説明

アニオン界面活性剤組成物

【課題】起泡性と泡消え性の両方に優れた硫酸エステル塩を高濃度で含有し、且つ流動性に優れたアニオン界面活性剤組成物を提供する。
【解決手段】(a)エチレンオキシ基・プロピレンオキシ基のブロック付加構造を有する特定の硫酸エステル塩及びプロピレンオキシ基・エチレンオキシ基のブロック付加構造を有する特定の硫酸エステル塩から選ばれる硫酸エステル塩、(b)特定のプロピレングリコール硫酸エステル塩、及び(c)水を含有するアニオン界面活性剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硫酸エステル塩を含有するアニオン界面活性剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩は、高級アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加物の硫酸エステル塩からなるアニオン界面活性剤であり、皮膚に対する刺激が少なく、液体洗浄剤、例えば、食器用洗剤、シャンプー、衣料用洗剤等の主活性剤として広く使用されている。
【0003】
また、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩はその一般的な製造法から、単一な物質ではなく、また、主には水を含む組成物として流通されている。その組成物中の一般的なポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩の含有量は、溶液物性から、30質量%未満若しくは70質量%付近となっている。該含有量が30質量%未満の場合、組成物の貯槽や反応槽の容量や生産効率、輸送にかかる経費等の面から好ましいとは言えない。そのため可能な限り高濃度であることが望ましい。また80質量%を超えると流動性が無いため取扱いの面で好ましいとは言えない。
【0004】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩を含有する組成物の低粘度化や高濃度化のための手段が、従来、種々提案されている。特許文献1〜3には、アルキレンエーテルグリコールの硫酸エステル塩と、例えば60質量%を超える濃度の高級アルコール硫酸エステル塩とを含有する界面活性剤組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−117769号公報
【特許文献2】特開昭56−65098号公報
【特許文献3】特開昭56−36596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述の通り、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩は、食器用洗剤、シャンプー、衣料用洗剤等の洗浄剤に応用されているが、洗浄時には豊かな泡立ちがあり起泡性に優れる一方で、すすぎの際には速やかに泡が消失する泡消え性にも優れていることが望ましい場合がある。しかし、起泡性と泡消え性は相反する効果であり、両立は困難である。
【0007】
本発明の課題は、起泡性と泡消え性の両方に優れた硫酸エステル塩を高濃度で含有し、且つ流動性に優れたアニオン界面活性剤組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、(a)下記一般式(a1)で表される硫酸エステル塩及び下記一般式(a2)で表される硫酸エステル塩から選ばれる硫酸エステル塩〔以下、(a)成分という〕を60〜80質量%、(b)下記一般式(b1)で表される化合物〔以下、(b)成分という〕を0.1〜2質量%、及び(c)水〔以下、(c)成分という〕を含有するアニオン界面活性剤組成物に関する。
RO−(EO)m−(PO)n−SO3M (a1)
(式中、Rは炭素数8〜12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基を示し、m及びnはそれぞれ平均付加モル数を示し、mは0.1〜0.6の数、nは0.2〜0.5の数であり、0.3≦m+n≦1.0であり、Mはアルカリ金属又はNH4を示す。)
RO−(PO)n−(EO)m−SO3M (a2)
(式中、Rは炭素数8〜12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基を示し、m及びnはそれぞれ平均付加モル数を示し、mは0.1〜0.6の数、nは0.2〜0.5の数であり、0.3≦m+n≦1.0であり、Mはアルカリ金属又はNH4を示す。)
