説明

アドレナリン受容体として有用なホルムアミド誘導体

本発明は、式(1)で示される化合物、その製造方法、その製造に用いられる中間体、該誘導体を含有する組成物及び該誘導体の使用に関する。本発明による化合物は、多くの疾患、障害及び状態に、特に、炎症性、アレルギー性及び呼吸器の疾患、障害及び状態に有用である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式:
【0002】
【化1】

【0003】
[式中、R、R、n及びQは、以下に示す意味を有する]
で示されるβ2アゴニスト、該誘導体の製造方法、該誘導体を含有する組成物及び該誘導体の使用に関する。
【0004】
アドレナリン受容体は、大きいGタンパク質共役型受容体スーパーファミリーのメンバーである。アドレナリン受容体・サブファミリーは、それ自体、αサブファミリーとβサブファミリーとに分割され、βサブファミリーは、少なくとも3つの受容体サブタイプ:β1、β2及びβ3から構成される。これらの受容体は、哺乳動物の種々な系及び器官の組織内で異なる発現パターンを示す。β2アドレナリン作用性(β2)受容体は、主として、平滑筋細胞(例えば、血管、気管支、子宮又は腸の平滑筋)中に発現するが、β3アドレナリン受容体は主として脂肪組織中に発現する(それ故、β3アゴニストは肥満及び糖尿病の治療に有用でありうる可能性が高い)、そしてβ1アドレナリン受容体は主として心臓組織中に発現する(それ故、β1アゴニストは主として心臓刺激剤として用いられる)。
【0005】
気道疾患の病理生理学と治療は、文献において広範囲に考察されている(参考のために、Bames,P.J. Chest,1997,111:2,pp 17S-26S 及び Bryan,S.A. et al, Expert Opinion on investigational drugs,2000, 9:1,pp25-42を参照のこと)、それ故、本明細書では、若干の背景情報を与えるために、簡単な概要のみを含めることにする。
【0006】
グルココルチコステロイド、アンチ−ロイコトリエン、テオフィリン、クロモン、アンチ−コリン作動薬及びβ2アゴニストは、例えば喘息及び慢性閉塞性気道疾患(COPD)のような、アレルギー性及び非アレルギー性の気道疾患を治療するために現在用いられる薬物クラスを構成する。これらの疾患の治療ガイドラインは、短時間及び長時間作用型の両方の吸入β2アゴニストを包含する。短時間作用型の迅速開始性β2アゴニストは、「レスキュー(rescue)」気管支拡張のために用いられるが、長時間作用型は持続的な不安除去を与え、維持療法として用いられる。
【0007】
気管支拡張は、気道平滑筋細胞上に発現されるβ2アドレナリン受容体のアゴニズム(agonism)によって仲介される、該アゴニズムは、結果として弛緩を生じる、それ故、気管支拡張を生じる。したがって、機能的アンタゴニストとして、β2アゴニストは、ロイコトリエンD4(LTD4)、アセチルコリン、ブラディキニン、プロスタグランジン、ヒスタミン及びエンドテリンを包含する、全ての気管支収縮性物質の効果を防止し、逆転させることができる。β2受容体は気道中に非常に広く分布しているので、β2アゴニストは、喘息に関与する、他の種類の細胞に影響を及ぼすこともできる。例えば、β2アゴニストがマスト細胞を安定させうることが報告されている。β2アゴニストが、アレルゲン、労作及び冷気によって誘発される気管支収縮を阻止する方法は、気管支収縮性物質の放出を抑制することであると考えられる。さらに、β2アゴニストは、ヒト気道におけるコリン作用性神経伝達を抑制して、結果として、コリン−反射性(cholinergic-reflex)気管支収縮の寛解を生ずることができる。
【0008】
気道の他に、β2アドレナリン受容体は他の器官及び組織にも発現することが確認されているので、例えば、本発明に述べるようなβ2アゴニストは、例えば、非限定的に、神経系の疾患、早産、うっ血性心不全、うつ病、炎症性及びアレルギー性皮膚疾患、乾癬、増殖性皮膚疾患、緑内障のような、他の疾患の治療と、胃液酸度の低下が有利であるような状態、特に、胃潰瘍及び消化性潰瘍形成の治療に用いることができる。
【0009】
しかし、多くのβ2アゴニストは、それらの低い選択性と、高度な全身暴露によって導出され、気道の外側に発現されるβ2アドレナリン受容体における作用を介して仲介される、不利な副作用(筋肉振戦、頻脈、動悸、情動不安)とのために、それらの使用が限定されている。それ故、このクラスの作用剤を改良する必要性が存在する。
【0010】
したがって、例えば、効力、選択性、薬物動態又は作用の持続期間の観点から、適当な薬理学的プロフィルを有すると考えられる、新規なβ2アゴニストの必要性がなおも存在する。このような状況において、本発明は新規なβ2アゴニストに関する。
【0011】
種々なホルムアミド誘導体がすでに開示されている。例えば、US2004/0006112は、式:
【0012】
【化2】

【0013】
で示される、β2アゴニストとして活性な化合物を開示している。
US2003/0229058は、式:
【0014】
【化3】

【0015】
で示される、選択的β2アゴニストを開示している。
しかし、上記ホルムアミド誘導体のいずれも、例えばアレルギー性及び非アレルギー性気道疾患のようなβ2仲介疾患及び/又は状態の治療に効果的な薬物として、特に吸入経路によって、それらを用いることを可能にする薬理学的プロフィルを示していない。
【0016】
本発明は、一般式(1):
【0017】
【化4】

【0018】
で示される化合物、又は適当である場合には、それらの製薬的に受容される塩及び/若しくは異性体、互変体、溶媒和物又はこれらの同位体変形物に関する、
上記式中、(CH−C(=O)Q基は、メタ又はパラ位置に存在する、
とRは、独立的に、HとC−Cアルキルから選択される;
nは、0、1又は2であり;
は、
【0019】
【化5】

【0020】
[式中、pは1若しくは2であり、qは1若しくは2である]で示され、場合によっては、1つの炭素原子によって架橋される基、
【0021】
【化6】

【0022】
及び−NR−Q−A[式中、QはC−Cアルキレンであり、RはH若しくはC−Cアルキルであり、Aはピリジル、C−C10シクロアルキル(該シクロアルキルは場合によっては1つ以上の、好ましくは1、2、3若しくは4個の炭素原子によって架橋される)、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、テトラヒドロチオピラニル又は
【0023】
【化7】

【0024】
で示される基である]で示される基から選択される基である;
、R、R、R及びRは、同じ又は異なるものであり、H、C−Cアルキル、OR、SR、SOR、SO、ハロ、CN、CO、CF、OCF、SONR10、CONR10、NR10、NHCOR10並びに、OR、ハロ及びC−Cアルキルから選択される1〜3個の基で任意に置換されるフェニルから選択される;
とR10は、同じ又は異なるものであり、H又はC−Cアルキルから選択される、は、該カルボニル基への付着点を表す。
【0025】
式(1)で示される化合物は、β2受容体のアゴニストであり、特に、吸入経路で投与されるときに優れた効力を示すことによって、β2仲介疾患及び/又は状態の治療に特に有用である。
【0026】
本明細書の上記式(1)において、C−CアルキルとC−Cアルキレンは、炭素原子1、2、3又は4個を含有する直鎖若しくは分枝鎖基を意味する。このことは、これらが置換基を有する場合又はこれらが他のラジカルの置換基として、例えば、O−(C−C)アルキル・ラジカル、S−(C−C)アルキル・ラジカル等におけるように出現する場合にも、通用する。適当な(C−C)アルキル・ラジカルの例は、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル・・・である。適当なO−(C−C)アルキル・ラジカルの例は、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、iso−プロピルオキシ、n−ブチルオキシ、iso−ブチルオキシ、sec−ブチルオキシ及びtert−ブチルオキシ・・・である。
【0027】
炭素原子2個以上が場合によっては1つ以上の炭素原子によって架橋されるC−C10シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチル、アダマンチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタンを包含する。好ましいシクロアルキル基は、シクロヘキシル及びアダマンチルである。
【0028】
最後に、ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードから成る群から選択されるハロゲンを意味し、特に、フルオロ又はクロロを意味する。
下記において、例えば以下の構造:
【0029】
【化8】

【0030】
におけるような、フェニル基上の遊離結合は、該フェニル基がメタ又はパラ位置において置換されうることを意味する。
式(1):
【0031】
【化9】

【0032】
[式中、Q、Q、R、R、A及びnは、特に指定しないかぎり、式(1)化合物に関して上記で定義したとおりである]で示される化合物は、例えば、以下に例示する方法によって慣用的な手段を用いて製造することができる。
【0033】
式(1)で示されるアミド誘導体は、式(2):
【0034】
【化10】

【0035】
で示される酸と、式:NHR−Q−A(3)、
【0036】
【化11】

【0037】
で示されるアミンとのカップリングによって製造することができる。該カップリングは、一般に、酸受容体としての過剰な前記アミン中で、慣用的なカップリング剤(例えば、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド又はO−(1H−ベンゾトリアゾル−1−イル)-N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩)によって、場合によっては、触媒(例えば、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物又は1-ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール)の存在下、及び場合によっては、第3級アミン塩基(例えば、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミン)の存在下で行なわれる。この反応は、例えばピリジン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン又は酢酸エチルのような、適当な溶媒中で、10℃〜40℃に含まれる温度(室温)において1〜24時間の期間にわたって行なうことができる。
【0038】
前記アミン(3)、(3’)、(3”)又は(3”’)は、商業的に入手可能であるか、又は商業的に入手可能な物質から、当業者に周知の慣用的方法(例えば、還元、酸化、アルキル化、遷移金属仲介カップリング、保護、脱保護等)によって製造することができる。
【0039】
式(2)で示される酸は、式(4):
【0040】
【化12】

【0041】
[式中、Raは、適当な酸保護基、好ましくはベンジル基又は(C−C)アルキル基であり、該(C−C)アルキル基は、非限定的に、メチル及びエチルを包含する]
で示される対応エステルから、エステルから酸を製造するための、当業者に周知の任意の方法に従って、該分子の残部を変更することなく、製造することができる。例えば、該エステルを、場合によっては溶媒又は溶媒混合物(例えば、水、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン/水)の存在下、20℃〜100℃に含まれる温度における、1〜40時間の期間にわたる、酸又は塩基水溶液(例えば、塩化水素、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム又は水酸化リチウム)による処理によって加水分解することができる。或いは、該エステルがベンジル基である場合には、該エステルを、1〜4気圧の水素下、20℃〜50℃に含まれる温度の、例えば(メタノール、エタノール又はメタノール中2Mアンモニア)のような適当な溶媒中、適当な触媒(例えば、炭素付きパラジウム、又は炭素付き水酸化パラジウム)の存在下で、1〜48時間水素化することができる。
【0042】
式(4)で示されるエステルは、式(5):
【0043】
【化13】

【0044】
[式中、Raとnは上記で定義したとおりである]
で示されるアミンと、式(6):
【0045】
【化14】

【0046】
で示される臭化物との反応によって製造することができる。
典型的な手段では、式(5)アミンを、場合によっては、溶媒又は溶媒混合物(例えば、ジメチルスルホキシド、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル)中で、場合によっては、適当な塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム)の存在下、80℃〜120℃に含まれる温度において、式(6)臭化物と、12〜48時間反応させる。
【0047】
式(6)臭化物は、「Organic Process Research and Development 1998,2,96-99」に開示される方法に従って製造することができる。
式(5)アミン[式中、RはMeであり、RはHである]は、式(7):
【0048】
【化15】

【0049】
[式中、Raとnは上記で定義したとおりであり、RbとRcは、HNRbRcがキラル・アミンとなるような、任意の適当な置換基を表す(例えば、Rbは水素であり、Rcはα−メチルベンジルであることができる)、但し、NとRb間及びNとRc間の結合は容易に切断されて、遊離の式(5)アミンを与えることができる]で示される、対応する保護されたアミンから、例えばテキストブック:Protective Groups in Organic Synthesis Third Edition by T.W.Greene and P.G.Wuts, John Wiley and Sons Inc.,1999 に見出される方法のような、窒素保護基を切断するための標準方法を用いて、(R)又は(S)エナンチオマーのいずれかとして製造することができる。
【0050】
式(7)アミンは、式:HNRbRcで示されるアミンと、式(8):
【0051】
【化16】

【0052】
[式中、Ra、Rb、Rc及びnは、上記で定義したとおりである]
で示されるケトンとの反応によって、単一ジアステレオマーとして製造することができる。
【0053】
典型的な手段では、式(8)ケトンと、式:HNRbRcで示されるアミンとの反応によって、キラル中間体を得て、次に、これを適当な還元剤(例えば、式:NaCNBHで示されるシアノホウ水素化ナトリウム又は式:Na(OAc)BHで示されるトリアセトキシホウ水素化ナトリウム)によって、場合によっては乾燥剤(例えば、モレキュラー・シーブス、硫酸マグネシウム)の存在下及び場合によっては酸触媒(例えば、酢酸)の存在下で、還元させて、式(7)アミンをジアステレオマー混合物として得る。この反応は、一般に、例えばテトラヒドロフラン又はジクロロメタンのような溶媒中、20℃〜80℃に含まれる温度において、3〜72時間行なわれる。得られた生成物を次に塩酸塩又は硝酸塩に転化させて、適当な溶媒又は溶媒混合物(例えば、イソプロパノール、酢酸エチル、エタノール、メタノール、ジイソプロピルエーテル又はジイソプロピルエーテル/メタノール)から選択的に結晶化させて、単一ジアステレオマーとして式(7)を得る。
【0054】
式(8)ケトン(式中、n=1)は、式(9):
【0055】
【化17】

【0056】
[式中、Raは上記で定義したとおりであり、Halは、非限定的にブロモとヨードを包含する、ハロゲン原子を表す]で示されるアリールハライドと、エノラート又はエノラート同等物とのパラジウム仲介カップリングによって製造することができる。
【0057】
典型的な手段では、式(9)アリールハライドを、非極性溶媒(例えば、トルエン、ベンゼン、ヘキサン)中、適当なパラジウム触媒(酢酸パラジウム/式:Pd(OAc)/P(o−Tol))で示されるトリ−オルト−トリルホスフィン)の存在下で、式:BuSnOMeで示されるトリ−n−ブチルスズ・メトキシドによる酢酸イソプロペニルの処理によって現場で(in-situ)形成されるスズ・エノラートと、反応させる。好ましくは、この反応は、80℃〜110℃に含まれる温度において6〜16時間行なわれる。
【0058】
式(9)アリールハライドは、分子の残部を変更することなく酸からエステルを製造するための当業者に周知の任意の方法に従って、式(10):
【0059】
【化18】

【0060】
[式中、Halは上記で定義したとおりである]
で示される対応する酸のエステル化によって得ることができる。
典型的な手段では、式(10)酸を、式:RaOH[式中、Raは上記で定義したとおりである]で示されるアルコール溶媒と、例えば塩化水素のような酸の存在下、10℃〜40℃に含まれる温度(室温)において8〜16時間反応させる。或いは、式(10)酸を塩基(例えば、炭酸セシウム又は炭酸カリウム)と反応させて、例えばN,N−ジメチルホルムアミドのような、適当な溶媒中で、アルキルハライド(例えば、ヨウ化メチル、臭化ベンジル)によって、10℃〜40℃に含まれる温度(室温)において1〜20時間処理する。
【0061】
式(10)酸は、商品である。
式(5)アミン[式中、RとRは両方ともC−Cアルキルである]は、下記スキーム:
【0062】
【化19】

【0063】
[式中、R、R及びRaは上記で定義したとおりである]
に従って製造することができる。
典型的な手段では、上記方法を用いて、式(11)エステルを「活性化」アルキル(例えば、RMgBr、RMgCl又はRLiのような有機金属アルキル)と反応させて、対応する式(12)第3級アルコールを得る。
【0064】
次に、前記式(12)第3級アルコールを酸(例えば、硫酸、酢酸)の存在下でアルキルニトリル(例えば、アセトニトリル、クロロアセトニトリル)によって処理して、保護された中間体を得て、この中間体を次には、例えばテキストブックに見出される方法のような、窒素保護基を切断するための標準方法を用いて、切断する。得られたアミノ酸を次に、本明細書に述べる方法を用いてエステル化して、式(5)アミンを得る。
【0065】
或いは、式(5)アミン[式中、RとRは両方ともC−Cアルキルであり、n=0である]は、下記スキーム:
【0066】
【化20】

【0067】
[式中、R、R及びRaは上記で定義したとおりである]
に従って製造することができる。
典型的な手段では、上記方法を用いて、式(13)エステルを「活性化」アルキル(例えば、RMgBr、RMgCl又はRLiのような有機金属アルキル)と反応させて、対応する式(14)第3級アルコールを得る。
【0068】
次に、前記式(14)第3級アルコールを酸(例えば、硫酸、酢酸)の存在下でアルキルニトリル(例えば、アセトニトリル、クロロアセトニトリル)によって処理して、保護された中間体を得て、この中間体を次には、例えばテキストブックに見出される方法のような、窒素保護基を切断するための標準方法を用いて、切断して、ブロモアミン(15)を得る。
【0069】
得られたブロモアミン(15)を、適当なパラジウム触媒(例えば、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、パラジウム(II)アセテート[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルジクロロパラジウム(II))によって、一酸化炭素の雰囲気下で、溶媒としてRaOH(例えば、MeOH、EtOH、ベンジルアルコール)を用いて、或いは、例えばDMFのような共溶媒を用いて、高温(100℃)及び高圧(100psi)において処理して、式(5)エステルを得る。
【0070】
式(8)ケトン[式中、n=2]は、式(16):
【0071】
【化21】

【0072】
で示されるアルケンの還元によって製造することができる。
典型的な手段では、適当な溶媒(例えば、メタノール、エタノール、酢酸エチル)中の式(16)オレフィン溶液を、場合によっては高圧(例えば、60psi)の水素雰囲気下、室温〜60℃の温度において、パラジウム触媒(例えば、炭素付き10%パラジウム)によって処理して、8〜24時間撹拌する。
【0073】
式(16)アルケンは、活性化オレフィンの、式(17):
【0074】
【化22】

【0075】
で示されるアリールハライドとのパラジウム仲介カップリングによって製造することができる。
典型的な手段では、適当な溶媒(例えば、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン)中、適当なパラジウム触媒(例えば、式Pd(PPhで示されるテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、式Pd(OAc)P(o−Tol)で示されるパラジウムアセテート/トリ−オルト−トリルホスフィン、又は式dppf(PdCl)で示される(ジフェニルホスフィノ)フェロセニルパラジウムクロリド)の存在下、場合によっては、例えばトリエチルアミンのような塩基の存在下で、アリールハライド(17)をビニルエステル(例えば、アクリル酸メチル)と、40℃〜110℃の温度において8〜24時間カップリングさせる。
【0076】
式(17)ケトンは商品である。
或いは、式(1)化合物は、式(6)臭化物と、式(18):
【0077】
【化23】

【0078】
[式中、R、R、Q及びnは、他に指定しないかぎり、上記で式(1)化合物に関して定義したとおりである]で示されるアミンとの反応によって製造することができる。
典型的な手段では、式(18)アミンを式(6)臭化物と、場合によっては、溶媒又は溶媒混合物(例えば、ジメチルスルホキシド、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル)の存在下、場合によっては、適当な塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム)の存在下で、80℃〜120℃に含まれる温度において12〜48時間反応させる。
【0079】
式(18)アミドは、適当なアミン保護基P1を組み込む式(19):
【0080】
【化24】

【0081】
で示される酸と、式:NHR−Q−A(3)で示されるアミンとのカップリングによって製造することができる。
【0082】
【化25】

【0083】
このカップリングは、一般に、酸受容体としての過剰な前記アミン中で、慣用的なカップリング剤(例えば、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩又はN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド)によって、場合によっては、触媒(例えば、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物又は1-ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール)の存在下、及び場合によっては第3級アミン塩基(例えば、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミン)の存在下で行なわれる。この反応は、例えば、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン又は酢酸エチルのような、適当な溶媒中で、10℃〜40℃に含まれる温度(室温)において1〜24時間の期間行なうことができる。
【0084】
前記アミン(3)、(3’)、(3”)又は(3”’)は、商業的に入手可能であるか、又は商業的に入手可能な物質から、当業者に周知の慣用的方法(例えば、還元、酸化、アルキル化、遷移金属仲介カップリング、保護、脱保護等)によって製造することができる。
【0085】
式(19)で示される酸は、対応する式(5)エステルから製造することができる。
式(19)酸[式中、RとRは両方ともC−Cアルキルである]は、該酸の形成の前又は後に適当なアミン保護基P1を組み込むエステル(5):
【0086】
【化26】

