスおよびプライベートポートを、前記電気通信ネットワークにおける前記端末のパブリックアドレスおよびパブリックポートならびにエントリの有効性指示と関連付ける固有のエントリであって、前記有効性指示が前記第1の受信時間および第1の有効期間を考慮に入れる、エントリを、前記アドレス変換テーブルの中に作成する
ようになされたデバイスと
を含むことを特徴とするホームゲートウェイまたはルータモデム。
【請求項9】
ユーザ端末に関連し、プライベートネットワークにおけるユーザ端末のプライベートアドレスおよびプライベートポートを、電気通信ネットワークにおける前記ユーザ端末のパブリックアドレスおよびパブリックポートと関連付けるエントリを記憶するようになされたアドレス変換テーブルであって、アプリケーションシグナリングプロトコルを使用する、前記ユーザ端末と前記電気通信ネットワークの第三者エンティティとの間のアプリケーションシグナリングの交換に固有のエントリであって、前記エントリの有効性指示をさらに含むエントリを含むことを特徴とするアドレス変換テーブル。
【請求項10】
プライベートネットワークのユーザ端末と電気通信ネットワークの第三者エンティティとの間に直列に位置するデバイスによって実装されるようになされたアドレス変換テーブルを保持するための方法であって、
アプリケーションシグナリングプロトコルを使用して前記端末によって前記第三者エンティティに送信される登録要求メッセージであって、前記プロトコルを使用するメッセージの交換に専用の受信ポートにおいて第1の受信時間に前記デバイスによって受信される、メッセージを途中で止めるステップと、
前記端末と前記第三者エンティティとの間で前記プロトコルを使用するアプリケーションシグナリングメッセージの交換に固有のエントリの存在を、前記アドレス変換テーブルにおいて検証するステップと、
前記端末と前記第三者エンティティとの間で前記プロトコルを使用する前記アプリケーションシグナリングメッセージの交換に固有のエントリがない場合に、前記アドレス変換テーブルを前記デバイスに接続するプライベートネットワークにおける前記端末のプライベートアドレスおよびプライベートポートを、前記電気通信ネットワークにおける前記端末のパブリックアドレスおよびパブリックポートならびにエントリの有効性指示を関連付ける固有のエントリであって、前記有効性指示が前記第1の受信時間を考慮に入れる、エントリを、前記アドレス変換テーブルの中に作成するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記要求に応答して前記第三者エンティティによって前記ユーザ端末の前記パブリックポートに送信される認証メッセージを待つステップと、
前記第三者エンティティから前記端末の前記パブリックポートへの認証メッセージを第2の受信時間に受信すると、登録有効期間がある場合にはそれを抽出するステップと、
有効期間があり、それがゼロでない場合に、前記第2の受信時間および前記登録有効期間に基づいて、前記エントリの前記有効性指示を更新するステップと
をさらに含むことを特徴とする、アドレス変換テーブルを保持する請求項10に記載の方法。
【請求項12】
コンピュータによって実行されるときに、アドレス変換テーブルを保持する請求項10に記載の方法のステップを実行するための命令を含む、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−505096(P2011−505096A)
【公表日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−535431(P2010−535431)
【出願日】平成20年11月24日(2008.11.24)
【国際出願番号】PCT/FR2008/052118
【国際公開番号】WO2009/071830
【国際公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(591034154)フランス・テレコム (290)
【Fターム(参考)】