ZO−(PO)n1−SO3M (b1)
(式中、Zは水素原子又はSO3Mを示し、POはプロピレンオキシ基を示し、n1は1〜8の整数であり、Mはアルカリ金属又はNH4を示す。)
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、起泡性と泡消え性の両方に優れた硫酸エステル塩を高濃度で含有し、且つ流動性に優れたアニオン界面活性剤組成物が提供される。本発明のアニオン界面活性剤組成物は、透明性といった外観にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例で行った泡消え性の評価方法を示す概略図
【図2】実施例の泡消え性の評価で用いたイオン交換水の導入手段(ジョウロ)の穿孔状態を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0011】
<(a)成分>
本発明の界面活性剤組成物は、下記一般式(a1)で表される硫酸エステル塩及び下記一般式(a2)で表される硫酸エステル塩から選ばれる硫酸エステル塩を含有する。
RO−(EO)m−(PO)n−SO3M (a1)
(式中、Rは炭素数8〜12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基を示し、m及びnはそれぞれ平均付加モル数を示し、mは0.1〜0.6の数、nは0.2〜0.5の数であり、0.3≦m+n≦1.0であり、Mはアルカリ金属又はNH4を示す。)
RO−(PO)n−(EO)m−SO3M (a2)
(式中、Rは炭素数8〜12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基を示し、m及びnはそれぞれ平均付加モル数を示し、mは0.1〜0.6の数、nは0.2〜0.5の数であり、0.3≦m+n≦1.0であり、Mはアルカリ金属又はNH4を示す。)
【0012】
ここで一般式(a1)及び(a2)中のRは起泡性、泡消え性、泡持続性、低温安定性や硬水中での安定性といった性能面及び原料の汎用性、取り扱い性、高濃度での流動性の理由から、炭素数8〜12、好ましくは炭素数12である。また、Rは、直鎖が好ましく、直鎖のアルキル基がより好ましい。
【0013】
また、一般式(a1)及び(a2)中、エチレンオキシ基の平均付加モル数m及びプロピレンオキシ基の平均付加モル数nは、起泡性、泡消え性、高濃度での流動性といった性能面から、mは0.1〜0.6、好ましくは0.3〜0.6の数、nは0.2〜0.5、好ましくは0.2〜0.4の数であり、m及びnの数の合計が0.3≦m+n≦1.0、好ましくは0.5≦m+n≦1.0である。
【0014】
また、一般式(a1)及び(a2)中のエチレンオキシ基であるEO及びプロピレンオキシ基であるPOの付加形式は、泡立ち性と希釈時の泡消え性の両立、更に高濃度において流動性の面から、エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基が、−EO−PO−の順〔一般式(a1)〕あるいは−PO−EO−の順〔一般式(a2)〕にブロック付加している。
【0015】
また、一般式(a1)及び(a2)中のMは、塩を形成する陽イオン基であり、アルカリ金属又はNH4である。アルカリ金属としてはナトリウム、カリウム、リチウムが挙げられるが、これらの中でナトリウム、カリウムがより好ましく、ナトリウムが特に好ましい。
【0016】
(a)成分のうち、一般式(a1)で表される硫酸エステル塩は、炭素数8〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有するアルコール1モルにエチレンオキサイドを平均で0.1〜0.6の範囲で付加させる工程、次いで、上記工程で得られたエチレンオキサイド付加物にプロピレンオキサイドを平均で0.2〜0.5、且つ0.3≦m+n≦1.0となる範囲で付加させる工程、次いで上記工程で得られたアルコキシレートを硫酸化し、次いで中和する工程により製造できる。
【0017】
また、(a)成分のうち、一般式(a2)で表される硫酸エステル塩は、炭素数8〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有するアルコール1モルにプロピレンオキサイドを平均で0.2〜0.5の範囲で付加させる工程、次いで、上記工程で得られたプロピレンオキサイド付加物にエチレンオキサイドを平均で0.1〜0.6、且つ0.3≦m+n≦1.0となる範囲で付加させる工程、次いで上記工程で得られたアルコキシレートを硫酸化し、次いで中和する工程により製造できる。