【0087】
[式中、Raは、適当な酸保護基、好ましくは(C−C)アルキル基であり、該(C−C)アルキル基は、非限定的に、メチル及びエチルを包含する]
から、エステルから酸を製造するための、当業者に周知の任意の方法に従って、該分子の残部を変更することなく、製造することができる。例えば、該エステルを、場合によっては溶媒又は溶媒混合物(例えば、水、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン/水)の存在下、20℃〜100℃に含まれる温度における、1〜40時間の期間にわたる、酸又は塩基水溶液(例えば、塩化水素、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム又は水酸化リチウム)による処理によって加水分解することができる。
【0088】
式(5)アミン[式中、RとRは、両方ともHである]は、下記スキーム:
【0089】
【化27】

【0090】
[式中、R、R及びRaは、上記で定義したとおりである]
に従って製造することができる。
典型的な手段では、好ましくは、式(20)酸をエステルの存在下で対応するアルコール(21)に還元する。これは、アシルイミダゾール又は混合無水物を形成し、続いて、ホウ水素化ナトリウム又は他の適当な還元剤によって還元することによって、行なうことができる。
【0091】
次に、式(21)で示される前記第1級アルコールを例えばメシラート、トシラート、臭化物又はヨウ化物のような脱離基に転化させて、適当なアミン求核試薬と置換する。好ましい求核試薬はアジドイオンであり、これは次に、水素化又はトリフェニルホスフィンによって、第1級アミンに還元することができる。代替求核試薬は、アンモニア又は、例えばベンジルアミン若しくはアリルアミンのようなアルキルアミンを包含することができ、その後の該アルキル基の切断が該アミンを供給する。
【0092】
【化28】

【0093】
或いは、式22で示されるアミドは、前記で略述したように、標準的なアミド結合形成反応を用いて製造することができる。式22化合物を次に、溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル)中、適当な触媒(例えば、酢酸パラジウム(II))とホスフィンの存在下、塩基(例えば、N,N−ジイソプロピルエチルアミン)の存在下で、20℃〜120℃に含まれる温度において、保護ビニルアミン(例えば、N−ビニルフタルイミド)と、1〜48時間反応させることができる。次に、式23で示されるアルケンを、標準水素化条件を用いて還元して、式24で示されるアルカンを得て、保護フタルイミド基を、標準保護基除去を用いて除去することができる。式25で示されるアミンを、前記で略述した条件を用いて、式6臭化物と反応させて、式1化合物を得ることができる。
【0094】
本明細書で上述した、式(1)化合物の製造方法の工程の幾つかに関して、反応することが望ましくない可能な反応性官能基を保護して、その結果の該保護基を除去することが必要である可能性がある。このような場合に、如何なる相容性保護ラジカルも使用可能である。特に、例えばT.W.GreeneとP.G.M.Wuts(Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons Inc.,1999)によって、及びP.J.Kocienski(Protecting Groups, Georg Thieme Verlag,1994)によって記載されている方法のような、保護及び脱保護の方法を用いることができる。
【0095】
上記反応と、先行方法に用いられる、新規な出発物質の製造との全ては慣用的であり、それらの実施又は製造並びに目的生成物を単離するための手段に適当な試薬及び反応条件は、文献の先例と、本明細書の実施例及び製造例を参照するならば、当業者に充分に理解されるであろう。
【0096】
さらに、式(1)化合物と、それを製造するための中間体は、例えば結晶化又はクロマトグラフィーのような、種々な周知方法に従って精製することができる。
下記置換基を含有する、式(1)化合物の亜群が好ましい:
好ましくは、Qは、基−NH−Q−A[式中、Aはシクロヘキシル又はアダマンチルである]である。
【0097】
好ましくは、Qは、
【0098】
【化29】

【0099】
[式中、R、R、R及びRは、Hである]である。
好ましくは、Qは、
【0100】
【化30】

【0101】
[式中、R〜Rの1つはOHであり、他のものはHである]である。
好ましくは、Qは、基−NH−Q−Aであり、この場合、Aは、
【0102】
【化31】

【0103】
で示される基であり、式中、R、R、R、R及びRは、同じ又は異なるものであり、H、C−Cアルキル、OR、SR、SOR、SO、ハロ、CN、CO、CF、OCF、SONR10、CONR10、NR10、NHCOR10並びに、OR、ハロ及びC−Cアルキルから選択される1〜3個の基で任意に置換されるフェニルから選択される、但し、R〜Rの少なくとも2つは、Hに等しい;RとR10は、同じ又は異なるものであり、H又はC−Cアルキルから選択される。
【0104】
より好ましくは、Qは、基−NH−Q−Aであり、この場合、Aは、
【0105】
【化32】

【0106】
で示される基であり、式中、R、R、R、R及びRは、同じ又は異なるものであり、H、OH、CH、OCH、OCF、OCH−CH、SCH、N(CH、N(C=O)CH、C(=O)NH、COOCH、SOCH、SONH、ハロ、CN、CF並びに、OHで任意に置換されるフェニルから選択される、但し、R〜Rの少なくとも2つはHに等しい。
【0107】
好ましい実施態様では、Aは、
【0108】
【化33】

【0109】
[式中、R〜Rの1つは、OH又は、OHで置換されるフェニルである]で示される基である。
好ましい実施態様では、Aは、
【0110】
【化34】

【0111】
[式中、R〜Rの1つは、OH又は、OHで置換されるフェニルであり、他のものはH、Cl又はCHから選択される、但し、R〜Rの少なくとも2つはHである]で示される基である。
【0112】
好ましくは、Aは、任意にOHで置換されるナフチルである。
好ましくは、Aは、OHで置換されたナフチルである。
上記化合物群では、下記置換基が特に好ましい:
は、−CH−、−(CH−、−(CH−、−CH−C(CH−又は−C(CH−であり、好ましくは、−CH−又は−(CH−である。
【0113】
はH又はC−Cアルキルであり、RはC−Cアルキルである。より好ましくは、RはH又はCHであり、RはH又はCHである。
nは0又は1である。
【0114】
はHであり、RはCHであり、nは0又は1である。
はCHであり、RはCHであり、nは0又は1である。
特に好ましいのは、以下の実施例の項に記載するような、式(1)化合物である、即ち、下記化合物:
N−ベンジル−2−(3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
N−(3,4−ジメチルベンジル)−2−(3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
N−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}ベンズアミド;
N−[2−(2−クロロフェニル)エチル]−3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}ベンズアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−(2−ナフタレン−1−イルエチル)ベンズアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−[2−(4−メチルフェニル)エチル]ベンズアミド;
N−[2−(2,6−ジメチルフェニル)エチル]−3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}ベンズアミド;
N−[2−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピルベンズアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−[2−(4−ヒドロキシ−2,3−ジメチルフェニル)エチル]ベンズアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]ベンズアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−フェネチル−ベンズアミド;
N−シクロヘキシルメチル−3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}ベンズアミド;
N−[5−((1R)−2−{1,1−ジメチル−2−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)フェニル]エチルアミノ}−1−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシフェニル]ホルムアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−[2−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル]ベンズアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−(3−フェニルプロピル)ベンズアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−インダン−2−イルベンズアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−(2−ピリジン−2−イルエチル)ベンズアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−[2−(4−スルファモイルフェニル)エチル]ベンズアミド;
N−(4−ジメチルアミノベンジル)−2−(3−{(2R)−2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]プロピル}フェニル)アセトアミド;
N−[5−(2−{(1R)−2−[3−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボニル)−フェニル]−1,1−ジメチル−エチルアミノ}−1−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシフェニル]ホルムアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−(4’−ヒドロキシビフェニル−3−イルメチル)ベンズアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−[2−(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)エチル]ベンズアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−[2−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エチル]ベンズアミド;
N−(4−アセチルアミノベンジル)−2−(3−{(2R)−2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]プロピル}フェニル)アセトアミド;
4−{[2−(3−{(2R)−2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]プロピル}フェニル)アセチルアミノ]メチル}ベンズアミド;
N−アダマンタン−1−イル−3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}ベンズアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−(2−ヒドロキシ−ナフタレン−1−イルメチル)ベンズアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジル)ベンズアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−(6−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イルメチル)ベンズアミド;
N−(3,6−ジクロロ−2−ヒドロキシベンジル)−3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}ベンズアミド;
N−(3,4−ジメチルベンジル)−2−(3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]エチル}フェニル)アセトアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロピル]ベンズアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−(4’−ヒドロキシビフェニル−4−イルメチル)ベンズアミド;
N−アダマンタン−1−イル−2−(3−{(2R)−2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]プロピル}フェニル)アセトアミド;
N−[5−(2−{2−[3−(10−アザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン−10−カルボニル)フェニル]−1,1−ジメチルエチルアミノ}−1−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシフェニル]ホルムアミド;
2−(3−{(2R)−2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]プロピル}フェニル)−N−(4’−ヒドロキシビフェニル−3−イルメチル)アセトアミド;
4−{[2−(3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)−アセチルアミノ]メチル}安息香酸メチルエステル;
2−(3−{(2R)−2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)−N−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)アセトアミド;
N−(2−クロロ−4−ヒドロキシベンジル)−N−エチル−2−(3−{(2R)−2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
N−(2−クロロ−4−ヒドロキシベンジル)−2−(3−{(2R)−2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
2−(3−{(2R)−2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]プロピル}フェニル)−N−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジル)アセトアミド;
2−(3−{(2R)−2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]プロピル}フェニル)−N−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イルメチル)アセトアミド;
N−(5−クロロ−2−ヒドロキシベンジル)−2−(3−{(2R)−2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]プロピル}フェニル)アセトアミド;
N−(3,5−ジクロロ−2−ヒドロキシベンジル)−2−(3−{(2R)−2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]プロピル}フェニル)アセトアミド;
2−(3−{(2R)−2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]プロピル}フェニル)−N−(6−ヒドロキシナフタレン−2−イルメチル)アセトアミド;
2−(3−{(2R)−2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]プロピル}フェニル)−N−(4’−ヒドロキシビフェニル−4−イルメチル)アセトアミド;
N−(4−シアノ−ベンジル)−2−(3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−フェニル)−アセトアミド;
2−(3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)−N−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−アセトアミド;
2−(3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−フェニル)−N−(4−メチルスルファニル−ベンジル)−アセトアミド;
2−(3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−フェニル)−N−(4−トリフルオロメチル−ベンジル)−アセトアミド;
2−(3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)−N−(4’−ヒドロキシ−ビフェニル−4−イルメチル)アセトアミド;
N−[2−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−エチル]−3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−ベンズアミド;
2−(3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)−N−(4’−ヒドロキシビフェニル−3−イルメチル)−アセトアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−プロピル}−N−[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロピル]−ベンズアミド;
N−(2−クロロ−4−ヒドロキシベンジル)−2−(3−{(2R)−2−[(2R)−(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]プロピル}フェニル)アセトアミド;
N−[2−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−エチル]−3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−ベンズアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−プロピル}−N−[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロピル]−ベンズアミド;
2−(3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)−N−(テトラヒドロ−チオピラン−4−イル)アセトアミド;
N−(5−クロロ−2−ヒドロキシベンジル)−2−(3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;及び
N−{5−[(1R)−2−((1R)−2−{3−[3−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−3−オキソプロピル]フェニル}−1−メチルエチルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−2−ヒドロキシフェニル}ホルムアミド
である。
【0115】
本発明の1態様によると、式(1)化合物[式中、(CH−C(=O)Qはメタ位置に存在する]が、一般に好ましい。
式(1)化合物の製薬的に受容される塩は、式(1)化合物の酸付加塩と塩基塩を包含する。
【0116】
適当な酸付加塩は、非毒性塩を形成する酸から形成される。例は、酢酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、炭酸水素塩/炭酸塩、硫酸水素塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、シクラミン酸塩、エジシラート(edisylate)、エタンスルホナート(esylate)、蟻酸塩、フマル酸塩、グルセプテート(gluceptate)、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、リン酸水素塩、イセチオン酸塩、D−及びL−乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、2−ナプシレート、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロチン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩、リン酸塩/リン酸二水素塩、ピログルタミン酸塩、糖酸塩(saccharate)、ステアリン酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、D−及びL−酒石酸塩、1−ヒドロキシ−2−ナフトエート、トシル酸塩及びキシナホ酸塩を包含する。
【0117】
適当な塩基塩は、非毒性塩を形成する塩基から形成される。例は、アルミニウム塩、アルギニン塩、ベンザチン塩、カルシウム塩、コリン塩、ジエチルアミン塩、ジオラミン塩、グリシン塩、リシン塩、マグネシウム塩、メグルミン塩、オラミン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、トロメタミン塩及び亜鉛塩を包含する。例えば、ヘミ硫酸塩及びヘミカルシウム塩(hemicalcium salt)のような、酸及び塩基のヘミ塩(hemisalts)を形成することも可能である。
【0118】
適当な塩のレビューのためには、"Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use" by Stahl and Wermuth(Wiley-VCH, Weinheim, Germany, 2002)を参照のこと。
【0119】
式(1)化合物の製薬的に受容される塩は、下記3方法の1つ以上によって製造することができる:
(i)式(1)化合物を望ましい酸若しくは塩基と反応させる;
(ii)望ましい酸若しくは塩基を用いて、式(1)化合物の適当な前駆物質から酸−若しくは塩基−不安定な保護基を除去する、又は適当な環状前駆物質、例えばラクトン若しくはラクタムを開環する;或いは
(iii)適当な酸若しくは塩基との反応によって又は適当なイオン交換カラムを用いて、式(1)化合物の1つの塩を他の塩に転化させる。
【0120】
3反応の全ては、通常、溶液中で行なわれる。得られた塩を沈殿させて、濾過によって回収することができる、又は溶媒の蒸発によって回収することができる。得られた塩のイオン化度は、完全なイオン化から殆ど非イオン化まで変化することができる。
【0121】
本発明の化合物は、非溶媒和形と溶媒和形の両方で存在することができる。「溶媒和
(solvate)」なる用語は、本発明の化合物と1つ以上の製薬的に受容される溶媒分子、例えばエタノールの化学量論量とを含む分子複合体を表すために、本明細書で用いられる。「水和物」なる用語は、前記溶媒が水であるときに、用いられる。
【0122】
例えば、クラスレート、上記溶媒和物とは対照的に、薬物とホストとが化学量論量でも非化学量論量でも存在する薬物−ホスト包接錯体のような錯体も、本発明の範囲内に包含される。化学量論量でも非化学量論量でも存在しうる、2つ以上の有機及び/又は無機成分を含有する、薬物の錯体も包含される。得られる錯体はイオン化される、部分的にイオン化される、又はイオン化されないことも可能である。このような錯体のレビューに関しては、J. Pharm. Sci.,64(8), 1269-1288 by Haleblian(August 1975)を参照のこと。
【0123】
以下では、式(1)化合物への全ての言及は、その塩、溶媒和物及び錯体と、その塩の溶媒和物及び錯体とへの言及も含むものとする。
本発明の化合物は、上記で定義したような式(1)化合物、以下で定義するような、その全ての多形及び晶癖、そのプロドラッグ及び立体異性体(光学異性体、幾何異性体及び互変異性形を包含する)並びに同位体標識式(1)化合物を包含する。
【0124】
上述したように、式(1)化合物のいわゆる「プロドラッグ」も、本発明の範囲内に含まれる。したがって、それ自体では、殆ど又は全く薬理学的活性を有することができない、式(1)化合物のある一定の誘導体は、身体内に又は上に投与されたときに、例えば加水分解切断によって、所望の活性を有する式(1)化合物に転化することができる。このような誘導体は「プロドラッグ」と呼ばれる。プロドラッグの使用に関するさらなる情報は、'Prodrugs as Novel Delivery Systems, Vol.14, ACS Symposium Series(T.Higuchi and W.Stella)と、'Bioreversible Carriers in Drug Design', Pergamon Press, 1987(ed. E.B.Roche, American Pharmaceutical Association)に見出すことができる。
【0125】
本発明によるプロドラッグは、例えば、式(1)化合物中に存在する適当な官能基を、例えば"Design of Prodrugs" by H.Bundgaard(Elsevier, 1985)に記載されているような、「プロモエティー」として当業者に知られた、ある一定の部分と置換することによって製造することができる。
【0126】
本発明によるプロドラッグの幾つかの例は、
(i)式(1)化合物がカルボン酸官能基(−COOH)、そのエステルを含有する場合には、例えば、式(1)化合物のカルボン酸官能基の水素が(C−C)アルキルによって置換されている化合物;
(ii)式(1)化合物がアルコール官能基(−OH)、そのエーテルを含有する場合には、例えば、式(1)化合物のアルコール官能基の水素が(C−C)アルカノイルオキシメチルによって置換されている化合物;及び
(iii)式(1)化合物が第1級若しくは第2級アミノ官能基(−NH若しくは−NHR、この場合RはHではない)、そのアミドを含有する場合には、例えば、場合に応じて、式(1)化合物のアミノ官能基の水素の1つ若しくは両方が(C−C10)アルカノイルによって置換されている化合物
を包含する。
【0127】
上記例と、他のプロドラッグ型の例による基交換の他の例は、上記参考文献に見出すことができる。
さらに、ある一定の式(1)化合物は、それ自体で、他の式(1)化合物のプロドラッグとして作用することができる。式(1)化合物の代謝産物、即ち、薬物の投与時にin vivoで形成される化合物も、本発明の範囲内に包含される。本発明による代謝産物の幾つかの例は、(i)式(1)化合物がメチル基を含有する場合には、そのヒドロキシメチル誘導体(−CH→−CHOH);(ii)式(1)化合物がアルコキシ基を含有する場合には、そのヒドロキシ誘導体(−OR→−OH);(iii)式(1)化合物が第3級アミノ基を含有する場合には、その第2級アミノ誘導体(−NR→−NHR若しくは−NHR);(iv)式(1)化合物が第2級アミノ基を含有する場合には、その第1級アミノ誘導体(−NHR→−NH);(v)式(1)化合物がフェニル部分を含有する場合には、そのフェノール誘導体(−Ph→−PhOH);及び(vi)式(1)化合物がアミド基を含有する場合には、そのカルボン酸誘導体(−CONH→−COOH);を包含する。
【0128】
1つ以上の不斉炭素原子を含有する式(1)化合物は、2種類以上の立体異性体として存在することができる。式(1)化合物がアルケニル又はアルケニレン基を含有する場合には、幾何シス/トランス(又はZ/E)異性体が可能である。構造異性体が低エネルギーバリヤーを介して相互交換可能である場合には、互変異性(「トートメリズム(tautomerism)」)が起こりうる。これは、例えばイミノ、ケト若しくはオキシム基を含有する式(1)化合物では、プロトン互変異性の形態、又は芳香族部分を含有する化合物では、いわゆる原子価互変異性の形態をとりうる。その結果として、単一化合物が2種類以上(more than one type)の異性を示すことが可能である。
【0129】
2種類以上の異性及びそれらの1つ以上の混合物を含めた、式(1)化合物の全ての立体異性体、幾何異性体及び互変異性形が本発明の範囲内に包含される。対イオンが光学活性である、例えば、d−乳酸塩若しくはl−リシン、又はラセミ体、例えばdl−酒石酸塩若しくはdl−アルギニンである酸付加塩又は塩基塩も包含される。
【0130】
シス/トランス異性体は、当業者に周知の慣用的手法、例えばクロマトグラフィー及び分別結晶によって、分離することができる。
個々のエナンチオマーの製造/単離のための慣用的手法は、適当な光学的純粋な前駆物質からのキラル合成、又は例えばキラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いる、ラセメート(又は塩若しくは誘導体のラセメート)の分割を包含する。
【0131】
或いは、ラセメート(又はラセミ前駆物質)を、適当な光学活性化合物、例えばアルコールと、又は式(1)化合物が酸若しくは塩基部分を含有する場合には、例えば酒石酸若しくは1−フェニルエチルアミンのような、酸若しくは塩基と反応させることができる。得られたジアステレオマー混合物をクロマトグラフィー及び/又は分別結晶によって分離して、ジアステレオマーの1つ又は両方を、熟練した人に周知の手段によって対応する純粋なエナンチオマー(単数又は複数)に転化させることができる。
【0132】
本発明のキラル化合物(及びそのキラル前駆物質)は、不斉樹脂上でのクロマトグラフィー、典型的にはHPLCを用いて、0〜50体積%のイソプロパノール、典型的には2〜20%と、0〜5体積%のアルキルアミン、典型的には0.1%のジエチルアミンを含有する炭化水素、典型的にはヘプタン又はヘキサンから成る移動相によって、エナンチオマー的富化形で得ることができる。溶出液を濃縮して、該富化混合物を得る。
【0133】
立体異性体コングロマリットは、当業者に知られた慣用的手法で分離することができる−例えば、"Stereochemistry of Organic Compounds" by E.L.Eliel(Wiley, New York,1994)を参照のこと。
【0134】
本発明の1態様によると、下記式:
【0135】
【化35】

