説明

アプリケーションのロック解除システムおよびロック解除用プログラム

【課題】面倒な操作や作業をすることなく、アプリケーションに設定されたロックを簡単に解除できるようにする。
【解決手段】スマートフォン100でアプリケーションの起動が指示されたときに、ICカード200から鍵情報を無線通信により取得する鍵情報取得部11と、当該取得した鍵情報と、スマートフォン100に予め記憶されている認証用鍵情報とが一致するか否かを判定し、一致する場合に、アプリケーションに設定されたロックを解除するロック解除処理部12とを備え、スマートフォン100でアプリケーションを使用しようとするときに、ユーザがパスワードを手入力したり、ICカードをアダプタにより接続したりすることなく、ただ単にICカード200をスマートフォン100に近づけるだけで、鍵情報が無線通信され、アプリケーションに設定されたロックが解除されるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アプリケーションのロック解除システムおよびロック解除用プログラムに関し、特に、アプリケーションプログラムの使用を制限するためのロック機能の設定を解除する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話の機能と携帯情報端末(PDA)の機能とを融合させた携帯端末が提供されている。この種の携帯端末は、スマートフォンと呼ばれており、通常の通話機能だけでなく、PDAが得意とする各種のアプリケーション機能を持っている。多くのスマートフォンは、タッチパネル画面を備えている。このタッチパネル画面には、通話を含む複数のアプリケーションを利用するための操作キー(アイコン)が表示され、当該アイコンのタッチ操作によって所望のアプリケーションプログラムを簡単に起動できるようになされている。
【0003】
一方、アプリケーションプログラム(以下、単にアプリケーションという)の使用を制限するためのロック機能が提供されている。従来のロック機能では、ロック対象として指定されたアプリケーションを起動させるためにユーザがアイコンを操作すると、パスワード入力画面が表示される。ここで、ユーザが正しいパスワードを入力すると、対象のアプリケーションが起動し、通常に使用できる状態となる。このロック機能は、スマートフォンを紛失した場合などの万が一のためのセキュリティとして有効な機能であるが、アプリケーションを使用する都度パスワードを手入力しなければならないという面倒があった。
【0004】
なお、ICカードを利用してパスワード認証を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の技術では、ICカード内のフラッシュメモリに、特定サイトに対応するURLやパスワードを予め格納しておく。そして、アダプタを介して携帯電話機にICカードを接続した状態で、携帯電話機から特定サイトへのアクセスを専用サーバに対して要求すると、専用サーバからの要求に応じて携帯電話機がパスワードをICカードから読み出して送信することにより、特定サイトへのアクセス権を取得するようになされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−197286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、携帯電話機から特定サイトへアクセスしようとするときは、その都度、ICカードを携帯電話機にアダプタにより接続しなければならないという面倒があった。また、特許文献1に記載の技術は、アプリケーションのロックをパスワードにより解除するものではない。そこで、本発明は、面倒な操作や作業をすることなく、アプリケーションに設定されたロックを簡単に解除できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するために、本発明では、端末装置でアプリケーションの起動が指示されたときに、端末装置が記録媒体から鍵情報を無線通信により取得する。そして、記録媒体から取得した鍵情報と、端末装置に予め記憶されている認証用鍵情報とが一致するか否かを端末装置にて判定し、一致する場合に、アプリケーションに設定された使用制限のためのロックを解除するようにしている。
【発明の効果】
【0008】
上記のように構成した本発明によれば、端末装置でアプリケーションを使用しようとするときに、ユーザがパスワードを手入力したり、ICカードをアダプタにより接続したりすることなく、ただ単に記録媒体を端末装置に近づけるだけで、鍵情報が無線通信され、アプリケーションに設定された使用制限のためのロックが解除される。これにより、ユーザが面倒な操作や作業をすることなく、アプリケーションのロックを簡単に解除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態によるアプリケーションのロック解除システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態による登録画面の一例を示す図である。
【図3】本実施形態によるロック画面の一例を示す図である。