【0018】
<(b)成分>
本発明の(b)成分は、下記一般式(b1)で表される化合物である。
ZO−(PO)n1−SO3M (b1)
(式中、Zは水素原子又はSO3Mを示し、POはプロピレンオキシ基を示し、n1は平均付加モル数を示し、1〜8の数であり、Mはアルカリ金属又はNH4を示す。)
【0019】
(b)成分は、プロピレングリコール硫酸エステルの塩及び/又はポリプロピレングリコール硫酸エステルの塩であり、(a)成分を含有する組成物の流動化剤として作用する。
【0020】
一般式(b1)において、Zは水素原子又はSO3Mを示す。Mはアルカリ金属又はNH4を示す。Mのアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどを例示することができるが、ナトリウム及びカリウムが好ましく、ナトリウムがより好ましい。
【0021】
一般式(b1)中、n1は、1〜8の整数であり、流動性能の点から、1〜4の整数が好ましく、2又は3がより好ましい。よって、(b)成分として、一般式(b1)のn1が2の化合物及び/又はn1が3の化合物を含むことが好ましい。
【0022】
(b)成分は、プロピレングリコールモノ硫酸エステル塩、プロピレングリコールジ硫酸エステル塩、ジプロピレングリコールモノ硫酸エステル塩、ジプロピレングリコールジ硫酸エステル塩、トリプロピレングリコールモノ硫酸エステル塩、トリプロピレングリコールジ硫酸エステル塩、テトラプロピレングリコールモノ硫酸エステル塩、及びテトラプロピレングリコールジ硫酸エステル塩から選ばれる1種以上が好ましい。(b)成分としては、一般式(b1)中のZがSO3Mである、ジ硫酸エステル塩型の化合物が好ましい。よって、(b)成分は、プロピレングリコールジ硫酸エステル塩、ジプロピレングリコールジ硫酸エステル塩、トリプロピレングリコールジ硫酸エステル塩、及びテトラプロピレングリコールジ硫酸エステル塩、から選ばれる1種以上が好ましい。
【0023】
本発明では、ポリプロピレングリコールの硫酸エステル化物のような、一般式(b1)中のn1の異なる化合物の混合物、すなわち、一般式(b1)中のn1が1以上の化合物を複数含有する混合物を、(b)成分を含む混合物として用いることができる。すなわち、本発明のアニオン界面活性剤組成物は、一般式(b1)中のn1が1以上の化合物を複数含有する混合物を配合してなるものであってもよい。その場合、本発明のアニオン界面活性剤組成物中の(b)成分の含有量が0.1〜2質量%となるように用いる。また、このような混合物は、(b)成分である、一般式(b1)中のn1が1〜8である化合物の割合が80質量%以上であることが好ましい。
【0024】
<(c)成分>
本発明のアニオン界面活性剤組成物は、(c)成分として水を含有する。
【0025】
<アニオン界面活性剤組成物>
本発明の組成物は、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩含有組成物である。本発明は(a)成分を高濃度で含有する組成物に関するものであり、組成物中の(a)成分の含有量は60〜80質量%、好ましくは60〜75質量%である。また、本発明のアニオン界面活性剤組成物は、(b)成分を0.1〜2質量%、好ましくは1〜2質量%含有する。好ましくは、(a)成分と(b)成分の質量比は、(a)成分/(b)成分=30/1〜75/1である。特定構造の(a)成分を用い、且つこの範囲で(b)成分を含有することにより、高濃度の(a)成分を含有する組成物でありながら、50℃以下という比較的低温においても優れた流動性が得られ、また透明性が高く、分離することなく均一で良好な外観が得られる。(c)成分は組成物の残部となる量で用いられるが、組成物中、18〜39.9質量%、更に23〜39質量%の含有量とすることができる。
【0026】
本発明のアニオン界面活性剤組成物は、容器からの取り出しなど、取り扱い性の点で、粘度が500Pa・s以下、更に、高濃度化と取扱い性を両立する観点から100〜500Pa・sであることが好ましい。この粘度は、株式会社トキメック製デジタル粘度計(DVL−B II型)にて、組成物の温度40℃、No.4ローターで0.3r/minの条件で測定されたものである。
【0027】