【0136】
[式中、Rは水素であり、RはC−Cアルキル、好ましくはメチルであり、nとQは上記で定義したとおりである]
で示される(R,R)立体異性体が、一般に、好ましい。
【0137】
本発明は、1つ以上の原子が、同じ原子番号を有するが、天然で優勢である原子量又は質量数とは異なる原子量又は質量数を有する原子によって置換されている、製薬的に受容される同位体標識式(1)化合物の全てを包含する。
【0138】
本発明の化合物に含めるために適した同位体の例は、例えばHとHのような、水素の同位体、例えば11C、13C及び14Cのような炭素の同位体、36Clのような塩素の同位体、18Fのようなフッ素の同位体、123Iと125Iのようなヨウ素の同位体、13Nと15Nのような窒素の同位体、例えば15O、17O及び18Oのような酸素の同位体、例えば32Pのようなリンの同位体、並びに例えば35Sのような硫黄の同位体を包含する。
【0139】
ある一定の同位体標識式(1)化合物、例えば、放射性同位体を組み込むものは、薬物及び/又は基質の組織分配研究に有用である。放射性同位体トリチウム、即ちHと炭素−14、即ち14Cは、それらの組み込み易さと容易な検出手段を考慮すると、この目的のために特に有用である。
【0140】
例えばジューテリウム、即ちHのような、重い同位体による置換は、大きな代謝安定性に起因するある種の治療利益、例えばin vivo半減期の延長又は必要な投与量の減少を与えることができるので、状況によっては好ましいと考えられる。
【0141】
例えば、11C、18F、15O及び13Nのような、ポジトロン放出同位体による置換は、基質受容体占有率を調べるためのポジトロン放出トポグラフィー(Positron Emission Topography)(PET)に有用でありうる。
【0142】
同位体標識式(1)化合物は、一般に、当業者に知られた慣用的手法によって、又は添付の実施例及び製造例に述べる方法と同様な方法によって、以前に用いられた非標識試薬の代わりに、適当な同位体標識試薬を用いて製造することができる。
【0143】
本発明による製薬的に受容される溶媒和物は、例えばDO、d−アセトン、d−DMSOのように、結晶化の溶媒が同位体によって置換されうるものを包含する。
式(1)化合物、それらの製薬的に受容される塩及び/又は誘導形は、β2受容体が関与する、又はこの受容体のアゴニズムが利益を誘導しうる、非常に多くの障害、特に、アレルギー性及び非アレルギー性気道疾患の療法及び予防に、しかしまた、例えば、非限定的に、神経系の疾患、早産、うっ血性心不全、うつ病、炎症性及びアレルギー性皮膚疾患、乾癬、増殖性皮膚疾患、緑内障のような、他の疾患の治療と、胃液酸度の低下が有利であるような状態、特に、胃潰瘍及び消化性潰瘍形成の治療にも適している、貴重な薬剤学的に活性な化合物である。
【0144】
製薬的使用に予定される、本発明の化合物は、結晶質又は非晶質生成物として投与することができる。これらは、例えば、固体プラグ、粉末又はフィルムとして、例えば沈殿、結晶化、凍結乾燥、噴霧乾燥又は蒸発乾燥のような方法によって得ることができる。マイクロウェーブ又はラジオ周波数乾燥をこのために用いることができる。
【0145】
本発明の化合物は、単独で、又は1種類以上の他の本発明化合物と組み合わせて、又は1種類以上の他の薬物と組み合わせて(或いは、これらの任意の組み合わせとして)投与することができる。一般に、これらは、1種類以上の製薬的に受容される賦形剤と共に製剤として投与される。「賦形剤」なる用語は、本明細書では、本発明の化合物(単数又は複数)以外のいずれの成分をも表すために用いられる。賦形剤の選択は、例えば、特定の投与形式、溶解性と安定性に対する賦形剤の影響、及び投与形の性質のような要因に大きく依存する。
【0146】
本発明の化合物のデリバリーに適した薬剤組成物と、それらの製造方法は、当業者に容易に明らかになるであろう。このような組成物と、それらの製造方法は、例えば、'Remington's Pharmaceutical Sciences', 19th Edition(Mack Publishing Company,1995)に見出すことができる。
【0147】
本発明の化合物は、経口投与することができる。経口投与は、該化合物が胃腸管に入るように、嚥下を包含することができる、又は該化合物が口腔から直接血流に入るように、頬側若しくは舌下投与を用いることができる。
【0148】
経口投与に適した製剤は、例えば錠剤;粒状物、液体若しくは粉末を含有するカプセル剤;トローチ剤(液体充填を包含する)、チュー(chews)、多粒子とナノ粒子のような固体製剤、ゲル、固溶体、リポソーム、フィルム、卵型剤(ovule)、スプレー及び液体製剤を包含する。
【0149】
液体製剤は、懸濁液、溶液、シロップ及びエリキシル剤を包含する。このような製剤は、軟質若しくは硬質カプセルの充填剤として用いることができ、典型的に、キャリヤー、例えば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース又は適当な油と、1種類以上の乳化剤及び/又は懸濁化剤を含む。液体製剤は、例えば、サシェ(sachet)からの固体の再構成によっても製造することができる。
【0150】
本発明の化合物は、例えばExpert Opinion in Therapeutic Patents, 11(6), 981-986 by Liang and Chen(2001)に記載されているような、迅速溶解性、迅速崩壊性投与形に用いることもできる。
【0151】
錠剤投与形では、投与量に依存して、薬物は投与形の1〜80重量%、より典型的には投与形の5〜60重量%を構成することができる。錠剤は、薬物の他に、一般に、崩壊剤を含有する。崩壊剤の例は、澱粉グリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム、カルボキシメチルセルロース・カルシウム、クロスカルメロース・ナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶セルロース、低級アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、澱粉、プレゼラチン化澱粉(pregelatinised starch)及びアルギン酸ナトリウムを包含する。一般に、崩壊剤は、投与形の1〜25重量%、好ましくは5〜20重量%を占めるであろう。
【0152】
錠剤製剤に凝集性を与えるために、結合剤が一般に用いられる。適当な結合剤は、微結晶セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然及び合成ガム、ポリビニルピロリドン、プレゼラチン化澱粉、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースを包含する。錠剤はまた、例えば、ラクトース(一水和物、噴霧乾燥一水和物、無水物等)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、微結晶セルロース、澱粉及び二塩基性リン酸カルシウム二水和物のような、希釈剤を含有することもできる。
【0153】
錠剤は、場合によっては、例えばラウリル硫酸ナトリウム及びポリソルベート80のような界面活性剤と、例えば二酸化ケイ素及びタルクのような流動促進剤(glidant)を含むこともできる。
【0154】
界面活性剤は、存在する場合に、錠剤の0.2〜5重量%を占めることができ、流動促進剤は、錠剤の0.2〜1重量%を占めることができる。
錠剤はまた、一般に、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリルフマル酸ナトリウム、及びステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムとの混合物のような滑沢剤も含有することができる。滑沢剤は、一般に、錠剤の0.25〜10重量%、好ましくは0.5〜3重量%を占める。
【0155】
他の可能な成分は、酸化防止剤、着色剤、フレーバー剤、保存剤及び味遮蔽剤(taste-masking agent)を包含する。
典型的な錠剤は、約80%までの薬物、約10〜約90重量%の結合剤、約0〜約85重量%の希釈剤、約2〜約10重量%の崩壊剤、及び約0.25〜約10重量%の滑沢剤を含有する。
【0156】
錠剤ブレンドを直接又はローラーによって圧縮して、錠剤を形成することができる。或いは、錠剤ブレンド又はブレンドの一部を、湿式−、乾式−又は溶融−造粒する、溶融凝固させる、又は押出し成形してから、錠剤化することができる。最終的製剤は、1つ以上の層を含むことができ、塗装することも、しないことも可能である;これをカプセル封入することさえ可能である。
【0157】
錠剤の製剤化(formulation)は、Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets, Vol.1, by H.Lieberman and L.Lachman(Marcel Dekker, New York, 1980)において考察されている。
ヒト又は獣医学用の消耗性経口フィルムは、典型的に、柔軟な、水溶性若しくは水膨潤性の薄フィルム投与形であり、迅速溶解性又は粘膜付着性であることができ、典型的に、式(1)化合物、フィルム形成ポリマー、結合剤、溶媒、保湿剤、柔軟剤(plasticiser)、安定剤若しくは乳化剤、粘度調節剤及び溶剤を含むことができる。製剤の幾つかの成分は、2つ以上の機能(more than one function)を果たすことができる。
【0158】
式(1)化合物は水溶性又は水不溶性でありうる。水溶性化合物は、典型的に、溶質の1〜80重量%、より典型的には20〜50重量%を占める。低溶解性化合物は、組成物のより大きい割合、典型的には、溶質の88重量%までを占めることができる。或いは、式(1)化合物は、多粒子状ビーズの形態であることができる。
【0159】
フィルム形成性ポリマーは、天然多糖類、タンパク質、又は合成ヒドロコロイドから選択されることができ、典型的に、0.01〜99重量%の範囲内、より典型的には、30〜80重量%の範囲内で存在する。
【0160】
他の可能な成分は、酸化防止剤、着色剤、フレーバー剤(flavourings)とフレーバー強化剤、保存剤、唾液分泌刺激剤、冷却剤、共溶媒(油を包含する)、皮膚軟化剤(emollient)、充填剤(bulking agent)、消泡剤、界面活性剤及び味遮蔽剤を包含する。
【0161】
本発明によるフィルムは、典型的に、剥離可能なバッキング・サポート又はペーパー上に塗布された薄い水性フィルムの蒸発乾燥によって製造される。これは、乾燥室又はトンネル乾燥機中で、典型的には、複合塗布乾燥機(combined coater dryer)中で、又は凍結乾燥若しくは真空化によって行なわれることができる。
【0162】
経口投与のための固体製剤は、即時及び/又は調節放出であるように処方することができる。調節放出製剤は、遅延−、持続−、パルス化−、制御−、目標−及びプログラム化放出を包含する。
【0163】
本発明のための適当な調節放出製剤は、米国特許No. 6,106,864に記載されている。例えば高エネルギー分散物と浸透性(osmotic)及び被覆粒子のような、他の適当な放出技術は、Pharmaceutical Technology On-line, 25(2), 1-14, by Verma et al(2001)に見出されることができる。制御放出を達成するためのチューインガムの使用は、WO 00/35298に記載されている。
【0164】
本発明の化合物は、血流中に、筋肉中に、又は内臓器官中に直接投与することもできる。非経口投与のための適当な手段は、静脈内、動脈内、腹腔内、クモ膜下、脳室内、尿道内、胸骨内(intrasternal)、頭蓋内、筋肉内及び皮下を包含する。非経口投与のための適当なデバイスは、針(微細針を包含する)注射器、無針注射器及び輸液技術を包含する。
【0165】
非経口製剤は、典型的に、例えば塩、炭水化物、及び緩衝剤(好ましくは、3〜9のpHに)のような賦形剤を含有することができる水溶液であるが、用途によっては、これらは、無菌非水溶液として又は例えば無菌の、発熱物質を含まない水のような、適当なビヒクルと共に用いられる乾燥形として、より適切に処方されうる。
【0166】
例えば凍結乾燥による、無菌条件下での非経口製剤の調製は、当業者に周知の標準製薬技術を用いて、容易に達成することができる。
非経口溶液の調製に用いる式(1)化合物の溶解性は、例えば、溶解性強化剤の組み入れのような、適当な処方技術の使用によって、高めることができる。
【0167】
非経口投与のための製剤は、即時及び/又は調節放出であるように処方することができる。調節放出製剤は、遅延−、持続−、パルス化−、制御−、目標−及びプログラム化放出を包含する。したがって、本発明の化合物を、活性化合物の調節放出を可能にする移植デポーとして投与するために、固体、半固体又はチキソトロープ液体として処方することができる。このような製剤の例は、薬物塗布ステント(drug-coated stents)及びポリ(dl−乳酸−コ−グリコール酸)(PGLA)微小球を包含する。
【0168】
本発明の化合物は、皮膚又は粘膜に局所投与する、即ち、皮膚に又は経皮的に投与することもできる。このための典型的な製剤は、ゲル、ヒドロゲル、ローション、溶液、クリーム、軟膏、ダスチング粉末、ドレッシング、フォーム、フィルム、皮膚パッチ、ウェファー、インプラント、スポンジ、ファイバー、バンテージ及びミクロエマルジョンを包含する。リポソームも用いることができる。典型的なキャリヤーは、アルコール、水、鉱油、液体ペトロラタム、ホワイト油、グリセリン、ポリエチレングリコール、及びプロピレングリコールを包含する。浸透強化剤を組み入れることもできる−例えば、J.Pharm.Sci.,88(10), 955-958 by Finnin and Morgan(October 1999)を参照のこと。
【0169】
局所投与の他の手段は、エレクトロポレーション、イオントホレーゼ、ホノホレーゼ(phonophoresis)、ソノホレーゼ(sonophoresis)、及び微小針又は無針(例えば、PowderjectTM、BiojectTM、等)注射によるデリバリーを包含する。
【0170】
局所投与のための製剤は、即時及び/又は調節放出であるように処方することができる。調節放出製剤は、遅延−、持続−、パルス化−、制御−、目標−及びプログラム化放出を包含する。
【0171】
本発明の化合物は、鼻腔内に又は吸入によって、典型的には乾燥粉末(単独で、混合物として、例えば、ラクトースとの乾燥ブレンドで、又は例えばホスファチジルコリンのようなリン脂質を混合した、混合成分粒子として)の形態で乾燥粉末吸入器から、或いはエアロゾル・スプレーとして、加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(好ましくは、微細ミストを発生させるために電気流体力学を用いるアトマイザー)又はネブライザーから、例えば1,1,1,2−テトラフルオロエタン若しくは1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンのような、適当な噴射剤を用いて又は用いずに投与することもできる。鼻腔内使用のためには、粉末は、生体接着剤、例えばキトサン又はシクロデキストリンを含むことができる。
【0172】
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー又はネブライザーは、溶媒としての、有効成分、噴射剤の分散、可溶化又は持続放出のための、例えばエタノール、水性エタノール又は適当な代替作用剤と、例えばソルビタン・トリオレエート、オレイン酸又はオリゴ乳酸のような、任意の界面活性剤を含む、本発明の化合物(単数又は複数)の溶液又は懸濁液を含有する。
【0173】
乾燥粉末又は懸濁液製剤に用いる前に、薬物生成物を吸入によるデリバリーに適したサイズ(典型的には、5ミクロン未満)にまで微粉にする。これは、例えば、ナノ粒子を形成するためのスパイラル・ジェット・ミリング、流動床ジェット・ミリング、超臨界流体加工のような任意の粉砕方法、高圧均質化又は噴霧乾燥によって達成することができる。
【0174】
吸入器又は吹き入れ器に用いるためのカプセル(例えば、ゼラチン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースから製造)、ブリスター及びカートリッジは、本発明の化合物、適当な粉末基剤(例えば、ラクトース又は澱粉)及び例えばl−ロイシン、マンニトール又はステアリン酸マグネシウムのような性能調節剤(performance modifier)の粉末ミックスを含有するように、処方することができる。ラクトースは無水物又は一水和物であることができ、好ましくは後者である。他の適当な賦形剤は、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロース及びトレハロースを包含する。
【0175】
微細なミストを発生させるために電気流体力学を用いるアトマイザーに用いるための適当な溶液製剤は、1回の作動につき1μg〜20mgの本発明化合物を含有することができ、該作動量は1μlから100μlまで変化しうる。典型的な製剤は、式(1)化合物、プロピレングリコール、無菌水、エタノール及び塩化ナトリウムを含むことができる。プロピレングリコールの代わりに用いることができる代替溶媒は、グリセロール及びポリエチレングリコールを包含する。
【0176】
例えばメントール及びレボメントールのような、適当なフレーバー、又は例えばサッカリン又はサッカリンナトリウムのような甘味剤を、吸入/鼻腔内投与を予定されるような、本発明の製剤に加えることができる。
【0177】
吸入/鼻腔内投与のための製剤は、例えばPGLAを用いて、即時及び/又は調節放出であるように処方することができる。調節放出製剤は、遅延−、持続−、パルス化−、制御−、目標及びプログラム化放出を包含する。
【0178】
乾燥粉末吸入器及びエアロゾルの場合には、投与量単位は、計量をデリバリーする弁を用いて、決定される。本発明による単位は、典型的に、0.001mg〜10mgの式(1)化合物を含有する計量又は「パフ」を投与するように、取り決められる。総一日量は、典型的に、0.001mg〜40mgの範囲内であり、これを単回量として、より通常は、一日を通しての分割量として投与することができる。
【0179】
式(1)化合物は、吸入による投与に特に適している。
本発明の化合物は、例えば、座薬、ペッサリー又は浣腸剤の形態で、直腸から又は膣から投与することができる。カカオ脂が伝統的な座薬基剤であるが、種々な代替物を適切であるとして用いることができる。
【0180】
直腸/膣投与のための製剤は、即時及び/又は調節放出であるように処方することができる。調節放出製剤は、遅延−、持続−、パルス化−、制御−、目標−及びプログラム化放出を包含する。
【0181】
本発明の化合物は、眼若しくは耳に、典型的には、等張性の、pH調節した無菌生理食塩水中の微粉懸濁液若しくは溶液の数滴として直接投与することも可能である。眼及び耳投与に適した、他の製剤は、軟膏、生分解性(例えば、吸収性ゲル、スポンジ、コラーゲン)及び非生分解性(例えば、シリコン)インプラント、ウェファー、レンズ及び粒子状物又は例えばニオソーム及びリポソームのような小嚢系を包含する。例えば、架橋したポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロースポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース若しくはメチルセルロース、又はヘテロ多糖類ポリマー、例えばゲランガム、のようなポリマーを、例えば塩化ベンズアルコニウムのような保存剤と共に組み込むことができる。このような製剤は、イオントフォレーゼによってデリバリーすることもできる。
【0182】
眼/耳投与のための製剤は、即時及び/又は調節放出であるように処方することができる。調節放出製剤は、遅延−、持続−、パルス化−、制御−、目標−及びプログラム化放出を包含する。
【0183】
本発明の化合物は、上記投与形式のいずれで用いるためにも、それらの溶解性、溶解速度、味遮蔽、バイオアベイラビリティ及び/又は安定性を改良するために、例えばシクロデキストリンとその適当な誘導体又はポリエチレングリコール含有ポリマーのような、溶解性のマクロ分子状存在と組み合わせることができる。
【0184】
例えば、薬物−シクロデキストリン錯体は、一般に、大抵の投与形及び投与経路に有用であると判明している。包接錯体と非包接錯体の両方を用いることができる。薬物との直接錯体形成の代替策として、シクロデキストリンを補助添加物として、即ち、キャリヤー、希釈剤又は可溶化剤として用いることができる。これらの目的のために、α−、β−及びγ−シクロデキストリンが最も一般的に用いられ、これらの例は、国際特許出願No.WO 91/11172、WO 94/02518及びWO 98/55148に見出すことができる。
【0185】
例えば、特定の疾患又は状態を治療するために、活性化合物の組み合わせを投与することが望ましいと考えられるかぎり、2種類以上の薬剤組成物(これらの少なくとも1つは本発明による化合物を含有する)を、該組成物の共投与に適したキットとして、便利に組み合わせることができる。
【0186】
したがって、本発明のキットは、2種類以上の別々の薬剤組成物(これらの少なくとも1つは本発明による式(1)化合物を含有する)と、例えば、容器、仕切りボトル又は仕切りホイルパケットのような、前記組成物を別々に保持するための手段とを含む。このようなキットの例は、錠剤、カプセル剤等のパッケージングに用いられる、普通のブリスター・パックである。
【0187】
本発明のキットは、異なる投与形を例えば非経口的に投与するために、又は別々の組成物を異なる投与間隔で投与するために、又は別々の組成物を相互に対して滴定するために特に適している。コンプライアンスを助けるために、該キットは典型的に、投与のための説明書を含み、いわゆるメモリーエイド(memory aid)を備えることができる。
【0188】
ヒト患者に投与するために、本発明の化合物の総一日量は、典型的に、0.001mg〜5000mgの範囲内であるが、これは、当然、投与形式に依存する。例えば、静脈内一日投与量は0.001mg〜40mgのみを必要にすることができる。総一日投与量は、単回量で又は分割量で投与することができ、医師の自由裁量で、本明細書に記載した典型的な範囲を外れることができる。
【0189】
これらの投与量は、約65kg〜70kgの体重を有する、平均的なヒト対象に基づくものである。医師は、例えば幼児及び高齢者のような、体重がこの範囲を外れる対象のための投与量を容易に決定することができるであろう。
【0190】
疑いを避けるために、本明細書での「治療」への言及は、治癒的、苦痛緩和的及び予防的処置への言及を包含するものとする。
本発明の他の実施態様によると、式(1)化合物類、又はそれらの製薬的に受容される塩、誘導形若しくは組成物は、患者に共投与されるべき、1種類以上の付加的治療剤との組み合わせとして用いて、非限定的に、(i)気管支収縮、(ii)炎症、(iii)アレルギー、(iv)組織破壊、(v)例えば息切れ、咳のような徴候及び症状、を包含する、病態生理学的に関連する疾患過程の治療のような、幾らかの特に望ましい治療最終結果を得ることもできる。第2及びそれ以上の付加的治療剤がさらに、式(1)化合物類、又はそれらの製薬的に受容される塩、誘導形若しくは組成物であること、又は当該技術分野に知られた、1種類以上のβ2アゴニストであることが可能である。より典型的には、第2及びそれ以上の付加的治療剤は、異なる種類の治療剤から選択されるであろう。
【0191】
本明細書で用いる限り、式(1)化合物と1種類以上の他の治療剤とに関する「共投与(co-administration)」、「共投与される(co-administrated)」及び「・・・と組み合わせて」なる用語は、下記を意味し、下記に関連し、及び下記を包含するように意図される:
式(1)化合物(単数又は複数)と治療剤(単数又は複数)との該組み合わせの、治療を必要とする患者への同時投与、この場合には、このような成分を一緒に処方して、該成分を実質的に同時に前記患者に放出する単一投与形にする、
式(1)化合物(単数又は複数)と治療剤(単数又は複数)との該組み合わせの、治療を必要とする患者への実質的同時投与、この場合には、このような成分を相互から切り離して処方して、前記患者によって実質的に同時に服用され、前記成分が実質的に同時に前記患者に放出される、別々の投与形にする、
式(1)化合物(単数又は複数)と治療剤(単数又は複数)との該組み合わせの、治療を必要とする患者への連続投与、この場合には、このような成分を相互から切り離して処方して、前記患者によって各投与間に有意な時間間隔を置いて連続的な時間に服用され、前記成分が実質的に異なる時間に前記患者に放出される、別々の投与形にする、及び
式(1)化合物(単数又は複数)と治療剤(単数又は複数)との該組み合わせの、治療を必要とする患者への連続投与、この場合には、このような成分を一緒に処方して、前記患者によって同じ及び/又は異なる時点に、同時に、連続的に及び/又は重複して投与されたときに、前記成分を制御式に放出する単一投与形にする、
以上の場合に、各部分は同じ経路でも、異なる経路でも投与されることができる。
【0192】
式(1)化合物(単数又は複数)、又はそれらの製薬的に受容される塩、誘導形若しくは組成物と組み合わせて用いることができる、他の治療剤の適当な例は、非限定的に、下記を包含する:
(a)5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害剤又は5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)アンタゴニスト、
(b)LTB、LTC、LTD及びLTEのアンタゴニストを含めた、ロイコトリエン・アンタゴニスト(LTRAs)、
(c)H1及びH3アンタゴニストを含めた、ヒスタミン受容体アンタゴニスト、
(d)うっ血除去薬用のα−及びα−アドレナリン受容体アゴニスト血管収縮剤交感神経様作用薬、
(e)ムスカリンM3受容体アンタゴニスト又は抗コリン作用薬;
(f)PDE阻害剤、例えば、PDE3、PDE4及びPDE5阻害剤、
(g)テオフィリン、
(h)クロモグリク酸ナトリウム、
(i)COX阻害剤、非選択性と選択性の両方のCOX−1又はCOX−2阻害剤(NSAIDs)、
(j)経口及び吸入グルココルチコステロイド、
(k)内因炎症性存在に対して活性なモノクローナル抗体、
(l)抗腫瘍壊死因子(anti−TNF−α)剤、
(m)VLA−4アンタゴニストを包含する接着分子阻害剤、
(n)キニン−B−及びB−受容体アンタゴニスト、
(o)免疫抑制剤、
(p)マトリックス・メタロプロテアーゼ(MMPs)の阻害剤、
(q)タキキニンNK、NK及びNK受容体アンタゴニスト、
(r)エラスターゼ阻害剤、
(s)アデノシンA2a受容体アゴニスト、
(t)ウロキナーゼの阻害剤、
(u)ドーパミン受容体に作用する化合物、例えばD2アゴニスト、
(v)NFκβ経路のモジュレーター、例えばIKK阻害剤、
(w)サイトカイン・シグナル伝達経路のモジュレーター、例えばp38MAPキナーゼ又はsykキナーゼ、
(x)粘液溶解薬又は鎮咳剤として分類されうる作用剤
(y)抗生物質、
(z)HDAC阻害剤、及び
(aa)PI3キナーゼ阻害剤。
【0193】
本発明によると、式(1)化合物と、下記:H3アンタゴニスト、ムスカリンM3受容体アンタゴニスト、PDE4阻害剤、グルココルチコステロイド、アデノシンA2a受容体アゴニスト、例えばp38MAPキナーゼ若しくはsykキナーゼのような、サイトカイン・シグナル伝達経路のモジュレーター、又はLTB、LTC、LTD及びLTEのアンタゴニストを含めた、ロイコトリエン・アンタゴニスト(LTRAs)との組み合わせが好ましい。
【0194】
本発明によると、式(1)化合物と、プレドニゾン、プレドニゾロン、フルニソリド、トリアムシノロン・アセトニド、ベクロメタゾン、ジプロピオネート、ブデゾニド、フルチカゾン・プロピオネート、シクレゾニド(ciclesonide)及びモメタゾン・フロエートを包含するグルココルチコステロイド、特に、全身副作用の低い吸入グルココルチコステロイドとの組み合わせ、又は特にイプラトロピウム塩、即ち、臭化物、チオトロピウム塩、即ち、臭化物、オキシトロピウム塩、即ち、臭化物、ペレンゼピン及びテレンゼピンを包含するムスカリンM3受容体アンタゴニスト若しくは抗コリン作用薬との組み合わせが、さらに好ましい。
【0195】
本明細書における治療に関する言及の全てが、治癒的、苦痛緩和的及び予防的治療を包含することを理解すべきである。以下の記載は、式(1)化合物を適用することができる治療用途に関する。
【0196】
式(1)化合物は、β2受容体と相互作用する能力を有するので、β2受容体があらゆる哺乳動物の生理学において果たす重要な役割のために、以下でさらに述べるように、広範囲な治療用途を有する。
【0197】
それ故、本発明のさらなる態様は、β2受容体が関与する疾患、障害及び状態の治療に用いるための式(1)化合物類、又はそれらの製薬的に受容される塩、誘導形又は組成物に関する。より具体的には、本発明はさらに、下記:
型、病因又は病原に拘らず喘息、特に、アトピー性喘息、非アトピー性喘息、アレルギー性喘息、アトピー性気管支IgE仲介喘息、気管支喘息、本態性喘息、真性喘息、病態生理学的障害によって惹起される内因性喘息、環境的要因によって惹起される外因性喘息、未知又は不顕性原因の本態性喘息、非アトピー性喘息、気管支炎性喘息、肺気腫性喘息、運動誘発性喘息、アレルゲン誘発性喘息、冷気誘発性喘息、職業性喘息、細菌、真菌、原生動物又はウイルス感染によって惹起される感染性喘息、非アレルギー性喘息、初期喘息、幼児ゼイゼイ症候群及び気管支梢炎から成る群から選択されるメンバーである喘息;
慢性又は急性の気管支収縮、慢性気管支炎、末梢気道閉塞、及び気腫;
型、病因又は病原に拘らず閉塞性又は炎症性気道疾患、特に、慢性好酸性肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、肺気腫又はCOPDに関連した若しくは関連しない呼吸困難を包含するCOPD、不可逆的進行性気道閉塞を特徴とするCOPD、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、他の薬物療法の結果として生じた気道過敏症の悪化、及び肺高血圧症に関連した気道疾患から成る群から選択されるメンバーである閉塞性又は炎症性気道疾患;
型、病因又は病原に拘らず気管支炎、特に、急性気管支炎、急性喉頭気管支炎、アラキジン酸気管支炎、カタル性気管支炎、クループ性気管支炎、乾性気管支炎、感染性喘息性気管支炎、増殖性気管支炎、ブドウ球菌性又は連鎖球菌性気管支炎、及び肺胞性気管支炎から成る群から選択されるメンバーである気管支炎;
急性肺損傷;
型、病因又は病原に拘らず気管支拡張症、特に、円柱性気管支拡張症、嚢状気管支拡張症、紡錘状気管支拡張症、毛細管性気管支拡張症、嚢胞性気管支拡張症、乾性気管支拡張症及び濾胞状気管支拡張症から成る群から選択されるメンバーである気管支拡張症
から成る群から選択される、疾患、障害及び状態の治療に用いるための式(1)化合物類、又はそれらの製薬的に受容される塩、誘導形又は組成物にも関する。
【0198】
本発明のさらに他の態様は、β2アゴニスト活性を有する薬物を製造するための式(1)化合物類、又はそれらの製薬的に受容される塩、誘導形又は組成物の使用にも関する。特に、本発明は、β2仲介疾患及び/又は状態、特に、上記に列挙した疾患及び/又は状態の治療用薬物を製造するための式(1)化合物類、又はそれらの製薬的に受容される塩、誘導形又は組成物の使用に関する。
【0199】
結果として、本発明は、式(1)化合物、又はその製薬的に受容される塩、誘導形又は組成物の有効量によって、ヒトを含めた哺乳動物を治療するための特に興味深い方法を提供する。より精確には、本発明は、ヒトを含めた哺乳動物におけるβ2仲介疾患及び/又は状態、特に、上記に列挙した疾患及び/又は状態を治療するための特に興味深い方法であって、式(1)化合物、又はその製薬的に受容される塩及び/又は誘導形の有効量を前記哺乳動物に投与することを含む方法を提供する。
【0200】
下記実施例によって、式(1)化合物の製造を説明する:
製造例1:(3-エトキシカルボニルメチルフェニル)酢酸エチルエステル
【0201】
【化36】