【図4】本実施形態によるアプリケーションのロック解除システムの動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態によるアプリケーションのロック解除システムの構成例を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態によるアプリケーションのロック解除システムは、アプリケーションが記憶された端末装置100と、アプリケーションに設定された使用制限のためのロックを解除するための鍵情報が記憶された記録媒体200とを備えて構成されている。
【0011】
端末装置100は、例えばスマートフォンである。記録媒体200は、例えばICカードである。以下では、スマートフォン100およびICカード200と記す。これらのスマートフォン100およびICカード200は、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信機能を備え、互いが通信可能圏内に近接したときに、鍵情報を無線通信可能に構成されている。
【0012】
ICカード200は、固有ID記憶部21、ID読出部22および無線通信部23を備えている。固有ID記憶部21は、ICカード200に固有のIDを記憶している。NFC機能を搭載したICカード200の例として、Felica(登録商標)やMifare(登録商標)がある。Felicaには、「IDm」といって、カード製造時にICチップに記録され書き換えができない固有のIDが割り当てられている。同様に、Mifareには、「UID」といって、カード製造時にICチップに記録され書き換えができない固有のIDが割り当てられている。本実施形態では、このような固有IDを鍵情報として用いる。
【0013】
ID読出部22は、スマートフォン100からの要求に応じて、固有ID記憶部21から固有IDを読み出して無線通信部23に供給する。スマートフォン100からの要求は、ロック解除用に使用するICカード200をスマートフォン100に登録するときや、所望のアプリケーションに設定されているロックを解除するときに行われる(詳しくは後述する)。
【0014】
無線通信部23は、スマートフォン100との間で無線通信を行う。具体的には、無線通信部23は、スマートフォン100から送られてくる鍵情報の取得要求を受信してID読出部22に通知し、その応答として固有ID記憶部21から読み出された鍵情報としての固有IDをスマートフォン100に送信する。
【0015】
スマートフォン100は、アプリケーション記憶部1、ロック設定・解除用プログラム記憶部2、アプリケーション実行部3、無線通信部4、ID登録部5、認証用鍵情報記憶部6、対象アプリ選択部7、対象アプリ記憶部8、操作受付部9、ロック設定処理部10、鍵情報取得部11およびロック解除処理部12を備えて構成されている。
【0016】
アプリケーション記憶部1は、スマートフォン100にインストールされた各種アプリケーションを記憶する。ロック設定・解除用プログラム記憶部2は、アプリケーション記憶部1に記憶された各種アプリケーションに対してロックの設定および解除に関する処理を行うためのロック設定・解除用プログラムを記憶する。このロック設定・解除用プログラムは、特許請求の範囲のロック解除用プログラムに相当する。
【0017】
アプリケーション実行部3は、アプリケーション記憶部1に記憶された各種アプリケーションのうち、ユーザがタッチパネル等の操作部(図示せず)を操作して選択した所望のアプリケーションを起動して実行する。ロックが設定されているアプリケーションについては、そのロックを解除しなければ起動できないようになされている。このロックの設定・解除の仕組みについては詳細を後述する。
【0018】
無線通信部4は、ICカード200との間で無線通信を行う。具体的には、無線通信部4は、ICカード200に対して鍵情報の取得要求を送信し、その応答としてICカード200から送られてくる鍵情報としての固有IDを受信する。そして、受信した固有IDをID登録部5または鍵情報取得部11に供給する。ID登録部5または鍵情報取得部11のどちらに固有IDを供給するかについては、鍵情報の取得要求を発行した方である。
【0019】
ID登録部5は、ユーザがタッチパネルを操作して、ロック解除用に使用するICカード200の登録を指示したときに、図2に示すような登録画面をタッチパネルに表示させる。この登録画面には、ICカード200をスマートフォン100に近づけることをユーザに促すメッセージが含まれている。また、ID登録部5は、鍵情報の取得要求を発行して無線通信部4に供給する。このとき、ICカード200がスマートフォン100に近づけられていると、無線通信部4は鍵情報の取得要求をICカード200に送信することができる。
【0020】
そして、ID登録部5は、無線通信部4が上記の取得要求をICカード200に送信したことの応答して返信されてくる固有IDを、認証用鍵情報として認証用鍵情報記憶部6に記憶させる。これにより、ICカード200の固有ID記憶部21に記憶されている固有IDが、スマートフォン100の認証用鍵情報記憶部6に認証用鍵情報として登録される。
【0021】