なお、本発明において、アニオン界面活性剤組成物についての「透明性」とは、気泡を除いた状態での目視観察により光を透過すると判断できるものをいう。
【0028】
本発明のアニオン界面活性剤組成物は、各種洗浄剤、例えば、繊維製品用洗浄剤や硬質表面用洗浄剤の製造原料として好適に使用できる。特に、衣料等の繊維製品用洗浄剤の製造原料として好適である。
【実施例】
【0029】
実施例1〜6、比較例1〜4
(1)アニオン界面活性剤組成物の調製
炭素数12のアルコール(花王(株)、製品名:カルコール2098)及びKOHを攪拌装置、温度制御装置、自動導入装置を備えたオートクレーブに仕込み、減圧下にて脱水を行った。脱水後窒素置換を行い、所定の温度まで昇温した後、表1の平均付加モル数となるようにエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれるアルキレンオキサイドを所定の順序で付加するように個別に仕込んだ。付加反応・熟成を行った後、未反応のエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドを除去した。未反応エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド除去後、90%乳酸をオートクレーブ内に加え、攪拌した後、抜き出しを行い、表1の平均アルキレンオキサイド付加モル数であるアルコキシレートを得た。
【0030】
得られたアルコキシレートを、SO3ガスを用いて薄膜式硫酸化反応器にて硫酸化した。得られた硫酸化物に、水酸化ナトリウム水溶液を加えて、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩〔(a)成分〕を含有する高濃度の組成物を得た。
【0031】
また同じくSO3ガスを用いて薄膜式硫酸化反応器にて、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(重量平均分子量400)の硫酸化を行った。その際、硫酸化の対象化合物(原料)に対して、SO3が2モル倍(原料の水酸基価より求めた−OH基の数に対して当量のSO3)以上となるようにSO3ガスを加えて硫酸化を行った。よって、本例で得られる硫酸化物は、ジエステル型の化合物を主体とするものである。得られた硫酸化物に、水酸化ナトリウム水溶液を加えて、各ポリオキシアルキレン硫酸ジエステル塩〔(b)成分〕を得た。表1中、「POA種類」は、ここで用いたポリオキシアルキレンの種類である。
【0032】
上記で得られたポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩〔(a)成分〕と各ポリオキシアルキレングリコール硫酸ジエステル塩〔(b)成分又は比較の化合物〕とを混合して、表1に示す組成のアニオン界面活性剤組成物を得た。実施例の組成物はいずれも透明性を有していた。
【0033】
(2)評価
(2−1)粘度
表1のアニオン界面活性剤組成物を遠心分離機にて泡を除去した後、株式会社トキメック製デジタル粘度計(DVL−B II型)にて粘度の測定を行った。尚、測定条件は40℃、No.4ローターで0.3r/minとし、単位はPa・sとした。この評価では、粘度が500Pa・s以下であれば流動性が良好でハンドリングが容易な物性であると判断した。
【0034】
(2−2)初期泡量
アニオン界面活性剤組成物を、(a)成分及び(b)成分の合計濃度が34mMになる様にイオン交換水で希釈し、特開2008−260852号公報の図1記載のポンプフォーマー容器に充填した。ここで、泡吐出機構には、メッシュサイズ200/インチのメッシュが1枚装着されていた。次いで、容器上部のポンプヘッド部を3プッシュ連続して押し切ることにより、3gの泡を500mlのメスシリンダー(材質:ガラス、IWAKI製)の中に作製した。なお、押し切るスピードは、1プッシュあたり1秒のスピードで行なった。メスシリンダーの目盛りからその容量を記録し、初期泡量とした。この評価では、泡量が18ml以上であれば十分な泡立ちであると判断した。
【0035】
(2−3)泡消え性
上記の初期泡量の測定で発生した泡に対して、メスシリンダーの上部に設置したイオン交換水の導入手段(手製のジョウロ)を通してイオン交換水を泡に100ml添加し、添加後30秒間静置する操作を2回繰り返し(100mlのイオン交換水を添加するのは計3回で、合計添加量は300mlとなる)た後の泡量を測定した。初期泡量とイオン交換水300ml(100mlを3回)添加後の泡量とから、次式で示す泡量変化率を求め、泡消え性を評価した。この評価では、泡量変化率が40%以上であれば希釈(すすぎ)による速やかな泡消え性が達成できるものと判断した。