【0202】
2,2’−(1,3−フェニレン)二酢酸(10.0g,51mmol)をエタノール(100ml)中に溶解して、この溶液を塩化アセチル(2.5ml)によって滴下処理した。この反応混合物を還流下で18時間撹拌してから、冷却させ、真空濃縮した。残渣を酢酸エチル(100ml)中に入れて、炭酸水素ナトリウム溶液(3x50ml)とブライン(3x50ml)によって抽出した。有機相を乾燥させ(MgSO)、真空濃縮し、残渣をペンタンと共に摩砕して、該生成物(11.8g)を得た。
【0203】
【数1】

【0204】
製造例2:(3-エトキシカルボニルメチルフェニル)酢酸
【0205】
【化37】

【0206】
エタノール(24ml)とジオキサン(290ml)中の製造例1(44.3g,177mmol)と2,2’−(1,3−フェニレン)二酢酸(59.2g,308mmol)との溶液を、塩酸(12M,4.9ml,58.8mmol)によって滴下処理した。この反応混合物を還流下で18時間撹拌してから、冷却させ、濃縮して、低量にした。この反応混合物をトルエン(125ml)で希釈して、生じたスラリーを濾過した。濾液を真空濃縮して、残渣を水中に入れ、炭酸水素ナトリウムによって、中性pHにまで塩基性化した。この混合物を酢酸エチル(200ml)によって希釈して、有機層を分離して、炭酸水素ナトリウム溶液(5x30ml)とブライン(50ml)で洗浄した。一緒にした水性抽出物を6M塩酸でpH3に酸性化して、ジエチルエーテル(3x30ml)で抽出した。有機層を一緒にして、乾燥させ(MgSO)、真空濃縮した。残渣をペンタンと共に摩砕して、無色固体(10.8g)を得た。
【0207】
【数2】

【0208】
製造例3:[3−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)フェニル]酢酸
【0209】
【化38】

【0210】
メチルマグネシウムクロリド(テトラヒドロフラン中3M溶液51ml,153mmol)を、テトラヒドロフラン(300ml)中の製造例2(11.6g,51mmol)(International Journal of Peptide and Protein Research,1987,29(3),331)の撹拌溶液に、窒素下、0℃において滴加した。この反応を室温にまで一晩温度上昇させ、濃厚な白色沈殿を形成させた、次に、水(50ml)と2N塩酸(80ml)を注意深く加えた。水相を酢酸エチル(2x300ml)で抽出して、一緒にした有機層をブライン(50ml)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、溶媒を真空下で除去して、標題化合物を金色油状物(11.2g)として得た。
【0211】
【数3】

【0212】
製造例4:(3-{2−[(クロロアセチル)アミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)酢酸
【0213】
【化39】

【0214】
2−クロロアセトニトリル(8.8ml,140mmol)を、酢酸(33ml)中の製造例3(16.0g,70mmol)の溶液に加えて、0℃に冷却した。得られた溶液を濃硫酸(33ml)で処理して、徐々に室温までに温度上昇させた。4時間後に、反応混合物を氷上に注入して、固体炭酸ナトリウムによって塩基性化した。この溶液を酢酸エチル(2x500ml)で抽出して、一緒にした有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、真空濃縮して、標題化合物を無色固体(19.0g)として得た。
【0215】
【数4】

【0216】
製造例5:[3−(2−アミノ−2−メチルプロピル)フェニル]酢酸メチルエステル
【0217】
【化40】

【0218】
エタノール(80ml)中の製造例4(5.1g,18mmol)、チオ尿素(1.6g,21mmol)及び酢酸(18ml)の溶液を窒素雰囲気下で16時間、加熱還流させた。この反応混合物を室温にまで冷却させ、濾過し、濾液を真空濃縮した。残渣をエタノール(150ml)中に溶解し、塩化水素ガスで飽和させ、得られた溶液を16時間、加熱還流した。この混合物を真空濃縮して、酢酸エチル(200ml)と5%炭酸ナトリウム水溶液(200ml)を加えた。有機相をブライン(100ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空濃縮した。残渣を強カチオン交換樹脂(メタノールと、次に、メタノール中アンモニアの2M溶液)によって精製して、黄色油状物(2.68g)を得た。
【0219】
【数5】

【0220】
製造例6:[3−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチルプロピル)フェニル]酢酸メチルエステル
【0221】
【化41】

【0222】
ジクロロメタン(60ml)中の製造例5(8.4g,38.0mmol)とトリエチルアミン(5.2ml,38.0mmol)との溶液に、ジクロロメタン(40ml)中のジ−tert−ブチルジカルボキシレート(8.19g,38.0mmol)の溶液を0〜5℃において加えた。この混合物をRTに温度上昇させて、一晩撹拌した。溶媒を除去し、残渣を炭酸ナトリウム溶液で処理して、酢酸エチル(3x30ml)で抽出した。一緒にした有機層をブライン(3x20ml)で洗浄し、乾燥させた(NaSO)。生成物をクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜80%酢酸エチル)によって精製して、無色油状物を得て、これをジエチルエーテル(x3)中に溶解して、蒸発させた(10.1g)。
【0223】
【数6】

【0224】
製造例7:[3−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチルプロピル)フェニル]酢酸
【0225】
【化42】

【0226】
製造例6(7.45g,23.0mmol)、水酸化ナトリウム溶液(5M,4.6ml,115mmol)、ジオキサン(30ml)及び水(8ml)をRTにおいて18時間撹拌した。溶媒を除去して、該物質を水中に溶解して、冷却し、塩酸(2M)でpH3に酸性化した。該生成物を酢酸エチル(3x30ml)で抽出し、有機層をブライン(3x30ml)で洗浄し、乾燥させた(NaSO)。得られた油状物をジエチルエーテル中に溶解し、蒸発させて、無色ガム(7.0g)を得た。
【0227】
【数7】

【0228】
製造例8:(2−{3−[(3,4−ジクロロベンジルカルバモイル)メチル]フェニル}−1,1−ジメチル−エチル)カルバミン酸tert−ブチルエステル
【0229】
【化43】

【0230】
製造例7(3.00g,9.76mmol)と、ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(1.50g,9.76mmol)と、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(1.87g,9.76mmol)と、トリエチルアミン(4.07ml,11.2mmol)との溶液に、3,4−ジクロロベンジルアミン(1.30ml,9.76mmol)を加えて、得られた溶液をRTにおいて18時間撹拌した。溶媒を除去し、粗物質を酢酸エチル(50ml)中に入れ、水(30ml)、炭酸ナトリウム溶液(2x30ml)、ブライン(30ml)、塩酸(0.5M,2x30ml)及びブライン(30ml)で洗浄してから、乾燥させた(NaSO)。得られた白色固体をジエチルエーテルと共に摩砕した(3.1g)。
【0231】
【数8】

【0232】
製造例9:(2−{3−[(3,4−ジメチルベンジルカルバモイル)メチル]フェニル}−1,1−ジメチル−エチル)カルバミン酸tert−ブチルエステル
【0233】
【化44】

【0234】
製造例7からの酸と、製造例8に述べた方法と、3,4−ジメチルベンジルアミンとを用いて製造。
【0235】
【数9】

【0236】
製造例10:2−[3−(2−アミノ−2−メチルプロピル)フェニル]−N−(3,4−ジクロロベンジル)アセトアミド
【0237】
【化45】

【0238】
ジオキサン(5ml)中の製造例8(3.0g,6.50mmol)を塩化水素(ジオキサン中4M,20ml)で処理して、得られた溶液をRTにおいて18時間撹拌させた。溶媒を除去して、化合物をメタノール(x2)中に再溶解して、蒸発させ、次に、得られたガムをジエチルエーテル(x2)中に懸濁させ、蒸発させて、白色固体(2.7g)を得た。mp(酢酸エチル−メタノール)214〜216(分解)℃。
【0239】
【数10】

【0240】
製造例11:2−[3−(2−アミノ−2−メチルプロピル)フェニル]−N−(3,4−ジメチルベンジル)アセトアミド
【0241】
【化46】

【0242】
製造例9からのアミドと、製造例10に関して述べた方法とを用いて製造。
【0243】
【数11】

【0244】
製造例12:N−{2−ベンジルオキシ−5−[(1R)−2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エチル]フェニル}ホルムアミド
【0245】
【化47】

【0246】
N,N−ジメチルホルムアミド(25ml)中のN−[2−ベンジルオキシ−5−(2−ブロモ−1−ヒドロキシエチル)フェニル]ホルムアミド(Organic Process Research and Development 1998,2,96-99)(4.12g,11.8mmol)の溶液に、N下、RTにおいて、tert−ブチルジメチルシリルクロリド(3.50g,23.2mmol)と、イミダゾール(1.90g,27.9mmol)と、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(40mg,330μmol)とを加えた。得られた溶液をRTにおいて一晩撹拌して、溶媒を除去し、生成物を酢酸エチル(70ml)中に入れた。有機層を水(100ml)で洗浄し、水層を酢酸エチル(20ml)で抽出した。一緒にした有機層を塩酸(2M.50ml)、ブライン(100ml)で洗浄し、乾燥させた(MgSO)。粗物質をクロマトグラフィー(ペンタン中5〜25%酢酸エチル)によって精製して、無色油状物(5.7g)を得た。
【0247】
【数12】

【0248】
製造例13:2-(3-{2-[(2R)−2−(4−ベンジルオキシ−3−ホルミルアミノフェニル)-2-(tert−ブチル−ジメチルシラニルオキシ)エチルアミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)−N−(3,4−ジクロロベンジル)アセトアミド
【0249】
【化48】

【0250】
製造例12(500mg,1.08mmol)と製造例10(780mg,216mmol)とを加熱して、90℃において24時間撹拌した。冷却した後に、該物質をメタノール中に溶解して、蒸発させ、該物質をジエチルエーテル中に懸濁させ、沈殿を濾別した。濾液を蒸発させ、物質をクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0〜5%メタノール)によって精製してから、ジエチルエーテル(x3)中に懸濁させ、蒸発させて、フォーム(425mg)を得た。
【0251】
【数13】

【0252】
製造例14:2-(3-{2-[(2R)−2−(4−ベンジルオキシ−3−ホルミルアミノフェニル)-2-(tert−ブチル−ジメチルシラニルオキシ)エチルアミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)−N−(3,4−ジメチルベンジル)アセトアミド
【0253】
【化49】

【0254】
製造例13からのアミドと、製造例12からのブロミドと、製造例11に関して述べた方法とを用いて製造。
【0255】
【数14】

【0256】
製造例15:N−ベンジル−2-(3-{2-[(2R)−2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)エチルアミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)アセトアミド
【0257】
【化50】