対象アプリ選択部7は、ユーザによるタッチパネルに対する操作を通じて、アプリケーション記憶部1に記憶されている各種アプリケーションの中から、ロックを設定する対象のアプリケーションを選択する。例えば、対象アプリ選択部7は、タッチパネルに各種アプリケーションの一覧を表示させ、その中からロック対象のアプリケーションをユーザが選択できるようになされている。対象アプリ記憶部8は、対象アプリ選択部7により選択されたアプリケーションの識別情報を記憶する。
【0022】
操作受付部9は、ユーザによる操作部に対する各種操作を受け付ける。具体的には、操作受付部9は、アプリケーション記憶部1に記憶された各種アプリケーションのうち、所望のアプリケーションを選択して実行させることを指示するための操作を受け付ける。この操作は、例えば、スマートフォン100のタッチパネルに表示されたアイコンをタッチする操作である。操作受付部9は、この操作を受け付けたときに、選択されたアプリケーションの実行が指示されたことをアプリケーション実行部3に通知する。
【0023】
また、操作受付部9は、ロック解除用に使用するICカード200の登録を指示するための操作を受け付ける。この操作も、例えば、スマートフォン100のタッチパネルに表示されたアイコンをタッチする操作である。操作受付部9は、この操作を受け付けたときに、ICカード200の登録が指示されたことをID登録部5に通知する。
【0024】
さらに、操作受付部9は、ロック対象のアプリケーションを選択する操作を受け付ける。この操作は、上述したように、スマートフォン100のタッチパネルに表示された各種アプリケーションの一覧の中から何れかを選択するタッチ操作である。操作受付部9は、この操作を受け付けたときに、対象アプリの選択が指示されたことを対象アプリ選択部7に通知する。
【0025】
ロック設定処理部10は、対象アプリ記憶部8に記憶されたロック対象のアプリケーションについて、これをアプリケーション実行部3が起動して実行しようとするときに、その動作をロックする。具体的には、ロック設定処理部10は、所定のロック画面をタッチパネルに全画面表示させ、ホームキー以外の操作(タッチパネルに対する操作)は一切できないようにする。このロック画面には、図3に示すように、ICカード200をスマートフォン100に近づけるとロックが解除されることを示すメッセージが含まれている。
【0026】
鍵情報取得部11は、対象アプリ記憶部8に記憶されたロック対象のアプリケーションについて、これをアプリケーション実行部3が起動して実行しようとするときに、鍵情報の取得要求を発行して無線通信部4に供給する。このとき、図3に示したロック画面のメッセージにユーザが促されて、ICカード200がスマートフォン100に近づけられていると、無線通信部4は鍵情報の取得要求をICカード200に送信することができる。
【0027】
そして、鍵情報取得部11は、無線通信部4が上記の取得要求をICカード200に送信したことの応答して返信されてくる固有IDを取得する。鍵情報取得部11は、ICカード200から無線通信により取得した固有IDをロック解除処理部12に供給する。
【0028】
ロック解除処理部12は、鍵情報取得部11によりICカード200から鍵情報としての固有IDを取得できたか否かを判定する。また、ロック解除処理部12は、固有IDを取得できたと判定した場合に、当該取得した固有IDと、認証用鍵情報記憶部6に認証用鍵情報として記憶されている固有IDとが一致するか否かを判定する。そして、双方の固有IDが一致すると判定した場合に、アプリケーションのロックを解除する。
【0029】
ロック解除処理部12によってアプリケーションのロックが解除されると、そのアプリケーションがアプリケーション実行部3により起動して実行される。その結果、図3に示したロック画面が消えて、アプリケーションの初期画面がタッチパネルに表示される。これにより、アプリケーションを使用可能な状態となる。一方、ICカード200から固有IDを取得できないか、取得した固有IDと認証用の固有IDとが一致しない場合には、ロック解除処理部12はアプリケーションのロックを解除しない。この場合は、ロック画面がタッチパネルに表示された状態のままとなる。
【0030】
なお、以上に説明したスマートフォン100の各機能ブロックのうち、ID登録部5、対象アプリ選択部7、ロック設定処理部10、鍵情報取得部11およびロック解除処理部12の各機能は、スマートフォン100に搭載されたCPUあるいはMPUが、ロック設定・解除用プログラム記憶部2に記憶されたロック設定・解除用プログラムに従って動作することによって実現される。
【0031】
ロック設定・解除用プログラム記憶部2に記憶するロック設定・解除用プログラムは、例えばインターネット等のネットワークを介してスマートフォン100にダウンロードすることが可能である。または、ロック設定・解除用プログラムをスマートフォン100に予めインストールしておいてもよい。予めインストールする場合、ロック設定・解除用プログラムをCD−ROMのような記録媒体に記録し、これをスマートフォン100に読み込ませることによって実現することができる。ロック設定・解除用プログラムを記録する記録媒体としては、CD−ROM以外に、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光ディスク、光磁気ディスク、DVD、不揮発性メモリカード等を用いることができる。
【0032】