泡量変化率(%)=[1−(イオン交換水300ml添加後の泡量/初期の泡量)]×100
【0036】
イオン交換水をメスシリンダーに添加するときの様子を図1に示す。図1中、1はメスシリンダー、2は泡、3はイオン交換水の導入手段(手製のジョウロ)、4は該導入手段の開口部であり、図2はイオン交換水の導入手段3の開口部4の穿孔状態を示す概略図である。イオン交換水の導入手段である手製のジョウロの作製方法は、以下の通りである。先ず、250mlのポリプロピレン製広口びん(アズワン製:アイボーイ広口びん)の底部から高さ約3分の1の本体部分迄を切除した。次いで、直径4cmの薄い円状のポリエチレン製板に対して、図2に示すように、9mm間隔で13個の直径2mmの穴を開けたポリエチレン製多孔板を用意した。最後に、切除した広口びん上部のフタ開口部(直径4cm)に対して、上記のポリエチレン製多孔板を開口部4として固定してイオン交換水の導入手段3(手製のジョウロ)を作製した。このようにして作製したイオン交換水の導入手段3(手製のジョウロ)を、図1のように、倒置状態に保ちながら、メスシリンダー1の開口部にはめ込んだ。イオン交換水は広口びんの切除側から投入した。
【0037】
【表1】

【0038】
表1中の成分は以下のものである。なお、未反応分等の微量成分は、表1では省略した。
・PG:プロピレングリコール
・DPG:ジプロピレングリコール
・PPG400:ポリプロピレングリコール(重量平均分子量400)、硫酸化物は、一般式(b1)中、n1が1〜8の整数である化合物の含有量が87質量%

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)下記一般式(a1)で表される硫酸エステル塩及び下記一般式(a2)で表される硫酸エステル塩から選ばれる硫酸エステル塩を60〜80質量%、(b)下記一般式(b1)で表される化合物を0.1〜2質量%、及び(c)水を含有するアニオン界面活性剤組成物。
RO−(EO)m−(PO)n−SO3M (a1)
(式中、Rは炭素数8〜12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基を示し、m及びnはそれぞれ平均付加モル数を示し、mは0.1〜0.6の数、nは0.2〜0.5の数であり、0.3≦m+n≦1.0であり、Mはアルカリ金属又はNH4を示す。)
RO−(PO)n−(EO)m−SO3M (a2)
(式中、Rは炭素数8〜12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基を示し、m及びnはそれぞれ平均付加モル数を示し、mは0.1〜0.6の数、nは0.2〜0.5の数であり、0.3≦m+n≦1.0であり、Mはアルカリ金属又はNH4を示す。)
ZO−(PO)n1−SO3M (b1)
(式中、Zは水素原子又はSO3Mを示し、POはプロピレンオキシ基を示し、n1は1〜8の整数であり、Mはアルカリ金属又はNH4を示す。)
【請求項2】
(b)が、一般式(b1)中のn1が1〜4の化合物である、請求項1記載のアニオン界面活性剤組成物。
【請求項3】
(a)成分と(b)成分の質量比が、(a)成分/(b)成分=30/1〜75/1である、請求項1又は2記載のアニオン界面活性剤組成物。
【請求項4】
一般式(1)のRが炭素数12の直鎖アルキル基である、請求項1から3のいずれか記載のアニオン界面活性剤組成物。
【請求項5】
一般式(a1)又は(a2)中のmが0.3〜0.6である、請求項1から4のいずれか記載のアニオン界面活性剤組成物。
【請求項6】
一般式(a1)又は(a2)中のnが0.2〜0.4である、請求項1から5のいずれか記載のアニオン界面活性剤組成物。
【請求項7】
一般式(1)のMがナトリウムである、請求項1から6のいずれか記載のアニオン界面活性剤組成物。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−82856(P2013−82856A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225369(P2011−225369)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】