【0258】
メタノール(10ml)中の製造例13(100mg,134μmol)と炭素付きパラジウム(10%,20mg)とを50psi/RTにおいて6時間水素化した。この混合物を「フィルターエイド(filter-aid)」に通して濾過して、溶媒を除去した。該物質を炭酸水素ナトリウム溶液中に懸濁させて、酢酸エチル(30ml)で抽出した。有機層を炭酸水素ナトリウム溶液、ブライン(2x ml)で洗浄して、乾燥させた(NaSO)。得られた物質をジエチルエーテル(x3)中に懸濁させ、蒸発させて、フィルム(24mg)を得た。
【0259】
【数15】

【0260】
製造例16:2-(3-{2-[(2R)−2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)エチルアミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)−N−(3,4−ジメチルベンジル)アセトアミド
【0261】
【化51】

【0262】
製造例14からのアミドと、製造例15に関して述べた方法とを用いて製造した。生成物をクロマトグラフィー(ジクロロメタン+0.3%アンモニア中0〜3.5%メタノール)によって精製して、フォーム(85mg)を得た。
【0263】
【数16】

【0264】
製造例17:メチル(3−ブロモフェニル)アセテート
【0265】
【化52】

【0266】
メタノール(500ml)中の(3−ブロモ−フェニル)酢酸(20.0g,93mmol)の溶液に、塩化アセチル(0.7ml,9.3mmol)を、窒素下、0℃において徐々に加えて、反応を室温に5時間の期間にわたって徐々に温度上昇させた。溶媒を真空除去して、残留油状物をジクロロメタン中に再溶解し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空濃縮して、標題化合物を無色油状物(20.6g)として得た。
【0267】
【数17】

【0268】
製造例18:メチル[3−(2−オキソプロピル)フェニル]アセテート
【0269】
【化53】

【0270】
トリブチルスズメトキシド(28.3ml,98mmol)と、製造例17の生成物(15.0g,65mmol)と、イソプロペニルアセテート(10.8ml,98mmol)と、酢酸パラジウム(II)(750mg,3.30mmol)と、トリ−オルト−トリルホスフィン(2.0g,6.5mmol)とを、トルエン(75ml)中で100℃において5時間撹拌した。冷却後に、反応を酢酸エチル(150ml)と4Mフッ化カリウム水溶液(90ml)によって希釈して、15分間撹拌した。混合物をArbocel(登録商標)に通して濾過して、有機相を分離して、真空濃縮した。次に、残渣をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、ジエチルエーテル:ペンタン(0:100〜25:75)によって、次にジクロロメタンによって溶出して、標題化合物を淡黄色油状物として94%収率で得た(12.6g)。
【0271】
【数18】

【0272】
製造例19:メチル[3−((2R)−2−{[(1R)−1−フェニルエチル]アミノ}プロピル)−フェニル]アセテート塩酸塩
【0273】
【化54】

【0274】
ジクロロメタン(400ml)中の製造例18の生成物(8.5g,41.2mmol)と、(R)−α−メチルベンジルアミン(4.8ml,37.2mmol)と、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(11.6g,56mmol)と、酢酸(2.2ml,38mmol)との溶液を、室温において48時間撹拌した。この反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(200ml)を加えてクエンチして、発泡が止むまで撹拌させた。水相を分離し、ジクロロメタン(100ml)で抽出した。一緒にした有機溶液を次に、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製し、ジクロロメタン:メタノール:アンモニア(99:1:0.1〜95:5:0.5)で溶出して、ジアステレオマー(R,R主要)の4:1混合物を淡黄色油状物(8.71g)として得た。塩化水素(メタノール中1M溶液40ml,40mmol)による処理と、続いての3回連続結晶化(ジイソプロピルエーテル/メタノール)によって、標題化合物を白色結晶質固体として50%収率(5.68g)で得た。
【0275】
【数19】

【0276】
製造例20:メチル{3−[(2R)−2−アミノプロピル]フェニル}アセテート
【0277】
【化55】

【0278】
製造例19(7.69g,22mmol)と蟻酸アンモニウム(6.94g,110mmol)の溶液を、チャーコール付き20%水酸化パラジウム(2.00g)の存在下で75℃に加熱した。90分間後に、反応混合物を室温に冷却して、Arbocel(登録商標)に通して濾過して、濾液を真空濃縮した。残渣をジクロロメタン(100ml)と0.88アンモニア(100ml)とに分配して、相を分離した。水相をジクロロメタン(100ml)によって抽出して、一緒にした有機溶液を硫酸マグネシウム上で乾燥させて、真空濃縮して、標題化合物を無色油状物として定量的収量(4.78g)で得た。
【0279】
【数20】

【0280】
製造例21:メチル(3−{(2R)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル}フェニル)アセテート
【0281】
【化56】

【0282】
製造例20の生成物と、ジ−tert−ブチルジカルボキシレートとから、製造例6の方法と同様な方法を用いて、黄色油状物として標題化合物を97%収率で製造した。
【0283】
【数21】

【0284】
製造例22:(3−{(2R)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル}フェニル)酢酸
【0285】
【化57】

【0286】
テトラヒドロフラン(100ml)中の製造例21(8.31g,27.1mmol)と水酸化リチウム溶液(水中1M,54ml,54mmol)との混合物を室温において20時間撹拌した。次に、この反応混合物を真空濃縮して、水性残渣を2M塩酸でpH2に酸性化した。この混合物を次に酢酸エチル(3x75ml)で抽出して、一緒にした有機溶液をブライン(100ml)で洗浄して、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空濃縮して、標題化合物を黄色油状物として82%収率(6.50g)で得た。
【0287】
【数22】

【0288】
製造例23:ベンジル(3−{(2R)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル}フェニル)アセテート
【0289】
【化58】

【0290】
製造例22の生成物(6.30g,21.5mmol)と、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(4.14g,21.5mmol)と、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(3.30g,21.5mmol)と、トリエチルアミン(4.85ml,43mmol)とを、ジクロロメタン(100ml)中で一緒に、室温において10分間撹拌した。次に、ベンジルアルコール(2.2ml,21.5mmol)を加えて、混合物を室温において18時間撹拌した。次に、この反応混合物をジクロロメタン(50ml)で希釈して、炭酸水素ナトリウム溶液(100ml)とブライン(100ml)で洗浄して、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空濃縮して、標題化合物を透明油状物として50%収率(4.16g)で得た。
【0291】
【数23】

【0292】
製造例24:ベンジル{3−[(2R)−2−アミノプロピル]フェニル}アセテート
【0293】
【化59】

【0294】
ジオキサン(50ml)中の製造例23生成物(4.16g,10.86mmol)の溶液に、塩化水素(ジオキサン中4M、5.43ml,21.72mmol)を加えて、得られた溶液を室温において72時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、残渣をジクロロメタン中に溶解して、炭酸水素ナトリウム溶液(50ml)とブライン(50ml)で洗浄した。次に、該有機溶液を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空濃縮して、標題化合物を黄色油状物として93%収率(2.85g)で得た。
【0295】
【数24】

【0296】
製造例25:ベンジル(3−{(2R)−2−[((2R)−2−[4−(ベンジルオキシ)−3−(ホルミルアミノ)フェニル]−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)アミノ]−プロピル}フェニル)アセテート
【0297】
【化60】

【0298】
製造例12及び製造例24の生成物から、製造例13の方法と同様な方法を用いて、標題化合物を褐色油状物として、25%収率で製造した。
【0299】
【数25】

【0300】
製造例26:{3−[(2R)−2−({(2R)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−[3−(ホルミルアミノ)−4−ヒドロキシフェニル]エチル}アミノ)プロピル]フェニル}酢酸
【0301】
【化61】

【0302】
製造例25生成物(851mg,1.27mmol)と10%Pd/C(50mg)を、メタノール中に懸濁させて、この混合物を60psiの水素ガス下で、室温において72時間撹拌した。この反応混合物を次に、Filter aid(登録商標)に通して濾過して、濾液を真空濃縮して、標題生成物を褐色フォームとして94%収率(580mg)で得た。
【0303】
【数26】

【0304】
製造例27:2−{3−[(2R)−2−({(2R)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−[3−(ホルミルアミノ)−4−ヒドロキシフェニル]エチル}アミノ)プロピル]フェニル}−N−[4−(ジメチルアミノ)ベンジル]アセトアミド
【0305】
【化62】

【0306】
N,N−ジメチルホルムアミド(2ml)中の製造例26生成物(100mg,206μmol)と、ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(32mg,206μmol)と、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(40mg,206μmol)と、トリエチルアミン(58μl,412μmol)との混合物を、室温において10分間撹拌した。次に、4−(ジメチルアミノ)ベンジルアミン(31mg,206μmol)を加えて、混合物を室温において20時間撹拌した。次に、溶媒を真空下で除去し、残渣をジクロロメタンで希釈し、炭酸水素ナトリウム」溶液(20ml)とブライン(20ml)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空濃縮して、標題化合物を褐色ガムとして10%収率(131mg)で得た。
【0307】
【数27】

【0308】
製造例28〜29
以下に示す一般式で示される下記化合物を、製造例26生成物と適当なアミンから、製造例27に関して述べた方法と同様な方法を用いて製造した。反応をtlc分析によってモニターして、室温において18〜72時間撹拌した。
【0309】
【化63】

【0310】
製造例28:N−[4−(アミノメチル)フェニル]アセトアミドは、J.Med.Chem,46,3116:2003に記載されているように製造することができる。
製造例29:4−(アミノメチル)ベンズアミドは、WO 02085860 p239に記載されているように製造することができる。
【0311】
製造例30:[3−((2R)−2−{[(1R)−1−フェニルエチル]アミノ}プロピル)フェニル]酢酸
【0312】
【化64】

【0313】
メタノール(200ml)中の製造例19生成物(13.50g,43.5mmol)の溶液に、水酸化リチウム溶液(水中1M、90ml,90mmol)を加えて、この混合物を室温において18時間撹拌した。次に、1M塩酸(90ml)を該反応混合物に加えて、メタノールを真空下で除去した。得られた沈殿を濾別して、水(20ml)とエタノール/ジエチルエーテル(20:80)の混合物で洗浄して、標題化合物を固体として91%収率(11.8g)で得た。
【0314】
【数28】

【0315】
製造例31:N−1−アダマンチル−2−[3−((2R)−2−{[(1R)−1−フェニルエチル]アミノ}プロピル)フェニル]アセトアミド
【0316】
【化65】

【0317】
ジクロロメタン(200ml)中の製造例30生成物(10.7g,36.0mmol)の溶液に、1−アダマンチルアミン(5.44g,36.0mmol)とトリエチルアミン(15ml,108mmol)とを加えた。次に、2-クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリジニウム・ヘキサフルオロホスフェート(10.0g,36.0mmol)を加えて、混合物を室温において2時間撹拌した。この反応混合物を水で洗浄して、有機溶液を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空濃縮した。残渣をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーで精製し、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(95:5:0.5)で溶出して、該生成物をフォームとして定量的収率(17.6g)で得た。
【0318】
【数29】

【0319】
製造例32:N−1−アダマンチル−2−{3−[(2R)−2−アミノプロピル]フェニル}アセトアミド
【0320】
【化66】

【0321】
製造例31から、製造例20の方法と同様な方法を用いて、標題化合物を固体として92%収率で製造した。
【0322】
【数30】

【0323】
製造例33:2-(3−{(2R)−2−[((2R)−2−[3−(アセチルアミノ)−4−(ベンジルオキシ)フェニル]−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)アミノ]プロピル}−フェニル)-N−1−アダマンチルアセトアミド
【0324】
【化67】

【0325】
ジクロロメタン(0.5ml)中の製造例12(696mg,1.5mmol)と製造例32(978mg,3.0mmol)の生成物の混合物を90℃において5分間加熱して、ジクロロメタンを蒸発させた。次に、この反応混合物を90℃において溶融物として18時間加熱してから、室温に冷却した。次に、粗生成物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製し、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(98:2:0.2)で溶出して、標題化合物を淡色フォームとして59%収率(630mg)で得た。
【0326】
【数31】

【0327】
製造例34:N−アダマンタン−1−イル−2-(3−{2−[(2R)−2−({(2R)−2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)エチルアミノ]プロピル}フェニル)アセトアミド
【0328】
【化68】

【0329】
製造例33生成物から、製造例20の方法と同様な方法を用いて、標題化合物を透明なフォームとして定量的収量で製造した。
【0330】
【数32】

【0331】
製造例35:1−(3−ブロモフェニル)−2−メチルプロパン−2−オール
【0332】
【化69】

【0333】
乾燥ジエチルエーテル(200ml)中の1-(3-ブロモ−フェニル)プロパン−2−オン(15.0g,70mmol)の溶液に、0℃において、メチルマグネシウムブロミド(ジエチルエーテル中3M溶液、51.6ml,155mmol)を徐々に加えて、この混合物を3時間撹拌した。次に、この反応混合物を0℃に再冷却して、飽和塩化アンモニウム水溶液によって徐々にクエンチした。該有機溶液をブラインで洗浄して、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空濃縮した。残渣の黄色油状物を次に、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製し、ジクロロメタン:ペンタン:メタノール(90:5:5)で溶出して、淡黄色油状物を83%収率(13.26g)で得た。
【0334】
【数33】

【0335】
製造例36:N−[2−(3−ブロモフェニル)−1,1−ジメチルエチル]−2−クロロアセトアミド
【0336】
【化70】

【0337】
酢酸(25ml)中の製造例35生成物(12.0g,52.0mmol)の撹拌した溶液に、室温において、クロロアセトニトリル(6.63ml,105mmol)を加えた。得られた溶液を0℃に冷却し、温度を10℃未満に維持しながら、濃硫酸(25ml)を加えた。得られた溶液を1時間撹拌させ、次に、氷上に注入して、固体の炭酸カリウムの添加によって塩基性化した。生成物を酢酸エチル(2x500ml)で抽出して、一緒にした有機溶液を水(50ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空濃縮して、標題化合物を橙色固体として定量的収率(16.08g)で得た。
【0338】
【数34】

【0339】
製造例37:2−(3−ブロモフェニル)−1,1−ジメチルエチルアミン
【0340】
【化71】

【0341】
エタノール(250ml)中の製造例36生成物(32.0g,105mmol)と、チオ尿素(9.60g,126mmol)と、酢酸(50ml)との溶液を、一晩加熱還流させた。この反応混合物を室温に冷却して、濾過した。濾液を真空濃縮し、水酸化ナトリウム水溶液(1M,450ml)を用いて塩基性化して、ジクロロメタン(2x500ml)で抽出した。一緒にした有機溶液をブライン(50ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空濃縮して、標題化合物を黒色油状物として96%収率(23g)で得た。
【0342】
【数35】

【0343】
製造例38:[2−(3−ブロモフェニル)−1,1−ジメチルエチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
【0344】
【化72】

【0345】
製造例37生成物(5.0g,22mmol)を、ジクロロメタン(50ml)中のジ−tert−ブチルジカーボネート(5.26g,24mmol)で処理して、20時間撹拌した。この反応混合物を水(50ml)で洗浄して、一緒にした有機溶液を硫酸ナトリウム上で乾燥させて、真空濃縮した。粗物質を、カチオン交換カラム(メタノール、続いてメタノール中2Mアンモニア)を用いて精製し、続いて、シリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、ジクロロメタンで溶出して、標題化合物を褐色油状物として定量的収率(7.23g)で得た。
【0346】
【数36】

【0347】
製造例39:ベンジル3-{2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチルプロピル}ベンゾエート
【0348】
【化73】

【0349】
ベンジルアルコール(60ml)中の製造例38生成物(3.9g,12mmol)と、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(1.00g,1.3mmol)と、トリエチルアミン(3.3ml,24mmol)との溶液を、100psi一酸化炭素下で100℃に5時間加熱した。次に、冷却した反応混合物をArbocel(登録商標)に通して濾過し、濾液を真空濃縮した。残渣を酢酸エチル中に溶解し、炭酸水素ナトリウム溶液(50ml)とブライン(2x50ml)で洗浄した。次に、有機溶液を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空濃縮して、暗色油状物を得た。この油状物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、ヘキサン:酢酸エチル(100:0〜84:16)で溶出して、標題化合物を淡黄色油状物として61%収率(2.81g)で得た。
【0350】
【数37】

【0351】
製造例40:ベンジル3−(2−アミノ−2−メチルプロピル)ベンゾエート塩酸塩
【0352】
【化74】

【0353】
製造例39生成物から、製造例24の方法と同様な方法を用いて、標題化合物を白色固体として91%収率で製造した。
【0354】
【数38】

【0355】
製造例41:ベンジル3-{2-[((2R)−2−[4−(ベンジルオキシ)−3−(ホルミルアミノ)フェニル]−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)アミノ]−2−メチルプロピル}ベンゾエート
【0356】
【化75】

【0357】
ジメチルスルホキシド(10ml)中の製造例40生成物(1.81g,6.38mmol)と、製造例12(2.96g,6.38mmol)と、炭酸カリウム(1.76g,12.8mmol)との混合物を、95℃において40時間加熱した。冷却した反応混合物を次に、水(250ml)で希釈して、酢酸エチル(3x50ml)で抽出した。一緒にした有機溶液を炭酸水素ナトリウム溶液(50ml)と、ブライン(2x50ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空濃縮して、橙色油状物を得た。この油状物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、ジクロロメタン:ヘキサン(50:50)によって、続いて、ジクロロメタン:メタノール(100:0〜98:2)によって溶出した。適当な分画を減圧下で蒸発させて、残渣をさらにシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、ジクロロメタン:メタノール(100:0〜98:2)によって溶出して、黄色ガムを得た。このガムをジエチルエーテル(x3)と共に共沸蒸留して、標題化合物を黄色ガムとして20%収率(0.83g)で得た。
【0358】
【数39】

【0359】
製造例42:3-[2-({(2R)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−[3−(ホルミルアミノ)−4−ヒドロキシフェニル]エチル}アミノ)−2−メチルプロピル]安息香酸
【0360】
【化76】

【0361】
製造例41生成物から、製造例26の方法と同様な方法を用いて、標題化合物を製造した。粗生成物を次に、ジエチルエーテル(x3)と共に共沸蒸留して、標題化合物を淡黄色固体として97%収率で得た。
【0362】
【数40】

【0363】
製造例43:(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)アセトニトリル
【0364】
【化77】

【0365】
ジクロロメタン(10ml)中の(4−メトキシ−2,5−ジメチルフェニル)アセトニトリル(0.5g,2.9mmol)の溶液を−80℃に冷却して、三臭化ホウ素(ジクロロメタン中1M、14.3ml,14.3mmol)で処理した。この反応混合物を−80℃においてさらに30分間撹拌してから、2時間の期間をかけて室温に温度上昇させた。この反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(20ml)でクエンチし、有機層を分離した。該有機溶液をブライン(20ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空濃縮して、淡褐色固体を得た。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチル:ペンタン(20:80〜33:67)によって溶出して、標題化合物を無色固体として60%(鉱油中分散液)収率(0.28g)で得た。
【0366】
【数41】

【0367】
製造例44:(4−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−フェニル)アセトニトリル
【0368】
【化78】

【0369】
(4−メトキシ−2,3−ジメチル−フェニル)アセトニトリルから、製造例43の方法と同様な方法を用いて、標題化合物を無色固体として94%収率で得た。
【0370】
【数42】

【0371】
製造例45:(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)アセトニトリル
【0372】
【化79】

【0373】
(4−メトキシ−3−メチルフェニル)アセトニトリルから、製造例43の方法と同様な方法を用いて、標題化合物を淡黄色固体として得た。
【0374】
【数43】

【0375】
製造例46:4−(2−アミノエチル)−2,5−ジメチルフェノール
【0376】
【化80】

【0377】
エタノール(15ml)中の製造例43生成物(0.28g,1.74mmol)の溶液を60psiにおいてRaney Nickel(登録商標)(0.1g,50%w/w)上で16時間水素化した。次に、この反応混合物を濾過し、溶媒を真空下で除去した。残渣をカチオン交換樹脂を用いて精製して、メタノールによって、次にメタノール中1Mアンモニアによって溶出して、標題化合物を無色油状物として得た。
【0378】
【数44】

【0379】
製造例47:4−(2−アミノ−エチル)−2,3−ジメチル−フェノール
【0380】
【化81】

【0381】
製造例44生成物から、製造例46の方法と同様な方法を用いて、標題化合物を無色固体として95%収率で得た。
【0382】
【数45】

【0383】
製造例48:4−(2−アミノエチル)−2−メチルフェノール
【0384】
【化82】

【0385】
製造例45生成物から、製造例46の方法と同様な方法を用いて、標題化合物を無色油状物として得た。
【0386】
【数46】

【0387】
製造例49:tert−ブチル(3−ヨードベンジル)カルバメート
【0388】
【化83】

【0389】
ジクロロメタン(100ml)中の3−ヨードベンジルアミン塩酸塩(4.95g,18.4mmol)の懸濁液を、トリエチルアミン(3.1ml,22mmol)とジ−tert−ブチルジカーボネート(4.40g,20mmol)によって処理して、得られた溶液を室温において1.5時間撹拌した。この反応混合物を次に、2M塩酸(30ml)、水(30ml)によって洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて、真空濃縮し、標題化合物を無色固体として定量的収率(6.43g)で得た。
【0390】
【数47】