次に、上記のように構成した本実施形態によるロック解除システムの動作を説明する。図4は、本実施形態によるロック解除システムの動作例を示すフローチャートである。図4に示すフローチャートは、ユーザがタッチパネルに表示されたアイコンを操作して所望のアプリケーションの実行を指示したときに開始する。なお、図4に示すフローチャートの開始時点において、ICカード200の固有IDは既に認証用鍵情報記憶部6に登録され、ロック対象のアプリケーションは既に対象アプリ記憶部8に登録されているものとする。
【0033】
ユーザによるアプリケーションの実行指示に関する操作を操作受付部9が受け付けると、その旨の通知を受けてアプリケーション実行部3は、選択されたアプリケーションがロック対象として指定されているか否かをロック設定処理部10に問い合わせる。ロック設定処理部10は、対象アプリ記憶部8を参照し、選択されたアプリケーションがロック対象として指定されているか否かを判定する(ステップS1)。
【0034】
ここで、ユーザにより実行指示されたアプリケーションがロック対象として指定されている場合、ロック設定処理部10は、タッチパネルにロック画面を表示させることにより、アプリケーションを使用できない状態に制限する(ステップS2)。また、ロック設定処理部10は、アプリケーションがロック対象となっていることをアプリケーション実行部3に回答する。アプリケーション実行部3は、その回答内容を鍵情報取得部11に通知する。
【0035】
アプリケーションがロック対象となっている旨の通知を受けて、鍵情報取得部11は、鍵情報の取得要求を発行して無線通信部4に供給する。無線通信部4は、その鍵情報の取得要求をICカード200に送信する(ステップS3)。その後、鍵情報取得部11は、鍵情報の取得要求を送信したことの応答として、ICカード200から鍵情報として送られてくる固有IDを取得できたか否かを判定する(ステップS4)。
【0036】
ここで、ICカード200がスマートフォン100に近づけられていないと、鍵情報取得部11はICカード200から固有IDを取得できない。その場合、操作受付部9は、スマートフォン100のホームキーが操作されたか否かを判定し、操作されていなければステップS2に戻り、ロック画面を表示し続ける。一方、ホームキーが操作された場合は、図4に示すフローチャートの処理は終了する。
【0037】
ユーザがロック画面のメッセージに促されてICカード200をスマートフォン100に近づけると、鍵情報取得部11はICカード200から固有IDを取得できる。その場合、鍵情報取得部11は、ICカード200から取得した固有IDをロック解除処理部12に供給する。ロック解除処理部12は、ICカード200から取得した固有IDと、認証用鍵情報記憶部6に予め記憶されている認証用の固有IDとが一致するか否かを判定する(ステップS6)。
【0038】
ここで、固有IDが一致した場合、ロック解除処理部12はアプリケーションのロックを解除する(ステップS7)。このロック解除を受けてアプリケーション実行部3は、アプリケーションを起動して実行させる(ステップS8)。これにより、ユーザが実行指示したアプリケーションが使用可能な状態となり、図4に示すフローチャートの処理は終了する。一方、固有IDが一致しない場合、ロック解除処理部12は「カードが違います」といったエラーメッセージを表示させる(ステップS9)。そして、処理はステップS2に戻る。
【0039】
なお、上記ステップS1において、ユーザにより実行指示されたアプリケーションがロック対象として指定されていないと判断した場合、処理はステップS8に進み、指定されたアプリケーションを起動して実行させる。これにより、図4に示すフローチャートの処理は終了する。
【0040】
以上詳しく説明したように、本実施形態では、ユーザがスマートフォン100でアプリケーションの起動を指示した後、ICカード200をスマートフォン100に近づけると、スマートフォン100がICカード200から鍵情報(固有ID)を無線通信により取得する。そして、ICカード200から取得した鍵情報と、スマートフォン100の認証用鍵情報記憶部6に予め登録しておいた認証用鍵情報(固有ID)とが一致するか否かを判定し、一致する場合に、アプリケーションに設定されたロックを解除するようにしている。
【0041】
このように構成した本実施形態によれば、スマートフォン100でアプリケーションを使用しようとするときに、ユーザがパスワードを手入力したり、ICカードをアダプタにより接続したりすることなく、ただ単にICカード200をスマートフォン100に近づけるだけで、鍵情報が無線通信され、アプリケーションに設定された使用制限のためのロックが解除される。これにより、ユーザが面倒な操作や作業をすることなく、アプリケーションのロックを簡単に解除することができる。
【0042】
また、本実施形態では、ロック解除のための鍵情報として、ICカード200の固有ID(Felicaの「IDm」やMifareの「UID」など)を用いている。この固有IDは書き換えができないため、悪意の第三者が複製のカードを作って不正使用することを防止できる。
【0043】