【0391】
製造例50:tert−ブチル[(4’−ヒドロキシビフェニル−3−イル)メチル]カルバメート
【0392】
【化84】

【0393】
N,N−ジメチルホルムアミド(14ml)中の製造例49生成物(0.75g,2.25mmol)と、4−ヒドロキシフェニルボロン酸(0.62g,4.50mmol)と、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセニルパラジウム(II)クロリド(0.11g,0.14mmol)との溶液を、2M炭酸ナトリウム水溶液(4ml)で処理して、得られた混合物を80℃において16時間加熱した。溶媒を真空下で除去し、残渣をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチル:ペンタン(25:75)で溶出して、標題化合物を淡ピンク色結晶質固体として定量的収率(0.73g)で得た。
【0394】
【数48】

【0395】
製造例51:3’−(アミノメチル)ビフェニル−4−オール塩酸塩
【0396】
【化85】

【0397】
製造例50生成物(0.73g,2.43mmol)を、ジオキサン中の4M塩酸(6.1ml,24.3mmol)によって処理して、得られた溶液を室温において3時間撹拌させた。次に、この反応混合物を真空濃縮して、標題化合物を無色固体として得た。
【0398】
【数49】

【0399】
製造例52:2−ヒドロキシ−1−ナフタミド
【0400】
【化86】

【0401】
テトラヒドロフラン(70ml)中の2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸(5.0g,26.6mmol)と、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(5.6g,29.2mmol)と、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(3.95g,29.2mmol)との溶液を、室温において30分間撹拌してから、0.88アンモニア(6ml)を加えた。得られた懸濁液を室温において2時間撹拌した。次に、この反応混合物を濾過して、濾液を水(80ml)で希釈して、酢酸エチル(4x80ml)で抽出した。一緒にした有機抽出物を水(2x50ml)とブライン(50ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空濃縮して、橙色油状物を得た。該油状物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製し、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(95:5:0.5)で溶出して、標題化合物をピンク色固体として37%収率(1.83g)で得た。
【0402】
【数50】

【0403】
製造例53:3,5−ジクロロ−N−エチル−2−ヒドロキシベンズアミド
【0404】
【化87】

【0405】
3,5−ジクロロ−2−ヒドロキシ安息香酸とエチルアミンから、製造例52の方法と同様な方法を用いて、標題化合物を淡黄色固体として得た。
【0406】
【数51】

【0407】
製造例54:4−(アミノメチル)−2,6−ジメチルフェノール塩酸塩
【0408】
【化88】

【0409】
テトラヒドロフラン(70ml)中の3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンゾニトリル(1.0g,6.79mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン中ボランの溶液(テトラヒドロフラン中1M、27.1ml,27.1mmol)を滴加して、得られた溶液を還流下で16時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却して、6N塩酸(20ml)で処理し、還流下でさらに30分間加熱した。次に、この反応混合物を室温に冷却し、溶媒を真空下で除去した。残渣を強カチオン交換樹脂を用いて精製して、メタノールによって、続いて、メタノール中2Mアンモニアによって溶出して、橙色油状物を得た。次に、この油状物をメタノール中1M塩化水素(20ml)で処理して、反応混合物を真空濃縮して、標題化合物を淡黄色固体として定量的収量(1.12g)で得た。
【0410】
【数52】

【0411】
製造例55:2−(アミノメチル)−4−クロロフェノール塩酸塩
【0412】
【化89】

【0413】
5-クロロ−2−ヒドロキシベンゾニトリルから、製造例54に関して述べた方法と同様な方法を用いて、標題化合物を製造した。
【0414】
【数53】

【0415】
製造例56:4’−(アミノメチル)ビフェニル−4−オール塩酸塩
【0416】
【化90】

【0417】
4’−ヒドロキシビフェニル−4−カルボニトリルから、製造例54の方法と同様な方法を用いて、標題化合物を製造した。
【0418】
【数54】

【0419】
製造例57:1−(アミノメチル)−2−ナフトール
【0420】
【化91】

【0421】
テトラヒドロフラン(10ml)中の製造例52からのアミド(0.90g,4.81mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン中ボランの溶液(1M溶液、19.23ml,19.23mmol)を滴加して、次に、この反応を還流下で2時間加熱した。この溶液を冷却して、6M塩酸(10ml)で処理し、還流下でさらに2時間加熱した。得られた懸濁液を室温に冷却し、0.88アンモニアの添加によってpHをpH9に調節して、酢酸エチル(3x50ml)で抽出した。一緒にした有機溶液をブライン(20ml)で洗浄して、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空濃縮した。残渣をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(95:5:0.5〜90:10:1)で溶出して、標題化合物をピンク色固体として23%収率(0.19g)で得た。
【0422】
【数55】

【0423】
製造例58:2,4−ジクロロ−6−[(エチルアミノ)メチル]フェノール
【0424】
【化92】

【0425】
テトラヒドロフラン(10ml)中の製造例53生成物(0.77g,3.29mmol)の溶液を0℃に冷却して、ボラン−テトラヒドロフラン複合体(テトラヒドロフラン中1M、9.9ml,9.9mmol)で処理した。得られた溶液を20分間にわたって室温に温度上昇させてから、還流下で16時間加熱した。この反応混合物を0℃に冷却して、メタノールの添加によってクエンチした。得られた溶液を2時間にわたって室温に温度上昇させてから、真空濃縮した。残渣をジクロロメタン(40ml)中に溶解し、水(2x10ml)、ブライン(10ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で減量させて(reduced)、無色油状物を得た。該油状物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、メタノール:ジクロロメタン(2:98〜5:95)で溶出して、標題化合物を無色固体として74%収率(0.53g)で得た。
【0426】
【数56】

【0427】
製造例59〜68
以下に示す一般式で示される下記化合物を、製造例42生成物と適当なアミンから、製造例27に関して述べた方法と同様な方法を用いて製造した。反応をTLC分析によってモニターして、室温において18〜72時間撹拌した。
【0428】
【化93】

【0429】
【化94】

【0430】
製造例60:12g Redisep(登録商標)カートリッジを用いるカラムクロマトグラフィーによって精製して、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(96:4:0.3)によって溶出した。
製造例62:ジエチルエーテル(x3)と共にさらに共沸蒸留して、目的生成物を得た。
製造例68:6−(アミノメチル)−2−ナフタレノールは、US 20040204455,p19に記載されているように製造することができる。
【0431】
製造例69:3−[2−({(2R)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−[3−(ホルミルアミノ)−4−ヒドロキシフェニル]エチル}アミノ)−2−メチルプロピル]−N−[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロピル]ベンズアミド
【0432】
【化95】

【0433】
N,N−ジメチルホルムアミド(3ml)中の製造例42生成物(100mg,0.21mmol)と、O−(1H−ベンゾトリアゾル−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム・ヘキサフルオロホスフェート(78mg,0.21mmol)と、トリエチルアミン(35μl,0.4mmol)との混合物に、4-(2-アミノ−1,1−ジメチルエチル)フェノール塩酸塩(Acta Chem.Scand.8,1203,1207:1954)(41mg,0.21mmol)を加えて、該混合物を室温において18時間撹拌した。次に、溶媒を真空下で除去し、残渣を酢酸エチル中に入れ、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(3x20ml)とブライン(3x20ml)で洗浄した。次に、該有機溶液を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空濃縮して、標題化合物を褐色フォームとして54%収率で得た。
【0434】
【数57】

【0435】
製造例70〜76
以下に示す一般式で示される下記化合物を、製造例42生成物と適当なアミンから、製造例69に関して述べた方法と同様な方法を用いて製造した。反応をTLC分析によってモニターして、室温において18〜72時間撹拌した。
【0436】
【化96】

【0437】
製造例77:ジエチル2,2’−(1,3−フェニレン)ジアセテート
【0438】
【化97】

【0439】
エタノール(500ml)中の2,2’−(1,3−フェニレン)二酢酸(50.0g,260mmol)の懸濁液に、塩化アセチル(12.5ml,175mmol)を加えて、得られた溶液を還流下で16時間加熱した。次に、この反応を室温に冷却して、溶媒を真空下で除去した。残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(300ml)と酢酸エチル(500ml)とに分配した。有機相を分離し、水(200ml)とブライン(300ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空濃縮して、標題化合物を淡黄色油状物として定量的収量(63.5g)で得た。
【0440】
【数58】

【0441】
製造例78:[3−(2−オキソ−プロピル)−フェニル]−酢酸エチルエステル
【0442】
【化98】

【0443】
エタノール(24ml)とジオキサン(290ml)中の製造例77からのジエステル(44.3g,177mmol)と2,2’−(1,3−フェニレン)二酢酸(59.2g,308mmol)との溶液を12M塩酸(4.9ml,58.8mmol)によって滴下処理した。この反応混合物を還流下で18時間撹拌して、室温に冷却し、真空濃縮した。次に、反応混合物をトルエン(125ml)で希釈し、得られたスラリーを濾過した。濾液を真空濃縮して、残渣を水中に入れ、炭酸水素ナトリウムでpHが中性になるまで塩基性化した。この混合物を酢酸エチル(200ml)で希釈し、有機層を分離して、炭酸水素ナトリウム溶液(5x30ml)とブライン(50ml)で洗浄した。一緒にした水性抽出物を6M塩酸でpH3に酸性化して、ジエチルエーテル(3x30ml)で抽出した。一緒にした有機溶液を硫酸マグネシウム上で乾燥させて、真空濃縮した。残渣をペンタンと共に摩砕して、標題化合物を無色固体として27%収率(10.8g)で得た。
【0444】
【数59】

【0445】
製造例79:[3−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)−フェニル]−酢酸
【0446】
【化99】

【0447】
テトラヒドロフラン(300ml)中の製造例78生成物(11.6g,51mmol)(International Journal of Peptide and Protein Research,1987,29(3),331)の撹拌溶液に、メチルマグネシウムクロリド(テトラヒドロフラン中3M溶液51ml,153mmol)を滴加した。次に、この反応を室温に一晩温度上昇させて、濃厚な白色沈殿を形成させてから、水(50ml)と2N塩酸(80ml)を注意深く加えた。水層を分離して、酢酸エチル(2x300ml)で抽出した。一緒にした有機溶液をブライン(50ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空濃縮して、標題化合物を金色油状物として定量的収量(11.2g)で得た。
【0448】
【数60】

【0449】
製造例80:{3−[2−(2−クロロ−アセチルアミノ)−2−メチル−プロピル]−フェニル}-酢酸
【0450】
【化100】

【0451】
酢酸(33ml)中の製造例79生成物(16.0g,70mmol)の溶液に、2−クロロアセトニトリル(8.8ml,140mmol)を加えた。得られた溶液を0℃に冷却し、濃硫酸(33ml)で処理して、反応混合物を室温にまで徐々に温度上昇させた。4時間後に、反応混合物を氷上に注入して、固体炭酸ナトリウムで塩基性化した。この溶液を酢酸エチル(2x500ml)で抽出して、一緒にした有機抽出物溶液を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空濃縮して、標題化合物を無色固体として96%収率(19.0g)で得た。
【0452】
【数61】

【0453】
製造例81:[3−(2−アミノ−2−メチル−プロピル)−フェニル]−酢酸メチルエステル
【0454】
【化101】

【0455】
エタノール(80ml)中の製造例80生成物(5.1g,18mmol)と、チオ尿素(1.6g,21mmol)と、酢酸(18ml)との溶液を、還流下で16時間加熱した。次に、この反応混合物を室温に冷却させて、濾過した。濾液を真空濃縮して、残渣をメタノール(150ml)中に溶解し、塩化水素ガスで飽和させた。得られた溶液を16時間加熱還流させた。該混合物を真空濃縮して、残渣を酢酸エチル(200ml)と5%炭酸ナトリウム水溶液(200ml)とに分配した。有機相をブライン(100ml)で洗浄して、硫酸マグネシウム上で乾燥させて、真空濃縮した。残渣を強カチオン交換樹脂によって精製して、メタノールによって、続いてメタノール中2Mアンモニア溶液によって溶出して、標題化合物を黄色油状物として67%収率(2.68g)で得た。
【0456】
【数62】

【0457】
製造例82:メチル(3−{2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)アセテート
【0458】
【化102】

【0459】
製造例81生成物から、製造例49の方法と同様な方法を用いて、標題化合物を無色油状物として81%収率で製造した。
【0460】
【数63】

【0461】
製造例83:(3−{2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)酢酸
【0462】
【化103】

【0463】
ジオキサン(30ml)と水(8ml)中の製造例82生成物(7.45g,23mmol)の溶液に、5M水酸化ナトリウム溶液(4.6ml,23mmol)を加えて、混合物を室温において18時間撹拌した。この反応混合物を次に、真空濃縮して、残渣を水中に溶解して、2M塩酸でpH3に酸性化した。次に、この混合物を酢酸エチル(3x30ml)で抽出して、一緒にした有機溶液をブライン(3x30ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空濃縮して、油状物を得た。次に、この油状物をジエチルエーテルと共に共沸蒸留して、標題化合物を無色ガムとして99%収率(7.0g)で得た。
【0464】
【数64】

【0465】
製造例84:ベンジル(3−{2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)アセテート
【0466】
【化104】

【0467】
N,N−ジメチルホルムアミド(40ml)中の製造例83生成物(5.7g,18.6mmol)の溶液に、炭酸セシウム(6.03g,18.6mmol)を加えて、混合物を室温において1時間撹拌した。この反応混合物を次に、真空濃縮して、残渣をN,N−ジメチルホルムアミド(80ml)中に溶解し、臭化ベンジル(3.18g,18.6mmol)で処理して、室温において3時間撹拌した。次に、この混合物を濾過し、真空濃縮して、残渣を酢酸エチル(60ml)中に溶解し、ブライン(60ml)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空濃縮して、標題化合物を淡黄色油状物として76%収率(5.6g)で得た。
【0468】
【数65】

【0469】
製造例85:ベンジル[3−(2−アミノ−2−メチルプロピル)フェニル]アセテート
【0470】
【化105】

【0471】
製造例84生成物(5.6g,14.1mmol)に、トリフルオロ酢酸(30ml)を加えて、混合物を室温において18時間撹拌した。この反応混合物を次に、真空濃縮して、残渣をジクロロメタン(100ml)で希釈して、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(300ml)で塩基性化した。有機層を分離して、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空濃縮して、標題化合物を黄色油状物として76%収率で得た。
【0472】
【数66】

【0473】
製造例86:ベンジル(3−{2−[((2R)−2−[4−(ベンジルオキシ)−3−(ホルミルアミノ)フェニル]−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)アミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)アセテート
【0474】
【化106】

【0475】
製造例12と製造例85の生成物から、製造例13の方法と同様な方法を用いて、標題化合物を55%収率で製造した。
【0476】
【数67】

【0477】
製造例87:{3−[2−({(2R)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−[3−(ホルミルアミノ)−4−ヒドロキシフェニル]エチル}アミノ)−2−メチルプロピル]フェニル}酢酸
【0478】
【化107】

【0479】
製造例86生成物から、製造例26の方法と同様な方法を用いて、標題化合物を93%収率で製造した。
【0480】
【数68】

【0481】
製造例88:2−クロロ−N−エチル−5−ヒドロキシベンズアミド
【0482】
【化108】

【0483】
2−クロロ−5−ヒドロキシ安息香酸とエチルアミンから、製造例52に用いた方法と同様な方法を用いて、標題化合物を無色固体として製造した。
【0484】
【数69】

【0485】
製造例89:4−クロロ−3−[(エチルアミノ)メチル]フェノール
【0486】
【化109】

【0487】
製造例88生成物から、製造例57の方法を用いて、標題化合物を無色固体として製造した。
【0488】
【数70】

【0489】
製造例90:4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−クロロベンズアルデヒド
【0490】
【化110】

【0491】
N,N−ジメチルホルムアミド(40ml)中の2−クロロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(5.0g,32mmol)と、tert−ブチル(ジメチル)シリルクロリド(5.3g,35mmol)と、イミダゾール(2.9g,45mmol)と、N,N−ジメチルアミノピリジン(10mg)との溶液を、室温において16時間撹拌した。溶媒を真空下で除去して、残渣を酢酸エチル(100ml)と水(100ml)とに分配した。有機相を分離して、ブライン(50ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製し、ペンタン:酢酸エチル(75:25〜67:33)で溶出して、標題化合物を無色油状物として75%収率(6.50g)で得た。
【0492】
【数71】

【0493】
製造例91:N−(4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−クロロベンジル)プロパ−2−エン−1−アミン
【0494】
【化111】

【0495】
ジクロロメタン(60ml)中の製造例90からのアルデヒド(6.50g,24.0mmol)とアリルアミン(1.51g,26.4mmol)の溶液を、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(7.6g,35.6mmol)によって処理して、得られた懸濁液を室温において16時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液(50ml)を加えて、有機層を分離した。該有機溶液をブライン(50ml)で洗浄し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、真空濃縮して、黄色油状物を得た。該油状物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製し、ペンタン:酢酸エチル(75:25〜67:33)で溶出して、標題化合物を無色油状物として38%収率(2.80g)で得た。
【0496】
【数72】

【0497】
製造例92:(4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−クロロベンジル)アミン
【0498】
【化112】

【0499】
ジクロロメタン(80ml)中の製造例91生成物(2.8g,9.0mmol)と、ジメチルバルビツール酸(7.0g,45mmol)と、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.10g,0.08mmol)との溶液を、還流下で4時間加熱した。次に、冷却した溶液を真空濃縮して、残渣を酢酸エチル(50ml)と1N水酸化ナトリウム水溶液(50ml)とに分配した。有機層を分離し、ブライン(50ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空濃縮した。残渣をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製し、ジクロロメタン:メタノール:0.880アンモニア(98:2:0〜95:5:0.5)で溶出して、標題化合物を無色油状物として70%収率(1.70g)で得た。
【0500】
【数73】

【0501】
製造例93〜95
以下に示す一般式で示される下記化合物を、製造例87生成物と適当なアミンから、製造例27に関して記載した方法と同様な方法を用いて製造した。反応をtlc分析によってモニターして、室温において18〜72時間撹拌した。
【0502】
【化113】

【0503】
製造例96:2−{3−[2−({(2R)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−[3−(ホルミルアミノ)−4−ヒドロキシフェニル]エチル}アミノ)−2−メチルプロピル]フェニル}−N−(2−クロロ−4−ヒドロキシベンジル)アセトアミド
【0504】
【化114】

【0505】
製造例87と92の生成物から、製造例27の方法と同様な方法を用いて、標題化合物を褐色フォームとして62%収率で製造した。
【0506】
【数74】

【0507】
製造例97:2−(3−ブロモフェニル)−N−(3,4−ジメチルベンジル)アセトアミド
【0508】
【化115】

【0509】
3,4−ジメチルベンジルアミンと3−ブロモフェニル酢酸から、製造例27の方法と同様な方法を用いて、標題化合物を白色固体として93%収率で製造した。
【0510】
【数75】

【0511】
製造例98:N−(3,4−ジメチルベンジル)−2−{3−[(E)−2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドル−2−イル)ビニル]フェニル}アセトアミド
【0512】
【化116】

【0513】
アセトニトリル(35ml)中の製造例97生成物(5.0g,15mmol)、N−ビニルフタルイミド(2.62g,15.1mmol)と、トリ−オルト−トリルホスフィン(473mg,1.55mmol)と、酢酸パラジウム(II)(98mg,0.4mmol)と、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(30ml,172mmol)とを還流下で16時間加熱した。次に、この反応混合物を室温に冷却して、沈殿を濾別した。次に、該固体をジクロロメタン中に溶解して、活性炭を加えて、溶液をCelite(登録商標)に通して濾過した。濾液を真空濃縮し、残渣を熱ジクロロメタン/メタノールから再結晶して、標題化合物を黄色固体として55%収率(3.5g)で得た。
【0514】
【数76】

【0515】
製造例99:N−(3,4−ジメチルベンジル)−2−{3−[2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドル−2−イル)エチル]フェニル}アセトアミド
【0516】
【化117】

【0517】
製造例98生成物(3.3g,7.7mmol)と炭素付き10%パラジウム(1g)をエタノール中に懸濁させ、混合物を50psiの水素ガス下、室温において16時間撹拌した。次に、この反応混合物をArbocel(登録商標)に通して濾過し、エタノールを通して洗浄し、濾液を真空濃縮して、標題化合物を黄色固体として52%収率(1.7g)で得た。
【0518】
【数77】