なお、上記実施形態において、ロック解除後のロックし忘れを防止するため、ロックを解除した後で次にロックを自動的に設定するまでの時間をユーザが任意に指定できるようにしてもよい。ただし、指定した時間が経過したときにアプリケーションが実行中の場合には、当該アプリケーションを継続して実行できるようにし、実行を終了した時点でロックを設定するようにする。なお、指定時間を「0」にした場合は、アプリケーションの実行が終了するとすぐにロックを設定する。
【0044】
また、上記実施形態では、記録媒体の一例としてICカード200を挙げて説明したが、このICカード200の例として、ICテレフォンカード、たばこカード、住民基本台帳カード、社員証、学生証などを用いることができる。また、ICカード200の代わりに、Suica、Edy、PASMO、ICOCA、おサイフケータイなどの交通系カードや電子マネー機器などを用いてもよい。さらに、物流や小売などで使用されるICタグを用いてもよい。
【0045】
また、上記実施形態では、端末装置の一例としてスマートフォン100挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、PDA、タブレット端末、パーソナルコンピュータなど、アプリケーションがインストールされる情報機器であれば何れを用いてもよい。
【0046】
また、上記実施形態では、ロック対象に指定されているアプリケーションの実行が指示されたときに、ロック画面を全画面表示させてアプリケーションを使用できない状態にし、鍵情報に基づいてロックが解除された後で、アプリケーションを起動するようにしているが、本発明はこれに限定されない。例えば、アプリケーションの実行が指示されたときに、アプリケーションを起動しつつ、タッチパネルにはロック画面を全画面表示させてアプリケーションを使用できない状態にしてもよい。このようにすれば、ロックが解除されたときに、アプリケーションを使用可能な状態にするまでの時間を短くすることができる。
【0047】
また、上記実施形態では、ユーザにより実行の指示が行われたアプリケーションだけを対象にしてロックを解除するようにしているが、本発明はこれに限定されない。例えば、ICカード200をスマートフォン100に近づけたときに、ロック対象に指定されているアプリケーションの全てについてロックを一括して解除するようにしてもよい。
【0048】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 アプリケーション記憶部
2 ロック設定・解除用プログラム記憶部
3 アプリケーション実行部
4 無線通信部
5 ID登録部
6 認証用鍵情報記憶部
7 対象アプリ選択部
8 対象アプリ記憶部
9 操作受付部
10 ロック設定処理部
11 鍵情報取得部
12 ロック解除処理部
100 端末装置(スマートフォン)
200 記録媒体(ICカード)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションプログラムが記憶された端末装置と、上記アプリケーションプログラムに設定された使用制限のためのロックを解除するための鍵情報が記憶された記録媒体とを備えて成るアプリケーションのロック解除システムであって、
上記端末装置および上記記録媒体は、近距離無線通信機能を備え、互いが通信可能圏内に近接したときに上記鍵情報を無線通信可能に構成されており、
上記端末装置は、認証用鍵情報を記憶する認証用鍵情報記憶部と、
上記アプリケーションプログラムの起動が指示されたときに、上記記録媒体から上記鍵情報を無線通信により取得する鍵情報取得部と、
上記鍵情報取得部により上記記録媒体から上記鍵情報を取得できたか否かを判定するとともに、上記鍵情報を取得できた場合には、当該取得した上記鍵情報と上記認証用鍵情報記憶部に記憶されている上記認証用鍵情報とが一致するか否かを判定し、一致する場合に上記ロックを解除するロック解除処理部とを備えたことを特徴とするアプリケーションのロック解除システム。
【請求項2】
上記記録媒体に記憶された鍵情報は、上記記録媒体の固有IDであり、
上記端末装置の認証用鍵情報記憶部に記憶された上記認証用鍵情報は、上記記録媒体から無線通信により取得して登録した上記固有IDであることを特徴とする請求項1に記載のアプリケーションのロック解除システム。
【請求項3】
アプリケーションプログラムが記憶された端末装置と、上記アプリケーションプログラムに設定された使用制限のためのロックを解除するための鍵情報が記憶された記録媒体とを備え、上記端末装置および上記記録媒体が近距離無線通信機能を備えたアプリケーションのロック解除システムにおいて、上記端末装置にインストールされるロック解除用プログラムであって、
上記アプリケーションプログラムの起動が指示されたときに、上記記録媒体から上記鍵情報を無線通信により取得する鍵情報取得手段、および
上記鍵情報取得手段により上記記録媒体から上記鍵情報を取得できたか否かを判定するとともに、上記鍵情報を取得できた場合には、当該取得した上記鍵情報と認証用鍵情報記憶部に予め記憶されている認証用鍵情報とが一致するか否かを判定し、一致する場合に上記ロックを解除するロック解除処理手段、
として上記端末装置を機能させるためのコンピュータ読み取り可能なロック解除用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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