【0519】
製造例100:2−[3−(2−アミノエチル)フェニル]−N−(3,4−ジメチルベンジル)−アセトアミド
【0520】
【化118】

【0521】
エタノール(125ml)中の製造例99生成物(3.5g,8.2mmol)の懸濁液にヒドラジン一水和物(6ml,123.6mmol)を加えて、混合物を還流下で4時間加熱した。次に、この反応混合物を室温に冷却して、濾過した。濾液を真空濃縮して、残渣をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(95:5:1)によって溶出して、標題化合物を57%収率(1.4g)で得た。
【0522】
【数78】

【0523】
製造例101:2−(3−{2−[((2R)−2−[4−(ベンジルオキシ)−3−(ホルミルアミノ)フェニル]−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)アミノ]エチル}フェニル)−N−(3,4−ジメチルベンジル)アセトアミド
【0524】
【化119】

【0525】
製造例12と製造例100の生成物から、製造例33の方法と同様な方法を用いて、標題化合物を黄色油状物として37%収率で得た。
【0526】
【数79】

【0527】
製造例102:2−{3−[2−({(2R)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−[3−(ホルミルアミノ)−4−ヒドロキシフェニル]エチル}アミノ)エチル]フェニル}−N−(3,4−ジメチルベンジル)アセトアミド
【0528】
【化120】

【0529】
製造例101生成物から、製造例20の方法と同様な方法を用いて、標題化合物を白色フォームとして83%収率で得た。
【0530】
【数80】

【0531】
製造例103〜110
以下に示す一般式で示される下記化合物を、製造例87生成物と適当なアミンから、製造例27に関して記載した方法と同様な方法を用いて製造した。反応をtlc分析によってモニターして、室温において18〜72時間撹拌した。
【0532】
【化121】

【0533】
【化122】

【0534】
【化123】

【0535】
製造例111〜119
ジクロロメタン(2ml)中の製造例42(100mg,206μmol)と、ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(32mg,205μmol)と、トリエチルアミン(0.55μl,412μmol)との溶液に、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(40mg,205μmol)を加え、続いて、アミン(205μmol)を加えて、混合物を室温において18時間撹拌した。次に、溶媒を真空下で除去して、残渣を酢酸エチルで希釈して、炭酸水素ナトリウム溶液(20ml)とブライン(20ml)で洗浄して、乾燥させ(NaSO)、真空濃縮して、フィルムを得て、これをジエチルエーテル(x3)中に懸濁させて、フォームを得た。
【0536】
【化124】

【0537】
【化125】

【0538】
製造例122:N−{5−[(2R)−2−{2−[3−(10−アザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン−10−カルボニル)フェニル]−1,1−ジメチルエチルアミノ}−1-(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エチル]−2−ヒドロキシフェニル}ホルムアミド
【0539】
【化126】

【0540】
10−アザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエンによって、製造例69の方法と同様な方法を用いて、標題化合物を製造した。
【0541】
【数81】

【0542】
製造例123:3−{2−[(2R)−2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)エチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−[2−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンズアミド
【0543】
【化127】

【0544】
2−(2−アミノエチル)−4−クロロフェノールによって、製造例69の方法と同様な方法を用いて、標題化合物を製造した。
【0545】
【数82】

【0546】
製造例124〜128
ジクロロメタン(2ml)中の製造例42(200mg,412μmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(63mg,412μmol)と、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(79mg,412μmol)と、トリエチルアミン(0.11ml,824μmol)の混合物に、アミン(412μmol)を加えて、混合物を室温において18時間撹拌した。次に、溶媒を真空下で除去して、残渣を酢酸エチルで希釈して、炭酸水素ナトリウム溶液(3x20ml)とブライン(3x20ml)で洗浄して、乾燥させた(MgSO)。粗物質をシリカゲル上でのクロマトグラフィーによって精製して、ジクロロメタン:0.88アンモニア(99.7:0.3)で溶出した。適当な画分を減圧下で蒸発させて、残渣を真空濃縮して、得られた白色フォームをジエチルエーテル(x3)中に懸濁させ、蒸発させた。
【0547】
【化128】

【0548】
【化129】

【0549】
【化130】

【0550】
製造例129:3−(2−オキソ−プロピル)安息香酸メチルエステル
【0551】
【化131】

【0552】
トリブチルスズメトキシド(80.3ml,279mmol)と、メチル3−ブロモベンゾエート(53.5g,249mmol)と、イソプロペニルアセテート(39.4ml,358mmol)と、酢酸パラジウム(II)(2.6g,11.6mmol)と、トリ−オルト−トリルホスフィン(7.1g,23.2mmol)を一緒に、窒素下、100℃において、トルエン(350ml)中で18時間撹拌した。冷却後に、この反応をフッ化カリウム溶液(4M,560ml)で処理し、2時間撹拌した。得られた混合物をさらなるトルエン(200ml)で希釈し、Celite(登録商標)に通して濾過し、該フィルターパッドを酢酸エチルで洗浄した。有機相を分離し、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、真空下で減量した(reduced in vacuo)。残渣をクロマトグラフィーによって精製し、酢酸エチル:ペンタン(10:90〜20:80)によって溶出して、標題化合物(45.3g)を橙色油状物として得た。
【0553】
【数83】

【0554】
製造例130:3−[(2R)−2−((1R)−1−フェニルエチルアミノ)プロピル]安息香酸メチルエステル塩酸塩
【0555】
【化132】

【0556】
製造例129によって、製造例19の方法と同様な方法を用いて、標題化合物を製造して、標題化合物(27.3g)を無色結晶質固体として製造した。
【0557】
【数84】

【0558】
製造例131:メチル{3−[(2R)−2−アミノプロピル]フェニル}アセテート
【0559】
【化133】

【0560】
製造例130によって、製造例20の方法と同様な方法を用いて、標題化合物を製造して、標題化合物(8.48g)を淡黄色油状物として得た。
【0561】
【数85】

【0562】
製造例132:3−((2R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピル)安息香酸メチルエステル
【0563】
【化134】

【0564】
製造例131(5.00g,26.0mmol)と、ジ−tert−ブチルジカルボキシレート(6.22g,28.5mmol)と、炭酸水素ナトリウム(4.35g,52mmol)との混合物を、1,4−ジオキサン(100ml)と水(10ml)の混合物中で20時間撹拌した。溶媒を除去し、該物質を酢酸エチル(200ml)と塩酸(2M,100ml)とに分配して、有機相をブライン(100ml)で洗浄して、乾燥させた(MgSO)。溶媒を除去して、白色固体(7.12g,93%)を得た。
【0565】
【数86】

【0566】
製造例133:3−((2R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピル)安息香酸
【0567】
【化135】

【0568】
テトラヒドロフラン(100ml)中の製造例132(7.10g,24.3mmol)と、水酸化リチウム(1.00M,50.0ml,50.0mmol)との混合物を20時間撹拌した。この反応混合物を酢酸エチル(250ml)で希釈し、塩酸(2M)でpH2に酸性化した。水相を酢酸エチル(150ml)で再抽出し、一緒にした有機層をブライン(300ml)で洗浄して、乾燥させた(MgSO)。濾過し、溶媒を除去して、標題化合物(5.53g,82%)を得た。
【0569】
【数87】

【0570】
製造例134:3−((2R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピル)安息香酸ベンジルエステル
【0571】
【化136】

【0572】
N,N−ジメチルホルムアミド(50ml)中の製造例133(5.50g,19.8mmol)の溶液に、水(10ml)中の炭酸セシウム(6.50g,19.8mmol)を加えて、得られた混合物を室温において1時間撹拌した。次に、臭化ベンジル(3.42g,19.8mmol)を加えて、混合物を20時間撹拌した。酢酸エチル(50ml)を加えて、懸濁液を濾過し、濾液を飽和ブライン(100ml)で洗浄して、乾燥させた(MgSO)。濾過し、溶媒を除去して、標題化合物(7.20g)を得た。
【0573】
【数88】

【0574】
製造例135:3-((2R)−2−アミノプロピル)安息香酸ベンジルエステル
【0575】
【化137】

【0576】
製造例134(7.20g,19.0mmol)をトリフルオロ酢酸(35ml)で処理して、混合物を20時間撹拌させた。トリフルオロ酢酸を真空下で除去して、ジクロロメタン(175ml)を加えた。この混合物を飽和炭酸水素ナトリウム(150ml)で塩基性化して、水酸化ナトリウム(1M,50ml)で洗浄した。一緒にした有機層をブライン(150ml)で洗浄し、乾燥させて(MgSO)、褐色油状物(3.70g,72%)を得た。
【0577】
【数89】

【0578】
製造例136:3-{(2R)−2−[(2R)−2−(4−ベンジルオキシ−3−ホルミルアミノフェニル)−2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エチルアミノ]プロピル}安息香酸ベンジルエステル
【0579】
【化138】

【0580】
製造例135(3.70g,13.8mmol)と製造例12(3.20g,6.9mmol)を90℃に26時間かけて加熱した。この混合物を冷却させ、ジクロロメタン(100ml)で希釈した。有機相を飽和炭酸水素ナトリウム(200ml)で洗浄し、真空濃縮した。粗物質をクロマトグラフィー(x2)によって精製して、酢酸エチル:ヘプタン(0:100〜40:60)で溶出して、標題化合物(2.0g,52%)を得た。
【0581】
【数90】

【0582】
製造例137:3-{(2R)-2-[(2R)−2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)エチルアミノ]プロピル}安息香酸
【0583】
【化139】

【0584】
メタノール(100ml)中の製造例136(2.0g,3.1mmol)と炭素付きパラジウム(10%,205mg)を60psi/RTにおいて20時間水素化した。メタノール中アンモニア溶液(2M,50ml)を加えて、混合物を2分間撹拌させた。次に、この混合物をフィルターエイドに通して濾過し、これをメタノール中アンモニア溶液(2M,250ml)で洗浄して、得られた有機相を濃縮して、暗緑色固体を得た。粗物質をクロマトグラフィーによって精製して、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(100:0:0〜75:20:5)で溶出して、標題化合物を暗緑色固体(131mg)として得た。
【0585】
【数91】

【0586】
製造例138:3-{(2R)-2-[(2R)−2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)エチルアミノ]プロピル}−N−[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロピル]ベンズアミド
【0587】
【化140】

【0588】
4−(2−アミノ−1,1−ジメチルエチル)フェノール塩酸塩(Acta Chem.Scand.8,1203,1207;1954)によって、製造例27の方法と同様な方法を用いて、標題化合物を製造した。
【0589】
【数92】

【0590】
製造例139:メチル(2E)-3−[3−(2−オキソプロピル)フェニル]アクリレート
【0591】
【化141】

【0592】
アセトニトリル(900ml)中の3−ブロモフェニルアセトン(50.0g,235mmol)と、メチルアクリレート(40.4g,469mmol)と、酢酸パラジウム(II)(7.9g,35.2mmol)と、トリ−オルト−トリルホスフィン(21.4g,70.4mmol)と、トリエチルアミン(82ml)の溶液を、窒素雰囲気下、還流下で16時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、溶媒を真空下で除去した。フラッシュ・カラムクロマトグラフィーによって精製し、ペンタン:酢酸エチル(90:10〜70:30)で溶出して、標題化合物を橙色油状物(54.3g)として得た。
【0593】
【数93】

【0594】
製造例140:メチル3−[3−(2−オキソプロピル)フェニル]プロパノエート
【0595】
【化142】

【0596】
製造例139を用いて、製造例26に関して用いた方法に従って、標題化合物を橙色油状物として製造した。
【0597】
【数94】

【0598】
製造例141:メチル[3−((2R)−2−{[(1R)−1−フェニル−エチル]アミノ}プロピル)フェニル]プロパノエート塩酸塩
【0599】
【化143】

【0600】
製造例140を用いて、製造例19に関して用いた方法に従って、標題化合物を白色結晶質固体として製造した。
【0601】
【数95】

【0602】
製造例142:3−{3−[(2R)−2−((1R)−1−フェニルエチルアミノ)プロピル]フェニル}プロピオン酸
【0603】
【化144】

【0604】
製造例141(3.25g,8.98mmol)と水酸化ナトリウム(5M,9.0ml,45.0mmol)を、1,4−ジオキサン(40ml)と水(40ml)中で18時間撹拌した。溶媒を真空下で除去して、該物質を水中に溶解し、塩酸(2M)でpH6に酸性化した、これは18時間にわたって凝固した。該固体を濾別し、真空下で乾燥させた(1.0g,36%)。濾液を濃縮して、テトラヒドロフランを加えて、混合物を濾過した。濾液を蒸発させて、フォームを得て、これをジエチルエーテル(x3)中に懸濁させて、無色フォーム(1.96g,70%)を得た。
【0605】
【数96】

【0606】
製造例143:1−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−3−{3−[(2R)−2−((1R)−1−フェニルエチルアミノ)プロピル]フェニル}プロパン−1−オン
【0607】
【化145】

【0608】
ジクロロメタン(80ml)中の製造例142(1.95g,6.27mmol)、トリエチルアミン(2.62ml,19.0mmol)を2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリン・ヘキサフルオロホスフェート(1.75g,6.27mmol)で処理して、得られた溶液を3時間撹拌させた。溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル中に入れ、飽和炭酸水素ナトリウム(3x20ml)、ブライン(3x20ml)で洗浄し、乾燥させた(NaSO)。濾過し、溶媒を除去した後に、物質をクロマトグラフィーによって精製し、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(99.7:0:0.3〜96.7:3:0.3)で溶出した。生成物をジエチルエーテル(x3)から蒸発させて、半固体(2.3g,86%)を得た。
【0609】
【数97】

【0610】
製造例144:3−[3−((2R)−2−アミノプロピル)フェニル]−1−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)プロパン−1−オン
【0611】
【化146】

【0612】
エタノール(40ml)中の製造例143(2.20g,5.16mmol)と、蟻酸アンモニウム(1.63g,26.0mmol)と、水酸化パラジウム(500mg)を加熱して、70℃において4時間撹拌した。この混合物をフィルターエイドに通して濾過し、溶媒を除去した。物質をクロマトグラフィーによって精製して、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(99.7:0:0.3〜94.7:5:0.3)で溶出して、無色油状物を得て、これをジエチルエーテル(x3)から蒸発させた(1.26g,76%)。
【0613】
【数98】

【0614】
製造例145:N−{2−ベンジルオキシ−5−[(1R)−1−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−2−((1R)−2−{3−[3−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−3−オキソ−プロピル]フェニル}−1−メチルエチルアミノ)エチル]フェニル}ホルムアミド
【0615】
【化147】

【0616】
製造例144と製造例12によって、製造例136の方法と同様な方法を用いて、標題化合物を製造した(216mg,67%)。
【0617】
【数99】

【0618】
製造例146:N−{5−[(1R)−1−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−2−((1R)−2−{3−[3−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−3−オキソ−プロピル]フェニル}−1−メチルエチルアミノ)エチル]−2−ヒドロキシフェニル}ホルムアミド
【0619】
【化148】

【0620】
製造例145からのアミドと、製造例15に関して述べた方法を用いて、製造して、褐色フォーム(280mg,100%)として得た。
【0621】
【数100】

【0622】
実施例1:N−ベンジル−2−(3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)アセトアミド
【0623】
【化149】

【0624】
製造例15(24mg,40μmol)と、蟻酸(0.5ml)と、テトラヒドロフラン(5ml)と、水(0.5ml)を90℃に18時間加熱した。蟻酸(0.5ml)とテトラヒドロフラン(5ml)のさらなるアリコートを加えて、加熱をさらに18時間続けた。溶媒を除去して、生成物をクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0〜10%メタノール+0.3%アンモニア)によって精製した。該生成物をメタノール(x3)中に溶解して、蒸発させた(10mg)。
【0625】
【数101】

【0626】
製造例2:N−(3,4−ジメチルベンジル)−2−(3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)アセトアミド
【0627】
【化150】

【0628】
製造例16からのアミドと、実施例1に関して述べた方法を用いて製造。
【0629】
【数102】

【0630】
実施例3:N−[4−(ジメチルアミノ)ベンジル]−2−{3−[(2R)−2−({(2R)−2−[3−(ホルミルアミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)プロピル]フェニル}アセトアミド
【0631】
【化151】

【0632】
テトラヒドロフラン(2ml)中の製造例27生成物(131mg,0.21mmol)とトリエチルアミン・トリヒドロフルオリド(16μl,0.10mmol)との混合物を、室温において3日間撹拌した。次に、この混合物を真空濃縮して、残渣をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(100:0:0〜90:10:1)によって溶出して、標題化合物を褐色フォームとして36%収率(18mg)で得た。
【0633】
【数103】

【0634】
実施例4〜12
以下に示す一般式で示される下記化合物を、実施例3に関して述べた方法と同様な方法を用いて製造した。適当な出発物質を1〜1.1当量のトリエチルアミン・トリヒドロフルオリドによって室温において18〜72時間処理した。
【0635】
【化152】

【0636】
【化153】

【0637】
【化154】

【0638】
実施例13〜23
以下に示す一般式で示される下記化合物を、実施例3に関して述べた方法と同様な方法を用いて製造した。適当な出発物質を1〜1.1当量のトリエチルアミン・トリヒドロフルオリドによって室温において18〜72時間処理した。
【0639】
【化155】

【0640】
【化156】

【0641】
【化157】

【0642】
【化158】

【0643】
実施例14:2Mメタノール性アンモニアと共に共沸蒸留してから精製した。
粗化合物を2Mメタノール性アンモニアと共に共沸蒸留してから、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製し、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(90:10:1)によって溶出した。これに続いて、メタノール(x3)及びジエチルエーテル(x3)中で共沸蒸留して、目的生成物を白色固体として得た。
【0644】
実施例24〜27
以下に示す一般式で示される下記化合物を、実施例3に関して述べた方法と同様な方法を用いて製造した。適当な出発物質を1〜1.1当量のトリエチルアミン・トリヒドロフルオリドによって室温において18〜72時間処理した。
【0645】
【化159】

【0646】
【化160】

【0647】
実施例28:N−1−アダマンチル−2−{3−[(2R)−2−({(2R)−2−[3−(ホルミルアミノ)フェニル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)プロピル]フェニル}アセトアミド
【0648】
【化161】

【0649】
メタノール(5ml)と水(1.5ml)中の製造例34生成物(500mg,0.81mmol)とフッ化アンモニウム(200mg,5.4mmol)との混合物を、40℃において18時間加熱した。次に、この反応混合物を真空濃縮して、残渣をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(90:10:0.1)によって溶出して、標題化合物をフォームとして84%収率(347mg)で得た。
【0650】
【数104】

【0651】
実施例29:N−(3,4−ジメチルベンジル)-2-{3−[2−({(2R)−2−[3−(ホルミルアミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)エチル]フェニル}アセトアミド
【0652】
【化162】

【0653】
製造例102生成物から、実施例4〜12の方法と同様な方法を用いて、標題化合物を固体として製造した。
【0654】
【数105】

【0655】
実施例30〜37
以下に示す一般式で示される下記化合物を、実施例3に関して述べた方法と同様な方法を用いて製造した。適当な出発物質を1〜1.1当量のトリエチルアミン・トリヒドロフルオリドによって室温において18〜72時間処理した。
【0656】
【化163】

【0657】
【化164】

【0658】
【化165】

【0659】
実施例38〜46
テトラヒドロフラン(5ml)中の適当なアミド、トリエチルアミン・トリヒドロフルオリド(1当量)を室温において2日間撹拌した。次に、この混合物を真空濃縮して、残渣をメタノール性アンモニアによって処理して、蒸発させて(x3)、フォームを得て、これをジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(90:10:1)中に入れ、濾過して、次に、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、ジクロロメタン:メタノール:0.88アンモニア(90:10:1)で溶出して、標題化合物をフィルムとして得て、これをメタノール中に溶解し、蒸発させ(x3)、次に、ジエチルエーテル中に懸濁させ、蒸発させて(x3)、白色固体を得た。
【0660】
【化166】

【0661】
【化167】

【0662】
【化168】

【0663】
【化169】

【0664】
実施例51〜55
以下に示す一般式で示される下記化合物を、実施例3に関して述べた方法と同様な方法を用いて製造した。適当な出発物質を1〜1.1当量のトリエチルアミン・トリヒドロフルオリドによって室温において18〜72時間処理した。
【0665】
【化170】

【0666】
【化171】

【0667】
実施例56:3−{(2R)−2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]プロピル}−N−[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロピル]ベンズアミド
【0668】
【化172】

【0669】
製造例138生成物から、実施例38〜50の方法と同様な方法を用いて、標題化合物を褐色ガラス状物質(35mg,31%)として得た。
【0670】
【数106】

【0671】
実施例57:N−{5−[(1R)−2−((1R)−2−{3−[3−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−3−オキソプロピル]フェニル}−1−メチルエチルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−2−ヒドロキシフェニル}ホルムアミド
【0672】
【化173】

【0673】
製造例138生成物から、実施例38〜50の方法と同様な方法を用いて、標題化合物を褐色ガラス状物質(35mg,31%)として得た。
【0674】
【数107】

【0675】
式(1)化合物が強力なβ2アゴニストとして作用する、したがって平滑筋弛緩を仲介することができるか否かは、モルモット気管ストリップの電界刺激収縮に及ぼすβ2アドレナリン受容体刺激の効果の測定によって、判定することができる。
【0676】
モルモット気管
雄、Dunkin-Hartleyモルモット(475〜525g)をCO窒息によって殺して、大腿動脈と気管からの瀉血を単離する。各動物から喉頭直下の切開から開始して、2.5cm長さの気管を取り出して、4標本を得る。気管筋肉に向い合った軟骨を切断することによって、該気管片を開き、次に、横断面を、3〜4個の軟骨環幅に切断する。得られたストリップ標本を、上方と下方の軟骨帯を通して結んだ木綿糸を用いて、5ml器官浴中に吊るす。これらのストリップを、3μMインドメタシン(Sigma 17378)、10μMグアネチジン(Sigma G8520)及び10μMアテノロール(Sigma A7655)を含有する改変Krebs Ringerバッファー(Sigma K0507)中で20分間、平衡させ、張力を与えずに維持し、37℃において加熱し、95%O/5%COによってガス処理してから、1gの初期張力を与える。これらの標本をさらに30〜45分間平衡させ、この時間中に、これらに15分間間隔で2回、再度張力(1gに)を与える。張力の変化を記録して、データ収集システム(Pfizerで特別注文)に結合した標準アイソメトリック・トランスデューサーによってモニターする。張力平衡後に、組織を電界刺激(EFS)に下記パラメーター:2分間毎に10sトレイン、0.1msパルス幅、10Hzとジャストマキシマル電圧(25Volt)、実験の長さを通して連続的、を用いて、さらす。気管における神経節後のコリン作用性神経のEFSは、平滑筋の単相収縮をもたらし、単収縮高さを記録する。蠕動ポンプ系(ポンプ流量7.5ml/分)を用いて、器官浴を上記Krebs Ringerバッファーによって実験を通して絶えず潅流する、但し、本発明によるβ2アゴニストを加えるときを除く、この場合には、浴への累積投与の時間のためにポンプを停止し、最大反応に達した後にウォシュアウト期間のために再び始動させる。
【0677】
効力と効果の評価のための実験プロトコール
EFSへの平衡後に、蠕動ポンプを停止し、標本を300nMイソプレナリン(Sigma 15627)の単回量によって「プライムして(primed)」、収縮性EFS反応の阻害に関して最大反応を確立する。次に、イソプレナリンを40分間の期間にわたってウォッシュアウトする。プライミングとウォッシュアウト回収の後で、濃度の半対数増分を用いる、浴への累積ボラス添加によって、イソプレナリンの基準曲線を全ての組織に対して実行する(イソプレナリン曲線1)。用いる濃度範囲は、1e−9〜1/3e−6Mである。イソプレナリン曲線の最後に、標本を40分間再びウォッシュアウトしてから、イソプレナリン(内部対照として)又は本発明によるβ2アゴニストのいずれかに対する第2曲線を開始する。β2アゴニスト反応は、EFS反応の阻害%として表現する。曲線1にイソプレナリンによって誘導される最大阻害%として阻害を表現することによって、β2アゴニストのデータを標準化する。本発明によるβ2アゴニストのEC50値は、半最大効果を生ずるために必要な、化合物の濃度を意味する。次に、本発明によるβ2アゴニストのデータを、比率(EC50β2アゴニスト)/(EC50イソプレナリン)によって定義される、イソプレナリンに対する相対効力として表現する。
【0678】
β2仲介機能的活性の確認
試験化合物のβ2アゴニスト活性を、上記プロトコールを用いて確認するが、
本発明によるβ2アゴニストの曲線を構成する前に、標本を300nM ICI 118551(選択的β2アンタゴニスト)と共にプレインキュベートする(少なくとも45分間)、これは、β2仲介効果の場合には、試験化合物の用量反応曲線の右方向シフトを生じる。
【0679】
他の代替手段によると、式(1)化合物のβ2受容体のアゴニスト効力は、β2受容体の半最大効果を生じるために必要な、本発明による化合物の濃度(EC50)を測定することによって、算出することもできる。
【0680】
化合物準備
化合物の10mM/100%DMSO(ジメチルスルホキシド)ストックを4%DMSO中で必要な最高用量にまで希釈する。この最高用量を用いて、全て4%DMSO中で、10点半対数希釈曲線を構成する。全ての実験における基準として及び各プレートの対照穴のために、イソプレナリン(Sigma,I-5627)を用いた。データはイソプレナリン反応の%として表現した。
【0681】
細胞培養
ヒトβ2アドレナリン受容体を組み換え的に発現するCHO(チャイニーズ・ハムスター卵巣)細胞(Kobilka et al.,PNAS 84:46-50,1987 and Bouvier et al.,Mol Pharmacol 33:133-139 1988 CHOhβ2から)を、10%ウシ胎児血清(Sigma,F4135,Lot 90K8404 Exp 09/04)と、2mMグルタミン(Sigma,G7513)と、500μg/mlゲネチシン(Sigma G7034)と、10μg/mlプロマイシン(Sigma,P8833)を補充したDulbeccos MEM/NUT MIX F12(Gibco,21331-020)中で増殖させた。細胞を、試験のために約90%集密度を与えるように接種した。
【0682】
アッセイ方法
25μl/穴の各化合物用量をcAMP-Flashplate(登録商標)(NEN,SMP004B)中に、基底対照としての1%DMSOと、最高対照としての100nMイソプレナリンと共に移した。これを25μl/穴のPBSの添加によって1:2に希釈した。細胞をトリプシン処理し(0.25% Sigma,T4049)、PBS(Gibco,14040-174)で洗浄し、刺激バッファー(NEN,SMP004B)中に再懸濁させ、1x10細胞/mlCHOhβ2を得た。化合物を50μl/穴の細胞と共に1時間インキュベートした。次に、0.18μCi/mlの125I−cAMP(NEN,NEX-130)を含有する100μl/穴の検出バッファー(NEN,SMP004B)の添加によって、細胞を溶解して、プレートを室温においてさらに2時間インキュベートした。Flashplate(登録商標)に結合した125I−cAMP量を、Topcount NXT(Packard)、標準カウンティング効率を用いて、1分間定量した。用量−反応データを%イソプレナリン活性として表現して、4パラメーター・シグモイド・フィットを用いてフィットを行った。
【0683】
このようにして、上記実施例1〜57に例示する、本発明による式(1)化合物が5nM未満のβ2cAMP EC50を示すことが、判明している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1):
【化1】

で示される化合物、又は適当である場合には、それらの製薬的に受容される塩及び/若しくは異性体、互変体、溶媒和物又はこれらの同位体変形物、
上記式中、(CH−C(=O)Q基は、メタ又はパラ位置に存在する、
とRは、独立的に、HとC−Cアルキルから選択される;
nは、0、1又は2であり;
は、
【化2】

[式中、pは1若しくは2であり、qは1若しくは2である]で示され、場合によっては、1つの炭素原子によって架橋される基、
【化3】

及び−NR−Q−A[式中、QはC−Cアルキレンであり、RはH若しくはC−Cアルキルであり、Aはピリジル、C−C10シクロアルキル(該シクロアルキルは場合によっては1つ以上の炭素原子によって架橋される)、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、テトラヒドロチオピラニル又は
【化4】

で示される基である]で示される基から選択される基である;
、R、R、R及びRは、同じ又は異なるものであり、H、C−Cアルキル、OR、SR、SOR、SO、ハロ、CO、CF、CN、OCF、SONR10、CONR10、NR10、NHCOR10並びに、OR、ハロ及びC−Cアルキルから選択される1〜3個の基で任意に置換されるフェニルから選択される;
とR10は、同じ又は異なるものであり、H又はC−Cアルキルから選択される、は、該カルボニル基への付着点を表す。
【請求項2】
が、−NH−Q−A(式中、Aはシクロヘキシル又はアダマンチルである)で示される基である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
が、−NH−Q−A[式中、Aは
【化5】

で示される基であり、上記式中、R、R、R、R及びRは、同じ又は異なるものであり、H、C−Cアルキル、OR、SR、SOR、SO、ハロ、CN、CO、CF、OCF、SONR10、CONR10、NR10、NHCOR10並びに、OR、ハロ及びC−Cアルキルから選択される1〜3個の基で任意に置換されるフェニルから選択される、但し、R〜Rの少なくとも2つはHに等しいとする;RとR10は、同じ又は異なるものであり、H又はC−Cアルキルから選択される]で示される基である、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
が、−NH−Q−A[式中、Aは
【化6】

で示される基であり、上記式中、R、R、R、R及びRは、同じ又は異なるものであり、H、OH、CH、OCH、OCF、OCH−CH、SCH、N(CH、N(C=O)CH、C(=O)NH、COOCH、SOCH、SONH、CN、ハロ、CF並びに、OHで任意に置換されるフェニルから選択される]で示される基である、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
Aが、
【化7】

[式中、R〜Rの1つは、OH又は、OHで置換されるフェニルである]で示される基である、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
Aが、任意にOHで置換されるナフチルである、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
が、−CH−、−(CH−、−(CH−、−CH−C(CH−又は−C(CH−である、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
が、−CH−である、請求項7記載の化合物。
【請求項9】
が、
【化8】

[式中、R、R、R及びRがHである]
である、請求項1記載の化合物。
【請求項10】
がH又はC−Cアルキルであり、RがC−Cアルキルである、請求項1〜9のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
がH又はCHであり、RがH又はCHである、請求項10記載の化合物。
【請求項12】
nが0又は1である、請求項1〜11のいずれかに記載の化合物。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載の化合物の(R,R)立体異性体。
【請求項14】
(CH−C(=O)Q基がメタ位置に存在する、請求項1〜13のいずれかに記載の化合物。
【請求項15】
下記化合物:
N−ベンジル−2−(3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
N−(3,4−ジメチルベンジル)−2−(3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
N−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}ベンズアミド;
N−[2−(2−クロロフェニル)エチル]−3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}ベンズアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−(2−ナフタレン−1−イルエチル)ベンズアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−[2−(4−メチルフェニル)エチル]ベンズアミド;
N−[2−(2,6−ジメチルフェニル)エチル]−3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}ベンズアミド;
N−[2−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピルベンズアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−[2−(4−ヒドロキシ−2,3−ジメチルフェニル)エチル]ベンズアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]ベンズアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−フェネチル−ベンズアミド;
N−シクロヘキシルメチル−3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}ベンズアミド;
N−[5−((1R)−2−{1,1−ジメチル−2−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)フェニル]エチルアミノ}−1−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシフェニル]ホルムアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−[2−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル]ベンズアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−(3−フェニルプロピル)ベンズアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−インダン−2−イルベンズアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−(2−ピリジン−2−イルエチル)ベンズアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−[2−(4−スルファモイルフェニル)エチル]ベンズアミド;
N−(4−ジメチルアミノベンジル)−2−(3−{(2R)−2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]プロピル}フェニル)アセトアミド;
N−[5−(2−{(1R)−2−[3−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボニル)−フェニル]−1,1−ジメチル−エチルアミノ}−1−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシフェニル]ホルムアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−(4’−ヒドロキシビフェニル−3−イルメチル)ベンズアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−[2−(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)エチル]ベンズアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−[2−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エチル]ベンズアミド;
N−(4−アセチルアミノベンジル)−2−(3−{(2R)−2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]プロピル}フェニル)アセトアミド;
4−{[2−(3−{(2R)−2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]プロピル}フェニル)アセチルアミノ]メチル}ベンズアミド;
N−アダマンタン−1−イル−3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}ベンズアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−(2−ヒドロキシ−ナフタレン−1−イルメチル)ベンズアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジル)ベンズアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−(6−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イルメチル)ベンズアミド;
N−(3,6−ジクロロ−2−ヒドロキシベンジル)−3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}ベンズアミド;
N−(3,4−ジメチルベンジル)−2−(3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]エチル}フェニル)アセトアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロピル]ベンズアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−N−(4’−ヒドロキシビフェニル−4−イルメチル)ベンズアミド;
N−アダマンタン−1−イル−2−(3−{(2R)−2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]プロピル}フェニル)アセトアミド;
N−[5−(2−{2−[3−(10−アザ−トリシクロ[6.3.1.02,7]ドデカ−2(7),3,5−トリエン−10−カルボニル)フェニル]−1,1−ジメチルエチルアミノ}−1−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシフェニル]ホルムアミド;
2−(3−{(2R)−2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]プロピル}フェニル)−N−(4’−ヒドロキシビフェニル−3−イルメチル)アセトアミド;
4−{[2−(3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)−アセチルアミノ]メチル}安息香酸メチルエステル;
2−(3−{(2R)−2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)−N−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)アセトアミド;
N−(2−クロロ−4−ヒドロキシベンジル)−N−エチル−2−(3−{(2R)−2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
N−(2−クロロ−4−ヒドロキシベンジル)−2−(3−{(2R)−2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;
2−(3−{(2R)−2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]プロピル}フェニル)−N−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジル)アセトアミド;
2−(3−{(2R)−2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]プロピル}フェニル)−N−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イルメチル)アセトアミド;
N−(5−クロロ−2−ヒドロキシベンジル)−2−(3−{(2R)−2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]プロピル}フェニル)アセトアミド;
N−(3,5−ジクロロ−2−ヒドロキシベンジル)−2−(3−{(2R)−2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]プロピル}フェニル)アセトアミド;
2−(3−{(2R)−2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]プロピル}フェニル)−N−(6−ヒドロキシナフタレン−2−イルメチル)アセトアミド;
2−(3−{(2R)−2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]プロピル}フェニル)−N−(4’−ヒドロキシビフェニル−4−イルメチル)アセトアミド;
N−(4−シアノ−ベンジル)−2−(3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−フェニル)−アセトアミド;
2−(3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)−N−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−アセトアミド;
2−(3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−フェニル)−N−(4−メチルスルファニル−ベンジル)−アセトアミド;
2−(3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−フェニル)−N−(4−トリフルオロメチル−ベンジル)−アセトアミド;
2−(3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)−N−(4’−ヒドロキシ−ビフェニル−4−イルメチル)アセトアミド;
N−[2−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−エチル]−3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−ベンズアミド;
2−(3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)−N−(4’−ヒドロキシビフェニル−3−イルメチル)−アセトアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−プロピル}−N−[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロピル]−ベンズアミド;
N−(2−クロロ−4−ヒドロキシベンジル)−2−(3−{(2R)−2−[(2R)−(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]プロピル}フェニル)アセトアミド;
N−[2−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−エチル]−3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}−ベンズアミド;
3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−プロピル}−N−[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロピル]−ベンズアミド;
2−(3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)−N−(テトラヒドロ−チオピラン−4−イル)アセトアミド;
N−(5−クロロ−2−ヒドロキシベンジル)−2−(3−{2−[(2R)−2−(3−ホルミルアミノ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチルアミノ]−2−メチルプロピル}フェニル)アセトアミド;及び
N−{5−[(1R)−2−((1R)−2−{3−[3−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−3−オキソプロピル]フェニル}−1−メチルエチルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−2−ヒドロキシフェニル}ホルムアミド
から成る群から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれかに記載の、式(1)で示される化合物又はその製薬的に受容される塩若しくは誘導形の少なくとも有効量を含む薬剤組成物。
【請求項17】
薬剤として用いるための、請求項1〜15のいずれかに記載の、式(1)で示される化合物、又はその製薬的に受容される塩若しくは誘導形若しくは組成物。
【請求項18】
下記:
型、病因又は病原に拘らず喘息、特に、アトピー性喘息、非アトピー性喘息、アレルギー性喘息、アトピー性気管支IgE仲介喘息、気管支喘息、本態性喘息、真性喘息、病態生理学的障害によって惹起される内因性喘息、環境的要因によって惹起される外因性喘息、未知又は不顕性原因の本態性喘息、非アトピー性喘息、気管支炎性喘息、肺気腫性喘息、運動誘発性喘息、アレルゲン誘発性喘息、冷気誘発性喘息、職業性喘息、細菌、真菌、原生動物又はウイルス感染によって惹起される感染性喘息、非アレルギー性喘息、初期喘息、幼児ゼイゼイ症候群及び気管支梢炎から成る群から選択されるメンバーである喘息;
慢性又は急性の気管支収縮、慢性気管支炎、末梢気道閉塞、及び気腫;
型、病因又は病原に拘らず閉塞性又は炎症性気道疾患、特に、慢性好酸性肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、肺気腫又はCOPDに関連した若しくは関連しない呼吸困難を包含するCOPD、不可逆的進行性気道閉塞を特徴とするCOPD、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、他の薬物療法の結果として生じた気道過敏症の悪化、及び肺高血圧症に関連した気道疾患から成る群から選択されるメンバーである閉塞性又は炎症性気道疾患;
型、病因又は病原に拘らず気管支炎、特に、急性気管支炎、急性喉頭気管支炎、アラキジン酸気管支炎、カタル性気管支炎、クループ性気管支炎、乾性気管支炎、感染性喘息性気管支炎、増殖性気管支炎、ブドウ球菌性又は連鎖球菌性気管支炎、及び肺胞性気管支炎から成る群から選択されるメンバーである気管支炎;
急性肺損傷;
型、病因又は病原に拘らず気管支拡張症、特に、円柱性気管支拡張症、嚢状気管支拡張症、紡錘状気管支拡張症、毛細管性気管支拡張症、嚢胞性気管支拡張症、乾性気管支拡張症及び濾胞状気管支拡張症から成る群から選択されるメンバーである気管支拡張症
から成る群から選択される、疾患、障害及び状態の治療に用いるための薬物の製造への、請求項1〜15のいずれかに記載の式(1)で示される化合物又はその製薬的に受容される塩、誘導形若しくは組成物の使用。
【請求項19】
請求項1〜15のいずれかに記載の式(1)で示される化合物又はその製薬的に受容される塩、誘導形若しくは組成物の有効量で哺乳動物を治療することを含む、β2アゴニストによる、ヒトを含めた哺乳動物の治療方法。
【請求項20】
請求項1〜15のいずれかに記載の化合物と、下記:
(a)5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害剤又は5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)アンタゴニスト、
(b)LTB、LTC、LTD及びLTEのアンタゴニストを含めた、ロイコトリエン・アンタゴニスト(LTRAs)、
(c)H1及びH3アンタゴニストを含めた、ヒスタミン受容体アンタゴニスト、
(d)うっ血除去薬用のα−及びα−アドレナリン受容体アゴニスト血管収縮剤交感神経様作用薬、
(e)ムスカリンM3受容体アンタゴニスト又は抗コリン作用薬;
(f)PDE阻害剤、例えば、PDE3、PDE4及びPDE5阻害剤、
(g)テオフィリン、
(h)クロモグリク酸ナトリウム、
(i)COX阻害剤、非選択性と選択性の両方のCOX−1又はCOX−2阻害剤(NSAIDs)、
(j)経口及び吸入グルココルチコステロイド、
(k)内因炎症性存在に対して活性なモノクローナル抗体、
(l)抗腫瘍壊死因子(anti−TNF−α)剤、
(m)VLA−4アンタゴニストを包含する接着分子阻害剤、
(n)キニン−B−及びB−受容体アンタゴニスト、
(o)免疫抑制剤、
(p)マトリックス・メタロプロテアーゼ(MMPs)の阻害剤、
(q)タキキニンNK、NK及びNK受容体アンタゴニスト、
(r)エラスターゼ阻害剤、
(s)アデノシンA2a受容体アゴニスト、
(t)ウロキナーゼの阻害剤、
(u)ドーパミン受容体に作用する化合物、例えばD2アゴニスト、
(v)NFκβ経路のモジュレーター、例えばIKK阻害剤、
(w)サイトカイン・シグナル伝達経路のモジュレーター、例えばp38MAPキナーゼ又はsykキナーゼ、
(x)粘液溶解薬又は鎮咳剤として分類されうる作用剤
(y)抗生物質、
(z)HDAC阻害剤、及び
(aa)PI3キナーゼ阻害剤
から選択される他の治療剤(単数又は複数)との組み合わせ。

【公表番号】特表2007−530524(P2007−530524A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−504493(P2007−504493)
【出願日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【国際出願番号】PCT/IB2005/000619
【国際公開番号】WO2005/092840
【国際公開日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(593141953)ファイザー・インク (302)
【Fターム(参考)】